説明

プロセス動作を保護するためのモータ保護システムの使用

【課題】プロセス動作を保護するためにモータ保護システムを使用する手法を提供する。
【解決手段】コントローラ220は、モータ保護測定値を使用して、リードモータ駆動式原動機120が故障しているかどうかを判定する。リードモータ駆動式原動機120が故障しているという判定に応答して、故障したリードモータ駆動式原動機120をトリップする前にラグモータ駆動式原動機130の動作をアクティブ化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にモータ保護システムに関し、より具体的には、モータ保護システムから生成されたモータ保護測定値を使用してプロセス動作をモニタリングすることに関する。
【背景技術】
【0002】
しばしば、プロセス動作は、プロセスに関連する変化する動作状態および物理的状態のいずれかを制御することによってモニタリングされる。これらの変化する動作状態および物理的状態は、プロセス変数と呼ばれる。プロセス動作のプロセス変数の例には、温度、速度、圧力、流量などがあり得る。通常、プロセス動作の制御戦略は、これらの変数のために規定されている限度に関してこれらのプロセス変数をモニタリングし、制御することを中心とする。プロセスにおいて使用される特定のアセットまたは機械の動作状態は、通常、プロセス動作の制御戦略では考慮されない。
【発明の概要】
【0003】
本発明の一態様では、システムを提供する。本システムは、少なくとも2つの冗長モータ駆動式原動機を備える。少なくとも2つの冗長モータ駆動式原動機の1つは、リードモータ駆動式原動機を備え、少なくとも2つの冗長モータ駆動式原動機の他方は、リードモータ駆動式原動機が故障していることに応答して動作するラグモータ駆動式原動機を備える。少なくとも2つの冗長モータ駆動式原動機に結合された複数のセンサは、少なくとも2つの冗長モータ駆動式原動機に関連する動作データを測定する。複数のセンサに結合されたモータ保護システムは、複数のセンサによって測定された動作データから複数のモータ保護測定値を生成する。少なくとも2つの冗長モータ駆動式原動機およびモータ保護システムに結合されたコントローラは、複数のモータ保護測定値に応じて少なくとも2つの冗長モータ駆動式原動機の動作を制御する。コントローラは、複数のモータ保護測定値を使用して、リードモータ駆動式原動機が故障しているかどうかを判定する。コントローラは、リードモータ駆動式原動機が故障しているという判定に応答して、ラグモータ駆動式原動機の動作をアクティブ化する。コントローラは、故障したリードモータ駆動式原動機をトリップする前にラグモータ駆動式原動機の動作をアクティブ化する。
【0004】
本発明の他の態様では、流体を移動させる原動機システムを開示する。原動機システムは、流体を移動させる第1のモータによって駆動されるリード原動機を備える。第2のモータによって駆動されるラグ原動機は、第1のモータが故障していることに応答して流体を移動させる。複数のセンサは、リード原動機の第1のモータおよびラグ原動機の第2のモータに関連する動作データを測定する。第1のモータ保護システムは、第1のモータに関連する動作データから複数のモータ保護測定値を生成し、第2のモータ保護システムは、第2のモータに関連する動作データから複数のモータ保護測定値を生成する。コントローラは、第1のモータ保護システムおよび第2のモータ保護システムによって生成された複数のモータ保護測定値に応じてリード原動機およびラグ原動機の動作を制御する。コントローラは、複数のモータ保護測定値を使用して、リード原動機が故障しているかどうかを判定する。コントローラは、リード原動機が故障しているという判定に応答してラグ原動機の動作をアクティブ化する。コントローラは、故障したリード原動機をトリップする前にラグ原動機の動作をアクティブ化する。コントローラは、リード原動機およびラグ原動機が使用されるプロセスのために定義されたモータ保護曲線を利用して、これらの原動機の動作をガイドする。モータ保護曲線は、過負荷電流レベルで故障したリード原動機を動作させるための安全な実行時、および故障したリード原動機をトリップする前にラグ原動機の動作をアクティブ化するための最大バックアップ起動時間を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】本発明の諸実施形態をそこで実施することができるプロセス動作を例示する概略図である。
【図2】本発明の一実施形態による図1に示す冗長モータ駆動式原動機の動作をモニタリングし制御するために使用することができるシステムを例示する図である。
【図3】図1に示す冗長モータ駆動式原動機が動作するプロセスを制御するように定義されたモータ保護曲線を生成するために使用することができる通常の3相モータのためのモータ保護曲線の典型的なセットを示す図である。
【図4】本発明の一実施形態による、図2に示すシステムを用いて図1に示す冗長モータ駆動式原動機を制御しモニタリングすることに関連する動作を説明する流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明の様々な実施形態は、プロセスにおいて動作している産業用モータを保護するために使用されるモータ保護システムから生成されたモータ保護測定値を使用してプロセス動作をモニタリングすることを対象とする。本発明の諸実施形態は、リードモータ駆動式原動機とリードモータ駆動式原動機が故障していることに応答して動作するラグモータ駆動式原動機とがある冗長モータ駆動式原動機を用いて使用することに適している。一実施形態では、リードモータ駆動式原動機およびラグモータ駆動式原動機に関連する動作データをセンサが測定する。モータ保護システムは、センサによって測定された動作データからモータ保護測定値を生成する。一実施形態では、モータから取得した動作データは、電流および平均相電流を含み、モータ保護測定値は、電流不平衡および電流過負荷を含む。コントローラは、モータ保護測定値を使用して、リードモータ駆動式原動機およびラグモータ駆動式原動機の動作を制御する。具体的には、コントローラは、モータ保護測定値を使用して、リードモータ駆動式原動機が故障しているかどうかを判定する。一実施形態では、コントローラは、リードモータ駆動式原動機およびラグモータ駆動式原動機が動作するプロセス動作のために定義されたモータ保護曲線を利用して、リードモータ駆動式原動機が故障しているかどうかを判定する。一実施形態では、モータ保護曲線は、故障したリードモータ駆動式原動機を過負荷電流レベルで動作させるための安全な実行時を提供する。さらに、モータ保護曲線は、故障したリードモータ駆動式原動機をトリップする前にラグモータ駆動式原動機の動作をアクティブ化するための最大バックアップ起動時間を提供する。コントローラは、リードモータ駆動式原動機が故障していると判定した場合は、故障したリードモータ駆動式原動機をトリップする前にラグモータ駆動式原動機の動作をアクティブ化する。
【0007】
本発明の様々な実施形態の技術的効果は、プロセスを制御するために単にプロセス変数に依拠するだけでなく、モータ駆動式アセットまたは機械に関連して動作するモータ保護システムから生成されたモータ保護測定値を使用することによってプロセス動作のモニタリングおよび制御を改善することを含む。これによって、モータ駆動式アセットまたは機械に変更を加えてプロセス動作を制御することができるようになる。結果として、プロセス変数が下限または上限に近づくのを待ってからでないとプロセスに対する変更を実行することができない場合より迅速にプロセス動作に対する変更が行われる。本発明の様々な実施形態の他の技術的効果は、モータ保護システムの使用を、モータを保護するように機能することだけから、プロセス動作の信頼性および可用性を保護する役割を有することに変えることを含む。
【0008】
図1は、本発明の諸実施形態をそこで実施することができる冗長モータ駆動式原動機105および110を利用するプロセス動作100の実施例を例示する概略図である。この実施例では、冗長モータ駆動式原動機105および110は、蒸気潤滑油タンクにおいて流体を移動させるために使用される。本発明の様々な実施形態を、蒸気潤滑油タンクにおける冗長モータ駆動式原動機の使用に関して説明するが、本明細書で説明する諸実施形態は、冗長モータ駆動式原動機をそこで使用することができるいかなるプロセス動作における使用にも適していることを当業者は理解するであろう。冗長モータ駆動式原動機がそこで利用される他の実施例は、遠心送風機を使用するプロセスまたはセーフティクリティカルな換気システム、および遠心ポンプを使用する燃料送りポンプを含む。
【0009】
再度図1を参照すると、原動機105は、燃料の一次ムーバなのでリード原動機であり、一方、原動機110は、リード原動機が適切に動作していない(例えば、故障している)ときに流体のバックアップムーバとして役立つのでラグ原動機である。商業用および産業用システムは、一般に、プロセスにとってクリティカルと考えられる機能のために少なくとも1つのバックアップ流体原動機を提供することを当業者は理解するであろうが、本発明の諸実施形態を使用するための適用形態を簡単に例示するために、図1には1つのリード原動機および1つのラグ原動機のみを例示する。図1に示すように、リード原動機105は、モータ120によって駆動されるポンプ115を備え、一方、ラグ原動機110は、モータ130によって駆動されるポンプ125を備える。一実施形態では、モータ120および130は、誘導モータの形をとることができる産業用モータである。この実施例では、リード原動機105およびラグ原動機110は、潤滑油を移動させるように構成される。図1に示すように、リード原動機105は、潤滑油をオイルコンテナ135から弁145を介して蒸気潤滑油タンク140に移動させる。ラグ原動機110は、潤滑油をオイルコンテナ150から弁155を介して蒸気潤滑油タンク140に移動させるように構成される。リード原動機105およびラグ原動機110によって供給された潤滑油は、蒸気潤滑油タンク140の共通供給マニホールド160のヘッダに送り込まれる。供給マニホールド160は、弁167および170を介して中間マニホールド165のヘッダに結合される。出口マニホールド173のヘッダは、弁175および177を介して中間マニホールド165に結合される。図1に示すように、潤滑油は、潤滑のために蒸気潤滑油タンク140から軸受ユニット180に供給される。具体的には、軸受ユニット180の中の配管183が蒸気潤滑油タンク140から潤滑油を受け取り、それを様々な軸受孔に提供する。次いで、潤滑油は、弁187を介して潤滑油タンク185に送られる。オイルコンテナ135および150ならびに潤滑油タンク185はすべて同じ容器でよいことを当業者は理解するであろう。
【0010】
リード原動機105およびラグ原動機110を介して蒸気潤滑油タンク140へのおよびそれからの潤滑油の移動をモニタリングし制御する通常の手法は、いくつかのプロセス変数を制御することに依拠する。そのようなシナリオでは、センサなどのプロセス計器は、プロセス変数に関係があるデータを取得するためにプロセス動作の近くに配置される。これらのプロセス変数に関係があるデータが許容不可能な動作範囲にあることが分かった場合は、プロセスを許容可能な動作範囲に向けるためにプロセス動作にいくつかの変更が加えられる。一実施例では、圧力測定値を取得するために圧力センサを出口マニホールド173のヘッダの近くに配置して、潤滑油が軸受ユニット180にとって利用可能であることを保証することができる。出口マニホールド173のヘッダにおける圧力が許容不可能な範囲にある場合は、コントローラは、より多くの潤滑を提供するためにラグ原動機110(すなわち、ポンプ125およびモータ130)を起動することができる。他のシナリオでは、差動圧力測定値を生成するために圧力センサを弁170の近くに配置することができる。弁170の周りの差動圧力測定値が低く、許容不可能な範囲にある場合は、これは、フィルタが詰まっていて、その圧力示度を所望の公称範囲に上げるためにラグ原動機110の動作をアクティブ化することを是認することを示している可能性がある。どちらの実施例においても、軸受ユニット180において流体圧力を失わないことが望ましい。しかし、バックアップポンプ125を起動したときに動作中のポンプ115をどうするかが問題である。図1には利用される加圧貯蔵器または蓄圧器がないので、バックアップポンプ125が故障したリード原動機105のポンプ115を止めるように動作するまで待つ必要がある。
【0011】
本発明の諸実施形態は、モータ120および130からの動作データを使用してプロセス動作100を制御することを対象とする。図1には示さないが、モータ120および130などの産業用モータは、通常、モータが故障しないように保護するためにモータ保護システム(例えば、モータリレー、メータ、モータ制御センタなど)と共に配備される。具体的には、これらのモータ保護システムは、一般に、不平衡負荷、高すぎる過電流障害、不足電圧状態、過電圧状態、機械的なジャムおよび負荷損失からの保護を提供する。さらに、これらのモータ保護システムは、モータ保護システムによって保護されるモータの電気バスを共用する他の負荷の状態に関するデータを生成する。
【0012】
モータ120および130からの動作データを使用してプロセス動作100を制御することに関しては、諸実施形態は、具体的には、モータ保護システムから生成されたモータ保護測定値を使用してプロセスを制御することを対象とする。その意図は、以前にはモータにとって利用不可能であった情報を利用して、より良いプロセス決定を行い、いくつかのプロセス変数が許容不可能な動作範囲にあるまたは近づくことに基づいて制御を行った場合より、早く動作することである。本発明の様々な実施形態によって提供される制御動作は、予防的であり、その結果、主要なプロセス変数を混乱させずにその下限または上限に近づく。一実施形態では、モータ保護測定値を、プロセス動作を制御するためだけに使用することも、または指定されたプロセス変数を許容可能な動作範囲内に維持することを含む制御戦略に関連して使用することもできる。
【0013】
図2は、原動機の動作をモニタリングし制御するために、リード原動機105からのモータ120(リードモータ)およびラグ原動機110からのモータ130(ラグモータ)を用いて実施することができるシステム200を例示する図である。図2に示すように、不平衡負荷、高すぎる過電流障害、不足電圧状態、過電圧状態、機械的なジャムおよび負荷損失を含んでよいアイテムからの保護を提供するために、モータ保護システム205(リードモータ保護システム)はモータ120に結合され、モータ保護システム210(ラグモータ保護システム)はモータ130に結合される。これらの機能ならびに他のモータ保護機能を実行することはモータ保護デバイスの技術分野ではよく知られており、したがって、これらの機能の詳細な説明は提供しない。
【0014】
モータ保護システム205および210は、モータ120および130から電流測定値を取得する電流センサ215と情報のやり取りをする。一実施形態では、電流センサ215は、変流器(CT)、ホール効果センサ、LEM電流センサ、分流器、ロゴスキーコイル、および光ファイバ電流センサを備えてよい。一実施形態では、電流センサ215は、モータ120および130から平均相電流示度および接地電流示度を生成するように構成される。本発明の諸実施形態の例示を簡単にするために、モータをモニタリングし情報をモータ保護システムに提供するために使用することができるすべてのタイプのセンサおよびトランスデューサを図2に例示するわけではないことを当業者は理解するであろう。例えば、モータ保護システム205および210は、相電圧と、差動入力と、モータ120および130の巻線および軸受ならびにこれらのモータによって駆動されるポンプ115(図1)および125(図1)からのデータとを提供するセンサからデータを受け取ることができることを当業者は理解するであろう。
【0015】
図2は、各モータ(すなわち、リードモータおよびラグモータ)に結合された別々のモータ保護システムの使用を示すが、1つのモータ保護システムを使用してリードモータ120およびラグモータ130を保護することができることも考えられる。使用される数に関係なく、モータ保護システム205および210は、電気メータまたはリレーなどの任意の市販のモータ保護システムまたはデバイスでよい。システム200において使用することができる市販のモータ保護デバイスの一例は、GE Multilinによって販売されている469 Motor Management Relayである。本明細書で説明する諸実施形態において利用することができる469 Motor Management Relayと同様の機能を実行し情報を生成する他の市販のモータ保護デバイスがあることを当業者は理解するであろう。
【0016】
コンピュータとして図2に示すコントローラ220は、通信ネットワーク225を介してモータ保護システム205および210に接続され、さらにリードモータ120およびラグモータ130に接続される。図2には示さないが、コントローラ220は、リードモータ120とポンプ115、およびラグモータ130とポンプ125のモータ/ポンプセットを含むリード原動機105(図1)およびラグ原動機110(図1)に接続されることを当業者は理解するであろう。一実施形態では、コントローラ220は、モータ保護システム205および210から生成されたモータ保護測定値に応じてリード原動機105(図1)およびラグ原動機110(図1)の動作を制御する。具体的には、コントローラ220は、モータ保護測定値を使用して、リードモータ駆動式原動機105(図1)が故障しているかどうかを判定する。本明細書では、モータに印加された負荷によってモータが定格電圧において銘板定格より遅く動作するようになる場合は、このモータは故障している。コントローラ220は、リードモータ駆動式原動機105(図1)が故障していると判定した場合は、ラグモータ駆動式原動機110(図1)の動作をアクティブ化する。一実施形態では、コントローラ220は、故障したリードモータ駆動式原動機105(図1)をトリップする前に、ラグモータ駆動式原動機110(図1)の動作をアクティブ化する。
【0017】
リードモータ120およびラグモータ130を制御することに加えて、コントローラ220を使用して他の様々な動作を実行することができる。例えば、コントローラ220を使用して、リードモータ120およびラグモータ130のリモートモニタリングおよび診断、ならびにこれらのアセットおよびプロセス動作において利用される他のアセット(例えば、ポンプ、弁、マニホールドなど)の総合管理を実行することができる。
【0018】
図2には示さないが、プラントオペレータがプロセスレベルでシステムとより密接な対話を有することができるように、別のコンピュータをモータ保護システム205および210の近くに局部的に配置することができる。コンピュータがプロセス動作においてどこに配置されるかに関係なく、ラグモータ駆動式原動機110(図1)およびリードモータ駆動式原動機105の制御を提供するためにこれらのコンピュータを本発明の様々な実施形態と共に実装することができる。
【0019】
動作中、電力は、モータバス230およびモータバスブレーカ(図2には示さず)を通ってリードモータ120およびラグモータ130に来る。図2には示さないが、各モータは、モータコンタクタおよびコンタクタの故障の場合に開く保護ヒューズを有する。動作中、センサ215は、リードモータ120からモータ保護システム205に動作データ(例えば、平均相電流、電圧)を提供する。モータ保護システム205は、動作データからモータ保護測定値を生成する。一実施形態では、モータ保護システム205から生成されたモータ保護測定値は電流不平衡および電流過負荷情報を含む。電流不平衡および電流過負荷は、通信ネットワーク225を介してコントローラ220に提供され、コントローラ220は、この情報を使用して、リードモータ120によるリード原動機が故障しているかどうかを判定する。故障している場合は、コントローラ220は、ラグモータ130を介してラグ原動機の動作をアクティブ化して流体を移動させ始める。
【0020】
一実施形態では、コントローラ220は、リードモータ120によって駆動されるリード原動機105(図1)およびラグモータ130によって駆動されるラグ原動機110(図2)が動作するプロセス動作のために定義されたモータ保護曲線を利用してリードモータが故障しているかどうかを判定する。さらに、コントローラ220は、モータ保護曲線を利用して、リードモータ120が故障していると判定するとすぐラグモータ130をアクティブ化することができる時間を判定する。コントローラ220がこれらの機能を実行するために、モータ保護曲線は、故障したリードモータ駆動式原動機105(図1)を過負荷電流レベルで動作させるための安全な実行時を提供する。さらに、モータ保護曲線は、故障したリードモータ駆動式原動機105(図1)をトリップする前にラグモータ駆動式原動機110(図1)の動作をアクティブ化するための最大バックアップ起動時間を提供する。
【0021】
一実施形態では、モータサプライヤによって提供されたモータ曲線からコントローラ220によって使用されるモータ保護曲線を生成することができる。モータのためのモータ曲線の典型的なセットは、速度に対してプロットされたトルク、電力消費量、電流、および力率のための曲線を含む。一般に、これらのモータ保護曲線のうちの1つの電流曲線は、同期速度に非常に近い速度で拘束回転子または零速度から無負荷電流まで単調に低下する。図1に例示する潤滑供給プロセス動作における使用に適したサービスファクタ1のモータでは、GE Multilinによって販売されている469 Motor Management Relayなどのモータ保護システムは、通常、モータが定格電流の115%より小さい電流で銘板速度に近い速度に達したときにモータ起動を表明する。115%の値は、サービスファクタ1のモータに対する過負荷の開始であると判定された。
【0022】
モータサプライヤによって提供されたモータ曲線に加えて、業界標準に準拠して規定されているモータ曲線を使用して、コントローラ220によって使用されるモータ保護曲線を得ることができる。一実施形態では、ANSI C37.96モータ保護規格によって使用されるIEEE規格620モータ保護曲線を使用して、コントローラ220によって使用されるモータ保護曲線を得ることができる。通常、これらの曲線は、一般に、通常は0.1秒から1000秒までの時間上の高さ4ディケード対単位ごとの(PU)または複数のモータ銘板電流もしくは定格電流の線形目盛である半対数プロットである。ANSI C37.96モータ保護規格によって使用される典型的なIEEE規格620モータ保護曲線は7PUまであり、一般に630%または6.3PUの拘束回転子電流を有する高効率モータをカバーする。
【0023】
図3は、コントローラ220(図2)によって利用されるモータ保護曲線を生成するために使用することができる通常の3相モータのためのANSI C37.96モータ保護規格によって使用されるIEEE規格620モータ保護曲線の典型的なセットの例を示す。「動作過負荷」と表示した一番上の曲線は、モータの熱故障前の電流過負荷における最大安全動作時間の範囲を示す。これは、モータに過負荷および単なる機械的過負荷をもたらす軸受の故障、流体の粘性/インピーダンスの変化などの状況を対象とする。「拘束回転子限度」は、回転子ホットシナリオ(すなわち、最近動作を開始しようと試みた、または単に動作を停止した、より短い時間の下側の曲線であるシナリオ)にあるときに、および回転子コールドシナリオにあるときに、モータを止めることができる最大安全時間である。図3のモータ保護曲線はまた、2つの起動時間曲線を示す。起動時間曲線の1つは、0.9PU電圧(銘板電圧の90%)においてより遅い時間を有し、他方の起動時間曲線は、1.0PU電圧においてより速い時間を有する。
【0024】
モータサプライヤによって提供されたモータ曲線および業界標準モータ曲線(例えば、ANSI C37.96モータ保護規格によって使用されるIEEE規格620モータ保護曲線)から提供された情報を使用して、コントローラ220によって使用されるモータ保護曲線を得る。具体的には、これは、一般に、モータ起動時間に余裕を持たせること、および存在する動作過負荷曲線から減じることを含む。この結果、ラグモータ130を介してラグ原動機105を何時起動するべきかを判定するために使用することができる新たな減少した時間が生じる。
【0025】
リード原動機およびラグ原動機が関与するプロセス動作を制御するためにコントローラ220によって使用されるモータ保護曲線を作成する多くのやり方があるが、1つの例を図3に関して説明する。具体的には、ラグモータを起動するための十分な安全マージンを判定するために、0.9PU時間の低下した電圧レベルにおける起動時間に余裕を持たせ、次いで、安全のために2の因数を適用する(2×6.5=13秒)ことを考慮する。図3は、0.9PU電圧の2倍の起動時間が(172秒における3.7PU電流)の最高過負荷点の時間から引かれて172−13=159秒になったことを示す。動作過負荷曲線の平行移動は、一定の乗数に起因する。一例として、図3は、一定の乗数が159/172=0.9244であることを示す。したがって、図3における曲線を定義する3点は、以下の通りである。
【0026】
【表1】

モータ保護曲線を作成する他の方法は、すべての点で曲線から単に13秒を引くことである。これは、(2.11、987)において安全な時間曲線とほとんど交わるように見える(3.70、159)を通るより急勾配の曲線を提供する。他の実施形態では、より低い因数を使用し、ラグモータが安全にオンラインであることを保証するためにより控えめであることも可能である。動作過負荷線は最大安全限度なので、それより下および左側に引かれたどの曲線も安全であることを当業者は理解するであろう。線を低く引きすぎることはまた、プロセスにおける過負荷がよく理解されない場合は、ラグポンプの厄介な起動を招来すると認められる。
【0027】
「最大バックアップ起動時間」曲線は、これらの手法のうちのいずれか1つに起因する曲線である。次に、図3に示す最大バックアップ起動時間曲線は、リード原動機のゆるやかな損失からラグモータの動作速度への到達までの時間遅延からの圧力損失またはフロー損失を有しない方法を提供する。
【0028】
上記で得られた保護曲線を実施するために、コントローラ220は、リード原動機が故障していると判定した後にラグ原動機を何時アクティブ化するべきかを確認するためにタイマを利用する。一実施形態では、タイマは、リードモータ駆動式原動機が、得られたモータ保護曲線で規定されている予め決められた過負荷電流値より大きい過負荷電流値を有するというモータ保護システムの判定に応答して開始される。一実施形態では、コントローラ220は、タイマがモータ保護曲線において過負荷電流値のために規定されている予め決められた時間限度を超えていることに応答して、ラグモータ駆動式原動機の動作をアクティブ化する。さらに、コントローラ220は、ラグモータ駆動式原動機のアクティブ化を開始したリードモータ駆動式原動機の現在の過負荷電流値を記録する。さらに、この実施形態では、コントローラ220は、リードモータ駆動式原動機からラグモータ駆動式原動機への動作の移動が行われたというプラントオペレータへの通知を生成することができる。
【0029】
ラグ原動機110(図1)への移動が行われた後に、リード原動機105(図1)およびラグ原動機110からの両方のモータ/ポンプセットが動作する。一実施形態では、故障したモータがラインから外されようとする点において、コントローラ220は、記録された過負荷電流をラグモータ駆動式原動機から取得した電流値と比較して、それが予め決められた許容可能なレベル内にあるかどうかを判定する。一実施形態では、差が、ラインから外されたモータの高電流レベルの+/−5%から+/−10%までである場合は、コントローラ220は、新しい原動機が問題を解決せず、正常に動作しているモータではなく、問題を生じさせているプロセスに何か他の問題(例えば、水圧の問題または空気圧の問題など)がある可能性があるというプラントオペレータへのプロセス状態通知(例えば、アラーム)を生成する。この実施形態では、ラグモータ駆動式原動機を起動する前にリード原動機のモータから示度を取ることが好ましいことに留意されたい。さらに、リードモータ駆動式原動機を止めた後にラグ原動機のモータから示度を取ることが好ましい。
【0030】
リードモータ駆動式原動機105(図1)の過負荷電流値が、(得られたモータ保護曲線で規定されているような)現在の過負荷電流値のために規定されている予め決められた(タイマの開始をトリガした)時間限度が切れる前に予め決められた過負荷電流値より低くなったことが分かった場合は、コントローラ220は、リードモータ駆動式原動機105(図1)の使用を続けて流体を移動させる。この実施形態では、コントローラ220は、過負荷電流がなくなったというプラントオペレータへのモータ状態通知を生成することができる。さらに、コントローラ220は、リードモータ駆動式原動機105(図1)の過負荷電流値が、現在の過負荷電流値のために規定されている予め決められた時間限度が満了するまたは切れる前に予め決められた過負荷電流値より低くなったという判定に応答して、タイマをリセットすることができる。
【0031】
情報を報告するために使用される多くの様々な媒体のうちの1つによって前述のプラントオペレータへの様々な通知を行うことができることを当業者は理解するであろう。例えば、通知は、プロセス動作中に生じたイベントの様々な詳細を提供するアラーム、電子メール、または報告を含んでよい。これらは使用することができる通知の可能な形の非網羅的リストにすぎないが、本発明の諸実施形態は、通知のいかなる特定の形にも限定されない。
【0032】
本発明の様々な実施形態では、コントローラ220によって実行される制御動作の一部を、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態、またはハードウェア要素およびソフトウェア要素の両方を含む実施形態の形で実行することができる。一実施形態では、コントローラ220によって実行される処理機能を、ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含むがそれらに限定されないソフトウェアで実行することができる。
【0033】
さらに、コントローラ220によって実行される処理機能は、コンピュータまたは任意の命令実行システム(例えば、処理ユニット)によってまたはそれに関連して使用するためのプログラムコードを提供するコンピュータ使用可能媒体またはコンピュータ可読媒体からアクセス可能なコンピュータプログラム製品の形をとることができる。本明細書では、コンピュータ使用可能媒体またはコンピュータ可読媒体は、コンピュータまたは命令実行システムによってまたはそれに関連して使用するためのプログラムを含むまたは格納することができる任意のコンピュータ可読記憶媒体でよい。
【0034】
コンピュータ可読媒体は、電子、磁気、光、電磁、赤外、または半導体システム(または装置もしくはデバイス)でよい。コンピュータ可読媒体の例には、半導体もしくは固体メモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、リジッド磁気ディスク、および光ディスクがある。光ディスクの現在の例には、コンパクトディスク−読取り専用メモリ(CD−ROM)、コンパクトディスク−読取り/書込み(CD−R/W)、およびデジタルビデオディスク(DVD)がある。
【0035】
図4は、本発明の一実施形態による図2に図示したシステムを用いて図1に図示したリード原動機105およびラグ原動機110を制御しモニタリングすることに関連する動作を説明する流れ図400である。図4の流れ図400では、405においてコントローラ220がモータ保護システム205からモータ保護測定値を取得する。具体的には、コントローラ220は平均相電流示度を取得する。平均相電流示度に加えて、コントローラは、電流不平衡情報および電流過負荷情報など、リードモータ120の動作に関係がある他のモータ保護測定値を取得することができる。一実施形態では、コントローラ220は、Modbus、Prophibus、CanBus、ファウンデーションフィールドバス、高速イーサネットなどの現在利用可能な電子通信システムのうちの任意の1つによって、モータ保護システム205からモータ保護測定値を、およびセンサ215から動作データを取得することができる。
【0036】
410において、コントローラ220が、リード原動機105がそこで機能するプロセス動作のために特に得られたリードモータ120のためのモータ保護曲線を取得する。前述のように、モータ保護曲線を利用して、リードモータ120が故障しているかどうかを判定する。
【0037】
一実施形態では、コントローラ220は、415において、平均相電流示度をモータ保護曲線で規定されている最小過負荷電流と比較することによってリードモータ120が故障しているかどうかを判定する。420において、平均相電流示度がモータ保護曲線で規定されている最小過負荷電流より大きいと判定した場合は、コントローラはタイマを開始する。平均相電流示度が最小過負荷電流以下の場合は、プロセス動作は430においてリード原動機の使用を続け、リード原動機のモニタリングがブロック405〜420に従って続行する。
【0038】
タイマが開始された後に、435において、モータ保護曲線において過負荷電流値のために規定されている予め決められた時間限度を超えたかどうかを確認するために判定が行われる。時間限度を超えた場合は、コントローラ220は、440において、ラグモータ駆動式原動機110の動作をアクティブ化し、445において、ラグモータ駆動式原動機のアクティブ化を開始した現在の過負荷電流値を記録する。さらに、コントローラ220は、450において、リードモータ駆動式原動機からラグモータ駆動式原動機への動作の移動が行われたことをプラントオペレータに通知するために通知を生成する。
【0039】
リードモータ120がラインから外されようとする点で、コントローラ220は、455において、記録された過負荷電流をラグモータ駆動式原動機110のラグモータ130から取得された電流値と比較して、それが予め決められた許容可能なレベルの範囲内にあるかどうかを判定する。一実施形態では、差が、ラインから外されたモータ(すなわち、リードモータ120)の高電流レベルの+/−5%から+/−10%までである場合は、コントローラ220は、460において、新しい原動機が問題を解決せず、モータに関連しないプロセスに何か他の問題がある可能性があるというプラントオペレータへのプロセス状態通知(例えば、アラーム)を生成する。一実施形態では、470において、ラグモータ130をモニタリングし始め、上記の機能を繰り返す。一方、プラントオペレータは、プロセス動作における基本的な問題を判定することができる。
【0040】
435において、時間限度を超えておらず、リードモータ120の過負荷電流値が、475において判定されたように、タイマの開始をトリガした予め決められた過負荷電流値より低くなったと判定された場合は、コントローラ220は、リードモータ駆動式原動機の使用を続ける。具体的には、コントローラ220は、480においてタイマをリセットし、485において、過負荷電流がなくなったことを示すプラントオペレータへのモータ状態通知を生成する。475において、リードモータ120の過負荷電流値が予め決められた過負荷電流値より低くなっておらず、435において時間限度を超えていないと判定された場合は、コントローラ220は、時間限度を超えたと判定されるまでリードモータ120の平均電流示度をモニタリングし続ける。
【0041】
上記図4の流れ図は、コントローラ220を使用してリード原動機105およびラグ原動機110をモニタリングし制御することに関連する処理機能のいくつかを示す。これに関して、各ブロックは、これらの機能を実行することに関連するプロセス動作を表す。いくつかの代替実装形態では、ブロックに記述されている動作は図に示した順序を外れて行われてもよく、例えば、実際には、関係する動作に応じて、事実上同時にまたは逆の順序で実行されてもよいことにも留意されたい。さらに、処理機能を説明する別のブロックを追加することができることを当業者は理解するであろう。
【0042】
本開示をその好ましい実施形態に関連して具体的に示し説明してきたが、変形および修正が当業者には思いつかれるであろうことが理解されるであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、本開示の真の趣旨の範囲に入るすべてのそのような修正および変更をカバーするものとすることを理解されたい。
【符号の説明】
【0043】
100 プロセス動作
105 リードモータ駆動式原動機
110 ラグモータ駆動式原動機
115 ポンプ
120 リードモータ
125 ポンプ
130 ラグモータ
135 オイルコンテナ
140 蒸気潤滑油タンク
145 弁
150 オイルコンテナ
155 弁
160 供給マニホールド
165 中間マニホールド
167 弁
170 弁
173 出口マニホールド
175 弁
177 弁
180 軸受ユニット
183 配管
185 潤滑油タンク
187 弁
200 システム
205 リードモータ保護システム
210 ラグモータ保護システム
215 電流センサ
220 コントローラ
225 通信ネットワーク
230 グリッドコードイベント通知コンポーネント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの冗長モータ駆動式原動機(105および110)であって、前記少なくとも2つの冗長モータ駆動式原動機(105および110)の1つがリードモータ駆動式原動機(105)を備え、前記少なくとも2つの冗長モータ駆動式原動機(105および110)の他方が、前記リードモータ駆動式原動機(105)が故障していることに応答して動作するラグモータ駆動式原動機(110)を備える、少なくとも2つの冗長モータ駆動式原動機(105および110)と、
前記少なくとも2つ冗長モータ駆動式原動機(105および110)に結合され、前記少なくとも2つの冗長モータ駆動式原動機(105および110)に関連する動作データを測定する複数のセンサ(215)と、
前記複数のセンサ(215)に結合され、前記複数のセンサ(215)によって測定された前記動作データから複数のモータ保護測定値を生成するモータ保護システム(205および210)と、
前記少なくとも2つの冗長モータ駆動式原動機(105および110)および前記モータ保護システムに結合され、前記複数のモータ保護測定値に応じて前記少なくとも2つの冗長モータ駆動式原動機(105および110)の動作を制御するコントローラ(220)であって、前記コントローラ(220)が前記複数のモータ保護測定値を使用して、前記リードモータ駆動式原動機(105)が故障しているかどうかを判定し、前記コントローラ(220)が、前記リードモータ駆動式原動機(105)が故障しているという判定に応答して、前記ラグモータ駆動式原動機(110)の動作をアクティブ化し、前記コントローラ(220)が、前記故障したリードモータ駆動式原動機(105)をトリップする前に前記ラグモータ駆動式原動機(110)の動作をアクティブ化する、コントローラ(220)と
を備えるシステム(200)。
【請求項2】
前記コントローラ(220)が、前記少なくとも2つの冗長モータ駆動式原動機(105および110)が動作するプロセスのために定義されたモータ保護曲線を利用し、前記モータ保護曲線が、前記故障したリードモータ駆動式原動機(105)を過負荷電流レベルで動作させるための安全な実行時を提供し、前記モータ保護曲線が、前記故障したリードモータ駆動式原動機(105)を前記トリップする前に前記ラグモータ駆動式原動機(110)の動作をアクティブ化するための最大バックアップ起動時間を提供する、請求項1記載のシステム(200)。
【請求項3】
前記複数のセンサ(215)によって測定された前記動作データが平均相電流を備える、請求項1記載のシステム(200)。
【請求項4】
前記モータ保護システム(205および210)によって生成された前記複数のモータ保護測定値が電流不平衡および電流過負荷を備える、請求項1記載のシステム(200)。
【請求項5】
前記コントローラ(220)がタイマを備える、請求項1記載のシステム(200)。
【請求項6】
前記リードモータ駆動式原動機(105)が予め決められた過負荷電流値より大きい過負荷電流値を有するという前記モータ保護システム(205および210)の判定に応答して、前記タイマが開始される、請求項5記載のシステム(200)。
【請求項7】
前記コントローラ(220)が、前記タイマが前記過負荷電流値のために規定されている予め決められた時間限度を超えたことに応答して、前記ラグモータ駆動式原動機(110)の動作をアクティブ化する、請求項6記載のシステム(200)。
【請求項8】
前記コントローラ(220)が、前記ラグモータ駆動式原動機(110)の前記アクティブ化を開始した前記リードモータ駆動式原動機(105)の前記過負荷電流値を記録し、前記コントローラ(220)が、前記リードモータ駆動式原動機(105)をラインから外すとすぐ、前記記録された過負荷電流を前記ラグモータ駆動式原動機(110)から取得された電流値と比較し、前記コントローラ(220)が、前記少なくとも2つの冗長モータ駆動式原動機(105および110)が動作するプロセス(100)に問題が存在し、前記モータ駆動式原動機(105および110)の動作が正常であるというプロセス状態通知を生成し、前記コントローラ(220)が、前記ラグモータ駆動式原動機(110)のための前記電流レベルが前記リードモータ駆動式原動機(105)のための前記記録された過負荷電流の予め決められた許容可能レベルの範囲内にあるという判定に応答して、前記プロセス状態通知を生成する、請求項7記載のシステム(200)。
【請求項9】
前記現在の過負荷電流値のために規定されている予め決められた時間限度が満たされる前に前記リードモータ駆動式原動機(105)の前記過負荷電流値が前記予め決められた過負荷電流値より低くなったという判定に応答して、前記コントローラ(220)が前記リードモータ駆動式原動機(105)の使用を続ける、請求項6記載のシステム(200)。
【請求項10】
流体を移動させる原動機システム(105および110)であって、
前記流体を移動させる第1のモータ(120)によって駆動されるリード原動機(105)と、
前記第1のモータ(120)が故障していることに応答して前記流体を移動させる第2のモータ(130)によって駆動されるラグ原動機(110)と、
前記リード原動機(105)の前記第1のモータ(120)および前記ラグ原動機(110)の前記第2のモータ(130)に関連する動作データを測定する複数のセンサ(215)と、
前記第1のモータ(120)に関連する前記動作データから複数のモータ保護測定値を生成する第1のモータ保護システム(205)と、
前記第2のモータ(130)に関連する前記動作データから複数のモータ保護測定値を生成する第2のモータ保護システム(210)と、
前記第1のモータ保護システム(205)および前記第2のモータ保護システム(210)によって生成された前記複数のモータ保護測定値に応じて前記リード原動機(105)および前記ラグ原動機(110)の動作を制御するコントローラ(220)とを備え、前記コントローラ(220)が前記複数のモータ保護測定値を使用して、前記リード原動機(105)が故障しているかどうかを判定し、前記コントローラ(220)が、前記リード原動機(105)が故障しているという判定に応答して前記ラグ原動機(110)の動作をアクティブ化し、前記コントローラ(220)が、前記故障したリード原動機(105)をトリップする前に前記ラグ原動機(110)の動作をアクティブ化し、前記コントローラ(220)が、前記リード原動機(105)およびラグ原動機(110)が使用されるプロセス(100)のために定義されたモータ保護曲線を利用して、前記原動機の動作をガイドし、前記モータ保護曲線が、前記故障したリード原動機(105)を過負荷電流レベルで動作させるための安全な実行時および前記故障したリード原動機(105)を前記トリップする前に前記ラグ原動機(110)の動作をアクティブ化するための最大バックアップ起動時間を提供する、
原動機システム(105および110)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−170325(P2012−170325A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−28992(P2012−28992)
【出願日】平成24年2月14日(2012.2.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】