説明

プロテインキナーゼのリン酸化酵素活性ならびに脱リン酸化酵素活性の測定方法

【課題】 プロテインキナーゼのリン酸化または脱リン酸化酵素活性を正確に、迅速に、かつ簡便に測定することができる測定法を提供すること。
【解決手段】 この発明に係るプロテインキナーゼの酵素活性測定方法は、基質ペプチドとプロテインキナーゼとを金属コロイドの存在下に反応させて、または基質ペプチドとプロテインキナーゼとを反応させた後金属コロイドを添加して、得られる反応液の色調変化に基づいてプロテインキナーゼのリン酸化による酵素活性を測定することを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、プロテインキナーゼのリン酸化酵素活性ならびに脱リン酸化酵素活性の測定方法に関するものである。さらに、この発明は、プロテインキナーゼのリン酸化酵素活性を促進もしくは阻害する化合物のスクリーニング方法にも関するものである。
【背景技術】
【0002】
生物の全ての細胞は、外部からの情報を取り込み、その情報に応答して、細胞の増殖や分化を開始している。外部からの情報は、他の細胞が分泌する液性の因子や細胞同士の接触を介して伝達される。このように伝達された情報は、細胞が有する受容体で感知され、そのシグナルが細胞中を伝達されて遺伝子の発現を伴い種々の応答を引き起こしている。このような細胞内における情報伝達の過程において、多くのタンパク質のリン酸化が関与していることが知られている。
このようなタンパク質のリン酸化は、タンパク質リン酸化酵素(以下、「プロテインキナーゼ」または単に「キナーゼ」ともいう)の作用によって行われている。このプロテインキナーゼによるタンパク質のリン酸化は、細胞の情報伝達ばかりではなく、ほとんどの代謝経路において極めて重要な役割を果たしている(例えば、非特許文献1参照)。つまり、プロテインキナーゼは、細胞の増殖と分化の調節に関与している。
例えば、紫外線照射や薬剤などによってDNAが損傷を受けてプロテインキナーゼの発現等の機能に異常をきたすと、当然のことながら、プロテインキナーゼによるタンパク質のリン酸化が異常をきたし、細胞の情報伝達ばかりではなく、ほとんどの代謝経路において異常が発生することになり、その結果ガンなどの疾患として現れることになる。そこで、このキナーゼの機能異常を正確にかつ簡易に検出することができれば、かかる疾患などを解明する一助になることが大いに期待される。
【0003】
プロテインキナーゼの機能異常を検出する方法としては、プロテインキナーゼの酵素活性を測定する方法が採用されていて、例えば、放射免疫測定方法(RIA)や酵素免疫測定方法(ELISA)などが利用されている(例えば、非特許文献1、特許文献1、2参照)。
【0004】
しかし、放射免疫測定方法は、放射性物質を取り扱うため、その取り扱いに細心の注意を払う必要があり、また特別の施設を要することから、容易に測定することが困難である。他方、酵素免疫測定方法は、通常、合成ペプチドを基質として用い、その酵素リン酸化的リン酸化を、リン酸化ペプチドを認識する抗体を主に蛍光色素を使用して検出する方法であるが、固相に結合させる基質ペプチドとプロテインキナーゼとの反応効率がよくなく、またリン酸化が十分に行われないことがあるという欠点がある(例えば、非特許文献1、特許文献2参照)。したがって、かかる放射免疫測定方法や酵素免疫測定方法などの従来法を更に改良した測定方法が要請されている。
【0005】
そこで、かかる改良方法として、金等の金属などのコロイド粒子を使用する方法が提案されている(例えば、非特許文献1、2参照)。金属コロイド粒子は、そのナノ粒子サイズに由来する有用な物質的性質を有していて、化学センサーやマイクロイメージングなどへの応用が提案されている。現在では、金属コロイド粒子や物質などの制御技術も発達し、コロイド粒子や物質などを凝集させて有用な凝集体や物質に可逆的に形成することができる方法も開発されている(例えば非特許文献2参照)。これらの方法として、プロテインキナーゼの基質ペプチドを金属コロイドに固定させる方法も知られている(例えば、非特許文献1および特許文献3参照)。しかしながら、この方法は、ビオチン−ATPのような極めて高価なATP誘導体を使用することから測定原価が異常に高くなり、また基質ペプチド−金属粒子結合体とプロテインキナーゼとを反応させることから、その反応効率が低いという問題がある。
【非特許文献1】Wang, Z., etal.: J. Am. Chem. Soc. 2006, 128, 2214-2215
【非特許文献2】Mirkin, C.A., et al.: Nature 1996,382, 607-609
【特許文献1】特開平10ー48217号公報
【特許文献2】特開2000−325086号公報
【特許文献3】特開08−278306号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者らは、従来技術を改善すべく種々研究をした結果、基質ペプチドと、プロテインキナーゼとを金ナノ粒子などの金属コロイドの存在下で反応させことによって、プロテインキナーゼの反応性を向上させることができるとともに、金属コロイドの色調の変化に基づいてプロテインキナーゼ酵素活性の測定が可能であることを見出して、この発明を完成するに至った。
【0007】
したがって、この発明は、その一つの態様として、基質ペプチドと、プロテインキナーゼとを、金ナノ粒子などの金属コロイドの存在下で反応させることによって、または基質ペプチドとプロテインキナーゼとを反応させた後、金属コロイドを添加して、試料中のプロテインキナーゼのリン酸化もしくは脱リン酸化を基質ペプチドと金属コロイド粒子の凝集の度合いによる色調変化に基づいて、プロテインキナーゼの酵素活性を測定することからなるプロテインキナーゼの酵素活性測定方法を提供することを目的としている。
【0008】
この発明は、プロテインキナーゼのリン酸化によってリン酸化されている基質ペプチドを脱リン酸化酵素によって脱リン酸化してリン酸化酵素の脱リン酸化酵素活性を測定することからなる脱リン酸化酵素活性測定方法を提供することを別の目的としている。
【0009】
さらに、この発明は、基質ペプチドのリン酸化や脱リン酸化を促進または阻害する化合物のスクリーニングをすることに使用することからなる使用方法を提供することを別の目的とする。
【0010】
この発明はまた、その別の態様として、プロテインキナーゼのリン酸化または脱リン酸化酵素活性測定方法に使用することができる測定キットを提供することを更に別の目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、この発明は、基質ペプチドとプロテインキナーゼとを、金ナノ粒子などの金属コロイドの存在下で反応させることによって、または基質ペプチドとプロテインキナーゼとを反応させた後、金属コロイドを添加して、金属コロイドの色調変化に基づいてプロテインキナーゼのリン酸化による酵素活性を測定することを特徴とするプロテインキナーゼの酵素活性測定方法を提供する。
【0012】
また、この発明は、プロテインキナーゼによってリン酸化された基質ペプチドを脱リン酸化することによる脱リン酸化酵素活性の測定方法を提供する。
【0013】
さらに、この発明は、プロテインキナーゼの基質ペプチドのリン酸化や脱リン酸化を促進または阻害する化合物のスクリーニングをすることに使用することからなる使用方法を提供する。
【0014】
また、この発明は、プロテインキナーゼのリン酸化または脱リン酸化酵素活性測定方法に使用することができる測定キットを提供する。
【発明の効果】
【0015】
この発明は、ビオチン−ATPという高価な試薬を使用する測定方法や、抗原抗体反応に基づく測定方法などの従来法に比べて、一般的に使用されているATPだけを使用することによってリン酸化反応を行うことができ、かつ、金属コロイドを使用することにより抗体を使用する必要がないことから、低コストであるとともに、基質ペプチドとのキナーゼ反応性を向上することができるという大きな効果がある。
また、この発明は、プロテインキナーゼによってリン酸化された基質ペプチドの脱リン酸化も容易に行うことができるという効果もある。
さらに、この発明は、プロテインキナーゼによるリン酸化を促進もしくは阻害する化合物のスクリーニングを容易にかつ簡便に行うことができるという効果もある。
さらにまた、この発明は、プロテインキナーゼによる基質ペプチドのリン酸化もしくは脱リン酸化を測定することができる測定キットを提供することにより、プロテインキナーゼによるリン酸化もしくは脱リン酸化の測定を簡便にかつ容易に行うことができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
この発明によれば、プロテインキナーゼのリン酸化酵素活性は、試料中に含まれるプロテインキナーゼによってリン酸化された基質ペプチドのリン酸化レベルを検出することによって測定することができる。更に詳細には、この発明は、試料中に存在するプロテインキナーゼによって基質ペプチドをリン酸化する場合に、金属コロイド粒子を存在させて、プロテインキナーゼによって基質ペプチドをリン酸化することにより、または基質ペプチドとプロテインキナーゼとを反応させた後、金属コロイドを添加することにより、そのリン酸化レベルの変化を検出することによってプロテインキナーゼのリン酸化酵素活性を測定することからなっている。
【0017】
つまり、この発明においては、まず、プロテインキナーゼを含む測定用試料を、反応媒体中において、基質ペプチドと、リン酸化反応に必要な成分としてのリン酸基を供与するリン酸基供与基質と、金などの金属コロイドと共にインキュベートする。反応媒体としては、例えば、HEPESと、塩化マグネシウムとの混合物からなるバッファーなどが挙げられる。リン酸基供与基質としては、例えば、アデノシン3リン酸(ATP)等が使用することができる。
【0018】
プロテインキナーゼによる基質ペプチドのリン酸化もしくは脱リン酸化反応において金属コロイドが存在することによって、金属コロイド粒子の介在によりリン酸化基質ペプチドの凝集が起こり、この凝集により金属コロイドの色調が変化する。また、この金属コロイドの色調は、リン酸化基質ペプチドのリン酸化の割合に実質的に比例した凝集の程度に応じて変化する。
【0019】
したがって、この色調の変化を、コントロールによる色調の変化と比較することによって、リン酸化酵素活性または脱リン酸化酵素活性を実質的に定量的に測定することができる。さらに具体的には、コントロールとしては、リン酸化能力が既知の様々なプロテインキナーゼを使用して基質ペプチドを金属コロイドの存在下にリン酸化し、基質ペプチドのリン酸化の程度、つまり基質ペプチドの凝集の割合による金属コロイドの色調の変化をそれぞれ測定した結果を使用することができる。このコントロール結果と比較して、試料中のプロテインキナーゼのリン酸化による金属コロイドの色調変化の程度を検出することによって、プロテインキナーゼの酵素活性を実質的に定量的に測定することができる。
また、プロテインキナーゼによってリン酸化された基質ペプチドの脱リン酸化活性も、脱リン酸化された基質ペプチドの凝集割合に基づく金属コロイドの色調を、コントロール結果の色調と比較することによって、実質的には同様に測定することができる。
【0020】
この発明に使用することができるプロテインキナーゼとしては、特に限定されるものではないが、例えば、PKC(プロテインキナーゼC)、PKA(サイクリックAMP依存性プロテインキナーゼ)、cdc2キナーゼ、raf-1キナーゼ、MAPキナーゼ、CaMK、Rhoキナーゼ、MAPKAPなどのプロテインキナーゼなどが挙げられる。
【0021】
また、この発明に使用することができる基質ペプチドとしては、測定するプロテインキナーゼによるが、特に限定されるものではなく、例えば、プロテインキナーゼがPKAである場合はkemptide(配列番号1)、PKCである場合はPKC64(配列番号2)、CaMKである場合はペプチド(配列番号3)、MAPKAPである場合はペプチド(配列番号4)を用いるのが良い。
【0022】
一方、金属コロイドとしては、例えば、金コロイド、銀コロイド、白金コロイド、鉄コロイド、水酸化鉄コロイド、水酸化アルミニウムコロイド、パラジウムコロイド、ロジウムコロイドなどが挙げられる。これらの金属コロイドのうち、金コロイド、銀コロイドなどが好ましく、また金コロイドがより好ましい。
【0023】
これら金属コロイドは、文献記載の方法によって製造することができ、また、市販されている製品を用いることもできる。例えば、金ナノ粒子は、一般には、金イオンを含む溶液に還元液を添加して、金イオンを還元する液相還元法によって製造することができる(例えば、特開2003−253310号公報、特開2006−152438号公報参照)。
【0024】
これら金属コロイドの粒径は、特に限定されるものではないが、例えば、約1nm〜500nm、好ましくは3nm〜200nm、より好ましくは5nm〜100nmであるのがよい。また、金属コロイドは、その粒径にもよるが、金コロイドは赤色を呈し、銀コロイドは黄色を呈する。
【0025】
この発明によれば、例えば、基質ペプチドがプロテインキナーゼによってリン酸化され、金コロイドの添加により、基質ペプチドが凝集することにより、その金コロイドの色調が赤色から青色に変化することになる。この色調の変化に基づいて、プロテインキナーゼの酵素活性の測定をすることができる。
【0026】
金属コロイドの色調の変化は、一般には約600nm〜800nm、好ましくは約600nm〜750nmの範囲、さらに好ましくは約700nm前後の吸光度を測定することによって調べるのがよい。
【0027】
この発明の別の態様によれば、プロテインキナーゼでリン酸化されたリン酸化基質ペプチドに対する脱リン酸化酵素の酵素活性を測定することもできる。つまり、この発明に係る脱リン酸化酵素活性測定方法においては、プロテインキナーゼによって金属コロイドの介在下でリン酸化されているリン酸化基質ペプチドを、脱リン酸化酵素によって基質ペプチドの脱リン酸化をすると、この脱リン酸化の割合に応じて基質ペプチドの凝集割合に変化が起こると同時に、金属コロイドの色調も変化し、この色調の変化に基づいて脱リン酸化酵素活性を測定することからなつている。
【0028】
この発明における金属コロイドの色調の変化に基づく脱リン酸化酵素活性の測定も、プロテインキナーゼのリン酸化酵素活性の測定と同様に、コントロールの測定結果による金属コロイドの色調の変化を比較することによって行うことができる。
【0029】
この発明に使用することができる脱リン酸化酵素としては、例えば、大腸菌アルカリホスファターゼ、牛小腸アルカリホスファターゼ、ヒトCdc25、Cdc14等のプロテインホスファターゼなどが挙げられる。
【0030】
この発明に係る測定方法を利用することにより、プロテインキナーゼのリン酸化を促進または阻害する化合物のスクリーニングも行うことができる。つまり、プロテインキナーゼのリン酸化を促進または阻害する化合物が、プロテインキナーゼと、基質ペプチドと、金属コロイドだけからなるリン酸化反応系に比べて、プロテインキナーゼによる基質ペプチドのリン酸化が促進または阻害されることになり、これによってかかる促進または阻害化合物をスクリーニングすることができる。
【0031】
一方、リン酸化阻害化合物が存在すると、当然、プロテインキナーゼと、基質ペプチドと、金属コロイドだけからなるリン酸化反応系に比べて、プロテインキナーゼによるリン酸化が阻害されることになる。このリン酸化阻害化合物の存在によるリン酸化促進の程度は、リン酸化阻害化合物の不存在下のリン酸化反応系の色調の変化と比較することによって測定することができる。このようなリン酸化阻害化合物としては、例えば、PKAの阻害剤としてH-89、PKCの阻害剤としてRo31-8220、CaMK II阻害剤としてKN62などが挙げられる。
【0032】
反対に、脱リン酸化を促進または阻害する化合物も実質的には同様にしてスクリーニングすることができる。つまり、脱リン酸化促進化合物が存在すると、当然、プロテインキナーゼと、基質ペプチドと、金属コロイドによってリン酸化されたリン酸化基質ペプチドの脱リン酸化が促進されることになる。この脱リン酸化促進化合物の存在による脱リン酸化の促進程度は、脱リン酸化促進化合物が存在しない場合の脱リン酸化反応系の色調の変化と比較することによって測定することができる。他方、脱リン酸化阻害化合物が存在すると、当然、プロテインキナーゼと、基質ペプチドと、金属コロイドによってリン酸化されたリン酸化基質ペプチドの脱リン酸化が阻害されることになる。この脱リン酸化阻害化合物の存在による脱リン酸化の阻害程度は、脱リン酸化阻害化合物が存在しない場合の脱リン酸化反応系の色調の変化と比較することによって測定することができる。
【0033】
この発明に係る測定用キットは、プロテインキナーゼのリン酸化または脱リン酸化酵素活性を迅速にかつ簡便に測定することができる。かかるキットが、例えば、プロテインキナーゼのリン酸化酵素活性を測定をするために使用する場合には、基質ペプチドと、金属コロイドと、反応媒体としてのバッファーなどの溶媒とから少なくともなっているのがよい。一方、かかるキットが、例えば、プロテインキナーゼの脱リン酸化酵素活性を測定をするために使用する場合には、脱リン酸化反応をするための反応媒体としてのバッファーなどの溶媒とから少なくともなっているのがよい。いずれの場合にも、測定用キットの構成要素は、測定が迅速にかつ簡便に行えるように適宜変更、追加、減少などすることができる。
【実施例1】
【0034】
(実験例1−1:クエン酸還元金コロイド・ペプチド滴定)
リン酸化バッファー(10mH HEPES、1mM塩化マグネシウム、0.2mM ATP)475μLと500mM EDTA 5μLとを混合した後、25.3mMクエン酸還元金コロイド20μLを添加した。得られた溶液に、0.5mMペプチド(kemptide:配列番号1)を1μLずつ添加して、混合後のUVスペクトルを測定した(終濃度1μM、0.1μM間隔)。なお、全ての溶液は、混合後1分以内に安定した。
その測定結果、数百nMレベルでの検出が可能であり、さらに650nm近辺での吸収において高度な直線性が観測された(図1、2)。しかしながら、混合後24時間後においても凝集による色調の変化は観測されなかった。
【0035】
(実験例1−2:クエン酸還元金コロイド・リン酸化割合による検出)
マイクロプレートリーダーによってリン酸化割合と金コロイドの色調変化の相関性を確認するために、下記の実験を行った。
【0036】
50μMペプチド(kemptide:配列番号1)溶液を下表1(単位μL)の量に混合し、リン酸化バッファー(10mM HEPES、1mM塩化マグネシウム、0.2mM ATP)485μLにて希釈してボルテックスした。得られた溶液に500mM EDTAを5μL添加してボルテックスした後、25.3mMクエン酸還元金コロイド20Lを添加して、さらにボルテックスし、96ウエルプレートの各ウエルに200μLずつ添加した。プレートを振とうすることなしに、650nmの吸収・400−800nmのスペクトルを測定した。650nmでの吸収測定の結果を図3および図4に示す。なお、ブランクとしてはバッファーのみを使用した。
【0037】
【表1】

なお、(P)%はリン酸化割合(%)を意味し、Sub(P)はリン酸化ぺプチドを意味し、Subは非リン酸化ペプチドを意味する。
【実施例2】
【0038】
(実験例2−1:精製酵素によるリン酸化タイムコース)
PKA 16U/mLと50μMペプチド(kemptide)120μLとをリン酸化バッファー(10mMHEPES、1mM塩化マグネシウム、0.2mM ATP)485μL)5.8mLに加え、リン酸化バッファーで全量を6mLにしピペッテイングして、37℃にて反応させた。5分おきに500μLずつサンプリングして、予め100℃にしておいたブロックヒーターにて5分間沸騰させて反応を止めた。その後、4℃にして1時間放置した後、EDTA 5μLを添加した反応溶液に金コロイドを20μLずつ添加し、マイクロリーダーにて650nmの吸収または吸収スペクトルを確認した。
【0039】
(実験例2−2:金コロイドによるリン酸化阻害剤H89のIC50測定)
表4に示す組成からなる溶液を調整して、リン酸化反応を37℃で行った。なお、ペプチドは最後に添加した。20分後、反応液に金コロイドとEDTA入りリン酸化バッファー(10mM HEPES、1mM塩化マグネシウム;20μL、5μL、500μL)を添加してボルテックスした。その後、マイクロプレートリーダーにて700nmの吸収およびスペクトルを測定した結果、全てのサンプルにおいてリン酸化されなかったことを確認した。なお、表2中において、ペプチドはkemptide配列番号1)である。
【0040】
【表2】

【0041】
(実験例2−3:金コロイドによるEC50測定)
10mM ATP20μL、10M kemptide(配列番号1)100μL、リン酸化バッファー(10mM
HEPES、1mM塩化マグネシウム)880μLを混合した。この混合液に、0.01U/L、0.01U/L、0.1U/Lおよび1U/LPKAをそれぞれ1μLまたは5μL添加し、30℃で0.5または2.0時間インキュベートした。得られた反応溶液10μLを、金コロイド液(リン酸化バッファー、ATP、EDTA)500μLに添加して、700nmの吸収を測定した。測定の結果、酵素濃度の増加に伴って、吸光度の低下が確認された(図4)。
【0042】
(実験例2−4:金コロイドによるリン酸化阻害剤H89の阻害実験)
試薬、反応条件等:
試料1: PKA (サイクリックAMP依存性プロテインキナーゼ)もH89も含まず。
試料2: H89を含む。
試料3: PKAを含む。
試料4: PKA(サイクリックAMP依存性プロテインキナーゼ)とH89とを含む。
リン酸化バッファー:10mM HEPES、1mM塩化マグネシウム
ペプチド:kemptide(配列番号1)
キナーゼ:50M PKA(50単位/ml);ATP 0.1mM
阻害剤: H89 30μM
リン酸化反応:37℃、45分間
【0043】
実験は次の手順によって行った。上記リン酸化バッファーに上記ペプチドと、PKAと、阻害剤H89とを添加し、10分間インキュベートした後、ATPを添加して、37℃で45分間インキュベートした。得られた反応液10μLをバッファー(ATP/EDTA)490μLで希釈してボルテックスした後、クエン酸還元金コロイド20μL(終濃度1mM)添加しボルテックスした。処理した各試料について、スペクトルをマイクロリーダーにて測定した(図5)。また同時にリン酸化が進行していることをマイクロチップ(MALDI-TOF-MS)にて確認した。
上記実験の結果、阻害剤H89による阻害効果を金コロイドで検出することができること、また阻害剤H89は金コロイドの凝集には影響を及ぼさないことも判明した。
【実施例3】
【0044】
実験例2−1と同様にして、PKAとkemptide(配列番号1)(ペプチド濃度:100、10、5、1、0.5、0.1、0.01、0.001μM)とをリン酸化反応させた後、反応液500μLに1mM金コロイドを添加してインキュベートした。この反応液について700nmの吸収を測定した。得られた測定結果を、基質ペプチド濃度を対数で振り、シグモイド曲線を描いた結果を図6に示す。図6に示すように、基質ペブチド濃度がほぼ0.1μMから1μMの間で定量的な凝集が起こっていることが判明した。
【実施例4】
【0045】
(IC50測定への応用)
組成(10mM HEPES(1mM塩化マグネシウム、0.1mM ATP、10U/mL PKA、30M kemptide))からなる各サンプルを30分間反応させて得られた反応液16.7μLをリン酸化バッファー(EDTA/ATP)にて470μLに希釈して、金コロイド20μLを添加した。このように処理した各サンプルについて、650nmと700nmでの吸光度を測定した。その結果を図7および図8にそれぞれ示す。
【実施例5】
【0046】
細胞として乳がん細胞MCF-7を使用し細胞内PKAを活性化させるフォルスコリン(Fsk)、IBMXにて同時刺激した細胞、および刺激していない細胞の細胞破砕液(ライセート)を作成した。これを下記のリン酸化条件にてリン酸化反応させた後、5mM EDTAを含むHEPESバッファー(10mM HEPES(1mM塩化マグネシウム、0.1mM
ATP、100μg/mLライセート、30μM kemptide))にてペプチド濃度1μMまで希釈した後に金コロイドを添加した。金コロイド濃度は実施例4と同様である。その結果を図9に示す(図中、GNPは金コロイドを意味する)。
【実施例6】
【0047】
外来遺伝子のキナーゼ活性に与える影響を見ることも重要であるため、PKAをコードするプラスミドをトランスフェクションした細胞において実施例5と同様の実験を行った。細胞として肝がん細胞HepG2を使用し、PKAをコードするプラスミドをlipofectamine 2000にてトランスフェクションした。その後実施例5と同様、ライセートを作成し同様の条件にて金コロイドによるアッセイを行った。400−800nmの吸収スペクトルを測定した。結果を図10に示す。
【実施例7】
【0048】
本実施例では培養細胞ライセートのPKC 活性を評価した。
A431、A549、B16、CHO、HeLa、HepG2、HuH-7、Neuro-2a、NIH3T3、uE、WiDr、MCF−7の各細胞を培養後、2回継代し、70%〜80%コンフルエントとなったところで、以下の手順でライセートを作成し、ペプチド(Ac-FKKQSFAKKK-NH2)のリン酸化反応を行い、金ナノ粒子による活性評価を行った。また、MALDI-TOF-MSによってもリン酸化を確認し、さらにウェスタンブロツテイングでPKCαの存在を確認した。
【0049】
(ライセート作成)
セルスクレーパーで上記各細胞を回収し、1,000rpmで3分間遠心し、上澄みを除去した。得られた沈殿物にバッファー(10mM HEPES、10%スクロース、プロテアーゼインヒビター含)100μLを加えて懸濁し、15秒間超音波処理した。この懸濁液5,000gを4℃で15分間遠心し、この上清を反応に用いた。
【0050】
(ウエスタンブロッテイング)
タンパク濃度が200μg/mLまたは400μg/mLとなるように溶液を調製し、ウエスタンブロッテイングを行い、phospho PKCの活性を調べた(図11)。
【0051】
(キナーゼアッセイ)
終濃度が30μMペプチド、200μM ATP、1mM MgCl2、ライセートのタンパク濃度が100μg/mLまたは200μg/mL、10mM HEPESとなるように調製し、37℃で1時間リン酸化反応を行った。
次に、終濃度が0.3μMペプチド、5mM EDTA、3.5×1011粒子/mL金ナノ粒子、となるように調製し、色調の違いを確認した(図13)。
更に、MALDI-TOF-MSによりリン酸化を確認した(図12)。
【0052】
MALDI-TOF-MSから算出したリン酸化率と、ウェスタンブロツテイングで確認した PKCの存在量と、金ナノ粒子でのアッセイの結果はおおよそ一致していた。検出が可能であるのは、A431(ヒト上皮ガン)、A549(ヒト肺がん)、B16(マウス皮膚がん)、CHO(チャイニーズハムスター卵巣)、HeLa(ヒト子宮頚ガン)、HepG2(ヒト肝がん)、Neour-2a(マウス神経芽腫)、NIH3T3(マウス皮膚がん)およびNuEである。したがって、このアッセイ法がPKCaの活性化を伴ったガン組織の診断に適用できることが分かった。
【実施例8】
【0053】
上記で得られた担癌マウスの組織ライセートを用いてPKCaの活性評価を次のようにして行った。
B16(メラノーマ)担ガンマウスから正常皮膚組織と腫瘍組織を取り出し、それを用いてペプチド(Ac-FKKQGSFAKKK-NH2)をリン酸化反応させ、金ナノ粒子による検出を行った。
まず、Balb/cマウスの右下腹部にB16細胞(107個)を注射し、7〜8mmに成長するまで放置した。次に、マウスから腫瘍組織および対応する左下腹部の正常皮下組織を採取した。
このように処理した組織をバッファー(10mM
HEPES、10%スクロース、プロテアーゼインヒビター含)1mLに入れ、ホモジナイズした。得られた組織800gを4℃で5分間遠心し、上澄みを除去したのち、バッファーで2回洗浄した。得られた組織を再びバッファー 1mLに懸濁し、30秒間超音波処理をした。この懸濁液5,000gを4℃で15分間遠心し、この上清を反応に用いた。
【0054】
上記で得た上清を、終濃度がペプチド30μM、ATP200μM、MgCl2 1mM、ライセートのタンパク濃度が100μg/mLまたは200μg/mLとなるように調製し、バッファーで50μLにメスアップした。
得られた溶液を37℃で1時間リン酸化反応し、MALDI-TOF-MSによりリン酸化を確認した。
【0055】
また、終濃度がペプチド0.4μM、EDTA 5mM、金ナノ粒子3.5×1011粒子/mLとなるように調製し、色の違いを確認(サンプル番号/ライセートのタンパク濃度)した(図14)。
正常細胞ではほとんどリン酸化していなかったが、腫瘍組織ではリン酸化が見られた。また、この違いを金ナノ粒子の色の違いで確認することができ、反応溶液は正常組織では青色を呈し、腫瘍組織では紫〜赤色を呈した。
【実施例9】
【0056】
B16担ガンマウス組織を用いたリン酸化アッセイ(阻害剤存在下)
このリン酸化アッセイ手順は前記と同様であり、リン酸化時にPKC阻害剤(Ro-31-7549)を加えた。
阻害剤の添加によりリン酸化率は低下することが、MALDI-TOF-MSで示された。また、色調の変化はこれを反映していることが分かった(図15)。
【実施例10】
【0057】
HepG2担ガンマウス組織を用いたリン酸化アッセイ
HepG2担ガンマウスから腫瘍組織を取り出し、それを用いてPKC64(Ac-FKKQGSFAKKK-NH2)をリン酸化反応させ、金ナノ粒子による検出を行った。正常組織との識別可能であった(図16)。
【実施例11】
【0058】
ヒト乳がん実サンプルを用いたキナーゼアッセイを次のようにして行った。
まず、乳がん患者の組織をライセートにし、PKC64(Ac-FKKQGSFAKKK-NH2)のリン酸化反応を行い、金ナノ粒子とMALDI-TOF-MSでリン酸化を確認した。
【0059】
乳がんサンプルの一部(5mm四方)をバッファー(10mM HEPES、10%スクロース、プロテアーゼインヒビター含)500μLに入れ、ホモジナイズした。このホモジナイズしたサンプル800−900gを4℃で5分間遠心し、上澄みを除去した。得られた沈殿物をバッファー100μLに懸濁し、15秒間超音波処理した。得られた懸濁液5,000gを4℃で15分間遠心し、この上清を反応に用いた。
【0060】
終濃度が30μMペプチド、200μM ATP、1 mM MgCl2、ライセートのタンパク25、50、100、200μg/mL、10mM HEPESとなるように調製し、37℃で1時間リン酸化反応した。
次に、終濃度が0.3μMペプチド、5mM EDTA、3.5×1011粒子/mL金ナノ粒子、10mM HEPESとなるように調製し、色調の違いを確認した(図17)。
さらに、MALDI-TOF-MSによりリン酸化を確認した。
【産業上の利用可能性】
【0061】
この発明は、プロテインキナーゼのリン酸化ならびに脱リン酸化を容易にかつ簡便に行うことができることから、このプロテインキナーゼの機能異常を正確にかつ簡易に検出することができ、疾患などの原因を解明する一助になる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】クエン酸還元金コロイド・ペプチド滴定による紫外吸収スペクトル図。
【図2】酸還元金コロイド・ペプチド滴定による650nmの吸収における直線性を示すグラフ。
【図3】クエン酸還元金コロイド・リン酸化割合による紫外吸収スペクトル図。
【図4】リン酸化割合と650nm吸収の関係を示す直線図。
【図5】金コロイドによるEC50測定結果を示すシグモイド曲線図。
【図6】金コロイドによるリン酸化阻害剤H89の阻害結果を示す紫外吸収スペクトル図。
【図7】検出限界の検討結果を示すシグモイド曲線図。
【図8】金コロイドによるIC50測定結果を示すシグモイド曲線図。
【図9】薬剤刺激ライセートを用いたリン酸化反応を行った結果を示す紫外吸収スペクトル図。
【図10】PKAトランスフェクション細胞ライセートを用いたリン酸化反応を行った結果を示す紫外吸収スペクトル図。
【図11】ウエスタンブロッテイングの結果(ライセート濃度:200 g/mL)を示す図(実施例7)。
【図12】MALDI-TOF-MSで求めたリン酸化率(ライセート濃度:100 g/mL)を示すグラフ(実施例7)。
【図13】ライセートの金ナノ粒子アッセイ(ライセート濃度:100g/mL)の結果を示す図(実施例7)。
【図14】B16担癌マウスのアッセイ結果を示す図(実施例8)。
【図15】B16担癌マウスのリン酸化アッセイの結果を示す図(実施例9)。下段:MALDI-TOF-MSで求めたリン酸化率。
【図16】HepG2担癌マウスのリン酸化アッセイの結果を示す図(実施例10)。下段:MALDI-TOF-MSで求めたリン酸化率。
【図17】ライセートの金ナノ粒子アッセイの結果を示す図(実施例11)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基質ペプチドとプロテインキナーゼとを金属コロイドの存在下に反応させて、または基質ペプチドとプロテインキナーゼとを反応させた後金属コロイドを添加して、得られる反応液の色調変化に基づいてプロテインキナーゼのリン酸化による酵素活性を測定することを特徴とするプロテインキナーゼの酵素活性測定方法。
【請求項2】
請求項1に記載の酵素活性測定方法において、前記キナーゼが、PKC(プロテインキナーゼC)、PKA(サイクリックAMP依存性プロテインキナーゼ)、MAPK、Rhoキナーゼ、MAPKAP、cdc2キナーゼまたはraf-1キナーゼなどから選ばれるタンパク質を基質とすることを特徴とするプロテインキナーゼの酵素活性測定方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載するプロテインキナーゼの酵素活性測定方法において、前記基質ペプチドが、kemptide(配列番号1)またはPKC64(配列番号2)からなるカチオン性の基質ペプチドであることを特徴とするプロテインキナーゼの酵素活性測定方法。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載するプロテインキナーゼの酵素活性測定方法において、前記金属コロイドが、金コロイド、銀コロイド、白金コロイド、鉄コロイド、水酸化鉄コロイド、水酸化アルミニウムコロイド、パラジウムコロイドまたはロジウムコロイドであることを特徴とするプロテインキナーゼの酵素活性測定方法。
【請求項5】
金属コロイドの介在によりプロテインキナーゼによりリン酸化されている基質ペプチドを脱リン酸化酵素によって脱リン酸化をすることにより、得られる反応液の色調変化に基づいて脱リン酸化酵素の脱リン酸化酵素活性を測定することを特徴とする脱リン酸化酵素活性測定方法。
【請求項6】
請求項4に記載の脱リン酸化酵素活性測定方法において、前記脱リン酸化酵素が、大腸菌アルカリホスファターゼ、牛小腸アルカリホスファターゼ、ヒトCdc25、Cdc14等のプロテインホスファターゼであることを特徴とする脱リン酸化酵素活性測定方法。
【請求項7】
プロテインキナーゼのリン酸化を阻害する化合物の存在下において、基質ペプチドとプロテインキナーゼとを金属コロイドの存在下で反応させて、または基質ペプチドとプロテインキナーゼとを反応させた後、金属コロイドを添加して、得られる反応液の色調変化に基づいて、プロテインキナーゼのリン酸化の阻害する化合物の酵素活性を測定することによりプロテインキナーゼのリン酸化阻害化合物をスクリーニングすることを特徴とするプロテインキナーゼのリン酸化阻害化合物のスクリーニング方法。
【請求項8】
請求項7に記載のプロテインキナーゼのリン酸化阻害化合物のスクリーニング方法において、前記プロテインキナーゼが、PKC(プロテインキナーゼC)、PKA(サイクリックAMP依存性プロテインキナーゼ)、MAPK、Rhoキナーゼ、MAPKAP、CaMK、cdc2キナーゼまたはraf-1キナーゼなどから選ばれるタンパク質を基質とすることを特徴とするプロテインキナーゼのリン酸化阻害化合物のスクリーニング方法。
【請求項9】
請求項7または8に記載のプロテインキナーゼのリン酸化阻害化合物のスクリーニング方法において、前記金属コロイドが、金コロイド、銀コロイド、白金コロイド、鉄コロイド、水酸化鉄コロイド、水酸化アルミニウムコロイド、パラジウムコロイドまたはロジウムコロイドであることを特徴とするプロテインキナーゼのリン酸化阻害化合物のスクリーニング方法。
【請求項10】
請求項7ないし9のいずれか1項に記載のプロテインキナーゼのリン酸化阻害化合物のスクリーニング方法において、前記プロテインキナーゼリン酸化阻害化合物が、PKAの阻害剤としてH-89、PKCの阻害剤としてRo31-8220、CaMKの阻害剤としてKN62などからなることを特徴とするプロテインキナーゼの阻害化合物のスクリーニング方法。
【請求項11】
プロテインキナーゼによってリン酸化可能基質ペプチドと、金属コロイドと、反応媒体としてのバッファーなどの溶媒とから少なくともなっていることを特徴とするプロテインキナーゼのリン酸化酵素活性測定用キット。
【請求項12】
脱リン酸化反応をするための反応媒体としてのバッファーなどの溶媒ととから少なくともなっていることを特徴とするプロテインキナーゼの脱リン酸化酵素活性測定用キット。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図12】
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【図11】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2008−79610(P2008−79610A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−227526(P2007−227526)
【出願日】平成19年9月3日(2007.9.3)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 1.日本化学会第87春季大会(2007)講演予稿集CD−ROM 2.第25回九州分析化学若手の会夏季セミナー 講演要旨集 3.第25回九州分析化学若手の会夏季セミナー 講演要旨集 4.第56回(2007年)高分子学会予稿集CD−ROM 5.第44回化学関連支部合同九州大会外国人研究者交流国際シンポジウム講演予稿集 6.株式会社化学工業日報社 平成19年6月25日付 第8面
【出願人】(504145342)国立大学法人九州大学 (960)
【Fターム(参考)】