説明

プロテクタおよびその使用方法

【課題】採血や輸血等の終了後に穿刺具を廃棄する際、プロテクタからの血液の漏れ、飛散を確実に防止して、血液による汚染、感染等をさらに減少させることができるプロテクタおよびその使用方法を提供する。
【解決手段】穿刺具50に装着して使用され、チューブ53の長手方向に沿って移動可能なプロテクタ1であって、穿刺具50を収納する内腔4が形成された外筒本体部3と、内腔4内にハブ52を保持する保持部5と、保持部5の基端側に内腔4の内径が保持部5に向って漸次減少するように形成された傾斜部8とを有する外筒2と、外筒2の基端側に保持され、先端方向に移動可能な内筒本体部10と、内筒本体部10の先端側から外筒2の先端方向に延出する延出部12とを有する内筒9とを備え、内筒9を先端方向へ移動することによって、延出部12が傾斜部8の内面に当接して、チューブが縮径する方向に傾斜部8で延出部12が付勢される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穿刺具に装着して使用されるプロテクタおよびその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
採血や輸血等は、穿刺具を供血者や患者の血管に穿刺することによって行われる。このような穿刺具は、先端に鋭利な針先を有する針管と、針管の基端部に接続されたハブと、ハブの基端部に接続されたチューブとで構成されている。
【0003】
また、医療施設においては、血液による汚染、感染等が問題となっており、特にB型肝炎、C型肝炎、HIV(ヒト免疫不全ウィルス)等が社会的に広く取り上げられてきている。そのため、使用済みの穿刺具による誤穿刺を積極的に防止することが要望されている。
【0004】
したがって、採血や輸血等が終了したときには、針先による誤穿刺を防止するために、使用済みの穿刺具は、針先が露出しないように針管およびハブをプロテクタ等の内部に収納して、廃棄される。
【0005】
このようなプロテクタを備えた穿刺具として、例えば、特許文献1では、略円筒状のプロテクタ(文献ではシールド筒)と、シールド筒内に軸方向に移動可能なように挿入され後端部にチューブが接続されたハブと、ハブの先端部に装着された針管とを備え、ハブの先端部の外周面に形成された凸部が、シールド筒の先端から後端近傍に亘って軸方向に延在するゲート溝内を摺動することによって、シールド筒の内部に針管が収納され、針管の針先が露出しないように構成された穿刺具(文献では医療用針装置)が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3536847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のプロテクタを備えた穿刺具では、プロテクタ内部に針管が収納されるため、針先による誤穿刺が防止され、血液による汚染、感染等も少なくなってきている。しかしながら、従来のプロテクタを備えた穿刺具では、穿刺具を廃棄する際、チューブ内に残留していた血液がプロテクタの先端開口部から漏れ、飛散することがあり、その血液による汚染、感染等が危惧されるという問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、このような問題を解決すべく創案されたもので、その課題は、採血や輸血等の終了後に穿刺具を廃棄する際、プロテクタからの血液の漏れ、飛散を確実に防止して、血液による汚染、感染等をさらに減少させることができるプロテクタおよびその使用方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、本発明の請求項1に係るプロテクタは、先端側に針先が形成された針管と、前記針管の基端側に設けられたハブと、前記ハブの基端側に接続され、前記ハブを介して前記針管と連通するチューブとを備える穿刺具に装着して使用され、前記チューブの長手方向に沿って移動可能なものであって、前記穿刺具を収納する内腔が形成された筒状の外筒本体部と、前記内腔内に前記針先が収納されるように前記ハブを前記内腔に保持する保持部と、前記内腔の内径が前記保持部に向って漸次減少するように前記保持部の基端側に形成された傾斜部とを有する外筒と、前記外筒の基端側の前記内腔に保持され、前記チューブが挿通して前記外筒の先端方向に移動可能な筒状の内筒本体部と、前記内筒本体部の先端側から前記外筒の先端方向に延出する1つまたは複数の延出部とを有する内筒とを備え、前記穿刺具を前記内腔内に収納した際に、前記内筒を前記外筒の先端方向へ移動することによって、前記延出部が前記傾斜部内面に当接して、前記チューブが縮径する方向に前記傾斜部で前記延出部が付勢されるように構成されていることを特徴とする。
【0010】
前記構成によれば、穿刺具を外筒の内腔内に収納した際に、好ましくは、内腔内に保持した後に、内筒を外筒の先端方向へ移動することによって、1つまたは複数の延出部が傾斜部内面に当接して、チューブが縮径する方向に傾斜部で延出部が付勢されるため、チューブが閉塞状態となり、採血や輸血等の終了後に穿刺具を廃棄する際、チューブ内に残留していた血液が、外筒本体部の先端側から漏れ、飛散することが防止される。また、外筒が、穿刺具を収納する内腔が形成された外筒本体部と、針先が内腔内に収納されるようにハブを内腔に保持する保持部とを有するため、穿刺具による誤穿刺が防止される。
【0011】
本発明の請求項2に係るプロテクタは、先端部に針先が形成された針管と、前記針管の基端側に設けられたハブと、前記ハブの基端側に接続され、前記ハブを介して前記針管と連通するチューブとを備える穿刺具に装着して使用され、前記チューブの長手方向に沿って移動可能なものであって、前記穿刺具を収納する内腔が形成された筒状の外筒本体部と、前記内腔内に前記針先が収納されるように前記ハブを前記内腔に保持する保持部と、前記内腔の内径が前記保持部に向って漸次減少するように前記保持部の基端側に形成された傾斜部とを有する外筒と、前記外筒の基端側の前記内腔に保持され、前記チューブが挿通して前記外筒の先端方向に移動可能な筒状の第1内筒本体部を有する第1内筒と、前記内腔の前記第1内筒の先端方向に保持され、前記チューブが挿通して前記外筒の先端方向に移動可能な筒状の第2内筒本体部と、前記第2内筒本体部の先端側から前記外筒の先端方向に延出する1つまたは複数の延出部とを有する第2内筒とを備え、前記穿刺具を前記内腔内に収納した際に、前記第1内筒を前記外筒の先端方向へ移動することによって、前記第2内筒が前記外筒の先端方向へ移動して、前記延出部が前記傾斜部内面に当接して、前記チューブが縮径する方向に前記傾斜部で前記延出部が付勢されるように構成されていることを特徴とする。
【0012】
前記構成によれば、穿刺具を外筒の内腔内に収納した際に、好ましくは、内腔内に保持した後に、第1内筒を外筒の先端方向へ移動することによって、第2内筒が外筒の先端方向へ移動して、1つまたは複数の延出部が傾斜部内面に当接して、チューブが縮径する方向に傾斜部で延出部が付勢されるため、チューブが閉塞状態となり、採血や輸血等の終了後に穿刺具を廃棄する際、チューブ内に残留していた血液が、外筒本体部の先端側から漏れ、飛散することが防止される。また、外筒が、穿刺具を収納する内腔が形成された外筒本体部と、針先が内腔内に収納されるようにハブを内腔に保持する保持部とを有するため、穿刺具による誤穿刺が防止される。
【0013】
本発明の請求項3に係るプロテクタの使用方法は、請求項1のプロテクタの使用方法であって、前記穿刺具を前記内腔内に収納する第1ステップと、前記穿刺具を前記内腔内に保持する第2ステップと、前記内腔内に穿刺具が収納された状態で、前記内筒を前記外筒の先端方向へ移動させる第3ステップと、前記内筒を前記外筒の先端方向へ移動させた後、前記延出部を前記傾斜部内面と当接させ、前記傾斜部に沿って、前記チューブが縮径する方向へ前記傾斜部で前記延出部が付勢される第4ステップと、前記チューブが縮径する方向へ前記延出部が付勢されることで、前記チューブが変形して前記チューブの内腔が閉塞される第5ステップとを含むことを特徴とする。
【0014】
前記手順によれば、チューブが閉塞状態となり、採血や輸血等の終了後に穿刺具を廃棄する際、チューブ内に残留していた血液が、外筒本体部の先端側から漏れ、飛散することが防止される。また、針先が内腔内に収納され、穿刺具による誤穿刺が防止される。
【0015】
本発明の請求項4に係るプロテクタの使用方法は、請求項2のプロテクタの使用方法であって、前記穿刺具を前記内腔内に収納する第1ステップと、前記穿刺具を前記内腔内に保持する第2ステップと、前記内腔内に穿刺具が収納された状態で、前記第1内筒を前記外筒の先端方向へ移動させることで、前記第2内筒を前記外筒の先端方向へ移動させる第3ステップと、前記第2内筒を前記外筒の先端方向へ移動させた後、前記延出部を前記傾斜部内面と当接させ、前記傾斜部に沿って、前記チューブが縮径する方向へ前記傾斜部で前記延出部が付勢される第4ステップと、前記チューブが縮径する方向へ前記延出部が付勢されることで、前記チューブが変形して前記チューブの内腔が閉塞される第5ステップとを含むことを特徴とする。
【0016】
前記手順によれば、チューブが閉塞状態となり、採血や輸血等の終了後に穿刺具を廃棄する際、チューブ内に残留していた血液が、外筒本体部の先端側から漏れ、飛散することが防止される。また、針先が内腔内に収納され、穿刺具による誤穿刺が防止される。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係るプロテクタおよびその使用方法によれば、採血や輸血等の終了後に穿刺具を廃棄する際、プロテクタからの血液の漏れ、飛散を確実に防止すると共に、穿刺具による誤穿刺も防止して、血液による汚染、感染等を従来のものと比べてさらに減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1実施形態のプロテクタの構成を示し、チューブ閉塞前の状態を示す縦断面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】第1実施形態のプロテクタの構成を示し、チューブ閉塞後の状態を示す縦断面図である。
【図4】図3のB−B線断面図である。
【図5】(a)、(b)は、延出部の先端形状の他の形態を示す縦断面図である。
【図6】プロテクタのロック機構の構成を示し、(a)は縦断面図、(b)は横断面図である。
【図7】プロテクタのロック機構の構成を示し、(a)は横断面図、(b)は縦断面図である。
【図8】第2実施形態のプロテクタの構成を示し、チューブ閉塞前の状態を示す縦断面図である。
【図9】図8のC−C線断面図である。
【図10】第2実施形態のプロテクタの構成を示し、チューブ閉塞後の状態を示す縦断面図である。
【図11】図10のD−D線断面図である。
【図12】血液バッグシステムの構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<プロテクタの第1実施形態>
本発明に係るプロテクタの第1実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1、図12に示すように、第1実施形態のプロテクタ1は、穿刺具50に装着して使用される。プロテクタ1を説明する前に、プロテクタ1が装着される穿刺具50について説明する。
なお、本発明では、先端側(先端方向)とは、採血や輸血の際に穿刺具を穿刺する供血者や患者側(患者方向)を意味し、基端側(基端方向)とは、採血や輸血の際に血液を流出入する医療用具側(医療用具方向)、例えば、血液バッグシステム側(血液バッグシステム方向)を意味する。
【0020】
(穿刺具)
図12に示すように、穿刺具50は、採血や輸血の際に供血者や患者の血管に穿刺して使用されるもので、針管51と、ハブ52と、チューブ53とを備える。
【0021】
針管51は、ステンレス鋼等の金属材料で構成され、先端側には鋭利な針先51aが形成されている。この針先(刃先)51aの形状は、特に限定されず、針管51の軸線に対し所定角度傾斜した刃面を有する形状をなしている。
【0022】
ハブ52は、針管51の基端側に設けられ、合成樹脂で構成された筒状体であって、嵌合、かしめ、融着、接着剤による接着等により針管51に液密に固着されるもので、針管51の内部と連通するものである。また、ハブ52の横断面形状(軸線に直交する方向の断面形状)は、特に限定されず、円形状(楕円形状を含む)、角形状等が好ましい。そして、ハブ52は、内部の視認性が確保される透明樹脂で構成されることが好ましく、これにより、血管を確保した際のハブ52内への血液流入(フラッシュバッグ)を目視で確認することが可能となる。また、図示しないが、ハブ52は、その外周面から軸線に直交する方向に延出する板状の翼部を有する、いわゆる翼付きハブであってもよい。この翼部により、ハブ52を供血者や患者の皮膚に固定し易くなる。
【0023】
チューブ53は、可撓性を有する合成樹脂から構成される。また、チューブ53の先端側は、ハブ52の基端側に嵌合、接着等により液密に接続され、ハブ52を介して針管51と連通している。これにより、針管51からチューブ53への血液の通過、または、チューブ53から針管51への血液の通過が可能となる。さらに、チューブ53の基端側は、血液バッグシステム100等の採血バッグ101に接続されている。
【0024】
また、図示しないが、穿刺具50は、未使用状態では、針管51に針先51aを覆う合成樹脂等で構成されたキャップが装着されている。このキャップで針先51aが覆われているため、穿刺具50(針先51a)による誤穿刺を防止することが可能となる。
【0025】
このような穿刺具50に装着して使用されるプロテクタ1は、チューブ53の長手方向に沿って移動可能なものである。プロテクタ1が移動可能なものとは、図12に示すように、プロテクタ1がハブ52の基端側に位置して、針管51およびハブ52から離間した第1状態と、図1に示すように、プロテクタ1がチューブ53およびハブ52を内部に収納、好ましくは、保持する第2状態とを取り得ることを意味する。
【0026】
図1、図2に示すように、プロテクタ1は、外筒2と、内筒9とを備える。
外筒2および内筒9の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリカーボネイト等の各種合成樹脂材料が挙げられる。以下、各構成について説明する。
【0027】
(外筒)
外筒2は、外筒本体部3と、保持部5と、傾斜部8とを有する。
外筒本体部3は、両端が開口している、すなわち、先端開口4aおよび基端開口4bを有して内部に穿刺具50を収納する内腔(外筒内腔)4が形成された筒状体で構成されている。また、外筒本体部3は、プロテクタ1を前記した第1状態から第2状態へ移動する際に、使用者によって把持される把持部として機能する。したがって、外筒本体部3を把持した際に外筒本体部3が滑るのを防止するために、図示しないが、外筒本体部3の外表面には、その外周方向(軸線に直交する方向)に沿って形成された凹部または凸部を、長手方向(軸線に沿う方向)に多数形成することが好ましい。さらに、図示しないが、外筒本体部3は、先端開口4aから後記する保持部5の近傍に亘って軸線方向に延在する溝部が形成されていてもよい。この溝部によって、翼付きハブの翼部が溝部内を摺動可能となり、外筒本体部3内に翼付きハブを収納、保持することが可能となる。
【0028】
外筒本体部3の横断面形状は、特に限定されないが、プロテクタ1の移動の際の操作性が良好になるように、円形状(楕円形状を含む)、角形状等が好ましい。また、内腔4の横断面形状も、特に限定されないが、穿刺具50の収納性が良好になるように、円形状(楕円形状を含む)、角形状等が好ましい。さらに、内腔4の縦断面形状(軸線に沿う方向の断面形状)は、後記する保持部5から先端開口4aに亘ってその内径が保持部5から先端開口4aに向って漸次拡径するテーパ形状であることが好ましい。これにより、内腔4の内部に穿刺具50を収納し易くなる。
【0029】
保持部5は、内腔4の内部に穿刺具50の針先51aが収納されるように、ハブ52を内腔4に保持するものである。保持部5の内腔4における位置は、先端開口4aと保持部5との間の距離が針管51の長さ以上になるように、適宜設定する。保持部5の構成は、ハブ52が保持できれば特に限定されないが、縮径部6および段差部7のいずれか一方を有し、縮径部6と段差部7の両者を有することが好ましい。
【0030】
縮径部6は、内腔4の内径がハブ52の外径と同一径に減少された部分を意味する。なお、ハブ52の外径は、円形状の断面を有するハブ52では直径、角形状の断面を有するハブ52では短外径を意味する。縮径部6では、ハブ52の外周面に対する内腔4の内周面の摩擦力によって、ハブ52が内腔4に保持される。
【0031】
段差部7は、内腔4の内径がハブ52の外径よりも小さくなるように、内腔4の内部に突出した突出部であって、具体的には、外筒本体部3の肉厚を厚くした部分である。段差部7では、その先端側の端面でハブ52を保持する。
【0032】
傾斜部8は、保持部5の基端側に、内腔4の内径が保持部5に向って漸次減少するように形成された部分である。傾斜部8の傾斜角度は、後記する1つまたは複数の延出部12を付勢して延出部12でチューブ53を縮径する方向に変形できるように、内腔4の内径、チューブ53の外径および肉厚を考慮して適宜設定する。
【0033】
(内筒)
内筒9は、内筒本体部10と、延出部12とを有する。
内筒本体部10は、チューブ53が挿通される両端が開口した内筒内腔が形成された筒状体から構成され、外筒2の基端側(基端開口4b側)の内腔4に保持される。そして、内筒本体部10は、外筒2の先端方向、具体的には傾斜部8側に移動可能に構成されている。内筒本体部10を傾斜部8側に移動可能とするために、内筒本体部10の外周面に雄ネジ部10aを形成し、雄ネジ部10aとネジ嵌合する雌ネジ部4cを外筒本体部3の内周面に形成することが好ましい。図示しないが、内筒本体部10の外周面に雌ネジ部、外筒本体部3の内周面に雄ネジ部を形成してもよい。また、内筒本体部10が内腔4に保持され、かつ、傾斜部8側に移動できれば、雄ネジ部10aおよび雌ネジ部4cを形成することなく、内筒本体部10の外周面と外筒本体部3の内周面との面接触だけでもよい。さらに、内筒本体部10は、傾斜部8側への移動を容易にするために、内筒本体部10の基端側に軸線に直交する方向に所定長さで立設する操作部11を有することが好ましい。
【0034】
延出部12は、内筒本体部10の先端側から外筒2の先端方向に、傾斜部8に向って延出するもので、内筒本体部10の先端側の端面周縁部に1つまたは複数形成されたもので、等間隔に複数形成されたものが好ましい。そして、後記するように、延出部12は、内筒9の移動によって外筒2の傾斜部8の内面と当接して、傾斜部8によってチューブ53を縮径する方向に付勢されるものである。延出部12の個数は、2つが好ましく、チューブ53を挟んで互いに対向する位置に形成されたものである。また、チューブ53が縮径する方向に変形して閉塞状態となれば、延出部12の個数は2つに限定されず、2つより多い、例えば3つまたは4つであってもよい。
【0035】
延出部12の延出長さは、傾斜部8の内面に当接して傾斜部8の付勢によってチューブ53を縮径する方向に変形させて閉塞状態にできる長さに、適宜設定する。また、延出部12の長さは、チューブ53の閉塞状態を確実なものとするために、チューブ53の閉塞時の延出部12の先端位置が傾斜部先端8aよりも基端側に配置されるように、適宜設定することが好ましい。
ここで、チューブ53における閉塞状態とは、チューブ53の血液流路が遮断された状態を意味する。言い換えれば、チューブ53が、その外径において、肉厚の2倍に相当する外径に縮径した状態を意味する(図4参照)。
【0036】
延出部12は、その先端において、チューブ53側に突出する突出部12aを有することが好ましい。また、図5(a)、(b)に示すように、延出部12は、外筒本体部3側に突出する突出部12b(図5(a)参照)、または、突出部12aおよび突出部12bの両者を有してもよい(図5(b)参照)。
【0037】
図3、図4に示すように、プロテクタ1は、穿刺具50を内腔4内に収納した際に、好ましくは、針先51aが内腔4内に収納されるようにハブ52を内腔4内に保持した後に、内筒9を外筒2の先端方向(傾斜部8側)へ移動することによって、1つまたは複数の延出部12が傾斜部8の内面に当接して、チューブ53が縮径する方向に傾斜部8で延出部12が付勢されるように構成されている。
【0038】
このような構成によって、プロテクタ1は、採血や輸血等の終了後に穿刺具50を廃棄する際、チューブ53が閉塞状態となり、チューブ53に残存していた血液の先端開口(外筒本体部3の先端開口4a)からの漏れ、飛散が確実に防止される。また、穿刺具50の針先51aが外筒2内に収納されるため、穿刺具50による誤穿刺も防止できる。その結果、本発明のプロテクタ1は、血液による汚染、感染等を従来のものと比べてさらに減少させることができる。
【0039】
図3に示すプロテクタ1は、チューブ53の閉塞状態を維持するために、内筒9の基端側への後戻りを防止するロック機構を備えていることが好ましい。ロック機構の構成については、例えば、以下のような構成が挙げられる。
【0040】
図6(a)に示すように、内筒本体部10に形成された雄ネジ部10aの一部に凹部10bを設けると共に、外筒本体部3に形成された雌ネジ部4cの一部に凸部4dを設け、延出部12でチューブ53が閉塞された際に、凹部10bに凸部4dを嵌合させる。
図6(b)に示すように、内筒本体部10に形成された雄ネジ部10aの一部に凸部10cを設けると共に、外筒本体部3に形成された雌ネジ部4cの一部に凸部4dを設け、延出部12(図3参照)でチューブ53が閉塞された際に、凸部4dに凸部10cを係止させる。
【0041】
図7(a)に示すように、内筒本体部10から延出する延出部12の一部に凹部12cを設けると共に、外筒本体部3の傾斜部8の一部に凸部8bを設け、延出部12でチューブ53が閉塞された際に、凹部12cに凸部8bを嵌合させる。
図7(b)に示すように、内筒本体部10から延出する延出部12の一部に凸部(突出部12b)を設けると共に、外筒本体部3の傾斜部8の一部に凸部8bを設け、延出部12でチューブ53が閉塞された際に、凸部8bに凸部12bを係止させる。
【0042】
なお、図3に示すプロテクタ1において、内筒本体部10の操作部11の一部に凹部(図示せず)、外筒本体部3の基端の一部に凸部(図示せず)を設け、延出部12でチューブ53が閉塞された際に、内筒本体部10の操作部11に外筒本体部3を嵌合させてもよい。
また、雄ネジ部10aが形成されていない内筒本体部10の外表面の一部に凸部(図示せず)、雌ネジ部4cが形成されていない外筒本体部3の内表面の一部に凸部(図示せず)を設け、延出部12でチューブ53が閉塞された際に、外筒本体3に内筒本体部10を係止させてもよい。
【0043】
<プロテクタの第2実施形態>
本発明に係るプロテクタの第2実施形態について、図面を参照して説明する。
図8、図12に示すように、第2実施形態のプロテクタ21は、第1実施形態のプロテクタ1と同様に、穿刺具50に装着して使用され、チューブ53の長手方向に沿って移動可能なものである。
【0044】
図8、図9に示すように、第2実施形態のプロテクタ21は、第1実施形態のプロテクタ1(図1、図2参照)の内筒9を2つの部品で構成、すなわち、内筒9の内筒本体部10と同様に機能する第1内筒29Aと、内筒9の延出部12と同様に機能する第2内筒29Bの2つの部品で構成したものである。
【0045】
プロテクタ21は、外筒22と、第1内筒29Aと、第2内筒29Bとを備える。
外筒22、第1内筒29Aおよび第2内筒29Bの構成材料としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリカーボネイト等の各種合成樹脂材料が挙げられる。以下、各構成について説明する。
【0046】
(外筒)
外筒22は、外筒本体部23、保持部25および傾斜部28を有する。外筒本体部23、保持部25および傾斜部28は、前記した第1実施形態のプロテクタ1における外筒本体部3、保持部5および傾斜部8と同様であるので、説明を省略する。
なお、外筒本体部23には、第1実施形態と同様に、両端が開口した、先端開口24aおよび基端開口24bを有する内腔24が形成され、内部に穿刺具50を収納する。また、保持部25は、第1実施形態の縮径部6および段差部7と同様な、縮径部26および段差部27を有し、そのいずれか一方を有する。
【0047】
(第1内筒)
第1内筒29Aは、第1内筒本体部30Aを有する。第1内筒本体部30Aは、第1実施形態の内筒本体部10と同様であるので、説明を省略する。
なお、第1内筒本体部30Aは、第1実施形態の操作部11および雄ネジ部10aと同様な、操作部31および雄ネジ部30aを有することが好ましい。また、第1内筒本体部30Aが雄ネジ部30aを有する場合には、前記した外筒本体部23(内腔24)が雌ネジ部24cを有する。
【0048】
(第2内筒)
第2内筒29Bは、第2内筒本体部30Bと、延出部32とを有する。
第2内筒本体部30Bは、チューブ53が挿通される両端が開口した筒状体から構成され、内腔24の第1内筒29Aの先端方向に保持される。また、第2内筒本体部30Bは、その外周面が内腔24の内周面と面接触によって保持されていることが好ましい。そして、第2内筒本体部30Bは、後記する第1内筒29Aの移動によって、外筒22の先端方向、具体的には傾斜部28側に移動可能に構成されている。
【0049】
延出部32は、第2内筒本体部30Bの先端側から外筒22の先端方向に、傾斜部28に向って延出するもので、第2内筒本体部30Bの先端側の端面周縁部に1つまたは複数形成されるもので、等間隔に複数形成されたものが好ましい。そして、後記するように、延出部32は、第1内筒29Aの移動によって傾斜部28の内面と当接して、傾斜部28によってチューブ53を縮径する方向に付勢されるものである。また、延出部32は、前記以外は第1実施形態の延出部12と同様である。
【0050】
図10、図11に示すように、プロテクタ21は、穿刺具50を内腔24内に収納した際に、好ましくは、針管51の針先51aが内腔24内に収納されるようにハブ52を内腔24内に保持した後に、第1内筒29Aを外筒22の先端方向(傾斜部28側)へ移動することによって、第2内筒29Bが外筒22の先端方向に移動して、延出部32が傾斜部28の内面に当接して、チューブ53が縮径する方向に傾斜部28で延出部32が付勢されるように構成されている。
【0051】
このような構成によって、プロテクタ21は、採血や輸血等の終了後に穿刺具50を廃棄する際、チューブ53が閉塞状態となり、チューブ53に残存していた血液の先端開口(外筒本体部23の先端開口24a)からの漏れ、飛散が確実に防止される。また、穿刺具50の針先51aが外筒22内に収納されるため、穿刺具50による誤穿刺も防止できる。その結果、本発明のプロテクタ21は、血液による汚染、感染等を従来のものと比べてさらに減少させることができる。
【0052】
<血液バッグシステム>
次に、プロテクタが装着された穿刺具を備える血液バッグシステムについて説明する。血液バッグシステムとしては、例えば、図12に示すような構成のものが挙げられる。
【0053】
血液バッグシステム100は、本発明のプロテクタ1(21)が装着された穿刺具50と、採血バッグ101と、血液処理フィルタ102と、血液保存バッグ103と、血液保存バッグ104と、薬液充填バッグ105と、それぞれを接続する接続チューブ106a〜106eとを備える。
【0054】
採血バッグ101は、穿刺具50のチューブ53と接続し、チューブ53を介して供血者から血液を採血し、貯留するものである。
【0055】
血液処理フィルタ102は、採血バッグ101から接続チューブ106aを介して移送された血液(全血)から所定の血液成分(白血球、血小板等)を分離するものである。
【0056】
血液保存バッグ103は、接続チューブ106bを介して血液処理フィルタ102を通過することによって所定の血液成分が除去された血液を回収するものである。そして、接続チューブ106bには、接続チューブ106bの流路を閉塞するクランプ111bが設けられている。
【0057】
血液保存バッグ104は、血液保存バッグ103内で遠心分離された血液成分(血漿)が接続チューブ106c、106dおよび分岐管107を介して移送されるものである。
【0058】
薬液充填バッグ105は、薬液(赤血球保存液)が充填されたもので、赤血球保存液は、接続チューブ106e、106cおよび分岐管107を介して血液保存バッグ103に移送され、遠心分離後に血液保存バッグ103内に残された血液成分(赤血球濃厚液)に添加される。
【0059】
血液保存バッグ103および血液保存バッグ104の上部側には、排出口108が形成されている。また、採血バッグ101および薬液充填バッグ105にも、排出口108を必要に応じて設けてもよい。また、各バッグ101、103、104、105には、その充填される血液成分を示すためのラベル109が貼り付けられている。さらに、接続チューブ106a〜106eには、図示しない流路封止部材が必要に応じて設けられている。流路封止部材とは、接続チューブ内の流路を遮断(封止)した状態で設置され、破断により流路を開通させる部材である。
【0060】
血液バッグシステム100には、検査用血液バッグ110が備えられていてもよい。
検査用血液バッグ110は、採血時の初流血液を採取、貯留するためのもので、チューブ53の途中に設けられた分岐コネクタ112に分岐チューブ106fを介して接続される。そして、分岐チューブ106fには、分岐チューブ106fの流路を閉塞するクランプ111aが設けられている。また、分岐コネクタ112の採血バッグ101側には、流路封止部材113が設けられ、初流血液の採取の際に、採血バッグ側に初流血液が流入することを防止している。また、検査用血液バッグ110には、サンプリングポート114が接続され、そのサンプリングポート114を介して、図示しない減圧採血管に検査用血液が採取される。そして、サンプリングポート114は、針組立体115と、減圧採血管を内部に収納して針組立体115と接続させるためのホルダー116とを有する。
【0061】
<プロテクタの使用方法>
プロテクタの使用方法について、前記した図12に示す血液バッグシステム100を用いた血液処理方法を例にとって説明する。
【0062】
(1)プロテクタ1(21)をハブ52から離間した第1状態とし、かつ、クランプ111aを閉じずに、分岐チューブ106fを開放状態に維持する。この状態で、供血者の血管に針管51を穿刺して、採血を開始する。このとき、チューブ53および分岐チューブ106fを介して、検査用血液バッグ110内に初流血液が採取される。
【0063】
(2)所定量の初流血液を検査用血液バッグ110内に採取後、クランプ111aを閉じて分岐チューブ106fを閉塞状態とし、かつ、流路封止部材113を破断して流路を開通させてチューブ53を開放状態にする。これにより、チューブ53を介して、採血バッグ101内に初流血液が除去された血液が採取される。
【0064】
(3)所定量の血液を採血バッグ101内に採取後、供血者の血管から針管51を抜いて、採血を終了する。
【0065】
(4−1)第1ステップおよび第2ステップ
プロテクタ1(21)をハブ52側に移動、または、チューブ53を採血バッグ101側に引いてハブ52(針管51)を後退させて、プロテクタ1(21)が、内腔4(24)内に穿刺具50が収納、保持された第2状態を取るようにする(図1、図8参照)。
【0066】
(4−2)第3ステップ
内腔4(24)内に穿刺具50が収納された状態で、プロテクタ1(21)の内筒9(第1内筒29Aおよび第2内筒29B)を外筒2(22)の先端方向に移動する(図3、図10参照)。なお、内筒9(第1内筒29A)の移動は、ネジ嵌合による回転移動が好ましい。
【0067】
(4−3)第4ステップ
内筒9(第1内筒29Aおよび第2内筒29B)を外筒2の先端方向へ移動させた後、延出部12(32)を傾斜部8(28)の内面と当接させ、傾斜部8(28)に沿って、チューブ53が縮径する方向へ傾斜部8(28)で延出部12(32)が付勢される(図3、図4、図10、図11参照)。
【0068】
(4−4)第5ステップ
チューブ53が縮径する方向へ延出部12(32)が付勢されることで、チューブ53が変形して、チューブ53の内腔が閉塞される(図3、図4、図10、図11参照)。
【0069】
(5)チューブ53および分岐チューブ106fを、チューブシーラ等を用いて融着して封止する。その後、穿刺具50および検査用血液バッグ110を採血バッグ101から切り離し、穿刺具50については廃棄処理する。
このとき、穿刺具50は、プロテクタ1(21)によって針管51(針先51a)が覆われ、かつ、チューブ53が閉塞状態となっているため、誤穿刺が防止されると共に、血液の漏れ、飛散が防止される。
【0070】
(6)採血バッグ101に採取された血液を、血液処理フィルタ102に通して、白血球、血小板等を分離し、残りの血液成分を血液保存バッグ103に回収する。続いて、クランプ111bを閉じて接続チューブ106bを閉塞状態とし、チューブシーラ等を用いて接続チューブ106bを融着して封止する。そして、採血バッグ101および血液処理フィルタ102を血液保存バッグ103から切り離す。
【0071】
(7)血液保存バッグ103を遠心分離して、バッグ内の血液を赤血球層と血漿層に分離し、血漿を血液保存バッグ104に移行した後、血液保存バッグ103内に残った濃厚赤血球に薬液充填バッグ105から薬液(赤血球保存液)を添加して混和する。その結果、血液保存バッグ103内に濃厚赤血球液、血液保存バッグ104内に乏血小板血漿が調製される。
【符号の説明】
【0072】
1 プロテクタ
2 外筒
3 外筒本体部
4 内腔
5 保持部
8 傾斜部
9 内筒
10 内筒本体部
12 延出部
21 プロテクタ
22 外筒
23 外筒本体部
24 内腔
25 保持部
28 傾斜部
29A 第1内筒
29B 第2内筒
30A 第1内筒本体部
30B 第2内筒本体部
32 延出部
50 穿刺具
51 針管
52 ハブ
53 チューブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端側に針先が形成された針管と、前記針管の基端側に設けられたハブと、前記ハブの基端側に接続され、前記ハブを介して前記針管と連通するチューブとを備える穿刺具に装着して使用され、前記チューブの長手方向に沿って移動可能なプロテクタであって、
前記穿刺具を収納する内腔が形成された筒状の外筒本体部と、前記内腔内に前記針先が収納されるように前記ハブを前記内腔に保持する保持部と、前記内腔の内径が前記保持部に向って漸次減少するように前記保持部の基端側に形成された傾斜部とを有する外筒と、
前記外筒の基端側の前記内腔に保持され、前記チューブが挿通して前記外筒の先端方向に移動可能な筒状の内筒本体部と、前記内筒本体部の先端側から前記外筒の先端方向に延出する1つまたは複数の延出部とを有する内筒とを備え、
前記穿刺具を前記内腔内に収納した際に、前記内筒を前記外筒の先端方向へ移動することによって、前記延出部が前記傾斜部内面に当接して、前記チューブが縮径する方向に前記傾斜部で前記延出部が付勢されるように構成されていることを特徴とするプロテクタ。
【請求項2】
先端部に針先が形成された針管と、前記針管の基端側に設けられたハブと、前記ハブの基端側に接続され、前記ハブを介して前記針管と連通するチューブとを備える穿刺具に装着して使用され、前記チューブの長手方向に沿って移動可能なプロテクタであって、
前記穿刺具を収納する内腔が形成された筒状の外筒本体部と、前記内腔内に前記針先が収納されるように前記ハブを前記内腔に保持する保持部と、前記内腔の内径が前記保持部に向って漸次減少するように前記保持部の基端側に形成された傾斜部とを有する外筒と、
前記外筒の基端側の前記内腔に保持され、前記チューブが挿通して前記外筒の先端方向に移動可能な筒状の第1内筒本体部を有する第1内筒と、
前記内腔の前記第1内筒の先端方向に保持され、前記チューブが挿通して前記外筒の先端方向に移動可能な筒状の第2内筒本体部と、前記第2内筒本体部の先端側から前記外筒の先端方向に延出する1つまたは複数の延出部とを有する第2内筒とを備え、
前記穿刺具を前記内腔内に収納した際に、前記第1内筒を前記外筒の先端方向へ移動することによって、前記第2内筒が前記外筒の先端方向へ移動して、前記延出部が前記傾斜部内面に当接して、前記チューブが縮径する方向に前記傾斜部で前記延出部が付勢されるように構成されていることを特徴とするプロテクタ。
【請求項3】
請求項1に記載のプロテクタの使用方法であって、
前記穿刺具を前記内腔内に収納する第1ステップと、
前記穿刺具を前記内腔内に保持する第2ステップと、
前記内腔内に穿刺具が収納された状態で、前記内筒を前記外筒の先端方向へ移動させる第3ステップと、
前記内筒を前記外筒の先端方向へ移動させた後、前記延出部を前記傾斜部内面と当接させ、前記傾斜部に沿って、前記チューブが縮径する方向へ前記傾斜部で前記延出部が付勢される第4ステップと、
前記チューブが縮径する方向へ前記延出部が付勢されることで、前記チューブが変形して前記チューブの内腔が閉塞される第5ステップとを含むことを特徴とするプロテクタの使用方法。
【請求項4】
請求項2に記載のプロテクタの使用方法であって、
前記穿刺具を前記内腔内に収納する第1ステップと、
前記穿刺具を前記内腔内に保持する第2ステップと、
前記内腔内に穿刺具が収納された状態で、前記第1内筒を前記外筒の先端方向へ移動させることで、前記第2内筒を前記外筒の先端方向へ移動させる第3ステップと、
前記第2内筒を前記外筒の先端方向へ移動させた後、前記延出部を前記傾斜部内面と当接させ、前記傾斜部に沿って、前記チューブが縮径する方向へ前記傾斜部で前記延出部が付勢される第4ステップと、
前記チューブが縮径する方向へ前記延出部が付勢されることで、前記チューブが変形して前記チューブの内腔が閉塞される第5ステップとを含むことを特徴とするプロテクタの使用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−70699(P2013−70699A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−209516(P2011−209516)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000109543)テルモ株式会社 (2,232)
【Fターム(参考)】