説明

プロポリス含有キャンディ

【課題】プロポリスが持つ独特の漢方薬的臭気をマスキングしつつ、プロポリスが持つ効き目感はマスキングされずに残存したキャンディを提供すること。
【解決手段】プロポリスを含有するキャンディ部と、マスキング成分としてコーヒー、カカオ、紅茶及び茶のうち少なくとも1種類以上含有するキャンディ部とを組み合わせた構造を有し、前記プロポリスキャンディ部のプロポリス含有量が固形分で0.1重量%〜5.0重量%であり、前記プロポリスキャンディ部とマスキング成分含有キャンディ部との表面積比が1:5〜5:1であることを特徴とするプロポリス含有キャンディ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロポリスを含有するキャンディに関するもので、更に詳しくは、プロポリスを含有するキャンディ部とマスキング成分を含有するキャンディ部からなることを特徴とするキャンディに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の健康ブームや自然派志向の高まりとともに、食品も多種多様化しており、天然食品素材も様々なものが存在する。その中でも、ミツバチによって産生されるプロポリスは、抗炎症効果・殺菌効果・抗酸化効果があると言われており、「天然の抗生物質」とも呼ばれ、健康維持・健康増進に寄与するものとして、あるいは、高い抗ガン効果が期待されるものとして、注目されている。
【0003】
プロポリスはミツバチなどの蜂類によって樹木や草花より集められたフラボノイド系の成分を含む物質である樹脂、樹液、ワックスなどを、蜂自身が、その分泌物を混合して巣を守るために固めたものであり、蜂蝋とも呼ばれている。
【0004】
このようなプロポリスの成分は、樹脂・蝋状成分50〜55%、蜜蝋30%、精油8〜10%、エステル類5%前後であり、樹脂・蝋状物質中には、蜂類の巣内の雑菌繁殖防止に有益と考えられるフラボン、フラボノール等の約20種類のフラボノイドが含まれている。
【0005】
このようなプロポリスは、はちみつやローヤルゼリーと同様に健康に寄与する食品として古くから利用されてきたが、近年では、プロポリスを含有する食品は多様化しており、たとえばエタノールや水で抽出したエキスを飲料に混ぜて健康飲料にしたり、パウダー化したプロポリスを錠剤やカプセルとし健康食品として食されている。
【0006】
プロポリスの効き目は、のど元でのピリピリした刺激として実感することが出来る。市場にはこのようにピリピリとした効き目感を感じる飲料やキャンディなどが流通している。しかしながら、効き目感を感じることができるくらいのプロポリスを添加したようなものは、プロポリス自身のもつ独特の漢方薬的臭気が全面に出ていて、風味においてマイナス要因となっており、ごく一部の人達向けのものにとどまっている。
逆に風味のマイナス面を出さないように、プロポリスの添加量を減らした飲料やキャンディなどがある。このような食品は、確かに漢方薬的臭気は感じにくくなってはいるが、添加量を減らしているためプロポリスの効果・効能は弱くなり、又効き目感を実感として感じることは難しい。
【0007】
また、プロポリスをカプセルに内包して風味を感じなくしたような飲食品がある。このような飲み込み形態のものは、風味を感じないし、濃縮したプロポリスをカプセル内に含ませれば効果・効能として十分なプロポリスを摂取することができる。しかし、飲み込み式の形態ではプロポリスののどの殺菌機能や抗炎症機能をフルに発揮した形態とはなっていない。
プロポリスの機能を十分に発揮することができる形態は、殺菌・抗炎症を発揮させたい器官である程度の滞在時間が必要で、特にのどでその機能は求められる。すなわち、風邪やのどが痛い時などに飲み込み形態のプロポリスではなく、のどである程度の滞在時間を有するようなプロポリス食品が最も好適と考えられる。
【0008】
このように、プロポリスは多くの健康機能を備えているにもかかわらず、臭気のため一般大衆には受け入れがたいものにとどまっていたり、この機能を存分に発揮できていないのが現状である。
【0009】
プロポリスの漢方薬的臭気改善を目的とした提案はいくつかなされている。
例えば、プロポリス液に特定の植物由来の抽出物(ユーカリエキス、かんきつ系エキス、ハーブエキス)を添加したものがある(特許文献1)。これらの抽出物は、プロポリスの臭気をマスキングするという意味では確かに効果がある。しかし、プロポリスののど元での効き目であるピリピリとした刺激もマスキングしてしまうため、効き目感を実感として感じることは難しい。
【0010】
他にも、例えばプロポリスを含有する飲用物に食物繊維および粉末茶を混合した提案がある(特許文献2)。こちらも上記と同様にプロポリスのマスキングには効果があるものの、効き目感を実感として感じることは難しい。
【0011】
他にもマスキングの提案としては、例えば、液状部とゼリー状部とからなる栄養成分含有飲料がある(特許文献3)。これは、プロポリス等の栄養成分をゼリー状のアルギン酸の皮膜に内包した飲料の提案であるが、アルギン酸皮膜は水分が多い系でしか機能しないため、水分が高い飲料やゼリーのようなものの使用に限られる。また、飲み込むような形態なので効き目感を実感として感じることは難しく、機能を存分に発揮できていない。
【0012】
このように、プロポリスの持つ漢方薬的臭気をマスキングしつつ、プロポリスの機能をのどで存分に発揮したものが期待される。
【0013】
一方、本発明者らも、一定量のプロポリスを含有するキャンディと、ミントエキス、ユーカリエキス、ハーブエキス、柑橘系エキス等のマスキング成分を含有するキャンディを特定の表面積比率で組み合わせることで、口中におけるプロポリスが持つ独特の嫌な香りをマスキングしながらも、プロポリスが持つピリピリとした効き目はマスキングされずに残るものを作製することに成功し、この内容を発明として特許を出願している(特許文献4)。この発明においてもプロポリスを強くマスキングすることは可能であった。しかしながら、プロポリス自体の香りが強烈であるため完全とはいえず、もっと幅広い人に食してもらうという意味では、さらなるマスキングの手段について検討の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特許第3017419号公報
【特許文献2】特開平9−308471号公報
【特許文献3】特許第3420445号公報
【特許文献4】特開2009−284816号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、プロポリスが持つ独特の漢方薬的臭気をマスキングしつつ、プロポリスが持つ効き目感はマスキングされずに残存したキャンディを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明者らは、上記問題解決のために鋭意研究を行った結果、一定量のプロポリスを含有するキャンディと、マスキング成分としてコーヒー、カカオ、紅茶及び茶のうち少なくとも1種類以上含有するキャンディとを特定の表面積比率で組み合わせることで、口中におけるプロポリスが持つ独特の嫌な香りをマスキングしながらも、プロポリスが持つピリピリとした効き目はマスキングされずに残るという事実を見出し、本発明を完成するに至った。
【0017】
すなわち、本発明の要旨は、プロポリスを含有するキャンディ部と、マスキング成分としてコーヒー、カカオ、紅茶及び茶のうち少なくとも1種類以上含有するキャンディ部とを組み合わせた構造を有し、前記プロポリスキャンディ部のプロポリス含有量が固形分で0.1〜5.0重量%であり、前記プロポリスキャンディ部とマスキング成分含有キャンディ部の表面積比が1:5〜5:1であることを特徴とするプロポリス含有キャンディ、に関する。
【発明の効果】
【0018】
本発明のプロポリス含有キャンディは、一定量のプロポリスが含有されたキャンディ部と、マスキング成分が含有されたキャンディ部を特定の表面積比率で組み合わせることで、口中でプロポリスの持つ不快臭を感じることがなく、なおかつ、プロポリス独特ののど元でのピリピリとした刺激は残存しているため、風邪の時やのどが痛い時においしくかつ効き目を感じながら食することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)は、いずれも本発明のプロポリス含有キャンディA1〜A5の概略説明図であり、プロポリスキャンディ部1とマスキング成分含有キャンディ部2とが組み合わせた態様を例示している。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明のプロポリス含有キャンディは、プロポリスを含有するキャンディ部(プロポリスキャンディ部)と、マスキング成分を含有するキャンディ部(マスキング成分含有キャンディ部)とを組み合わせた構造を有し、前記プロポリスキャンディ部のプロポリス含有量が固形分で0.1〜5.0重量%であり、プロポリスキャンディ部とマスキング成分含有キャンディ部の表面積比率が1:5〜5:1であることを特徴としている。
プロポリスとコーヒー、カカオ、紅茶及び茶から選ばれるマスキング成分とを同時にキャンディに混合しても、プロポリスの不快臭のマスキングはできるが、同時にプロポリス特有ののど元での効き目感もマスキングしてしまうため、効いている実感を得ることが難しいのに対し、本発明では、上記のようにプロポリスを含有するキャンディとマスキング成分を含有するキャンディを別々にし、特定の表面積比率で組み合わせているので、プロポリスの不快臭をマスキングし、なおかつのど元での効き目感は実感として感じることが可能となり、プロポリス含有キャンディをおいしくかつ効き目を感じながら食することが可能となる。
【0021】
本発明に使用するプロポリスは、アルコール抽出のプロポリス、水抽出のプロポリス、またそのパウダー品のいずれの使用も可能である。
【0022】
プロポリスキャンディ部中のプロポリスの含有量は、固形分で0.1〜5.0重量%である。前記プロポリスの含有量が0.1重量%よりも少ないと、効き目を感じる量としては不十分であり、5.0重量%よりも多いと、前述のマスキング成分をもってしても風味のマスキングをすることは難しい。前記プロポリスの含有量は、好ましくは0.2〜2.0重量%、より好ましくは0.3〜1.0重量%である。
【0023】
本発明におけるマスキング成分であるコーヒーは、インスタントコーヒーでもレギュラーコーヒーでもよい。また、製法としてスプレードライ品であっても、フリーズドライ品であってもよい。キャンディにざらつきを与えないという意味では、微粉砕されたレギュラーコーヒーもしくは手軽に使用できるという意味でインスタントコーヒーが好ましい。
【0024】
本発明におけるマスキング成分であるカカオは、カカオエキスでもココアパウダーでもカカオマスであってもよい。キャンディにざらつきを与えないという意味ではカカオエキス、もしくは微粉砕加工したカカオパウダー、カカオマスが好ましい。場合によっては、チョコレートの使用も可能である。
【0025】
本発明におけるマスキング成分である紅茶は、紅茶エキスでも紅茶パウダーでも紅茶の茶葉そのものであってもよい。キャンディにざらつきを与えないという意味では紅茶エキス、もしくは微粉砕加工した紅茶パウダー、紅茶茶葉が好ましい。
【0026】
本発明におけるマスキング成分である茶は、種類として抹茶、緑茶、烏龍茶、ほうじ茶、煎茶、玉露茶などの使用が可能であり、いずれにおいてもエキス品、パウダー品、もしくは茶葉そのものであってもよい。キャンディにざらつきを与えないという意味ではエキス品、もしくは微粉砕加工したパウダー品、茶葉が好ましい。
【0027】
これらのマスキング成分は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0028】
マスキング成分含有キャンディ中のマスキング成分の含有量は、固形分で0.01〜0.5重量%が好ましく、より好ましくは0.03重量%〜0.3重量%である。0.01重量%よりも少ないと、プロポリスの漢方薬的臭気をマスキングするには不十分である。一方、0.5重量%よりも多い場合、マスキング成分の味が強くなるため、プロポリスの香りをマスキングしたコーヒーキャンディ、カカオキャンディ、紅茶キャンディ、茶キャンディという意味では問題がない。しかしながら、のどでの機能を効果的に表現するのど飴としてはマスキング成分の含有量が0.5重量%より多くなると、マスキング成分そのものの味が強くなるため好ましくない。
【0029】
本発明では、前記マスキング成分と、必要に応じて、ミントエキス、ユーカリエキス、ハーブエキス、柑橘系エキスなどの成分とを併用してもかまわない。
【0030】
また、本発明においてプロポリスキャンディ部及びマスキング成分含有キャンディ部の主要な構成成分は、ハードキャンディ又はソフトキャンディで一般的に使用される糖類が主原料となる。例えば、砂糖、水飴、ぶどう糖、果糖などの糖類や、マルチトール、パラチニット、キシリトール、エリスリトールなどの糖アルコールが挙げられる。これらの糖類は1種類でもよいし、2種以上を所望するキャンディの性質に基づいて適宜選択すればよい。また、プロポリスキャンディ部又はマスキング成分含有キャンディ部では、それぞれプロポリス又はマスキング成分以外に、果汁、植物油脂、食塩などを適宜添加してもよいし、添加物として、酸味料、香料、着色料、調味料、苦味料など任意に添加することも可能である。
【0031】
なお、前記プロポリスキャンディ部中に前記マスキング成分が微量でも含有されていると、ピリピリ感が得られにくくなるため、前記プロポリスキャンディ部中には前記マスキング成分は実質的に含有していないことが好ましく、含んでいるとしてもプロポリス100重量部に対して0.001重量部以下であることが好ましい。
【0032】
前記プロポリスキャンディ部及びマスキング成分含有キャンディ部は、公知のハードキャンディ又はソフトキャンディの製造方法に準じて製造することができる。
【0033】
例えば、前記プロポリスキャンディ部は、前記糖類、プロポリスを水中で混合溶解し、必要に応じて添加物を加え、真空釜等の公知の手段で濃縮して製造することができる。
【0034】
また、前記マスキング成分含有キャンディ部は、例えば、前記糖類、マスキング成分を水中で混合溶解し、必要に応じて添加物を加え、真空釜等の公知の手段で濃縮して製造することができる。
【0035】
本発明のプロポリス含有キャンディは、前記プロポリスキャンディ部と前記マスキング成分含有キャンディ部とが組み合わさった構造を有し、前記プロポリスキャンディ部と前記マスキング成分含有キャンディ部の表面積比が1:5〜5:1であることに一つの大きな特徴がある。前記表面積比が1:5よりもプロポリスキャンディ部表面積が少ないと、プロポリスの効き目を感じる形態としては好ましくなく、また、5:1よりもマスキング成分含有キャンディ部表面積が少ないと、プロポリスを十分にマスキングすることが難しく好ましくない。また、前記表面積比は、好ましくは1:3〜3:1、より好ましくは1:2〜2:1である。
【0036】
本発明のプロポリス含有キャンディの構造としては、前記のように、プロポリスキャンディ部とマスキング成分含有キャンディ部の表面積比率が1:5〜5:1となるように組み合わされていればよく、様々な態様をとり得る。例えば、左右に別々のキャンディを組み合わせた形(図1(a))や、キャンディ表面を別の線状のキャンディで組み合わせた形(図1(b))、さらには、中心層のキャンディ上下を別のキャンディでサンドした形があげられる(図1(c))。また、円柱状のキャンディの中心部に別のキャンディが組み合わさった形(図1(d))や、円柱状のキャンディに別のキャンディが点在した形などがあげられる(図1(e))。その他、上記表面積比率であれば形、大きさに制限はないが、舐めやすい形、大きさである方が好ましい。なお、図中においてはプロポリス含有キャンディA1〜A5がプロポリスキャンディ部1とマスキング成分含有キャンディ部2からなるように説明しているが、両部材は取り替えてもよい。
【0037】
また、プロポリスキャンディ部1とマスキング成分含有キャンディ部2の表面積は、完成品であるプロポリス含有キャンディ1において表面に露出している各部分の表面積をいう。
なお、表面積は、常法により、測定することができる。例えば、表面積の測定は、目視で直接プロポリス含有キャンディ1の外形を測定してもよいし、オリンパス株式会社製のデジタルマイクロスコープ「MVX−XD」 System」などの市販の測定器を用いてもよい。
【0038】
前記のような構造を有するプロポリス含有キャンディは、例えば、前記プロポリスキャンディ部とマスキング成分含有キャンディ部とを常法に従って組み合わせることで製造することができる。例えば、前記プロポリスキャンディ部用の生地と、前記マスキング成分含有キャンディ部用の生地を溶解した状態で所望の型に充填したり、それぞれの生地を所望の形状に組み合わせて成型り、スタンピング成型したり、さらには組み合わせた生地を固化した後にカットしたりすることで製造することが可能である。
【0039】
また、本発明のプロポリス含有キャンディにおいては、前記のように組み合わせるプロポリスキャンディ部がソフトキャンディ、マスキング成分含有キャンディ部がハードキャンディであったり、反対にプロポリスキャンディ部がハードキャンディ、マスキング成分含有キャンディ部がソフトキャンディであったり、あるいは両方の部材がソフトキャンディまたはハードキャンディのいずれかに統一されていてもよい。
【0040】
また、本発明のプロポリス含有キャンディは、プロポリス由来の臭いが顕著に低減されたものであるため、従来のキャンディ菓子と同じように、他の菓子成分と組み合わせることができる。
【実施例】
【0041】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中、部は重量部を示す。
【0042】
(実施例1)
砂糖500部、水飴425部、エタノール抽出プロポリスエキス(日新蜂蜜社製)85部を水に混合溶解し、真空釜にて濃縮し、酸味料、香料を少量加えて水分値2.5重量%のプロポリスキャンディ部を得た。別に、砂糖480部、水飴420部、インスタントコーヒーとしてCAFELIA G-F(商品名、ネスレ社製)5部を水に混合溶解し、真空釜にて濃縮し、酸味料、香料を少量加えて水分値2.5重量%のマスキング成分含有キャンディ部を得た。上記2種類のキャンディをロープ状に成型した後、プロポリスキャンディ部とコーヒー含有キャンディ部を表面積比率で1:1となるように70℃で図1(a)となるようにスタンピング成型し、単重4.5gのプロポリス含有キャンディを得た。このようにして得られたプロポリス含有キャンディは、食した際に、プロポリス由来のピリピリした効き目感を感じながらも、プロポリスの漢方薬的臭気をほとんど感じないものとなっていた。
【0043】
(実施例2)
実施例1において、インスタントコーヒーの代わりにレギュラーコーヒーとしてMAXIM(商品名、味の素ゼネラルフーズ社製)に変更し、表1に示す表面積比率となるように図1(b)の形でスタンピング成型した以外は実施例1と同様にして単重4.5gのキャンディを作製した。このようにして得られたプロポリス含有キャンディは、食した際に、プロポリス由来のピリピリした効き目感を感じながらも、プロポリスの漢方薬的臭気をほとんど感じないものとなっていた。
【0044】
(実施例3)
実施例1において、インスタントコーヒーをココアパウダー「ブラックS」(商品名、森永商事社製)に変更し、表1に示す表面積比率となるように図1(c)の形でスタンピング成型した以外は実施例1と同様にして単重4.5gのキャンディを作製した。このようにして得られたプロポリス含有キャンディは、食した際に、プロポリス由来のピリピリした効き目感を感じながらも、プロポリスの漢方薬的臭気をほとんど感じないものとなっていた。
【0045】
(実施例4)
実施例1において、インスタントコーヒーを紅茶エキスパウダー「No.16600」(三栄源FFI社製)に変更し、表1に示す表面積比率となるように図1(d)の形でスタンピング成型した以外は実施例1と同様にして単重4.5gのキャンディを作製した。このようにして得られたプロポリス含有キャンディは、食した際に、プロポリス由来のピリピリした効き目感を感じながらも、プロポリスの漢方薬的臭気をほとんど感じないものとなっていた。
【0046】
(実施例5)
実施例1において、インスタントコーヒーを緑茶エキスパウダー「No.16850」(三栄源FFI社製)に変更し、表1に示す表面積比率となるように図1(e)の形でスタンピング成型した以外は実施例1と同様にして単重4.5gのキャンディを作製した。このようにして得られたプロポリス含有キャンディは、食した際に、プロポリス由来のピリピリした効き目感を感じながらも、プロポリスの漢方薬的臭気をほとんど感じないものとなっていた。
【0047】
(実施例6、7)
実施例1において、プロポリスキャンディ部中のプロポリス固形分を表1となるように変更し、それ以外は実施例1と同様にして単重4.5gのプロポリス含有キャンディをそれぞれ作製した。
実施例6で得られたプロポリス含有キャンディは、実施例1と比べると幾分ピリピリ感は弱いものの十分な効き目感を有し、かつプロポリス由来の漢方薬的臭気をほとんど感じないものとなっていた。
また、実施例7で得られたプロポリス含有キャンディは、実施例1と比べると幾分プロポリスのマスキングは弱いものの、プロポリス由来のピリピリした効き目感を十分感じるものとなっていた。
【0048】
(実施例8、9)
実施例1において、プロポリスキャンディ部とマスキング成分含有キャンディ部の表面積比率を表1になるように変更し、それ以外は実施例1と同様にして単重4.5gのプロポリス含有キャンディをそれぞれ作製した。
実施例8で得られたプロポリス含有キャンディは、実施例1と比べると幾分ピリピリ感は弱いものの十分な効き目感を有し、かつプロポリス由来の漢方薬的臭気をほとんど感じないものとなっていた。
また、実施例9で得られたプロポリス含有キャンディは、実施例1と比べると幾分プロポリスのマスキングは弱いものの、プロポリス由来のピリピリした効き目感を十分感じるものとなっていた。
【0049】
(比較例1、2)
実施例1において、プロポリスキャンディ部中のプロポリス固形分を表2となるように変更し、それ以外は実施例1と同様にして単重4.5gのキャンディをそれぞれ作製した。
比較例1で得られたキャンディは、プロポリス由来のピリピリ感をほとんど感じないものとなっていた。
比較例2で得られたキャンディは、プロポリス由来のピリピリした効き目感を十分感じるものの、プロポリスの漢方薬的臭気が全面に出ており、風味において好ましくなかった。
【0050】
(比較例3、4)
実施例1において、プロポリスキャンディ部とマスキング成分含有キャンディ部の表面積比率を表2になるように変更し、それ以外は実施例1と同様にして単重4.5gのキャンディをそれぞれ作製した。
比較例3で得られたキャンディは、プロポリスのマスキングは十分されているもののプロポリス由来のピリピリとした効き目感をほとんど感じないものとなっていた。
また、比較例4で得られたキャンディは、プロポリス由来のピリピリした効き目感を十分感じるものの、プロポリスの漢方薬的臭気が全面に出ており、風味において好ましくなかった。
【0051】
実施例1〜9及び比較例1〜4で得られたプロポリス含有キャンディの評価を表1、2に示す。表1、2の結果より、実施例1〜9で得られたプロポリス含有キャンディはいずれも、プロポリス臭気のマスキング性と効き目感に優れたものであることがわかる。
【0052】
表1、2における評価基準は以下のとおり。
〈プロポリス臭気のマスキング〉
「◎」プロポリスの臭気を十分マスキングしている。
「○」プロポリスの臭気をマスキングしている。
「×」プロポリスの臭気をマスキングしきれていない。

〈ピリピリ感〉
「◎」プロポリスの効き目感を非常に強く感じる。
「○」プロポリスの効き目感を強く感じる。
「×」プロポリスの効き目感をほとんど感じない。
【0053】
【表1】

【0054】
【表2】

【0055】
(比較例5)
砂糖500部、水飴425部、エタノール抽出プロポリスエキス(日新蜂蜜社製、プロポリス固形分10%)85部、インスタントコーヒーとしてCAFELIA G-F(商品名、ネスレ社製)5部を水に混合溶解し、真空釜にて濃縮した。酸味料、香料を少量加えて得られた水分値2.5重量%のプロポリス/コーヒー含有キャンディをスタンピング成型し、単重4.5gのキャンディを得た。このようにして得られたプロポリスとコーヒーを同時に混合したキャンディは、食した際に、プロポリスの臭気のマスキングは十分されているものの、プロポリス由来のピリピリとした効き目感をほとんど感じないものとなっていた。
【符号の説明】
【0056】
A1 A2 A3 A4 A5 プロポリス含有キャンディ
1 プロポリスキャンディ部
2 マスキング成分含有キャンディ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロポリスを含有するキャンディ部と、マスキング成分としてコーヒー、カカオ、紅茶及び茶のうち少なくとも1種類以上含有するキャンディ部とを組み合わせた構造を有し、前記プロポリスキャンディ部のプロポリス含有量が固形分で0.1〜5.0重量%であり、前記プロポリスキャンディ部とマスキング成分含有キャンディ部との表面積比が1:5〜5:1であることを特徴とするプロポリス含有キャンディ。

【図1】
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【公開番号】特開2012−10608(P2012−10608A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−147685(P2010−147685)
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【出願人】(390020189)ユーハ味覚糖株式会社 (242)
【Fターム(参考)】