説明

ヘッダ−付き商品包装帯及びこれを用いた包装体

【課題】商品に直接にヘッダーを取り付けることができる包装体、しかも、かさ張らない状態で梱包、販売空間の効率のよいヘッダー取り付け具であって、長期間の吊り下げにおいても包装体の型くずれがないヘッダー取り付け具を提供する。
【解決手段】包装すべき商品の寸法に対応した幅と長さを持つ薄手帯フイルム1の上端に連続的に延設したヘッダーフイルム5に厚手のヘッダーシート4を融着固定し、薄手帯フイルム1の下端部の内面に粘着剤層2及び剥離紙7を設け、さらに、薄手帯フイルム1の下端部の外面に幅10〜50mmのヘッダー部係止用テープ6を薄手帯フイルム1の長手に対して垂直に設けたことを特徴とするヘッダー付き商品包装帯である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は商品包装用に用いるヘッダー付き包装帯に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、比較的寸法の小さい商品については、その包装、陳列用として、ヘッダーを付けた商品包装袋が広く使用されている。店舗等において、売り場面積の節約のため小型商品はヘッダー部分を壁等に設置されているフックに吊り下げて陳列する方法が採られている。このヘッダー部分は商品を陳列するときの吊り下げ部分として役立つ以外に、袋体部上の印刷と異なり、ヘッダー部分の上の印刷はヘッダーの地色(多くは白色)で印刷が鮮明に映えるため、広告、宣伝用の文字、模様等を付ける部分としても有用である。また、ヘッダー部分のこのような利点を活用するため、既に紙箱又はプラスチックケースの中に商品が収納されている場合も、これをさらに商品包装袋に入れて販売しているものが多くある。
このようなヘッダー付き商品包装袋を使用する場合は、箱入り商品を袋に挿入して封口するのに手間がかかる。また、商品包装後の袋体部分の大きさが商品の箱の大きさより相当大きくなるので、実際の商品より倍程度かさ張り、運送の梱包及び販売空間の効率が悪いという欠点がある。
そこで、ヘッダー付き商品包装袋より、簡単にヘッダーを取り付けることができて、しかも、かさ張らない状態で梱包、販売空間の効率のよいヘッダー取り付け具として、ヘッダー付き商品包装帯(例えば、特許文献1参照)が考案されている。当該考案では、商品を固定するための方法として、粘着剤による方法が採られている。そのため、当該方法では、商品を長期間吊り下げている場合に重力によって当該粘着部が剥がれてくるという欠点がある。これは、当該粘着部に吊り下げによる重量の負荷がかかり、当該粘着剤の流動性により生じるものである。
【特許文献1】実公平7−23424号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本願発明は商品に直接にヘッダーを取り付けることができる包装体、しかも、かさ張らない状態で梱包、販売空間の効率のよいヘッダー取り付け具であって、長期間の吊り下げにおいても包装体の型くずれがないヘッダー取り付け具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者は、上記問題を解決するため、ヘッダー部係止用テープによれば、長期間の商品吊り下げが可能となることに想到して本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、
(1)包装すべき商品の寸法に対応した幅と長さを持つ薄手帯フイルム1の上端に連続的に延設したヘッダーフイルム5に厚手のヘッダーシート4を融着固定し、薄手帯フイルム1の下端部の内面に粘着剤層2及び剥離紙7を設け、さらに、薄手帯フイルム1の下端部の外面に幅10〜50mmのヘッダー部係止用テープ6を薄手帯フイルム1の長手に対して垂直に設けたことを特徴とするヘッダー付き商品包装帯、
(2)包装すべき商品の寸法に対応した幅と長さを持つ薄手帯フイルム1の上端に連続的に延設したヘッダーフイルム5と厚手のヘッダーシート4を融着し、ヘッダー部の下縁部分に粘着剤層2及び剥離紙7を設け、さらに、該ヘッダー部の下縁部分が商品包装時に当接する薄手帯フイルム1の該当部分に、第二粘着剤層11及び剥離紙7を設け、さらに、薄手帯フイルム1の下端部の外面に幅10〜50mmのヘッダー部係止用テープ6を薄手帯フイルム1の長手に対して垂直に設けたことを特徴とするヘッダー付き商品包装帯、
(3)第二粘着剤層11に改ざん防止を施した(2)項記載のヘッダー付商品包装帯、及び
(4)(1)又は(2)項記載のヘッダー付商品包装帯を商品に巻き付けて、ヘッダー部係止用テープ6と薄手帯フイルム1の間にヘッダーシートを挿通して包装してなる包装体、
を挙げることができる。
【発明の効果】
【0005】
本発明によって、商品、例えば、カセットテープ等の商品にヘッダーを付けて、吊り下げを可能にしたり、公告宣伝用印刷スペースを設けたりできて便利であり、さらに、袋体部を省略できたので、従来の商品包装袋の場合よりかさ張らないので梱包、陳列に便利である。
また、例えば、乾電池のようなものを包装する場合、本発明のヘッダー付き商品包装帯を使用すれば簡単に3個、4個を固定して包装することができ、しかもこのヘッダーにより、吊り下げ陳列及び商品の情報を印刷して記載できる利点も付与できる。
さらに、従来の粘着剤層のみによって固定された包装帯のように、粘着剤層に対して吊り下げの重力により剥離される力が加わることがないため、本発明のヘッダー付き商品包装帯では、長期間の商品の吊り下げにおいても包装の型くずれなく使用することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明を実施例の図面により、さらに詳細に説明する。
本発明におけるヘッダー付き商品包装帯を使用することができる商品の形状は特に制限はなく、当該薄手帯フイルムを巻きつけることができる形状であれば、特に制限なく使用することができる。好ましくは、箱状、筒状のものが望ましい。
本発明における薄手帯フイルム、ヘッダーフイルム、ヘッダー部係止用テープは、熱可塑性樹脂フイルム、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、ポリ塩化ビニル等を用いることができる。また、ヘッダーシートは合成紙または合成樹脂性シート等を用いることができる。
図1の実施例において、薄手帯フイルム1としては細長の長方形の厚さ10〜300ミクロン、好ましくは30〜100ミクロンのプラスチックフイルムを使用することができる。薄手帯フイルム1の一端に厚手のヘッダーシート4が融着して、取り付けてある。この取り付け方は、特に制限はなく、本実施例においては、薄手帯フイルム1から連続して延設されたヘッダーフイルム5がヘッダーシート4の上縁の所で折り返してその先端縁がヘッダーシート4の裏面の下縁まで、ヘッダーシート4を包むように設けてある。
そして、本実施例では薄手帯フイルム1とヘッダーシート4は両側縁部及びヘッダーシート4の下縁の表裏において融着している。当該ヘッダーシートは好ましくは厚さ0.1〜1.0mmであって、腰の強いシートを用いることができる。
本発明においては、ヘッダーシートの取り付け方はヘッダーフイルム5をヘッダーシート4の両面に薄手帯フイルム1からの延設されたヘッダーフイルム5を設ける必要はなく、ヘッダーシート4の表面だけにヘッダーフイルム5を設けることもできる。この場合はヘッダーフイルム5の先端はヘッダーシート4の上縁で融着固定することができる。
本実施例のヘッダー部には吊り下げ穴9が設けてあり、これにより商品を吊り下げて売り場に陳列することができる。
薄手帯フイルム1の寸法は包むべき商品の大きさ及び形態の仕様に応じて選定する。
本実施例においては、薄手帯フイルム1の下端部の内面に粘着剤層2と剥離紙7が設けてあり、さらに、薄手帯フイルム1の下端部の外面にヘッダー部を挿通し商品を固定させるための係止用テープ6が設けてある。当該係止用テープの幅は、5mmから50mmの幅、好ましくは10〜30mmの幅を用いることができる。幅が狭いと耐久性が悪くなり、幅が広いと包装作業が困難となる。薄手帯フイルム1の下端部の外面に設けられている係止用テープの位置は、特に限定されるものではなく、薄手帯フイルム1の下端から100mm以内、好ましくは、60mm以内にすることができる。
【0007】
本実施例のヘッダー付き包装帯は図3の使用状態の断面図のように商品を薄手帯フイルムで巻いて包装して使用する。
本実施例のヘッダー付き包装帯を使用する場合は、まず、粘着剤層2の上の剥離紙7を剥がし、粘着剤層2により商品箱の所定の位置に薄手帯フイルム1の下端部を固定する。ついで、図3のように、商品箱を薄手帯フイルム1によって、一周巻いてから係止用テープ6と薄手帯フイルム1の下端部との間隙にヘッダー部を挿通し、ヘッダー部を図3に示すように係止用テープ6の淵に直角に立てて、ヘッダー部を係止することができる。
これにより薄手帯フイルムの上端部を固定する。
本発明は薄手帯フイルム1によって商品箱を巻き、ヘッダー部をあらかじめ設けてある係止用テープ6の間隙に挿通するだけでヘッダー部を商品箱に形成することができる。当該係止用テープ6は、図2のように熱溶断部10の端部で一体となって形成させることができる。
本実施例のヘッダー付き包装帯の態様として、図4のように、ヘッダー部の下縁部分又は該ヘッダー部の下縁部分が商品包装時に当接する薄手帯フイルム1の該当部分に、第二粘着剤層11及び剥離紙7を設けることができる。当該ヘッダー部の下縁部分に設けた第二粘着剤層11と粘着剤層2により、薄手帯フイルム1がその両端部の粘着剤によって、図5のように、商品にしっかりと固定することができる。両端部の粘着剤の固定によって、商品を長期間吊り下げていても薄手帯フイルム1にたるみが生じない。
本発明の利点を図5を用いて説明する。従来は、商品3を薄手帯フイルム1で一周巻き第二粘着剤層11により商品3を固定した状態でヘッダーに空いた吊り下げ穴9を利用して、商品3を吊り下げていた。この場合、商品3の吊り下げによる重力が第二粘着剤層11にかかり、当該粘着剤の流動性により、第二粘着剤層11が剥がれることが欠点となる。これに対して、本発明では、薄手帯フイルム1によって商品箱を巻き、ヘッダー部をあらかじめ設けてある係止用テープ6の間隙に挿通するだけでヘッダー部を商品箱に形成することができる。この場合、商品3の吊り下げによる重力が係止用テープ6にかかり、第二粘着剤層11にはかからず、当該第二粘着剤層11が剥がれることはない。これにより、長期間商品3を包装した状態で吊り下げて置くことができる利点を有する。
【0008】
また、本実施例のヘッダー付き包装帯を使用する態様としては、図5のように、該薄手帯フイルム1が商品を周回させて、薄手帯フイルム1の下端部と重合する位置の粘着剤層に図6及び図7のように、改ざん防止層12を設けたものがある。これにより、当該商品を購入した者以外の第三者が当該商品の包装を開封したことが判別できる。当該改ざん防止の方法としては、公知の方法を特に制限なく採用することができるが、例えば、薄手帯フイルムの所定の位置に例えばOPENの文字を剥離剤によりグラビヤ印刷方式で行う。当該剥離剤として、ファインラップNTV改ざん防止OPニスを使用することができる。次に、粘着剤層を重ねる。当該方法によれば、貼着した相手側のフイルムに剥離剤を印刷したOPENの所だけ抜け、相手面にのり移りするので、開封したことを判別することができる。
本発明の商品包装帯により商品を包装したときは、商品包装箱の側面部は外に剥き出しのままであるが、かえって、消費者に商品を触って吟味できる利点がある。
【産業上の利用可能性】
【0009】
本実施例のヘッダー付き包装帯を使用する場合は、図3のように、ヘッダーシート4を商品の上部中心に出して包装すれば、当該商品は、バランス良く吊り下げて長期間型くずれなく陳列することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明のヘッダー付商品包装帯の実施例の断面図である。
【図2】本発明のヘッダー付商品包装帯の実施例の正面図である。
【図3】本発明のヘッダー付商品包装帯の使用形態の一例の断面図である。
【図4】本発明のヘッダー付商品包装帯の実施例の断面図である。
【図5】本発明のヘッダー付商品包装帯の使用形態の一例の断面図である。
【図6】本発明のヘッダー付商品包装帯の実施例の断面図である。
【図7】本発明のヘッダー付商品包装帯の実施例の正面図である。
【符号の説明】
【0011】
1 薄手帯フイルム
2 粘着剤層
3 商品
4 ヘッダーシート
5 ヘッダーフイルム
6 ヘッダー部係止用テープ
7 剥離紙
8 ヘッダー部熱シール
9 吊り下げ穴
10 熱溶断部
11 第二粘着剤層
12 改ざん防止層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装すべき商品の寸法に対応した幅と長さを持つ薄手帯フイルム1の上端に連続的に延設したヘッダーフイルム5に厚手のヘッダーシート4を融着固定し、薄手帯フイルム1の下端部の内面に粘着剤層2及び剥離紙7を設け、さらに、薄手帯フイルム1の下端部の外面に幅10〜50mmのヘッダー部係止用テープ6を薄手帯フイルム1の長手に対して垂直に設けたことを特徴とするヘッダー付き商品包装帯。
【請求項2】
包装すべき商品の寸法に対応した幅と長さを持つ薄手帯フイルム1の上端に連続的に延設したヘッダーフイルム5と厚手のヘッダーシート4を融着し、ヘッダー部の下縁部分に粘着剤層2及び剥離紙7を設け、さらに、該ヘッダー部の下縁部分が商品包装時に当接する薄手帯フイルム1の該当部分に、第二粘着剤層11及び剥離紙7を設け、さらに、薄手帯フイルム1の下端部の外面に幅10〜50mmのヘッダー部係止用テープ6を薄手帯フイルム1の長手に対して垂直に設けたことを特徴とするヘッダー付き商品包装帯。
【請求項3】
第二粘着剤層11に改ざん防止を施した請求項2記載のヘッダー付商品包装帯。
【請求項4】
請求項1又は2記載のヘッダー付商品包装帯を商品に巻き付けて、ヘッダー部係止用テープ6と薄手帯フイルム1の間にヘッダーシートを挿通して包装してなる包装体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−105691(P2008−105691A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−288847(P2006−288847)
【出願日】平成18年10月24日(2006.10.24)
【出願人】(390036629)株式会社ヤマガタグラビヤ (30)
【Fターム(参考)】