説明

ヘッドの製造方法及び液体噴射ヘッドユニットの製造方法

【課題】 基準面38からノズルプレート35のノズル開口の面40までの距離が同じ状
態になるようにする。
【解決手段】 ユニット化の基準となるキャリッジケースへの取り付けの基準面38を、
治具41との間に充填して硬化させた接着剤46で形成し、ノズルプレート35のノズル
開口の面40に対して基準面38が同じ状態の複数のインク噴射ヘッド32を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッドの製造方法及び液体噴射ヘッドユニットの製造方法に関する。例えば
、インク等の液体を噴射する液体噴射ヘッドの製造方法及び液体噴射ヘッドユニットの製
造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液体噴射ヘッドの代表例としては、例えば、圧電素子の変位による圧力を利用してノズ
ル開口からインク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッド:インク噴
射ヘッド)が知られている(例えば、特許文献1参照)。従来から知られているインク噴
射ヘッドは、インクの流体源(インクカートリッジ)からインクが供給され、供給された
インクが圧電素子や発熱素子等の圧力発生手段を駆動させることによりノズルから吐出さ
れる。
【0003】
複数のインク噴射ヘッドがケースに配列されることでインク噴射ヘッドユニットが構成
され、インク噴射ヘッドユニットがインクカートリッジと共にキャリッジに載せられる。
複数のインク噴射ヘッドは個々の組み立て精度が高精度に管理され、精度が管理されたイ
ンク噴射ヘッドをケースに位置決め固定してインク噴射ヘッドユニットが構成されている

【0004】
個々のインク噴射ヘッドは、ノズルとの相対位置が決められた基準部(基準面)を介し
てケースに取り付けられ、ケースに対するノズルの位置が管理されている。ノズルとの位
置が決められた基準部(基準面)を介して複数のインク噴射ヘッドをケースに配列するこ
とで、インク噴射ヘッドユニットの全体としての精度を確保し、紙等の記録媒体とインク
が吐出されるノズルとの距離を一定に保持している。
【0005】
しかし、インク噴射ヘッドのノズルの位置とケースへの位置決め基準部との関係は、イ
ンク噴射ヘッドを構成する部品の精度や、インク噴射ヘッドの組み立て精度に依存されて
いるのが現状であるため、精度の許容誤差の累積等の個体差により、複数のインク噴射ヘ
ッドでノズルの位置や状態に差が生じる虞があった。このため、インク噴射ヘッドユニッ
トを構成した後に、個々のインク噴射ヘッドのケースへの配列状況を補正(修正)し、イ
ンク噴射ヘッドユニット全体でノズルの状態が一定になるようにしているのが現状である

【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−186587号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、ベース材に対し所定部位が同じ状態になる
ように取り付けられる複数のヘッドを製造することができるヘッドの製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0008】
また、本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、ベース材に対し所定部位(ノズル)
が同じ状態になるように取り付けられる複数の液体噴射ヘッドを製造することができる液
体噴射ヘッドユニットの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明のヘッドの製造方法は、ベース材に複数のヘッドの基
準面が取り付けられることでヘッドユニットが形成される前記ヘッドの製造方法において
、治具と前記ヘッドとの間に硬化剤を充填して硬化させ、前記複数のヘッドの前記基準面
をそれぞれ前記硬化剤で形成したことを特徴とする。
これによれば、ユニット化の基準となるベース材への取り付けの基準面を、治具との間
に充填して硬化させた硬化剤で形成したので、ヘッドの所望部位に対して基準面が同じ状
態の複数のヘッドを製造することができる。このため、ベース材に対しヘッドの所望部位
が同じ状態になるように取り付けられる複数のヘッドを製造することが可能になる。
【0010】
また、本発明のヘッドの製造方法は、前記治具は同一の共通の治具であることを特徴と
し、共通の治具によりベース材に対しヘッドの所望部位が同じ状態になるように取り付け
られる複数のヘッドを製造することが可能になる。
【0011】
また、本発明のヘッドの製造方法は、前記ヘッドの所定部位を前記治具の第1基準部に
当接させると共に前記基準面の形成部位に前記治具の第2基準部を対向させ、前記基準面
の形成部位と前記治具の第2基準部との間に前記硬化剤を充填して硬化させることを特徴
とする。
これにより、ヘッドの所定部位、例えば、液体を噴射させるノズルの部位を治具の第1
基準部に当接させ、治具の第2基準部とヘッドの基準面の形成部位との間に硬化剤を充填
して硬化させることで、ヘッドの個体差に拘わらず、ノズルの部位に対する位置及び状態
が一定の基準面を形成することができる。
【0012】
また、本発明のヘッドの製造方法は、前記硬化剤は接着剤であることを特徴とする。ま
た、本発明のヘッドの製造方法は、前記接着剤が接触する前記治具の接触面に前記接着剤
が接着することを防止する薄状部材を介在させたことを特徴とする。
これによれば、接着剤を用いて基準面を形成することができ、また、薄状部材により治
具に接着剤が固着することを防止することができる。薄状部材としては、シート材や板材
を適用することができる。
【0013】
また、本発明のヘッドの製造方法は、前記接着剤は紫外線硬化樹脂であることを特徴と
する。また、本発明のヘッドの製造方法は、前記接着剤はエポキシ系接着剤であることを
特徴とする。これによれば、紫外線照射により接着剤を硬化させることができ、また、高
強度で硬化時の収縮が小さい接着剤を適用することができる。
【0014】
また、本発明のヘッドの製造方法は、前記接着材に硬化収縮を抑制するための粒子材を
添加したことを特徴とする。これによれば、粒子材を添加したことにより、接着剤の体積
を減らして硬化収縮を抑制することができる。
【0015】
また、本発明のヘッドの製造方法は、前記ヘッドは液体噴射ヘッドであることを特徴と
する。これによれば、液体噴射ヘッドのノズルに対して基準面が同じ状態の複数の液体噴
射ヘッドを製造することができ、ベース材に対し液体噴射ヘッドのノズルが同じ状態にな
るように取り付けられる複数の液体噴射ヘッドを製造することが可能になる。
【0016】
上記目的を達成するための本発明の液体噴射ヘッドユニットの製造方法は、前記ヘッド
の製造方法で製造された液体噴射ヘッドの基準面をベース材の取り付けの基準にし、複数
の前記液体噴射ヘッドをベース材に取り付けたことを特徴とする。
これによれば、ベース材に対し液体噴射ヘッドのノズルが同じ状態に取り付けられた液
体噴射ヘッドユニットを製造することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】インクジェット式記録装置の概略構成図である。
【図2】インク噴射ヘッドユニットの外観図である。
【図3】インク噴射ヘッドの正面図である。
【図4】基準面の作製説明図である。
【図5】基準面の作製説明図である。
【図6】キャリッジケースへの取り付き部の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1に基づいて液体噴射装置であるインクジェット式記録装置を説明する。図1にはイ
ンクジェット式記録装置の全体構成を概略的に示してある。
【0019】
図に示すように、液体噴射装置としてのインクジェット式記録装置1は、インクカート
リッジ2が搭載されるキャリッジ3やキャリッジ3に取り付けられた液体噴射ユニットと
してのインク噴射ヘッドユニット5を有している。キャリッジ3はタイミングベルト6を
介してステッピングモーター7に接続され、ガイドバー8に案内されて記録紙9の紙幅方
向(主走査方向)に往復移動するようになっている。キャリッジ3は上部に開放する箱型
をなし、記録紙9と対面する面(下面)に記録ヘッド4のノズル面が露呈するよう取り付
けられると共に、インクカートリッジ2が収容されるようになっている。
【0020】
インク噴射ヘッドユニット5にはインクカートリッジ2からインクが供給され、キャリ
ッジ3を移動させながら記録紙9の上面にインク滴を吐出させて記録紙9に画像や文字を
ドットマトリックスにより印刷するようになっている。図1中の符号で、10は印刷休止
中にインク噴射ヘッドユニット5のインク噴射ヘッドのノズル開口を封止することにより
ノズルの乾燥を防止すると共にインク噴射ヘッドのノズル面に負圧を作用させてクリーニ
ング動作をするキャップであり、11はインク噴射ヘッドのノズル面をワイピングするワ
イパーブレードであり、12はクリーニング動作で吸引した廃インクを貯留する廃インク
貯留部であり、13は装置本体1の動作を制御する制御装置である。
【0021】
図示のインク噴射ヘッドユニット5には、インクカートリッジ2からのインクをノズル
開口から噴射させるためのインク噴射ヘッドを複数備えている。
【0022】
尚、図1の例では、キャリッジ3に流体源としてのインクカートリッジ2が収容される
例を挙げて説明したが、インクカートリッジがキャリッジ3とは別の場所に収容され、供
給管を介してインクが記録ヘッド4に圧送される構成のインクジェット式記録装置であっ
ても本発明を適用することが可能である。
【0023】
図2、図3に基づいてインク噴射ヘッドユニット5を説明する。図2にはインク噴射ヘ
ッドユニット5の全体を表す外観、図3にはインク噴射ヘッドの正面視を示してある。
【0024】
図2に示すように、インク噴射ヘッドユニット5は、ベース材としてのキャリッジケー
ス31にインク噴射ヘッド32が5個取り付けられて構成されている。即ち、インク噴射
ヘッド32はビス30によりキャリッジケース31の所定部に固定されている。インク噴
射ヘッド32の数は5個に限定されず、2個から4個、または、6個以上であってもよい

【0025】
図3に示すように、インク噴射ヘッド32は、ヘッド本体33に圧電素子等の圧力発生
手段が備えられ、圧電素子の変位による圧力を利用してノズルプレート35のノズル開口
からインク滴を吐出するようになっている。ヘッド本体33にはリザーバー室が設けられ
ると共に、ヘッド本体33の上部には流路形成部材21が設けられている。
【0026】
ヘッド本体33のヘッド流路には流路形成部材21から流体としてのインクが供給され
、ヘッド流路からリザーバー室にインクが送られる。流路形成部材21にはインクカート
リッジ2からインクが供給されるようになっている。例えば、供給管やインク供給針を介
してインクカートリッジ2から流路形成部材21にインクが供給される。
【0027】
インク噴射ヘッド32は、ヘッド本体33と流路形成部材21がねじ36で固定される
ことで構成されている。つまり、ヘッド本体33の側端部(図3中左右端部)にはフラン
ジ部37がそれぞれ形成され、流路形成部材21の側端部(図3中左右端部)にはねじ受
け部22が形成されている。ヘッド本体33のフランジ部37と流路形成部材21のねじ
受け部22が接合され、フランジ部37側からねじ36を締めることでヘッド本体33と
流路形成部材21が固定される。
【0028】
図2、図3に示すように、インク噴射ヘッド32は、フランジ部37の下面がキャリッ
ジケース31(図2参照)の所定面に接合されて固定される。つまり、複数のインク噴射
ヘッド32がフランジ部37の下面で規制されてキャリッジケース31に固定され、イン
ク噴射ヘッドユニット5の5個のインク噴射ヘッド32は、キャリッジケース31に対す
るノズルプレート35のノズル開口の位置(状態)が同じ状態に保たれている。ノズル開
口の位置(状態)を同じ状態に保つため、インク噴射ヘッド32がフランジ部37の下面
には基準面38が設けられている。
【0029】
インク噴射ヘッド32は、同じ状態に組み立てられているが、構成部品の精度や、組み
立て精度の許容誤差の累積等で個体差が生じる。個体差により、インク噴射ヘッド32毎
に、フランジ部37の下面の位置とノズルプレート35のノズル開口の位置(状態)との
関係に多少のばらつきが生じてしまう。ばらつきをなくすため、インク噴射ヘッド32の
フランジ部37の下面の基準面38は、インク噴射ヘッド32を組み立てた後に共通の治
具を用いて形成される。
【0030】
インク噴射ヘッド32を組み立てた後に共通の治具を用いて基準面38が形成されるの
で、インク噴射ヘッド32毎に、フランジ部37の下面の位置(基準面38)とノズルプ
レート35のノズル開口の位置(状態)との関係にばらつきが生じることがなく、5個全
てのインク噴射ヘッド32の状態が同じになる。
【0031】
このため、ノズル開口の位置(状態)と基準面38との関係が同じ状態の複数のインク
噴射ヘッド32が製造される。従って、5個(複数)のインク噴射ヘッド32をキャリッ
ジケース31に固定した時、キャリッジケース31に対するノズル開口の位置(状態)が
全て同じ状態になり、インク噴射ヘッド32毎のインクの着弾位置を一定にすることがで
きる。
【0032】
図4から図6に基づいて共通の治具を用いた基準面38の作製の状況を説明する。
図4には治具を用いて基準面38を作製している状況、図5には基準面38が異なる状
態で作製された状況、図5には基準面38が異なるインク噴射ヘッド32がキャリッジケ
ース31に取り付けられた状況を示してある。
【0033】
図4に示すように、共通の治具41には、インク噴射ヘッド32のノズルプレート35
のノズル開口の面40(ヘッドの所定部位)が当接する第1基準部42が備えられている
。また、治具41には、フランジ部37の下面43(基準面38が形成される面)が対向
する第2基準部44が備えられている。
【0034】
インク噴射ヘッド32のノズルプレート35のノズル開口の面40を治具41の第1基
準部42に当接させ、フランジ部37の下面43を治具41の第2基準部44に対向させ
る。この状態で、フランジ部37の下面43と治具41の第2基準部44との間に薄状部
材であるシート45を介在させて硬化剤である接着剤46を充填して硬化させる。
【0035】
接着剤46が硬化した状態でフランジ部37の下面43に接着剤46が接合され、シー
ト45を介在させているため、第2基準部44には接着剤46は接合されない。この状態
でインク噴射ヘッド32から治具41を外すことで、硬化した接着剤46のシート45を
介した第2基準部44との接触面に基準面38が形成される。
【0036】
これにより、基準面38とノズルプレート35のノズル開口の面40との関係が、治具
41の第1基準部42と第2基準部44の関係と同じにされる。
【0037】
接着剤46としては、紫外線硬化樹脂やエポキシ系接着剤を適用することが可能である
。紫外線硬化樹脂を適用した場合、紫外線照射により接着剤を硬化させることができ、エ
ポキシ系接着剤を適用した場合、高強度で硬化時の収縮が小さい接着剤を適用することが
できる。
【0038】
また、接着剤46に硬化収縮を抑制するための粒子材(例えば、シリカ)を添加するこ
とができる。粒子材を添加することにより、接着剤46の体積を減らして硬化収縮を抑制
することができる。また、接着剤46に代えて熱硬化性樹脂等の硬化剤を使用し、硬化剤
をフランジ部37の下面43に接合することも可能である。
【0039】
図5(a)に示すように、インク噴射ヘッド32のフランジ部37の下面43からノズ
ルプレート35のノズル開口の面40までの距離がHの場合、フランジ部37の下面43
から治具41の第2基準部44までの接着剤46の厚さはQとなる。そして、接着剤46
で形成された基準面38からノズルプレート35のノズル開口の面40までの距離がRと
なる。
【0040】
図5(b)に示すように、インク噴射ヘッド32のフランジ部37の下面43からノズ
ルプレート35のノズル開口の面40までの距離hが、図5(a)に示したものよりも短
い(h<H)場合、フランジ部37の下面43から治具41の第2基準部44までの接着
剤46の厚さqが、図5(a)に示したものよりも薄くなる(q<Q)。
【0041】
これにより、インク噴射ヘッド32が、図5(a)の場合であっても図5(b)の場合
であっても、基準面38からノズルプレート35のノズル開口の面40までの距離Rが同
じになる。また、基準面38と面40の平行度合いも同じになる。
【0042】
図5(a)、図5(b)に示した、フランジ部37の下面43からノズルプレート35
のノズル開口の面40までの距離が異なるインク噴射ヘッド32をキャリッジケース31
に固定した場合、それぞれ基準面38がキャリッジケース31の所定の面に当接するため
、図6(a)、図6(b)に示すように、基準面38からノズルプレート35のノズル開
口の面40までの距離Rが同じにされてインク噴射ヘッド32がキャリッジケース31に
固定される。
【0043】
このため、インク噴射ヘッド32の個体差に拘わらず、ノズル開口の位置(状態)と基
準面38との関係が同じ状態の複数のインク噴射ヘッド32をキャリッジケース31に固
定することができる。従って、基準面38を基準にしてインク噴射ヘッド32がキャリッ
ジケース31に固定されることになり、キャリッジケース31に対するノズル開口の位置
(状態)が全て同じ状態の5個(複数)のインク噴射ヘッド32を備えたインク噴射ヘッ
ドユニット5が得られる。
【0044】
上述したインク噴射ヘッドユニット5では、5個のインク噴射ヘッド32の基準面38
からノズルプレート35のノズル開口の面40までの距離Rが一定になり、噴射向きも全
て同じになるため、インク噴射ヘッド32の個体差に影響されずにインクの着弾位置を一
定にすることができる。
【0045】
従って、本発明方法によりインク噴射ヘッド32を製造することで、キャリッジケース
31に対しノズルプレート35のノズル開口の面40が同じ状態になるように取り付けら
れる複数のインク噴射ヘッド32を製造することができる。また、キャリッジケース31
に対しノズルプレート35のノズル開口の面40が同じ状態でインク噴射ヘッド32が取
り付けられたインク噴射ヘッドユニット5及びインクジェット式記録装置1を製造するこ
とができる。
【0046】
尚、上述した実施形態においては、液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録
ヘッドを挙げて説明したが、本発明は、広く液体噴射ヘッド全般を対象としたものであり
、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドにも勿論適用することができる。その他の
液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種の記録
ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有
機ELディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材
料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられる。
【符号の説明】
【0047】
1 インクジェット式記録装置、 2 インクカートリッジ、 4 記録ヘッド、 5
インク噴射ヘッドユニット、 21 流路形成部材、 22 ねじ受け部、 31 キ
ャリッジケース、 32 インク噴射ヘッド、 33 ヘッド本体、 35 ノズルプレ
ート、 36 ねじ、 37 フランジ部、 38 基準面、 40 面(ノズル開口の
面)、 41 治具、 42 第1基準部、 43 下面(フランジ部37の下面)、 4
4 第2基準部、 45 シート、 46 接着剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース材に複数のヘッドの基準面が取り付けられることでヘッドユニットが形成される
前記ヘッドの製造方法において、治具と前記ヘッドとの間に硬化剤を充填して硬化させ、
前記複数のヘッドの前記基準面をそれぞれ前記硬化剤で形成したことを特徴とするヘッド
の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載のヘッドの製造方法において、前記治具は同一の共通の治具であること
を特徴とするヘッドの製造方法。
【請求項3】
請求項1もしくは請求項2に記載のヘッドの製造方法において、
前記ヘッドの所定部位を前記治具の第1基準部に当接させると共に前記基準面の形成部
位に前記治具の第2基準部を対向させ、
前記基準面の形成部位と前記治具の第2基準部との間に前記硬化剤を充填して硬化させ

ことを特徴とするヘッドの製造方法。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のヘッドの製造方法において、
前記硬化剤は接着剤である
ことを特徴とするヘッドの製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載のヘッドの製造方法において、
前記接着剤が接触する前記治具の接触面に前記接着剤が接着することを防止する薄状部
材を介在させた
ことを特徴とするヘッドの製造方法。
【請求項6】
請求項4もしくは請求項5に記載のヘッドの製造方法において、
前記接着剤は紫外線硬化樹脂である
ことを特徴とするヘッドの製造方法。
【請求項7】
請求項4もしくは請求項5に記載のヘッドの製造方法において、
前記接着剤はエポキシ系接着剤である
ことを特徴とするヘッドの製造方法。
【請求項8】
請求項4から請求項7のいずれか一項に記載のヘッドの製造方法において、
前記接着剤に硬化収縮を抑制するための粒子材を添加した
ことを特徴とするヘッドの製造方法。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のヘッドの製造方法において、
前記ヘッドは液体噴射ヘッドである
ことを特徴とするヘッドの製造方法。
【請求項10】
請求項9に記載のヘッドの製造方法で製造された液体噴射ヘッドの基準面をベース材の
取り付けの基準にし、複数の前記液体噴射ヘッドをベース材に取り付けたことを特徴とす
る液体噴射ヘッドユニットの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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