説明

ヘッドキャップ

【課題】キャップが吐出面から離隔しているときにキャップを保持するホルダが撓むのを防止しつつ、キャップを吐出面に正確に当接させる。
【解決手段】キャップ76が、凹部76cを画定する環状突起76a及び底板部76bを有しており、ホルダ78に保持されている。ホルダ78が、吐出面3aの長手方向の半分以下の距離で互い離隔しつつ支持台89のプレート89aと係合する8つのプレート89aを有している。ホルダ78がバネ88によって支持台89から離れる方向に付勢されている。環状突起76aが吐出面3aから離隔しているときには、全てのプレート89aと係合フック78bとが係合する。環状突起76aが吐出面3aに当接しているときには、全てのプレート89aと係合フック78bとの係合が解除される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液滴を吐出する液滴吐出ヘッドの吐出面を覆うヘッドキャップに関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェットプリンタにおいて、非印刷時にヘッドの吐出面をゴム等の弾性材料からなるキャップで密封し、吐出面において開口したノズルの乾燥を防止しメニスカスを維持するという技術が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2007−268852号公報(図9)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
インクジェットプリンタにおいて、印刷速度の高速化という要望からヘッドが長尺化している。ヘッドが長尺化すると吐出面の反りが大きくなるため、キャップを吐出面に正確に当接させるためには、キャップを保持するホルダに柔軟性を持たせることが好ましい。一方、キャップが吐出面から離隔している状態においては、ホルダが撓むことによってキャップがホルダから外れるのを防止するため、ホルダを厚くしてホルダが変形するのを防止することが好ましい。しかしながら、ホルダを樹脂で成形する場合、ホルダの体積が大きくなるに伴って、成形時において樹脂を金型内に均一に注入しにくくなり、ホルダの平面度を確保するのが難しい。そこで、ホルダを厚くすることなく、ホルダとキャップとを深く嵌合させることによって、ホルダが撓んでもキャップがホルダから外れないようにすることが考えられるが、キャップをホルダに組み付ける作業が煩雑になる。
【0005】
本発明の目的は、キャップが吐出面から離隔しているときにキャップを保持するホルダが撓むのを防止しつつ、キャップを吐出面に正確に当接させることができるヘッドキャップを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のヘッドキャップは、弾性材料から成り、一方向に細長く延在する液体吐出ヘッドの吐出面に先端が当接することによって、前記吐出面に形成された液滴吐出領域を包囲する環状突起を有するキャップと、前記環状突起の中心を基準に点対称に且つ前記一方向に関して前記吐出面の半分以下の距離で離隔するように配置された複数の第1係合部を有し、前記キャップを保持するホルダと、前記複数の第1係合部と係合する複数の第2係合部を有する支持台と、前記ホルダを前記支持台から離れる方向に付勢しつつ支持する付勢部材とを備えている。前記環状突起が前記吐出面から離隔したときには、前記複数の第1係合部と前記複数の第2係合部とが係合することによって前記ホルダが前記支持台から所定距離だけ離れた係合位置よりさらに離隔するのが規制され、前記環状突起が前記吐出面に当接したときには、前記付勢部材の付勢力に抗して前記ホルダが前記キャップと共に前記支持台に近づく方向に変位することによって、前記複数の第1係合部と前記複数の第2係合部との係合が解除される。
【0007】
本発明によると、環状突起が吐出面から離隔してホルダが係合位置にあるときは、一方向に関して吐出面の半分以下の距離で離隔している複数の第1係合部と複数の第2係合部とが係合することによって、ホルダが撓むのを抑制することができる。これにより、ホルダが撓んでホルダからキャップが外れるのを防止することができる。一方、環状突起での吐出面の押圧によって、係合位置にあるホルダをキャップと共に支持台に近づく方向に変位させたときは、複数の第1係合部と複数の第2係合部との係合が全て解除されるため、ホルダ及びキャップの形状が吐出面の形状に追従し、環状突起の先端を吐出面に正確に当接させることができる。
【0008】
本発明においては、前記第1係合部が前記ホルダの前記一方向に関する両端近傍に配置されていることが好ましい。
【0009】
また、本発明においては、前記第1係合部が前記ホルダの前記一方向に関する中央に配置されていることが好ましい。
【0010】
さらに、本発明においては、前記第1係合部が前記ホルダの縁部に配置されていることが好ましい。これらによると、ヘッドにヘッドキャップが装着されていないときに、ホルダが撓むのをさらに抑制することができる。
【0011】
また、本発明においては、前記複数の第1係合部が、前記環状突起の中心を通過しつつ前記一方向に延在する直線を基準に線対称に配置されていることが好ましい。
【0012】
さらに、本発明においては、前記付勢部材が、2つの前記第1係合部材の間に配置されていることが好ましい。これらによると、環状突起が吐出面から離隔していているときに、付勢部材によってホルダがねじれるのを抑制することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、環状突起が吐出面から離隔してホルダが係合位置にあるときは、一方向に関して吐出面の半分以下の距離で離隔している複数の第1係合部と複数の第2係合部とが係合することによって、ホルダが撓むのを抑制することができる。これにより、ホルダが撓んでホルダからキャップが外れるのを防止することができる。一方、環状突起での吐出面の押圧によって、係合位置にあるホルダをキャップと共に支持台に近づく方向に変位させたときは、複数の第1係合部と複数の第2係合部との係合が全て解除されるため、ホルダ及びキャップの形状が吐出面の形状に追従し、環状突起の先端を吐出面に正確に当接させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0015】
図1は、本発明の好適な形態のインクジェットプリンタの内部構成を示す断面図である。図2は、インクジェットプリンタ1の内部構成を示す概略平面である。図3は、図2に示すIII−III線に沿った断面図である。図4は、4つのインクジェットヘッド2を下方から見た図である。
【0016】
インクジェットプリンタ1は、図1〜図3に示すように、直方体形状の筐体1aを有している。筐体1aの上部には、排紙部31が設けられている。筐体1a内は、上から順に3つの空間A、B、Cに区分されている。空間Aには、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックのインクをそれぞれ吐出する4つのインクジェットヘッド2、搬送ユニット20、及び、メンテナンスユニット70(搬送ユニット20の図1中紙面奥側)が配置されている。空間B、Cはそれぞれ、筐体1aに対して着脱可能な給紙ユニット1b及びインクタンクユニット1cが配置される空間である。なお、本実施形態において、副走査方向とは搬送ユニット20で用紙Pを搬送するときの搬送方向と平行な方向であり、主走査方向とは副走査方向に直交する方向であって水平面に沿った方向である。
【0017】
インクジェットプリンタ1の内部には、給紙ユニット1bから排紙部31に向けて、用紙Pが搬送される用紙搬送経路が形成されている(図1中太矢印)。給紙ユニット1bは、複数枚の用紙Pを収納できる給紙トレイ23と、給紙トレイ23に取り付けられた給紙ローラ25とを有している。給紙ローラ25は、給紙トレイ23に積層して収納された複数の用紙Pのうち、最も上方にある用紙Pを送り出す。給紙ローラ25によって送り出された用紙Pは、ガイド27a,27bによりガイドされ且つ送りローラ対26によって挟持されつつ搬送ユニット20へと送られる。
【0018】
搬送ユニット20は、2つのベルトローラ6,7と、両ローラ6,7間に架け渡されるように巻回されたエンドレスの搬送ベルト8と、テンションローラ10とを有している。テンションローラ10は、搬送ベルト8の下側ループにおいて、その内周面に接触しつつ下方に付勢されることで搬送ベルト8にテンションを付加している。ベルトローラ7は、駆動ローラであって、搬送モータMから複数のギアを介して駆動力が与えられることで、図1中時計回り方向に回転する。ベルトローラ6は、従動ローラであって、ベルトローラ7の回転により搬送ベルト8が走行するのに伴って、図1中時計回り方向に回転する。
【0019】
搬送ベルト8の外周面8aにはシリコーン処理が施されており、粘着性を有している。用紙搬送経路上において搬送ベルト8を挟んでベルトローラ6と対向する位置には、ニップローラ5が配置されている。ニップローラ5は、給紙ユニット1bから送り出された用紙Pを搬送ベルト8の外周面8aに押さえ付ける。外周面8aに押さえ付けられた用紙Pは、その粘着力によって外周面8a上に保持されつつ、図1右方へと搬送される。
【0020】
また、搬送ベルト8を挟んでベルトローラ7と対向する位置には、剥離プレート13が設けられている。剥離プレート13は、搬送ベルト8に保持されている用紙Pを外周面8aから剥離する。剥離プレート13によって外周面8aから剥離された用紙Pは、ガイド29a,29bによりガイドされ且つ二組の送りローラ対28によって挟持されつつ搬送され、筐体1a上部に形成された開口30から排紙部31へと排出される。
【0021】
図2〜図4に示すように、4つのインクジェットヘッド2は、それぞれ主走査方向に沿って延在し、用紙搬送方向Bに沿って互いに隣接配置された状態で、枠状のフレーム4に固定されている。フレーム4においては、インクジェットヘッド2が固定される支持部4aが、インクジェットヘッド2の長手方向両端部の下面と対向する位置まで突出するように形成されている。そして、支持部4aとインクジェットヘッド2の両端部とがネジ50で固定されている。各インクジェットヘッド2の下面は、インク滴が吐出される吐出面3aとなっている。すなわち、インクジェットプリンタ1は、主走査方向に延びた吐出領域(後述のノズル3bが開口した領域)が形成されたライン式のカラーインクジェットプリンタである。
【0022】
図1に示すように、搬送ベルト8のループ内には、4つのインクジェットヘッド2と対向するようにプラテン9が配置されている。プラテン9の上面は、搬送ベルト8の上側ループの内周面と接触しており、搬送ベルト8の内周側からこれを支持している。これにより、搬送ベルト8の上側ループの外周面8aとインクジェットヘッド2の下面、即ち吐出面3aとが対向しつつ平行になり、且つ、吐出面3aと搬送ベルト8の外周面8aとの間に僅かな隙間が形成されている。搬送ベルト8によって搬送されてきた用紙Pが4つのインクジェットヘッド2のすぐ下方を通過する際に、各インクジェットヘッド2から用紙Pの上面に向けて各色のインクが順に吐出され、用紙P上に所望のカラー画像が形成される。
【0023】
また、図2及び図3に示すように、フレーム4は、インクジェットプリンタ1に設けられたフレーム移動機構51により、上下に移動可能に支持されている。フレーム移動機構51は、4つのインクジェットヘッド2の並びを挟んで両側(図2中上下)に配設されている。各フレーム移動機構51は、フレーム4を上下動する駆動源としての駆動モータ52と、各駆動モータ52の軸に固定されたピニオンギヤ53と、各ピニオンギヤ53と噛合されるようにフレーム4に立設されたラックギヤ54と、ピニオンギヤ53とでラックギヤ54を挟む位置に配置されたガイド56とを含んでいる。
【0024】
2つの駆動モータ52は、用紙搬送方向Bに関して互いに対向して配置され、インクジェットプリンタ1の本体フレーム1dにそれぞれ固定されている。2つのラックギヤ54は、上下方向に延在しており、下端部がフレーム4の側面にそれぞれ固定されている。また、ラックギヤ54のガイド56側の側面は、ガイド56と摺動可能に接している。ガイド56は、本体フレーム1dに固定されている。
【0025】
この構成において、2つの駆動モータ52を同調させて各ピニオンギヤ53を正及び逆方向に回転させると、ラックギヤ54が上下方向に移動する。このラックギヤ54の上下動に伴ってフレーム4及び4つのインクジェットヘッド2が上下方向に移動する。
【0026】
また、ガイド部59が、インクジェットヘッド2の長手方向の両側に配設されている。各ガイド部59は、棒状部材58とこれを挟む一対のガイド57とから構成されている。このうち、一対のガイド57は、図3に示すように上下方向に延在し、用紙搬送方向Bと直交する方向に関して、互いに対向する本体フレーム1eにそれぞれ固定されている。一方、棒状部材58は、ガイド57と同様に上下方向に延在し、本体フレーム1eと平行に対向配置されたフレーム4の側面にそれぞれ固定されている。さらに、棒状部材58は、一対のガイド57間にそれぞれ摺動可能に挟まれている。このガイド部59は、フレーム移動機構51によってフレーム4が上下方向に移動したときに、インクジェットヘッド2の吐出面3aが外周面8aに対して傾くのを防ぐ。
【0027】
通常、フレーム4は、4つのインクジェットヘッド2が用紙に対してインクを吐出し印刷する「印刷位置」(図3に示す位置)に配置されている。インクジェットヘッド2のメンテナンス時(本実施形態ではインクジェットヘッド2からインクを強制的に吐出するパージのとき、吐出面3aに付着したインクを拭き取るとき及び吐出面3aをキャップで覆うとき)には、フレーム移動機構51によって移動されて、4つのインクジェットヘッド2が「印刷位置」よりも上方の「ヘッドメンテナンス位置」に配置される。
【0028】
各インクジェットヘッド2は、空間Cに装着されたインクタンクユニット1c内のインクタンク49と接続されている。4つのインクタンク49には、それぞれ対応するインクジェットヘッド2が吐出するインクが貯留されている。本実施形態においては、各インクタンク49からチューブ(図示せず)等を介してインクジェットヘッド2にインクが供給される。
【0029】
次に、インクジェットヘッド2に対してメンテナンスを行うためのメンテナンスユニット70について詳細に説明する。インクジェットプリンタ1には、図2及び図3に示すように、メンテナンスユニット70がインクジェットヘッド2の図2中左側に配置されている。メンテナンスユニット70は、水平移動可能な2つのトレイ71、75を有している。このうち、トレイ71は、上方に開口したほぼ方形の箱形状を有し、トレイ75を内包可能となっている。トレイ71とトレイ75とは、後述の係合手段によって着脱可能に結合されている。両者は、メンテナンス処理の内容に応じて着脱される。
【0030】
トレイ71は、インクジェットヘッド2とは反対側の側面が開放されており、例えばワイプ動作時のように両者の係合が解かれているとき、トレイ75を残して、トレイ71のみが移動可能となる。また、係合手段の係合状態に係わらず、メンテナンスユニット70が後述のように水平移動する際には、予めフレーム4が「印刷位置」より上方(図3中矢印C方向)の「ヘッドメンテナンス位置」まで移動され、4つの吐出面3aと外周面8aとの間にメンテナンスユニット70用のスペースが確保される。この後、メンテナンスユニット70が、図3中矢印D方向に水平移動されることになる。
【0031】
また、メンテナンスユニット70のすぐ下方には、廃インク受けトレイ77が配置されている。この廃インク受けトレイ77は、平面視でトレイ71を内包するサイズを有し、トレイ71が図2において右端まで移動したときでも、トレイ71のインクジェットヘッド2と反対側の辺縁部が重なる形状を有している。廃インク受けトレイ77のインクジェットヘッド2側の端部には、上下方向に貫通したインク排出孔77aが形成されている。インク排出孔77aは、廃インク受けトレイ77上に流れ込んだインクを図示しない廃インク溜めに流通させる。
【0032】
トレイ71内には、インクジェットヘッド2に近い側から順に、ワイパー72及びトレイ75が配置されている。ワイパー72は、後述のワイプ動作において、吐出面3aを払拭するための弾性材料からなる板状部材であり、用紙搬送方向Bと平行に延在するように配設されている。トレイ75内には、図2に示すように、各インクジェットヘッド2の吐出面3aに対応して、一方向に延在する矩形平面形状を有した4つのキャップ76が並べて設けられている。各キャップ76は、その長手方向をインクジェットヘッド2の長手方向に平行とされ、用紙搬送方向Bにインクジェットヘッド2と同じピッチで配置されている。キャップ76と当該キャップ76に対応するキャップ機構90とがヘッドキャップを構成している。
【0033】
キャップ機構90について、図5〜図7をさらに参照しつつ詳細に説明する。図5(a)は、環状突起76aと吐出面3aとの位置関係を示した図であり、図5(b)は、キャップ機構90の側面図である。図6は、キャップ機構90の平面図である。図7は、図6に示すVII−VII線に関する断面図であり、図7(a)は、キャップ76が吐出面3aから離隔している状態を、図7(b)は、キャップ76が吐出面3aに当接している状態をそれぞれ示している。
【0034】
図5〜図7に示すように、キャップ機構90は、上方から順に、キャップ76、ホルダ78、バネ88及び支持台89が配置されたユニットである。キャップ76は、上方に突出した略矩形状のリップである環状突起76aと、環状突起76aの基端部が外周縁部に接続されていると共に一方向に延在した略矩形状の底板部76bとを有している。環状突起76a及び底板部76bは、ゴムや樹脂などの弾性材料からなり、両者が一体となって上方に開口した凹部76cを画定している。この凹部76cは、後述するキャップ動作により、環状突起76aと吐出面3aとが当接したときに、環状突起76aが全てのノズル3bを包囲しつつ密封する。
【0035】
底板部76bの長手方向に延在する各側面に、短手方向に関する外側に向かって突出した5つの突出部76dが、長手方向に関して等間隔に配置されるように形成されている。底板部76bは、底板部76bと同一平面形状を有するホルダ78により下方から支持されている。ホルダ78の長手方向に延在する各側面には、底板部76bの側面と対向する位置まで延在している5つの係合部78aが、長手方向に関して等間隔に配置されるように形成されている。係合部78aは、突出部76dを係合可能にする穴を有している。計10個の突出部76dと係合部78aとが係合することによって、底板部76bがホルダ78に保持されている。
【0036】
また、図5(b)及び図6に示すように、ホルダ78の長手方向に延在する各側面に、下方(支持台89に向かう方向)に向かって突出している3つの係合フック78bがそれぞれ形成されている。これら3つの係合フック78bは、当該長手方向に関する中央に1つ、その両側に一つずつ等間隔に離隔した状態で配置されている。さらに、ホルダ78の短手方向に延在する各側面に、当該短手方向に関する中央に1つずつ係合フック78bが形成されている。このように、ホルダ78の縁部に沿って計8つの係合フック78bが形成されている。図6に示すように、これら8つの係合フック78bは、キャップ76の凹部76cの中心を通過しつつ長手方向に延在する直線を基準に線対称(凹部76cの中心を基準に点対称)に且つ長手方向に関して吐出面3aの半分以下の距離で離隔している。
【0037】
そして、図5(b)及び図7に示すように、ホルダ78の下方において、支持台89がホルダ78と対向するようにトレイ75に固定されている。支持台89の側面には、ホルダ78の係合フック78bと対向するように上方に向かって突出していると共に、係合フック78bの鍵部が挿入された長穴を有する8つのプレート89aが形成されている。このとき、係合フック78bの先端の鍵部が、プレート89aの上下方向に延びた長穴内を移動可能となっているため、ホルダ78と支持台89とが、上下方向に関して相対的に移動可能となっている。
【0038】
本実施形態では、図7に示されるように、係合フック78bの鍵部が、ホルダ78の短手方向の外側に向かって突出している。これに対応した位置には、プレート89aが支持台89から立設されている。この構成は、ホルダ78の支持台89に対する相対移動距離に自由度がある。しかし、相対移動距離の自由度には制限があるが、キャップ機構90の小型化という観点からは、係合フック78bの鍵部を、ホルダ78の短手方向の内側に向かって突出させてもよい。このとき、プレート89aが、ホルダ78の真下に配置されることになる。これによって、相対移動距離がプレート89aの高さによって規制されるが、キャップ機構90の短手方向の幅を狭くできる。
【0039】
そして、ホルダ78は、ホルダ78の短手方向に関する中央において長手方向に沿って配列された5つのバネ88を介して支持台89に支持されており、バネ88によって支持台89から離隔する方向に付勢されている。図5(b)及び図6に示すように、配列された5つのバネ88のうち、両端に配置された2つのバネ88を除く3つのバネ88が、ホルダ78の短手方向に関して2つの係合フック78bの間に配置されている。また、5つのバネ88が、ホルダ78の長手方向に関して2つの係合フック78bの間に配置されている。つまり、全てのバネ88が、2つの係合フック78bの間に配置されている。
【0040】
図7(a)に示すように、キャップ動作を行っていない状態、すなわち、環状突起76aが吐出面3aから離隔しているときには、バネ88によって付勢されているホルダ78が支持台89から離隔する方向に移動しようとする。そして、ホルダ78が支持台89から所定距離だけ離れた係合位置にあるとき、全てのプレート89aの当接面89bと、当該プレート89aに摺動する係合フック78bの当接面78cとが当接して、全てのプレート89aと係合フック78bとが係合する。これにより、ホルダ78が支持台89からさらに離隔するのが規制される。このとき、ホルダ78の全ての係合フック78bが上下方向に関して位置決めされるため、ホルダ78が8箇所で固定されることになり撓みにくくなる。
【0041】
図7(b)に示すように、キャップ動作を行うことによって、環状突起76aが吐出面3aに当接したときには、バネ88の付勢力に抗してホルダ78がキャップ76と共に支持台89に近づく方向に変位する。これにより、全てのプレート89aの当接面89bと、当該プレート89aに摺動する係合フック78bの当接面78cとが離隔し、全てのプレート89aと係合フック78bとの係合が解除される。これにより、ホルダ78が自由に撓めるようになる。このため、吐出面3aが反っていても、ホルダ78及びキャップ76が吐出面3aの形状に追従し、環状突起76aの先端を吐出面3aに正確に当接させることができる。
【0042】
また、環状突起76aと吐出面3aとが当接したときに、バネ88がその衝撃力を緩和する。さらに、吐出面3aに対する環状突起76aの平行度に多少誤差が生じていても、吐出面3aに対する傾きに環状突起76aが追従することが可能となる。
【0043】
図2及び図3に戻って、トレイ71のインクジェットヘッド2側には、ワイパー72が保持された保持部材74が固定されている。保持部材74は、平面形状がU字形状である。保持部材74の用紙搬送方向Bに沿う部分には、ワイパー72が保持されている。一方、保持部材74の用紙搬送方向Bと直交する方向に延在した部分の端部には、係合手段を構成する凹部74aが形成されている。
【0044】
トレイ71とトレイ75とは、上述の係合手段によって着脱可能に係合されている。係合手段は、トレイ71、75の図2中上下の各辺近傍にそれぞれ設置され、主には、トレイ71の保持部材74に設けられた凹部74aと、トレイ75に回動可能に支持された引っ掛け部材83とから構成されている。引っ掛け部材83は、用紙搬送方向Bと直交する方向に延在しており、中央において回動可能に支持されている。また、引っ掛け部材83のインクジェットヘッド2側の端部には、凹部74aに係合する引っ掛け部83aが形成されている。メンテナンスユニット70の上方には、各引っ掛け部材83のインクジェットヘッド2と最も離れた端部83bに当接可能な当接部材84がそれぞれ回動可能に支持されている。これら当接部材84が回動し、端部83bに当接すると、引っ掛け部83aと凹部74aとの係合が解除される。一方、当接部材84が端部83bから離れると、引っ掛け部83aが凹部74aと係合し、図3に示す状態に戻る。
【0045】
メンテナンスユニット70は、後述のメンテナンスが行われないとき、図3に示すように、インクジェットヘッド2から離れた「退避位置」(図2において、インクジェットヘッド2と対向しない左側位置)にて静止している。そして、メンテナンスが行われるときには、この「退避位置」からメンテナンスユニット70が吐出面3aに対向した「メンテナンス位置」へ水平移動される。このとき、インクジェットヘッド2は上方の「ヘッドメンテナンス位置」に配置されているので、ワイパー72や環状突起76aの先端が、吐出面3aに接触しない。
【0046】
なお、メンテナンスでもワイプ動作時には、トレイ75は残してトレイ71だけが「退避位置」からヘッド下部に移動し、ワイパー72によって払拭されたインクを受け取る。また、待機時やパージ動作時において、吐出面3aをキャップ76で覆うときには、トレイ71とトレイ75が結合されて、「メンテナンス位置」に移動されることになる。
【0047】
各トレイ71、75は、図2に示すように、用紙搬送方向Bに直交する方向に延びた一対のガイド軸96a、96bに移動可能に支持されている。トレイ71には、2つの軸受け部材97a、97bが設けられており、保持部材74の上下両側面から突出している。トレイ75には、2つの軸受け部材98a、98bが設けられており、トレイ75の上下両側面から突出している。また、一対のガイド軸96a、96bは、それぞれの両端が本体フレーム1e、1gに固定されており、両フレーム1e、1g間に互いに平行に配置されている。ここでは、それぞれネジで固定されている。このような構成で、各トレイ71、75がこのガイド軸96a、96bに沿って図中左右方向(矢印D方向)に移動される。
【0048】
ここで、トレイ71、75を水平移動させる水平移動機構91について説明する。水平移動機構91は、図2に示すように、モータ92、モータプーリ93、アイドルプーリ94、タイミングベルト95、及び、ガイド軸96a、96b等を有する。モータ92は、用紙搬送方向Bに平行に延びる本体フレーム1eの端部に形成された取り付け部1fにネジなどで固定されている。モータプーリ93は、モータ92に接続されており、モータ92の駆動に伴って回転する。アイドルプーリ94は、図2中最も左側の本体フレーム1gに回転可能に支持されている。タイミングベルト95は、ガイド軸96aと平行に配設され、モータプーリ93とアイドルプーリ94との間に架け渡されるように巻回されている。また、タイミングベルト95には、保持部材74に設けられた軸受け部材97aが接続されている。
【0049】
この構成において、モータ92を駆動すると、モータプーリ93が正又は逆方向に回転するに伴ってタイミングベルト95が走行する。このタイミングベルト95の走行により、タイミングベルト95に軸受け部材97aを介して接続されたトレイ71が、図2左又は右方向に、即ち「退避位置」又は「メンテナンス位置」に向かう方向に移動する。なお、保持部材74の凹部74aと引っ掛け部83aとが係合しているときは、トレイ71内のワイパー72とトレイ75内のキャップ76とが一緒に、引っ掛け部83aが凹部74aから離隔しているときには、トレイ71内のワイパー72のみが移動する。
【0050】
次に、メンテナンスユニット70の動作について、図8及び図9を参照しつつ以下に説明する。図8(a)は、インクジェットヘッド2が「印刷位置」から「ヘッドメンテナンス位置」に移動し、メンテナンスユニット70のトレイ71が「退避位置」から「メンテナンス位置」に移動したときの状況図であり、図8(b)は、ワイパー72により吐出面3aに付着したインクを払拭しているときの状況図である。図9は、キャップ76の環状突起76aと吐出面3aとが接しているときの状況図である。
【0051】
メンテナンス動作においては、吐出不良などに陥っていたインクジェットヘッド2を回復させるため、パージ動作を行う。まず、フレーム移動機構51によりフレーム4を上方に移動させて、インクジェットヘッド2を、「ヘッドメンテナンス位置」に配置する。これにより、吐出面3aと搬送ベルト8との間にメンテナンスユニット70が配置可能なスペースが形成される。「ヘッドメンテナンス位置」にあるインクジェットヘッド2の吐出面3aは、メンテナンスユニット70が「メンテナンス位置」に移動してきたときに、ワイパー72及び環状突起76aの先端と接触しない位置となっている。
【0052】
そして、水平移動機構91により、当接部材84を引っ掛け部材83の端部83bに当接させて引っ掛け部83aを凹部74aから離隔させ、両者の係合を解除させる。つまり、トレイ71とトレイ75との連結が解除された状態となる。この状態で、水平移動機構91により、図8(a)に示すように、トレイ71のみを「退避位置」から「メンテナンス位置」に移動させる。
【0053】
続いて、この状態で、インクタンク内のインクをインクジェットヘッド2へ強制的に送るポンプ(ともに図示せず)を駆動し、インクジェットヘッド2のノズル3bからトレイ71内にインクを吐出するパージ動作を行う。このパージ動作によって、吐出不良に陥っていたノズル3bの詰まりやノズル3b内のインクの増粘が解消される。トレイ71内に吐出されたインクは、トレイ71を伝って廃インク受けトレイ77に流れ込む。そして、廃インク受けトレイ77のインク排出孔77aからインクが排出される。
【0054】
続いて、ワイプ動作を行うため、フレーム移動機構51によってインクジェットヘッド2を下方に移動させる。このとき、インクジェットヘッド2は、トレイ71が図8中左方(すなわち、「メンテナンス位置」から「退避位置」に向かう方向)に移動するときに、ワイパー72の先端が吐出面3aと当接可能な位置(払拭位置)に配置される。そして、図8(b)に示すように、水平移動機構91によって、トレイ71を「メンテナンス位置」から「退避位置」に移動させる。
【0055】
このワイプ動作において、ワイパー72は、その上端が吐出面3aより上側にあるので、吐出面3aと撓みながら接触し、パージ動作によって吐出面3aに付着したインクを払拭する。ワイパー72に払拭されたインクは、ワイパー72の表面を伝って廃インク受けトレイ77に流れ込む。そして、廃インク受けトレイ77のインク排出孔77aからインクが排出される。
【0056】
こうして、インク吐出不良などに陥っていたインクジェットヘッド2をパージ動作で回復し、パージ動作によって吐出面3aに付着したインクをワイプ動作で拭き取るメンテナンス動作が終了する。ここで、用紙Pへの印刷要求があれば、フレーム移動機構51によってインクジェットヘッド2を「印刷位置」に戻す。さらに、搬送モータMを駆動して搬送ベルト8の走行を開始する。一方、例えば、印刷要求が無く休止する場合には、後述のキャップ動作を行うことになる。
【0057】
次に、吐出面3aをキャップ76で覆うキャップ動作について以下に説明する。前述したように、キャップ動作を行っていない状態、すなわち、トレイ75が「退避位置」にあるときには、ホルダ78が支持台89から所定距離だけ離れた係合位置にあり(図7(a)参照)、全てのプレート89aと係合フック78bとが係合している。そして、キャップ動作が開始されると、フレーム移動機構51によりフレーム4を上方に移動させて、インクジェットヘッド2を、「ヘッドメンテナンス位置」に配置する。
【0058】
そして、水平移動機構91により、図9に示すように、トレイ71とトレイ75とが引っ掛け部材83によって連結された状態で、トレイ71及びトレイ75を「退避位置」から「メンテナンス位置」に移動させる。このとき、キャップ76の凹部76cがノズル3bの形成領域の周囲と対向する位置に配置される。さらに、フレーム移動機構51によりインクジェットヘッド2は、環状突起76aが吐出面3aに当接する位置(キャップ位置)まで下降される。
【0059】
このとき、上述したように、環状突起76aが吐出面3aに押圧され、バネ88の付勢力に抗してホルダ78がキャップ76と共に支持台89に近づく方向に変位する。これにより、全てのプレート89aの当接面89bと、当該プレート89aに摺動する係合フック78bの当接面78cとが離隔して、全てのプレート89aと係合フック78bとの係合が解除される。すなわち、ホルダ78の全ての係合フック78bの位置決めが解除され、ホルダ78とキャップ76とが自由に撓んで、吐出面3aの形状(反りなど)に追従する。この状態で、吐出面3aがキャップ76の凹部76cに覆われるため、環状突起76aの先端が吐出面3aに正確に当接され、ノズル3bが密封される。以上で、キャップ動作が完了する。これにより、待機状態においてノズル3bの乾燥を防止することができる。この後、印刷要求があるまで、この状態が維持される。また、電源が切断されても、吐出面3aがキャップ76に覆われたままで、インクジェットプリンタ1が停止する。
【0060】
以上のような本実施の形態によるインクジェットプリンタ1によると、キャップ動作を行っていない状態、すなわち、環状突起76aが吐出面3aから離隔しているときには、吐出面3aの長手方向にほぼ等間隔で離隔している全てのプレート89aと係合フック78bとが係合しているため、ホルダ78が撓むのが抑制され、キャップ76がホルダ78から脱落するのを防止することができる。これにより、ホルダ78の厚みを厚くする必要がないため、ホルダ78を樹脂で成形する場合、金型内への樹脂の注入量が少なくてすみ、高い平面度を有するホルダ78を容易に形成することができる。また、キャップ78の突出部76dとホルダ76の係合部78aとを深く嵌合させる必要がないため、キャップ76ホルダ78への組み付けが容易になる。一方、キャップ動作時においては、全てのプレート89aと係合フック78bとの係合が解除されてホルダ78が撓みやすくなる。これにより、吐出面3aが反っていても、ホルダ78及びキャップ76の形状が吐出面3aの形状に追従し、環状突起76aの先端を吐出面3aに正確に当接させることができる。
【0061】
また、ホルダ78の長手方向に関する両端及び中央に係合フック78bが形成されている。さらに、全ての係合フック78bがホルダ78の縁部に配置されている。これによると、キャップ動作を行っていない状態において、ホルダ78が撓むのをさらに抑制することができる。
【0062】
さらに、8つの係合フック78bが、キャップ76の凹部76cの中心を通過しつつ長手方向に延在する直線を基準に線対称に配置されている。加えて、全てのバネ88が2つの係合フック78bの間に配置されている。これらによると、キャップ動作を行っていない状態において、ホルダ78がバネ88を中心にねじれるのをさらに抑制することができる。
【0063】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、上述した実施形態においては、ホルダ78が8つの係合フック78bを有する構成であるが、係合フック78bの数は任意のものであってよい。
【0064】
また、上述した実施形態においては、ホルダ78の係合フック78bが、ホルダ78の縁部に配置される構成であるが、係合フック78bの少なくとも一部がホルダ78の縁部以外の領域に配置されていてもよい。
【0065】
加えて、上述した実施形態においては、ホルダ78の係合フック78bが、ホルダ78の長手方向に関する両端部に配置される構成であるが、図10に示すように、係合フック78bがホルダ78の長手方向に関する両端部に配置されていなくてもよい。この場合、係合フック78bがホルダ78の長手方向に関する両端部近傍に配置されていることが好ましい。
【0066】
さらに、上述した実施形態においては、8つの係合フック78bが、キャップ76の凹部76cの中心を通過しつつ長手方向に延在する直線を基準に線対称に配置されている構成であるが、係合フック78bは、凹部76cの中心を基準に点対称となっていれば、当該直線を基準に線対称に配置されていなくてもよい。
【0067】
加えて、上述した実施形態においては、全てのバネ88が2つの係合フック78bの間に配置される構成であるが、バネ88と係合フック78bとの位置関係は任意のものであってよい。
【0068】
また、上述の実施形態においては、キャップ76、ホルダ78、5つのバネ88及び支持台89からなるヘッドキャップが、メンテナンスユニット70に組み込まれた構成となっているが、ヘッドキャップのみが独立した構成であってもよい。
【0069】
上述の実施形態においては、インクジェットプリンタ1に本発明を適用した例について説明したが、FAX、複合機など液滴を吐出する記録ヘッドを有するあらゆる機器に対して適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の一実施形態によるインクジェットプリンタの概略側断面図である。
【図2】図1に示すインクジェットプリンタ要部の概略平面図である。
【図3】図2に示すIII−III線に沿った断面図である。
【図4】図2に示す4つのインクジェットヘッドを下方から見たときの図である。
【図5】(a)は図2に示す環状突起と吐出面との位置関係を示した図である。(b)は図2に示すキャップ機構の側面図である。
【図6】図2に示すキャップ機構の平面図である。
【図7】図6に示すVII−VII線に沿った断面図である。
【図8】(a)は図2に示すインクジェットヘッドが「印刷位置」から「ヘッドメンテナンス位置」に移動しメンテナンスユニットのトレイが「メンテナンス位置」に移動したときの状況図であり、(b)は図2に示すワイパーにより吐出面に付着したインクを払拭しているときの状況図である。
【図9】図2に示すキャップの環状突起と吐出面とが当接しているときの状況図である。
【図10】変形例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0071】
1 インクジェットプリンタ
2 インクジェットヘッド
3a 吐出面
3b ノズル
70 メンテナンスユニット
72 ワイパー
75 トレイ
76 キャップ
76a 環状突起
76b 底板部
76c 凹部
76d 突出部
78 ホルダ
78a 係合部
78b 係合フック
78c 当接面
88 バネ
89 支持台
89a 係合部
89b 当接面
90 キャップ機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性材料から成り、一方向に細長く延在する液体吐出ヘッドの吐出面に先端が当接することによって、前記吐出面に形成された液滴吐出領域を包囲する環状突起を有するキャップと、
前記環状突起の中心を基準に点対称に且つ前記一方向に関して前記吐出面の半分以下の距離で離隔するように配置された複数の第1係合部を有し、前記キャップを保持するホルダと、
前記複数の第1係合部と係合する複数の第2係合部を有する支持台と、
前記ホルダを前記支持台から離れる方向に付勢しつつ支持する付勢部材とを備えており、
前記環状突起が前記吐出面から離隔したときには、前記複数の第1係合部と前記複数の第2係合部とが係合することによって前記ホルダが前記支持台から所定距離だけ離れた係合位置よりさらに離隔するのが規制され、前記環状突起が前記吐出面に当接したときには、前記付勢部材の付勢力に抗して前記ホルダが前記キャップと共に前記支持台に近づく方向に変位することによって、前記複数の第1係合部と前記複数の第2係合部との係合が解除されることを特徴とするヘッドキャップ。
【請求項2】
前記第1係合部が前記ホルダの前記一方向に関する両端近傍に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のヘッドキャップ。
【請求項3】
前記第1係合部が前記ホルダの前記一方向に関する中央に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のヘッドキャップ。
【請求項4】
前記第1係合部が前記ホルダの縁部に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のヘッドキャップ。
【請求項5】
前記複数の第1係合部が、前記環状突起の中心を通過しつつ前記一方向に延在する直線を基準に線対称に配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のヘッドキャップ。
【請求項6】
前記付勢部材が、2つの前記第1係合部材の間に配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のヘッドキャップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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