説明

ヘッドクリーニング装置及びインクジェット記録装置

【課題】コンパクトな構成で洗浄効果の高いヘッドクリーニング装置及びインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】上部に形成された液体保持面102Aがノズル面52に対向するようにして、振動体100を配置する。液体保持面102Aと対向する領域のノズルからインクを予備吐出させ、液体保持面102Aとノズル面52との間でインクを膜状に保持する。振動体100に取り付けられた超音波振動子104を駆動し、液体保持面102Aとノズル面52との間に保持されたインクに超音波を印加する。これにより、ノズル面52が超音波洗浄させる。洗浄中、ノズル内の圧力は正圧にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッドクリーニング装置及びインクジェット記録装置に係り、特に超音波を利用してインクジェットヘッドのノズル面をクリーニングするヘッドクリーニング装置及びインクジェット記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット記録装置では、インクジェットヘッドのノズル面(ノズルが形成されている面)が汚れていると、吐出不良を生じる。このため、インクジェット記録装置では、定期的にノズル面のクリーニングが行われる。
【0003】
特許文献1には、加圧した洗浄液をノズル面に当ててノズル面をクリーニングする方法において、洗浄液に超音波を印加することが記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、ノズル面を覆うキャップの内部に液体を満たし、その液体に超音波を印加して、ノズル面をクリーニングする方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−28758号公報
【特許文献2】特開2006−347000号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の方法では、ノズル面に当てた洗浄液が、すぐにノズル面から滴下してしまい、超音波による洗浄効果が十分に得られないという欠点がある。また、洗浄液を均一に付与することが難しく、洗浄性にムラが発生するという欠点もある。
【0007】
また、特許文献2の方法では、ノズル面の全面をキャップで覆う構成のため、装置が大型化するという欠点がある。また、キャップ全体に洗浄液を満たすため、洗浄液を大量に消費するという欠点もある。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、コンパクトな構成で洗浄効果の高いヘッドクリーニング装置及びインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
課題を解決するための手段は、次のとおりである。
【0010】
[1]ヘッドクリーニング装置の第1の態様は、インクジェットヘッドのノズル面をクリーニングするヘッドクリーニング装置において、前記ノズル面の一部との間で液体を膜状に保持する液体保持面を備え、超音波を伝播可能な振動体と、前記ノズル面と前記液体保持面との間に前記液体を供給する液体供給手段と、前記振動体を介して前記液体に超音波を印加する超音波印加手段と、前記ノズル面と前記液体保持面との間に形成される隙間を一定に保持しつつ、前記インクジェットヘッドと前記振動体とを相対的に移動させる移動手段と、前記インクジェットヘッドのノズル内の圧力を調整する圧力調整手段と、クリーニング時に前記ノズル内の圧力が正圧になるように前記圧力調整手段を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
本態様によれば、ノズル面の上に液膜を形成し、この液膜に超音波を印加して、ノズル面をクリーニングする。これにより、少ない洗浄液の量でノズル面を効率よくクリーニングすることができる。液膜は、ノズル面に対向して配置される液体保持面との間に液体を供給して形成される。液体保持面は、ノズル面の一部との間で液体を保持可能に形成され、ノズル面に沿って移動することにより、ノズル面の全面をクリーニングする。これにより、装置の構成をコンパクトにすることができる。また、クリーニング時において、インクジェットヘッドはノズル内の圧力が正圧に維持される。これにより、洗浄に供される液体が、ノズルの毛細管力により吸い上げられて、ノズル内部に進入するのを防止することができる。
【0012】
[2]ヘッドクリーニング装置の第2の態様は、上記第1の態様のヘッドクリーニング装置において、前記液体保持面に垂直な軸を中心に前記振動体を回転させる回転手段を更に備えたことを特徴とする。
【0013】
本態様によれば、クリーニング時に振動体回転して、液体保持面が回転する。超音波は、腹と節とが存在する定常波である。液体保持面を回転させることにより、液体保持面とノズル面との間で保持される液体(ノズル面の上に形成される液膜)の全域に超音波を均等に伝播することができ、ノズル面を均一にクリーニングすることができる。
【0014】
[3]ヘッドクリーニング装置の第3の態様は、上記第1又は2態様のヘッドクリーニング装置において、前記ノズル面と前記液体保持面との間に保持される前記液体の有無を検出する検出手段を更に備えたことを特徴とする。
【0015】
本態様によれば、ノズル面と液体保持面との間に液体が保持されているか否か(ノズル面の上に液膜が形成されているか否か)が検出される。これにより、ノズル面を確実にクリーニングすることができる。
【0016】
[4]ヘッドクリーニング装置の第4の態様は、上記第3の態様のヘッドクリーニング装置において、前記液体を加熱する加熱手段を更に備え、前記検出手段は、温度を検出して前記液体の有無を検出することを特徴とする。
【0017】
本態様によれば、ノズル面と液体保持面との間に保持される液体が加熱される。これにより、洗浄効果を高めることができる。また、このような加熱された液体を用いることより、温度からノズル面と液体保持面との間に液体が保持されているか否かを検出することが可能になる。
【0018】
[5]ヘッドクリーニング装置の第5の態様は、上記第1から4のいずれか1の態様のヘッドクリーニング装置において、前記振動体が、石英ガラスで形成されることを特徴とする。
【0019】
本態様によれば、振動体が石英ガラスで構成される。石英ガラスは、超音波の伝播減衰が少なく、伝播速度が大きいため、超音波印加手段から印加される超音波を液体に効率よく伝達することができる。
【0020】
[6]ヘッドクリーニング装置の第6の態様は、上記第1から5のいずれか1の態様のヘッドクリーニング装置において、前記液体供給手段は、前記インクジェットヘッドであり、前記ノズル面に形成されたノズルから前記液体を吐出させて、前記ノズル面と前記液体保持面との間に前記液体を供給することを特徴とする。
【0021】
本態様によれば、インクジェットヘッドから吐出させた液体をノズル面と液体保持面との間で保持して、ノズル面がクリーニングされる。これにより、別途、液体の供給手段を備える必要がなくなり、構成をよりコンパクトにすることができる。
【0022】
[7]ヘッドクリーニング装置の第7の態様は、上記第1から5のいずれか1の態様のヘッドクリーニング装置において、前記振動体は、前記液体保持面に連通する液体供給路を有し、前記液体供給手段は、前記液体供給路に前記液体を供給して、前記ノズル面と前記液体保持面との間に前記液体を供給することを特徴とする。
【0023】
本態様によれば、液体保持面に連通する液体供給路が振動体に形成され、この液体供給路に液体を供給して、ノズル面と液体保持面との間に液体が供給される。これにより、ノズル面と液体保持面との間に効率よく液体を供給することができるとともに、効率よく液体に超音波を印加することができる。
【0024】
[8]ヘッドクリーニング装置の第8の態様は、上記第7のヘッドクリーニング装置において、前記液体供給手段は、洗浄成分を有する前記液体を前記液体供給路に供給することを特徴とする。
【0025】
本態様によれば、洗浄成分を有する液体がノズル面と液体保持面との間に供給され、ノズル面の洗浄に供される。これにより、ノズル面の洗浄効果をより高めることができる。
【0026】
[9]ヘッドクリーニング装置の第9の態様は、上記第1から8のいずれか1の態様のヘッドクリーニング装置において、前記移動手段は、前記振動体が前記ノズル面に形成されたノズル列に沿って移動するように、前記振動体と前記インクジェットヘッドとを相対的に移動させ、前記振動体が、一定時間ごとに移動するように前記移動手段を制御する移動制御手段を更に備えたことを特徴とする。
【0027】
本態様によれば、振動体がノズル列に沿って一定時間ごとに移動して、ノズル面がクリーニングされる。これにより、効率よくノズル面の全面をクリーニングすることができる。
【0028】
[10]ヘッドクリーニング装置の第10の態様は、上記第1から9のいずれか1の態様のヘッドクリーニング装置において、前記超音波印加手段は、400kHz以上の超音波を印加することを特徴とする。
【0029】
本態様によれば、400kHz以上の超音波が液膜に印加されて、ノズル面がクリーニングされる。これにより、ノズル面にダメージを与えることなく、微細な汚れを剥離、溶解することができる。
【0030】
[11]インクジェット記録装置の第1の態様は、上記第1から10のいずれか1の態様のヘッドクリーニング装置を備えたことを特徴とする。
【0031】
本態様によれば、コンパクトな構成でインクジェットヘッドのノズル面をクリーニングすることができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、コンパクトな構成で高い洗浄効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】インクジェット記録装置の要部の構成を示す正面図
【図2】インクジェット記録装置の要部の構成を示す平面図
【図3】インクジェット記録装置の要部の構成を示す側面図
【図4】ヘッドのノズル面の平面透視図
【図5】ヘッドの内部構造を示す縦断面図
【図6】インクの循環供給システムの概略構成図
【図7】ヘッドクリーニング装置の側面図
【図8】ヘッドクリーニング装置の正面図
【図9】ヘッドのクリーニング処理の手順を示すフローチャート
【図10】ヘッドのクリーニング動作の説明図
【図11】ヘッドクリーニング装置の第2の実施の形態の正面図
【図12】ヘッドクリーニング装置の第3の実施の形態の正面図
【図13】ヘッドクリーニング装置の第3の実施の形態の側面図
【図14】ヘッドクリーニング装置の第3の実施の形態の平面図
【図15】ヘッドクリーニング装置の第4の実施の形態の正面図
【図16】ヘッドクリーニング装置の第4の実施の形態の側面図
【図17】ヘッドクリーニング装置の第4の実施の形態の平面図
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施形態について詳説する。
【0035】
≪第1の実施形態≫
〈装置構成〉
図1、図2、図3は、それぞれ本実施の形態のインクジェット記録装置の要部の構成を示す正面図、平面図、側面図である。
【0036】
同図に示すように、このインクジェット記録装置10は、シングルパス方式のラインプリンタであり、主として、用紙(枚葉紙)Pを搬送する用紙搬送機構20と、用紙搬送機構20によって搬送される用紙Pに向けてシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)、クロ(K)の各色インク滴を吐出するヘッドユニット30と、ヘッドユニット30に装着された各ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンス部40と、ヘッドユニット30に装着された各ヘッドのノズル面をクリーニングするヘッドクリーニング装置100とを備えて構成される。
【0037】
用紙搬送機構20は、ベルト搬送機構で構成され、走行するベルト22に用紙Pを吸着させて、用紙Pを水平に搬送する。用紙Pは、図示しない給紙機構によって給紙される。
【0038】
ヘッドユニット30は、主として、シアンのインク滴を吐出するヘッド50Cと、マゼンタのインク滴を吐出するヘッド50Mと、イエロのインク滴を吐出するヘッド50Yと、クロのインク滴を吐出するヘッド50Kと、各ヘッド50C、50M、50Y、50Kが取り付けられるヘッド支持フレーム32と、ヘッド支持フレーム32を移動させるヘッド支持フレーム移動機構(図示せず)とで構成される。
【0039】
ヘッド(インクジェットヘッド)50C、50M、50Y、50Kは、印刷対象とする用紙Pの最大用紙幅に対応したラインヘッドで構成される。なお、各ヘッド50C、50M、50Y、50Kの構成は同じなので、以下においては、特に区別する場合を除いて、ヘッド50と記載する。
【0040】
ヘッド50(50C、50M、50Y、50K)は、矩形のブロック状に形成され、その底部にノズル面52(52C、52M、52Y、52K)が形成される。
【0041】
図4は、ヘッドのノズル面の平面透視図である。
【0042】
同図に示すように、ノズル面52には、ノズル54が配置される。ノズル54は、ヘッド50の長手方向に沿って直線上に一定ピッチで配置され、ノズル列を構成する。
【0043】
ノズル面52には、撥液処理が施される。撥液処理は、たとえば、ノズル面52に撥液膜をコーティングすることにより行われる。
【0044】
図5は、ヘッドの内部構造を示す縦断面図である。同図に示すように、ノズル54は、圧力室56に連通される。
【0045】
圧力室56は、直方体形状の空間として形成され、その底面の中央にノズル54が形成される。
【0046】
圧力室56の天井面は振動板58で構成され、上下方向に変形可能に形成される。この振動板58の上には圧電素子(ピエゾ素子)60が取り付けられる。振動板58は、この圧電素子60によって上下に変形する。そして、この振動板58が上下方向に変形することにより、圧力室56が膨張、収縮し、ノズル54からインクが吐出される。
【0047】
圧電素子60は、その上部に設けられた図示しない個別電極と、共通電極として作用する振動板58との間に所定の駆動電圧を印加することにより駆動される。コントローラ(インクジェット記録装置の全体の動作を制御するコントローラ)は、各ノズル54に対応した圧電素子60の駆動を個別に制御することにより、各ノズル54から選択的にインクを吐出させる。
【0048】
圧力室56には、個別供給流路62が連通される。個別供給流路62は共通供給流路64に連通される。共通供給流路64は、インク供給口66に連通される。インクは、インクタンクからインク供給口66に供給される。また、圧力室56には、個別回収流路68が連通される。個別回収流路68は共通回収流路70に連通される。共通回収流路70は、インク回収口72に連通される。インクは、インク回収口72からインクタンクに回収される。すなわち、圧力室56には、インクが循環して供給される。
【0049】
図6は、インクの循環供給システムの概略構成図である。
【0050】
インクタンク200は、管路202を介してバッファータンク204と連結される。
【0051】
管路202には、メインポンプ206とメインバルブ208が設けられる。メインポンプ206は、インクタンク200に貯留されたインクをバッファータンク204に送液する。メインバルブ208は、管路202を開閉する。
【0052】
バッファータンク204は、天面に形成された大気開放穴204Aを介して内部が大気開放される。
【0053】
バッファータンク204は、第1供給流路210を介して供給タンク212に連通される。また、バッファータンク204は、第1回収流路218を介して回収タンク220に連通される。
【0054】
供給タンク212は、第2供給流路214を介してヘッド50のインク供給口66に連通される。
【0055】
回収タンク220は、第2回収流路222を介して、ヘッド50のインク回収口72に連通される。
【0056】
第1供給流路210には、供給ポンプ226とフィルタ228が設けられる。供給ポンプ226は、バッファータンク204から供給タンク212にインクを送液する。フィルタ228は、供給ポンプ226とバッファータンク204との間に設けられ、供給タンク212に供給するインクから不純物を除去する。
【0057】
第2供給流路214には、供給バルブ230が設けられる。供給バルブ230は、第2供給流路214を開閉する。
【0058】
第1回収流路218には、回収ポンプ232が設けられる。回収ポンプ232は、回収タンク220からバッファータンク204にインクを送液する。
【0059】
第2回収流路222には、回収バルブ234が設けられる。回収バルブ234は、第2供給流路214を開閉する。
【0060】
供給タンク212は、内部が弾性膜(弾性変形可能な材料(たとえば、ゴム、熱可塑性エラストマー等、特にフッ素ゴム、NBRが好適)で構成された膜体)236によって供給液体室212Aと供給気体室212Bとに区画される。
【0061】
供給液体室212Aには、第1供給流路210と第2供給流路214が連通される。第1供給流路210を介してバッファータンク204から供給されるインクは、一旦、この供給液体室212Aに貯留される。そして、この供給液体室212Aから第2供給流路214を介してヘッド50に供給される。
【0062】
供給気体室212Bには、気体が充填される。この供給気体室212Bには、大気開放された大気開放管240が連通される。大気開放管240には、大気開放バルブ242が設けられる。大気開放バルブ242は、大気開放管240を開閉する。
【0063】
供給タンク212は、供給液体室212Aの内部の圧力が、供給圧力検出器238によって検出される。
【0064】
回収タンク220の構成は、上記供給タンク212と同じであり、内部が弾性膜244によって回収液体室220Aと回収気体室220Bとに区画される。
【0065】
回収液体室220Aには、第1回収流路218と第2回収流路222とが連通される。ヘッド50から第2回収流路222を介して回収されるインクは、一旦、この回収液体室220Aに貯留される。そして、回収液体室220Aから第1回収流路218を介してバッファータンク204に回収される。
【0066】
回収気体室220Bには、気体が充填される。この回収気体室220Bには、大気開放された大気開放管248が連通される。大気開放管248には、大気開放バルブ250が設けられる。大気開放バルブ250は、大気開放管248を開閉する。
【0067】
回収タンク220は、回収液体室220Aの内部の圧力が、回収圧力検出器246によって検出される。
【0068】
循環供給システムの全体の動作は、図示しないコントローラ(インクジェット記録装置の全体の動作を制御するコントローラ)によって制御される。コントローラは、供給側の圧力が回収側の圧力よりも所定量高くなるように制御することにより、インクを循環させてヘッド50に供給する。具体的には、供給液体室212Aの内部圧力をP1、回収液体室220Aの内部圧力をP2、ノズルの背圧をP3、インク吐出面と供給圧力検出器238との間の高低差により生じる圧力差(水頭圧)をH1、インク吐出面と回収圧力検出器246との間の高低差により生じる圧力差(水頭圧)をH2としたとき、P1+H1>P3>P2+H2(mmHO)となるように、ノズルに所定の背圧を付与して、インクを循環させる。
【0069】
コントローラは、供給圧力検出器238により検出される供給液体室212Aの内部圧力と、回収圧力検出器246により検出される回収液体室220Aの内部圧力とに基づいて、供給ポンプ226及び回収ポンプ232の駆動を制御し、供給液体室212Aの内部圧力と回収液体室220Aの内部圧力が、それぞれ所定の圧力P1、P2になるように制御する。これにより、ヘッド50に対して、インクが循環して供給される。
【0070】
なお、供給ポンプ226と回収ポンプ232の動作によって圧力変動が生じた場合であっても、供給タンク212に設けられた弾性膜236と、回収タンク220に設けられた弾性膜244とによって、圧力変動を吸収することができる。これにより、背圧を一定に維持して、インクを供給することができる。
【0071】
ヘッド支持フレーム32は、各ヘッド50を取り付けるためのヘッド取付部(図示せず)を備えている。各ヘッド50は、このヘッド取付部に着脱自在に取り付けられる。
【0072】
ヘッド支持フレーム32に取り付けられた各ヘッド50は、ノズル面52を下に向けて、用紙Pの搬送方向に対して直交して配置される。また、用紙Pの搬送方向に沿って所定の順で一定の間隔をもって配置され(本例では、シアン、マゼンタ、イエロ、クロの順で配置)。更に、各ヘッド50は、ノズル面52が用紙搬送機構20によって搬送される用紙Pの記録面と平行に配置される(本例では水平に配置)。
【0073】
ヘッド取付部は、ヘッド支持フレーム32に昇降自在に設けられ、図示しない昇降機構に駆動されて昇降する。ヘッド取付部に取り付けられた各ヘッド50は、この昇降機構によって、用紙Pの搬送面に対して垂直に昇降する。
【0074】
ヘッド支持フレーム移動機構(図示せず)は、ヘッド支持フレーム32を用紙Pの搬送方向に対して直交する方向に水平にスライド移動させる。このヘッド支持フレーム移動機構は、たとえば、用紙搬送機構20を跨いで水平に設置される天井フレームと、その天井フレームに敷設されるガイドレールと、ガイドレール上をスライド移動する走行体と、その走行体をガイドレールに沿って移動させる駆動手段(たとえば、送りねじ機構など)で構成される。ヘッド支持フレーム32は、走行体に取り付けられて、水平にスライド移動する。
【0075】
ヘッド支持フレーム32に取り付けられたヘッド50は、このヘッド支持フレーム移動機構によってヘッド支持フレーム32を移動させることにより、水平にスライド移動可能に設けられる。
【0076】
ヘッド50は、水平にスライド移動して、「画像記録位置」と「メンテナンス位置」との間を移動する。
【0077】
ヘッド50は、画像記録位置に位置すると、用紙搬送機構20の上方に配置される。これにより、用紙搬送機構20によって搬送される用紙Pに対して印刷することが可能になる。一方、メンテナンス位置に位置すると、メンテナンス部40に配置される。
【0078】
メンテナンス部40には、各ヘッド50のノズル面52を覆うキャップ42(42C、42M、42Y、42K)が備えられる。装置を長時間停止する場合などは、ヘッド50をメンテナンス部40に移動させ、ヘッド50のノズル面52をキャップで覆う。これにより、乾燥による不吐出等が防止される。
【0079】
ヘッドクリーニング装置100は、ヘッド50のノズル面52の上に液膜を形成し、その液膜に超音波を印加して、ノズル面52をクリーニングする。そして、本実施の形態のヘッドクリーニング装置100では、ヘッド50のノズル54から予備吐出させたインクを利用して、ノズル面52の上に液膜を形成する。
【0080】
ヘッドクリーニング装置100は、各色のヘッドごとに個別に設けられる。
【0081】
図7、図8は、それぞれヘッドクリーニング装置の側面図、正面図である。
【0082】
同図に示すように、ヘッドクリーニング装置100は、主として、ノズル面52との間でインクを膜状に保持して、ノズル面52の上に液膜(インク膜)を形成する振動体102と、液膜に超音波を印加する超音波振動子104と、振動体102から滴下するインクを回収する回収皿106とで構成される。
【0083】
振動体102は、四角錐台形状に形成され(上面と下面とが、相似形状で形成され、互いに四角形状に形成されるとともに、互いに平行に形成される。)、上面が下面よりも大きく形成される(上方に向かって拡がるように形成される。)。
【0084】
振動体102の上面は、液体保持面102Aとされ、その奥行き方向の幅Dは、ヘッド50のノズル面52の奥行き方向の幅(ヘッド50の長手方向と直交する方向の幅)とほぼ同じ長さで形成される。また、その横方向の幅Wは、所定の長さで形成される。
【0085】
振動体102は、液体保持面102Aを水平して、ヘッド50の移動経路上に配置される。すなわち、上記のように、ヘッド50は、画像記録位置とメンテナンス位置との間を移動可能に設けられるので、この画像記録位置とメンテナンス位置との間を移動するヘッド50の移動経路上に配置される。
【0086】
このとき、振動体102は、液体保持面102Aの奥行き方向の辺が、ヘッド50の移動方向と直交するように配置されるとともに、液体保持面102Aの奥行き方向の辺の中心が、ヘッド50のノズル面52の奥行き方向の中心と一致するように配置される。
【0087】
これにより、ヘッド50が、画像記録位置とメンテナンス位置との間を移動する際、ヘッド50のノズル面52が、振動体102の液体保持面102Aの上を通過する。また、ノズル面52が液体保持面102Aの上を通過する際、ノズル面52が液体保持面102Aに対向して通過する(互いに平行な状態で向き合って通過する。)。
【0088】
また、振動体102は、ヘッド50のノズル面52が液体保持面102Aの上を通過する際、ヘッド50のノズル面52と液体保持面102Aとの間に所定の隙間δが形成されるように配置される。この隙間δは、液体保持面102Aとノズル面52との間に液体(ここでは、インク)を膜状に保持可能な幅で形成される。
【0089】
これにより、液体保持面102Aと対向させた領域において、ノズル面52と液体保持面102Aとの間に液体(インク)を膜状に保持することが可能になる(ノズル面52の上に液膜(インク膜)を形成することが可能になる。)。
【0090】
超音波振動子104は、振動体102の下面部に取り付けられる。この超音波振動子104は、400kHz以上の超音波を発振する。
【0091】
超音波振動子104から発振された超音波は、振動体102を伝播されて、液体保持面102Aとノズル面52との間に保持された液体(インク)に印加される。これにより、ノズル面52を超音波洗浄することが可能になる。
【0092】
なお、このように、超音波は、振動体102を介して液体保持面102Aとノズル面52との間に保持された液体(インク)に印加されることから、振動体102は、伝播減衰が少なく、伝播速度の大きい素材で形成することが好ましい。本実施の形態では、振動体102を石英ガラスで構成する。石英ガラスは、伝播減衰が少なく、伝播速度の大きいため、超音波振動子104から発信された超音波を効率よく伝播することができる。
【0093】
回収皿106は、上面部が開口した皿状に形成され、架台108の上に水平に設置される。架台108は、インクジェット記録装置の本体フレーム(図示せず)に取り付けられる。
【0094】
また、回収皿106には、排液口106Aが形成される。排液口106Aは、図示しない排液配管を介して、図示しない排液タンクと接続される。
【0095】
振動体102は、回収皿106の内部に設置される。具体的には、この回収皿106の中央部分に超音波振動子104が取り付けられ、この超音波振動子104の上に振動体102が取り付けられる。
【0096】
ノズル面52と液体保持面102Aとの間から溢れて、振動体102から滴下する液体(インク)は、この回収皿106で回収される。回収皿106で回収された液体(インク)は、排液口106Aから排液タンクに回収される。
【0097】
〈作用〉
インクジェット記録装置の全体の動作は、図示しないコントローラによって制御される。コントローラは、所定の制御プログラムを実行して、インクジェット記録装置の各部の動作を制御し、インクジェット記録装置の動作を制御する。
【0098】
〈画像記録動作〉
まず、画像の記録動作について説明する。
【0099】
画像データ(たとえば、RGBの画像データ)の入力を受け付けると、まず、コントローラは、入力された画像データに所定の信号処理を施して、印刷用の画像データ(ドット配置データ)を生成する。
【0100】
次に、図示しない給紙装置から用紙搬送機構20に用紙Pを給紙する。用紙搬送機構20は、用紙Pを一定の速度で搬送する。
【0101】
コントローラは、用紙Pがヘッド50の下を通過するタイミングに合わせて、各ヘッド50の駆動を制御し、各ヘッド50のノズルからインクを吐出させる。これにより、用紙Pに画像が記録される。
【0102】
〈ヘッドのクリーニング動作〉
次に、ヘッド50のクリーニング動作について説明する。
【0103】
ヘッド50のクリーニングは、ヘッド50を画像記録位置からメンテナンス位置に移動させる過程で行われる。
【0104】
図9は、ヘッドのクリーニング処理の手順を示すフローチャートである。
【0105】
まず、画像記録位置に位置しているヘッド50をメンテナンス位置に向けて移動させる(ステップS10)。そして、ヘッド50の移動方向の先端(メンテナンス位置側の端部)が、ヘッドクリーニング装置100に到達したか否かを判定する(ステップS11)。
【0106】
図10(a)に示すように、ヘッド50の先端が、ヘッドクリーニング装置100に到達したら、ヘッド50の移動を停止する(ステップS12)。これにより、ノズル面52の先端(メンテナンス位置側の端部)が、振動体102の液体保持面102Aと所定の隙間δをもって対向して配置される。
【0107】
なお、ヘッドクリーニング装置100の設置位置は既知なので、ヘッド50の移動量から、ヘッド50の先端が、ヘッドクリーニング装置100に到達したか否かを判定することができる。
【0108】
ヘッド50の先端がヘッドクリーニング装置100に到達し、ヘッド50の移動が停止すると、超音波振動子104が駆動される。超音波振動子104は、400kHz以上の周波数で超音波を発振する。
【0109】
次に、振動体102の液体保持面102Aと対向する面にあるノズル54からインクが予備吐出される。図10(a)では、領域X0に存在するノズル54からインクが予備吐出される。予備吐出後、ノズル54は、内部のインクが正圧になるように制御される。
【0110】
なお、液体保持面102Aの横方向の幅Wは既知なので、液体保持面102Aと対向する面にあるノズル54は、計算によって求めることができる。
【0111】
ノズル54から予備吐出されたインクは、ノズル面52と液体保持面102Aとの間に保持される。これにより、ノズル面52の上にインクの液膜が形成される。
【0112】
なお、ノズル54から予備吐出させるインクの量は、液体保持面102Aとノズル面52との間に液膜を形成可能に設定される。これは液体保持面102Aとノズル面52との間に形成する隙間δの大きさ、液体保持面102Aの面積などによって決定される。
【0113】
上記のように、超音波振動子104が駆動されているので、ノズル面52と液体保持面102Aとの間に保持されたインクには、この超音波振動子104から発信された超音波が印加される。この超音波が、ノズル面52と液体保持面102Aとの間に保持されたインクに印加されることにより、ノズル面52が超音波洗浄される。すなわち、ノズル面52に付着した汚れが、超音波の作用で剥離、溶解され、除去される。特に、本実施の形態では、400kHz以上の超音波が印加されるので、ノズル面52に形成された撥液膜にダメージを与えることなく、微細な汚れを効率よく除去することができる。
【0114】
なお、上記のように、洗浄時、ノズル54は内部のインクの圧力が正圧になるように制御される。これにより、剥離除去された汚れが、ノズル内に入り込むのを防止することができる。
【0115】
洗浄は一定時間継続して行われる。コントローラは、洗浄開始(=液膜の形成=予備吐出)から一定時間が経過したか否かを判定する(ステップS15)。
【0116】
一定時間が経過したと判定すると、その洗浄領域(=液体保持面102Aが位置している領域)が、洗浄の最終領域(ノズル面52の後端領域(画像記録位置側の端部))であるか否かを判定する(ステップS16)。
【0117】
洗浄の最終領域ではないと判定すると、ヘッド50を所定量前進させる(メンテナンス位置に向けて移動させる。)(ステップS19)。
【0118】
ここで、ヘッド50の移動量は、液体保持面102Aの横方向の幅Wの分だけ移動させる。これにより、図10(b)に示すように、未洗浄の隣の領域に液体保持面102Aが移動する(図10(b)において、領域X1に移動する。)。
【0119】
ヘッド50が未洗浄の隣の領域に移動すると、液体保持面102Aと対向する面にあるノズル54からインクが予備吐出される。図10(b)では、領域X1に存在するノズル54からインクが予備吐出される。予備吐出後、ノズルは、内部のインクが正圧になるように制御される。
【0120】
上記のように、超音波振動子104が駆動されているので、ノズル面52と液体保持面102Aとの間に保持されたインクには、この超音波振動子104から発信された超音波が印加される。この超音波が、ノズル面52と液体保持面102Aとの間に保持されたインクに印加されることにより、ノズル面52が超音波洗浄される。
【0121】
コントローラは、洗浄開始から一定時間が経過したか否かを判定する(ステップS15)。
【0122】
一定時間が経過したと判定すると、その洗浄領域(=液体保持面102Aが位置している領域)が、洗浄の最終領域(ノズル面52の後端領域(画像記録位置側の端部))であるか否かを判定する(ステップS16)。
【0123】
洗浄の最終領域ではないと判定すると、ヘッド50を所定量前進させる(メンテナンス位置に向けて移動させる。)(ステップS19)。
【0124】
このように、ヘッド50を順次移動させて、ノズル面52を順次洗浄してゆく。
【0125】
そして、図10(c)に示すように、液体保持面102Aが、洗浄の最終領域に到達し、その最終領域の洗浄が終了すると、超音波振動子104の駆動が停止される(ステップS17)。
【0126】
以上により、ヘッド50のクリーニングが完了する。この後、ヘッド50は、メンテナンス位置に向けて移動する(ステップS18)。
【0127】
このように、本実施の形態のヘッドクリーニング装置100では、ノズル面52の上にノズル54から予備吐出させたインクで液膜(インク膜)を形成し、この液膜に超音波を印加して、ノズル面52を超音波洗浄する。これにより、ノズル面52に付着した汚れを効果的に剥離、除去することができる。
【0128】
また、本実施の形態のヘッドクリーニング装置100では、ノズル面52に比して小面積の液体保持面102Aとの間で液膜(インク膜)を形成し、この小面積の液体保持面102Aを相対移動させて、ノズル面52の全面をクリーニングする構成としているので、装置構成をコンパクトにすることができる。また、液膜を形成するために消費するインクの量も少なくて済み、ランニングコストの削減を図ることができる。
【0129】
なお、液体保持面102Aの横方向の幅Wは、ヘッドクリーニング装置100の設置スペースや、使用する超音波振動子104により、適宜設定される。
【0130】
また、本実施の形態のヘッドクリーニング装置100では、400kHz以上の周波数の超音波を印加してクリーニングするので、ノズル面52にダメージを与えることなく、ノズル面52に付着した汚れを除去することができる。
【0131】
また、本実施の形態のヘッドクリーニング装置100では、ノズル内のインクの圧力を正圧にして洗浄するので、ノズル面52から剥離除去された汚れが、ノズル内に入り込むのを防止することができる。
【0132】
なお、本実施の形態のヘッドクリーニング装置100では、ヘッド50を間欠的に移動(液体保持面102Aの横方向の幅Wの分だけ移動)させてクリーニングする構成としているが、ヘッド50を連続的に移動させながらクリーニングする構成とすることもできる。この場合、液体保持面102Aと対向するノズル54を順次予備吐出させて、液体保持面102Aとノズル面52との間にインクを供給する。
【0133】
≪第2の実施の形態≫
図11は、ヘッドクリーニング装置の第2の実施の形態の正面図である。
【0134】
同図に示すように、本実施の形態のヘッドクリーニング装置100Aは、液体保持面102Aに液膜の有無を検出する液膜検出センサ110が設けられている。
【0135】
この液膜検出センサ110は、液体保持面102Aの液体の有無を検出して、液体保持面102Aとノズル面52との間に液体が保持されているか否か(液膜が形成されているか否か)を検出する。
【0136】
本実施の形態では、この液膜検出センサ110は、温度センサで構成される。液膜検出センサ110は、液体保持面102A上の温度を検出して、液体保持面102A上の液体の有無を検出する。すなわち、液体保持面102A上の温度は、液膜が形成されている場合と、液膜が形成されていない場合とで異なるので、液体保持面102A上の温度を検出して、液体保持面102A上の液体の有無を検出する(たとえば、温度が閾値以上になったか否か、あるいは、温度が一定以上変化したか否かを検出して、液体保持面上の液体の有無を検出する。)。
【0137】
液体保持面102A上の液体の有無を精度よく検出するため、本実施の形態のインクジェット記録装置では、インクが加熱される。インクの加熱は、たとえば、バッファータンク204にヒータを設置することにより行われる。あるいは、インクを供給する流路にヒータを設置することにより行われる。
【0138】
このように、液膜の有無を検出するセンサを設けることにより、確実に液膜を形成して、クリーニングすることができる。
【0139】
なお、本実施の形態のヘッドクリーニング装置100Aでヘッド50のクリーニング処理を実行する場合は、液膜検出センサ110で液膜の存在が確認されてから洗浄時間のカウントが開始される。すなわち、液膜検出センサ110で液膜の存在が確認されてから一定時間経過後にヘッド50が移動するように構成される。
【0140】
なお、本実施の形態では、液体保持面102A上の温度を検出して、液膜の有無を検出する構成としているが、液膜の有無を検出するセンサは、これに限定されるものではない。この他、たとえば、液体保持面102Aの上に所定の検出領域を設定し、その検出領域の静電容量の変化を検出して、液膜の有無を検出する構成とすることもできる。また、検出領域の抵抗値の変化を検出して、液膜の有無を検出する構成とすることもできる。
【0141】
≪第3の実施の形態≫
〈構成〉
図12、図13、図14は、それぞれヘッドクリーニング装置の第3の実施の形態の正面図、側面図、平面図である。
【0142】
本実施の形態のヘッドクリーニング装置100Bは、主として、洗浄液供給ユニット120を備えている点で上述した第1の実施の形態のヘッドクリーニング装置100と相違する。
【0143】
本実施の形態のヘッドクリーニング装置100Bでは、洗浄液供給ユニット120から供給される洗浄液によって液体保持面102Aとノズル面52との間に液膜(洗浄液膜)を形成する。
【0144】
なお、洗浄液供給ユニット120を有する点以外は、上述した第1の実施の形態のヘッドクリーニング装置100の構成と同じなので、ここでは、洗浄液供給ユニット120の構成及び作用についてのみ説明する。
【0145】
洗浄液供給ユニット120は、洗浄液を付与する洗浄液ノズル122と、洗浄液を貯留する洗浄液タンク124と、洗浄液ノズル122と洗浄液タンク124とを接続する洗浄液配管126と、洗浄液タンク124から洗浄液ノズル122に洗浄液を送液する洗浄液ポンプ128と、洗浄液配管126の管路を開閉する洗浄液バルブ129とを備えて構成される。
【0146】
本実施の形態のヘッドクリーニング装置100Bでは、振動体102が洗浄液ノズル122を兼用する。
【0147】
振動体102の液体保持面102Aには、洗浄液を噴き出す洗浄液噴出口122Aが形成される。洗浄液噴出口122Aは、スリット状に形成され、液体保持面102Aの奥行き方向(クリーニング時におけるヘッド50の長手方向と直交する方向)に沿って所定の幅で形成される。
【0148】
振動体102の側面には、洗浄液供給口122Bが形成される。この洗浄液供給口122Bは、振動体102の内部に形成された洗浄液供給路122Cを介して洗浄液噴出口122Aと連通される。
【0149】
以上のように構成される振動体102は、洗浄液供給口122Bから洗浄液を供給すると、液体保持面102Aに形成された洗浄液噴出口122Aから洗浄液が噴出される。これにより、振動体102が洗浄液ノズル122として機能する。
【0150】
洗浄液噴出口122Aから噴出される洗浄液は、液体保持面102Aとノズル面52との間に膜状に保持される。これにより、ノズル面52の上に洗浄液の膜が形成される。
【0151】
洗浄液タンク124は、洗浄液を貯留する。洗浄液には、たとえば、インクを洗浄する成分を含む液体が用いられる。
【0152】
洗浄液配管126は、洗浄液タンク124と洗浄液ノズル122とを接続する。具体手には、洗浄液タンク124と、振動体102に形成された洗浄液供給口122Bとを接続する。
【0153】
洗浄液ポンプ128は、洗浄液配管126の途中に設けられ、洗浄液タンク124から洗浄液ノズル122に洗浄液を送液する。
【0154】
洗浄液バルブ129は、洗浄液配管126の途中に設けられ、洗浄液配管126の管路を開閉する。
【0155】
洗浄液供給ユニット120の動作は、図示しないコントローラ(インクジェット記録装置の全体の動作を制御するコントローラ)によって制御される。
【0156】
〈作用〉
上記のように構成される第3の実施の形態のヘッドクリーニング装置100Bによるヘッド50のクリーニング動作は、次のとおりである。
【0157】
まず、画像記録位置に位置しているヘッド50をメンテナンス位置に向けて移動させる。
【0158】
ヘッド50の移動方向の先端(メンテナンス位置側の端部)が、ヘッドクリーニング装置100Bに到達したら、ヘッド50の移動を停止する。これにより、ノズル面52の先端(メンテナンス位置側の端部)が、振動体102の液体保持面102Aと所定の隙間δをもって対向して配置される。
【0159】
ヘッド50の先端がヘッドクリーニング装置100Bに到達すると、ヘッド50のノズル内のインクの圧力が正圧にされる。
【0160】
次に、超音波振動子104が駆動される。超音波振動子104は、400kHz以上の周波数で超音波を発振する。
【0161】
次に、洗浄液ポンプ128が駆動されるとともに、洗浄液バルブ129が開かれ、液体保持面102Aの上に洗浄液が供給される。これにより、液体保持面102Aとノズル面52との間に洗浄液が膜状に保持される(ノズル面52の上に洗浄液の液膜が形成される。)。
【0162】
上記のように、超音波振動子104が駆動されているので、ノズル面52と液体保持面102Aとの間に保持された洗浄液には、この超音波振動子104から発信された超音波が印加される。この超音波が、ノズル面52と液体保持面102Aとの間に保持された洗浄液に印加されることにより、ノズル面52が超音波洗浄される。すなわち、ノズル面52に付着した汚れが、超音波の作用で剥離、溶解され、除去される。
【0163】
なお、上記のように、ノズル面52に形成されたノズル54は、内部のインクの圧力が正圧になるように制御される。これにより、洗浄液膜が、ノズル54の毛細管力により吸い上げられて、ノズル54の内部に洗浄液が進入するのを防止することができる。また、剥離除去された汚れが、ノズル内に進入するのを防止することができる。
【0164】
洗浄は一定時間継続して行われる。当該領域の洗浄開始から一定時間が経過すると、コントローラは、ヘッド50を所定量前進させ、次の領域を洗浄する。
【0165】
このようにヘッド50を順次移動させて、ノズル面52を順次洗浄する。最終領域の洗浄が終了すると、超音波振動子104の駆動を停止し、洗浄液の供給を停止する。
【0166】
以上により、ヘッド50のクリーニングが完了する。この後、ヘッド50は、メンテナンス位置に向けて移動する。
【0167】
このように、本実施の形態のヘッドクリーニング装置100Bでは、洗浄液供給ユニット120から供給される洗浄液によって液体保持面102Aとノズル面52との間に液膜(洗浄液膜)を形成し、その液膜に超音波を印加して、ノズル面52をクリーニングする。このように洗浄液を用いてノズル面52を超音波洗浄することにより、効率よくノズル面52を洗浄することができる。
【0168】
なお、本実施の形態では、洗浄液を連続的に付与する構成としているが、領域ごとに洗浄液を供給する構成とすることもできる。この場合、液体保持面102Aが移動するごとに液膜を形成するのに必要な量の洗浄液が洗浄液供給ユニット120から供給される。これにより、洗浄液の消費量を更に抑えることができる。
【0169】
また、上記実施の形態では、ヘッド50を間欠的に移動させて、ノズル面52を洗浄する構成としているが、ヘッド50を連続的に移動させて洗浄する構成とすることもできる。
【0170】
なお、本実施の形態のヘッドクリーニング装置においても、液膜の有無を検出するセンサを設置することが好ましい。これにより、確実に液膜を形成して洗浄することができる。
【0171】
なお、液体保持面102Aの温度を検出して液膜の有無を検出する場合は、洗浄液を加熱することが好ましい。これにより、洗浄効果も向上させることができる。この場合、たとえば、洗浄液タンク124にヒータを設置し、洗浄液を温調する。
【0172】
≪第4の実施の形態≫
〈構成〉
図15、図16、図17は、それぞれヘッドクリーニング装置の第4の実施の形態の正面図、側面図、平面図である。
【0173】
本実施の形態のヘッドクリーニング装置100Cは、主として、振動体102が回転する点(液体保持面102Aが回転する点)で上述した第3の実施の形態のヘッドクリーニング装置100と相違する。
【0174】
なお、振動体102が回転する点以外は、上述した第3の実施の形態のヘッドクリーニング装置100Bの構成と同じなので、ここでは、振動体102の回転駆動機構についてのみ説明する。
【0175】
振動体102は、円錐台形状に形成され(上面と下面とが、相似形状で形成され、互いに円形状に形成されるとともに、互いに平行に形成される。)、上面が下面よりも大きく形成される(上方に向かって拡がるように形成される。)。
【0176】
振動体102の上面は液体保持面102Aとされ、その直径はノズル面52の奥行き方向の幅の長さとほぼ同じ長さで形成される。
【0177】
液体保持面102Aの中央に洗浄液噴出口122Aが形成される。振動体102の内部には、振動体102の軸に沿って洗浄液供給路122Cが形成される。洗浄液供給路122Cは、振動体102の下面102Bに形成された洗浄液供給口122Bが連通される。
【0178】
超音波振動子104は、リング状に形成され、振動体102の下面102Bの同軸上に取り付けられる。
【0179】
振動体102の下面同軸上には、回転軸130が連結される。回転軸130は、超音波振動子104の内周部を通して、振動体102の下面102Bに連結される。
【0180】
回転軸130は、軸受132に軸支される。軸受132は、回収皿106にブラケット106Bを介して取り付けられる。振動体102は、回転軸130が軸受132に軸支されることにより、垂直な軸(ノズル面52い直交する軸)の周りを回転自在に支持される。
【0181】
回転軸130の先端には、従動ベベルギア134が取り付けられる。従動ベベルギア134は、駆動軸136の先端に取り付けられた駆動ベベルギア138に噛み合わされる。
【0182】
駆動軸136は、振動体回転モータ140に連結される。振動体回転モータ140は、回収皿106にブラケットを介して取り付けられる。振動体回転モータ140を駆動すると、駆動軸136が回転し、この駆動軸136の回転が駆動ベベルギア138、従動ベベルギア134を介して回転軸130に伝達される。これにより、回転軸130が回転する。そして、この回転軸130が回転することにより、振動体102が回転する。
【0183】
回転軸130は中空状に形成され、振動体102の洗浄液供給路122Cと連通される。回転軸130は、スイベル142を介して洗浄液配管126と接続される。
【0184】
洗浄液バルブ129を開け、洗浄液ポンプ128を駆動すると、スイベル142を介して回転軸130の中空部に洗浄液が供給される。回転軸130の中空部に供給された洗浄液は、振動体102の内部の洗浄液供給路122Cを通って液体保持面102Aに形成された洗浄液噴出口122Aから噴出される。これにより、液体保持面102Aとノズル面52との間に洗浄液が供給される。
【0185】
〈作用〉
上記のように構成される第4の実施の形態のヘッドクリーニング装置100Cによるヘッド50のクリーニング動作は、次のとおりである。
【0186】
まず、画像記録位置に位置しているヘッド50をメンテナンス位置に向けて移動させる。
【0187】
ヘッド50の移動方向の先端(メンテナンス位置側の端部)が、ヘッドクリーニング装置100Bに到達したら、ヘッド50の移動を停止する。これにより、ノズル面52の先端(メンテナンス位置側の端部)が、振動体102の液体保持面102Aと所定の隙間δをもって対向して配置される。
【0188】
ヘッド50の先端がヘッドクリーニング装置100Bに到達すると、ヘッド50のノズル内のインクの圧力が正圧にされる。
【0189】
次に、超音波振動子104が駆動される。超音波振動子104は、400kHz以上の周波数で超音波を発振する。
【0190】
次に、振動体回転モータ140が駆動される。これにより、振動体102が回転する(液体保持面102Aが回転する。)。
【0191】
次に、洗浄液ポンプ128が駆動されるとともに、洗浄液バルブ129が開かれ、回転する液体保持面102Aの上に洗浄液が供給される。これにより、液体保持面102Aとノズル面52との間に洗浄液が膜状に保持される(ノズル面52の上に洗浄液の液膜が形成される。)。
【0192】
上記のように、超音波振動子104が駆動されているので、ノズル面52と液体保持面102Aとの間に保持された洗浄液には、この超音波振動子104から発信された超音波が印加される。この超音波が、ノズル面52と液体保持面102Aとの間に保持された洗浄液に印加されることにより、ノズル面52が超音波洗浄される。
【0193】
この際、液体保持面102Aが回転することにより、次の効果を得ることができる。すなわち、超音波は、腹と節とが存在する定常波であるため、液体保持面102Aを回転させることにより、場所による洗浄ムラを防ぐことができる。また、回転によりノズル面52の全域に均等に超音波振動が伝播し、均一な洗浄が可能になる。
【0194】
なお、上記のように、ノズル面52に形成されたノズル54は、内部のインクの圧力が正圧になるように制御される。これにより、洗浄液膜が、ノズル54の毛細管力により吸い上げられて、ノズル54の内部に洗浄液が進入するのを防止することができる。また、剥離除去された汚れが、ノズル内に進入するのを防止することができる。
【0195】
洗浄は、ヘッド50を一定の速度で移動させながら行われる。ヘッド50の後端(画像記録位置側の端部)が、液体保持面102Aに到達すると、洗浄が終了し、洗浄液の供給、振動体102の回転、超音波振動子104の駆動が停止される。
【0196】
このように、本実施の形態のヘッドクリーニング装置100Cでは、液体保持面102Aを回転させながら、ノズル面52を超音波洗浄する。これにより、より効果的にノズル面52を洗浄することができる。
【0197】
なお、本実施の形態では、ヘッド50を連続的に移動させてクリーニングする構成としているが、ヘッド50を間欠的に移動させてクリーニングする構成とすることもできる。
【0198】
なお、本実施の形態のヘッドクリーニング装置においても、液膜の有無を検出するセンサを設置することが好ましい。これにより、確実に液膜を形成して洗浄することができる。なお、液体保持面102Aの温度を検出して液膜の有無を検出する場合は、洗浄液を加熱することが好ましい。これにより、洗浄効果も向上させることができる。この場合、たとえば、洗浄液タンク124にヒータを設置し、洗浄液を温調する。
【0199】
また、本実施の形態では、ノズル面52と液体保持面102Aとの間に洗浄液を供給する構成としているが、上記第1の実施の形態のヘッドクリーニング装置のように、予備吐出させたインクをノズル面52と液体保持面102Aとの間に供給する構成とすることもできる。この場合、洗浄液供給ユニット120を設ける必要がないので、装置のコンパクト化を図ることができる。
【0200】
なお、振動体102の回転数(回転速度)は、洗浄液に印加する超音波の周波数に応じて設定することが好ましい。たとえば、超音波は、周波数が低いほど振動の腹と節の数が少なくなり、ムラが出やすくなるので、周波数が低いほど、回転数を高く設定する(周波数が高いほど、回転数を低く設定する)。
【0201】
≪その他の実施の形態≫
上記実施の形態では、ヘッドクリーニング装置を固定し、ヘッド側を移動させて、ヘッドのノズル面をクリーニングする構成としているが、ヘッドクリーニング装置側を移動させて、ヘッドのノズル面をクリーニングする構成とすることもできる。また、ヘッドとヘッドクリーニング装置の双方を移動させて、ヘッドのノズル面をクリーニングする構成とすることもできる。
【0202】
また、上記実施の形態では、ラインヘッドをクリーニングする場合を例に説明したが、いわゆるシャトルヘッドをクリーニングする場合にも同様に適用することができる。
【0203】
また、上記実施の形態では、ヘッドのノズル面を超音波洗浄する場合についてのみ説明したが、超音波洗浄後、ノズル面をブレード又はウェブで払拭する構成としてもよい。
【0204】
また、上記実施の形態では、ヘッドにインクを循環させて供給する構成としているが、インクを供給する機構は、これに限定されるものではない。ノズル内のインクの圧力(背圧)を調整可能な構成であればよい。
【0205】
また、上記実施の形態では、ヘッドクリーニング装置を固定して設置しているが、全体を昇降可能に形成し、液体保持面とノズル面との隙間の間隔を調整できるようにしてもよい。これにより、ノズル面との間で確実に液体を保持できる位置に液体保持面を調整して設定することができる。
【符号の説明】
【0206】
10…インクジェット記録装置、20…用紙搬送機構、22…ベルト、30…ヘッドユニット、32…ヘッド支持フレーム、40…メンテナンス部、42(42C、42M、42Y、42K)…キャップ、50(50C、50M、50Y、50K)…ヘッド、52…ノズル面、54…ノズル、56…圧力室、58…振動板、60…圧電素子(ピエゾ素子)、62…個別供給流路、64…共通供給流路、66…インク供給口、68…個別回収流路、70…共通回収流路、72…インク回収口、100、100A、100B、100C…ヘッドクリーニング装置、102…振動体、102A…液体保持面(振動体の上面)、102B…振動体の下面、104…超音波振動子、106…回収皿、106A…排液口、106B…ブラケット、108…架台、110…液膜検出センサ、120…洗浄液供給ユニット、122…洗浄液ノズル、122A…洗浄液噴出口、122B…洗浄液供給口、122C…洗浄液供給路、124…洗浄液タンク、126…洗浄液配管、128…洗浄液ポンプ、129…洗浄液バルブ、130…回転軸、132…軸受、134…従動ベベルギア、136…駆動軸、138…駆動ベベルギア、140…振動体回転モータ、142…スイベル、200…インクタンク、202…管路、204…バッファータンク、204A…大気開放穴、206…メインポンプ、208…メインバルブ、210…第1供給流路、212…供給タンク、212A…供給液体室、212B…供給気体室、214…第2供給流路、218…第1回収流路、220…回収タンク、220A…回収液体室、220B…回収気体室、222…第2回収流路、226…供給ポンプ、228…フィルタ、230…供給バルブ、232…回収ポンプ、234…回収バルブ、236…弾性膜、238…供給圧力検出器、240…大気開放管、242…大気開放バルブ、244…弾性膜、246…回収圧力検出器、248…大気開放管、250…大気開放バルブ、P…用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクジェットヘッドのノズル面をクリーニングするヘッドクリーニング装置において、
前記ノズル面の一部との間で液体を膜状に保持する液体保持面を備え、超音波を伝播可能な振動体と、
前記ノズル面と前記液体保持面との間に前記液体を供給する液体供給手段と、
前記振動体を介して前記液体に超音波を印加する超音波印加手段と、
前記ノズル面と前記液体保持面との間に形成される隙間を一定に保持しつつ、前記インクジェットヘッドと前記振動体とを相対的に移動させる移動手段と、
前記インクジェットヘッドのノズル内の圧力を調整する圧力調整手段と、
クリーニング時に前記ノズル内の圧力が正圧になるように前記圧力調整手段を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とするヘッドクリーニング装置。
【請求項2】
前記液体保持面に垂直な軸を中心に前記振動体を回転させる回転手段を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載のヘッドクリーニング装置。
【請求項3】
前記ノズル面と前記液体保持面との間に保持される前記液体の有無を検出する検出手段を更に備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のヘッドクリーニング装置。
【請求項4】
前記液体を加熱する加熱手段を更に備え、前記検出手段は、温度を検出して前記液体の有無を検出することを特徴とする請求項3に記載のヘッドクリーニング装置。
【請求項5】
前記振動体が、石英ガラスで形成されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のヘッドクリーニング装置。
【請求項6】
前記液体供給手段は、前記インクジェットヘッドであり、前記ノズル面に形成されたノズルから前記液体を吐出させて、前記ノズル面と前記液体保持面との間に前記液体を供給することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のヘッドクリーニング装置。
【請求項7】
前記振動体は、前記液体保持面に連通する液体供給路を有し、前記液体供給手段は、前記液体供給路に前記液体を供給して、前記ノズル面と前記液体保持面との間に前記液体を供給することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のヘッドクリーニング装置。
【請求項8】
前記液体供給手段は、洗浄成分を有する前記液体を前記液体供給路に供給することを特徴とする請求項7に記載のヘッドクリーニング装置。
【請求項9】
前記移動手段は、前記振動体が前記ノズル面に形成されたノズル列に沿って移動するように、前記振動体と前記インクジェットヘッドとを相対的に移動させ、
前記振動体が、一定時間ごとに移動するように前記移動手段を制御する移動制御手段を更に備えたことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のヘッドクリーニング装置。
【請求項10】
前記超音波印加手段は、400kHz以上の超音波を印加することを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のヘッドクリーニング装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載のヘッドクリーニング装置を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−171280(P2012−171280A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−37123(P2011−37123)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】