説明

ヘッドランプクリーナの取付構造

【課題】修理コストを抑えることのできるヘッドランプクリーナの取付構造を得る。
【解決手段】ノズル本体部110を取り付ける支持部材120に、当該支持部材120を車体側部材に固定する固定部122bとは別に、支持部材120を車体側部材に取り付け可能な予備固定部123bを設け、予備の固定状態におけるノズル本体部110の姿勢が、通常の固定状態におけるノズル本体部110と略同一の姿勢となるようにし、本来の固定部122bが損傷した場合にも、ヘッドランプクリーナ100を予備固定部123bで取り付けて再使用できるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のヘッドランプを洗浄するヘッドランプクリーナの取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車には、フロントバンパー等の車体側部材にヘッドランプを洗浄するヘッドランプクリーナを取り付けたものがある。そして、この種のヘッドランプクリーナとして、筒状のノズルケースと、当該ノズルケース内の下方に挿置したノズル支持体と、ノズル支持体の上方に挿置したノズルとを備え、ノズルケースに設けられたバンパー係止爪をバンパーに形成した係合穴の周縁部に係合することでバンパに取り付けたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平3−295741号公報(第4頁、図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、かかる従来のヘッドランプクリーナの取付構造では、軽微な衝突により取付部分が変形するなどして損傷した場合、ノズルの取り付けができなくなるため、ケースやノズルを含めたヘッドランプクリーナを新品と交換せざるを得ず、修理コストが増大してしまう。
【0004】
そこで、本発明は、修理コストを抑えることができるヘッドランプクリーナの取付構造を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、液体を噴射するノズルヘッドを先端に有するノズル本体部と、当該ノズル本体部を取り付けるとともに、車体側部材に取り付けられる支持部材と、当該支持部材を前記車体側部材に取り付ける固定部と、当該固定部とは別に、支持部材を車体側部材に取り付け可能な予備固定部と、を備えるヘッドランプクリーナであって、前記予備固定部を用いて前記車体側部材に取り付けられた際の前記ノズル本体部の姿勢が、前記固定部を用いて前記車体側部材に取り付けられた際のノズル本体部と略同一の姿勢となるようにしたことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ヘッドランプクリーナを車体側部材に取り付ける支持部材に、当該支持部材を車体側部材に取り付ける固定部とは別に、支持部材を車体側部材に取り付け可能な予備固定部を設けたため、支持部材を固定部で車体側部材に取り付けた状態で軽微な衝突などによって当該固定部が損傷した場合であっても、予備固定部によってヘッドランプクリーナを車体側部材に取り付けることができる。
【0007】
したがって、軽微な衝突などによって本来の固定部が損傷した場合であっても、ヘッドランプクリーナとしての機能が損なわれない限り、ヘッドランプクリーナを予備固定部で車体側部材に取り付けて再使用することができるため、修理コストの抑制を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態を図面と共に詳述する。
【0009】
図1は、本実施形態にかかるヘッドランプクリーナの取付部分を示す車体前部の要部斜視図、図2は、ヘッドランプクリーナを示す全体斜視図、図3は、ヘッドランプクリーナの分解斜視図、図4は、ノズル部分の拡大斜視図、図5は、支持部材の拡大斜視図、図6は、図5中VI−VI線に沿った断面図、図7は、支持ブラケットの固定用取付部と予備固定用取付部を示すフロントバンパーの断面図、図8は、ヘッドランプクリーナを固定部で取り付けた状態を示すフロントバンパー内部の斜視図、図9は、支持部材の支持ブラケットの取付部分を示す断面図、図10は、ヘッドランプクリーナを予備固定部で取り付けた状態を示すフロントバンパー内部の斜視図である。
【0010】
本実施形態にかかる自動車のヘッドランプ1は、図1に示すように、フロントグリル2の両側に配置されており、これらヘッドランプ1およびフロントグリル2の下方位置には、ヘッドランプ1よりも車両前方に突出する車体側部材としてのフロントバンパー3を車幅方向に延設している。
【0011】
そして、フロントバンパー3の上面部のヘッドランプ1前面に対向する部位(図1中A部)の内方には、ヘッドランプ1の洗浄時にノズルヘッド112aを突出させてクリーナー液をヘッドランプ1の前面に向けて噴射するヘッドランプクリーナ100(図2参照)を設置している。
【0012】
ヘッドランプクリーナ100は、図2、図3に示すように、ノズル本体部110と、支持部材120と、クリーナー液導入部130と、を備えている。
【0013】
ノズル本体部110は、円筒状のシリンダ部111と、先端にノズルヘッド112aを有し、シリンダ部111にスライド自在に取り付けられたピストン112と、を備えており、シリンダ部111の下端部をクリーナー液導入部130によって密閉している。
【0014】
ピストン112は図示せぬスプリングによりシリンダ部111に収容される側(クリーナー液導入部130側)に付勢されている。
【0015】
また、クリーナー液導入部130には、クリーナー液の導入口131を設けており、その導入口131に接続したチューブ132(図1参照)から供給されるクリーナー液をシリンダ部111内に導入するようになっている。
【0016】
ノズル本体部110は、通常、図4に示す状態、すなわち、ピストン112がシリンダ部111に収容された状態でフロントバンパー3に取り付けられている。そして、かかる状態でシリンダ部111内にクリーナー液が導入されると、ピストン112がクリーナー液の液圧をもってシリンダ部111からフロントバンパー3側にスライドし、ノズルヘッド112aがフロントバンパー3に形成された開口部31から外側に突出する。このとき、ピストン112に設けられた図示せぬチェックバルブが開きクリーナー液がノズルヘッド112aに圧送され、ヘッドランプ1の前面に向けてクリーナー液を噴射するようになっている。
【0017】
一方、クリーナー液の供給が停止されると、ノズルヘッド112aはクリーナー液の噴射を停止するとともに、ピストン112は、図示せぬスプリングの付勢力によりクリーナー液導入部130側にスライドし、図4の状態に復帰する。
【0018】
なお、本実施形態では、図1に示すように、ピストン112がシリンダ部111に収容された状態の時に開口部31を塞ぐ蓋部40がピストン112に取り付けられており、ピストン112のスライドに伴って蓋部40がスライドし開口部31の開閉が行われている。
【0019】
支持部材120は、図5に示すように、シリンダ部111の上部に嵌着する取付筒(基体部)121を備えている。
【0020】
そして、フロントバンパー3の開口部31の周縁部3aに係着する固定用係着部122を、支持部材120の取付筒121の開口側端部121aから、開口部31の略中心を通り開口方向に沿って延びる基準軸C方向の開口部31側に突設している。
【0021】
この固定用係着部122は、対向位置に一対づつ設けられており、取付筒121の開口側端部121aから開口部31側に突設する腕部122aと、腕部122aの先端部に設けられ、フロントバンパー3の開口部31の周縁部3aに係着する挟持部122bとを備えている。
【0022】
さらに、本実施形態では、支持部材120の取付筒121には、固定用係着部122とは別に、フロントバンパー3の開口部31の周縁部3aに係着可能な予備固定用係着部123が設けられている。
【0023】
具体的には、予備固定用係着部123を、取付筒121の開口側端部121aの固定用係着部122を突設した部位に対して、ノズルヘッド112a側から見て基準軸Cを中心に反時計回りに90°(所定角度)回転させた位置から固定用係着部122よりもL1だけ少ない突出量で基準軸C方向の開口部31側に突設している。
【0024】
この予備固定用係着部123も対向位置に一対づつ設けられており、取付筒121の開口側端部121aから開口部31側に突設する腕部123aと、腕部123aの先端部に設けられ、フロントバンパー3の開口部31の周縁部3aに係着可能な挟持部123bとを備えている。
【0025】
このように、本実施形態では、固定用係着部122の挟持部122b、予備固定用係着部123の挟持部123bがそれぞれ固定部、予備固定部に相当している。
【0026】
一方、図4に示すように、シリンダ部111の取付筒121が嵌着する部位には、係合爪(係合部)113が設けられているとともに、図6に示すように、取付筒121の内側には係合爪113と係合する固定爪受(被係合部)124と予備固定爪受(予備の被係合部)125とが設けられている。
【0027】
本実施形態では、係合爪113はシリンダ部111の中心に対して点対称に一対設けられており、固定爪受124および予備固定爪受125も取付筒121の中心に対して点対称に一対づつ設けられている。
【0028】
そして、予備固定爪受125は、固定爪受124に対して、ノズルヘッド112a側から見て基準軸Cを中心に反時計回りに90°(所定角度)回転させた位置から基準軸C方向のクリーナー液導入部130側(図6において右下側)に、固定用係着部122と予備固定用係着部123との突出量の差L1と等しい距離L2だけずらした位置に設けられている。
【0029】
また、本実施形態では、図2、図5に示すように、支持部材120の取付筒121の側方には、基準軸C方向のクリーナー液導入部130側に向かってやや傾斜するように突出させた支持ブラケット126が設けられている。
【0030】
フロントバンパー3は、図7に示すように、車体前後方向の骨格部材である図示省略したフロントサイドメンバの前端に、バンパーステイを介して結合されるバンパーレインフォース35と、このバンパーレインフォース35の前面に衝撃吸収材36を介在させて取り付けるバンパーフェイシャ37と、を備えている。さらに、バンパーフェイシャ37の外面にはプロテクタ32が車幅方向に帯状に着脱可能に取り付けられている。
【0031】
そして、図7に示すように、フロントバンパー3には、固定用係着部122の挟持部122bをフロントバンパー3の開口部31の周縁部3aに係着した状態(通常の固定状態)で、支持ブラケット126を取り付ける固定用取付部としての固定穴33と、予備固定用係着部123の挟持部123bをフロントバンパー3の開口部31の周縁部3aに係着した状態(予備の固定状態)で、支持ブラケット126を取り付ける予備固定用取付部としての予備固定穴34と、が形成されている。
【0032】
本実施形態では、固定穴33がバンパーフェイシャ37に直接形成されるとともに、予備固定穴34がバンパーフェイシャ37に取り付けられたブラケット37aに形成されている。また、固定穴33と予備固定穴34とは、ヘッドランプクリーナ100を取り付けた状態で、基準軸Cを中心に90°回転させた位置関係にある。
【0033】
本実施形態では、支持ブラケット126と固定穴33との取り付け、および支持ブラケット126と予備固定穴34との取り付けは、図9に示すように、支持ブラケット126の先端部に設けたクリップ126aを、固定穴33または予備固定穴34に挿入して、バンパーフェイシャ37の前面に配置した係合部材127の係合穴127aに差し込むことにより行われる。
【0034】
以上の構成によれば、シリンダ部111に設けた係合爪113を取付筒121に形成した固定爪受124に係合することでノズル本体部110と支持部材120とを結合し、さらにクリーナー液導入部130をノズル本体部110に結合した状態で、図8に示すように、固定用係着部122の挟持部122bを開口部31の周縁部3aに係着するとともに、支持ブラケット126を固定穴33に取り付けることで、ヘッドランプクリーナ100は、通常の固定状態として自動車に組み付けられる。
【0035】
このとき、ノズルヘッド112aはフロントバンパー3の内方に収納された状態となっており、ノズルヘッド112aが開口部31からフロントバンパー3の外方に突出することはない。
【0036】
そして、ヘッドランプ1を洗浄する際には、クリーナー液がシリンダ部111に供給されることにより、ピストン112が開口部31側にスライドし、ノズルヘッド112aを開口部31から突出させてクリーナー液をヘッドランプ1の前面に向けて噴射する。なお、シリンダ部111に設けた係合爪113の位置と、係合爪113と係合する固定爪受124が設けられる位置を適宜設定することで、クリーナー液がヘッドランプ1の所望部位に当たるようにノズルヘッド112aの向きを設定することができる。
【0037】
次に、自動車が軽微な衝突、例えば、軽微な前面衝突やオフセット衝突などにより、ヘッドランプクリーナ100の固定用係着部122が損傷した場合には、図10に示すように、予備の固定状態でヘッドランプクリーナ100を取り付ける。
【0038】
すなわち、支持部材120をノズル本体部110に対してノズルヘッド112a側から見て基準軸Cを中心に時計回りに90°回転させるとともに基準軸C方向の開口部31側にL2(L1)だけ相対移動させて、シリンダ部111の係合爪113を取付筒121の予備固定爪受125に係合する。そして、固定用係着部122を腕部122aの基部から折り曲げるなどして切除した後、予備固定用係着部123の挟持部123bを開口部31の周縁部3a、つまり、通常の固定状態における固定用係着部122の係着位置と同位置に係着するとともに、支持ブラケット126を予備固定穴34に取り付ける。
【0039】
なお、予備の固定状態でヘッドランプクリーナ100を取り付ける場合は、ヘッドランプクリーナ100のクリーナー液噴射機能が損なわれていないことを前提としている。
【0040】
このとき、基準軸Cを中心に90°回転した位置で、固定用係着部122よりもL1だけ少ない突出量で突出させた予備固定用係着部123を開口部31の周縁部3aに固定するため、支持部材120は全体的に基準軸C方向の開口部31側に移動するが、シリンダ部111の係合爪113を、基準軸Cを中心に90°回転した位置で、固定爪受124よりもL2(L1)だけ基準軸C方向のクリーナー液導入部130側に移動させた位置に設けられた予備固定爪受125に係合しているため、予備の固定状態におけるノズル本体部110の姿勢は、通常の固定状態におけるノズル本体部110と略同一の姿勢となる。
【0041】
このように、支持部材120の取付筒121には、固定用係着部122の挟持部122bをフロントバンパー3の開口部31の周縁部3aに係着させた際に、ノズル本体部110のシリンダ部111に設けられた係合爪113と係合する固定爪受124が設けられるとともに、支持部材120の取付筒121に、予備固定用係着部123の挟持部123bをフロントバンパー3の開口部31の周縁部3aに係着させた際(予備の固定状態の際)に、通常の固定状態におけるノズル本体部110と略同一の姿勢となるようにしたときのシリンダ部111の係合爪113に対応する位置に、固定爪受124とは別にシリンダ部111の係合爪113と係合可能な予備固定爪受125が形成されており、予備固定用係着部123の挟持部123bを、固定用係着部122の挟持部122bに対して固定爪受124に対する予備固定爪受125の変位量だけ変位させた位置に設けることで、予備の固定状態におけるノズル本体部110の姿勢が、通常の固定状態におけるノズル本体部110と略同一の姿勢となるようにしている。
【0042】
したがって、ヘッドランプクリーナ100を予備の固定状態でフロントバンパー3に取り付けた場合にも、ヘッドランプ1の洗浄時には通常の固定状態と同様に、ノズルヘッド112aから噴射するクリーナー液をヘッドランプ1の前面に当てることができる。
【0043】
ところで、本実施形態では、自動車の衝突時等に支持ブラケット126が破損した場合のことを考慮して、支持部材120の取付筒121の側方には、図10に示すように、ヘッドランプクリーナ100の予備の固定状態で支持部材120と固定穴33とを連結する予備ブラケット128を取り付けるための取付部129が、支持ブラケット126に対して、ノズルヘッド112a側から見て基準軸Cを中心に時計回りに90°回転させた位置に突設されている。
【0044】
この予備ブラケット128は別部品として用意され、図2に示すように、取付筒121の側面に設けた取付部129に後付けされる。
【0045】
予備ブラケット128の先端部は、図示省略したが支持ブラケット126の先端部と同様の構造をしている。つまり、予備ブラケット128の先端部にはクリップ126a(図9参照)と同様のクリップが設けられている。
【0046】
以上の本実施形態によれば、ノズル本体部110を取り付けるとともに、フロントバンパー(車体側部材)3に取り付けられる支持部材120に、当該支持部材120をフロントバンパー3の開口部31の周縁部3aに係着する固定用係着部122の挟持部(固定部)122bとは別に、支持部材120をフロントバンパー3に取り付け可能な予備固定用係着部123の挟持部(予備固定部)123bを設け、予備固定用係着部123の挟持部(予備固定部)123bを用いてフロントバンパー(車体側部材)3に取り付けられた際のノズル本体部110の姿勢が、固定用係着部122の挟持部(固定部)122bを用いてフロントバンパー(車体側部材)3に取り付けられた際のノズル本体部110と略同一の姿勢となるようにしたため、支持部材120を固定用係着部122の挟持部122bでフロントバンパー3の開口部31の周縁部3aに係着した状態(通常の固定状態)で軽微な衝突などによって固定用係着部122や挟持部122bが損傷した場合であっても、予備固定用係着部123の挟持部123bによってヘッドランプクリーナ100をフロントバンパー3の開口部31の周縁部3aに係着させることができる。
【0047】
したがって、軽微な衝突などによって固定用係着部122や挟持部122bが損傷した場合であっても、ヘッドランプクリーナとしての機能が損なわれない限り、ヘッドランプクリーナ100を予備固定用係着部123の挟持部123bでフロントバンパー3の開口部31の周縁部3aに係着させて再使用することができるため、修理コストの抑制を図ることができる。
【0048】
また、本実施形態によれば、予備固定用係着部123の挟持部123bを、固定用係着部122の挟持部122bに対して固定爪受124に対する予備固定爪受125の変位量だけ変位させた位置に設けているため、予備の固定状態におけるノズル本体部110の姿勢を、通常の固定状態におけるノズル本体部110と略同一の姿勢とすることができる。
【0049】
さらに、本実施形態によれば、固定用係着部122の挟持部122bを、支持部材120の取付筒121の開口側端部121aから、開口部31の略中心を通り開口方向に沿って延びる基準軸C方向の開口部31側に突設するとともに、予備固定用係着部123の挟持部123bを、取付筒121の開口側端部121aの挟持部122bを突設した部位に対して基準軸Cを中心に90°(所定角度)回転させた位置から挟持部122bよりも少ない突出量で基準軸C方向の開口側に突設することで、予備の固定状態におけるノズル本体部110の姿勢を、通常の固定状態におけるノズル本体部110と略同一の姿勢とすることができる構造をより簡素な構成で得ることができる。
【0050】
また、本実施形態によれば、支持部材120に、通常の固定状態でフロントバンパー3に設けられた固定穴(固定用取付部)33に取り付けられる支持ブラケット126を設け、フロントバンパー3に、固定穴(固定用取付部)33とは別に、予備の固定状態で支持ブラケット126が取り付けられる予備固定穴(予備固定用取付部)34を設けたため、ヘッドランプクリーナ100を通常の固定状態で取り付ける場合および予備の固定状態で取り付ける場合のいずれにおいてにも、支持ブラケット126で支持部材120をフロントバンパー3に筋交い状に支持することができるので、ヘッドランプクリーナ100の取付強度を増大することができる。
【0051】
さらにまた、支持部材120の取付筒121には、支持ブラケット126に対して、ノズルヘッド112a側から見て基準軸Cを中心に時計回りに90°回転させた位置に、ヘッドランプクリーナ100の予備の固定状態で、支持部材120と固定穴33とを連結する予備ブラケット128を取り付ける取付部129を突設したので、自動車の衝突時に支持ブラケット126が破損した場合に、予備ブラケット128によってヘッドランプクリーナ100をフロントバンパー3に支持することができ、ヘッドランプクリーナ100の取付強度を確保することができる。
【0052】
ところで、本発明のヘッドランプクリーナの取付構造は上記実施形態に例をとって説明したが、上記実施形態に限ることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で他の実施形態を各種採用することができる。
【0053】
例えば、上記実施形態では固定部と予備固定部とを90゜変位させて配置したが、その変位角は90゜に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の一実施形態にかかるヘッドランプクリーナの取付部分を示す車体前部の要部斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかるヘッドランプクリーナを示す全体斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかるヘッドランプクリーナの分解斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態にかかるノズル部分の拡大斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態にかかる支持部材の拡大斜視図である。
【図6】図5中VI−VI線に沿った断面図である。
【図7】本発明の一実施形態にかかる支持ブラケットの固定用取付部と予備固定用取付部を示すフロントバンパーの断面図である。
【図8】本発明の一実施形態にかかるヘッドランプクリーナの通常の固定状態を示すフロントバンパー内部の斜視図である。
【図9】本発明の一実施形態にかかる支持部材の支持ブラケットの取付部分を示す断面図である。
【図10】本発明の一実施形態にかかるヘッドランプクリーナの予備の固定状態を示すフロントバンパー内部の斜視図である。
【符号の説明】
【0055】
1 ヘッドランプ
3 フロントバンパー(車体側部材)
3a 周縁部
31 開口部
33 固定穴(固定用取付部)
34 予備固定穴(予備固定用取付部)
100 ヘッドランプクリーナ
110 ノズル本体部
112a ノズルヘッド
113 係合爪(係合部)
120 支持部材
121 取付筒(基体部)
122b 挟持部(固定部)
123b 挟持部(固定部)
124 固定爪受(被係合部)
125 予備固定爪受(予備の被係合部)
126 支持ブラケット
128 予備ブラケット
129 取付部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を噴射するノズルヘッドを先端に有するノズル本体部と、当該ノズル本体部を取り付けるとともに、車体側部材に取り付けられる支持部材と、を備えるヘッドランプクリーナの取付構造において、
前記支持部材は、当該支持部材を前記車体側部材に取り付ける固定部とは別に、支持部材を車体側部材に取り付け可能な予備固定部を備え、
前記予備固定部を用いて前記車体側部材に取り付けられた際の前記ノズル本体部の姿勢が、前記固定部を用いて前記車体側部材に取り付けられた際のノズル本体部と略同一の姿勢となるようにしたことを特徴とするヘッドランプクリーナの取付構造。
【請求項2】
前記支持部材には、前記固定部を前記車体側部材に取り付けた際に前記ノズル本体部の係合部と係合する被係合部が設けられるとともに、前記支持部材の、前記予備固定部を前記車体側部材に取り付けた際に、前記ノズル本体部を前記固定部を前記車体側部材に取り付けた際のノズル本体部と略同一の姿勢となるようにしたときのノズル本体部の係合部に対応する位置に、前記被係合部とは別にノズル本体部の係合部と係合可能な予備の被係合部が形成されており、
前記予備固定部は、前記固定部に対して前記被係合部に対する前記予備の被係合部の変位量だけ変位させた位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のヘッドランプクリーナの取付構造。
【請求項3】
前記車体側部材には開口部が形成されるとともに、前記支持部材にはノズル本体に取り付けられる基体部が設けられており、
前記固定部は、前記基体部の開口側端部から、前記開口部の略中心を通り開口方向に沿って延びる基準軸方向の開口側に突設されており、前記予備固定部は、前記基体部の開口側端部の前記固定部を突設した部位に対して前記基準軸を中心に所定角度回転させた位置から前記固定部よりも少ない突出量で前記軸方向の開口側に突設されていることを特徴とする請求項2に記載のヘッドランプクリーナの取付構造。
【請求項4】
前記支持部材には、前記固定部を前記車体側部材に取り付けた状態で当該車体側部材に設けられた固定用取付部に取り付けられる支持ブラケットが設けられており、
前記車体側部材は、前記予備固定部を前記車体側部材に取り付けた状態で前記支持ブラケットを取り付ける予備固定用取付部を備えることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載のヘッドランプクリーナの取付構造。
【請求項5】
前記支持部材は、前記予備固定部を前記車体側部材に取り付けた状態で支持部材と前記固定用取付部とを連結するブラケットを取り付ける取付部を備えることを特徴とする請求項4に記載のヘッドランプクリーナの取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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