説明

ヘッド駆動装置およびヘッド駆動方法

【課題】ヘッド駆動装置およびヘッド駆動方法を提供すること。
【解決手段】サーボ信号が記録されている第1および第2の記録面を備える被記録媒体と、前記第1の記録面に対応する第1のヘッドと、前記第1のヘッドの前記サーボ信号を利用して前記第1のヘッドを前記第1の記録面のトラックに追従させるヘッド駆動部と、前記第1のヘッドが前記第1の記録面のトラックを追従している間に、前記第2の記録面のトラックから前記サーボ信号を読み出す第2のヘッドと、前記第2のヘッドにより読み出される前記サーボ信号に基づいて、前記第1の記録面と前記第2の記録面のトラック位置の差分を検出する検出部と、を設け、前記ヘッド駆動部は、前記トラック位置の差分が検出された後、前記第2のヘッドにより読み出される前記サーボ信号を前記トラック位置の差分に基づいて補正した情報をさらに利用して前記第1のヘッドに前記第1の記録面のトラックを追従させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッド駆動装置およびヘッド駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、PC(Personal Computer)や音楽再生装置などの情報処理装置には、一般的に、被記録媒体に各種データを記録する記録装置としてハードディスクドライブ(HDD)が設けられている。また、HDDに内蔵される被記録媒体としては、連続媒体、ディスクリート媒体、およびパタ−ンド媒体などがあげられる。
【0003】
これらの被記録媒体に形成されているトラックはサーボ領域とデータ領域に区分されており、HDDはサーボ領域に記録されているサーボ信号に基づいて被記録媒体に形成されているトラックをヘッドに追従させる。これにより、ヘッドがトラックに含まれるデータ領域にデータを記録したり、データ領域からデータを読み出すことが可能となる。
【0004】
ここで、被記録媒体の記憶容量を増加させるための方法として、被記録媒体のトラック間隔を狭くしてトラック密度を向上させる方法が考えられる。しかし、トラック密度を向上するためには、より微細なトラッキング制御を行なうためにトラックに含まれるサーボ領域数を増加する必要が生じ、フォーマット効率が低下する。
【0005】
これに対し、特許文献1には、サーボ領域数の増加量を抑制しつつ、より微細なトラッキング制御を可能とする情報記録装置が記載されている。より詳細に説明すると、当該情報記録装置は、被記録媒体の複数の記録面のサーボ領域からサーボ信号を読出し、該サーボ信号に基づいてトラッキング制御を行なう。
【0006】
【特許文献1】国際公開第2004/075195号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、被記録媒体の複数の記録面のトラックの位置は各々相違する場合がある。この場合、従来の情報記録装置では、複数の記録面のサーボ領域に記録されているサーボ信号を利用して正確にトラッキング制御を行なうことは困難であった。
【0008】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、複数の記録面から読み出されるサーボ信号に基づいてより高い精度でのトラッキングを実現することが可能な、新規かつ改良されたヘッド駆動装置およびヘッド駆動方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、複数のトラックが形成されており、前記トラックの各々に前記トラック位置を示すサーボ信号が記録されている第1の記録面および第2の記録面を備える被記録媒体と、前記第1の記録面のトラックから前記サーボ信号を読み出す第1のヘッドと、前記第1のヘッドから読み出される前記サーボ信号を利用して前記第1のヘッドを前記第1の記録面のトラックに追従させるヘッド駆動部と、前記第1のヘッドが前記第1の記録面のトラックを追従している間に、前記第2の記録面のトラックから前記サーボ信号を読み出す第2のヘッドと、前記第2のヘッドにより読み出される前記サーボ信号に基づいて、前記第1の記録面と前記第2の記録面のトラック位置の差分を検出する検出部と、を備え、前記ヘッド駆動部は、前記トラック位置の差分が検出された後、前記第2のヘッドにより読み出される前記サーボ信号を前記トラック位置の差分に基づいて補正した情報をさらに利用して前記第1のヘッドに前記第1の記録面のトラックを追従させるヘッド駆動装置が提供される。
【0010】
かかる構成においては、ヘッド駆動部が、第1のヘッドから読み出されるサーボ信号に加え、第2のヘッドから読み出されるサーボ信号を利用して第1のヘッドを第1の記録面のトラックに追従させる。このとき、第2のヘッドから読み出されるサーボ信号は、検出部により検出された第1の記録面と第2の記録面のトラック位置の差分に基づいて補正されるため、第1の記録面と第2の記録面のトラック位置が一致していなくても、高い精度で第1のヘッドを第1の記録面のトラックに追従させることができる。また、当該ヘッド駆動装置は第1の記録面および第2の記録面の双方のサーボ信号を利用できるため、第1の記録面および第2の記録面の各々に記録されるサーボ信号の量を抑制することができる。
【0011】
前記サーボ信号は前記トラックの各々に分散して記録されており、前記第1の記録面において前記サーボ信号が記録されている領域は、前記第2の記録面において前記サーボ信号が記録されている領域と、前記第1の記録面および前記第2の記録面の離隔方向の投影面上で一致しなくてもよい。
【0012】
また、前記ヘッド駆動装置は、前記第1の記録面および前記第2の記録面から読み出される前記サーボ信号が供給され、供給された前記サーボ信号を信号処理する第1の処理部と、前記第1の記録面において前記サーボ信号が記録されている領域以外の領域から読み出される情報が供給され、供給された前記情報を信号処理する第2の処理部と、をさらに備えてもよい。かかる構成においては、サーボ信号を信号処理するための第1の処理部を設けたことにより、第1の記録面から情報を読み出す際に第1のヘッドを第1の記録面のトラックに追従させる場合であっても第1の記録面のサーボ信号に加え第2の記録面のサーボ信号を利用することが可能となる。
【0013】
前記検出部は、前記第2の記録面において前記サーボ信号が記録されている領域ごとに前記第1の記録面のトラック位置との差分を複数回にわたって検出し、前記ヘッド駆動部は、前記検出部により複数回にわたって検出された前記差分の平均値を前記トラック位置の差分として利用してもよい。かかる構成においては、例えば、ノイズや機械的な外乱などによって偶発的に第1のヘッドが第1の記録面のトラックから外れてしまう場合であっても、より現実に近い第1の記録面と第2の記録面のトラック位置の差分を検出することができる。
【0014】
前記第1の記録面に記録されている前記サーボ信号の少なくとも一部は、前記検出部により前記トラック位置の差分が検出された後に消去されてもよい。かかる構成においては、検出部による検出時にはより多くのサーボ信号が利用されるため、第1のヘッドが高い精度で第1の記録面のトラックを追従する。その結果、検出部がより正確に第1の記録面と第2の記録面のトラック位置の差分を検出することができる。さらに、検出部による検出後は少なくも一部のサーボ信号を消去することにより、第1の記録面の記憶容量を拡大することができる。
【0015】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、複数のトラックが形成されており、前記トラックの各々に前記トラック位置を示すサーボ信号が記録されている第1の記録面および第2の記録面を備える被記録媒体、前記第1の記録面のトラックから前記サーボ信号を読み出す第1のヘッド、および前記第2の記録面のトラックから前記サーボ信号を読み出す第2のヘッドを備えるヘッド駆動装置において実行されるヘッド駆動方法であって、前記第1のヘッドから読み出される前記サーボ信号を利用して前記第1のヘッドを前記第1の記録面のトラックに追従させるステップと、前記第1のヘッドが前記第1の記録面のトラックを追従している間に、第2のヘッドが前記第2の記録面のトラックから前記サーボ信号を読み出すステップと、前記第2のヘッドにより読み出される前記サーボ信号に基づいて、前記第1の記録面と前記第2の記録面のトラック位置の差分を検出するステップと、前記第1のヘッドから読み出される前記サーボ信号と、前記第2のヘッドにより読み出される前記サーボ信号を前記トラック位置の差分に基づいて補正した情報を利用して前記第1のヘッドに前記第1の記録面のトラックを追従させるステップと、
を含むヘッド駆動方法が提供される。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように本発明にかかるヘッド駆動装置およびヘッド駆動方法によれば、複数の記録面から読み出されるサーボ信号に基づいてより高い精度でのトラッキングを実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0018】
また、以下に示す項目順序に従って当該「発明を実施するための最良の形態」を説明する。
〔1〕本実施形態にかかるHDDの概要
〔1−1〕HDDの外観
〔1−2〕ディスクの構成
〔1−3〕本実施形態に至る経緯
〔2〕本実施形態にかかるHDDの詳細な説明
〔2−1〕HDDの構成
〔2−2〕HDDの動作
〔3〕まとめ
【0019】
〔1〕本実施形態にかかるHDDの概要
まず、図1を参照し、本実施形態にかかるHDD10について、ヘッド駆動装置の一例として概略的に説明する。
【0020】
〔1−1〕HDDの外観
図1は、本実施形態にかかるHDD10の外観図である。本実施形態にかかるHDD10は、図1に示したように、ベース部材11上に設置されたスピンドルモータ30と、スピンドルモータ30に装着された被記録媒体としてのディスク群20と、データの再生および記録のための読み出し/書き込みヘッドをディスク群20上の所定位置に移動させるためのアクチュエータ40とを備える。なお、本実施形態にかかるディスク群20は、複数のパターンド媒体として機能する複数のディスクを含む。また、一般には、図1のベース部材11に対応するカバー部材が存在し、ベース部材11がカバー部材で覆われて1つの筐体(ハウジング)を構成するが、カバー部材については図示および説明を省略する。
【0021】
アクチュエータ40は、ベース部材11に設置されたピボット42に回転自在に結合されたスイングアーム44と、スイングアーム44の一側端部に設置されたヘッド48をディスク群20の表面方向に付勢されるように支持するサスペンション46と、スイングアーム44を回転させるためのボイスコイルモータ(以下、VCMという。)50と、を備える。なお、スイングアーム44、サスペンション46、およびヘッド48は、ディスク群20に含まれる各ディスクの間にも設けられる。
【0022】
VCM50は、例えば、サーボ制御システムにより制御され、VCMコイルに入力される電流とマグネットにより形成された磁場との相互作用により、フレミングの左手の法則による方向にスイングアーム44を回転させるヘッド駆動部として機能する。すなわち、HDD10の電源がオンとなってディスク群20が回転し始めると、VCM50は、スイングアーム44を回転させて、読み出し/書き込みを行なうヘッド48をディスク群20の記録面上に移動させる。一方、HDD10の電源がオフとなってディスク群20の回転が停止すると、VCM50は、スイングアーム44を回転させて、ヘッド48がディスク群20の記録面から外れるようにする。
【0023】
また、ヘッド48は、図11に示すプリアンプIC100やリードチャネルIC120の機能により、ディスク群20を構成するあるディスクの一面へのデータを記録、またはディスクの一面からのデータの読み出しを行なう。
【0024】
なお、このような記録装置としての機能を有するHDD10は、例えばPC(Personal Computer)、家庭用映像処理装置(DVDレコーダ、ビデオデッキなど)、携帯電話、PHS(Personal Handyphone System)、携帯用音楽再生装置、携帯用映像処理装置、PDA(Personal Digital Assistants)、家庭用ゲーム機器、携帯用ゲーム機器、家電機器などの情報処理装置に設けられてもよい。
【0025】
〔1−2〕ディスクの構成
続いて、図2〜図6を参照してディスク群20を構成するあるディスク21の構成を説明する。
【0026】
(パターンド媒体)
図2は、ディスク群20に含まれるディスク21の構成例を示した説明図である。より詳細には、図2では、ディスク21がパターンド媒体である場合を示している。ディスク21の一面には、図2に示したように、記録ドット22と、非記録ドット23とが規則的に形成されている。記録ドット22は、微小な磁性体であり、1ドットごとに1ビットの情報が記録される記録領域として機能する。
【0027】
記録ドット22の各々は、トラック方向に所定間隔で形成され、非記録ドット23により分離されている。また、各トラックも非記録ドット23により分離されている。ヘッド48は、例えばあるトラック上を移動し、該トラックに含まれる記録ドット22上に位置している間に情報を記録し、非記録ドット23上に位置している間に磁場を反転させる。したがって、このようなパターンド媒体であるディスク21への記録には、ディスク21の回転に同期した記録方法が必要であるが、パターンド媒体には、連続媒体の記録密度の限界を超えて、高密度記録が可能である。
【0028】
なお、図2においてはトラックを直線的に示しているが、厳密には円弧状であってもよい。また、トラックの形状は、ディスク21の同心円と複数回交差する正弦波であっても、多角形であってもよい。
【0029】
(ディスクリート媒体)
図3は、ディスク群20に含まれるディスク21の他の構成例を示した説明図である。より詳細には、図3では、ディスク21がディスクリート媒体である場合を示している。ディスク21は、図3に示したように、トラック方向に磁性体の薄膜24が連続的に配置された媒体である。そして、この薄膜24にヘッド48で面内あるいは面に垂直に磁化した微小な領域を作り、0、1の情報ビットを書き込む。また、各磁性体の薄膜24の間には溝25が設けられている。
【0030】
(フォーマット構成)
図4は、ディスク21のフォーマットの一例を示す説明図である。当該ディスク21のフォーマットは、例えば図4Aに示したように、サーボ領域320−1(Servo1)、320−2(Servo2)と、データ領域310−1(Data1)、310−2(Data2)、・・・、310−N(DataN)と、サーボ領域とデータ領域間のギャップ部(Gap)とを含む。
【0031】
図4Aに示した一例では、データ領域はN個あり、各データ領域は例えば512バイトのデータを保持する。この図4Aに示されたフォーマットを一単位として、サーボ領域およびデータ領域がトラック方向に繰り返し配列される。
【0032】
図4Bは、図4Aの各データ領域(Data1、2、・・・、N)の詳細を示す説明図である。データ領域(Data1、2、・・・、N)のフォーマットは、例えば図4Bに示したように、データ読み出しの際に同期を取るためのプリアンブル部(Preamble)311と、データの先頭を示すデータ先頭部(Sync Mark)312と、例えば512バイトからなるデータ部(Data)313と、エラー検出のためのCRC314と、エラー訂正のためのECC315とを含む。
【0033】
図4Cは、図4Aの各サーボ領域(Servo1、2)の詳細を示す説明図である。サーボ領域(Servo1、2)のフォーマットは、例えば図4Cに示したように、サーボ読み出しの際に同期を取るためのプリアンブル部(Preamble)321と、サーボの先頭を示すサーボ先頭部(Sync Mark)322と、ヘッド情報やセクター情報等が含まれるグレーコード(Gray Code)323と、位置決めをするための情報等が含まれるバースト(Burst)324とを含む。
【0034】
図5は、ディスク21の上面21Aにおけるサーボ領域の配置例を模式的に示した説明図である。図5に示したように、サーボ領域320(1A〜4A)は、ディスク21の上面21Aに、所定の中心角を隔てて半径方向に分散的に配されている。なお、図5においては、第Nトラック12を円形で示しているが、第Nトラック12は実際には螺旋状に形成されてもよい。また、図5は、サーボ領域320(1A〜4A)の配置例を模式的に示しているに過ぎず、実際には、ディスク21の上面21Aに100箇所、または200箇所程度にサーボ領域320Aが配置されてもよい。
【0035】
(バースト)
図6は、バーストAおよびバーストBと第Nトラック12の関係を示した説明図である。図6に示したように、トラック12の中心線に沿って、例えばトラック12の外側にバーストAが形成され、トラック12の内側にバーストBが形成される。したがって、HDD10は、ヘッド48をトラック12に追従させるために、バーストAで読み出される信号の振幅と、バーストBで読み出される信号の振幅が一致するようにヘッド48を位置制御する。このように、バーストAおよびバーストBは、ヘッド48によるトラッキングを可能にするためのサーボ信号として機能する。
【0036】
〔1−3〕本実施形態に至る経緯
以上説明したように、本実施形態にかかるHDD10は、ディスク21の上面21AのバーストAおよびバーストBから読み出される信号の振幅を利用して、ヘッド48を上面21Aに形成されているトラックに追従させる。このため、バーストAおよびバーストBを含むサーボ領域320を上面21Aに多く設けるほどHDD10が高精度なトラッキングをすることができる。しかし、サーボ領域320の数が増加すると、その分データ領域310が縮小し、ディスク21の記憶容量が減少してしまう。そこで、本実施形態にかかるHDD10は、ディスク21の下面21BのバーストAおよびバーストBから読み出される信号の振幅をさらに利用することによりヘッド48を上面21Aに形成されているトラックに追従させる。
【0037】
ただし、上面21Aのトラック位置と、下面21Bのトラック位置は必ずしも一致していない。特に、上面21Aおよび下面21Bの各々に所定の型を押し付ける(ナノインプリント方式)ことによりトラックが形成されるパターンド媒体においては、上面21Aのトラック位置と、下面21Bのトラック位置を一致させることが困難であった。以下、図7および図8を参照して当該トラック位置の不一致について説明する。
【0038】
図7および図8は、上面21Aのトラックと下面21Bのトラックの関係を示した説明図である。図7に示したように、下面21Bには、サーボ領域320(1B〜4B)が上面21Aと同様に分散して配置されており、第N−1トラック13、第Nトラック14、および第N+1トラック15が形成されている。しかし、図7に示したように、上面21Aの第Nトラックは、下面21Bの第Nトラック14と一致していない。図8には、図7に示した長方形領域Xの上面21Aおよび下面21Bのトラックの各々についてより詳細に示している。
【0039】
図8に示したように、仮に本実施形態に関連するHDDが上面21AのバーストAおよびバーストBに基づいてヘッドを第Nトラック12に追従させても、ヘッドは下面21Bの第Nトラック14の中心線とずれた位置を追従する(RRO:Repeatable Run Out)。このような場合にまで下面21Bに配置されているサーボ領域320(1B〜4B)に含まれる各バーストAおよびバーストBを利用してヘッド位置を制御した場合、ヘッドによる上面21Aの第Nトラックの追従精度は逆に悪化してしまう。
【0040】
そこで、上記のような事情を一着眼点として本実施形態にかかるHDD10を創作するに至った。本実施形態にかかるHDD10によれば、ディスク群20の複数の記録面から読み出されるバーストAおよびバーストBに基づいてより高い精度でのトラッキングを実現できる。以下、参考例として本実施形態に関連するHDD6について図9および図10を参照して説明した後に、本実施形態にかかるHDD10について詳細に説明する。
【0041】
図9は、本実施形態に関連するHDD6の構成を示した説明図である。再生時、ヘッド8Aが、ディスク7の上面のサーボ領域においてはサーボ信号を読出し、データ領域においてデータ信号を読み出す。ヘッド8Aによりデータ領域から読み出されたデータ信号を増幅部74Aが増幅し、増幅部74により増幅されたデータ信号をフィルタ・イコライザ86が整形する。
【0042】
そして、フィルタ・イコライザ86により波形が整形されたデータ信号のビット値が1であるか0であるかをディテクター90が判断する。そして、PLL92が、ディテクター90により判断されたビット値からロックを生成し、デコーダ94は、ディテクター90により判断されたビット値を、PLL92から供給されるクロックを利用してデコードして出力する。
【0043】
一方、ヘッド8Aがサーボ領域上に位置する場合、サーボ領域上でヘッド8Aにより読み出されたサーボ信号を増幅部74Aが増幅し、増幅部74により増幅されたサーボ信号をフィルタ・イコライザ86が整形する。そして、フィルタ・イコライザ86により波形が整形されたサーボ信号をサーボ復調部88が復調してPES(Position Error Signal)を出力する。
【0044】
このようなHDD6の再生時の各構成の動作状態を図10にまとめた。
【0045】
図10は、再生時のHDD6の各構成の動作状態を示した説明図である。図10に示したように、ヘッド8Aがデータ領域上に位置する場合、増幅部74A、フィルタ・イコライザ86、ディテクター90、PLL92がONされる。一方、ヘッド8Aがサーボ領域上に位置する場合、増幅部74A、フィルタ・イコライザ86およびサーボ復調部88がONされる。
【0046】
このように、本実施形態に関連するHDD6においては、再生時にフィルタ・イコライザ86が常に利用される。したがって、本実施形態に関連するHDD6においては、再生時、ヘッド8Bがディスク7の下面からサーボ信号を読み出したとしても、サーボ信号を処理する回路が存在せず、該サーボ信号を利用することができなかった。
【0047】
なお、本実施形態に関連するHDD6は、記録時、入力されたデータをエンコーダ82がエンコードし、フォーマット部84がエンコードされたデータをフォーマットし、記録制御部72Aがヘッド8Aにフォーマットされたデータを記録させる。
【0048】
〔2〕本実施形態にかかるHDDの詳細な説明
〔2−1〕HDDの構成
次に、本実施形態にかかるHDD10の構成を、図11〜図14を参照して詳細に説明する。
【0049】
図11は、本実施形態にかかるHDD10の構成を示した機能ブロック図である。図11に示したように当該HDD10は、スピンドルモータ30と、アクチュエータ40と、ヘッド48Aおよび48Bと、VCM50と、プリアンプIC100と、リードチャネルIC120と、HDC(Hard Disk Controller)150と、を備える。
【0050】
また、図11においては、スピンドルモータ30にディスク21が装着されている例を示している。ディスク21は、パターンド媒体であって、上面21A(第1の面)および上面21Aと離隔する下面21B(第2の面)を有する。なお、スピンドルモータ30には、図1に示したように、複数のディスクを含むディスク群20が装着されてもよいが、図11においては図面の明瞭性の観点から単一のディスク21のみを示している。
【0051】
ヘッド48Aは、プリアンプIC100の制御に基づいてディスク21の上面21Aに磁気によりデータを記録する第1のヘッドとしての機能を有する。また、ヘッド48Aは、ディスク21の上面21Aに記録されたデータを読み出すこともできる。ヘッド48Aは、アクチュエータ40により、ディスク21上の所定半径位置に移動される。
【0052】
ヘッド48Bは、ヘッド48Aと例えば一体構成され、アクチュエータ40によりヘッド48Aと平行移動される第2のヘッドとしての機能を有する。また、ヘッド48Bが配されるディスク21上の半径位置は、ヘッド48Aが配されるディスク21上の半径位置と略同一である。また、ヘッド48Bは、ディスク21の下面21Bに磁気によりデータを記録したり、ディスク21の下面21Bに記録されたデータを読み出したりする。
【0053】
プリアンプIC100は、記録制御部104Aおよび104Bと、増幅部108Aおよび108Bと、を備える。また、リードチャネルIC120は、フィルタ・イコライザ124と、サーボ復調部128と、ディテクター132と、PLL136と、デコーダ140と、エンコーダ142と、フォーマット部144と、サーボフィルタ・イコライザ146と、サーボ復調部148と、を備える。
【0054】
記録制御部104Aは、ヘッド48Aを制御し、ヘッド48Aにディスク21の上面21Aに含まれる記録ドット22へのデータ記録を行わせる。また、増幅部108Aは、ヘッド48Aによりディスク21の上面21Aの記録ドット22から読み出されたデータ信号、またはサーボ信号の信号振幅を増幅する。
【0055】
同様に、記録制御部104Bは、ヘッド48Bを制御し、ヘッド48Bにディスク21の下面21Bに含まれる記録ドット22へのデータ記録を行わせる。また、増幅部108Bは、ヘッド48Bによりディスク21の下面21Bの記録ドット22から読み出されたデータ信号、またはサーボ信号の信号振幅を増幅する。
【0056】
ここで、通常は、1のヘッド48において記録および再生が同時に行なわれず、複数のヘッド48により記録または再生が同時に行なわれない。しかし、本実施形態にかかるHDD10は、ヘッド48Aによる記録と、ヘッド48Bによる再生を並列的に行うことを一特徴点とする。したがって、ヘッド48Aによる記録時であっても、増幅部108Bはヘッド48Bによりディスク21の下面21Bから読み出されたサーボ信号を増幅する。
【0057】
なお、ヘッド48Aおよびヘッド48Bの間にはディスク21が存在するため、ヘッド48Aによるデータ記録時に発生する磁界が、ヘッド48Bによるデータの読み出しに与える影響は比較的少ない。したがって、ヘッド48Bは、ヘッド48Aによるデータ記録と並列的に、ディスク21の下面21Bから良好なSNを有するサーボ信号を読み出すことができる。
【0058】
フィルタ・イコライザ124は、増幅部108A、または増幅部108Bにより信号振幅が増幅されたデータ信号の信号波形を整形する。そして、ディテクター132は、フィルタ・イコライザ124により信号波形が整形されたデータ信号のビット値が1であるか0であるかを判断する。PLL136は、ディテクター132により判断されたビット値や、フィルタ・イコライザ124により信号波形が整形されたデータ信号からクロック(基準クロック)を生成する基準クロック生成部としての機能を有する。デコーダ140は、ディテクター132により判断されたビット値を、PLL136から供給されるクロックを利用してデコードして出力する。
【0059】
エンコーダ142は、例えばHDC150から入力されるデータをエンコードする。そして、フォーマット部144は、エンコーダ142によりエンコードされたデータをディスク21への記録用にフォーマットする。
【0060】
フォーマット部144によりフォーマットされたデータは、記録制御部104Aまたは記録制御部104Bの制御により、ヘッド48Aまたはヘッド48Bによりディスク21へ記録される。
【0061】
また、サーボフィルタ・イコライザ146は、増幅部108A、または増幅部108Bにより信号振幅が増幅されたサーボ信号の信号波形を整形する。そして、サーボフィルタ・イコライザ146により信号波形が整形されたサーボ信号をサーボ復調部148が復調してPES(Position Error Signal)を出力する。VCM50は、サーボ復調部148から出力されるPESに応じてアクチュエータ40を駆動するための駆動信号を生成する。
【0062】
このような本実施形態にかかるHDD10は、記録時および再生時に、上面21Aおよび下面21Bの双方から読み出されるサーボ信号を利用してトラッキング制御を行なう。しかし、偏心や真円度の差などによって上面21Aのトラックおよび下面21Bのトラックの位置が一致しない場合があるため、HDD10は、この場合に備えてまず双方のトラック位置の差分を検出して記憶しておく(トレーニング)。
【0063】
具体的には、サーボ復調部148が、上面21Aからヘッド48Aにより読み出されるサーボ信号に基づいてPESを生成し、VCM50が該PESに基づいてアクチュエータ40を駆動し、ヘッド48Aを上面21Aのトラックに追従させる。この間、サーボ復調部148は、下面21Bからヘッド48Bにより読み出されたサーボ信号に基づいてPESを生成する。
【0064】
そして、HDC150は、下面21Bからヘッド48Bにより読み出されたサーボ信号に基づいて生成されたPESを、オフセット量として下面21Bのサーボ領域ごとに保持する。ここで、HDC150により下面21Bのサーボ領域ごとにオフセット量として保持されるPESは、上面21Aのトラックと下面21Bのトラックの位置の差分と実質的に等価である。
【0065】
例えば、HDC150は、図7に示した下面21Bの各トラックのサーボ領域320−1B、320−2B、320−3B、および320−4Bにおいて生成されたPESをオフセット量として保持してもよい。または、HDC150は、下面21Bの一部のサーボ領域において生成されたPESのみをオフセット量として保持してもよい。
【0066】
また、VCM50がアクチュエータ40を制御し、ヘッド48Aに複数回にわたって同一トラックを追従させ、HDC150は、その間に下面のあるサーボ領域において複数回生成されたPESの平均値をオフセット量としてとして保持してもよい。
【0067】
かかる構成においては、ノイズや機械的な外乱などによってヘッド48Aが偶発的にオフトラック(NRRO:Non Repeatable Run Out)した場合であっても、より本来の値に近いPESをオフセット量としてHDC150が保持できる。
【0068】
HDC150に、上記オフセット量が保持されると、サーボ復調部148は、HDC150に保持されているオフセット量を利用してPESを生成する。ここで、図12を参照してサーボ復調部148の詳細な構成を説明する。
【0069】
図12は、サーボ復調部148の構成を示した説明図である。図12に示したように、サーボ復調部148は、バーストA振幅検出部162と、バーストB振幅検出部164と、PES演算部166と、PES補正部168と、を備える。
【0070】
バーストA振幅検出部162は、サーボ領域のバーストAから読み出される信号の振幅VAを検出する。同様に、バーストB振幅検出部164は、サーボ領域のバーストBから読み出される信号の振幅VBを検出する。
【0071】
PES演算部166は、バーストA振幅検出部162により検出された振幅VAおよびバーストB振幅検出部164により検出された振幅VBを利用した演算によりPESを生成する。例えば、PES演算部166は、PESを(VA−VB)/(VA+VB)という演算により生成してもよい。また、PES演算部166は、振幅VAおよび振幅VBの積分差、または振幅VAおよび振幅VBをフーリエ変換して得られるスペクトル差をPESとして生成してもよい。また、サーボ変調は振幅変調に限られず、例えば位相変調であってもよい。
【0072】
PES補正部168は、PES演算部166により演算されたPESを、HDC150から供給されるオフセット量に基づいて補正する。ただし、PES補正部168は、下面21BのバーストAおよびバーストBに基づいて生成されたPESのみを補正する。このようなPES補正部168について、図13を参照して具体的に説明する。
【0073】
図13は、上面21Aおよび下面21Bのサーボ領域およびデータ領域の到来時期の関係を示した説明図である。図13に示したように、下面21Bのサーボ領域は、上面21Aのデータ領域において到来する。このような上面21Aおよび下面21Bのサーボ領域およびデータ領域の到来時期はHDC150により把握されている。
【0074】
上面21Aのサーボ領域においてPES演算部166により演算されたPESは補正の必要が無いため、PES補正部168は特にPES演算部166により演算されたPESを補正しない。一方、下面21Bのサーボ領域においてPES演算部166により演算されたPESは補正の必要がある。そこで、HDC150は、下面21Bのサーボ領域が到来すると該サーボ領域に対応するオフセット量をPES補正部168へ供給し、PES補正部168は該オフセット量に基づいてPES演算部166により演算されたPESを補正する。
【0075】
例えば、PES補正部168は、PES演算部166により演算されたPESから、HDC150により供給されたオフセット量を減算し、減算して得られた値を補正後のPESとして出力してもよい。その結果、本実施形態にかかるHDD10は、より多数のPESに基づいてアクチュエータ40を駆動できるため、サーボ領域数を増加することなくトラッキング精度の向上を図ることが出来る。
【0076】
なお、上記ではPES演算部166により演算されたPESを補正する例を説明したが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、バーストA振幅検出部162により検出された振幅VAをオフセット量に基づいて補正し、補正された振幅VAとバーストB振幅検出部164により検出された振幅VBからPESを演算してもよい。同様に、バーストB振幅検出部164により検出された振幅VBをオフセット量に基づいて補正し、補正された振幅VBとバーストA振幅検出部162により検出された振幅VAからPESを演算してもよい。
【0077】
このような本実施形態にかかるHDD10の再生時の各構成の動作状態を図14にまとめた。
【0078】
図14は、再生時のHDD10の各構成の動作状態を示した説明図である。図14に示したように、ヘッド48Aが上面21Aのデータ領域上に位置する場合、記録制御部104A、増幅部108A、フィルタ・イコライザ124、ディテクター132およびPLL136がONされる。一方、ヘッド48Aが上面21Aのサーボ領域上に位置する場合、増幅部108A、サーボフィルタ・イコライザ146およびサーボ復調部148がONされる。さらに、ヘッド48Bが下面21Bのサーボ領域上に位置する場合、増幅部108B、サーボフィルタ・イコライザ146およびサーボ復調部148がONされる。
【0079】
〔2−2〕HDDの動作
続いて、本実施形態にかかるHDD10の動作について図15および図16を参照して説明する。
【0080】
図15は、HDD10のトレーニング時の動作の流れを示したフローチャートである。図15に示したように、まず、上面21Aのサーボ領域から読み出されるバーストに基づいてVCM50がヘッド48Aを上面21Aのトラックを追従させる(S204)。そして、ヘッド48Aが上面21Aのトラックを追従している間にヘッド48Bが下面21Bからサーボ領域においてバーストを読み出す(S208)。
【0081】
さらに、サーボ復調部148のPES演算部166が、S208において読み出されたバーストからPESを演算する(S212)。そして、HDC150は、PES演算部166により演算されたPESをオフセット量として保持する(S216)。この後、図16に示す本実施形態にかかるヘッド駆動方法が行なわれる。
【0082】
図16は、本実施形態にかかるヘッド駆動方法の流れを示したフローチャートである。図16に示したように、スピンドルモータ30が駆動してディスク21の回転が開始すると(S220)、ヘッド48Aが上面21Aのサーボ領域に位置する場合(S224)、PES演算部166がバーストAおよびバーストBからPESを算出する(S228)。そして、PES演算部166により算出されたPESに基づいてVCM50がアクチュエータ40を駆動し、ヘッド48Aが上面21Aのトラックに追従するようにヘッド48の位置を制御する(S232)。
【0083】
一方、ヘッド48Bが下面21Bのサーボ領域に位置する場合(S236)、サーボ復調部148がバーストA、バーストBおよびHDC150から供給されるオフセット量からPESを算出する(S240)。具体的には、バーストA、およびバーストBの振幅からPES演算部166がPESを算出し、PES補正部168がPES演算部166により算出されたPESをHDC150から供給されるオフセット量で補正して出力する(S240)。そして、PES補正部168により補正されたPESに基づいてVCM50がアクチュエータ40を駆動し、ヘッド48Aが上面21Aのトラックに追従するようにヘッド48の位置を制御する(S232)。
【0084】
一方、ヘッド48Aが上面21Aのサーボ領域に位置せず、ヘッド48Bが下面21Bのサーボ領域に位置しない場合、ヘッド48Aが上面21Aのデータ領域に位置すると考えられる。この場合、ヘッド48Aはデータ領域からデータを読出し、フィルタ・イコライザ124、デコーダ140などが動作し、ヘッド48Aから読み出されたデータを復号する(S244)。
【0085】
なお、図16においては再生時のヘッド駆動方法の流れを説明したが、本発明は記録時にも適用可能である。記録時に適用する場合、図16に示したS244の処理が「データ記録」となる以外は特段再生時と相違しないため、説明を省略する。
【0086】
〔3〕まとめ
以上説明したように、本実施形態にかかるHDD10おいては、VCM50が、ヘッド48Aから読み出されるバーストに加え、ヘッド48Bから読み出されるバーストを利用してヘッド48Aを上面21Aのトラックに追従させる。このとき、ヘッド48Bから読み出されるバーストは、サーボ復調部148により検出された上面21Aと下面21Bのトラック位置の差分に基づいて補正されるため、上面21Aと下面21Bのトラック位置が一致していなくても、高い精度でヘッド48Aを上面21Aのトラックに追従させることができる。また、当該HDD10は、上面21Aと下面21Bの双方のサーボ領域に含まれるバーストを利用できるため、上面21Aおよび下面21Bの各々に記録されるサーボ領域数の増加を抑止できる。
【0087】
なお、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0088】
例えば、上記実施形態では、トレーニング時にヘッド48Aをサーボ領域に含まれるバーストに基づいて上面21Aのトラックに追従させる例を説明したが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、上面21Aのデータ領域に事前にトラック位置を示す情報を記録しておき、サーボ領域に含まれるバーストに加え、当該情報を利用してヘッド48Aを上面21Aのトラックに追従させてもよい。さらに、トレーニングが終了したら、当該情報を上面21Aのデータ領域から削除してもよい。
【0089】
かかる構成においては、トレーニング時、VCM50がヘッド48Aをより正確に上面21Aのトラックに追従させることができる。したがって、ヘッド48Aがオフトラックすることにより、本来と異なるPESが下面21Bから得られてしまう場合を抑制できる。その結果、上面21Aおよび下面21Bから得られるPESを利用してヘッド48Aを駆動する際の、ヘッド48Aによる上面21Aのトラックの追従精度が向上される。さらに、上記トラック位置を示す情報は上面21Aのデータ領域から削除されるため、トレーニング後はデータ領域を十分に確保することが可能である。
【0090】
本明細書のHDD10の処理における各ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、HDD10の処理における各ステップは、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)を含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本実施形態にかかるHDDの外観図である。
【図2】ディスク群に含まれるディスクの構成例を示した説明図である。
【図3】ディスク群に含まれるディスクの他の構成例を示した説明図である。
【図4A】ディスクのフォーマットの一例を示す説明図である。
【図4B】ディスクのフォーマットの一例を示す説明図である。
【図4C】ディスクのフォーマットの一例を示す説明図である。
【図5】ディスクの上面におけるサーボ領域の配置例を模式的に示した説明図である。
【図6】バーストAおよびバーストBと第Nトラックの関係を示した説明図である。
【図7】上面のトラックと下面のトラックの関係を示した説明図である。
【図8】上面のトラックと下面のトラックの関係を示した説明図である。
【図9】本実施形態に関連するHDDの構成を示した説明図である。
【図10】再生時の本実施形態に関連するHDDの各構成の動作状態を示した説明図である。
【図11】本実施形態にかかるHDDの構成を示した機能ブロック図である。
【図12】サーボ復調部の構成を示した説明図である。
【図13】上面および下面のサーボ領域およびデータ領域の到来時期の関係を示した説明図である。
【図14】再生時の本実施形態にかかるHDDの各構成の動作状態を示した説明図である。
【図15】本実施形態にかかるHDDのトレーニング時の動作の流れを示したフローチャートである。
【図16】本実施形態にかかるヘッド駆動方法の流れを示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0092】
10 HDD
20 ディスク群
21 ディスク
21A 上面
21B 下面
40 アクチュエータ
48、48A、48B ヘッド
50 VCM
146 サーボフィルタ・イコライザ
148 サーボ復調部
150 HDC
162 バーストA振幅検出部
164 バーストB振幅検出部
166 PES演算部
168 PES補正部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のトラックが形成されており、前記トラックの各々に前記トラック位置を示すサーボ信号が記録されている第1の記録面および第2の記録面を備える被記録媒体と、
前記第1の記録面のトラックから前記サーボ信号を読み出す第1のヘッドと、
前記第1のヘッドから読み出される前記サーボ信号を利用して前記第1のヘッドを前記第1の記録面のトラックに追従させるヘッド駆動部と、
前記第1のヘッドが前記第1の記録面のトラックを追従している間に、前記第2の記録面のトラックから前記サーボ信号を読み出す第2のヘッドと、
前記第2のヘッドにより読み出される前記サーボ信号に基づいて、前記第1の記録面と前記第2の記録面のトラック位置の差分を検出する検出部と、
を備え、
前記ヘッド駆動部は、前記トラック位置の差分が検出された後、前記第2のヘッドにより読み出される前記サーボ信号を前記トラック位置の差分に基づいて補正した情報をさらに利用して前記第1のヘッドに前記第1の記録面のトラックを追従させることを特徴とする、ヘッド駆動装置。
【請求項2】
前記サーボ信号は前記トラックの各々に分散して記録されており、
前記第1の記録面において前記サーボ信号が記録されている領域は、前記第2の記録面において前記サーボ信号が記録されている領域と、前記第1の記録面および前記第2の記録面の離隔方向の投影面上で一致しないことを特徴とする、請求項1に記載のヘッド駆動装置。
【請求項3】
前記第1の記録面および前記第2の記録面から読み出される前記サーボ信号が供給され、供給された前記サーボ信号を信号処理する第1の処理部と、
前記第1の記録面において前記サーボ信号が記録されている領域以外の領域から読み出される情報が供給され、供給された前記情報を信号処理する第2の処理部と、
をさらに備えることを特徴とする、請求項2に記載のヘッド駆動装置。
【請求項4】
前記検出部は、前記第2の記録面において前記サーボ信号が記録されている領域ごとに前記第1の記録面のトラック位置との差分を複数回にわたって検出し、
前記ヘッド駆動部は、前記検出部により複数回にわたって検出された前記差分の平均値を前記トラック位置の差分として利用することを特徴とする、請求項2に記載のヘッド駆動装置。
【請求項5】
前記第1の記録面に記録されている前記サーボ信号の少なくとも一部は、前記検出部により前記トラック位置の差分が検出された後に消去されることを特徴とする、請求項1に記載のヘッド駆動装置。
【請求項6】
複数のトラックが形成されており、前記トラックの各々に前記トラック位置を示すサーボ信号が記録されている第1の記録面および第2の記録面を備える被記録媒体、前記第1の記録面のトラックから前記サーボ信号を読み出す第1のヘッド、および前記第2の記録面のトラックから前記サーボ信号を読み出す第2のヘッドを備えるヘッド駆動装置において実行されるヘッド駆動方法であって、
前記第1のヘッドから読み出される前記サーボ信号を利用して前記第1のヘッドを前記第1の記録面のトラックに追従させるステップと、
前記第1のヘッドが前記第1の記録面のトラックを追従している間に、第2のヘッドが前記第2の記録面のトラックから前記サーボ信号を読み出すステップと、
前記第2のヘッドにより読み出される前記サーボ信号に基づいて、前記第1の記録面と前記第2の記録面のトラック位置の差分を検出するステップと、
前記第1のヘッドから読み出される前記サーボ信号と、前記第2のヘッドにより読み出される前記サーボ信号を前記トラック位置の差分に基づいて補正した情報を利用して前記第1のヘッドに前記第1の記録面のトラックを追従させるステップと、
を含むことを特徴とする、ヘッド駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−158033(P2009−158033A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−336569(P2007−336569)
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】