説明

ヘルメット

【課題】チンガード6の昇降を比較的良好に行わせることができるチンガード支持機構23の構造を比較的簡単にすることができかつチンガード支持機構23の動作を比較的円滑に行わせることができるとともに、チンガード支持機構23を含むチンガード6の端部付近の構造を特に嵩高にする必要がなくかつ左側および右側のチンガード支持機構23を含むヘルメット1の幅方向の寸法を特に大きくする必要がないヘルメット1を提供する。
【解決手段】チンガード支持機構23が、第1および第2の固定側部材21、27と、チンガード6に固定された可動側部材24とを備えている。チンガード6を下降位置から上昇位置に往回動させたときに、可動側部材24に設けられた環状倣い面65が第2の固定部材27に設けられた環状倣わせ面111に倣いながら往回動することによって、チンガード6が前方に移動しながら上昇する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主帽体に設けられた左側および右側のチンガード支持機構と、その左側および右側の端部付近が上記左側および右側のチンガード支持機構にそれぞれ回動可能に取り付けられたチンガードとを備えているヘルメットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
上述のように構成されたヘルメットは、特許文献1に開示されているように、従来から知られている。そして、この特許文献1に開示されているヘルメット(以下、「特許文献1のヘルメット」という。)においては、上記左側および右側のチンガード支持機構のそれぞれが、主帽体の左側面または右側面に固定された固定側ユニットと、上記チンガードの左側または右側の端部付近に固定された回動側ユニットとを備えている。また、上記固定側ユニットには、前方に向かって斜め上方に延在している第1の長手状案内孔と、この第1の長手状案内孔の下方に配されるとともに前方に向かって斜め下方に延在している第2の長手状案内孔とが設けられている。そして、上記第1の長手状案内孔の長さ方向は、上記第2の長手状案内孔の長さ方向とはほぼ直交している。また、上記第1および第2の長手状案内孔のそれぞれは、ほぼ直線状に延在している。さらに、上記回動側ユニットには、上記第1の長手状案内孔に挿入されてこの第1の長手状案内孔に案内される第1の連結部と、上記第2の長手状案内孔に挿入されてこの第2の長手状案内孔に案内される第2の連結部とが設けられている。
【0003】
上述のように構成された特許文献1のヘルメットにおいては、チンガードが最下降位置から最上昇位置に移動するときに、第2の連結部が第2の長手状案内孔の上端側からこの第2の長手状案内孔の下端側に移動する。これとともに、第1の連結部が第1の長手状案内孔の下端側から上端側に移動した後に、上記上端側から上記下端側に移動する。したがって、チンガードは、最下降位置から上昇の途中の位置まで上昇する間に、前方にも多少移動する。そして、チンガードは、この上昇の途中の位置から最上昇位置まで上昇する間に、後方にも多少移動する。さらに、チンガードは、最上昇位置から最下降位置に下降するときに、上記上昇の場合とは逆に(換言すれば、上記上昇の場合と同様に)前方にも多少移動してから後方にも多少移動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許公開No.2009/0100576
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1のヘルメットの左側または右側のチンガード支持機構においては、主帽体の左側面および右側面と、チンガードの左側および右側の端部付近との間に、第1および第2の長手状案内孔をそれぞれ備えている固定側ユニットと、第1および第2の連結部をそれぞれ備えている回動側ユニットとが設けられる必要がある。このために、チンガード支持機構のそれぞれの構造が比較的複雑であるとともに、チンガード支持機構の動作が円滑に行われ難くなるおそれがある。また、主帽体の左側面および右側面とチンガードの左側および右側の端部付近とに、上記固定側ユニットおよび上記回動側ユニットをそれぞれ設けるためのスペースが必要であるから、左側および右側のチンガード支持機構を含めたチンガードの端部付近の構造が嵩高になるとともに、左側および右側のチンガード支持機構を含むヘルメットの幅方向の寸法が大きくなるおそれがある。
【0006】
本発明は、特許文献1のヘルメットにおける上述のような欠点を、比較的簡単な構成でもって、確実に解決し得るようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、主帽体に設けられた左側および右側のチンガード支持機構と、その左側および右側の端部付近が上記左側および右側のチンガード支持機構にそれぞれ回動可能に取り付けられたチンガードとを備えているヘルメットにおいて、上記左側および右側のチンガード支持機構のそれぞれが、上記主帽体に固定された第1の固定側部材と、上記チンガードに固定された第1の可動側部材と、上記第1の固定側部材に固定された第2の固定側部材とを備え、凸型または凹型の環状倣わせ面が上記第2の固定側部材に設けられ、上記凸型または凹型の環状倣わせ面に倣いながら往復回動することができる凹型または凸型の環状倣い面が上記第1の可動側部材に設けられ、上記チンガードを下降位置から上昇方向に往回動させたときに、上記環状倣い面が上記環状倣わせ面に倣いながら往回動することによって、上記チンガードが前方に移動しながら上昇するように構成したヘルメットに係るものである。
【0008】
なお、本発明は、その第1の観点においては、その左側および右側の端部付近が上記左側および右側のチンガード支持機構に回動可能に取り付けられたシールド板をさらに備え、上記左側および右側のチンガード支持機構のそれぞれが、上記第1の可動側部材に対してほぼ前後方向に往復動可能に支持されている第2の可動側部材をさらに備え、第2の倣わせ面が上記第1の可動側部材に設けられ、上記第2の倣わせ面に倣いながら往復動することができる第2の倣い面が上記シールド板に設けられ、上記チンガードに対して上記シールド板を下降位置から上昇方向に往回動させたときに、上記第2の倣い面が上記第2の倣わせ面に倣いながら往動することによって、上記シールド板が前方に移動しながら上昇するように構成している。そして、本発明は、上記第1の観点の1つの実施態様においては、上記第2の可動側部材に設けられた第1のストッパ部と、上記第1のストッパ部に当接し得るように上記シールド板に設けられた第1の被ストッパ部とを備え、上記第1の固定側部材に設けられた第2のストッパ部と、上記第1の可動側部材に設けられた第2の被ストッパ部とをさらに備え、上記第2の固定側部材に設けられた第3のストッパ部と、上記シールド板に設けられた第3の被ストッパ部とをさらに備え、上記シールド板が上記チンガードに対して第1の所定角度上昇したときには、上記第1の被ストッパ部が上記第1のストッパ部に当接することによって、上記シールド板のさらなる上昇が阻止され、上記チンガードが上記主帽体に対して上記第1の所定角度よりも大きい第2の所定角度上昇したときには、上記第2の被ストッパ部が上記第2のストッパ部に当接することによって、上記チンガードのさらなる上昇が阻止され、上記シールド板が上記主帽体に対して上記第2の所定角度ほぼ上昇したときには、上記第3の被ストッパ部が上記第3のストッパ部に当接することによって、上記シールド板のさらなる上昇が阻止されるように構成している。
【0009】
さらに、本発明は、その第2の観点においては、上記第2の固定側部材に対する上記第1の可動側部材の往復回動位置のいかんにかかわらず、上記凹型または凸型の環状倣い面が上記凸型または凹型の環状倣わせ面に対して互いに離間した3ヶ所で実質的に常時接触するように構成し、上記3ヶ所の接触によって、上記第2の固定側部材に対する上記第1の可動側部材の不要な直線往復動が阻止されるように構成している。そして、本発明は、上記第2の観点の1つの実施態様においては、上記凸型または凹型の環状倣わせ面が凸型の環状倣わせ面であり、上記凹型または凸型の環状倣い面が凹型環状倣い面であり、上記3ヶ所の接触が、
(A)上記凸型環状倣わせ面の第1の凸状倣わせ面部分の周面と、上記凹型環状倣い面のうちの、上記第1の凸状倣わせ面部分とほぼ同形の第1の凹状倣い面部分の周面およびその近傍から成る領域との相互の接触、
(B)上記凸型環状倣わせ面の第2の凸状倣わせ面部分の周面と、上記凹型環状倣わせ面のうちの、上記第2の凸状倣わせ面部分よりも周方向に長い第2の凹状倣い面部分の周面およびその近傍から成る領域との相互の接触、
(C)上記凸型環状倣わせ面のうちの上記第1の凸状倣わせ面部分と上記第2の凸状倣わせ面部分との間におけるほぼ円形状の倣わせ面本体部分の周面と、上記凹型環状倣わせ面の反り返り形状の倣い面部分の周面との接触、
である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、チンガードの昇降を比較的良好に行わせることができるチンガード支持機構の構造を比較的簡単にすることができるとともに、上記チンガード支持機構の動作を比較的円滑に行わせることができる。また、上記チンガード支持機構を含むチンガードの端部付近の構造を特に嵩高にする必要がないとともに、左側および右側のチンガード支持機構を含むヘルメットの幅方向の寸法を特に大きくする必要がない。
【0011】
また、請求項2に係る発明によれば、チンガードおよびシールド板の両方の昇降を比較的良好に行わせることができるチンガード支持機構の構造を比較的簡単にすることができるとともに、上記チンガード支持機構の動作を比較的円滑に行わせることができる。また、上記チンガード支持機構を含むチンガードの端部付近の構造を特に嵩高にする必要がないとともに、左側および右側のチンガード支持機構を含むヘルメットの幅方向の寸法を特に大きくする必要がない。
【0012】
また、請求項3に係る発明によれば、チンガードを最下降位置に保持させたままでシールド板を上昇させたときには、シールド板は第2の所定角度よりも小さい第1の所定角度しか上昇しないので、シールド板の必要以上の上昇を阻止することができる。それでいて、チンガードを上記第1の角度よりも大きい角度まで上昇させたときには、シールド板もチンガードとともに大きい角度まで上昇することができるので、チンガードが上記第1の所定角度よりも大きい角度まで上昇するときに、シールド板がチンガードの上昇を妨げるおそれがない。しかも、チンガードおよびシールド板のいずれもが、上記第2の所定角度までしか上昇しないので、チンガードおよびシールド板の必要以上の上昇を阻止することができる。
【0013】
また、請求項4に係る発明によれば、第2の固定側部材に対する第1の可動側部材の往復回動時における前者に対する後者の不要な直線往復動を、比較的簡単な構成でもって、比較的確実に阻止することができる。
【0014】
さらに、請求項5に係る発明によれば、第2の固定側部材に対する第1の可動側部材の往復回動時における前者に対する後者の不要な直線往復動を、さらに簡単な構成でもって、さらに確実に阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施例によるヘルメットの、チンガードを最下降状態にした斜視図である。(実施例1)
【図2】図1のヘルメットの、チンガードを最上昇状態にした斜視図である。(実施例1)
【図3】図1のヘルメットの左側面図である。(実施例1)
【図4】図3のヘルメットの、左側面図である。(実施例1)
【図5】組み立て工程の初期における図4のヘルメットの、シェルの左側面にベース板を取り付けた状態での左側面図である。(実施例1)
【図6】図5のシェルに取り付けられるチンガードとこのチンガードに取り付けられるシールドベースとの、互いに分離した状態での左側面図である。(実施例1)
【図7】シールドベースが取り付けられた図6のチンガードとこのシールドベースに取り付けられるシールド支軸部材との、互いに分離した状態での左側面図である。(実施例1)
【図8】シールド支軸部材がシールドベースに取り付けられた図7のチンガードとこのシールドベースを軸支するワッシャ付き軸部材との、互いに分離した状態での左側面図である。(実施例1)
【図9】ワッシャ付き軸部材を支持板にボルト止めすることによって図8のチンガードをシェルに組み込んだ状態での左側面図である。(実施例1)
【図10】図3のシールド板の左側面図である。(実施例1)
【図11】図3のヘルメットの部分的な左側面図である。(実施例1)
【図12】図11のヘルメットの、シールド板を最上昇状態にした左側面図である。(実施例1)
【図13】図3のヘルメットの、チンガードの最下降状態と、この最下降状態から上昇方向に1°回動させた状態とを示す部分的な左側面図である。(実施例1)
【図13A】図13に示すチンガードの最下降状態における部分的な拡大左側面図である。(実施例1)
【図13B】図13に示すチンガードの最下降状態から上昇方向に1°回動させた状態における部分的な拡大左側面図である。(実施例1)
【図14】図13のヘルメットの、チンガードを1°上昇させた図13の状態と、この図13の状態から上昇方向にさらに回動させることによって最下降状態から上昇方向に2°回動させた状態とを示す左側面図である。(実施例1)
【図15】図14のヘルメットの、チンガードを2°上昇させた図14の状態と、この図14の状態から上昇方向にさらに回動させることによって最下降状態から上昇方向に4°回動させた状態とを示す左側面図である。(実施例1)
【図16】図15のヘルメットの、チンガードを4°上昇させた図15の状態と、この図15の状態から上昇方向にさらに回動させることによって最下降状態から上昇方向に8°回動させた状態とを示す左側面図である。(実施例1)
【図17】図3のヘルメットの、チンガードを最下降状態から上昇方向に16°回動させた状態を示す部分的な左側面図である。(実施例1)
【図18】図3のヘルメットの、チンガードを最下降状態から開放方向に80°回動させた最上昇状態にした部分的な左側面図である。(実施例1)
【図19】図13のヘルメットにおいてチンガードの回動支点が固定位置に設定されていると仮定した一参考例であって、チンガードを最下降状態から上昇方向に1°回動させた状態にしたヘルメットの部分的な左側面図である。(参考例1)
【発明を実施するための形態】
【0016】
つぎに、本発明をチンガードが昇降可能なフルフェイス型ヘルメットに適用した一実施例を、「1、ヘルメット全体の概略的構成」、「2、チンガード支持機構の構成」および「3、チンガード支持機構の動作」に項分けして、図面を参照しつつ説明する。
【0017】
1、ヘルメット全体の概略的構成
【0018】
チンガードが昇降可能なフルフェイス型ヘルメット1は、図1〜図4に示すように、自動二輪車のライダなどの装着者の頭部に装着されるチンガードが昇降可能なフルフェイス型帽体2と、装着者の額部と顎部との間(すなわち、顔面のほぼ中央部分)に対向するように、帽体2の前面に形成された窓孔3を開閉し得るシールド板4と、帽体2の内側にそれぞれ取り付けられた左右一対の顎掛け用バンド(図示せず)とを備えている。
【0019】
図1〜図4に示す帽体2は、周知のように、ジェット型ヘルメットの帽体とほぼ同一の形状を有していてよい主帽体5と、左右一対の軸支手段7によってこの主帽体5の左右両側において主帽体5に往復回動可能に取付けられた補助帽体としてのチンガード6とを備えている。したがって、主帽体5には、前面下端から上方へ大きく切れ込んだ切り込みによって構成された大きい窓部8が形成されている。また、チンガード6は、周知のように、前方へ膨らむように弯曲した顎覆い部6aと、この顎覆い部6aの左右両端から上方に延びていて主帽体2の左右両側に左右一対の軸支手段7(換言すれば、後述のチンガード支持機構23)によってそれぞれ往復回動可能に軸支された左右一対の取り付け部6bとを備えている。そして、チンガード6が主帽体5に対して下方に回動した下降位置(特に、図1および図3に示す最下降位置)にあるときには、このチンガード6は装着者の顎部を覆う顎覆い手段として機能して窓部8の下方部分を塞ぐので、この窓部8の上方部分によって前記窓孔3が形成される。したがって、この窓孔3は、主帽体5の窓部8の上側縁部とチンガード6の上側縁部11とによって囲まれた領域から成っている。
【0020】
図1〜図4に示すシールド板4は、周知のように、ポリカーボネート、その他の硬質合成樹脂などの透明または半透明な硬質材料から成っていてよく、主帽体5の左右両側において左右一対の軸支手段12(換言すれば、後述のシールド支軸部材25)によって主帽体5に往復回動可能に取付けられている。そして、このシールド板4は、チンガード6が下降位置(特に、図1および図3に示す最下降位置)に有って顎覆い手段として機能しているときには、その復動位置(すなわち、下降位置)において窓孔3を閉塞し、また、その往動位置(すなわち、上昇位置)において窓孔3を開放する。
【0021】
図1〜図4に示す主帽体5は、周知のように、この主帽体5の外周壁を構成しているジェット型の外側シェル13と、この外側シェル13の端部の全周囲にわたって接着などにより取付けられた断面ほぼU字状などの縁部材14と、外側シェル13の内周面に当接させて接着などによって取り付けられた主帽体用裏当て部材(図示せず)とから成っていてよい。なお、外側シェル13は、周知のように、FRP、その他の硬質合成樹脂などから成る強度の大きいシェル本体の内周面に不織布などの柔軟性シートを裏張りした複合材料から成っていてよい。また、断面ほぼU字状などの縁部材14は、周知のように、発泡塩化ビニール、合成ゴム、その他の軟質合成樹脂などの可撓性に富んだ弾性材料から成っていてよい。
【0022】
上記主帽体用裏当て部材は、周知のように、図1〜図4に示す主帽体用外側シェル13の内周面に接着などにより取り付けられた主帽体用衝撃吸収ライナと、この衝撃吸収ライナの内周面をほぼ覆うように順次取り付けられた主帽体用ブロック状内装パッドおよび主帽体用裏当てカバーとから成っていてよい。そして、上記主帽体用衝撃吸収ライナは、周知のように、発泡ポリスチレン、その他の合成樹脂などの適度な剛性と適度な塑性とを備えた材料から成っていてよい。また、上記主帽体用ブロック状内装パッドは、周知のように、ウレタンフォーム、その他の合成樹脂などの柔軟性に富んだ1個または複数個の弾性材料と、この弾性材料の内側面および外側面を袋状に覆っている多孔性不織布とから成っていてよい。さらに、上記主帽体用裏当てカバーは、周知のように、主帽体用衝撃吸収ライナに対向する側の面にウレタンフォーム、その他の合成樹脂などの柔軟性に富んだ弾性材料から成る層をラミネートした多孔性不織布から成っていてよい。
【0023】
図1〜図4に示すチンガード6は、周知のように、このチンガード6の外周壁を構成している外側シェル15と、この外側シェル15の端部の一部分(具体的には、外側シェル15の上端部)に接着などにより取付けられた断面ほぼE字状などの縁部材(図示せず)と、外側シェル15の内周面に当接させて接着などにより取付けられたチンガード用裏当て部材(図示せず)とから成っていてよい。なお、外側シェル15およびその断面ほぼU字状などの縁部材は、周知のように、主帽体用の外側シェル13およびその断面ほぼU字状などの縁部材14のそれぞれについてすでに述べた材料と同様の材料から成っていてよい。
【0024】
上記チンガード用裏当て部材は、周知のように、図1〜図4に示すチンガード用外側シェル15の内周面に接着などにより取り付けられたチンガード用衝撃吸収ライナと、この衝撃吸収ライナの内周面をほぼ覆うように取付けられたチンガード用裏当てカバーとから成っていてよい。そして、チンガード用衝撃吸収ライナは、発泡ウレタンゴム、その他の合成樹脂などの適度な剛性と適度な塑性とを備えた材料から成っていてよい。また、チンガード用裏当てカバーは、塩化ビニール樹脂などの合成樹脂から成る人工皮革、その他の布地から成っていてよい。さらに、主帽体5の頭頂部付近の外周面には、図1〜図4に示すように、頭頂部用通気孔形成部材16が取り付けられている。また、チンガード6の顎覆い部6aには、通気孔17が形成されている。なお、チンガード6には、図2に示すように、このチンガード6を最下降位置にロックするロック爪部などのロック手段(図示せず)のロックを解除するために押圧操作されるロック解除用操作ボタン18が設けられている。また、主帽体5の外側面には、図2、図4および図5に示すように、チンガード6を最下降位置に保持するための上記ロック手段(図示せず)が係合するロックピン19が設けられている。
【0025】
主帽体5には、図3〜図5に示すように、シールド板4およびチンガード6のそれぞれを主帽体5に支持するのに用いられる左右一対の支持板21が設けられている。そして、これら左右一対の支持板21のそれぞれは、図5に示すように、ポリアセタール樹脂、ABS樹脂などの合成樹脂のような適当な材料から成るほぼ板状体であってよい。また、支持板21は、取り付けねじ22によって主帽体用の外側シェル13に止着されていてよい。なお、シールド板4およびチンガード6のそれぞれを主帽体5に回動可能に支持するための左右一対のチンガード支持機構23の構成および動作については、次項の「2、チンガード支持機構の構成」の項および次々項の「3、チンガード支持機構の動作」の項において詳細に説明する。
【0026】
2、チンガード支持機構の構成
【0027】
左右一対のチンガード支持機構23のうちの左側のチンガード支持機構23と右側のチンガード支持機構23とは、互いに左右対称的に構成されている。したがって、以下においては、左側(換言すれば、着用者から見た左側)のチンガード支持機構23について図面を参照して説明し、右側のチンガード支持機構23についての説明は必要に応じて適宜省略する。
【0028】
左側のチンガード支持機構23は、つぎの(a)項〜(d)項に記載の構成部材を備えている:
(a)図5に示すように、取り付け手段としての取り付けねじ22によって主帽体5に取り付け固定される支持部または基板部もしくは第1の固定側部材としての支持板21、
(b)図6および図7に示すように、チンガード6の取り付け部6bに取り付け固定されるシールド板支持部またはシールド板用の基板部もしくは第1の可動側部材としてのシールドベース24、
(c)図7および図8に示すように、シールドベース24に直線往復動可能に取り付けられるシールド支軸部または第2の可動側部材としてのシールド支軸部材25、および
(d)図8および図9に示すように、固定手段としてのボルト26によって支持板21に取り付け固定される第2の固定側部材としてのワッシャ付き軸部材27。
【0029】
チンガード支持機構23を上記(a)項〜(d)項に記載の構成部材から組み立てる際には、図5に示すように、支持板21を主帽体5に取り付ける。一方、図7に示すように、シールドベース24をチンガード6の取り付け部6bに取り付ける。ついで、図8に示すように、シールド支軸部材25をシールドベース24に取り付ける。ついで、図9に示すように、ワッシャ付き軸部材27をボルト26によって支持板21に固定する。さらに、シールド板4の左側端部付近をシールド支軸部材25に取り付けることによって、図1〜図4に示すヘルメット1が得られる。
【0030】
支持板21のほぼ中央部には、図5に示すように、ボルト26を外側シェル13にねじ込み固定するときに、このボルト26が挿通される挿通孔31が設けられている。また、シールドベース24には、その外周部分に沿って、例えば4つのねじ挿通孔32a〜32dがそれぞれ配設されている。そして、これらのねじ挿通孔32a〜32dにそれぞれ挿通されたねじ(図示せず)をチンガード6の内側面のねじ穴(図示せず)にそれぞれねじ込むことによって、シールドベース24をチンガード6の取り付け部6bの内側面に取り付けるようにしている。このために、取り付け部6bは、ほぼ上方に向かって湾曲した形状を有していて横倒しになったほぼU字形状に構成されている。そして、シールドベース24の外周囲の外側面がこのほぼU字形状の取り付け部6bの内周囲の内側面に沿ってこの取り付け部6bに重ね合わされている。
【0031】
シールドベース24のねじ挿通孔32bの外周囲には、このシールドベース24の内側面から外方(換言すれば、さらに内側の方向)に向かって突出している前記第2の被ストッパ部としての円筒状などの筒状突起部33が配設されている。そして、支持板21の外側面には、上記筒状突起部33に対応するように、この筒状突起部33よりも一回り大きくかつ高さが比較的低い長円筒状などの筒状突起部34が配設されている。また、支持板21の外側面には、上記筒状突起部33に対応するように、この筒状突起部33が乗り越えることのできる横倒しのほぼ三角柱状などの柱状突起部35と、この柱状突起部35に隣接している前記第2のストッパ部としてのストッパ用の突起部36とがそれぞれ配設されている。
【0032】
支持板21の外側面のほぼ中央部分には、図5に示すように、ボルト挿通孔31を取り囲むように、ほぼ平板形状であってよいほぼ直方体形状などの突出部41が形成されている。この場合、図5を平面的に見て突出部41を形成している辺のうちの互いに対向する一対の長辺は、互いにほぼ平行に形成されている。そして、図9に示すように、この突出部41がワッシャ付き軸部材27の内側面に形成された嵌合穴42に嵌合しているので、ワッシャ付き軸部材27は、上記ほぼ平行な方向に往復摺動することができる。したがって、固定手段としてのボルト26を外側シェル13にねじ込み固定する前に、上記往復摺動を行うことによって、チンガード6(ひいては、シールド板4)の最下降位置などの前後方向における位置を簡単に調整することができる。また、突出部41の長さ方向における両側付近には、一対の開孔43a、43bがそれぞれ形成されている。そして、これら一対の開孔43a、43bには、ワッシャ付き軸部材27の内側面に配設された一対の突起部44a、44bがそれぞれ嵌合しているので、これらの嵌合によって、嵌合穴42に対する突出部41のがたつきを防止することができる。
【0033】
支持板21のうちの前側の端部付近には、図5に示すように、ほぼ上下方向においてほぼ円弧状に形成されたリブ形状の突壁部45が配設されている。そして、チンガード6を中間上昇位置からさらに上昇させたときには、シールドベース24の突壁部46が上記突壁部45に乗り上がるので、シールドベース24およびチンガード6が上記突壁部46の周辺において外側に拡げられる。このために、チンガード6は、主帽体5の窓孔3の上側の縁部材14と重なり合う部分(図4参照)において、窓孔3の上側の縁部材14に実質的に接触する(換言すれば、強く擦れる)ことがない。したがって、チンガード6が、この昇降時に、窓孔3の上側の縁部材14を損傷させることがない。
【0034】
支持板21の外側面の上端部付近には、図5に示すように、シールドベース24の往復回動時にこのシールドベース24の内側面が当接した状態で摺動することができる突条部51が配設されている。なお、突条部51は、支持板21の上端部付近に沿って弧状に湾曲していてよく、好ましくは複数本(図示の実施例においては、2本)がほぼ等間隔でもって延在していてよい。さらに、支持板21には、軽量化、材料節減などのために、好ましくは複数個(図示の実施例においては、4個)の比較的大きな貫通孔52が形成されている。
【0035】
シールドベース24の外側面には、図6および図7に示すように、一対の係合用爪部53、54が配設されている。また、シールドベース24には、係合用開孔55が配設されている。なお、一対の係合用爪部53、54と係合用開孔55とは、ほぼ正三角形の3つの角部に相当する位置にそれぞれ設けられている。一方、シールドベース24には、係合用爪部53の近傍において、第1のばね係合用凸部56が設けられている。また、シールドベース24には、突壁部46の近傍において、第2のばね係合用凸部57も設けられている。なお、シールドベース24には、これら第1および第2のばね係合用凸部56、57にそれぞれ対応して、第1および第2のばね逃げ用開口61、62がそれぞれ設けられている。さらに、シールドベース24の前端付近の上端付近には、チンガード6の取り付け部6bの先端付近に設けられた係合用爪部64が係合する係合用開口63が設けられている。
【0036】
シールドベース24のほぼ中央部分には、図6および図7に示すように、その外周囲が凹型環状倣い面65を構成している開孔66が形成されている。そして、シールドベース24の前端付近のほぼ中央部分には、その前端面が前記第2の倣わせ面としての凸状倣わせ面71を構成している突壁部72が設けられている。さらに、シールドベース24の上側および下側の外側部付近には、チンガード6の取り付け部6bの内側面に形成されている好ましくは複数本の突条部73がそれぞれ嵌合する好ましくは複数本の係合用溝74が形成されている。
【0037】
シールド支軸部材25は、図7および図8に示すように、支軸部材本体75と、この支軸部材本体75に直線往復動可能に取り付けられているロック解除用操作部材76と、このロック解除用操作部材76を直線往復動可能なようにガイドするために、支軸部材本体75に配設されているガイドピン77とを備えている。そして、操作部材76には、ガイドピン77が挿入される長孔81が設けられている。また、操作部材76は、上記直線往復動を良好に行うために支軸部材本体75によって位置保持される係合用爪部82を備えている。さらに、ロック解除用操作部材76は、その先端部に指掛け用の屈曲部83を備えている。そして、操作部材76の係合用爪部82の内側面には、段差によって形成された前記第1のストッパ部としての第1のストッパ面109が設けられている。また、ロック解除用操作部材76の基端部側には、その一側面によって構成された前記第1のストッパ部としての第2のストッパ面79を有する突出部80がほぼ後方に向かって突設されている。
【0038】
支軸部材本体75は、図7および図8に示すように、ワッシャ付き軸部材27をそのほぼ中央部分に挿通させるためのばか穴としての開孔84を有している。そして、この支軸部材本体75には、図10に示すシールド板4の第1の被係合用爪部85および前記第2の被ストッパ部としての第2の被係合用爪部86にそれぞれ係合する第1の係合用爪部87および第2の係合用爪部88が配設されている。なお、直線往復動する可動側の係合用爪部82は、第2の係合用爪部88の一部分を構成している。さらに、支軸部材本体75の内側面には、シールドベース24の係合用開孔55にガイドされる被係合用の突起部91が配設されている。
【0039】
シールド板4には、図10に示すように、第1の被係合用爪部85と第2の被係合用爪部86との間をほぼ半円形状に延在している被ガイド用突壁部92が設けられている。そして、この被ガイド用突壁部92は、第2の被係合用爪部86の近傍に欠如部90を有しているので、第1の被ガイド用突壁部92aおよび第2の被ガイド用突壁部92bから成っている。また、図7および図8に示す支軸部材本体75には、その外周囲によってこの被ガイド用突壁部92をガイドするためのガイド用突壁部93が設けられている。さらに、図8に示すように、支軸部材本体75とロック解除用操作部材76との間には、弾性付勢手段としての反撥用コイルばね94が介装されている。そして、シールドベース24と支軸部材本体75との間には、弾性付勢手段としての第1および第2の反撥用コイルばね95、96が介装されている。具体的には、第1の反撥用コイルばね95は、第1のばね係合用凸部56と支軸部材本体75の第1のばね係合用凹部97との間に介装されている。また、第2の反撥用コイルばね96は、第2のばね係合用凸部57と支軸部材本体75の第2のばね係合用凹部98との間に介装されている。
【0040】
図7および図8に示す支軸部材本体75には、開孔84側に向くように形成された波形形状のクリック用歯部101が配設されている。そして、図10に示すシールド板4の内側面には、上記クリック用歯部101に係合することができるクリック用歯部102が配設されている。また、シールド板4の内側面には、シールドベース24の突壁部72の倣わせ面71とは反対側の後端面から成る倣わせ面70にほぼ沿って往復動することができる位置保持用の突起部104が配設されている。さらに、シールド板4の内側面には、図6〜図8に示すシールドベース24の突壁部72の倣わせ面71にほぼ沿って往復動することができる前記第2の倣い面としての突起部105が配設されている。
【0041】
ワッシャ付き軸部材27は、図8および図9に示すように、軸部106と、この軸部106に一体成形されているワッシャ部107と、これらの軸部106およびワッシャ部107をそれぞれ含む軸部材27全体を貫通して延在している中央開孔108とを備えている。そして、軸部106の外周囲には、互いにほぼ対向しているほぼ前後一対の凸状倣わせ面111、112が設けられている。また、これらの凸状倣わせ面111、112の内側面には、ワッシャ付き軸部材27の前記突起部44a、44bがそれぞれ配設されている。さらに、ワッシャ部107の外周囲は、図8に示す外側面から見て、時計方向に向かうに従って径が渦巻き状に次第に小さくなっているので、前記第3のストッパ部としての段差部113が形成され、このために、ストッパ面としての被当接部113がこの段差部によって形成されている。一方、図10に示すシールド板4には、被ガイド用突壁部92の一端部において第1の被係合用爪部85に対向するように配設された前記第3のストッパ部としての当接部114が形成されている。そして、予め或る程度上昇していたシールド板4をチンガード6を上昇させることによって最上昇状態(換言すれば、80°上昇した状態)にしたときには、当接部114が被当接部113に当接することによって、シールド板4のさらなる上昇が阻止される。
【0042】
3、チンガード支持機構の動作
【0043】
シールド板4は、
(a)図1、図3および図11に示す最下降状態、
(b)図13に示す1°上昇した状態、
(c)図14に示す2°上昇した状態、
(d)図15に示す4°上昇した状態、
(e)図16に示す8°上昇した状態、
(f)図17に示す16°上昇した状態、
(g)図12に示す48°上昇した状態(換言すれば、チンガード6の最下降状態におけるシールド板4の最上昇状態)、
(h)図2、図4および図18に示す80°上昇した最上昇状態、
のそれぞれを少なくとも採ることができる。ただし、シールド板4は、ヘルメット装着者などが適当な操作を行うことによって、上記(a)項に記載の状態から上記(h)項に記載の状態まで、連続的に上昇することができる。そして、シールド板4は、ヘルメット装着者などが適当な操作を行うことによって、これとは逆に、上記(h)項に記載の状態から上記(a)項に記載の状態まで、連続的に下降することができる。
【0044】
チンガード6は、
(i)図1、図3、図9、図11および図12に示す最下降状態、
(j)図13に示す1°上昇した状態、
(k)図14に示す2°上昇した状態、
(l)図15に示す4°上昇した状態、
(m)図16に示す8°上昇した状態、
(n)図17に示す16°上昇した状態、
(o)図2、図4および図18に示す80°上昇した最上昇状態、
のそれぞれを少なくとも採ることができる。ただし、チンガード6は、ヘルメット装着者などが適当な操作を行うことによって、上記(i)項に記載の状態から上記(o)項に記載の状態まで連続的に上昇することができる。そして、チンガード6は、ヘルメット装着者などが適当な操作を行うことによって、これとは逆に、上記(o)項に記載の状態から上記(i)項に記載の状態まで連続的に下降することができる。
【0045】
上述のとおりであるから、以下において、
(ア)シールド板4およびチンガード6のそれぞれが、図1、図3、図9および図11に示すように、最下降位置にある状態、
(イ)シールド板4およびチンガード6のそれぞれが、図13に示すように、1°上昇した状態、
(ウ)シールド板4およびチンガード6のそれぞれが、図14に示すように、2°上昇した状態、
(エ)シールド板4およびチンガード6のそれぞれが、図15に示すように、4°上昇した状態、
(オ)シールド板4およびチンガード6のそれぞれが、図16に示すように、8°上昇した状態、
(カ)シールド板4およびチンガード6のそれぞれが、図17に示すように、16°上昇した状態、
(キ)シールド板4およびチンガード6のそれぞれが、図2、図4および図18に示すように、80°上昇した状態、
(ク)図12に示すように、チンガード6が最下降位置にありかつシールド板4だけが48°上昇した状態、
に項分けして、図面を参照しつつ順次説明する。
【0046】
(ア)シールド板4およびチンガード6が最下降位置にある状態
【0047】
この(ア)項に記載の状態においては、チンガード6のロック爪部などの前記ロック手段(図示せず)が図2、図4および図5に示す主帽体5のロックピン19に係合することによって、チンガード6が図1、図3、図9および図11に示す最下降位置に保持されている。そして、この状態においては、図13の一点鎖線に示すように、ワッシャ付き軸部材27の軸部106の外周囲によって構成された凸型環状倣わせ面111がシールドベース24の開孔66の外周囲によって構成された凹型環状倣い面65に部分的に接触している。具体的には、凸型環状倣わせ面111は、図13Aおよび図13Bに示すように、平面的に見て、ほぼ円形状の倣わせ面本体部分123と、この本体部分123から互いに対向するように外方にそれぞれ突出している一対の山形形状の凸状倣わせ面部分124、125とを備えている。また、凹型環状倣い面65は、凸状倣わせ面部分124と嵌合または係合もしくは接触し得るように配されかつこの凸状倣わせ面部分124とほぼ対応した山形形状を有する凹状倣い面部分126と、凸状倣わせ面部分125と接触し得るように配されかつ凸状倣わせ面部分125よりも円周方向に十分に長く(換言すれば、幅広に)構成された凹状倣い面部分127と、ほぼ円形状の倣わせ面本体部分123に接触し得るように一対の凹状倣い面部分126、127の間の一方の側に配された反り返り形状の倣い面部分131とを備えている。なお、凹状倣い面部分126、127と反り返り形状の倣い面部分131との合計3ヶ所は、互いに十分離間して配されている。
【0048】
チンガード6が図13の一点鎖線に示す最下降位置にあるときには、凹型環状倣い面126には、図13Aに示すように、凸型環状倣わせ面111がつぎの(A)項〜(C)項に記載の3ヶ所で接触している:
(A)凸状倣わせ面部分の周面124が凹状倣い面部分126の周面およびその近傍から成る領域に相対的に係合することによる両者の相互の接触、
(B)凸状倣わせ面部分125の周面が周方向に長い凹状倣い面部分127の周面およびその近傍から成る領域に接触することによる両者の相互の接触、および
(C)凸状倣わせ面部分124、125の間におけるほぼ円形状の倣わせ面本体部分123のうちの一方の側の部分123aが反り返り形状の倣い面部分131に接触することによる両者の相互の接触。
【0049】
したがって、上記3ヶ所の接触(以下、「前記3ヶ所の接触」という。)によって、ワッシャ付き軸部材27が開孔66を所定の位置に保持している。なお、前記3ヶ所の接触は、チンガード6およびシールド板4の上昇位置のいかんにかかわらず、実質的に常時行われている。
【0050】
シールド板4は、下降方向においては、チンガード6の顎覆い部6aの上端部に沿って延在している縁ゴムなどの縁部材(図示せず)によって位置規制されている。また、シールド板4は、上昇方向においては、図7に示す支軸部材本体75のクリック用歯部101にこのシールド板4のクリック用歯部102が係合することによって位置規制されている。さらに、必要に応じて、ロックレバー(図示せず)を設けることができる。この場合、このロックレバーを操作してシールド板4をロックすることによって、シールド板4の上昇を強制的に阻止することができる。そして、上記ロックレバーを非ロック状態になるように操作することによって、シールド板4を手動により上昇させることができる。また、チンガード6が最下降位置に保持された状態のままで、シールド板4を手動により上昇および下降させることもできる。
【0051】
(イ)シールド板4およびチンガード6が1°上昇した状態
【0052】
図13において一点鎖線で示す上記(ア)項に記載の状態(換言すれば、図13Aの状態)から図13において二点鎖線で示す上記(イ)項に記載の状態(換言すれば、図13Bの状態)に持ち来す場合には、図2に示すロック解除用操作ボタン18をほぼ下方に押圧操作することによって、チンガード6の前記ロック手段と主帽体5のロックピン19との係合を解除させるとともに、チンガード6を手動によって1°だけ上昇させる。このために、シールドベース24の開孔66がワッシャ付き軸部材27の軸部106に対して図13に示す時計方向に多少回動する。したがって、開孔66の凹型環状倣い面65が軸部106の凸型環状倣わせ面111に対して多少上昇しようとするので、この凹型環状倣い面65は多少上昇しながら斜め前方にも移動する。この場合、この時点ではチンガード6に一体に結合されているシールド支軸部材25がシールドベース24と一体になって移動するので、図13の一点鎖線に示す位置にあるシールド板4は、図13の二点鎖線に示すように、チンガード6と実質的に一体になって移動する。そして、前記3ヶ所の接触によって、開孔66に対する軸部106の相対的な直線移動が阻止される。このために、チンガード6およびシールド板4は、図13の一点鎖線に示す位置から図13の二点鎖線に示す位置まで上昇するとともに前方にも往動する。
【0053】
図19には、図13のヘルメット1においてチンガード6の回動支点である取り付け軸121が固定位置に設定されていると仮定した一参考例が示されている。そして、この図19においては、チンガード6が手動によって最下降状態から上昇方向に1°回動した状態が示されている。なお、チンガード6が1°回動するときには、シールド板4もチンガード6に伴われて上昇方向に1°回動する。この場合、シールド板4は、チンガード6と同様に、上昇方向に単に回動するだけである。このために、シールド板4の特に上端部の内側面が主帽体5側の縁ゴムなどの縁部材122に接触して擦れることになるから、シールド板4や縁部材122が損傷しやすい。しかし、図13などに示す図示の実施例においては、上述のように、チンガード6およびシールド板4のそれぞれが上昇方向への回動だけではなくて前方にも往動するので、このような損傷を効果的に防止することができる。
【0054】
(ウ)シールド板4およびチンガード6が2°上昇した状態
【0055】
図13において二点鎖線(換言すれば、図14において一点鎖線)で示す上記(イ)項に記載の状態から図14において二点鎖線で示す上記(ウ)項に記載の状態に持ち来す場合には、チンガード6を手動によってさらに1°だけ上昇させる。このために、上記(イ)項に記載した場合と同様に、開孔66が軸部106に対して図13に示す時計方向に多少回動するので、凸型環状倣わせ面111の凸状倣わせ面部分124は、凹状倣い面部分126から多少抜け出ようとする。したがって、図14の一点鎖線に示す位置にあるシールド板4は、図14の二点鎖線に示すように、チンガード6と実質的に一体になってさらに移動する。そして、前記3ヶ所の接触によって、開孔66に対する軸部106の相対的な直線移動が阻止される。このために、チンガード6およびシールド板4は、図14の一点鎖線に示す位置から図14の二点鎖線に示す位置までさらに上昇するとともに前方にもさらに往動する。
【0056】
(エ)シールド板4およびチンガード6が4°上昇した状態
【0057】
図14において二点鎖線(換言すれば、図15において一点鎖線)で示す上記(ウ)項に記載の状態から図15において二点鎖線で示す上記(エ)項に記載の状態に持ち来す場合には、チンガード6を手動によってさらに2°だけ上昇させる。このために、上記(ウ)項に記載した場合と同様に、開孔66が軸部106に対して図14に示す時計方向に多少回動するので、凸状倣わせ面部分124は、凹状倣い面部分126からさらに多少抜け出ようとする。したがって、図15の一点鎖線に示す位置にあるシールド板4は、図15の二点鎖線に示すように、チンガード6と実質的に一体になってさらに移動する。そして、前記3ヶ所の接触によって、開孔66に対する軸部106の相対的な直線移動が阻止される。このために、チンガード6およびシールド板4は、図15の一点鎖線に示す位置から図15の二点鎖線に示す位置までさらに上昇するとともに前方にもさらに往動する。
【0058】
(オ)シールド板4およびチンガード6が8°上昇した状態
【0059】
図15において二点鎖線(換言すれば、図16において一点鎖線)で示す上記(エ)項に記載の状態から図16において二点鎖線で示す上記(オ)項に記載の状態に持ち来す場合には、チンガード6を手動によってさらに4°だけ上昇させる。このために、上記(エ)項に記載した場合と同様に、開孔66が軸部106に対して図15に示す時計方向に或る程度回動するので、凸状倣わせ面部分124は、凹状倣い面部分126からそのほぼ全体が抜け出ようとする。したがって、図16の一点鎖線に示す位置にあるシールド板4は、図16の二点鎖線に示すように、チンガード6と実質的に一体になってさらに移動する。そして、前記3ヶ所の接触によって、開孔66に対する軸部106の相対的な直線移動が阻止される。このために、チンガード6およびシールド板4は、図16の一点鎖線に示す位置から図16の二点鎖線に示す位置まで上昇するとともに前方にも往動する。
【0060】
(カ)シールド板4およびチンガード6が16°上昇した状態
【0061】
図16において二点鎖線で示す上記(オ)項に記載の状態から図17において二点鎖線で示す上記(カ)項に記載の状態に持ち来す場合には、チンガード6を手動によってさらに8°だけ上昇させる。このために、上記(オ)項に記載した場合と同様に、開孔66が軸部106に対して図16に示す時計方向に或る程度回動するので、凸状倣わせ面部分124の全体は、凹状倣い面部分126から相対的に完全に抜け出してほぼ円形状の倣い面本体部分128に接触する。したがって、図16の二点鎖線に示す位置にあるシールド板4は、図17の二点鎖線に示すように、チンガード6と実質的に一体になって移動する。そして、前記3ヶ所の接触によって、開孔66に対する軸部106の相対的な直線移動が阻止される。このために、チンガード6およびシールド板4は、図16の二点鎖線に示す位置から図17の二点鎖線に示す位置まで上昇するとともに前方にも往動する。
【0062】
(キ)シールド板4およびチンガード6が80°上昇した状態
【0063】
図17において二点鎖線で示す上記(カ)項に記載の状態から図18において二点鎖線で示す上記(キ)項に記載の状態に持ち来す場合には、チンガード6を手動によってさらに64°上昇させる。このために、上記(カ)項に記載した場合と同様に、開孔66が軸部106に対して図17に示す時計方向に大きく回動するので、凸状倣わせ面部分124は、ほぼ円形状の倣い面本体部分128に沿って図17の反時計方向に相対的に移動する。したがって、図17の二点鎖線に示す位置にあるシールド板4は、図18の二点鎖線に示すように、チンガード6と実質的に一体になって移動する。そして、前記3ヶ所の接触によって、開孔66に対する軸部106の相対的な直線移動が阻止される。このために、チンガード6およびシールド板4は、前方には実質的に往動することなく、図17の二点鎖線に示す位置から図18の二点鎖線に示す位置まで上昇する。なお、図18の二点鎖線に示す位置は、チンガード6およびシールド板4のそれぞれにとって、最上昇位置になっている。この場合、チンガード6は、シールドベース24の筒状突起部33が支持板21の三角柱状突起部35を乗り越えてからストッパ用突起部36に当接することによって、最上昇位置からの上昇を阻止される。また、シールド板4が上記最上昇位置に持ち来されたときには、シールド板4は、このシールド板4の当接部114がワッシャ付き軸部材27のストッパ面113に当接することによって、それ以上の上昇を阻止される。
【0064】
(ク)チンガード6が最下降位置にありかつシールド板4だけが48°上昇した状態
【0065】
この(ク)項に記載の状態においては、前記(ア)項に記載の場合と同様に、チンガード6が図12に示す最下降位置に保持されている。そして、図11の実線および図13の一点鎖線で示す位置から図12の実線で示す位置までシールド板4を上昇させると、シールド板4は、チンガード6が図12に示す最下降位置に保持されている場合における最上昇位置に持ち来される。この場合、シールド板4の第1および第2の被係合用爪部85、86がシールド支軸部材25の支軸部材本体75の第1および第2の係合用爪部87、88ならびにロック解除用操作部材76の係合用爪部82に案内される。また、シールド板4の倣い用突起部105がシールドベース24の倣わせ面71に沿って下方から上方に移動するので、シールド板4は、単に上昇するだけではなく、多少前方にも移動する。このために、シールド板4の内側面が主帽体5の外側面に不必要に接触することが防止される。そして、シールド板4が48°上昇した位置に持ち来されたときには、シールド板4は、このシールド板4の第2の被係合用爪部86の前記第1の被ストッパ部としての被ストッパ用の前端部86aがロック解除用操作部材76の前記第1のストッパ部としての第1のストッパ面109に当接する第1の当接によって、それ以上の上昇を阻止される。また、上述のように、シールド板4が48°上昇した位置に持ち来されたときには、シールド板4は、このシールド板4の第2の被ガイド用突壁部92bの前記第1の被ストッパ部としての被ストッパ用の前端面110が前記第1のストッパ部としての第2のストッパ面79に当接する第2の当接によっても、それ以上の上昇を阻止される。
【0066】
この場合、シールド板4が上記第1の当接および第2の当接のうちの少なくとも一方(例えば、上記第1の当接)によって主として上昇を阻止されるように構成することができる。なお、ロック解除用操作部材76を往動操作してシールド板4を取り外すときには、第1のストッパ面109が被ストッパ用前端部86aに当接しない位置まで往動する。
【0067】
チンガード6の最下降位置から最上昇位置までの回動角度は、図2、図4および図18に示すように、80°である。また、チンガード6を最下降位置に保持した状態で、シールド板4のみを最下降位置から回動させた場合のシールド板4の最上昇位置までの回動角度は、図12に示すように、48°である。したがって、シールド板4を最上昇位置に保持したままでチンガード6を最上昇位置まで回動させると、シールド板4が最下降位置から128°も回動してしまう可能性が生じる。しかし、上述のように、シールド板4の当接部114がワッシャ付き軸部材27のストッパ面113に当接するために、シールド板4の最上昇位置は最下降位置から80°上昇した位置に規制される。このために、シールド板4を上昇させた状態でチンガード6を上昇させても、シールド板4の最上昇位置は、チンガード6とシールド板4とを一体的に上昇させたときの最上昇位置と実質的に同一である。すなわち、チンガード6の最下降位置からの上昇方向への回動角度をαとした場合、αが0°〜32°である範囲においては、シールド板4の最下降位置からの上昇方向への回動角度の最大値は、48°+αになり、αが32°〜80°である範囲においては、シールド板4の最下降位置からの上昇方向への回動角度の最大値は80°になる。
【0068】
以上において、本発明の一実施例について詳細に説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に基づいて各種の変更および修正が可能である。
【0069】
例えば、上述の実施例においては、環状倣わせ面111を凸型に構成するとともに、環状倣い面65を凹型に構成した。しかし、これとは逆に、環状倣わせ面111を凹型に構成するとともに、環状倣い面65を凸型に構成してもよい。
【0070】
また、上述の実施例においては、凹型環状倣い面65を開孔66の外周囲によって構成した。しかし、凹型環状倣い面65を開孔66の外周囲によって構成する必要は必ずしもなく、凹孔や、部分的に開孔で部分的に凹孔である凹部の外周囲によって凹型環状倣い面65を構成してもよい。
【0071】
また、上述の実施例においては、環状倣わせ面111および環状倣い面65のそれぞれを完全な環形状に構成した。しかし、環状倣わせ面111および環状倣い面65のそれぞれは、前記3ヶ所の接触が良好に行われる限り、実質的にほぼ環状に構成されていればよい。
【0072】
また、上述の実施例においては、シールド板4およびチンガード6のそれぞれの最下降位置から最上昇位置までの回動角度のそれぞれを80°に構成した。しかし、この回動角度は必ずしも80°である必要はなく、そして、この回動角度のそれぞれは、実用性の観点から見て一般的に、60°〜100°の範囲であるのが好ましく、70°〜90°の範囲であるのがさらに好ましい。また、上記回動角度は、シールド板4とチンガード6とで実質的に互いに同一である必要もない。
【0073】
さらに、上述の実施例においては、チンガード6を最下降位置に保持した状態で、シールド板4のみを最下降位置から回動させた場合の最上昇位置までの回動角度は、48°である。しかし、この回動角度は、必ずしも48°である必要はない。そして、この回動角度は、実用性の観点から見て一般的に、36°〜60°の範囲であるのが好ましく、40°〜56°の範囲であるのがさらに好ましい。
【符号の説明】
【0074】
1 フルフェイス型ヘルメット
4 シールド板
5 主帽体
6 チンガード(補助帽体)
21 支持板(支持部、基板部、第1の固定側部材)
23 チンガード支持機構
24 シールドベース(シールド板支持部、シールド板用基板部、第1の可動側部材)
25 シールドベース支持部材(シールド支軸部、第2の可動側部材)
27 ワッシャ付き軸部材(第2の固定側部材)
33 筒状突起部(第2の被ストッパ部)
36 ストッパ用突起部(第2のストッパ部)
65 凹型環状倣い面
71 倣わせ面(第2の倣わせ面)
79 第2のストッパ面(第1のストッパ部)
86a 被ストッパ用前端部(第1の被ストッパ部)
105 倣い用突起部(第2の倣い面)
109 第1のストッパ面(第1のストッパ部)
110 被ストッパ用前端面(第1の被ストッパ部)
111 凸型環状倣わせ面
113 段差部(被当接部、ストッパ面、第3のストッパ部)
114 当接部(第3の被ストッパ部)
123 倣わせ面本体部分
124 凸状倣わせ面部分(第1の凸状倣わせ面部分)
125 凸状倣わせ面部分(第2の凸状倣わせ面部分)
126 凹状倣い面部分(第1の凹状倣い面部分)
127 幅広の凹状倣い面部分(第2の凹状倣い面部分)
131 反り返り形状の倣い面部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主帽体に設けられた左側および右側のチンガード支持機構と、その左側および右側の端部付近が上記左側および右側のチンガード支持機構にそれぞれ回動可能に取り付けられたチンガードとを備えているヘルメットにおいて、
上記左側および右側のチンガード支持機構のそれぞれが、上記主帽体に固定された第1の固定側部材と、上記チンガードに固定された第1の可動側部材と、上記第1の固定側部材に固定された第2の固定側部材とを備え、
凸型または凹型の環状倣わせ面が上記第2の固定側部材に設けられ、
上記凸型または凹型の環状倣わせ面に倣いながら往復回動することができる凹型または凸型の環状倣い面が上記第1の可動側部材に設けられ、
上記チンガードを下降位置から上昇方向に往回動させたときに、上記環状倣い面が上記環状倣わせ面に倣いながら往回動することによって、上記チンガードが前方に移動しながら上昇するように構成したことを特徴とするヘルメット。
【請求項2】
その左側および右側の端部付近が上記左側および右側のチンガード支持機構に回動可能に取り付けられたシールド板をさらに備え、
上記左側および右側のチンガード支持機構のそれぞれが、上記第1の可動側部材に対してほぼ前後方向に往復動可能に支持されている第2の可動側部材をさらに備え、
第2の倣わせ面が上記第1の可動側部材に設けられ、
上記第2の倣わせ面に倣いながら往復動することができる第2の倣い面が上記シールド板に設けられ、
上記チンガードに対して上記シールド板を下降位置から上昇方向に往回動させたときに、上記第2の倣い面が上記第2の倣わせ面に倣いながら往動することによって、上記シールド板が前方に移動しながら上昇するように構成したことを特徴とする請求項1に記載のヘルメット。
【請求項3】
上記第2の可動側部材に設けられた第1のストッパ部と、上記第1のストッパ部に当接し得るように上記シールド板に設けられた第1の被ストッパ部とを備え、
上記第1の固定側部材に設けられた第2のストッパ部と、上記第1の可動側部材に設けられた第2の被ストッパ部とをさらに備え、
上記第2の固定側部材に設けられた第3のストッパ部と、上記シールド板に設けられた第3の被ストッパ部とをさらに備え、
上記シールド板が上記チンガードに対して第1の所定角度上昇したときには、上記第1の被ストッパ部が上記第1のストッパ部に当接することによって、上記シールド板のさらなる上昇が阻止され、
上記チンガードが上記主帽体に対して上記第1の所定角度よりも大きい第2の所定角度上昇したときには、上記第2の被ストッパ部が上記第2のストッパ部に当接することによって、上記チンガードのさらなる上昇が阻止され、
上記シールド板が上記主帽体に対して上記第2の所定角度ほぼ上昇したときには、上記第3の被ストッパ部が上記第3のストッパ部に当接することによって、上記シールド板のさらなる上昇が阻止されるように構成したことを特徴とする請求項2に記載のヘルメット。
【請求項4】
上記第2の固定側部材に対する上記第1の可動側部材の往復回動位置のいかんにかかわらず、上記凹型または凸型の環状倣い面が上記凸型または凹型の環状倣わせ面に対して互いに離間した3ヶ所で実質的に常時接触するように構成し、
上記3ヶ所の接触によって、上記第2の固定側部材に対する上記第1の可動側部材の不要な直線往復動が阻止されるように構成したことを特徴とする請求項1、2または3に記載のヘルメット。
【請求項5】
上記凸型または凹型の環状倣わせ面が凸型の環状倣わせ面であり、
上記凹型または凸型の環状倣い面が凹型環状倣い面であり、
上記3ヶ所の接触が、
(A)上記凸型環状倣わせ面の第1の凸状倣わせ面部分の周面と、上記凹型環状倣い面のうちの、上記第1の凸状倣わせ面部分とほぼ同形の第1の凹状倣い面部分の周面およびその近傍から成る領域との相互の接触、
(B)上記凸型環状倣わせ面の第2の凸状倣わせ面部分の周面と、上記凹型環状倣わせ面のうちの、上記第2の凸状倣わせ面部分よりも周方向に長い第2の凹状倣い面部分の周面およびその近傍から成る領域との相互の接触、
(C)上記凸型環状倣わせ面のうちの上記第1の凸状倣わせ面部分と上記第2の凸状倣わせ面部分との間におけるほぼ円形状の倣わせ面本体部分の周面と、上記凹型環状倣わせ面の反り返り形状の倣い面部分の周面との接触、
であることを特徴とする請求項4に記載のヘルメット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−79459(P2013−79459A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−219240(P2011−219240)
【出願日】平成23年10月3日(2011.10.3)
【出願人】(390005429)株式会社SHOEI (14)
【Fターム(参考)】