説明

ベクトルビジュアルシーケンスのスクランブル、デスクランブル、および供給を安全化するための方法およびシステム

【課題】ユーザの画面にディスプレイされて少なくとも一つのパラメータ(オブジェクトの色、スケール、サイズ、点座標)により決定される少なくとも一つの幾何学的な多次元オブジェクトを含む一連のフレームから構成された、少なくとも二次元の動画化されたベクトル合成ビジュアルシーケンスの供給安全化方法を得る。
【解決手段】クライアント設備への伝送前にストリームを分析して、少なくとも一つのフレームが修正されたオリジナルストリームのフォーマットと同じフォーマットを持つ主要修正ストリームと、前記修正フレームを復元可能なデジタル情報を備えた任意フォーマットの補完情報とを生成し、このように生成された前記主要修正ストリームおよび前記補完情報を、受信設備に向けて別々に伝送する。その後、受信設備で、前記主要修正ストリームおよび前記補完情報に応じてオリジナルフォーマットによるストリームの合成を計算する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画化されてベクトルグラフを用いたフォーマットで符号化された、すなわち、面が、その色、位置、および空間占有度により、所定の形状から、または境界を示す数学的な公式から決定される、ビジュアルデジタルストリームの処理および保護の分野に関する。
【0002】
本発明では、たとえばMPEG−4BIFS(「Binary Format for Scene」)規格で行われるように、形状、位置、色、サイズ、および/または他のパラメータからオブジェクトを記述する多次元デジタル合成オブジェクトを含むビジュアルストリームの内容を、視覚的にスクランブルして復元(デスクランブル)可能にする安全化方法およびシステムの提供を提案する。
【0003】
本発明は、特に、動画化されてベクトルグラフを用いたフォーマットで符号化された二次元または三次元の高品質ビジュアルストリームの集合を、テレビ画面に安全に送信可能な装置、および/または、テレビ画面もしくはパソコンのモニタ等のディスプレイスクリーンに通信ネットワークを接続するケースのハードディスクに記録されるように構成された装置に関し、視聴品質を保持する一方で、これらのストリームまたは、デコーダケースのハードディスクもしくは他のあらゆる記録媒体に記録される視聴プログラムを、違法にコピーしうるあらゆる不正使用を回避するものである。本発明は、クライアントサーバシステムおよび、安全化されたビジュアルシーケンスの視聴を可能にするストリームを供給する前記サーバと、デジタル視聴ストリームを読み込んで表示する前記クライアントとの同期機構に関する。
【背景技術】
【0004】
現行の解決方法では、無線、ケーブル、衛星タイプなどの放送ネットワークを介して、またはDSL(Digital Subscriber Line)もしくはBLR(boucle locale radio)タイプの通信ネットワークを介して、あるいはDAB(Digital Audio Broadcasting)などのネットワークを介して、映画および視聴プログラムをデジタル伝送することができる。
【0005】
さらに、このように配信される作品が無断コピーされないようにするために、作品は、当業者がよく知っている様々な手段によってしばしば暗号化され、あるいはスクランブルされる。
【0006】
複数オブジェクトからなる視聴ストリームの処理に関して、従来技術では、基本層と少なくとも一つの改善層との複数層に分割されるMPEG−4タイプのビデオオブジェクトの符号化システムおよび復号化システムを扱った、米国特許第6233356号明細書の発明「Generalized Scalability for Video Coder Based on Video Objects」が知られている。基本層は、基本表示をデコードするためのビデオオブジェクトについての情報を十分に含んでいる。いわゆる改善層は、空間領域および時間領域における解像度を増すことによって、ビデオストリームの品質を改善するための情報を含む。この従来技術は、MPEG−4多層ストリームを符号化および復号化可能な、特別な符号化および復号化方法を紹介している。しかしながら、こうした独創的な符号化方法は、オリジナルビデオストリームを保護したり、あるいはビジュアルシーケンスのオブジェクトをスクランブルしたりするために使用可能なものとして紹介されていない。
【0007】
クライアントサーバ原理に基づく視聴ストリームの供給安全化に関する発明のなかで、従来技術では、MPEG−4規格により符号化されるビデオストリームの保護方法およびシステムを提案する米国特許第2001/0053222A1号の発明「Data Processing、 Apparatus and Method」が知られている。視聴ストリームは、複数の音響ビデオオブジェクトから構成され、シーン成分がBIFS(Binary Format For Scene)フォーマットにより記述され、また、IPMP(「Intellectual Property Management and Protection」:知的所有権の保護および管理)情報を含む。シーンに含まれる全てのビジュアルオブジェクトから、ビデオオブジェクトだけを保護する。この従来技術は、合成オブジェクトに対する保護を提案していない。そのため、BIFSフォーマットによるシーンの記述が安全化されない。保護は、4つの鍵を用いた暗号化方法により実施される。暗号化されたビデオオブジェクトは、その後、ユーザに送信されるデジタルストリーム内で他のビデオオブジェクトと共に多重化される。各ユーザに固有の第一の鍵は、第二の鍵により暗号化され、その結果が第三の鍵で暗号化され、この組み合わせから二つの解錠情報が生成されて、識別されて許可された後、ユーザに送信される。これによって得られる集合がまた、第四の鍵で暗号化され、この集合が、視聴ストリームにおける別のオブジェクトとともに多重化される。第四の鍵は、周期的に更新される。このようにしてストリームが保護され、第一の鍵と二つの解錠情報とが予め受信設備に送信され、受信設備で保護ストリームが解読される。ビデオオブジェクトは、予め送信されたこの二つの解錠情報と第一の鍵とから受信設備で再生される第四の鍵と、ユーザに送信されるMPEG−4ストリームのIPMP部分に含まれる情報にプラスした第四の鍵とを用いて復元される。
【0008】
しかしながら、この解決方法では、安全性の問題を解決することができない。何故なら、ビデオストリームの保護は、デジタル鍵をベースとする暗号化システムに基づいているが、このシステムでは、受信設備に伝送されるビデオストリームが、たとえ暗号化した形態であっても、オリジナルビデオストリームに最初からある全ての情報を含むからである。そのため、クライアント設備により受信されるビデオストリームは、たとえすぐには使用できない形態で保存されているとはいえ、暗号化前のビデオストリームに最初からある全ての情報を既に含んでいる。
【0009】
公知の保護技術は、しばしば、鍵による保護システムに基づいており、ユーザは、所定の瞬間にビジュアルストリーム全体を所持する。そのため、十分な計算手段を備えた、不正な意図を持つユーザは、ビジュアル情報全体が保護ストリームにあるという単純な理由から、保護鍵を見つけられればオリジナルストリームを復元できる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、従来技術とは違って、BIFSフォーマットの原理で発生するグラフィカルなビジュアル合成コンテンツ保護用の高信頼性の解決方法を提案する。
【0011】
「従来の」大部分の保護システムとは逆に、後述する原理によって、デコードに必要な情報容量を低減しながら高い保護レベルを確保できる。
【0012】
本発明によって実施される保護は、任意の方法によるオリジナルビジュアル信号符号化情報を削除して代替する原理に基づいている。すなわち、情報の代替、修正、置き換えまたは移動である。こうした保護は、また、デジタルエンコーダの出力でバイナリーストリームの構造を知ることに基づいて行われる。
【0013】
本発明は、一般に、所定の形状から、または、オブジェクトの形状ならびに色、位置、および/または他のパラメータを記述する数学的な公式から、多次元オブジェクトを構成し、この多次元オブジェクトを用いた動画を表現するあらゆるストリームに関する。このタイプの記述に基づく幾つかのフォーマットは、「Box」(平行六面体用)、「Sphere」等の所定の形状のプリミティブと、任意の形状を形成可能にするプリミティブとを使用する。
【0014】
このようにして、ストリームは、(たとえばBitmap画像の場合のように)ディスプレイスペースの各点を充填するというよりも、ディスプレイスペースの場所を充填可能な情報を供給する。一つのシーンのこうした記述方法は、二次元または三次元のオブジェクトを使用できる。
【0015】
さらに、本発明は、これらの多次元オブジェクトを含むシーンの記述と、その動画とに関する。バイナリーストリームは、動画(移動、回転、変形など)を実施するために、上記のようなオブジェクトに経時的に行われる変換に関する情報を含む。
【0016】
本発明は、また、視聴ストリームの安全化方法の一般原理に関する。その目標は、あらゆる放送ネットワークを介したオンデマンドの自由選択による合成ビデオサービスと、ユーザのデジタルデコーダケースにおける局部的な録画と、このように配信されるチャンネルの直接視聴とを可能にすることにある。この解決方法は、ユーザの住居の外で、実際には、伝送供給ネットワークで、クライアントのもとに記録されるかまたは直接配信されるプログラムの一部を取り出して常時保存することからなり、この部分は、テレビ画面またはモニタタイプのスクリーンで前記視聴プログラムを適正に表示するのに最も重要な部分であるが、その容量は、ユーザのもとに記録された、あるいはリアルタイムで受信されたデジタル視聴プログラムの全体容量に比べて非常に少ない。欠けている部分は、前記視聴プログラムの表示時に(伝送)供給ネットワークを介して伝送される。
【0017】
以下の説明は、MPEG−4 BIFSフォーマットのストリームに関与するが、それによって発明の範囲が制限されるわけではない。本発明は、シーンの様々な部分を記述するための多次元デジタルオブジェクトを用いることにより動画視聴シーンを記述可能な、あらゆるフォーマットのストリームに同様に適用される。
【0018】
本発明によるオブジェクト保護方法は、
・オリジナルビジュアルストリームの少なくとも一部を分析してMPEG−4BIFSフォーマットに修正することからなる予備ステップと、
・伝送ステップと、
−予備ステップ中に修正されたフィールドから構成された、オリジナルビジュアルストリームのフォーマットによる主要修正ストリームおよび、
−前記主要ストリームとは別のチャンネルによる補完的なデジタル情報の伝送ステップとを含み、前記主要修正ストリームおよび前記補完情報に応じて計算により受信設備でオリジナルビジュアルストリームを復元可能にし、
・前記主要修正ストリームおよび前記補完情報から、オリジナルビジュアルストリームを受信設備で復元可能にするステップとの、三つのステップを含む。
【0019】
デジタル情報は二つの部分に分けられ、最大部分、すなわち主要修正ストリームは、従来の広帯域放送ネットワークを介して伝送され、欠けている部分、すなわち補完情報は、従来の電話ネットワークまたは、GSM、GPRSまたはUMTSといったセルラネットワーク等の狭帯域の通信ネットワークを介して、または、DSLまたはBLRタイプのネットワークのごく一部を用いて、あるいはまた、ケーブルネットワークで共有する通過帯域の部分集合を用いて、オンデマンドで送信される。視聴ストリームは、主要修正ストリームと補完情報とから、合成モジュールにより受信設備(デコーダ)で復元される。
【0020】
本発明をいっそうよく理解するために、MPEG−4 BIFSデジタルフォーマットの原理に基づく分析−スクランブル・デスクランブルモジュールを含む保護システムについて説明する。ここで説明する方法および設計は、また、上記の多次元オブジェクトを用いる全てのストリームに同様に適用される。
【0021】
本発明が提案する分析スクランブルモジュールは、「leurres」によって代替することか、または、ノード、フィールド、ルートに固有のエレメントの一部、もしくはMPEG−4 BIFSシーンを記述するかあるいはその一部をなす他の成分を修正することに基づいている。主要修正ストリームの生成時にオリジナルビジュアルストリームのデータの一部を除去して代替することによって、前記主要修正ストリームのデータだけでは前記オリジナルストリームを復元することができなくなる。
【課題を解決するための手段】
【0022】
従来技術の不都合を解消するために、本発明は、その最も広い意味において、ユーザの画面にディスプレイされて少なくとも一つのパラメータ(オブジェクトの色、スケール、サイズ、点座標)により決定される少なくとも一つの幾何学的な多次元オブジェクトを一連のフレームが含み、このフレームから構成された少なくとも二次元の動画化されたベクトル合成ビジュアルシーケンスの供給を安全化する方法に関し、クライアント設備への伝送前にストリームを分析して、オリジナルストリームのフォーマットと同じフォーマットを持つが少なくとも幾つかのフレームを修正した主要修正ストリームと、前記修正フレームを復元可能なデジタル情報を備えた任意フォーマットの補完情報とを生成し、このように生成された前記主要修正ストリームおよび前記補完情報が、受信設備に向けて別々に伝送される。
【0023】
有利には、前記分析ステップが、ストリームに記述された少なくとも一つの多次元オブジェクトの少なくとも一つのパラメータを修正することからなる。
【0024】
本発明の特定の実施形態によれば、前記少なくとも一つの多次元オブジェクトは、二次元により決定されるオブジェクトである。さらに、前記少なくとも一つの多次元オブジェクトは、三次元により決定されるオブジェクトであってもよい。
【0025】
有利には、前記ビジュアルシーケンスの符号化に使用されるフォーマットが、MPEG−4BIFSフォーマットである。この場合、本発明の好適な実施形態によれば、ビジュアルシーケンスの少なくとも一つのノード「QuantizationParameter」の少なくとも一つのパラメータが、前記分析およびスクランブル段階の際に修正または代替される。同様に、MPEG−4 BIFSの場合、および、本発明で使用される変形実施形態によれば、一つまたは複数のノードの一つまたは複数の異なるフィールドが、次のように修正される。
−幾つかのノード「Circle」のフィールド「Radius」
−幾つかのノード「Rectangle」のフィールド「Size」
−幾つかのノード「Curve」のフィールド「Coord」
−幾つかのノード「IndexedFaceSet2d」のフィールド「Coord」
−幾つかのノード「IndexedLineSet2d」のフィールド「Coord」
−幾つかの幾何学的なノード「Sphere」のフィールド「Radius」
−幾つかの幾何学的なノード「Box」のフィールド「Size」
−幾つかの幾何学的なノード「Cone」のフィールド「bottomRadius」および/または「height」
−幾つかの幾何学的なノード「Cylinder」のフィールド「Radius」および/または「height」
−幾つかの幾何学的なノード「IndexedFaceSet」のフィールド「Coord」および/または「SFNormalNode」
−幾つかの幾何学的なノード「IndexedLineSet」のフィールド「Coord」
【0026】
さらに、本発明の変形実施形態によれば、BIFS−Animプロトコルにより管理される少なくとも一つのイントラフレームが修正される。
【0027】
本発明の特定の実施形態によれば、受信設備で、主要修正ストリームおよび補完情報に応じてオリジナルフォーマットによるストリームの合成を計算する。
【0028】
有利には、主要ストリームに実施される修正が完全に可逆性であり(損失のない方法)、主要修正ストリームおよび補完情報から復元されるデジタルストリームが、オリジナルストリームと厳密に同じである。
【0029】
本発明の変形実施形態によれば、前記主要修正ストリームの伝送が、物理的に供給されるハードウェア媒体(CD−ROM、DVD、ハードディスク、フラッシュメモリカード)を介して行われる。
【0030】
別の変形実施形態によれば、前記補完情報の伝送が、物理的に供給されるハードウェア媒体(フラッシュメモリカード、チップカード)を介して実施される。有利には、ハードウェア媒体(フラッシュメモリカード、チップカード)が、合成段階のために使用されるアプリケーションおよびアルゴリズムを含む。
【0031】
本発明は、また、上記の方法を実施するための合成ビデオストリームの安全化システムに関し、オリジナル合成ビデオシーケンスを含む少なくとも一つのマルチメディアサーバと、オリジナルビジュアルストリームの分析装置と、前記分析に応じてオリジナルビジュアルストリームを主要修正ストリームと補完情報とに分離する装置と、少なくとも一つの通信ネットワークと、前記主要修正ストリームと前記補完情報とに応じて受信設備でビジュアルストリームを復元する少なくとも一つの装置とを含む。
【0032】
本発明は、本発明による方法の実施システム全体のアーキテクチャを示す図を参照しながら、限定的ではない以下の好適な実施形態の説明を読めば、いっそう理解されるであろう。記載されるビジュアルストリームの保護は、バイナリーストリームの構造と、MPEG−4 BIFS符号化によるそれらの特徴とに基づいて処理生成されるものである。以下、この構造について説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
MPEG−4 BIFSタイプのデジタルビジュアルシーケンスは、量子化パラメータのノード(「QuantizationParameter」)を含むかまたは含まない少なくとも一つの「Transform」ノードと、前記幾何学的な形状(「geometry」)の形状を決定するフィールド(「field」)を含む少なくとも一つの「Forme」ノード(「Shape」)とから構成される。このフィールドは、たとえば平行六面体用のボックス(「Box」)、球(「Sphere」)、矩形(矩形ドラッグ用)、円(「Circle」、円のドラッグ用)、「IndexedFaceSet2D」(多角形の頂部の座標によって決定される多角形面のドラッグ用)等の、ディスプレイされる幾何学的な形状のタイプに固有のノードを含み、これをディスプレイ可能な全てのデコーダにより用いられて、シーケンスを適正にデコードすることができる。
【0034】
当業者によく知られているように、MPEG−4 BIFSフォーマットの基本構造は、VRML(Virtual Reality Modeling Language)を直接受け継いでいる。VRML規格は、ビジュアルシーンを構成するオブジェクトを表現するための幾つかのノードを含み、シーングラフを構成し、それによって挙動および相互作用性を記述する。しかしながら、VRMLは、二次元のグラフをサポートせず、直接配信モード(「streaming」または「broadcasting」)での伝送用には構成されていない。VRMLに対してMPEG−4 BIFSに付加される要素は、二次元でのグラフィックのサポート、経時的に修正するためのシーンの更新プロトコル、経時的にシーンを構成するオブジェクトを動画化するためのシーンの動画プロトコル、時間モデル、バイナリー符号化、ならびに特別な媒体である(合成ビジュアルオブジェクトの場合、顔および身体の動画「Facial and Body Animation」、「Mesh」グリッド)。バイナリーストリームでの圧縮により、VRMLファイルと、MPEG−4で符号化される同等物との間で著しいスペース利得が得られる(少なくとも圧縮率が15倍に達する)。MPEG−4 BIFSのシーンの記述では、ノード(「Node」)、フィールド(「Field」)、およびVRMLで定義されるイベント(「event」)が用いられる。また、シーングラフは、VRMLで定義される構造と、ノードを定義して再利用するための「DEF」機構および「USE」機構とを用いる。
【0035】
二次元「2D」のシーングラフは、三次元「3D」のシーンの特別な事例であり、MPEGモードで頻繁に用いられる表現である2Dシーンを描写できるようにするためにMPEG−4 BIFSに特別に付加されたものである。3Dシーンは、2Dを表現する場合は少しも有効ではない。2Dのアニメーション表現は、特に、移動、回転、スケール変更、およびオブジェクト相互の深度に基づいている。二次元の表現は、「Transform2D」などの新しいノードと、たとえば「Circle」または「Rectangle」などの、三次元の標準オブジェクトでは定義されない新しい特別なオブジェクトとを必要とする。
【0036】
VRMLにおける相互作用性および挙動は、センサ(「sensors」)を用いて管理される。センサは、インターポレータ(「interpolators」)を用いて、ユーザの行動またはシーンの動作に応じてイベントを発生する。インターポレータは、経時的に変化する動画専用の属性と、ノード間でイベントを伝送するために用いられるルート(「ROUTEs」)とを発生できる。MPEG−4 BIFSの場合、VRMLのインターポレータを引き継いでおり、一つのノードのフィールドの値を他のノードに対応するフィールドに接続するルートを使用するとともに、ユーザの行動をキャッチするためにセンサを用いている。
【0037】
シーンの更新機構は、MPEG−4 BIFSストリームの直接配信モードの動作に基づいており、すなわち、読み込み開始時に最初のシーンが設定されるが、BIFS-Commandプロトコルにより決定される幾つかのコマンド、つまりノードや指示されたフィールド、あるいはルートの挿入(「Insert」)、削除(「Delete」)、交換(「Replace」)、または現在のシーンを新しいシーンに全面的に置き換えるためのシーンの完全な更新(「Upgrade」)といったコマンドにより、時間の経過につれてシーンを更新できる。
【0038】
動画は、読み込み時に動画化を可能にしながら大規模なデータ圧縮を行えるように構成されたBIFS−Animプロトコルにより管理される。このプロトコルにより幾つかのオブジェクトを動画化するには、オリジナルシーンで(DEFを介して)オブジェクトを決定することと、動画化されるノードおよびフィールドのリストを含む動画マスク(「Animation Mask」)が、基本ストリーム(「Elementary Stream」)に含まれるデコーダ用のコンフィギュレーション記述子(「BIFSConfig」)で定義されるようにすることとが必要である。デジタル値を含むフィールドだけを動画化できる(たとえばSF/MFInt32、SF/MFFloat、SF/MFColor)。その場合、動画に関する連続修正は、一時的なアクセスユニット(「Access Unit」)を形成する動画フレーム(「Animation Frames」)に含まれる。このレベルで、イントラ(「Intra」)モードと、予測(「Predictive」)モードとの二つのモードが存在する。イントラモードでは、フィールドの値が必然的に量子化される。予測モードでは、適切な演算処理コーダを用いて、量子化される一般値と最終伝送値との差だけが符号化される。
【0039】
量子化は、バイナリーストリームの圧縮を改善するのに用いられる。量子化は、特に、シーンが多数の座標を有する場合(多少とも数の多い頂部をもつ多角形を用いて各面が描写されるアニメーションの場合)に使用され、BIFS−Animのイントラフレームの場合は必ず行われる。特別なノード「QuantizationParameter」(QP)が決定され、これを使用すると、全てのノードとそれに続く複数ノードに量子化を行うか、または単に第一の後続ノードと、それに続く複数ノードとに量子化を行うことができる。一般に、実施される量子化は、最小値と最大値(QPに含まれる値)との間で線形である。QPはまた、最小値と最大値との間で可能な全ての値を量子化するために使用されるビット数を決定する。このようにして、多角形だけを用いて製造される二次元のアニメーションの場合、QPを使用することで、係数3の追加圧縮が得られる。
【0040】
MPEG−4 BIFSのシーンの記述は、シーン構造を記述するノードの収集からなる。ノードは、ノードデータタイプ(「Node Data Types」または「NDTs」)としてグループ化される。記号表記の観点から、単数値のフィールド(「Single Valued Fields」)を表すときは常に「SF」を用い、あるいは多数値のフィールド(「Multiple _Valued Fields」)を表すときは常に「MF」を用いる。表記する際は、変数[値]と記す。ノードは、これらのノードの属性とインターフェースとを示す「フィールド」(「fields」)と呼ばれる主要成分からなる。
【0041】
フィールドは、
−値
−この値のタイプ
−フィールドが一定か(「Field」)、修正できるか(「exposedField」)、単にイベントソース(「eventOut」)にすぎないか、または単にイベントを受容するだけか(「eventIn」)を示す挙動タイプ
等の特徴を有する。
【0042】
これらのフィールドは、圧縮を増加するために量子化可能である。
【0043】
グラフの特定の瞬間、従ってバイナリーストリームでは、部分集合ノードの1個のノードだけが有効である。各ノードには、基準として使用される単一のノード識別子(「NodeID」)が対応する。
【0044】
幾つかのフィールドは活性化しており、イベントを送る(「eventOut」)。イベントは、ルートにより伝送される。ルートは、ソースフィールドと、ターゲットフィールドとから構成され、各フィールドは、それが属するノードの識別子(「DEF_ID」)により識別される。ルートは、同じタイプの二つのフィールドを接続する。このようにして、ルートの機構により、一つの値が変わっても、この値はターゲットフィールドで直ちに変えられる。
【0045】
シーンで見えるはずの全てのエンタティは、シェイプノード(「Shape」)に結合していなければならない。「Shape」ノードは、形状(「Geometry」)フィールドと外観(「Appearence」)フィールドとの二つのフィールドを含む。「Appearance」フィールドは、色情報、充填情報、透明度情報、ならびに見え方に関する他の属性の情報を含む外観ノード(「Appearance」)、あるいは、テクスチュアのための特別なノードを、それ自体が含む。「Geometry」フィールドは、ディスプレイされるビジュアルエレメントの形状に関する情報、たとえば「Box」、「Sphere」、「Rectangle」、「Circle」、「Curve2D」、「IndexedLineSet」、「PointSet2D」、「IndexedFaceSet」、「Cone」、「Cylinder」を含む。
【0046】
3Dの一般的なケースでは、「IndexedFaceSet」が、頂部により記述される三次元の面をディスプレイする役割を果たす。頂部は、そこに含まれる「Coord」フィールドで与えられる。このフィールドは、連続座標で充填されている(すなわち、面の各点を3D座標に位置づけるための三つの値)。さらに、この面は、面全体における照明の描写を計算する際に特に使用される三次元ベクトルリストを含む通常フィールド(「SFNormalNode」)を有する。
【0047】
この実施形態が好適に適用される2Dの特別なケースでは、「IndexedFaceSet2D」が、頂部により記述される平面多角形をディスプレイする役割を果たす。頂部は、そこに含まれる「Coord」フィールドで与えられる。このフィールドは、連続座標で充填されている(2Dでは横座標値、次いで縦座標値が連続する)。ここでもまた、「IndexedLine2D」は同様に動作するが、多角形の面を閉じずに所定の座標の連続により決定される線だけをドラッグする。
【0048】
テキスト記述の例:
Transform2D

Scale0.5 0.5
Children[
QuantizationParameter

position2DQuant true
position2DMin −20.0 −20.0
position2DMax 20.0 20.0
position2DNbBits 12
colorQuant false
useEfficientCoding true

Shape

appearance Appearance

material Material2D

emissiveColor 0.8 0.566 0.2
filled TRUE
transparency 0


geometry IndexedFaceSet2D

coord Coordinate2D

point[10 −10 10 10
−10 10 −10 −10]





【0049】
面2DをMPEG−4 BIFSフォーマットで作成するこの例は、ベクトルグラフィック(「vector graphics」)を用いたフォーマットで復元可能であり、すなわち面が、その色、位置、およびスペース占有度により(所定の形状から、または、境界を示す数学的な公式から)決定される。
【0050】
さらに、MPEG−4 BIFSの完全なシーンは、多角形の各頂部を決定するために、このようにして形成された、それぞれが多数の点からなる多数のオブジェクトを含む(点が多ければ多いほど、オブジェクトの輪郭の精度が増し、品質が高くなる)。さらに、MPEG−4 BIFSのシーンは、このように決定される3Dオブジェクトと2Dの面とを同時に含むことができる。
【0051】
この簡単な例から、バイナリーストリームで幾つかのパラメータ値を直接変えることによって、オリジナルシーンが妨害されることが分かる。シーンをスクランブルするには、色、面の充填度、多次元オブジェクトの描写を縮小または拡大するスケールといった値を変更し、最終的にフィールドの一つまたは複数の座標値を変換して、オブジェクトをさらに変形する。
【0052】
結果として得られる主要修正ストリームは、オリジナルストリームが生成された標準に完全に適合するものであるが、そこに含まれる視覚的な情報は同じではない。最小サイズの補完情報を得るには、非常に多くの点を含む高レベルの動画を記述するオブジェクトの総数の中で、限られた数の多次元オブジェクトを修正する。
【0053】
有利には、コンテンツの製作者が、圧縮を増加するための規格または標準により推奨される技術を使用し、すなわち、「QuantizationParameter」ノードを使用して特に座標を量子化する。この場合、QPのフィールドを変換すること(たとえば最小値:「position2DMin」値を変更すること)は、このQPが関与する一つまたは複数のオブジェクトの表現を全面的に変える効果がある。事実、量子化パラメータの境界を変えれば、表現が修正されることになる。何故なら、これらの境界に対して点座標が符号化されているからである。このようにして、上記の変換が行われるオブジェクトのスケールを変えられる。
【0054】
劣化を増すには、幾つかの座標を同様に、たとえば任意に修正して、元の形状が確実に変形されるようにする。こうした修正は、シーンを構成する少なくとも一つのオブジェクトに対して実施される。
【0055】
有利には、ストリームの中に上記の全てのエレメントを見出して、オリジナルストリームのフォーマットに主要修正ストリームを適合させながら、幾つかのデジタル値を別のデジタル値に代替する。
【0056】
本発明による別の実施形態は、円(「Circle」)形状ノードの半径(「radius」)フィールドを修正してサイズを修正する。矩形(「Rectangle」)タイプの形状ノードの場合、サイズフィールド(「size」)を修正することにより、元のサイズを、計算されたまたは任意の「擬似」サイズに代える。さらに、曲線(「Curve2D」)ノードの座標フィールド(「SFCoordinate2DNode」)を修正することにより、表現を修正する。
【0057】
3Dオブジェクトに関しては、球(「Sphere」)形状ノードの半径(「Radius」)フィールドを修正してサイズを修正する。平行六面体(「Box」)タイプの形状ノードでは、サイズ(「size」)フィールドを修正することによって、元のサイズ(3個の値の組)を、計算されたまたは任意の「擬似」サイズに代える。
【0058】
円錐(「Cone」)を示す幾何学的な形状は、円錐の半径(「bottomRadius」)および高さ(「height」)の値を、計算されたまたは任意の「擬似」値に修正することによって変換される。
【0059】
円筒(「Cylinder」)を示す幾何学的な形状は、円筒の半径(「Radius」)および高さ(「height」)の値を、計算されたまたは任意の「擬似」値に修正することによって変換される。
【0060】
同様に、多角形ノード(「IndexedFaceSet」または「IndexedFaceSet2D」(2D表現用))の座標フィールドの修正を実施して、その表現を変える。有利には、3Dの場合、また、法線(「SFNormalNode」)フィールドを修正することにより、オブジェクトの照明方程式の推定結果と、法線ベクトルの使用を必要とする他のあらゆる結果とを修正する。
【0061】
有利には、修正が、折れ線(「IndexedLineSet」または「IndexedLineSet2D」(2D表現用))の形状ノードの座標フィールドを対象として行われ、その表現を変更する。
【0062】
また、「Transform」ノードまたは2Dの「IndexedLineSet2D」のノードのスケールフィールド(「Scale」)および/または移動(「translation」)および/または回転(「rotation」)を、計算されたまたは任意の「擬似」値に代えて、ディスプレイ時の視覚的な描写を修正する。
【0063】
本発明は、本発明によるクライアントサーバシステムの特定の実施形態を示す添付図面に関して、以下に例としてなされた限定的ではない本発明の好適な実施形態の説明により、いっそう理解されるであろう。
【0064】
オリジナルストリーム(1)は、MPEG−4 BIFSエンコーダから直接送られるデジタルストリームである。
【0065】
安全化が望まれる符号化されたオリジナルビジュアルストリーム(1)は、シーンの記述エレメントの幾つかがオリジナルの値とは異なる値に代替された以外は入力ストリーム(1)のフォーマットと同じフォーマットの主要修正ストリーム(32)を発生する分析スクランブルモジュール(31)に、接続線(2)を介して送られ、サーバ(3)に保存される。任意フォーマットの補完情報(33)は、修正、交換、代替、または移動されたシーケンスのエレメントに関する情報と、オリジナルストリーム内のそれらの値または場所とを含む。前記補完情報(33)も同様にサーバ(3)に保存される。
【0066】
本発明の特定の実施形態によれば、モジュール(31)により実施される分析ステップに続いて行われるスクランブルステップは、10組につき1組の座標を任意の1組の値により変えることによって、あらゆる「Polygone」ノードを変換することからなる。オリジナル値は、補完情報(33)に保存される。
【0067】
別の実施形態によれば、モジュール(31)で実施される分析により、所定の多角形の座標の集合に量子化を行うために使用される最小および最大の境界を決定する「QuantizationParameter」ノードの存在を検出する。モジュール(31)は、幾つかの「QuantizationParameter」ノードに対して、最小および最大の全ての境界値(2Dオブジェクトの場合は4個の値全体、オリジナル値は補完情報に保存される)を修正し、これを、適切で一貫性があるがオリジナル値とはかけ離れた「擬似」値に代える。このようにして、所定の多角形面の形状の歪み効果が得られる。
【0068】
有利には、この方法は、BIFS−Animプロトコルを使用する符号化ストリームに適用される。このタイプのストリームでは、イントラフレームが必ず量子化される。モジュール(31)は、これらのイントラフレームで使用されるQPのフィールドで修正を実施する。さらに、モジュール(31)は、保護をいっそう高めるために、イントラフレームで幾つかの面を変更する。実際、予測フレームは、イントラフレーム内で画定される面に基づいている。従って、この関係のために、イントラフレームの修正全体によって劣化が経時的に延長される。
【0069】
変換(32)によって得られるストリームは、オリジナルストリーム(1)と同じフォーマットである。
【0070】
次に、主要修正ストリーム(32)が、無線、ケーブル、衛星等の高速ネットワーク(5)を介してユーザ(8)の端末に送られ、たとえばハードディスク等のメモリ(81)に保存される。ユーザ(8)がメモリ(81)に存在するシーケンスの視聴を要求する場合、次の二つの可能性が考えられる。第一に、ユーザ(8)は、動画シーケンスを見るために必要なあらゆる権利を持っておらず、この場合、メモリ(81)に存在するスクランブルモジュール(31)が生成した動画ストリーム(32)は、読み取りバッファメモリ(83)を介して合成システム(86)に送られる。読み取りバッファメモリは、このストリームを修正せず、これをデコード可能な読取装置(87)にそのまま伝送するので、スクランブルモジュール(31)により視覚的に劣化された内容がディスプレイ画面(9)に表示される。
【0071】
第二の場合、サーバ(3)は、ユーザ(8)が動画シーケンスを見る権利を有すると判断する。この場合、合成モジュール(86)は、オリジナルシーケンス(1)の回収に必要な補完情報(33)を含むサーバ(3)に視聴要求を行う。サーバ(3)は、アナログまたはデジタル電話回線、DSL(「Digital Subscriber Line」)またはBLR(無線ローカルループ)タイプの通信ネットワークを介して、またはDAB(「Digital Audio Broadcasting」)ネットワークを介して、あるいはデジタル移動通信ネットワーク(GSM、GPRS、UMTS)(7)を介して、オリジナルシーケンスを再構成可能にする補完情報(33)を送信し、ユーザ(8)がバッファメモリ(85)にこれを保存できるようにする。有利には、ネットワーク(7)は、ネットワーク(5)と同じタイプとすることができる。
【0072】
有利には、ネットワーク(7)は、ネットワーク(5)と一体化することができる。
【0073】
合成モジュール(86)は、読み取りバッファメモリ(83)で読み込んだ主要修正ストリームと、修正されたフィールドの位置およびオリジナル値を知らせることができるバッファメモリ(85)で読み込んだ補完情報とから、オリジナルビジュアルストリームを復元する。MPEG−4 BIFSフォーマットで再構成されたシーケンスは、このフォーマット用の読み取り/デコード装置(87)に送信される。再構成されたオリジナルビジュアルシーケンスは、ユーザ(8)のディスプレイ画面(9)に表示される。
【0074】
有利には、主要修正ストリーム(32)が、ネットワーク(5)を介して読み取りバッファッメモリ(83)に直接送られてから合成モジュール(86)に送られる。
【0075】
有利には、主要修正ストリーム(32)が、CD−ROM、DVDタイプのディスク、ハードディスク、フラッシュメモリカード等のハードウェア媒体(4)に記録(録画)される。主要修正ストリーム(32)は、その後、ハードウェア媒体(4)からケース(8)のディスク読取装置(82)により読み取られ、読み取りバッファメモリ(83)に伝送され、次いで合成モジュール(86)に伝送される。
【0076】
有利には、補完情報(33)は、チップカードまたはフラッシュメモリカードからなる信用カードフォーマットのハードウェア媒体(6)に記録される。このカード(6)は、ユーザ(8)の装置のカード読取装置(84)により読み取られる。
【0077】
有利には、カード(6)は、合成システム(86)により実行されるアプリケーションおよびアルゴリズムを含む。
【0078】
有利には、装置(8)は、オフラインの携帯移動システムである。
【0079】
上記の説明は、MPEG−4 BIFS規格で規定される2Dまたは3Dオブジェクトだけに制限されるものではなく、その形状、位置、色、サイズおよび/またはそれらを記述する他のパラメータからなるオブジェクトを用いた、あらゆるフォーマットのグラフィカル/ベクトル記述に及ぶものである。
【0080】
さらに、以上に説明した概念は、上記のノードの例と同様に決定されるあらゆるノードに適用され、こうしたノードは、ノードにより記述されるオブジェクトの構造を定義するための少なくとも一つのフィールドを含む。この種のフィールドは、MPEG−4 BIFS規格の「Coord」、「Color」、「Translation」、「Rotation」、または「Scale」フィールドにより決定される機能と同様の機能を備える。
【0081】
有利には、装置(3)は、MPEG−4 BIFSにより設定されるのと同じ原理を用いたベクトル動画を表現するあらゆるストリームを変換する。
【0082】
有利には、装置(3)は、3次元動画を表現するあらゆるストリームを修正する。保護の動作原理は、上記の例と同じであるが、修正は、三次元の形状(立方体、円錐など)に固有のノードで行われる。座標に関しては、2組の座標値ではなく、3組の座標値が修正される。
【0083】
上記の例は、保護を目的とするバイナリーストリームの修正原理を示したものであり、同様の特性を有するあらゆるストリームにこれを適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明による方法の実施システム全体のアーキテクチャを示す図である。
【符号の説明】
【0085】
1 オリジナルストリーム
2 接続線
3 サーバ
31 分析スクランブルモジュール
32 主要修正ストリーム
33 補完情報
5 高速ネットワーク
6 ハードウェア媒体
7 ネットワーク
8 ユーザ
81 メモリ
83 読み取りバッファメモリ
84 カード読取装置
85 バッファメモリ
86 合成システム
87 読み取り−デコーダ装置
9 ディスプレイスクリーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの画面にディスプレイされて少なくとも一つのパラメータ(オブジェクトの色、スケール、サイズ、点座標)により決定される少なくとも一つの幾何学的な多次元オブジェクトを含む一連のフレームから構成された、少なくとも二次元の動画化されたベクトル合成ビジュアルシーケンスの供給を安全化する方法であって、クライアント設備への伝送前にストリームを分析することにより、オリジナルビジュアル信号の符号化情報を削除してこれに代わるストリームで、オリジナルストリームのフォーマットと同じフォーマットを持つが少なくとも一つのフレームが修正された主要修正ストリームと、前記修正フレームを復元可能なデジタル情報を備えた任意フォーマットの補完情報とを生成し、このように生成された前記主要修正ストリームおよび前記補完情報が、受信設備に向けて別々に伝送されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記分析ステップが、前記少なくとも一つの多次元オブジェクトの前記少なくとも一つのパラメータを修正することからなることを特徴とする請求項1に記載の少なくとも二次元のベクトルビジュアルシーケンスの供給安全化方法。
【請求項3】
前記少なくとも一つの多次元オブジェクトが二次元により決定されるオブジェクトであることを特徴とする請求項1または2に記載の少なくとも二次元のベクトルビジュアルシーケンスの供給安全化方法。
【請求項4】
前記少なくとも一つの多次元オブジェクトが三次元により決定されるオブジェクトであることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の少なくとも二次元のベクトルビジュアルシーケンスの供給安全化方法。
【請求項5】
前記ビジュアルシーケンスの符号化に使用されるフォーマットがMPEG−4BIFSフォーマットであることを特徴とする請求項1または2に記載の少なくとも二次元のベクトルビジュアルシーケンスの供給安全化方法。
【請求項6】
前記ビジュアルシーケンスの少なくとも一つのノード「QuantizationParameter」の少なくとも一つのパラメータが、前記分析およびスクランブル段階の際に修正もしくは代替されることを特徴とする請求項5に記載の少なくとも二次元のベクトルビジュアルシーケンスの供給安全化方法。
【請求項7】
受信設備で、前記主要修正ストリームおよび前記補完情報に応じてオリジナルフォーマットによるストリームの合成を計算することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の少なくとも二次元のベクトルビジュアルシーケンスの供給安全化方法。
【請求項8】
主要ストリームに実施される修正は完全に可逆性があり(損失のない方法)、主要修正ストリームおよび補完情報から復元されるデジタルストリームが、オリジナルストリームと厳密に同じであることを特徴とする請求項7に記載の少なくとも二次元のベクトルビジュアルシーケンスの供給安全化方法。
【請求項9】
前記主要修正ストリームの伝送が、物理的に供給されるハードウェア媒体(CD−ROM、DVD、ハードディスク、フラッシュメモリカード)を介して行われることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の少なくとも二次元のベクトルビジュアルシーケンスの供給安全化方法。
【請求項10】
前記補完情報の伝送が、物理的に供給されるハードウェア媒体(フラッシュメモリカード、チップカード)を介して実施されることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の少なくとも二次元のベクトルビジュアルシーケンスの供給安全化方法。
【請求項11】
ハードウェア媒体(フラッシュメモリカード、チップカード)が、前記合成段階のために使用すべきアプリケーションおよびアルゴリズムを含むことを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の少なくとも二次元のベクトルビジュアルシーケンスの供給安全化方法。
【請求項12】
オリジナルのベクトルビジュアルシーケンスを含む少なくとも一つのマルチメディアサーバを有し、オリジナルビジュアルストリームの分析装置と、前記分析に応じて、オリジナルビジュアル信号の符号化情報の削除および代替によりオリジナルビジュアルストリームを主要修正ストリームと補完情報とに分離する装置と、少なくとも一つの供給手段と、受信設備で、前記主要修正ストリームと前記補完情報とに応じてビジュアルストリームを復元する少なくとも一つの装置とを含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法を実施するための合成ビデオストリームの安全化システム。

【図1】
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【公表番号】特表2006−525712(P2006−525712A)
【公表日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−505881(P2006−505881)
【出願日】平成16年4月30日(2004.4.30)
【国際出願番号】PCT/FR2004/050179
【国際公開番号】WO2004/100552
【国際公開日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(504194926)
【氏名又は名称原語表記】MEDIALIVE
【住所又は居所原語表記】111,avenue Victor Hugo,F−75116 Paris,France
【Fターム(参考)】