説明

ベッドの在床監視システム

【課題】ベッド寝床部上に人が在床していることを確実に検知することができるベッドの在床監視システムを提供する。
【解決手段】ベッドの在床監視システム30は、ベッド寝床部21に掛かる荷重を検出する複数の荷重検出手段3から出力された複数の荷重値を合計した総荷重値が所定の第1閾値以上であるか否かを判定する総荷重値判定手段9と、複数の荷重値のうち少なくとも1つの荷重値に基づいて人Hの呼吸を検出できるか否かを判定する呼吸判定手段13と、総荷重値が第1閾値以上であると判定され、且つ、呼吸判定手段13により人Hの呼吸を検出できると判定された場合、ベッド寝床部21上に人Hが在床していると判定する在床判定手段14と、を含む。在床判定手段14は、各荷重値の所定時間当たりの変動量が所定の第2閾値以下である場合、ベッド寝床部上に人が在床していると判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベッド寝床部上に人が在床していることを検知するベッドの在床検知方法、在床検知装置、及び在床監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療施設、高齢者施設、ホテル等で用いられるベッドの寝床部上に、ベッド使用者として、病人、高齢者、宿泊客等の人が在床しているか否かを検知することができるベッドとして、例えば、特許第2868658号公報に開示されたものが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
この公報に開示されたベッドは、ベッドの脚部に作用する重量と予め定められた基準重量との差重量を求め、この差重量が予め定められた判定重量を超えている時に、ベッド寝床部(ベッド本体)上に人がいることを示す人体検知信号を出力するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2868658号公報(請求項1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
而して、上記のベッドでは、ベッド寝床部上に存在しているのが人であるか物であるかに関係なく、差重量が判定重量を超えている時に人体検知信号が出力されるため、ベッド寝床部上に人ではなく物が存在している場合であっても、人体検知信号が出力されるという難点があった。
【0006】
本発明は、上述した技術背景に鑑みてなされたもので、その目的は、ベッド寝床部上に人が在床していることを確実に検知することができるベッドの在床検知方法、該検知方法に好適に使用可能な在床検知装置、及びベッドの在床監視システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は以下の手段を提供する。
【0008】
[1] ベッド寝床部の互いに離間した複数の部位にそれぞれ掛かる荷重を、各部位に対応する複数の荷重検出手段により検出する荷重検出工程と、
前記複数の荷重検出手段から出力された複数の荷重値を合計した総荷重値が所定の第1閾値以上であるか否かを判定する総荷重値判定工程と、
前記複数の荷重検出手段から出力された複数の荷重値のうち少なくとも1つの荷重値に基づいて人の呼吸を検出できるか否かを判定する呼吸判定工程と、
前記総荷重値判定工程において総荷重値が第1閾値以上であると判定され、且つ、前記呼吸判定工程において人の呼吸を検出できると判定された場合、ベッド寝床部上に人が在床していると判定する在床判定工程と、
を含む在床検知工程を備えていることを特徴とするベッドの在床検知方法。
【0009】
[2] 前記呼吸判定工程は、前記総荷重値判定工程において総荷重値が第1閾値以上であると判定された後で行う前項1記載のベッドの在床検知方法。
【0010】
[3] 前記在床検知工程は、
前記総荷重値判定工程において総荷重値が第1閾値以上であると判定された場合、総荷重値が第1閾値以上である状態が所定時間以上継続しているか否かを判定する第1継続時間判定工程を含んでおり、
前記在床判定工程は、さらに、前記第1継続時間判定工程において総荷重値が第1閾値以上である状態が所定時間以上継続していると判定された場合、ベッド寝床部上に人が在床していると判定する前項1又は2記載のベッドの在床検知方法。
【0011】
[4] 前記在床検知工程は、
各荷重値の所定時間当たりの変動量が所定の第2閾値以下であるか否かを判定する変動量判定工程を含んでおり、
前記在床判定工程は、さらに、前記変動量判定工程において各荷重値の所定時間当たりの変動量が第2閾値以下であると判定された場合、ベッド寝床部上に人が在床していると判定する前項1〜3のいずれかに記載のベッドの在床検知方法。
【0012】
[5] 前記呼吸判定工程は、前記変動量判定工程において各荷重値の所定時間当たりの変動量が第2閾値以下であると判定された後で行う前項4記載のベッドの在床検知方法。
【0013】
[6] 前記在床検知工程は、
前記変動量判定工程において各荷重値の所定時間当たりの変動量が第2閾値以下であると判定された場合、各荷重値の所定時間当たりの変動量が第2閾値以下である状態が所定時間以上継続しているか否かを判定する第2継続時間判定工程を含んでおり、
前記在床判定工程は、さらに、前記第2継続時間判定工程において各荷重値の所定時間当たりの変動量が第2閾値以下である状態が所定時間以上継続していると判定された場合、ベッド寝床部上に人が在床していると判定する前項4又は5記載のベッドの在床検知方法。
【0014】
[7] 前記在床検知工程は、
前記複数の荷重値に基づいてベッド寝床部上の人の重心位置を演算し、該重心位置がベッド寝床部の所定の就寝領域にあるか否かを判定する重心位置判定工程を含んでおり、
前記在床判定工程は、さらに、前記重心位置判定工程において重心位置がベッド寝床部の就寝領域にあると判定された場合、ベッド寝床部上に人が在床していると判定する前項1〜6のいずれかに記載のベッドの在床検知方法。
【0015】
[8] 前記呼吸判定工程は、前記重心位置判定工程において重心位置がベッド寝床部の就寝領域にあると判定された後で行う前項7記載のベッドの在床検知方法。
【0016】
[9] 前記在床検知工程は、
前記重心位置判定工程において重心位置がベッド寝床部の就寝領域にあると判定された場合、重心位置がベッド寝床部の就寝領域にある状態が所定時間以上継続しているか否かを判定する第3継続時間判定工程を含んでおり、
前記在床判定工程は、さらに、前記第3継続時間判定工程において重心位置がベッド寝床部の就寝領域にある状態が所定時間以上継続していると判定された場合、ベッド寝床部上に人が在床していると判定する前項7又は8記載のベッドの在床検知方法。
【0017】
[10] 前記在床検知工程は、
前記在床判定工程においてベッド寝床部上に人が在床していると判定された場合、その旨の情報を報知する報知工程を含んでいる前項1〜9のいずれかに記載のベッドの在床検知方法。
【0018】
[11] 前記在床検知工程は、
前記在床判定工程においてベッド寝床部上に人が在床していると判定された場合、その旨の情報を送信する通信工程を含んでいる前項1〜10のいずれかに記載のベッドの在床検知方法。
【0019】
[12] 前記在床判定工程においてベッド寝床部上に人が在床していると判定された場合、ベッド寝床部上の人の離床に関する情報を検出する離床情報検出工程を開始する前項1〜11のいずれかに記載のベッドの在床検知方法。
【0020】
[13] 前記在床検知工程を所定時間毎に繰り返す前項1〜12のいずれかに記載のベッドの在床検知方法。
【0021】
[14] ベッド寝床部の互いに離間した複数の部位にそれぞれ掛かる荷重を検出する複数の荷重検出手段と、
前記複数の荷重検出手段から出力された複数の荷重値を合計した総荷重値が所定の第1閾値以上であるか否かを判定する総荷重値判定手段と、
前記複数の荷重検出手段から出力された複数の荷重値のうち少なくとも1つの荷重値に基づいて人の呼吸を検出できるか否かを判定する呼吸判定手段と、
前記総荷重値判定手段により総荷重値が第1閾値以上であると判定され、且つ、前記呼吸判定手段により人の呼吸を検出できると判定された場合、ベッド寝床部上に人が在床していると判定する在床判定手段と、
を含む在床検知手段を備えていることを特徴とするベッドの在床検知装置。
【0022】
[15] 前記呼吸判定手段は、前記総荷重値判定手段により総荷重値が第1閾値以上であると判定された後で、人の呼吸を検出できるか否かを判定するものである前項14記載のベッドの在床検知装置。
【0023】
[16] 前記在床検知手段は、
前記総荷重値判定手段により総荷重値が第1閾値以上であると判定された場合、総荷重値が第1閾値以上である状態が所定時間以上継続しているか否かを判定する第1継続時間判定手段を含んでおり、
前記在床判定手段は、さらに、前記第1継続時間判定手段により総荷重値が第1閾値以上である状態が所定時間以上継続していると判定された場合、ベッド寝床部上に人が在床していると判定するものである前項14又は15記載のベッドの在床検知装置。
【0024】
[17] 前記在床検知手段は、
各荷重値の所定時間当たりの変動量が所定の第2閾値以下であるか否かを判定する変動量判定手段を含んでおり、
前記在床判定手段は、さらに、前記変動量判定手段により各荷重値の所定時間当たりの変動量が第2閾値以下であると判定された場合、ベッド寝床部上に人が在床していると判定するものである前項14〜16のいずれかに記載のベッドの在床検知装置。
【0025】
[18] 前記呼吸判定手段は、前記変動量判定手段により各荷重値の所定時間当たりの変動量が第2閾値以下であると判定された後で、人の呼吸を検出できるか否かを判定するものである前項17記載のベッドの在床検知装置。
【0026】
[19] 前記在床検知手段は、
前記変動量判定手段により各荷重値の所定時間当たりの変動量が第2閾値以下であると判定された場合、各荷重値の所定時間当たりの変動量が第2閾値以下である状態が所定時間以上継続しているか否かを判定する第2継続時間判定手段を含んでおり、
前記在床判定手段は、さらに、前記第2継続時間判定手段により各荷重値の所定時間当たりの変動量が第2閾値以下である状態が所定時間以上継続していると判定された場合、ベッド寝床部上に人が在床していると判定するものである前項17又は18記載のベッドの在床検知装置。
【0027】
[20] 前記在床検知手段は、
前記複数の荷重値に基づいてベッド寝床部上の人の重心位置を演算し、該重心位置がベッド寝床部の所定の就寝領域にあるか否かを判定する重心位置判定手段を含んでおり、
前記在床判定手段は、さらに、前記重心位置判定手段により重心位置がベッド寝床部の就寝領域にあると判定された場合、ベッド寝床部上に人が在床していると判定するものである前項14〜19のいずれかに記載のベッドの在床検知装置。
【0028】
[21] 前記呼吸判定手段は、前記重心位置判定手段により重心位置がベッド寝床部の就寝領域にあると判定された後で、人の呼吸を検出できるか否かを判定するものである前項20記載のベッドの在床検知装置。
【0029】
[22] 前記在床検知手段は、
前記重心位置判定手段により重心位置がベッド寝床部の就寝領域にあると判定された場合、重心位置がベッド寝床部の就寝領域にある状態が所定時間以上継続しているか否かを判定する第3継続時間判定手段を含んでおり、
前記在床判定手段は、さらに、前記第3継続時間判定手段により重心位置がベッド寝床部の就寝領域にある状態が所定時間以上継続していると判定された場合、ベッド寝床部上に人が在床していると判定するものである前項20又は21記載のベッドの在床検知装置。
【0030】
[23] 前記在床検知手段は、
前記在床判定手段によりベッド寝床部上に人が在床していると判定された場合、その旨の情報を報知する報知手段を含んでいる前項14〜22のいずれかに記載のベッドの在床検知装置。
【0031】
[24] 前記在床検知手段は、
前記在床判定手段によりベッド寝床部上に人が在床していると判定された場合、その旨の情報を送信する通信手段を含んでいる前項14〜23のいずれかに記載のベッドの在床検知装置。
【0032】
[25] 前記在床判定手段によりベッド寝床部上に人が在床していると判定された場合、ベッド寝床部上の人の離床に関する情報を検出する離床情報検出装置による処理を開始するものとなされている請求14〜24のいずれかに記載のベッドの在床検知装置。
【0033】
[26] 前記在床検知手段による処理を所定時間毎に繰り返すものとなされている前項14〜25のいずれかに記載のベッドの在床検知装置。
【0034】
[27] ベッド寝床部の互いに離間した複数の部位にそれぞれ掛かる荷重を検出する複数の荷重検出手段と、
前記複数の荷重検出手段から出力された複数の荷重値を合計した総荷重値が所定の第1閾値以上であるか否かを判定する総荷重値判定手段と、
前記複数の荷重検出手段から出力された複数の荷重値のうち少なくとも1つの荷重値に基づいて人の呼吸を検出できるか否かを判定する呼吸判定手段と、
前記総荷重値判定手段により総荷重値が第1閾値以上であると判定され、且つ、前記呼吸判定手段により人の呼吸を検出できると判定された場合、ベッド寝床部上に人が在床していると判定する在床判定手段と、
前記在床判定手段によりベッド寝床部上に人が在床していると判定された場合、その旨の情報を報知する報知手段と、
を含む在床検知手段を備えていることを特徴とするベッドの在床監視システム。
【発明の効果】
【0035】
本発明は以下の効果を奏する。
【0036】
[1]の発明によれば、総荷重値判定工程は、複数の荷重検出手段から出力された複数の荷重値を合計した総荷重値が所定の第1閾値以上であるか否かを判定するので、この総荷重判定工程では、ベッド寝床部上に人が在床しているのか又は人ではなく第1閾値未満の比較的軽量な物(例:荷物)や小動物(例:猫、犬)等が存在しているのかについて判別することができる。
【0037】
呼吸判定工程は、複数の荷重検出手段から出力された複数の荷重値のうち少なくとも1つの荷重値に基づいて人の呼吸を検出できるか否か判定する。
【0038】
そして、在床判定工程は、総荷重値判定工程において総荷重値が第1閾値以上であると判定された場合、すなわちベッド寝床部上に比較的軽量な物や小動物等が存在していないと判定された場合であって、且つ、呼吸判定工程において人の呼吸を検出できると判定された場合、ベッド寝床部上に人が在床していると判定するので、本発明によれば、ベッド寝床部上に人が在床していることを確実に検知することができる。
【0039】
[2]の発明によれば、呼吸判定工程は、総荷重値判定工程において総荷重値が第1閾値以上であると判定された後で、すなわちベッド寝床部上に比較的軽量な物や小動物等が存在していないと判定された後で行うので、ベッド寝床部上に人が在床していることを更に確実に検知することができる。
【0040】
[3]の発明によれば、第1継続時間判定工程は、総荷重値判定工程において総荷重値が第1閾値以上であると判定された場合、総荷重値が第1閾値以上である状態が所定時間以上継続しているか否かを判定する。
【0041】
そして、在床判定工程は、さらに、第1継続時間判定工程において総荷重値が第1閾値以上である状態が所定時間以上継続していると判定された場合、ベッド寝床部上に人が在床していると判定するので、本発明によれば、ベッド寝床部上に人が在床していることを更に確実に検知することができる。
【0042】
[4]の発明によれば、変動量判定工程は、各荷重値の所定時間当たりの変動量が所定の第2閾値以下であるか否かを判定するので、この変動量判定工程では、ベッド寝床部上の人の所定時間当たりの体動が小さいか大きいかについて判別することができる。これにより、例えば、人がベッド寝床部上をその端部から中央部の就寝領域へ移動している途中か又は既に就寝領域に到達したかについて判別することができる。すなわち、人が就寝等の目的のためにベッド寝床部上に在床する場合には、人はベッド寝床部上をその端部から中央部の就寝領域へ移動しようとするが、そのように人が移動しているときには、人の所定時間当たりの体動が大きいので、各荷重値の所定時間当たりの変動量が第2閾値を超える。そして、人がベッド寝床部の就寝領域に到達すると、人の所定時間当たりの体動が小さくなるので、各荷重値の所定時間当たりの変動量が第2閾値以下となる。換言すると、各荷重値の所定時間当たりの変動量が第2閾値以下であると判定された場合には、人が就寝等の目的のためにベッド寝床部の就寝領域に到達したと推測することができる。
【0043】
そして、在床判定工程は、さらに、変動量判定工程において各荷重値の所定時間当たりの変動量が第2閾値以下であると判定された場合、すなわち人の所定時間当たりの体動が小さいと判定された場合、ベッド寝床部上に人が在床していると判定するので、本発明によれば、ベッド寝床部上に人が就寝等の目的のために在床していることを更に確実に検知することができる。
【0044】
[5]の発明によれば、呼吸判定工程は、変動量判定工程において各荷重値の所定時間当たりの変動量が第2閾値以下であると判定された後で、すなわち人の所定時間当たりの体動が小さいと判定された後で行うので、この呼吸判定工程では、人の体動が大きいときに人の呼吸を検出できるか否かを判定する場合に比べて、当該判定を正確に行うことができる。そのため、本発明によれば、ベッド寝床部上に人が在床していることを更に確実に検知することができる。
【0045】
[6]の発明によれば、第2継続時間判定工程は、変動量判定工程において各荷重値の所定時間当たりの変動量が第2閾値以下であると判定された場合、各荷重値の所定時間当たりの変動量が第2閾値以下である状態が所定時間以上継続しているか否かを判定する。
【0046】
そして、在床判定工程は、さらに、第2継続時間判定工程において各荷重値の所定時間当たりの変動量が第2閾値以下である状態が所定時間以上継続していると判定された場合、ベッド寝床部上に人が在床していると判定するので、本発明によれば、ベッド寝床部上に人が在床していることを更に確実に検知することができる。
【0047】
[7]の発明によれば、重心位置判定工程は、複数の荷重値に基づいてベッド寝床部上の人の重心位置を演算し、該演算位置がベッド寝床部の所定の就寝領域にあるか否かを判定する。
【0048】
そして、在床判定工程は、さらに、重心位置判定工程において重心位置がベッド寝床部の就寝領域にあると判定された場合、ベッド寝床部上に人が在床していると判定するので、本発明によれば、ベッド寝床部上に人が在床していることを更に確実に検知することができる。
【0049】
[8]の発明によれば、呼吸判定工程は、重心位置判定工程において重心位置がベッド寝床部の就寝領域にあると判定された後で行うので、ベッド寝床部上に人が在床していることを更に確実に検知することができる。
【0050】
[9]の発明によれば、第3継続時間判定工程は、重心位置判定工程において重心位置がベッド寝床部の就寝領域にある状態が所定時間以上継続しているか否かを判定する。
【0051】
そして、在床判定工程は、さらに、第3継続時間判定工程において重心位置がベッド寝床部の就寝領域にある状態が所定時間以上継続していると判定された場合、ベッド寝床部上に人が在床していると判定するので、本発明によれば、ベッド寝床部上に人が在床していることを更に確実に検知することができる。
【0052】
[10]の発明によれば、ベッド寝床部上に人が在床している旨の情報を報知対象者に対して報知することができる。
【0053】
[11]の発明によれば、ベッド寝床部上に人が在床している旨の情報を送信することができる。
【0054】
[12]の発明によれば、ベッド寝床部上に人が確実に在床しているという判定結果に基づいて離床情報検出工程を開始させることができる。
【0055】
[13]の発明によれば、在床検知工程を所定時間毎に繰り返すことができる。
【0056】
[14]〜[26]の発明によれば、それぞれ上記[1]〜[13]の発明に係るベッドの在床検知方法に好適に使用可能なベッドの在床検知装置を提供できる。
【0057】
[27]の発明によれば、ベッド寝床部上に人が在床していることを監視することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係るベッドの在床検知装置の概略図である。
【図2】図2は、ベッドの寝床部の平面図である。
【図3】図3は、同検知装置の構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、同検知装置を用いた在床検知方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0059】
次に、本発明の一実施形態について図面を参照して以下に説明する。
【0060】
図1において、(1)は本発明の一実施形態に係るベッドの在床検知装置、(20)はベッドである。
【0061】
ベッド(20)は、医療施設(例:病院)、高齢者施設、介護施設、養護施設、ホテル、一般家庭等で使用されるものであり、病室、検査室、診察室、客室、寝室等における床面からなるベッド設置面(23)上に設置されている。図2に示すように、このベッド(20)の寝床部(21)は平面視長方形状である。
【0062】
ここで本明細書では、図2に示すように、ベッド寝床部(21)上に人(ベッド使用者)(H)が仰臥姿勢で就寝する状態において、人(H)の頭側を「ベッド寝床部(21)の頭側」、人(H)の足側を「ベッド寝床部(21)の足側」、人(H)の右側を「ベッド寝床部(21)の右側」、及び人(H)の左側を「ベッド寝床部(21)の左側」という。
【0063】
ベッド(20)は、図1に示すように、その寝床部(21)を所定高さ位置に水平状に支持する4個の脚部、即ち頭側右脚部(22a)、頭側左脚部(22b)、足側右脚部(22c)及び足側左脚部(22d)を有している。さらに、各脚部の下端部に、回転自在なベッド移動用キャスタ(23)が設けられている。なお本発明では、各脚部の下端部にはキャスタ(23)は必ずしも設けられる必要はない。
【0064】
このベッド寝床部(21)上には、ベッド使用者として、病人、認知症患者、高齢者、健康人、乳幼児、宿泊客等の人(H)が、就寝、休息、療養、診察、検査等のために様々な姿勢で在床する。
【0065】
なお本発明では、ベッド(20)は、就寝用や休息用ベッドであることに限定されるものではなく、その他に、診察台、検査台、ストレッチャー、ソファー等であっても良い。
【0066】
本実施形態のベッドの在床検知装置(1)は、図1に示すように、人(H)がベッド寝床部(21)上に在床していることを検知するとともに、更に、その旨の情報を通信したり報知したりするものであり、在床検知手段(2)を備えている。
【0067】
この在床検知手段(2)は、図1〜図3に示すように、第1〜第4荷重検出手段(3)(3)(3)(3)、制御装置(4)、第1通信手段(7)、判定装置(8)、第2通信手段(15)、報知手段(16)等を含んでいる。
【0068】
第1〜第4荷重検出手段(3)(3)(3)(3)は、ベッド寝床部(21)の互いに離間した複数の部位として、ベッド寝床部(21)の頭側右部、頭側左部、足側右部及び足側左部に掛かる荷重、詳述するとベッド寝床部(21)の頭側右端部、頭側左端部、足側右端部及び足側左端部に掛かる荷重を、それぞれ所定時間毎に連続して検出するものである。
【0069】
第1荷重検出手段(3)は、ベッド寝床部(21)の頭側右脚部(22a)のキャスタ(23)とベッド設置面(24)との間に配置されている。第2荷重検出手段(3)は、ベッド寝床部(21)の頭側左脚部(22b)のキャスタ(23)とベッド設置面(24)との間に配置されている。第3荷重検出手段(3)は、ベッド寝床部(21)の足側右脚部(22c)のキャスタ(23)とベッド設置面(24)との間に配置されている。第4荷重検出手段(3)は、ベッド寝床部(21)の足側左脚部(22d)のキャスタ(23)とベッド設置面(24)との間に配置されている。
【0070】
各荷重検出手段(3)は、市販されている荷重検出器から構成されており、例えば、歪みケージ等を有するロードセルから構成されている。
【0071】
各荷重検出手段(3)による1秒間当たりの荷重検出回数は、2回/s以上に設定されるのが望ましく、特に4回/s以上で100回/s以下に設定されるのが望ましい。ただし本発明では、各荷重検出手段(3)による1秒間当たりの荷重検出回数は上記の範囲であることに限定されるものではない。
【0072】
本実施形態では、各荷重検出手段(3)からは、ベッド寝床部(21)の各部位に掛かる荷重の大きさに対応した電圧が、荷重値として出力される。
【0073】
制御装置(4)は、各荷重検出手段(3)から出力される荷重値としての電圧を制御するものであり、増幅手段(5)とアナログ−デジタル変換手段(A/D変換手段)(6)とを有している。この制御装置(4)は、第1〜第4荷重検出手段(3)(3)(3)(3)のうちいずれか1つの荷重検出手段(3)に付設されている。
【0074】
増幅手段(5)は、各荷重検出手段(3)から出力された荷重値としての電圧を増幅するものである。アナログ−デジタル変換手段(6)は、増幅手段(5)により増幅された電圧をアナログ信号からデジタル信号に変換するものである。
【0075】
第1通信手段(7)は、制御装置(4)により制御された荷重値として、アナログ−デジタル変換手段(6)により変換された電圧(デジタル信号)を、電話回線網、インターネット、有線LAN、無線LAN等の所定の有線通信網又は無線通信網を介して判定装置(8)に送信するものであり、制御装置(4)に付設されている。この第1通信手段(7)はモデム等から構成されている。
【0076】
判定装置(8)は、人(H)がベッド寝床部(21)上に在床しているか否かを判定するものであり、例えば、報知対象者がいる場所(例:監視室、ナースステーション、介護者の詰め所)に設置されたり、あるいは携帯電話機(PHS機を含む。以下同じ。)に搭載されたりするものである。なお、(8a)は、第1通信手段(7)から出力された信号を受信する受信アンテナである。
【0077】
この判定装置(8)は、図3に示すように、総荷重値判定手段(9)、変動量判定手段(10)、重心位置判定手段(11)、継続時間判定手段(12)、呼吸判定手段(13)、在床判定手段(14)、記憶手段(図示せず)等を備えており、ROM、RAMその他のメモリ、CPU等を有するコンピュータにより構成されたものである。
【0078】
記憶手段には、人(H)がベッド寝床部(21)上に在床していることを検知するのに必要なプログラム、数値(第1閾値、第2閾値等)、ベッド寝床部(21)の就寝領域(21a)等が予め設定記憶されており、また検知処理の途中において処理に必要なデータなどが随時記憶される。
【0079】
総荷重値判定手段(9)には、第1〜第4荷重検出手段(3)(3)(3)(3)から出力された4つの荷重値から風袋としてのベッド(20)のみの荷重値を差し引く風袋引き処理を行う風袋引き処理部(図示せず)が付設されている。そして、この総荷重値判定手段(9)は、風袋引き処理部により風袋引き処理が行われた後の4つの荷重値を合計した総荷重値WSが所定の第1閾値T1以上であるか否かを判定するものである。
【0080】
ここで、第1〜第4荷重検出手段(3)(3)(3)(3)から出力された荷重値をそれぞれW1、W2、W3及びW4とし、第1〜第4荷重検出手段(3)(3)(3)(3)から出力された電圧をそれぞれV1、V2、V3及びV4とするとき、W1、W2、W3及びW4は、それぞれ次式(a)〜(d)により算出される。また、総荷重WSは次式(e)により算出される。
【0081】
W1=a1×V1+b1 …式(a)
W2=a2×V2+b2 …式(b)
W3=a3×V3+b3 …式(c)
W4=a4×V4+b4 …式(d)
WS=W1+W2+W3+W4 …式(e)
【0082】
ただし、
W1:第1荷重検出手段(3)から出力された荷重値
W2:第2荷重検出手段(3)から出力された荷重値
W3:第3荷重検出手段(3)から出力された荷重値
W4:第4荷重検出手段(3)から出力された荷重値
V1:第1荷重検出手段(3)から出力された電圧
V2:第2荷重検出手段(3)から出力された電圧
V3:第3荷重検出手段(3)から出力された電圧
V4:第4荷重検出手段(3)から出力された電圧
WS:総荷重値
【0083】
また、a1、a2、a3及びa4は、予め設定された0以外の定数である。b1、b2、b3及びb4は、予め設定された定数である。
【0084】
W1は、ベッド寝床部(21)の頭側右部に掛かる風袋引き処理後の荷重に対応する。W2は、ベッド寝床部(21)の頭側左部に掛かる風袋引き処理後の荷重に対応する。W3は、ベッド寝床部(21)の足側右部に掛かる風袋引き処理後の荷重に対応する。W4は、ベッド寝床部(21)の足側左部に掛かる風袋引き処理後の荷重に対応する。
【0085】
本実施形態では、総荷重値WSが第1閾値T1として例えば20kgf(196N)以上であるか否かについて、総荷重値判定手段(9)により判定される。なお、第1閾値T1は記憶手段に予め設定記憶されている。
【0086】
ただし本発明では、第1閾値T1は20kgf(196N)であることに限定されるものではなく、人(H)の身体状態や体重等に応じて様々に変更可能であり、例えば、10〜50kgf(98〜490N)の範囲に設定されることが望ましい。
【0087】
また本発明では、第1〜第4荷重検出手段(3)(3)(3)(3)から出力された荷重値として、第1〜第4検出手段(3)(3)(3)(3)から出力された風袋引き処理後の電圧(即ち、V1、V2、V3及びV4)を用いても良い。
【0088】
また本発明では、風袋引き処理部は、必ずしも総荷重値判定手段(9)に付設されることを要せず、その他に、例えば、総荷重値判定手段(9)とは別に設けられていても良い。
【0089】
変動量判定手段(10)は、各荷重検出手段(3)から出力された各荷重値の所定時間当たりの変動量ΔWがいずれも所定の第2閾値T2以下である否かを判定するものである。詳述すると、この変動量判定手段(10)は、総荷重値判定手段(9)により総荷重値WSが第1閾値T1以上であると判定された場合、各荷重値の所定時間当たりの変動量ΔWがいずれも所定の第2閾値T2以下であるか否かを判定するものである。
【0090】
本実施形態では、各荷重値の1秒間当たりの変動量ΔWが第2閾値T2として200gf(1.96N)以下であるか否かについて、変動量判定手段(10)により判定される。なお、第2閾値T2は記憶手段に予め設定記憶されている。
【0091】
ただし本発明では、第2閾値T2は200gf(1.96N)であることに限定されるものではなく、人(H)の身体状態や体重等に応じて様々に変更可能であり、例えば、100〜2000gf(0.98〜19.6N)の範囲に設定されることが望ましい。また本発明では、変動量ΔWは荷重値の1秒間当たりの変動量であることに限定されるものではなく、人(H)の身体状態や体重等に様々に変更可能であり、例えば、1〜300sの範囲の時間当たりの変動量であることが望ましい。
【0092】
重心位置判定手段(11)は、第1〜第4荷重検出手段(3)(3)(3)(3)から出力された4つの荷重値に基づいてベッド寝床部(21)上の人(H)の重心位置Gを演算し、該重心位置Gがベッド寝床部(21)上の所定の就寝領域(21a)にあるか否かを判定するものであ。詳述すると、この重心位置判定手段(11)は、変動量判定手段(10)により各荷重値の所定時間当たりの変動量ΔWが第2閾値T2以下であると判定された場合、4つの荷重値に基づいてベッド寝床部(21)上の人(H)の重心位置Gを演算し、該重心位置Gがベッド寝床部(21)の所定の就寝領域(21a)にあるか否かを判定するものである。
【0093】
この重心位置判定手段(11)では、ベッド寝床部(21)上の人(H)の重心位置Gの座標を(GX,GY)とするとき、座標(GX,GY)は例えば次式(f)及び(g)により演算される。
【0094】
GX=(W1+W2−W3−W4)×(1/WS)×(BX/2) …式(f)
GX=(W1+W3−W2−W4)×(1/WS)×(BY/2) …式(g)
【0095】
ただし、
BX:ベッド(20)の長さ方向の脚部間隔
BY:ベッド(20)の幅方向(即ち左右方向)の脚部間隔
【0096】
また、ベッド寝床部(21)の就寝領域(21a)は、ベッド寝床部(21)の中央部である。具体的に示すと、ベッド寝床部(21)の長さが1900mm、ベッド寝床部(21)の幅が830mmである場合、ベッド寝床部(21)の就寝領域(21a)は、例えば、ベッド寝床部(21)の長さ方向各端縁から中央部側に300mm以上離れ、且つ、ベッド寝床部(21)の幅方向各端縁から中央部側に100mm以上離れた領域に設定される。なお、重心位置Gを演算するのに必要なプログラム、数値(BX、BY)、就寝領域(21a)等は、記憶手段に予め設定記憶されている。
【0097】
ただし本発明では、ベッド寝床部(21)の就寝領域(21a)は、上記の領域であることに限定されるものではなく、ベッド寝床部(21)の大きさ、人(H)の身体状態、身長等に応じて様々に変更されるものである。
【0098】
継続時間判定手段(12)は、以下に示した第1継続時間判定手段、第2継続時間判定手段及び第3継続時間判定手段として機能するものである。
【0099】
第1継続時間判定手段は、総荷重値判定手段(9)により総荷重値WSが第1閾値T1以上であると判定された場合、総荷重値WSが第1閾値T1以上である状態が所定時間以上継続しているか否かを判定する。
【0100】
第2継続時間判定手段は、変動量判定手段(10)により各荷重値の所定時間当たりの変動量ΔWが第2閾値T2以下であると判定された場合、各荷重値の所定時間当たりの変動量ΔWが第2閾値T2以下である状態が所定時間以上継続しているか否かを判定する。
【0101】
第3継続時間判定手段は、重心位置判定手段(11)により重心位置Gがベッド寝床部(21)の就寝領域(21a)にあると判定された場合、重心位置Gがベッド寝床部(21)の就寝領域(21a)にある状態が所定時間以上継続しているか否かを判定する。
【0102】
継続時間判定手段(12)は以上の3つの継続時間判定手段として機能している。
【0103】
本実施形態における継続時間判定手段(12)の構成について詳述すると次のとおりである。
【0104】
すなわち、継続時間判定手段(12)は、所定の状態が継続している時間を測定する継続時間測定部(図示せず)を有している。そして、この継続時間判定手段(12)は、総荷重値判定手段(9)により総荷重値WSが第1閾値T1以上であると判定され、且つ、変動量判定手段(10)により各荷重値の所定時間当たりの変動量ΔWが第2閾値T2以下であると判定され、且つ、重心位置判定手段(11)により重心位置Gがベッド寝床部(21)の就寝領域(21a)にあると判定された場合、所定の状態として、重心位置Gがベッド寝床部(21)の就寝領域(21a)にある状態が継続している時間を継続時間測定部により測定するとともに、該継続時間測定部により測定された測定時間が所定時間以上継続しているか否かを判定するものである。
【0105】
本実施形態では、重心位置Gがベッド寝床部(21)の就寝領域(21a)にある状態が30s以上継続しているか否かについて、継続時間判定手段(12)により判定される。
【0106】
ただし本発明では、この継続時間判定手段(12)による判定時に適用される所定時間は30sであることに限定されるものではなく、人(H)の身体状態や体重等に応じて様々に変更可能であり、例えば、5〜300sの範囲の時間であることが望ましい。
【0107】
呼吸判定手段(13)は、第1〜第4荷重検出手段(3)(3)(3)(3)から出力された荷重値のうち少なくとも1つの荷重値に基づいて人(H)の呼吸を検出できるか否かを判定するものである。
【0108】
詳述すると、この呼吸判定手段(13)は、総荷重値判定手段(9)により総荷重値WSが第1閾値T1以上であると判定された後であり、且つ、変動量判定手段(10)により各荷重値の所定時間当たりの変動量ΔWが第2閾値T2以下であると判定された後であり、且つ、重心位置判定手段(11)により重心位置Gがベッド寝床部(21)の就寝領域(21a)にあると判定された後で、人(H)の呼吸を検出できるか否かを判定するものである。
【0109】
本実施形態における呼吸判定手段(13)の構成について詳述すると次のとおりである。
【0110】
すなわち、呼吸判定手段(13)は、第1〜第4荷重検出手段(3)(3)(3)(3)から出力された4つの荷重値のうち少なくとも1つの荷重値の時間的な変動パターンが、人(H)の呼吸に応じて変動する荷重値の時間的な変動パターン(以下、これを「呼吸パターン」という。)と一致しているか否かに応じて、人(H)の呼吸を検出できるか否かを判定するものである。すなわち、変動パターンが呼吸パターンと一致している場合、人(H)の呼吸を検出できると判定し、一方、変動パターンが呼吸パターンと一致していない場合(例えば、荷重値の時間的な変動がない場合)、人(H)の呼吸を検出できないと判定するものである。なお、呼吸パターンは記憶手段に予め設定記憶されている。
【0111】
本実施形態では、呼吸判定手段(13)は、4つの荷重値全ての時間的な変動パターンが呼吸パターンと一致しているか否かに応じて、人(H)の呼吸を検出できるか否かを判定するものとなされている。
【0112】
在床判定手段(14)は、ベッド寝床部(21)上に人(H)が在床していると判定するものである。
【0113】
詳述すると、この在床判定手段(14)は、総荷重値判定手段(9)により総荷重値WSが第1閾値T1以上であると判定され、且つ、変動量判定手段(10)により各荷重値の所定時間当たりの変動量ΔWが第2閾値T2以下であると判定され、且つ、重心位置判定手段(11)により重心位置Gがベッド寝床部(21)の就寝領域(21a)にあると判定され、且つ、継続時間判定手段(12)により所定の状態が所定時間以上継続していると判定され、且つ、呼吸判定手段(13)により人(H)の呼吸を検出できると判定された場合、ベッド寝床部(21)に人(H)が在床していると判定するものである。
【0114】
第2通信手段(15)は、在床判定手段(14)によりベッド寝床部(21)上に人(H)が在床していると判定された場合、その旨(即ち、ベッド寝床部(21)上に人(H)が在床している旨)の情報を、電話回線網、インターネット、有線LAN、無線LAN等の所定の有線通信網又は無線通信網を介して、遠隔地等の所定の場所に送信したり、遠隔地等に配置された報知手段(16)に送信したりするものである。この第2通信手段(15)はモデム等から構成されている。
【0115】
報知手段(16)は、在床判定手段(14)によりベッド寝床部(21)上に人(H)が在床していると判定され、そして第2通信手段(15)によりその旨の情報が送信された場合、当該その旨の情報を、看護師、介護者、監視者等の報知対象者に対して報知するものである。
【0116】
この報知手段(16)は、報知スピーカ、報知ランプ、表示手段などを有している。報知スピーカは、所定の情報を音声やブザー音等の音で報知対象者に対して報知するものである。報知ランプは、所定の情報をランプの点灯や点滅等で報知対象者に対して報知するものである。表示手段は、所定の情報を文字や図等の表示により報知対象者に対して報知するものであり、液晶ディスプレイ、CRT等により構成されている。
【0117】
この報知手段(16)は、例えば、報知対象者がいる場所(例:監視室、ナースステーション、介護者の詰め所)に設置されたり、あるいは携帯電話機に搭載されたりするものである。
【0118】
次に、本実施形態のベッドの在床検知装置(1)を用いたベッドの在床検知方法について、図4に示したフローチャートに基づいて以下に説明をする。
【0119】
図4に示すように、ステップS1では、ベッド寝床部(21)の頭側右部、頭側左部、足側右部及び足側左部に掛かる荷重を、それぞれ第1〜第4荷重検出手段(3)(3)(3)(3)により所定時間毎に連続して検出する。この工程を「荷重検出工程(S1)」という。
【0120】
このステップS1について詳述すると次のとおりである。上述したように、各荷重検出手段(3)からは、ベッド寝床部(21)の各部位に掛かる荷重の大きさに対応した電圧が、荷重値として所定時間毎に連続して出力される。そして、この各電圧は一括して制御装置(4)に送信される。送信された各電圧は、増幅手段(5)により増幅され、次いでアナログ−デジタル変換手段(6)によりアナログ信号からデジタル信号に変換され、その後、第1通信手段(7)により所定の無線通信網又は有線通信網を介して判定装置(8)の総荷重値判定手段(9)に所定時間毎に連続して送信される。
【0121】
ステップS2では、第1〜第4荷重検出手段(3)(3)(3)(3)から出力された4つの荷重値W1、W2、W3及びW4を合計した総荷重値WSが第1閾値T1として20kgf(196N)以上であるか否かを、総荷重値判定手段(9)により判定する。この工程を「総荷重値判定工程(S2)」という。そして、もし総荷重値WSが20kgf(196N)以上であると判定された場合(即ち、WS≧20kgfの場合)、「YES」としてステップS4へ進む。一方、もし総荷重値WSが20kgf(196N)以上ではないと判定された場合(即ち、WS<20kgfの場合)、「NO」としてステップS3へ進む。
【0122】
なお本ステップS2では、総荷重値判定手段(9)による判定に用いられる4つの荷重値は、いずれも総荷重値判定手段(9)の風袋引き処理部により予め風袋引き処理が行われた値である。したがって、本ステップS2において、もしベッド寝床部(21)上に人(H)や物が存在していない場合には、各荷重検出手段(3)から出力される荷重値W1、W2、W3及びW4は、いずれも0kgf(0N)に設定され、すなわち総荷重値WSは0kgf(0N)に設定される。
【0123】
ステップS3では、継続時間判定手段(12)の継続時間測定部により行われる継続時間の測定をリセットする。次いでステップS2に戻る。なお、ステップS3では、もし計測時間測定部で継続時間の測定が行われていない場合、本ステップS3を無視して(即ち本ステップS3を行わないで)ステップS2に戻る。
【0124】
ステップS4では、各荷重値の1秒間当たりの変動量ΔWが第2閾値T2として200gf(1.96N)以下であるか否かを、変動量判定手段(10)により判定する。この工程を「変動量判定工程(S4)」という。そして、もし変動量ΔWが200gf(1.96N)以下であると判定された場合(即ち、ΔW≦200gfの場合)、「YES」としてステップS5へ進む。一方、もし変動量ΔWが200gf(1.96N)以下ではないと判定された場合(即ち、ΔW>200gfの場合)、ステップS3へ戻る。
【0125】
ステップS5では、4つの荷重値に基づいてベッド寝床部(21)上の人(H)の重心位置Gを上記式(f)及び(g)に従って演算し、該重心位置Gがベッド寝床部(21)の就寝領域(21a)にあるか否かを、重心位置判定手段(11)により判定する。この工程を「重心位置判定工程(S5)」という。そして、もし重心位置Gがベッド寝床部(21)の就寝領域(21a)にあると判定された場合、「YES」としてステップS6へ進む。一方、もし重心位置Gがベッド寝床部(21)の就寝領域(21a)にないと判定された場合、「NO」としてステップS3に戻る。
【0126】
ステップS6では、重心位置Gがベッド寝床部(21)の就寝領域(21a)にある状態が継続している時間が0であるか否かを、継続時間判定手段(12)により判定する。そして、もし時間が0である場合、「YES」としてステップS7へ進む。一方、もし時間が0でない場合、「NO」としてステップS8へ進む。
【0127】
ステップS7では、重心位置Gがベッド寝床部(21)の就寝領域(21a)にある状態が継続している時間について、継続時間判定手段(12)の継続時間測定部による測定をスタートする。次いでステップS8へ進む。
【0128】
ステップS8では、重心位置Gがベッド寝床部(21)の就寝領域(21a)にある状態が30s以上継続しているか否かについて、すなわち継続時間判定手段(12)の継続時間測定部による測定をスタートしてから30s以上経過したか否かについて、継続時間判定手段(12)により判定する。この工程を「継続時間判定工程(S8)」という。そして、もし重心位置Gがベッド寝床部(21)の就寝領域(21a)にある状態が30s以上継続していると判定された場合、すなわち継続時間判定手段(12)の継続時間測定部による測定をスタートしてから30s以上経過したと判定された場合、「YES」としてステップS9へ進む。一方、そうでない場合、「NO」としてステップS2へ戻り、ステップS2からS8までを、継続時間判定工程(S8)において継続時間判定手段(12)の継続時間測定部による測定をスタートしてから30s以上経過したと判定されるまで、繰り返し行う。
【0129】
ステップS9では、継続時間判定手段(12)の継続時間測定部による時間の測定をリセットする。次いでステップS10へ進む。
【0130】
ステップS10では、第1〜第4荷重検出手段(3)(3)(3)(3)から出力された4つの荷重値のうち少なくとも1つの荷重値に基づいて呼吸判定手段(13)により人(H)の呼吸を検出することを開始する。次いでステップS11へ進む。
【0131】
ステップS11では、第1〜第4荷重検出手段(3)(3)(3)(3)から出力された4つの荷重値のうち少なくとも1つの荷重値の時間的な変動パターンが呼吸パターンと一致しているか否かに応じて、人(H)の呼吸を検出できるか否かを、呼吸判定手段(13)により判定する。この工程を「呼吸判定工程(S11)」という。そして、もし変動パターンが呼吸パターンと一致して人(H)の呼吸を検出できると判定された場合、「YES」としてステップS12へ進む。一方、もし変動パターンが呼吸パターンと一致しておらず人(H)の呼吸を検出できないと判定された場合、「NO」としてステップS13へ進む。
【0132】
ステップS12では、ベッド寝床部(21)上に人(H)が在床していると在床判定手段(14)により判定する。この工程を「在床判定工程(S12)」という。次いでステップS14へ進む。
【0133】
ステップS13では、ベッド寝床部(21)上に人(H)ではなく物(例:重量物)が存在していると在床判定手段(14)により判定する。
【0134】
ステップS14では、ベッド寝床部(21)上に人(H)が在床している旨の情報を所定の無線通信網又は有線通信網を介して第2通信手段(15)により報知手段(16)に送信する。このステップS14を「第2通信工程(S14)」という。次いでステップS15へ進む。
【0135】
ステップS15では、ベッド寝床部(21)上に人(H)が在床している旨の情報を、報知手段(16)により報知対象者に対して報知する。このステップS15を「報知工程(S15)」という。これにより、報知対象者はベッド寝床部(21)上に人(H)が在床していることを知ることができる。
【0136】
本実施形態では、上記の荷重検出工程(S1)から報知工程(S15)までの工程を、本実施形態のベッドの在床検知方法における「在床検知工程(S1〜S15)」という。
【0137】
また、本実施形態では、在床検知工程(S1〜S15)を所定時間毎に複数回繰り返し、これにより、所定時間毎にベッド寝床部(21)上に人(H)が在床しているか否かを検知する。この場合において、所定時間としては、例えば1〜60分の範囲に設定されるのが望ましい。ただし本発明では、所定時間は上記の範囲であることに限定されるものではなく、様々に変更可能である。
【0138】
また、このように在床検知工程(S1〜S15)を複数回繰り返し行う場合において、第1〜第4荷重検出手段(3)(3)(3)(3)から出力された荷重値について風袋引き処理が既に一度行われているときには、風袋引き処理は必ずしも在床検知工程(S1〜S15)を繰り返し行う毎に行うことを要しない。
【0139】
而して、本実施形態のベッドの在床検知方法は次の利点がある。
【0140】
総荷重値判定工程(S2)は、4つの荷重検出手段(3)(3)(3)(3)から出力された4つの荷重値を合計した総荷重値WSが第1閾値T1として20kgf(196N)以上であるか否かを判定するので、この総荷重判定工程(S2)では、ベッド寝床部(21)上に人(H)が在床しているのか又は人(H)ではなく第1閾値T1未満の比較的軽量な物(例:荷物)や小動物(例:猫、犬)等が存在しているのかについて判別することができる。
【0141】
呼吸判定工程(S11)は、4つの荷重検出手段(3)(3)(3)(3)から出力された4つの荷重値のうち少なくとも1つの荷重値に基づいて人(H)の呼吸を検出できるか否か判定する。
【0142】
そして、在床判定工程(S12)は、総荷重値判定工程(S2)において総荷重値WSが第1閾値T1以上であると判定された場合、すなわちベッド寝床部(21)上に比較的軽量な物や小動物等が存在していないと判定された場合であって、且つ、呼吸判定工程(S11)において人(H)の呼吸を検出できると判定された場合、ベッド寝床部(21)上に人(21)が在床していると判定するので、本発明によれば、ベッド寝床部(21)上に人(21)が在床していることを確実に検知することができる。
【0143】
また、呼吸判定工程(S11)は、総荷重値判定工程(S2)において総荷重値WSが第1閾値T1以上であると判定された後で、すなわちベッド寝床部(21)上に比較的軽量な物や小動物等が存在していないと判定された後で行うので、本実施形態によれば、ベッド寝床部(21)上に人(H)が在床していることを更に確実に検知することができる。
【0144】
また、変動量判定工程(S4)は、各荷重値の1秒間当たりの変動量ΔWが第2閾値T2として200gf(1.96N)以下であるか否かを判定するので、この変動量判定工程(S4)では、ベッド寝床部(21)上の人(1)の1秒間当たりの体動が小さいか大きいかについて判別することができる。これにより、例えば、人(H)がベッド寝床部(21)上をその端部から中央部の就寝領域(21a)へ移動している途中か又は既に就寝領域(21a)に到達したかについて判別することができる。すなわち、人(H)が就寝等の目的のためにベッド寝床部(21)上に在床する場合には、人(H)はベッド寝床部(21)上をその端部から中央部の就寝領域(21a)へ移動しようとするが、そのように人(H)が移動しているときには、人(H)の1秒間当たりの体動が大きいので、各荷重値の1秒間当たりの変動量ΔWが第2閾値T2を超える。そして、人(H)がベッド寝床部(21)の就寝領域(21a)に到達すると、人(H)の1秒間当たりの体動が小さくなるので、各荷重値の1秒間当たりの変動量ΔWが第2閾値T2以下となる。換言すると、各荷重値の1秒間当たりの変動量ΔWが第2閾値T2以下であると判定された場合には、人(H)が就寝等の目的のためにベッド寝床部(21)の就寝領域(21a)に到達したと推測することができる。
【0145】
そして、在床判定工程(S12)は、さらに、変動量判定工程(S4)において各荷重値の1秒間当たりの変動量ΔWが第2閾値T2以下であると判定された場合、すなわち人(H)の1秒間当たりの体動が小さいと判定された場合、ベッド寝床部(21)上に人(H)が在床していると判定するので、本実施形態によれば、ベッド寝床部(21)上に人(H)が就寝等の目的のために在床していることを更に確実に検知することができる。
【0146】
また、呼吸判定工程(S11)は、変動量判定工程(S4)において各荷重値の1秒間当たりの変動量ΔWが第2閾値T2以下であると判定された後で、すなわち人(H)の1秒間当たりの体動が小さいと判定された後で行うので、この呼吸判定工程(S11)では、人(H)の体動が大きいときに人(H)の呼吸を検出できるか否かを判定する場合に比べて、当該判定を正確に行うことができる。そのため、本実施形態によれば、ベッド寝床部(21)上に人(H)が在床していることを更に確実に検知することができる。
【0147】
また、重心位置判定工程(S5)は、4つの荷重値に基づいてベッド寝床部(21)上の人(H)の重心位置Gを演算し、該演算位置Gがベッド寝床部(21)の就寝領域(21a)にあるか否かを判定する。
【0148】
そして、在床判定工程(S12)は、さらに、重心位置判定工程(S5)において重心位置Gがベッド寝床部(21)の就寝領域(21a)にあると判定された場合、ベッド寝床部(21)上に人(H)が在床していると判定するので、本実施形態によれば、ベッド寝床部(21)上に人(H)が在床していることを更に確実に検知することができる。
【0149】
また、呼吸判定工程(S11)は、重心位置判定工程(S5)において重心位置Gがベッド寝床部(21)の就寝領域(21a)にあると判定された後で行うので、ベッド寝床部(21)上に人(H)が在床していることを更に確実に検知することができる。
【0150】
また、継続時間判定工程(S8)は、総荷重値判定工程(S2)において総荷重値WSが第1閾値T1以上であると判定され、且つ、変動量判定工程(S4)において各荷重値の1秒間当たりの変動量ΔWが第2閾値T2以下であると判定され、且つ、重心位置判定工程(S5)において重心位置Gがベッド寝床部(21)の就寝領域(21a)にあると判定された場合、重心位置Gがベッド寝床部(21)の就寝領域(21a)にある状態が継続している時間が30s以上継続しているか否かを判定するものである。
【0151】
そして、在床判定工程(S12)は、さらに、継続時間判定工程(S8)において重心位置Gがベッド寝床部(21)の就寝領域(21a)にある状態が30s以上継続していると判定された場合、ベッド寝床部(21)上に人(H)が在床していると判定するので、本実施形態によれば、ベッド寝床部(21)上に人(H)が在床していることを更に確実に検知することができる。
【0152】
また、第2通信工程(S14)は、ベッド寝床部(21)上に人(H)が在床している旨の情報を報知手段(16)に送信するので、その旨の情報を報知手段(16)に確実に送信することができる。
【0153】
また、報知工程(S15)は、ベッド寝床部(21)上に人(H)が在床している旨の情報を報知するので、その旨の情報を、看護師、介護者、監視者等の報知対象者に対して報知することができる。
【0154】
また本実施形態では、在床検知工程(S1〜S15)は所定時間毎に繰り返されるので、所定時間毎にベッド寝床部(21)上に人(H)が在床しているか否かを検知することができる。
【0155】
而して、本実施形態では、図4のフローチャートで点線に示すように、ベッドの在床検知方法は、在床判定工程(S12)においてベッド寝床部(21)上に人(H)が在床していると判定された場合、ベッド寝床部(21)上の人(H)の離床に関する情報(例えば、人(H)がベッド寝床部(21)上から離床した旨の情報)を検出する離床情報検出工程を開始するものとなされていても良い。すなわち、在床判定工程(S12)においてベッド寝床部(21)上に人(H)が在床していると判定された場合、この判定結果を離床情報検出工程を開始するトリガーとして用い、これを離床情報検出装置に送信しても良い。この場合には、ベッド寝床部(21)上に人(H)が確実に在床しているという判定結果に基づいて離床情報検出工程を開始させることができる。
【0156】
また本実施形態では、ベッドの在床検知装置(1)は、在床判定手段(14)によりベッド寝床部(21)上に人(H)が在床していると判定された場合、ベッド寝床部(21)上の人(H)の離床に関する情報を検出する離床情報検出装置による処理を開始するものとなされていても良い。すなわち、在床判定手段(14)によりベッド寝床部(21)上に人(H)が在床していると判定された場合、この判定結果を離床情報検出装置による処理を開始するトリガーとして用い、これを離床情報検出装置に送信するものとなされていても良い。
【0157】
なお、これらの場合において、離床情報検出工程及びそれに用いられる離床情報検出装置としては、それぞれ公知の検出工程及び検出装置を採用することができる。
【0158】
また、本実施形態のベッドの在床検知装置(1)は、上記検知方法と同様の利点がある。
【0159】
また、本発明の一実施形態に係るベッドの在床監視システム(30)は、本実施形態のベッドの在床検知装置(1)を備えている。したがって、この監視システム(30)によれば、ベッド寝床部(21)上に人(H)が在床していることを遠隔地等で監視することができる。
【0160】
以上で本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に示したものに限定されるものではなく、様々に変更可能である。
【0161】
例えば、上記実施形態では、総荷重値判定工程(S2)、変動量判定工程(S4)及び重心位置判定工程(S5)は、この順に遂行されているが、本発明では、これら3つの工程の遂行順番は、総荷重値判定工程(S2)、変動量判定工程(S4)及び重心位置判定工程(S5)の順であることに限定されるものではなく、様々に変更可能であり、例えば、総荷重値判定工程(S2)、重心位置判定工程(S5)及び変動量判定手段(S4)の順番であっても良いし、変動量判定工程(S4)、総荷重値判定工程(S2)及び重心位置判定工程(S5)の順番であっても良いし、その他の順番であっても良い。この場合において、風袋引き処理は、これら3つの工程のうち最初に遂行する工程の前に行われる。
【0162】
また、本発明に係るベッドの在床検知装置は、更に、ベッド寝床部(21)上の人(H)の生体情報(例:呼吸数、心拍数)をも計測可能に構成されていても良いし、人(H)の生体情報を計測する装置と組み合わされて構成されていても良い。
【0163】
また上記実施形態では、荷重検出手段(3)の数は4つであるが、本発明では、その他に例えば2つや3つであっても良いし、4つ以上であっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0164】
本発明は、ベッド寝床部上に人が在床していることを検知するベッドの在床検知方法、在床検知装置、及び在床監視システムに利用可能である。
【符号の説明】
【0165】
1…ベッドの在床検知装置
2…在床検知手段
3…荷重検出手段
4…制御装置
8…判定装置
9…総荷重値判定手段
10…変動量判定手段
11…重心位置判定手段
12…継続時間判定手段(第1〜第3継続時間判定手段)
13…呼吸判定手段
14…在床判定手段
15…第2通信手段
16…報知手段
20…ベッド
21…ベッド寝床部
21a…就寝領域
30…ベッドの在床監視システム
H…人

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベッド寝床部の互いに離間した複数の部位にそれぞれ掛かる荷重を検出する複数の荷重検出手段と、
前記複数の荷重検出手段から出力された複数の荷重値を合計した総荷重値が所定の第1閾値以上であるか否かを判定する総荷重値判定手段と、
前記複数の荷重検出手段から出力された複数の荷重値のうち少なくとも1つの荷重値に基づいて人の呼吸を検出できるか否かを判定する呼吸判定手段と、
前記総荷重値判定手段により総荷重値が第1閾値以上であると判定され、且つ、前記呼吸判定手段により人の呼吸を検出できると判定された場合、ベッド寝床部上に人が在床していると判定する在床判定手段と、
前記在床判定手段によりベッド寝床部上に人が在床していると判定された場合、その旨の情報を報知する報知手段と、
を含む在床検知手段を備えており、
前記在床検知手段は、
各荷重値の所定時間当たりの変動量が所定の第2閾値以下であるか否かを判定する変動量判定手段を含んでおり、
前記在床判定手段は、さらに、前記変動量判定手段により各荷重値の所定時間当たりの変動量が第2閾値以下であると判定された場合、ベッド寝床部上に人が在床していると判定するものであることを特徴とするベッドの在床監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−40441(P2012−40441A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−263781(P2011−263781)
【出願日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【分割の表示】特願2007−113865(P2007−113865)の分割
【原出願日】平成19年4月24日(2007.4.24)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)
【Fターム(参考)】