説明

ベルト乾燥装置

【課題】洗浄されたベルトコンベア装置のベルトを、その周囲を汚したり濡らしたりしないで乾燥する。
【解決手段】空気噴出部303は、略水平方向に延びるベルト103の上方側と下方側とに位置し、ベルト103の上面と下面とに対して乾燥用の空気を送り、ベルト103に付着した水分を吹き飛ばす。吸気部304は、ベルト103の側部の近傍に位置する。空気誘導部305は、ベルト103の上方側と下方側とに位置する。空気誘導部305は、空気噴出部303から噴出された空気の移動経路を屈曲させ、この空気や水分を吸気部304まで導く。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベルトコンベア装置に対して適用され、洗浄されたベルトコンベア装置のベルトを乾燥するベルト乾燥装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ベルトコンベア装置に備わるベルトは、長期に渡って使用されると汚れてくる。ベルトに付着した汚れは、ベルトに載置された搬送物に付着したり、装置の搬送能力を低下させたりする。搬送物が食品である場合には、この汚れが特に問題となる。そこで、ベルトを洗浄して汚れを落とし、さらにこの洗浄されたベルトを乾燥することが行われている。その一例は、特許文献1に記載のコンベア用洗浄ユニットを用いてのベルトの洗浄及び乾燥である。
【0003】
特許文献1に記載のコンベア用洗浄ユニット2では、コンベア1に対して走行体1aの上面と下面とにノズルヘッド4、5の噴射ノズル4a、5aから洗浄水を噴射して走行体1aの上面と下面とを洗浄し、また、送風乾燥・殺菌処理させ得るよう構成される。各噴射ノズル4a、5aの噴射方向は、走行体1aの進行方向に対して逆向きで、しかも、走行体1aの上下面に対して傾斜した方向である。ノズルヘッド4、5に連結された連通管3が連結される。この連通管3には、継ぎ手(ワンタッチカップリング)7を介して、洗浄水供給手段8又は空気供給手段9にホース接続され、高温・高圧の洗浄水又は乾燥用空気を切り替えて供給することができる旨が記載される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−056482号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のコンベア用洗浄ユニット2では、噴射ノズル4a、5aから噴射した洗浄水がコンベア1の進行方向の上流側に飛び散って、床面等の意図しない箇所が汚れで汚れたり洗浄水で濡れてしまったりするおそれがある。また、噴射ノズル4a、5aから噴射された乾燥用空気が、コンベア用洗浄ユニット2に付着した洗浄水を、コンベア1の進行方向の上流側の床面等、意図しない箇所に飛び散ってしまうおそれもある。
【0006】
本発明の目的は、洗浄されたベルトコンベア装置のベルトを、その周囲を汚したり濡らしたりしないで乾燥することである。
【0007】
なお、特許文献1には、コンベア用洗浄ユニット2にスクレーパー13、14を設けることが記載されているが(同文献の段落0024及び図3参照)、これらのスクレーパー13、14は、上下一対で、走行体1aの上面と下面とに接触可能であり、ノズルヘッド4、5の設置位置よりも走行体1aの進行方向下流側に配置され、横V字形をなし、走行体1aの進行方向に対して中央から両側へ付着物を振り分けて除去するものである(同文献の段落0025及び図3)。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のベルト乾燥装置は、略水平方向に延びるベルトの上方側と下方側とに位置し、前記ベルトの上面と下面とに対して乾燥用の空気を送る空気噴出部と、前記ベルトの側部の近傍に位置する吸気部と、前記ベルトの上方側と下方側とに位置し、前記空気噴出部から噴出された空気の移動経路を屈曲させて前記吸気部まで導く空気誘導部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、空気噴出部から噴出された空気がベルトの上面と下面とのそれぞれに当たって水分を吹き飛ばし、この空気と水分とが空気誘導部によって吸気部に導かれる。したがって、洗浄されたベルトコンベア装置のベルトを、その周囲を汚したり濡らしたりしないで乾燥することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】ベルトコンベア装置の模式図である。
【図2】スパイラル部に位置するベルトの平面図である。
【図3】ベルトを搬送方向の上流側から見た図である。
【図4】ベルト乾燥装置の斜視図である。
【図5】ベルト乾燥装置の平面図である。
【図6】ベルト乾燥装置の正面図である。
【図7】ベルト乾燥装置を搬送方向の下流側から見た図である。
【図8】図5のE−E線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の一形態を、図1ないし図8に基づいて説明する。図1は、ベルトコンベア装置101の模式図である。なお、図1では、ベルト103の一部が省略されている。また、図1では、ベルト洗浄装置201及びベルト乾燥装置301を概略的に示している。ベルトコンベア装置101は、複数のホイール102と、無端のベルト103と、第1駆動部104と、第2駆動部105とを有する。ベルト103は、第1駆動部104と第2駆動部105とにより、図1中に符号A1で示す方向(以下、搬送方向A1と呼ぶ)に循環する。
【0012】
ベルト103は、ベルトコンベア装置101の中央で、仮想的な円柱Pの周回りに沿うように上方から下方へ向かうスパイラル状に巻回されるスパイラル部106を形成する。
【0013】
第1駆動部104は、スパイラル部106の外周に沿うように配置される。第1駆動部104は、上下方向に延びる軸部104Aを有する。軸部104Aの下方には、軸部104Aをそれ自身の軸回り方向に回転する第1モータ104Bが設けられる。軸部104Aの外周には、複数の歯車104Cが、軸部104Aの長さ方向に並んで配置される。各歯車104Cは、スパイラル部106の外周部分でベルト103の端部に噛み合う。第1モータ104Bが駆動して軸部104Aが回転すると、歯車104Cがベルト103を搬送方向A1へ押し出す。
【0014】
第2駆動部105は、一のホイール102に取付けられるモータである。第2駆動部105が取付けられたホイール102を、駆動ホイール102Aと呼ぶ。駆動ホイール102Aは、第2駆動部105の駆動により回転し、ベルト103を搬送方向A1に走行させる。第2駆動部105の出力は、第1駆動部104によるスパイラル部106でのベルト103の送り出し速さと第2駆動部105による駆動ホイール102Aでのベルト103の送り出し速さとが同じになるよう、インバータ(図示せず)により調節される。
【0015】
ベルト103におけるスパイラル部106よりも搬送方向A1の上流側には、第1渡りコンベア装置151が配置される。ここで、ベルト103のうち第1渡りコンベア装置151からスパイラル部106までの部分を、ベルト上流部107と呼ぶ。第1渡りコンベア装置151は、ベルトコンベア装置101とは異なる第2ベルトコンベア装置152上の搬送物としてのパンBを、ベルト103に受け渡す。
【0016】
ベルト103におけるスパイラル部106よりも搬送方向A1の下流側には、第2渡りコンベア装置153が配置される。ここで、ベルト103のうちスパイラル部106から第2ベルトコンベア装置152までの部分を、ベルト下流部108と呼ぶ。第2渡りコンベア装置153は、スパイラル部106を経たベルト103上のパンBを、ベルトコンベア装置101とは異なる第3ベルトコンベア装置154に受け渡す。
【0017】
ベルトコンベア装置101では、パンBが、第2ベルトコンベア装置152により搬送されてベルト103に載置され、ベルト上流部107、スパイラル部106、ベルト下流部108を経て第3ベルトコンベア装置154まで運ばれる。ベルトコンベア装置101を用いると、パンBを冷却するための時間を充分に確保できる。なお、ベルトコンベア装置101は、パンBを冷却する用途以外にも、工場内でパンBを滞留させる用途で用いることができる。なお、当然のことながら、搬送物は、パンBに限られることはない。例えば、ベルトコンベア装置101は、パン生地を搬送することもできる。
【0018】
ベルトコンベア装置101において、ベルト103のうち第2渡りコンベア装置153から搬送方向A1に向かって第1渡りコンベア装置151に至るまでの部分を、復帰部109と呼ぶ。復帰部109は、復帰始部110と、水平部111と、上昇部112と、調整部113とを含む。復帰始部110は、第2渡りコンベア装置153によりパンBが離反した箇所から下方に移動し、可動ホイール102Cを経由して上昇するベルト103の一部分である。水平部111は、復帰始部110の進行方向先端からホイール102によって進行方向を変更され略水平に走行するベルト103の一部分である。上昇部112は、水平部111での進行方向先端からホイール102によって進行方向を変更され上昇するベルト103の一部分である。調整部113は、上昇部112の上端から第1渡りコンベア装置151によりパンBが載置される箇所までのベルト103の一部分である。調整部113でベルト103に掛け渡されるホイール102には、駆動ホイール102Aと、可動ホイール102Bとが含まれる。可動ホイール102Bは、所定の可動範囲内で上下移動自在である。可動ホイール102Bには、弾性体(図示せず)が連結されている。弾性体は、ベルト103を引っ張り、ベルト103の張力を維持する。復帰始部110でベルト103に掛け渡される可動ホイール102Cは、可動ホイール102Bと同じ構成を有し、所定の可動範囲内で上下移動自在で、可動ホイール102Cに取付けられた弾性体によりベルト103の張力を維持する。第1渡りコンベア装置151の近傍には、調整部113に位置するベルト103の緩みを検知するための第1センサ501が配置される。
【0019】
水平部111に対して、ベルト103を洗浄するベルト洗浄装置201と、洗浄されたベルト103を乾燥するベルト乾燥装置301とが配置される。ベルト洗浄装置201は、ベルト乾燥装置301よりも搬送方向A1の上流側(第2渡りコンベア装置153側)に配置される。
【0020】
ベルト洗浄装置201は、洗浄槽部202と、可動部203とを有する。洗浄槽部202は、床面Fに載置され、この床面Fの上を移動自在である。可動部203は、スイッチ部217A(図示せず)での操作に応じて上下方向に動く。スイッチ部を操作して可動部203を下降させると、ベルト103は洗浄槽部202内に押し込まれる。この状態でベルト103が搬送方向A1に走行すると、ベルト103が洗浄される。洗浄後、スイッチ部を操作して可動部203を上昇させると、ベルト103における水平部111の全体が、それ自身の張力によって略水平に延びた状態に戻る。
【0021】
ベルト乾燥装置301は、ベルト洗浄装置201によって洗浄され搬送方向A1に移動したベルト103を乾燥する。水平部111において、ベルト乾燥装置301よりも搬送方向A1の下流側かつ第1モータ104Bの近傍には、ベルト103が断裂していないかを検知するための第2センサ502が配置される。
【0022】
図2は、スパイラル部106に位置するベルト103の平面図である。図3は、ベルト103を搬送方向A1の上流側から見た図である。ベルト103は、左右対称であって、複数のシャフト103Aにより構成される。各シャフト103Aは、略水平且つ搬送方向A1に対し直交する方向に延び、搬送方向A1に並ぶ。シャフト103Aは二本で一つの組をなし、その両端部に樹脂で形成されたリンク部材103Cが設けられる。
【0023】
リンク部材103Cは、突部103Dと、孔部103Eと、歯車受部103Gと、レール受部103Hとを有する。突部103Dは、搬送方向A1の下流側に突出する。孔部103Eには、搬送方向A1の上流側に位置する別のリンク部材103Cの突部103Dが入り込む。歯車受部103Gは、突部103Dに対してシャフト103Aとは反対側に突出し、回転する歯車104Cの歯部104Caに当接されて搬送方向A1に押し出される。レール受部103Hは、歯車受部103Gから下方に延び、搬送方向A1に沿って延びるレール103Pに係合する。レール103Pは、ベルト103が図1に示した経路で移動できるよう、ベルトコンベア装置101に予め配置される。また、二つのレール103P同士は、パイプ103Qによって連結され、ベルト103の経路全体で一定間隔を保って離間している。
【0024】
歯車104Cが回転すると、リンク部材103Cは歯部104Caに押されて搬送方向A1の下流側に動く。このとき、レール103Pが直線状に延びる箇所では、歯車104Cに押されたリンク部材103Cの突部103Dが、このリンク部材103Cの搬送方向A1の下流側に位置する別のリンク部材103Cの孔部103Eの途中まで入り込み、この別のリンク部材103Cを下流側に進ませる。また、レール103Pが円弧状に延びる箇所では、歯車104Cに押されていないリンク部材103Cの突部103Dが、このリンク部材103Cの搬送方向A1の下流側に位置する別のリンク部材103Cの孔部103Eの最深部まで入り込み、この別のリンク部材103Cを下流側に進ませる。
【0025】
図4は、ベルト乾燥装置301の斜視図である。図5は、ベルト乾燥装置301の平面図である。図6は、ベルト乾燥装置301の正面図である。図7は、ベルト乾燥装置301を搬送方向の下流側から見た図である。図8は、図5のE−E線断面図である。ベルト乾燥装置301の詳細を、以下に説明する。なお、図6では、吸気装置304Bは省略されている。
【0026】
ベルト乾燥装置301は、フレーム302と、空気噴出部303と、吸気部304と、空気誘導部305とを備える。
【0027】
フレーム302は、一対のサイドフレーム302Aと、下流側フレーム302Bと、脚部302Cと、ビーム302Dと、底板302Eとを有する。また、空気誘導部305は、フレーム302の一部を構成する。一対のサイドフレーム302Aは、ベルト103の両側部のそれぞれに位置し、いずれも上下方向に延びる。下流側フレーム302Bは、図7に示すようにベルト103の上下それぞれに設けられ、一対のサイドフレーム302Aの搬送方向A1の下流側の端部同士を連結する。空気誘導部305は、一対のサイドフレーム302Aの搬送方向A1の上流側の端部同士を連結する。脚部302Cは、下流側フレーム302Bにおけるベルト103の幅方向の両端領域と、空気誘導部305におけるベルト103の幅方向の両端領域とに設けられる。脚部302Cの下端は、床面Fに接する。ビーム302Dは、幅方向に並ぶ二本の脚部302Cを繋ぎ、ベルト103のシャフト103Aと略平行に延びている。レール103Pは、シャフト103Aに取付けられる。底板302Eは、矩形をなす板状であって、一対のサイドフレーム302Aと下流側フレーム302Bと空気誘導部305との下部に設けられる。空気誘導部305には、ドレン302Fが設けられる。
【0028】
空気噴出部303は、第1配管部303Aと、第2配管部303Bとを有する。第1配管部303Aは、ベルト103よりも上方、下流側フレーム302Bよりも搬送方向A1の上流側、且つ、一対のサイドフレーム302Aの間に位置する。第1配管部303Aは、平面視においてベルト103の幅方向に対称な略V字状をなし、このV字の頂点部分302Pを搬送方向A1の上流側に向けている。第1配管部303Aの両端部分は、一対のサイドフレーム302Aのそれぞれに取付けられる。第1配管部303Aの下面には、ノズルヘッド303Aaが設けられる。ノズルヘッド303Aaからは、ベルト103を乾燥させるための空気が、搬送方向A1の上流側に向けて斜め下方に噴出される。第2配管部303Bは、ベルト103を挟んで第1配管部303Aと上下対称に設けられる。第2配管部303Bの上面には、ノズルヘッド303Baが設けられる。ノズルヘッド303Baからは、ベルト103を乾燥させるための空気が、搬送方向A1の上流側に向けて斜め上方に噴出される。空気噴出部303(第1配管部303A,第2配管部303B)から噴出された空気がベルト103に当たる領域303Pは、ベルト103の長さ方向(搬送方向A1)及び幅方向のいずれにも傾斜した線状の領域となる。
【0029】
第1配管部303Aの両端部及び第2配管部303Bの両端部のいずれにも、送風パイプ303Cを連結するための連結管303Dが取付けられる。送風パイプ303Cから送り込まれた空気は、連結管303Dを通って第1配管部303Aや第2配管部303Bに入り込み、ノズルヘッド303Aaやノズルヘッド303Baから噴出する。サイドフレーム302Aには、連結管303Dが通る孔部302Aaが設けられる。
【0030】
吸気部304は、空気噴出部303よりも搬送方向A1の上流側で、ベルト103の側部の近傍に設けられる。吸気部304は、空洞部304Aと吸気装置304Bとを有する。空洞部304Aは、サイドフレーム302Aに形成され、ベルト乾燥装置301の幅方向外側に突出した空洞である。空洞部304Aは、平面視において台形に見える。吸気装置304Bは、空洞部304Aにおける搬送方向A1の上流側の部分に連結し、空気や水分を吸引する。空洞部304Aには、吸気装置304Bに連通するための孔部304Cが設けられる。
【0031】
空気誘導部305は、空気噴出部303よりも搬送方向A1の上流側かつ吸気部304に対してベルト103の幅方向に並ぶ位置に位置し、ベルト103の上下それぞれに設けられ、空気噴出部303から噴出される空気の移動経路を屈曲させて吸気部304に導く。空気誘導部305は、壁状であって、上下方向に延びてフレーム302の高さ一杯に設けられ、空気噴出部303から噴出された空気の進む方向に対して傾斜する向きに向けられている。空気誘導部305は、平面視においてベルト103の幅方向に対称な略V字状をなしている。空気誘導部305のなすV字の頂点部分305Pは、第1配管部303Aや第2配管部303BのなすV字の頂点部分302Pと向かい合っている。
【0032】
ベルト乾燥装置301には、ベルト洗浄装置201によって洗浄されたベルト103が、第1駆動部104(図1参照)や第2駆動部105(図1参照)によって搬送方向A1に進入する。ベルト103を乾燥するために、予め、第1配管部303Aや第2配管部303Bの両端部に連結管303Dを介して送風パイプ303Cを連結し、送風パイプ303Cから第1配管部303Aや第2配管部303Bに空気を送り込んでおく。また、吸気装置304Bを駆動する。これにより、第1配管部303Aのノズルヘッド303Aaや第2配管部303Bのノズルヘッド303Baからは、空気が噴出される。この空気は、ベルト103の上面と下面とにあたり、ベルト103に付着した水分を吹き飛ばす。吹き飛ばされた水分は、サイドフレーム302Aや空気誘導部305に当たって底板302Eに落下し、ドレン302Fから排出される。また、ノズルヘッド303Aa,303Baからの空気は、水分を吹き飛ばした後、搬送方向A1の下流側に進み、下流側面305Aに当たる。ここで、下流側面305Aは、搬送方向A1の下流側に向かうにつれてベルト103の幅方向外側に向かう向きに向いている。このため、搬送方向A1の下流側面305Aに当たった空気は、図5,図6中に示した符号A2で示す向きに進み、空洞部304Aに到達する。空洞部304Aに到達した空気は、吸気装置304Bに吸引される。ベルト103は、このように空気噴出部303により乾燥された後、下流側フレーム302Bの間を通過し、ベルト乾燥装置301よりも搬送方向A1の下流側に至る。
【0033】
このように、本実施の形態では、空気噴出部303から噴出された空気がベルト103の上面と下面とのそれぞれに当たって水分を吹き飛ばし、この空気と水分とが空気誘導部305によって吸気部304に導かれる。したがって、洗浄されたベルトコンベア装置101のベルトコンベア装置101を、その周囲を汚したり濡らしたりしないで乾燥することができる。
【0034】
また、本実施の形態では、空気噴出部303がベルトの搬送方向A1の上流側に空気を噴出し、空気噴出部303から噴出される空気がベルト103の長さ方向及び幅方向のいずれにも傾斜する線状にベルト103に当たるので、ベルト103のシャフト103Aの周回りに効率良く空気があたり、ベルト103が確実に乾燥される。
【0035】
また、本実施の形態では、空気誘導部305が壁状をなし、空気噴出部303から噴出された空気の進む方向に対して傾斜しているので、噴出された空気や水分がベルト乾燥装置301における搬送方向A1の上流側に到達することがなく、ベルト乾燥装置301の周囲が汚れない。
【0036】
また、本実施の形態では、空気噴出部303や空気誘導部305がベルト103の幅方向に対称な形状をなしていて、ベルト103における水平部111の部分にベルト乾燥装置301を配置しやすい。また、二つの吸気装置304Bのそれぞれに水分を吸収させて、吸気装置304Bにかかる負荷を等しくすることができる。
【符号の説明】
【0037】
103 ベルト
301 ベルト乾燥装置
303 空気噴出部
303P 空気噴出部空気がベルトに当たる領域
304 吸気部
305 空気誘導部
A1 搬送方向(ベルトの長さ方向)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略水平方向に延びるベルトの上方側と下方側とに位置し、前記ベルトの上面と下面とに対して乾燥用の空気を送る空気噴出部と、
前記ベルトの側部の近傍に位置する吸気部と、
前記ベルトの上方側と下方側とに位置し、前記空気噴出部から噴出された空気の移動経路を屈曲させて前記吸気部まで導く空気誘導部と、
を備えるベルト乾燥装置。
【請求項2】
前記ベルトは、それ自身の長さ方向に走行し、
前記空気噴出部は、前記ベルトの搬送方向の上流側に空気を噴出し、
前記吸気部は、前記空気噴出部よりも前記搬送方向の上流側に位置し、
前記空気誘導部は、前記空気噴出部よりも前記搬送方向の上流側かつ前記ベルトの幅方向に並ぶ位置に配置される、
請求項1記載のベルト乾燥装置。
【請求項3】
前記空気噴出部から噴出される空気は、前記ベルトの長さ方向及び幅方向のいずれにも傾斜する線状に前記ベルトに当たる、
請求項1又は2記載のベルト乾燥装置。
【請求項4】
前記空気誘導部は、前記空気噴出部から噴出された空気の進む方向に対して傾斜する壁である、
請求項1から3のいずれか一に記載のベルト乾燥装置。
【請求項5】
前記空気噴出部と前記空気誘導部との少なくとも一方は、前記ベルトの幅方向に対称な形状をなす、
請求項1から4のいずれか一に記載のベルト乾燥装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−201439(P2012−201439A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−65857(P2011−65857)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成23年2月15日 インターネットアドレス「http://www.misuzukoki.jp/main.html」「http://www.misuzukoki.jp/topics.asp」に発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用申請有り 平成23年2月16日 協同組合日本製パン製菓機械工業会主催の「MOBAC SHOW 2011(国際製パン製菓関連産業展)」に出品
【出願人】(000177298)三鈴工機株式会社 (8)
【Fターム(参考)】