説明

ベルト取付けツール

本発明は実質的に平面状のボディ(10)を有するベルト取付けツール(100)を備える。ベルト係合面(20)は平面状ボディ(10)の一部から実質的に垂直に延びる。プーリ係合面(30)は、ベルト係合面(21)とほぼ反対側の平面状ボディ(10)から延びる。中心ボア(40)はツールがプーリ軸に係合することを許容する。使用時に、プーリ係合面はプーリに係合し、これによりツール(100)がプーリの回転によってプーリ軸の周りに回転して、ベルト係合面(21)が自動的にベルトをプーリに押込む。平面状ボディ(21)は、ベルトが取付けられるときに、プーリに対してツールを安定させる。成型されたボディは射出成形により製造されてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はベルト取付けツールに関し、特に、ベルトを取付けるための平面に垂直な円弧状面を有する、成型されたボディを備えるベルト取付けツールに関する。
【背景技術】
【0002】
ベルトドライブシステムは一般に、2つ以上のプーリの周りに架け回されるベルトを備える。被駆動プーリから駆動プーリへトルクすなわち動力を適切に伝達するために、ベルトは所定の張力で取付けられなければならない。これは様々な方法の1つによって達成され得る。1つの方法は、緩んだベルトを係合させるために、まずプーリの中心を調節し、次いでプーリの中心を動かすことによって張力を与えることから成る。
【0003】
他の方法は、プーリの中心を動かすことなく、プーリリムの周りにベルトを巻くことである。この方法は、ベルトをプーリに係合させるためのツールを用いて達成される。ベルトをプーリ溝に押し込むための面を備える従来技術のツールが利用可能である。
【0004】
従来技術の代表は、プーリに伸縮ベルトを取付けるためのツールを開示したウィニンガー(Winninger)に付与された米国特許第6,033,331号明細書(2000年)である。
【0005】
必要なものは、ベルト係合部とは反対側に延びるツールアクセス部を有する成型されたボディを備えるベルト取付けツールである。必要なものは、平面に垂直な円弧状ベルト係合面を有する成型されたボディを備えるベルト取付けツールである。必要なものは、軽量平面状ボディを有するベルト取付けツールである。本発明はこれらのニーズに合致する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の主な特徴は、ベルト係合部とは反対側に延びるツールアクセス部を有する成型されたボディを備えるベルト取付けツールを提供することである。
【0007】
本発明の他の特徴は、平面に垂直な円弧状ベルト係合面を有する成型されたボディを備えたベルト取付ツールを提供することである。
【0008】
本発明の他の特徴は、軽量平面状ボディを有するベルト取付けツールを提供することである。
【0009】
本発明の他の特徴は、本発明の後述の説明と添付図面により示され、明らかにされる。
【0010】
本発明は実質的に平面状ボディを有するベルト取付けツールを備える。ベルト係合面は平面状ボディの一部から実質的に垂直に延びる。プーリ係合部はベルト係合面のほぼ反対側の平面状ボディから延びる。中心ボアはツールがプーリ軸に係合することを許容する。使用時に、プーリ係合面はプーリに係合し、これによりツールがプーリの回転によってプーリ軸の周りに回転して、ベルト係合面がベルトを自動的にプーリに押込む。平面状ボディは、ベルトが取付けられるとき、プーリに対してツールを安定させる。成型されたボディは射出成形により製造されてもよい。
【0011】
明細書に組み込まれて明細書の一部を構成する添付図面は、本発明の好ましい実施形態を示し、記述とともに、本発明の原理を説明するために役立つ。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1は本発明ツールの平面図である。ツール100は平面状ボディ10を備える。平面状ボディ10は実質的に円形である。
【0013】
ツール100はさらに、ベルト押込み部20とプーリ係合部30を備える。ツールはまた、レンチのようなツール(図示せず)がプーリ軸(図示せず)に係合することを許容するためのボア40を備える。
【0014】
ベルト押込み部20はベルト係合面21を備える。面21は平面状ボディ10に連結され、平面状ボディ10から実質的に垂直に延びる。面21は、リム41から延びるリブ23により補強される。リブ23の使用は、ベルト係合面21に対して必要な強度を与えるとともに、本発明ツールに要求される材料を減少させる。面21は、ベルトの取付けの間におけるベルト係合を最適化するために、実質的に円弧形状を有する。
【0015】
ベルト押込み突起24はベルト係合面21から延びる。ベルト押込み突起24は、ベルト押込み突起24からリム41に向かって円弧状に延びるリブ22に連結され、リブ22によって補強される。リブ23は、ベルト押込み突起24を補強するとともに、本発明ツールに要求される材料を減少させる。
【0016】
プーリ係合部30は、ベルト押込み部20の反対側にある平面状ボディ10の側にある平面状ボディ面から延びる。プーリ係合面30は、平面状ボディ10に対し実質的に垂直に連結されたリム31を備える。リブ32はリム31を補強し、リム41からリム31に延びる。リム31は、ボア40に同心的である実質的に円形状を有する。
【0017】
本発明ツールは、軽量金属あるいは非金属、公知のポリマーあるいはプラスチック等のような鋳造可能な材料、およびこれらの均等物であってもよい。
【0018】
図2は、図1に示されるのと反対側の本発明ツールの平面図である。リップ11は面21から延びてプーリリム(図示せず)に係合する。リップ11はベルト押込み突起24に近接して設けられ、ベルトの取付けを容易にする。リップ11は、ベルトが取付けられるときにツールをプーリに一時的に取付けるために、プーリリム(図示せず)に係合する。
【0019】
図3はツールの側面図である。リブ32、平面状ボディ10およびベルト係合面21が図示されている。リップ11はプーリリム(図示せず)に係合するために延びる。
【0020】
図4はツールの側面図である。平面状ボディ10は、不必要な材料を加えずに意図された機能を発揮するのに十分な厚さを有する。このように、本発明ツールは、自動車エンジンの例えばフロントエンドアクセサリードライブ(FEAD)におけるように、スペースが貴重であるアプリケーションにおいて有益的に用いられる。小さいスペースにおける取付けを許容するツールが良い設計と小さいエンジン室の使用を容易にするので、FEADとエンジンはエンジン室に最小スペースを有するかもしれない。
【0021】
図5はツールの前面の斜視図である。
【0022】
図6はツールの背面の斜視図である。タブ11は使用時にツールを安定化させるためにプーリリムに係合する。使用時に、プーリ係合部30はプーリボディ(図示せず)に係合し、これにより、ベルトが取付けられるときにツールをプーリと共に回転させる。
【0023】
ここに本発明のひとつの実施形態が説明されたが、記載された発明の範囲と精神から逸脱することなく、変形が各部の構造と関係に施されることは、当業者にとって自明である。さらに、ここに含まれる記載は単に例示であり、本発明の範囲は従来技術を考慮して解釈される特許請求の範囲のみによって限定される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明ツールの平面図である。
【図2】図1に示されるのと反対側の本発明ツールの平面図である。
【図3】本発明ツールの側面図である。
【図4】本発明ツールの側面図である。
【図5】本発明ツールの前面の斜視図である。
【図6】本発明ツールの背面の斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ボディ面および第2ボディ面を有する平面状ボディと、
第1ボディ面から実質的に垂直に突出するベルト係合部と、
第2ボディ面から実質的に垂直に突出するプーリ係合部とを備え、
ベルト係合部とプーリ係合部が平面状ボディの反対側に設けられる
ツール。
【請求項2】
中心ボアをさらに有する請求項1に記載のツール。
【請求項3】
ベルト係合部が実質的に円弧形状を有する面をさらに備える請求項1に記載のツール。
【請求項4】
ベルトをプーリ溝の中に押し込むための、半径方向に延びる突起をさらに備える請求項3に記載のツール。
【請求項5】
プーリ係合部が円弧状の面をさらに備える請求項4に記載のツール。
【請求項6】
中心ボアの縁の周りにリムをさらに備える請求項2に記載のツール。
【請求項7】
非金属材料をさらに備える請求項4に記載のツール。
【請求項8】
金属材料をさらに備える請求項4に記載のツール。
【請求項9】
ベルト係合部を補強するための部材をさらに備える請求項4に記載のツール。
【請求項10】
平面状ボディが実質的に円形である請求項4に記載のツール。
【請求項11】
平面状ボディに実質的に垂直に延びるリップをさらに備え、リップがプーリリムに係合可能である請求項4に記載のツール。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2006−502350(P2006−502350A)
【公表日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−539853(P2004−539853)
【出願日】平成15年8月27日(2003.8.27)
【国際出願番号】PCT/US2003/027005
【国際公開番号】WO2004/029479
【国際公開日】平成16年4月8日(2004.4.8)
【出願人】(504005091)ザ ゲイツ コーポレイション (103)
【Fターム(参考)】