説明

ベルト

【課題】本発明は、ベルトの下側から光を透過させるための照明設備を組み込む必要のない、被検査物に光を照射することにより検査を行う検査装置に用いるベルトを提供することを目的とする。
【解決手段】被検査物をベルトコンベアー上に載置して、前記被検査物に光を照射することにより検査を行う検査装置に用いるベルトにおいて、蓄光材を含有するゴム状弾性材製の発光層が、ベルト本体の前記被検査物が載置される側に存在する様になしたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベルトに関する。
また、本発明は、被検査物に光を照射することにより検査を行う検査装置に用いるベルトに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被検査物に光を照射することにより検査を行う検査装置に用いるベルトとしては、特開2005−300281号公報に記載の透明ベルトが知られている。
しかし、従来の、被検査物に光を照射することにより検査を行う検査装置に用いる透明ベルトは、ベルト背面をベースと同等硬度、もしくは、それより低硬度ポリウレタン材でフラッットにした、または、ベースとなるベルト背面部より上部に突出した形状にて形成されたポリウレタン材を、ベースとなるポリウレタン製ベルトの背面と一体的に成形、あるいは、接着剤にて貼り付けする方法が取られている。
【0003】
また、フラットパネルディスプレー等の検査装置においては、半透明色搬送用ベルトの上に製品を置いた状態のまま、ベルトの下側から照明を当て、その透過光にて製品の割れ・欠け等の不具合が無いか検査する方法が取られている。
【0004】
この種検査装置においては、ベルトの下側から光を透過させるため、ベルト内に設けられた芯体がどうしても光を妨げてしまうという問題がある。
さらに、検査装置としては照明設備を組み込んだ装置が必要となり、非常にコストが高いものとなっている。
【0005】
【特許文献1】特開2005−300281号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、ベルトの下側から光を透過させるための照明設備を組み込む必要のない、被検査物に光を照射することにより検査を行う検査装置に用いるベルトを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のベルトは、被検査物をベルトコンベアー上に載置して、前記被検査物に光を照射することにより検査を行う検査装置に用いるベルトにおいて、前記ベルトが蓄光材により発光する様になしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、以下に記載されるような効果を奏する。
請求項1記載の発明のベルトによれば、ベルトの下側から光を透過させるための照明設備を組み込む必要のないベルトとすることが出来る。
また、請求項2記載の発明のベルトによれば、被検査物に効率的に光を照射することが出来る。
【0009】
更に、請求項3記載の発明のベルトによれば、耐久性が良好なベルトとすることが出来る。
更に、請求項4記載の発明のベルトによれば、被検査物を安定して載置することが出来る。
【0010】
更に、請求項5記載の発明のベルトによれば、接着剤を使用することなく、発光層とベルト本体とを強固に一体化することが出来る。
更に、請求項6記載の発明のベルトによれば、発光層の蓄光材含量の調整を容易に行うことが出来る。
【0011】
更に、請求項7記載の発明のベルトによれば、被検査物を安定して載置することが出来る。
更に、請求項8記載の発明のベルトによれば、ベルトの駆動を精度良く行うことが出来る。
更に、請求項9記載の発明のベルトによれば、各種の装置に対応することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1乃至図3に基づき、発明を実施するための一例について説明する。
図1は本発明に係るベルトの部分断面図である。
図2は本発明に係る他の実施例を示すベルトの部分断面図である。
図3は図2のA-A断面図である。
【0013】
図1において、本発明に係るベルトは、被検査物をベルトコンベアー上に載置して、被検査物に光を照射することにより検査を行う検査装置に用いるベルト1において、ベルト1が蓄光材2により発光する構成となっている。
すなわち、蓄光材2を含有するゴム状弾性材製の発光層3が、ベルト本体4の被検査物が載置される側(図上上方)に存在する構成としている。
【0014】
発光層3は、ゴム状弾性材に蓄光材を混合して成形したものである。
ここで使用される蓄光材は、平均粒径が50〜250μmのものが好ましく、特に100μm以上の高輝度仕様であることが望ましい。
また、使用されるゴム状弾性材には、ウレタン系弾性材、ポリエステル系弾性材、シリコーン弾性材、アクリル弾性材等が適宜選択して用いられるが、無黄変透明ポリウレタンが特に好ましい。
【0015】
また、ベルト本体4は、発光層3に用いられる材料と同様のゴム状弾性材が用いられ、特に、無黄変透明ポリウレタンが好ましい。
更に、発光層3のゴム硬度は、ベルト本体4の硬度と等しいか、ベルト本体4の硬度よりも低いことが好ましく、具体的には、硬度がJIS A 60〜88の低硬度ポリウレタンが使用される。
【0016】
また、発光層3とベルト本体4とは、成形時に一体化してもよく、発光層3とベルト本体4とを、別体に成形した後、接着剤等で一体化してもよい。
尚、図1に示す実施例では、ベルト本体4を歯付ベルトとしたが、図2に示す様に、平ベルトであってもよい。
更に、発光層3には、ベルト1の移動方向と平行な溝31を設けている。
また、ベルト本体4には、芯線11が埋設されている。この芯線としては、スチール線、ステンレス線、アラミド線、グラスファイバー等が適宜選択して用いられる。
【0017】
尚、上記実施例は何れも、搬送物の載っていない箇所において、ベルト背面の蓄光材入り発光層3に工場内の蛍光灯照明、もしくは、太陽光による紫外線があたることで発光する方式としたが、充分な蓄光が行えない(蓄光不足の)場合は、発光搬送物の載らない箇所に別途、簡易な照明(蛍光灯や青色、もしくは、白色のLED照明、等)を追加しても良い。
【0018】
この様に、本発明によれば、ベルトの下側から光を透過させるための照明設備を組み込む必要もなく、ベルト内に設けられた芯体による悪影響もなく、発光層3から発する光により、被検査物に光を照射することにより検査を行うことが出来る。
【0019】
また、本発明は上述の発明を実施するための最良の形態に限らず本発明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係るベルトの部分断面図である。
【図2】本発明に係る他の実施例を示すベルトの部分断面図である。
【図3】図2のA-A断面図である。
【符号の説明】
【0021】
1 ベルト
2 蓄光剤
3 発光層
4 ベルト本体
11 芯線
31 溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査物をベルトコンベアー上に載置して、前記被検査物に光を照射することにより検査を行う検査装置に用いるベルト(1)において、前記ベルト(1)が蓄光材(2)により発光する様になしたことを特徴とするベルト。
【請求項2】
前記蓄光材(2)を含有するゴム状弾性材製の発光層(3)が、ベルト本体(4)の前記被検査物が載置される側に存在することを特徴とする請求項1記載のベルト。
【請求項3】
前記発光層(3)及び前記ベルト本体(4)が共にポリウレタン材であることを特徴とする請求項1または2記載のベルト。
【請求項4】
前記発光層(3)のゴム硬度が、前記ベルト本体(4)の硬度と等しいか前記ベルト本体(4)の硬度よりも低いことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のベルト。
【請求項5】
前記発光層(3)と前記ベルト本体(4)とが、成形時に一体化することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のベルト。
【請求項6】
前記発光層(3)と前記ベルト本体(4)とを、別体に成形した後、一体化することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のベルト。
【請求項7】
前記発光層(3)に前記ベルト(1)の移動方向と平行な溝(31)を設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のベルト。
【請求項8】
前記ベルト(1)が芯線(11)を有するベルトであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のベルト。
【請求項9】
前記ベルト(1)が芯線(11)を有する平ベルトであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のベルト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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