ベンチレータ
【課題】夜間などにおいても確実に操作することが出来るベンチレータを提供する。
【解決手段】本発明は、車室に向けて送風するためのベンチレータ2であって、ベンチレータ本体4と、ベンチレータ本体に左右方向に揺動可能に取り付けられる縦ルーバー6と、ベンチレータ本体に上下方向に揺動可能に取り付けられる複数の横ルーバー8と、横ルーバーに対して左右方向に摺動可能に取り付けられると共にその後端部が縦ルーバーの一つに取り付けられるスライダーノブ10と、このスライダーノブに設けられ、光を室内側に向けて放射する発光部33と、導光部32まで光を導く導光路8と、この導光路に光を与える光源22と、を有する。
【解決手段】本発明は、車室に向けて送風するためのベンチレータ2であって、ベンチレータ本体4と、ベンチレータ本体に左右方向に揺動可能に取り付けられる縦ルーバー6と、ベンチレータ本体に上下方向に揺動可能に取り付けられる複数の横ルーバー8と、横ルーバーに対して左右方向に摺動可能に取り付けられると共にその後端部が縦ルーバーの一つに取り付けられるスライダーノブ10と、このスライダーノブに設けられ、光を室内側に向けて放射する発光部33と、導光部32まで光を導く導光路8と、この導光路に光を与える光源22と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベンチレータに係り、特に、ルーバー及びスライダーノブが設けられているベンチレータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上下方向の風向調節をする部分に設けられた出射端と、左右方向の風向調節する部分に設けられた出射端とからそれぞれ光が出射されて、夜間などに空調装置の吹き出し口から出る風の方向を確認することが出来るベンチレータ装置が知られている(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開平07−205642号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この装置では、風向は分かるものの、風向を調節するための肝心なノブ自体を光らせるものではないため、不便である。
【0005】
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、夜間などにおいても確実に操作することが出来るベンチレータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために本発明によれば、車室に向けて送風するためのベンチレータであって、ベンチレータ本体と、このベンチレータ本体に上下方向に揺動可能に取り付けられ左右方向に延びる複数の横ルーバーと、ベンチレータ本体に左右方向に揺動可能に取り付けられ縦方向に延びる複数の縦ルーバーと、横ルーバーの一つにその横ルーバーに対して左右方向に摺動可能に取り付けられると共にその後端部が縦ルーバーの一つに連動するスライダーノブであって、そのスライダーノブの左右方向の揺動で複数の縦ルーバーが左右方向に揺動し、そのスライダーノブの上下方向の揺動で複数の横ルーバーが上下方向に揺動するようになっているスライダーノブと、このスライダーノブに設けられ、光を室内側に向けて放射する発光部と、この光透過部まで光を導く導光路と、この導光路に光を与える光源と、を有することを特徴としている。
【0007】
このように構成された本発明においては、スライダーノブに設けられた発光部まで光を導く導光路が形成され、発光部から室内側に向けて光が放射されるので、夜間などにおいても確実に操作することが出来る。
【0008】
また、本発明において、好ましくは、スライダーノブの一部は、少なくともその一部が導光材で形成されて導光路として機能し、スライダーノブが取り付けられる横ルーバーは、少なくともその一部が導光材で形成されて導光路として機能し、光源は、横ルーバーの導光路に光を与え、この横ルーバーに与えられた光はスライダーノブの導光路まで導かれ、この導かれた光が発光部から室内に向けて放射される。
このように構成された本発明においては、スライダーノブの一部及び横ルーバーの少なくともその一部が導光材で形成され、横ルーバーの導光路に与えられた光はスライダーノブの導光路まで導かれるので、確実にスライダーノブの発光部まで光を導くことができる。
【0009】
また、本発明において、好ましくは、スライダーノブが取り付けられる横ルーバーの導光路は、横ルーバーを揺動させる揺動軸を通り、この導光路から、スライダーノブの導光路へと光を伝達するようになっている。
このように構成された本発明においては、横ルーバーを揺動させる揺動軸上に導光路が形成されているので、揺動軸と導光路を兼用して、効果的に光を導くことが出来る。
【0010】
また、本発明において、好ましくは、さらに、光源と、スライダーノブが取り付けられる横ルーバーの揺動軸に形成された導光路とを接続する導光体を有し、光源は、この導光体を介して横ルーバーの導光路に光を与える。
このように構成された本発明においては、光源を揺動軸から離れた位置に設けても、導光体で有効に、導光路に光を導くことが出来る。
【0011】
また、本発明において、好ましくは、光源は、スライダーノブが取り付けられる横ルーバーの揺動軸に形成された導光路に直接光を与えるように揺動軸に隣接して設けられている。
このように構成された本発明においては、より少ない損失で導光路に光を与えることが出来る。
【0012】
また、本発明において、好ましくは、スライダーノブが取り付けられる横ルーバーは、導光材からなり、その導光材は孔部を有し、光源からその横ルーバーに与えられた光が、導光材と孔部の空気との屈折率の違いによってスライダーノブの発光部の方向に反射してスライダーノブの導光路へと導かれる。
このように構成された本発明においては、横ルーバーに与えられた光が、導光材と孔部の空気との屈折率の違いによりスライダーノブの発光部の方向に反射してスライダーノブの導光路へと導びかれるようになっているので、反射用のミラーなどを取り付けることなく、より簡易な方法で光を導くことが出来る。
【0013】
また、本発明において、好ましくは、スライダーノブが取り付けられる横ルーバーの前縁部には、その導光路に導かれた光が発散してスライダーノブの発光部へと投光するようにするレンズが形成されている。
このように構成された本発明においては、光をレンズにより発光部へ向けて発散させることが出来るので、発光部の幅が長くても、その全幅から光を放射させることが出来る。
【0014】
また、本発明において、好ましくは、導光路は、透明又は半透明のアクリル又はポリカーボネートである。
このように構成された本発明においては、これらの材料により光を効率よく導くことが出来る。
【0015】
また、本発明において、好ましくは、アクリル又はポリカーボネートからなるスライダーノブ及びそのスライダーノブが取り付けられる横ルーバーは、光が透過或いは半透過する部分を除き塗装されている。
このように構成された本発明においては、光の損失を抑制することが出来る。
【0016】
また、本発明において、好ましくは、スライダーノブは、スライダーノブ本体、及び、発光部を形成する光透過材或いは半透過材が組み合わされて形成されている。
このように構成された本発明においては、簡易な構造で発光部を設けることが出来る。
【発明の効果】
【0017】
本発明のベンチレータによれば、夜間などにおいても確実に操作することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施の形態について説明する。
先ず、図1乃至図5により、本発明の実施形態によるベンチレータの概略構造を説明する。
図1は、本発明の実施形態によるベンチレータが装着されたダッシュボードを示す概略図であり、図2は、本発明の実施形態によるダッシュボードに装着される前のベンチレータを斜め上方から見た斜視図であり、図3は、本発明の実施形態によるベンチレータを分解した状態での縦ルーバ部品を示す斜視図であり、図4は、本発明の実施形態によるベンチレータを分解した状態での横ルーバー部品を示す斜視図であり、図5は、本発明の実施形態によるベンチレータを分解した状態でのスライダーノブを示す斜視図である。
本発明のベンチレータは、そのスライダーノブを光らせて、夜間でも乗員がそのノブを調節し易くする役割を有し、また、車内のイルミネーションともなる。
【0019】
図1に示すように、ダッシュボード(インストルメントパネル)1には、送風口として、ベンチレータ2が装着されている。
図2に示すように、このベンチレータ2は、そのケースであるベンチレータ本体4と、鉛直方向に延び、左右に揺動する縦ルーバー6と、これらの縦ルーバー6の前方側(車室側)で水平方向に延び、上下に揺動する横ルーバー8と、縦ルーバー6及び横ルーバー8に取り付けられるスライダーノブ10を有する。
【0020】
図2及び図3に示すように、縦ルーバー6は、複数あり、それぞれ、揺動軸6aを有する。 図2及び図4に示すように、横ルーバー8は、複数あり、それぞれ、揺動軸8aを有する(図6及び図7参照)。
図5に示すように、スライダーノブ10は、前方の縦ルーバー6に向けてU字状に開いた開口部10aを有する。この開口部10aの前方端部10bは、縦ルーバー6の取付部6b(図3参照)に連結され、乗員がスライダーノブ10を左右に移動させると、縦ルーバー6が左右に揺動するようになっている。
【0021】
一方、スライダーノブ10は、その開口部10aが、横ルーバー8に嵌めあわされている。より詳細には、スライダーノブ10の開口部10aは、横ルーバー8に取り付けられている。この取り付けにより、スライダーノブ10は、横ルーバー8に対して左右方向に揺動可能である一方、横ルーバー8と共に上下方向に揺動可能となっている。
【0022】
これらの構成により、乗員がスライダーノブ10を左右に移動させると、スライダーノブ10が左右方向に摺動して、上述した縦ルーバー6を左右方向に揺動させ、また、乗員がスライダーノブ10を上下方向に移動させると、横ルーバー8が上下に揺動するようになっている。
【0023】
次に、図2、図6及び図7により、本発明の実施形態によるベンチレータの主に導光路について説明する。図6は、本発明の実施形態による横ルーバー及び光路に関する部品を示す斜視図であり、図7は、本発明の実施形態による横ルーバー、スライダーノブ及び光路に関する部品を示す平面図である。
【0024】
図2に示すように、ベンチレータ本体4には、導電線20と、この導電線20から電力を供給されて光るようになっているLED(光源)22と、このLED22を収容する連ケース24と、LED22からの光を導くガイドライト(導光体)26とが取り付けられている。ガイドライト26は、LED22からの光を90度方向に横ルーバー8に向けて反射する反射部28を有する。
【0025】
ここで、スライダーノブ10及びこのスライダーノブ10が取り付けられる横ルーバー8は、それらの中で光を導くように、透明或いは半透明のアクリル或いはポリカーボネートからなる。
そして、図6及び図7に示すように、LED22で発せられた光Lは、導光路としてのガイドライト26に導かれ、反射部28で横ルーバー8の揺動軸8aに向けて反射される。その光Lは、導光路として、揺動軸8aを通って横ルーバー8内に導かれ、横ルーバー8内を横方向に通り、横ルーバー8に設けられた光反射用孔部30で反射される。
【0026】
孔部30は、横ルーバー8をくり抜くように形成され、その孔部30の空間(空気)と、横ルーバー8との光の屈折率の差で、光Lがスライダーノブ10に向けて反射される。反射された光Lは、導光路として、スライダーノブ10の導光部32に導かれ、発光部33が光るようになっている。この光るスライダーノブ10により、乗員がそのノブ10を認識し易くなり、イルミネーションにもなる。
【0027】
なお、図8及び図9に、本発明の実施形態の図6及び図7の構成の変形例を示す。図8は、本発明の実施形態の変形例による横ルーバー及び光路に関する部品を示す斜視図であり、図9は、本発明の実施形態の変形例による横ルーバー、スライダーノブ及び光路に関する部品を示す平面図である。
図8及び図9に示すように、光源であるLED22は、横ルーバー8の揺動軸8aに隣接して設けられる。横ルーバー8内の導光路は、図6及び図7と同様であり、揺動軸8aから入社された光Lは、横ルーバー8内に導かれ、孔部30で反射され、反射された光はスライダーノブ10の導光部32に導かれる。
【0028】
次に、図10乃至図12により、本発明の実施形態による、横ルーバー及びスライダーノブの構造及び導光路について、より詳細に説明する。図10は、本発明の実施形態による横ルーバー及びスライダーノブの光の導路及び反射を説明するための平面図であり、図11は、図10のXIで示す部分の部分拡大断面図であり、図12は、本発明の実施形態によるスライダーノブの断面を示す断面図である。
【0029】
図10に示すように、揺動軸8aから横ルーバー8に導かれた光Lは、孔部30の前端部に段状に形成された第1乃至第3傾斜部30a〜cで反射される。これらの傾斜部30a〜cで反射された光は、スライダーノブ10に取り付けられた導光部32に導かれる。導光部32は、その発光部33のもともと透明な部分に粒状に細かくしぼ加工が施されるか、半透明のアクリル又はポリカーボネートからなり、光を分散して室内側に放射するようになっている。
【0030】
図11に示すように、このスライダーノブ10が取り付けられる横ルーバー8は、導かれる光を吸収しないように、光を導く部分以外が白色のベース塗料で塗られた白色層34を有し、さらに、ダッシュボード1などの色彩の統一感などをもたせるなどの外観上の理由により黒色の若しくはその他の色の塗料で塗られた黒色層36を有する。そして、横ルーバー8の前方縁には光を前方に向けてまっすぐ透過するための非塗装部8cを有する。
【0031】
また、符号38で示す領域は、上述した塗装層34、36を設けないように、それらの塗装の際、マスキングされた部分である。この符号38で示す非塗装部により傾斜部30a、30bでの反射が可能になる。
図12に示すように、スライダーノブ10は、そのスライダーノブ本体10aが不透明なポリプロピレンやABS樹脂で形成され、その前方側の開口部10bに、その内側から上述したようなしぼ加工あるいは半透明の発光部33を有する導光部32が嵌め込まれて取り付けられている。
【0032】
なお、光を導くことが出来れば、スライダーノブ10及びこのスライダーノブ10が取り付けられる横ルーバー8の少なくとも一部のみを、導光路として、透明或いは半透明にしても良い。或いは、白色及び黒色の塗料を塗らず、空気との反射で、スライダーノブ10及びこのスライダーノブ10が取り付けられる横ルーバー8の中を光が導かれるようにしても良い。また、上述したガイドライト26も、空気との反射で横ルーバー8に光を導くようになっている。
【0033】
次に、図13乃至図15に、本発明の実施形態による図12に示すスライダーノブの変形例を示す。図13乃至図15は、それぞれ、本発明の実施形態の変形例によるスライダーノブを示す断面図である。
先ず、図13に示すように、本実施形態の変形例では、スライダーノブ10は、発光部10cを有し、内側にしぼ加工の表面を有する。或いは、あるいは半透明材のスライダーノブ本体10aを有する。そして、それらの外方縁部には、図11に示す横ルーバー8と同様に、導かれる光を吸収しないように、光を導く部分以外が白色のベース塗料で塗られた白色層44と、ダッシュボード1などの色彩の統一感などをもたせるなどの外観上の理由により黒色若しくはその他の色の塗料で塗られた黒色層46と、を有する。発光部10cは、上述した塗装層44、46をスライダーノブ本体10aに設けた後、レーザー加工で除去して形成するようになっている。なお、発光部10cは、しぼ加工表面を有し、あるいは、本体10aを半透明材として白色層44を有さないものとしても良い。
【0034】
次に、図14に示すように、本実施形態の変形例では、スライダーノブ10は、内側にしぼ加工表面を有する。或いは、半透明材のスライダーノブ本体10aを有する。このスライダーノブ本体10aは、その外縁に、半透明の塗装層45を有し、そのさらに外縁に、光を通さない塗装層47を有する。これらの塗装層をレーザー加工で除去して、発光部10cが形成される。
次に、図15に示すように、本実施形態の変形例では、スライダーノブ10は、その全体が、しぼ加工あるいは半透明のスライダーノブ本体10aで構成されている。
【0035】
次に、図16乃至図20により、本発明の実施形態の変形例による横ルーバーの構成を説明する。図16乃至図20は、それぞれ、本発明の実施形態の変形例による横ルーバーの構成を示す平面図である。
先ず、図16に示すように、揺動軸8aの光が入射される部分は、凹レンズ状に形成され、その揺動軸8aを介して入射された光Lは、広がりながら孔部30に向けて導かれる。孔部30は、横ルーバー8の延びる方向に対して斜めに延びるように形成され、光Lは、第1乃至第5傾斜部30d〜hで反射される。その反射された光Lは、スライダーノブ10に向けて互いに平行な方向に導かれる。横ルーバー8の前縁部には、前方に向けて凹状に切り欠いて形成された凹レンズ部50が形成され、孔部30から導かれる光Lは、この凹レンズ部50により拡げられて、スライダーノブ10の導光部32に入射され、この入射した光Lは、導光部32でさらに拡散されて、室内へと放射される。
【0036】
次に、図17に示すように、揺動軸8aの光が入射される部分は、凹レンズ状に形成され、その揺動軸8aを介して入射された光Lは、広がりながら孔部30に向けて導かれる。孔部30は、横ルーバー8の延びる方向に対して斜めに真っ直ぐ延びるように形成され、光Lは、その前縁部30iで反射される。その反射された光Lは、スライダーノブ10に向けて互いに平行な方向に導かれる。横ルーバー8には、上述した変形例と同様の凹レンズ部50が形成され、孔部30から導かれる光Lは、この凹レンズ部50により拡げられて、スライダーノブ10の導光部32に入射され、この入射した光Lは、導光部32でさらに拡散されて、室内へと放射される。
【0037】
次に、図18に示すように、揺動軸8aの光が入射される部分は、平らに形成され、その揺動軸8aを介して入射された光Lは、真っ直ぐ孔部30に向けて導かれる。孔部30は、上述した実施形態と同様に、第1乃至第3傾斜部30a〜cを有し、これらの傾斜部30a〜cで反射された光Lは、スライダーノブ10に向けて互いに平行な方向に導かれる。横ルーバー8の前縁部には、前方に向けて凹状に形成された3つの凹レンズ部52a〜cが形成され、孔部30から導かれる光Lは、これらの凹レンズ部52a〜cにより拡げられて、スライダーノブ10の導光部32に入射され、この入射した光Lは、導光部32でさらに拡散されて、室内へと放射される。
【0038】
次に、図19に示すように、揺動軸8aの光が入射される部分は、凹レンズ状に形成され、その揺動軸8aを介して入射された光Lは、広がりながら孔部30に向けて導かれる。孔部30は、横ルーバー8の延びる方向に対して斜めに且つ前方に向けて凸状に湾曲し、光Lは、前縁部30jで反射される。その反射された光Lは、スライダーノブ10に向けて拡がりながら進む。この変形例では、レンズ部は設けられず、代わりに、前縁部30jで光が分散される。孔部30から導かれる分散された光Lは、スライダーノブ10の導光部32に入射され、この入射した光Lは、導光部32でさらに拡散されて、室内へと放射される。
【0039】
次に、図20に示すように、揺動軸8aから入射された光Lは、著千滴に孔部30に向けて導かれる。孔部30は、横ルーバー8の延びる方向に対して斜めに延びており、その前縁部30kで反射される。その反射された光Lは、スライダーノブ10に向けて互いに平行な方向に導かれる。この変形例では、横ルーバー8の前縁部には、前方に向けて突出するレンズ部54が形成されている。このレンズ部は、U字状に延びそれぞれ凹状に形成されたレンズ部54a、54bを有する。孔部30から導かれる光Lは、これらの凹レンズ部54a、54bにより拡散されて、スライダーノブ10の導光部32に入射され、この入射した光Lは、導光部32でさらに拡散されて、室内へと放射される。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施形態によるベンチレータが装着されたダッシュボードを示す概略図である。
【図2】本発明の実施形態によるダッシュボードに装着される前のベンチレータを斜め上方から見た斜視図である。
【図3】本発明の実施形態によるベンチレータを分解した状態での縦ルーバ部品を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施形態によるベンチレータを分解した状態での横ルーバー部品を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施形態によるベンチレータを分解した状態でのスライダーノブを示す斜視図である。
【図6】本発明の実施形態による横ルーバー及び光路に関する部品を示す斜視図である。
【図7】本発明の実施形態による横ルーバー、スライダーノブ及び光路に関する部品を示す平面図である。
【図8】本発明の実施形態の変形例による横ルーバー及び光路に関する部品を示す斜視図である。
【図9】本発明の実施形態の変形例による横ルーバー、スライダーノブ及び光路に関する部品を示す平面図である。
【図10】本発明の実施形態による横ルーバー及びスライダーノブの光の導路及び反射を説明するための平面図である。
【図11】図10のXIで示す部分の部分拡大断面図である。
【図12】本発明の実施形態によるスライダーノブの断面を示す断面図である。
【図13】本発明の実施形態の変形例によるスライダーノブを示す断面図である。
【図14】本発明の実施形態の変形例によるスライダーノブを示す断面図である。
【図15】本発明の実施形態の変形例によるスライダーノブを示す断面図である。
【図16】本発明の実施形態の変形例による横ルーバーの構成を示す平面図である。
【図17】本発明の実施形態の変形例による横ルーバーの構成を示す平面図である。
【図18】本発明の実施形態の変形例による横ルーバーの構成を示す平面図である。
【図19】本発明の実施形態の変形例による横ルーバーの構成を示す平面図である。
【図20】本発明の実施形態の変形例による横ルーバーの構成を示す平面図である。
【符号の説明】
【0041】
2 ベンチレータ
6、8 ルーバー
10 スライダーノブ
8a 揺動軸
22 LED
30 光反射用孔部
32 スライダーノブの発光部
50 凹レンズ部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベンチレータに係り、特に、ルーバー及びスライダーノブが設けられているベンチレータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上下方向の風向調節をする部分に設けられた出射端と、左右方向の風向調節する部分に設けられた出射端とからそれぞれ光が出射されて、夜間などに空調装置の吹き出し口から出る風の方向を確認することが出来るベンチレータ装置が知られている(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開平07−205642号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この装置では、風向は分かるものの、風向を調節するための肝心なノブ自体を光らせるものではないため、不便である。
【0005】
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、夜間などにおいても確実に操作することが出来るベンチレータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために本発明によれば、車室に向けて送風するためのベンチレータであって、ベンチレータ本体と、このベンチレータ本体に上下方向に揺動可能に取り付けられ左右方向に延びる複数の横ルーバーと、ベンチレータ本体に左右方向に揺動可能に取り付けられ縦方向に延びる複数の縦ルーバーと、横ルーバーの一つにその横ルーバーに対して左右方向に摺動可能に取り付けられると共にその後端部が縦ルーバーの一つに連動するスライダーノブであって、そのスライダーノブの左右方向の揺動で複数の縦ルーバーが左右方向に揺動し、そのスライダーノブの上下方向の揺動で複数の横ルーバーが上下方向に揺動するようになっているスライダーノブと、このスライダーノブに設けられ、光を室内側に向けて放射する発光部と、この光透過部まで光を導く導光路と、この導光路に光を与える光源と、を有することを特徴としている。
【0007】
このように構成された本発明においては、スライダーノブに設けられた発光部まで光を導く導光路が形成され、発光部から室内側に向けて光が放射されるので、夜間などにおいても確実に操作することが出来る。
【0008】
また、本発明において、好ましくは、スライダーノブの一部は、少なくともその一部が導光材で形成されて導光路として機能し、スライダーノブが取り付けられる横ルーバーは、少なくともその一部が導光材で形成されて導光路として機能し、光源は、横ルーバーの導光路に光を与え、この横ルーバーに与えられた光はスライダーノブの導光路まで導かれ、この導かれた光が発光部から室内に向けて放射される。
このように構成された本発明においては、スライダーノブの一部及び横ルーバーの少なくともその一部が導光材で形成され、横ルーバーの導光路に与えられた光はスライダーノブの導光路まで導かれるので、確実にスライダーノブの発光部まで光を導くことができる。
【0009】
また、本発明において、好ましくは、スライダーノブが取り付けられる横ルーバーの導光路は、横ルーバーを揺動させる揺動軸を通り、この導光路から、スライダーノブの導光路へと光を伝達するようになっている。
このように構成された本発明においては、横ルーバーを揺動させる揺動軸上に導光路が形成されているので、揺動軸と導光路を兼用して、効果的に光を導くことが出来る。
【0010】
また、本発明において、好ましくは、さらに、光源と、スライダーノブが取り付けられる横ルーバーの揺動軸に形成された導光路とを接続する導光体を有し、光源は、この導光体を介して横ルーバーの導光路に光を与える。
このように構成された本発明においては、光源を揺動軸から離れた位置に設けても、導光体で有効に、導光路に光を導くことが出来る。
【0011】
また、本発明において、好ましくは、光源は、スライダーノブが取り付けられる横ルーバーの揺動軸に形成された導光路に直接光を与えるように揺動軸に隣接して設けられている。
このように構成された本発明においては、より少ない損失で導光路に光を与えることが出来る。
【0012】
また、本発明において、好ましくは、スライダーノブが取り付けられる横ルーバーは、導光材からなり、その導光材は孔部を有し、光源からその横ルーバーに与えられた光が、導光材と孔部の空気との屈折率の違いによってスライダーノブの発光部の方向に反射してスライダーノブの導光路へと導かれる。
このように構成された本発明においては、横ルーバーに与えられた光が、導光材と孔部の空気との屈折率の違いによりスライダーノブの発光部の方向に反射してスライダーノブの導光路へと導びかれるようになっているので、反射用のミラーなどを取り付けることなく、より簡易な方法で光を導くことが出来る。
【0013】
また、本発明において、好ましくは、スライダーノブが取り付けられる横ルーバーの前縁部には、その導光路に導かれた光が発散してスライダーノブの発光部へと投光するようにするレンズが形成されている。
このように構成された本発明においては、光をレンズにより発光部へ向けて発散させることが出来るので、発光部の幅が長くても、その全幅から光を放射させることが出来る。
【0014】
また、本発明において、好ましくは、導光路は、透明又は半透明のアクリル又はポリカーボネートである。
このように構成された本発明においては、これらの材料により光を効率よく導くことが出来る。
【0015】
また、本発明において、好ましくは、アクリル又はポリカーボネートからなるスライダーノブ及びそのスライダーノブが取り付けられる横ルーバーは、光が透過或いは半透過する部分を除き塗装されている。
このように構成された本発明においては、光の損失を抑制することが出来る。
【0016】
また、本発明において、好ましくは、スライダーノブは、スライダーノブ本体、及び、発光部を形成する光透過材或いは半透過材が組み合わされて形成されている。
このように構成された本発明においては、簡易な構造で発光部を設けることが出来る。
【発明の効果】
【0017】
本発明のベンチレータによれば、夜間などにおいても確実に操作することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施の形態について説明する。
先ず、図1乃至図5により、本発明の実施形態によるベンチレータの概略構造を説明する。
図1は、本発明の実施形態によるベンチレータが装着されたダッシュボードを示す概略図であり、図2は、本発明の実施形態によるダッシュボードに装着される前のベンチレータを斜め上方から見た斜視図であり、図3は、本発明の実施形態によるベンチレータを分解した状態での縦ルーバ部品を示す斜視図であり、図4は、本発明の実施形態によるベンチレータを分解した状態での横ルーバー部品を示す斜視図であり、図5は、本発明の実施形態によるベンチレータを分解した状態でのスライダーノブを示す斜視図である。
本発明のベンチレータは、そのスライダーノブを光らせて、夜間でも乗員がそのノブを調節し易くする役割を有し、また、車内のイルミネーションともなる。
【0019】
図1に示すように、ダッシュボード(インストルメントパネル)1には、送風口として、ベンチレータ2が装着されている。
図2に示すように、このベンチレータ2は、そのケースであるベンチレータ本体4と、鉛直方向に延び、左右に揺動する縦ルーバー6と、これらの縦ルーバー6の前方側(車室側)で水平方向に延び、上下に揺動する横ルーバー8と、縦ルーバー6及び横ルーバー8に取り付けられるスライダーノブ10を有する。
【0020】
図2及び図3に示すように、縦ルーバー6は、複数あり、それぞれ、揺動軸6aを有する。 図2及び図4に示すように、横ルーバー8は、複数あり、それぞれ、揺動軸8aを有する(図6及び図7参照)。
図5に示すように、スライダーノブ10は、前方の縦ルーバー6に向けてU字状に開いた開口部10aを有する。この開口部10aの前方端部10bは、縦ルーバー6の取付部6b(図3参照)に連結され、乗員がスライダーノブ10を左右に移動させると、縦ルーバー6が左右に揺動するようになっている。
【0021】
一方、スライダーノブ10は、その開口部10aが、横ルーバー8に嵌めあわされている。より詳細には、スライダーノブ10の開口部10aは、横ルーバー8に取り付けられている。この取り付けにより、スライダーノブ10は、横ルーバー8に対して左右方向に揺動可能である一方、横ルーバー8と共に上下方向に揺動可能となっている。
【0022】
これらの構成により、乗員がスライダーノブ10を左右に移動させると、スライダーノブ10が左右方向に摺動して、上述した縦ルーバー6を左右方向に揺動させ、また、乗員がスライダーノブ10を上下方向に移動させると、横ルーバー8が上下に揺動するようになっている。
【0023】
次に、図2、図6及び図7により、本発明の実施形態によるベンチレータの主に導光路について説明する。図6は、本発明の実施形態による横ルーバー及び光路に関する部品を示す斜視図であり、図7は、本発明の実施形態による横ルーバー、スライダーノブ及び光路に関する部品を示す平面図である。
【0024】
図2に示すように、ベンチレータ本体4には、導電線20と、この導電線20から電力を供給されて光るようになっているLED(光源)22と、このLED22を収容する連ケース24と、LED22からの光を導くガイドライト(導光体)26とが取り付けられている。ガイドライト26は、LED22からの光を90度方向に横ルーバー8に向けて反射する反射部28を有する。
【0025】
ここで、スライダーノブ10及びこのスライダーノブ10が取り付けられる横ルーバー8は、それらの中で光を導くように、透明或いは半透明のアクリル或いはポリカーボネートからなる。
そして、図6及び図7に示すように、LED22で発せられた光Lは、導光路としてのガイドライト26に導かれ、反射部28で横ルーバー8の揺動軸8aに向けて反射される。その光Lは、導光路として、揺動軸8aを通って横ルーバー8内に導かれ、横ルーバー8内を横方向に通り、横ルーバー8に設けられた光反射用孔部30で反射される。
【0026】
孔部30は、横ルーバー8をくり抜くように形成され、その孔部30の空間(空気)と、横ルーバー8との光の屈折率の差で、光Lがスライダーノブ10に向けて反射される。反射された光Lは、導光路として、スライダーノブ10の導光部32に導かれ、発光部33が光るようになっている。この光るスライダーノブ10により、乗員がそのノブ10を認識し易くなり、イルミネーションにもなる。
【0027】
なお、図8及び図9に、本発明の実施形態の図6及び図7の構成の変形例を示す。図8は、本発明の実施形態の変形例による横ルーバー及び光路に関する部品を示す斜視図であり、図9は、本発明の実施形態の変形例による横ルーバー、スライダーノブ及び光路に関する部品を示す平面図である。
図8及び図9に示すように、光源であるLED22は、横ルーバー8の揺動軸8aに隣接して設けられる。横ルーバー8内の導光路は、図6及び図7と同様であり、揺動軸8aから入社された光Lは、横ルーバー8内に導かれ、孔部30で反射され、反射された光はスライダーノブ10の導光部32に導かれる。
【0028】
次に、図10乃至図12により、本発明の実施形態による、横ルーバー及びスライダーノブの構造及び導光路について、より詳細に説明する。図10は、本発明の実施形態による横ルーバー及びスライダーノブの光の導路及び反射を説明するための平面図であり、図11は、図10のXIで示す部分の部分拡大断面図であり、図12は、本発明の実施形態によるスライダーノブの断面を示す断面図である。
【0029】
図10に示すように、揺動軸8aから横ルーバー8に導かれた光Lは、孔部30の前端部に段状に形成された第1乃至第3傾斜部30a〜cで反射される。これらの傾斜部30a〜cで反射された光は、スライダーノブ10に取り付けられた導光部32に導かれる。導光部32は、その発光部33のもともと透明な部分に粒状に細かくしぼ加工が施されるか、半透明のアクリル又はポリカーボネートからなり、光を分散して室内側に放射するようになっている。
【0030】
図11に示すように、このスライダーノブ10が取り付けられる横ルーバー8は、導かれる光を吸収しないように、光を導く部分以外が白色のベース塗料で塗られた白色層34を有し、さらに、ダッシュボード1などの色彩の統一感などをもたせるなどの外観上の理由により黒色の若しくはその他の色の塗料で塗られた黒色層36を有する。そして、横ルーバー8の前方縁には光を前方に向けてまっすぐ透過するための非塗装部8cを有する。
【0031】
また、符号38で示す領域は、上述した塗装層34、36を設けないように、それらの塗装の際、マスキングされた部分である。この符号38で示す非塗装部により傾斜部30a、30bでの反射が可能になる。
図12に示すように、スライダーノブ10は、そのスライダーノブ本体10aが不透明なポリプロピレンやABS樹脂で形成され、その前方側の開口部10bに、その内側から上述したようなしぼ加工あるいは半透明の発光部33を有する導光部32が嵌め込まれて取り付けられている。
【0032】
なお、光を導くことが出来れば、スライダーノブ10及びこのスライダーノブ10が取り付けられる横ルーバー8の少なくとも一部のみを、導光路として、透明或いは半透明にしても良い。或いは、白色及び黒色の塗料を塗らず、空気との反射で、スライダーノブ10及びこのスライダーノブ10が取り付けられる横ルーバー8の中を光が導かれるようにしても良い。また、上述したガイドライト26も、空気との反射で横ルーバー8に光を導くようになっている。
【0033】
次に、図13乃至図15に、本発明の実施形態による図12に示すスライダーノブの変形例を示す。図13乃至図15は、それぞれ、本発明の実施形態の変形例によるスライダーノブを示す断面図である。
先ず、図13に示すように、本実施形態の変形例では、スライダーノブ10は、発光部10cを有し、内側にしぼ加工の表面を有する。或いは、あるいは半透明材のスライダーノブ本体10aを有する。そして、それらの外方縁部には、図11に示す横ルーバー8と同様に、導かれる光を吸収しないように、光を導く部分以外が白色のベース塗料で塗られた白色層44と、ダッシュボード1などの色彩の統一感などをもたせるなどの外観上の理由により黒色若しくはその他の色の塗料で塗られた黒色層46と、を有する。発光部10cは、上述した塗装層44、46をスライダーノブ本体10aに設けた後、レーザー加工で除去して形成するようになっている。なお、発光部10cは、しぼ加工表面を有し、あるいは、本体10aを半透明材として白色層44を有さないものとしても良い。
【0034】
次に、図14に示すように、本実施形態の変形例では、スライダーノブ10は、内側にしぼ加工表面を有する。或いは、半透明材のスライダーノブ本体10aを有する。このスライダーノブ本体10aは、その外縁に、半透明の塗装層45を有し、そのさらに外縁に、光を通さない塗装層47を有する。これらの塗装層をレーザー加工で除去して、発光部10cが形成される。
次に、図15に示すように、本実施形態の変形例では、スライダーノブ10は、その全体が、しぼ加工あるいは半透明のスライダーノブ本体10aで構成されている。
【0035】
次に、図16乃至図20により、本発明の実施形態の変形例による横ルーバーの構成を説明する。図16乃至図20は、それぞれ、本発明の実施形態の変形例による横ルーバーの構成を示す平面図である。
先ず、図16に示すように、揺動軸8aの光が入射される部分は、凹レンズ状に形成され、その揺動軸8aを介して入射された光Lは、広がりながら孔部30に向けて導かれる。孔部30は、横ルーバー8の延びる方向に対して斜めに延びるように形成され、光Lは、第1乃至第5傾斜部30d〜hで反射される。その反射された光Lは、スライダーノブ10に向けて互いに平行な方向に導かれる。横ルーバー8の前縁部には、前方に向けて凹状に切り欠いて形成された凹レンズ部50が形成され、孔部30から導かれる光Lは、この凹レンズ部50により拡げられて、スライダーノブ10の導光部32に入射され、この入射した光Lは、導光部32でさらに拡散されて、室内へと放射される。
【0036】
次に、図17に示すように、揺動軸8aの光が入射される部分は、凹レンズ状に形成され、その揺動軸8aを介して入射された光Lは、広がりながら孔部30に向けて導かれる。孔部30は、横ルーバー8の延びる方向に対して斜めに真っ直ぐ延びるように形成され、光Lは、その前縁部30iで反射される。その反射された光Lは、スライダーノブ10に向けて互いに平行な方向に導かれる。横ルーバー8には、上述した変形例と同様の凹レンズ部50が形成され、孔部30から導かれる光Lは、この凹レンズ部50により拡げられて、スライダーノブ10の導光部32に入射され、この入射した光Lは、導光部32でさらに拡散されて、室内へと放射される。
【0037】
次に、図18に示すように、揺動軸8aの光が入射される部分は、平らに形成され、その揺動軸8aを介して入射された光Lは、真っ直ぐ孔部30に向けて導かれる。孔部30は、上述した実施形態と同様に、第1乃至第3傾斜部30a〜cを有し、これらの傾斜部30a〜cで反射された光Lは、スライダーノブ10に向けて互いに平行な方向に導かれる。横ルーバー8の前縁部には、前方に向けて凹状に形成された3つの凹レンズ部52a〜cが形成され、孔部30から導かれる光Lは、これらの凹レンズ部52a〜cにより拡げられて、スライダーノブ10の導光部32に入射され、この入射した光Lは、導光部32でさらに拡散されて、室内へと放射される。
【0038】
次に、図19に示すように、揺動軸8aの光が入射される部分は、凹レンズ状に形成され、その揺動軸8aを介して入射された光Lは、広がりながら孔部30に向けて導かれる。孔部30は、横ルーバー8の延びる方向に対して斜めに且つ前方に向けて凸状に湾曲し、光Lは、前縁部30jで反射される。その反射された光Lは、スライダーノブ10に向けて拡がりながら進む。この変形例では、レンズ部は設けられず、代わりに、前縁部30jで光が分散される。孔部30から導かれる分散された光Lは、スライダーノブ10の導光部32に入射され、この入射した光Lは、導光部32でさらに拡散されて、室内へと放射される。
【0039】
次に、図20に示すように、揺動軸8aから入射された光Lは、著千滴に孔部30に向けて導かれる。孔部30は、横ルーバー8の延びる方向に対して斜めに延びており、その前縁部30kで反射される。その反射された光Lは、スライダーノブ10に向けて互いに平行な方向に導かれる。この変形例では、横ルーバー8の前縁部には、前方に向けて突出するレンズ部54が形成されている。このレンズ部は、U字状に延びそれぞれ凹状に形成されたレンズ部54a、54bを有する。孔部30から導かれる光Lは、これらの凹レンズ部54a、54bにより拡散されて、スライダーノブ10の導光部32に入射され、この入射した光Lは、導光部32でさらに拡散されて、室内へと放射される。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施形態によるベンチレータが装着されたダッシュボードを示す概略図である。
【図2】本発明の実施形態によるダッシュボードに装着される前のベンチレータを斜め上方から見た斜視図である。
【図3】本発明の実施形態によるベンチレータを分解した状態での縦ルーバ部品を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施形態によるベンチレータを分解した状態での横ルーバー部品を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施形態によるベンチレータを分解した状態でのスライダーノブを示す斜視図である。
【図6】本発明の実施形態による横ルーバー及び光路に関する部品を示す斜視図である。
【図7】本発明の実施形態による横ルーバー、スライダーノブ及び光路に関する部品を示す平面図である。
【図8】本発明の実施形態の変形例による横ルーバー及び光路に関する部品を示す斜視図である。
【図9】本発明の実施形態の変形例による横ルーバー、スライダーノブ及び光路に関する部品を示す平面図である。
【図10】本発明の実施形態による横ルーバー及びスライダーノブの光の導路及び反射を説明するための平面図である。
【図11】図10のXIで示す部分の部分拡大断面図である。
【図12】本発明の実施形態によるスライダーノブの断面を示す断面図である。
【図13】本発明の実施形態の変形例によるスライダーノブを示す断面図である。
【図14】本発明の実施形態の変形例によるスライダーノブを示す断面図である。
【図15】本発明の実施形態の変形例によるスライダーノブを示す断面図である。
【図16】本発明の実施形態の変形例による横ルーバーの構成を示す平面図である。
【図17】本発明の実施形態の変形例による横ルーバーの構成を示す平面図である。
【図18】本発明の実施形態の変形例による横ルーバーの構成を示す平面図である。
【図19】本発明の実施形態の変形例による横ルーバーの構成を示す平面図である。
【図20】本発明の実施形態の変形例による横ルーバーの構成を示す平面図である。
【符号の説明】
【0041】
2 ベンチレータ
6、8 ルーバー
10 スライダーノブ
8a 揺動軸
22 LED
30 光反射用孔部
32 スライダーノブの発光部
50 凹レンズ部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室に向けて送風するためのベンチレータであって、
ベンチレータ本体と、
このベンチレータ本体に上下方向に揺動可能に取り付けられ左右方向に延びる複数の横ルーバーと、
上記ベンチレータ本体に左右方向に揺動可能に取り付けられ縦方向に延びる複数の縦ルーバーと、
上記横ルーバーの一つにその横ルーバーに対して左右方向に摺動可能に取り付けられると共にその後端部が上記縦ルーバーの一つに連動するスライダーノブであって、そのスライダーノブの上記左右方向の揺動で上記複数の縦ルーバーが左右方向に揺動し、そのスライダーノブの上下方向の揺動で上記複数の横ルーバーが上下方向に揺動するようになっているスライダーノブと、
このスライダーノブに設けられ、光を室内側に向けて放射する発光部と、
この発光部まで光を導く導光路と、
この導光路に光を与える光源と、
を有することを特徴とするベンチレータ。
【請求項2】
上記スライダーノブの一部は、少なくともその一部が導光材で形成されて導光路として機能し、
上記スライダーノブが取り付けられる横ルーバーは、少なくともその一部が導光材で形成されて導光路として機能し、
上記光源は、上記横ルーバーの導光路に光を与え、この横ルーバーに与えられた光は上記スライダーノブの導光路まで導かれ、この導かれた光が上記発光部から室内に向けて放射される請求項1に記載のベンチレータ。
【請求項3】
上記スライダーノブが取り付けられる横ルーバーの導光路は、上記横ルーバーを揺動させる揺動軸を通り、上記導光路から、上記スライダーノブの導光路へと光を伝達するようになっている請求項1又は請求項2に記載のベンチレータ。
【請求項4】
さらに、上記光源と、上記スライダーノブが取り付けられる横ルーバーの揺動軸に形成された導光路とを接続する導光体を有し、上記光源は、この導光体を介して上記横ルーバーの導光路に光を与える請求項3に記載のベンチレータ。
【請求項5】
上記光源は、上記スライダーノブが取り付けられる横ルーバーの揺動軸に形成された導光路に直接光を与えるように上記揺動軸に隣接して設けられている請求項1乃至4のいずれか1項に記載のベンチレータ。
【請求項6】
上記スライダーノブが取り付けられる横ルーバーは、導光材からなり、
その導光材は孔部を有し、
上記光源からその横ルーバーに与えられた光が、上記導光材と上記孔部の空気との屈折率の違いにより、スライダーノブの発光部の方向に反射して上記スライダーノブの導光路へと導かれる請求項1乃至5のいずれか1項に記載のベンチレータ。
【請求項7】
上記スライダーノブが取り付けられる横ルーバーの前縁部には、その導光路に導かれた光が発散して上記スライダーノブの導光路へと投光するようにするレンズが形成されている請求項1乃至6のいずれか1項に記載のベンチレータ。
【請求項8】
上記導光路は、透明又は半透明のアクリル又はポリカーボネートである請求項1乃至7のいずれか1項に記載のベンチレータ。
【請求項9】
上記アクリル又はポリカーボネートからなるスライダーノブ及びそのスライダーノブが取り付けられる横ルーバーは、上記光が導かれる部分を除き塗装されている請求項8に記載のベンチレータ。
【請求項10】
上記スライダーノブは、スライダーノブ本体、及び、発光部を形成する透過材或いは反透過材が組み合わされて形成されている請求項1乃至9のいずれか1項に記載のベンチレータ。
【請求項1】
車室に向けて送風するためのベンチレータであって、
ベンチレータ本体と、
このベンチレータ本体に上下方向に揺動可能に取り付けられ左右方向に延びる複数の横ルーバーと、
上記ベンチレータ本体に左右方向に揺動可能に取り付けられ縦方向に延びる複数の縦ルーバーと、
上記横ルーバーの一つにその横ルーバーに対して左右方向に摺動可能に取り付けられると共にその後端部が上記縦ルーバーの一つに連動するスライダーノブであって、そのスライダーノブの上記左右方向の揺動で上記複数の縦ルーバーが左右方向に揺動し、そのスライダーノブの上下方向の揺動で上記複数の横ルーバーが上下方向に揺動するようになっているスライダーノブと、
このスライダーノブに設けられ、光を室内側に向けて放射する発光部と、
この発光部まで光を導く導光路と、
この導光路に光を与える光源と、
を有することを特徴とするベンチレータ。
【請求項2】
上記スライダーノブの一部は、少なくともその一部が導光材で形成されて導光路として機能し、
上記スライダーノブが取り付けられる横ルーバーは、少なくともその一部が導光材で形成されて導光路として機能し、
上記光源は、上記横ルーバーの導光路に光を与え、この横ルーバーに与えられた光は上記スライダーノブの導光路まで導かれ、この導かれた光が上記発光部から室内に向けて放射される請求項1に記載のベンチレータ。
【請求項3】
上記スライダーノブが取り付けられる横ルーバーの導光路は、上記横ルーバーを揺動させる揺動軸を通り、上記導光路から、上記スライダーノブの導光路へと光を伝達するようになっている請求項1又は請求項2に記載のベンチレータ。
【請求項4】
さらに、上記光源と、上記スライダーノブが取り付けられる横ルーバーの揺動軸に形成された導光路とを接続する導光体を有し、上記光源は、この導光体を介して上記横ルーバーの導光路に光を与える請求項3に記載のベンチレータ。
【請求項5】
上記光源は、上記スライダーノブが取り付けられる横ルーバーの揺動軸に形成された導光路に直接光を与えるように上記揺動軸に隣接して設けられている請求項1乃至4のいずれか1項に記載のベンチレータ。
【請求項6】
上記スライダーノブが取り付けられる横ルーバーは、導光材からなり、
その導光材は孔部を有し、
上記光源からその横ルーバーに与えられた光が、上記導光材と上記孔部の空気との屈折率の違いにより、スライダーノブの発光部の方向に反射して上記スライダーノブの導光路へと導かれる請求項1乃至5のいずれか1項に記載のベンチレータ。
【請求項7】
上記スライダーノブが取り付けられる横ルーバーの前縁部には、その導光路に導かれた光が発散して上記スライダーノブの導光路へと投光するようにするレンズが形成されている請求項1乃至6のいずれか1項に記載のベンチレータ。
【請求項8】
上記導光路は、透明又は半透明のアクリル又はポリカーボネートである請求項1乃至7のいずれか1項に記載のベンチレータ。
【請求項9】
上記アクリル又はポリカーボネートからなるスライダーノブ及びそのスライダーノブが取り付けられる横ルーバーは、上記光が導かれる部分を除き塗装されている請求項8に記載のベンチレータ。
【請求項10】
上記スライダーノブは、スライダーノブ本体、及び、発光部を形成する透過材或いは反透過材が組み合わされて形成されている請求項1乃至9のいずれか1項に記載のベンチレータ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2010−143338(P2010−143338A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−321410(P2008−321410)
【出願日】平成20年12月17日(2008.12.17)
【出願人】(505450755)ビステオン グローバル テクノロジーズ インコーポレイテッド (140)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月17日(2008.12.17)
【出願人】(505450755)ビステオン グローバル テクノロジーズ インコーポレイテッド (140)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]