説明

ペプチドベースのインフルエンザワクチン製剤

インフルエンザA型及びB型に対するペプチドベースの抗インフルエンザ製剤を開示する。ペプチドはインフルエンザベースのエピトープに由来する。本製剤は、特定残基に変異性が存在するように処方することができるペプチド混合物に基づく。本製剤は、ヒト、トリ、マウス又はウマにおけるインフルエンザを予防するためのワクチンの製造に使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2005年6月1日に出願された米国仮特許出願第60/686,041号の優先権の利益を主張し、この仮特許出願は参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
[発明の分野]
本発明は、概して抗ウイルス製剤に関し、特にペプチドベースのインフルエンザワクチン製剤に関する。
【0003】
[発明の背景]
インフルエンザは、オルトミクソウイルス科のウイルスに関連する呼吸器系の一般的な感染性疾患である。このウイルスは変異性が高いので、ワクチン接種は通例、株変異を考慮に入れた処方変更済のワクチンを使って、毎年行う必要がある。そのような処方変更にもかかわらず、ある特定シーズン中に世界中の人々に活発に感染するさまざまな株の全てを包含することは、ワクチンには不可能である。
【0004】
インフルエンザに対して有効なワクチンは現在も入手可能であるが、それらのワクチンは、ウイルスの表面タンパク質における抗原変異のせいで、毎年処方を変更しなければならない。処方変更にとって障害の一つは、インフルエンザ感染の季節的増加に対応するために、十分な量のワクチン量を処方し、製造するには、比較的長い期間が必要なことである。通例、ワクチンの製造には6ヶ月を超える期間が必要な場合があり、時には、その6ヶ月の間に新しいインフルエンザ株又は見過ごしたインフルエンザ株が顕著になって、流行をもたらす。
【0005】
赤血球凝集素(HA)はインフルエンザウイルスの主要表面糖タンパク質であり、ウイルス中和抗体がその標的とする強力な免疫原である。インフルエンザウイルスは比較的安定な細胞内核タンパク質及びエンベロープ関連マトリックスタンパク質に基づいて、A型又はB型に分類される。ウイルスサブタイプは、絶え間なく抗原変化を起こすウイルスエンベロープ中の2つのタンパク質、HA及びノイラミニダーゼ(NA)に基づく。インフルエンザA型の場合、HAは15個の異なるサブタイプ、NAは9個のサブタイプが認識されている(De Jong, Rimmelzwaan, G.F., Fouchier, R.A.M.及びOsterhaus, A.D.M.E. Journal of Infection, 2000;40:218−228)。新しいサブタイプが突然出現すること(抗原シフト)により、前世紀には3回の大きな感染爆発が起こっている:1918年(スペイン風邪、H1N1)、1957年(アジア風邪、H2N2)及び1968年(香港風邪、H3N2)。最近は、トリインフルエンザ、ウマインフルエンザ、及び人間における感受性にも関心が持たれている。
【0006】
HAはインフルエンザウイルスの主要エンベロープ糖タンパク質であり、宿主細胞へのウイルスの侵入を媒介する(Wiley, D.C.ら, Nature 1981;289(29):373−377;Wilson, IA,ら, Nature 1981;289, 366−373;Catonら, Cell 1982:417−427)。ネイティブHAは、3つのHAモノマーが会合することによって形成され、それらのモノマーは、ウイルス感染性の前提条件として、アミノ末端HA1及びカルボキシ末端HA2に酵素的に切断される。HA1の三次元構造に基づき、抗原変異体のアミノ酸変化を決定することによって、抗原部位がマッピングされている(Wiley, 前掲)。抗原変異は大半が、抗体が接近することのできない受容体結合ポケット付近の残基を含む、HAの受容体結合領域周辺に見られた。したがって、免疫学的治療法として、ペプチドベースのアプローチを解明することが望まれてきた。しかし、ペプチドベースのサブユニットワクチンの大きな問題は、コンフォメーショナルなB細胞及びT細胞エピトープを認識することができる抗体の誘導に関する直鎖ペプチドの能力である。これらの抗原部位に対するモノクローナル抗体は、まさにその配列が存在する場合には、インフルエンザウイルスの感染性を中和する。これらの部位にはT細胞エピトープとB細胞エピトープがどちらも見出される(Atassiら, Advances in Experimental Medicine and Biology, 1989;251:49−635−6;Torresら, Immunology Letters, 1988;19(1):49−53)。
【0007】
HA上の抗原部位の一つに対するモノクローナル抗体の存在下でのインフルエンザウイルスの増殖は、親ウイルスでは非常に小さな少数集団であったエスケープ変異体の選択をもたらす(Websterら, Virology 1983;126(2):587−99;Websterら, Virology 1980;104(1):139−48;Yewdellら, Nature 1979;279(5710):246−8)。これらのインビトロデータと合致して、あるウイルス株に対して免疫し、別のウイルス株に感染された個体は、多様な抗原変異体を産生する。これらのデータは、それらのエピトープに対する集団免疫が、新しいインフルエンザウイルス株の選択にとって、推進力であることを示唆している。
【0008】
米国において毎年開発されるワクチン製剤は、Department of Food and Drug Administration Vaccines and the Related Biologicals Advisory Committeeによって決定される。世界保健機関(WHO)も同様に、新しいインフルエンザ変異体を検出するために、研究室の世界的監視ネットワークを運営している(Lavanchy, Vaccine 1999;17:S24−S25)。選択は、最近単離されたインフルエンザウイルスの抗原性解析、抗原変異体の伝播パターン、及び最近ワクチン接種された個体の抗体応答に基づいて行われる。しかし、変化していく免疫戦略の要求を満たすために十分な量のワクチンを効果的に効率よく生産することは、上に概説したワクチン製剤の遅延ゆえに困難だった。したがって、より有効なインフルエンザワクチン製剤を効率よく提供することが望ましい。
【0009】
[発明の概要]
従来のインフルエンザワクチン製剤の少なくとも一つの欠点を除去又は軽減することが、本発明の目的である。
【0010】
本発明は、インフルエンザHAのエピトープに由来するペプチドベースのインフルエンザワクチン製剤を提供する。有利なことに、本発明のワクチン製剤は、市販のワクチンと比較して、動物モデルにおける体液性応答を改善する。製剤中のペプチド変異体ゆえに、本発明は、さまざまなインフルエンザウイルス株に対する幅広い防御を与えることができる。
【0011】
驚くべきことに、防御HAエピトープにおけるインフルエンザウイルスの抗原多様性を表現する、本発明によるペプチドベースのインフルエンザワクチン製剤は、インフルエンザの数少ない分離株に基づく市販のワクチンを使って誘導される防御免疫よりも広く反応する防御免疫を誘発する。
【0012】
第一の態様として、本発明は、配列番号1〜248からなる群より選択される少なくとも1個のペプチドを含む、ペプチドベースの抗インフルエンザ製剤を提供する。
【0013】
本発明のある実施形態では、配列番号1〜248からなる群より選択される少なくとも4個のペプチド配列を含む製剤が提供される。別の実施形態では、製剤は、配列番号1〜64からなる群より選択される少なくとも2個のペプチドと、配列番号133〜180からなる群より選択される少なくとも2個のペプチドとを含むことができる。この製剤は、配列番号1〜64と配列番号133〜180とを含むこともできる。
【0014】
本発明は、配列番号185〜248からなる群より選択される少なくとも1個のペプチド配列を含む製剤も提供する。ある実施形態では、製剤は、以下に挙げる群のうち少なくとも2つの群のそれぞれから選択される少なくとも2個のペプチド配列を含むことができる:配列番号185〜200;配列番号201〜216;配列番号217〜232;又は配列番号233〜248。
【0015】
本発明は、配列番号65〜128からなる群より選択される少なくとも1個のペプチド配列を含む製剤も提供する。ある実施形態では、製剤は、以下に挙げる群のうち少なくとも2つの群のそれぞれから選択される少なくとも2個のペプチド配列を含むことができる:配列番号65〜80;配列番号81〜96;配列番号97〜112;又は配列番号113〜128。
【0016】
本発明の製剤はワクチンの製造に使用することができる。ワクチンの製造にはミョウバン又は他の置換成分などのアジュバントを使用してよい。本ワクチンは、ヒト、マウス、ウマ又はトリなどの動物におけるインフルエンザの治療に使用することができる。
【0017】
本発明の製剤はインフルエンザA型及びB型に対して広く反応する。有利なことに、本発明の製剤は、わずか6週間で合成的に製造することができる。
【0018】
本発明の他の態様及び特徴は、本発明の具体的実施形態に関する以下の説明を添付の図面と合わせて概観することにより、当業者には明白になるだろう。
【0019】
ほんの一例として、本発明の実施形態を、添付の図面を参照しながら以下に説明する。
【0020】
[詳細な説明]
本発明は、概して抗ウイルス製剤を提供し、より具体的には、配列番号1〜248からなる群より選択される少なくとも1個のペプチドを含むペプチドベースの抗インフルエンザ製剤を提供する。
【0021】
本発明の製剤は、1個以上のペプチドを含むカクテルである。本製剤は、配列番号1〜248からなる群より選択される少なくとも4個のペプチド配列を含むことができる。一例として、本製剤は、配列番号1〜64からなる群より選択される少なくとも2個のペプチドと、配列番号133〜180からなる群より選択される少なくとも2個のペプチドとを含むことができる。ある具体例は配列番号1〜64と配列番号133〜180とを含む。別の具体例では、製剤が配列番号1〜64を含む。さらに別の具体例では、製剤が配列番号185〜248を含む。
【0022】
別の例として、本製剤は、以下に挙げる群のうち少なくとも2つの群のそれぞれから選択される2個のペプチド配列を含むことができる:a)配列番号1〜16;b)配列番号17〜32;c)配列番号33〜48;又はd)配列番号49〜64(ただし、nは1〜4である)。さらに本製剤は、群a)〜d)のうち少なくとも2つの群を含むことができる:a)配列番号133〜140から選択される2個のペプチド配列;b)配列番号141〜156から選択される2個のペプチド配列;c)配列番号157〜172から選択される2個のペプチド配列;又はd)配列番号173〜180から選択される2個のペプチド配列(ただし、mは1〜3であり、nは1〜4である)。この製剤は、ヒト抗インフルエンザワクチンの製造に使用することができる。
【0023】
本明細書に記載するヒト抗インフルエンザ製剤は単独で使用するか、組み合わせて使用することができる。
【0024】
別の例として、本発明の製剤は、配列番号185〜248からなる群より選択される少なくとも1個のペプチド配列を含むことができる。一例として、本製剤は、以下に挙げる群のうち少なくとも2つの群のそれぞれから選択される2個のペプチド配列を含むことができる:a)配列番号185〜200;b)配列番号201〜216;c)配列番号217〜232;又はd)配列番号233〜248(ただし、nは1〜4である)。この製剤はウマ抗インフルエンザワクチンの製造に使用することができる。
【0025】
別の例として、本発明の製剤は、配列番号65〜128からなる群より選択される少なくとも1個のペプチド配列を含むことができる。一例として、本製剤は、以下に挙げる群のうち少なくとも2つの群のそれぞれから選択される2個のペプチド配列を含むことができる:a)配列番号65〜80;b)配列番号81〜96;c)配列番号97〜112;又はd)配列番号113〜128(ただし、nは1〜4である)。この製剤はトリ抗インフルエンザワクチンの製造に使用することができる。
【0026】
ペプチド配列によって表現される変異性がない製剤の一例として、本製剤は、配列番号129〜132又は配列番号181〜184の少なくとも一方を含むことができる。具体例の一つとして、本製剤は配列番号129〜132を含むことができる。別の具体例として、本製剤は、配列番号181〜184を含むことができる。
【0027】
本発明は、配列番号1〜248からなる群より選択される少なくとも1個のペプチドを含む製剤を薬学的に許容できる希釈剤又は担体と共に含むワクチンも提供する。本ワクチンはさらにアジュバントを含むことができ、そのアジュバントは例えばミョウバンであることができる。
【0028】
本製剤は、インフルエンザを予防又は治療する必要がある動物におけるインフルエンザを予防又は治療するためのワクチンの製造に使用することができる。動物はヒト、マウス、ウマ又はトリであることができる。
【0029】
本発明は、配列番号1〜64からなる群より選択される少なくとも2個のペプチドと、配列番号133〜180からなる群より選択される少なくとも2個のペプチドとを含む製剤の、ヒトインフルエンザを治療するためのワクチンの製造のための使用に関する。
【0030】
また本発明は、配列番号185〜248からなる群より選択される少なくとも1個のペプチド配列を含む製剤の、ウマインフルエンザを治療するためのワクチンの製造のための使用に関する。
【0031】
さらに本発明は、配列番号65〜128からなる群より選択される少なくとも1個のペプチド配列を含む製剤の、トリインフルエンザを治療するためのワクチンの製造のための使用に関する。
【0032】
本発明に従って製造されるワクチンは、インフルエンザの予防又は治療に使用することができる。
【0033】
これらのペプチドの配列は、ペプチドエピトープを決定するためのインフルエンザ赤血球凝集素(HA)タンパク質の結晶構造の解析に基づいて決定される。赤血球凝集素はインフルエンザウイルスの主要表面糖タンパク質であり、ウイルス中和抗体がその標的とする強力な免疫原である。カクテル中の直鎖ペプチドエピトープは、HAタンパク質表面上の不連続エピトープを模倣する。何千ものヒトインフルエンザ単離株から得られるHAタンパク質の抗原変異を解析するバイオインフォマティクスソフトウェアを使って、これらのエピトープ内でのHAの抗原変異を表現する、これらのエピトープに基づく変性ペプチドカクテルを製造することができる。したがって、本発明のインフルエンザワクチン製剤は、HAタンパク質の主要エピトープを表現するペプチドのカクテルを含む。
【0034】
ワクチンは、ペプチドごとに、特定残基における変異を表現して、又は特定残基における変異を表現せずに、処方することができる。変異が表現されない場合、形成されるペプチドを、本明細書では、Discotope(商標)コンストラクトと呼ぶことができる。discotopeコンストラクトは、不連続エピトープを構成する一次配列断片の位置をまねる直鎖配列合成コンストラクトである。元の完全なタンパク質中に見出される不連続エピトープを認識する免疫応答を誘発するために、個々の断片が順に構築される。
【0035】
不連続エピトープは、タンパク質の一次配列の2個以上のセグメントから構成され、それらのセグメントは、適正にフォールディングされると一体となって、特異的抗体に結合される。不連続エピトープは二次構造を失うと抗体によって認識されなくなるので、不連続エピトープは、連続的な直鎖ペプチドでは表現されていなかった。
【0036】
特定の病原体の異なる配列に従って表現される異なるアミノ酸配列を持つことが知られている特定の残基に変異が存在する場合、本製剤はいくつかのペプチドを含み、それらのペプチドを、本明細書では、Discosite(商標)コンストラクトと総称することができる。
【0037】
ペプチドの混合物を処方するには、参照により本明細書に組み入れられる米国特許出願第10/072,084号に概説されているTorresの方法を使用することができる。
【0038】
Discotope/Discositeコンストラクトの設計
本発明のワクチン製剤では、インフルエンザ赤血球凝集素を使って、四つの不連続エピトープを表現する直鎖配列を設計する。HAの四つの抗原部位にある不連続B細胞エピトープ及び不連続T細胞エピトープを模倣する四つのペプチド(discotopeコンストラクト)を設計した。各discotopeコンストラクトは、固相ペプチド合成法を使って合成される。インフルエンザA型の200株を越えるヒト分離株の配列を、Genbank(商標)データベース及びSwiss Protein(商標)データベースから入手し、これらのエピトープの組成を調べるために整列した。
【0039】
インフルエンザワクチン製剤は、配列番号129〜132及び/又は配列番号181〜184の1個以上のdiscotopeコンストラクトを含むことができる。
【0040】
ワクチン製剤の設計
本発明の文脈において、ワクチン製剤は、インフルエンザワクチンの製造に用いられるペプチドのカクテルである。このワクチンは、ペプチドのカクテルと、添加が許容されるであろう当分野において既知の他の置換成分とを含むことができる。これらの置換成分としては、アジュバント、希釈剤及び/又は担体を挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。
【0041】
本発明のワクチン製剤は、ヒト、ウマ及び/又はトリインフルエンザの治療において、ワクチンを製造するのに、とりわけ適している。しかし、ペプチド配列の任意の組み合わせ、又はこれらのペプチド配列を含む製剤を、他のインフルエンザ表現型に使用してもよいことは、理解されるだろう。
【0042】
ペプチドワクチンは、HAの三次元構造に含まれるエピトープを表現する1個以上のペプチド配列のプール(配列番号1〜248)を使って製造することができる。ワクチンは、1個以上のdiscotopeコンストラクト(非可変アミノ酸残基を含有するペプチド)又は1個以上のdiscositeコンストラクト(可変アミノ酸残基を含有するペプチド)を含む。本発明のdiscositeコンストラクトはこれらのエピトープの1つに由来する。したがって、discositeコンストラクト製剤は、可変残基を含有するエピトープから誘導される1個以上のペプチド配列を含む。
【0043】
本発明の各discositeコンストラクトは、x個の変異残基に基づく2個の考えうるペプチド配列を表現する。例えば、3個又は4個の可変残基を持つdiscositeコンストラクトは、それぞれ2=8個又は2=16個の配列を表現する。したがって本発明の文脈において、本明細書にいうdiscositeコンストラクトは、可変残基を含有するエピトープ配列と、それに由来する1個以上の考えうる配列とを含む。
【0044】
本発明のワクチンは、そのワクチンに含まれる少なくとも2個のエピトープに由来する、与えられたdiscositeコンストラクトから選択される少なくとも2個のペプチド配列、合わせて少なくとも4個のペプチド配列(配列番号1〜248から選択されるもの)を、そのワクチン中に含むことができる。本発明のいくつかの実施形態では、ヒトインフルエンザワクチン製剤が、少なくとも4個のヒトインフルエンザA型HA discositeコンストラクト配列(INF−HA−1−V1−V4)及び/又はヒトインフルエンザB型HA discositeコンストラクト配列(INF−HB−1−V1−V4)を含むことができる。この製剤は、配列番号1〜64から選択される少なくとも2個のペプチド及び/又は配列番号133〜180から選択される少なくとも2個のペプチドを含むことができる。
【0045】
あるいは、この製剤は、以下に挙げる群のうち少なくとも2つの群のそれぞれから選択される少なくとも2個のペプチド配列:配列番号1〜16;配列番号17〜32;配列番号33〜48;又は配列番号49〜64;及び/又は以下に挙げる群のうち少なくとも2つの群のそれぞれから選択される少なくとも2個のペプチド配列:配列番号133〜140;配列番号141〜156;配列番号157〜172;及び/又は配列番号173〜180を含むことができる。
【0046】
ウマインフルエンザワクチンの実施形態は、4個のウマdiscositeコンストラクト(INFE−HA−1−V1−V4;配列番号185〜248)に由来する少なくとも1個のペプチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、ウマワクチン製剤は、以下に挙げる群のうち少なくとも2つの群のそれぞれから選択される少なくとも2個のペプチド配列を含むことができる:配列番号185〜200;配列番号201〜216;配列番号217〜232;及び/又は配列番号233〜248。
【0047】
トリインフルエンザワクチンの実施形態は、4個のトリdiscositeコンストラクト(INF−HA−2−V1−V4;配列番号65〜128)の1個以上のペプチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、トリワクチン製剤は、以下に挙げる群のうち少なくとも2つの群のそれぞれから選択される少なくとも2個のペプチド配列を含むことができる:配列番号65〜80;配列番号81〜96;配列番号97〜112;及び/又は配列番号113〜128。
【0048】
必要に応じて追加配列を加えても加えなくてもよいことは、当業者には容易に理解されるだろう。本発明のワクチン製剤に使用されるペプチド配列は、discositeコンストラクト(表1〜16)又はdiscotopeコンストラクト(表17〜18)に従って分類される。
【0049】
表1〜4にはインフルエンザA型(ヒトHA−1)エピトープ配列のdiscositeコンストラクトを列挙する。
【0050】
表5〜8にはインフルエンザA型(トリHA−2)エピトープ配列のdisositeコンストラクトを列挙する。
【0051】
表9〜12にはインフルエンザB型(ヒトHB−1)エピトープ配列のdicositeコンストラクトを列挙する。
【0052】
表13〜16にはウマインフルエンザ(ウマHA−1)エピトープ配列のdiscositeコンストラクトを列挙する。
【0053】
以下の表に列挙するdicositeコンストラクトのそれぞれにおいて、可変残基は、そのコンストラクト中の対応する残基の下に示してある。
【0054】
【表1】

【0055】
【表2】

【0056】
【表3】

【0057】
【表4】

【0058】
【表5】

【0059】
【表6】

【0060】
【表7】

【0061】
【表8】

【0062】
【表9】

【0063】
【表10】

【0064】
【表11】

【0065】
【表12】

【0066】
【表13】

【0067】
【表14】

【0068】
【表15】

【0069】
【表16】

【0070】
表17及び表18には、本発明によるワクチンの製造に使用することができる(それぞれインフルエンザA型及びB型用の)discotopeコンストラクト配列を列挙する。
【0071】
【表17】

【0072】
【表18】

【0073】
ペプチド合成
標準的な固相ペプチド化学を使ってペプチドを合成した。ペプチドは、9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)化学を用いる固相ペプチド合成法(SPPS)により、Pioneer(商標)自動ペプチド合成装置で、担持済(pre−loaded)Fmoc保護NovaSyn(商標)TGT樹脂(NovaBiochem)を記述されているとおりに使用して合成した。与えられた位置で変異性が望まれる場合は、その位置に2つのアミノ酸の混合物を入れる。合成の間、変異性が望まれる位置ではいつでも、この操作を繰り返す。アミノ酸のカップリングには2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)及びN−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)の1Mジメチルホルムアミド(DMF)溶液、並びにジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)の1M DMF溶液を使用し、合成中のアミノ酸の脱保護には20%ピペリジン/DMFを使用した。
【0074】
カップリングは室温で1時間行った。最後のアミノ酸をカップリングした後、樹脂を合成装置から取り出し、焼結ガラス漏斗上で、DMF、2−プロパノール及びジクロロメタン(DCM)で数回洗浄し、高真空下で乾燥した。TFA/水/フェノール/チオアニソール/EDT/TIS[82:5:5:5:2:1]を含有する溶液を添加することによって、ペプチド混合物を切断し、脱保護した。樹脂を室温で4時間インキュベートした。次に、10倍体積の冷エーテルを含有するフラスコ中に、切断混合物を減圧濾過した。同じエーテル溶液に、樹脂をTFAで2回洗い込んだ。
【0075】
沈殿をさらに助長するために冷凍庫で30分間インキュベートした後、試料を1,000×gで5分間遠心分離し、エーテルを除去した。この抽出工程を3回繰り返した。最後のエーテル抽出後に、残留有機溶媒を窒素ガス下で蒸発させ、ペプチド混合物を水に再溶解し、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を使って精製した。ロータリーエバポレーターを使って過剰な溶媒を除去し、最後に凍結乾燥して乾燥粉末を得た。質量分析(MS)及びアミノ酸分析を、全てのdiscotopeコンストラクトについて行うことにより、各コンストラクトが適切なペプチド含量を持つことを確認した。
【0076】
図1〜4に、本発明のdiscositeコンストラクトから得られる典型的なHPLCデータを図示する。各HPLCプロットは、各discositeコンストラクト中のペプチドのカクテルを含有する特定のdicositeコンストラクト製剤に対応する。図1A〜1Dは、それぞれdiscositeコンストラクトINFE−HA−1−V1〜V4(配列番号185〜248)に対応する。図2A〜2Dは、それぞれdiscositeコンストラクトINF−HA−1−V1〜V4(配列番号1〜64)に対応する。図3A〜3Dは、それぞれdiscositeコンストラクトINF−HA−2−V1〜V4(配列番号65〜128)に対応する。図4A〜4Dは、それぞれdiscositeコンストラクトINF−HB−1−V1〜V4(配列番号133〜180)に対応する。
【0077】
図5〜8に、本発明のdiscositeコンストラクトのMSデータを図示する。HPLCプロットの場合と同様に、各MSプロットは、各discositeコンストラクト中のペプチドのカクテルを含有する特定のdiscositeコンストラクト製剤に対応する。図5A〜5Dは、それぞれdiscositeコンストラクトINFE−HA−1−V1〜V4(配列番号185〜248)に対応する。図6A〜6Dは、それぞれdiscositeコンストラクトINF−HA−1−V1〜V4(配列番号1〜64)に対応する。図7A〜7Dは、それぞれdiscositeコンストラクトINF−HA−2−V1〜V4(配列番号65〜128)に対応する。図8A〜8Dは、それぞれdiscositeコンストラクトINF−HB−1−V1〜V4(配列番号133〜180)に対応する。
【実施例】
【0078】
2つの典型的ワクチンINF−01P(INF−HA−1−V1−V4)及びINFE−01P(INFE−HA−V1−V4)を本発明に従って製造した。これらのワクチンは、表1〜4(配列番号1〜64)及び表13〜16(配列番号185〜248)に列挙し、下記の表19及び20に要約する、インフルエンザA型のエピトープに由来するペプチド配列を含む製剤に基づいて製造された。a)アジュバントの添加が曝露に対する免疫を強化するかどうかを決定するため、b)マウスモデルにおいて候補ワクチンが誘導する体液性応答を市販のワクチンと比較して判定するため、及びc)さまざまなインフルエンザウイルス株を使ったインフルエンザ曝露に対して、ワクチンが誘発する防御の範囲を評価するために、マウスモデルを使って、これらのワクチンを試験した。
【0079】
ワクチン接種スケジュール:マウス群に対して尾の根本の皮下にワクチンを接種した。市販のワクチンを投与するマウスでは、筋肉内に免疫処置した(推奨どおり)。マウスをさらに2回、3週間間隔で、同様に追加免疫した。最後の免疫処置の2週間後に、マウスを致死量のH3N2に曝露させた。曝露後は体重及び感染の徴候についてマウスを毎日監視した。
【0080】
アジュバント:免疫応答を増強するために、以下のアジュバントをワクチンと組み合わせて使用した:Ribi(Cedarlane、Ribi:ワクチン比1:1)、ミョウバン(Sigma、500ng/mlをワクチンと等体積ずつ)、及びMontanide(Seppic、Montanide:ワクチン比1:1)。本実施例ではミョウバンをアジュバントとして使用したが、適切なアジュバントであればどれでも使用することができる。
【0081】
[実施例1]
本実施例では、B6マウスを、INF−01Pワクチン+ミョウバン、Ribi若しくはMontanide、又は市販のワクチン(2004〜2005シーズン)で免疫処置した。ウイルスへの曝露の前日に、ワクチン接種したマウスから血清を得た。マウスを病原性A/HK/1/68−MA20cウイルスに曝露し、曝露後3週間にわたって追跡した。
【0082】
IFN−01Pワクチンは表19に示す四つのヒトインフルエンザ配列discositeコンストラクト製剤に基づく。
【0083】
【表19】

【0084】
図9は、HAI価によって測定される、INF−01Pワクチン接種による体液性免疫の誘導を示している。この実施例で示すように、INF−O1P+ミョウバンワクチンで免疫処置したマウスは、INF−01P+Ribi又はIFN−01P+Montanideで免疫処置したマウスと比較して、そしてまた現行のインフルエンザワクチンと比較して、増加した体液性免疫を持っていた。
【0085】
図10は、H3N2への曝露に対する、INF−01Pをワクチン接種したマウスの生存率プロットを示している。この実施例では、INF−01P+ミョウバンワクチンで免疫処置したマウスが、INF−01P+Ribi又はINF−01P+Montanideと比較して、曝露に対して、より良く保護され、より良い生存率を持つ。
【0086】
図11は、INF−01Pをワクチン接種した曝露マウスにおける体重減少率を図示している。本実施例に示すように、INF−01P+ミョウバンで免疫処置したマウスは、INF−01P+Ribi又はINF−01P+Montanideで免疫処置したマウスよりも、体重減少に対して、より良く保護された。
【0087】
[実施例2]
B6マウスをINFE−01P(ウマインフルエンザ)ワクチン+ミョウバンで免疫処置するか、市販のワクチン(2004〜2005シーズン)で免疫処置した。そのマウスから得た血清を、いくつかのインフルエンザ株(H3N2 A/Hong Kong/1/68g、H1N1 A/FM/1/47、H5N1 A/Hong Kong/213/2003、B/Mass/3/66、及びH1N1 A/New Caledonia/20/1999)に対するHAI活性について試験した。血清は最初のワクチン接種後に得た。
【0088】
INFE−01Pワクチンは、表20に示す四つのウマインフルエンザ配列discositeコンストラクト製剤に基づく。
【0089】
【表20】

【0090】
図12は、HAI価によって測定される、INFE−01Pで免疫処置したマウスにおける体液性免疫を図示している。図示するように、この典型的ウマワクチン製剤で免疫処置されたマウスでは、市販のワクチン又はアジュバントのみ(対照)のマウスと比較して、インフルエンザウイルスのいくつかの株に対して、体液性免疫が誘導された。
【0091】
[実施例3]
赤血球凝集(HAI)アッセイ
個々のdiscotopeコンストラクト及び組み合わされたdiscotopeコンストラクトの免疫原性をマウスで評価した。四つのdiscotopeコンストラクトで免疫処置したマウスは、全体として、ウイルスの赤血球凝集活性を抑制することができる抗体を発生させた。インフルエンザに基づくdiscotopeコンストラクトは、インフルエンザウイルスによる赤血球の血球凝集反応を抑制する抗体が誘発されたという点で、不連続エピトープをうまく模倣することが示された。
【0092】
標準的なHAIアッセイを使って、機能的に関連する抗HA抗体の誘導を測定した。ワクチン製剤によって誘導される免疫の幅を決定するために、数多くの異なるインフルエンザ株を使って、ワクチン候補によって誘導されるHAI価を調べた。
【0093】
図13は、マウスワクチン試験で行った赤血球凝集アッセイの結果を図示している。各ワクチン群に異なるワクチン製剤又はリン酸緩衝食塩水(陰性対照)を与えた。ウイルス(H3サブタイプインフルエンザ)と共にインキュベートすると、血液が赤血球凝集を起こす(濁る);赤血球凝集が防御又は抑制されると、RBCはペレットのままである(暗い円)。
【0094】
これらの結果は、VBI候補ワクチンが示す赤血球凝集抑制の強さを、認可された市販のインフルエンザ用ワクチンと比較して示している。VBI候補ワクチンとアジュバントの組み合わせのそれぞれが、市販ワクチン(1/40〜1/80まで)と同等以上の赤血球凝集抑制(HI)を示すことに注目されたい。discositeコンストラクト免疫原とミョウバンアジュバント(列12)は、最高1/320の希釈率でも検出可能なHIを示す。
【0095】
【表21】

【0096】
図14は、インフルエンザワクチンELISA試験の結果を示している。この図は表22に記載するデータに基づいている。
【0097】
【表22】

【0098】
G1=dicositeコンストラクトIFN−1(配列番号1〜16)+Ribi;G2=dicositeコンストラクトIFN−2(配列番号17〜32)+Ribi;G3=dicositeコンストラクトIFN−3(配列番号33〜48)+Ribi;G4=dicositeコンストラクトIFN−4(配列番号49〜64)+Ribi;G5=dicotopeコンストラクト1(配列番号129)+Ribi;G6=dicotopeコンストラクト2(配列番号130)+Ribi;G7=dicotopeコンストラクト3(配列番号131)+Ribi;G8=dicotopeコンストラクト4(配列番号132)+Ribi;G9=対照(Ribiのみ);G10=discositeコンストラクトIFN−1−4+Ribi;G11=disotopeコンストラクト1−4+Ribi;G12=discositeコンストラクトIFN−1−4+Montanide;及びG13=市販ワクチン。
【0099】
これらのデータは、全体として、現行のインフルエンザワクチンよりも迅速なワクチン生産及び幅広い防御をもたらす、インフルエンザワクチン開発への根本的に新しいアプローチを示唆している。このアプローチは感染爆発インフルエンザワクチンの開発に有益だろう。
【0100】
本発明の上述した実施形態はほんの一例に過ぎない。当業者は、本願特許請求の範囲のみによって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、特定の実施形態に改変、変更及び変形を加えることができる。
【0101】
全ての参考文献は参照により本明細書に組み入れられる。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】図1は、本発明のウマインフルエンザdiscositeコンストラクト(INFE−HA−1−V1〜V4;A〜D)のHPLC分析を示す。
【図2】図2は、本発明のヒトインフルエンザA型discositeコンストラクト(INF−HA−1−V1〜V4;A〜D)のHPLC分析を示す。
【図3】図3は、本発明のヒト及びトリインフルエンザdiscositeコンストラクト(INF−HA−2−V1〜V4;A〜D)のHPLC分析を示す。
【図4】図4は、本発明のインフルエンザB型discositeコンストラクト(INF−HB−1−V1〜V4;A〜D)のHPLC分析を示す。
【図5A】図5A〜図5Dは、本発明のウマインフルエンザdiscositeコンストラクト(INFE−HA−1−V1〜V4;図5A〜図5D)の質量分析データを図示する。
【図5B】図5A〜図5Dは、本発明のウマインフルエンザdiscositeコンストラクト(INFE−HA−1−V1〜V4;図5A〜図5D)の質量分析データを図示する。
【図5C】図5A〜図5Dは、本発明のウマインフルエンザdiscositeコンストラクト(INFE−HA−1−V1〜V4;図5A〜図5D)の質量分析データを図示する。
【図5D】図5A〜図5Dは、本発明のウマインフルエンザdiscositeコンストラクト(INFE−HA−1−V1〜V4;図5A〜図5D)の質量分析データを図示する。
【図6A】図6A〜図6Dは、本発明のヒトインフルエンザA型discositeコンストラクト(INF−HA−1−V1〜V4;図6A〜図6D)の質量分析データを図示する。
【図6B】図6A〜図6Dは、本発明のヒトインフルエンザA型discositeコンストラクト(INF−HA−1−V1〜V4;図6A〜図6D)の質量分析データを図示する。
【図6C】図6A〜図6Dは、本発明のヒトインフルエンザA型discositeコンストラクト(INF−HA−1−V1〜V4;図6A〜図6D)の質量分析データを図示する。
【図6D】図6A〜図6Dは、本発明のヒトインフルエンザA型discositeコンストラクト(INF−HA−1−V1〜V4;図6A〜図6D)の質量分析データを図示する。
【図7A】図7A〜図7Dは、本発明のヒト及びトリインフルエンザdiscositeコンストラクト(INF−HA−2−V1;図7A〜図7D)の質量分析データを図示する。
【図7B】図7A〜図7Dは、本発明のヒト及びトリインフルエンザdiscositeコンストラクト(INF−HA−2−V1;図7A〜図7D)の質量分析データを図示する。
【図7C】図7A〜図7Dは、本発明のヒト及びトリインフルエンザdiscositeコンストラクト(INF−HA−2−V1;図7A〜図7D)の質量分析データを図示する。
【図7D】図7A〜図7Dは、本発明のヒト及びトリインフルエンザdiscositeコンストラクト(INF−HA−2−V1;図7A〜図7D)の質量分析データを図示する。
【図8A】図8A〜図8Dは、本発明のヒトインフルエンザB型discositeコンストラクト(INF−HB−1−V1〜V4;図8A〜図8D)の質量分析データを図示する。
【図8B】図8A〜図8Dは、本発明のヒトインフルエンザB型discositeコンストラクト(INF−HB−1−V1〜V4;図8A〜図8D)の質量分析データを図示する。
【図8C】図8A〜図8Dは、本発明のヒトインフルエンザB型discositeコンストラクト(INF−HB−1−V1〜V4;図8A〜図8D)の質量分析データを図示する。
【図8D】図8A〜図8Dは、本発明のヒトインフルエンザB型discositeコンストラクト(INF−HB−1−V1〜V4;図8A〜図8D)の質量分析データを図示する。
【図9】図9は、本発明のワクチンによる免疫処置後の体液性免疫の誘導を図示する。
【図10】図10は、H3N2の曝露に対するワクチン接種マウスの生存率プロットを示す。
【図11】図11は、本発明のワクチンINF−01P(INF−HA−1−V1−V4)を使ってワクチン接種した曝露マウスにおける体重減少率を示す。
【図12】図12は、HAI価によって測定されるマウスにおけるINFE−01P(INFE−HA−1−V1−V4)ワクチン接種による体液性免疫の誘導を示す。
【図13】図13は、マウスワクチン試験で行った赤血球凝集アッセイの結果を図示する。
【図14】図14は、表22に記載するデータに基づくインフルエンザワクチンELISA試験の結果を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号1〜248からなる群より選択される少なくとも1個のペプチドを含むペプチドベースの抗インフルエンザ製剤。
【請求項2】
配列番号1〜248からなる群より選択される少なくとも4個のペプチド配列を含む、請求項1に記載の製剤。
【請求項3】
配列番号1〜64からなる群より選択される少なくとも2個のペプチドと、配列番号133〜180からなる群より選択される少なくとも2個のペプチドとを含む、請求項1に記載の製剤。
【請求項4】
配列番号1〜64及び配列番号133〜180を含む、請求項3に記載の製剤。
【請求項5】
請求項185〜248からなる群より選択される少なくとも1個のペプチド配列を含む、請求項1に記載の製剤。
【請求項6】
配列番号65〜128からなる群より選択される少なくとも1個のペプチド配列を含む、請求項1に記載の製剤。
【請求項7】
以下に挙げる群のうち少なくとも2つの群のそれぞれから選択される2個のペプチド配列を含む、請求項1に記載の製剤。
a)配列番号1〜16;
b)配列番号17〜32;
c)配列番号33〜48;及び
d)配列番号49〜64
[ただし、nは1〜4である。]
【請求項8】
以下に挙げる群a)〜d)のうち少なくとも2つの群を含む、請求項1に記載の製剤。
a)配列番号133〜140から選択される2個のペプチド配列;
b)配列番号141〜156から選択される2個のペプチド配列;
c)配列番号157〜172から選択される2個のペプチド配列;及び
d)配列番号173〜180から選択される2個のペプチド配列
[ただし、mは1〜3であり、nは1〜4である。]
【請求項9】
以下に挙げる群のうち少なくとも2つの群のそれぞれから選択される2個のペプチド配列を含む、請求項1に記載の製剤。
a)配列番号185〜200;
b)配列番号201〜216;
c)配列番号217〜232;及び
d)配列番号233〜248
[ただし、nは1〜4である。]
【請求項10】
以下に挙げる群のうち少なくとも2つの群のそれぞれから選択される2個のペプチド配列を含む、請求項1に記載の製剤。
a)配列番号65〜80;
b)配列番号81〜96;
c)配列番号97〜112;及び
d)配列番号113〜128
[ただし、nは1〜4である。]
【請求項11】
配列番号129〜132又は配列番号181〜184の少なくとも一方を含む、請求項1に記載の製剤。
【請求項12】
配列番号129〜132を含む、請求項11に記載の製剤。
【請求項13】
配列番号181〜184を含む、請求項11に記載の製剤。
【請求項14】
配列番号1〜64を含む、請求項1に記載の製剤。
【請求項15】
配列番号185〜248を含む、請求項1に記載の製剤。
【請求項16】
請求項1に記載の製剤を、薬学的に許容できる希釈剤又は担体と共に含むワクチン。
【請求項17】
更にアジュバントを含む、請求項16に記載のワクチン。
【請求項18】
前記アジュバントがミョウバンである、請求項17に記載のワクチン。
【請求項19】
インフルエンザを予防又は治療する必要がある動物におけるインフルエンザを予防又は治療するためのワクチンの製造のための、請求項1に記載の製剤の使用。
【請求項20】
前記動物がヒト、マウス、ウマ又はトリである、請求項19に記載の使用。
【請求項21】
ヒトインフルエンザを治療するためのワクチンの製造のための、請求項3に記載の製剤の使用。
【請求項22】
ウマインフルエンザを治療するためのワクチンの製造のための、請求項5に記載の製剤の使用。
【請求項23】
トリインフルエンザを治療するためのワクチンの製造のための、請求項6に記載の製剤の使用。
【請求項24】
インフルエンザの予防又は治療のための、請求項16に記載のワクチンの使用。
【請求項25】
請求項3に記載の製剤を含むワクチン。
【請求項26】
更にアジュバントを含む、請求項25に記載のワクチン。
【請求項27】
前記アジュバントがミョウバンである、請求項26に記載のワクチン。
【請求項28】
インフルエンザを予防又は治療する必要がある動物におけるインフルエンザを予防又は治療する方法であって、請求項16に記載のワクチンの有効量を当該動物に投与することを含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2008−542309(P2008−542309A)
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−513881(P2008−513881)
【出願日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際出願番号】PCT/CA2006/000891
【国際公開番号】WO2006/128294
【国際公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【出願人】(507397054)ヴァリエーション バイオテクノロジーズ インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】