説明

ペルチェモジュール/素子による凍結治療装置およびペルチェモジュール/素子による凍結治療温度制御方法

【課題】 本発明は、ペルチェモジュールを用いて患部を急速冷却および急速加熱の温度制御をすることによって各種皮膚腫瘍、色素性病変等の病変部を壊死させ切除する凍結治療装置およびその温度制御方法を提供する
【解決手段】 本発明によれば、製作の難しいペルチェ素子に比べて製作が容易で安価な市販のペルチェモジュールを使用するので製作が容易で冷却面積が比較的大きい凍結治療装置が達成され、有効に皮膚の凍結治療を行うことが出来るという効果が得られる。また、凍結患部を解凍したり、再凍結を繰り返したりすることにより、皮膚患部の細胞壊死率を向上させる治療を効果的に行うことが出来る。また、ヒートシンクを液体窒素で冷却することによって、ペルチェモジュールの冷却速度を向上させると共に、二重容器隙間部に充填させた二酸化炭素を昇華させ真空断熱効果を得ることが出来、断熱厚さを減少できる効果がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペルチェモジュールを用いて患部を急速冷却および急速加熱の温度制御をすることによって皮膚癌または疣、痣、シミ等の病変部を壊死させ切除する凍結治療装置およびその温度制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
冷凍療法は、皮膚の種々の良性、悪性腫瘍、色素性病変に対して皮膚科外来で日常的に行われている治療である。冷凍療法は、患者に与える苦痛が少ない、液体窒素があれば容易に行えるなどの利点があるが、その反面、現在行われている冷凍療法は、外科的切除、レーザー療法と異なり、凍結範囲を3次元的に制御することは不可能で、もっぱら術者の経験と感により調節されている。従って、しばしば、不必要に周囲の正常組織を冷凍し結果的に水疱を形成して患者に苦痛を与えたり、また、治療が不十分で目的とする腫瘍の治療が不十分であったりする。そのため、この治療範囲を制御できる凍結療法の有用性は極めて大きい。
【0003】
かかる問題を解決するために、p型とn型の単体のペルチェ半導体と電極で構成されるペルチェ素子を用いた微小温度制御装置が開発され、皮膚科治療に用いられようとしている。例えば、特許文献1では、電極とヒートシンクを一体化することによりコンパクトな凍結治療装置が達成され、特許文献2では、ペルチェ素子を用いた凍結治療装置先端の形状を変えることによってより小さな領域の温度制御を可能としている。さらに、非特許文献1では、冷媒に固形二酸化炭素つまりドライアイスを用いて、ペルチェ素子を用いた凍結治療装置のヒートシンクを冷却している。
【0004】
かかる技術では、微小領域の冷却制御が可能となったが、温度制御部にペルチェ半導体を組み込んだペルチェ素子を使用しているために、装置の製作が難しく、製品の価格も高い欠点があった。また、冷媒にドライアイス等を用いる場合、皮膚科の医院でドライアイスを保存するための経費がかかる欠点があった。
【特許文献1】特開2002−177296 公報
【特許文献2】特開2004−261210 公報
【非特許文献1】円山重直・武山誠・酒井清吾・藤間克己:非平衡ペルチェ素子を用いた凍結治療器の開発と伝熱制御、第40回日本伝熱シンポジウム、講演論文集2、広島、(2003-5)、555-556頁.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これまでの凍結療法は、綿球にしみこませた液体窒素、液体窒素で冷やした金属、あるいは、液体窒素のスプレーなどの凍結範囲を制御できない治療方法であった。そのため、過度な冷凍、また、不十分な冷凍による治療がしばしばなされている。また、術者の毎の個人差、また、同一術者でも治療毎の凍結強度の変化が避けられない。ペルチェ素子を用いた凍結装置は、電流の強さ、冷却時間を制御することにより凍結範囲を制御することが可能であり、また、この2つのパラメーターを一定にすることにより術者間の差、治療毎の差も生じない治療が可能となる。また、ペルチェ素子を用いた凍結治療装置は微小領域の冷凍治療には適しているが、装置の構造と製作が困難で装置価格が高価になる問題があった。
【0006】
一方、皮膚科治療においては、直径5mm程度の領域以上の冷凍治療を行う必要があり、必ずしも、極微細領域の冷凍治療が必要でない。
【0007】
本発明は、従来のペルチェ素子を用いる凍結治療装置を簡便化し、市販のペルチェモジュールを使用した実用性の高い皮膚治療を目的とする凍結治療装置およびその温度制御方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、少なくとも2つの面である第11面と第12面を持ち前記第11面が凍結治療対象物に接触する先端チップと、少なくとも2つの面である第21面と第22面を持つペルチェモジュールと、前記ペルチェモジュールを低温に保つヒートシンクと、前記ペルチェモジュールの通電電流を逆転制御するパワーモジュールと、前記ペルチェモジュールの温度を制御する温度制御コンピュータ、とで構成され、前記第12面と前記第21面が接触し、前記第22面と前記ヒートシンクとが接触するよう配置されることを特徴とする凍結治療装置が得られる。
【0009】
本発明によれば、前記温度制御コンピュータが前記パワーモジュールの通電電流逆転制御を複数回可逆的に制御できるよう構成したことを特徴とする凍結治療装置が得られる。
【0010】
本発明によれば、少なくとも2つの面である第311面と第312面を持ち前記第311面が凍結治療対象物に接触する先端チップと、少なくとも2つの面である第321面と第322面を持つペルチェ素子と、前記ペルチェモジュールを低温に保つヒートシンク、と前記ペルチェ素子の通電電流を逆転制御するパワーモジュールと、前記ペルチェ素子の温度を制御する温度制御コンピュータ、とで構成され、前記第312面と前記第321面が接触し、前記第322面と前記ヒートシンクとが接触するよう配置されることを特徴とする凍結治療装置が得られる。
【0011】
本発明によれば、前記温度制御コンピュータが前記パワーモジュールの通電電流逆転制御を複数回可逆的に制御できるよう構成したことを特徴とする請求項3記載の凍結治療装置が得られる。
【0012】
本発明によれば、前記ヒートシンクの冷却を液体窒素で行う事を特徴とする請求項1乃至4の内一に記載の凍結治療装置が得られる。
【0013】
本発明によれば、前記焼却装置全体を、密封容器による2重容器構造とし、2重容器隙間部に乾燥二酸化炭素を充填したことを特徴とする凍結治療装置が得られる。
【0014】
本発明によれば、前記ペルチェモジュールによる凍結治療装置において、前記ペルチェモジュールを加熱状態に制御し、前記21面および前記12面を通して前記第11面を常温に保つ第1ステップと、前記ペルチェモジュールの通電電流の流れを前記第1ステップと逆転させる第2ステップと、前記ヒートシンクの熱を前記第22面と前記第21面ならびに前記第12面を介し前記第11面に伝え、前期凍結治療対象物を急速冷却することを特徴とする凍結治療温度制御方法が得られる。
【0015】
本発明によれば、前記凍結治療対象物が人体の疾患であり、前記急速冷却は、人体の疾患の凍結であることを特徴とする凍結治療温度制御方法が得られる。
【0016】
本発明によれば、前記ペルチェモジュールによる凍結治療装置において、第11面を常温あるいは体温に保つ第1の状態と、次にヒートシンクの熱を第11面に伝え第11面をほぼヒートシンクの温度状態にする第2の状態、とを複数回繰り返すことを特徴とする凍結治療温度制御方法が得られる。
【0017】
本発明によれば、前記ペルチェモジュールによる凍結治療装置において前記人体の疾患が凍結した後で、前記第11面の冷却時間と温度とを調節し、人体の凍結領域の大きさと深さを制御する事を特徴とする凍結治療温度制御方法が得られる。
【0018】
本発明によれば、前記第11面を前記人体の疾患患部に接触させた状態で、前記第1の状態と前記第2の状態を複数回繰り返し患部細胞の壊死率を向上させることを特徴とする凍結治療温度制御方法が得られる。
【0019】
本発明によれば、前記ペルチェ素子による凍結治療装置において、前記ペルチェ素子を加熱状態に制御し、前記322面および前記312面を通して前記第311面を常温に保つ第31ステップと、前記ペルチェ素子の通電電流の流れを前記第31ステップと逆転させる第32ステップと、前記ヒートシンクの熱を前記第322面と前記第321面ならびに前記第312面を介し前記第311面に伝え、前期凍結治療対象物を急速冷却することを特徴とする凍結治療温度制御方法が得られる。
【0020】
本発明によれば、前記凍結治療対象物が人体の疾患であり、前記急速冷却は、人体の疾患の凍結であることを特徴とする請求項12記載の凍結治療温度制御方法が得られる。
本発明によれば、前記ペルチェ素子による凍結治療装置において、第311面を常温あるいは体温に保つ第31の状態と、次にヒートシンクの熱を第311面に伝える第311面をほぼヒートシンクの温度状態にする第32の状態とを複数回繰り返すことを特徴とする凍結治療温度制御方法が得られる。
【0021】
本発明によれば、前記ペルチェ素子による凍結治療装置において、前記人体の疾患が凍結した後で、前記第311面の冷却時間と温度とを調節し、人体の凍結領域の大きさと深さを制御する事を特徴とする凍結治療温度制御方法が得られる。
本発明によれば、前記第311面を前記人体の疾患患部に接触させた状態で、前記第31の状態と前記第32の状態を複数回繰り返し患部細胞の壊死率を向上させることを特徴とする凍結治療温度制御方法が得られる。
【0022】
本発明によれば、前記第11面あるいは第311面の近傍に温度センサーを設定し、当該面の温度をモニターしながら、前記温度制御コンピュータで前記パワーモジュールの制御を行う事を特徴とする凍結治療温度制御方法が得られる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、製作の難しいペルチェ素子に比べて製作が容易で安価な市販のペルチェモジュールを使用するので製作が容易で冷却面積が比較的大きい凍結治療装置が達成され、有効に皮膚の凍結治療を行うことが出来るという効果が得られる。また、凍結患部を解凍したり、再凍結を繰り返したりすることにより、標的病変における細胞壊死率を向上させることが可能となる。
【0024】
また、ヒートシンクを液体窒素で冷却することによって、ペルチェモジュールの冷却速度を向上させるとともに、二重容器隙間部に充填させた二酸化炭素を昇華させ真空断熱効果を得ることが出来、断熱厚さを減少できる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の実施の形態による、通常断熱材を用いた凍結治療装置の概略構成を示す図である。図1を参照すると、ペルチェモジュール1が熱伝導生の良いアルミニウムや銅などで製作される先端チップ2と熱伝導の良い金属で製作されたヒートシンク5に挟まれている。ヒートシンク5は、液体窒素9を収納する内筒6にハンダ等で接着されている。ペルチェモジュール1と先端チップ2やヒートシンク5はシリコーンゴム接着剤や熱伝導性グリースなどで接着され、熱応力がかからない構造となっている。
【0026】
ペルチェモジュール1は一辺が6mmから50mmの正方形または長方形であり、先端チップ2の皮膚と接触する被温度制御面3は直径3mmから50mmである。前記先端チップ2は少なくとも2面(第11面および第12面、不図示)を持ち、前記被温度制御面3は第11面に相当し、凍結治療対象物と接触する。またペルチェモジュール1も少なくとも2面(第21面および第22面、不図示)を持ち、前記第12面と前記第21面が接触する。そして、前記22面と前記ヒートシンク5とが接触する構造となっている。
【0027】
これらの装置は金属またはプラスチック製の外筒7に覆われており、内筒6と外筒7の間を発泡ポリウレタンや発泡ポリスチレン等の断熱材10が充填されている。その断熱層厚さは、大略10mmから30mm程度である。
【0028】
先端チップ2の被温度制御面3近傍に温度センサー4が装着され、温度制御コンピュータ12ならびにパワーモジュール13を介してペルチェモジュール1の温度制御を行う。
【0029】
まず内筒6に液体窒素を入れてヒートシンク5を冷却するとき、ペルチェモジュール1は加熱モードで作動し、先端チップ2の温度を大略体温程度に保っている。凍結治療装置を皮膚腫瘍、色素性病変の患部に接触させてからペルチェモジュール1の電流を逆転させ急速冷却を行う。その時、温度センサー4の温度をモニターすることによって、皮膚組織の過冷却解除を関知し患部の組織の凍結開始をモニターし、冷却時間とペルチェモジュール1の通電電流を制御することにより、患部の凍結深さを制御し、皮下組織などの健康部位の凍結を防止する。
【0030】
さらに、ペルチェモジュール1の電流を逆転することにより、凍結患部を解凍し、患部の細胞壊死率を高めることも可能である。この制御を与えられたシークエンスに従って自動的に制御することも可能である。温度制御コンピュータ12とパワーモジュール13は一体化して装置に組み込むことも可能である。
【0031】
また、本発明による温度制御法は、ペルチェモジュールを用いる本凍結治療装置に限定されるものではなく、ペルチェ素子を用いた温度制御法にも適用できる。本発明によるペルチェ素子を用いた凍結治療装置は図1あるいは図2においてペルチェモジュール4をペルチェ素子に置き代えたもので特に図示しない。ペルチェ素子を用いた凍結治療装置においても前記先端チップ2は少なくとも2面(第311面および第312面、不図示)を持ち、前記被温度制御面3は第311面に相当し、凍結治療対象物と接触する。またペルチェ素子1も少なくとも2面(第321面および第322面、不図示)を持ち、前記第312面と前記第321面が接触する。そして、前記322面と前記ヒートシンク5とが接触する構造となっている。
【0032】
図2は、本発明の実施の形態による、二酸化炭素充填層を用いた凍結治療装置の概略構成を示す図である。図2を参照すると、内筒17はベローズやフレキブルチューブで製作され、ヒートシンク5とハンダ等で接合されている。装置1,2,5,17は気密性のある外筒18に収納され、その隙間に大略大気圧程度の二酸化炭素ガスが充填されている。内筒17と外筒18はOリング20を介して接合され、内筒と外筒の隙間の気密を保っている。温度センサー4やペルチェモジュール1の導線は気密コネクタ21を介して接続されている。本発明の形態によると、フレキシブルチューブの弾性で、ペルチェモジュール1と先端チップ2を圧着しているため、液体窒素を入れたときに容器が温度収縮してもペルチェモジュール1に適当な圧着力が作用する利点がある。
【0033】
本装置が作動していないとき、二酸化炭素は単なるガス層として熱を伝えるが、装置動作時に液体窒素9を内筒17に充填すると内筒17が極低温になり二酸化炭素19がドライアイスとして内筒17外壁に昇華付着する。この作用によって、隙間が真空状態となり、高性能断熱が達成される。
【0034】
本発明の作用によって、薄い断熱層厚さで液体窒素の断熱が可能となるので、装置がコンパクトになり医師の治療がしやすくなる。従来の真空断熱を使った極低温プローブは、高度な真空容器にしたり、常に真空ポンプで吸引したりして使用していた。本発明の断熱層によれば、装置を使用しないときは、この隙間は大気圧となっているので、高度な真空容器が必要とならない。この、真空断熱機構は、液体窒素等の極低温冷媒を使用する全ての真空断熱層に適用されるもので、本凍結治療装置に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明に係るペルチェモジュールによる凍結治療装置および温度制御方法は、各種皮膚腫瘍、色素性病変等冷凍凍結削除や、その他の人体部位の部分凍結や加熱を行う医療の様々な分野に広く適用できる。
【0036】
特に、皮膚の疾患部位を、健常部位を切除することなく正確に取り除くことが出来る。また、冷凍治療は治癒後の組織快復が良好なので医療および美容外科等に広く用いることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施の形態による、通常断熱材を用いた凍結治療装置の断面図である。
【図2】本発明の実施の形態による、二酸化炭素充填層を用いた凍結治療装置の断面図である。
【符号の説明】
【0038】
1 ペルチェモジュール
2 先端チップ
3 被温度制御面
4 温度センサー
5 ヒートシンク
6 内筒
7 外筒
8 スペーサー
9 液体窒素
10 断熱材
11 ふた
12 温度制御コンピュータ
13 パワーモジュール
14 表皮
15 真皮
16 皮下組織
17 フレキシブルチューブ製内筒
18 気密外筒
20 Oリング
21 気密コネクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの面である第11面と第12面を持ち前記第11面が凍結治療対象物に接触する先端チップと、少なくとも2つの面である第21面と第22面を持つペルチェモジュールと、前記ペルチェモジュールを低温に保つヒートシンクと、前記ペルチェモジュールの通電電流を逆転制御するパワーモジュールと、前記ペルチェモジュールの温度を制御する温度制御コンピュータ、とで構成され、前記第22面と前記第21面が接触し、前記第22面と前記ヒートシンクとが接触するよう配置されることを特徴とする凍結治療装置。
【請求項2】
前記温度制御コンピュータが前記パワーモジュールの通電電流逆転制御を複数回可逆的に制御できるよう構成したことを特徴とする請求項1記載の凍結治療装置。
【請求項3】
少なくとも2つの面である第311面と第312面を持ち前記第311面が凍結治療対象物に接触する先端チップと、少なくとも2つの面である第321面と第322面を持つペルチェ素子と、前記ペルチェモジュールを低温に保つヒートシンクと、前記ペルチェ素子の通電電流を逆転制御するパワーモジュールと、前記ペルチェ素子の温度を制御する温度制御コンピュータ、とで構成され、前記第312面と前記第321面が接触し、前記第322面と前記ヒートシンクとが接触するよう配置されることを特徴とする凍結治療装置。
【請求項4】
前記温度制御コンピュータが前記パワーモジュールの通電電流逆転制御を複数回可逆的に制御できるよう構成したことを特徴とする請求項3記載の凍結治療装置。
【請求項5】
前記ヒートシンクの冷却を液体窒素で行う事を特徴とする請求項1乃至4の内一に記載の凍結治療装置。
【請求項6】
前記焼却装置全体を、密封容器による2重容器構造とし、2重容器隙間部に乾燥二酸化炭素を充填したことを特徴とする請求項1乃至5の内一に記載の凍結治療装置。
【請求項7】
前記ペルチェモジュールによる凍結治療装置において、前記ペルチェモジュールを加熱状態に制御し、前記21面および前記12面を通して前記第11面を常温に保つ第1ステップと、前記ペルチェモジュールの通電電流の流れを前記第1ステップと逆転させる第2ステップと、前記ヒートシンクの熱を前記第22面と前記第21面ならびに前記第12面を介し前記第11面に伝え、前期凍結治療対象物を急速冷却することを特徴とする凍結治療温度制御方法。
【請求項8】
前記凍結治療対象物が人体の疾患であり、前記急速冷却は、人体の疾患の凍結であることを特徴とする請求項7記載の凍結治療温度制御方法。
【請求項9】
前記ペルチェモジュールによる凍結治療装置において、第11面を常温あるいは体温に保つ第1の状態と、次にヒートシンクの熱を第11面に伝え第11面をほぼヒートシンクの温度状態にする第2の状態、とを複数回繰り返すことを特徴とする請求項7あるいは8記載の凍結治療温度制御方法。
【請求項10】
前記ペルチェモジュールによる凍結治療装置において前記人体の疾患が凍結した後で、前記第11面の冷却時間と温度とを調節し、人体の凍結領域の大きさと深さを制御する事を特徴とする請求項8記載の凍結治療温度制御方法。
【請求項11】
前記第11面を前記人体の疾患患部に接触させた状態で、前記第1の状態と前記第2の状態を複数回繰り返し患部細胞の壊死率を向上させることを特徴とする請求項9記載の凍結治療温度制御方法。
【請求項12】
前記ペルチェ素子による凍結治療装置において、前記ペルチェ素子を加熱状態に制御し、前記322面および前記312面を通して前記第311面を常温に保つ第31ステップと、前記ペルチェ素子の通電電流の流れを前記第31ステップと逆転させる第32ステップと、前記ヒートシンクの熱を前記第322面と前記第321面ならびに前記第312面を介し前記第311面に伝え、前期凍結治療対象物を急速冷却することを特徴とする凍結治療温度制御方法。
【請求項13】
前記凍結治療対象物が人体の疾患であり、前記急速冷却は、人体の疾患の凍結であることを特徴とする請求項12記載の凍結治療温度制御方法。
【請求項14】
前記ペルチェ素子による凍結治療装置において、第311面を常温あるいは体温に保つ第31の状態と、次にヒートシンクの熱を第311面に伝える第311面をほぼヒートシンクの温度状態にする第32の状態とを複数回繰り返すことを特徴とする請求項12あるいは13記載の凍結治療温度制御方法。
【請求項15】
前記ペルチェ素子による凍結治療装置において、前記人体の疾患が凍結した後で、前記第311面の冷却時間と温度とを調節し、人体の凍結領域の大きさと深さを制御する事を特徴とする請求項13記載の凍結治療温度制御方法。
【請求項16】
前記第311面を前記人体の疾患患部に接触させた状態で、前記第31の状態と前記第32の状態を複数回繰り返し患部細胞の壊死率を向上させることを特徴とする請求項14記載の凍結治療温度制御方法。
【請求項17】
前記第11面あるいは第311面の近傍に温度センサーを設定し、当該面の温度をモニターしながら、前記温度制御コンピュータで前記パワーモジュールの制御を行う事を特徴とする請求項7乃至16の内一に記載の凍結治療温度制御方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−130055(P2006−130055A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−322309(P2004−322309)
【出願日】平成16年11月5日(2004.11.5)
【出願人】(504157024)国立大学法人東北大学 (2,297)
【Fターム(参考)】