説明

ペルフルオロアルキル含有錯体、製造方法およびその使用

本発明は、本特許請求の範囲を特徴とする対象物質、すなわち、窒素を含有する一般式Iの基を含むペルフルオロアルキル含有金属錯体、製造方法およびNMR分野およびx線診断、放射線診断および放射線治療、さらにMRT分野のリンパ系造影法および血液プール像におけるその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本特許請求の範囲を特徴とする被検物質、つまり、一般式Iの窒素含有基を含むペルフルオロアルキル含有金属錯体、製造方法ならびにNMRおよびx線診断、放射線診断ならびに放射線治療、さらにMRTリンパ系造影法および血液プール像におけるその使用に関する。異なる生理学的および病理生理学的構造の視覚化およびしたがって、診断情報の改良化、つまり、疾患の位置および重症度、効果的な標的治療の選択およびモニタリングならびに予防のために核スピン共鳴断層撮影法(MRT)においてペルフルオロアルキル含有金属錯体を使用する。
【0002】
本発明における化合物は、腫瘍診断および梗塞ならびに壊死像におけるかなり特定な方法のリンパ系造影法において好適である。
【0003】
核磁気共鳴の分野において、いくつかのフッ素含有化合物を画像領域で使用することができることは公知である。しかし、ほとんどの場合、このような化合物は、フッ素−19画像での使用にのみ提案されており、この用途にのみ好適である。このような化合物は、例えば、米国特許第4639364号(Mallinckrodt)、DE4203254(Max−Planck−Gesellschaft)、WO93/07907(Mallinckrodt)、US4586511(Children’s Hospital Medical Center)、EP307863(Air Products)、US4588279(University of Cincinnati,Children’s Hospital Research Foundation)およびWO94/22368(Molecular Biosystems)に開示されている。
【0004】
画像に使用されうる追加のフッ素含有化合物は、US5362478(VIVORX)、米国特許第4586511号、DE4008179(Schering)、WO94/05335およびWO94/22368(ともにmolecular biosystems)、EP292306(TERUMO Kabushiki Kaisha)、EP628316(TERUMO Kabushiki Kaisha)およびDE4317588(Schering)に開示されている。
【0005】
フッ素およびヨウ素元素を含有する化合物において、2つの原子核間での相互作用は発生しないが、フッ素および常磁性中心(基、金属イオン)を含む化合物において、強い相互作用が発生し、また、前記強い相互作用は、フッ素核の緩和時間の短縮で表わされる。この効果の程度は、金属イオンの不対電子数(Gd3+>Mn2+>Fe3+>Cu2+)および常磁性イオンと19F原子間の解離により決定される。
【0006】
金属イオンの不対電子がより多く存在し、金属イオンがより近接にフッ素に担持されるほど、フッ素核の緩和時間の短縮が大きくなる。
【0007】
スピン数が不均一な核全てにおいて、常磁性イオンからのインターバルの関数である緩和時間が短縮することは明らかであり、従って、プロトンの場合もガドリニウム化合物が核スピン断層撮影法の造影剤として広く使用されている(Magnevist(登録商標)、Prohance(登録商標)、Omniscan(登録商標)およびDotarem(登録商標))。
【0008】
しかし、1H−MR画像(1H−MRI)において、プロトンの緩和時間T1またはT2、すなわち、フッ素核の緩和時間ではなく、第一に水のプロトンを画像用に測定および使用する。緩和時間の短縮の定量測定値は、緩和能[L/mmol.s]である。緩和時間を短縮させるため、常磁性イオンの錯体を有効に使用する。以下の表において、いくつかの市販製剤の緩和能を示す。
【0009】
【表1】

【0010】
これらの化合物においては、プロトンとガドリニウムイオン間の相互作用のみが発生する。従って、水のこれらの造影剤の緩和能は、約4[L/mmol.s]と示される。
【0011】
従って、フッ素核の緩和時間の短縮に使用するフッ素−19画像用のフッ素化合物および水のプロトンの緩和時間を測定する非フッ素含有化合物の両方を、MR画像に有効に使用する。
【0012】
常磁性造影剤、すなわち、フッ素画像化合物のみに好適な公知の特性とプロトン画像に使用された化合物の組み合わせにペルフルオロ炭素含有基の導入において、非常に驚くことに、水のプロトンに関連する緩和能もまた急速に増加する。上記表のいくつかの市販製品に関してすでに挙げられている3.5〜3.8[L/mmol.s]と比べ、もはや10〜50[L/mmol.s]に達する。
【0013】
ペルフルオロアルキル含有金属錯体は、すでにDE19603033.1、WO99/01161、DE19914101、DE10040381およびDE10040858により公知である。しかし、ほとんどの場合適合性が不十分であるため、これらの化合物を全ての用途に十分に使用することができない。従って、すぐれた画像特性を有し、同時に非侵襲的性質の診断方法を行うのに非常に好適であるMRT造影剤がなお必要とされる。これは、例えば、衛生転移を含む腫瘍を診断し、全身にわたり造影剤を分布させる場合、重要となる。
【0014】
悪性腫瘍は、所属リンパ節のクラスター内で転移し、それにより、いくつかのリンパ節領域もまた含むことができる。従って、リンパ節転移は、悪性腫瘍を有する全患者の約50〜69%に認められる(Elke,Lymphographie[Lymphography],in:Frommhold,Stender,Thurn(Eds.),Radiologische Diagnostik in Klinik und Praxis[Radiological Diagnosis in Clinical Studies and in Practice],Volume IV,Thieme Verlag Stuttgart,7th Ed.,434−496,1984)。リンパ節転移の発症の診断は、悪性疾患の治療および予後に関してかなり重要なものの1つである。現代の画像方法(CT、USおよびMRI)を使用して、ほとんどの場合リンパ節の大きさのみが診断基準として使用されうるので悪性腫瘍のリンパ行性排出は、あまり十分に検出されない。従って、非肥大リンパ節の小転移(<2cm)を、悪性を発症していないリンパ節過形成と区別することができない(Steinkamp et al.,Sonographie und Kernspintomographie:Differentialdiagnostik von reaktiver Lymphknoten−vergroeβerung und Lymphknotenmetastasen am Hals[Sonography and Nuclear Spin Tomography:Differential Diagnosis of Reactive Lymph Node Enlargement and Lymph Node Metastases on the Neck],Radiol.Diagn.33:158,1992)。
【0015】
特定の造影剤を使用する場合、転移発症を有するリンパ節および過形成のリンパ節の区別ができることが望ましい。
【0016】
直接x線リンパ系造影法(対応するリンパ管に油性造影剤懸濁液を注入)は、侵襲的方法として公知であり、これは、数ヵ所のリンパ排出領域のみを視覚化でき、めったに使用されない。
【0017】
また、蛍光標識デキストランを実験的に動物試験において使用し、間質投与後にリンパ排出を観察することができる。間質/皮内投与後、リンパ路およびリンパ節の視覚化に使用される一般的なマーカー全ては、一般に、粒子状の性質を有する物質(「粒子状」、例えば乳液およびナノ結晶性懸濁液)または大型高分子(上記のWO90/14846参照)である。既述の製剤は、間接リンパ系造影法にまだ適切でないことが明らかにされているが、理由としては、局所および全身の適合性が不完全ならびにリンパ節経路が小さいため診断的効率が不十分であるからである。
【0018】
リンパ節の視覚化が癌患者の転移発症の早期検出に非常に重要なものの1つであることから、リンパ系の該変化の診断においてリンパ節−特異的造影製剤は、大いに必要であり、これらの造影製剤は非常に良好な適合性を特徴とする。本発明の用語において、リンパ系とは、リンパ節およびリンパ管をともに含む。それゆえ、本発明の物質は、リンパ系の変化の診断、好ましくは、リンパ節および/またはリンパ管の変化の診断、具体的には、リンパ節転移の診断に好適である。
【0019】
最も潜在性が高く、安定性が高い造影剤の濃度は、いくつかのリンパ領域にわたり、診断に関連した最も均一である可能性のあるリンパ濃度と同じがちょうど望ましい。造影剤を迅速および完全に排泄することにより、生体全体の負担は少なく維持されるはずである。放射線治療において、可能であれば造影剤投与後数時間以内と同様に早い時点の迅速な開始が重要となる。良好な適合性が必要である。
【0020】
要するに、原発性腫瘍および潜在性リンパ節転移をともに診察過程で視覚化させることに利用可能なリンパ節−特異的造影剤を有することが望ましい。
【0021】
他の重要な医学領域は、壊死または梗塞の検出、位置決定およびモニターである。従って、心筋梗塞は、静止プロセスではなく、むしろ長期間(数週間〜数か月)にわたる動的プロセスである。疾患は、約3相の過程を経過し、これは厳密には互いに分離されておらず、むしろ重複している。第1相である心筋梗塞の進行は、梗塞後24時間を含み、この期間は、破壊の進行が心内膜下から心筋への衝撃波(波面現象)を含む。第2相の、既存の梗塞は、治癒過程として発生する線維形成(線維症)の領域の固定化を含む。第3相の、陳旧性梗塞は、破壊された組織全てが線維性瘢痕組織に置き換えられた後に始まる。この期間中、大規模な再構築が発生する。
【0022】
今日まで、生きている患者の心筋梗塞のその時点の相を診断することができる正確および信頼性のある方法は知られていない。心筋梗塞を評価するために、梗塞において明らかに消失した組織部分がどれほどの大きさであるかおよび消失の発生はどの時点であるかを知ることは決定的に重要なものの1つであり、なぜなら治療のタイプがこの認識により決定するためである。
【0023】
梗塞は、心筋だけでなく、他の組織、特に脳にも発生する。
【0024】
梗塞は、ある程度まで治癒されうるが、局所限定の組織の死滅である壊死の場合、生体の残りに関して有害な後遺症のみを予防または少なくとも緩和することができる。壊死は、多様な様式、損傷、化学物質、酸素不足または放射線により進行する恐れがある。梗塞の場合、壊死の範囲およびタイプの認識がさらなる薬物療法において重要である。
【0025】
それゆえ、シンチグラフィーまたは核スピン断層撮影法等の非侵襲的プロセスにおいて造影剤を使用して梗塞および壊死の位置決定を改良する試験が、早くからすでに実施されていた。参照文献において、壊死像に関してポルフィリンを使用する試験が大部分を占める。しかし、得られた結果は、矛盾した状態を示す。さらにポルフィリンは、皮膚に沈着する傾向があり、これは光感作を導く。
【0026】
壊死および梗塞像に関して、ポルフィリン骨格由来ではない造影剤は、DE19744003(Schering AG)、DE19744004(Schering AG)およびWO99/17809(EPIX)に記載されている。しかし、今日まで梗塞および壊死像の造影剤として満足に使用することができ、同時に優れた適合性を特徴とする化合物はまだない。
【0027】
同様な問題がトロンビンまたは動脈硬化性プラークの診断に使用することができる化合物の領域においても存在する。トロンビンまたは動脈硬化性プラークを視覚化するための造影剤として満足に使用することができ、同時に優れた適合性を特徴とする化合物はない。
【0028】
それゆえ、本発明の目的は、一方ではMRT造影剤として優れた画像特性を有し、具体的には腫瘍および壊死像および/またはリンパ系造影法および/または血液プール像および/またはトロンビンまたは動脈硬化性プラークの視覚化に適しており、同時に優れた適合性により区別される利用可能な造影剤を作製することであった。
【0029】
本発明の目的は、一般式I
【化1】

【0030】
[式中、Rは、1−OHを介して結合する単糖またはオリゴ糖基のどちらかを表し、
この場合、Qは、
δ−CO−(CH2n’’−ε
δ−NH−(CH2n’’−ε
δ−(CH2m−ε
(式中、
n’’は、1および5からの整数であり、
mは、1および6からの整数であり、
δは、リンカーLへの結合部位を示し、εは、基Rへの結合部位を表す。)
から選択される基を意味し、
または
Rは、以下の1つを意味し、この時Qは、直接結合を意味し、Rは、
式中、R1は、水素原子または原子数20〜29、31〜33、37〜39、42〜44、49または57〜83の金属イオン当量を意味し、
基R2、R3、R4、UおよびU1は、以下に示された意味を有する一般式II〜Vの錯体K、
または
−CO−、−NR7−または直接結合を介してリンカーLに結合されるC原子1〜30個を有する炭素鎖、
(これは、直鎖もしくは分岐鎖、飽和もしくは不飽和および
これは、場合により、酸素原子1〜10個、−NHCO基1〜5個、−CONH基1〜5個、硫黄原子1〜2個、−NH基1〜5個またはフェニレン基1〜2個により中断され、場合によりOH基1〜2個、NH2基1〜2個、−COOH基1〜2個または−SO3H基1〜2個により置換することができ、
場合により、OH基1〜10個、−COOH基1〜5個、SO3H基1〜2個、NH2基1〜5個またはC1−C4−アルコキシ基1〜5個により置換され、R7はHもしくはC1−C4−アルキルを意味する。)
から選択される極性基を意味し、
fは、式−Cn2nEを有する過フッ素の、直鎖もしくは分岐炭素鎖であり、式中Eは、末端フッ素、塩素、臭素、ヨウ素もしくは水素原子を表し、nは4〜30の整数を表し、
Kは、一般式II
【化2】

(式中、
1は、水素原子または原子数21〜29、31〜33、37〜39、42〜44、49または57〜83の金属イオン当量を意味し、
ただし、少なくとも2個のR1が金属イオン当量を表し、
2およびR3は、それぞれ独立して、水素、C1−C7−アルキル、ベンジル、フェニル、−CH2OHまたは−CH2OCH3を表し、
Uは、−C64−O−CH2−ω、−(CH21-5−ω、フェニレン基、−CH2−NHCO−CH2−CH(CH2COOH)−C64−ω−、−C64−(OCH2CH20-1−N(CH2COOH)−CH2−ωまたはC1−C12−アルキレンあるいは−(CH27-12−C64−O基を表し、これは場合により1個または複数個の酸素原子、−NHCO基1〜3個または−CONH−基1〜3個により中断および/または−(CH20-5COOH基1〜3個により置換され、ωは、−CO−への結合部位を表す。)
または一般式III
【化3】

(式中、R1は、上記の意味を有し、R4は、水素またはR1下に挙げられる金属イオン当量を表し、U1は、−C64−O−CH2−ωもしくは−(CH2p’−基を表し、ωは、−CO−への結合部位を意味し、p’は、1〜4の整数である。)
または一般式IV
【化4】

(式中、R1およびR2は、上記の意味を有する。)
または一般式VAもしくはVB
【化5】

(式中、R1は、上記の意味を有する。)
または一般式VI
【化6】

(式中、R1は、上記の意味を有する。)
または一般式VII
【化7】

(式中、R1およびU1は、上記の意味を有し、ωは、−CO−への結合部位を意味する。)
または一般式VIII
【化8】

(式中、R1は、上記の意味を有し、
2は、直鎖もしくは分岐鎖、飽和もしくは不飽和C1−C20アルキレン基を表し、これは場合によりイミノ、フェニレン、フェニレンオキシ、フェニレンイミノ、アミド、ヒドラジド、カルボニル、エステル基、(1個または複数個の)酸素、硫黄および/または窒素原子(1個または複数個の)を含有し、場合によりヒドロキシ、メルカプト、オキソ、チオキソ、カルボキシ、カルボキシアルキル、(1個または複数個の)エステルおよび/またはアミノ基により置換され、
場合により基Kに存在する遊離酸基は、場合により有機および/または無機塩基またはアミノ酸あるいはアミノ酸アミドの塩として存在することができ、
Lは、以下の基IXa)〜IXc)から選択される基を表し、
【化9】

(式中、n’およびm’は、それぞれ独立して、0〜4の整数を表し、m’+n’≧1;好ましくは、m’+n’は1、2または3に等しく、
8およびR8’は、それぞれ独立して、−Hまたは−OHのどちらかであり、m’+n’>1、−(CR88’)各基は異なっていてよく、
Wは、直接結合、−O−またはフェニレン基のどれかであり、これは、場合によりヒドロキシ基1〜4個により置換されることができ、
q’は、1、2、3または4のいずれかであり、
αは、Lが錯体Kへの結合部位であり、βは、Lの基Qへの結合部位であり、γは、Lが基Xへの結合部位である。))
の金属錯体を表し、
Xは、式(VI)
【化10】

(式中、Yは、直接結合、−CO−またはNR6基を意味し、R6は、−Hまたは直鎖もしくは分岐鎖、飽和もしくは不飽和のC1−C15炭素鎖を表し、これは、O原子1〜4個、−NHCO基1〜3個、CONH基1〜3個、SO2基1〜2個、硫黄原子1〜2個、NH基1〜3個またはフェニレン基1〜2個により中断されることができ、
これは、場合によりOH基1〜2個、NH2基1〜2個、−COOH基1〜2個または−SO3H基1〜2個により置換されることができ、
これは、場合によりOH基1〜10個、−COOH基1〜5個、−SO3H基1〜2個、NH2基1〜5個、またはC1−C4−アルコキシ基1〜5個により置換され、Gは、−O−または−SO2−のどちらかを意味し、
sおよびs’はそれぞれ独立して、1または2のどちらかを意味し、tは0または1のどちらかを意味し、
ρは、XのLへの結合部位を表し、ζは、XのRfへの結合部位を表す。)
の基を表す。)]
の窒素含有リンカー構造を有するペルフルオロアルキル含有錯体により得られる。
【0031】
好ましい実施形態において、R6はHまたはC1−C6−アルキル基であり、これはO原子1〜3個により中断されることができ、OH基1〜4個により置換することができる。
【0032】
特に好ましい実施形態において、R6はC1−C4アルキル基である。
好ましい実施形態において、Gは、−O−基を意味する。
特に好ましい実施形態において、t=0。
【0033】
好ましい実施形態において、Wは、直接結合である。
【0034】
好ましい実施形態において、−CO−、−NR7−または直接結合を介してリンカーLに結合する基Rは、酸素原子1〜10個により中断および/またはOH基1〜10個により置換されるC原子1〜30個を有する炭素鎖である。
【0035】
特に好ましい実施形態において、Rは、−CO−、−NR7−または直接結合を介してLに結合するC1−C12炭素鎖であり、これは酸素原子1〜6個により中断および/またはOH基1〜6個により置換される。
【0036】
本発明における化合物がNMR診断に使用することを目的とする場合、シグナル基の金属イオンは、常磁性でなければならない。具体的には原子数21〜29、42、44および58〜70の元素の2価および3価イオンである。例えば、適切なイオンは、クロミウム(III)、鉄(II)、コバルト(II)、ニッケル(II)、銅(II)、プラセオジミウム(III)、ネオジミウム(III)、サマリウム(III)およびイッテルビウム(III)イオンである。これらの磁気能率が高いことから、ガドリニウム(III)、テルビウム(III)、ジスプロシウム(III)、ホルミウム(III)、エルビウム(III)、鉄(III)およびマンガン(II)イオンが特に好ましい。
【0037】
核医学(放射線診断および放射線治療)の本発明における化合物の使用について、金属イオンは、放射性でなければならない。例えば、原子数27、29、31〜33、37〜39、43、49、62、64、70、75および77を有する元素の放射性同位体が好適である。テクネチウム、ガリウム、インジウム、レニウムおよびイットリウムが好ましい。
【0038】
本発明における化合物がx線診断に使用することを目的する場合、金属イオンは、x線の吸収が十分得られるよう原子数の大きい元素由来が好ましい。これに関して、原子数25、26および39ならびに57〜83の元素の金属イオンを有する生理学的適合性の錯体塩を含有する診断薬が好適であることが認められた。
【0039】
マンガン(II)、鉄(II)、鉄(III)、プラセオジミウム(III)、ネオジミウム(III)、サマリウム(III)、ガドリニウム(III)、イッテルビウム(III)またはビスマス(III)イオン、具体的には、ジスプロシウム(III)イオンおよびイットリウム(III)イオンが好ましい。
【0040】
場合により、R1に存在する酸性水素原子、すなわち中心イオンにより置換されていないこれらの原子は場合により、無機および/または有機塩基またはアミノ酸あるいはアミノ酸アミドの陽イオンにより完全にまたは部分的に置換されることができる。
【0041】
例えば、適切な無機陽イオンは、リチウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオンおよび具体的にはナトリウムイオンである。適切な有機塩基の陽イオンは、すなわち第1級、第2級または第3級アミン、例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、モルホリン、グルカミン、N,N−ジメチルグルカミンおよび具体的にはN−メチルグルカミンのものである。例えば、適切なアミノ酸の陽イオンは、リジン、アルギニンおよびオルニチンならびに他の酸性もしくは中性アミノ酸のアミドのものである。
【0042】
一般式Iの特に好ましい化合物は、一般式IIの大環状化合物Kを有するものである。
【0043】
金属錯体Kの基Uは、好ましくは−CH2またはC64−O−CH2−ωを意味し、式中、ωは、−CO−への結合部位を表す。
【0044】
好ましい実施形態において、U2は、C1−C6アルキレン鎖であり、これは、場合により−NHCO基1〜2個および/またはO原子1〜2個により中断され、−OH基1〜3個により置換されることができる。
【0045】
金属錯体Kの基U2は、好ましくは具体的には、
C原子1〜6個を有する直鎖状アルキレン基、具体的にはC原子2、3もしくは4個または
C原子1〜6個を有する直鎖状アルキレン基、具体的にはC原子2、3または4個、これはO原子1個により中断され、あるいは
C原子1〜6個を有する直鎖状アルキレン基、具体的にはC原子2、3または4個、これは−NHCO基を含有する
ことを意味する。
【0046】
特に好ましい実施形態において、U2は、エチレン基である。
【0047】
一般式IIの大環状化合物のアルキル基R2およびR3は、直鎖または分岐鎖であってよい。例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチルおよび1,2−ジメチルプロピルを挙げることができる。R2およびR3は、それぞれ独立して、好ましくは水素またはC1−C4−アルキルを意味する。
【0048】
非常に好ましい実施形態において、R2はメチルを表し、R3は水素を表す。
【0049】
一般式IIの大環状化合物Kのベンジル基またはフェニル基R2またはR3もまた、環に置換されることができる。
【0050】
本発明の他の好ましい実施形態において、Rは、C原子5〜6個を有する単糖基、好ましくはグルコース、マンノース、ガラクトース、リボース、アラビノースもしくはキシロースまたはそのデスオキシ糖、例えば6−デスオキシガラクトース(フコース)もしくは6−デスオキシマンノース(ラムノース)あるいはそのペルアルキル化誘導体を意味する。特に好ましくは、グルコース、マンノースおよびガラクトース、具体的にはマンノースである。
【0051】
本発明の他の好ましい実施形態において、Rは、以下の基
【化11】

の1つおよび直接結合を意味するQを有する式(II)の錯体から選択される。
(式中、R1、R2、R3およびUは、式(II)の上記の通りに定義され、
pは1、2、3、4、5、6、7、8または9のいずれかであり、
1は、HまたはCH3のどちらかであり、R’’は、HまたはC1−C4アルキル基のいずれかであり、
pは、好ましくは1、2、3または4である。)
本明細書に示される極性基は市販製品であり、または参照文献に記載される方法に従い製造される。
Cassel et al.,Eur.J.Org.Chem.,2001,5,875−896
Whitessides et al.,JACS,1994,5057−5062
Voegtle et al.,Liebigs Ann.Chem.,1980,858−862
Liu et al.,Chem.Commun.,2002,594
Mitchell et al.,Heterocyclic Chem.,1984,697−699
Bartsch et al.,J.Org.Chem.,1984,4076−4078
Keana et al.,J.Org.Chem.,1983,2647−2654
非常に好ましい実施形態において、Rは式:
−C(O)CH2O[(CH22O]pR’
の基であり、これを−CO−を介してLに結合する。
【0052】
pおよびR’は、上記に示された意味を有し、R’は、特にCH3基が好ましい。
【0053】
他の好ましい実施形態において、Qは、
δ−CO−(CH2n’’−ε
(式中、
n’’は、1および5からの整数であり、
同時にLは、式IXaまたはIXbの基の意味を有する。)
から選択される基を意味する。
他の好ましい実施形態において、Qは、
δ−NH−(CH2)n’’−ε
(式中、
n’’は、1および5からの整数であり、
同時にLは、IXcの基を意味する。)
から選択される基を意味する。
【0054】
本発明における一般式Iの化合物のうち、さらに、Rfが−Cn2n+1;すなわち式−Cn2nEのEがフッ素原子を意味することが好ましい。nは、好ましくは4〜15の整数を表す。かなり好ましくは、基−C49、−C613、−C817、−C1225および−C1429ならびに本実施例において挙げられる化合物の基である。
【0055】
本発明の好ましい実施形態において、「骨格」を表す一般式Iの窒素含有基Lは、アミノ酸基(Vc)を意味する。
他の好ましい実施形態において、一般式Iの窒素含有基Lは、式(IXb)または(IXa)のジアミン基を表す。
【0056】
一般式I
【化12】

(Kは、一般式II〜IVの金属錯体を意味し、L、Q、X、RおよびRfは、上記に示された意味を有する。)
の窒素含有リンカー構造を有するペルフオロアルキル含有金属錯体は、当技術分野に公知の方法で、一般式IIa
【化13】

(式中、R5は、原子数21〜29、31〜33、37〜39、42〜44、49または57〜83の金属イオン当量あるいはカルボキシル保護基を意味し、R2、R3およびUは、上記の意味を有する。)
のカルボン酸
または一般式IIIa
【化14】

(式中、R4、R5およびU1は、上記の意味を有する。)
のカルボン酸
または一般式IVa
【化15】

(式中、R5およびR2は、上記の意味を有する。)
のカルボン酸
または一般式VaもしくはVb
【化16】

(式中、R5は、上記の意味を有する。)
のカルボン酸
または一般式VIa
【化17】

(式中、R5は、上記の意味を有する。)
のカルボン酸
または一般式VIIa
【化18】

(式中、R5およびU1は、上記の意味を有する。)
のカルボン酸、
または一般式VIIIa
【化19】

(式中、R5およびU2は、上記の意味を有する。)
のカルボン酸
が、場合により活性した形態において、一般式XI
【化20】

(式中、L、R、Rf、QおよびXは、カップリング反応において、上記に示された意味を有し、場合により存在する保護基を場合により逐次的に切断して一般式Iの金属錯体を形成し、
または
5が保護基を意味する場合、当技術分野において公知である方法の逐次的ステップのこれらの保護基を切断後に、原子数21〜29、31〜33、37〜39、42〜44、49または57〜83の元素の少なくとも1種の金属酸化物または金属塩と反応し、次いで所望の場合、場合により存在する酸性水素原子が無機および/または有機塩基、アミノ酸またはアミノ酸アミドの陽イオンにより置換される。)のアミンと反応することにより製造される。
【0057】
この金属錯体カルボン酸アミドの製造方法は、DE19652386により公知である。
【0058】
カップリング反応で使用し、金属錯体カルボン酸IIIbからなる混合物であり、これは保護された形態の場合により存在するカルボキシおよび/またはヒドロキシ基と金属錯体カルボン酸に対して5以下、好ましくは0.5〜2分子当量の少なくとも1個の可溶化物質を含有するが、上流反応段階で生成、および単離(例えば、構成要素の水性もしくは水混和性溶液を蒸発、凍結乾燥もしくは噴霧乾燥による濃縮により、またはこのような溶液由来の有機溶媒による析出により)をともに行うことができ、次いで、脱水剤および場合により結合アジュバントとDMSO中で反応することができ、in situで場合により可溶化物質をDMSO懸濁液に添加することにより金属錯体カルボン酸、脱水剤および場合により結合アジュバントから形成されることができる。
【0059】
これらの方法の1つに従い製造される反応溶液を1〜24、好ましく3〜12時間、0〜50℃、好ましくは室温にて前処理(酸活性化)のため静置する。
【0060】
この時、一般式XI
【化21】

(式中、基L、R、Rf、QおよびXは、上記に示された意味を有する。)のアミンを、溶媒を含まず、あるいは例えば、ジメチルスルホキシド、アルコール、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールもしくはその混合物、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、水もしくは前記溶媒の混合物中、好ましくはジメチルスルホキシド中、水または水と混合される溶媒中に溶解した形態において添加する。アミド結合において、このように得られた反応溶液を0〜70℃、好ましくは30〜60℃、1時間〜48時間、好ましくは8〜24時間静置する。
【0061】
いくつかの場合、その塩形態のアミン、例えば、臭化水素酸または塩酸として反応に使用することが有利であることが認められている。アミンを放出するために、塩基例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、水酸化リチウム、炭酸リチウム、水酸化ナトリウムまたは炭酸ナトリウムを添加する。
【0062】
次いで、場合によりなお存在している保護基を切断する。
【0063】
反応生成物の単離は、当業者に公知の方法に従い、好ましくは有機溶媒、好ましくはアセトン、2−ブタノン、ジエチルエーテル、エチルアセテート、メチル−t−ブチルエーテル、イソプロパノールもしくはその混合物での析出により実施される。追加の精製を例えば、クロマトグラフィー、結晶化または限外濾過により実施することができる。
【0064】
可溶化物質として、アルカリ塩、アルカリ土類塩、トリアルキルアンモニウム塩、テトラアルキルアンモニウム塩、尿素、N−ヒドロキシイミド、ヒドロキシアリールトリアゾール、置換フェノールおよび複素環式アミンの塩が好適である。例えば、以下のものを挙げることができる:塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、メタンスルホン酸リチウム、メタンスルホン酸ナトリウム、p−トルエンスルホン酸リチウム、p−トルエン−スルホン酸ナトリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、塩化ナトリウム、臭化マグネシウム、塩化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、p−トルエンスルホン酸テトラエチルアンモニウム、p−トルエンスルホン酸テトラメチルアンモニウム、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム、p−トルエンスルホン酸トリエチルアンモニウム、2−モルホリノエチルスルホン酸、4−ニトロフェノール、3,5−ジニトロフェノール、2,4−ジクロロフェノール、N−ヒドロキシスクシンイミド、N−ヒドロキシフタルイミド、尿素、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ホルムアミドならびに環式尿素であり、上記の最初の5つが好ましい。
【0065】
脱水試薬として、当業者に公知である薬剤全てを使用する。例えば、カルボジイミドおよびオニウム試薬、例えばジシクロヘキシルカルボジイミド(DCCI)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミドヒドロキシクロリド(EDC)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)ならびにO−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、好ましくはDCCIを挙げることができる。
【0066】
参照文献には、例えば、以下の適切な方法が記載されている:
Aktivierung von Carbonsaeuren.Uebersicht in Houben−Weyl,Methoden der Organischen Chemie[Activation of Carboxylic Acids.Survey in Houben−Weyl,Methods of Organic Chemistry],Volume XV/2,Georg Thieme Verlag Stuttgart,1974(and J.Chem.Research(S)1996,302).
Aktivierung mit Carbodiimiden[Activation with Carboiimides].R.Schwyzer and H.Kappeler,Helv.46:1550(1963).
E.Wuensch et al.,Vol.100:173(1967).
Aktivierung mit Carbodiimiden/Hydroxysuccinimid[Activation with Carbodiimides/Hydroxy Succinimide]:J.Am.Chem.Soc.86:1839(1964)as well as J.Org.Chem.53:3583(1988).Synthesis 453(1972).
Anhydridmethode,2−Ethoxy−1−ethoxycarbonyl−1,2−dihydrochinolin[Anhydride Method,2−Ethoxy−1−ethoxycarbonyl−1,2−dihydroquinoline]:B.Belleau et al.,J.Am.Chem.Soc.,90:1651(1986),H.Kunz et al.,Int.J.Pept.prot.Res.,26:493(1985)and J.R.Voughn,Am.Soc.73:3547(1951).
Imidazolid−Methode[Imidazolide Method]:B.F.Gisin,R.B.Menifield,D.C.Tosteon,Am.Soc.91:2691(1969).
Saeurechlorid−Methoden,Thionylchlorid[Acid Chloride Methods,Thionyl Chloride]:Helv.,42:1653(1959).
Oxalylchlorid[Oxalyl Chloride]:J.Org.Chem.,29:843(1964).
場合により使用される結合アジュバントとして、当業者に公知であるもの全てが好適である(Houben−Weyl,Methoden der organischen Chemie,Volume XV/2,Georg Thieme−Verlag,Stuttgart,1974)。例えば、4−ニトロフェノール、N−ヒドロキシスクシンイミド、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシ−7−アザ−ベンゾトリアゾール、3,5−ジニトロフェノールおよびペンタフルオロフェノールを挙げることができる。好ましくは、4−ニトロフェノールおよびN−ヒドロキシスクシンイミドであり、特にこの場合に好ましいのは、最初に挙げた試薬である。
【0067】
保護基の切断は、当業者に公知である方法に従い、例えば加水分解、水素化分解、0℃〜50℃にてアルコール水溶液中のアルカリを使用してエステルをアルカリ鹸化、鉱酸または例えばtert−ブチルエステルの場合は、トリフルオロ酢酸を使用して[Protective Groups in Organic Synthesis,2nd Edition,T.W.Greene and P.G.M.Wuts,John Wiley and Sons,Inc.New York,1991]、ベンジルエステルの場合は水素/パラジウム/炭素を使用する酸性鹸化により実施される。
【0068】
使用される一般式IIa〜VIIaのカルボン酸は、公知の化合物であり、または例えば本実施例に記載の方法に従い製造されるかのどちらかである。DE10040381およびDE10040858参照。従って、一般式IIaのカルボン酸の製造は、DE19652386により公知である。使用される一般式VIIIaのカルボン酸は、WO95/17451に記載されるように製造される。
【0069】
Rがモノまたはオリゴ糖である場合、出発物質として使用されるペルベンジル化糖酸を、Lockhoff,Angrew.Chem[Applied Chem.]1998,110 No.24,p.3634ff.と同じように製造することができる。従って、例えばペルベンジルグルコース由来の1−O−酢酸の製造は、トリクロロアセトイミダートを介し、ヒドロキシ酢酸エチルエステルと反応、THF中のBF3触媒および続いてMeOH/THF中のNaOHで鹸化の2段階にわたり実施される。
【0070】
DE10040381に記載されているように、より有利な方法において、出発物質として使用されるペルベンジル化糖酸もまた、有機溶媒に溶解しているペルベンジル化1−OH糖により製造することができ、この有機溶媒は、水混和性ではなく、一般式XI:
Nu−L−COO−SG (XVIII)
(式中、Nuは、脱離基を意味し、Lは、−(CH2)−n、(式中、n=1〜5)、−CH2−CHOH−または−CH(CHOH−CH2OH)−CHOH−CHOH−であり、Sgは、塩基および場合により相間移動触媒の存在下において保護基を表す。)のアルキル化試薬と反応している。脱離基として、例えば基−Cl、−Br、−I、−OTs、−OMs、−OSO2CF3、−OSO249または−OSO2817を、一般式XVIIIのアルキル化試薬中に含有することができる。
【0071】
保護基は、一般的な酸保護基である。これらの保護基は、当業者に既知である(Protective Groups in Organic Syntheses,Second Edition,T.W.Greene and P.G.M.Wuts,John Wiley&Sons,Inc.,New York 1991)。
【0072】
本発明における反応を、0〜50℃、好ましくは0℃から室温にて実施することができる。反応時間は、10分〜24時間、好ましくは20分〜12時間である。
【0073】
塩基を固体形態、好ましくは微細粉末形態または10〜70%、好ましくは30〜50%水溶液としてのどれかで添加する。好ましい塩基として、NaOHおよびKOHを使用する。
【0074】
非水混和性の有機溶媒として、例えばトルエン、ベンゼン、CF3ベンゼン、ヘキサン、シクロヘキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、MTBまたはその混合物を本発明におけるアルキル化方法に使用することができる。
【0075】
これに関して公知である第4級アンモニウムまたはホスホニウム塩あるいはクラウンエーテル、例えば[15]−クラウン−5または[18]−クラウン−6を本発明における方法で相間移動触媒として使用する。メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルまたはイソブチルから選択された陽イオン上の4つの同一のまたは異なる炭化水素基を有する第4級アンモニウム塩が好ましくは好適である。陽イオン上の炭化水素基は、有機溶媒中のアルキル化試薬の可溶性を確実に良好にするよう十分な大きさがなければならない。N(ブチル)4+−Cl-、N(ブチル)4+−HSO4-だけでなくN(メチル)4+−Cl-もまた、本発明において使用するのに特に好ましい。
【0076】
該末端保護されたポリエチレングリコール酸もまた同じように製造することができる。
【0077】
一般式(XI)
【化22】

【0078】
(式中、Lは、
【化23】

【0079】
を意味する。)
の化合物を、当業者に公知のアミド形成法に従い、一般式(XII)
【化24】

(式中、Sgは、保護基を意味し、L、XおよびRfは、上記に示された意味を有する。)のアミンと反応している上記の親水性カルボン酸Rにより製造する。
【0080】
保護基の切断は、当業者に公知である方法に従い、例えば加水分解、水素化分解、0℃〜50℃にてアルコール水溶液中のアルカリを使用したエステルのアルカリ鹸化、鉱酸または例えばtert−ブチルエステルの場合は、トリフルオロ酢酸を使用して[Protective Groups in Organic Synthesis,2nd Edition,T.W.Greene and P.G.M.Wuts,John Wiley and Sons,Inc.New York,1991]、ベンジルエーテルの場合は水素/パラジウム/炭素を使用する酸性鹸化により実施される。
【0081】
一般式(XII)の化合物を一般式(XIII)
【化25】

【0082】
[上記に示された意味のR8、R8’、n’、Wおよびm’と反応し、Sgは、一般式(XIV)
【化26】

(Y、G、s、s’およびζは上記に示された意味を有し、Nuは、塩基および場合により相間移動触媒の存在下において脱離基を意味する。)の過フッ素含有求核剤を有する保護基を意味する。]のモノ保護ジアミンにより製造する。脱離基として、例えば基−Cl、−Br、−J、−OTs、−OMs、−OSO2CF3、−OSO249または−OSO2817を、一般式XVIIIのアルキル化試薬中に含有することができる。
【0083】
一般式(XIV)の公知の過フッ素含有求核剤ならびに追加のペルフルオロアルキル含有物質およびその製造は、以下の刊行物に記載されている。
【0084】

【0085】
Lが
【化27】

【0086】
(q、α、βおよびγは、上記に示された意味である。)
を意味する一般式(XI)の化合物は、一般式(XV)
【化28】

[上記に示された意味のXおよびRfと反応し、
当業者に公知のアミド形成する方法に従い、一般式(XVI)
【化29】

(q、βは、上記に示された意味であり、Sgは、保護基を意味する。)
のアミンと反応する。]
の過フッ素含有カルボン酸により製造される。
【0087】
保護基の切断は、当業者に公知である方法に従い、例えば加水分解、水素化分解、0℃〜50℃にてアルコール水溶液中のアルカリを使用したエステルのアルカリ鹸化、鉱酸または例えばtert−ブチルエステルの場合は、トリフルオロ酢酸を使用して[Protective Groups in Organic Synthesis,2nd Edition,T.W.Greene and P.G.M.Wuts,John Wiley and Sons,Inc.,New York,1991]、ベンジルエーテルの場合は、水素/パラジウム/炭素を使用する酸性鹸化により実施される。
【0088】
一般式(XV)の化合物の製造は、過フッ素含有化合物の製造に関して上記に示された参照文献引用例に記載されている。
【0089】
一般式(XVI)
【化30】

(q、βは、上記に示された意味であり、Sgは保護基を意味する。)
の化合物を、当業者に公知のアミド形成する方法に従い、一般式(XVII)
【化31】

(qは、上記に示された意味であり、SgおよびSg’は、保護基を意味し、SgおよびSg’を異なる方法で切断することができる。)
のカルボン酸と反応している上記の親水性アミンRにより製造される。
【0090】
保護基の切断は、当業者に公知である方法に従い、例えば加水分解、水素化分解、0℃〜50℃にてアルコール水溶液中のアルカリを使用したエステルのアルカリ鹸化、鉱酸または例えばtert−ブチルエステルの場合は、トリフルオロ酢酸を使用して[Protective Groups in Organic Synthesis,2nd Edition,T.W.Greene and P.G.M.Wuts,John Wiley and Sons,Inc.New York,1991]、ベンジルエーテルの場合は、水素/パラジウム/炭素を使用する酸性鹸化により実施される。
【0091】
一般式(XVII)のこのような2x−保護アミノ酸は、市販製品(Bachem)である。
【0092】
本発明における化合物は、NMRおよびX線診断、放射線診断および放射線治療、ならびにMRTリンパ系造影法および血液プール像に使用するのに特に好適である。ペルフルオロアルキル含有金属錯体は、種々の生理学的および病理生理学的構造の視覚化およびそれゆえ、診断情報の改良化、例えば、疾患の位置および程度、効果的な標的治療の選択およびモニタリングならびに疾患および障害の予防のために核スピン共鳴断層撮影法(MRT)に使用するのに特に好適である。
【0093】
特に好ましい一実施形態において、本発明における物質をMRTリンパ系造影法に使用する。
【0094】
他の特に好ましい実施形態において、本発明における物質を血液プール像に使用する。
【0095】
適切な疾患および障害は、腫瘍疾患、特に原発性腫瘍の検出および特徴化、衛生転移、リンパ節転移および壊死、心血管系疾患、特に狭窄および動脈瘤等の血管経の変化、動脈硬化性プラークの検出による動脈硬化、血栓塞栓疾患、梗塞、壊死、炎症、特に関節炎、髄膜炎、潰瘍性大腸炎ならびに神経損傷を含む。
【0096】
特に好ましい実施形態において、本発明における物質を壊死または腫瘍像に使用する。
【0097】
また、本発明の被検物質は、場合によりガレヌス製剤において一般的に使用される添加剤を有する本発明における少なくとも1種の生理学的適合性化合物を含有する医薬製剤である。
【0098】
本発明の化合物を優れた適合性および同時に優れた画像特性により区別する。従って、これらは、MRT、特にMRTリンパ系造影法および腫瘍画像の全身使用に特に好適である。
【0099】
本発明における医薬製剤の製造は、当技術分野において公知である方法、場合により一般にガレヌス製剤において一般的に使用される添加剤を添加する本発明における錯体化合物を水性の媒介物質に懸濁または溶解させた後、場合により懸濁液または溶液を滅菌することにより実施する。例えば、適切な添加剤は、生理学的に無害な緩衝液(例えばトロメタミン)さらに、錯化剤または弱錯体(例えば、本発明における金属錯体に対応するジエチレントリアミンペンタ酢酸またはCa錯体)または必要な場合、電解質、例えば塩化ナトリウムまたは必要な場合、抗酸化剤、例えばアスコルビン酸の添加ある。
【0100】
水または生理食塩溶液中の本発明における薬剤の懸濁液または溶液を経腸または非経口投与あるいは他の目的において必要とする場合、一般にガレヌス製剤において一般的に使用される1種または複数種のアジュバント[例えば、メチルセルロース、ラクトース、マニトール]および/または(1種または複数種の)界面活性剤[例えば、レシチン、Tween(登録商標)、Myrj(登録商標)]および/または味覚補正のための(1種または複数種の)香料添加物質[例えば、精油]と混合する。
【0101】
おもに、錯体を単離することなく本発明における医薬製剤を製造することが可能である。いくつかの場合、本発明における錯体が毒性作用を有する非錯体化金属イオンを実質的に含有しないようにするために特に注意してキレート化しなければならない。
【0102】
例えば、これは、キシレノールオレンジ等の着色指示薬を使用して、製造方法中の滴定を調整することにより確実にすることができる。それゆえ、本発明はまた、錯体化合物およびその塩の製造方法に関する。最終的な注意点として、単離した錯体の精製がある。
【0103】
本発明における薬剤のin−vivo投与において、薬剤を適切なベヒクル、例えば血清または一般的な生理食塩溶液と合わせて、および他のタンパク質、例えばヒト血清アルブミン(HSA)と合わせて投与することができる。
【0104】
本発明における薬剤を、通常、非経口、好ましくは、i.v.にて投与する。また、これらは、(1つまたは複数の)体内の脈管または組織を検査するどうかに応じて血管内、間質的/皮内投与することができる。
【0105】
本発明における医薬製剤は、好ましくは錯体0.1μmol〜2mol/lを含有し、一般に0.001〜5mmol/kg用量を投与される。
【0106】
本発明における薬剤は、核スピン断層撮影法の造影剤としての多くの適性要件を満たしている。経口または非経口投与後、従って、これらは、信号強度を増加することにより核スピン断層撮影法から得られる画像の情報価値を高めるのに極めて好適である。また、これらは、体内に可能な限り最少量の異物で負荷するために必要な高い有効性および、本試験の非侵襲的性質を維持するために必要な良好な適合性を示している。
【0107】
本発明における薬剤の良好な水溶性および低浸透圧により、高濃度の溶液の生成が循環系の負荷量を合理的な限界内で維持および体液による希釈を相殺することを可能にする。さらに、本発明における薬剤は、in vitroでの高い安定性だけでなく、驚くことにin vivoでの高い安定性を示し、それには、本来毒性の、錯体で結合するイオンの放出または交換が新しい造影剤が再び完全に排泄される時間内で極めてゆっくりと実施されるためである。
【0108】
一般に、NMRの診断薬としての使用において、本発明における薬剤を0.0001〜5mmol/kg、好ましくは0.005〜0.5mmol/kg投与する。
【0109】
本発明における錯体化合物もまた、in vivoのNMR分光法の感受性試薬およびシフト試薬として有利に使用することができる。
【0110】
これらの有利な放射特性およびこれらに含有された錯体化合物の安定性が良好なことから、本発明における薬剤はまた、放射線診断薬として好適である。このような使用および用量の詳細については、例えば"Radiotracers for Medical Applications",CRC Press,Boca Raton,Floridaに記載されている。
【0111】
また、本発明における化合物および薬剤をポジトロン断像法に使用することができ、これは、ポジトロン放出同位元素、例えば、43Sc、44Sc、52Fe、55Co、68Gaおよび86Yを使用する(Heiss,W.D.,;Phelps,M.E.;Positron Emission Tomography of Brain,Springer Verlag Berlin,Heidelberg,New York 1983)。
【0112】
組織学的試験により局所微小血管の超透過性を確認する。
【0113】
それゆえ、本発明における造影剤を毛細管透過性の異常を視覚化するために使用することができる。
【0114】
本発明における化合物は、これらが体内から完全に排泄され、従って、十分に耐性があることでおもに区別される。従って、優れた画像特性が使用でき、診断の非侵襲的性質を維持する。
【0115】
本発明における物質が悪性腫瘍に蓄積するため(健常な組織では拡散しないが、腫瘍管の透過性が高い)、これらはまた、悪性腫瘍の放射線診断に役立つ。悪性腫瘍は、使用する同位元素の量およびタイプのみによる該診断により区別される。この場合において、可能な限りの最少の作用範囲で高エネルギー短波放射による腫瘍細胞を破壊する。これに関して、イオン化放射(例えばx線)またはニュートロン放射を伴う錯体に含有される金属(例えば、イオンまたはガドリニウム)の相互作用を使用する。この効果により、金属錯体が(例えば腫瘍内に)認められる部位での局所性放射用量が著しく増加する。悪性組織における同量の放射用量を生成に対して、健常な組織での放射線暴露を著しく減少させることができ、従って、このような金属錯体を使用する場合、患者にとって煩わしい副作用を回避することができる。それゆえ、本発明における金属錯体抱合体もまた、悪性腫瘍の放射線治療における放射感受性物質として好適である(例えば、メスバウアー効果の利用またはニュートロン捕獲療法の場合)。例えば、適切なβ放出イオンは、46Sc、47Sc、48Sc、72Ga、73Gaおよび90Yである。例えば、適切な短半減期を示すα放出イオンは、211Bi、212Bi、213Biおよび214Biであり、212Biが好ましい。適切な光子および電子放出イオンは、158Gdであり、これは中性子捕獲による157Gdから得られることができる。
【0116】
本発明における薬剤がR.L.Mills et al.,[Nature Vol.36,(1988),p.787]により提案された放射線治療の変形例として使用することを目的とする場合、中心イオンは、メスバウアー同位元素、例えば57Feまたは151Eu由来でなければならない。
【0117】
本発明における薬剤のin−vivo投与において、薬剤を適切なベヒクル、例えば血清または一般的な生理食塩溶液と合わせて、および他のタンパク質、例えばヒト血清アルブミンと合わせて投与することができる。この場合の用量は、細胞破壊のタイプ、使用する金属イオンおよび画像方法のタイプによって決定する。
【0118】
本発明における薬剤を、通常、非経口、好ましくは、i.v.にて投与する。また、これらは、既述したように、(1つまたは複数の)体内の血管または組織を検査するどうかに応じて血管内、間質的/皮内投与することができる。
【0119】
本発明における薬剤は、x線造影剤として極めて適しており、特に、ヨウ素含有造影剤により公知であるアナフィラキシー様反応の兆候を生化学−薬理学的試験において検出できなかったことを強調する。これらは、デジタルサブトラクション法におけるチューブ電圧がより高い範囲の有利な吸収特性のため特に有益である。
【0120】
一般に、投与される本発明における薬剤を例えばメグルミン−ジアトリゾエート0.1〜5mmol/kg、好ましくは0.25〜1mmol/kgと同じくx線造影剤として使用する。
【0121】
本出願で使用する「金属イオン当量」とは、一般的な用語であり、錯体化学の領域において当業者に公知である。金属イオン当量は、例えば、水素のかわりにカルボキシレート基に結合することができる金属イオンの当量である。例えば、Gd3+は、カルボキシレート基3個に結合することができ、すなわち、金属がガドリニウムの場合、1/3Gd3+が、式(II)(III)(IV)または(V)の金属イオン当量R1に相当する。
【0122】
実施例
実施例1
a)1−N−(ベンジルオキシカルボニル)−1H,1H,2H,2H,4H,4H,5H,5H−3−アザ−ペルフルオロトリデシルアミン
N−ベンジルオキシカルボニル−エチレンジアミン(Atwell et al.,Synthesis,1984,1032−1033)23.31g(120mmol)およびトリエチルアミン10.2g(100mmol)をアセトニトリル500ml中メタンスルホン酸−(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)−エステル(Bartsch et al.,Tetrahedron,2000,3291−3302)54.22g(100mmol)に添加し、それを60℃にて48時間撹拌する。反応溶液から不溶性の構成要素を濾過して取り除き、真空下において、それを乾燥状態に蒸発させ、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:ジクロロメタン/メタノール20:1)。
収率:無色ワックス32.8g(理論値51%)
元素分析:

b)N−[2−(ベンジルオキシカルボニル)−アミノエチル−N−(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)−2−[1−O−α−d−(2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル)マンノピラノシル]−アセトアミド
ジシクロヘキシルカルボジイミド8.05g(39.04mmol)を実施例1aの表題化合物20g(31.23mmol)および1−O−α−d−カルボニルメチル−(2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル)マンノピラノース(WO99/01160A1に従い製造)18.70g(31.23mmol)ならびにN−ヒドロキシスクシンイミド3.59g(31.23mmol)のジメチルホルムアミド200ml中溶液に0℃にて添加し、それを0℃にて3時間および次いで室温にて16時間撹拌する。析出した尿素を濾過して取り除き、濾液を真空下において、乾燥状態に蒸発させ、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:ジクロロメタン/メタノール20:1)。
収率:無色、粘性油29.8g(理論値78%)
元素分析:

c)N−(2−アミノエチル)−N−(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)−2−(1−O−α−d−マンノピラノシル)−アセトアミド、メタンスルホン酸塩
メタンスルホン酸2.29g(23.75mmol)およびパラジウム触媒(10%Pd/C)4.0gを実施例1bの表題化合物29g(23.75mmol)のエタノール500ml中溶液に添加し、それを室温にて24時間水素化する。触媒を濾過して取り除き、濾液を真空下において、乾燥状態に蒸発させる。
収率:無色固体19.5g(定量)
元素分析:

d)N−{[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラシクロドデカン−10−N−(ペンタノイル−3−アザ−4−オキソ−5−メチル−5−イル)]−2−アミノエチル}−N−(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)−2−(1−O−α−d−マンノピラノシル)−アセトアミド、Gd錯体
実施例1cの表題化合物18.7g(22.72mmol)、N−ヒドロキシスクシンイミド2.61g(22.72mmol)、塩化リチウム1.93g(45.44mmol)および1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−10−[1−カルボキシ−3−アザ−4−オキソ−5−メチルペンタン−5−イル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン14.31g(22.72mmol)であるGd錯体(WO98/24775、Schering AG、(実施例1))をわずかに加熱しながらジメチルスルホキシド200ml中に溶解する。10℃にて、ジシクロヘキシルカルボジイミド5.86g(28.4mmol)およびトリエチルアミン2.30g(22.72mmol)を添加し、それを室温にて16時間撹拌する。溶液をアセトン2000mlに注ぎ、10分以上撹拌する。析出固体を濾過し、次いでクロマトグラフィーにより精製する(RP−18;移動溶媒:水/アセトニトリルからなる勾配)。
収率:無色固体22.3g(理論値68%)
水分量(カール・フィッシャー法):7.0%
元素分析(無水物質相対比):

【0123】
実施例2
a)1−N−(ベンジルオキシカルボニル)−1H,1H,2H,2H,4H,4H,5H,5H−3−N−[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−10−N−(ペンタノイル−3−アザ−4−オキソ−5−メチル−5−イル)]−ペルフルオロトリデシルアミン、Gd錯体
実施例1aの表題化合物10.0g(15.62mmol)、N−ヒドロキシスクシンイミド1.80g(15.62mmol)、塩化リチウム1.33g(31.34mmol)および1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−10−[1−カルボキシ−3−アザ−4−オキソ−5−メチルペンタン−5−イル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン9.84g(15.62mmol)であるGd錯体(WO98/24775、Schering AG、(実施例1))をわずかに加熱しながらジメチルスルホキシド150ml中に溶解する。10℃にて、ジシクロヘキシルカルボジイミド4.03g(19.52mmol)を添加し、それを室温にて16時間撹拌する。溶液をジエチルエーテル2000mlに注ぎ、10分以上撹拌する。析出固体を濾過し、次いで残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア水溶液10:5:1)。
収率:無色固体16.4g(理論値79%)
水分量(カール・フィッシャー法):5.4%
元素分析(無水物質相対比):

b)1H,1H,2H,2H,4H,4H,5H,5H−3−N−[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−10−N−(ペンタノイル−3−アザ−4−オキソ−5−メチル−5−イル)]−ペルフルオロトリデシルアミン、Gd錯体、メタンスルホン酸塩
メタンスルホン酸1.16g(12.08mmol)およびパラジウム触媒(10%Pd/C)2.0gを実施例2aの表題化合物16g(12.08mmol)のエタノール300ml中溶液に添加し、それを室温にて24時間水素化する。触媒を濾過して取り除き、濾液を真空下において、乾燥状態に蒸発させる。
収率:無色固体15.8g(定量)
水分量(カール・フィッシャー法):7.0%
元素分析(無水物質相対比):

c)1H,1H,2H,2H,4H,4H,5H,5H−3−N−[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−10−N−(ペンタノイル−3−アザ−4−オキソ−5−メチル−5−イル)]−ペルフルオロトリデシル−N−2−(1−O−α−d−マンノピラノシル)−アセトアミド、Gd錯体
ジシクロヘキシルカルボジイミド1.72g(8.33mmol)およびトリエチルアミン674mg(6.66mmol)を実施例2bの表題化合物8.9g(6.66mmol)および1−O−α−d−カルボニルメチル−(2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル)マンノピラノース(WO99/01160A1に従い製造)3.99g(6.66mmol)ならびにN−ヒドロキシスクシンイミド767mg(6.66mmol)のジメチルホルムアミド100ml中溶液に0℃にて添加する。それを0℃にて3時間および次いで室温にて16時間撹拌する。析出した尿素を濾過して取り除き、濾液を真空下において、乾燥状態に蒸発させる。残留物をメタノール100mlに溶解し、パラジウム触媒(10%Pd/C)2.0gと混合し、室温にて24時間水素化する。触媒を濾過して取り除き、濾液を真空下において、乾燥状態に蒸発させる。残留物を少量の水に取り出し、不溶性の構成要素を濾過して取り除き、次いで濾液をクロマトグラフィーにより精製する(RP−18;移動溶媒:水/アセトニトリルからなる勾配)。
収率:無色固体6.1g(理論値64%)
水分量(カール・フィッシャー法):6.2%
元素分析(無水物質相対比):

【0124】
実施例3
a)[1,3−ビス−(2−ベンジルオキシ−1−ベンジルオキシメチル−エトキシ)−プロプ−2−イル]−酢酸
ブロモ酢酸−tert−ブチルエステル14.62g(75mmol)をトルエン250ml中1,3−ビス−(2−ベンジルオキシ−1−ベンジルオキシメチル−エトキシ)−プロパン−2−オール(Cassel et al.,Eur.J.Org.Chem.,2001,5,875−896)30.02g(50mmol)および微細粉末の水酸化カリウム5.6g(100mmol)ならびに硫酸水素テトラ−n−ブチルアンモニウム触媒量(1g)に0℃にて添加し、それをこの温度にて2時間および室温にて12時間撹拌する。反応溶液を酢酸エチル500mlおよび水300mlと混合する。有機相を分離し、水各300mlで2回洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空下において、乾燥状態に蒸発させる。残留物を2:1のメタノールおよび0.5M水酸化ナトリウム溶液400mlからなる混合物に懸濁し、次いで60℃にて12時間加熱する。反応混合物を後処理のため、AmberliteIR120(H+形態)−陽イオン交換樹脂と混合することにより中和し、イオン交換体を濾過して取り除き、乾燥状態に蒸発させ、シリカゲルクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:酢酸エチル/ヘキサン1:3)。
収率:無色ワックス23.5g(理論値71%)
元素分析:

b)N−[2−(ベンジルオキシカルボニル)−アミノエチル−N−(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)−2−[1,3−ビス−(2−ベンジルオキシ−1−ベンジルオキシメチル−エトキシ)−プロプ−2−オキシ]−アセトアミド
ジシクロヘキシルカルボジイミド8.05g(39.04mmol)を実施例1aの表題化合物20g(31.23mmol)および実施例3aの表題化合物20.57g(31.23mmol)ならびにN−ヒドロキシスクシンイミド3.59g(31.23mmol)のジメチルホルムアミド200ml中溶液に0℃にて添加し、それを0℃にて3時間、次いで室温にて16時間撹拌する。析出した尿素を濾過して取り除き、濾液を真空下において、乾燥状態に蒸発させ、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:ジクロロメタン/メタノール20:1)。
収率:無色、粘性油28.7g(理論値72%)
元素分析:

c)N−(2−アミノエチル)−N−(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)−2−[1,3−ビス−(2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチル−エトキシ)−プロプ−2−オキシ]−アセトアミド、メタンスルホン酸塩
メタンスルホン酸1.96g(20.29mmol)およびパラジウム触媒(10%Pd/C)4.0gを実施例3bの表題化合物26g(20.29mmol)のエタノール500ml中溶液に添加し、それを室温にて24時間水素化する。触媒を濾過して取り除き、濾液を真空下において、乾燥状態に蒸発させる。
収率:無色固体17.9g(定量)
元素分析:

d)N−{[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−10−N−(ペンタノイル−3−アザ−4−オキソ−5−メチル−5−イル)]−2−アミノエチル}−N−(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)−2−[1,3−ビス−(2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチル−エトキシ)−プロプ−2−オキシ]−アセトアミド、Gd錯体
実施例3cの表題化合物16.8g(19.07mmol)、N−ヒドロキシスクシンイミド2.19g(19.07mmol)、塩化リチウム1.62g(38.14mmol)および1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−10−[1−カルボキシ−3−アザ−4−オキソ−5−メチルペンタン−5−イル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン14.13g(19.07mmol)であるGd錯体(WO98/24775、Schering AG、(実施例1))をわずかに加熱しながらジメチルスルホキシド200ml中に溶解する。10℃にて、ジシクロヘキシルカルボジイミド4.92g(23.84mmol)およびトリエチルアミン1.93g(19.07mmol)を添加し、それを室温にて16時間撹拌する。溶液をアセトン2000mlに注ぎ、10分以上撹拌する。析出固体を濾過し、次いでクロマトグラフィーにより精製する(RP−18;移動溶媒:水/アセトニトリルからなる勾配)。
収率:無色固体20.6g(理論値72%)
水分量(カール・フィッシャー法):6.7%
元素分析(無水物質相対比):

【0125】
実施例4
a)1,4,7−{トリス(カルボキシラトメチル)−10[(3−アザ−4−オキソ−ヘキサン−5−イル}酸−N−1H,1H,2H,2H,4H,4H,5H,5H−3−N−[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−10−N−(ペンタノイル−3−アザ−4−オキソ−5−メチル−5−イル)]−ペルフルオロトリデシルアミド)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン、Gd錯体
実施例2bの表題化合物8.1g(6.31mmol)、N−ヒドロキシスクシンイミド726mg(6.31mmol)、塩化リチウム535mg(12.62mmol)および1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−10−[1−カルボキシ−3−アザ−4−オキソ−5−メチルペンタン−5−イル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン3.97g(6.31mmol)であるGd錯体(WO98/24775、Schering AG、(実施例1))をわずかに加熱しながらジメチルスルホキシド100ml中に溶解する。10℃にて、ジシクロヘキシルカルボジイミド1.63g(7.89mmol)およびトリエチルアミン693mg(6.31mmol)を添加し、それを室温にて16時間撹拌する。溶液をアセトン2000mlに注ぎ、10分以上撹拌する。析出固体を濾過し、次いでクロマトグラフィーにより精製する(RP−18;移動溶媒:水/アセトニトリルからなる勾配)。
収率:無色固体6.5g(理論値56%)
水分量(カール・フィッシャー法):5.8%
元素分析(無水物質相対比):

【0126】
実施例5
a)N−[2−(ベンジルオキシカルボニル)−アミノエチル−N−(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)−2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−アセトアミド
ジシクロヘキシルカルボジイミド8.05g(39.04mmol)を実施例1aの表題化合物20g(31.23mmol)および[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−酢酸(Aldrich)5.57g(31.23mmol)ならびにN−ヒドロキシスクシンイミド3.59mg(31.23mmol)のジメチルホルムアミド200ml中溶液に0℃にて添加し、それを0℃にて3時間および次いで室温にて16時間撹拌する。析出した尿素を濾過して取り除き、濾液を真空下において、乾燥状態に蒸発させ、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:ジクロロメタン/メタノール20:1)。
収率:無色、粘性油19.8g(理論値79%)
元素分析:

b)N−(2−アミノエチル)−N−(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)−2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−アセトアミド、メタンスルホン酸塩
メタンスルホン酸2.28g(23.73mmol)およびパラジウム触媒(10%Pd/C)4.0gを実施例5aの表題化合物19g(23.73mmol)のエタノール500ml中溶液に添加し、それを室温にて24時間水素化する。触媒を濾過して取り除き、濾液を真空下において、乾燥状態に蒸発させる。
収率:無色固体18.1g(定量)
元素分析:

c)N−{[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−10−N−(ペンタノイル−3−アザ−4−オキソ−5−メチル−5−イル)]−2−アミノエチル}−N−(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)−2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−アセトアミド、Gd錯体
実施例5bの表題化合物17.2g(22.51mmol)、N−ヒドロキシスクシンイミド2.59mg(22.51mmol)、塩化リチウム1.91g(45.02mmol)および1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−10−[1−カルボキシ−3−アザ−4−オキソ−5−メチルペンタン−5−イル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン14.18g(22.51mmol)であるGd錯体(WO98/24775、Schering AG、(実施例1))をわずかに加熱しながらジメチルスルホキシド200ml中に溶解する。10℃にて、ジシクロヘキシルカルボジイミド5.81g(28.14mmol)およびトリエチルアミン2.28g(22.51mmol)を添加し、それを室温にて16時間撹拌する。溶液をアセトン2000mlに注ぎ、10分以上撹拌する。析出固体を濾過し、次いでクロマトグラフィーにより精製する(RP18;移動溶媒:水/アセトニトリルからなる勾配)。
収率:無色固体21.5g(理論値70%)
水分量(カール・フィッシャー法):6.4%
元素分析(無水物質相対比):

【0127】
実施例6
a)1−N−(ベンジルオキシカルボニル)−1H,1H,2H,2H,5H,5H,7H,7H,8H,8H−3−アザ−4−オキサ−6−オキソ−ペルフルオロヘキサデシルアミン
塩化オキサリル17.8g(140mmol)をジクロロメタン500ml中2H,2H,4H,4H,5H,5H−3−オキサ−ペルフルオロトリデカン酸(EP01/08498に従い製造)52.22g(100mmol)に添加し、それを室温にて14時間撹拌する。真空下において、それを乾燥状態に蒸発させ、残留物をジクロロメタン400mlに溶解し、0℃にてN−ベンジルオキシカルボニル−エチレンジアミン(Atwell et al.,Synthesis,1984,1032−1033)23.31g(120mmol)およびトリエチルアミン10.2g(100mmol)と混合し、それを室温にて24時間以上撹拌する。反応溶液を1N塩酸400mlと混合し、15分間完全に撹拌する。有機相を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空下において、乾燥状態に蒸発させる。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:酢酸エチル/ヘキサン1:2)。
収率:無色ワックス49.7g(理論値71%)
元素分析:

b)1−N−(ベンジルオキシカルボニル)−1H,1H,2H,2H,4H,4H,5H,5H,7H,7H,8H,8H−3−アザ−6−オキソ−ペルフルオロヘキサデシルアミン
THF150ml中実施例6aの表題化合物48.5g(69.45mmol)を(THF中)10Mボランジメチルスルフィド50mlと混合し、5時間還流する。それを0℃に冷却し、メタノール100mlを滴下にて添加し、それを室温にて1時間撹拌後、真空下において、乾燥状態に蒸発させる。残留物をエタノール300ml/1M塩酸50mlからなる混合物に取り出し、それを40℃にて14時間撹拌する。真空下において、それを乾燥状態に蒸発させ、残留物を5%水酸化ナトリウム溶液300mlに取り出し、ジクロロメタン各300mlで3回抽出する。混合した有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空下において、乾燥状態に蒸発させ、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:ジクロロメタン/メタノール10:1)。
収率:無色固体39.8g(理論値84%)
元素分析:

c)N−[2−(ベンジルオキシカルボニル)−アミノエチル−N−(1H,1H,2H,2H,4H,4H,5H,5H−3−オキサ−ペルフルオロトリデシル)−2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−アセトアミド
ジシクロヘキシルカルボジイミド7.54g(36.53mmol)を実施例6bの表題化合物20g(29.22mmol)および[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−酢酸(Aldrich)5.21g(29.22mmol)ならびにN−ヒドロキシスクシンイミド3.36mg(29.22mmol)のジメチルホルムアミド200ml中溶液に0℃にて添加し、それを0℃にて3時間および次いで室温にて16時間撹拌する。析出した尿素を濾過して取り除き、濾液を真空下において、乾燥状態に蒸発させ、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:ジクロロメタン/メタノール20:1)。
収率:無色、粘性油18.3g(理論値74%)
元素分析:

d)N−(2−アミノエチル)−N−(1H,1H,2H,2H,4H,4H,5H,5H−3−オキサ−ペルフルオロトリデシル)−2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−アセトアミド、メタンスルホン酸塩
メタンスルホン酸2.0g(20.72mmol)およびパラジウム触媒(10%Pd/C)3.0gを実施例6cの表題化合物17.5g(20.72mmol)のエタノール300ml中溶液に添加し、それを室温にて24時間水素化する。触媒を濾過して取り除き、濾液を真空下において、乾燥状態に蒸発させる。
収率:無色固体16.7g(定量)
元素分析:

e)N−{[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−10−N−(ペンタノイル−3−アザ−4−オキソ−5−メチル−5−イル)]−2−アミノエチル}−N−(1H,1H,2H,2H,4H,4H,5H,5H−3−オキサ−ペルフルオロトリデシル)−2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−アセトアミド、Gd錯体
実施例6dの表題化合物14.8g(18.30mmol)、N−ヒドロキシスクシンイミド2.11mg(18.30mmol)、塩化リチウム1.55mg(36.60mmol)および1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−10−[1−カルボキシ−3−アザ−4−オキソ−5−メチルペンタン−5−イル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン11.52g(18.30mmol)であるGd錯体(WO98/24775、Schering AG、(実施例1))をわずかに加熱しながらジメチルスルホキシド200ml中に溶解する。10℃にて、ジシクロヘキシルカルボジイミド4.72g(22.88mmol)およびトリエチルアミン1.85g(18.30mmol)を添加し、それを室温にて16時間撹拌する。溶液をアセトン2000mlに注ぎ、10分以上撹拌する。析出固体を濾過し、次いでクロマトグラフィーにより精製する(RP−18;移動溶媒:水/アセトニトリルからなる勾配)。
収率:無色固体16.6g(理論値64%)
水分量(カール・フィッシャー法):6.9%
元素分析(無水物質相対比):

【0128】
実施例7
a)6−N−ベンジルオキシカルボニル−2−N−(2H,2H,4H,4H,5H,5H−3−オキサペルフルオロトリデカノイル)−L−リジン
6−N−ベンジルオキシカルボニル−2−N−(2H,2H,4H,4H,5H,5H−3−オキサペルフルオロトリデカノイル)−L−リジンメチルエステル(EP03/07274に従い製造)25g(31.31mmol)をメタノール200mlおよび2N水酸化カリウム溶液50mlに溶解し、室温にて18時間撹拌する。それを2N塩酸で酸性にし、乾燥状態に蒸発させ、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:ジクロロメタン/メタノール10:1)。
収率:無色固体22.4g(理論値91%)
元素分析:

b)[1−O−α−d−(2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル)マンノピラノシル]−アセトアミド
塩化オキサリル11.45g(90mmol)をジクロロメタン300ml中1−O−α−d−カルボニルメチル−(2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル)マンノピラノース(WO99/01160A1に従い製造)40g(66.81mmol)に添加し、それを室温にて14時間撹拌する。真空下において、それを乾燥状態に蒸発させ、残留物をジクロロメタン400mlに溶解し、アンモニアガスを0℃にて約2時間溶液に導入し、それを室温にて4時間以上撹拌する。反応溶液を1N塩酸400mlと混合し、それを15分間完全に撹拌する。有機相を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空下において、乾燥状態に蒸発させる。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:酢酸エチル/ヘキサン1:2)。
収率:無色油34.1g(理論値85%)
元素分析:

c)2−[1−O−α−d−(2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル)マンノピラノシル]−エチルアミン
THF100ml中実施例7bの表題化合物33g(55.21mmol)を(THF中)10Mボランジメチルスルフィド30mlと混合し、5時間還流する。それを0℃に冷却し、メタノール100mlを滴下にて添加し、それを室温にて1時間撹拌後、真空下において、乾燥状態に蒸発させる。残留物をエタノール200ml/エタノールアミン100mlからなる混合物に取り出し、60℃にて14時間撹拌する。真空下において、それを乾燥状態に蒸発させ、残留物を5%水酸化ナトリウム溶液300mlに取り出し、それをジクロロメタン各300mlで3回抽出する。混合した有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空下において、乾燥状態に蒸発させ、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:ジクロロメタン/メタノール10:1)。
収率:無色固体26.2g(理論値81%)
元素分析:

d)6−N−ベンジルオキシカルボニル−2−N−(2H,2H,4H,4H,5H,5H−3−オキサペルフルオロトリデカノイル)−L−リジン−{2−[1−O−α−d−(2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル)マンノピラノシル]−エチル}−アミド
ジシクロヘキシルカルボジイミド4.93g(23.90mmol)を実施例7aの表題化合物15g(19.12mmol)および実施例7cの表題化合物11.16g(19.12mmol)ならびにN−ヒドロキシスクシンイミド2.20g(19.12mmol)のジメチルホルムアミド200ml中溶液に0℃にて添加し、それを0℃にて3時間および次いで室温にて16時間撹拌する。析出した尿素を濾過して取り除き、濾液を真空下において、乾燥状態に蒸発させ、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:ジクロロメタン/メタノール20:1)。
収率:無色、粘性油19.2g(理論値74%)
元素分析:

e)2−N−(2H,2H,4H,4H,5H,5H−3−オキサペルフルオロトリデカニル)−L−リジン−[2−{1−O−α−d−(マンノピラノシル)−エチル]−アミド
パラジウム触媒(10%Pd/C)2.0gを実施例7dの表題化合物18.5g(13.70mmol)のエタノール200ml中溶液に添加し、それを室温にて24時間水素化する。触媒を濾過して取り除き、濾液を真空下において、乾燥状態に蒸発させる。
収率:無色固体11.8g(定量)
元素分析:

f)6−N−[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−10−N−(ペンタノイル−3−アザ−4−オキソ−5−メチル−5−イル)]−2−N−(2H,2H,4H,4H,5H,5H−3−オキサペルフルオロトリデカノイル)−L−リジン−[2−{1−O−α−d−マンノピラノシル)−エチル]−アミド、Gd錯体
実施例7eの表題化合物11.0g(12.86mmol)、N−ヒドロキシスクシンイミド1.48g(12.86mmol)、塩化リチウム1.09g(25.72mmol)および1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−10−[1−カルボキシ−3−アザ−4−オキソ−5−メチルペンタン−5−イル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン8.10g(12.86mmol)であるGd錯体(WO98/24775、Schering AG、(実施例1))をわずかに加熱しながらジメチルスルホキシド100ml中に溶解する。10℃にて、ジシクロヘキシルカルボジイミド3.32g(16.08mmol)を添加し、それを室温にて16時間撹拌する。溶液をアセトン2000mlに注ぎ、10分以上撹拌する。析出固体を濾過し、次いでクロマトグラフィーにより精製する(RP−18;移動溶媒:水/アセトニトリルからなる勾配)。
収率:無色固体13.0g(理論値64%)
水分量(カール・フィッシャー法):6.9%
元素分析(無水物質相対比):

【0129】
実施例8
a)6−N−ベンジルオキシカルボニル−2−N−(2H,2H,4H,4H,5H,5H−3−オキサペルフルオロトリデカノイル)−L−リジン−{[N−(2S,3R,4R,5R)−2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキシル]−N−メチル}−アミド
ジシクロヘキシルカルボジイミド4.93g(23.90mmol)を実施例7aの表題化合物15g(19.12mmol)およびN−メチルグルカミン(Aldrich)5.6g(28.68mmol)ならびにN−ヒドロキシスクシンイミド2.20mg(19.12mmol)のジメチルホルムアミド200ml中溶液に0℃にて添加し、それを0℃にて3時間および次いで室温にて16時間撹拌する。析出した尿素を濾過して取り除き、濾液を真空下において、乾燥状態に蒸発させ、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:ジクロロメタン/メタノール5:1)。
収率:無色、粘性油9.4g(理論値51%)
元素分析:

b)2−N−(2H,2H,4H,4H,5H,5H−3−オキサペルフルオロトリデカノイル)−L−リジン−{[N−(2S,3R,4R,5R)−2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキシル]−N−メチル}−アミド
パラジウム触媒(10%Pd/C)1.0gを実施例8aの表題化合物9.0g(9.39mmol)のエタノール100ml中溶液に添加し、それを室温にて24時間水素化する。触媒を濾過して取り除き、濾液を真空下において、乾燥状態に蒸発させる。
収率:無色固体7.8g(定量)
元素分析:

c)6−N−[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−10−N−(ペンタノイル−3−アザ−4−オキソ−5−メチル−5−イル)]−2−N−(2H,2H,4H,4H,5H,5H−3−オキサペルフルオロトリデシカノイル)−L−リジン−{[N−(2S,3R,4R,5R)−2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキシル]−N−メチル}−アミド、Gd錯体
実施例8bの表題化合物7.0g(8.46mmol)、N−ヒドロキシスクシンイミド974mg(8.46mmol)、塩化リチウム717mg(16.92mmol)および1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−10−[1−カルボキシ−3−アザ−4−オキソ−5−メチルペンタン−5−イル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン5.33g(8.46mmol)であるGd錯体(WO98/24775、Schering AG、(実施例1))をわずかに加熱しながらジメチルスルホキシド100ml中に溶解する。10℃にて、ジシクロヘキシルカルボジイミド2.18g(10.57mmol)を添加し、それを室温にて16時間撹拌する。溶液をアセトン2000mlに注ぎ、10分以上撹拌する。析出固体を濾過し、次いでクロマトグラフィーにより精製する(RP−18;移動溶媒:水/アセトニトリルからなる勾配)。
収率:無色固体7.4g(理論値57%)
水分量(カール・フィッシャー法):6.1%
元素分析(無水物質相対比):

【0130】
実施例9
a)6−N−ベンジルオキシカルボニル−2−N−(2H,2H,4H,4H,5H,5H−3−オキサペルフルオロトリデカノイル)−L−リジン−(2−{2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エチル)−アミド
ジシクロヘキシルカルボジイミド4.93g(23.90mmol)を実施例7aの表題化合物15g(19.12mmol)および(2−{2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エチル)−アミン(Whitessides et al.,JACS,1994,5057−5062)3.97g(19.12mmol)ならびにN−ヒドロキシスクシンイミド2.20g(19.12mmol)のジメチルホルムアミド200ml中溶液に0℃にて添加し、それを0℃にて3時間および次いで室温にて16時間撹拌する。析出した尿素を濾過して取り除き、濾液を真空下において、乾燥状態に蒸発させ、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:ジクロロメタン/メタノール10:1)。
収率:無色、粘性油12.2g(理論値82%)
元素分析:

b)2−N−(2H,2H,4H,4H,5H,5H−3−オキサペルフルオロトリデカノイル)−L−リジン−(2−{2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エチル)−アミド
パラジウム触媒(10%Pd/C)1.0gを実施例9aの表題化合物11.5g(11.81mmol)のエタノール100ml中溶液に添加し、それを室温にて24時間水素化する。触媒を濾過して取り除き、濾液を真空下において、乾燥状態に蒸発させる。
収率:無色固体9.95g(定量)
元素分析:

c)6−N−[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−10−N−(ペンタノイル−3−アザ−4−オキソ−5−メチル−5−イル)]−2−N−(2H,2H,4H,4H,5H,5H−3−オキサペルフルオロトリデカノイル)−L−リジン−(2−{2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エチル)−アミド、Gd錯体
実施例9bの表題化合物9.0g(10.72mmol)、N−ヒドロキシスクシンイミド1.23g(10.72mmol)、塩化リチウム909mg(21.44mmol)および1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−10−[1−カルボキシ−3−アザ−4−オキソ−5−メチルペンタン−5−イル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン6.75g(10.72mmol)であるGd錯体(WO98/24775、Schering AG、(実施例1))をわずかに加熱しながらジメチルスルホキシド100ml中に溶解する。10℃にて、ジシクロヘキシルカルボジイミド2.76g(13.4mmol)を添加し、それを室温にて16時間撹拌する。溶液をアセトン2000mlに注ぎ、10分以上撹拌する。析出固体を濾過し、次いでクロマトグラフィーにより精製する(RP−18;移動溶媒:水/アセトニトリルからなる勾配)。
収率:無色固体10.1g(理論値62%)
水分量(カール・フィッシャー法):6.0%
元素分析(無水物質相対比):

【0131】
実施例10
a)2H,2H,4H,4H,3−オキサ−ペルフルオロドデカン酸
ブロモ酢酸−tert−ブチルエステル64.96g(333.26mmol)をトルエン800ml中1H,1H−ペルフルオロ−1−ノナノール(Apollo)100g(222.17mmol)および微細粉末の水酸化カリウム24.9g(444mmol)ならびに硫酸水素テトラ−n−ブチルアンモニウム触媒量(2g)に0℃にて添加し、この温度にて2時間および室温にて12時間撹拌する。反応溶液を酢酸エチル1500mlおよび水800mlと混合する。有機相を分離し、水各500mlで2回洗浄後、それを硫酸マグネシウムで乾燥し、真空下において、乾燥状態に蒸発させる。残留物を2:1のメタノールおよび0.5M水酸化ナトリウム溶液1200mlからなる混合物に懸濁し、次いで60℃にて12時間加熱する。反応混合物を後処理のため、AmberliteIR120(H+形態)−陽イオン交換樹脂と混合することにより中和し、イオン交換体を濾過し、それを乾燥状態に蒸発させ、シリカゲルクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:酢酸エチル/ヘキサン1:3)。
収率:無色ワックス87g(理論値77%)
元素分析:

b)1−N−(ベンジルオキシカルボニル)−1H,1H,2H,2H,5H,5H,7H,7H−3−アザ−4−オキサ−6−オキソ−ペルフルオロペンチルデシルアミン
塩化オキサリル17.8g(140mmol)をジクロロメタン500ml中実施例10aの表題化合物50.81g(100mmol)に添加し、それを室温にて14時間撹拌する。真空下において、それを乾燥状態に蒸発させ、残留物をジクロロメタン400mlに溶解し、0℃にてN−ベンジルオキシカルボニル−エチレンジアミン(Atwell et al.,Synthesis,1984,1032−1033)23.31g(120mmol)およびトリエチルアミン10.2g(100mmol)と混合し、室温にて24時間以上撹拌する。反応溶液を1N塩酸400mlと混合し、15分間完全に撹拌する。有機相を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空下において、乾燥状態に蒸発させる。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:酢酸エチル/ヘキサン1:2)。
収率:無色ワックス46.5g(理論値68%)
元素分析:

c)1−N−(ベンジルオキシカルボニル)−1H,1H,2H,2H,4H,4H,5H,5H,7H,7H−3−アザ−6−オキソ−ペルフルオロペンタデシルアミン
THF150ml中実施例10bの表題化合物45.5g(66.40mmol)を(THF中)10Mボランジメチルスルフィド50mlと混合し、5時間還流する。それを0℃に冷却し、メタノール100mlを滴下にて添加し、それを室温にて1時間撹拌後、真空下において、乾燥状態に蒸発させる。残留物をエタノール300ml/1M塩酸50mlからなる混合物に取り出し、40℃にて14時間撹拌する。真空下において、それを乾燥状態に蒸発させ、残留物を5%水酸化ナトリウム溶液300mlに取り出し、ジクロロメタン各300mlで3回抽出する。混合した有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空下において、乾燥状態に蒸発させ、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:ジクロロメタン/メタノール10:1)。
収率:無色固体35.2g(理論値79%)
元素分析:

d)N−[2−(ベンジルオキシカルボニル)−アミノエチル−N−(1H,1H,2H,2H,4H,4H−3−オキサ−ペルフルオロドデセニル)−2−{2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−アセトアミド
ジシクロヘキシルカルボジイミド7.69g(37.29mmol)を実施例10cの表題化合物20g(29.83mmol)および{2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−エトキシ]−酢酸(Voegtle et al.,Liebigs Ann.Chem.,1980,858−862)6.63mg(29.83mmol)ならびにN−ヒドロキシスクシンイミド3.43mg(29.83mmol)のジメチルホルムアミド200ml中溶液に0℃にて添加し、それを0℃にて3時間および次いで室温にて16時間撹拌する。析出した尿素を濾過して取り除き、濾液を真空下において、乾燥状態に蒸発させ、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:ジクロロメタン/メタノール20:1)。
収率:無色、粘性油20.1g(理論値77%)
元素分析:

e)N−(2−アミノエチル)−N−(1H,1H,2H,2H,4H,4H−3−オキサ−ペルフルオロドデシル)−2−{2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−アセトアミド、メタンスルホン酸塩
メタンスルホン酸2.09g(21.72mmol)およびパラジウム触媒(10%Pd/C)3.0gを実施例10dの表題化合物19.0g(21.72mmol)のエタノール300ml中溶液に添加し、それを室温にて24時間水素化する。触媒を濾過し、濾液を真空下において、乾燥状態に蒸発させる。
収率:無色固体18.2g(定量)
元素分析:

f)N−{[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−10−N−(ペンタノイル−3−アザ−4−オキソ−5−メチル−5−イル)]−2−アミノエチル}−N−(1H,1H,2H,2H,4H,4H,−3−オキサ−ペルフルオロドデシル)−2−{2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−アセトアミド、Gd錯体
実施例10eの表題化合物15.8g(18.9mmol)、N−ヒドロキシスクシンイミド2.18g(18.9mmol)、塩化リチウム1.60g(37.80mmol)および1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−10−[1−カルボキシ−3−アザ−4−オキソ−5−メチルペンタン−5−イル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン11.90g(18.30mmol)であるGd錯体(WO98/24775、Schering AG、(実施例1))をわずかに加熱しながらジメチルスルホキシド200ml中に溶解する。10℃にて、ジシクロヘキシルカルボジイミド4.87g(23.63mmol)およびトリエチルアミン1.91g(18.9mmol)を添加し、それを室温にて16時間撹拌する。溶液をアセトン2000mlに注ぎ、10分以上撹拌する。析出固体を濾過し、次いでクロマトグラフィーにより精製する(RP−18;移動溶媒:水/アセトニトリルからなる勾配)。
収率:無色固体16.7g(理論値61%)
水分量(カール・フィッシャー法):6.9%
元素分析(無水物質相対比):

【0132】
実施例11
a)1−N−(ベンジルオキシカルボニル)−1H,1H,2H,2H,5H,5H,7H,7H,8H,8H,−3−アザ−4−オキサ−6−オキソ−ペルフルオロヘキサデシルアミン
塩化オキサリル17.8g(140mmol)をジクロロメタン500ml中2H,2H,4H,4H,5H,5H−3−オキサ−ペルフルオロトリデカン酸(例えば、EP01/08498 39g)52.21g(100mmol)に添加し、それを室温にて14時間撹拌する。真空下において、それを乾燥状態に蒸発させ、残留物をジクロロメタン400mlに溶解し、0℃にてN−ベンジルオキシカルボニル−エチレンジアミン(Atwell et al.,Synthesis,1984,1032−1033)23.31g(120mmol)およびトリエチルアミン10.2g(100mmol)と混合し、それを室温にて24時間以上撹拌する。反応溶液を1N塩酸400mlと混合し、15分間完全に撹拌する。有機相を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空下において、乾燥状態に蒸発させる。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:酢酸エチル/ヘキサン1:2)。
収率:無色ワックス49.6g(理論値71%)
元素分析:

b)1−N−(ベンジルオキシカルボニル)−1H,1H,2H,2H,4H,4H,5H,5H,7H,7H,8H,8H,−3−アザ−6−オキソ−ペルフルオロヘキサデシルアミン
THF150ml中実施例11aの表題化合物48.0g(68.73mmol)を(THF中)10Mボランジメチルスルフィド50mlと混合し、5時間還流する。それを0℃に冷却し、メタノール100mlを滴下にて添加し、それを室温にて1時間撹拌後、真空下において、乾燥状態に蒸発させる。残留物をエタノール300ml/1M塩酸50mlからなる混合物に取り出し、それを40℃にて14時間撹拌する。真空下において、それを乾燥状態に蒸発させ、残留物を5%水酸化ナトリウム溶液300mlに取り出し、それをジクロロメタン各300mlで3回抽出する。混合した有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空下において、乾燥状態に蒸発させ、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:ジクロロメタン/メタノール10:1)。
収率:無色固体30.2g(理論値64%)
元素分析:

【0133】
c)N−[2−(ベンジルオキシカルボニル)−アミノエチル−N−(1H,1H,2H,2H,4H,4H,5H,5H−3−オキサ−ペルフルオロトリデシル)−2−{2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−アセトアミド
ジシクロヘキシルカルボジイミド7.42g(36.59mmol)を実施例11bの表題化合物20g(29.22mmol)および{2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−酢酸(Voegtle et al.,Liebigs Ann.Chem.,1980,858−862)6.49g(29.22mmol)ならびにN−ヒドロキシスクシンイミド3.29mg(29.22mmol)のジメチルホルムアミド200ml中溶液に0℃にて添加し、それを0℃にて3時間および次いで室温にて16時間撹拌する。析出した尿素を濾過して取り除き、濾液を真空下において、乾燥状態に蒸発させ、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:ジクロロメタン/メタノール20:1)。
収率:無色、粘性油20.3g(理論値78%)
元素分析:

d)N−(2−アミノエチル)−N−(1H,1H,2H,2H,4H,4H,5H,5H−3−オキサ−ペルフルオロトリデシル)−2−{2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−アセトアミド、メタンスルホン酸塩
メタンスルホン酸2.06g(21.38mmol)およびパラジウム触媒(10%Pd/C)3.0gを実施例11cの表題化合物19.0g(21.38mmol)のエタノール300ml中溶液に添加し、それを室温にて24時間水素化する。触媒を濾過して取り除き、濾液を真空下において、乾燥状態に蒸発させる。
収率:無色固体18.2g(定量)
元素分析:

【0134】
e)N−{[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−10−N−(ペンタノイル−3−アザ−4−オキソ−5−メチル−5−イル)]−2−アミノエチル}−N−(1H,1H,2H,2H,4H,4H,5H,5H−3−オキサ−ペルフルオロトリデシル)−2−{2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−アセトアミド、Gd錯体
実施例11dの表題化合物15.8g(18.55mmol)、N−ヒドロキシスクシンイミド2.14g(18.55mmol)、塩化リチウム1.57g(37.10mmol)および1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−10−[1−カルボキシ−3−アザ−4−オキソ−5−メチルペンタン−5−イル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン11.68g(18.55mmol)であるGd錯体(WO98/24775、Schering AG、(実施例1))をわずかに加熱しながらジメチルスルホキシド200ml中に溶解する。10℃にて、ジシクロヘキシルカルボジイミド4.78g(23.19mmol)およびトリエチルアミン1.88g(18.55mmol)を添加し、それを室温にて16時間撹拌する。溶液をアセトン2000mlに注ぎ、それを10分以上撹拌する。析出固体を濾過し、次いでクロマトグラフィーにより精製する(RP−18;移動溶媒:水/アセトニトリルからなる勾配)。
収率:無色固体19.8g(理論値73%)
水分量(カール・フィッシャー法):6.5%
元素分析(無水物質相対比):

【0135】
実施例12
a)N−[2−(ベンジルオキシカルボニル)−アミノエチル−N−(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)−2−(2−{2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−アセトアミド
ジシクロヘキシルカルボジイミド8.05g(39.04mmol)を実施例1aの表題化合物20g(31.23mmol)および(2−{2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−酢酸(Voegtle et al.,Liebigs Ann.Chem.,1980,858−862)8.32g(31.23mmol)ならびにN−ヒドロキシスクシンイミド3.59mg(31.23mmol)のジメチルホルムアミド200ml中溶液に0℃にて添加し、それを0℃にて3時間および次いで室温にて16時間撹拌する。析出した尿素を濾過して取り除き、濾液を真空下において、乾燥状態に蒸発させ、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:ジクロロメタン/メタノール20:1)。
収率:無色、粘性油22.1g(理論値80%)
元素分析:

b)N−(2−アミノエチル)−N−(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)−2−(2−{2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−アセトアミド、メタンスルホン酸塩
メタンスルホン酸2.28g(23.63mmol)およびパラジウム触媒(10%Pd/C)4.0gを実施例12aの表題化合物21g(23.63mmol)のエタノール500ml中溶液に添加し、それを室温にて24時間水素化する。触媒を濾過して取り除き、濾液を真空下において、乾燥状態に蒸発させる。
収率:無色固体20.1g(定量)
元素分析:

c)N−{[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−10−N−(ペンタノイル−3−アザ−4−オキソ−5−メチル−5−イル)]−2−アミノエチル}−N−(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)−2−(2−{2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−アセトアミド、Gd錯体
実施例12bの表題化合物16.9g(19.88mmol)、N−ヒドロキシスクシンイミド2.29g(19.88mmol)、塩化リチウム1.68g(39.76mmol)および1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−10−[1−カルボキシ−3−アザ−4−オキソ−5−メチルペンタン−5−イル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン12.52g(19.88mmol)であるGd錯体(WO98/24775、Schering AG、(実施例1))をわずかに加熱しながらジメチルスルホキシド200ml中に溶解する。10℃にて、ジシクロヘキシルカルボジイミド5.13g(24.85mmol)およびトリエチルアミン2.01g(19.88mmol)を添加し、それを室温にて16時間撹拌する。溶液をアセトン2000mlに注ぎ、10分以上撹拌する。析出固体を濾過し、次いでクロマトグラフィーにより精製する(RP−18;移動溶媒:水/アセトニトリルからなる勾配)。
収率:無色固体18.1g(理論値62%)
水分量(カール・フィッシャー法):6.8%
元素分析(無水物質相対比):

【0136】
実施例13
a)N−[2−(ベンジルオキシカルボニル)−アミノエチル−N−(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)−2−メトキシアセトアミド
ジシクロヘキシルカルボジイミド8.05g(39.04mmol)を実施例1aの表題化合物20g(31.23mmol)および2−メトキシ酢酸(Aldrich)2.81g(31.23mmol)ならびにN−ヒドロキシスクシンイミド3.59g(31.23mmol)のジメチルホルムアミド200ml中溶液に0℃にて添加し、それを0℃にて3時間および次いで室温にて16時間撹拌する。析出した尿素を濾過して取り除き、濾液を真空下において、乾燥状態に蒸発させ、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:ジクロロメタン/メタノール20:1)。
収率:無色、粘性油17.1g(理論値77%)
元素分析:

b)N−(2−アミノエチル)−N−(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)−2−メトキシアセトアミド、メタンスルホン酸塩
メタンスルホン酸2.23g(23.16mmol)およびパラジウム触媒(10%Pd/C)4.0gを実施例13aの表題化合物16.5g(23.16mmol)のエタノール500ml中溶液に添加し、それを室温にて24時間水素化する。触媒を濾過して取り除き、濾液を真空下において、乾燥状態に蒸発させる。
収率:無色固体15.1g(定量)
元素分析:

c)N−{[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−10−N−(ペンタノイル−3−アザ−4−オキソ−5−メチル−5−イル)]−2−アミノエチル}−N−(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)−2−メトキシアセトアミド、Gd錯体
実施例13bの表題化合物11.7g(17.29mmol)、N−ヒドロキシスクシンイミド1.99g(17.29mmol)、塩化リチウム1.46g(34.58mmol)および1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−10−[1−カルボキシ−3−アザ−4−オキソ−5−メチルペンタン−5−イル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン10.89g(17.29mmol)であるGd錯体(WO98/24775、Schering AG、(実施例1))をわずかに加熱しながらジメチルスルホキシド200ml中に溶解する。10℃にて、ジシクロヘキシルカルボジイミド4.46g(21.6mmol)およびトリエチルアミン1.75g(17.29mmol)を添加し、それを室温にて16時間撹拌する。溶液をアセトン2000mlに注ぎ、それを10分以上撹拌する。析出固体を濾過し、次いでクロマトグラフィーにより精製する(RP−18;移動溶媒:水/アセトニトリルからなる勾配)。
収率:無色固体12.9g(理論値59%)
水分量(カール・フィッシャー法):6.0%
元素分析(無水物質相対比):

【0137】
実施例14
a)N−[2−(ベンジルオキシカルボニル)−アミノエチル−N−(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)−2−{2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−アセトアミド
ジシクロヘキシルカルボジイミド8.05g(39.04mmol)を実施例1aの表題化合物20g(31.23mmol)および{2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−酢酸(Voegtle et al.,Liebigs Ann.Chem.,1980,858−862)6.94g(31.23mmol)ならびにN−ヒドロキシスクシンイミド3.59mg(31.23mmol)のジメチルホルムアミド200ml中溶液に0℃にて添加し、それを0℃にて3時間および次いで室温にて16時間撹拌する。析出した尿素を濾過して取り除き、濾液を真空下において、乾燥状態に蒸発させ、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:ジクロロメタン/メタノール20:1)。
収率:無色、粘性油22.3g(理論値85%)
元素分析:

【0138】
b)N−(2−アミノエチル)−N−(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)−2−{2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−アセトアミド、メタンスルホン酸塩
メタンスルホン酸2.40g(24.86mmol)およびパラジウム触媒(10%Pd/C)4.0gを実施例14aの表題化合物21g(24.86mmol)のエタノール500ml中溶液に添加し、それを室温にて24時間水素化する。触媒を濾過して取り除き、濾液を真空下において、乾燥状態に蒸発させる。
収率:無色固体20.1g(定量)
元素分析:

c)N−{[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−10−N−(ペンタノイル−3−アザ−4−オキソ−5−メチル−5−イル)]−2−アミノエチル}−N−(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)−2−{2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−アセトアミド、Gd錯体
実施例14bの表題化合物11.4g(14.08mmol)、N−ヒドロキシスクシンイミド1.62g(14.08mmol)、塩化リチウム1.19g(28.12mmol)および1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−10−[1−カルボキシ−3−アザ−4−オキソ−5−メチルペンタン−5−イル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン8.87g(14.08mmol)であるGd錯体(WO98/24775、Schering AG、(実施例1))をわずかに加熱しながらジメチルスルホキシド200ml中に溶解する。10℃にて、ジシクロヘキシルカルボジイミド3.63g(17.6mmol)およびトリエチルアミン1.43g(14.08mmol)を添加し、それを室温にて16時間撹拌する。溶液をアセトン2000mlに注ぎ、10分以上撹拌する。析出固体を濾過し、次いでクロマトグラフィーにより精製する(RP−18;移動溶媒:水/アセトニトリルからなる勾配)。
収率:無色固体13.9g(理論値71%)
水分量(カール・フィッシャー法):5.7%
元素分析(無水物質相対比):

【0139】
実施例15
a)N−[2−(ベンジルオキシカルボニル)−アミノエチル−N−(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)−2−(2−メトキシエトキシ)−アセトアミド
ジシクロヘキシルカルボジイミド8.05g(39.04mmol)を実施例1aの表題化合物20g(31.23mmol)および(2−メトキシエトキシ)−酢酸(Aldrich)4.19g(31.23mmol)ならびにN−ヒドロキシスクシンイミド3.59mg(31.23mmol)のジメチルホルムアミド200ml中溶液に0℃にて添加し、それを0℃にて3時間および次いで室温にて16時間撹拌する。析出した尿素を濾過して取り除き、濾液を真空下において、乾燥状態に蒸発させ、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:ジクロロメタン/メタノール20:1)。
収率:無色、粘性油17.5g(理論値74%)
元素分析:

b)N−(2−アミノエチル)−N−(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)−2−(2−メトキシエトキシ)−アセトアミド、メタンスルホン酸塩
メタンスルホン酸2.17g(22.47mmol)およびパラジウム触媒(10%Pd/C)3.0gを実施例15aの表題化合物17g(22.47mmol)のエタノール500ml中溶液に添加し、それを室温にて24時間水素化する。触媒を濾過して取り除き、濾液を真空下において、乾燥状態に蒸発させる。
収率:無色固体16.2g(定量)
元素分析:

c)N−{[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−10−N−(ペンタノイル−3−アザ−4−オキソ−5−メチル−5−イル)]−2−アミノエチル}−N−(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)−2−(2−メトキシエトキシ)−アセトアミド、Gd錯体
実施例15bの表題化合物11.5g(16.07mmol)、N−ヒドロキシスクシンイミド1.85g(16.07mmol)、塩化リチウム1.36g(32.14mmol)および1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−10−[1−カルボキシ−3−アザ−4−オキソ−5−メチルペンタン−5−イル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン10.12g(16.07mmol)であるGd錯体(WO98/24775、Schering AG、(実施例1))をわずかに加熱しながらジメチルスルホキシド200ml中に溶解する。10℃にて、ジシクロヘキシルカルボジイミド4.14g(20.08mmol)およびトリエチルアミン1.63g(16.07mmol)を添加し、それを室温にて16時間撹拌する。溶液をアセトン2000mlに注ぎ、10分以上撹拌する。析出固体を濾過し、次いでクロマトグラフィーにより精製する(RP−18;移動溶媒:水/アセトニトリルからなる勾配)。
収率:無色固体14.2g(理論値67%)
水分量(カール・フィッシャー法):6.0%
元素分析(無水物質相対比):

【0140】
実施例16
a)1−N−(ベンジルオキシカルボニル)−1H,1H,2H,2H,3H,3H,4H,4H,6H,6H,−4−アザ−ペルフルオロテトラデシルアミン
N−ベンジルオキシカルボニル−プロピレンジアミン(Atwell et al.,Synthesis,1984,1032−1033)25.0g(120mmol)およびトリエチルアミン10.2g(100mmol)をアセトニトリル500ml中メタンスルホン酸−(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)−エステル(Bartsch et al.,Tetrahedron,2000,3291−3302)54.22g(100mmol)に添加し、60℃にて48時間撹拌する。反応溶液から不溶性の構成要素を濾過して取り除き、真空下において、それを乾燥状態に蒸発させ、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:ジクロロメタン/メタノール20:1)。
収率:無色ワックス40.7g(理論値62%)
元素分析:

b)N−[3−(ベンジルオキシカルボニル)−アミノプロピル−N−(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)−2−{2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−アセトアミド
ジシクロヘキシルカルボジイミド7.99g(38.74mmol)を実施例16aの表題化合物20g(30.99mmol)および{2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−酢酸(Voegtle et al.,Liebigs Ann.Chem.,1980,858−862)6.89g(30.99mmol)ならびにN−ヒドロキシスクシンイミド3.56g(30.99mmol)のジメチルホルムアミド200ml中溶液に0℃にて添加し、それを0℃にて3時間および次いで室温にて16時間撹拌する。析出した尿素を濾過して取り除き、濾液を真空下において、乾燥状態に蒸発させ、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:ジクロロメタン/メタノール20:1)。
収率:無色、粘性油21.5g(理論値81%)
元素分析:

c)N−(3−アミノプロピル)−N−(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)−2−{2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−アセトアミド、メタンスルホン酸塩
メタンスルホン酸2.25g(23.29mmol)およびパラジウム触媒(10%Pd/C)4.0gを実施例16bの表題化合物20g(23.29mmol)のエタノール500ml中溶液に添加し、それを室温にて24時間水素化する。触媒を濾過して取り除き、濾液を真空下において、乾燥状態に蒸発させる。
収率:無色固体19.2g(定量)
元素分析:

d)N−{[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−10−N−(ペンタノイル−3−アザ−4−オキソ−5−メチル−5−イル)]−3−アミノプロピル}−N−(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)−2−{2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−アセトアミド、Gd錯体
実施例16cの表題化合物11.3g(13.80mmol)、N−ヒドロキシスクシンイミド1.59g(13.80mmol)、塩化リチウム1.17g(27.60mmol)および1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−10−[1−カルボキシ−3−アザ−4−オキソ−5−メチルペンタン−5−イル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン8.79g(13.80mmol)であるGd錯体(WO98/24775、Schering AG、(実施例1))をわずかに加熱しながらジメチルスルホキシド200ml中に溶解する。10℃にて、ジシクロヘキシルカルボジイミド3.59g(17.4mmol)およびトリエチルアミン1.40g(13.80mmol)を添加し、それを室温にて16時間撹拌する。溶液をアセトン2000mlに注ぎ、10分以上撹拌する。析出固体を濾過し、次いでクロマトグラフィーにより精製する(RP−18;移動溶媒:水/アセトニトリルからなる勾配)。
収率:無色固体12.9g(理論値66%)
水分量(カール・フィッシャー法):6.0%
元素分析(無水物質相対比):

【0141】
実施例17
a)1−N−(ベンジルオキシカルボニル)−1H,1H,2H,2H,3H,3H,4H,4H,6H,6H,7H,7H−5−アザ−ペルフルオロペンタデシルアミン
N−ベンジルオキシカルボニル−ブチレンジジアミン(Atwell et al.,Synthesis,1984,1032−1033)26.67g(120mmol)およびトリエチルアミン10.2g(100mmol)をアセトニトリル500ml中メタンスルホン酸−(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)−エステル(Bartsch et al.,Tetrahedron,2000,3291−3302)54.22g(100mmol)に添加し、それを60℃にて48時間撹拌する。反応溶液から不溶性の構成要素を濾過して取り除き、真空下において、それを乾燥状態に蒸発させ、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:ジクロロメタン/メタノール20:1)。
収率:無色ワックス39.6g(理論値59%)
元素分析:

b)N−[4−(ベンジルオキシカルボニル)−アミノブチル−N−(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)−2−{2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−アセトアミド
ジシクロヘキシルカルボジイミド7.71g(37.4mmol)を実施例17aの表題化合物20g(29.92mmol)および{2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−酢酸(Voegtle et al.,Liebigs Ann.Chem.,1980,858−862)6.65g(29.92mmol)ならびにN−ヒドロキシスクシンイミド3.44g(29.92mmol)のジメチルホルムアミド200ml中溶液に0℃にて添加し、それを0℃にて3時間および次いで室温にて16時間撹拌する。析出した尿素を濾過して取り除き、濾液を真空下において、乾燥状態に蒸発させ、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:ジクロロメタン/メタノール20:1)。
収率:無色、粘性油26.0g(理論値79%)
元素分析:

c)N−(4−アミノブチル)−N−(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)−2−{2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−アセトアミド パラジウム触媒(10%Pd/C)4.0gを実施例17bの表題化合物20g(22.92mmol)のエタノール500ml中溶液に添加し、それを室温にて24時間水素化する。触媒を濾過して取り除き、濾液を真空下において、乾燥状態に蒸発させる。
収率:無色固体17.0g(定量)
元素分析:

d)N−{[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−10−N−(ペンタノイル−3−アザ−4−オキソ−5−メチル−5−イル)]−4−アミノブチル}−N−(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)−2−{2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−アセトアミド、Gd錯体
実施例17cの表題化合物10g(13.54mmol)、N−ヒドロキシスクシンイミド1.56g(13.54mmol)、塩化リチウム1.14g(26.08mmol)および1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−10−[1−カルボキシ−3−アザ−4−オキソ−5−メチルペンタン−5−イル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン8.69g(13.54mmol)であるGd錯体(WO98/24775、Schering AG、(実施例1))をわずかに加熱しながらジメチルスルホキシド200ml中に溶解する。10℃にて、ジシクロヘキシルカルボジイミド3.53g(17.07mmol)を添加し、それを室温にて16時間撹拌する。溶液をアセトン2000mlに注ぎ、10分以上撹拌する。析出固体を濾過し、次いでクロマトグラフィーにより精製する(RP−18;移動溶媒:水/アセトニトリルからなる勾配)。
収率:無色固体11.7g(理論値60%)
水分量(カール・フィッシャー法):6.5%
元素分析(無水物質相対比):

【0142】
実施例18
a)N−[2−(ベンジルオキシカルボニル)−アミノエチル−N−(1H,1H,2H,2H,4H,4H−3−オキサ−ペルフルオロデシル)−2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−アセトアミド
ジシクロヘキシルカルボジイミド7.69g(37.29mmol)を実施例10cの表題化合物20g(29.83mmol)および[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−酢酸(Aldrich)5.32g(29.83mmol)ならびにN−ヒドロキシスクシンイミド3.43mg(29.83mmol)のジメチルホルムアミド200ml中溶液に0℃にて添加し、それを0℃にて3時間および次いで室温にて16時間撹拌する。析出した尿素を濾過して取り除き、濾液を真空下において、乾燥状態に蒸発させ、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:ジクロロメタン/メタノール20:1)。
収率:無色、粘性油17.9g(理論値72%)
元素分析:

b)N−(2−アミノエチル)−N−(1H,1H,2H,2H,4H,4H−3−オキサ−ペルフルオロデシル)−2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−アセトアミド、メタンスルホン酸塩
メタンスルホン酸1.98g(20.50mmol)およびパラジウム触媒(10%Pd/C)3.0gを実施例18cの表題化合物17.0g(20.50mmol)のエタノール300ml中溶液に添加し、それを室温にて24時間水素化する。触媒を濾過して取り除き、濾液を真空下において、乾燥状態に蒸発させる。
収率:無色固体16.3g(定量)
元素分析:

c)N−{[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−10−N−(ペンタノイル−3−アザ−4−オキソ−5−メチル−5−イル)]−2−アミノエチル}−N−(1H,1H,2H,2H,4H,4H−3−オキサ−ペルフルオロデシル)−2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−アセトアミド、Gd錯体
実施例18dの表題化合物14.75g(18.30mmol)、N−ヒドロキシスクシンイミド2.11g(18.30mmol)、塩化リチウム1.55g(36.60mmol)および1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−10−[1−カルボキシ−3−アザ−4−オキソ−5−メチルペンタン−5−イル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン11.52g(18.30mmol)であるGd錯体(WO98/24775、Schering AG、(実施例1))をわずかに加熱しながらジメチルスルホキシド200ml中に溶解する。10℃にて、ジシクロヘキシルカルボジイミド4.72g(22.88mmol)およびトリエチルアミン1.85g(18.30mmol)を添加し、それを室温にて16時間撹拌する。溶液をアセトン2000mlに注ぎ、10分以上撹拌する。析出固体を濾過し、次いでクロマトグラフィーにより精製する(RP−18;移動溶媒:水/アセトニトリルからなる勾配)。
収率:無色固体17.6g(理論値69%)
水分量(カール・フィッシャー法):6.1%
元素分析(無水物質相対比):

【0143】
実施例19
a)1−N−(tert−ブチルオキシカルボニル)−1H,1H,2H,2H,4H,4H,5H,5H,7H,7H,8H,8H−6−アザ−3−オキサペルフルオロヘキサアデシルアミン
N−tert−ブチルオキシカルボニル−3−オキサ−ペンチレンジアミン(Koenig et al.,Eur.J.Org.Chem.,2002,3004−3014)6.13g(30mmol)およびトリエチルアミン2.55g(25mmol)をアセトニトリル150ml中メタンスルホン酸−(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)−エステル(Bartsch et al.,Tetrahedron,2000,3291−3302)13.56g(25mmol)に添加し、それを60℃にて48時間撹拌する。反応溶液から不溶性の構成要素を濾過して取り除き、真空下において、それを乾燥状態に蒸発させ、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:ジクロロメタン/メタノール20:1)。
収率:無色ワックス10.9g(理論値67%)
元素分析:

b)N−[5−(tert−ブチルオキシカルボニル)−アミノ−3−オキサペンチル−N−(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)−2−{2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−アセトアミド
ジシクロヘキシルカルボジイミド3.97g(19.23mmol)を実施例19aの表題化合物10g(15.38mmol)および{2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−酢酸(Voegtle et al.,Liebigs Ann.Chem.,1980,858−862)3.42g(15.38mmol)ならびにN−ヒドロキシスクシンイミド1.77g(15.38mmol)のジメチルホルムアミド200ml中溶液に0℃にて添加し、それを0℃にて3時間および次いで室温にて16時間撹拌する。析出した尿素を濾過して取り除き、濾液を真空下において、乾燥状態に蒸発させ、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:ジクロロメタン/メタノール20:1)。
収率:無色、粘性油9.9g(理論値75%)
元素分析:

c)N−(5−アミノ−3−オキサペンチル)−N−(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)−2−{2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−アセトアミド
トリフルオロ酢酸50mlを実施例19bの表題化合物9.5g(11.12mmol)のジクロロメタン100ml中溶液に0℃に添加し、室温にて3時間。それを真空下において、乾燥状態に蒸発させ、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:ジクロロメタン/メタノール10:1)。
収率:無色固体7.8g(理論値93%)
元素分析:

d)N−{[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−10−N−(ペンタノイル−3−アザ−4−オキソ−5−メチル−5−イル)]−5−アミノ−3−オキサペンチル}−N−(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)−2−{2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−アセトアミド、Gd錯体
実施例19cの表題化合物7g(9.28mmol)、N−ヒドロキシスクシンイミド1.07g(9.28mmol)、塩化リチウム787mg(18.56mmol)および1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−10−[1−カルボキシ−3−アザ−4−オキソ−5−メチルペンタン−5−イル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン5.84g(9.28mmol)であるGd錯体(WO98/24775、Schering AG、(実施例1))をわずかに加熱しながらジメチルスルホキシド100ml中に溶解する。10℃にて、ジシクロヘキシルカルボジイミド2.39g(11.6mmol)を添加し、室温にて16時間撹拌する。溶液をアセトン2000mlに注ぎ、10分以上撹拌する。析出固体を濾過し、次いでクロマトグラフィーにより精製する(RP−18;移動溶媒:水/アセトニトリルからなる勾配)。
収率:無色固体8.8g(理論値65%)
水分量(カール・フィッシャー法):6.5%
元素分析(無水物質相対比):

【0144】
実施例20
a)1−N−(tert−ブチルオキシカルボニル)−1H,1H,2H,3H,4H,4H,6H,6H,7H,7H−5−アザ−[2,3−(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラニル)]−ペルフルオロペンタデシルアミン
N−tert−ブチルオキシカルボニル−[2,3−(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラニル)]−ブチレンジアミン[N−tert−ブチルオキシカルボニル−3−オキサ−ペンチレンジアミン(Koenig et al.,Eur.J.Org.Chem.,2002,3004−3014)の製造と同じく(5−アミノエチル−2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−メチルアミン(ACROS)から製造]7.81g(30mmol)およびトリエチルアミン2.55g(25mmol)をアセトニトリル150ml中メタンスルホン酸−(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)−エステル(Bartsch et al.,Tetrahedron,2000,3291−3302)13.56g(25mmol)に添加し、それを60℃にて48時間撹拌する。反応溶液から不溶性の構成要素を濾過して取り除き、真空下において、それを乾燥状態に蒸発させ、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:ジクロロメタン/メタノール20:1)。
収率:無色ワックス12.5g(理論値71%)
元素分析:

b)N−{4−(tert−ブチルオキシカルボニル)−アミノ−[2,3−(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラニル)]−ブチル}−N−(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)−2−{2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−アセトアミド
ジシクロヘキシルカルボジイミド3.65g(17.7mmol)を実施例20aの表題化合物10g(14.16mmol)および{2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−酢酸(Voegtle et al.,Liebigs Ann.Chem.,1980,858−862)3.15g(14.16mmol)ならびにN−ヒドロキシスクシンイミド1.63g(14.16mmol)のジメチルホルムアミド200ml中溶液に0℃にて添加し、それを0℃にて3時間および次いで室温にて16時間撹拌する。析出した尿素を濾過して取り除き、濾液を真空下において、乾燥状態に蒸発させ、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:ジクロロメタン/メタノール20:1)。
収率:無色、粘性油8.9g(理論値69%)
元素分析:

c)N−(4−アミノ−2,3−ジヒドロキシブチル)−N−(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)−2−{2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−アセトアミド
トリフルオロ酢酸50mlを実施例20bの表題化合物8.2g(9.00mmol)のジクロロメタン100ml中溶液に0℃にて添加し、室温にて3時間。真空下において、それを乾燥状態に蒸発させ、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:ジクロロメタン/メタノール10:1〜2:1)。
収率:無色固体6.68g(理論値96%)
元素分析:

d)N−{[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−10−N−(ペンタノイル−3−アザ−4−オキソ−5−メチル−5−イル)]−(4−アミノ−2,3−ジヒドロキシブチル)−N−(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)−2−{2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−アセトアミド、Gd錯体
実施例20cの表題化合物6g(7.79mmol)、N−ヒドロキシスクシンイミド897mg(7.79mmol)、塩化リチウム660mg(15.58mmol)および1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−10−[1−カルボキシ−3−アザ−4−オキソ−5−メチルペンタン−5−イル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン4.90g(7.79mmol)であるGd錯体(WO98/24775、Schering AG、(実施例1))をわずかに加熱しながらジメチルスルホキシド100ml中に溶解する。10℃にて、ジシクロヘキシルカルボジイミド2.01g(9.74mmol)を添加し、それを室温にて16時間撹拌する。溶液をアセトン2000mlに注ぎ、10分以上撹拌する。析出固体を濾過し、次いでクロマトグラフィーにより精製する(RP−18;移動溶媒:水/アセトニトリルからなる勾配)。
収率:無色固体6.9g(理論値59%)
水分量(カール・フィッシャー法):7.7%
元素分析(無水物質相対比):

【0145】
実施例21
a)N−{[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−10−N−(ブタノイル−4−(R)−カルボキシラト−4−イル)]−2−アミノエチル}−N−(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)−2−{2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−アセトアミド、Gd錯体一モノナトリウム塩およびN−({1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−10−N−(エタノ−[2−(R)−カルボキシラトエチル]−イル)}−2−アミノエチル}−N−(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)−2−{2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−アセトアミド、Gd錯体一モノナトリウム塩
実施例14bの表題化合物2.84g(3.52mmol)、トリエチルアミン448mg(4.4mmol)、および2−(R)−2−[4,7,10−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1−イル]ペンタンジカルボン酸モノペンタフルオロフェニルエステル3.51g(4.4mmol)であるGd錯体(WO2005/0014154、EPIX PHARMACEUTICALS,INC.,(実施例9:EP−2104−15−Pfp))をジメチルスルホキシド50ml中に溶解し、トリエチルアミン356mg(3.52mmol)と混合し、室温にて16時間撹拌する。溶液をアセトン1000mlに注ぎ、さらに10分間撹拌する。析出固体を濾過し、次いでクロマトグラフィーにより精製する(RP−18;移動溶媒:水/アセトニトリルからなる勾配)。生成物を含有する分画を蒸発により濃縮し、水に溶解し、0.1N水酸化ナトリウム溶液と中和した後、凍結乾燥する。
収率:3:2レジオ異性体混合物として無色固体2.03g(理論値39%)
水分量(カール・フィッシャー法):9.2%
元素分析(無水物質相対比):

【0146】
実施例22
a)N−{[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−10−N−(ブタノイル−4−(R)−カルボキシラト−4−イル)]2−アミノエチル}−N−(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)−2−(1−O−α―d−マンノピラノシル)−アセトアミド、Gd錯体一モノナトリウム塩およびN−({1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−10−N−(エタノ−[2−(R)−カルボキシラトエチル]−イル)}−2−アミノエチル}−N−(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)−2−(1−O−α―d−マンノピラノシル)−アセトアミド、Gd錯体一モノナトリウム塩
実施例1cの表題化合物2.83g(3.44mmol)、トリエチルアミン436mg(4.3mmol)、および2−(R)−2−[4,7,10−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1−イル]ペンタンジカルボン酸モノペンタフルオロフェニルエステル3.43g(4.3mmol)であるGd錯体(WO2005/0014154、EPIX PHARMACEUTICALS,INC.,(実施例9:EP−2104−15−Pfp))をジメチルスルホキシド50ml中に溶解し、トリエチルアミン348mg(3.44mmol)と混合し、室温にて16時間撹拌する。溶液をアセトン1000mlに注ぎ、10分以上撹拌する。析出固体を濾過し、次いでクロマトグラフィーにより精製する(RP−18;移動溶媒:水/アセトニトリルからなる勾配)。生成物を含有する分画を蒸発により濃縮し、水に溶解し、0.1N水酸化ナトリウム溶液で中和した後、凍結乾燥する。
収率:3:2レジオ異性体混合物として無色固体1.64g(理論値32%)
水分量(カール・フィッシャー法):8.8%
元素分析(無水物質相対比):

【0147】
実施例23
a)N−{[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−10−N−(ペンタノイル−3−アザ−4−オキソ−5−メチル−5−イル)]−2−アミノエチル}−N−(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)−2−{2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−アセトアミド、三ナトリウム塩
実施例14cの表題化合物10g(7.13mmol)を水100mlおよびイソプロパノール30mlからなる混合物に溶解し、オキサル酸2.25g(24.96mmol)と混合し、100℃に5時間加熱する。室温に冷却後、次いで析出固体をクロマトグラフィーにより精製する(RP−18;移動溶媒:水/アセトニトリルからなる勾配)。生成物を含有する分画を蒸発により濃縮し、水に溶解し、0.1N水酸化ナトリウム溶液でpH10に固定後、凍結乾燥する。
収率:無色固体7.39g(理論値77%)
水分量(カール・フィッシャー法):8.2%
元素分析(無水物質相対比):

b)N−{[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−10−N−(ペンタノイル−3−アザ−4−オキソ−5−メチル−5−イル)]−2−アミノエチル}−N−(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)−2−{2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−アセトアミド、Dy錯体
実施例23aの表題化合物2.0g(1.49mmol)を水50mlおよび酢酸1mlに溶解し、塩化ジスプロシウム441mg(1.64mmol)と混合し、80℃にて6時間撹拌する。アンモニアと中和し、乾燥状態に蒸発させ、クロマトグラフィーにより精製する(RP−18;移動溶媒:水/アセトニトリルからなる勾配)。
収率:無色固体1.78g(理論値84%)
水分量(カール・フィッシャー法):6.2%
元素分析(無水物質相対比):

【0148】
実施例24
a)N−{[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−10−N−(ペンタノイル−3−アザ−4−オキソ−5−メチル−5−イル)]−2−アミノエチル}−N−(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)−2−{2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−アセトアミド、Yb錯体
実施例23aの表題化合物2.0g(1.49mmol)を水50mlおよび酢酸1mlに溶解し、塩化イッテルビウム458mg(1.64mmol)と混合し、80℃にて6時間撹拌する。アンモニアと中和し、乾燥状態に蒸発させ、クロマトグラフィーにより精製する(RP−18;移動溶媒:水/アセトニトリルからなる勾配)。
収率:無色固体1.84g(理論値86%)
水分量(カール・フィッシャー法):6.9%
元素分析(無水物質相対比):

【0149】
実施例25
a)N−{[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−10−N−(ペンタノイル−3−アザ−4−オキソ−5−メチル−5−イル)]−2−アミノエチル}−N−(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)−2−{2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−アセトアミド、Y錯体
実施例23aの表題化合物2.0g(1.49mmol)を水50mlおよび酢酸1mlに溶解し、塩化イットリウム320mg(1.64mmol)と混合し、80℃にて6時間撹拌する。アンモニアと中和し、乾燥状態に蒸発させ、クロマトグラフィーにより精製する(RP−18;移動溶媒:水/アセトニトリルからなる勾配)。
収率:無色固体1.56g(理論値79%)
水分量(カール・フィッシャー法):5.5%
元素分析(無水物質相対比):

【0150】
実施例26
a)10−(5−オキソ−テトラヒドロフラン−2−イルメチル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
水酸化ナトリウム8.3g(207.6mmol)を水50ml中1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(D03A)12.0g(34.6mmol)に添加する。n−ブタノール50ml/2−プロパノール50ml中3−オキシラニルプロピオン酸(Dakoji et al.,J.Am.Chem.Soc.,1996,10971−10979)5.02g(43.25mmol)からなる溶液をそこに滴下にて添加し、溶液を80℃に24時間加熱する。反応溶液を真空下において、乾燥状態に蒸発させ、残留物を水300mlと混合し、pH3に3N塩酸で固定する。次いで、それをn−ブタノール各200mlで3回抽出し、混合したブタノール相を真空下において、乾燥状態に蒸発させ、残留物をクロマトグラフィーにより精製する(RP−18;移動溶媒:水/アセトニトリルからなる勾配)。
収率:無色固体13.6g(理論値79%)
水分量(カール・フィッシャー法):10.4%
元素分析(無水物質相対比):

b)10−(5−オキソ−テトラヒドロフラン−2−イルメチル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン、Gd錯体
実施例26aの表題化合物12.0g(24.2mmol)を水100mlおよび酢酸1mlに溶解し、酸化ガドリニウム4.39g(12.1mmol)と混合し、80℃にて6時間撹拌する。溶液を濾過し、乾燥状態に蒸発させ、次いでクロマトグラフィーにより精製する(RP−18;移動溶媒:水/アセトニトリルからなる勾配)。
収率:無色固体13.8g(理論値89%)
水分量(カール・フィッシャー法):6.5%
元素分析(無水物質相対比):

c)N−{[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−10−N−(ペンタノイル−4−ヒドロキシ−5−イル)]−2−アミノエチル}−N−(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル)−2−{2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−アセトアミド、Gd錯体
実施例14bの表題化合物2.84g(3.52mmol)および実施例26bの表題化合物3.38g(5.28mmol)をメタノール50mlに溶解し、トリエチルアミン356mg(3.52mmol)と混合し、50℃にて48時間撹拌する。それを乾燥状態に蒸発させ、次いでクロマトグラフィーにより精製する(RP−18;移動溶媒:水/アセトニトリルからなる勾配)。
収率:無色固体3.27g(理論値66%)
水分量(カール・フィッシャー法):6.9%
元素分析(無水物質相対比):

【0151】
実施例27
a)1H,1H,2H,2H,4H,4H,5H,5H−3−N−[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−10−N−(ペンタノイル−3−アザ−4−オキソ−5−メチル−5−イル)]−ペルフルオロトリデシル−N−{−2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−アセトアミド、Gd錯体
ジシクロヘキシルカルボジイミド2.58g(12.5mmol)およびトリエチルアミン1.01g(10mmol)を実施例2bの表題化合物12.14g(10mmol)および{2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−エトキシ]−酢酸(Voegtle et al.,Liebigs Ann.Chem.,1980,858−862)2.22g(10mmol)ならびにN−ヒドロキシスクシンイミド1.15mg(10mmol)のジメチルホルムアミド100ml中溶液に0℃にて添加し、それを0℃にて3時間および次いで室温にて16時間撹拌する。析出した尿素を濾過して取り除き、濾液を真空下において、乾燥状態に蒸発させる。残留物を少量の水に取り出し、不溶性の構成要素を濾過して取り除き、次いで濾液をクロマトグラフィーにより精製する(RP−18;移動溶媒:水/アセトニトリルからなる勾配)。
収率:無色固体8.2g(理論値58%)
水分量(カール・フィッシャー法):6.2%
元素分析(無水物質相対比):

【0152】
実施例28
a)1H,1H,2H,2H,4H,4H,5H,5H−3−N−[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−10−N−(ペンタノイル−3−アザ−4−オキソ−5−メチル−5−イル)]−ペルフルオロトリデシル−N−{−2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−アセトアミド、三ナトリウム塩
実施例27aの表題化合物10g(7.11mmol)を水100mlおよびイソプロパノール30mlからなる混合物に溶解し、オキサル酸2.25g(24.96mmol)と混合し、100℃に5時間加熱する。室温に冷却後、析出固体を濾過して取り除き、次いでクロマトグラフィーにより精製する(RP−18;移動溶媒:水/アセトニトリルからなる勾配)。生成物を含有する分画を蒸発により濃縮し、水に溶解し、0.1N水酸化ナトリウム溶液でpH8に固定後、凍結乾燥する。
収率:無色固体8.64g(理論値91%)
水分量(カール・フィッシャー法):7.5%
元素分析(無水物質相対比):

b)1H,1H,2H,2H,4H,4H,5H,5H−3−N−[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−10−N−(ペンタノイル−3−アザ−4−オキソ−5−メチル−5−イル)]−ペルフルオロトリデシル−N−{−2−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−アセトアミド、Y錯体
実施例28aの表題化合物2.0g(1.50mmol)を水50mlおよび酢酸1mlに溶解し、塩化イットリウム320mg(1.64mmol)と混合し、80℃にて6時間撹拌する。アンモニアと中和し、乾燥状態に蒸発させ、次いでクロマトグラフィーにより精製する(RP−18;移動溶媒:水/アセトニトリルからなる勾配)。
収率:無色固体1.43g(理論値72%)
水分量(カール・フィッシャー法):5.0%
元素分析(無水物質相対比):

【0153】
実施例29:緩和能
水および血漿(ウシ)に含有される実施例1d、5c、14c、15cの表題物質であるガドリニウム錯体の濃度を増加させ、これらの緩和時間T1およびT2をNMR+分光計(Minispec PC20)を使用して0.47T、40℃にて測定した。結果は、以下の表1に示す。
【0154】
実施例30:マウスにおける単回静脈内投与後の急性毒性(予備試験)
実施例1d、5c、14c、15cの表題物質であるガドリニウム錯体をマウスに静脈内投与した後(n=3;注射速度:2ml/分)、急性の全身適合性(LD50)を予備的に測定した。各例において、7日間の観察期間とともに数回の投与量を調べた。期待される急性毒性を表1に示すことができる。
【0155】
実施例31:ラットにおける静脈内投与後の排泄
実施例1d、5c、14c、15cの表題物質であるガドリニウム錯体、全ガドリニウム量50μmol/体重kgをラット(n=3)に静脈内投与した後、原子発光分光法(ICP−AES)を使用して、金属量を投与14日後までの糞尿の排泄媒体物質および体内(体内残量)の分画において測定した。結果を表1に示す。
【0156】
実施例32:ラットにおける静脈内投与後の血漿動態
実施例1d、5c、14c、15cの表題物質であるガドリニウム錯体、全ガドリニウム量50μmol/体重kgをラット(n=3)に静脈内投与した後、血液試料を各時点(8時間〜24時間p.i.)にて総頸動脈のカテーテルを介して採取し、金属含有量を、原子発光分光法(ICP−AES)を使用して測定し、変換因子を介して血漿値に変換した(0.625)。排出半減期を特定のソフトウェア(WinNonlin)を使用して血漿濃度から算出した。結果を表1に示す。
【0157】
実施例33:VX2−腫瘍担持ウサギにおける造影剤の静脈内投与後のリンパ節転移および原発性腫瘍の視覚化(MRT)
図1および2の写真は、筋肉内移植したVX2腫瘍を有するウサギにおいて、実施例1d)の表題物質Gd50μmol/体重kgの造影前および静脈内投与24時間後までの腸骨のリンパ節のMR画像を示す。T1強調ターボスピンエコー画像は、造影剤投与(15〜60分p.i.)後の早い時点で、健常リンパ節組織に強い信号上昇を示す。リンパ節内の信号上昇がない帯域を転移として診断し、組織学的に確認した(リンパ節切片のH/E染色)(図1)。
【0158】
非常に驚くことに、投与直後と同様の早い時期に原発性腫瘍の明らかな増強(特に周囲)も認めることができる(図2)。その後(24時間p.i.)、この増強はまた、腫瘍の中心部に広がる。
【0159】
実施例34:ラットにおける造影剤の静脈内投与後の動脈硬化性プラークのMRT視覚化
図3の写真は、Watanabeウサギ(WHHLウサギ;遺伝的に動脈硬化を誘発)において、実施例1d)および実施例14cならびに動脈硬化を有さない対照動物(white New Zealanders)の表題物質Gd50μmol/体重kgの静脈内投与6〜24時間後の大動脈のMR画像を示す。T1強調反転回復画像(IR−TFL、TR/TE/TI=300/4.0/120ms、α20°)は、WHHLウサギの動脈硬化性プラークの強い信号上昇を示すが、基準値の画像または健常対照動物の血管壁においては示されない。プラークの位置決定、特に大動脈弓および血管経路においては、ズダン3染色を使用して確認した。この試験を用いて、動脈硬化性プラークのマーカーとしての本発明における化合物の安定性を示すことができた。
【0160】
実施例35:ラットにおける造影剤の静脈内投与後の炎症性病変および壊死領域のMRT視覚化
例えば、図4の写真は、ラットの実施例14cの表題物質Gd50μmol/体重kgの静脈内投与後の各時点での炎症性筋病変および壊死領域のMR画像を示す。炎症/壊死を、ローズベンガルの静脈内投与(20mg/kg;造影剤投与24時間前)に続くキセノンランプによる20分刺激により誘発した。T1強調ターボスピンエコー画像(1.5T;シーケンス:T1−TSE;TR451ms、TE8.7ms)は、早期に炎症性変化を示した組織(60分以内p.i.)において強い信号上昇を示し、24時間p.i.時に中央部分の壊死において、信号上昇の遅延を示す。
【0161】
実施例36:ラットにおける造影剤の静脈内投与後のリンパ節のMRT視覚化
例えば、写真は、ラットにおける実施例5)の表題物質、実施例14c)の表題物質および実施例15c)の表題物質Gd50μmol/体重kgの静脈内投与後の各時点のリンパ節のMR画像を示す。T1強調ターボスピンエコー画像(1.5T;シーケンス:T1−TSE;TR451ms、TE8.7ms)は、早い時点(60分以内p.i.)での機能性リンパ節組織の強い信号上昇を示す。
【0162】
【表2】

【図面の簡単な説明】
【0163】
【図1】図1の写真は、筋肉内移植したVX2腫瘍を有するウサギにおいて、実施例1d)の表題物質Gd50μmol/体重kgの造影前および静脈内投与24時間後までの腸骨のリンパ節のMR画像を示す。
【図2】図2の写真は、筋肉内移植したVX2腫瘍を有するウサギにおいて、実施例1d)の表題物質Gd50μmol/体重kgの造影前および静脈内投与24時間後までの腸骨のリンパ節のMR画像を示す。
【図3】図3の写真は、Watanabeウサギ(WHHLウサギ;遺伝的に動脈硬化を誘発)において、実施例1d)および実施例14cならびに動脈硬化を有さない対照動物(white New Zealanders)の表題物質Gd50μmol/体重kgの静脈内投与6〜24時間後の大動脈のMR画像を示す。
【図4】図4の写真は、ラットの実施例14cの表題物質Gd50μmol/体重kgの静脈内投与後の各時点での炎症性筋病変および壊死領域のMR画像を示す。
【図5】図5の写真は、ラットにおける実施例5)の表題物質、実施例14c)の表題物質および実施例15c)の表題物質Gd50μmol/体重kgの静脈内投与後の各時点のリンパ節のMR画像を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式I
【化1】

[式中、Rは、1−OHを介して結合する単糖またはオリゴ糖基のどちらかを表し、
この場合、Qは、
δ−CO−(CH2n’’−ε
δ−NH−(CH2n’’−ε
δ−(CH2m−ε
(式中、
n’’は、1および5からの整数であり、
mは、1および6からの整数であり、
δは、リンカーLへの結合部位を示し、εは、基Rへの結合部位を表す。)
から選択される基を意味し、
または
Rは、以下の1つを意味し、この時Qは、直接結合を意味し、Rは、
式中、R1は、水素原子または原子数20〜29、31〜33、37〜39、42〜44、49または57〜83の金属イオン当量を意味し、
基R2、R3、R4、UおよびU1は、以下に示された意味を有する一般式II〜Vの錯体K、
または
−CO−、−NR7−または直接結合を介してリンカーLに結合されるC原子1〜30個を有する炭素鎖、
(これは、直鎖もしくは分岐鎖、飽和もしくは不飽和であってよく、
これは、場合により、酸素原子1〜10個、−NHCO基1〜5個、−CONH基1〜5個、硫黄原子1〜2個、−NH基1〜5個またはフェニレン基1〜2個により中断され、前記基は、場合によりOH基1〜2個、NH2基1〜2個、−COOH基1〜2個または−SO3H基1〜2個により置換されていてよく、かつ
場合により、OH基1〜10個、−COOH基1〜5個、SO3H基1〜2個、NH2基1〜5個またはC1−C4−アルコキシ基1〜5個により置換され、
7は、HもしくはC1−C4−アルキルを意味する。)
から選択される極性基を意味し、
fは、式−Cn2nEを有する過フッ素の、直鎖もしくは分岐炭素鎖であり、式中Eは、末端フッ素、塩素、臭素、ヨウ素もしくは水素原子を表し、nは4〜30の整数を表し、
Kは、一般式II
【化2】

(式中、
1は、水素原子または原子数21〜29、31〜33、37〜39、42〜44、49または57〜83の金属イオン当量を意味し、
ただし、少なくとも2個のR1は、金属イオン当量を表し、
2およびR3は、それぞれ独立して、水素、C1−C7−アルキル、ベンジル、フェニル、−CH2OHまたは−CH2OCH3を表し、
Uは、−C64−O−CH2−ω、−(CH21-5−ω、フェニレン基、−CH2−NHCO−CH2−CH(CH2COOH)−C64−ω−、−C64−(OCH2CH20-1−N(CH2COOH)−CH2−ωまたは場合により1個または複数個の酸素原子、−NHCO基1〜3個または−CONH−基1〜3個により中断および/または−(CH20-5COOH基1〜3個により置換されたC1−C12−アルキレンあるいは−(CH27-12−C64−O基を表し、その際、ωは、−CO−への結合部位を表す。)
または一般式III
【化3】

(式中、R1は、上記の意味を有し、R4は、水素またはR1下に挙げられる金属イオン当量を表し、U1は、−C64−O−CH2−ω−もしくは−(CH2p’−基を表し、ωは、−CO−への結合部位を意味し、p’は、1〜4の整数である。)
または一般式IV
【化4】

(式中、R1およびR2は、上記の意味を有する。)
または一般式VAもしくはVB
【化5】

(式中、R1は、上記の意味を有する。)
または一般式VI
【化6】

(式中、R1は、上記の意味を有する。)
または一般式VII
【化7】

(式中、R1およびU1は、上記の意味を有し、ωが−CO−への結合部位を意味する。)
または一般式VIII
【化8】

(式中、R1は、上記の意味を有し、
2は、直鎖もしくは分岐鎖、飽和もしくは不飽和C1−C20アルキレン基を表し、これは場合によりイミノ、フェニレン、フェニレンオキシ、フェニレンイミノ、アミド、ヒドラジド、カルボニル、エステル基、(1個または複数個の)酸素、硫黄および/または窒素原子を含有し、場合によりヒドロキシ、メルカプト、オキソ、チオキソ、カルボキシ、カルボキシアルキル、(1個または複数個の)エステルおよび/またはアミノ基により置換され、
場合により基Kに存在する遊離酸基は、場合により有機および/または無機塩基またはアミノ酸あるいはアミノ酸アミドの塩として存在することができ、
Lは、以下の基IXa)〜IXc)から選択される基を表し、
【化9】

(式中、n’およびm’は、それぞれ独立して、0〜4の整数を表し、m’+n’≧1および、
8およびR8’は、それぞれ独立して、−Hまたは−OHのどちらかであり、m’+n’>1の場合に、−(CR88’)各基は、同じまたは異なっていてよく、
Wは、直接結合、−O−またはフェニレン基のどれかであり、これは、場合によりヒドロキシ基1〜4個により置換されていてよく、
q’は、1、2、3または4のいずれかであり、
αは、Lの錯体Kへの結合部位を意味し、βは、Lの基Qへの結合部位であり、γは、Lの基Xへの結合部位である。))
の金属錯体を表し、
Xは、式(VI)
【化10】

(式中、Yは、直接結合、−CO−基またはNR6基を意味し、
6は、−Hまたは直鎖もしくは分岐鎖、飽和もしくは不飽和のC1−C15炭素鎖を表し、これは、O原子1〜4個、−NHCO基1〜3個、CONH基1〜3個、SO2基1〜2個、硫黄原子1〜2個、−NH基1〜3個またはフェニレン基1〜2個により中断されていてよく、
これは、場合によりOH基1〜2個、NH2基1〜2個、−COOH基1〜2個または−SO3H基1〜2個により置換されていてよく、
これは、場合によりOH基1〜10個、−COOH基1〜5個、−SO3H基1〜2個、NH2基1〜5個、またはC1−C4−アルコキシ基1〜5個により置換され、
Gは、−O−または−SO2−のどちらかを意味し、
sおよびs’は、それぞれ独立して、1または2のどちらかを意味し、tが0または1のどちらかを意味し、
ρは、XのLへの結合部位を表し、ζは、XのRfへの結合部位を表す。)
の基を表す。)]の窒素含有リンカー構造を有するペルフルオロアルキル含有錯体。
【請求項2】
金属イオン当量R1が原子数21〜29、39、42、44または57〜83の元素であることを特徴とする、請求項1に記載の金属錯体。
【請求項3】
前記金属イオン当量R1が原子数27、29、31〜33、37〜39、43、49、62、64、70、75および77の元素である、請求項1に記載の金属錯体。
【請求項4】
RがC原子5〜6個を有する単糖基またはそのデスオキシ化合物、好ましくはグルコース、マンノースまたはガラクトースを表す、請求項1から3までのいずれか1項に記載の金属錯体。
【請求項5】
Rが、
【化11】

および式(II)の錯体から選択される基であり、式中、R1、R2、R3およびUは請求項1の通りに定義され、pは1,2,3,4,5,6,7,8または9のどれかである、請求項1から3までのいずれか1項に記載の金属錯体。
【請求項6】
Kが一般式IIの金属錯体を表す、請求項1から5までのいずれか1項に記載の金属錯体。
【請求項7】
2およびR3がそれぞれ独立して、水素またはC1−C4−アルキルを意味する、請求項6に記載の金属錯体。
【請求項8】
式−Cn2nE中のEがフッ素原子を意味する、請求項1から7までのいずれか1項に記載の金属錯体。
【請求項9】
一般式IのLがリジン基(Vc)を表す、請求項1から8までのいずれか1項に記載の金属錯体。
【請求項10】
一般式IのLがジアミン基(Va)または(Vb)を表す、請求項1から8までのいずれか1項に記載の金属錯体。
【請求項11】
金属錯体K中のUが−CH2または−C64−O−CH2−ωを表し、式中、ωが−CO−への結合部位を表す、請求項1から10までのいずれか1項に記載の金属錯体。
【請求項12】
NMRおよびx線診断に使用する造影剤の製造のための請求項2に記載の金属錯体の使用。
【請求項13】
梗塞および壊死像用の造影剤の製造のための請求項12に記載の金属錯体の使用。
【請求項14】
放射線診断および放射線治療に使用する造影剤の製造のための請求項3に記載の金属錯体の使用。
【請求項15】
リンパ系の変化を診断するリンパ系造影用の造影剤の製造のための請求項2に記載の金属錯体の使用。
【請求項16】
炎症性疾患の診断用の造影剤の製造のための請求項2に記載の金属錯体の使用。
【請求項17】
動脈硬化性プラークを視覚化する造影剤の製造のための請求項2に記載の金属錯体の使用。
【請求項18】
心血管系疾患の診断用の造影剤の製造のための請求項2に記載の金属錯体の使用。
【請求項19】
腫瘍画像用の造影剤の製造のための請求項2に記載の金属錯体の使用。
【請求項20】
血液プール像用の造影剤の製造のための請求項2に記載の金属錯体の使用。
【請求項21】
請求項1から11までのいずれか1項に記載の少なくとも1種の生理学的適合性化合物と、場合によりガレヌス製剤において一般的に使用される添加剤を含有する医薬製剤。
【請求項22】
一般式I
【化12】

(Kは、請求項1に記載の一般式II〜IVの金属錯体を意味し、L、Q、X、RおよびRfは、請求項1に記載の意味を有する。)
の窒素含有リンカー構造を有するペルフオロアルキル含有金属錯体の製造方法において、
一般式IIa
【化13】

(式中、R5は、原子数21〜29、31〜33、37〜39、42〜44、49または57〜83の金属イオン当量あるいはカルボキシル保護基を意味し、R2、R3およびUは、上記の意味を有する。)
のカルボン酸
または一般式IIIa
【化14】

(式中、R4、R5およびU1は、上記の意味を有する。)
のカルボン酸
または一般式IVa
【化15】

(式中、R5およびR2は、上記の意味を有する。)
のカルボン酸
または一般式VaもしくはVb
【化16】

(式中、R5は、上記の意味を有する。)
のカルボン酸
または一般式VIa
【化17】

(式中、R5は、上記の意味を有する。)
のカルボン酸
または一般式VIIa
【化18】

(式中、R5およびU1は、上記の意味を有する。)
のカルボン酸、
または一般式VIIIa
【化19】

(式中、R5は、上記の意味を有し、
2は、請求項1の通りに定義される。)
のカルボン酸
を、場合により活性された形態において、一般式XI
【化20】

(式中、L、R、Rf、QおよびXは、上記の請求項に示された意味を有する)のアミンと、カップリング反応において反応させ、場合により存在する保護基を場合により後に切断して、一般式Iの金属錯体を形成させるか、
または、
5が保護基を意味する場合、当技術分野において公知のように、後の工程で、これらの保護基を切断した後に、原子数21〜29、31〜33、37〜39、42〜44、49または57〜83の元素の少なくとも1種の金属酸化物または金属塩と反応させ、次いで所望の場合、場合により存在する酸性水素原子を無機および/または有機塩基、アミノ酸またはアミノ酸アミドの陽イオンによりすることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−501174(P2009−501174A)
【公表日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−520780(P2008−520780)
【出願日】平成18年7月11日(2006.7.11)
【国際出願番号】PCT/EP2006/006777
【国際公開番号】WO2007/009638
【国際公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(507210421)バイエル・シエーリング・ファーマ アクチエンゲゼルシャフト (12)
【氏名又は名称原語表記】Bayer Schering Pharma Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】D−13353 Berlin, Germany
【出願人】(508014165)エピックス ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】EPIX Pharmaceuticals Inc.
【住所又は居所原語表記】4 Maguire Road, Lexington, MA 02421, USA
【Fターム(参考)】