説明

ペレット化された臭素化アニオン型スチレン系ポリマー

【課題】製造およびパッケージ時に望ましくない微粉を形成しない臭素化アニオン型スチレン系ポリマーペレットを製造する方法の提供。
【解決手段】特別な機械的加工を使用することによって、少なくとも約50重量%の臭素含量を有し、ペレットの少なくとも約70重量%が標準US No.40篩上に保持され、約30重量%が標準US No.5篩上に保持される混じり物のない臭素化アニオン型スチレン系ポリマーのペレット。また、220℃、2.16kgにおけるメルトフローインデックス(ASTM D1238−99)が少なくとも4g/10分である。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
臭素化アニオン型スチレン系ポリマーは優れた難燃剤である。このようなポリマー型難燃剤を製造するための極めて望ましい方法は、米国特許第5,677,390号;第5,686,538号;第5,767,203号;第5,852,131号;第5,916,978号;および第6,207,765号で述べられている。
【0002】
臭素化アニオン型スチレン系ポリマー、例えば臭素化アニオン型ポリスチレンの特徴は、生成物をペレット化しようと試みる場合、これらが実質的な量の小粒子および粉末を形成する傾向があるということである。このペレットは、形成時に外来の結合剤などにより結合されないと、ばらばらに破砕し、そして通常「微粉」と呼ばれる小さい粒子および微粉砕された粉末に戻るように見える。この特徴のために、種々の在来のペレット化法は微粉を本質的に含まない臭素化アニオン型スチレン系ポリマーの製造に不適である。容易に理解可能であるように、このタイプの製品中の微粉の存在はペレット化された製品の外観に有害であるのみならず、加えて消費者により望まれないものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ある熱可塑性ポリマーにおいて臭素化アニオン型スチレン系ポリマーを難燃剤として有効に使用するためには、難燃剤の完全性をペレット化された形で維持するために結合剤または他の外来の材料を使用することも消費者により望まれないことと思われる。このように、製造およびパッケージ時に望ましくない量の微粉を形成しない、混じり物のないペレット化された臭素化アニオン型スチレン系ポリマーを製造する方法に対する必要性が存在する。
【0004】
本発明によれば、臭素化アニオン型スチレン系ポリマーが微粉を本質的に含まない混じり物のないペレット化された形で製造およびパッケージ可能である。更には、比較的少量の微粉のみがこの操作で製造されるので、本発明の好ましい態様によって、この有益な結果が経済的なベースで可能となる。事実、本発明の好ましい方法においては、形成し得る少量の乾燥微粉がこの操作において多くの出費または困難なしで再循環可能である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このように、この態様の一つによれば、本発明は、少なくとも約50重量%の臭素含量を有し、そしてこのペレットの少なくとも約70重量%(好ましくは少なくとも約75重量%)が標準US No.40篩上に保持され、約30重量%以下(好ましくは約25重量%以下)が標準US No.5篩上に保持される混じり物のない臭素化アニオン型スチレン系ポリマーのペレットを提供する。好ましい態様においては、このようなペレット化されたアニオン型スチレン系ポリマーは、少なくとも約67重量%の、例えば約67〜約71重量%の範囲の臭素含量を有する臭素化アニオン型ポリスチレンである。メルトフローインデックス(ASTM D1238−99)が220℃および2.16kgで少なくとも約4g/10分であり、更に好ましくは220℃および2.16kgで少なくとも約5g/10分であるペレット化された臭素化アニオン型スチレン系ポリマーも好ましい。適切に取り扱われるならば、製造およびパッケージ時のペレットは微粉、すなわち標準US No.40篩を通過する粒子を含まない。
【0006】
本発明の別の態様は、
A)溶融された混じり物のない臭素化アニオン型スチレン系ポリマーのストランドを形成し;
B)多孔質コンベヤーベルト上で前記ストランドを冷却および下方に向けられた強制空気流れにさらし、それにより前記ストランドをペレットに破砕し;そして
C)前記ペレットをこのペレットから微粉を除去する分級機の中に落下させる
ことを含んでなるペレット化された混じり物のない臭素化アニオン型スチレン系ポリマーを製造する方法である。用語「混じり物のない」とは、前出のペレット製造の工程の前あるいは間に、外来成分、例えばバインダー(例えば、ワックスまたは他のポリマー性あるいはオリゴマー性の物質)、無機塩などがこの臭素化アニオン型スチレン系ポリマーに添加されないという意味である。代わりに、この臭素化アニオン型スチレン系ポリマーは、製造後に臭素化されたポリマー中に残る残存不純物のみを含有する。
【0007】
本発明のこれらの態様および他の態様は、以降の説明、添付の図面および添付の特許請求の範囲からなお更に明白であろう。
【発明を実施するための形態】
【0008】
臭素化アニオン型スチレン系ポリマー
本発明によりペレット化された形に転換されるポリマーは、1つの臭素化アニオン型スチレン系ポリマー、又は1つより多い臭素化アニオン型スチレン系ポリマーのブレンド、すなわち(i)臭素化された少なくとも1つのアニオン重合されたスチレン系ホモポリマー、(ii)臭素化された少なくとも1つの2つ以上のスチレン系モノマーのアニオン重合されたコポリマーまたは(iii)(i)と(ii)の両方である。このようなポリマーの臭素含量は少なくとも約50重量パーセントでなければならない。好ましい臭素化アニオン型スチレン系ポリマー、特別に臭素化アニオン型ポリスチレンは少なくとも約60重量%の臭素含量を有し、そして更に好ましい臭素化アニオン型スチレン系ポリマー、特別に臭素化アニオン型ポリスチレンは少なくとも約64重量%の臭素含量を有する。特に好ましい臭素化アニオン型スチレン系ポリマー、特別に臭素化アニオン型ポリスチレンは約67〜約69重量%の範囲の臭素含量を有する。臭素化アニオン型スチレン系ポリマー、例えば臭素化アニオン型ポリスチレンの臭素含量は約71重量%を超えるのは稀である。通常、この臭素化アニオン型スチレン系ポリマーは、ASTM D1238−99試験法により220℃および2.16kgで行って、少なくとも約3g/10分の、好ましくは少なくとも約4g/10分の、そして更に好ましくは少なくとも約5g/10分のメルトフローインデックスを有する。通常、このようなメルトフローインデックスは、約3〜約40g/10分の範囲の、好ましくは約4〜約35g/10分の範囲のものである。本発明の実施において使用される最も好ましい臭素化アニオン型スチレン系ポリマーは、これらの試験条件下で約5〜約30g/10分の範囲のメルトフローインデックスを有する。この関連において、これらのポリマーは、固体から液体へと急激に変態する融点温度に達するという意味で「融解」し得ない。むしろ、これらは、加熱される場合、温度が上昇されると、徐々に軟化するかあるいは徐々に成形し易くなり、そして慣用の混合あるいはブレンド法を使用することにより他の物質を分散させることができるように液体の特性を帯びがちな非晶質物質である傾向がある。
【0009】
本発明のすべての態様においては、本発明のペレットの成形に使用される最も好ましい臭素化アニオン型スチレン系ポリマーは混じり物のない臭素化アニオン型ポリスチレンである。
【0010】
臭素化されて、本発明によりペレット化された臭素化アニオン型スチレン系ポリマーを形成するアニオン型スチレン系ポリマーは、1つ以上のアニオン型ホモポリマーおよび/または少なくとも1つのビニル芳香族モノマーのアニオン型コポリマーである。好ましいビニル芳香族モノマーは、式
C=CR−Ar
を有する。式中、Rは水素原子または1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、そ
してArは6〜10個の炭素原子の芳香族基(アルキル環置換された芳香族基を含む)である。このようなモノマーの例は、スチレン、アルファ−メチルスチレン、オルト−メチルスチレン、メタ−メチルスチレン、パラ−メチルスチレン、パラ−エチルスチレン、イソプロペニルトルエン、ビニルナフタレン、イソプロペニルナフタレン、ビニルビフェニル、ビニルアントラセン、ジメチルスチレンおよびtert−ブチルスチレンである。ポリスチレンが好ましい反応試剤である。臭素化アニオン型スチレン系ポリマーを2つ以上のビニル芳香族モノマーのアニオン型コポリマーの臭素化により製造する場合には、スチレンがこのモノマーの1つであるということ、そしてスチレンがこの共重合性ビニル芳香族モノマーの少なくとも50重量パーセント、好ましくは少なくとも約80重量パーセントを占めるということが好ましい。用語「臭素化アニオン型スチレン系ポリマー」および「臭素化アニオン型ポリスチレン」は、この明細書で使用されるように予め存在するアニオン型スチレン系ポリマー、例えばアニオン型ポリスチレンまたはスチレンと少なくとも1つの他のビニル芳香族モノマーのアニオン型コポリマーの臭素化により製造される、臭素化されたアニオン型ポリマーを指すことが特記されるべきである。これらは、1つ以上の臭素化されたスチレン系モノマーのオリゴマー化または重合により製造されるオリゴマーまたはポリマーから区別され、性質が臭素化アニオン型ポリスチレンと多数の点でかなり異なる、また、用語「ビニル芳香族」および「スチレン系」はモノマーまたはポリマーと一緒になってこの明細書中では互換的に使用される。
【0011】
このアニオン型スチレン系ポリマーの芳香族ペンダント成分はアルキル置換可能あるいは臭素あるいは塩素原子により置換可能であるが、大多数の場合このように置換されない。通常、本発明の実施において使用される臭素化アニオン型スチレン系ポリマーの製造に使用されるアニオン型スチレン系ポリマーは、約2000〜約50,000の範囲の重量平均分子量(M)と1〜約10の範囲の多分散性を有する。本発明の実施において使用される好ましい臭素化アニオン型スチレン系ポリマーは、約3000〜約10,000の範囲の重量平均分子量(M)と1〜約4の範囲の多分散性を有するアニオン型スチレン系ポリマーから製造され、そして最も好ましくはこれらの範囲はそれぞれ約3500〜約4500および1〜約4である。Mおよび多分散性の値は、両方ともこの明細書で以降に述べるゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)法に基づくものである。
【0012】
アニオン型スチレン系ポリマー、例えばアニオン型ポリスチレンの製造方法は当業界で既知であり、文献に報告されている。例えば、開示が引用により本明細書に組み込まれている、米国特許第3,812,088号;第4,200,713号;第4,442,273号;第4,883,846号;第5,391,655号;第5,717,040号;および第5,902,865号を参照のこと。特に好ましい方法は、開示が引用により本明細書に組み込まれている、2003年12月2日出願の共有の米国特許第6,657,028号に記述されている。
【0013】
臭素化アニオン型スチレン系ポリマーの製造に使用可能な臭素化法は、開示が引用により本明細書に組み込まれている、米国特許第5,677,390号;第5,686,538号;第5,767,203号;第5,852,131号;第5,916,978号;および第6,207,765号に述べられている。
【0014】
本発明のペレットの製造における使用に好ましい臭素化アニオン型ポリスチレンの典型的な性質は次の通りである。
外観/形−白色粉末
臭素含量−67〜71重量%
メルトフローインデックス(220℃、2.16kg)−4〜35g/10分
Tg(℃)−162
比重(@23℃)−2.2
TGA(TA装置モデル2950、10℃/分N下)
1%重量損失、℃−342
5%重量損失、℃−360
10%重量損失、℃−368
50%重量損失、℃−393
90%重量損失、℃−423
【0015】
必要であるか、あるいは望ましいと考えられる場合には、文献に報告されているようないかなる分析的な方法もこのような分析値または性質の測定において使用可能である。疑いの持たれる、あるいは議論されるいかなる場合でも、次の手順が推奨される。1)臭素含量−臭素化アニオン型スチレン系ポリマーは、溶剤、例えばテトラヒドロフラン(THF)中で良好なあるいは少なくとも満足な溶解性を有するので、臭素化アニオン型スチレン系ポリマーに対する全臭素含量の定量は慣用の蛍光X線法を使用することにより容易に行われる。分析される試料は希薄試料、例えば60mLのTHF中の0.1±0.05gの臭素化アニオン型ポリスチレンである。このXRF分光計はPhillips PW1480分光計であることができる。THF中のブロモベンゼンの標準化された溶液が較正標準として使用される。
【0016】
2)メルトフローインデックス−臭素化アニオン型スチレン系ポリマーのメルトフローインデックスを求めるために、ASTM試験方法D1238−99の手順および試験装置が使用される。押し出しプラストメーターは220℃および2.16kgの印加圧力において操作される。この試験で使用される試料は14〜16gの臭素化アニオン型ポリスチレンからなる。
【0017】
3)重量平均分子量および多分散性アニオン型スチレン系ポリマーのMw値がWatersモデル510HPLCポンプおよび検出器としてWaters屈折率検出器モデル410およびPrecision Detector光散乱検出器モデルPD2000または同等な装置を用いるGPCにより得られる。このカラムはWaters、μStyragel、500Å、10,000Åおよび100,000Åである。このオートサンプラーはShimadzuモデルSil9Aである。光散乱データの精度を保障するために、ポリスチレン標準(Mw=185,000)が通常使用される。使用される溶剤はテトラヒドロフラン、HPLCグレードである。使用される試験手順は0.015−0.020gの試料を10mLのTHFに溶解することを伴う。この溶液のアリコートが濾過され、そして50μLがカラムに注入される。PD2000光散乱検出器用にPrecision Detectorにより提供されるソフトウエアを用いて、この分離が分析される。この装置は、結果を重量平均分子量の形で、そしてまた数平均分子量の形でも提供する。このように、多分散性の値を得るためには、重量平均分子量の値を数平均分子量の値により割る。
【0018】
ペレットの製造
上記のように、本発明のペレット化された臭素化アニオン型スチレン系ポリマーは、
A)溶融された混じり物のない臭素化アニオン型スチレン系ポリマーのストランドを形成し;
B)多孔質コンベヤーベルト上で前記ストランドを冷却および下方に向けられた強制空気流れにさらし、それにより前記ストランドをペレットに破砕し;そして
C)前記ペレットが前記コンベヤーベルトを離れ、そして分級機の中に落下するようにし、それにより場合によっては、ペレットへの少なくとも若干の付加的な破壊が起こり、そしてこの分級機がB)および場合によってはC)で形成される微粉をペレットから除去するようにさせる
ことを含んでなるペレット化された混じり物のない臭素化アニオン型スチレン系ポリマー
を製造する方法により製造可能である。
【0019】
上記の段階A)の実施において、溶融あるいは軟化した臭素化アニオン型スチレン系ポリマーのストランドの形成において種々の市販の機械が成功裏に使用可能である。例えば、Buss Ko−kneader(Coperion GmbH)または同方向回転かみあい型二軸スクリュー押し出し機、例えばCoperion GmbH,Berstoff,Century,LeistritzまたはJSW Japan Steel Worksから入手可能であるものを使用することができる。この機械は、臭素化アニオン型スチレン系ポリマーが溶融しなくとも、少なくとも極度に軟化するように、好適な温度プロフィールで運転される。使用される温度プロフィールは、加工対象の臭素化アニオン型スチレン系ポリマーの構成に依って若干変わる。このように、上述のような性質を有する臭素化アニオン型ポリスチレン、例えばSAYTEX(登録商標)HP3010の場合には、220〜240℃の温度プロフィールが望ましいことが判明した。
【0020】
段階B)においては、この機械からの押し出し物をダイプレートに通過させ、そして生成する連続したストランドを移動する多孔質コンベヤーベルト上に落下させる。このコンベヤーベルトシステムは多孔質床の下に真空装置を有し、ベルト上のストランドに向けて、そしてベルトそれ自身中の開口から下向きに空気を連続して引き込む。コンベヤーベルトの上には高温のポリマーストランドを冷却するための水スプレー機構が配設され、そして下方に冷却中のストランドに対して充分な力を加え、通常、ストランドの少なくとも若干の破砕をベルト上で起こるようにさせるエアブロワーが配設されている。非破砕で残ったストランドは、ベルト端から出てくる非支持のストランドに作用する重力のために、コンベヤーベルトを離れるとき少なくとも若干の破砕を通常受ける。
【0021】
段階C)においては、ベルトの内容物とコンベヤーベルト端から出るかもしれないコンベヤーベルトの前の内容物を分級機の中に落下させ、ペレットと微粉が相互に分離される。分級機上へのこのような落下は若干の破砕を起こさせ得る。この分級機は、例えば長手方向に前後に振動するようにされた本質的に水平に配設されたメッシュを含むことができる。このタイプの特に好適な機械は、The Witte Company,Incから入手できるものなどの振動型分級機である。
【0022】
段階A)の典型的な操作においては、使用されるコンベヤーベルトは約14フィート(約4.27メートル)の長さであり、そして約100〜約200ft/分(約60.96メートル/分)の範囲の速度で運転された。ストランドのミスト散布で使用される強制空気と水は、通常、外周の室温にあるが、所望ならば熱衝撃を低減するのに加熱可能である。コンベヤーベルト端から分級機のスクリーンまでの落下距離は、約18〜約36インチ(約45.7〜約91.4cm)の範囲にあった。
【0023】
本発明の適当に行われたペレット化法においては、約5重量%以下、好ましくは約3重量%以下、および更に好ましくは約1重量%以下が標準U.S.No.40篩を通過する微粉またはダストである生成物を製造することが可能でなければならない。このように、本発明の方法は極めて効率的である;このような微粉の少量のみが捕集され、そして全体のペレット化操作中の段階A)に好ましくは再循環される。
【0024】
本発明の前出の例示的な操作は図面を参照することによりなお更に理解可能である。図1および2に概略的に図示され、類似の番号が類似のパーツを表す好ましいシステムを参照すると、粉末形の臭素化アニオン型スチレン系ポリマー、好ましくはSaytex HP−3010ポリマー(Albemarle Corporation)のような性質を有する粉末形の臭素化アニオン型ポリスチレン粉末をホッパー10から粉末フィーダー12の中に、そしてホッパー14によりニーダー15の中にフィードする。ニーダー15か
らこのポリマーをクロスヘッド押し出し機16の中に導入される。このニーダー・押し出し機の組み合わせは、臭素化アニオン型スチレン系ポリマーのメルトを加熱し、形成し、そしてこのメルトをダイ18から排出し、これによって、このポリマーのストランド、通常連続したストランドをダイから移動するコンベヤーベルト20上に押し出す。図示したシステムにおいては、ベルト20は上方に傾斜して、ベルトの上方部分の遠隔末端は、通常、振動型分級機30の約18〜約36インチ(約45.7〜約91.4cm)上である。一般的に33と示されるスプレーシステムは、矢印35により示される方向に移動するベルト20の上方部分の高温ポリマーストランド上に水のミストまたはスプレーを形成、および分注する。次に、この冷却されたストランドをベルト20によりエアナイフ37、37の下に運び、ストランドの少なくとも一部をペレットに切断するか、あるいは破砕する。エアナイフ37、37の位置の近傍のベルト20の下側には、慣用の真空マニホールドシステム(図示せず)の真空入口39、39があり、残存する水と微粉をベルト20の下側から吸引する。生成するペレットをベルト20の上方の外端で排出し、そして図3に概略図示するような振動型分級機であることができる分級機30の上方の作動表面上に重力の影響の下で落下させる。落下の衝撃によって、ベルト20から落下する大きな片の破砕から追加のペレットが形成され得る。このように、図1および2に示すシステムにおけるペレットは、エアナイフ37、37から分級機30まで延びる領域において主として形成される。分級機30により微粉を分離し、この中に捕集する。分級機は、分離の後に残るペレットを受け入れ、そして好適な高耐久パッケージ容器50、例えばSupersackあるいはGaylord容器にペレットをフィードするのに好適な高さまで前方および上方に運搬するように配設されたセグメント形コンベヤーまたはバケットエレベーターなどの移送装置40上へ連続的に移す。少量のペレット破砕は、このようなパッケージ段階において起こり得るが、通常取るに足りないことであり、起こった場合には、移送装置から包装容器までの落下の高さを低下させることにより最小とすることができる。
【0025】
図1および2に示すようなシステムを適切に変えて、本質的に微粉を含まないペレット化された混じり物のない臭素化アニオン型スチレン系ポリマーを形成することができるということが容易に理解されるであろう。例えば、ニーダー、例えばBuss Ko−kneaderおよび関連するクロスヘッド押し出し機を好適な二軸スクリュー押し出し機、例えば20/1に等しいか、あるいはそれよりも大きい長さ/直径(L/D)比を有する任意の二軸スクリューあるいは単軸スクリュー押し出し機により置き換えることができる。ストランドダイ、コンベヤーおよび振動型分級機をダイフェース・ペレタイザーまたは偏心ペレタイザーで置き換えることも可能である。
【0026】
本発明のペレット
本発明によれば、形成され、そしてパッケージされた状態の、存在するとすれば少量の微粒子またはダストを有するペレット化された臭素化アニオン型スチレン系ポリマーが製造される。一般的に言えば、本発明のペレットは、少なくとも約50重量%(好ましくは少なくとも約60重量%)の臭素含量を有し、そしてこのペレットの少なくとも約70重量%(好ましくは少なくとも約75重量%)が標準US No.40篩上に保持され、約30重量%以下(好ましくは約25重量%以下)が標準US No.5篩上に保持される、混じり物のない臭素化アニオン型スチレン系ポリマーのペレットからなる。更に好ましい態様においては、このペレットの臭素含量は少なくとも約64重量%であり、特に好ましい臭素化アニオン型スチレン系ポリマーは約67〜約69重量%の範囲の臭素含量を有する。本発明のペレット化された臭素化アニオン型スチレン系ポリマー、例えば臭素化アニオン型ポリスチレンの臭素含量は約71重量%を超えるのは稀であり、したがって約67〜約71重量%の範囲を有する本発明のペレット化された臭素化アニオン型スチレン系ポリマーが特に好ましい。メルトフローインデックス(ASTM D1238−99)が少なくとも約4であり、好ましくは少なくとも約5であるペレット化された臭素化アニオン型スチレン系ポリマーも好ましい。
【0027】
本発明の特に好ましいペレットは、約67〜約71重量%の範囲の臭素含量、更に好ましくは約67〜約69重量%の範囲の臭素を有し、そしてこのペレットの少なくとも約80重量%(更に好ましくは少なくとも約85重量%、最も好ましくは少なくとも約90重量%)が標準U.S.No.40篩上に保持され、そして約20重量%以下(更に好ましくは約15重量%以下そして最も好ましくは約10重量%以下)が標準U.S.No.5篩上に保持される臭素化アニオン型スチレン系ポリマーから形成される。すべての場合、すべての前出のペレット化された製品中の好ましい臭素化アニオン型スチレン系ポリマーは、臭素化アニオン型ポリスチレンである。
【0028】
本発明の好ましいペレットの別の特徴は、20mLの円筒形の透明プラスチック蓋付きの瓶の中に注いだ場合、瓶の内壁がいかなる肉眼的に感知し得るダストまたは粉末も本質的に付着しない状態を保つということである。
【0029】
このペレットの難燃剤としての使用
本発明のペレットは広範で多様な熱可塑性ポリマー中で難燃剤として使用可能である。このようなポリマーの内には、熱可塑性ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンテレフタレートなど;熱可塑性ポリアミド、例えばナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,12など;ポリカーボネート;ポリフェニレンオキシド、例えばポリ(2,6−ジメチルフェニレンオキシド);ポリスルホン;ポリスチレンまたは他のスチレン系ホモポリマー;2つ以上のスチレン系モノマーのコポリマー、例えばスチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレンなどのコポリマー;ゴム変成ビニル芳香族ホモポリマーあるいはコポリマー(例えば、高衝撃ポリスチレン);アクリレートあるいはメタクリレートポリマー、例えばエチレン−メチルアクリレート、エチレン−エチルアクリレート、エチレン−ブチルアクリレート、ポリ(メチルメタクリレート)など;エチレン−ビニルアセテートコポリマー;アクリロニトリルベースのコポリマーおよびターポリマー、例えばアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)およびスチレン−アクリロニトリル(SAN)など;ポリオレフィン、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−(1−ブテン)、およびエチレンと1つ以上の高級ビニルオレフィン、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテンとのコポリマー;および異なるポリマーのブレンド、アロイまたは複合物、例えばポリ(2,6−ジメチルフェニレンオキシド)とポリスチレンのブレンド、ポリカーボネートとポリスチレンのブレンド、および類似のブレンドがある。本発明のペレット化された難燃剤添加物の使用により難燃化可能な更なるポリマーは、ゴム状ブロックコポリマー、例えばスチレン−エチレン−エチレン−スチレン、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン、など;ポリウレタン;エポキシ樹脂;フェノール系樹脂;エラストマー、例えば天然ゴム、ブチルゴム、GRS、GRN、EPDMなど;ポリシロキサンなどを含む。更には、このポリマーは、適切である場合には、化学的手段または照射により架橋され得る。本発明の実施での使用に好適な多数の難燃剤を含まないポリマーが多数の商用源から入手可能である。
【0030】
本発明のペレットを使用することにより効果的に難燃化可能である熱可塑性ポリマーの好ましい群はポリエステルである。しばしばポリアルキレンテレフタレートと呼ばれる熱可塑性ポリエステルは、芳香族ジカルボン酸またはこれらの反応性誘導体、例えばメチルエステルまたは酸無水物と脂肪族、脂環式、あるいはアル脂肪族ジオールとの反応生成物およびこのような反応生成物の混合物である。このような熱可塑性ポリエステルの例は、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートおよび関連コポリエステルと、1
つ以上の熱可塑性ポリエステルと1つ以上の他の熱可塑性ポリマー、例えばポリカーボネート、特に芳香族ポリカーボネートとのブレンドを含むブレンドを含む。
【0031】
好ましい熱可塑性ポリエステルは、ジカルボン酸成分基準で少なくとも80重量%の、好ましくは少なくとも90重量%のテレフタル酸と、ジオール成分基準で少なくとも80重量%の、好ましくは少なくとも90重量%のエチレングリコールおよび/または1,4−ブタンジオール単位を含有する。
【0032】
テレフタル酸単位に加えて、好ましい熱可塑性ポリエステルは、20モル%までの、好ましくは10モル%までの他の芳香族あるいはシクロ脂肪族C8−14ジカルボン酸または脂肪族C4−12ジカルボン酸の単位、例えばフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸またはシクロヘキサンジ酢酸の単位を含有し得る。
【0033】
エチレングリコールおよび1,4−ブタンジオール単位に加えて、好ましい熱可塑性ポリエステルは、20モル%までの、好ましくは10モル%までの他の脂肪族C3−12ジオールまたはシクロ脂肪族C6−12ジオール、例えば1,3−プロパンジオール、2−エチルプロパン−l,3−ジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサン−ジメタノール、3−エチルペンタン−2,4−ジオール、2−メチルペンタン−2,4−ジオール、2,2,3−トリメチルペンタン−1,3−ジオール、2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、2,2−ジエチルプロパン−l,3−ジオール、2,5−ヘキサンジオール、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−シクロヘキシル)プロパン、2,4−ジヒドロキシ−1,1,3,3−テトラメチルシクロブタン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシ−エトキシ)フェニル]プロパンまたは2,2−ビス−[4−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]プロパンの単位を含有し得る。
【0034】
ポリアルキレンテレフタレートは、比較的少量の三価あるいは四価アルコールまたは三塩基性あるいは四塩基性カルボン酸を組み込むことにより分岐され得る。この関連では、例えば米国特許第3,692,744号を参照のこと。好ましい分岐剤の例は、トリメシン酸、トリメリット酸、トリメチロールエタンおよびプロパンおよびペンタエリスリトールである。
【0035】
特に好ましい熱可塑性ポリエステルは、テレフタル酸またはこれらの反応性誘導体、例えばジアルキルエステルと、エチレングリコールおよび/または1,4−ブタンジオールから製造されるもの、およびこれらのポリアルキレンテレフタレートの混合物である。好ましいポリアルキレンテレフタレート混合物は、1〜50重量%のポリエチレンテレフタレートと99〜50重量%のポリブチレンテレフタレートを含有する。特に好ましい混合物は、1〜30重量%のポリエチレンテレフタレートと99〜70重量%のポリブチレンテレフタレートを含有する。
【0036】
好ましくは使用されるポリアルキレンテレフタレートは、ウッベローデ粘度計を使用し、フェノール/o−ジクロロベンゼン(1:1重量部)中25℃で測定して、0.4〜1.5dl/gの、好ましくは0.5〜1.3dl/gの、そして更に好ましくは0.55〜1.2dl/gの固有粘度を一般に有する。これらの固有粘度範囲のポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートおよびこれらの混合物が最も好ましい。よく知られているように、ポリエチレンテレフタレートエンジニアリング樹脂のメーカーは、バージンPET(通常0.55−0.70IV)または工業的スクラップ、ポリエステルフィルムスクラップ、瓶および稀にはポリエステル繊維スクラップからの再生PETのいずれかから製品を混練する。
【0037】
本発明の実施において使用され得る更なる熱可塑性ポリエステルは、例えばポリエーテルエステル、ポリエステル−ポリカーボネートブレンドあるいはアロイ、ポリエステル−ABSブレンドあるいはアロイ、ポリエステル−MBSブレンドあるいはアロイ、および耐衝撃(impact−modified)熱可塑性ポリエステルを含む。
【0038】
ポリアルキレンテレフタレートは既知の方法により製造され得る。例えば、Encyclopedia of Polymer Science and Technology,Vol.11,pages 62−128,John Wiley & Sons,Inc.,copyright 1969;and Kirk−Othmer,Encyclopedia of Chemical Technology,4th Ed.,Vol.19,pages 609−653,John Wley & Sons,Inc.,copyright 1996を参照のこと。
【0039】
本発明のペレットを使用することにより効果的に難燃化可能である熱可塑性ポリマーの好ましい群は、時にはナイロンポリマーと呼ばれるポリアミドである。このようなポリアミド基材ポリマーは、非晶質および/または部分的に結晶性で、大部分脂肪族/脂環式または部分芳香族の熱可塑性ポリアミドのいかなるものでもあることができる。通常、このような材料は、大部分あるいは全部脂肪族あるいは脂環式の構造であるか、あるいは部分的あるいは全部芳香族の構造であるジアミンと、大部分あるいは全部脂肪族あるいは脂環式の構造であるか、あるいは部分的あるいは全部芳香族の構造であるカルボン酸またはラクタムから重縮合および/または重合法により製造される。ポリアミドの成形に使用される典型的なアミンは、ジアミン、例えばヘキサメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、2,2,4−および2,4,4−トリメチル−ヘキサメチレンジアミン、ジアミノジシクロヘキシルメタン(異性体)、ジアミノジシクロヘキシルプロパン(異性体)とイソホロンジアミン(異性体)およびキシリレンジアミンを含む。アミノカルボン酸、例えばε−アミノカプロン酸、またはω−アミノカルボン酸、例えばω−アミノラウリン酸およびω−アミノウンデカン酸も原材料として使用される。通常、使用されるカルボン酸は、脂肪族あるいは50重量%未満の芳香族成分を有する脂肪族−芳香族混合ジカルボン酸、例えばアジピン酸、2,2,4−および2,4,4−トリメチルアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、イソフタル酸およびテレフタル酸である。
【0040】
大多数の既知のモノマーからのコポリアミドも使用可能である。
【0041】
本発明の実施において使用され得る例示のポリアミドは、ポリアミド、例えばナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,9、ナイロン6,10、ナイロン6,12、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン12,12、ナイロン6/6,6コポリマーおよび耐熱ナイロン、例えばナイロン4、6、および部分的に芳香族のナイロン(例えば、SolvayからのIxefポリアリールアミドPAMXD6、Du PontからのZytel HTNおよびSolvayからのAmodelポリアリールアミド)である。使用され得る他のポリアミドは、Mitsui Chemicals,Inc.からのArlen変成ポリアミド6T、Kuraray CompanyからのGenestar PA9Tポリアミド樹脂、DSMからのStanylポリアミド46、MonsantoからのVydyneポリアミド6/66コポリマー、ポリアミド612(CreanovaからのVestamid D)および類似のポリアミドである。種々のナイロンポリマーのうちで、ナイロン6およびナイロン6,6が好ましい基材ポリマーである。
【0042】
本発明は、1つ以上のポリアミドの熱可塑性ブレンドあるいはアロイ、例えば、ポリアミド−ポリオレフィンブレンドあるいはアロイ、ポリアミド−イオノマーブレンドあるい
はアロイ、ポリアミド−ABSブレンドあるいはアロイ、ポリアミド−EPDMブレンドあるいはアロイ、ポリアミド−ポリフェニレンオキシドブレンドあるいはアロイ、または耐衝撃ポリアミドにも適用可能である。
【0043】
ポリアミドポリマーを製造する方法が既知であり、そして文献で記述されている。例えば、Encyclopedia of Polymer Science and Technology,Vol.10,pages 460−482,John Wiley
& Sons,Inc.,copyright 1969;and Kirk−Othmer,Encyclopedia of Chemical Technology,4th Ed.,Vol.19,pages 559−584,John Wiley & Sons,Inc.,copyright 1996を参照のこと。
【0044】
次の実施例は本発明の実施および利点を例示する。これらの実施例は本発明の全般的な範囲に限定を設けるようには意図されていない。
【実施例】
【0045】
実施例1
図1および2に概略的に図示したシステムを使用する操作において本発明により達成可能な優れた結果を示した。このようなシステムにおいては、次の装置を使用した。
a)押し出し機システムは、クロスヘッド押し出し機16を備えた11/1のL/D(7.1以上であることができるが)を有する140mmのBuss Ko−kneader15であった。このニーダーのスクリュープロフィールは混練要素を含むものであった。b)ダイ18は直径4mmの20個の孔の付いたダイであった。
c)コンベヤーベルト20は、長さ14フィート(約4.3メートル)、幅15インチ(約38.1cm)および直径3インチ(約7.6−センチメートル)のローラーを有するScheer−Bayコンベヤーであった。このメッシュベルトは約12゜の角度で上方に傾斜したものであった。
d)分級機30はWitteモデル No.200分級機であった。ベルト20の端部から分級機30の頂部までの落下の間の垂直距離は約24インチ(約61cm)であり、そして移送装置40の端部と出荷コンテナー50の底部の間の垂直距離は空の場合約60インチ(約152cm)であった。
【0046】
このシステムにおける運転条件は次の通りである。この押し出し機システムを220〜240℃のバレルおよびメルト温度で運転した。操作時、水銀柱6〜8インチ(約0.21〜0.28kg/平方cm)の真空をニーダーおよびクロスヘッド押し出し機の両方に印加した。このコンベヤーは150〜175ft/分(約45.7〜約53.3メートル/分)の速度で移動した。水ミストを1分当たり約1ガロン(1分当たり約3.79リットル)の速度でフィードした。エアナイフを10〜25psigの圧力で運転し、そしてコンベヤーベルトの表面の約5インチ(約12.7cm)上に配設した。コンベヤーベルトの下で印加される真空は1分当たり約2200立方フィート(1分当たり約62.3立方メートル)であり、そしてベルトの横方向に配設され、各個別の印加装置の口が45平方インチ(約114.3平方センチメートル)の面積を有する2つの真空印加装置によりコンベヤーベルトの近接表面にこの真空を直接に印加した。
【0047】
4時間の運転時間の間に、製造対象の臭素化アニオン型ポリスチレンペレットの試料をシステムから周期的に取り出し、篩掛けと、ある場合にはメルトインデックスの測定にかけた。篩掛け操作においては、100グラムの試料を3つの構成篩のスタック上に入れた。最も上の構成篩は標準U.S.No.5篩であり、その下の構成篩は標準U.S.No.40篩であり、そして最も下の構成篩は微粉の捕集パンであった。試料を上部の篩上に入れた後、スタック全体を手で可能な限り均一な力により10回叩いた。次に、この3つ
の構成篩の内容物を秤量し、それによりNo.5篩上で、No.40篩上で、そして捕集パン中で保持されたペレットの微粉に対する重量%の値を得た。
【0048】
このメルトフロー測定においては、標準化された手順においてはペレット試料を使用した。
【0049】
表1はデータをこの操作で得られるデータを要約する。
【0050】
【表1】

【0051】
実施例2
Buss Ko−kneaderとクロスヘッド押し出し機をWerner Pfleiderer製の同方向回転かみあい型二軸スクリュー押し出し機モデルNo.ZSK−90の、90mmの二軸スクリュー混練押し出し機により置き換えることを除いて、実施例1におけるのと同一の装置、操作条件および試料評価を使用した。この押し出し機を220〜240℃の温度プロフィールにより1200lbs/時(約543キログラム/時)の速度で運転した。この運転において、4時間の運転期間の間試料を周期的に採取した。表2はこの運転の結果を要約する。
【0052】
【表2−1】

【0053】
【表2−2】

【0054】
【表2−3】

【0055】
【表2−4】

【0056】
【表2−5】

【0057】
3シグマの統計限界内で、No.5およびNo.40の篩上に保持されるパーセントに関して表1および2で示した結果は、No.5篩に対しては、保持されるパーセントが0と16重量%の間にあり、No.40篩上では83〜100重量%が保持されるというこ
とを示す。同一の統計基準で、0〜2重量%の微粉はNo.40篩を通過する。このように、この方法は98〜100%の範囲の所望の製品の収率を統計的にもたらすことが判明した。
【0058】
特記しない限り、物品「a」または「an」は、この明細書中で使用される場合および使用されている場合には、この説明を物品が言及する単一の要素に限定するようには意図されず、そして限定すると解釈されるべきでない。むしろ、物品「a」または「an」は、この明細書中で使用される場合および使用されている場合には、特記しない限り、1つ以上のこのような要素を網羅するように意図されている。
【0059】
この明細書のいかなる部分においても言及される各特許およびすべての特許は、この明細書中で示されているように引用によりこの開示に組み込まれている。
【0060】
本発明は添付の特許請求の範囲の精神および範囲内でかなりの変形を受ける。それゆえ、前出の説明は、本発明をこの明細書中で上記に提示した特定の例示に限定するようには意図されず、そして限定すると解釈されるべきでない。むしろ、網羅されるように意図されるものは添付の特許請求の範囲および法律問題として許されるこれらの同等物に示される通りである。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】図1は本発明の方法にしたがって本発明のペレット化された臭素化アニオン型スチレン系ポリマーを製造するのに有効であることが見出されている機械的システムの概略前面図である。
【図2】図2は簡明のために要素10および12を除去した図1のシステムの概略平面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも50重量%の臭素含量を有し、そしてこのペレットの少なくとも70重量%が標準US No.40篩上に保持され、そして30重量%以下が標準US No.5篩上に保持され、更に、形成され包装されたペレットの5重量%以下が標準US No.40篩を通過する微粉末またはダストである、混じり物のない臭素化アニオン型スチレン系ポリマーのペレット。
【請求項2】
前記臭素含量が少なくとも60重量%である請求項1に記載のペレット。
【請求項3】
前記臭素含量が67〜71重量%の範囲にある請求項1に記載のペレット。
【請求項4】
少なくとも4.5のメルトフローインデックスを有する請求項1〜3のいずれかに記載のペレット。
【請求項5】
ペレットの少なくとも75重量%が標準US No.40篩上に保持され、そして25重量%以下が標準US No.5篩上に保持される請求項1〜3のいずれかに記載のペレット。
【請求項6】
ペレットの少なくとも75重量%が標準US No.40篩上に保持され、そして25重量%以下が標準US No.5篩上に保持され、そして前記ペレットが少なくとも4.5のメルトフローインデックスを有する請求項1〜3のいずれかに記載のペレット。
【請求項7】
前記混じり物のない臭素化アニオン型スチレン系ポリマーが混じり物のない臭素化ポリスチレンである請求項1に記載のペレット。
【請求項8】
ペレットの少なくとも80重量%が標準US No.40篩上に保持され、そして20重量%以下が標準US No.5篩上に保持され、前記臭素含量が少なくとも60重量%であり、そして前記ポリスチレンが少なくとも4.5のメルトフローインデックスを有する請求項7に記載のペレット。
【請求項9】
ペレットの少なくとも90重量%が標準US No.40篩上に保持され、そして10重量%以下が標準US No.5篩上に保持され、前記臭素含量が67〜71重量%の範囲にあり、そして前記ポリスチレンが少なくとも5.5のメルトフローインデックスを有する請求項7に記載のペレット。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−72410(P2012−72410A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−258888(P2011−258888)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【分割の表示】特願2007−527159(P2007−527159)の分割
【原出願日】平成16年5月20日(2004.5.20)
【出願人】(594066006)アルベマール・コーポレーシヨン (155)
【Fターム(参考)】