ペレット又はフレーク状物の製造方法及び装置
【課題】排水効率を従来よりも高めると共に、長期にわたって連続した安定運転を実施する。
【解決手段】原料供給ホッパ2の下方に設置した2個一対の成形ロール5,5によってペレット状又はフレーク状の製品を製造するペレット状又はフレーク状物の製造方法において、前記2個一対の成形ロール5,5を容器6内に収容後、該容器6内の圧力を前記原料供給ホッパ2内の圧力よりも低減させて、前記容器6と前記原料供給ホッパ2との間に圧力差を生じさせる。
【解決手段】原料供給ホッパ2の下方に設置した2個一対の成形ロール5,5によってペレット状又はフレーク状の製品を製造するペレット状又はフレーク状物の製造方法において、前記2個一対の成形ロール5,5を容器6内に収容後、該容器6内の圧力を前記原料供給ホッパ2内の圧力よりも低減させて、前記容器6と前記原料供給ホッパ2との間に圧力差を生じさせる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パウダーのみの原料、或いは、水や結合材等の液状物を含んだ原料をペレット又はフレーク状に圧搾成形するペレット又はフレーク状物の製造方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一対のロールの上方にホッパを配し、該ホッパの下部に一対のロールの前後両端部を覆う防水板を設けると共に前記防水板に排水手段を設け、原料であるガスハイドレートの圧搾成形により生じた圧搾水を排水するガスハイドレートペレット製造装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−269908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のガスハイドレートペレット製造装置に代表される造粒機(ブリケットマシン)、或いは、上記原料をフレーク状に圧搾成形するコンパクタ等の実用化を達成するためには、排水効率を従来よりも高めると共に、長期にわたって連続した安定運転を目指すことが求められている。
【0005】
本発明は、係る要望を満たすものであり、排水効率を従来よりも高めると共に、長期にわたって連続した安定運転を実施することができるペレット又はフレーク状物の製造方法及び装置を提供することにある。
【0006】
成形ロールの回転数とペレットの製造量の関係は、模式的に表すと、図13のようになる。すなわち、成形ロールの回転数が増大すると、ペレットの製造量も増大するが、この時、図示しないが、圧搾水量も増大する。そのため、圧搾水の排水率を向上させれば(図13の排水率の実線→一点鎖線)、製造量の低下を免れることができる(図13の製造量の実線→破線)。これらの問題を解決するために、本件の発明はなされた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の請求項1に係るペレット状又はフレーク状物の製造方法は、原料供給ホッパの下方に設置した2個一対の成形ロールによってペレット状又はフレーク状の製品を製造するペレット状又はフレーク状物の製造方法において、前記2個一対の成形ロールを容器内に収容後、該容器内の圧力を前記原料供給ホッパ内の圧力よりも低減させて、前記容器と前記原料供給ホッパとの間に圧力差を生じさせることを特徴とするものである。
【0008】
本願の請求項2に係るペレット状又はフレーク状物の製造方法は、前記2個一対の成形ロールを容器内に収容後、該容器内の圧力を前記原料供給ホッパ内の圧力よりも低減させて、前記容器と前記原料供給ホッパとの間に圧力差を生じさせる一方、製品の圧搾成形時に生じた液状物を濾過するスクリーンに対して所定の温度に温度調整された洗浄液を吹きつけることを特徴とするものである。
【0009】
本願の請求項3に係るペレット状又はフレーク状物の製造装置は、原料供給ホッパの下方に設置した2個一対の成形ロールによってペレット状又はフレーク状の製品を製造するペレット状又はフレーク状物の製造装置において、前記2個一対の成形ロールを容器内に収容し、該容器内のガスを前記原料供給ホッパ内に強制的に排出して、前記容器と前記原料供給ホッパとの間に圧力差を生じさせることを特徴とするものである。
【0010】
本願の請求項4に係るペレット状又はフレーク状物の製造装置は、前記2個一対の成形ロールを容器内に収容し、該容器内のガスを前記原料供給ホッパ内に強制的に排出して、前記容器と前記原料供給ホッパとの間に圧力差を生じさせ、更に、製品の圧搾成形時に生じた液状物を濾過するスクリーンに対して所定の温度に温度調整された洗浄液を吹きつける洗浄水ノズルを設置させたことを特徴とするものである。
【0011】
本願の請求項5に係るペレット状又はフレーク状物の製造装置は、前記2個一対の成形ロールを容器内に収容し、該容器内のガスを前記原料供給ホッパ内に強制的に排出して、前記容器と前記原料供給ホッパとの間に圧力差を生じさせ、更に、製品の圧搾成形時に生じた液状物を濾過するスクリーンに対して所定の温度に温度調整された洗浄液を吹きつける洗浄水ノズルを設置させ、かつ、前記スクリーンがウェッジワイヤスクリーン又は多孔質体であることを特徴とするものである。
【0012】
本願の請求項6に係るペレット状又はフレーク状物の製造装置は、前記2個一対の成形ロールを容器内に収容し、該容器内のガスを前記原料供給ホッパ内に強制的に排出して、前記容器と前記原料供給ホッパとの間に圧力差を生じさせ、かつ、前記原料供給ホッパと2個一対の成形ロールとの間に組み付けたフィーダーブロック、及び前記原料供給ホッパにウェッジワイヤ製のスクリーンを設置したことを特徴とするものである。
【0013】
本願の請求項7に係るペレット状又はフレーク状物の製造装置は、前記2個一対の成形ロールを容器内に収容し、該容器内のガスを前記原料供給ホッパ内に強制的に排出して、前記容器と前記原料供給ホッパとの間に圧力差を生じさせ、かつ、前記原料供給ホッパと2個一対の成形ロールとの間に組み付けたフィーダーブロックにチークプレートを装着すると共に、該チークプレートにウェッジワイヤ製のスクリーンを設置したことを特徴とするものである。
【0014】
本願の請求項8に係るペレット状又はフレーク状物の製造装置は、前記2個一対の成形ロールを容器内に収容し、該容器内のガスを前記原料供給ホッパ内に強制的に排出して、前記容器と前記原料供給ホッパとの間に圧力差を生じさせ、かつ、前記原料供給ホッパの下部で、且つ、前記原料供給ホッパ内に設けたフィードスクリューの先端部に対応する部分にウェッジワイヤ製のスクリーンを設置したことを特徴とするものである。
【0015】
本願の請求項9に係るペレット状又はフレーク状物の製造装置は、前記2個一対の成形ロールを容器内に収容し、該容器内のガスを前記原料供給ホッパ内に強制的に排出して、前記容器と前記原料供給ホッパとの間に圧力差を生じさせ、かつ、前記原料供給ホッパの下部の外側であって前記2個一対の成形ロール上である部分がウェッジワイヤ製のスクリーンになっていることを特徴とするものである。
【0016】
本願の請求項10に係るペレット状又はフレーク状物の製造装置は、原料供給ホッパの下方に設置した2個一対の成形ロールによってペレット状又はフレーク状の製品を製造するペレット状又はフレーク状物の製造装置において、前記原料供給ホッパの下部の外側であって前記2個一対の成形ロール上である部分がウェッジワイヤ製のスクリーンになっていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
上記のように、2個一対の成形ロールを容器内に収容後、前記容器内の圧力を原料供給ホッパ内の圧力よりも低減させて、容器と原料供給ホッパとの間に圧力差を生じさせるため、製品の圧搾成形時に生じた液状物を、従来よりも効率的に排出することが可能になった。
【0018】
また、製品の圧搾成形時に生じた液状物を洗浄液として、濾過又は脱水用スクリーンに吹きつけることにより、前記スクリーンの目詰まりを防止して長期にわたって安定した運転が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る造粒機の一部断面を含む正面図である。
【図2】本発明に係る造粒機の一部断面を含む側面図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】本発明に係る造粒機の作用説明図である。
【図5】差圧発生機構のフロー図である。
【図6】図7のB−B断面図である。
【図7】ベースブロックの平面図である。
【図8】図6のC−C断面図である。
【図9】チークプレートの正面図である。
【図10】図9のD−D断面図である。
【図11】漏斗状のウェッジワイヤスクリーンブロックの一部断面を含む側面図である。
【図12】ウェッジワイヤスクリーンの要部拡大断面図である。
【図13】成形ロール回転数とペレット製造量及び排水率の関係を示す図である。
【図14】本発明に係る造粒機の他の一例の一部断面を含む正面図である。
【図15】本発明に係る造粒機の更に他の一例の一部断面を含む正面図である。
【図16】本発明に係る造粒機の更に他の一例の一部断面を含む正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。尚、この実施の形態では、湿り気のあるガスハイドレートをペレットに成形する場合を例に採る。
【0021】
図1に示すように、本発明に係る造粒機100は、スクリーン付フィードホッパ(原料供給ホッパ)2と、その下方に配した2個一対の成形ロール5,5との間にフィーダーブロック(ベースブロック)4を組み入れている。図1中、符号2aはフィードホッパに付帯したスクリーンを示している。
【0022】
2個一対の成形ロール5,5は、容器6内に収容されているが、容器6内の圧力P2をスクリーン付フィードホッパ2内の圧力P1よりも低くして容器6内と原料供給ホッパ2との間に圧力差ΔPを生じさせている。
【0023】
ここで、圧力差ΔPの目安は、20kPa〜1000kPaの範囲が望ましい。圧力差ΔPが20kPa未満の場合は、圧力差ΔPが少ないことから、原料の圧搾成形により生じた水の排水が滞るようになる。他方、圧力差ΔPが1000kPaを超える場合は、圧力差ΔPが大きくなることから、原料の圧搾成形により生じた水と連れ立って原料のガスハイドレートの一部が流出する事態が発生する。
【0024】
図2に示すように、各成形ロール5は、成形ロール用電動機11によって駆動される。図2中、符号12,14はギヤボックス、13は軸封装置、15は成形ロール軸受を示している。
【0025】
また、図3に示すように、スクリーン付フィードホッパ2内に設けたフィードスクリュー3は、フィードスクリュー用電動機1によって駆動される。また、このフィードスクリュー3には、スクレーパ21が装着されている。
【0026】
また、図4に示すように、容器6は、配管25を介してスクリーン付フィードホッパ2と連通している。上記配管25には、気液分離槽19及び差圧付加用ブロワ18が設けられ、容器6内と原料供給ホッパ2との間に圧力差ΔPを生じさせるようになっている。
【0027】
図1に示すように、容器6は、その下方に固液分離装置9を設けている。固液分離装置9は、ペレット排出用ノズル7と、その両側に設けた一対の圧搾水及び洗浄水排出用ノズル8によって容器6の内部と連通している。尚、ペレット排出用ノズル7は、その上端部が容器6の底部よりも容器6の中に突出している。
【0028】
上記固液分離装置9は、図4に示すように、その内部がスクリーン26によって上下に二分され、ペレットcと圧搾水b及び洗浄水eとを分離するようになっている。この固液分離装置9は、筒形に形成され、紙面を貫通する方向に延長されている。スクリーン26としては、ウェッジワイヤスクリーン製のものが望ましい。
【0029】
また、容器6内に設けた洗浄水ノズル17は、フィードホッパに付帯したスクリーン2a、フィーダブロックに付帯したスクリーン20、チークプレートに付帯したスクリーン10aに向けられている。洗浄水ノズル17は、配管27を介して固液分離装置9の下方部分と連通し、配管27の途中に設けた洗浄水循環ポンプ16によってスクリーン26の下方に溜まった圧搾水b及び洗浄水eが供給されるようになっている。その際、配管27上に熱交換器等を配置して、洗浄水ノズル17に供給する噴射液を所定の温度に調整する。
【0030】
図6〜図8に示すように、フィーダーブロック4は、平面視正方形の原料供給容器部31と、原料供給容器部31の下面に原料供給容器部31と一体的に形成された前後一対の脚部32、32と、各脚部32の内側に装着したスクリーン付チークプレート10から形成されている。
【0031】
上記フィーダーブロック4は、図6に示すように、原料供給容器部31を鉛直方向に貫通する漏斗状の原料供給孔33を有すると共に、原料供給容器部31の前後両側に原料供給孔33に達する2本の第1排出孔34,34を設けている。そして、原料供給孔33内に漏斗状のフィーダブロックに付帯したスクリーン(第2ウェッジワイヤスクリーンブロック)20を着脱自在に装着している。
【0032】
このため、第1排出孔34,34の入り口は、フィーダブロックに付帯したスクリーン20の側面によって覆われることになる。また、第1排液孔34,34の入り口は、原料供給孔33の周囲に設けた円環状の連通溝35によって連通されている。
【0033】
更に詳しく説明すると、フィーダブロックに付帯したスクリーン20は、一対の成形ロール5,5のくい込み点hより原料の流れの上流側であり、かつ、スクリーン付フィードホッパ4内に設けたフィードスクリュー3の先端付近に設けられる。符号tは、成形ロール5の中心O1を通る水平線に対する上記くい込み点hの角度である。
【0034】
他方、スクリーン付チークプレート10は、図10に示すように、その内面側に平板状のチークプレートに付帯したスクリーン(第3ウェッジワイヤスクリーンブロック)10aを設けている。このスクリーン10aは、スクリーン付チークプレート10の内面と段差がない状態、或いは、内面に対して凸でない状態となるようにスクリーン付チークプレート10の内面側に設けた溝部36内に装着されている。この溝部36には、フィーダーブロック4の脚部32,32を貫通する第2排出孔37が連通している。このため、第2排液孔37の入り口は、平板状のチークプレート付帯スクリーン10aによって覆われることになる。なお、チークプレート付帯スクリーン10aは、一対の成形ロール5,5のくい込み部の近傍に位置している。
【0035】
フィードホッパに付帯したスクリーン2a、フィーダブロックに付帯したスクリーン20、チークプレートに付帯したスクリーン10aは、図12に示すように、くさび形の断面をした金属製の線体41を細長い線又は棒状のスクリーン支持部材42上に等間隔に並べて目(スリット)43を形成した所謂ウェッジワイヤスクリーンであり、原料の目詰まりが少なく、かつ、スクリーン自体も強靱で隙間(スリット)の精度も高い構造となっている。
【0036】
フィーダブロックに付帯したスクリーン20は、図11に示すように、くさび形の線体41を多段に配して漏斗状にすると共に、その背面を上下方向に配した多数の金属製の細長い線又は棒状のスクリーン支持部材42に溶接により固着させた構造になっている。そして、大径部側にフランジ39を設けてフィーダーブロック4の原料供給容器31の上面に固定できるようになっている。なお、原料供給孔33が円筒状の場合には、円筒状に形成したフィーダブロックに付帯したスクリーンを適用する。
【0037】
本発明に係る造粒機100は、既に説明したように、スクリーン付フィードホッパ2と、その下方に配した2個一対の成形ロール5,5との間にフィーダーブロック4を組み入れている。そして、フィーダーブロック4の一対の脚部32,32の内面に装着した2個のスクリーン付チークプレート10,10を2個一対の成形ロール5,5の前後両端部に密着させてペレット成形時に圧搾された水の漏洩を防止するようになっている。また、2個一対の成形ロール5,5は、その外周面に造粒用のポケット(図示せず)を有している。
【0038】
また、図5は差圧発生機構のフロー図であり、図5中、符号2はスクリーン付フィードホッパ、6は圧力容器、9は固液分離装置、16は洗浄水循環ノズル、18は差圧付加用ブロワ、19は気液分離槽、aはパウダー、bは圧搾水、cはペレット、dはガス、eは洗浄水、Uは上流設備、Sは上流設備を示している。
【0039】
次に、上記造粒機100の作用について説明する。
【0040】
図4に示すように、ペレットの原料となる湿潤状態のパウダー(例えば、ガスハイドレート)aは、スクリーン付フィードホッパ2内に溜められる。そして、予め、形成ロール5,5を回転させる。この状態からフィードスクリュー3を回転させてパウダーaを形成ロール5,5に送り込む。スクリーン付フィードホッパ2内のパウダーは、成形ロール5,5に設けられたポケット(図示せず)で固められ、ペレットcとなる。
【0041】
パウダーaが固められる際に、パウダーa中のガスや水、液状の結合剤が、スクリーン付フィードホッパ2に設けられたスクリーン2aやフィーダーブロック4に設けられたスクリーン20、スクリーン付チークプレート10に設けられたスクリーン10aから排出される。
【0042】
排出された水bは、容器6の中に落ちて、圧搾水及び洗浄水排出用ノズル8を通り、下流の固液分離装置9に入る。成形したペレットcは、圧搾水bと共に、下流の固液分離装置9に入る。
【0043】
ペレットcの成形が始まると、差圧付加用ブロワ18を起動し、圧力計23の指示値を見ながら、容器6内のガスdを排出して圧力を下げる。この時の圧力差ΔPの目安は、20kPa〜1000kPaになるようにブロワ18の回転数又は流量を制御する。ブロワ18の流量を制御するために、ブロワ18の下流に弁を設けることもできる。
【0044】
ペレットcの成形を継続すると、スクリーン付フィードホッパ2のスクリーン2aと、フィーダーブロック4のフィーダーブロック付帯スクリーン20と、スクリーン付チークプレート10のスクリーン10aにパウダー(固形分)や、結合剤が固化して付着し、水や液状の結合剤の排出を妨げる。
【0045】
これらの物質が付着するのを防ぐため、固液分離装置9で分けられた圧搾水bを洗浄水循環ポンプ16で各スクリーン2a,20,10aに噴水する。洗浄水循環ポンプ16で汲み上げた圧搾水bは、スクリーン2a,20,10aに均一にかかるような構造を有する噴霧ノズル17を通り噴霧される。
【0046】
以上の説明では、本発明の方法を、造粒機に適用した場合について説明したが、これに限らず、例えば、原料をフレーク状に圧縮成形するコンパクターに適用することもできる。
【0047】
成形する原料は、パウダー及びパウダーに水や液状の結合材を含むものを指す。パウダーとしては、ハイドレート、塩化アンモニウム、塩化ナトリウム、有機ケイ酸塩、亜炭、ポリビニルクロライド、アクリルレジン、鉛、銅、アルミニウム、石灰、マグネシア、酸化鉄、銅化合物、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、焼きトロマイト、チタン、鉄鉱石、石炭、木炭、亜炭、コークス、ホタル石、リン鉱石、ニッケルバナジウム、鉄合金、ガラス製混合物、ナトリウム、カリウム化合物、プラスチック等を挙げることができる。
【0048】
また、結合材としては、水、ケイ酸ナトリウム、塑性樹脂、ニカワ、ゴム、でん粉、ベンナイト、タピオカ、グルコース、しょ糖、糖みつ等を挙げることができる。
【0049】
また、フィードホッパ付帯スクリーン2a、フィーダーブロック付帯スクリーン20、チークプレート付帯スクリーン10aのスリット12の方向は、鉛直方向、或いは、水平方向の何れの方向でもよい。
【0050】
更に、ウェッジワイヤスクリーンの代わりに気体若しくは液体を分離するためのフィルター(例えば、多孔質体)を使用することも考えられる。
【0051】
他方、図14はチークプレート10にウェッジワイヤスクリーン10aを適用したペレット状又はフレーク状物の製造装置であるが、図1に示す装置と同じ部位に同じ符号を付けて詳しい説明を省略する。
【0052】
また、図15は原料供給ホッパ2の下部にウェッジワイヤスクリーン45を設けたペレット状又はフレーク状物の製造装置であるが、図1に示す装置と同じ部位に同じ符号を付けて詳しい説明を省略する。尚、排液孔34の奥がウェッジワイヤ部になっている。
【0053】
更に、図16は原料供給ホッパ2の下部の外側であって2個一対の成形ロール5,5上である部分に溜まる液を抜くために、同所にウェッジワイヤスクリーン46を設けたペレット状又はフレーク状物の製造装置であるが、図1に示す装置と同じ部位に同じ符号を付けて詳しい説明を省略する。尚、排液孔47の奥がウェッジワイヤ部になっている。また、この実施態様では、必ずしも差圧や液噴霧を必須の要件としない。
【符号の説明】
【0054】
2 原料供給ホッパ
5 成形ロール
6 容器
【技術分野】
【0001】
本発明は、パウダーのみの原料、或いは、水や結合材等の液状物を含んだ原料をペレット又はフレーク状に圧搾成形するペレット又はフレーク状物の製造方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一対のロールの上方にホッパを配し、該ホッパの下部に一対のロールの前後両端部を覆う防水板を設けると共に前記防水板に排水手段を設け、原料であるガスハイドレートの圧搾成形により生じた圧搾水を排水するガスハイドレートペレット製造装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−269908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のガスハイドレートペレット製造装置に代表される造粒機(ブリケットマシン)、或いは、上記原料をフレーク状に圧搾成形するコンパクタ等の実用化を達成するためには、排水効率を従来よりも高めると共に、長期にわたって連続した安定運転を目指すことが求められている。
【0005】
本発明は、係る要望を満たすものであり、排水効率を従来よりも高めると共に、長期にわたって連続した安定運転を実施することができるペレット又はフレーク状物の製造方法及び装置を提供することにある。
【0006】
成形ロールの回転数とペレットの製造量の関係は、模式的に表すと、図13のようになる。すなわち、成形ロールの回転数が増大すると、ペレットの製造量も増大するが、この時、図示しないが、圧搾水量も増大する。そのため、圧搾水の排水率を向上させれば(図13の排水率の実線→一点鎖線)、製造量の低下を免れることができる(図13の製造量の実線→破線)。これらの問題を解決するために、本件の発明はなされた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の請求項1に係るペレット状又はフレーク状物の製造方法は、原料供給ホッパの下方に設置した2個一対の成形ロールによってペレット状又はフレーク状の製品を製造するペレット状又はフレーク状物の製造方法において、前記2個一対の成形ロールを容器内に収容後、該容器内の圧力を前記原料供給ホッパ内の圧力よりも低減させて、前記容器と前記原料供給ホッパとの間に圧力差を生じさせることを特徴とするものである。
【0008】
本願の請求項2に係るペレット状又はフレーク状物の製造方法は、前記2個一対の成形ロールを容器内に収容後、該容器内の圧力を前記原料供給ホッパ内の圧力よりも低減させて、前記容器と前記原料供給ホッパとの間に圧力差を生じさせる一方、製品の圧搾成形時に生じた液状物を濾過するスクリーンに対して所定の温度に温度調整された洗浄液を吹きつけることを特徴とするものである。
【0009】
本願の請求項3に係るペレット状又はフレーク状物の製造装置は、原料供給ホッパの下方に設置した2個一対の成形ロールによってペレット状又はフレーク状の製品を製造するペレット状又はフレーク状物の製造装置において、前記2個一対の成形ロールを容器内に収容し、該容器内のガスを前記原料供給ホッパ内に強制的に排出して、前記容器と前記原料供給ホッパとの間に圧力差を生じさせることを特徴とするものである。
【0010】
本願の請求項4に係るペレット状又はフレーク状物の製造装置は、前記2個一対の成形ロールを容器内に収容し、該容器内のガスを前記原料供給ホッパ内に強制的に排出して、前記容器と前記原料供給ホッパとの間に圧力差を生じさせ、更に、製品の圧搾成形時に生じた液状物を濾過するスクリーンに対して所定の温度に温度調整された洗浄液を吹きつける洗浄水ノズルを設置させたことを特徴とするものである。
【0011】
本願の請求項5に係るペレット状又はフレーク状物の製造装置は、前記2個一対の成形ロールを容器内に収容し、該容器内のガスを前記原料供給ホッパ内に強制的に排出して、前記容器と前記原料供給ホッパとの間に圧力差を生じさせ、更に、製品の圧搾成形時に生じた液状物を濾過するスクリーンに対して所定の温度に温度調整された洗浄液を吹きつける洗浄水ノズルを設置させ、かつ、前記スクリーンがウェッジワイヤスクリーン又は多孔質体であることを特徴とするものである。
【0012】
本願の請求項6に係るペレット状又はフレーク状物の製造装置は、前記2個一対の成形ロールを容器内に収容し、該容器内のガスを前記原料供給ホッパ内に強制的に排出して、前記容器と前記原料供給ホッパとの間に圧力差を生じさせ、かつ、前記原料供給ホッパと2個一対の成形ロールとの間に組み付けたフィーダーブロック、及び前記原料供給ホッパにウェッジワイヤ製のスクリーンを設置したことを特徴とするものである。
【0013】
本願の請求項7に係るペレット状又はフレーク状物の製造装置は、前記2個一対の成形ロールを容器内に収容し、該容器内のガスを前記原料供給ホッパ内に強制的に排出して、前記容器と前記原料供給ホッパとの間に圧力差を生じさせ、かつ、前記原料供給ホッパと2個一対の成形ロールとの間に組み付けたフィーダーブロックにチークプレートを装着すると共に、該チークプレートにウェッジワイヤ製のスクリーンを設置したことを特徴とするものである。
【0014】
本願の請求項8に係るペレット状又はフレーク状物の製造装置は、前記2個一対の成形ロールを容器内に収容し、該容器内のガスを前記原料供給ホッパ内に強制的に排出して、前記容器と前記原料供給ホッパとの間に圧力差を生じさせ、かつ、前記原料供給ホッパの下部で、且つ、前記原料供給ホッパ内に設けたフィードスクリューの先端部に対応する部分にウェッジワイヤ製のスクリーンを設置したことを特徴とするものである。
【0015】
本願の請求項9に係るペレット状又はフレーク状物の製造装置は、前記2個一対の成形ロールを容器内に収容し、該容器内のガスを前記原料供給ホッパ内に強制的に排出して、前記容器と前記原料供給ホッパとの間に圧力差を生じさせ、かつ、前記原料供給ホッパの下部の外側であって前記2個一対の成形ロール上である部分がウェッジワイヤ製のスクリーンになっていることを特徴とするものである。
【0016】
本願の請求項10に係るペレット状又はフレーク状物の製造装置は、原料供給ホッパの下方に設置した2個一対の成形ロールによってペレット状又はフレーク状の製品を製造するペレット状又はフレーク状物の製造装置において、前記原料供給ホッパの下部の外側であって前記2個一対の成形ロール上である部分がウェッジワイヤ製のスクリーンになっていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
上記のように、2個一対の成形ロールを容器内に収容後、前記容器内の圧力を原料供給ホッパ内の圧力よりも低減させて、容器と原料供給ホッパとの間に圧力差を生じさせるため、製品の圧搾成形時に生じた液状物を、従来よりも効率的に排出することが可能になった。
【0018】
また、製品の圧搾成形時に生じた液状物を洗浄液として、濾過又は脱水用スクリーンに吹きつけることにより、前記スクリーンの目詰まりを防止して長期にわたって安定した運転が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る造粒機の一部断面を含む正面図である。
【図2】本発明に係る造粒機の一部断面を含む側面図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】本発明に係る造粒機の作用説明図である。
【図5】差圧発生機構のフロー図である。
【図6】図7のB−B断面図である。
【図7】ベースブロックの平面図である。
【図8】図6のC−C断面図である。
【図9】チークプレートの正面図である。
【図10】図9のD−D断面図である。
【図11】漏斗状のウェッジワイヤスクリーンブロックの一部断面を含む側面図である。
【図12】ウェッジワイヤスクリーンの要部拡大断面図である。
【図13】成形ロール回転数とペレット製造量及び排水率の関係を示す図である。
【図14】本発明に係る造粒機の他の一例の一部断面を含む正面図である。
【図15】本発明に係る造粒機の更に他の一例の一部断面を含む正面図である。
【図16】本発明に係る造粒機の更に他の一例の一部断面を含む正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。尚、この実施の形態では、湿り気のあるガスハイドレートをペレットに成形する場合を例に採る。
【0021】
図1に示すように、本発明に係る造粒機100は、スクリーン付フィードホッパ(原料供給ホッパ)2と、その下方に配した2個一対の成形ロール5,5との間にフィーダーブロック(ベースブロック)4を組み入れている。図1中、符号2aはフィードホッパに付帯したスクリーンを示している。
【0022】
2個一対の成形ロール5,5は、容器6内に収容されているが、容器6内の圧力P2をスクリーン付フィードホッパ2内の圧力P1よりも低くして容器6内と原料供給ホッパ2との間に圧力差ΔPを生じさせている。
【0023】
ここで、圧力差ΔPの目安は、20kPa〜1000kPaの範囲が望ましい。圧力差ΔPが20kPa未満の場合は、圧力差ΔPが少ないことから、原料の圧搾成形により生じた水の排水が滞るようになる。他方、圧力差ΔPが1000kPaを超える場合は、圧力差ΔPが大きくなることから、原料の圧搾成形により生じた水と連れ立って原料のガスハイドレートの一部が流出する事態が発生する。
【0024】
図2に示すように、各成形ロール5は、成形ロール用電動機11によって駆動される。図2中、符号12,14はギヤボックス、13は軸封装置、15は成形ロール軸受を示している。
【0025】
また、図3に示すように、スクリーン付フィードホッパ2内に設けたフィードスクリュー3は、フィードスクリュー用電動機1によって駆動される。また、このフィードスクリュー3には、スクレーパ21が装着されている。
【0026】
また、図4に示すように、容器6は、配管25を介してスクリーン付フィードホッパ2と連通している。上記配管25には、気液分離槽19及び差圧付加用ブロワ18が設けられ、容器6内と原料供給ホッパ2との間に圧力差ΔPを生じさせるようになっている。
【0027】
図1に示すように、容器6は、その下方に固液分離装置9を設けている。固液分離装置9は、ペレット排出用ノズル7と、その両側に設けた一対の圧搾水及び洗浄水排出用ノズル8によって容器6の内部と連通している。尚、ペレット排出用ノズル7は、その上端部が容器6の底部よりも容器6の中に突出している。
【0028】
上記固液分離装置9は、図4に示すように、その内部がスクリーン26によって上下に二分され、ペレットcと圧搾水b及び洗浄水eとを分離するようになっている。この固液分離装置9は、筒形に形成され、紙面を貫通する方向に延長されている。スクリーン26としては、ウェッジワイヤスクリーン製のものが望ましい。
【0029】
また、容器6内に設けた洗浄水ノズル17は、フィードホッパに付帯したスクリーン2a、フィーダブロックに付帯したスクリーン20、チークプレートに付帯したスクリーン10aに向けられている。洗浄水ノズル17は、配管27を介して固液分離装置9の下方部分と連通し、配管27の途中に設けた洗浄水循環ポンプ16によってスクリーン26の下方に溜まった圧搾水b及び洗浄水eが供給されるようになっている。その際、配管27上に熱交換器等を配置して、洗浄水ノズル17に供給する噴射液を所定の温度に調整する。
【0030】
図6〜図8に示すように、フィーダーブロック4は、平面視正方形の原料供給容器部31と、原料供給容器部31の下面に原料供給容器部31と一体的に形成された前後一対の脚部32、32と、各脚部32の内側に装着したスクリーン付チークプレート10から形成されている。
【0031】
上記フィーダーブロック4は、図6に示すように、原料供給容器部31を鉛直方向に貫通する漏斗状の原料供給孔33を有すると共に、原料供給容器部31の前後両側に原料供給孔33に達する2本の第1排出孔34,34を設けている。そして、原料供給孔33内に漏斗状のフィーダブロックに付帯したスクリーン(第2ウェッジワイヤスクリーンブロック)20を着脱自在に装着している。
【0032】
このため、第1排出孔34,34の入り口は、フィーダブロックに付帯したスクリーン20の側面によって覆われることになる。また、第1排液孔34,34の入り口は、原料供給孔33の周囲に設けた円環状の連通溝35によって連通されている。
【0033】
更に詳しく説明すると、フィーダブロックに付帯したスクリーン20は、一対の成形ロール5,5のくい込み点hより原料の流れの上流側であり、かつ、スクリーン付フィードホッパ4内に設けたフィードスクリュー3の先端付近に設けられる。符号tは、成形ロール5の中心O1を通る水平線に対する上記くい込み点hの角度である。
【0034】
他方、スクリーン付チークプレート10は、図10に示すように、その内面側に平板状のチークプレートに付帯したスクリーン(第3ウェッジワイヤスクリーンブロック)10aを設けている。このスクリーン10aは、スクリーン付チークプレート10の内面と段差がない状態、或いは、内面に対して凸でない状態となるようにスクリーン付チークプレート10の内面側に設けた溝部36内に装着されている。この溝部36には、フィーダーブロック4の脚部32,32を貫通する第2排出孔37が連通している。このため、第2排液孔37の入り口は、平板状のチークプレート付帯スクリーン10aによって覆われることになる。なお、チークプレート付帯スクリーン10aは、一対の成形ロール5,5のくい込み部の近傍に位置している。
【0035】
フィードホッパに付帯したスクリーン2a、フィーダブロックに付帯したスクリーン20、チークプレートに付帯したスクリーン10aは、図12に示すように、くさび形の断面をした金属製の線体41を細長い線又は棒状のスクリーン支持部材42上に等間隔に並べて目(スリット)43を形成した所謂ウェッジワイヤスクリーンであり、原料の目詰まりが少なく、かつ、スクリーン自体も強靱で隙間(スリット)の精度も高い構造となっている。
【0036】
フィーダブロックに付帯したスクリーン20は、図11に示すように、くさび形の線体41を多段に配して漏斗状にすると共に、その背面を上下方向に配した多数の金属製の細長い線又は棒状のスクリーン支持部材42に溶接により固着させた構造になっている。そして、大径部側にフランジ39を設けてフィーダーブロック4の原料供給容器31の上面に固定できるようになっている。なお、原料供給孔33が円筒状の場合には、円筒状に形成したフィーダブロックに付帯したスクリーンを適用する。
【0037】
本発明に係る造粒機100は、既に説明したように、スクリーン付フィードホッパ2と、その下方に配した2個一対の成形ロール5,5との間にフィーダーブロック4を組み入れている。そして、フィーダーブロック4の一対の脚部32,32の内面に装着した2個のスクリーン付チークプレート10,10を2個一対の成形ロール5,5の前後両端部に密着させてペレット成形時に圧搾された水の漏洩を防止するようになっている。また、2個一対の成形ロール5,5は、その外周面に造粒用のポケット(図示せず)を有している。
【0038】
また、図5は差圧発生機構のフロー図であり、図5中、符号2はスクリーン付フィードホッパ、6は圧力容器、9は固液分離装置、16は洗浄水循環ノズル、18は差圧付加用ブロワ、19は気液分離槽、aはパウダー、bは圧搾水、cはペレット、dはガス、eは洗浄水、Uは上流設備、Sは上流設備を示している。
【0039】
次に、上記造粒機100の作用について説明する。
【0040】
図4に示すように、ペレットの原料となる湿潤状態のパウダー(例えば、ガスハイドレート)aは、スクリーン付フィードホッパ2内に溜められる。そして、予め、形成ロール5,5を回転させる。この状態からフィードスクリュー3を回転させてパウダーaを形成ロール5,5に送り込む。スクリーン付フィードホッパ2内のパウダーは、成形ロール5,5に設けられたポケット(図示せず)で固められ、ペレットcとなる。
【0041】
パウダーaが固められる際に、パウダーa中のガスや水、液状の結合剤が、スクリーン付フィードホッパ2に設けられたスクリーン2aやフィーダーブロック4に設けられたスクリーン20、スクリーン付チークプレート10に設けられたスクリーン10aから排出される。
【0042】
排出された水bは、容器6の中に落ちて、圧搾水及び洗浄水排出用ノズル8を通り、下流の固液分離装置9に入る。成形したペレットcは、圧搾水bと共に、下流の固液分離装置9に入る。
【0043】
ペレットcの成形が始まると、差圧付加用ブロワ18を起動し、圧力計23の指示値を見ながら、容器6内のガスdを排出して圧力を下げる。この時の圧力差ΔPの目安は、20kPa〜1000kPaになるようにブロワ18の回転数又は流量を制御する。ブロワ18の流量を制御するために、ブロワ18の下流に弁を設けることもできる。
【0044】
ペレットcの成形を継続すると、スクリーン付フィードホッパ2のスクリーン2aと、フィーダーブロック4のフィーダーブロック付帯スクリーン20と、スクリーン付チークプレート10のスクリーン10aにパウダー(固形分)や、結合剤が固化して付着し、水や液状の結合剤の排出を妨げる。
【0045】
これらの物質が付着するのを防ぐため、固液分離装置9で分けられた圧搾水bを洗浄水循環ポンプ16で各スクリーン2a,20,10aに噴水する。洗浄水循環ポンプ16で汲み上げた圧搾水bは、スクリーン2a,20,10aに均一にかかるような構造を有する噴霧ノズル17を通り噴霧される。
【0046】
以上の説明では、本発明の方法を、造粒機に適用した場合について説明したが、これに限らず、例えば、原料をフレーク状に圧縮成形するコンパクターに適用することもできる。
【0047】
成形する原料は、パウダー及びパウダーに水や液状の結合材を含むものを指す。パウダーとしては、ハイドレート、塩化アンモニウム、塩化ナトリウム、有機ケイ酸塩、亜炭、ポリビニルクロライド、アクリルレジン、鉛、銅、アルミニウム、石灰、マグネシア、酸化鉄、銅化合物、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、焼きトロマイト、チタン、鉄鉱石、石炭、木炭、亜炭、コークス、ホタル石、リン鉱石、ニッケルバナジウム、鉄合金、ガラス製混合物、ナトリウム、カリウム化合物、プラスチック等を挙げることができる。
【0048】
また、結合材としては、水、ケイ酸ナトリウム、塑性樹脂、ニカワ、ゴム、でん粉、ベンナイト、タピオカ、グルコース、しょ糖、糖みつ等を挙げることができる。
【0049】
また、フィードホッパ付帯スクリーン2a、フィーダーブロック付帯スクリーン20、チークプレート付帯スクリーン10aのスリット12の方向は、鉛直方向、或いは、水平方向の何れの方向でもよい。
【0050】
更に、ウェッジワイヤスクリーンの代わりに気体若しくは液体を分離するためのフィルター(例えば、多孔質体)を使用することも考えられる。
【0051】
他方、図14はチークプレート10にウェッジワイヤスクリーン10aを適用したペレット状又はフレーク状物の製造装置であるが、図1に示す装置と同じ部位に同じ符号を付けて詳しい説明を省略する。
【0052】
また、図15は原料供給ホッパ2の下部にウェッジワイヤスクリーン45を設けたペレット状又はフレーク状物の製造装置であるが、図1に示す装置と同じ部位に同じ符号を付けて詳しい説明を省略する。尚、排液孔34の奥がウェッジワイヤ部になっている。
【0053】
更に、図16は原料供給ホッパ2の下部の外側であって2個一対の成形ロール5,5上である部分に溜まる液を抜くために、同所にウェッジワイヤスクリーン46を設けたペレット状又はフレーク状物の製造装置であるが、図1に示す装置と同じ部位に同じ符号を付けて詳しい説明を省略する。尚、排液孔47の奥がウェッジワイヤ部になっている。また、この実施態様では、必ずしも差圧や液噴霧を必須の要件としない。
【符号の説明】
【0054】
2 原料供給ホッパ
5 成形ロール
6 容器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料供給ホッパの下方に設置した2個一対の成形ロールによってペレット状又はフレーク状の製品を製造するペレット状又はフレーク状物の製造方法において、前記2個一対の成形ロールを容器内に収容後、該容器内の圧力を前記原料供給ホッパ内の圧力よりも低減させて、前記容器と前記原料供給ホッパとの間に圧力差を生じさせることを特徴とするペレット状又はフレーク状物の製造方法。
【請求項2】
前記2個一対の成形ロールを容器内に収容後、該容器内の圧力を前記原料供給ホッパ内の圧力よりも低減させて、前記容器と前記原料供給ホッパとの間に圧力差を生じさせる一方、製品の圧搾成形時に生じた液状物を濾過するスクリーンに対して所定の温度に温度調整された洗浄液を吹きつけることを特徴とする請求項1記載のペレット状又はフレーク状物の製造方法。
【請求項3】
原料供給ホッパの下方に設置した2個一対の成形ロールによってペレット状又はフレーク状の製品を製造するペレット状又はフレーク状物の製造装置において、前記2個一対の成形ロールを容器内に収容し、該容器内のガスを前記原料供給ホッパ内に強制的に排出して、前記容器と前記原料供給ホッパとの間に圧力差を生じさせることを特徴とするペレット状又はフレーク状物の製造装置。
【請求項4】
前記2個一対の成形ロールを容器内に収容し、該容器内のガスを前記原料供給ホッパ内に強制的に排出して、前記容器と前記原料供給ホッパとの間に圧力差を生じさせ、更に、製品の圧搾成形時に生じた液状物を濾過するスクリーンに対して所定の温度に温度調整された洗浄液を吹きつける洗浄水ノズルを設置させたことを特徴とする請求項3記載のペレット状又はフレーク状物の製造装置。
【請求項5】
前記2個一対の成形ロールを容器内に収容し、該容器内のガスを前記原料供給ホッパ内に強制的に排出して、前記容器と前記原料供給ホッパとの間に圧力差を生じさせ、更に、製品の圧搾成形時に生じた液状物を濾過するスクリーンに対して所定の温度に温度調整された洗浄液を吹きつける洗浄水ノズルを設置させ、かつ、前記スクリーンがウェッジワイヤスクリーン又は多孔質体であることを特徴とする請求項3又は4記載のペレット状又はフレーク状物の製造装置。
【請求項6】
前記2個一対の成形ロールを容器内に収容し、該容器内のガスを前記原料供給ホッパ内に強制的に排出して、前記容器と前記原料供給ホッパとの間に圧力差を生じさせ、かつ、前記原料供給ホッパと2個一対の成形ロールとの間に組み付けたフィーダーブロック、及び前記原料供給ホッパにウェッジワイヤ製のスクリーンを設置したことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載のペレット状又はフレーク状物の製造装置。
【請求項7】
前記2個一対の成形ロールを容器内に収容し、該容器内のガスを前記原料供給ホッパ内に強制的に排出して、前記容器と前記原料供給ホッパとの間に圧力差を生じさせ、かつ、前記原料供給ホッパと2個一対の成形ロールとの間に組み付けたフィーダーブロックにチークプレートを装着すると共に、該チークプレートにウェッジワイヤ製のスクリーンを設置したことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載のペレット状又はフレーク状物の製造装置。
【請求項8】
前記2個一対の成形ロールを容器内に収容し、該容器内のガスを前記原料供給ホッパ内に強制的に排出して、前記容器と前記原料供給ホッパとの間に圧力差を生じさせ、かつ、前記原料供給ホッパの下部で、且つ、前記原料供給ホッパ内に設けたフィードスクリューの先端部に対応する部分にウェッジワイヤ製のスクリーンを設置したことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載のペレット状又はフレーク状物の製造装置。
【請求項9】
前記2個一対の成形ロールを容器内に収容し、該容器内のガスを前記原料供給ホッパ内に強制的に排出して、前記容器と前記原料供給ホッパとの間に圧力差を生じさせ、かつ、前記原料供給ホッパの下部の外側であって前記2個一対の成形ロール上である部分がウェッジワイヤ製のスクリーンになっていることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載のペレット状又はフレーク状物の製造装置。
【請求項10】
原料供給ホッパの下方に設置した2個一対の成形ロールによってペレット状又はフレーク状の製品を製造するペレット状又はフレーク状物の製造装置において、前記原料供給ホッパの下部の外側であって前記2個一対の成形ロール上である部分がウェッジワイヤ製のスクリーンになっていることを特徴とするペレット状又はフレーク状物の製造装置。
【請求項1】
原料供給ホッパの下方に設置した2個一対の成形ロールによってペレット状又はフレーク状の製品を製造するペレット状又はフレーク状物の製造方法において、前記2個一対の成形ロールを容器内に収容後、該容器内の圧力を前記原料供給ホッパ内の圧力よりも低減させて、前記容器と前記原料供給ホッパとの間に圧力差を生じさせることを特徴とするペレット状又はフレーク状物の製造方法。
【請求項2】
前記2個一対の成形ロールを容器内に収容後、該容器内の圧力を前記原料供給ホッパ内の圧力よりも低減させて、前記容器と前記原料供給ホッパとの間に圧力差を生じさせる一方、製品の圧搾成形時に生じた液状物を濾過するスクリーンに対して所定の温度に温度調整された洗浄液を吹きつけることを特徴とする請求項1記載のペレット状又はフレーク状物の製造方法。
【請求項3】
原料供給ホッパの下方に設置した2個一対の成形ロールによってペレット状又はフレーク状の製品を製造するペレット状又はフレーク状物の製造装置において、前記2個一対の成形ロールを容器内に収容し、該容器内のガスを前記原料供給ホッパ内に強制的に排出して、前記容器と前記原料供給ホッパとの間に圧力差を生じさせることを特徴とするペレット状又はフレーク状物の製造装置。
【請求項4】
前記2個一対の成形ロールを容器内に収容し、該容器内のガスを前記原料供給ホッパ内に強制的に排出して、前記容器と前記原料供給ホッパとの間に圧力差を生じさせ、更に、製品の圧搾成形時に生じた液状物を濾過するスクリーンに対して所定の温度に温度調整された洗浄液を吹きつける洗浄水ノズルを設置させたことを特徴とする請求項3記載のペレット状又はフレーク状物の製造装置。
【請求項5】
前記2個一対の成形ロールを容器内に収容し、該容器内のガスを前記原料供給ホッパ内に強制的に排出して、前記容器と前記原料供給ホッパとの間に圧力差を生じさせ、更に、製品の圧搾成形時に生じた液状物を濾過するスクリーンに対して所定の温度に温度調整された洗浄液を吹きつける洗浄水ノズルを設置させ、かつ、前記スクリーンがウェッジワイヤスクリーン又は多孔質体であることを特徴とする請求項3又は4記載のペレット状又はフレーク状物の製造装置。
【請求項6】
前記2個一対の成形ロールを容器内に収容し、該容器内のガスを前記原料供給ホッパ内に強制的に排出して、前記容器と前記原料供給ホッパとの間に圧力差を生じさせ、かつ、前記原料供給ホッパと2個一対の成形ロールとの間に組み付けたフィーダーブロック、及び前記原料供給ホッパにウェッジワイヤ製のスクリーンを設置したことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載のペレット状又はフレーク状物の製造装置。
【請求項7】
前記2個一対の成形ロールを容器内に収容し、該容器内のガスを前記原料供給ホッパ内に強制的に排出して、前記容器と前記原料供給ホッパとの間に圧力差を生じさせ、かつ、前記原料供給ホッパと2個一対の成形ロールとの間に組み付けたフィーダーブロックにチークプレートを装着すると共に、該チークプレートにウェッジワイヤ製のスクリーンを設置したことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載のペレット状又はフレーク状物の製造装置。
【請求項8】
前記2個一対の成形ロールを容器内に収容し、該容器内のガスを前記原料供給ホッパ内に強制的に排出して、前記容器と前記原料供給ホッパとの間に圧力差を生じさせ、かつ、前記原料供給ホッパの下部で、且つ、前記原料供給ホッパ内に設けたフィードスクリューの先端部に対応する部分にウェッジワイヤ製のスクリーンを設置したことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載のペレット状又はフレーク状物の製造装置。
【請求項9】
前記2個一対の成形ロールを容器内に収容し、該容器内のガスを前記原料供給ホッパ内に強制的に排出して、前記容器と前記原料供給ホッパとの間に圧力差を生じさせ、かつ、前記原料供給ホッパの下部の外側であって前記2個一対の成形ロール上である部分がウェッジワイヤ製のスクリーンになっていることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載のペレット状又はフレーク状物の製造装置。
【請求項10】
原料供給ホッパの下方に設置した2個一対の成形ロールによってペレット状又はフレーク状の製品を製造するペレット状又はフレーク状物の製造装置において、前記原料供給ホッパの下部の外側であって前記2個一対の成形ロール上である部分がウェッジワイヤ製のスクリーンになっていることを特徴とするペレット状又はフレーク状物の製造装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−250163(P2012−250163A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−123817(P2011−123817)
【出願日】平成23年6月1日(2011.6.1)
【出願人】(000005902)三井造船株式会社 (1,723)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月1日(2011.6.1)
【出願人】(000005902)三井造船株式会社 (1,723)
【Fターム(参考)】
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