ペンダント呈色指示薬を有する官能性ポリマー

1つ以上のペンダント反応性官能基を有するポリマーと、共反応性官能基を有する呈色指示薬との反応生成物を含む、官能化ポリマーが開示される。該呈色指示薬の該共反応性官能基は、該ポリマーの該反応性官能基と反応し、共有結合を形成することができる。したがって、該呈色指示薬は、該ポリマーからペンダント状になっている。該呈色指示薬は、関連刺激物の存在下で、視覚的に識別することができる色変化をもたらす能力を維持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、刺激物の存在下で色変化をもたらすための官能化ポリマーに関する。
【背景技術】
【0002】
呈色指示薬は、特定の刺激物の存在に応じて、視覚的に識別することができる指標を提供するために使用される。例えば、ニンヒドリン(1,2,3−トリケト−ヒドリンデン水和物)は、呈色指示薬である。ニンヒドリンは、アミノ酸類、アミン類、及びアミノ糖類を検出するための試薬として認識されている。アミン類と反応する際、ルーへマン紫と呼ばれる藍色又は紫色の生成物が形成される。ニンヒドリンから共役ルーへマン紫への反応が、以下に示される。
【0003】
【化1】

【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
呈色指示薬は、関連刺激物を含有する表面に、直接、暴露することができる。しかしながら、直接、表面に暴露することにより、表面上の変色した呈色指示薬が表面上に残留し、表面に染色被害をもたらす場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
呈色指示薬は、刺激物と相互作用を起こして視覚的に識別することができる色変化をもたらす、1つ以上の化学化合物である。色変化は、通常の可視光線条件下で可視的であり得るか、又はUV条件下等の可視光線条件以外で可視的であり得る。例えば、幾つかの呈色指示薬は、紫外線下でのみ可視的である、蛍光を生じる。呈色指示薬の一例は、ニンヒドリンである。ニンヒドリンは、タンパク質類、アミノ酸類、アミン類、及びアミノ糖類の存在下で反応し、色変化をもたらす。
【0006】
呈色指示薬をポリマーに化学的に結合することによって、刺激物の存在下で色変化をもたらすことができるポリマーを生成することができる。フィルム形成又は繊維形成ポリマーでは、刺激物の存在下で色変化をもたらすフィルム又は繊維を形成することができる。しかしながら、呈色指示薬がポリマーに結合されるため、呈色指示薬は、刺激物を含有する表面上に放出されない。したがって、ポリマーの骨格に固定される官能性呈色指示薬は、残留する。
【0007】
1つ以上のペンダント反応性官能基を有するポリマーと、共反応性官能基を有する呈色指示薬との反応生成物を含む、官能化ポリマーが開示される。呈色指示薬の共反応性官能基は、ポリマーの反応性官能基と反応し、共有結合を形成することができる。したがって、呈色指示薬は、ポリマーからペンダント状になっている。呈色指示薬は、関連刺激物の存在下で、視覚的に識別することができる色変化をもたらす能力を維持する。一実施形態では、呈色指示薬は、官能化ニンヒドリンである。一実施形態では、ポリマーの反応性官能基は、ヒドロキシル基である。一実施形態では、ポリマーの反応性官能基は、アジリジン基である。一実施形態では、ニンヒドリンの共反応性官能基は、カルボン酸である。一実施形態では、ペンダント反応性官能基は、ポリマーに共有結合する。一実施形態では、ペンダント反応性官能基は、ポリマー内で、分子レベルで絡み合う。
【0008】
一実施形態では、ペンダント呈色指示薬を有する官能性ポリマーからフィルム又は繊維が形成される。一実施形態では、ペンダント呈色指示薬を有する官能性ポリマーを含む繊維から不織布物品が形成される。
【0009】
一実施形態では、フィルム形成又は繊維形成ポリマーは、ペンダントアジリジン基を含む。ペンダントアジリジン基は、呈色指示薬の共反応性官能基と結合するための反応性官能基として機能し得る。
【発明を実施するための形態】
【0010】
呈色指示薬は、色変化をもたらし、表面上の物質の存在又は不在についての指標を与えるために、指示薬を用いて色変化をもたらすことができる関連刺激物を含有する表面に暴露することができる。刺激物は、特定の呈色指示薬に反応を生じさせる、pH、タンパク質、アミン、グルコースを含む糖、又はヘモグロビン/ミオグロビンであってもよい。例えば、呈色指示薬がアミノ基に反応する場合、呈色指示薬は、肉系タンパク質に反応する。タンパク質は、肉中に存在する。牛肉等の肉製品は、大腸菌を保菌することができ、鶏肉はサルモネラ菌を保菌することができる。したがって、アミノ基に反応する呈色指示薬は、肉又は肉残留物が存在し、大腸菌又はサルモネラ菌等の汚染が存在し得ることを示すことができる。
【0011】
ポリマーからペンダント状になっている官能化呈色指示薬は、呈色指示薬を刺激物に暴露できるようにし、呈色指示薬をポリマー上に固定する。ポリマーが基材の形態の場合、呈色指示薬を刺激物に暴露した後でも、呈色指示薬は、基材上に固定されたままであり、刺激物を含有する表面の染色を制限又は防止する。
【0012】
呈色指示薬の例には、ゲニピン、フルオレセイン、クマシーブルー、及びニンヒドリンが挙げられる。ニンヒドリンは、タンパク質の存在下で色変化をもたらすことができる、呈色指示薬の一例である。したがって、肉中に存在するタンパク質との反応によって、ニンヒドリンは、大腸菌又はサルモネラ菌の存在を示し得る。
【0013】
1つ以上のペンダント反応性官能基を有するポリマーと、共反応性官能基を有する呈色指示薬との反応生成物を含む、官能化ポリマーが開示される。呈色指示薬の共反応性官能基は、ポリマーの反応性官能基と反応し、共有結合を形成することができる。したがって、呈色指示薬は、ポリマーからペンダント状になっている。呈色指示薬は、関連刺激物の存在下で、視覚的に識別することができる色変化をもたらす能力を維持する。特に、ペンダントニンヒドリンを有する官能化ポリマーが開示される。
【0014】
I.ポリマー及び反応性官能基
ポリマーは、反応性官能基を含む。特に、ポリマーは、ポリマーからペンダント状になっており、したがって呈色指示薬上の共反応性官能基との反応に使用可能である反応性官能基を含む。一実施形態では、ポリマーは、ポリマーに共有結合した反応性官能基を含む。別の実施形態では、反応性官能基構成成分は、ポリマーの骨格内で、分子レベルで絡み合う。
【0015】
以下に示されるように、ポリマーは、共有結合した反応性官能基Yを含む。又、ポリマーは、ポリマーが単純な炭素直鎖以外のものであり得るため、一般的に示される。
【0016】
【化2】

【0017】
連結基Lは、含まれ、ポリマーと官能基Yとの間に位置してもよい。連結基L及び官能基Yを有するポリマーが以下に示される。
【0018】
【化3】

【0019】
以下に示されるように、反応性官能基Yを含む構成成分が、ポリマーの骨格内で、分子レベルで絡み合う、別の実施例である。反応性官能基Yを含む構成成分は、それ自体がポリマーであってもよく、オリゴマー又はモノマーであってもよい。また、任意の連結基Lが示される。本実施形態では、反応性官能基Yは、ポリマーに共有結合しない。しかしながら、反応性官能基は、ポリマー網目内で、分子レベルで絡み合い、ポリマーの一部である、ポリマーからペンダント状になっている、ポリマー内に含まれる、ポリマーに結合している、ないしは別の方法で本開示の目的のためのポリマーに化学的に関連していると見なされる。
【0020】
【化4】

【0021】
官能基Yは、呈色指示薬に関連する共反応性官能基Zと容易に反応することができる、いずれかの反応性官能基である。一実施形態では、反応性官能基は、アジリジンであり、したがってポリマーは、アジリジン含有ポリマーである。アジリジンは、追加試薬なく、穏やかな条件下で、カルボン酸基等の官能基類と容易に反応することができる、官能基である。アジリジン含有ポリマーが以下に示され、図中、R及びRは、独立して、H又はC〜Cアルキル基類であり、Lは、アジリジン基とポリマー主鎖との間の任意の連結基である。この場合もやはり、ポリマーは、ポリマーが単純な炭素直鎖以外のものであり得るため、一般的に示される。
【0022】
【化5】

【0023】
アジリジン含有ポリマーに達するために、様々な方法を使用することができる。アジリジン含有ポリマーを作製する一実施例は、ヒドロキシル基、アミン基、カルボキシル基等の好適な求核試薬を有するポリマーを、2つ以上のアジリジン含有官能基を含む化合物と反応させる工程を含む。ポリマーは、ポリエステルのような求核試薬を本質的に有してもよく、又はプラズマ処理若しくはコロナ処理によって、求核試薬を含むように改変することができる。反応は、ポリマーの求核試薬と結合しているアジリジン官能基、及びポリマーからペンダント状になっている1つ以上の未反応アジリジン基のうちの1つをもたらす。未反応アジリジン基は、以下により詳細に記載されるように、次いで呈色指示薬上の共反応基Zと反応することができる反応基Yを形成する。
【0024】
2つ以上のアジリジン基を有する化合物の例が以下に示される。TTMAPは、トリメチロールプロパントリス(3−(2−メチルアジリジノ)プロピオネート)であり、アルドリッチ・ケミカル社(Aldrich Chemical)から市販されており、TTAPは、トリメチロールプロパントリス(3−アジリジノプロピオネート)であり、和光純薬工業株式会社(Wako Pure Chemical)から市販されており、PTAPは、ペンタエリスリトールトリス(3−アジリジノプロピオネート)であり、和光純薬工業株式会社(Wako Pure Chemical)から市販されている。
【0025】
【化6】

【0026】
アジリジン含有ポリマーを生成する別の実施例は、ポリマーを、アジリジン含有化合物のアジリジン官能基以外の官能基と反応させることである。例えば、前掲のPTAPを用いて、ヒドロキシル官能基を、イソシアネート等の官能基を有するポリマーと反応させてもよい。
【0027】
アジリジン含有ポリマーを生成する別の実施例は、アジリジン含有ラジカル重合性モノマーを有するポリマーを、電子放射線、紫外線、γ線、又は組み合わせ等の電離放射線で処理することである。以下は、アジリジン含有モノマーの例であり、図中、Rは、H又はCHであり、Rは、H又はC〜Cアルキル基であり、Zは、0、1、又は2である。
【0028】
【化7】

【0029】
以下は、アジリジン含有モノマーの別の例であり、図中、Rは、H又はC〜Cアルキル基であり、Zは、0、1、又は2である。
【0030】
【化8】

【0031】
アジリジン含有モノマーの具体的な例が以下に示される。これらの2つのモノマーの合成は、実施例に見ることができる。
【0032】
【化9】

【0033】
別の実施形態では、アジリジン含有構成成分は、ポリマーの網目内で、分子レベルで絡み合う。以下に示されるもの等のアジリジン含有モノマーは、ポリマー繊維網目等のポリマー網目の存在下で、電離放射線又は熱等の好適な条件下で、別のモノマーと重合又は共重合される。
【0034】
【化10】

【0035】
好適なアジリジン含有ポリマーは、フィルム形成又は繊維形成ポリマーである。したがって、物品をアジリジン含有ポリマーでコーティングすることができる、又はアジリジン含有ポリマーから繊維を作製することができる。繊維は、物品に織り込まれる、若しくは編み込まれてもよく、又は不織布物品に形成することができる。
【0036】
別の実施形態では、反応性官能基は、ヒドロキシル官能基である。好適なヒドロキシル官能性ポリマー類には、多糖類が挙げられる。好適な多糖類には、レーヨン及びセルロース等のフィルム形成又は繊維形成多糖類が挙げられる。セルロースは、綿材、亜麻布材、麻布材、竹材、大豆材、木材を含むが、これらに限定されない、植物性繊維、材料、又はパルプ等の天然材料からのものであってもよい。好適な合成ヒドロキシル−官能性ポリマー類には、ポリ(エチレンビニルアルコール)コポリマー(PEVOH)、ポリ(プロピレンビニルアルコール)コポリマー(PPVOH)、PVA(ポリビニルアルコール)、PPA(ポリプロピレンアルコール)、及び遊離ヒドロキシル基類を含む他のコポリマー類が挙げられる。
【0037】
別の実施形態では、ポリマーは、フリーラジカル重合することができる不飽和官能基を有し、該官能基としては、アルケンが挙げられるが、これに限定されない。一実施形態では、不飽和ポリマーは、フィルム形成又は繊維形成ポリマーである。好適な不飽和ポリマー類には、1,2−ポリブタジエン、1,2−ポリイソプレン、クレイトン(KRATON)Dポリマー類、クレイトン(KRATON)FGポリマー類、及びクレイトン(KRATON)IRポリマー類が挙げられるが、これらに限定されない。
【0038】
別の実施形態では、ポリマーは、エポキシ基を含む。エポキシ基は、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミン基等の求核試薬と容易に反応する。
【0039】
一実施形態では、ポリマーは、基材を形成する。基材は、呈色指示薬を運搬するし、輸送するため、及び呈色指示薬を表面に暴露するための支持構造体を提供する、固体支持構造体である。基材は、基材が呈色指示薬の共反応性官能基に共有結合するための反応性官能基を含む限り、繊維、発泡体、若しくはスポンジ、又は様々なこれらの組み合わせから作製されるフィルム、紙、繊維、又は織布、編物、若しくは不織布物品であってもよい。
【0040】
II.呈色指示薬及び共反応性官能基
呈色指示薬は、ポリマー(上述)の反応性官能基Yと反応して共有結合を形成することができる、共反応性官能基Zを含む。呈色指示薬は、共反応性官能基を本質的に含んでもよく、又は共反応性官能基を含むように官能化されてもよい。いずれかの場合には、呈色指示薬は、ポリマーの反応基と結合している間、色変化をもたらす能力を維持しなければならない。
【0041】
呈色指示薬の一例は、ニンヒドリンである。ニンヒドリンは、ポリマーの反応性官能基Yと共有結合を形成することができる共反応性官能基Zを含むように官能化される。官能化ニンヒドリンが以下に示される。
【0042】
【化11】

【0043】
好適な共反応性官能基Zには、ヒドロキシル基、カルボン酸、又は脂肪族アルコール基が挙げられ、これらの全ては、ポリマーのヒドロキシル反応基又はアジリジン基と反応することができる。他の好適な共反応性官能基には、ポリマーのアルケン、アクリレート、メタクリレート、アルキン反応性官能基と反応するためのアルケン、アクリレート、メタクリレート、アルキンが挙げられる。
【0044】
一実施形態では、連結基Lは、呈色指示薬と共反応性官能基Zとの間に位置する。好適な連結基Lには、芳香族基、脂肪族炭素鎖、及び反復エチレングリコールが挙げられるが、これらに限定されない。連結基L及び共反応性官能基Zを含む官能化ニンヒドリンが以下に示される。
【0045】
【化12】

【0046】
カルボン酸を含む官能化ニンヒドリンの実施形態が以下に示される。一実施形態では、Xは、1〜20である。カルボン酸は、ニンヒドリン分子のベンゼン環に結合される。ポリマーの反応基との結合の後、より長い鎖のカルボン酸は、隣接して結合したニンヒドリン分子を刺激物の存在下で相互作用させ、より早い反応を達成させてルーヘマン紫共役を形成することにおいて、より一層の柔軟性を提供し得ると考えられる。
【0047】
【化13】

【0048】
ケタール基(ニンヒドリン内の第2の炭素)は、共役ルーヘマン紫を形成するために反応するニンヒドリンの一部である。このように、ニンヒドリンの色変化をもたらす能力を維持するために、ポリマーの反応性官能基に共有結合するための共反応性官能基を、C−2ケタール基の場所以外の位置に配置する必要がある。したがって、共反応基及び連結基は、含まれる場合、ニンヒドリンのベンゼン環に含まれる。ニンヒドリンのこの部分への配置は、刺激物の存在下で色変化をもたらす能力を妨げない。特に、共反応基及び連結基は、含まれる場合、ベンゼン環の5又は6位に位置する。
【0049】
III.ペンダント呈色指示薬を有する官能性ポリマー
呈色指示薬の共反応基Zは、官能性ポリマーの反応基Yに共有結合して、ペンダント呈色指示薬を有する官能性ポリマーを形成する。結合の後、共反応性官能基Zは、ポリマーの反応基に結合した構成要素としてZ’を形成し、反応性官能基Yは、ポリマー反応基に結合した構成要素としてY’を形成する。
【0050】
呈色指示薬がニンヒドリンである実施形態が以下に示される。一般的にベンゼン環上に位置する共反応基Z’が示される。共反応基Zは、ベンゼン環の5又は6位に配置されてもよいことが理解される。連結基L(図示せず)は、ポリマーと反応性官能基Yとの間に含まれてもよい。連結基L(図示せず)は、ニンヒドリンと共反応基Zとの間に含まれてもよい。ポリマー鎖は、一般的に示される。ポリマーは、2つ以上の結合した呈色指示薬を含み得ることが理解される。様々な化学構造がポリマーを含み得ることが理解される。
【0051】
【化14】

【0052】
呈色指示薬がフルオレセインである実施形態が以下に示される。一般的にベンゼン環上に位置する共反応基Z’が示される。共反応基Zは、ベンゼン環の5又は6位に配置されてもよいことが理解される。連結基L(図示せず)は、ポリマーと反応性官能基Yとの間に含まれてもよい。連結基L(図示せず)は、ニンヒドリンと共反応基Zとの間に含まれてもよい。ポリマー鎖は、一般的に示される。ポリマーは、2つ以上の結合した呈色指示薬を含み得ることが理解される。様々な化学構造がポリマーを含み得ることが理解される。
【0053】
【化15】

【0054】
反応基Yと共反応基Zとの間の共有結合の後、呈色指示薬は、刺激物の存在下で色変化をもたらす能力を維持する。共反応性官能基は、刺激物の存在下で色変化をもたらす呈色指示薬の能力を阻害するべきではない。
【0055】
共反応基Zが、ポリマーの反応性官能基に結合する際にZ’として示される、ニンヒドリン官能性ポリマーの一実施形態が以下に示される。本実施形態では、反応性官能基は、アジリジン基であったが、共反応性官能基に結合したアジリジンとして示される。R及びRは、独立して、H又はC〜Cアルキル基類である。ポリマー主鎖とアジリジンとの間に位置する任意の連結基Lが示される。図示されないが、連結基Lが、結合した共反応性官能基Z’とニンヒドリン分子との間に含まれてもよい。一般的にベンゼン環上に位置する、共反応性の結合した官能基Z’が示される。共反応性の結合した官能基Z’は、ベンゼン環の5又は6位に配置されてもよいことが理解される。上述のように、ポリマーは、一般的に示される。
【0056】
【化16】

【0057】
共反応基がカルボン酸であり、アジリジン基を含むポリマーに共有結合している、ニンヒドリン官能性ポリマーの実施形態が以下に示される。R及びRは、独立して、H又はC〜Cアルキル基類である。ポリマー主鎖と結合したアジリジンとの間に位置する任意の連結基Lが示される。一実施形態では、xは、1〜20である。一般的にベンゼン環上に位置する、共反応性の結合したカルボン酸基が示される。共反応性カルボン酸基は、ベンゼン環の5又は6位に配置されてもよいことが理解される。上述のように、より長い鎖のカルボン酸は、隣接して結合したニンヒドリンを刺激物と相互作用させ、それとのより早い反応を達成させてルーヘマン紫共役を形成することにおける、より一層の柔軟性を提供し得ると考えられる。上述のように、ポリマーは、一般的に示される。
【0058】
【化17】

【0059】
ポリマーの反応基類(ヒドロキシル、アルケン、アジリジン、エポキシル)の全てが共反応性官能基と反応し得るわけではなく、未反応の反応基類が残存し得ることが理解される。
【0060】
ニンヒドリン官能化ポリマーは、刺激物(タンパク質、アミン、アミノ酸等)の存在下で、共役反応してルーへマン紫を形成することができる。刺激物の存在下で、可視的な色変化が生じる。ルーへマン紫は、ポリマーに化学的に結合した状態で、色変化をもたらす。アジリジン含有ポリマーからの隣接したペンダントニンヒドリン分子、及び共役してルーへマン紫を形成した任意の連結基Lが以下に示される。R及びRは、独立して、H又はC〜Cアルキル基類である。図示されないが、連結基Lが、結合した共反応性官能基Z’とニンヒドリン分子との間に含まれてもよい。これは、刺激物の存在下で共役して色変化をもたらす、直接隣接したペンダントニンヒドリン分子ではない場合があることが理解される。
【0061】
【化18】

【0062】
IV.反応性物品
フィルム形成又は繊維形成ポリマー等の基材を形成するポリマーでは、ポリマー基材の反応基に共有結合した呈色指示薬の共反応基は、反応性物品をもたらす。そのような反応性物品では、ポリマーの反応基と呈色指示薬の共反応基との間に形成された共有結合、及び反応基とポリマーとの間の結合又は絡み合いが、呈色指示薬を基材にしっかりと固定する。換言すれば、刺激物への暴露及び達成されている色変化の後、呈色指示薬は、基材のポリマーに固定されたままであり、基材のポリマーから放出されず、刺激物を含有する表面上に染色をもたらす。
【0063】
反応性物品は、フィルム、紙、発泡体、スポンジ、又は織布、編物、若しくは不織布物品、あるいは織布、編物、若しくは不織布物品に作製することができる繊維であってもよい。一実施形態では、ペンダント呈色指示薬を有する官能化ポリマーは、織布、編物、又は不織布等の反応性物品を作製するために使用することができる繊維に処理される。参照することによって開示が本明細書に組み込まれる、2007年6月29日に出願された、名称が「指示繊維(An Indicating Fiber)」の米国特許出願第60/966,560号は、ニンヒドリン官能化ポリマーを繊維に処理するのに好適であり得る、繊維を作製するための様々な処理技術を開示する。
【0064】
反応性物品は、層の1つ、幾つか、若しくは全てがペンダント呈色指示薬を有する官能性ポリマーを含む、単層構造又は多層構造であってもよい。必ずしも全ての層がペンダント呈色指示薬を有する官能性ポリマーを含む必要ない。更に、単層内で、基材の構成成分の全てが反応基を含む必要はない。例えば、不織布物品を作製するために、ヒドロキシル又はアジリジン含有繊維が使用される場合、ポリプロピレン繊維のような熱可撓性繊維等の他の繊維が、ヒドロキシル含有繊維と混合されてもよい。ペンダント呈色指示薬を有する官能性ポリマーを含まない追加層は、フィルム、紙、発泡体、スポンジ、織布、編物、又は不織布材料を含んでもよい。追加層は、吸収剤層、研磨剤層、磨き剤層、及び/又は強化層であってもよい。異なる刺激物に暴露すると、異なる色応答を得ることができるように、2つ以上の呈色指示薬が、単一ポリマー又は単一反応性物品からペンダント状になっていてもよい。
【0065】
好適な一基材は、複数個の繊維から作製された不織布である。繊維は、反応基を本質的に含むか、又は反応基を含むように改変される。繊維は、不織布ウェブを形成するために、既知の技術によって処理されてもよい。ウェブは、反応性官能基を含む結合した呈色指示薬が、ポリマーの反応性官能基に共有結合され、刺激物への暴露を受けて色変化をもたらし得る限り、樹脂類、接着剤、研磨粒子、界面活性剤、油を含むことができる。一実施形態では、不織布は、磨くために、硬質かつ剛性であってもよく、研磨剤を含んでもよい。別の実施形態では、不織布は、可撓性であり、かつドレープ状にすることが可能であり、拭くために使用される。
【0066】
幾つかの実施形態では、基材は、石鹸、界面活性剤、香料、抗菌剤、抗カビ剤、抗微生物剤、又は消毒剤が充填された、乾燥した状態又はぬれた状態のものであってもよい。ぬれた状態では、基材に、水、アルコール類、洗剤、界面活性剤、抗菌剤、抗カビ剤、抗微生物剤、若しくは消毒剤、又はこれらの組み合わせの溶液を十分に染み込ませることができる。消毒剤は、掃除用途向けの基材に組み込むのに特に好適である。一般的表面の消毒剤は、アルコール類、ビグアニド類、カチオン性界面活性剤、及びハロゲン又はハロゲン含有化合物等の殺生物剤を含む。好適なアルコールには、水中70%のエタノール及びイソプロピルアルコール(IPA)[IPA/HO(70/30)、EtOH/H)O(70/30)]が挙げられる。好適なビグアニド類(クロルヘキシジン)には、ポリヘキサメチレンビグアニド、p−クロロフェニルビグアニド、及び4−クロロベンズヒドリルビグアニドが挙げられる。市販されているビグアニドには、アイオワ州フォートドッジ(Fort Dodge)のワイエス(Wyeth)から入手可能なノルバサン(Nolvasan)(登録商標)、及び米国のDVM製薬(DVM Pharmaceuticals)から入手可能なクロヘキシデルム(ChlorhexiDerm)(登録商標)消毒剤がある。カチオン性界面活性剤(四級アンモニウム化合物、クアッツ(Quats))の例には、ウィスコンシン州ランドルフ(Randolph)にあるヘス&クラーク(Hess & Clark)から入手可能なパルボゾル(Parvosol)(登録商標)、ニューヨーク州ニューヨーク(New York)にあるプファイツァー(Pfizer)から入手可能なロッカル−D(Roccal-D)(登録商標)プラス(Plus)、インディアナ州インディアナポリス(Indianapolis)にあるブルリン&カンパニー社(Brulin & Coompany Inc.)から入手可能なユニサイド(Unicide)(商標)256、及び塩化ベンザルコニウムが挙げられる。典型的なハロゲン又はハロゲン含有化合物は、塩素系又はヨウ素系のいずれかである。
【0067】
乾燥した状態又はぬれた状態のいずれかの充填された基材では、添加剤は、官能化ポリマーの化学的安定性、又は刺激物の存在下で色変化を生じさせる能力に悪影響を与えるべきではない。添加剤は、共反応性官能基を含む呈色指示薬の、官能性ポリマーに共有結合する能力を妨げるべきではない。
【0068】
反応性物品は、物質の存在を示す可視的な検出が望ましい様々な領域に使用することができる。該用途には、濾過、医療試験若しくは診断試験、又は掃除が挙げられる。
【0069】
ペンダント呈色指示薬を有する官能化ポリマーは、刺激物の存在下で化学的に反応して視覚的な色変化をもたらす。上述のように、刺激物は、特定の汚染物質に関連付けられる。例えば、ニンヒドリンは、肉系タンパク質の存在下で反応する。牛肉等の肉製品は、大腸菌を保菌することができ、鶏肉はサルモネラ菌を保菌することができる。したがって、ニンヒドリン官能化ポリマーによる色変化は、肉が存在し、大腸菌又はサルモネラ菌等の汚染が存在することを示し得る。
【0070】
反応性物品を使用するために、反応性物品を表面全体に広げる。色変化を生じさせることができる刺激物が表面にない場合、視覚的な色変化は見られない。次いで、ユーザーは、刺激物が表面に本質的にないことが分かる。刺激物は、特定の汚染物質に関連付けられる。したがって、ユーザーは、関連する汚染物質が表面に本質的にないことが分かる。
【0071】
表面が、呈色指示薬を用いて色変化を生じさせることができる刺激物を含む場合、視覚的な色変化が現れる。ユーザーは、表面が刺激物及び関連する汚染物質を含むことが分かる。
【0072】
反応性物品が消毒剤を更に含む実施形態では、色変化を検出するために表面全体を拭くことによって、消毒剤の一部も供給される。したがって、色変化が見られると、消毒剤の一部が、表面上の刺激物に作用する。ユーザーは、新しい物品で再び表面を拭いて、刺激物が除去されたかを判断することができる。
【0073】
本発明の具体的な実施形態を本明細書中に図示及び記載してきたが、これら実施形態は多くの考えられる具体的な構成を単に例示しているにすぎず、構成は本発明の原理を適用して考案され得ることは理解されよう。多数の様々な他の構成が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、当業者によってこれらの原理に従って考案されることができる。このように、本発明の範囲を本願出願に記載の構造に限定すべきではなく、特許請求の範囲の文言によって記載の構造物及びそれらの同等物によってのみ限定されるものである。
【実施例】
【0074】
フルオレセイン官能化ポリマー
フルオレセインイソチオシアネートは、β−アラニンと反応して、アジリジンで処理された不織布上に固定することができる、アルキルカルボン酸を形成することができる。アルドリッチ・ケミカル社(Aldrich Chemical)から入手可能な111Mgのフルオレセイン(285ミリモル)を、2mLのアミン遊離DMFに溶解した。アルドリッチ・ケミカル社(Aldrich Chemical)から入手可能な25mgのβ−アラニン(280ミリモル)を溶液に添加し、続いてDIEA(50μL)を添加した。溶液を、光を避けて茶色のバイアル瓶に入れた。反応物を15時間撹拌し、HPLCで分析した。
【0075】
【化19】

【0076】
パルプ、複合繊維、及びラテックス(バッカイ(Buckeye)からのビゾーブ(VIZORB)−3026)、を含む不織布を、以下の実施例4に記載される電子ビーム手順を使用して、メチルアジリジンメタクリレート(モノマー5、以下に記載される)で電子ビーム処理した。電子ビーム処理された不織布を、上述される官能化フルオレセインの溶液に10分間浸した。不織布繊維を溶液から取り出し、水及びエタノールで十分に洗浄し、次いで乾燥させた。紫外線条件下で、不織布ウェブは、蛍光を発していた。
【0077】
官能化ニンヒドリンの合成
3−(3−オキソインダン−5−イル)プロピオン酸、(ニンヒドリン2)の合成
超微粒子状のp−フェニレンジプロピオン酸(4.44g、20.0ミリモル、ウィスコンシン州ミルウォーキー(Milwaukee)にあるアルドリッチ・ケミカル社(Aldrich Chemical)から入手可能、カタログ番号183768)を、無水塩化アルミニウム(13.3g、100ミリモル)及び塩化ナトリウム(1.15g、20.0ミリモル)と混合した。結果として生じた混合物を、予熱したフラスコ(180℃)に添加し、反応物を7分間、時折ガラス棒で撹拌した。別のバッチの塩化アルミニウム(13.3g、100ミリモル)及び塩化ナトリウム(1.17g、20.0ミリモル)を添加し、反応物を、更に8分間撹拌した。フラスコを室温まで冷却した後、混合物を500gの氷水(200mL)に添加し、溶液に濃縮HCl(20mL)を添加した。ジクロロメタン(3×200mL)で水溶液から生成物を抽出し、飽和重炭酸ナトリウム(2×125mL)で、組み合わせられた有機層を洗浄した。1MのHClを用いて、組み合わせられた塩基性洗浄液を酸性化して、黄色の沈殿物を得た。濾過によって固体を回収し、真空下で乾燥させ、黄色の固体(2.48g、60%)として、ニンヒドリン2(以下に示される)を得た。
【0078】
【化20】

【0079】
3−(2,2−ジヒドロキシ−1,3−ジオキソインダン−5−イル)プロピオン酸、(ニンヒドリン1)の合成
二酸化セレン(2.77g、25.0ミリモル、アルドリッチ・ケミカル社(Aldrich Chemical)、カタログ番号325473)とニンヒドリン2(2.04g、10.0ミリモル)の混合物を、氷酢酸(25mL)に溶解し、36時間還流した。依然として高温である間に、反応物をセライトで濾過して黒色の沈殿物を除去した。沈殿物を氷酢酸(5mL)で洗浄し、濾液を組み合わせた。濾液を水(100mL)で希釈した。酢酸エチル(5×100mL)を用いて、水性溶媒を抽出した。有機層を組み合わせ、真空下で溶媒を除去して油を得た。水(500mg、20%)中での再結晶によって純生成物、ニンヒドリン1(以下に示される)が得られた。
【0080】
【化21】

【0081】
アジリジン含有モノマーの合成
N−[1,1−ジメチル−2−(2−メチル−アジリジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]アクリルアミド(4)の合成
【0082】
【化22】

【0083】
ビニルジメチルアズラクトン(13.9g、0.10モル、TCIケミカル(TCI Chemical)から入手可能、カタログ番号D2123)を50mLの酢酸エチルとヘキサンの30/70(体積/体積)混合物に溶解して撹拌した溶液に、2−メチルアジリジン(7.6g、約0.12モル、純度90%、アルドリッチ(Aldrich)から入手可能、カタログ番号294160)を、急速液滴法で添加した。反応混合物を一晩撹拌し、白色の固体を得た。固体を濾過して取り出し、50mLのヘキサンで洗浄し、乾燥させて所望の生成物(17.4g)をもたらした。NMR及びIRスペクトル解析によって、生成物の構造を確認した。
【0084】
2−メチルアクリル酸2−ヒドロキシ−3−[3−(2−メチルアジリジン−1−イル)プロピオニロキシ]プロピルエステル(5)の合成
【0085】
【化23】

【0086】
250mLの丸底フラスコに、3−(アクリロイロキシ)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(32.1g、0.15モル、アルドリッチ(Aldrich)から入手可能、カタログ番号454982)、及び2−メチルアジリジン(10.8g、約0.17モル、純度90%、アルドリッチ(Aldrich)から入手可能)を添加した。反応フラスコを、氷浴で短時間冷却し、次いで室温に一晩放置した。減圧下で過剰な2−メチルアジリジンを除去して、無色液体として所望の生成物(40.4g)が残った。NMR及びIRスペクトル解析によって、生成物の構造を確認した。
【0087】
ペンダント呈色指示薬を含むポリマーの調製
実施例1.複数のアジリジン基を有する化合物を使用したポリマーの処理
パルプ、複合繊維、及びラテックス(バッカイ(Buckeye)からのビゾーブ(VIZORB)−3026)を含む不織布を、TTAP(トリメチロールプロパントリス(3−アジリジノプロピオネート)、和光純薬工業株式会社(Wako Pure Chemical)から入手可能)をメタノール(0.1M)に溶解した溶液に1時間浸した。次いで不織布を、10〜15分間空気乾燥させ、次いでニンヒドリン化合物1(上記)をメタノール(0.1M)に溶解した溶液に1時間浸した。処理された不織布を、10〜15分間空気乾燥させ、メタノール中で洗浄し、空気乾燥させた。
【0088】
実施例2.複数のアジリジン基を有する化合物を使用したポリマーの処理
毛羽立てられている不織布ポリエステルウェブ(ロジャース社(Rogers Corp.)からのSF−110)を、和光純薬工業株式会社(Wako Pure Chemical)から入手可能なペンタエリスリトールトリス(3−アジリジノプロピオネート)をテトラヒドロフラン(0.1M)に溶解した溶液に浸した。次いで不織布を、ニンヒドリン化合物1(上記)をテトラヒドロフラン(0.1M)に溶解した溶液に浸し、乾燥させた。
【0089】
実施例3.複数のアジリジン基を有する化合物を使用したポリマーの処理
毛羽立てられている不織布粉末ポリエステルウェブ(HDKからのB9260)を、和光純薬工業株式会社(Wako Pure Chemical)から入手可能なペンタエリスリトールトリス(3−アジリジノプロピオネート)をテトラヒドロフラン(0.1M)に溶解した溶液に浸した。次いで不織布を、ニンヒドリン化合物1(上記)をテトラヒドロフラン(0.1M)に溶解した溶液に浸し、乾燥させた。
【0090】
実施例4.電子ビーム放射線条件下でのアジリジン含有ラジカル重合性モノマー5を使用したポリマーの処理
マサチューセッツ州ウィルミントンのエネルギーサイエンス社(Energy Sciences, Inc.)から得たモデルCB−300電子ビームシステムを用いて電子ビームを照射した。不織布の試料を、厚さが0.03mm(4ミル)のポリ(エチレンテレフタレート)フィルム(PET)の、より大きな面積の2つの断片間に置き、一方の末端部を共にテープでとめた。このサンドイッチ構造を開き、試料不織布をメチルアジリジンメタクリレート溶液で湿らせ、再びサンドイッチ構造を閉じた。サンドイッチ構造の表面にラバーローラーを静かにかけることによって、入り込んだ気泡を取り除き、余分な液体を搾り出した。サンドイッチ構造をPETの移動ウェブにテープでとめ、目標とする線量をもたらすのに十分なビーム電流をカソードに印加して、0.10m/秒(20fpm)の速度、及び300keVの電圧で電子ビームプロセッサを通って移動させた。国際標準研究所(national standards laboratory)(RISO、デンマーク)で較正し、トレース可能な薄膜線量計を用いてビームを較正した。場合によっては、ビーム照射下での全体の線量率を低下させ、一方、滞留時間を長くするために、ウェブ方向に延びるカソードを用いて、電子ビームをより特徴的にするように、ビームを複数回通して、より長い暴露時間を模擬することによって、線量をフラクション化した(すなわち、ブロードビーム(BroadBeam)等)。目標とする線量は、40kGyであった。
【0091】
不織布(バッカイ(Buckeye)から入手可能なビゾーブ(VIZORB)3036)を、メチルアジリジンメタクリレート(上記でモノマー5として参照される)(メタノール中に0.1M)で処理した。次いで不織布を、イソプロパノール(100mL×3)で洗浄し、空気乾燥させた。次いで乾燥した不織布を、ニンヒドリン化合物1(上記)をメタノール(0.1M)に溶解した溶液に1時間浸した。処理された不織布を、10〜15分間空気乾燥させ、メタノール中で洗浄し、空気乾燥させた。
【0092】
実施例5.エステル化によってレーヨン基材に結合したニンヒドリン
ニンヒドリン1(1g、4ミリモル)を、ジイソプロピルエチルアミン(1.4mL、8ミリモル)及びジシクロヘキシルカルボジイミド(0.82g、4ミリモル)と共にN,N−ジメチルホルムアミド(2mL)に溶解した。結果として生じた溶液を、レーヨンセルロース(0.72g)に添加した。反応物を4時間撹拌し、レーヨンをN,N−ジメチルホルムアミド(3×10mL)で洗浄し、真空下で乾燥させた。
【0093】
比較例.複数のアジリジン基を有する化合物を使用した、官能化呈色指示薬のないポリマーの処理
毛羽立てられている不織布粉末ポリエステルウェブ(HDKからのB9260)を、ペンタエリスリトールトリス(3−アジリジノプロピオネート)をテトラヒドロフラン(0.1M)に溶解した溶液に浸した。次いで不織布を、ニンヒドリンをテトラヒドロフラン(0.1M)に溶解した溶液に浸し、乾燥させた。
【0094】
色変化試験方法
乾燥させ、処理した不織布ウェブに、50μLのウシ血清アルブミン(イリノイ州ロックフォード(Rockford)のピアス・バイオテクノロジー社(Pierce Biotechnology, Inc))の10%(w/w)水溶液を添加した。視覚的に識別することができる色変化が生じるまでの時間を測定した。
【0095】
呈色指示薬固定試験方法
色変化が完全に発現した後、色変化試験方法に記載されるように、不織布を、水又はメタノール溶液に24時間浸した。24時間後、不織布を溶液から取り出した。視覚的な判断を行って、水又はメタノール中にいずれかの色変化が見られるかを評価した。
【0096】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のペンダント反応基を有するベースポリマーと、共反応基を有する呈色指示薬との反応生成物を含み、該反応基が、該共反応基と共有結合する、官能性ポリマー。
【請求項2】
前記ペンダント反応基が、前記ベースポリマーに共有結合する、請求項1に記載の官能性ポリマー。
【請求項3】
前記ペンダント反応基が、前記ベースポリマー内において、分子レベルで絡み合う、請求項1に記載の官能性ポリマー。
【請求項4】
前記ベースポリマーの前記反応基が、アジリジン基、エポキシ基、ヒドロキシル基、及びアルケン基からなる群から選択される、請求項1に記載の官能性ポリマー。
【請求項5】
前記呈色指示薬の前記共反応基が、前記反応基と共有結合することができるヒドロキシル基、カルボキシル基、脂肪族アルコール基、アルケン基、アクリレート基、メタクリレート基、及びアルキン基からなる群から選択される、請求項1に記載の官能性ポリマー。
【請求項6】
前記呈色指示薬と、前記ベースポリマーと前記反応基との間に位置する前記共反応基との間に位置する連結基を更に含む、請求項1に記載の官能性ポリマー。
【請求項7】
前記連結基が、芳香族基類、脂肪族炭素鎖、及び反復エチレングリコールからなる群から選択される、請求項6に記載の官能性ポリマー。
【請求項8】
前記ベースポリマーが、フィルム形成又は繊維形成合成ポリマーである、請求項1に記載の官能性ポリマー。
【請求項9】
前記呈色指示薬が、ニンヒドリンである、請求項1に記載の官能性ポリマー。
【請求項10】
前記ニンヒドリンの前記共反応基が、該ニンヒドリンのベンゼン環の5又は6位にある、請求項9に記載の官能性ポリマー。
【請求項11】
【化1】

を含み、
前記ベースポリマーが、任意の連結基Lを含み、
が、H又はC1〜C4アルキル基類であり、
が、H又はC1〜C4アルキル基類であり、
Z’が、結合した前記共反応基である、請求項1に記載の官能性ポリマー。
【請求項12】
ニンヒドリンの共反応基に結合したペンダント反応基を有し、該ニンヒドリンがポリマーからペンダント状になっている、官能性ポリマー。
【請求項13】
前記反応基が、アジリジン基、ヒドロキシル基、エポキシ基、及びアルケン基からなる群から選択される、請求項12に記載の官能性ポリマー。
【請求項14】
前記ニンヒドリンの前記共反応基が、前記アジリジン基と共有結合することができるヒドロキシル基、カルボキシル基、脂肪族アルコール基、アルケン基、アクリレート基、メタクリレート基、及びアルキン基からなる群から選択される、請求項12に記載の官能性ポリマー。
【請求項15】
前記ニンヒドリンの前記共反応基が、該ニンヒドリンのベンゼン環の5又は6位にある、請求項12に記載の官能性ポリマー。
【請求項16】
反応基を含むフィルム形成又は繊維形成ポリマーと、
共反応基を含む呈色指示薬と、
を含み、該呈色指示薬の該共反応基が、該ポリマーの該反応基と共有結合する、物品。
【請求項17】
ペンダントアジリジン基を有する、フィルム形成又は繊維形成ポリマー。
【請求項18】
前記アジリジン基が、前記ポリマーに共有結合する、請求項17に記載のポリマー。
【請求項19】
前記アジリジン基が、前記ポリマー内で、分子レベルで絡み合う、請求項17に記載のポリマー。
【請求項20】
前記ポリマーと前記アジリジン基との間に連結基を更に含む、請求項17に記載のポリマー。

【公表番号】特表2010−532416(P2010−532416A)
【公表日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−515162(P2010−515162)
【出願日】平成20年6月27日(2008.6.27)
【国際出願番号】PCT/US2008/068480
【国際公開番号】WO2009/006254
【国際公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】