説明

ペースト

【課題】嵩比重が1.0以下の粉体を樹脂などの液状物に均一に混合することはきわめて困難であり、しばしばままこ状態になっていた。均一に混合するには強烈な撹拌、ロールを通過させるなどの手数を必要とした。嵩比重の1.0以下の粉体を液状物に均一に、簡単に分散させること。
【解決手段】アルコ−ル、多価アルコール、アミン酸などの極性溶媒、またはフタル酸エステル、脂肪酸エステルなどの可塑剤と金属石鹸、ハイドロタルサイトなどの嵩比重が1.0以下の粉体とからなるペーストを作成し、このペーストを液状物に配合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体のペーストに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、比重の小さい無機化合物の粉体は、他の成分と混合するとき、均一に分散しない、
という問題点があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、嵩比重が1.0以下のいわゆるふはふはの状態の粉体を、樹脂など液状物に均一
に混合することは極めて困難であり、応々にしていわゆるままこ状態になっていた。均一
に混合するには、強烈な撹拌、ロールを通過させるなどの手数を必要とした。本発明は、
これらの問題点を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、嵩比重1.0以下の粉体と極性溶媒を混合しペーストにすることにより、該ペー
ストを添加すれば容易に均一に分散させ得ることを見出したことに基づく。
嵩比重1.0以下の粉体とは、金属石鹸(ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム)、
各種無機微粉末(マイカ、タルク、シリカ微粉末SiO2、ネフェリンサイト、珪藻土等)、
各種顔料微粉末(カーボンブラック、酸化チタン等)、水酸化マグネシウム、酸化マグネシ
ウム、ハイドロタルサイト等が挙げられる。
【0005】
極性溶媒としては、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール
等)、グリコール類(エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、
1.4ブタンジオール、1.6ヘキサンジオール等)、グリセリン類、アクリル酸類、アミン類等で、比重の小さい無機粉体と、親和性のある液状有機化合物である。可塑剤としてはフタル酸エステル、脂肪酸エステル等である。
【0006】
無機粉体化合物と極性溶媒の混合比率は、所望するペーストの粘度になるよう、適宜選択すれば良い。ペースト化は極性溶媒の中へ粉体を投入し、撹拌機で均一になるまで混合して、完成する。

【発明の効果】
【0007】
本発明によるペーストは、今まで粉体のままでは樹脂等に分散させることが困難であったものが、容易に分散可能となった。例えば、塩化ビニル加工時に添加する安定剤、FRP製造時に添加する添加剤、塗料製造時に添加する粉末が挙げられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施例の通りである。
【実施例】
【0009】
以下実施例により、具体的に説明する。
溶媒としてイソプロピルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、エチレングリコール、を使用した。
溶媒単独、混合物を用意した。表1に示す。


【表1】

表1に示した溶媒と微粉末を混合しペーストとした結果は、第2表に示す。
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
極性溶媒又は可塑剤と粉体からなるペースト
【請求項2】
極性溶媒がアルコール、多価アルコール、アミン酸である請求項1記載のペースト
【請求項3】
嵩比重が1.0以下の粉体である、請求項1記載のペースト
【請求項4】
粉体が金属石鹸、ハイドロタルサイトである請求項1記載のペースト
【請求項5】
可塑剤がフタル酸エステル、脂肪酸エステルである、請求項1記載のペースト
【請求項6】
溶媒がエチレングリコールと2-エチルへキシルアルコールの混合液である請求項1のペースト
【請求項7】
溶媒が50%〜60%、粉体が40%〜50%である請求項1のペースト


【公開番号】特開2007−23122(P2007−23122A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−205463(P2005−205463)
【出願日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(000102924)エヌビイエル株式会社 (22)
【Fターム(参考)】