説明

ホスト装置、ホスト装置の制御方法、画像形成システム及びコンピュータープログラム

【課題】本発明の画像形成システムは、複数機種に対応する汎用の第1デバイスドライバーと、より高機能な第2デバイスドライバーとを併存させる。
【解決手段】プリンター10の記憶部16には、デバイスID101とコンパチブルID(CID)102とが記憶される。コンパチブルIDは、複数の機種に適用される簡易ドライバーであるクラスドライバー202に対応付けられる識別子である。デバイスIDは、各機種毎に用意されている専用ドライバー203に対応付けられる識別子である。ユーザーは、最初にインストールされたクラスドライバーを専用ドライバーに更新させるか、それとも、クラスドライバーと専用ドライバーとを併存させるか、のいずれか一方を選択することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホスト装置、ホスト装置の制御方法、画像形成システム及びコンピュータープログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザーは、プリンターを利用するために、そのプリンターに対応するプリンタドライバーをパーソナルコンピューターにインストールする必要がある。例えば、パーソナルコンピューターのオペレーティングシステム(以下、OS)に添付されているプリンタドライバー群の中に、ユーザーのプリンターに対応するプリンタドライバーが予め含まれている場合、ユーザーは、そのプリンタドライバーをパーソナルコンピューターにインストールすることにより、プリンターを使用できる。
【0003】
プリンタドライバーの記憶された記憶媒体がプリンターに添付されている場合、ユーザーは、その記憶媒体に記憶されているプリンタドライバーをパーソナルコンピューターにインストールさせることもできる。あるいは、ユーザーは、パーソナルコンピューターを用いて、プリンターを提供するベンダーのウェブサイトにアクセスし、最新のプリンタドライバーを入手してパーソナルコンピューターにインストールさせることもできる。いずれにしても、ユーザーは、印刷用途を問わず常に、プリンターの有する機能を全て利用可能なプリンタドライバーのみを使用している。
【0004】
なお、印刷中に、PDL(Page Description Language)プリンタドライバーとイメージ用プリンタドライバーとを切り替える従来技術は知られている(特許文献1)。この従来技術は、コマンドに応じてプリンタドライバーを切り替えることにより、データ処理負荷を軽減させる
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−265267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術では、プリンタドライバーは、プリンターの有する全ての機能を利用するために、詳細かつ複雑な設定ができるよう構成される。従って、ユーザーは、単純な印刷を望む場合でも、詳細かつ複雑な設定が可能なプリンタドライバーを用いる必要があり、使い勝手が低い。
【0007】
本発明は上述の問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、第1デバイスドライバーと第1デバイスドライバーよりも設定項目の多い第2デバイスドライバーとを併存可能とし、ユーザの使い勝手を改善できるようにした、ホスト装置、ホスト装置の制御方法、画像形成システム及びコンピュータープログラムを提供することにある。本発明の他の目的は、画像形成装置の使用目的やユーザーの指示に応じて、設定項目数の異なる複数のデバイスドライバーを切り替えることができるようにした、ホスト装置、ホスト装置の制御方法、画像形成システム及びコンピュータープログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決すべく、本発明の一つの観点に従うホスト装置は、画像を形成する画像形成装置を使用するホスト装置であって、画像形成装置を使用するための、第1デバイスドライバーをインストールする第1インストール手段と、画像形成装置を使用するための、第1デバイスドライバーよりも設定項目が多い第2デバイスドライバーをインストールする第2インストール手段と、第2インストール手段によって第2デバイスドライバーをインストールする場合に、第1デバイスドライバーを削除して第2デバイスドライバーのみを残す第1構成とするか、あるいは、第1デバイスドライバーと第2デバイスドライバーの両方を残す第2構成とするかを、選択する構成選択手段と、を備える。
【0009】
このように構成されるホスト装置によれば、設定項目の多い第2デバイスドライバーのみ使用するか(第1構成)、それとも、設定項目の少ない第1デバイスドライバーと設定項目の多い第2デバイスドライバーとを併存させるか(第2構成)、のいずれか一つを選択することができ、ユーザーの使い勝手が向上する。
【0010】
好適な実施形態では、構成選択手段によって第2構成が選択された場合には、画像形成装置の使用目的に応じて、第1デバイスドライバーまたは第2デバイスドライバーのいずれか一つを使用させるプリンター選択手段を備える。
【0011】
このように構成されるホスト装置によれば、ユーザーは、画像形成装置の使用目的に応じて第1デバイスドライバーまたは第2デバイスドライバーのいずれか一つを使用できるため、ユーザーの使い勝手が高まる。使用目的としては、例えば、比較的簡単な印刷物を得たい、比較的複雑な印刷物を得たい等の最終出力結果に関するもの、あるいは、手軽に印刷したい、高度な設定を学びたい等の操作に関するもの等を挙げることができる。
【0012】
好適な実施形態では、各アプリケーションプログラムが使用するデバイスドライバーを予め登録するための登録テーブルを設け、画像形成装置選択手段は、登録テーブルを用いて、第1デバイスドライバーまたは第2デバイスドライバーのいずれか一つを選択させるようになっている。
【0013】
このように構成されるホスト装置によれば、各アプリケーションプログラム毎に、デバイスドライバーを切り替えて画像形成装置を使用でき、使い勝手が高まる。
【0014】
好適な実施形態では、画像形成装置選択手段は、ユーザーからの指示に基づいて、第1デバイスドライバーまたは第2デバイスドライバーのいずれか一つを選択させる。
【0015】
このように構成されるホスト装置によれば、ユーザは、所望のデバイスドライバーを選択することができ、使い勝手が向上する。
【0016】
好適な実施形態では、構成選択手段は、第2構成を選択する場合に、第1デバイスドライバーを示す第1表示と、第2デバイスドライバーを示す第2表示とを異ならせて作成し、画面に表示させる。
【0017】
このように構成されるホスト装置によれば、ユーザは、第1表示要素,第2表示要素を介して、第1デバイスドライバー,第2デバイスドライバーを区別し、所望のデバイスドライバーを簡単に選択できる。ここで、第1表示要素,第2表示要素としては、例えば、いわゆるアイコンの形状や色彩あるいは名称またはそれらの組合せが挙げられる。
【0018】
好適な実施形態では、第1デバイスドライバーは、画像形成装置の有する各機能のうち所定の機能を使用可能に構成されており、第2デバイスドライバーは、画像形成装置の有する各機能のうち第1デバイスドライバーよりも多くの機能を使用可能に構成される。
【0019】
好適な実施形態では、第1デバイスドライバーは、画像形成装置の機種を含む複数の機種に対応付けることができるように構成されており、第2デバイスドライバーは、画像形成装置の機種のみに対応付けることができるように構成されている。
好適な実施形態では、第2デバイスドライバーを管理するための管理装置を設け、第2インストール手段は、管理装置から通信ネットワークを介して第2デバイスドライバーを取得し、インストールする。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】システムの全体構成を示す図である。
【図2】クラスドライバーと専用ドライバーとの関係を示す模式図である。
【図3】クラスドライバーとコンパチブルIDとデバイスID及び専用ドライバーの関係を示す図である。
【図4】クラスドライバーの設定画面を示す図である。
【図5】専用ドライバーの設定画面を示す図である。
【図6】印刷時のホストコンピューターの画面を示す図である。
【図7】アップデーターの画面を示す図である。
【図8】専用ドライバーをインストールする際に表示される画面を示す図である。
【図9】プリンターをインストールするための処理を示すフローチャートである。
【図10】クラスドライバーから専用ドライバーへ更新させるための処理を示すフローチャートである。
【図11】専用ドライバーをインストールする処理を示すフローチャートである。
【図12】アプリケーションプログラム毎にプリンタドライバーを対応付ける様子を示す説明図である。
【図13】使用プリンター登録テーブルにプリンタドライバーを登録する処理を含む処理を示すフローチャートである。
【図14】第2実施例に係るプリンタドライバーの選択処理を示すフローチャートである。
【図15】一つのプリンターアイコンにクラスドライバー及び専用ドライバーを対応付ける様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面に基づき、本発明の実施の形態を説明する。本実施形態のシステムでは、以下に説明するように、必要最低限の設定だけで画像形成が可能な、複数機種に対応するクラスドライバー202と、詳細な設定によって画像形成装置の全機能を適宜使用可能な、その機種のみに対応する専用ドライバー203とを用意している。そして、本実施形態では、クラスドライバー202と専用ドライバー203とを併存させることができるようになっており、かつ、使用目的(印刷用途)に応じて、クラスドライバー202と専用ドライバー203とを使い分けることができるようになっている。
【実施例1】
【0022】
図1は、「画像形成システム」としての印刷システムの全体を示す構成図である。このシステムは、例えば、「画像形成装置」としてのプリンター10と、「ホスト装置」としてのホストコンピューター20と、「管理装置」としてのベンダーウェブサイト30とを備える。
【0023】
プリンター10は、例えば、制御部11と、印刷部12と、画像読取り部13と、ユーザーインターフェース部14(UI部14)と、通信インターフェース部15(I/F15)とを備えている。
【0024】
制御部11は、プリンター10の動作を制御するための装置であり、例えば、ホストコンピューター20から出力される印刷データに基づいて、印刷用のイメージデータを生成し、印刷部12を駆動させる。あるいは、制御部11は、画像読取り部13を駆動して画像を読取り、読み取った画像データをホストコンピューター20に出力する。
【0025】
印刷部12は、例えば、シリアル印字を行うインクジェット印刷機構、あるいは、ページ印字を行うためのレーザー印刷機構等のように構成される。印刷部12は、モノクロ印刷やカラー印刷を行うことができる。
【0026】
画像読取り部13は、原稿台に置かれた原稿の画像を読み取って画像データを生成するための装置である。プリンター10が画像読取り部13を備えることにより、プリンター10を、コピー機等のように使用することもできる。なお、画像読取り部13を設けない構成としてもよい。
【0027】
通信インターフェース部15は、ホストコンピューター20の通信インターフェース部26との間で通信するための回路である。各通信インターフェース部15,26は、通信経路41を介して接続される。ホストコンピューター20とプリンター10とは、例えば、USB(Universal Serial Bus)やIEEE1394等を用いて通信可能である。あるいは、プリンター10とホストコンピューター20とは、無線LAN(Local Area Network)や赤外線等を介して通信する構成でもよい。
【0028】
ユーザーインターフェース部14は、例えば、表示部と入力部とが一体化されたタッチパネル、あるいは、一つ以上のスイッチ及び表示装置から構成される。ユーザーは、ユーザーインターフェース部14を介してプリンター10に指示を与えることができ、設定内容等を確認することもできる。
【0029】
識別情報記憶手段と表現可能な記憶部16は、例えば、半導体メモリ等の記憶装置から構成される。記憶部16には、コンパチブルID102(CID102)と、デバイスID101とが記憶されている。コンパチブルID102は、第1識別情報と呼ぶことができ、デバイスID101は第2識別情報と呼ぶことができる。
【0030】
詳細はさらに後述するが、コンパチブルID102は、複数の機種に対応付けることができる。デバイスID101は、各機種毎に対応付けられる。つまり、ある機種のプリンターには、それ専用のデバイスID101が対応付けられている。他の機種のプリンターには、別のデバイスIDが対応付けられる。これに対し、一つのコンパチブルID102を、ある機種のプリンターと別の機種のプリンターの両方にそれぞれ対応付けることができる。
【0031】
デバイスID101とコンパチブルID102とは、一体のデータとして記憶部16に格納させている。ホストコンピューター20は、記憶部16から読み出されたデータを解析して、デバイスID101とコンパチブルID102とを抽出できる。
【0032】
なお、図1では、便宜上、記憶部16を制御部11の内部に設けているが、記憶部16を制御部11の外に設ける構成でもよい。また、デバイスID101を記憶する記憶部と、コンパチブルID102を記憶する記憶部とを分ける構成でもよい。
【0033】
ホストコンピューター20は、例えば、パーソナルコンピューターや携帯電話あるいは携帯情報端末等のようなコンピューター装置として構成される。ホストコンピューター20は、例えば、マイクロプロセッサ21(CPU21)と、メモリ22と、入力部23と、出力部24と、補助記憶装置25と、通信インターフェース部26と、ネットワークインターフェース部27とを備えている。
【0034】
補助記憶装置25は、例えば、ハードディスクドライブやフラッシュメモリデバイス等の不揮発性記憶装置から構成される。補助記憶装置25には、例えば、OS201と、「第1デバイスドライバー」としてのクラスドライバー202と、「第2デバイスドライバー」としての専用ドライバー203と、アプリケーションプログラム204とが記憶されている。
【0035】
アプリケーションプログラム204は、例えば、文書作成ソフトウェア、表計算ソフトウェア、作図ソフトウェア、写真加工ソフトウェア等のようなソフトウェアである。アプリケーションプログラム204は、「登録テーブル」としての使用プリンター登録テーブル2041を備える。使用プリンター登録テーブル2041には、そのアプリケーションプログラム204が使用するプリンタドライバーが登録される。
【0036】
ホストコンピューター20が起動すると、OS201等の各種プログラムやデータが補助記憶装置25から読み出されてメモリ22に記憶される。CPU21がメモリ22に記憶されたプログラムを読み込んで実行することにより、後述の各処理が実現される。
【0037】
入力部23は、ユーザーからの指示等をホストコンピューター20に入力するための装置である。入力部23は、例えば、キーボードスイッチやポインティングデバイスあるいはマイクロフォン等から構成される。出力部24は、例えば、ディスプレイ装置として構成される。出力部24は、スピーカーを備えることもできる。
【0038】
ネットワークインターフェース部27は、ベンダーウェブサイト30との間で通信を行うための回路である。ネットワークインターフェース部27は、例えば、インターネット等の通信ネットワーク42を介して、ベンダーウェブサイト30のネットワークインターフェース部34に接続される。
【0039】
ベンダーウェブサイト30は、プリンター10を市場に供給するベンダーのウェブサイトである。ベンダーウェブサイト30は、例えば、マイクロプロセッサ31と、メモリ32と、補助記憶装置33と、ネットワークインターフェース部34とを備える、サーバコンピューターとして構成される。
【0040】
補助記憶装置33には、OSやウェブサーバプログラム(いずれも不図示)に加えて、アップデーター管理部302と、専用ドライバー管理部301とが記憶されている。アップデーター管理部302は、「デバイスドライバー更新手段」としてのアップデーター200(図7参照)を管理するコンピュータープログラムである。専用ドライバー管理部301は、ベンダーから提供されている複数機種のプリンタそれぞれに対応する専用ドライバー203を管理する。
【0041】
ベンダーウェブサイト30は、ホストコンピューター20から入力されるデバイスIDに基づいて、そのデバイスIDに対応する専用ドライバー203を検出し、その検出された専用ドライバー203をホストコンピューター20に送信する。
【0042】
図2は、クラスドライバー202と専用ドライバー203との関係及び構造を模式的に示す説明図である。
【0043】
クラスドライバー202とは、複数機種のプリンタに対応付けられる、簡易かつ汎用のプリンタドライバーである。クラスドライバー202は、例えば、簡易印刷機能2021と、デバイスID取得機能2022と、アップデーター取得及び起動機能2023とを備えている。
【0044】
簡易印刷機能2021とは、例えば、用紙サイズや部数等のみのような、必要最低限の印刷設定だけでプリンター10に印刷させることのできる機能である。「第2識別情報取得手段」としてのデバイスID取得機能2022は、プリンター10の記憶部16からデバイスID101を取得するための機能である。アップデーター取得及び起動機能2023とは、ベンダーウェブサイト30のアップデーター管理部302からデバイスID101に対応するアップデーターを取得して起動させるための機能である。
【0045】
専用ドライバー203は、その専用ドライバー203が対応するプリンターについて、詳細な印刷設定を行うための機能2031を備える。詳細印刷設定機能2031を用いることにより、ユーザーは、プリンターの有する全機能を適宜利用することができる。
【0046】
図3は、クラスドライバー202とコンパチブルID102とデバイスID101及び専用ドライバー203の関係を示す説明図である。既に述べた通り、複数の機種に共通のコンパチブルID102が対応付けられる。クラスドライバー202は、各コンパチブルID102毎に対応付けられる。従って、コンパチブルID102に基づいて、そのプリンターに対応するクラスドライバー202を特定することができる。
【0047】
コンパチブルID102は、複数の機種に対応付けられる。そして、各機種毎にそれぞれ異なるデバイスID101が用意されている。従って、各コンパチブルID102には、それぞれ複数のデバイスID101を対応付けることができる。
【0048】
各デバイスID101は、プリンターの各機種毎に対応付けられており、各機種毎にそれぞれ専用ドライバー203が用意されている。従って、プリンターから取得されるデバイスID101に基づいて、そのプリンターに対応する専用ドライバー203を特定することができる。
【0049】
図1で述べた通り、プリンター10の記憶部16には、デバイスID101とコンパチブルID102とが記憶されている。従って、後述のように、ホストコンピューター20は、プリンター10からコンパチブルID102を取得することにより、そのプリンターに対応するクラスドライバー202を特定して使用することができる。さらに、ホストコンピューター20は、プリンター10からデバイスID101を取得することにより、そのプリンター専用のドライバー203を特定して使用することができる。
【0050】
図4は、クラスドライバー202の設定画面500を示す図である。クラスドライバー設定画面500は、例えば一つのタブメニュー501を備える。そのタブメニュー501は、例えば、更新指示ボタン502と、用紙サイズ設定部503と、印刷方向設定部504と、割り付け設定部505と、印刷部数設定部506と、部単位印刷設定部507と、各OKボタン508と、キャンセルボタン509と、適用ボタン510とを備える。
【0051】
更新指示ボタン502は、クラスドライバー202から専用ドライバー203への更新を、ユーザーが指示するためのボタンである。用紙サイズ設定部503は、ユーザーが印刷用紙のサイズを設定するためのものである。例えば、ユーザーは、A5サイズやA4サイズ等の比較的少ない選択範囲の中からいずれか一つの用紙サイズを選択できる。本実施例では、例えば、クラスドライバー202において選択可能な最大サイズはA4であり、それ以上大きな用紙での印刷はできない。
【0052】
印刷方向設定部504は、印刷の方向、つまり、印刷用紙の向きを指定するためのものである。印刷方向としては、ユーザーは、例えば、「縦」及び「横」のいずれか一つを選択することができる。割り付け設定部505は、ユーザーが、印刷用紙に割り付ける画像の数を設定するためのものである。印刷部数設定部506は、ユーザーが、印刷部数を設定するためのものである。部単位印刷設定部507は、ユーザーが、部単位で印刷するか否かを設定するためのものである。
【0053】
なお、クラスドライバー202で利用可能な機能は、図4に示すものに限らない。例えば、図4に示す機能以外の機能をクラスドライバー202で利用できる構成としてもよいし、その逆に、図4に示す機能の一部を利用できない構成としてもよい。
【0054】
図5は、専用ドライバー203の設定画面520を示す図である。専用ドライバー203はプリンター10の全機能を利用することができる。従って、専用ドライバー設定画面520は、クラスドライバー設定画面500よりも詳細な印刷設定ができるように構成されている。
【0055】
専用ドライバー設定画面520は、例えば、設定一覧表示部521と、タブメニュー部522とを備える。設定一覧表示部521には、現在の設定内容が表示される。タブメニュー部522には、例えば、基本設定メニュー523と、ページ設定メニュー524と、ユーティリティメニュー525とが含まれる。
【0056】
基本設定メニュー523には、例えば、既存の設定を選択するための選択部530と、現在の設定内容を後日再利用できるように保存させるための登録部531と、プリント設定部540と、給紙設定部550と、インク残量管理部560とを含む。
【0057】
プリント設定部540は、用紙種類設定部541と、印刷品質設定部542と、カラー印刷設定部543と、色補正設定部544とを含んで構成可能である。用紙種類設定部541は、ユーザーが、印刷用紙の種類を選択して設定するためのものである。印刷用紙の種類としては、普通紙や専用光沢紙等が挙げられる。印刷品質設定部542は、ユーザーが、印刷品質を選択して設定するためのものである。印刷品質としては、「標準」、「きれい」、「高速」等が挙げられる。カラー印刷設定部543は、ユーザーが、カラーで印刷するか、モノクロで印刷するかを選択して設定するためのものである。色補正設定部544とは、色補正の方法をユーザーが設定するためのものである。
【0058】
給紙設定部550は、給紙方法設定部551と、用紙サイズ設定部552とを含んで構成することができる。給紙方法設定部551は、ユーザーが、給紙方法を選択して設定するためのものである。給紙方法としては、「オートシートフィーダー」や「手差し」等が挙げられる。用紙サイズ設定部552は、ユーザーが、印刷用紙のサイズを選択して設定するためのものである。用紙サイズとしては、A3、A4、B4、B5、はがき等を挙げることができる。
【0059】
インク残量管理部560は、印刷部12の有するインクタンクの残量を管理するためのものである。インク残量管理部560には、各色のインクの残量が表示される。図5中では、4色のインクを使用する場合を示しているが、これに限らず、4色未満のインクを使用する構成、または、5色以上のインクを使用する構成でもよい。
【0060】
なお、ページ設定メニュー524では、例えば、印刷方向、印刷部数、両面印刷の有無、スタンプマークの印刷の有無等を設定することができる。
【0061】
図6は、クラスドライバー202を用いた印刷時における、ホストコンピューター20の出力部24に表示される画面570の例を示す説明図である。その画面570には、クラスドライバー設定画面500Aが表示されている。クラスドライバー設定画面500Aは、図4に示す設定画面500と異なり、更新指示ボタン502を備えていない。
【0062】
その代わりに、画面570には、バルーンヘルプ573が含まれている。バルーンヘルプ573は、例えば、「本プリンタ専用のドライバーに更新できます。」等の文字を表示させることができる。バルーンヘルプ573は、タスクバー571に表示されるプリンタアイコン572の近傍に表示させることができる。
【0063】
ユーザーが、マウスポインタ574でバルーンヘルプ573をクリックすると、クラスドライバー202から専用ドライバー203への更新が指示される。従って、画面570中のクラスドライバー設定画面500Aは、更新指示ボタン502を備えていない。バルーンヘルプ573を操作することにより、更新指示を与えることができるためである。それにも関わらず、画面570内に更新指示ボタン502を有する設定画面500を表示させる構成としてもよい。その場合、ユーザーは、更新指示ボタン502またはバルーンヘルプ573のいずれか一方を操作することにより、更新指示を与えることができる。
【0064】
図7は、アップデーターの画面580を示す図である。クラスドライバー202から専用ドライバー203へ更新する際に、ベンダーウェブサイト30のアップデーター管理部302からホストコンピューター20にアップデーターがダウンロードされる。そのアップデータが起動されると、図7に示すような画面580がホストコンピューター20の出力部24に表示される。
【0065】
アップデーター画面580には、例えば、機種指定部581と、ドライバー更新指示ボタン582と、終了ボタン583とを設けることができる。機種指定部581は、ドライバー更新対象のプリンターの機種をユーザーに指定させるためのものである。機種がわかればデバイスIDを特定することができる。ドライバー更新指示ボタン582は、クラスドライバー202から専用ドライバー203への更新を、ユーザーに決定させるためのものである。終了ボタン583は、クラスドライバー202から専用ドライバー203への更新の中止を指示するためのものである。
【0066】
図8は、専用ドライバー203をインストールする場合に画面に表示される、専用ドライバーインストール画面590を示す。このインストール画面590は、第1構成選択部591と、第2構成選択部592と、OKボタン593とを備える。このインストール画面590は、図11で述べる処理と共に「構成選択手段」を構成する。
【0067】
第1構成選択部591は、第1構成を選択するためのものである。第1構成とは、専用ドライバー203のみが使用可能になっている構成をいう。第1構成が選択された場合、クラスドライバー202はアンインストールされ、専用ドライバー203のみがインストールされる。しかし、OS201にクラスドライバー202は付属しているため、もしもその必要があるならば、クラスドライバー202を再インストールできる。
【0068】
第2構成選択部592は、第2構成を選択するためのものである。第2構成とは、クラスドライバー202と専用ドライバー203とが併存しており、そのうちいずれか一方が使用可能な構成である。第2構成選択部592は、クラスドライバー名5921と、専用ドライバー名5922とを備えている。クラスドライバー名5921は、クラスドライバー202を示す名称であり、「第1表示」に該当する。専用ドライバー名5922は、専用ドライバー203を示す名称であり、「第2表示」に該当する。
【0069】
クラスドライバー名5921は、ユーザーがクラスドライバー202を容易に識別できるように、例えば、通常のプリンター名に、「クラスドライバー」や「簡単設定版」等の表示を加えて作られる。
【0070】
専用ドライバー名5922は、ユーザーが専用ドライバー203を容易に識別できるように、例えば、通常のプリンター名に、「専用ドライバー」や「高機能版」等の表示を加えて作られる。
【0071】
ユーザーは、クラスドライバー名5921及び専用ドライバー名5922のいずれも、自分の好みの名称に変更することができる。ユーザーは、第1構成選択部591または第2構成選択部592のいずれか一方を選択して、OKボタン593を押す。
【0072】
図9は、プリンター10をホストコンピューター20にインストールする場合の処理を示すフローチャートである。本処理の各ステップS10〜S18はOS201により実行され、S19〜S21はクラスドライバー202により実行される。
【0073】
OS201は、ホストコンピューター20にプリンター10が接続されたか否かを判定する(S10)。プリンター10がホストコンピューター20に接続されると(S10:YES)、OS201は、通信経路41を介して、プリンター10からデバイスID101及びコンパチブルID102(以下、CID102)を取得する(S11)。
【0074】
OS201は、デバイスIDに一致する専用ドライバー203を検索し(S12)、デバイスIDに一致する専用ドライバー203が存在するか否か(その専用ドライバー203をOS201に添付されているか否か)を判定する(S13)。例えば、OS出荷後に市場に投入された新しいプリンター10の場合、OS201は、その専用ドライバー203を備えていない。
【0075】
OS201は、デバイスIDに一致する専用ドライバー203を備えていない場合(S13:NO)、CIDに一致するクラスドライバー202を検索する(S14)。OS201は、CIDに一致するクラスドライバー202が有るか否かを判定する(S15)。
【0076】
クラスドライバー202も備えていない場合(S15:NO)、OS201は、インストールすべきプリンタドライバーが見つからないことを、出力部24の画面に表示させるメッセージを介して通知する(S16)。この通知をうけたユーザーは、例えば、ベンダーウェブサイト30にアクセスして所望のプリンタドライバーを手動で検索する。
【0077】
一方、デバイスIDに一致する専用ドライバー203が発見された場合(S13:YES)、または、CIDに一致するクラスドライバー202が発見された場合(S15:YES)のいずれかの場合、OS201は、システム定義ファイル(INFファイル)を用いることにより、その発見されたプリンタドライバーを使用するために必要なファイルをインストールする(S17)。そして、OS201は、インストールされたプリンタドライバーを登録する(S18)。
【0078】
ここでは、専用ドライバー203が見つからず(S13:NO)、クラスドライバー202だけが見つかった場合を説明する(S15:YES)。従って、ホストコンピューター20にはクラスドライバー202がインストールされ(S17)、登録される(S18)。
【0079】
クラスドライバー202は、インターフェース部26等を用いて、プリンター10と通信することにより、プリンター10からデバイスIDの取得を試みる(S19)。クラスドライバー202は、プリンター10からデバイスIDの取得に成功したか否かを判定する(S20)。クラスドライバー202は、デバイスIDの取得に成功した場合(S20:YES)、その取得したデバイスIDをレジストリに保存させ(S21)、インストール処理を終了する。デバイスIDの取得に成功しなかった場合(S20:NO)、インストール処理を終了する。
【0080】
なお、デバイスIDに一致する専用ドライバー203が発見された場合(S13:YES)、専用ドライバー203がインストールされて登録される(S17,S18)。専用ドライバー203も、プリンター10と通信して、デバイスIDの取得を試みてもよい(S19〜S21)。あるいは、専用ドライバー203がインストールされて登録された場合(S17,S18)、デバイスIDの取得を試みずにインストール処理を終了させる構成としてもよい。
【0081】
図10は、クラスドライバー202から専用ドライバー203へ更新させるための更新処理を示すフローチャートである。図9に示す各ステップのうち、S30〜S40,S43,S44はクラスドライバー202により実行される。S41,S42,S45〜S47は、アップデーター200により実行される。
【0082】
更新処理を開始させるための更新指示は、複数の方法でホストコンピューター20に与えることができる。一つの方法は、図4に示すクラスドライバー202の設定画面500に含まれる更新指示ボタン502を操作することである(S30)。
【0083】
他の1つの方法は、印刷時に画面570に表示されるバルーンヘルプ573(図6参照)をユーザーがクリック操作した場合である(S31)。即ち、クラスドライバー202は、ユーザーがアプリケーションプログラム等に設けられている印刷ボタンを操作して印刷実行を希望した場合に(S31:YES)、バルーンヘルプ573を表示させて、専用ドライバー203へのアップデートが可能である旨をユーザーに通知する(S32)。
【0084】
ユーザーが所定時間内にバルーンヘルプ573をクリック操作した場合には(S33:YES)、更新指示が与えられる。ユーザーが所定時間内にバルーンヘルプ573をクリック操作しなかった場合(S33:NO)、バルーンヘルプ573は消滅し(S34)、更新処理は終了する。
【0085】
更新指示ボタン502が操作された場合(S30:YES)、または、バルーンヘルプ573が操作された場合(S33:YES)のいずれかの場合、クラスドライバー202は、レジストリからデバイスIDの取得を試みる(S35)。クラスドライバー202は、レジストリからデバイスIDの読み出しに成功したか否かを判定する(S36)。
【0086】
図8中のS19−S21によって、デバイスIDがプリンター10から取得されて、レジストリに記憶されている場合、クラスドライバー202は、レジストリからデバイスIDを取得することができる(S36:YES)。
【0087】
クラスドライバー202は、ネットワークインターフェース部27等を介してベンダーウェブサイト30にアクセスし、アップデーター管理部302からアップデーター200をダウンロードする(S39)。クラスドライバー202は、ダウンロードしたアップデーター200に、S35で取得したデバイスIDを引き渡し、アップデーター200を起動させる(S40)。
【0088】
アップデーター200は、入力されたデバイスIDに基づいて専用ドライバー管理部301内の専用ドライバー203を検索し(S41)、デバイスIDに対応する専用ドライバー203のインストーラーをダウンロードして起動させる(S42)。
【0089】
これにより、専用ドライバー203はホストコンピューター20にインストールされ、それ以後、ユーザーは、専用ドライバー203を用いて印刷時の設定を行う。従って、ユーザーは、プリンター10の有する各機能を自由に利用して所望の印刷物を得る。
【0090】
クラスドライバー202がレジストリからデバイスIDを取得できなかった場合(S36:NO)、クラスドライバー202は、プリンター10からデバイスIDの取得を試みる(S37)。プリンター10からデバイスIDを取得できた場合(S38:YES)、上述のS39〜S42が実行される。
【0091】
プリンター10からデバイスIDを取得できなかった場合(S38:NO)、クラスドライバー202は、ベンダーウェブサイト30からアップデーター200をダウンロードする(S43)。そして、クラスドライバー202は、デバイスIDを引き渡さずにアップデーター200を起動させる(S44)。
【0092】
アップデーター200は、例えば、図7に示すような画面580をユーザーに提示し、デバイスIDの入力(機種の入力)をユーザーに求める(S45)。アップデーター200は、ユーザーから手動入力されたデバイスIDに基づいて、専用ドライバー管理部301からデバイスIDに対応する専用ドライバー203を検索する(S46)。クラスドライバー202は、発見された専用ドライバー203のインストーラーを専用ドライバー管理部301からダウンロードして起動させる(S47)。
【0093】
図11は、図10中のS42,S47で実行される、専用ドライバー203のインストール処理を示すフローチャートである。専用ドライバー203のインストール処理が開始されると、ホストコンピューター20は、図8に示すインストール画面590を表示させる(S50)。ホストコンピューター20は、第1構成選択部591または第2構成選択部592のいずれか一つをユーザーが選択するまで待機する(S51)。
【0094】
ユーザーが第1構成選択部591を操作した場合、ホストコンピューター20は、クラスドライバー202をアンインストールし(S52)、専用ドライバー203をインストールさせる(S53)。
【0095】
これに対し、ユーザーが第2構成選択部592を操作した場合、ホストコンピューター20は、ユーザに承認された、クラスドライバー名5921及び専用ドライバー名5922を記憶し(S54)、専用ドライバー203をインストールする(S55)。
【0096】
ユーザーが第2構成を選択した場合(S54,S55)、図11の下側に示すように、アプリケーションプログラム204には、クラスドライバー202または専用ドライバー203のいずれか一つが対応付けられる。ユーザーは、各ドライバー202,203のうち、印刷用途等に応じて所望のプリンタドライバーを選択できる。
【0097】
図12は、アプリケーションプログラム204毎に、そのアプリケーションプログラム204に対応付けるプリンタドライバーを事前に設定する場合の構成例を示す。例えば、アプリケーションプログラム204(1),204(3)は、それぞれの使用プリンター登録テーブル2041(1),2041(3)によって、専用ドライバー203に対応付けられている。別のアプリケーションプログラム204(2)は、使用プリンター登録テーブル2041(2)によって、クラスドライバー202に対応付けられている。
【0098】
図13は、アプリケーションプログラム204とプリンター(正確にはプリンタドライバー)とを対応付けるための処理を示すフローチャートである。
【0099】
アプリケーションプログラム204が起動すると(S60)、アプリケーションプログラム204は、ユーザーから印刷を指示されたか否かを判定する(S61)。ユーザーから印刷が指示された場合(S61:YES)、アプリケーションプログラム204は、使用プリンター登録テーブル2041を参照し(S62)、プリンタドライバーが対応付けられているか否かを判定する(S63)。
【0100】
アプリケーションプログラム204にプリンタドライバーが対応付けられていない場合(S63:NO)、アプリケーションプログラム204は、ユーザーに、プリンタドライバーの登録を要求する(S64)。アプリケーションプログラム204は、例えば、「このアプリケーションプログラムで使用するプリンタドライバーを登録して下さい。」等のメッセージを画面に表示させる。
【0101】
ユーザーがクラスドライバー202または専用ドライバー203のいずれかを指定するすると、指定されたプリンタドライバーが、そのアプリケーションプログラム204の使用プリンター登録テーブル2041に登録される(S65)。
【0102】
ホストコンピューター20は、使用プリンター登録テーブル2041に登録されているプリンタドライバーに、印刷のための各設定値を引き渡す(S66)。なお、アプリケーションプログラム204にプリンタドライバーが対応付けられている場合(S63:YES)、S64,S65はスキップされてS66に移る。
【0103】
このように構成される本実施例によれば以下の効果を奏する。本実施例では、複数機種のプリンターで使用可能なクラスドライバー202を用意し、プリンター10のCID102に対応するクラスドライバー202をホストコンピューター20にインストールさせる構成とした。従って、OS201の発売後に発表された新しいプリンター10であっても、ユーザーは、クラスドライバー202を用いることにより、最低限の印刷機能を利用することができる。
【0104】
本実施例では、ユーザーの指示するタイミングで、デバイスIDに対応する専用ドライバー203をインストールし、クラスドライバー202を専用ドライバー203に更新させるか、あるいは、クラスドライバー202と専用ドライバー203とを併存させるかを選択できる。従って、一つのプリンター10について、設定項目数の異なる複数のプリンタドライバーを対応付けることができ、ユーザーの使い勝手が高まる。
【0105】
詳細な設定を希望するユーザーは専用ドライバー203を使用すればよく、簡単な設定で済ませたいユーザーはクラスドライバー202を使用すればよい。また、専用ドライバー203のみを使用したいユーザーは、専用ドライバー203のインストール時に、クラスドライバー202をアンインストールさせることができる。
【0106】
本実施例では、クラスドライバー202を象徴するユーザインターフェース表示としてクラスドライバー名5921と、専用ドライバー203を象徴するユーザインターフェース表示として専用ドライバー名5922とを用意する。そして、本実施例では、ユーザーがクラスドライバー202と専用ドライバー203とを区別し易いように、各名称5921,5922を設定できる。従って、ユーザーの使い勝手が向上する。
【0107】
本実施例では、各アプリケーションプログラム204毎にそれぞれ使用するプリンタドライバーを予め登録できる構成とした。従って、作業内容(印刷用途あるいは使用目的)に応じて、適切なプリンタドライバーを登録しておくことができ、ユーザーの使い勝手が高まる。例えば、簡単なテキストを印刷するだけのアプリケーションプログラムにはクラスドライバー202を対応付け、画像やテキストが混じった複雑な結果物を出力させるアプリケーションプログラムには専用ドライバー203を対応付けることができる。
【実施例2】
【0108】
図14,15に基づいて第2実施例を説明する。図14は、本実施例によるプリンタドライバーの選択処理を示すフローチャートである。本実施例を含む以下の各実施例では、第1実施例との相違部分を中心に説明する。本実施例では、
ユーザーは、アプリケーションプログラム204に含まれている印刷指示ボタンや画面に表示されているプリンタアイコン601(図15参照)を操作することにより、印刷を指示することができる(S70)。印刷が指示された場合(S70:YES)、アプリケーションプログラム204は、クラスドライバー202と専用ドライバー203とが併存中であるか否かを判定する(S71)。
【0109】
クラスドライバー202と専用ドライバー203とが併存していない場合(S71:NO)、つまり、専用ドライバー203のみがインストールされている場合(S71:NO)、アプリケーションプログラム204は、印刷のための各設定値を専用ドライバー203に引き渡す(S72)。
【0110】
これに対し、クラスドライバー202と専用ドライバー203とが併存している場合(S71:YES)、アプリケーションプログラム204は、各ドライバー202,203のうちいずれか一つをユーザが選択するまで待機する(S73)。
【0111】
専用ドライバー203が選択された場合、アプリケーションプログラム204は、印刷に必要な各設定値を専用ドライバー203に引き渡す(S74)。クラスドライバー202が選択された場合、アプリケーションプログラム204は、印刷に必要な設定値をクラスドライバー202に引き渡す(S75)。
【0112】
図15は、一つのプリンターアイコン601に異なる複数のプリンタドライバー202,203を対応付ける様子を示す説明図である。
【0113】
図15(a)に示すように、画面600内のプリンターアイコン601は、プリンター10を象徴している。ユーザーがプリンターアイコン601をマウスポインタ602で操作すると、図15(b)に示すダイヤログ603が画面に表示される。
【0114】
そのダイヤログ603には、クラスドライバー202を選択するための第1選択部604と、専用ドライバー203を選択するための第2選択部204とが含まれている。ユーザーは、各選択部604,605のいずれか一方を操作することにより、クラスドライバー202または専用ドライバー203のいずれか一つを選択できる。
【0115】
上述のS73においても、選択用表示部として表現可能なダイヤログ603を表示させることにより、ユーザーにプリンタドライバーを選択させることができる。
【0116】
このように構成される本実施例も第1実施例と同様の効果を奏する。さらに、本実施例では、一つのプリンターアイコン601にクラスドライバー202と専用ドライバー203とをそれぞれ対応付けておき、印刷時に、いずれのプリンタドライバーを使用するかをユーザーが選択できるようにした。従って、ユーザーは、印刷実行を指示する時点で適切なプリンタドライバーを選択することができ、使い勝手が向上する。
【0117】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されない。当業者であれば、本発明の範囲内で、種々の追加や変更等を行うことができる。例えば、画像形成装置としてプリンターを例に挙げたが、本発明はこれに限らず、ディスプレイ装置等の他の画像形成装置にも適用可能であろう。
【符号の説明】
【0118】
10:プリンタ、11:制御部、16:記憶部、20:ホストコンピューター、30:ベンダーウェブサイト、101:デバイスID、102:コンパチブルID(CID)、200:アップデーター、202:クラスドライバー、203:専用ドライバー、204:アプリケーションプログラム、2041:使用プリンター登録テーブル、301:専用ドライバー管理部、302:アップデーター管理部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を形成する画像形成装置を使用するホスト装置であって、
前記画像形成装置を使用するための、第1デバイスドライバーをインストールする第1インストール手段と、
前記画像形成装置を使用するための、第1デバイスドライバーよりも設定項目が多い第2デバイスドライバーをインストールする第2インストール手段と、
前記第2インストール手段によって前記第2デバイスドライバーをインストールする場合に、前記第1デバイスドライバーを削除して前記第2デバイスドライバーのみを残す第1構成とするか、あるいは、前記第1デバイスドライバーと前記第2デバイスドライバーの両方を残す第2構成とするかを、選択する構成選択手段と、
を備えるホスト装置。
【請求項2】
前記構成選択手段によって前記第2構成が選択された場合には、前記画像形成装置の使用目的に応じて、前記第1デバイスドライバーまたは前記第2デバイスドライバーのいずれか一つを使用させる画像形成装置選択手段を備える、請求項1に記載のホスト装置。
【請求項3】
各アプリケーションプログラムが使用するデバイスドライバーを予め登録するための登録テーブルを設け、
前記画像形成装置選択手段は、前記登録テーブルを用いて、前記第1デバイスドライバーまたは前記第2デバイスドライバーのいずれか一つを選択させる、請求項2に記載のホスト装置。
【請求項4】
前記画像形成装置選択手段は、ユーザーからの指示に基づいて、前記第1デバイスドライバーまたは前記第2デバイスドライバーのいずれか一つを選択させる、請求項2に記載のホスト装置。
【請求項5】
前記構成選択手段は、前記第2構成を選択する場合に、前記第1デバイスドライバーを示す第1表示と、前記第2デバイスドライバーを示す第2表示とを異ならせて作成し、画面に表示させる、請求項1または請求項2のいずれかに記載のホスト装置。
【請求項6】
前記第1デバイスドライバーは、前記画像形成装置の有する各機能のうち所定の機能を使用可能に構成されており、
前記第2デバイスドライバーは、前記画像形成装置の有する前記各機能のうち前記第1デバイスドライバーよりも多くの機能を使用可能に構成されている、請求項1または請求項2のいずれかに記載のホスト装置。
【請求項7】
前記第1デバイスドライバーは、前記画像形成装置の機種を含む複数の機種に対応付けることができるように構成されており、
前記第2デバイスドライバーは、前記画像形成装置の機種のみに対応付けることができるように構成されている、請求項1または請求項2のいずれかに記載のホスト装置。
【請求項8】
前記第2デバイスドライバーを管理するための管理装置を設け、前記第2インストール手段は、前記管理装置から通信ネットワークを介して前記第2デバイスドライバーを取得し、インストールする請求項1または請求項2のいずれかに記載のホスト装置。
【請求項9】
画像を形成する画像形成装置と、前記画像形成装置を使用するホスト装置とを備える画像形成システムであって、
前記ホスト装置は、
前記画像形成装置を使用するための、第1デバイスドライバーをインストールする第1インストール手段と、
前記画像形成装置を使用するための、第1デバイスドライバーよりも設定項目の多い第2デバイスドライバーをインストールする第2インストール手段と、
前記第2インストール手段によって前記第2デバイスドライバーをインストールする場合に、前記第1デバイスドライバーを削除して前記第2デバイスドライバーのみを残す第1構成とするか、あるいは、前記第1デバイスドライバーと前記第2デバイスドライバーの両方を残す第2構成とするかを、選択する構成選択手段と、
を備える画像形成システム。
【請求項10】
画像を形成する画像形成装置を使用するホスト装置の制御方法であって、
前記画像形成装置を使用するための、第1デバイスドライバーをインストールし、
前記画像形成装置を使用するための、第1デバイスドライバーよりも設定項目の多い第2デバイスドライバーをインストールする場合に、前記第1デバイスドライバーを削除して前記第2デバイスドライバーのみを残す第1構成とするか、あるいは、前記第1デバイスドライバーと前記第2デバイスドライバーの両方を残す第2構成とするかを、選択させ、
前記第1構成または前記第2構成のいずれか一つが選択された後で、前記第2デバイスドライバーをインストールする、
ホスト装置の制御方法。
【請求項11】
画像を形成する画像形成装置を使用するホスト装置を制御するためのコンピュータープログラムであって、
前記ホスト装置を制御するコンピューターに、
前記画像形成装置を使用するための第1デバイスドライバーをインストールするステップと、
前記画像形成装置を使用するための、第1デバイスドライバーよりも設定項目の多い第2デバイスドライバーをインストールする場合に、前記第1デバイスドライバーを削除して前記第2デバイスドライバーのみを残す第1構成とするか、あるいは、前記第1デバイスドライバーと前記第2デバイスドライバーの両方を残す第2構成とするかを、選択させるステップと、
前記第1構成または前記第2構成のいずれか一つが選択された後で、前記第2デバイスドライバーをインストールするステップと、
を実行させるためのコンピュータープログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2010−160616(P2010−160616A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−1612(P2009−1612)
【出願日】平成21年1月7日(2009.1.7)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】