説明

ホスホジエステラーゼ−4阻害剤の製造方法

1態様において本発明は、ホスホジエステラーゼ−4の阻害剤を製造する上で有用な下記式(V)の中間体のワンポット製造方法に係る。本発明はまた、下記式(IX、IXa)を含むホスホジエステラーゼ阻害剤の製造方法に関するものでもある。
【化122】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホスホジエステラーゼ−4阻害剤の製造方法に関する。詳細には本発明は、ビアリール置換1,8−ナフチリジン−4(1H)−オン類である化合物の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ホルモンは、多様な形で細胞活性に影響を与える化合物である。多くの点で、ホルモンは、特異的細胞応答および活性を誘発するメッセンジャーとして作用する。しかしながら、ホルモンによって生じる多くの効果は、そのホルモンのみの単一の効果によって引き起こされるものではない。代わりに、ホルモンは最初に受容体に結合することで、第2の化合物の放出を誘発し、それが細胞活性に影響を与えるようになる。この経路では、ホルモンは第1のメッセンジャーとして知られ、前記第2の化合物は、第2のメッセンジャーと称される。サイクリックアデノシン1リン酸(アデノシン3′,5′−サイクリック1リン酸、「cAMP」または「サイクリックAMP」)が、エピネフリン、グルカゴン、カルシトニン、コルチコトロピン、リポトロピン、黄体形成ホルモン、ノルエピネフリン、副甲状腺ホルモン、甲状腺刺激ホルモンおよびバソプレッシンなどのホルモンにおける第2のメッセンジャーとして知られている。従ってcAMPは、ホルモンに対する細胞応答に介在する。サイクリックAMPはまた、各種神経伝達物質に対する細胞応答にも介在する。
【0003】
ホスホジエステラーゼ類(「PDE」)は、3′,5′サイクリックヌクレオチドを代謝して5′ヌクレオチド1リン酸とすることで、cAMPの第2のメッセンジャー活性を終止させる酵素ファミリーである。高アフィニティでcAMP特異的なIV型PDEであるホスホジエステラーゼ−4(「PDE4」、「PDE−IV」とも称される)という特定のホスホジエステラーゼが、新規な抗喘息化合物および抗炎症化合物開発における標的として注目されるようになってきた。PDE4は、それぞれが異なる遺伝子によってコードされた少なくとも4種類のイソ酵素として存在することが知られている。既知の4種類のPDE遺伝子産物のそれぞれが、アレルギー反応および/または炎症反応において異なる役割は果たすものと考えられている。従って、PDE4、特に有害な応答を生じる特異的PDE4イソ型の阻害が、アレルギー症状および炎症症状に有益な効果を有し得るものと考えられている。そこで、PDE4活性を阻害する新規な化合物および組成物を提供することが望ましいものと考えられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
PDE4阻害剤使用での主要な懸念は、ビュルヌフらの報告(C. Burnouf et al., Ann. Rep. In Med. Chem., 33 : 91-109 (1998))(「ビュルヌフ」)に記載されているいくつかの候補化合物について認められている嘔吐の副作用である。ヒューズらの報告(B. Hughes et al., Br. J. Pharmacol., 118 : 1183-1191 (1996))、ペリーらの報告(M. J. Perry et al., Cell Biochem. Biophys., 29 : 113-132 (1998))、クリステンセンらの報告(S. B. Christensen et al., J. Med. Chem., 41 : 821-835 (1998))およびビュルヌフには、各種化合物が示す望ましくない副作用について非常に多様な重度が記載されている。ヒュースレイらの報告(M. D. Houslay et al., Adv. In Pharmacol., 44 : 225-342 (1998))およびスピナらの報告(D. Spina et al., Adv. In Pharmacol., 44 : 33-89 (1998))に記載されているように、治療用PDE4阻害剤に対しては関心が高く、研究が行われている。
【0005】
国際特許公開WO9422852には、PDE4阻害剤としてのキノリン類が記載されている。国際特許公開WO9907704には、PDE4阻害剤としての1−アリール−1,8−ナフチリジン−4−オン誘導体が記載されている。
【0006】
クックら(A. H. Cook, et al., J. Chem. Soc., 413-417 (1943))は、γ−ピリジルキノリン類について報告している。他のキノリン化合物が、マナベらの報告に記載されている(Kei Manabe et al., J. Org. Chem., 58 (24) : 6692-6700 (1993) ; Kei Manabe et al., J. Am. Chem. Soc., 115 (12) : 5324-5325 (1993) ; and Kei Manabe et al., J. Am. Chem. Soc., 114 (17) : 6940-6941 (1992))。
【0007】
環化した系を有する化合物が、多くの研究者によって、各種の治療法および用途において有効であると報告されている。例えば、国際特許公開番号WO98/25883には、カルパイン阻害剤としてのケトベンズアミド類が記載されており;欧州特許公開番号EP811610ならびに米国特許第5679712号、5693672号および5747541には、置換ベンゾイルグアニジン系ナトリウムチャンネル遮断薬が記載されており;米国特許第5736297号には、感光組成物として有用な環系が記載されている。
【0008】
米国特許第5491147号、5608070号、5622977号、5739144号、5776958号、5780477号、5786354号、5798373号、5849770号、5859034号、5866593号、5891896号および国際特許公開WO95/35283には、トリ置換のアリールもしくはヘテロアリールフェニル誘導体であるPDE4阻害剤が記載されている。米国特許第5580888号には、スチリル誘導体であるPDE4阻害剤が記載されている。米国特許第5550137号には、フェニルアミノカルボニル誘導体であるPDE4阻害剤が記載されている。米国特許第5340827号には、フェニルカルボキサミド化合物であるPDE4阻害剤が記載されている。米国特許第5780478号には、テトラ置換フェニル誘導体であるPDE4阻害剤が記載されている。国際特許公開WO96/00215には、PDE4阻害剤として有用な置換オキシム誘導体が記載されている。米国特許第5633257号には、シクロ(アルキルおよびアルケニル)フェニル−アルケニル(アリールおよびヘテロアリール)化合物であるPDE4阻害剤が記載されている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
1態様において本発明は、ホスホジエステラーゼ−4の阻害剤を製造する上で有用な下記式Vの中間体を製造するワンポット法に係る。
【0010】
【化6】

【0011】
第2の態様において本発明は、ホスホジエステラーゼ−4の阻害剤である下記式IXおよび下記式IXaの化合物の製造方法に係る。
【0012】
【化7】

【0013】
ホスホジエステラーゼ−4阻害剤は、哺乳動物における例えば喘息、慢性気管支炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、好酸球性肉芽腫、乾癬、他の良性もしくは悪性の増殖性皮膚疾患、内毒素ショック(およびウマにおける蹄葉炎および仙痛などの関連する状態)、敗血症ショック、潰瘍性大腸炎、クローン病、心筋および脳の再潅流損傷、炎症性関節炎、骨粗鬆症、慢性糸球体腎炎、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、成人呼吸窮迫症候群、小児呼吸窮迫症候群、動物における慢性閉塞性肺疾患、尿崩症、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、春季結膜炎、動脈再狭窄、アテローム性動脈硬化、神経性炎症、疼痛、咳、慢性関節リウマチ、強直性脊椎炎、移植拒絶反応および対宿主性移植片病、胃酸過剰分泌、細菌誘発、真菌誘発またはウィルス誘発敗血症もしくは敗血症ショック、炎症およびサイトカイン介在慢性組織変性、骨関節炎、癌、悪液質、筋肉消耗、抑鬱、記憶障害、単極性鬱病、炎症要素を伴う急性および慢性の神経変性性障害、パーキンソン病、アルツハイマー病、脊髄外傷、頭部外傷、多発性硬化症、腫瘍成長および正常組織の癌性侵襲の治療において有用であることが明らかになっている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
1実施形態において、式IXの化合物の製造は、下記式Vの中間体:
【0015】
【化8】

[式中、−ORは、標準的な参考書(Protective Groups in Organic Synthesis, 2nd edition, by Theodora W. Greene and Peter G. M. Wuts (1991)およびProtecting Groups, Philip J. Kocienski (1994)など)に開示のものなどの好適な脱離基であり;例えばRは任意にC1−8アルキル、アリール、ヘテロアリールであっても良く、前記置換基はアリール、C1−8アルキルからなる群から選択され;
は、ハロ、B(OH)、−C≡CH、アリール、ヘテロアリール、C1−10アルキル、アルコキシ、ケトン、アルコール、トリフレート、メシレート、アミド、エステル、ケトン、アセタール、ホスフェート、スタンナン、シリル、B(OR)でモノ、ジ、トリまたはテトラ置換されていても良いC1−8アルキルアリールまたはヘテロアリールであり;RはC1−8アルキルまたはアリールである。]
の製造から開始することができ、それには
段階A:非求核性溶媒中で、下記式IIの化合物:
【0016】
【化9】

[式中、Rはそれぞれ独立に、メチル若しくはエチルなどのC1−8アルキルでモノまたはジ置換されていても良いC1−8アルキルまたはフェニルなどのアリールまたはヘテロアリールである。]を、塩基存在下に下記式式Iの化合物:
【0017】
【化10】

[式中、Rは臭素または塩素である。]と反応させて下記式IIIの化合物:
【0018】
【化11】

を得る段階;ならびに
段階B:非求核性溶媒中、塩基存在下に式IIIの化合物を下記式IVのアミン化合物:
【0019】
【化12】

と反応させて式Vの化合物を得る段階が含まれる。
【0020】
段階Bの非求核性溶媒の定義は、段階Aについて前記で定義の通りである。同様に、段階Bの塩基についての定義は、段階Aについて前記で定義の通りである。
【0021】
段階Aでは、式Iの化合物に対する塩基のモル比は、約12:1〜約3:1で変動させることができる。8:1の比が代表的である。比が3:1より小さいと、アミノアクリル酸エステルの3量化が生じて、1,3,5−トリカルボキシベンゼンが得られる場合がある。式Iの化合物の式IIの化合物に対するモル比は、1:1〜1:3で変動させることができ、代表的には約1:1.5である。反応段階Aは簡便には、25〜100℃または代表的には40〜約60℃の温度範囲で行うことができ、2〜18時間以内、代表的には6〜12時間以内に実質的に完了するまで進行させる。反応段階Bは、上記のように行う。
【0022】
この実施形態には、
が任意にC1−8アルキル、アリール、ヘテロアリールであり;前記置換基がアリール、C1−8アルキルからなる群から選択され;
がメチルまたはエチルまたはフェニルであり;
がハロ、B(OH)、−C≡CH、アリール、ヘテロアリールでモノ、ジ、トリまたはテトラ置換されていても良いC1−8アルキル、アリールまたはヘテロアリールである属が包含される。
【0023】
この実施形態には、
がメチルまたはエチルであり;
がメチルであり;
が、ハロ、B(OH)、−C≡CHで置換されたフェニルである属が包含される。
【0024】
この実施形態には、前記非求核性溶媒がジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトニトリル、トルエン、ベンゼン、ジオキサン、塩化メチレンから選択される属が包含される。
【0025】
直前の属には、前記非求核性溶媒がアセトニトリルである下位属が包含される。
【0026】
この実施形態には、前記塩基が炭酸ナトリウムまたはカリウム、トリエチルアミン、ジエチルアミンおよびヒューニッヒ塩基から選択される下位属が包含される。
【0027】
この実施形態には、前記塩基が炭酸ナトリウムまたはトリエチルアミンから選択される属が包含される。
【0028】
この実施形態には、式IVの化合物の式IIIの化合物に対するモル比が約2:1〜1:2である属が包含される。
【0029】
直前の属には、式IVの化合物の式IIIの化合物に対するモル比が約1:1である下位属が包含される。
【0030】
この実施形態には、塩基の式IVの化合物に対するモル比が少なくとも1:1である属が包含される。
【0031】
直前の属には、塩基の式IVの化合物に対するモル比が約1:1である下位属が包含される。
【0032】
この実施形態には、前記反応が約20〜100℃の温度範囲で行われる属が包含される。
【0033】
直前の属には、前記反応が約40〜約50℃の温度範囲で行われる下位属が包含される。
【0034】
第2の実施形態には、下記式Vの化合物:
【0035】
【化13】

[式中、
−ORは好適な脱離基であり;
は、ハロ、B(OH)、−C≡CH(アルキン)、アリール、ヘテロアリール、C1−10アルキル、アルコキシ、ケトン、アルコール、トリフレート、メシレート、アミド、エステル、ケトン、アセタール、ホスフェート、スタンナン、シリル、B(OR)でモノ、ジ、トリまたはテトラ置換されていても良いC1−8アルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;RはC1−8アルキルまたはアリールである。]の製造方法であって、
段階A:非求核性溶媒中、下記式IIの化合物:
【0036】
【化14】

[式中、
はそれぞれ独立に、メチル若しくはエチルなどのC1−8アルキルでモノまたはジ置換されていても良いC1−8アルキルまたはアリールまたはヘテロアリールである。]を、塩基存在下に下記式Iの化合物:
【0037】
【化15】

[式中、Rは臭素または塩素である。]と反応させて、下記式IIIの化合物:
【0038】
【化16】

を得る段階;ならびに
段階B:非求核性溶媒中、式IIIの化合物を下記式IVのアミン化合物:
【0039】
【化17】

と塩基存在下に反応させて、式Vの化合物を得る段階
を含む方法がある。
【0040】
この第2の実施形態には、
が任意にC1−8アルキル、アリール、ヘテロアリールであり;前記置換基がアリール、C1−8アルキルからなる群から選択され;
がメチルまたはエチルまたはフェニルであり;
がハロ、B(OH)、−C≡CH、アリール、ヘテロアリールでモノ、ジ、トリまたはテトラ置換されていても良いC1−8アルキル、アリールまたはヘテロアリールである属が包含される。
【0041】
この第2の実施形態には、Rが塩素である属が包含される。
【0042】
この第2の実施形態には、
がメチルまたはエチルであり;
がメチルであり;
が、ハロ、B(OH)、−C≡CHで置換されたフェニルである属が包含される。
【0043】
この第2の実施形態には、前記非求核性溶媒がジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトニトリル、トルエン、ベンゼン、ジオキサン、塩化メチレンから選択される属が包含される。
【0044】
この属には、前記非求核性溶媒がアセトニトリルである下位属が包含される。
【0045】
この第2の実施形態には、前記塩基が炭酸ナトリウムまたはカリウム、トリエチルアミン、ジエチルアミンおよびヒューニッヒ塩基から選択される属が包含される。
【0046】
この属には、前記塩基が炭酸ナトリウムまたはトリエチルアミンから選択される下位属が包含される。
【0047】
この第2の実施形態には、塩基の式Iの化合物に対するモル比が約12:1〜約3:1である段階Aの属が包含される。
【0048】
この属には、塩基の式Iの化合物に対するモル比が約8:1〜3:1である段階Aの下位属が包含される。
【0049】
この第2の実施形態には、式Iの化合物の式IIの化合物に対するモル比が約1:1〜1:3である段階Aの属が包含される。
【0050】
この第2の実施形態には、前記反応が約25〜100℃で行われる段階Aの属が包含される。
【0051】
この第2の実施形態には、前記反応が約40〜60℃で行われる段階Aの属が包含される。
【0052】
この第2の実施形態には、式IVの化合物の式IIIの化合物に対するモル比が約2:1〜1:2である段階Bの属が包含される。
【0053】
この属には、式IVの化合物の式IIIの化合物に対するモル比が約1:1である段階Bの下位属が包含される。
【0054】
この第2の実施形態には、塩基の式IVの化合物に対するモル比が約1:1以上である段階Bの属が包含される。
【0055】
この属には、塩基の式IVの化合物に対するモル比が約1:1である段階Bの下位属が包含される。
【0056】
この第2の実施形態には、前記反応が約20〜100℃の温度範囲で行われる段階Bの属が包含される。
【0057】
この属には、前記反応が約40〜約50℃の温度範囲で行われる段階Bの下位属が包含される。
【0058】
この第2の実施形態には、段階Bを進行させる前に段階Aの生成物の精製および単離を行うことなく、単一ポットで反応段階Aおよび反応段階Bを行う属が包含される。
【0059】
別の実施形態において本発明は、下記式IXおよびIXa:
【0060】
【化18】

のホスホジエステラーゼ−4阻害剤の製造方法であって、
段階C:溶媒A中で、下記式Vaの化合物:
【0061】
【化19】

[式中、
−ORは、標準的な参考書(Protective Groups in Organic Synthesis, 2nd edition, by Theodora W. Greene and Peter G. M. Wuts (1991)およびProtecting Groups, Philip J. Kocienski (1994)など)に開示のものなどの好適な脱離基であり;例えばRは任意にC1−8アルキル、アリール、ヘテロアリールであっても良く、前記置換基はアリール、C1−8アルキルからなる群から選択される。]を、下記式VIIまたはVIIaの化合物:
【0062】
【化20】

と、アミン塩基中にてパラジウム触媒およびホスフィン配位子の存在下に反応させて、下記式VIIIまたはVIIIaの化合物:
【0063】
【化21】

を得る段階を含む方法に係る。
【0064】
好ましい式Vaおよび式VIIIおよびVIIIaの化合物はそれぞれ、下記の通りである。
【0065】
【化22】

本明細書に関して、溶媒Aはジメチルアミノアセトアミド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、DMSO、メチルアセトアミド、エーテル類またはそれらの混合物からなる群から選択される。本明細書に関して、ホスフィン配位子はP(t−ブチル)、P(Cy)およびP(t−ブチル)(ビフェニル)などのP(C1−6アルキル)からなる群から選択される。本明細書に関して、前記パラジウム触媒には、フー(Fu)の触媒(すなわち、P(t−ブチル)−Pd−P(t−ブチル))、[PdCl(アリル)、Pd(dba)および[P(t−ブチル)PdBr](ジョンソン−マッテーイ(Johnson-Matthey)触媒)などがある。本明細書に関して、前記アミン塩基はt−アミルアミン、t−ブチルアミン、イソプロピルアミンまたはジイソプロピルアミンなどの立体障害アミン塩基である。
【0066】
段階Cでは、式Vaの化合物の式VIIまたはVIIaの化合物に対するモル比は広範囲で変動可能であるが、至適には約1:1.5〜1.5:1であり、代表的には約1:1である。通常は、式Vaの化合物1モル当たり少なくとも1モル当量の塩基と式VIIもしくはVIIaの化合物1モル当量当たり1モル当量の塩基が望ましい。この比が低くなると収率が低下する。従って上記の反応において、アミン塩基の式Vaの化合物に対する比は、1.2:1以上であることができるが、代表的には2:1〜3.5:1である。パラジウムの式Vの化合物に対するモル比は0.05:1〜0.10:1である。例えば触媒1モル当たり2モルのパラジウムを有する[PdCl(アリル)]の場合、その比は0.025:1〜0.05:1になると考えられる。ホスフィン配位子のパラジウムに対するモル比は代表的には、3:1〜5:1であり、多くの場合約4:1である。その反応は、25〜125℃、より代表的には40〜70℃で行うことができ、反応が実質的に完了するまで進行させる。試薬を加える前に窒素ガスで反応容器をパージすることで、酸素の存在を最小限とする。
【0067】
段階Cの生成物を冷却して0〜約5℃とする。その後、1倍容量の溶媒当たり3〜6倍容量の貧溶媒を段階Cの生成物に加えて、式VIIIまたはVIIIaの化合物を沈殿させる。本明細書に関して、前記貧溶媒は式VIIIまたはVIIIaの化合物が沈殿する非反応性溶媒と定義される。
【0068】
式VIIIまたはVIIIaの沈殿化合物を含むスラリーを濾過するか遠心する。式VIIIまたはVIIIaの化合物を含むフィルターまたは遠心ケーキを再度スラリー化するか、あるいはイソブタノールまたはイソプロパノールで直接洗浄して、残留パラジウムを除去する。例えば、式VIIIまたはVIIIaの化合物を含むフィルターケーキを、式VIIIまたはVIIIaの化合物の乾燥重当たり40〜60倍容量のイソブタノールによってin situで(すなわち圧濾器上で)洗浄することができる。
【0069】
別法として、式Iの化合物をC1−6アルカノール溶媒(メタノール、エタノールまたはプロパノールなど)に再度溶かし、式IXまたはIXaの化合物を含むスラリーをダルコ(Darco)G−60またはエコソルブ(Ecosorb)などの活性炭で処理して、残留パラジウムを除去することができる。次にそのスラリーを濾過して、活性炭を除去する。明らかなように、生成物との接触の前または後に、アルカノールを加熱することで(例えば25〜70℃)、生成物のアルカノール溶媒中での溶解度を高めることが便利である。代表的に、そのスラリーを1〜6時間加熱状態に維持し、温かいうちに濾過する。
【0070】
機能的には、段階Cで得られる全体的な変換率は、代表的なソノガシラ(Sonogashira)カップリング反応のものと同様である。従って段階Cは、アルキンのアリールハライドへの効率的な1段階法である。他方において段階Cは、いくつかの重要な面でソノガシラカップリング反応とは異なる。例えばソノガシラカップリング反応では通常は、パラジウム触媒に加えて銅、亜鉛、マグネシウムまたはジルコニウム試薬を用いる必要がある。銅が好ましい。しかしながら本出願人は、式Vaおよび式VIIの化合物のソノガシラカップリング(Sonogashira, K. in Metal-Catalyzed Cross-Coupling Reactions; Diederich, F. and Stang, P. eds; Wiley-VCH: Weinheim, Germany, 1998, Chapter 5。Littke, A.およびFu, G. Angew. Chem. Int. Ed. 1998, 37, No. 24, pp 3387-3388; Wolfe, J. Singer, R. , Yang, B and Buchwald, S., J. Am. Chem. Soc., 1999, 121, pp 9550-9561.も参照)は、生成物中の式Vaの化合物の10%という量のダイマーの生成の結果であることを見出した。
【0071】
ヘルマンら(Hermann, et. al., Eur. J. Chem 2000, 3679-3681))は、パラジウム触媒を慎重に選択すると、銅の必要性をなくすことが可能であると報告している。P(Cy)−Pd−P(Cy)およびP(t−ブチル)−Pd−P(t−ブチル)(フーの触媒)が、そのような触媒の2例である。そのような触媒は、特殊な取り扱いをする必要がある。それとは対照的に本発明の触媒は、ヘキサン中での安定なパラジウム源([Pd(アリル)Cl]など)と安定な市販のパッケージ済み配位子(10重量%トリ−(t−ブチル)ホスフィンなど)との反応でin situで製造される。さらに、触媒をin situで形成することで、本発明では、商業的入手先からは一般に入手できない配位子/パラジウム比が簡単に得られる。
【0072】
段階D:任意にホスフィンまたは他の触媒の存在下に、溶媒B中で式VIIIの化合物をシクロプロピルアミンと反応させる段階。
【0073】
本明細書に関して溶媒Bは、メタノール、エタノール、プロパノール類およびブタノール類ならびにトリフルオロエタノールあるいはそれらの混合物というC1−4アルカノール溶媒などのアルカノール溶媒を含むものと定義される。アセトニトリルを用いることもできる。本明細書に関して前記触媒は、ブチルホスファイト((BuO)P)、ピリジン−N−オキサイド類、オルト酢酸トリアルキル、塩化亜鉛、塩化マグネシウム、マグネシウムトリフラート、スカンジウムトリフラート、ランタントリフラート、イットリウムトリフラート、二塩化チタノセンまたは二塩化ジルコノセンを含むものと定義される。留意すべき点として、本明細書に関して触媒という用語は、従来の「触媒」量より多く存在している場合であっても、反応を促進する試薬を含むものである。
【0074】
シクロプロピルアミンの式VIIIまたはVIIIaの化合物に対するモル比は、代表的には1:1より大きく、多くの場合で1.1:1以上である。その比が小さくなると収率が低下する。触媒の式VIIIまたはVIIIaの化合物に対する比は、通常は0.025:1〜0.075:1であり、多くの場合約0.05:1であり、あるいは0.10:1〜1:1以上も可能である。塩化マグネシウムの場合、触媒の式VIIIまたはVIIIaの化合物に対する代表的な比は、0.9:1〜1:1.5である。その反応は、40〜約60℃で、より代表的には55〜60℃で行うことができ、反応が実質的に完結するまで進行させる。試薬を加える前に反応容器を窒素ガスでパージすることで、酸素の存在を最小限とする。至適な結果を得るには、Kが3000ppm以下で段階Dを行うことが望ましい。
【0075】
段階Dの生成物を冷却して0〜約30℃、代表的にはほぼ室温とする。その後、溶媒留去し、次に過剰の貧溶媒を加えることで、溶媒を貧溶媒(貧溶媒B)に代える。本明細書に関して貧溶媒Bは、反応生成物(この場合、式IXの化合物)での溶媒と定義される。1倍容量の溶媒当たり3〜6倍の貧溶媒を段階Cの生成物に加えて、式VIIIまたはVIIIaの化合物を沈殿させる。本明細書に関して貧溶媒は、式VIIIまたはVIIIaの化合物が沈殿する非反応性溶媒と定義される。
【0076】
不純物を除去するため、式VIIIまたはVIIIaの沈殿化合物を含むスラリーを、水、アセトニトリル、酢酸イソプロピル、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、エタノール、プロパノール類およびブタノール類などの溶媒で洗浄する。その後、濾過または真空乾燥によって溶媒を除去する。次に、濾過した式VIIIまたはVIIIaの化合物を、脱水エタノール、メタノール、トリフルオロエタノール、N−メチルピロリジノン、メチルt−ブチルエーテルまたはそれらの混合物などの変換溶媒と混合し、任意に加熱して40〜50℃とし、式VIIIまたはVIIIaの化合物の少なくとも95%が所望の形態となるまでその温度に維持することができる。次に、変換溶媒を濾過または遠心によって除去し、得られた生成物を真空乾燥する。必要な変換溶媒の量は、式VIIIまたはVIIIaの化合物を懸濁または溶解させるのに十分な量である。
【0077】
「アリール」という用語は、別段の具体的な断りがない限り、例えばフェニルまたはナフチルなどの多環系ならびに単環系を含む。
【0078】
「ヘテロ」という用語は、別段の具体的な断りがない限り、1以上のO、SまたはN原子を含む。例えば、複素環アルキルおよびヘテロアリールには、環に1以上のO、SまたはN原子(そのような原子の混在を含む)を有する環系が含まれる。ヘテロ原子は環炭素原子に置き換わるものである。従って、例えば複素環C5アルキルは、5〜0個の炭素原子を有する5員環である。
【0079】
ヘテロアリールの例には、例えばピリジニル、キノリニル、イソキノリニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、キノキザリニル、フリル、ベンゾフリル、ジベンゾフリル、チエニル、ベンゾチエニル、ピロリル、インドリル、ピラゾリル、インダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリルなどがある。
【0080】
本明細書に記載の化合物は、1以上の不斉中心を持つことができることから、ジアステレオマーおよび光学異性体を生じる場合がある。本発明は、そのような可能な全てのジアステレオマーならびにそれらのラセミ混合物、それらの実質的に純粋な分割されたエナンチオマー、全ての可能な幾何異性体およびそれらの塩を含むものである。
【0081】
本発明の用途は、本発明を用いることで製造することができるホスホジエステラーゼ−4阻害剤の例によって例示される。
【0082】
約0.001mg/kg/日〜約140mg/kg/日の用量レベルは、PDE4阻害に対して反応性である喘息、慢性気管支炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、好酸球性肉芽腫、乾癬、他の良性もしくは悪性の増殖性皮膚疾患、内毒素ショック(およびウマにおける蹄葉炎および仙痛などの関連する状態)、敗血症ショック、潰瘍性大腸炎、クローン病、心筋および脳の再潅流損傷、炎症性関節炎、骨粗鬆症、慢性糸球体腎炎、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、成人呼吸窮迫症候群、小児呼吸窮迫症候群、動物における慢性閉塞性肺疾患、尿崩症、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、春季結膜炎、動脈再狭窄、アテローム性動脈硬化、神経性炎症、疼痛、咳、慢性関節リウマチ、強直性脊椎炎、移植拒絶反応および対宿主性移植片病、胃酸過剰分泌、細菌誘発、真菌誘発またはウィルス誘発敗血症もしくは敗血症ショック、炎症およびサイトカイン介在慢性組織変性、骨関節炎、癌、悪液質、筋肉消耗、抑鬱、記憶障害、単極性鬱病、炎症要素を伴う急性および慢性の神経変性性障害、パーキンソン病、アルツハイマー病、脊髄外傷、頭部外傷、多発性硬化症、腫瘍成長および正常組織の癌性侵襲などの状態の治療において有用であり、あるいは別の表現では患者当たり約0.05mg/日〜約7g/日である。例えば炎症は、約0.01mg/kg/日〜50mg/kg/日、あるいは別の表現では患者当たり約0.5mg/日〜約2.5g/日で化合物を投与することで効果的に治療することができる。さらに、PDE4阻害性の本発明の化合物を予防上有効な用量レベルで投与して、上記の状態を予防することができることは明らかであろう。
【0083】
担体材料と組み合わせて単一製剤を得ることができる有効成分の量は、治療を受ける宿主および特定の投与形態に応じて変動するものである。例えば、ヒトへの経口投与用の製剤は簡便には、組成物全体の約5〜約95%で変動し得る適切かつ簡便な量の担体との混合で、活性薬剤約0.5mg〜約5gを含むことができる。単位製剤は通常、有効成分約0.01mg〜約1000mgを含有し、代表的には0.01mg、0.05mg、0.25mg、1mg、5mg、25mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、800mgまたは1000mgである。
【0084】
しかしながら、特定の患者における具体的な用量レベルは、年齢、体重、全身の健康状態、性別、食事、投与時刻、投与経路、排泄速度、併用薬剤および治療を受ける特定の疾患の重度などの各種要素によって決まることは明らかであろう。
【0085】
下記の実施例は、本発明のある種の好ましい実施形態を説明するためのものであり、本発明の限定を示唆するものではない。
【0086】
本発明の化合物は、下記の方法に従って製造することができる。置換基は、別段の定義がある場合を除き、式Iのものと同様である。
【0087】
式Vの中間体化合物の製造
【0088】
【化23】

【0089】
ナフチリドン1
【0090】
【化24】

段階1:1−(3−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボン酸エチル
2−クロロニコチノイル酢酸エチル(購入またはJ. Het. Chem., 30, 855, 1993に記載の手順に従って製造)(1当量)、トリエチルアミン(4当量)および3,3−ジメチルアミノアクリル酸エチル(1.5当量)のアセトニトリル(0.5M)中混合物を3時間加熱還流し、冷却して40〜50℃とし、3−ブロモアニリン(1当量)を加えた。反応液を加熱して終夜還流し、冷却して室温とし、水で希釈した(2倍容量)。生成物を濾過によって単離し、水、エーテルまたはアセトニトリル−水(1:1)で洗浄した。
【0091】
H NMR(アセトン−d)δ1.32(t、3H)、4.29(q、2H)、7.54〜7.63(m、2H)、7.69(dd、1H)、7.78(dd、1H)、7.93(s、1H)、8.66〜8.71(m、3H)。
【0092】
ナフチリドン2
【0093】
【化25】

1−(3−アセチレニルフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボン酸エチル
3−ブロモアニリンに代えて3−アセチレニルアニリンを用いた以外はナフチリドン1について記載の手順に従って、標題ナフチリドン2が得られる。
【0094】
H NMR(CDCl)δ1.42(t、3H)、3.19(s、1H)、4.20(q、2H)、7.42〜7.46(m、2H)、7.53〜7.59(m、2H)、7.67(dt、1H)、8.64(dd、1H)、8.68(s、1H)、8.83(dd、1H)。
【0095】
ナフチリドン3
【0096】
【化26】

1−(3−シアノフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボン酸エチル
3−ブロモアニリンに代えて3−シアノアニリンを用いた以外はナフチリドン1について記載の手順に従って、標題ナフチリドン3が得られる。
【0097】
H NMR(DMSO−d)δ1.27(t、3H)、4.23(q、2H)、7.57(dd、1H)、7.80(t、1H)、7.96〜8.04(m、2H)、8.20(t、1H)、8.61(dd、1H)、8.68(dd、1H)、8.70(s、1H)。
【0098】
ナフチリドン4
【0099】
【化27】

1−(4−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボン酸エチル
3−ブロモアニリンに代えて4−ブロモアニリンを用いた以外はナフチリドン1について記載の手順に従って、標題ナフチリドン4が得られる。
【0100】
H NMR(DMSO−d)δ1.26(t、3H)、4.22(q、2H)、7.54〜7.59(m、3H)、7.78(d、2H)、8.61(dd、1H)、8.63(s、1H)、8.68(dd、1H)。
【0101】
ナフチリドン5
【0102】
【化28】

1−(2−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボン酸エチル
3−ブロモアニリンに代えて2−ブロモアニリンを用いた以外はナフチリドン1について記載の手順に従って、標題ナフチリドン5が得られる。
【0103】
H NMR(DMSO−d)δ1.26(t、3H)、4.23(q、2H)、7.53〜7.62(m、3H)、7.75(dd、1H)、7.88(dd、1H)、8.61(s、1H)、8.63(dd、1H)、8.68(dd、1H)。
【0104】
ナフチリドン6
【0105】
【化29】

1−(2−tert−ブチルフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボン酸エチル
1−ブロモ−2−tert−ブチルアニリンに代えて1−ブロモ−2−tert−ブチルフェニルアニリンを用いた以外はナフチリドン1について記載の手順に従って、標題ナフチリドン6が得られる。
【0106】
H NMR(DMSO−d)δ1.08(s、9H)、1.25(t、3H)、4.22(q、2H)、7.30〜7.40(m、2H)、7.50〜7.56(m、2H)、7.73(dd、1H)、8.59(s、1H)、8.62(dd、1H)、8.70(dd、1H)。
【0107】
ナフチリドン7
【0108】
【化30】

1−(3−フェニルボロン酸)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボン酸エチル
3−ブロモアニリンに代えて3−アミノフェニルボロン酸を用いた以外はナフチリドン1について記載の手順に従って、標題ナフチリドン7が得られる。
【0109】
H NMR(DMSO−d)δ1.26(t、3H)、4.22(q、2H)、7.56(完全に一致する3重線、2H)、7.60(d、1H)、7.87(s、1H)、7.94(d、1H)、8.24(s、2H、交換可能)、8.61(d、1H)、8.62(s、1H)、8.68(d、1H)。
【0110】
PDE−4阻害剤化合物
下記のものは、本明細書に記載の手順に従って製造することができるPDE−4阻害剤化合物の例である。留意すべき点として、図式1〜12およびそれら図式についての説明で使用される式番号は、本特許出願の他の箇所で使用される式番号と混同しないようにしなければならない。ナフチリドン1を用いて、実施例1〜13を製造した。
【0111】
図式1
下記の図式1に示した第1の方法では、式IIの適切に置換された2−クロロニコチノイル酢酸エチルの誘導体を、1.5当量のオルトギ酸トリエチルおよび5当量の無水酢酸と130℃で反応させ、揮発性成分を除去した後に、塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素溶媒中にて0℃〜室温の温度で、式IIIの粗アクリル酸2−クロロニコチノイルをただちに1.2当量の例えば3−ブロモアニリンなどの式IVの適切に置換されたハロアリールアミンと反応させる。2〜24時間の範囲の適切な反応時間後、式Vの得られた3−アリールアミノアクリレートを、溶媒留去によって得て、それをさらにシリカゲルでのクロマトグラフィーまたは適切な溶媒からの結晶化によって精製することができる。
【0112】
あるいは式Vの化合物は、それ以上精製せずに次の段階で用いることができる。出発温度を0℃とし、プロセスを完了させるのに必要な場合には室温まで昇温させながら、テトラヒドロフランなどの適切な溶媒中、例えば水素化ナトリウム等のアルカリ金属水素化物などの小過剰の強塩基で処理することで、式Vの化合物の式VIの1−ハロアリール−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オンカルボキシレートへの環化を行う。多量の水によって希釈し、次に濾過し、そしてジエチルエーテル、酢酸エチルまたはハロゲン化炭化水素溶媒(クロロホルムまたは塩化メチレンなど)等の適切な有機溶媒中に抽出することで、式VIの生成物を粗生成物の形で単離する。シリカゲルでのクロマトグラフィー、結晶化または適切な溶媒中での長時間の攪拌とそれに続く濾過によって、生成物をさらに精製することができる。
【0113】
そうして得られた式VIの生成物を、テトラヒドロフランまたは1級、2級もしくは3級アルカノール(例:メタノールまたはエタノール)あるいはそれらの組合せなどの有機共溶媒を用い、室温〜還流温度の温度範囲で適切な期間にわたり、炭酸アルカリまたは好ましくは水酸化ナトリウムもしくはカリウムなどのアルカリ塩基の水溶液を用いて塩基性条件下で加水分解して、対応するカルボン酸誘導体とすることができる。塩酸、硫酸または同様の酸などの無機酸の水溶液を用いて酸性とし、濾過し、あるいはジエチルエーテル、酢酸エチルまたはハロゲン化炭化水素溶媒(例:クロロホルムまたは塩化メチレンなど)などの適切な有機溶媒に抽出することで、得られたカルボン酸を、粗生成物として単離する。シリカゲルでのクロマトグラフィ、結晶化または適切な溶媒中での長時間の攪拌とそれに続く濾過によって、生成物をさらに精製することができる。
【0114】
次に、有機化学者には公知の一般的手順によって、好ましくはテトラヒドロフランなどの有機溶媒中にて低温(好ましくは0℃)で30分〜3時間にわたり大過剰(例:2.5当量)の3級有機アミン(例:トリエチルアミンまたはN,N−ジイソプロピルエチルアミン)の存在下に小過剰(例えば1.25当量)の適切なクロルギ酸アルキル(例:クロルギ酸エチルまたはイソブチル)で処理することで最初に混成無水物に変換することで、得られたカルボン酸を式VIIの適切な1級、2級または3級アミド類縁体に変換する。次に、過剰(通常は5当量以上)の適切な1級若しくは2級アミンまたは水酸化アンモニウム水溶液を加え、得られた反応液を0℃〜室温の範囲の温度で、適切な期間(通常な1〜24時間)にわたって反応進行させる。
【0115】
水で沈殿させ、濾過し、あるいはジエチルエーテル、酢酸エチルまたはハロゲン化炭化水素溶媒(例:クロロホルムまたは塩化メチレン)などの適切な有機溶媒に抽出することで、次に、所望の式VIIのアミドを粗生成物として単離する。シリカゲルでのクロマトグラフィー、結晶化または適切な溶媒中での長期間の攪拌とそれに続く濾過によって、生成物をさらに精製することができる。アミド部分が2,6−ジクロロピリジン−4−イルである場合、テトラヒドロフランなどの溶媒中にて水素化ナトリウムなどの強水素化アルカリを用いて、低温(好ましくは0℃)で4−アミノ−3,5−ジクロロピリジンのアニオンを発生させ、適切な公知の手順によって、通常はテトラヒドロフランなどの溶媒中にて触媒量のN,N−ジメチルホルムアミドによって活性化させたオキサリルクロライドの作用によって発生させたカルボン酸(式VIのエステルの加水分解から)の酸塩化物と反応させる別の手順を用いる。
【0116】
適切な溶媒または溶媒混合物中、好ましくはトルエンおよびエタノールの1:1混合物中にて、過剰量の炭酸ナトリウムなどのアルカリ塩基水溶液の存在下、適切な温度、好ましくは50〜100℃で0.5〜48時間の範囲の適切な長さの時間にわたり、トランス−ジブロモビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)または[1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)などの遷移金属種の触媒作用下に式VIIIの適切に置換されたアリールまたはヘテロアリールボロン酸またはボロン酸エステルと反応させることで、一般式VIIのアミドを処理して式Iの生成物とする。
【0117】
次に、水による沈殿と濾過またはジエチルエーテル、酢酸エチルまたはハロゲン化炭化水素溶媒(例:クロロホルムまたは塩化メチレンなど)なとの適切な有機溶媒への抽出によって、得られた反応生成物を粗生成物として単離する。シリカゲルでのクロマトグラフィー、結晶化または適切な溶媒中での長期間の攪拌とそれに続く濾過によって、生成物をさらに精製することができる。
【0118】
式Iの化合物はまた、ヨウ化第一銅などの銅(I)種の存在下にトランス−ジブロモビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)または[1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)などの遷移金属種の触媒作用下で、N,N−ジメチルホルムアミドなどの適切な溶媒中、50〜100℃の温度範囲で、2〜24時間にわたって、式IXの適切に置換されたアリールまたはヘテロアリールトリブチルスタンナンと式VIIの化合物を反応させることによっても得ることができる。反応生成物の単離を、上記のように行う。
【0119】
あるいは、上記の条件下での適切に置換されたボロン酸またはボロン酸エステルとの反応または適切に置換されたスタンナン誘導体との反応によって、式VIのエステルを処理して式Xのエステルとすることができ、そのエステルを加水分解し、式Iのアミドに変換することができる。
【0120】
式VIIIのボロン酸または対応するボロン酸エステルは通常、商業的入手先から得られる。必要な場合にはそれらは、n−ブチルリチウムによる金属化とそれに続くホウ酸トリアルキルとの反応を介して対応するハライドから、あるいはジボロンピナコールエステルを用いる従来の遷移金属触媒カップリング法を用いて容易に製造することができる。式IXのスタンナンは、n−ブチルリチウムを用いて最初に金属化し、次に塩化トリブチルスズを加えることで対応するハライドから発生させる。
【0121】
【化31】

【0122】
下記の図式2に示した式Iの化合物の別途製造方法では、N,N−ジメチルホルムアミドなどの溶媒中、50〜100℃の範囲の温度で、1〜48時間の範囲の期間にわたり、トランス−ジブロモビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)または[1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)などの遷移金属種の触媒作用下に、酢酸カリウムなどの無機塩存在下にて、過剰量のジボロンピナコールエステルで処理することで、式VIIのアミドを式XIの対応するボロン酸エステルに変換することができる。式XIのボロン酸エステルは、水による沈殿と濾過、あるいはジエチルエーテル、酢酸エチルまたはハロゲン化炭化水素溶媒(例:クロロホルムまたは塩化メチレン)などの適切な有機溶媒での抽出によって単離することができる。シリカゲルでのクロマトグラフィー、結晶化または適切な溶媒中での長期間の攪拌とそれに続く濾過によって、得られた生成物をさらに精製することができる。
【0123】
あるいは、式XIのボロン酸エステルを、単離せずに反応媒体中in situで反応させた状態で用い、適切な溶媒または溶媒混合物中、好ましくはトルエンおよびエタノールの1:1混合物中にて、過剰量の炭酸ナトリウムなどのアルカリ塩基水溶液の存在下、適切な温度、好ましくは50〜100℃で0.5〜48時間の範囲の適切な長さの時間にわたり、[1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)などの遷移金属種の触媒作用下に式XIIの適切に置換されたアリールまたはヘテロアリールハライドと反応させることができる。
【0124】
次に、式Iの反応生成物を、水による沈殿と濾過、あるいはジエチルエーテル、酢酸エチルまたはハロゲン化炭化水素溶媒(例:クロロホルムまたは塩化メチレン)などの適切な有機溶媒での抽出によって単離する。シリカゲルでのクロマトグラフィー、結晶化または適切な溶媒中での長期間の攪拌とそれに続く濾過によって、生成物をさらに精製することができる。
【0125】
【化32】

【0126】
本発明の式Iの化合物の合成に用いられる第3の方法では(図式3)、中間体である式IIIのアクリル酸ニコチノイルを、前述の条件下で式XIIIの適切に構築されたジアリールまたはヘテロアリールアリールアミンと反応させて、式XIVの化合物を得る。それを上記のような水素化ナトリウムなどの強塩基の作用によって環化させて式Xのエステルを得て、それを上記のような加水分解およびアミド形成を介して処理して式Iの化合物とする。
【0127】
【化33】

【0128】
式XIIIのジアリールまたはヘテロアリールアリールアミン中間体を、図式4に示した方法に従って組み立てた。上記のような遷移金属種の触媒作用下に、式XVの適切に置換されたアニリンボロン酸を一般式XIIの適切に置換されたアリールまたはヘテロアリールハライドとカップリングさせて、図式3で用いられる式XIIIの化合物を得る。
【0129】
【化34】

【0130】
式XVIIの炭素系求核剤(Rは、ピリジンへの炭素−炭素連結を有するR部分から選択される)によって2位で置換されたブロモピリジン中間体は、図式5に示した方法に従って簡便に製造される。そのブロモピリジン中間体は、−10℃〜室温の温度範囲にてテトラヒドロフランなどの溶媒中、[1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロニッケル(II)などの遷移金属種の触媒作用下に適切なグリニャール試薬溶液で処理することで式XVIのジハライドから製造され、得られた反応混合物を公知の手順によって後処理することで、所望の生成物が得られる。
【0131】
【化35】

【0132】
2−置換基がアルコキシ基ORであるXVIII型のハロピリジン中間体は、図式6に示した適切なアルカリアルコキシドによる置き換えによって式XVIのジハライドから誘導される。この反応は、0℃〜室温の温度範囲でN,N−ジメチルホルムアミドなどの溶媒中で行われ、反応完了後、従来法に従って生成物を単離および精製する。
【0133】
【化36】

【0134】
2−置換基がスルフィド、スルホキシドまたはスルホンである式XIXまたはXXの中間体が必要な場合、それらは図式7に記載の方法に従って得た。XVI型の適切なジハロピリジンを、通常は−78℃〜室温の温度範囲でN,N−ジメチルホルムアミドまたはジエチルエーテルなどの溶媒中、水素化アルカリまたはn−ブチルリチウムなどの強塩基の作用によって対応するチオールまたはジスルフィドから発生させた適切なチオアルコキシドと反応させる。反応が完了したら、式XIXの生成物を単離し、従来の手順に従って精製する。そうして得られた生成物を、オキソンまたは有機過酸などの酸化剤の作用によって酸化して、式XXの対応するスルホキシドまたはスルホンとすることができる。図式7では、R10はHまたはC1−6アルキルである。
【0135】
【化37】

【0136】
図式8に示した式XXIIのハロアシルピリジン中間体の製造では、0℃〜室温の温度範囲でジエチルエーテルなどの溶媒中にて適切なグリニャール試薬溶液でXXI型のハロピリジンエステルを処理する必要がある。その反応をさらに長時間および還流下に行うと、式XXIIIのハロピリジンカルビノールが得られる。図式8および9では、RはC1−6アルキルであり、Rはメチルまたはエチルである。
【0137】
【化38】

【0138】
図式9には、XXIII型のある種のハロピリジンカルビノールを合成するための別途手順を示してある。2,5−ジブロモピリジンをトルエン中−78℃でn−ブチルリチウムによって処理し、次に適切なケトンまたはアルデヒドを加え、そして次に−78℃で反応停止すると、カルビノール基がピリジン環の2位を占めるXXIII型のカルビノールが得られる。金属化段階をジエチルエーテル中で行うと、同じプロセスで、カルビノール基がピリジン環の5位を占める式XXIIIの中間体が得られる。
【0139】
【化39】

【0140】
図式10には、Rが置換フェニルまたはヘテロアリール基である式Iの化合物についての合成方法を示してある。RがハロゲンであるI型の中間体化合物を、上記の方法のいずれかを用いて式VIIの適切に置換されたボロン酸もしくはボロン酸エステルまたは式IXのトリブチルスタンナンと反応させて、所望の化合物を得る。
【0141】
【化40】

【0142】
式Iの前組立化合物についての各種のさらなる変換を図式11に示してある。Ar基がピリジン基またはキノリン基である場合、一般に使用される条件下でのm−クロロ過安息香酸またはモノペルオキシフタル酸マグネシウムなどの適切な酸化剤の作用によって、それを酸化して対応する窒素オキサイドとすることができる。Ar基上の1以上の置換基がケトンである場合、溶媒としてのピリジン中でのヒドロキシルアミンの作用によって、それを簡便にオキシム類縁体に変換する。適切な量の酸化剤(例:オキソンまたは有機過酸)を用いることで、スルフィド置換基を容易に酸化して、対応するスルホキシドまたはスルホン誘導体とする。
【0143】
2−ベンジルオキシピリジンの対応する2−ピリドンへの変換を、塩化メチレンなどの溶媒中、室温でまたはわずかに昇温させてトリフルオロ酢酸で処理することで行った。ピペラジン環からのtert−ブチルオキシカルボニル保護基の脱離を、1,2−ジクロロエタンなどの溶媒中、還流温度でのトリフルオロ酢酸との反応によって行う。Ar上の置換基がヒドロキシメチル基である例では、塩化メチレンなどの溶媒中、トリフェニルホスフィンまたはダイフォス(diphos)などのトリ置換ホスフィンの存在下にテトラハロメタンを用いてそれを誘導体化して、類似のハロメチル部分とすることができる。得られたハライドを適切なスルフィン酸ナトリウム塩に置き換えることで、アルキルまたはアリールスルホニルメチル類縁体を得ることができる。
【0144】
【化41】

【0145】
図式12のXXIV型の化合物等の1−ヒドロキシ−1−メチルアルキル誘導体のXXVI型の1,2−ジヒドロキシアルキル類縁体への変換を、最初に酸触媒脱水することで(例えば、硫酸水溶液中で加熱することで)行ってXXV型の中間体1−アルキルビニル種を得て、それを例えば触媒量のオスミウム酸カリウム・2水和物の存在下に4−メチルモルホリンN−オキサイド(NMO)などの酸化剤を用いるジヒドロキシル化プロセスによって所望のジオールXXVIに変換することで行う。
【0146】
【化42】

【0147】
実施例
本発明の実施例を、式(I)を参照して下記の表にまとめた。
【0148】
【表1】


【0149】
【表2】


【0150】
【表3】

【0151】
【表4】


【0152】
【表5】




【実施例1】
【0153】
N−イソプロピル−1−[3−(3−アセチルフェニル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0154】
【化43】

段階1:3−(3−ブロモアニリノ)−2−(2−クロロニコチノイル)アクリル酸エチル
2−クロロニコチノイル酢酸エチル(41.1g、180.5mmol)、オルトギ酸トリエチル(40.12g、271mmol)および無水酢酸(92.05g、902.5mmol)の混合物を130℃で2.5時間加熱した。揮発性成分を留去し、残留物をキシレンとともに2回共留去した。油状残留物を塩化メチレン(250mL)に溶かし、3−ブロモアニリン(37.25g、216.6mmol)をゆっくり加えた。得られた溶液を室温で18時間攪拌し、溶媒留去した。得られた粗化合物をそのまま次の段階で用いた。
【0155】
段階2:1−(3−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボン酸エチル
段階1からの粗化合物をテトラヒドロフラン(500mL)に溶かし、溶液を冷却して0℃とし、水素化ナトリウム(オイル中60%分散品として、9.4g、235mmol)を少量ずつ加えた。0°で1時間攪拌した後、混合物を昇温させて室温とした。2時間後、水(400mL)を懸濁液に加え、不溶固体を濾過し、多量の水で洗浄した。乾燥したら、固体をエーテル(150mL)中室温で24時間攪拌し、濾過して、標題化合物をクリーム色固体として得た。
【0156】
H NMR(アセトン−d)δ1.32(t、3H)、4.29(q、2H)、7.54〜7.63(m、2H)、7.69(dd、1H)、7.78(dd、1H)、7.93(s、1H)、8.66〜8.71(m、3H)。
【0157】
段階3:1−(3−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボン酸
段階2からの1−(3−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボン酸エチル(52.5g、140.7mmol)のテトラヒドロフラン(400mL)、メタノール(400mL)および1N水酸化ナトリウム水溶液(280mL)混合液中懸濁液を、約50℃で加熱しながら20分間攪拌した。冷却後、混合物を水(300mL)で希釈し、1N HCl水溶液(325mL)を加えた。45分間攪拌後、沈殿を濾過し、水で十分に洗浄し、乾燥させて、標題酸をクリーム色固体として得た。
【0158】
H NMR(アセトン−d)δ7.65(t、1H)、7.76(m、2H)、7.84(d、1H)、7.99(s、1H)、8.87(m、2H)、9.01(s、1H)。
【0159】
段階4:N−イソプロピル−1−(3−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
段階3からの1−(3−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボン酸(26.3g、76mmol)およびトリエチルアミン(23.2g、230mmol)のテトラヒドロフラン(1000mL)懸濁液に0℃で、クロルギ酸イソブチル(18.85g、138mmol)を加えた。0℃で2時間攪拌後、イソプロピルアミン(23g、390mmol)を加え、混合物を昇温させて室温とし、終夜攪拌した。混合物を酢酸エチルと水との間で分配し、有機相を脱水し、溶媒留去して固体を得た。それをエーテル中室温で3時間攪拌し、濾過して、N−イソプロピル−1−(3−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドを白色固体として得た。
【0160】
H NMR(アセトン−d)δ1.25(d、6H)、4.17(m、1H)、7.59〜7.63(m、2H)、7.70(d、1H)、7.80(d、1H)、7.94(s、1H)、8.73(m、1H)、8.78(d、1H)、8.85(s、1H)、9.61(br、NH)。
【0161】
段階5:N−イソプロピル−1−[3−(3−アセチルフェニル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
段階4からのN−イソプロピル−1−(3−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド、3−アセチルフェニルボロン酸(1.2当量)、トランス−ジブロモビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(0.05当量)、トルエン(6mL/mmol)、エタノール(2mL/mmol)および2M炭酸ナトリウム水溶液(8当量)の混合物を、窒素雰囲気下に1時間還流した。混合物を酢酸エチルで希釈し、有機相を水およびブラインで洗浄し、脱水し、溶媒留去した。粗生成物を、20%から40%エーテル/塩化メチレンの勾配で溶離を行うシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製して、N−イソプロピル−1−[3−(3−アセチルフェニル)フェニル−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド生成物を固体として得た。
【0162】
H NMR(CDCl)δ1.29(d、6H)、2.65(s、3H)、4.28(m、1H)、7.47(m、2H)、7.55(t、1H)、7.65(m、2H)、7.80(m、2H)、7.95(dd、1H)、8.19(brs、1H)、8.70(dd、1H)、8.81(dd、1H)、9.05(s、1H)、9.65(br、NH)。
【実施例2】
【0163】
N−(2,6−ジクロロピリジン−4−イル)−1−[3−(3−アセチルフェニル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0164】
【化44】

段階1:4−アミノ−3,5−ジクロロピリジンのアニオン
オイル中60%分散品としての水素化ナトリウム(360mg、9mmol)のテトラヒドロフラン(15mL)懸濁液を冷却して0℃とした。4−アミノ−3,5−ジクロロピリジン(978mg、6mmol)のテトラヒドロフラン(15mL)溶液をゆっくり加えた。得られた混合物を0℃で2.5時間維持した。
【0165】
段階2:1−(3−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボン酸の酸塩化物
実施例1の段階3からの1−(3−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボン酸(690mg、2mmol)のテトラヒドロフラン(12mL)懸濁液を冷却して0℃とし、オキサリルクロライド(381mg、3mmol)を加え、次にN,N−ジメチルホルムアミド2滴を加えた。得られた混合物を室温で1時間攪拌し、45分間還流させ、冷却して室温とした。
【0166】
段階3:N−(2,6−ジクロロピリジン−4−イル)−1−(3−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
褐色懸濁液としての上記段階2からの混合物を、段階1の懸濁液を冷却したものに注射器で加えた。得られた混合物を室温で18時間攪拌し、飽和塩化アンモニウム水溶液で反応停止し、酢酸エチルと水との間で分配した。有機相の溶媒留去からの粗生成物をエーテル(50mL)で磨砕し、濾過して、N−(2,6−ジクロロピリジン−4−イル)−1−(3−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドをベージュ固体として得た。
【0167】
H NMR(アセトン−d)δ7.61〜7.70(m、2H)、7.76(d、1H)、7.81(d、1H)、8.00(s、1H)、8.62(s、2H)、8.80(brs、1H)、8.86(d、1H)、8.99(s、1H)、12.1(br、NH)。
【0168】
段階4:N−(2,6−ジクロロピリジン−4−イル)−1−[3−(3−アセチルフェニル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
N−イソプロピル1−(3−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドに代えて段階3からのN−(2,6−ジクロロピリジン−4−イル)−1−(3−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドを用いた以外は、実施例1段階5の手順に従って、N−(2,6−ジクロロピリジン−4−イル)−1−[3−(3−アセチルフェニル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド化合物を固体として得た。
【0169】
H NMR(CDCl)δ2.65(s、3H)、7.47(d、1H)、7.50〜7.60(m、2H)、7.70(m、2H)、7.82(d、2H)、7.98(d、1H)、8.20(s、1H)、8.55(s、2H)8.75(brs、1H)、8.92(dd、1H)、9.14(s、1H)、12.08(br、NH)。
【実施例3】
【0170】
N−イソプロピル−1−[3−(4−n−プロピルフェニル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0171】
【化45】

3−アセチルフェニルボロン酸に代えて4−n−プロピルフェニルボロン酸を用いた以外は実施例1段階5の手順に従って、標題化合物を白色固体として得た。
【0172】
H NMR(アセトン−d)δ0.93(t、3H)、1.24(d、6H)、1.65(m、2H)、2.62(t、2H)、4.18(m、1H)、7.31(d、2H)、7.58〜7.61(m、2H)、7.68〜7.72(m、3H)、7.87(d、1H)、7.95(s、1H)、8.72(m、1H)、8.78(dd、1H)、8.92(s、1H)、9.66(br、NH)。
【実施例4】
【0173】
N−イソプロピル−1−[3−(4−アセチルフェニル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0174】
【化46】

3−アセチルフェニルボロン酸に代えて4−アセチルフェニルボロン酸を用いた以外は実施例1段階5の手順に従って、標題化合物を固体として得た。
【0175】
H NMR(アセトン−d)δ1.25(d、6H)、2.61(s、3H)、4.17(m、1H)、7.59(m、1H)、7.70(d、1H)、7.76(t、1H)、7.92(d、2H)、7.97(d、1H)、8.07〜8.10(m、3H)、8.72(brs、1H)、8.78(dd、1H)、8.92(s、1H)、9.65(br、NH)。
【実施例5】
【0176】
N−イソプロピル−1−[3−(2−メチルフェニル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0177】
【化47】

3−アセチルフェニルボロン酸に代えて2−メチルフェニルボロン酸を用いた以外は実施例1段階5の手順に従って、標題化合物を固体として得た。
【0178】
H NMR(アセトン−d)δ1.24(d、6H)、2.35(s、3H)、4.17(m、1H)、7.27〜7.34(m、4H)、7.56〜7.60(m、2H)、7.65(m、2H)、7.70(t、1H)、8.74(m、1H)、8.78(dd、1H)、8.92(s、1H)、9.64(br、NH)。
【実施例6】
【0179】
N−イソプロピル−N−メチル−1−[3−(4−アセチルフェニル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0180】
【化48】

段階1:N−イソプロピル−N−メチル−1−(3−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
イソプロピルアミンに代えてN−イソプロピル−N−メチルアミンを用いた以外は実施例1段階4の手順に従って、N−イソプロピル−N−メチル−1−(3−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドを黄色固体として得た。
【0181】
H NMR(アセトン−d)(アミドの2つの回転異性体として現れる)δ1.18(m、6H)、2.85(s、3H)、4.05(m、0.5H)、4.84(m、0.5H)、7.49〜7.64(m、3H)、7.72(d、1H)、7.86(s、1H)、8.14(s、1H)、8.65(d、2H)。
【0182】
段階2:N−イソプロピル−N−メチル−1−[3−(4−アセチルフェニル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
N−イソプロピル1−(3−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドに代えて段階1からのN−イソプロピル−N−メチル−1−(3−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドを用い、3−アセチルフェニルボロン酸に代えて4−アセチルフェニルボロン酸を用いた以外は実施例1段階5の手順に従って、N−イソプロピル−N−メチル−1−[3−(4−アセチルフェニル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド化合物を白色固体として得た。
【0183】
H NMR(CDCl)(アミドの2つの回転異性体として現れる)δ1.23(m、6H)、2.62(s、3H)、4.00(m、0.5H)、4.92(m、0.5H)、7.38〜7.55(m、2H)、7.63〜7.77(m、5H)、8.03(d、2H)、8.14(s、0.5H)、8.21(s、0.5H)、8.65(m、1H)、8.75〜8.80(m、1H)。
【実施例7】
【0184】
N−イソプロピル−1−[3−(ピリジン−3−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0185】
【化49】

3−アセチルフェニルボロン酸に代えてピリジン−3−ボロン酸1,3−プロパンジオール環状エステルを用い、トランス−ジブロモビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)に代えて[1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)を用いた以外は実施例1段階5の手順に従って、標題化合物をベージュ固体として得た。
【0186】
H NMR(アセトン−d)δ1.24(d、6H)、4.17(m、1H)、7.48(m、1H)、7.60(m、1H)、7.71(dd、1H)、7.78(t、1H)、7.95(dd、1H)、8.05(brs、1H)、8.15(m、1H)、8.60(m、1H)、8.72(m、1H)、8.78(dd、1H)、8.92(s、1H)、8.99(brs、1H)、9.65(br、NH)。
【実施例8】
【0187】
N−イソプロピル−1−[3−(インドール−5−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0188】
【化50】

3−アセチルフェニルボロン酸に代えて5−インドリルボロン酸を用いた以外は実施例1段階5の手順に従って、標題化合物をオフホワイト固体として得た。
【0189】
H NMR(DMSO−d)δ1.20(d、6H)、4.10(m、1H)、6.47(s、1H)、7.38(brs、1H)、7.46〜7.52(m、3H)、7.59〜7.66(m、2H)、7.87〜7.93(m、3H)、8.72〜8.81(m、3H)、9.67(br、NH)、11.2(br、NH)。
【実施例9】
【0190】
N−tert−ブチル−1−[3−(4−アセチルフェニル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0191】
【化51】

段階1:N−tert−ブチル−1−(3−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
イソプロピルアミンに代えてtert−ブチルアミンを用いた以外は実施例1段階4の手順に従って、N−tert−ブチル−1−(3−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドを黄色固体として得た。
【0192】
H NMR(アセトン−d)δ1.44(s、9H)、7.58〜7.62(m、2H)、7.70(dd、1H)、7.78(dd、1H)、7.93(brs、1H)、8.72(m、1H)、8.77(dd、1H)、8.81(s、1H)、9.73(br、NH)。
【0193】
段階2:N−tert−ブチル−1−[3−(4−アセチルフェニル)フェニル−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
N−イソプロピル1−(3−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドに代えて段階1からのN−tert−ブチル−1−(3−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドを用い、3−アセチルフェニルボロン酸に代えて4−アセチルフェニルボロン酸を用いた以外は、実施例1段階5の手順に従って、N−tert−ブチル−1−[3−(4−アセチルフェニル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド化合物を、白色固体として収率93%で得た。
【0194】
H NMR(アセトン−d)δ1.45(s、9H)、2.61(s、3H)、7.59(m、1H)、7.69〜7.72(m、1H)、7.77(t、1H)、7.92〜7.99(m、3H)、8.07〜8.11(m、3H)、8.72(m、1H)、8.78(dd、1H)、8.91(s、1H)、9.79(br、NH)。
【実施例10】
【0195】
N−(2,6−ジクロロピリジン−4−イル)−1−[3−(ピリジン−3−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0196】
【化52】

トランス−ジブロモビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)に代えて[1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)を用い、3−アセチルフェニルボロン酸に代えてピリジン−3−ボロン酸1,3−プロパンジオール環状エステルを用いた以外は実施例2段階4の手順に従って、標題化合物をガラス状固体として得た。
【0197】
H NMR(アセトン−d)δ7.48(m、1H)、7.68(m、1H)、7.77〜7.82(m、2H)、7.98(m、1H)、8.12〜8.17(m、2H)、8.61(m、1H)、8.62(s、2H)、8.80(m、1H)、8.88(dd、1H)、8.99(brs、1H)、9.06(s、1H)、12.2(br、NH)。
【実施例11】
【0198】
N−イソプロピル−1−{3−[4−(4−tert−ブチルオキシカルボニルピペラジン−1−イル)フェニル]−フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0199】
【化53】

段階1:4−tert−ブチルオキシカルボニル−1−(3−ブロモフェニル)ピペラジン
1−(4−ブロモフェニル)ピペラジン塩酸塩(103.15g、371.59mmol)のアセトニトリル(1.5L)懸濁液に0℃で窒素雰囲気下にて、触媒量の4−ジメチルアミノピリジン(4.54g、37.159mmol)と次にトリエチルアミン(155mL、1114.77mmol)およびジ−tert−ブチルジカーボネート(121.65g、557.385mmol、最少量のアセトニトリルに溶かしたもの)を加え、得られた反応混合物を昇温させて室温とし、5.5時間攪拌した。反応混合物を濾過し、酢酸エチルを加え、有機相を10%クエン酸水溶液、水(2回)およびブラインで洗浄し、脱水し、溶媒留去して、粗4−tert−ブチルオキシカルボニル−1−(3−ブロモフェニル)ピペラジン生成物を得て、それをそのまま次の段階で用いた。
【0200】
段階2:3−(4−tert−ブチルオキシカルボニルピペラジン−1−イル)フェニルボロン酸
段階1からの4−tert−ブチルオキシカルボニル−1−(3−ブロモフェニル)ピペラジン(118.30g、346.9mmol)のテトラヒドロフラン/トルエン(1/1,1.5L)溶液に−78℃で窒素下にて、n−ブチルリチウム(2.5M、160mL、398.9mmol)を滴下し、得られた反応混合物を−78℃で20分間攪拌した。ホウ酸トリイソプロピル(96.1mL、416.3mmol)を滴下し、反応液を昇温させて0℃とし、2時間攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液(400mL)、水(100mL)および1当量のHPO(20mL)を加え、混合物を15分間攪拌し、濃縮して容量を約200mLとした(その段階で、混合物は青色様となり、沈殿が生成した)。混合物をヘプタン(800mL)でゆっくり希釈し、得られた懸濁液を終夜攪拌した。懸濁液を濾過し、固体をヘプタンで洗浄し、乾燥させて、標題ボロン酸を得た。
【0201】
段階3:N−イソプロピル−1−{3−[4−(4−tert−ブチルオキシカルボニルピペラジン−1−イル)フェニル]−フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
トランス−ジブロモビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)に代えて[1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)を用い、3−アセチルフェニルボロン酸に代えて上記段階2からのボロン酸を用いた以外は実施例1段階5の手順に従って、4−tert−ブチルオキシカルボニル−1−(3−ブロモフェニル)ピペラジン化合物を固体として得た。
【0202】
H NMR(CDCl)δ1.30(d、6H)、1.49(s、9H)、3.18(m、4H)、3.58(m、4H)、4.29(m、1H)、6.98(d、2H)、7.32(d、1H)、7.45(m、1H)、7.53(d、2H)、7.55〜7.62(m、2H)、7.72(d、1H)、8.70(m、1H)、8.82(d、1H)、9.07(s、1H)、9.68(br、NH)。
【実施例12】
【0203】
N−イソプロピル−1−[3−(キノリン−3−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−カルボキサミド
【0204】
【化54】

3−アセチルフェニルボロン酸に代えて3−キノリンボロン酸を用いた以外は実施例1段階5の手順に従って、標題化合物を固体として得た。
【0205】
H NMR(CDCl)δ1.29(d、6H)、4.29(m、1H)、7.49(m、2H)、7.61(t、1H)、7.70〜7.78(m、3H)、7.86〜7.92(m、2H)、8.14(d、1H)、8.36(s、1H)、8.71(m、1H)、8.84(dd、1H)、9.10(s、1H)、9.19(s、1H)、9.67(br、NH)。
【実施例13】
【0206】
N−イソプロピル−1−[3−(ピリミジン−5−イル)フェニル]−1,4−ジヒド[1,8]ナフチリジン−4−オン−カルボキサミド
【0207】
【化55】

3−アセチルボロン酸に代えて5−ピリミジンボロン酸を用いた以外は実施例1段階5の手順に従って、標題化合物を固体として得た。
【0208】
H NMR(CDCl)δ1.28(d、6H)、4.27(m、1H)、7.48(dd、1H)、7.52(m、1H)、7.65(s、1H)、7.74(m、2H)、8.68(m、1H)、8.72(d、1H)、8.98(s、2H)9.03(s、1H)、9.22(s、1H)、9.62(br、NH)。
【実施例14】
【0209】
N−シクロプロピル−1−[3−(ピリジン−3−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0210】
【化56】

段階1:N−シクロプロピル−1−(3−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
イソプロピルアミンに代えてシクロプロピルアミンを用いた以外は実施例1段階4の手順に従って、N−シクロプロピル−1−(3−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドを毛羽状白色固体として得た。
【0211】
H NMR(アセトン−d)δ0.59(m、2H)、0.80(m、2H)、2.96(m、1H)、7.59〜7.68(m、2H)、7.72(dd、1H)、7.82(dd、1H)、7.97(s、1H)、8.72〜8.81(m、2H)、8.89(s、1H)、9.70(br、NH)。
【0212】
段階2:N−シクロプロピル−1−[3−(ピリジン−3−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
N−イソプロピル−1−(3−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドに代えて段階1からのN−シクロプロピル−1−(3−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドを用いた以外は実施例7の手順に従って、N−シクロプロピル−1−[3−(ピリジン−3−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド化合物をクリーム色固体として得た。
【0213】
H NMR(DMSO−d)δ0.57(m、2H)、0.78(m、2H)、2.91(m、1H)、7.52(m、1H)、7.63〜7.69(m、2H)、7.74(t、1H)、7.97(d、1H)、8.07(brs、1H)、8.17(d、1H)、8.61(m、1H)、8.73(dd、1H)、8.79(m、1H)、8.85(s、1H)、8.99(brs、1H)、9.74(br、NH)。
【実施例15】
【0214】
N−イソプロピル−1−[3−(5−メチルチオピリジン−3−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0215】
【化57】

3−アセチルフェニルボロン酸に代えて5−メチルチオピリジン−3−ボロン酸を用い、トランス−ジブロモビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)に代えて[1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)を用いた以外は実施例1段階5の手順に従って、標題化合物を固体として得た。
【0216】
H NMR(CDCl)δ1.33(d、6H)2.60(s、3H)、4.33(m、1H)、7.48〜7.54(m、2H)、7.66(m、1H)、7.73(t、1H)、7.78〜7.81(m、2H)、8.55(s、1H)、8.66(s、1H)、8.74(m、1H)、8.87(d、1H)、9.09(s、1H)、9.69(br、NH)。
【実施例16】
【0217】
N−シクロプロピル−1−[3−(4−ヒドロキシメチルフェニル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0218】
【化58】

ピリジン−3−ボロン酸1,3−プロパンジオール環状エステルに代えて4−ヒドロキシメチルフェニルボロン酸を用いた以外は実施例14段階2の手順に従って、標題化合物を固体として得た。
【0219】
H NMR(CDCl)δ0.71(m、2H)、0.89(m、2H)、1.88(t、1H)、3.03(m、1H)、4.78(d、2H)、7.43(d、1H)、7.46〜7.52(m、3H)、7.61〜7.69(m、4H)、7.80(d、1H)、8.73(m、1H)、8.83(dd、1H)、9.10(s、1H)、9.82(br、NH)。
【実施例17】
【0220】
N−シクロプロピル−1−[3−(ピリジン−4−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0221】
【化59】

N−イソプロピル−1−(3−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドに代えてN−シクロプロピル−1−(3−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドを用い、3−アセチルフェニルボロン酸に代えて4−ピリジンボロン酸を用いた以外は実施例1段階5の手順に従って、標題化合物を白色固体として得た。
【0222】
H NMR(DMSO−d)δ0.57(m、2H)、0.77(m、2H)、2.90(m、1H)、7.64(m、1H)、7.72〜7.89(m、4H)、8.03(d、1H)、8.13(s、1H)、8.66〜8.78(m、4H)、8.84(s、1H)、9.72(br、NH)。
【実施例18】
【0223】
N−シクロプロピル−1−[3−(4−エチルチオフェニル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0224】
【化60】

ピリジン−3−ボロン酸1,3−プロパンジオール環状エステルに代えて4−エチルチオベンゼンボロン酸を用いた以外は実施例14段階2の手順に従って、標題化合物を固体として得た。
【0225】
H NMR(CDCl)δ0.72(m、2H)、0.90(m、2H)、1.48(t、3H)、3.03(m、3H)、7.42(d、3H)、7.50(m、1H)、7.57(d、2H)、7.64(s、1H)、7.68(t、1H)、7.78(d、1H)、8.75(m、1H)、8.85(d、1H)、9.10(s、1H)、9.83(br、NH)。
【実施例19】
【0226】
N−シクロプロピル−1−[3−(3−チエニル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0227】
【化61】

ピリジン−3−ボロン酸1,3−プロパンジオール環状エステルに代えて3−チオフェンボロン酸を用いた以外は実施例14段階2の手順に従って、標題化合物を白色固体として得た。
【0228】
H NMR(アセトン−d)δ0.60(m、2H)、0.79(m、2H)、2.96(m、1H)、7.57〜7.72(m、5H)、7.92〜7.98(m、2H)、8.05(s、1H)、8.74(s、1H)、8.78(d、1H)、8.93(s、1H)、9.74(br、NH)。
【実施例20】
【0229】
N−シクロプロピル−1−[3−(4−スルファモイルフェニル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0230】
【化62】

段階1:4−スルファモイルベンゼンボロン酸ピナコールエステル
4−ブロモベンゼンスルホンアミド、ジボロンピナコールエステル(1.1当量)、酢酸カリウム(3.5当量)および1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(0.05当量)のN,N−ジメチルホルムアミド(4mL/mmol)中混合物を85℃で18時間加熱した。飽和塩化アンモニウム水溶液で反応停止した後、混合物を酢酸エチルと水との間で分配し、有機相からの生成物を酢酸エチルおよびヘキサンの1:1混合液で溶離を行うシリカゲルでのクロマトグラフィー精製して、4−スルファモイルベンゼンボロン酸ピナコールエステルを固体として得た。
【0231】
段階2:N−シクロプロピル−1−[3−(4−スルファモイルフェニル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
N−シクロプロピル−1−(3−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド、段階1からのボロン酸エステル(1.2当量)、酢酸パラジウム(0.1当量)、トリフェニルホスフィン(0.35当量)および2M炭酸ナトリウム水溶液(3.5当量)のn−プロパノール(10mL/mmol)中混合物を85℃で1時間攪拌した。冷却後、混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液で反応停止し、酢酸エチルと水との間で分配し、有機相からの生成物をエタノール、酢酸エチルおよび塩化メチレンの1:5:4混合液で溶離を行うシリカゲルでクロマトグラフィー精製して、N−シクロプロピル−1−[3−(4−スルファモイルフェニル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド化合物を固体として得た。
【0232】
H NMR(アセトン−d)δ0.62(m、2H)、0.82(m、2H)、2.98(m、1H)、6.66(br、NH)、7.64(m、1H)、7.74(m、1H)、7.80(t、1H)、7.97〜8.05(m、5H)、8.10(m、1H)、8.76(m、1H)、8.81(dd、1H)、8.97(s、1H)、9.77(br、NH)。
【実施例21】
【0233】
N−イソプロピル−1−[3−(3−エトキシフェニル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0234】
【化63】

段階1:1−[3−(3−エトキシフェニル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボン酸エチル
N−イソプロピル−1−(3−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドに代えて実施例1段階2からの1−(3−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボン酸エチルを用い、3−アセチルベンゼンボロン酸に代えて3−エトキシベンゼンボロン酸を用いた以外は実施例1段階5の手順に従って、1−[3−(3−エトキシフェニル)フェニル−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボン酸エチル化合物を固体として得た。
【0235】
段階2:1−[3−(3−エトキシフェニル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボン酸
1−(3−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボン酸エチルに代えて段階1からの1−[3−(3−エトキシフェニル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボン酸エチルを用いた以外は実施例1段階3の手順に従って、1−[3−(3−エトキシフェニル)フェニル−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボン酸化合物を得て、精製せずに次の段階で用いた。
【0236】
段階3:N−イソプロピル−1−[3−(3−エトキシフェニル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
段階2からの1−[3−(3−エトキシフェニル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボン酸および塩化チオニル(4当量)のテトラヒドロフラン(10mL/mmol)中混合物を45分間還流し、溶媒留去した。残留物を同容量のテトラヒドロフランに溶かし、イソプロピルアミン(5当量)を加え、混合物を室温で18時間攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液で反応停止した後、得られた混合物を酢酸エチルと水との間で分配し、有機相からの生成物を10%エーテル/塩化メチレンで溶離を行うシリカゲルでクロマトグラフィー精製して、N−イソプロピル−1−[3−(3−エトキシフェニル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド化合物を固体として得た。
【0237】
H NMR(CDCl)δ1.29(d、6H)、1.42(t、3H)、4.08(q、2H)、4.28(m、1H)、6.91(d、1H)、7.12(s、1H)、7.18(d、1H)、7.34(t、1H)、7.40(d、1H)、7.46(m、1H)、7.60〜7.65(m、2H)、7.75(d、1H)、8.71(brs、1H)、8.82(dd、1H)、9.08(s、1H)、9.70(br、NH)。
【実施例22】
【0238】
N−イソプロピル−1−[3−(4−メチルチオフェニル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0239】
【化64】

段階1:1−[3−(4−メチルチオフェニル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボン酸エチル
N−イソプロピル−1−(3−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドに代えて実施例1段階2からの1−(3−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボン酸エチルを用い、3−アセチルベンゼンボロン酸に代えて4−メチルチオベンゼンボロン酸を用いた以外は実施例1段階5の手順に従って、1−[3−(4−メチルチオフェニル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボン酸エチル化合物を固体として得た。
【0240】
段階2:1−[3−(4−メチルチオフェニル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボン酸
1−(3−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボン酸エチルに代えて段階1からの1−[3−(4−メチルチオフェニル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボン酸エチルを用いた以外は実施例1段階3の手順に従って、1−[3−(4−メチルチオフェニル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボン酸化合物を固体として得た。
【0241】
段階3:N−イソプロピル−1−[3−(4−メチルチオフェニル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
1−[3−(3−エトキシフェニル)フェニル−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボン酸に代えて1−[3−(4−メチルチオフェニル)フェニル−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボン酸を用いた以外は実施例21段階3の手順に従って、N−イソプロピル−1−[3−(4−メチルチオフェニル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド化合物を白色固体として得た。
【0242】
H NMR(アセトン−d)δ1.24(d、6H)、2.52(s、3H)、4.18(m、1H)、7.37(d、2H)、7.58〜7.62(m、2H)、7.69〜7.73(m、3H)、7.87(d、1H)、7.96(s、1H)、8.72(m、1H)、8.78(dd、1H)、8.91(s、1H)、9.65(br、NH)。
【実施例23】
【0243】
N−イソプロピル−1−[3−(3−アセチル−4−ヒドロキシフェニル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0244】
【化65】

5′−ブロモ−2′−ヒドロキシアセトフェノン、ジボロンピナコールエステル(1.25当量)、酢酸カリウム(3当量)および[1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(0.05当量)のN,N−ジメチルホルムアミド(10mL/mmol)中混合物を80℃で3時間攪拌し、冷却した。実施例1段階4からのN−イソプロピル−1−(3−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド(0.75当量)のN,N−ジメチルホルムアミド(7mL/mmol)溶液、[1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(0.05当量)および2M炭酸ナトリウム水溶液(8.5当量)を加え、得られた混合物を80℃で2.5時間攪拌した。冷却した混合物を酢酸エチルと水との間で分配し、有機相からの生成物を60%酢酸エチル/ヘキサンで溶離を行うシリカゲルでクロマトグラフィー精製して、標題化合物を明黄色固体として得た。
【0245】
H NMR(アセトン−d)δ1.24(d、6H)、2.75(s、3H)、4.19(m、1H)、7.06(d、1H)、7.59〜7.63(m、2H)、7.72(t、1H)、7.92(d、1H)、7.97(d、1H)、8.02(s、1H)、8.33(s、1H)、8.73(m、1H)、8.78(dd、1H)、8.90(s、1H)、9.65(br、NH)。
【実施例24】
【0246】
N−イソプロピル−1−[3−(5−カルボエトキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0247】
【化66】

5′−ブロモ−2′−ヒドロキシアセトフェノンに代えてN−イソプロピル−1−(3−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドを用い、N−イソプロピル−1−(3−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドに代えて5−ブロモニコチン酸エチルを用いた以外は実施例23の手順に従って、標題化合物をベージュ固体として得た。
【0248】
H NMR(CDCl)δ1.29(d、6H)、1.40(t、3H)、4.28(m、1H)、4.42(q、2H)、7.45〜7.51(m、2H)、7.68(s、1H)、7.71(t、1H)、7.80(d、1H)、8.49(s、1H)、8.59(m、1H)、8.82(d、1H)、9.03(s、1H)、9.07(s、1H)、9.23(s、1H)、9.64(br、NH)。
【実施例25】
【0249】
N−イソプロピル−1−{3−[5−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジン−3−イル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0250】
【化67】

段階1:3−ブロモ−5−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジン
5−ブロモニコチン酸エチル(1.02g、4.4mmol)のジエチルエーテル(15mL)溶液に−30℃で、3Mメチルマグネシウムブロマイド(4mL、12mmol)のエーテル溶液を加えた。得られたスラリーを2時間還流し、冷却し、過剰の0.5Mリン酸一ナトリウム水溶液で反応停止し、エーテルと水との間で分配した。有機相からの生成物を、エーテル、ペンタンおよびアンモニア飽和塩化メチレンの2:1:2混合液シリカゲルで溶離を行うクロマトグラフィー精製して、3−ブロモ−5−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジン化合物を黄色油状物として得た。
【0251】
段階2:N−イソプロピル−1−{3−[5−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジン−3−イル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
5−ブロモニコチン酸エチルに代えて段階1からの3−ブロモ−5−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジンを用いた以外は実施例24の手順に従って、標題化合物を黄色泡状物として得た。
【0252】
H NMR(CDCl)δ1.28(d、6H)、1.62(s、6H)、2.52(brs、1H)、4.25(m、1H)、7.41〜7.48(m、2H)、7.60〜7.68(m、2H)、7.75(d、1H)、8.05(s、1H)、8.67〜8.71(m、3H)、8.80(dd、1H)、9.03(s、1H)、9.66(br、NH)。
【実施例26】
【0253】
N−イソプロピル−1−{3−[6−(2−メチルプロピル)ピリジン−3−イル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0254】
【化68】

段階1:5−ブロモ−2−(2−メチルプロピル)ピリジン
2,5−ジブロモピリジン(4.5g、19mmol)のテトラヒドロフラン(50mL)溶液に[1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロニッケル(II)(103mg、0.19mmol)を加え、得られた混合物を冷却して−10℃とした。2Mイソブチルマグネシウムブロマイドのエーテル溶液(12.4mL、24.7mmol)をゆっくり加え、混合物を−10〜10℃で3.5時間攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液で反応停止した後、混合物をエーテルと水との間で分配し、有機相からの生成物を10%エーテル/ペンタンで溶離を行うシリカゲルでのクロマトグラフィー精製して、5−ブロモ−2−(2−メチルプロピル)ピリジン化合物を揮発性油状物として得た。
【0255】
段階2:N−イソプロピル−1−{3−[6−(2−メチルプロピル)ピリジン−3−イル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
5−ブロモニコチン酸エチルに代えて段階1からの5−ブロモ−2−(2−メチルプロピル)ピリジンを用いた以外は実施例24の手順に従って、N−イソプロピル−1−{3−[6−(2−メチルプロピル)ピリジン−3−イル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド化合物を白色固体として得た。
【0256】
H NMR(CDCl)δ0.92(d、6H)、1.28(d、6H)、2.10(m、1H)、2.69(d、2H)、4.28(m、1H)、7.19(d、1H)、7.40〜7.47(m、2H)、7.60(s、1H)、7.64(t、1H)、7.73(d、1H)、7.79(dd、1H)、8.68(m、1H)、8.77〜8.83(m、2H)、9.05(s、1H)、9.66(br、NH)。
【実施例27】
【0257】
N−イソプロピル−1−[3−(5−アセチルピリジン−3−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0258】
【化69】

段階1:3−アセチル−5−ブロモピリジン
5−ブロモニコチン酸エチル(3.9g、16.9mmol)のエーテル(50mL)溶液に0℃で、3Mメチルマグネシウムブロマイド溶液(16.9mL、50.8mmol)を加えた。得られた粘稠スラリーを徐々に昇温させて室温とし、1.5時間後にそれをゆっくり過剰の1Mリン酸一ナトリウム水溶液に投入した。混合物をエーテルと水との間で分配し、有機相からの生成物をエーテル、ペンタンおよびアンモニア飽和塩化メチレンの1:1:2混合液で溶離を行うシリカゲルでクロマトグラフィー精製して、3−アセチル−5−ブロモピリジン化合物を得た。この製造によって、実施例25に記載の3−ブロモ−5−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジンも得られた。
【0259】
段階2:N−イソプロピル−1−[3−(5−アセチルピリジン−3−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
5−ブロモニコチン酸エチルに代えて段階1からの3−アセチル−5−ブロモピリジンを用いた以外は実施例23の手順に従って、N−イソプロピル−1−[3−(5−アセチルピリジン−3−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド化合物を白色固体として得た。
【0260】
H NMR(CDCl)δ1.29(d、6H)、2.69(s、3H)、4.28(m、1H)、7.48(dd、1H)、7.51(d、1H)、7.69(s、1H)、7.72(t、1H)、7.80(d、1H)、8.42(s、1H)、8.69(m、1H)、8.82(d、1H)、9.05(s、2H)9.17(s、1H)、9.63(br、NH)。
【実施例28】
【0261】
N−イソプロピル−1−[3−(6−メチルピリジン−3−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0262】
【化70】

段階1:5−ブロモ−2−メチルピリジン
イソブチルマグネシウムブロマイドに代えてメチルマグネシウムクロライドを用いた以外は実施例26段階1の手順に従って、5−ブロモ−2−メチルピリジン化合物を固体として得た。
【0263】
段階2:N−イソプロピル−1−[3−(6−メチルピリジン−3−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
5−ブロモニコチン酸エチルに代えて段階1からの5−ブロモ−2−メチルピリジンを用いた以外は実施例24の手順に従って、N−イソプロピル−1−[3−(6−メチルピリジン−3−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド化合物を固体として得た。
【0264】
H NMR(CDCl)δ1.32(d、6H)、2.63(m、3H)、4.30(m、1H)、7.25(d、1H)、7.45〜7.51(m、2H)、7.63(s、1H)、7.69(t、1H)、7.77(d、1H)、7.82(dd、1H)、8.72(m、1H)、8.78(s、1H)、8.85(d、1H)、9.08(s、1H)、9.68(br、NH)。
【実施例29】
【0265】
N−シクロプロピル−1−[3−(1−オキシドピリミジン−5−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0266】
【化71】

段階1:5−ブロモ−1−オキシドピリミジン
5−ブロモピリミジン(2.05g、12.9mmol)の塩化メチレン(25mL)溶液にm−クロロ過安息香酸(純度約70%、3.17g、12.9mmol)を加え、得られた混合物を室温で5日間攪拌した。水酸化カルシウム(1g)を加え、10分後に混合物をセライト濾過した。濾液の溶媒留去からの生成物を、酢酸エチルで溶離を行うシリカゲルでクロマトグラフィー精製して、5−ブロモ−1−オキシドピリミジン化合物を白色固体として得た。
【0267】
段階2:N−シクロプロピル−1−[3−(1−オキシドピリミジニル−5−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
5−ブロモニコチン酸エチルに代えて段階1からの5−ブロモ−1−オキシドピリミジンを用い、N−イソプロピル−1−(3−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドに代えてN−シクロプロピル−1−(3−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドを用いた以外は実施例24の手順に従って、N−シクロプロピル−1−[3−(1−オキシドピリミジニル−5−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド化合物を白色固体として得た。
【0268】
H NMR(CDCl)δ0.66(m、2H)、0.84(m、2H)、2.97(m、1H)、7.48(m、1H)、7.58(d、1H)、7.65(s、1H)、7.71(d、1H)、7.77(t、1H)、8.46(s、1H)、8.60(s、1H)、8.68(brs、1H)、8.81(dd、1H)、8.98(s、1H)、9.02(s、1H)、9.72(br、NH)。
【実施例30】
【0269】
1−{3−[6−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−1−オキシドピリジン−3−イル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0270】
【化72】

段階1:5−ブロモ−2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジン
2,5−ジブロモピリジンのトルエン(12mL/mmol)懸濁液を冷却して−78℃とし、それにn−ブチルリチウム2.5Mのヘキサン溶液(1.05当量)を加え、得られた混合物を冷却下に2.5時間攪拌した。アセトン(2当量)を加え、攪拌を1.5時間続けた。飽和塩化アンモニウム水溶液で反応停止後、混合物を昇温させて室温とし、酢酸エチルと水との間で分配した。有機相からの生成物を20%酢酸エチル/ヘキサンで溶離を行うシリカゲルでクロマトグラフィー精製して、5−ブロモ−2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジン化合物をシロップとして得た。
【0271】
段階2:5−ブロモ−2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジンN−オキサイド
段階1からの5−ブロモ−2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジンの塩化メチレン(5mL/mmol)溶液に室温で、m−クロロ過安息香酸70%(1.1当量)を加え、得られた混合物を室温で18時間攪拌した。過剰の水酸化カルシウムを加え、5分後に混合物をセライト床で濾過した。濾液の溶媒留去からの粗生成物を80%酢酸エチル/ヘキサンで溶離を行うシリカゲルでクロマトグラフィー精製し、5−ブロモ−2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジンN−オキサイド化合物を白色固体として得た。
【0272】
段階3:1−(3−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
イソプロピルアミンに代えて28%水酸化アンモニウム水溶液を用いた以外は実施例1段階4の手順に従って、1−(3−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド化合物を固体として得た。
【0273】
段階4:1−{3−[6−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−1−オキシドピリジン−3−イル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
5−ブロモニコチン酸エチルに代えて上記段階2からの5−ブロモ−2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジンN−オキサイドを用い、N−イソプロピル−1−(3−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドに代えて1−(3−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドを用いた以外は実施例24の手順に従って、1−{3−[6−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−1−オキシドピリジン−3−イル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド化合物を固体として得た。
【0274】
H NMR(CDCl)δ1.76(s、6H)、5.83(br、1H、NH).7.50(d、1H)、7.55(m、1H)、7.57〜7.62(m、2H)、7.65(m、2H)、7.72〜7.78(m、2H)、8.55(s、1H、OH)、8.75(m、1H)、8.90(dd、1H)、9.08(s、1H)、9.52(br、1H、NH)。
【実施例31】
【0275】
N−イソプロピル−1−{3−[4−(ピリジン−3−イル)フェニル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0276】
【化73】

段階1:N−イソプロピル−1−[3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
実施例1段階4からのN−イソプロピル−1−(3−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド、ジボロンピナコールエステル(1.1当量)、酢酸カリウム(3.5当量)および[1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(0.05当量)のN,N−ジメチルホルムアミド(5mL/mmol)中混合物を85℃で18時間攪拌した。追加量のジボロンピナコールエステル(0.4当量)およびパラジウム触媒(0.05当量)を加え、加熱および攪拌をさらに24時間続けた。冷却後、混合物を酢酸エチルと水との間で分配し、有機相からの粗生成物を酢酸エチルおよびヘキサンの1:1混合液で溶離を行うシリカゲルでクロマトグラフィー精製した。生成物をヘキサン中にて室温で数時間攪拌し、濾過して、N−イソプロピル−1−[3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド化合物を白色固体として得た。
【0277】
段階2:3−(4−ブロモフェニル)ピリジン
ピリジン−3−ボロン酸1,3−プロパンジオール環状エステル、4−ブロモヨードベンゼン(1.1当量)、[1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(0.05当量)および2M炭酸ナトリウム水溶液(5当量)のN,N−ジメチルホルムアミド(2mL/mmol)中混合物を85℃で4時間攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液で反応停止後、混合物を酢酸エチルと水との間で分配し、有機相からの粗生成物を酢酸エチルおよびヘキサンの1:9混合液で溶離を行うシリカゲルでクロマトグラフィー精製して、3−(4−ブロモフェニル)ピリジン化合物を固体として得た。
【0278】
段階3:N−イソプロピル−1−{3−[4−(ピリジン−3−イル)フェニル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
段階1からのボロン酸エステル、段階2からの3−(4−ブロモフェニル)ピリジン(1.5当量)、[1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(0.05当量)および2M炭酸ナトリウム水溶液(5当量)のN,N−ジメチルホルムアミド(7mL/mmol)中混合物を85℃で1時間攪拌した。冷却後、混合物を酢酸エチルと水との間で分配した。有機相からの粗生成物を酢酸エチルおよび塩化メチレンの7:3混合液で溶離を行うシリカゲルでクロマトグラフィー精製して、N−イソプロピル−1−{3−[4−(ピリジン−3−イル)フェニル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド化合物を固体として得た。
【0279】
H NMR(CDCl)δ1.30(d、6H)、4.25(m、1H)、7.35(m、1H)、7.39〜7.48(m、2H)、7.60〜7.75(m、6H)、7.80(d、1H)、7.90(d、1H)、8.58(d、1H)、8.70(m、1H)、8.82(d、1H)、8.88(s、1H)、9.08(s、1H)、9.68(br、NH)。
【実施例32】
【0280】
N−シクロプロピル−1−[3−(5−メチルスルホニルピリジン−3−イル)]フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0281】
【化74】

段階1:N−シクロプロピル−1−[3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
N−イソプロピル−1−(3−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドに代えて実施例14段階1からのN−シクロプロピル−1−(3−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドを用いた以外は実施例31段階1の手順に従って、N−シクロプロピル−1−[3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド化合物を白色固体として得た。
【0282】
段階2:3−ブロモ−5−メチルスルホニルピリジン
3,5−ジブロモピリジン(2.96g、12.5mmol)のジエチルエーテル(70mL)溶液に−78℃で、n−ブチルリチウム1.6Mのヘキサン溶液(8.6mL、13.7mmol)を加え、得られた混合物を冷却下に3時間攪拌した。ジメチルジスルフィド(1.12mL、12.5mmol)を加え、混合物を昇温させて室温とし、エーテルと水との間で分配した。有機相の溶媒留去からの粗生成物に、テトラヒドロフラン(80mL)、メタノール(20mL)、オキソン(17g)および十分な飽和重炭酸ナトリウム水溶液を加えて、わずかに塩基性の媒体を得た。室温で4時間攪拌後、過剰の1M重メタ亜硫酸ナトリウム水溶液を加え、有機溶媒を留去し、残留物を酢酸エチルと水との間で分配した。有機相からの粗生成物を少量の酢酸エチル中で攪拌し、濾過して、3−ブロモ−5−メチルスルホニルピリジン化合物を固体として得た。
【0283】
段階3:N−シクロプロピル−1−[3−(5−メチルスルホニルピリジン−3−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
3−(4−ブロモフェニル)ピリジンに代えて上記段階2からの3−ブロモ−5−メチルスルホニルピリジンを用い、N−イソプロピル−1−[3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン2−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドに代えて段階1からのN−シクロプロピル−1−[3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドを用いた以外は実施例31段階3の手順に従って、N−シクロプロピル−1−[3−(5−メチルスルホニルピリジン−3−イル)]フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド化合物を固体として得た。
【0284】
H NMR(CDCl)δ0.71(m、2H)、0.90(m、2H)、3.03(m、1H)、3.21(s、3H)、7.53(m、1H)、7.60(d、1H)、7.74(s、1H)、7.80(t、1H)、7.86(d、1H)、8.45(m、1H)、8.74(m、1H)、8.86(d、1H)、9.09(s、1H)、9.20(d、2H)、9.78(br、NH)。
【実施例33】
【0285】
N−シクロプロピル−1−{3−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−1−オキシドピリジン−2−イル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0286】
【化75】

段階1:2−ブロモイソニコチン酸メチル
2−ブロモイソニコチン酸(Chem. Pharm. Bull., 38: 2446 (1990))(2.0g)のテトラヒドロフラン(100mL)溶液に、過剰のジアゾメタンのエーテル溶液を加え、得られた混合物を室温で1時間攪拌した。混合物を溶媒留去し、生成物を酢酸エチルおよびヘキサンの1:3混合液で溶離を行うシリカゲルでクロマトグラフィー精製して、2−ブロモイソニコチン酸メチルエステルを無色液体として得た。
【0287】
段階2:2−ブロモ−4−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジン
5−ブロモニコチン酸エチルに代えて段階1からの2−ブロモイソニコチン酸メチルを用いた以外は実施例25段階1の手順に従って、2−ブロモ−4−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジン化合物を白色固体として得た。
【0288】
段階3:2−ブロモ−4−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジン−N−オキサイド
5−ブロモ−2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジンに代えて段階2からの2−ブロモ−4−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジンを用いた以外は実施例30段階2の手順に従って、2−ブロモ−4−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジン−N−オキサイド化合物を白色固体として得た。
【0289】
段階4:N−シクロプロピル−1−{3−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−1−オキシドピリジン−2−イル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
3−ブロモ−5−メチルスルホニルピリジンに代えて段階3からの2−ブロモ−4−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジン−N−オキサイドを用いた以外は実施例32段階3の手順に従って、N−シクロプロピル−1−{3−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−1−オキシドピリジン−2−イル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド化合物をベージュ固体として得た。
【0290】
H NMR(DMSO−d)δ0.57(m、2H)、0.79(m、2H)、1.45(s、6H)、2.90(m、1H)、5.35(s、1H、OH)、7.48(m、1H)、7.64(m、1H)、7.72(m、3H)、8.11(m、2H)、8.30(d、1H)、8.72(dd、1H)、8.78(m、1H)、8.82(s、1H)、9.72(br、NH)。
【実施例34】
【0291】
N−シクロプロピル−1−{3−[5−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジン−2−イル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0292】
【化76】

段階1:2−ブロモ−5−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジン
2,5−ジブロモピリジンのジエチルエーテル(5mL/mmol)溶液を冷却して−78℃とし、n−ブチルリチウム2.5Mのヘキサン溶液(1.05当量)をゆっくり加えた。冷却下に2時間後、アセトン(1.3当量)を加え、攪拌を1時間続けた。得られた混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液で反応停止し、昇温させて室温とし、エーテルと水との間で分配した。有機相からの粗生成物を1:1エーテル−ヘキサンで磨砕し、濾過して、2−ブロモ−5−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジン化合物を固体として得た。
【0293】
段階2:N−シクロプロピル−1−{3−[5−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジン−2−イル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
3−ブロモ−5−メチルスルホニルピリジンに代えて段階1からの2−ブロモ−5−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジンを用いた以外は実施例32段階3の手順に従って、N−シクロプロピル−1−{3−[5−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジン−2−イル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド化合物を固体として得た。
【0294】
H NMR(CDCl)δ0.71(m、2H)、0.90(m、2H)、1.68(s、6H)、1.85(s、1H、OH)、3.04(m、1H)、7.45〜7.52(m、2H)、7.71(t、1H)、7.79(d、1H)、7.95(dd、1H)、8.16(s、1H)、8.20(d、1H)、8.72(m、1H)、8.80〜8.87(m、2H)、9.12(s、1H)、9.82(br、NH)。
【実施例35】
【0295】
N−シクロプロピル−1−{3−[3−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジン−4−イル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0296】
【化77】

段階1:4−ブロモ−2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジン
段階1で2−ブロモイソニコチン酸に代えて4−ブロモピコリン酸(Aust. J. Chem. 24: 390 (1971))を用いた以外は実施例33の段階1〜2に記載の手順に従って、4−ブロモ−2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジン化合物を白色固体として得た。
【0297】
段階2:N−シクロプロピル−1−{3−[3−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジン−4−イル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
3−ブロモ−5−メチルスルホニルピリジンに代えて段階1からの4−ブロモ−2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジンを用いた以外は実施例32段階3の手順に従って、N−シクロプロピル−1−{3−[3−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジン−4−イル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド化合物をベージュ固体として得た。
【0298】
H NMR(DMSO−d)δ0.57(m、2H)、0.78(m、2H)、1.48(s、6H)、2.91(m、1H)、5.27(s、1H、OH)、7.62〜7.66(m、2H)、7.72〜7.79(m、2H)、8.01(m、1H)、8.10(s、1H)、8.58(d、1H)、8.73〜8.79(m、2H)、8.84(s、1H)、9.73(br、NH)。
【実施例36】
【0299】
N−シクロプロピル−1−{3−[3−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−1−オキシドピリジン−4−イル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドの合成
【0300】
【化78】

段階1:4−ブロモ−2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジンN−オキサイド
5−ブロモ−2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジンに代えて実施例35段階1からの4−ブロモ−2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジンを用いた以外は実施例30段階2の手順に従って、4−ブロモ−2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジンN−オキサイド化合物を白色固体として得た。
【0301】
段階2:N−シクロプロピル−1{3−[3−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−1−オキシドピリジン−4−イル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
3−ブロモ−5−メチルスルホニルピリジンに代えて段階1からの4−ブロモ−2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジン−N−オキサイドを用いた以外は実施例32段階3の手順に従って、N−シクロプロピル−1−{3−[3−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−1−オキシドピリジン−4−イル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド化合物をベージュ固体として得た。
【0302】
H NMR(DMSO−d)δ0.57(m、2H)、0.78(m、2H)、1.62(s、6H)、2.90(m、1H)、6.99(s、1H、OH)、7.65〜7.84(m、4H)、7.94(s、1H)、8.03(dd、1H)、8.15(s、1H)、8.38(d、1H)、8.73〜8.78(m、2H)、8.83(s、1H)、9.73(br、NH)。
【実施例37】
【0303】
N−シクロプロピル−1−[3−(6−イソプロピルスルホニルピリジン−3−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0304】
【化79】

段階1:5−ブロモ−2−イソプロピルチオピリジン
2,5−ジブロモピリジン(2.07g、8.73mmol)および2−プロパンチオール(0.97mL、10.4mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(20mL)中混合物に0℃で、水素化ナトリウムのオイル中60%分散品(450mg、11.3mmol)を少量ずつ加えた。得られた混合物を室温で1時間攪拌し、エーテルと水との間で分配した。有機相からの粗生成物を10%酢酸エチル/ヘキサンで溶離を行うシリカゲルでクロマトグラフィー精製して、5−ブロモ−2−イソプロピルチオピリジン化合物を固体として得た。
【0305】
段階2:5−ブロモ−2−イソプロピルスルホニルピリジン
段階1からの5−ブロモ−2−イソプロピルチオピリジン(2.03g、8.75mmol)のテトラヒドロフラン(50mL)およびメタノール(25mL)溶液に0℃で、オキソン(15.8g、25.8mmol)を加え、次に飽和重炭酸ナトリウム水溶液(25mL)を加えた。得られた混合物を室温で6時間攪拌した。混合物を重炭酸ナトリウム水溶液で反応停止し、酢酸エチルと水との間で分配した。有機相からの粗生成物を20%酢酸エチル/ヘキサンで溶離を行うシリカゲルでクロマトグラフィー精製して、5−ブロモ−2−イソプロピルスルホニルピリジン化合物を白色固体として得た。
【0306】
段階3:N−シクロプロピル−1−[3−(6−イソプロピルスルホニルピリジン−3−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
3−ブロモ−5−メチルスルホニルピリジンに代えて段階2からの5−ブロモ−2−イソプロピルスルホニルピリジンを用いた以外は実施例32段階3の手順に従って、N−シクロプロピル−1−[3−(6−イソプロピルスルホニルピリジン−3−イル)]フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド化合物を固体として得た。
【0307】
H NMR(CDCl)δ0.70(m、2H)、0.89(m、2H)、1.39(d、6H)、3.00(m、1H)、3.82(m、1H)、7.51(m、1H)、7.60(d、1H)、7.72(s、1H)、7.80(t、1H)、7.83(d、1H)、8.15〜8.24(m、2H)、8.72(m、1H)、8.86(dd、1H)、9.03(s、1H)、9.10(s、1H)、9.77(br、NH)。
【実施例38】
【0308】
N−シクロプロピル−1−[3−(6−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0309】
【化80】

段階1:5−ブロモ−2−メトキシピリジン
2,5−ジブロモピリジン(6.95g、29mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(5mL)溶液にメタノール(3.56mL)および1Mカリウムtert−ブトキシド(32.3mL)を加え、得られた混合物を室温で18時間攪拌した。得られたスラリーを飽和塩化アンモニウム水溶液で反応停止し、酢酸エチルと水との間で分配した。有機相からの粗生成物を、エーテルおよびヘキサンの1:9混合液で溶離を行うシリカゲルでクロマトグラフィー精製して、5−ブロモ−2−メトキシピリジン化合物を油状物として得た。
【0310】
段階2:N−シクロプロピル−1−[3−(6−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
3−ブロモ−5−メチルスルホニルピリジンに代えて段階1からの5−ブロモ−2−メトキシピリジンを用いた以外は実施例32段階3の手順に従って、N−シクロプロピル−1−[3−(6−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド化合物を固体として得た。
【0311】
H NMR(CDCl)δ0.71(m、2H)、0.89(m、2H)、3.00(m、1H)、4.00(s、3H)、6.85(d、1H)、7.44(d、1H)、7.50(m、1H)、7.62(s、1H)、7.68(t、1H)、7.73(d、1H)、7.83(dd、1H)、8.44(s、1H)、8.73(m、1H)、8.85(dd、1H)、9.10(s、1H)、9.82(br、NH)。
【実施例39】
【0312】
N−シクロプロピル−1−[3−(6−メチルピリジン−3−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0313】
【化81】

3−ブロモ−5−メチルスルホニルピリジンに代えて実施例28段階1からの5−ブロモ−2−メチルピリジンを用いた以外は実施例32段階3の手順に従って、標題化合物を固体として得た。
【0314】
H NMR(CDCl)δ0.72(m、2H)、0.90(m、2H)、2.65(s、3H)、3.03(m、1H)、7.28(d、1H)、7.45〜7.53(m、2H)、7.66(s、1H)、7.72(t、1H)、7.80(d、1H)、7.84(dd、1H)、8.73(m、1H)、8.80(s、1H)、8.86(dd、1H)、9.11(s、1H)、9.82(br、NH)。
【実施例40】
【0315】
N−シクロプロピル−1−{3−[6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−3−イル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0316】
【化82】

段階1:5−ブロモ−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン
70℃で18時間攪拌しながらメタノールに代えて2,2,2−トリフルオロエタノールを用いた以外は実施例38段階1の手順に従って、5−ブロモ−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン化合物を油状物として得た。
【0317】
段階2:N−シクロプロピル−1−{3−[6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−3−イル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
3−ブロモ−5−メチルスルホニルピリジンに代えて段階1からの5−ブロモ−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジンを用いた以外は実施例32段階3の手順に従って、N−シクロプロピル−1−{3−[6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−3−イル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド化合物を固体として得た。
【0318】
H NMR(CDCl)δ0.72(m、2H)、0.90(m、2H)、3.03(m、1H)、4.85(q、2H)、7.00(d、1H)、7.43〜7.53(m、2H)、7.62(s、1H)、7.69〜7.78(m、2H)、7.92(dd、1H)、8.42(s、1H)、8.73(m、1H)、8.85(dd、1H)、9.10(s、1H)、9.80(br、NH)。
【実施例41】
【0319】
N−シクロプロピル−1−[3−(5−ブロモピリジン−3−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0320】
【化83】

3−ブロモ−5−メチルスルホニルピリジンに代えて3,5−ジブロモピリジンを用いた以外は実施例32段階3の手順に従って、標題化合物を白色固体として得た。
【0321】
H NMR(DMSO−d)δ0.58(m、2H)、0.79(m、2H)、2.90(m、1H)、7.65(m、1H)、7.71〜7.77(m、2H)、8.03(d、1H)、8.14(s、1H)、8.49(s、1H)、8.74(brs、1H)、8.79(brs、1H)、8.86(s、1H)、9.01(s、1H)、9.73(br、NH)。
【実施例42】
【0322】
N−シクロプロピル−1−[3−(6−ベンジルオキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0323】
【化84】

段階1:2−ベンジルオキシ−5−ブロモピリジン
2,5−ジブロモピリジン、ベンジルアルコール(1.3当量)、水酸化カリウムペレット(2.4当量)およびジベンゾ−18−クラウン−6(0.05当量)のトルエン(4mL/mmol)中混合物を、水の共沸除去を行いながら3時間還流した。トルエンの留去後、得られた混合物をクロロホルムと水との間で分配した。有機相からの粗生成物をエーテル−ヘキサンから再結晶して、2−ベンジルオキシ−5−ブロモピリジン化合物を固体として得た。
【0324】
段階2:N−シクロプロピル−1−[3−(6−ベンジルオキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
3−ブロモ−5−メチルスルホニルピリジンに代えて段階1からの2−ベンジルオキシ−5−ブロモピリジンを用いた以外は実施例32段階3の手順に従って、N−シクロプロピル−1−[3−(6−ベンジルオキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド化合物を白色固体として得た。
【0325】
H NMR(DMSO−d)δ0.57(m、2H)、0.79(m、2H)、2.91(m、1H)、5.42(s、2H)7.00(d、1H)、7.32〜7.48(m、5H)、7.61〜7.72(m、3H)、7.90(d、1H)、7.99(s、1H)、8.14(d、1H)、8.59(s、1H)、8.73〜8.84(m、3H)、9.73(br、NH)。
【実施例43】
【0326】
N−シクロプロピル−1−{3−[6−ジシクロプロピル(ヒドロキシ)メチル−1−オキシドピリジン−3−イル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0327】
【化85】

段階1:5−ブロモ−2−ジシクロプロピル(ヒドロキシ)メチルピリジンN−オキサイド
段階1でアセトンに代えてジシクロプロピルケトンを用いた以外は実施例30段階1および2の手順に従って、5−ブロモ−2−ジシクロプロピル(ヒドロキシ)メチルピリジンN−オキサイド化合物を固体として得た。
【0328】
段階2:N−シクロプロピル−1−{3−[6−ジシクロプロピル(ヒドロキシ)メチル−1−オキシドピリジン−3−イル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
3−ブロモ−5−メチルスルホニルピリジンに代えて段階1からの5−ブロモ−2−ジシクロプロピル(ヒドロキシ)メチルピリジンN−オキサイドを用いた以外は実施例32段階3の手順に従って、N−シクロプロピル−1−{3−[6−ジシクロプロピル(ヒドロキシ)メチル−1−オキシドピリジン−3−イル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド化合物を白色固体として得た。
【0329】
H NMR(CDCl)δ0.52(m、4H)、0.70(m、4H)、0.76(m、2H)、0.89(m、2H)、1.35(m、2H)、3.02(m、1H)、7.52(m、1H)、7.58(m、1H)、7.62(dd、1H)、7.68(s、1H)、7.73〜7.80(m、3H)、8.15(br、1H、OH)、8.49(s、1H)、8.72(m、1H)、8.85(dd、1H)、9.09(s、1H)、9.78(br、NH)。
【実施例44】
【0330】
N−シクロプロピル−1−{3−[5−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−1−オキシドピリジン−2−イル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0331】
【化86】

段階1:2−ブロモ−5−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジンN−オキサイド
5−ブロモ−2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジンに代えて実施例34段階1からの2−ブロモ−5−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジンを用いた以外は実施例30段階2の手順に従って、2−ブロモ−5−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジンN−オキサイド化合物を白色固体として得た。
【0332】
段階2:N−シクロプロピル−1−{3−[5−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−1−オキシドピリジン−2−イル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
3−ブロモ−5−メチルスルホニルピリジンに代えて段階1からの2−ブロモ−5−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジンN−オキサイドを用いた以外は実施例32段階3の手順に従って、N−シクロプロピル−1−{3−[5−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−1−オキシドピリジン−2−イル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド化合物を固体として得た。
【0333】
H NMR(CDCl)δ0.69(m、2H)、0.88(m、2H)、1.63(s、6H)、2.20(s、1H、OH)、2.98(m、1H)、7.38〜7.49(m、3H)、7.52(d、1H)、7.70(t、1H)、7.98〜8.04(m、2H)、8.50(s、1H)、8.69(m、1H)、8.80(dd、1H)、9.08(s、1H)、9.75(br、NH)。
【実施例45】
【0334】
N−シクロプロピル−1−{3−[6−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジン−3−イル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0335】
【化87】

3−ブロモ−5−メチルスルホニルピリジンに代えて実施例30段階1からの5−ブロモ−2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジンを用いた以外は実施例32段階3の手順に従って、標題化合物を固体として得た。
【0336】
H NMR(CDCl)δ0.72(m、2H)、090(m、2H)、1.62(s、6H)、3.02(m、1H)、4.85(s、1H、OH)、7.48〜7.53(m、3H)、7.68(s、1H)、7.73(t、1H)、7.80(d、1H)、7.95(dd、1H)、8.72(m、1H)、8.81(s、1H)、8.86(dd、1H)、9.10(s、1H)、9.78(br、NH)。
【実施例46】
【0337】
N−イソブチル−1−{3−[6−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジン−3−イル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0338】
【化88】

段階1:5−(3−アミノフェニル)−2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジン
3−アセチルフェニルボロン酸に代えて3−アミノフェニルボロン酸を用い、N−イソプロピル−1−(3−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドに代えて実施例30段階1からの5−ブロモ−2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジンを用いた以外は実施例1段階5の手順に従って、5−(3−アミノフェニル)−2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジン化合物を固体として得た。
【0339】
段階2:1−{3−[6−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジン−3−イル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボン酸
最初の段階で段階1からの3−ブロモアニリンに代えて5−(3−アミノフェニル)−2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジンを用いた以外は実施例1段階1〜3の手順に従って、1−{3−[6−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジン−3−イル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボン酸化合物を固体として得た。
【0340】
段階3:N−イソブチル−1−{3−[6−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジン−3−イル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
1−(3−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボン酸に代えて段階2からの酸を用い、イソプロピルアミンに代えてイソブチルアミンを用いた以外は実施例1段階4の手順に従って、N−イソブチル−1−{3−[6−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジン−3−イル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド化合物をクリーム色固体として得た。
【0341】
H NMR(アセトン−d)δ0.98(d、6H)、1.53(s、6H)、1.88(m、1H)、3.26(t、2H)、4.66(s、1H、OH)、7.60(m、1H)、7.69(d、1H)、7.76〜7.79(m、2H)、7.95(d、1H)、8.05(s、1H)、8.16(dd、1H)、8.73(m、1H)、8.79(dd、1H)、8.90(s、1H)、8.94(s、1H)、9.83(br、NH)。
【実施例47】
【0342】
N−シクロプロピル−1−{5−ブロモ−3−[6−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジン−3−イル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0343】
【化89】

段階1:1−(3,5−ジブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボン酸
段階1で3−ブロモアニリンに代えて3,5−ジブロモアニリンを用いた以外は実施例1段階1〜3の手順に従って、1−(3,5−ジブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボン酸化合物をベージュ固体として得た。
【0344】
段階2:N−シクロプロピル−1−(3,5−ジブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
1−(3−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボン酸に代えて段階1からの1−(3,5−ジブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボン酸を用い、イソプロピルアミンに代えてシクロプロピルアミンを用いた以外は実施例1段階4の手順に従って、N−シクロプロピル−1−(3、5−ジブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド化合物を固体として得た。 段階3:2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−5−トリブチルスタンニルピリジン
【0345】
2,5−ジブロモピリジンのトルエン(5mL/1mmol)懸濁液に−78℃で、n−ブチルリチウム2.5Mのヘキサン溶液(1当量)を加え、得られた混合物を冷却下に2.5時間攪拌した。アセトン(1当量)を加え、混合物を昇温させて−50℃としたところ、それは褐色溶液となった。−78℃まで冷却した後、追加のn−ブチルリチウム(1当量)をエーテル(2mL/mmol)とともに加えた。冷却下にさらに1時間攪拌した後、トリブチルスズクロライド(1.1当量)を加え、混合物を昇温させて室温とし、2時間攪拌した。混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液で反応停止し、酢酸エチルと水との間で分配した。有機相からの粗生成物を酢酸エチルおよびヘキサンの1:9混合液で溶離を行うシリカゲルでクロマトグラフィー精製して、2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−5−トリブチルスタンニルピリジン化合物を無色液体として得た。
【0346】
段階4:N−シクロプロピル−1−{5−ブロモ−3−[6−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジン−3−イル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
段階2からのN−シクロプロピル−1−(3,5−ジブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド、段階3からの2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−5−トリブチルスタンニルピリジン(1.4当量)、1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(0.05当量)およびヨウ化第一銅(0.05当量)のN,N−ジメチルホルムアミド(15mL/mmol)中混合物を、85℃で5時間攪拌した。冷却後、得られた混合物を酢酸エチルと水との間で分配した。有機相からの粗生成物を、エタノール、酢酸エチルおよび塩化メチレンの1:6:3混合液で溶離を行うシリカゲルでクロマトグラフィー精製して、N−シクロプロピル−1−{5−ブロモ−3−[6−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジン−3−イル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド化合物を固体として得た。
【0347】
H NMR(CDCl)δ0.72(m、2H)、0.90(m、2H)、1.62(s、6H)、3.02(m、1H)、4.76(s、1H、OH)、7.50〜7.56(m、2H)、7.62(s、1H)、7.69(s、1H)、7.90〜7.96(m、2H)、8.74(m、1H)、8.79(s、1H)、8.86(dd、1H)、9.07(s、1H)、9.74(br、NH)。
【実施例48】
【0348】
N−シクロプロピル−1−{3−[6−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジン−2−イル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0349】
【化90】

段階1:2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−6−トリブチルスタンニルピリジン
2,5−ジブロモピリジンに代えて2,6−ジブロモピリジンを用いた以外は実施例47段階3の手順に従って、2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−6−トリブチルスタンニルピリジン化合物を得た。
【0350】
段階2:N−シクロプロピル−1−{3−[6−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジン−2−イル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−5−トリブチルスタンニルピリジンに代えて段階1からの2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−6トリブチルスタンニルピリジンを用いた以外は実施例47段階4の手順に従って、N−シクロプロピル−1−{3−[6−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジン−2−イル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド化合物を固体として得た。
【0351】
H NMR(CDCl)δ0.72(m、2H)、0.90(m、2H)、1.61(s、6H)、3.04(m、1H)、5.13(s、1H、OH)、7.40(d、1H)、7.46〜7.53(m、2H)、7.70〜7.76(m、2H)、7.85(t、1H)、8.13(s、1H)、8.22(d、1H)、8.73(m、1H)、8.87(d、1H)、9,12(s、1H)、9.83(br、NH)。
【実施例49】
【0352】
N−イソプロピル−1−[3−(4−メチルスルホニルフェニル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0353】
【化91】

実施例22からのN−イソプロピル−1−[3−(4−メチルチオフェニル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドのテトラヒドロフラン(24mL/mmol)、メタノール(12mL/mmol)および水(12mL/mmol)中混合物に、オキソン(2.24当量)を加え、得られた混合物を室温で2時間攪拌した。混合物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液で反応停止し、酢酸エチルと水との間で分配した。有機相からの粗生成物を30%エーテル/塩化メチレンで溶離を行うシリカゲルでクロマトグラフィー精製して、標題化合物を白色固体として得た。
【0354】
H NMR(アセトン−d)δ1.25(d、6H)、3.16(s、3H)、4.18(m、1H)、7.60(m、1H)、7.74(d、1H)、7.79(t、1H)、7.99(d、1H)、8.05(s、4H)、8.09(s、1H)、8.72(m、1H)、8.78(dd、1H)、8.93(s、1H)、9.64(br、NH)。
【実施例50】
【0355】
N−シクロプロピル−1−[3−(6−メチルスルホニルピリジン−3−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0356】
【化92】

段階1:5−ブロモ−2−メチルチオピリジン
2,5−ジブロモピリジンおよびナトリウムチオメトキシド(1.3当量)のN,N−ジメチルホルムアミド(2mL/mmol)中混合物を室温で20分間攪拌し、冷却して0℃とした。冷水で希釈後、沈殿を濾過して、5−ブロモ−2−メチルチオピリジン化合物を固体として得た。
【0357】
段階2:N−シクロプロピル−1−[3−(6−メチルチオピリジン−3−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
3−ブロモ−5−メチルスルホニルピリジンに代えて段階1からの5−ブロモ−2−メチルチオピリジンを用いた以外は実施例32段階3の手順に従って、N−シクロプロピル−1−[3−(6−メチルチオピリジン−3−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド化合物を固体として得た。
【0358】
段階3:N−シクロプロピル−1−[3−(6−メチルスルホニルピリジン−3−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
N−イソプロピル−1−[3−(4−メチルチオフェニル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドに代えて段階2からのN−シクロプロピル−1−[3−(6−メチルチオピリジン−3−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドを用いた以外は実施例49の手順に従って、N−シクロプロピル−1−[3−(6−メチルスルホニルピリジン−3−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド化合物を固体として得た。
【0359】
H NMR(CDCl)δ0.66(m、2H)、0.84(m、2H)、2.97(m、1H)、3.26(s、3H)、7.48(m、1H)、7.55(d、1H)、7.67(s、1H)、7.74〜7.80(m、2H)、8.14〜8.19(m、2H)、8.68(m、1H)、8.81(dd、1H)、8.96(s、1H)、9.05(s、1H)、9.73(br、NH)。
【実施例51】
【0360】
N−イソプロピル−1−[3−(5−メチルスルホニルピリジン−3−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0361】
【化93】

N−イソプロピル−1−[3−(4−メチルチオフェニル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドに代えて実施例15からのN−イソプロピル−1−[3−(5−メチルチオピリジン−3−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドを用いた以外は実施例49の手順に従って、標題化合物を固体として得た。
【0362】
H NMR(CDCl3)δ1.33(d、6H)、3.20(s、3H)、4.31(m、1H)、7.52(m、1H)、7.60(d、1H)、7.73(s、1H)、7.79(t、1H)、7.86(d、1H)、8.48(m、1H)、8.73(m、1H)、8.88(d、1H)、9.08(s、1H)、9.19(d、2H)、9.68(br、NH)。
【実施例52】
【0363】
N−シクロプロピル−1−[3−(4−エチルスルホニルフェニル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0364】
【化94】

N−イソプロピル−1−[3−(4−メチルチオフェニル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドに代えて実施例18からのN−シクロプロピル−1−[3−(4−エチルチオフェニル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドを用いた以外は実施例49の手順に従って、標題化合物を固体として得た。
【0365】
H NMR(CDCl)δ0.72(m、2H)、0.90(m、2H)、1.35(t、3H)、3.02(m、1H)、3.18(q、2H)、7.48〜7.56(m、2H)、7.70(s、1H)、7.75(t、1H)、7.84(m、3H)、8.03(d、2H)、8.73(m、1H)、8.85(dd、1H)、9.10(s、1H)、9.80(br、NH)。
【実施例53】
【0366】
N−シクロプロピル−1−[3−(4−エチルスルフィニルフェニル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0367】
【化95】

実施例18からのN−シクロプロピル−1−[3−(4−エチルチオフェニル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドの塩化メチレンおよびメタノール1:1混合液(9mL/mmol)溶液に0℃で、モノ過フタル酸マグネシウム・6水和物(MMPP、0.5モル当量)を加え、得られた混合物を冷却下に2時間攪拌した。混合物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液で反応停止し、塩化メチレンと水との間で分配した。有機相からの粗生成物を、塩化メチレン、エタノールおよび28%水酸化アンモニウム水溶液の90:9:1混合液で溶離を行うシリカゲルでクロマトグラフィー精製して、標題化合物を固体として得た。
【0368】
H NMR(CDCl)δ0.68(m、2H)、0.85(m、2H)、1.15(m、3H)、2.80(m、1H)、2.94(m、1H)、2.98(m、1H)、7.45〜7.50(m、2H)、7.65〜7.73(m、4H)、7.76〜7.82(m、3H)、8.71(m、1H)、8.83(dd、1H)、9.06(s、1H)、9.78(br、NH)。
【実施例54】
【0369】
N−イソプロピル−1−{3−[4−(1−オキシミドエチル)フェニル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0370】
【化96】

実施例4からのN−イソプロピル−1−[3−(4−アセチルフェニル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドのピリジン(11mL/mmol)溶液に室温で、ヒドロキシルアミン塩酸塩(2.1当量)を加え、得られた混合物を16時間攪拌した。混合物をセライトで濾過し、濾液を溶媒留去した。残留物を酢酸エチルに溶かし、飽和炭酸ナトリウム水溶液と次に水で洗浄し、脱水し、溶媒留去した。残留物を少量のアセトン中で攪拌し、濾過して、標題化合物を固体として得た。
【0371】
H NMR(CDCl)δ1.29(d、6H)、2.27(s、3H)、4.30(m、1H)、7.39(d、1H)、7.46(m、1H)、7.56(d、2H)、7.59〜7.63(m、2H)、7.66(d、2H)、7.72(d、1H)、8.17(s、1H、OH)、8.69(brs、1H)、8.82(d、1H)、9.10(s、1H)、9.71(br、NH)。
【実施例55】
【0372】
N−イソプロピル−1−{3−[4−(4−ピペラジン−1−イル)フェニル]−フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0373】
【化97】

実施例11からのN−イソプロピル−1−{3−[4−(4−tert−ブチルオキシカルボニルピペラジン−1−イル)フェニル]−フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドの塩化メチレン(10mL/mmol)溶液に、トリフルオロ酢酸(6mL/mmol)を加え、得られた混合物を室温で2時間攪拌し、15分間軽く加熱した。混合物を溶媒留去し、粗生成物を塩化メチレン、メタノールおよび28%水酸化アンモニウム水溶液の9:0.9:0.1混合液で溶離を行うシリカゲルでクロマトグラフィー精製して、標題化合物を固体として得た。
【0374】
H NMR(CDCl)δ1.29(d、6H)、2.99(m、4H)、3.16(m、4H)、4.25(m、1H)、6.94(d、2H)、7.29(d、1H)、7.42(m、1H)、7.50(d、2H)、7.52〜7.58(m、2H)、7.69(d、1H)、8.66(m、1H)、8.78(dd、1H)、9.04(s、1H)、9.69(br、NH)。
【実施例56】
【0375】
N−シクロプロピル−1−[3−(4−メチルスルホニルメチルフェニル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0376】
【化98】

段階1:N−シクロプロピル−1−[3−(4−ブロモメチルフェニル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
実施例16からのN−シクロプロピル−1−[3−(4−ヒドロキシメチルフェニル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド、四塩化炭素(2当量)およびダイフォス(0.6モル当量)の塩化メチレン(15mL/mmol)中混合物を室温で3時間攪拌した。混合物を室温で濃縮し、酢酸エチルおよび塩化メチレンの1:1混合液で溶離を行うシリカゲルでのクロマトグラフィー精製して、N−シクロプロピル−1−[3−(4−ブロモメチルフェニル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド化合物を得た。
【0377】
段階2:N−シクロプロピル−1−[3−(4−メチルスルホニルメチルフェニル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
段階1からのN−シクロプロピル−1−[3−(4−ブロモメチルフェニル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドのN,N−ジメチルホルムアミド(20mL/mmol)溶液に、メタンスルフィン酸ナトリウム塩(1.3当量)を加え、得られた混合物を室温で18時間攪拌した。その混合物に、飽和塩化アンモニウム水溶液および酢酸エチルを加え、不溶固体を濾過し、水、ヘキサン、エーテルおよび酢酸エチルで十分に洗浄して、標題化合物を固体として得た。
【0378】
H NMR(CDCl)δ0.72(m、2H)、0.89(m、2H)、2.85(s、3H)、3.04(m、1H)、4.34(s、2H)7.46〜7.52(m、2H)、7.55(d、2H)、7.65〜7.73(m、4H)、7.80(d、1H)、8.76(m、1H)、8.85(d、1H)、9.12(s、1H)、9.82(br、NH)。
【実施例57】
【0379】
N−シクロプロピル−1−[3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソピリジン−3−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0380】
【化99】

実施例42からのN−シクロプロピル−1−[3−(6−ベンジルオキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドの1,2−ジクロロエタン(25mL/mmol)溶液に、トリフルオロ酢酸(1.5mL/mmol)を加え、得られた混合物を60℃で18時間攪拌した。追加のトリフルオロ酢酸(0.75mL/mmol)を加え、加熱をさらに24時間続けた。冷却した混合物を塩化メチレンで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液を加えたところ、固体が沈殿し、それを濾過した。その濾液から有機相を回収し、溶媒留去して固体を得た。それを前に濾過された固体と合わせた。その混合物を10%メタノール/塩化メチレンで溶離を行うシリカゲルでクロマトグラフィー精製して、標題化合物を白色毛羽状固体として得た。
【0381】
H NMR(DMSO−d)δ0.57(m、2H)、0.78(m、2H)、2.90(m、1H)、6.45(d、1H)、7.52(m、1H)、7.61〜7.65(m、2H)、7.78(d、1H)、7.85(s、1H)、7.89〜7.93(m、2H)、8.74(d、1H)、8.78〜8.81(m、2H)、9.73(br、NH)、他のNH>11ppm。
【実施例58】
【0382】
N−シクロプロピル−1−[[3−{5−[6−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジン−3−イル]ピリジン−3−イル}フェニル]]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0383】
【化100】

N−シクロプロピル−1−(3,5−ジブロモフェニル)−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドに代えて実施例41からのN−シクロプロピル−1−[3−(5−ブロモピリジン−3−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドを用いた以外は実施例47段階4の手順に従って、標題化合物を白色固体として得た。
【0384】
H NMR(DMSO−d)δ0.58(m、2H)、0.79(m、2H)、2.91(m、1H)、5.30(s、1H、OH)、7.65(m、1H)、7.71〜7.79(m、3H)、8.12(d、1H)、8.23〜8.26(m、2H)、8.49(s、1H)、8.75(dd、1H)、8.80(m、1H)、8.87(s、1H)、8.97(m、2H)、9.04(s、1H)、9.74(br、NH)。
【実施例59】
【0385】
N−イソプロピル−1−[3−(1−オキシドピリジン−3−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0386】
【化101】

5−ブロモ−2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジンに代えて実施例7からのN−イソプロピル−1−[3−(ピリジン−3−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドを用いた以外は実施例30段階2の手順に従って、標題化合物を白色固体として得た。
【0387】
H NMR(DMSO−d)δ1.21(d、6H)、4.10(m、1H)、7.51(t、1H)、7.64(m、1H)、7.71〜7.75(m、3H)、7.97(m、1H)、8.09(s、1H)、8.23(d、1H)、8.69〜8.77(m、3H)、8.84(s、1H)、9.66(br、NH)。
【実施例60】
【0388】
N−(2,6−ジクロロピリジン−4−イル)−1−[3−(1−オキシドピリジン−3−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0389】
【化102】

5−ブロモ−2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジンに代えて実施例10からのN−(2,6−ジクロロピリジン−4−イル)−1−[3−(ピリジン−3−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドを用いた以外は実施例30段階2の手順に従って、標題化合物を白色固体として得た。
【0390】
H NMR(DMSO−d)δ7.51(m、1H)、7.69〜7.78(m、4H)、7.99(dd、1H)、8.14(s、1H)、8.24(dd、1H)、8.70(s、1H)、8.73(s、2H)、8.84(m、2H)、8.99(s、1H)、12.05(br、NH)。
【実施例61】
【0391】
N−イソプロピル−1−[3−(5−カルボエトキシ−1−オキシドピリジン−3−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0392】
【化103】

5−ブロモ−2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジンに代えて実施例24からのN−イソプロピル−1−[3−(5−カルボエトキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドを用いた以外は実施例30段階2の手順に従って、標題化合物を白色固体として得た。
【0393】
H NMR(CDCl)δ1.28(d、6H)、1.40(t、3H)、4.28(m、1H)、4.43(q、2H)、7.49(dd、1H)、7.56(m、1H)、7.68(s、1H)、7.73(d、2H)、8.04(s、1H)、8.60(s、1H)、8.68(dd、1H)、8.77(s、1H)、8.82(d、1H)、9.01(s、1H)、9.61(br、NH)。
【実施例62】
【0394】
N−イソプロピル−1−{3−[5−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−1−オキシドピリジン−3−イル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0395】
【化104】

5−ブロモ−2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジンに代えて実施例25からのN−イソプロピル−1−{3−[5−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジン−3−イル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドを用いた以外は実施例30段階2の手順に従って、標題化合物を白色固体として得た。
【0396】
H NMR(CDCl)δ1.29(d、6H)、1.60(s、6H)、4.11(brs、1H)、4.23(m、1H)、7.42〜7.51(m、2H)、7.58(s、2H)7.65(m、2H)、8.28(s、1H)、8.33(s、1H)、8.64(m、1H)、8.80(d、1H)、8.98(s、1H)、9.61(br、NH)。
【実施例63】
【0397】
N−イソプロピル−1−{3−[6−(2−メチルプロピル)−1−オキシドピリジン−3−イル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0398】
【化105】

5−ブロモ−2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジンに代えて実施例26からのN−イソプロピル−1−{3−[6−(2−メチルプロピル)ピリジン−3−イル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドを用いた以外は実施例30段階2の手順に従って、標題化合物をオフホワイト固体として得た。
【0399】
H NMR(CDCl)δ0.98(d、6H)、1.29(d、6H)、2.29(m、1H)、2.32(d、2H)、4.26(m、1H)、7.28(d、1H)、7.38(d、1H)、7.47〜7.52(m、2H)、7.60(s、1H)、7.69(m、2H)、8.53(s、1H)、8.69(m、1H)、8.82(dd、1H)、9.03(s、1H)、9.62(br、NH)。
【実施例64】
【0400】
N−イソプロピル−1−[3−(6−メチル−1−オキシドピリジン−3−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0401】
【化106】

5−ブロモ−2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジンに代えて実施例28からのN−イソプロピル−1−[3−(6−メチルピリジン−3−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドを用いた以外は実施例30段階2の手順に従って、標題化合物をオフホワイト固体として得た。
【0402】
H NMR(CDCl)δ1.32(d、6H)、2.60(s、3H)、4.30(m、1H)、7.35〜7.45(m、2H)、7.50(m、2H)、7.62(s、1H)、7.72(d、2H)、8.58(s、1H)、8.72(m、1H)、8.85(dd、1H)、9.06(s、1H)、9.66(br、NH)。
【実施例65】
【0403】
N−シクロプロピル−1−[3−(1−オキシドピリジン−3−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0404】
【化107】

5−ブロモ−2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジンに代えて実施例14からのN−シクロプロピル−1−[3−(ピリジン−3−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドを用いた以外は実施例30段階2の手順に従って、標題化合物を白色固体として得た。
【0405】
H NMR(DMSO−d)δ0.57(m、2H)、0.78(m、2H)、2.90(m、1H)、7.52(t、1H)、.7.65(m、1H)、7.72〜7.76(m、3H)、7.98(m、1H)、8.10(s、1H)、8.25(d、1H)、8.70〜8.79(m、3H)、8.85(s、1H)、9.72(br、NH)。
【実施例66】
【0406】
N−シクロプロピル−1−{3−[6−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−1−オキシドピリジン−3−イル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0407】
【化108】

5−ブロモ−1−オキシドピリミジンに代えて実施例30段階2からの5−ブロモ−2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジンN−オキサイドを用いた以外は実施例29段階2の手順に従って、標題化合物を白色固体として得た。
【0408】
H NMR(CDCl)δ0.66(m、2H)、0.85(m、2H)、1.70(s、6H)、2.97(m、1H)、7.43〜7.49(m、2H)、7.52〜7.56(m、2H)、7.61(s、2H)7.71〜7.74(m、2H)、8.49(s、1H)、8.68(m、1H)、8.80(d、1H)、9.02(s、1H)、9.74(br、NH)。
【実施例67】
【0409】
N−シクロプロピル−1−[3−(1−オキシドピリジン−4−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0410】
【化109】

5−ブロモ−2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジンに代えて実施例17からのN−シクロプロピル−1−[3−(ピリジン−4−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドを用いた以外は実施例30段階2の手順に従って、標題化合物を白色固体として得た。
【0411】
H NMR(DMSO−d)δ0.57(m、2H)、0.79(m、2H)、2.92(m、1H)、7.62〜7.70(m、2H)、7.75(t、1H)、7.88(d、2H)、8.03(d、1H)、8.15(s、1H)、8.30(d、2H)、8.75(d、1H)、8.80(m、1H)、8.86(s、1H)、9.73(br、NH)。
【実施例68】
【0412】
N−シクロプロピル−1−[3−(5−ブロモ−1−オキシドピリジン−3−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0413】
【化110】

5−ブロモ−2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジンに代えて実施例41からのN−シクロプロピル−1−[3−(5−ブロモピリジン−3−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドを用いた以外は実施例30段階2の手順に従って、標題化合物を明黄色固体として得た。
【0414】
H NMR(DMSO−d)δ0.56(m、2H)、0.78(m、2H)、2.91(m、1H)、7.65(m、1H)、7.71〜7.74(m、2H)、8.02〜8.06(m、2H)、8.15(s、1H)、8.60(s、1H)、8.73〜8.79(m、3H)、8.86(s、1H)、9.73(br、NH)。
【実施例69】
【0415】
N−シクロプロピル−1−[[3−{5−[6−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−1−オキシドピリジン−3−イル]ピリジン−3−イル}フェニル]]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0416】
【化111】

5−ブロモ−2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジンに代えて実施例58からのN−シクロプロピル−1−[[3−{5−[6−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジン−3−イル]ピリジン−3−イル}フェニル]]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドを用い、1.6当量のm−クロロ過安息香酸を用いた以外は実施例30段階2の手順に従って、標題化合物を白色固体として得た。
【0417】
H NMR(DMSO−d)δ0.57(m、2H)、0.78(m、2H)、2.91(m、1H)、6.94(s、1H、OH)、7.65(m、1H)、7.71〜7.79(m、3H)、7.97(dd、1H)、8.13(d、1H)、8.25(s、1H),.8.55(s、1H)、8.74(dd、1H)、8.80(m、1H)、8.87(s、1H)、8.91(s、1H)、9.00(s、1H)、9.09(s、1H)、9.73(br、NH)。
【実施例70】
【0418】
N−シクロプロピル−1−[[3−{5−[6−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジン−3−イル]−1−オキシドピリジン−3−イル}フェニル]]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0419】
【化112】

実施例69の手順から、標題化合物も白色固体として得られた。
【0420】
H NMR(DMSO−d)δ0.57(m、2H)、0.79(m、2H)、2.92(m、1H)、5.32(s、1H、OH)、7.65(m、1H)、7.72〜7.80(m、3H)、8.08〜8.17(m、2H)、8.27(m、2H)、8.70〜8.82(m、4H)、8.88(s、1H)、8.98(s、1H)、9.73(br、NH)。
【実施例71】
【0421】
N−シクロプロピル−1−[[3−{5−[6−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−1−オキシドピリジン−3−イル]−1−オキシドピリジン−3−イル}フェニル]]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0422】
【化113】

実施例69の手順から、標題化合物も白色固体として得られた。
【0423】
H NMR(DMSO−d)δ0.58(m、2H)、0.80(m、2H)、2.92(m、1H)、6.85(brs、1H、OH)、7.65(m、1H)、7.70〜7.80(m、3H)、7.96(d、1H)、8.13(m、2H)、8.29(s、1H)、8.71〜8.84(m、4H)、8.89(s、1H)、8.92(s、1H)、9.73(br、NH)。
【実施例72】
【0424】
N−イソプロピル−1−[3−(1−オキシドキノリン−3−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−カルボキサミド
【0425】
【化114】

5−ブロモ−2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジンに代えて実施例12からのN−イソプロピル−1−[3−(キノリン−3−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−カルボキサミドを用いた以外は実施例30段階2の手順に従って、標題化合物を固体として得た。
【0426】
H NMR(CDCl)δ1.30(d、6H)、4.28(m、1H)、7.49(dd、1H)、7.54(d、1H)、7.66〜7.85(m、5H)、7.92(m、2H)、8.69〜8.75(m、2H)、8.84(d、1H)、8.86(s、1H)、9.08(s、1H)、9.64(br、NH)。
【実施例73】
【0427】
N−イソブチル−1−{3−[6−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−1−オキシドピリジン−3−イル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0428】
【化115】

実施例46からのN−イソブチル−1−{3−[6−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジン−3−イル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドの13:1塩化メチレン/メタノール(33mL/mmol)中混合物に室温で、モノ過フタル酸マグネシウム・6水和物(MMPP、1.1モル当量)を加え、得られた混合物を室温で24時間攪拌した。混合物をセライト床で濾過し、濾液を炭酸ナトリウム水溶液、次に水で洗浄し、脱水した。粗生成物を8%エタノール/酢酸エチルで溶離を行うシリカゲルでクロマトグラフィー精製し、得られた固体を室温でエーテル中にて数時間攪拌し、濾過して、標題化合物を明ピンク固体として得た。
【0429】
H NMR(アセトン−d)δ0.98(d、6H)、1.61(s、6H)、1.88(m、1H)、3.26(t、2H)、7.52(s、1H、OH)、7.61(m、1H)、7.66(d、1H)、7.77〜7.82(m、2H)、7.88(d、1H)、7.99(d、1H)、8.12(s、1H)、8.68(s、1H)、8.73(m、1H)、8.80(dd、1H)、8.93(s、1H)、9.81(br、NH)。
【実施例74】
【0430】
N−シクロプロピル−1−[3−(6−メチル−1−オキシドピリジン−3−イル)]フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0431】
【化116】

N−イソブチル−1{[3−[6−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジン−3−イル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドに代えて実施例39からのN−シクロプロピル−1−[3−(6−メチルピリジン−3−イル)]フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドを用いた以外は実施例73の手順に従って、標題化合物を固体として得た。
【0432】
H NMR(CDCl)δ0.72(m、2H)、0.91(m、2H)、2.61(s、3H)、3.02(m、1H)、7.38(d、1H)、7.45(dd、1H)、7.49〜7.58(m、2H)、7.66(s、1H)、7.75(m、2H)、8.61(s、1H)、8.72(m、1H)、8.87(dd、1H)、9.08(s、1H)、9.78(br、NH)。
【実施例75】
【0433】
N−シクロプロピル−1−[3−(6−メチルスルホニル−1−オキシドピリジン−3−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0434】
【化117】

実施例51からのN−シクロプロピル−1−[3−(6−メチルスルホニルピリジン−3−イル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドの塩化メチレン(30mL/mmol)懸濁液に、尿素−過酸化水素(8当量)を加え、得られた混合物を冷却して0℃とした。トリフルオロ酢酸(4.7当量)を加え、混合物を昇温させて室温として、溶液を得た。18時間後、追加の尿素−過酸化水素(2.6当量)およびトリフルオロ酢酸(2当量)を加え、攪拌を2時間続けた。混合物を飽和メタ亜硫酸ナトリウム水溶液で反応停止し、塩化メチレンで希釈し、有機相を1N HCl水溶液、次にブラインおよび水で洗浄し、脱水し、溶媒留去した。粗生成物を40%トルエン/アセトンで溶離を行うシリカゲルでクロマトグラフィー精製して、標題化合物を固体として得た。
【0435】
H NMR(CDCl)δ0.66(m、2H)、0.85(m、2H)、2.97(m、1H)、3.52(s、3H)、7.48(m、1H)、7.58〜7.65(m、3H)、7.72〜7.78(m、2H)、8.15(d、1H)、8.54(s、1H)、8.68(brs、1H)、8.81(d、1H)、9.01(s、1H)、9.71(br、NH)。
【実施例76】
【0436】
N−シクロプロピル−1−{5−ブロモ−3−[6−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−1−オキシドピリジン−3−イル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0437】
【化118】

5−ブロモ−2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジンに代えて実施例47からのN−シクロプロピル−1−{5−ブロモ−3−[6−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジン−3−イル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミドを用いた以外は実施例30段階2の手順に従って、標題化合物を固体として得た。
【0438】
H NMR(CDCl)δ0.71(m、2H)、0.90(m、2H)、1.75(s、6H)、3.02(m、1H)、7.48〜7.60(m、5H)、7.73(s、1H)、7.88(s、1H)、8.52(s、1H)、8.72(m、1H)、8.84(dd、1H)、9.04(s、1H)、9.71(br、NH)。
【実施例77】
【0439】
N−シクロプロピル−1−{3−[6−(1,2−ジヒドロキシ−1−メチルエチル)−1−オキシドピリジン−3−イル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
【0440】
【化119】

段階1:5−ブロモ−2−(1−メチルビニル)ピリジンN−オキサイド
実施例30段階2からの5−ブロモ−2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジンN−オキサイド(1.29g)および25%硫酸水溶液の混合物を130℃で2日間加熱した。冷却後、混合物を10N水酸化ナトリウム水溶液を用いてわずかに塩基性とし、酢酸エチルと水との間で分配した。有機相の溶媒留去からの粗生成物を、段階2でそのまま用いた。
【0441】
段階2:5−ブロモ−2−(1,2−ジヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジンN−オキサイド
段階1からの粗生成物をアセトンおよび水(16mL)の3:1混合液に溶かし、4−メチルモルホリンN−オキサイド(1g)およびオスミウム酸カリウム・2水和物(90mg)を加えた。得られた混合物を室温で3日間攪拌し、過剰の固体重亜硫酸ナトリウムを加え、混合物を溶媒留去した。残留物を塩化メチレンで希釈し、濾過した。濾液を溶媒留去し、残留物を酢酸エチルで溶離を行うシリカゲルでクロマトグラフィー精製して、標題化合物を白色固体として得た。
【0442】
段階3:N−シクロプロピル−1−{3−[6−(1,2−ジヒドロキシ−1−メチルエチル)−1−オキシドピリジン−3−イル]フェニル}−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキサミド
3−ブロモ−5−メチルスルホニルピリジンに代えて段階2からの5−ブロモ−2−(1,2−ジヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジンN−オキサイドを用いた以外は実施例32段階2の手順に従って、標題化合物を白色固体として得た。
【0443】
H NMR(CDCl)δ0.66(m、2H)、0.85(m、2H)、1.61(s、3H)、2.78(m、1H、OH)、2.97(m、1H)、3.90(m、1H)、3.97(m、1H)、7.48(m、1H)、7.53(m、2H)、7.60(m、2H)、7.69〜7.72(m、2H)、7.92(s、1H、OH)、8.49(s、1H)、8.68(m、1H)、8.80(dd、1H)、9.02(s、1H)、9.73(br、NH)。
【0444】
PDE−4阻害剤例B
【0445】
【化120】

N−シクロプロピル−1−{3−[(1−オキシドピリジン−3−イル)エチニル]フェニル}−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物IX)
【0446】
段階1
【0447】
【表6】


【0448】
100リットル丸底フラスコに、還流冷却管および窒素吹き込み管を取り付け、ブロモピリジン−N−オキサイドHCl塩と次にDMAc12.5リットルを入れ、氷浴で冷却した。滴下漏斗を介して無希釈のt−アミルアミンを1時間かけて加えた。アミンを添加すると軽い発熱が認められ、温度は5℃から10℃に上昇した。ホスフィン溶液を加えて、明黄色の均一溶液を得た。次にπ−アリルパラジウム2量体を、DMAc1.5リットル中のスラリーとして加えた。反応液を10℃で30分間攪拌した。アセチレン化合物をガラス瓶に量り取り、DMAc 9.9kgを加えた。このアセチレン溶液を反応フラスコに加えた。ガラス瓶をDMAc 22kgで洗い、反応混合物に加えた。十分なDMAcを加えて、総量が60リットルとなるようにした。アセチレン化合物の消費によって判断される反応完結までそのミルク状黄色溶液を加熱して60℃としたところ、均一な褐色溶液となった。反応液を冷却して0℃としてから、水90リットルを加えて、溶液から生成物を沈殿させた。スラリーを濾過して、生成物を回収した。パラジウムを除去するため、ケーキをフィルターポット上でn−ブタノール87.5リットルで洗浄し、真空乾燥機中にて窒素気流下に50℃で終夜乾燥させて、白色固体2.68kgを得た(収率83%)。
【0449】
NMR H(CDCl、400MHz)δ:1.35(t、J=7.1Hz、3H)、4.34(q、J=7.1,2H)、7.28(dd、J=8.0,6.8Hz、1H)、7.34(dt、J=8.0,1.2Hz、1H)、7.38(dd、J=8.0,4.4Hz、1H)、7.49(ddd、J=8.0,2.4,1.2Hz、1H)、7.58(t、J=7.9Hz、1H)、7.64(t、J=1.8Hz、1H)、7.67(dt、J=7.6,1.2Hz、1H)、8.12(dt、J=6.5,1.1Hz、1H)、8.27(s、1H)、8.59(dd、J=4.4,1.9Hz、1H)、8.64(s、1H)、8.74(dd、J=8.0,1.9Hz、1H)。
【0450】
NMR 13C(CDCl、400MHz)δ:14.3、61.1、84.7、92.4、112.8、121.4、122.7、123.0、123.2、125.8、128.3、128.5、129.8、130.7、132.5、136.8、139.1、141.0、149.0、149.9、152.5、164.6、174.5。
【0451】
パラジウム還元の別法も用いており、それは下記の通りである。
【0452】
【表7】

【0453】
水で沈殿させた後、湿ったフィルターケーキを窒素気流下に乾燥させた。100リットル丸底フラスコに還流冷却管、攪拌羽根および窒素吹き込み管を取り付け、エステル生成物およびメタノール72リットルを入れた。混合物を加熱して60℃として、固体が溶解するまで経過させた。混合物を冷却して55℃とし、ダルコ(Darco)G−60を、メタノール6リットル中スラリーとして加えた。混合物を再度加熱して60℃として4時間経過させた。溶液を、加温しながらソルカ・フロク(Solka Floc)で濾過してダルコを除去した。ソルカ・フロクパッドを別のメタノール4リットルで洗浄した。合わせた濾液を濃縮して容量を25リットルとしたところ、その時点で白色沈殿が認められた。そのスラリーを、アミド形成段階にそのまま用いることができる。
【0454】
段階2
【0455】
【表8】


【0456】
100リットル丸底フラスコに還流冷却管および窒素吹き込み管を取り付け、ペナルチメート(penultimate)エステルおよびメタノールを入れ、次にシクロプロピルアミンを入れた。上記のように、触媒またはルイス酸を加えることができる。反応液を加熱して60℃として、エステルが消費されるまで経過させた。エステルがHPLCによって2%未満となった時点で、反応完結と判断した。完結した時点で、反応液を放冷して40℃とし、濃縮して約半量とした。酢酸イソプロピルを加えながら、メタノールおよびアミンの残ったものを留去した。酢酸イソプロピルへの溶媒切り換えが完了した後、最終容量は20リットルとなった。スラリーをサンプリングし、濾過した。ケーキを酢酸イソプロピル2リットルで洗浄し、窒素気流下に終夜にて50℃で真空乾燥した。
【0457】
72リットル丸底フラスコに還流冷却管および窒素吹き込み管を取り付け、化合物IX生成物固体および15%アセトニトリル水溶液24リットルを入れた。スラリーを加熱して60℃とした。全ての固体が溶解した。バッチ溶液を、加温しながら1ミクロンのインラインフィルター濾過して、第2の72リットル丸底フラスコに入れ、放冷して22℃とした。得られたスラリーを濾過し、固体を窒素気流下に終夜にて50℃で真空乾燥機で乾燥させて、結晶化した化合物IX0.86kg(収率60%)を得た。
【0458】
NMR H(CDCl、400MHz)δ:0.61〜0.73(m、2H)、0.79〜0.92(m、2H)、2.95〜3.01(m、1H)、7.28(dd、J=8.0,6.8Hz、1H)、7.40(d、J=8.0Hz、1H)、7.48(dt、J=8.0,4.4Hz、1H)、7.49(ddd、J=8.0,2.0,1.2Hz、1H)、7.61(t、J=8.0Hz、1H)、7.64(m、J=2.0Hz、1H)、7.71(dt、J=7.6、1.2Hz、1H)、8.19(d、J=6.6、1H)、8.34(s、1H)、8.70(dd、J=4.6,1.8Hz、1H)、8.80(dd、J=8.0,1.9Hz、1H)、9.00(s、1H)、9.74(brd、J=3.6Hz、1H)。
【0459】
NMR 13C(CDCl、400MHz)δ:6.5、22.4、84.6、92.5、113.5、121.4、122.0、122.9、123.2、125.7、128.4、128.6、129.8、130.7、132.6、136.4、139.0、140.4、141.1、148.0、149.7、153.0、165.1、177.1。
【0460】
塩化マグネシウムを用いたアミド形成を示す別途手順
【0461】
【表9】


【0462】
方法の説明
72リットル丸底フラスコに還流冷却管および窒素吹き込み管を取り付け、ペナルチメートエステルおよびアセトニトリルを入れ、次に塩化マグネシウムおよびシクロプロピルアミンを入れた。反応液を加熱して60℃として、エステルが消費されるまで経過させた。エステルがHPLCによって0.5%未満となった時点で、反応完結と判断した。完結した時点で、反応液を放冷して40℃とし、濃縮して約半量とした。アセトニトリルを加えながら、シクロプロピルアミンの残ったものを留去した。アセトニトリルへの溶媒切り換えが完了した後、最終容量は8リットルとなった。水8リットルを加え、スラリーを加熱して60℃とした。全ての固体が溶解した。バッチ溶液を、加温しながら1ミクロンのインラインフィルター濾過して、22リットル丸底フラスコに入れ、放冷して22℃とした。得られたスラリーを濾過し、固体を窒素気流下に終夜にて50℃で真空乾燥機で乾燥させて、′191 0.82kg(収率80%)を得た。
【0463】
段階3:化合物IXの再結晶
【0464】
【表10】

【0465】
72リットル丸底フラスコに還流冷却管および窒素吹き込み管を取り付け、化合物IXおよびエタノールを入れた。スラリーを攪拌下に加熱して50℃とし、再結晶が完了するまで経過させた。再結晶の完了は、固体NMRおよび/または粉末X線回折によってA型が95%強となった時点で判定した。バッチを放冷して22℃とし、濾過して白色固体を回収し、それを窒素気流下に終夜にて真空乾燥機中50℃で乾燥させて、所望の型0.74kgを得た。その固体をサイズ12メッシュで共粉砕して、毛羽状白色固体0.719kgを得た。
【0466】
PDE−4阻害剤例2
【0467】
【化121】

N−シクロプロピル−1−{3−[(ピリジン−3−イル)エチニル]フェニル}−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシアミド(化合物IXa)
3−ブロモピリジン−N−オキサイドに代えて3−ブロモピリジンを用いた以外は例1について記載の手順に従うことで、化合物IXaを製造した。
【0468】
当業者には明らかな他の変形または修飾は、本発明の範囲および教示に含まれるものである。本発明は、添付の特許請求の範囲に記載のもの以外に限定を受けるものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式IXおよび下記式IXaの化合物:
【化1】

の製造のための化合物の製造方法において、
段階C:溶媒A中で、下記式Vaの化合物:
【化2】

[式中、
−ORは、好適な脱離基であり;
溶媒Aは、ジメチルアミノアセトアミド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、DMSO、メチルアセトアミド、エーテル類またはこれらの混合物である。]を、下記式VIIまたは下記式VIIaの化合物:
【化3】

と、アミン塩基中にてパラジウム触媒およびホスフィン配位子の存在下に反応させて、下記式VIIIまたは下記式VIIIaの化合物:
【化4】

を得る段階
を含む製造方法。
【請求項2】
前記ホスフィン配位子がP(C1−6アルキル)である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記パラジウム触媒が、P(t−ブチル)−Pd−P(t−ブチル)、[PdCl(アリル)]、Pd(dba)および[P(t−ブチル)PdBr]から選択されるパラジウム触媒からなる群から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記式Vaの化合物の前記式VIIまたはVIIaの化合物に対するモル比が約1:1.5〜1.5:1である請求項1に記載の方法。
【請求項5】
式VIIまたはVIIaの化合物1モル当たりのアミン塩基のモル当量比が2:1〜3.5:1である請求項1に記載の方法。
【請求項6】
パラジウム触媒の式Vaの化合物に対するモル比が0.05:1〜0.10:1である請求項1に記載の方法。
【請求項7】
段階Cを40〜70℃で行う請求項1に記載の方法。
【請求項8】
段階D:任意に触媒の存在下に、溶媒B中で式VIIIまたはVIIIaの化合物をシクロプロピルアミンと反応させて式IXまたはIXaの化合物を得る段階をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
溶媒BがC1−8アルカノール溶媒またはアセトニトリルである請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記触媒が、ブチルホスファイト(BuO)Pおよび塩化マグネシウムから選択される請求項8に記載の方法。
【請求項11】
シクロプロピルアミンの式VIIIまたはVIIIaの化合物に対するモル比が少なくとも1:1である請求項8に記載の方法。
【請求項12】
段階Dを40〜60℃で行う請求項8に記載の方法。
【請求項13】
反応段階Cおよび反応段階Dを、段階Cの生成物の精製および単離を行うことなくワンポットで実施してから段階Dに進むように行う請求項8に記載の方法。
【請求項14】
式IXの化合物を変換溶媒と混合して式IXまたはIXaの化合物を再結晶させる段階をさらに含む請求項8に記載の方法。
【請求項15】
前記変換溶媒が、脱水エタノール、メタノール、N−メチルピロリジノン、トリフルオロエタノール、メチルt−ブチルエーテルまたはそれらの混合物から選択される請求項14に記載の方法。
【請求項16】
下記式IXまたはIXaの化合物:
【化5】

の精製方法において、式IXまたはIXaの化合物を、該化合物を懸濁させて該式IXまたはIXaの化合物を再結晶させるだけの量の変換溶媒と混合する段階を含む精製方法。
【請求項17】
前記変換溶媒が、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノンおよびC1−4アルカノールから選択される請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記変換溶媒の含水量が5%未満である請求項17に記載の方法。

【公表番号】特表2006−513271(P2006−513271A)
【公表日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−510366(P2005−510366)
【出願日】平成15年11月18日(2003.11.18)
【国際出願番号】PCT/US2003/036806
【国際公開番号】WO2004/048377
【国際公開日】平成16年6月10日(2004.6.10)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】