説明

ホットセルの内部を観察するための装置、該装置の提供されたホットセル、および該装置を保守する方法

本発明は、観察装置の設けられたキャビティに貫通されている壁を備えるセルを保守する方法に関する。この装置は、セル内部に突出するドームと、保護シールドと、ドームおよびシールドの間に配置された観察センサと、格納位置と展開位置との間でセンサを移動させる移動機構とを備える。この方法は、保護シールドと、観察センサと、センサ移動機構とを、キャビティからセル外部に取り出すことと、必要な場合、観察センサを交換することと、キャビティに交換ドームを挿入し、キャビティ内の所定位置に残っているドームの近くまでスライドさせることと、保護シールドと、観察センサと、センサ移動機構とをキャビティに挿入し、交換ドームと接触するまでスライドさせることと、キャビティ内の所定位置に残っているドームに対して交換ドームを押すことにより、所定位置に残っているドームをセル内部に放出されるまで移動させることと、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホットセル用装置、装置の嵌合されたホットセル、および該装置を保守する方法に関する。
本発明の技術分野は、放射性材料または物質受け入れる構造体またはコンパートメントの内部を監視または観察するための装置の製造である。
【0002】
本明細書では、「セル」、「ホットセル」という用語はいずれも上述の構造体を示すために使用される。
本発明は、特に、人間に可視または非可視である波長領域に亘って、ホットセル中の領域の画像を得ることと、該領域にける放射線を測定することとによって、ホットセルを監視することに適用される。
【背景技術】
【0003】
その内部において放射性材料または物質の格納、操作、その他の処理の行われるホットセルは、主に、それが収容している材料または物質によって放出される放射線から、セル外にいる人を保護するための生体保護シールドを形成する厚い壁を備えている。
【0004】
これらの厚い壁は、少なくとも部分的には、重晶石コンクリートまたは鉛によって構築されることがある。
セル内の関心領域を観察するために、セルの内部に、ビデオカメラなどの観察センサを備え、センサが使用されない間は該センサを鉛箱内に配置することにより、センサを放射線から保護することが可能である。リモートマニピュレーターなど、アイテムを遠隔的に操作する手段は、カメラを移動させる、カメラレンズのフォーカスを調整し、および/または、レンズのズーム機能における拡大を調節するのに使用されることが可能である。
【0005】
しかしながら、そのような操作および調節を実施するのが困難である場合があり、また、それらはリモートマニピュレーターのアームを占有的に使用するので、それによって、セルの中で作業を行うための容量が制限される。
【0006】
また、カメラまたは他のセンサの寿命も、鉛箱によって停止時に保護されている場合であっても、自身が受けた放射線によって短くなる。
別の欠点として、セルの外部に位置する機器とセンサとを接続するケーブルがセルの内部に存在する場合がある。このケーブルは、セルの内部で行なわれる動作を邪魔することがあり、ケーブルが損傷することもある。これにより、センサの動作が中断することがある。
【0007】
セルの内部のアイテムまたは現象は、セルの壁に組み込まれた厚い窓を通して視覚的に直接観察されることが可能である。しかしながら、そのような窓は高価であり、また、セルの内部の全ての領域において高品質の画像を得ることはできない。
【0008】
特許文献1及び2に特に記述されるように、そのような構造の内部のアイテムまたは現象は、ミラーを備えた光導波路を通じて機能する、潜望鏡型の構造体の外部に配置されたセンサを使用して観察されることが知られている。
【0009】
例えば、SODERN社(フランス)によって、「PERISCOPE PC1200」という名前で、生体保護シールドを形成する厚い壁を通じて延びているキャビティの内
部で、部分的に延びる観察装置が提案されている。該装置は、耐放射線ガラスまたは石英ガラスからなるドームを備えており、該ドームは、セルの内部に突出して取り付けられており、回転ミラーを受け入れる。ズームレンズおよび保護シールドはキャビティに収容されており、回転ミラーおよびズームレンズは、セルの領域が、セルの外部に配置された、両眼の接眼レンズおよびカメラによって観察されることを可能にする。
【0010】
特許文献3も、セルの外部に配置されたカメラを備えた観察装置について記述している。潜望鏡は、セルの壁を通じてキャビティに延び、それによって、カメラが、セルの内部で延びる範囲を観察することを可能にする。これを目的として、潜望鏡は、プリズムを保護する石英ドームと共に、2つの軸回りに回転して移動可能なプリズムを備えている。
【0011】
特許文献4も、ベローズによって保護された潜望鏡を使用することによってホットセルの内部を観察する装置について記述している。特許文献4では、所定位置にベローズを残すように、潜望鏡の窓枠成形部からベローズの窓枠成形部を取り外す目的で潜望鏡を取り出すよりも前に使用される軸体およびロッドについて記述している。潜望鏡は、所定位置に戻される前に、新しいベローズが嵌合され、所定位置に残された古いベローズはホットセルに放出される。
【0012】
それらの装置は、観察可能な視野が制限されるという欠点を持つ。制限された視野とは、セル内に幾つかの観察することができない領域が存在することを意味する。
ドームを備えた装置は、ドームが高価であるという欠点を持つ。そのようなドームの交換は、汚染および被爆の危険性があり、実施するのが複雑で、さらに長時間ホットセルの動作を止めてしまう。
【0013】
そのような装置は、視覚的な観察のみが可能であるという別の欠点を持つ。特にそのような装置では、ホットセル内の2点間の長さ寸法を測定することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】仏国特許発明第1259728号明細書
【特許文献2】英国特許第949826号明細書
【特許文献3】国際公開第95/24720号
【特許文献4】特開平02−264898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、監視装置、該装置を組み込んだホットセル、および該装置を保守する方法を提案することであり、それらは、改良を提供し、および/または、少なくとも部分的に、既知のホットセル監視装置、既知のホットセル、およびホットセル監視装置を保守する既知の方法の短所または欠点を改善する。
【0016】
本発明の目的は、監視装置、該装置を組み込んだホットセル、および該装置を保守する方法を提供することであり、これらはすべて装置の部品を交換することを容易にする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の一態様によれば、セルが提案される。該セルは、キャビティによって貫通されている壁と、該セル内の領域を監視するための装置とを備える。該装置は、概して部分的に、該キャビティを通じて伸びているか、該キャビティに沿って伸びているか、またはその両方である。該装置は、センサと、該セル内に突出しているドームと、生体保護シールドとを備える。該装置は、該センサが該キャビティ内に収納されている位置である、該セ
ンサを保護するための「格納」(第1)位置と、該センサが該ドーム内に収納されている位置である、特に該セルの領域の画像を観察または取得するための「観察」または「取得」(第2)位置との間で該センサを移動させる移動機構をさらに備える。さらに、該ドームは、該キャビティ内をスライド移動可能に取り付けられており、該装置から離隔可能であり、該ドームが該セル内に放出されることによって交換されることができ、該観察位置における該センサの角度および視野が拡大するとともに、該センサの保護が改善される。
【0018】
本発明の別の態様によれば、ホットセル内の領域を観察するための観察装置が提供される。該装置は、概して部分的にのみ、該セルの壁を通じて延びているキャビティ内に伸ばせるように構成されている。該装置は、該装置の第1端に設けられ、該セル内に突出するよう構成されているドームと、生体保護シールドと、該ドームと該シールドとの間に配置されており光線または放射線を感知する観察センサとを備える。該装置は、該センサが該キャビティ内に収納される位置である、該センサを保護するための「格納」(第1)位置と、該センサが該ドーム内に収納される位置である、該セルの領域を観察するための「観察」(第2)位置との間で該センサを移動させる移動機構をさらに備える。該センサ移動機構は、該ドームと該シールドとの間に配置され、該ドームは、該セルの該壁内の該キャビティにおいてスライド移動可能であるように構成されているとともに、該装置の該センサ、該移動機構、および該装置のシールドから機械的に独立、つまり、離隔、離間されている。該ドームは、該装置が取り出される際、該セル内に放出される前に、該キャビティ内の所定位置に残されることができる。
【0019】
換言すれば、また、本発明の別の態様によれば、キャビティによって貫通される壁を備えるセル用の装置が提案される。該装置は、第1モジュールおよび第2モジュールの2つの別個のモジュールを備える。第1モジュールは、生体保護シールドと、光線または放射線を感知するセンサとを備え、該センサは、該センサを保護する格納位置と該セルを観察するための展開位置との間で該センサを移動させる移動機構を介して該シールドに固定されている。第2モジュールは、該光線または放射線をほぼ透過するドームを備える。該2つのモジュールの各々は、相互支持面を備え、該モジュールが該セルの該壁内の該キャビティに(摺動することで)係合されるときに、各々の相互支持面を介して相互に接触することができる。
【0020】
該第1モジュールは、該セルの該壁の該キャビティ内に挿入され、また、概して摺動することによって、該キャビティから該セルの外部に取り外されるように設計されている。
該第2モジュールは、該セルの該壁の該キャビティ内に挿入され、また、概して摺動することによって、該キャビティから該セルの内部に取り外されるよう設計されている。
【0021】
本発明の別の態様によれば、観察装置に嵌合したキャビティによって貫通されている壁を有するセルを保守する方法が提供される。装置は、該セル内に突出しているドームと、生体保護シールドと、該ドームと該シールドとの間に配置されたセンサと、該キャビティ内の格納位置と展開位置との間で該センサを移動させる移動機構とを備える。この方法は、該生体保護シールドと、該センサと、該センサ移動機構とをキャビティから該セルの外部に取り出す工程と、必要な場合、該センサを交換する工程と、該キャビティにおいて所定の位置に残っているドームの近傍まで、または該ドームと接触するまで該キャビティ内に交換ドームを挿入する工程と、該生体保護シールド、該センサ、および該センサ移動機構を該交換ドームと接触するまで該キャビティ内に挿入する工程と、該キャビティにおいて所定の位置に残っている該ドームに対して該交換ドームを押すことによって、該所定の位置に残っているドームを該セルの内部に放出されるまで移動させる工程と、の一連の工程を含む。
【0022】
本発明の実施形態では、該セルの該壁は当接部を備える。該当接部は、該ドームが該セ
ル内に放出されることを防止する停止位置と、該ドームが該セル内に放出されることを許容する解放位置との間で移動可能である。該ドームは、2つのOリングに嵌合した管状スリーブに固定されており、該キャビティ内に配置された管状ブッシング(同様に筒形状)においてスライド移動するように構成されている。該Oリングは、該ブッシングと接触するように配置されている。これによって、交換ドームからの押し付けの下、該ドームを該セルに放出する間、2つのOリングのうちの少なくとも1つを介して該セルの内部と外部との間の密閉性を保持することが可能となる。該ドームは、ほぼ半球状の壁を備え、該光線または放射線に対しほぼ透過性である。該ドームは、特にポリカーボネート製である。該センサ移動機構は、第1センサ移動制御信号に応じて、電動モータなどの、該装置の長手方向軸に沿って並進するように該センサを移動させる(第1)アクチュエータを備える。該センサ移動機構は、第1センサ移動制御信号に応じて、電動モータなどの、該装置の該長手方向軸回りに回転するように該センサを移動させる(第2)アクチュエータを備える。該センサ移動機構は、第1センサ移動制御信号に応じて、電動モータなどの、該装置該長手方向軸に実質的に垂直な軸回りに揺動するように該センサを移動させる(第3)アクチュエータを備える。該センサは、例えば、制御式または自動式集束レンズなどの、電荷結合素子(CCD)、またはシリコンタイプの相補型金属酸化膜(CMOS)の検出器、および制御式または自動式集束レンズを有するカメラなどのイメージセンサによって本質的に構成され、該カメラは、可視光線に相当する波長領域、つまり、約400ナノメータ(nm)から約800nmの領域、または、実際には該範囲の外側に及ぶ範囲で、例えば赤外線領域の感度ピークを呈する。該センサは、ガンマ線検出器を具備し、および/または、この検出器によって本質的に構成されている。
【0023】
本発明は、製造コストが安く、寿命が延び、利用および保守が容易なホットセル用の観察装置を得ることを可能にする。
本発明は、特に、放射線下で作動可能な、カラーで見る単一装置を得ることを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】観察装置が嵌合されたホットセルを示す図式的な断面図。
【図2】センサが格納された状態の構成における、観察装置の2つのモジュールを示す縦断面拡大図。
【図3】センサが展開された状態の構成における、セルの壁のキャビティに設置された図2の観察装置を示す縦断面図。
【図4】セルの外部に取外し可能な観察装置の(第1)モジュールの斜視図。
【図5】セルの壁に設けられたキャビティの内部にセンサを格納するための構成における、観察ドームを備えた第2モジュールと共に図4のモジュールを備える装置を示す縦断面図。
【図6】装置および、該装置に嵌合されたセルを保守する方法の主なステップおよび動作を示す図。
【図7】装置および、該装置に嵌合されたセルを保守する方法の主なステップおよび動作を示す図。
【図8】装置および、該装置に嵌合されたセルを保守する方法の主なステップおよび動作を示す図。
【図9】装置および、該装置に嵌合されたセルを保守する方法の主なステップおよび動作を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
明示的または非明示的に示されない限り、構造上または機能的に同一または同様の任意の要素または部材は、様々な図中で同一の参照符号によって示される。
特に図1を参照して、ホットセル21は、放射性のアイテム41が配置されるチャンバ
40を形成する厚い壁23を有している。
【0026】
チャンバ40は、周囲の雰囲気よりも、相対的に、つまり、セルの外部44より相対的に、低い圧力で保持されることがある。
壁23は、窓43を受け入れる第1開口部またはキャビティ42に貫通されており、キャビティ42は、セルの外部44にいる操作者が前記窓を通してアイテム41を直接観察することを可能にする。
【0027】
壁23は、キャビティ22の内部の実質的な水平軸23に沿って延びる観察機器または装置20を受け入れる第2開口部/キャビティ22によって貫通される。
装置20は、操作者が、装置の一部を形成するセンサ26の展開または反対に格納を行うことを可能にし、下述のようなセンサの観測軸の配向を制御し、センサからデータを取り出すことを可能にするコンピュータ45に、リンク46を介して接続される。
【0028】
特に図1を参照して、装置20は、2つのモジュール201,202を備えている。
本装置の第1モジュール、スライダまたはプラグである201は、生体保護シールド25および、光線または放射線を感知する、センサ26(特にビデオカメラ)を備えている。
【0029】
セル内に位置するアイテムによって放射された放射線からセンサを保護するようにモジュール201を受け入れるキャビティ22の内部の格納位置と、セル内の関心領域を観察する、キャビティ22の外でセルの内部にある展開位置との間でセンサ26が移動されることを可能にする移動機構によって、センサ26はシールドに固定される。
【0030】
移動機構27は、図2〜図5において特に見ることができ、また、図3および図4で特定することができる。移動機構27は、軸33に沿ったチューブ52に固定された2つのレール53を備えており、チューブ52の内部にはシールド25が設けられている。レール53は、軸33と平行に延びる。
【0031】
機構27はさらに、電動ジャッキなどのアクチュエータからの駆動の下、軸33に沿ってレール53上を摺動可能なキャリッジ54を備えている。
キャリッジ54は、該キャリッジ54に取り付けられている、軸33回りに回転するように電動モータなどのアクチュエータ34によって回転運転されるターンテーブル55と共に、センサ26に動力を供給し、センサによって伝達された信号を処理する回路を担持している。
【0032】
ターンテーブル55は、軸33に垂直な軸35回りに、アクチュエータからの駆動の下で回動するようにセンサ26が取り付けられた2つのアーム56を支持している。
このため、ターンテーブル55およびアーム56を備える機構は、操作者によるコンピュータへのデータ入力に応じて、それがコンピュータ45から機構27に送られる際のカメラの観測軸を移動させるための制御信号に応じて、カメラ26を、2つの軸33,35のそれぞれ回りに、360度の幅に亘って向けることを可能にする、球座標を備えたタレットを形成する。
【0033】
このため、カメラは、格納可能なタレット、つまり、軸33に沿って並進移動することによって格納可能なタレットに取り付けられ、これにより、セルの領域の観察に使用されている期間以外は、カメラが保護されることを可能にする。
【0034】
このことは、カメラと関連付けられた、放射線から保護されるキャリッジ54上に取り付けられる電子回路を提供するという作用をなす。
したがって、センサ26を移動させる移動機構27は、3軸または3自由度を有する、つまり、タレットおよびセンサを、装置の長手方向軸33に沿って並進移動させる第1アクチュエータと、長手方向軸33回りにセンサを回転させる第2アクチュエータ34と、軸35回りにセンサを回動させる第3アクチュエータとを有している。
【0035】
カメラ26によってコンピュータに伝達された画像または画像データから寸法を測定するために、画像処理ソフトウェアがコンピュータ45にインストールされてもよい。ソフトウェア・モジュールは、ルーラを観察しているときに得られる画像の分析によってキャリブレーションを行なうようにしてもよい。キャリブレーションの後、特に2点間の長さを、カメラにそれらの2点を観測させることにより得ることが可能になる。
【0036】
特に図2および図5に示されるように、装置20の第2モジュール202は、特に可視光線および/またはガンマ線などの光線または放射線に対し透過性である半球状の樹脂材料の壁32を有するドーム24を備えている。
【0037】
ドーム24は、センサ26を受け入れ、センサ26が2つの軸33および35回りに回転することができるような寸法に形成され、また、壁23の内面23bから突出するように配置される。
【0038】
モジュール202は、さらに、長手方向軸33周りの管状のスリーブ28を備えている。このスリーブは、ドーム24に固定され、2つのOリング29および30が嵌合される。
【0039】
スリーブ28は、キャビティの内側に沿った管状のブッシング31内を摺動するように配置され、Oリングは、ブッシングと接触している(図5参照)。
2つのモジュールは、互いに他方を支持する環状面203および204を有しており、セルの壁のキャビティ内で連続して係合された後、2つのモジュールがそれぞれの相互支持面を介して互いに接触することができるようになっている(図7〜図9参照)。
【0040】
さらに具体的に、特に図2では、支持面204がスリーブ28の一端に位置しており、支持面203が、モジュール201のハウジングとして作用するチューブ52の一端に位置していることが理解できる。
【0041】
これらの2つの端支持面が、上述の部分28および52の両方に実質的に共通する直径59を呈し、これにより、これらの部分が対向するように配置されることを可能にする。
この直径59は、ドーム24の直径よりも実質的に大きい。ドーム24は、ドームの周囲から突出する支持面50を有する環状のリンク部64(図5参照)を介して、管状/円筒状スリーブ28に接続される。
【0042】
図5で、シールド25が、シールド25を通じて延び、信号および電力を伝える電気的コンダクタを受け入れる屈曲チャネル62を有していることが理解できる。
これらのコンダクタは、モジュール201の「後」面に設けられるコネクタ63に、センサ26、および機構27のアクチュエータを接続する。
【0043】
このコネクタによって、装置20は、コンピュータ45などの監視および制御装置に接続されることができる(図1)。
図3および図6〜図9では、セルの壁は、当接部36によって、ドーム24がセルに放出されるのを防ぐ停止位置(図3および図6〜図8)と、当接部によって、ドームがセルに放出さることを可能になる解放位置(図9)との間で、軸33と平行な軸60回りに回転するように取り付けられた当接部36を備えることが理解できる。
【0044】
壁23の内面23bに配置されたこの当接部36は、ドーム24を(必要な場合はセンサ26を)交換するために、操作者によって制御されるリモートマニピュレーターにより、上述のいずれか片方の位置から他方に向かって移動されてもよい。
【0045】
この目的として、特に図3および図6〜図9を参照して、セル21の保守および観察装置20の取り出しは、次の連続した動作を含んでいる。つまり、図3に示される構成から始まり、シールド25に近い位置にセンサ26を格納すること、生体保護シールド25、観察センサ26、および移動機構27を備えている装置の第1モジュール201を、キャビティ22からセルの外部44(図6参照)に取り出すこと、必要な場合は、モジュール201に嵌合された観察センサの交換、キャビティ22の外側端部80から、矢符70の方向の軸33(図7)に沿ってスライド移動することによって、交換用の第2モジュール2020の一部を形成するドーム240を、キャビティ22内に、キャビティ内の所定位置に残ったドーム24の支持面204の近傍またはそれに接して挿入すること、キャビティ22内に第1モジュール201を挿入し、それを、モジュール201の支持面203が交換ドーム240に接触するまで矢符71の方向の軸33(図8)に沿ってスライド移動させること、2つのモジュール202および2020、および/または、2つのドーム24および240を相互接触させ、キャビティ内の所定位置に残ったドーム24を、セルの内部に放出されるまで移動させるように、交換ドーム/モジュールを、前記位置に残ったドーム/モジュールに対して押すことによって、モジュール201への押し付け(図9の矢符71)を継続することを含んでいる。
【0046】
この結果、上述のように、移動可能な当接部36は一時的に格納される。この当接部36がその停止位置に戻された後、交換ドームは、モジュール201への押し付けを継続することにより、その最終位置に配置され、そして、モジュールは、壁23の外面23aに支持されるフランジ51によって固定的に保持される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホットセル(21)内を観察するための装置(20)であって、前記セルの壁(23)を通じて延びているキャビティ(22)内に伸ばせるように構成されているとともに、該装置の第1端に設けられたドーム(24,240)と、生体保護シールド(25)と、センサ(26)とを備え、
前記センサは前記ドームと前記シールドとの間に配置されており、前記装置は、前記ドームから離隔した格納位置と前記センサが前記ドーム内に伸びている観察位置との間で前記センサを移動させるための移動機構(27)をさらに備え、該センサの移動機構は、前記ドームと前記シールドとの間に配置されており、前記ドームは、前記キャビティにおいてスライド移動可能であるように構成されているとともに、前記装置のセンサと、移動機構と、前記シールドとから離隔している、装置。
【請求項2】
キャビティ(22)によって貫通されている壁(23)を有するセル(21)を監視するための装置(20)であって、該装置は2つの別個のモジュールを備え、
前記装置の第1モジュール(201)は、生体保護シールド(25)と、光線または放射線を感知するセンサ(26)とを備え、前記センサは、前記キャビティ(22)内に格納される位置と前記セルを観察するための展開位置との間で前記センサを移動させるための移動機構(27)を介して前記シールドに固定されており、
前記装置の第2モジュール(202,2020)は、前記光線または放射線に対しほぼ透過性であるとともに、前記キャビティ(22)においてスライド移動可能であるように構成されているドーム(24,240)を備え、前記ドームは、観察のための前記展開位置にあるときに、その内部に前記センサ(26)を受け入れられ、
前記2つのモジュールの各々は、相互支持面(203,204)を備え、前記セルの壁のキャビティに係合するとき、それぞれの相互支持面を介して相互に接触する、装置。
【請求項3】
前記ドームは、2つのOリング(29,30)に嵌合した管状スリーブ(28)に固定されており、前記キャビティ内に配置された管状ブッシング(31)においてスライド移動するように構成されており、前記Oリングは、前記ブッシングに接触するように配置されている、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記ドームは、ほぼ半球状の壁(32)を備える、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記壁(32)は、樹脂材料、特にポリカーボネートからなる請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記センサ移動機構は、
前記装置の長手方向軸(33)に沿って並進するように前記センサを移動させる第1アクチュエータと、
前記長手方向軸(33)回りに回転するように前記センサを移動させる第2アクチュエータ(34)と、
前記長手方向軸(33)にほぼ垂直な軸(35)回りに回動するように前記センサを移動させる第3アクチュエータと、を備える請求項1乃至5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記センサ(26)は、カメラを備える請求項1乃至6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記センサ(26)は、モータ駆動式のズーム機能を持った制御されるまたは自動の集束レンズを具備している請求項1乃至7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記センサ(26)は、モータ駆動式のズーム機能を備える請求項1乃至8のいずれ
か一項に記載の装置。
【請求項10】
前記センサ(26)は、ガンマ線検出器を備える請求項1乃至9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
監視または観察するための装置(20)、特に請求項1乃至10のいずれか一項に記載の装置に嵌合したキャビティ(22)によって貫通されている壁(23)を有するセル(21)を保守する方法であって、前記装置は、前記セル内に突出しているドーム(24)と、生体保護シールド(25)と、前記ドームと前記シールドとの間に配置されているセンサ(26)と、前記キャビティ内に格納される位置と展開される位置との間で前記センサを移動させる移動機構(27)とを備え、前記方法は、
前記生体保護シールドと、前記観察のセンサと、前記センサの移動機構とをキャビティから前記セルの外部に取り出す工程と、
必要な場合、前記センサを交換する工程と、
前記キャビティ内に交換ドーム(240)を挿入し、前記キャビティにおいて所定の位置に残っている前記ドーム(24)の近傍まで、または前記ドームに接触するまで前記交換ドームをスライド移動させる工程と、
前記生体保護シールドと、前記センサと、前記センサ移動機構とを前記キャビティ内に挿入し、前記交換ドームに接触するまでスライド移動させる工程と、
前記キャビティにおいて所定の位置に残っている前記ドームに対して前記交換ドームを押すことによって、前記所定位置に残っているドームを前記セルの内部に放出されるまで移動させる工程と、の一連の工程を備える方法。
【請求項12】
キャビティ(22)によって貫通されている壁(23)と、前記キャビティ内に延びている請求項1乃至10のいずれか一項に記載の装置と、を備えるセル(21)。
【請求項13】
セル(21)であって、キャビティ(22)によって貫通されている壁(23)と、前記セル内の領域を観察するための装置(20)とを備え、前記装置は、概して部分的に、前記キャビティを通じて伸びているか、前記キャビティに沿って伸びているか、またはその両方であり、前記装置は、センサ(26)と、前記セル内に突出しているドーム(24)と、生体保護シールド(25)とを備え、前記装置は、前記センサが前記キャビティ内かつ前記ドーム外に収納されている位置である前記センサを保護するための格納位置と、前記センサが前記ドーム内に延びている位置である前記セルの領域を観察するための展開位置との間で前記センサを移動させるための移動機構(27)をさらに備え、前記ドームは、前記キャビティ内をスライド移動するように取り付けられており、前記装置のセンサ(26)と、前記機構(27)と、前記シールド(25)とから離隔している、セル。
【請求項14】
前記セルの前記壁は当接部(36)を備え、前記当接部は、前記ドームが前記セル内に放出されることを防止する停止位置と、前記ドームが前記セル内に放出されることを許容する解放位置との間で移動可能である、請求項12または13に記載のセル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−533730(P2012−533730A)
【公表日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−520062(P2012−520062)
【出願日】平成22年7月16日(2010.7.16)
【国際出願番号】PCT/FR2010/000510
【国際公開番号】WO2011/007061
【国際公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(502124444)コミッサリア ア レネルジー アトミーク エ オ ゼネルジ ザルタナテイヴ (383)
【Fターム(参考)】