説明

ホルムアルデヒド−固定生物学的試料の成分のアルキルアミン改良検出

アルキルアミンは、生物学的試料中で起こるホルムアルデヒド架橋を放出するために働く。従って、ホルムアルデヒド固定試料へのアルキルアミンの接触は、核酸及びタンパク質を含む試料の生物学的成分を検出及び特徴付けに更に利用できるようにする有用な方法である。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
発明の背景
100年超の間、病理学者は、通常、組織試料のような生物学的試料をホルムアルデヒドで固定することによって保存してきた。ホルムアルデヒド処理は、組織の細胞特性を保持するが、ホルムアルデヒド処理は、試料の生物学的成分の多くを、検出、定量及び特徴化にほとんど利用できないか又は利用できなくさせている化学的架橋をももたらしている。ホルムアルデヒドは、タンパク質中の第一級アミン基を、-CH2-結合によって、タンパク質又はDNA中の他の近くの窒素原子で架橋することによって、組織もしくは細胞を保持又は維持する。従って、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)が生物学的試料中の核酸を検出し及び定量するために有用であるが、PCRは、一般的に、特に定量的結果が望まれる場合には、ホルムアルデヒド架橋試料中の核酸を分析するにはほとんど効果的でないか又は効果的でない。
【0002】
従って、ホルムアルデヒドの作用による細胞成分への核酸の架橋は、核酸及びタンパク質の検出を含む、様々な細胞成分の検出に対するチャレンジを与える。ホルムアルデヒド架橋試料由来の核酸の増幅を改善する方法を記載してきたが、改善は、一般的に、試料中のタンパク質を単に分解させ、又は架橋を形成する共有結合を一般的に変化させない界面活性剤を提供することを含む。本発明は、この問題及び他の問題を解決する。
【発明の概要】
【0003】
発明の簡単な概要
本発明は、ホルムアルデヒド架橋生物学的試料の1以上の成分を分析するための方法を提供する。ある実施態様では、該方法は、該試料と、架橋成分の少なくとも1部分を放出させるために十分量のアルキルアミンとを接触させ、それによって分析用の1以上の成分の利用可能性を改善することを含む。ある実施態様では、生物学的試料は、動物由来の組織試料である。
【0004】
ある実施態様では、アルキルアミンの量は、0.01%(約2 mM)〜5%(約800 mM)である。
【0005】
好ましい実施態様では、試料及びアルキルアミンは、一定の時間、加熱される。
【0006】
他の好ましい実施態様では、本方法は該成分の検出を更に含む。
【0007】
ある実施態様では、アルキルアミンは、検出ステップの前に試料から実質的に除かれる。ある実施態様では、アルキルアミン濃度は、検出ステップの前に、約0.5%(約80 mM)未満(例えば、約0.2%又は0.1%未満)に減少される。
【0008】
ある実施態様では、検出ステップは、該成分を定量することを含む。
【0009】
ある実施態様では、該成分は核酸である。ある実施態様では、核酸はDNAである。ある実施態様では、該成分はRNAである。
【0010】
ある実施態様では、本方法は、核酸を検出することを更に含む。ある実施態様では、該検出ステップは、核酸を増幅することを含む。ある実施態様では、核酸成分は、プローブ及び核酸の形成、及び二重鎖の存在を検出することを可能にする条件下でプローブに接触される。ある実施態様では、プローブは固体支持体に結合される。ある実施態様では、該増幅ステップはポリメラーゼ連鎖反応を含む。
【0011】
ある実施態様では、成分はタンパク質である。ある実施態様では、本方法は、タンパク質を検出することを更に含む。ある実施態様では、該検出ステップは、質量分析又は電気泳動を含む。ある実施態様では、質量分析は、マトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析(MALDI)を含む。
【0012】
ある実施態様では、試料は、接触ステップの前にパラフィンに埋め込まれている。
【0013】
ある実施態様では、アルキルアミンは、エチレンジアミン、エタノールアミン及びプロピルアミンからなる群より選ばれる。
【0014】
ある実施態様では、分析用に入手される成分の部分は、接触ステップが行われない場合に分析用に入手される部分に比べて少なくとも約2倍で増加される。ある実施態様では、分析用に入手される成分の部分は、接触ステップが行われない場合に分析用に入手される部分に比べて少なくとも約10倍で増加される。
【0015】
ある実施態様では、本方法は、試料と、試料中のタンパク質を分解するためのプロテアーゼとを接触させることを更に含み、それによって核酸を分析用により利用できるようにする。
【0016】
本発明はまた、ホルムアルデヒド架橋生物学的試料の1以上の成分の利用可能性を改善するためのキットを提供する。ある実施態様では、該キットは、アルキルアミン;アルキルアミンを生物学的試料から除くための手段、例えばプロテアーゼもしくは試薬又は装置、を含む。
【0017】
ある実施態様では、該キットは、生物学的試料からのアルキルアミンの除去のための試薬又は装置を含む。ある実施態様では、該装置は、核酸の精製のためのカラムである。
【0018】
ある実施態様では、該キットはプロテアーゼを含む。ある実施態様では、プロテアーゼはプロテイナーゼKである。
【0019】
ある実施態様では、該キットは、ヌクレオチド及び/又は熱安定性ポリメラーゼを更に含む。ある実施態様では、熱安定性ポリメラーゼはTaqポリメラーゼである。
【0020】
本発明はまた、反応混合物を提供する。ある実施態様では、反応混合物はホルムアルデヒド架橋生物学的試料;及び架橋成分の少なくとも1部分を放出するために充分な量のアルキルアミンを含む。
【0021】
ある実施態様では、アルキルアミン量は、0.01%〜5%である。ある実施態様では、アルキルアミンは、エチレンジアミン、エタノールアミン及びプロピルアミンからなる群より選ばれる。ある実施態様では、生物学的試料は、動物由来の組織試料である。
【0022】
定義
「ホルムアルデヒド架橋生物学的試料」は、架橋がタンパク質中の窒素原子と他の窒素含有タンパク質及び/又は核酸との間で形成されるようにホルムアルデヒドで処理された生物学的試料を意味する。生物学的試料は、典型的には、細胞を含むことになる。生物学的試料は、例えば動物由来の組織試料である。多くのホルムアルデヒド-処理試料は、パラフィン中にそれを埋め込むことによって保存される。
【0023】
本明細書で使用される用語「アルキルアミン」は、1〜10又はそれ以上の炭素原子及び1以上のアミノ基を有する、直鎖又は分岐鎖の、飽和又は不飽和の分子を意味する。アルキルアミンのアルキル部分は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル等でよい。アミノ基は、第一級又は第二級でよい。アルキルアミンは、1以上のヒドロキシ基を含むがこれに限定されない、2個以下(すなわち、0、1又は2)の置換基で更に置換され得る。本発明において有用なアルキルアミンは、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、エチレンジアミン及びエタノールアミンを含むがこれらに限定されない。当業者は、他のアルキルアミンが本発明において有用であることを理解するだろう。
【0024】
用語「成分を検出すること」は、少なくとも成分の存在又は不存在を決定することを意味し、成分又は成分の一部の定量又は他の特徴付けを更に含み得る。
【0025】
生物学的試料の「成分」は、ある種の分子(例えば、タンパク質、核酸等)、又は検出したいと考える特定のタンパク質又は核酸配列のような特定の標的を意味する。
【0026】
本明細書で使用する用語「核酸」は、(2-デオキシ-D-リボースを含む)デオキシリボヌクレオチド(すなわち、DNA)、ポリリボヌクレオシド(d-リボースを含む)(すなわち、RNA))、のポリマー、及びプリンもしくはピリミジン塩基又は修飾されたプリンもしくはピリミジン塩基の任意の他のN-グリコシドアナログを意味する。
【0027】
語句「架橋成分の少なくとも1部を放出すること」は、2つの成分(例えば、核酸及びタンパク質)がもはや共有結合によって結合されないように、生物学的試料の該2つの成分間の架橋を形成する共有結合を変化させることを言う。該語句は、架橋プロセスの完全な逆転に限定されない。本明細書で使用される語句「分析のための利用可能性」は、特定の標的分子の存在もしくは不存在及び/又は量を決定するための検出方法の能力を言う。例えば、多数の検出方法は、少なくとも部分的に、ホルムアルデヒド架橋生物学的試料中のタンパク質又は核酸を検出させないようにされており、よって、ある架橋成分は検出のために「利用」できない。架橋がアルキルアミンを用いる処理によって放出されると、該成分の増加した量(例えば、少なくとも約10%超、及び典型的には少なくとも約2倍超、又は場合によっては少なくとも約10もしくは100倍超)が検出され及び定量され得る。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は、リジンへの核酸のホルムアルデヒド架橋、及びアルキルアミンの添加の際の架橋の逆転、の例を示す図である。
【図2】図2は、実施例1に記載の非処理オリゴヌクレオチドの質量分析を示す図である。
【図3】図3は、実施例1に記載のホルマリン-処理オリゴヌクレオチドの質量分析を示す図である。
【図4】図4は、実施例1に記載のオリゴヌクレオチド及びリジンのホルマリン-処理混合物の質量分析を示す図である。
【図5】図5は、エタノールジアミンを用いる処理、それによって実施例1に記載の架橋DNAリジン生成物から出発DNAを再生させる、該処理後のホルマリン-処理オリゴヌクレオチド及びリジン混合物の質量分析を示す図である。
【図6】図6は、非処理合成RNAの質量分析を示す図である。
【図7】図7は、ホルマリンでの1時間インキュベーション後の合成RNAの質量分析を示す図である。
【図8】図8は、ホルマリンでの5時間インキュベーション後の合成RNAの質量分析を示す図である。
【図9】図9は、ホルマリンでの24時間インキュベーション後の合成RNAの質量分析を示す図である。
【図10】図10は、ホルマリン及びリジンでの1時間インキュベーション後の合成RNAの質量分析を示す図である。
【図11】図11は、ホルマリン及びリジンでの1時間インキュベーション、続いてエタノールジアミン(EDA)での架橋化学の放出の後の、合成RNAの質量分析を示す図である。該図は、出発RNAが架橋RNA-リジン生成物から再生されたことを示す。
【図12】図12は、エタノールジアミン(EDA)の効果を示す図である。使用されたEDAの濃度は、パーセンテージとして示される。特に、この系では、0.2%(約50 mM)及びそれ以上のEDAがPCR反応を阻害することが見出された。
【図13】図13は、ホルマリン固定パラフィン埋没組織(FFPET)試料中のEDAでの架橋の逆転を説明する図である。該図の上の部分は、EDAのより低濃度では、QIAquick(登録商標)精製が行われるにしろ又は行われないにしろ、増幅が起こることを示す。しかし、増幅の量は、他のレーンと比べて低い。増幅を阻害するEDAの濃度(例えば、0.1%(約25 mM))では、QIAquick(登録商標)精製が行われる時に増幅が生じるにすぎず、これは、増幅前にEDAを除くか又は不活性化する利点を証明するものである。図の該部分は、サイクル閾値対シグナルのグラフを提供し、そして、EDAの除去ステップと組合せてEDAの増加量がPCR増幅のために利用できる試料中のDNA量を顕著に改善する点で効果的であることを示す。
【図14】図14はまた、試料調製物中のEDAの増加量でのFFPET試料の処理が、増幅のための核酸の改善された利用可能性をもたらすことを示している。該図の上部では、サイクル閾値(x-軸)は、増幅シグナルに対して図式化される。下部では、サイクル閾値はy-軸にあり、EDA濃度はx-軸にある。
【図15】図15は、SDS-PAGEゲル、及びウシ胎児血清(BSA)のホルマリン架橋の結果、及びEDAでの処理による続いて起こる架橋の逆転を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
発明の詳細な説明
I.導入
図1に示すように、ホルムアルデヒドは、核酸の第一級アミン、特に、タンパク質中のリジン及びアルギニンのようなアミノ酸への架橋をもたらす。架橋の結果として、ホルムアルデヒド固定試料中の様々な生物学的成分が現在の検出法には利用できない。本発明は、架橋を逆転させ、それによって、より多くの生物学的成分を検出に利用できるようにする方法を提供する。
【0030】
ホルムアルデヒド-処理試料における架橋の逆転は、該試料を、架橋反応を放出するためのアルキルアミンの十分量と接触させることによって達成される。具体的な架橋の逆転は、図1に図示されている(この場合には、ホルムアルデヒドによってリジンに架橋された核酸、及び続くアルキルアミンとの反応の逆転を示す)。
【0031】
架橋試料がアルキルアミンと接触されると、核酸及びタンパク質の架橋は減少するか又はなくなり、それによってこれらの成分の改善された検出を可能にする。
【0032】
II.架橋成分をより利用可能にするための方法
本発明は、生物学的試料のホルムアルデヒド架橋成分を、該試料をアルキルアミンと接触させることによって検出に更に利用できるようにさせるための方法を提供する。該成分をより利用可能にさせるためのアルキルアミンの量は、異なった検出方法が異なった感度を有し、そのため多少の成分が利用可能であることを必要とするので、変動し、そして使用された特定のアルキルアミン、検出されるべき成分、及び使用されうる検出方法にある程度依拠し得る。
【0033】
理想的には、特定の検出法に利用できる成分の量は、試料中の成分の全体量である。しかしながら、一般的に、検出に利用できる成分の量は、試料中の成分の全体量よりも少ない。本発明のある実施態様では、アルキルアミンの十分量は、成分の量を、試料がアルキルアミンで処理されなかった場合に(同一の検出方法を用いて)利用できたであろう検出に、少なくとも約2倍利用できるようにする条件下で使用される。ある実施態様では、アルキルアミンの十分量は、成分の量を、試料がアルキルアミンで処理されなかった場合に(同一の検出方法を用いて)利用できたであろう検出に、少なくとも約5、10、20、100倍利用できるようにする条件下で使用される。ある実施態様では、試料の架橋を放出するために使用されるアルキルアミンの濃度は、約0.01%〜約5%(又はそれ以上)、例えば約0.01%〜約1%、約0.05%〜約2%、約0.05%〜約1%、及び約0.1%〜約1%である。
【0034】
当業者は、試料及びアルキルアミンが混合される条件(例えば、時間及び温度)が架橋逆転の能力及び量に影響を与えるだろうことを理解するだろう。アルキルアミン処理は、室温(20〜40℃、又は50℃)で効果的であり、よって架橋を放出するための加熱ステップを必ずしも必要としない。このことは、比較的不安定である成分、例えばRNAを検出する時に特に有用であり得る。それにもかかわらず、より高温(例えば、80〜100℃、90〜100℃、90〜99℃など)は、検出のために核酸又はタンパク質の利用可能性を更に改善することがある。
【0035】
更に、アルキルアミンが試料でインキュベートされる時間は、検出のために利用できる成分の量に影響を与える。例えば、試料は、少なくとも約5、10、20、30、60、120分又はそれ以上の間、アルキルアミンでインキュベートされ得る。インキュベーションのより長い時間が架橋から放出される成分量を増加させることがあるが、このことは、特定の成分がどのくらい不安定であるかとのバランスを取ることを必要としているかもしれない。例えば、RNAのような不安定な成分が検出される時には、より短いインキュベーション時間を使用することが望ましいだろう。一方、タンパク質又はDNAのような比較的不安定でない成分は、成分に悪影響を与えることなくより長いインキュベーションに供され得る。
【0036】
異なったアルキルアミンが架橋を放出するために使用され得ることが理解されるだろう。本発明の範囲を限定する意図ではないが、選択されたアルキルアミンは、一般的に、ホルムアルデヒド-誘導架橋から成分を放出し、成分(例えば、核酸及び/又はタンパク質)をホルムアルデヒド架橋の前に存在する実質的に同一の成分に逆転させることができるだろう。架橋反応は、ヘミアミナールを形成するためのホルムアルデヒドと第一アミンとの反応、次いでイミンを与える脱水、によって進行する可逆的プロセスであると考えられている。イミンは、第二アミンと反応してアミナール生成物を与える。このプロセスは、二級アミンの代わりにイミンと水との反応によって出発物質に戻る。本発明のアルキルアミンが、イミン及びアミナールの形成における競争的反応物として働くことによってホルムアルデヒド-誘導架橋から成分を放出すると考えられている。架橋が平衡プロセスの一部として放出する時に、イミン中間体及びホルムアルデヒドはアルキルアミンと反応し、それによってホルムアルデヒド-誘導架橋から成分を放出する。一般的に、一級アミン(場合により二級アミン)を有する任意のアルキルアミンは効果的であろう。アルキルアミンへの様々な置換は、かかる置換がアミン機能の反応する能力を実質的に妨げない限り、架橋を逆転させ又は試料成分と反応する他の反応部分をつくるアミンの能力に実質的に影響を与えずに、可能であることが理解されるだろう。例えば、エタノールアミンは、架橋を逆転する点で効果的である。他のジアミンも同様に本方法において効果的であることが理解されるが、エチレンジアミンも効果的である。より短鎖のアルキル鎖(例えば、1、2、3、4、5炭素)が場合によっては好ましく、より長い炭素鎖も使用できる。
【0037】
任意の種類のホルムアルデヒド架橋された生物学的試料は、本発明に従って使用され得る。一般的に、組織試料は、動物組織から得られるだろう。ある実施態様では、試料はパラフィン中に埋められるだろう。例えば、試料はホルマリン固定パラフィン埋没組織(FFPET)でよい。ある実施態様では、試料は、動物(例えば、ヒト)から得られ、次いで分析前に試料を安定化するためにホルムアルデヒド-含有溶液中に保存され、それによって、試料中の核酸及び/又はタンパク質を架橋する。例えば、(例えば、性的に伝染した疾患の検出のための)頚部又は産婦人科の拭き取り検体は、ホルムアルデヒドを含む溶液中に保存され、それによって試料中の核酸及び/又はタンパク質を架橋する。架橋は、次に、本方法に従ってアルキルアミンを用いて逆転され得る。
【0038】
試料成分を検出に更に利用できるようにするために、追加の精製又は他のステップが本方法に含まれてもよい。例えば、試料の核酸成分が検出される場合には、(例えば、アルキルアミン処理の前又は後に)プロテアーゼで試料を処理するか、あるいは試料中のタンパク質を分解することが望ましい。具体的なプロテアーゼは、プロテイナーゼKである。しかし、様々な他のプロテアーゼがとって換われることを理解されたい。
【0039】
次に使用されるべき検出方法によっても、成分を検出する前に試料と会合したアルキルアミンの量を除くか又は少なくとも減少させることが望ましい。例えば、本発明者らは、試薬又は試料の他の部分から核酸を精製するためのスピンカラムのような装置を用いて、試料の他の成分及びアルキルアミンから試料中の核酸を精製することが望ましいことを見出した。具体的な装置は、核酸に対して親和性を有するシリカゲル-型スピンカラム(例えば、Qiagen, Valencia, CA製のQiaquick(登録商標)スピンカラム)である。但し、勿論、他の精製法もアルキルアミンを除くために使用され得る。
【0040】
あるいは、アミンは、特定の成分の検出を顕著に妨害することができないように化学的に中和され得る。
【0041】
II.架橋された生物学的試料の成分の検出
先に述べた架橋試料の成分を分析するために上記のアルキルアミン処理と組み合わせて任意の検出法が使用され得る。以下に更に詳細に記載するように、架橋が検出を妨害する試料の具体的な成分は、核酸及びタンパク質を含む。成分の検出は、特定の成分もしくは成分の一部(例えば、特定のタンパク質もしくは核酸配列)の存在又は非存在を単に決定することを含んでもよい。あるいは、検出は、成分の定量及び/又は成分の特徴付けを含んでもよい。特徴付けは、例えば、ペプチド又は核酸配列、及び/又は例えばグリコシル化、リン酸化等を含む転写後修飾又は転写修飾の決定を含んでもよい。
【0042】
A. 核酸
核酸を検出するために多数の方法は当該分野で知られている。DNA又はRNA(mRNA、rRNA等を含む)又はその両方が検出され得る。検出は、例えば、ヌクレオチドシークエンシング又は配列-特異的ハイブリダイゼーション技術(例えば、単一ヌクレオチド多形態(SNP)等を検出するために使用されるもの)による、特定の配列又はRNAの定量及び/又は核酸の特徴付けを含んでもよい。
【0043】
多くのパラフィン-埋没ホルムアルデヒド-処理試料は比較的小さいので、一般的には、核酸の検出を助けるための特定の核酸を増幅する増幅方法を使用するのが望ましい。指数的増幅法、線形増幅、熱サイクル又は等温法を含む任意の種類の増幅方法が使用され得る。好適な増幅法は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(DNA増幅のための原則及び応用 (H. A. Erlich著, Freeman Press, NY, N.Y., 1992);PCRプロトコル: 方法及び応用の指針 (Innis等著, Academic Press, San Diego, Calif., 1990); 分子生物学の最新プロトコル, Ausubel, 1994-1999, 2004年4月までの捕捉的な更新を含む; Sambrook & Russell, 分子クローニング,実験室マニュアル (第3版, 2001))、リガーゼ鎖反応(LCR)(米国特許第5,185,243号明細書、同5,679,524号明細書及び同5,573,907号明細書; EP 0 320 308 B1; WO 90/01069; WO 89/12696; 及びWO 89/09835)、サイクルプローブ技術(米国特許第5,011,769号明細書、同5,403,711号明細書、同5,660,988号明細書、及び同4,876,187号明細書、及びPCT公開出願WO 95/05480、WO 95/1416及びWO 95/00667)、Invader(登録商標)技術(米国特許第5,846,717号明細書; 同5,614, 402号明細書; 同5,719,028号明細書; 同第5,541,311号明細書;同第5,843,669号明細書)、Qβレプリカーゼ技術(米国特許第4,786,600号明細書)、NASBA(米国特許第5,409,818号明細書; EP-O 329 822)、TMA米国特許第5,399,491号明細書、同5,888,779号明細書、同5,705,365号明細書、同5,710,029号明細書)、SDA(米国特許第5, 455,166号明細書及び同5,130,238号明細書)を含むが、これらに限定されない。多数の異なったポリメラーゼが増幅に使用され得る。サーマス・アクアティカス(Thermus aquaticus)(Taq)から単離された代表的な熱安定性酵素は、米国特許第4,889,818号明細書に記載され、従来のPCRにおいてそれを使用するための方法は、Saiki等, 1988, Science 239: 487-91に記載されている。別の代表的な熱安定性酵素は、サーマス属Z05 DNAポリメラーゼを含む。米国特許第5,674,738号明細書を参照。場合により、リアルタイムPCR又は他の定量的増幅法は、特定の核酸配列を定量するために使用され得る。定量的増幅法は、例えば米国特許第6,180,349号明細書; 同6,033,854号明細書; 及び同5,972,602号明細書、並びにGibson等, Genome Research 6: 995-1001 (1996); DeGraves等, Biotechniques 34(1): 106-10, 112-5 (2003); Deiman B等, Mol Biotechnol 20(2): 163-79 (2002) に記載されている。このことは、1以上の遺伝子についてのRNAレベルが試料中で測定され得るように、逆転写反応(RT-PCR)に続いて特に有用であり得る。RT-PCR法は、当業者に周知であり(例えば、Current Protocols in Molecular Biology (Ausubel等著, 2002)参照)、定量的増幅法に容易に適合する。他の方法も、核酸を検出するために使用され得る。例えば、核酸は、試料から単離され、プローブにハイブリダイズされ得る。場合によっては、プローブは、固体支持体(例えば、マイクロアレイ)に連結されることになる。
【0044】
B.タンパク質
試料のタンパク質成分は、アルキルアミンを用いる処理によっても検出され得る。多数のタンパク質検出及び特徴付け方法のいずれかは、本発明の方法に従って採用され得る。
【0045】
具体的なタンパク質検出法は、質量分析である。具体的な質量分析法は、電気スプレイイオン化法、及びMALDI飛行時間(MALDI-TOF)法を含むマトリックス支援レーザー脱離イオン化法(MALDI)を含むが、これらに限定されない。例えば、Karas, M.; Hillencamp, F. Anal. Chem. 60: 2301 1988); Beavis, R. C. Org. Mass Spec. 27: 653 (1992); Creel, H. S. Trends Poly. Sci. 1(11): 336 (1993)参照。
【0046】
質量分析法を用いて検出する他の1つは、対象のタンパク質を分離し、次いで検出するための電気泳動の使用である。電気泳動法は、2次元電気泳動法を含む。該方法は、場合により、続く抗体によるタンパク質のウェスタンブロット検出を含む。
【0047】
他の選択肢は、タンパク質の免疫検出を含む。様々なELISA及びタンパク質の免疫検出のための他の形式は、周知である。
【0048】
III.キット
本発明はまた、本発明の上記の方法を採用するために有用なキットを提供する。そのようなわけで、キットは、上記の1以上の試薬を含んでもよい。場合により、キットは、その使用のための教示書(紙)又は電子的な教示を含んでもよい。
【0049】
ある実施態様では、本発明のキットは、核酸もしくはタンパク質の検出又は検出を改良するための少なくとも1つの追加の試薬と共にアルキルアミンを含むだろう。例えば、ある実施態様では、キットは、アルキルアミン、及びタンパク質を分解し及び核酸を検出により利用しやすくするための、(プロテイナーゼKを含むがこれに限定されない)プロテアーゼを含む。核酸もしくはタンパク質の検出又は検出を改良するための他の試薬は、例えば増幅のために有用な試薬を含む。例えば、典型的なポリメラーゼ連鎖反応は、上流及び下流のプライマーとして、少なくとも1つの鋳型、デオキシリボヌクレオシド三リン酸(dATP、dCTP、dGTP、TTP、dUTPを含む)、ポリメラーゼ酵素、バッファー、金属カチオン及び塩を含むが、これらに限定されない。RT-PCR反応のためのキットは、逆転写酵素及び/又はプライマーを含んでもよい。定量的(例えば、「リアルタイム」)増幅のために、1以上のポリヌクレオチドプローブが、所望の標的にハイブリダイズするように採用される。プローブは、典型的には、検出可能な標識、例えば蛍光標識で標識される。具体的なプローブは、Taqman(登録商標)プローブである。但し、他の種類のプローブが定量的増幅反応において標的をモニターするために使用され得ることが理解されるだろう。核酸配列-型増幅(NASBA)反応は、プライマー、逆転写酵素、RNase H及びDNAポリメラーゼを含んでもよい。転写-介在増幅(TMA)反応は、プライマー、逆転写酵素及びRNAポリメラーゼを含んでもよい。鎖置換増幅(SDA)反応は、修飾されたヌクレオチド及び制限エンドヌクレアーゼを含んでもよい。ある増幅反応は、補助的増幅試薬(例えば、Amperase(商標), Roche Molecular Sciences, Alameda, CA)として、デオキシウリジンN-グリコシラーゼ(UNG)を含んでもよい(Kleiboeker, Virol J (2005) 11: 29参照)。
【0050】
核酸又はタンパク質の検出又はその改良のための他の試薬は、例えば、タンパク質又は核酸、例えば本明細書に記載されたもの、を精製するための試薬又は装置を含む。
【0051】
IV.反応混合物
本発明はまた、反応混合物を提供する。具体的な反応混合物は、ホルムアルデヒド-固定試料、場合によりパラフィン、及び本明細書に記載のアルキルアミンを含む。反応混合物は、上記のアルキルアミンの濃縮物を含んでもよい。更に、反応混合物は、場合により上記の温度にある。反応混合物は、場合により、プロテアーゼ(例えば、プロテイナーゼK)を含んでもよい。
【実施例】
【0052】
実施例 1
本実施例は、アルキルアミンを用いる核酸の架橋化学の逆転を説明する。
【0053】
合成オリゴヌクレオチド(DNA配列: AAG TCA GAA GGE AAA [E = 5-メチル-dC]、配列番号1; 3 μM) 又はRNA配列: FCC CUC GCA GCC GUC CAA CAA CUC A [F = フルオレセイン]、配列番号2; 3 μM)は、リジン(0.3 M)の存在下で、ホルマリン(緩衝ホルマリン溶液,10%, Sigma-Aldrich, HT50-1-1)で処理し、4℃で24時間インキュベートした。架橋化学の反応速度論は、LC-MS分析によってモニターした。MSデータは、反応混合物中の生成物がメチレン橋を介してリジンで架橋されたオリゴヌクレオチド、及びオリゴヌクレオチド-ホルマリン生成物からなることを示唆している。24時間後、検出されたすべてのオリゴヌクレオチドは、反応混合物中で架橋しているようであった。過剰のホルマリン及びリジンは、エチレンジアミン処理の前に反応混合物から分離した。この反応混合物(400 μl)に、エチレンジアミン(100 μl, 2.0 M)を加え、室温で1.0時間インキュベートした。試料のLC-MS分析は、すべての架橋生成物から出発オリゴヌクレオチドを再生する架橋化学の定量的な逆転を確認する。この手法における様々なステップでのLC-MS分析の結果は、図2〜5に示されている。
【0054】
架橋逆転の更なる例は、図6〜11に説明されており、今回は、合成RNA分子を例に使用している。
【0055】
実施例 2
DNAの検出のための具体的なプロトコルは以下のとおりである。
ステップ1: 組織切断
Microtom RM2255を用いる20 μ組織部分を切断し、1.5 mLのエッペンドルフに該部分を入れ、キャップチューブを閉めた。
【0056】
ステップ2: 溶解試薬
EDAを溶解試薬に500 mM/225 μLの最終濃度で加えた。200 μL溶解試薬/EDAを試料を含む各チューブに加えた。
【0057】
ステップ3: 加熱ステップ
98℃に設定したヒートブロック中で30分間、各試料をインキュベートした。最初の5分間の後、各試料をヒートブロックから除き、短時間ボルテックスした。ボルテックス後、20,817 rcf(例えば、エッペンドルフ5417C, 14,000 rpm)で5秒間遠心して、すべてのパラフィン及び組織を溶液に入れた。確実に、チューブの側面にはパラフィンも組織も残っていなかった。残りの25分間、ヒートブロックに戻した。
【0058】
25分後、ヒートブロックから試料を取り出し、20,817 rcf(例えば、エッペンドルフ5417C, 14,000 rpm)で5秒間遠心して、すべてのパラフィン及び組織を溶液に入れた。各試料を5分間室温で冷却した。
【0059】
ステップ4: 溶解 + プロテイナーゼKステップ
20 μLのPKを試料を含む各チューブに加えた。短時間ボルテックスし、次いで20,817 rcf(例えば、エッペンドルフ5417C, 14,000 rpm)で5秒間遠心して、すべてのパラフィン及び組織を溶液に入れた。確実に、チューブの側面にはパラフィンも組織も残っていなかった。
【0060】
65℃に設定したヒートブロック中で1時間各試料をインキュベートした。短時間ボルテックスし、次いで20,817 rcf(例えば、エッペンドルフ5417C, 14,000 rpm)で5秒間遠心して、チューブの側面にパラフィン及び組織を残した。
【0061】
ステップ5: プロテイナーゼK不活性化ステップ
98℃に設定したヒートブロック中で各溶解試料を10分間インキュベートした。10分間のインキュベーション時間後に、98℃に設定したヒートブロックから各試料を直ちに取り出し、20,817 rcf(例えば、エッペンドルフ5417C, 14,000 rpm)で20分間遠心して、溶解物から残骸を除いた。溶解物を遠心前に過度に冷却できる場合には、パラフィン固化上層は形成せず、パラフィンは溶解物と共に除かれるだろう。好ましくは、パラフィンは固化上層を形成する。
【0062】
ステップ6: 残骸を除くための遠心ステップ
各試料について好適な試料識別で1つの新しい1.5 mLスクリューキャップチューブを標識した。新しい1.5 mLチューブに溶解物を移した。パラフィン上層、及びチューブの底に見られたペレット中の残骸を除いた(avoid)。試料を更に浄化する必要があれば、溶解物を更に20,817 rcf(例えば、エッペンドルフ5417C, 14,000 rpm)で15分間遠心した。溶解物を新しく標識した1.5 mLチューブに移した。
【0063】
プレ-PCR溶解物浄化
100 μL溶解物を新しい標識した1.5 mLチューブに移したQIAquick(商標)PCR精製キット(QIAGEN Sciences)に従って処理した。100 μLの最終体積で試料を溶解した。
【0064】
実施例 3
本実施例は、エチレンジアミンを用いるタンパク質-タンパク質の架橋化学の逆転を説明する。
【0065】
ウシ胎児血清(BSA)タンパク質(100 μg, 10 μg/μl)をホルマリン溶液(65 μl, 緩衝ホルマリン溶液, 10%, Sigma-Aldrich, HT50-1-1)に加え、4℃でインキュベートした。14時間及び36時間後に試料のアリコートを取った(各時点で25 μl)。次いで、エチレンジアミン(25 μl, 2.0 M)をこれらのアリコートに加え、室温で1時間インキュベートした。次いで、試料をSDSゲルによって分析した(図15)。図15のレーン4(4℃で14時間、ホルマリン中でのタンパク質のインキュベーション)から明らかなように、タンパク質-タンパク質架橋が完了した。図15のレーン5(室温で1時間、エチレンジアミンを用いるタンパク質-タンパク質架橋生成物のインキュベーション)は、タンパク質-タンパク質架橋化学がエチレンジアミンの存在下で可逆的であることを示した。しかしながら、ホルマリン中での架橋時間が長い場合には、架橋は不完全に逆転した(図15のレーン6〜8)。
【0066】
本明細書に記載された実施例及び実施態様は、説明的目的のためにすぎず、その点から様々な修飾又は変更が当業者に示唆され、それらは、本願の趣旨及び範囲、並びに添付のクレームの範囲内に含まれることになる、ことを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホルムアルデヒド架橋生物学的試料の1以上の成分を分析する方法であって、以下のステップ:
(1) 該架橋成分の少なくとも1部分を放出するために、該試料を、エチレンジアミン、エタノールアミン及びプロピルアミンからなる群より選ばれるアルキルアミンの十分量と室温で接触させ、それによって分析用の1以上の成分の利用可能性を改善し;
(2) 検出ステップの前に、該試料からアルキルアミンを実質的に除き;及び
(3) 該成分(複数)を検出すること、
ここで、該成分は核酸である、
を含む、前記方法。
【請求項2】
アルキルアミンの量が、0.01%〜5%である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
アルキルアミンの濃度が、前記検出ステップの前に約0.5%未満に減少される、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記検出ステップが核酸を増幅することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記核酸成分が、プローブ及び核酸の形成、並びに二重鎖の存在の検出を可能にする条件下でプローブに接触される、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記試料が前記接触ステップの前に、パラフィン中に埋め込まれる、請求項1記載の方法。
【請求項7】
分析のために利用できる核酸の部分が、前記接触ステップが行われない場合に分析のために利用できる部分と比べて、少なくとも約2倍に増加される、請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記試料を前記試料中のタンパク質を分解するためのプロテアーゼと接触させることを更に含み、それによって核酸を分析のためにより利用できるようにする、請求項1項記載の方法。
【請求項9】
ホルムアルデヒド架橋生物学的試料の1以上の核酸成分の利用可能性を改善するためのキットであって、以下:
(1) アルキルアミン;
(2) エチレンジアミン、エタノールアミン及びプロピルアミンからなる群より選ばれるアルキルアミンの、生物学的試料からの除去のための手段;及び
(3) 該核酸成分の検出又は検出改善のための試薬
を含む、前記キット。
【請求項10】
ヌクレオチド及び/又は熱安定性ポリメラーゼを更に含む、請求項9記載のキット。
【請求項11】
ホルムアルデヒド架橋生物学的試料;及び
架橋成分の少なくとも1部分を放出するために、エチレンジアミン、エタノールアミン及びプロピルアミンからなる群より選ばれるアルキルアミンの十分な量
を含む反応混合物。
【請求項12】
アルキルアミンの量が0.01%〜5%である、請求項11記載の反応混合物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2010−522544(P2010−522544A)
【公表日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−500132(P2010−500132)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【国際出願番号】PCT/EP2008/002356
【国際公開番号】WO2008/119488
【国際公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】