説明

ホログラムメモリの記録補償方法および装置

【課題】
ホログラム記録において、記録特性向上のために、光学系の性能を向上させたり、記録符号による改善が図られたりしている。しかし、実際の光学系では、記録および再生時に高周波信号をうまく伝達することが出来ず、記録する2次元データによって記録特性が異なる非線形な特性が生じ、記録用の光学系をよくしただけでは、高密度の信号を安定に記録することが出来なくなっていた。
【解決手段】
ホログラムメモリの記録補償方法において、2次元で記録する2次元入力データを基に、第1の記録データを作成し、2次元入力データを基に高域周波数成分を強調した記録補償用データを算出し第1の記録データと記録補償用データとを媒体に記録することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ホログラム記録装置にデータを記録するときの記録補償方法に関する。また、この発明は、ホログラム記録装置にデータを記録するときの記録補償装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ホログラム記録による記録特性向上のために、光学系の性能を向上させたり、記録符号による改善が図られたりしているが、これらによる方法による更なる向上は難しくなってきている。そこで、二値のデジタルデータを明暗画像で表す信号光と参照光とをフーリエ変換し、フーリエ変換された信号光の直流成分を減衰させ、直流成分が減衰された信号光と参照光とを光記録媒体に同時に照射することによりホログラムを記録することが行われている。これは、光学系に減衰フィルタを挿入して直流成分をカットしてダイナミックレンジの向上を図ったものであり、信号品質を抑えても、記録のための媒体の感度向上を図ったものである。
【0003】
また、信号光と参照光の干渉縞を単一層のホログラム記録材料に多重記録する際に、ホログラム記録材料の厚み方向で前面に近い位置と背面に近い位置の2か所を含む層内にデータを多重記録してホログラム記録材料内にブックが2層に亙って形成される複数層記録を行う方法が行われている。
【0004】
さらに、ホログラフィー媒体に書き込む情報データにより変調された信号光を出力する光変調手段と、光変調手段の書き込む情報データ列において、各々の情報データを直前の情報データにより和分変換することにより符号化する符号化手段と、参照光により、情報データ列の情報データをホログラフィー媒体に書き込む書込手段とを有することが行われているが、前のデータを基に変換する符号化についてのみ書いてある。
【0005】
また、中央ビットと当該中央ビットの周辺ビットによって構成された変調コードと、当該変調コードのビットパターンに応じて抽出される特徴量を表現した複数ビットの特徴量コードと、を予め対応づけておき、記録対象のビット列データを前記複数ビット毎に分割し、前記分割した複数ビット夫々を、当該複数ビットが表現する前記特徴量コードに対応づけられた前記変調コードへと符号化を行い、前記符号化を行った変調コード夫々に基づいて、前記空間光変調器において前記2次元濃淡画像パターンを設定するため変調画像データを形成する、符号化処理部を有することが行われている。中央ビットと当該中央ビットの周辺ビットによって、記録する符号を変えている符号化処理を行っていることが知られている。
【特許文献1】特許公開2007−172682号公報
【特許文献2】特許公開2007−25417号公報
【特許文献3】特許公開2006−216148号公報
【特許文献4】特許公開2006−179079号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
2次元信号の直流成分を抑えて、交流成分を強調すれば、2次元記録信号に起因した信号光強度は強くなる。しかし、単純に交流成分を強調してしまうと、記録する情報によって2次元情報の強調され方が異なって、記録する情報によって再生特性が違ってしまうという非線形な特性が生じ、単純な交流成分の強調では、信号を正しく再生できない場合が出てくる。また、光学的にフーリエ変換するためには、高精度な光学系を別に必要とし、装置が大型化してしまう。
【0007】
また、変調コードによる符号化を利用して記録再生特性を向上させようと変調コードを設計すると、媒体の特性が悪くなるコードを使わないことになってしまい。変調コードによる安定化は出来るが、本来の目的である高密度記録が達成できないという課題がある。
【0008】
さらに、変調の方法に、周囲のビット情報を利用するとしても、やはり媒体の特性が悪くなるコードを使わないことになってしまい。変調コードによる安定化は出来るが、本来の目的である高密度記録が達成できないという課題がある。
【0009】
2次元のデータを記録するためには2次元の像の歪を発生させない精密な光学系が必要であるが、その光学系は大きくなってしまう。一方、記録装置に使用するためには光学系の小型化が必要である。そのために、小型化と安定した記録の両方を実現することが出来ないという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決し目的を達成するために、この発明のホログラムメモリの記録補償方法および装置は、以下のように構成されている。
【0011】
ホログラムメモリの記録補償方法において、記録する入力データを基に、第1の記録データを作成する第1の工程と、入力データを基に高域周波数成分を強調した記録補償用データを算出する第2の工程と、第1の工程の第1の記録データと第2の工程の記録補償用データとを記録する工程を持つことを特徴とする。
【0012】
ホログラムメモリの記録補償装置において、記録する入力データを基に、第1の記録データを作成する第1の手段と、入力データを基に高域周波数成分を強調した記録補償用データを算出する第2の手段と、第1の手段で作成された第1の記録データと第2の手段で作成された記録補償用データとを一体化する手段を持つことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
上記のような構成とすることで、従来のシステムでは再生系ですべて処理していたものを、記録系でひずみ無く記録することが出来るようになり、より安定な記録および再生が実現できる。計算により、本発明を用いることで、信号対雑音比で17%の改善が見られることが明らかとなっており、記録歪の改善に効果のあることが分かる。したがって、記録時の非線形特性を、記録する2次元データに応じて補償できるようになり、高密度な2次元データを安定して記録再生できるようになる。また、光学系の補償が簡単になり、小型ローコストの光学系が実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
ホログラムメモリの記録装置において、記録するデータを基に、高域周波数成分を強調した記録補償用データを算出し、基のデータと記録補償用データとを媒体に記録することで、媒体上に歪の少ないデータの記録を実現し、ホログラムメモリに大容量のデータの記録を実現する。
【実施例1】
【0015】
図1は、本発明によるホログラム記録装置用の記録補償装置の構成を示したものである。本発明によるに記録補償装置は、記録する2次元入力信号を入力1とし、分割回路10で2個の信号に分割する。分割された信号は高域周波数強調フィルタ11で2次元入力信号の各要素が正しく記録できるように信号が整形される。また、遅延回路12で元の2次元信号がそのまま伝えられる。高域周波数強調フィルタ11と遅延回路12との出力が結合回路13で信号が結合される。結合回路13の出力2として記録する2次元入力信号と高域周波数強調フィルタ11からの信号が時系列に出力される。本発明では、ホログラムを記録する装置において、記録する2次元入力信号と共に、記録する2次元入力信号から補償データを生成し、それらを併せて記録することを特徴とするホログラム記録装置用の記録補償装置を提供するものである。
【0016】
図2、図3を参照して、本発明が主な対象とする高域周波数強調フィルタの構成と動作を説明する。2次元データ20は分割回路で、データ22として分離される。また、高域周波数強調フィルタ21において、2次元データ20の補償データ23の抽出を行う。図3に示す高域周波数強調フィルタにおいては、2次元データ31の注目する画素Ix、yの値とその周辺の8画素の値をもとに計算する。演算器32において、注目するに画素に係数をかけて、周辺の画素の総和を引き算することによって基本出力O(x、y)を得る。比較器33において、基本出力O(x、y)を一定値の閾値を基に2値化することで補償データを得ることが出来る。補償データは2次元データの全ての画素について求めるものとする。エッジの画素については、周りに画素がない部分については、画素の値が0として計算を行う。
【0017】
図3では、周囲の8画素について、判断しているが、縦横の4画素について判断してもよい。また、右斜め、左斜めについて判断してもよい。さらに、画素からの距離を考慮して、縦方向に上に1画素、下に1画素、左右に、右に1画素、左に1画素を追加した、周辺画素12個で検討するとさらに周囲の影響を抑圧できるようになる。
【0018】
また、中央画素に乗算する係数は、図3では5を用いたが、閾値とあわせて、媒体に記録再生を行って、テストを行うことによって、そのシステムに最適な係数と閾値を決めることで最適な記録補償を行える好例である。
【0019】
図4、図5を用いて、本発明の記録再生の例を示す。記録する2次元画像を2次元画像入力部42に入力する。2次元画像入力部42は空間光変調器とよばれ、入力信号である2次元画像で物体光41を変調するものである。2次元画像入力部42で変調された物体光31は第1の光学系43で記録媒体45に集光される。また、記録媒体45には物体光41と同一の光源から出射された参照光44が物体光41と同時に照射される。参照光44と物体光41による干渉縞が記録媒体45内に形成される。ホログラムとして多重記録するためには、参照光44の角度を変更したり、集光特性を変更したり、媒体の位置を移動させるなどが好例である。信号の再生時には、参照光44のみを照射して、記録媒体内に形成された干渉縞からの信号を第2の光学系46を用いて2次元画像再生部47で再生する。2次元画像再生部47は、CCDやCMOSなどからなる2次元素子が好例である。
【0020】
図5に記録のための時間スケジュールを示す。従来の記録では、記録する2次元信号を2次元画像入力部42にセットして、一定の時間のあいだ物体光31と参照光34を照射することで記録を行っている。本願では、第1のデータ51を2次元画像入力部42にセットして記録した後に、第2のデータ52を2次元画像入力部42にセットして補償データとして記録している。第1のデータ51と第2のデータ52を記録する場合に同一の参照光34を用いて信号を記録している。このようにすることで、補償データを媒体内の干渉縞として記録できるので、従来に比べ、高周波成分を強調して記録できる。なお、図5では、補償データを後から記録する例を示したが、補償データを先に記録してもよい。
【0021】
本発明で、高周波成分を強調して記録する理由は、第1の光学系43において、高周波成分が減衰すること、また、高密度に記録しようとすると2次元画像の中の干渉が発生すること、媒体の非線形などの影響を抑圧することである。これらは基本的には高周波部分が減衰するので、それを強調するために、補償データを記録している。これによって、上記の外乱による影響を抑圧して、各画素の信号が正確に再生できるようにしている。
【0022】
図6に記録補償を行った場合と行わなかった場合の記録補償を行わなかった場合に比べて、記録補償を行った場合に、孤立した画素、明るい部分の端部の画素で強く信号が再生されていることがわかり、本発明が有効なことがわかる。
【0023】
図7に信号対雑音比(SNR)の改善特性を示す。ここで、信号(s)として、明るい信号1の平均再生強度と暗い信号0の平均再生強度の差と定義する。また、雑音(N)として、明るい信号1の標準偏差の2乗と暗い信号0の標準偏差の2乗とを加算し、その平方根をとると定義する。このようにして、信号対雑音比(SNR)と補償データの露光時間との関係を示している。なお、補償データの露光時間は記録する元のデータの露光時間で正規化して示してある。このように、補償データの記録時間は、補償データの露光時間に比べてゼロ以上0.4以下にするのが好例であることがわかる。また、0.15から0.25において最適な補償が行えて、良好な記録再生が行えることがわかる。
【0024】
図8に光学系の特性が変わった場合の信号対雑音比(SNR)の改善特性を示す。ここで、光学系の空間周波数のカットオフ周波数fcを変化させたときの本発明の効果を示している。ここで、カットオフ周波数fcとは、光学系の高周波成分の伝達特性を示すものであり、信号の伝わる上限を与える。また、図8では、ピクセルの画素ピッチの周波数で正規化している。図8より、カットオフ周波数fcが変わっても、補償データを記録することで、信号対雑音比(SNR)が約17%改善されており、高記録密度を行った場合の効果が大きく、本発明が有効なことがわかる。
【0025】
図2には、2値信号による例を示したが、図4の2次元画像入力部がアナログで諧調を出力できる場合には、データ22の強度を1としたときに、補償データの強度を、0を超えて0.4以下に設定して、加算することが好例である。これによって、1回の記録露光で記録することが出来る。また、データ22の強度を1としたときに、補償データの強度を、1.5以上2.5以下に設定して、加算することがより好例である。これによって、1回の記録露光で安定した記録を実現することが出来る。
【実施例2】
【0026】
図9を用いてホログラムメモリの記録補償方法を説明する。2次元で記録する2次元入力データの入力91では、装置が記録すべき信号を2次元画像入力部のサイズに併せてデータの受け取りを行う。2次元入力データを基に第一の記録データを作成92では、2次元入力データをそのままコピーした第1の記録データを出力する。さらに、2次元入力データを基に高域周波数成分を強調した記録補償用データを算出93では、2次元データの各画素の値およびその周囲の値によって、記録補償用の記録補償データを作成する。また、第1の記録データ保持94では、2次元入力データを基に第一の記録データを作成92で作成された第1の記録データを保持する。さらに、第1の記録データと記録補償用データとを一体化95では、第1の記録データの後に、記録補償用データが来るように並べる。一体化したデータを記録する工程96では、参照光を用いて第1の記録データを記録した後に、同一の参照光を用いて記録補償用データを記録する。これによって、高周波成分を強調した記録が実現できる。
【0027】
図2、図3を参照して、本発明が主な対象とする高域周波数強調フィルタを用いた補償方法を説明する。2次元データ20は分割回路で、データ22として分離される。また、高域周波数強調フィルタ21において、2次元データ20の補償データ23の抽出を行う。図3に示す高域周波数強調フィルタにおいては、2次元データ31の注目する画素Ix、yの値とその周辺の8画素の値をもとに計算する。演算器32において、注目するに画素に係数をかけて、周辺の画素の総和を引き算することによって基本出力O(x、y)を得る。比較器33において、基本出力O(x、y)を一定値の閾値を基に2値化することで補償データを得ることが出来る。補償データは2次元データの全ての画素について求めるものとする。エッジの画素については、周りに画素がない部分については、画素の値が0として計算を行う。
【0028】
図3では、周囲の8画素について、判断しているが、縦横の4画素について判断してもよい。また、右斜め、左斜めについて判断してもよい。さらに、画素からの距離を考慮して、縦方向に上に1画素、下に1画素、左右に、右に1画素、左に1画素を追加した、周辺画素12個で検討するとさらに周囲の影響を抑圧できるようになる。
【0029】
また、中央画素に乗算する係数は、図3では5を用いたが、閾値とあわせて、媒体に記録再生を行って、テストを行うことによって、そのシステムに最適な係数と閾値を決めることで最適な記録補償を行える好例である。
【0030】
閾値を0とした場合には、中央画素に乗算する係数を1から5とするのが好例であり、これによって孤立および端部データを強調することができる。
【0031】
上記実施例では記録補償データの記録時間をあらかじめ決めた例を示したが、再生信号のエラー特性から、一番再生エラーが少ない記録補償データの記録時間を選ぶような工程を設けても良い。このようにすると、再生条件の違いによる特性変動も抑圧できるようになる。
【0032】
この発明は、通常の4f系の2次元画像を記録する例で示したが、マイクロホログラムと呼ばれるホログラムで1ビットを媒体内に3次元で記録する場合にも有効である。
【0033】
マイクロホログラムでは、記録するデータを媒体上の2次元的に配置した構成とする2次元入力データにする第1の工程と、第1の工程で作成した2次元入力データを基に、高周波成分を強調した記録補償用のデータを作成する第2の工程、および、第1の工程のデータを第2の工程の記録補償用のデータを結合回路で足す。このようにして、マイクロホログラムを形成する順番に、データと併せて記録補償用のデータを記録する方法を提供できる。
【0034】
データと補償用のデータの併せ方は、記録するレーザの強度を補償用のデータが有効の場合には、1を超えて、1.4倍まで上昇させるのが好例である。これによって、高周波成分が強調されて記録でき、記録時、再生時の高周波成分の減衰を補償できる。
【0035】
また、記録するレーザの強度を補償用のデータが有効の場合には、1を超えて、1.4倍まで上昇させるのが好例である。これによって、高周波成分が強調されて記録でき、記録時、再生時の高周波成分の減衰を十分に補償できる。
【0036】
マイクロホログラムでは、記録するデータを媒体上の2次元的に配置した構成とする2次元入力データにする第1の工程において、媒体内に、記録しようとする領域の下あるいは上の層にすでに記録されているデータを読み出して、データを記録する層との関係を読み出し。第2の工程において記録しようとするデータと共に、記録されているデータを併せて、記録補償用のデータを算出してもよい。
【0037】
この場合にも、図3に示した考慮するよう領域を面内から近接する下の層について、隣接が画素として計算すればよい。したがってこの場合には周辺の画素が、図3の場合で、8画素に下の層の9画素を加えたもので判断すればよい。さらに、上の層を考慮する場合には、図3に示した考慮するよう領域を面内から近接する上の層について、隣接が画素として計算すればよい。したがって、この場合には周辺の画素が、図3の場合で、8画素に上の層の9画素を加えたもので判断すればよい。また、上の層と下の層を考慮する場合にも、図3に示した考慮するよう領域を面内から近接する上の層と下の層について、隣接が画素として計算すればよい。したがって、この場合には周辺の画素が、図3の場合で、8画素に上の層の9画素および下の層の9画素を加えたもので判断すればよい。
【0038】
マイクロホログラムにおいては、媒体をディスク状にして、回転させる用途が考えられる。この場合にも、図3の方法を用いて高域周波数を強調すれば問題なく使うことが出来る。
【0039】
マイクロホログラムでは、記録するデータを媒体上の2次元的に配置した構成とする2次元入力データにする第1の手段と、第1の手段で作成した2次元入力データを基に、高周波成分を強調した記録補償用のデータを作成する第2の手段、および、第1の手段のデータを第2の工程の記録補償用のデータを結合回路で足す。このようにして、マイクロホログラムを形成する順番に、データと併せて記録補償用のデータを記録する装置を提供できる。
【0040】
以上説明したように、この発明のホログラムメモリの記録補償方法および装置によれば、ホログラムメモリの記録装置において、記録するデータを基に、高域周波数成分を強調した記録補償用データを算出し、基のデータと記録補償用データを時系列に記録することで、媒体上に歪の少ない記録データを記録できるようにしたものである。
【0041】
具体的には、記録する“1”あるいは“0”の2値2次元データの各要素について、注目する要素からその要素の周囲の要素のデータと引き算を行い、その数値に閾値を用いて、記録補償用2値2次元データを作成するものである。作成した記録補償用データを基のデータに引き続いて記録させるものである。
【0042】
なお、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階では要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【産業上の利用可能性】
【0043】
この発明によれば、下記のホログラムメモリの記録補償方法および装置を提供できる。
【0044】
(1)ホログラムメモリ記録系でひずみ無く記録することが出来るようになり、より安定な記録が実現できることが可能なホログラムメモリの記録補償方法。
【0045】
(2)ホログラムメモリ記録系でひずみ無く記録することが出来るようになり、より安定な記録が実現できることが可能なホログラムメモリの記録補償装置。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明のホログラムメモリの記録補償装置の構成を示す図
【図2】高周波強調フィルタの構成を示す図
【図3】高周波強調フィルタの詳細構成を示す図
【図4】媒体への記録再生構成を示す図
【図5】本発明の記録スケジュールを示す図
【図6】本発明の再生像の例を示す図
【図7】規格化記録時間と信号対雑音比を示す図
【図8】規格化周波数と信号対雑音比を示す図
【図9】本発明のホログラムメモリの記録補償方法の構成を示す図
【符号の説明】
【0047】
1 入力
2 出力
10 分割回路
11 高域周波数強調フィルタ
12 遅延回路
20 2次元データ
21 高域周波数強調フィルタ
22 データ
23 補償データ
31 検出器の画素(x、y)
32 演算器
33 比較器
41 物体光
42 2次元画像入力部
43 第1の光学系
44 参照光
45 記録媒体
46 第2の光学系
47 2次元画像再生部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホログラムメモリの記録補償方法において、記録する入力データを基に、第1の記録データを作成する第1の工程と、入力データを基に高域周波数成分を強調した記録補償用データを算出する第2の工程と、第1の工程の第1の記録データと第2の工程の記録補償用データとを記録する工程を持つことを特徴とするホログラムメモリの記録補償方法。
【請求項2】
ホログラムメモリの記録補償装置において、記録する入力データを基に、第1の記録データを作成する第1の手段と、入力データを基に高域周波数成分を強調した記録補償用データを算出する第2の手段と、第1の手段で作成された第1の記録データと第2の手段で作成された記録補償用データとを一体化する手段を持つことを特徴とするホログラムメモリの記録補償装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−104699(P2009−104699A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−274596(P2007−274596)
【出願日】平成19年10月23日(2007.10.23)
【出願人】(504237050)独立行政法人国立高等専門学校機構 (656)
【Fターム(参考)】