説明

ホースリール

【課題】巻乱れを抑制することができるホースリールを提供する。
【解決手段】ホースリール1のフレームを本体ケース11で構成し、本体ケース11内に、ホースを巻き取るドラムを回動自在に支持する。本体ケース11の上部容器13の前面31であって、ドラムに巻き取られるホースの移動経路上に、ホースを案内するガイド部32を設ける。ガイド部32は、ホースが挿通する出入口33を備え、出入口33の上部開口縁で、ホースの上方への逃げを阻止する上方規制部34を構成する。上方規制部34は、巻き取られるホースの移動方向Iと交差する方向に延在し、中央部が上方へ向けて突出したアーチ状を成す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホースを巻き取るホースリールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、散水用のホースを巻き取る際には、ホースリールが用いられていた(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
【0003】
このホースリールは、フレームと、該フレームに回動自在に支持されたドラムとによって構成されている。前記フレームは、対向して設けられた三角形状の側板からなり、両側板は離間して連結されている。この側板の一方からは、蛇口側ホースを接続する接続プラグが延出されており、他方からは、前記ドラムを回転操作するハンドルが延出されている。
【0004】
これにより、このハンドルを回転操作することによって、ホースをドラムに巻き取って保持できるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平2001−206637号公報(図1)
【特許文献2】特開平2001−206638号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このようなホースリールにあっては、フレームを構成する側板が離間して設けられており、ホース巻取り方向が開放されている。このため、ドラムに巻き取られるホースに巻乱れが生じ易かった。
【0007】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、巻乱れを抑制することができるホースリールを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、
【0009】
前記課題を解決するために本発明のホースリールにあっては、ドラムを回動してホースを巻き取るホースリールにおいて、前記ドラムに巻き取られるホースの移動経路上に、該ホースを案内する案内部を設け、該案内部の幅寸法を上方へ向かうに従って小さくなるように設定した。
【0010】
すなわち、ドラムを回動してホースを巻き取る際には、ホースがドラムの端部に集中することがある。しかし、ホースの移動経路上には、ホースを案内する案内部が設けられており、該案内部の幅寸法は、上方へ向かうに従って小さくなるように設定されている。
【0011】
このため、ドラムの端部に集中して巻き付けられたホースは、所定量積層された時点で、前記案内部に沿って中心側へ案内される。
【0012】
なお、ドラムを回動してホースを巻き取るホースリールにおいて、前記ドラムに巻き取られるホースの移動経路上に、該ホースを案内するガイド部を設け、該ガイド部に、前記ホースの逃げを阻止する規制部を巻き取られる前記ホースの移動方向と交差する方向に延設するとともに、前記規制部に、上方へ向かうに従って中央部側へ傾斜した傾斜部を設定し、該傾斜部での傾斜角を45度以上90度未満に設定してもよい。
【0013】
すなわち、ドラムを回動してホースを巻き取る際には、ホースがドラムの端部に集中することがある。しかし、ホースの移動経路上には、ホースを案内するガイド部が設けられており、該ガイド部に設定された規制部には、上方へ向かうに従って中央部側へ傾斜した傾斜部を設定されている。
【0014】
このため、ドラムの端部に集中して巻き付けられたホースは、所定量積層された時点で、前記傾斜部によって中心側へ案内される。
【0015】
このとき、この傾斜部に当接したホースには、下方へ向けた分力と水平方向への分力とが生じるが、当該傾斜部の傾斜角は、45度以上90度未満に設定されている。このため、水平方向の分力が、下方へ向けた分力以上となり、所定量積層されたホースを中央部側へ案内する力は、ホースを下方へ押圧する力以上となる。
【0016】
また、ドラムを回動してホースを巻き取るホースリールにおいて、前記ドラムに巻き取られるホースの移動経路上に、該ホースを案内するガイド部を設け、該ガイド部に、前記ホースの逃げを阻止する規制部を巻き取られる前記ホースの移動方向と交差する方向に延設するとともに、前記規制部を、中央部が突出するアーチ状に形成してもよい。
【0017】
すなわち、ドラムを回動してホースを巻き取る際に、ホースがドラムの端部に集中することがある。しかし、ホースの移動経路上には、ホースを案内するガイド部が設けられており、該ガイド部に設定された規制部は、中央部が突出するアーチ状に形成されている。
【0018】
このため、ドラムの端部に集中して巻き付けられたホースは、所定量積層された際に、アーチ状の規制部に沿って中心側へ案内される。
【0019】
また、前記ガイド部に前記ホースが挿通する開口部を設け、該開口部の上部開口縁に前記規制部を設定するとともに、前記開口部の下部開口縁を直線状に形成してもよい。
【0020】
すなわち、空ドラムへのホースの巻付けを開始した時点では、移動されるホースは、ガイド部における開口部の下部開口縁に沿って案内される。このとき、この下部開口縁は、直線状に形成されている。このため、ホースは、ドラム全域に渡って分散して巻き取られる。
【0021】
そして、ホースが所定量ドラムに巻き付けられた際には、ガイド部における開口部の上部開口縁が構成する前記規制部に沿って案内される。
【0022】
さらに、前記ドラムをフレームで支持するとともに、前記ガイド部を、前記フレームに設けられたバーで構成してもよい。
【0023】
これにより、構成の簡素化が図られる。
【0024】
また、ドラムを回動してホースを巻き取るホースリールにおいて、前記ドラムに巻き取られるホースの移動経路上に、該ホースが挿通する開口部を有したガイド部を設け、前記開口部の開口縁部に、一般部より厚肉の厚肉部を設けてもよい。
【0025】
すなわち、ドラムに巻き取られるホースは、ガイド部に設けられた開口部を挿通し、この開口部の開口縁に摺接することで所定位置に案内される。
【0026】
このとき、前記開口部の開口縁部には、一般部より厚肉の厚肉部が設定されている。このため、開口縁部が薄肉に形成された場合と比較して、不用意なホースの折れ曲がりが防止される。
【0027】
さらに、ドラムを回動してホースを巻き取るホースリールにおいて、前記ドラムに巻き取られるホースの移動経路上に、該ホースが挿通する開口部を有したガイド部を設け、前記開口部の開口縁部の断面形状を、前記開口部の中心へ向けて突出する円弧状に形成してもよい。
【0028】
すなわち、ドラムに巻き取られるホースは、ガイド部に設けられた開口部を挿通し、この開口部の開口縁に摺接することで所定位置に案内される。
【0029】
このとき、前記開口部の開口縁部は、その断面形状が開口部の中心へ向けて突出する円弧状に形成されている。このため、摺接するホースとの接触面積が減少する。
【0030】
加えて、ドラムを回動してホースを巻き取るホースリールにおいて、前記ドラムに巻き取られるホースの移動経路上に、該ホースに接して当該ホースの移動を促す方向に回転する回転部材を設けもよい。
【0031】
すなわち、ドラムに巻き取られるホースは、ホースの移動経路上に設けられた回転部材に接する。このとき、この回転部材は、ホースに接して当該ホースの移動を促す方向に回転する。これにより、前記ホースは、前記回転部材によってドラムに案内される。
【0032】
そして、前記ホースの外周面に凹凸を設けてもよい。
【0033】
すなわち、ホース巻取り時において、ホースの外周面は、ドラム内面やフレーム内面などに摺接し摩擦が生じる。しかし、このホースの外周面には、凹凸が設けられていので、摺接箇所への摩擦抵抗が低減される。これにより、前記ドラムへのホースの巻取りが、さらにスムーズに行われ、巻乱れが防止される。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、ホースがドラムの端部に集中して巻き付けられる場合であっても、所定量積層された時点で、上方へ向かうに従って幅寸法が小さくなる案内部によって中心側へ案内することができる。
【0035】
したがって、ホースがドラムの端部に集中して巻き取られるといった巻乱れを防止することができ、ホース巻取り状態での外観品質を高めることができるとともに、巻乱れによって生じ得る重心の偏りを防止することができる。
【0036】
このとき、この傾斜部に当接したホースには、下方へ向けた分力と水平方向への分力とが生じるが、当該傾斜部の傾斜角は、45度以上90度未満に設定されている場合には、水平方向の分力が下方へ向けた分力以上となり、所定量積層されたホースを中央部側へ案内する力を、下方へ押圧する力以上とすることができる。
【0037】
したがって、所定量積層されたホースが上方から押し潰された状態の挟み込みを防止することができる。
【0038】
また、空ドラムへのホースの巻付けを開始した時点において、移動されるホースをガイド部における開口部の下部開口縁に沿って案内することができる。このとき、この下部開口縁は、直線状に形成されていれば、前記ガイド部で案内される前記ホースを、ドラムの全域に渡って分散して巻き取ることができ、巻取り開始時の巻乱れを防止することができる。
【0039】
そして、ホースが所定量ドラムに巻き付けられた際には、ガイド部における開口部の上部開口縁が構成する前記規制部に沿って案内することができる。これにより、前述と同様の効果を得ることができる。
【0040】
さらに、前記ドラムをフレームで支持し、このフレームにバーを設けることによってガイド部を構成することができる。
【0041】
これにより、構成の簡素化を図ることができる。
【0042】
また、前記開口部の開口縁部に、一般部より厚肉の厚肉部が設定されていれば、開口縁部が薄肉に形成された場合と比較して、不用意なホースの折れ曲がりを防止することができ、巻き易さの向上を図ることができる。
【0043】
また、ドラムに巻き取られるホースをガイド部の開口部へ挿通することで、当該ホースを、この開口部の開口縁に摺接させることで、所定位置に案内することができる。
【0044】
したがって、ドラムに巻き取られるホースが案内されない場合と比較して、ホースの巻乱れを防止することができ、巻取り状態での外観品質の向上を図ることができるとともに、巻乱れによって生じ得る重心の偏りを防止することができる。
【0045】
このとき、前記開口部の開口縁部は、その断面形状が開口部の中心へ向けて突出する円弧状に形成されていることにより、摺接するホースとの接触面積を減少することができ、巻取り時に生じる摩擦抵抗を押さえることができる。よって、ホースの巻取りを容易とすることができる。
【0046】
さらに、ドラムに巻き取られるホースを、ホースに接して回転する回転部材によってドラムに案内する構成により、ドラムに巻き取られるホースが案内されない場合と比較して、ホースの巻乱れを防止することができ、巻取り状態での外観品質の向上を図ることができるとともに、巻乱れによって生じ得る重心の偏りを防止することができる。
【0047】
このとき、前記回転部材は、前記ホースの移動を促す方向に回転することにより、この回転部材に接するホースとの摺接抵抗を押さえることができ、ホースの巻取りを容易とすることができる。
【0048】
そして、前記ホースの外周面に凹凸を設けることによって、ホース巻取り時において、ホース外周面と摺接箇所との摩擦抵抗を低減することができる。これにより、ホースと摺接する部位とに大きな摩擦抵抗が生ずる場合と比較して、ドラムへのホースの巻乱れを防止することができる。
【0049】
また、前記ドラムへのホースの巻取りをスムーズに行うことができ、ドラム回動時の操作力を小さくすることができるとともに、巻取り作業を容易とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す斜視図である。
【図2】同実施の形態の側面図である。
【図3】図2のA−A線に沿った断面図である。
【図4】同実施の形態の平面図である。
【図5】図4のB−B線に沿った断面図である。
【図6】同実施の形態の正面図である。
【図7】同実施の形態の底面図である。
【図8】図4のC−C断面に相当する図である。
【図9】同実施の形態の折り畳み状態を示す要部の断面図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態を示す斜視図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態を示す斜視図である。
【図12】同実施の形態のホースを示す要部の断面図である。
【図13】本発明の第4の実施の形態を示す図で、(a)は斜視図であり、(b)は側面図である。
【図14】(a)は本発明の第5の実施の形態を示す図で、(b)は本発明の第6の実施の形態を示す図で、(c)は本発明の第7の実施の形態を示す図である。
【図15】本発明の第8の実施の形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
(第1の実施の形態)
【0052】
以下、本発明の第1の実施の形態を図に従って説明する。図1は、本実施の形態にかかるホースリール1を示す図であり、該ホースリール1は、散水用のホースを巻き取る際に使用されるものである。
【0053】
このホースリール1は、フレームを構成する矩形状の本体ケース11を備えてなり、該本体ケース11は、図2にも示すように、上方に開口した容器状の下部容器12と、下方に開口した容器状の上部容器13とが結合され形成されている。この本体ケース11内には、図3に示すように、ホース14を巻き取る為のドラム15が収容されており、該ドラム15は、ホース挿通穴16を貫通したホース14が巻かれる円筒状の胴部17と、該胴部17の両端部に設けられた鍔部18,18とによって構成されている。
【0054】
前記上部容器13の天面21は、図1及び図4に示すように、矩形状に形成されており、平坦に形成されている。また、当該天面21は、他のホースリールの本体ケース11を積載できる広さに設定されており、積載部を構成している。
【0055】
この天面21には、コ字状に没入した凹部22が形成されており、該凹部22内には、コ字状の取っ手23が配設されている。該取っ手23は、自由端部を構成する握持部24と、該握持部24の両端から延出した延出部25,25とによってコ字状に形成されており、図5に示すように、両延出部25,25の先端に設けられた回動軸26,26を介して、前記上部容器13に回動自在に支持されている。これにより、前記取っ手23を、前記凹部22内に収容した傾倒状態27と起立した起立状態28との間で回動できるように構成されている。
【0056】
この取っ手23の前記延出部25,25は、前記起立状態28において、前記凹部22の上縁部が構成する当接部29に当接して回動が規制されるように構成されており、該当接部29は、前方側に傾斜した傾斜面によって構成されている。この起立状態28において、前記取っ手23が前記傾倒状態27から90度を超えた所定角α、具体的には109度傾斜した状態で回動規制されるように構成されている。これにより、傾倒状態27の取っ手23を起立状態28へ移行する際には、前記取っ手23の自由端部を構成する前記握持部24が前記回動軸26が構成する回動中心上部を通過した後、前記延出部25,25が前記当接部29に当接した状態で前方側に傾斜して停止するように構成されている。
【0057】
前記上部容器13の前面31であって、前記ドラム15に巻き取られるホース14の移動経路上には、図6にも示すように、該ホース14を案内するガイド部32が設けられている。該ガイド部32は、前記ホース14が挿通する開口部としての出入口33を備えてなり、該出入口33の上部開口縁は、前記ホース14の上方への逃げを阻止する上方規制部34を構成している。該上方規制部34は、巻き取られる前記ホース14の移動方向Iと交差する方向に延在しており(図1参照)、当該上方規制部34は、中央部が上方へ向けて突出したアーチ状に形成されている。
【0058】
なお、本実施の形態にあっては、前記前面31に前記出入口33が形成されることにより本発明の案内部が構成されているが、この案内部は、板状部材の下縁に下方へ向けて開口した切り欠き設けて形成しても、山型や台形状に形成されたパイプで構成しても良い。
【0059】
これにより、前記上方規制部34は、当該上方規制部34で形成される下側のホース通路の幅寸法Wが、上方へ向かうに従って小さくなるように設定されている。
【0060】
なお、前記上方規制部34が出入口33の上部開口縁によって形成された場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものでは無く、例えば長尺状の部材をアーチ状に湾曲したもので構成しても良い。
【0061】
また、前記出入口33の下部開口縁が開放されたものであっても良い。
【0062】
この上方規制部34には、図5に示したように、その全域に渡って庇部35が形成されており、該庇部35は、本体ケース11の外側へ向けて突出している。当該上方規制部34において、最も高い部位での高さ位置は、前記本体ケース11に支持された前記ドラム15の鍔部18で最も高い部位より低くなるように設定されており、前記上方規制部34で最も高い部位と前記鍔部18で最も高い部位との間には、ホース巻取り時の余裕代Yが設定されている。
【0063】
前記出入口33の下部開口縁は、図6に示したように、直線状に形成されており、前記ホース14の横方向への移動を自在とする下方規制部36を構成している。これにより、前記出入口33は、円弧部分が上方に位置した半円形状に形成されている。
【0064】
前記出入口33の開口縁部を構成する前記下方規制部36は、図5に示したように、一般部37より厚肉に形成されており、厚肉部38を構成している。この厚肉部38での断面形状は、前記出入口33の中心へ向けて突出する円弧状に形成されており、当該出入口33を移動するホース14が線接触するように構成されている。
【0065】
この上部容器13の左右側面41,42の下端と前記下部容器12の左右側面43,44の上端との接合部分には、図1及び図6に示したように、両者を接合した状態で円形を成す側方に膨出した膨出部45,45が形成されており、両膨出部45,45間には、図3に示したように、前記ドラム15の鍔部18,18から突出した胴部17の端部が回動自在に支持されている。これら膨出部45,45の中央には、円形穴46,46が設けられており、左方に設けられた前記膨出部45の円形穴46には、前記ドラム15を回動する為のクランク状のハンドル47の軸48が挿通している。
【0066】
また、右方に設けられた前記膨出部45の円形穴46には、蛇口側のホースが接続される接続プラグ51が挿通されており、該接続プラグ51には、ドラム15に巻かれたホース14が接続されるパイプ部材52の一端が接続されている。これにより、蛇口からの水道水を、前記接続プラグ51を介して前記パイプ部材52へ供給するとともに、該パイプ部材52を介してドラム15に巻かれた散水側のホース14に供給できるように構成されている。
【0067】
前記下部容器12の底面61には、図7にも示すように、矩形状の底面開口部62が開設されており、本体ケース11は、この底面開口部62を介して外部に連通している。
【0068】
また、前記底面61には、横長の脚固定部材65,65が前面側及び後面側の各縁部に沿ってネジ止めされている。両脚固定部材65,65の両端部には、図8にも示すように、十字状の軸部66,66が互いに対向する方向へ突設されており、対向した軸部66,66には、同形状に形成された脚部67,67が回動自在に支持されている。
【0069】
この脚部67の両端部には、前記軸部66,66に外嵌する円筒部71,71が基端部72に形成されており、この円筒部71には、先端へ向けて延出する上面部73が一体形成されている。前記両脚部67,67は、前記円筒部71,71を中心に回動することによって、図9に示すように、両脚部67,67の先端が前記本体ケース11の下部に配置され両脚部67,67が前記底面開口部62の下部に配置された折り畳み状態74と、図1に示したように、両脚部67,67の先端が本体ケース11より側方へ延出し、かつ前記本体ケース11の底面61に当接して(図8参照)回動が規制された展開状態75とを任意に形成できるように構成されている。
【0070】
これにより、展開状態75において、本体ケース11の起立状態の安定化を図れるように構成されており、前記折り畳み状態74にあっては、底面61に開設された前記底面開口部62を前記脚部67,67によって閉鎖できるように構成されている。
【0071】
前記上面部73は、一方の脚部67を他方の脚部67に先行して折り畳んで図9に示した折り畳み状態74を形成した際に、両脚部67,67の基端部72,72より先端側が重なる長さに形成されており、その裏面には、複数のリブ81,・・・と、その両側縁から延出したフランジ82,82とが一体形成されている。このフランジ82,82及び前記リブ81,・・・の高さ寸法は、図8にも示したように、基端部72から先端へ向かうに従って低くなるように設定されており、各脚部67の厚み寸法は、前記本体ケース11に軸支された基端部72から先端へ向かうに従って薄肉になるように設定されている。
【0072】
さらに、両脚部67,67は、図9に示したように、前記折り畳み状態74にて重なり合う全域での厚み寸法の和が、両脚部67,67で最も厚い基端部72での厚み寸法以下となるように、前記重合部83での厚み寸法が設定されており、前記折り畳み状態74において、両脚部67,67が、前記脚部固定部材65の下面より上方に位置するように構成されている。
【0073】
そして、図5に示したように、前記本体ケース11の下部容器12の内側面91には、二本のリブ92,92が底面61から上部開口部へ向けて延設されており、前記本体ケース11の上部容器13の内側面93にも、二本のリブ94,94が天面21から下部開口部へ向けて延設されている。つまり、これらのリブ92,92,94,94は、前記各容器12,13を樹脂成形する際の型抜き方向に延設されている。
【0074】
各リブ92,92,94,94の高さ寸法Hは、図3に示したように、各内側面91,93から前記ドラム15の鍔部18までの離間距離R以上に設定されており、図5に示したように、各リブ92,92,94,94の長さ寸法は、その先端が前記鍔部18に近接する長さに設定されている。
【0075】
以上の構成にかかる本実施の形態において、ハンドル47でドラム15を回動してホース14を巻き取る際に、ホース14がドラム15の端部、すなわち一方の鍔部18側に集中することがある。しかし、ホース14の移動経路上には、ホース14を案内するガイド部32が設けられており、該ガイド部32に設定された上方規制部34は、中央部が上方へ向けて突出するアーチ状に形成されている。つまり、前記上方規制部34の下部に形成されるホース14の通路の幅寸法Wは、上方へ向かうに従って小さくなるように設定されている。
【0076】
このため、ドラム15の端部に集中して巻き付けられたホース14が所定の高さに達した際に、該ホース14を、上方へ向かうに従って幅寸法Wが小さくなるアーチ状の上方規制部34に沿って中心側へ案内することができる。
【0077】
したがって、ホース14がドラム15の端部に集中して巻き取られるといった巻乱れを防止することができ、ホース巻取り状態での外観品質を高めることができるとともに、重心の偏りを防止することができる。
【0078】
一方、ホース14が巻かれていない空のドラム15へのホース14の巻付けを開始した時点において、このホース14を、前記ガイド部32における出入口33の下部開口縁が構成する下方規制部36に沿って案内することができる。
【0079】
このとき、この下方規制部36は、直線状に形成されており、当該下方規制部36に摺接して案内されるホース14の横方向への移動を自在とし、当該ホース14をドラム15の全域に渡って分散して巻き取ることができる。これにより、巻取り開始時の巻乱れを防止することができる。
【0080】
そして、ホース14が所定量ドラム15に巻き付けられた時点からは、前記ホース14を、ガイド部32における出入口33の上部開口縁が構成する前記上方規制部34に沿って案内することができる。これにより、前述した効果を得ることができる。
【0081】
このように、前記出入口33を挿通する前記ホース14を、この出入口33の開口縁に摺接させることによって、所定位置に案内することができる。したがって、ドラム15に巻き取られるホース14が案内されない場合と比較して、ホース14の巻乱れを防止することができ、巻取り状態での外観品質の向上を図ることができるとともに、巻乱れによって生じ得る重心の偏りを防止することができる。
【0082】
このとき、前記出入口33の開口縁部を構成する下方規制部36は、一般部37より厚肉の厚肉部38が設定されている。このため、開口縁部が薄肉に形成された場合と比較して、不用意なホース14の折れ曲がりを防止することができ、巻き易さの向上を図ることができる。
【0083】
さらに、前記下方規制部36の前記厚肉部38は、その断面形状が出入口33の中心へ向けて突出する円弧状に形成されている。このため、摺接するホース14との接触面積を減少することができ、巻取り時に生じる摩擦抵抗を押さえることができる。よって、ホース14の巻取りを容易とすることができる。
【0084】
(第2の実施の形態)
【0085】
図10は、第2の実施の形態を示す図であり、前述した実施の形態と同一又は同等の部分については、同符号を付して説明を割愛する。
【0086】
すなわち、直線状に形成された出入口33の下部開口縁には、円柱状の回転部材としてのコロ101が設けられている。このコロ101は、両端から延出した軸部102が、庇部35の両下端に挿入された状態で回動自在に支持されており、出入口33を挿通して移動するホース14に接した際に、当該ホース14の移動を促す方向に回転するように構成されている。
【0087】
これにより、ドラム15に巻き取られるホース14は、ホース14の移動経路上に設けられたコロ101に接する。このとき、このコロ101は、ホース14に接して当該ホース14の移動を促す方向に回転する。これにより、前記ホース14を、前記コロ101によってドラム15に案内することができる。
【0088】
したがって、ドラム15に巻き取られるホース14が案内されない場合と比較して、ホース14の巻乱れを防止することができ、巻取り状態での外観品質の向上を図ることができるとともに、巻乱れによって生じ得る重心の偏りを防止することができる。
【0089】
このとき、前記コロ101は、前記ホース14の移動を促す方向に回転する。このため、このコロ101に接するホース14との摺接抵抗を押さえることができ、ホース14の巻取りを容易とすることができる。
【0090】
なお、本実施の形態では、出入口33の下部開口縁に、コロ101を設けた場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものでは無く、ローラ等の他の回転部材を設けても、前述と同様の効果を得ることができる。
【0091】
(第3の実施の形態)
【0092】
以下、本発明の第3の実施の形態を図に従って説明する。図11は、本実施の形態にかかるホースリール201を示す図であり、該ホースリール201は、散水用のホース202を巻き取る際に使用されるものである。
【0093】
このホースリール201のフレーム212は、円板状の側部213と、両側部213間に設けられた脚部214,214とを備えてなり、前記両側部213間には、ホース202を巻き取る為のドラム215が回動自在に支持されている。前記両側部213には、パイプ材がコ字状に形成されてなる取っ手216の基端が固定されており、この取っ手216によって当該ホースリール201を持ち運びできるように構成されている。
【0094】
また、前記両側部213には、前記ドラム215に巻き取られるホース202を案内するガイド部としてのガイドバー221の端部が固定されており、該ガイドバー221は、パイプ材がU字状に形成されてなる。このガイドバー221と前記取っ手216とは、連設バー222で連設されており、前記取っ手216に対する前記ガイドバー221の傾斜角が維持されている。
【0095】
このガイドバー221の先端部は、前記ドラム215に巻き取られるホース202の移動経路上に設けられ、巻き取られるホース202の移動方向と交差する方向に延在して、前記ホース202の逃げを阻止する規制部231を構成している。そして、この規制部231は、中央部が突出するアーチ状に形成されている。
【0096】
前記ドラム215は、ホース202が巻かれる円筒状の胴部241と、該胴部241の両端部に設けられた鍔部242とによって構成されており、その端部が前記フレーム212の両側部213間に挟まれた状態で回動自在に支持されている。
【0097】
一方、前記ホース202は、図12に示すように、内側に設けられた内環状部材251と、該内環状部材251の外側に設けられた外環状部材252とによって構成されており、前記内環状部材251の外周面には、糸が斜めに交差して編まれた網状部253と、長さ方向に延在する縦糸254,・・・とからなるブレード255が設けられている。前記網状部253は、互いに交差する第1の斜め糸256,・・・と、第2の斜め糸257,・・・とによって構成されている。
【0098】
前記外環状部材252の外周面261には、長さ方向に延在する凸条262,・・・と凹溝263,・・・とが交互に形成されており、長さ方向に延在する筋状の凹凸が形成されている。
【0099】
なお、前記外周面261への凹凸の形成方法は、これに限定されるものでは無く、例えば点状の凸部を設けて構成しても良い。
【0100】
また、このホース202は、前述及び後述する総ての実施の形態で使用されているものとする。
【0101】
以上の構成にかかる本実施の形態において、ハンドル47でドラム212を回動してホース202を巻き取る際に、ホース202がドラム215の端部、すなわち一方の鍔部242側に集中することがある。しかし、ホース202の移動経路上には、ホース202を案内するガイドバー221が設けられており、該ガイドバー221に設けられた規制部231は、中央部が上方へ向けて突出するアーチ状に形成されている。
【0102】
このため、ドラム215の端部に集中して巻き付けられたホース202が所定の高さに達した際に、該ホース202を、アーチ状の規制部231に沿って中心側へ案内することができる。
【0103】
したがって、ホース202がドラム215の端部に集中して巻き取られるといった巻乱れを防止することができ、ホース巻取り状態での外観品質を高めることができるとともに、重心の偏りを防止することができる。
【0104】
そして、ホース巻取り時において、前記ホース202の外周面261は、ドラム215内面やフレーム212内面などに摺接し摩擦が生じ得る。しかし、このホース202の外周面261には、長さ方向に延在する凸条262,・・・と凹溝263,・・・とによって筋状の凹凸が形成されており、摺接箇所への摩擦抵抗を低減することができる。
【0105】
これにより、ホース202と摺接する部位とに大きな摩擦抵抗が生ずる場合と比較して、ドラム215へのホース202の巻乱れを防止することができる。
【0106】
また、前記ドラム215へのホース202の巻取りをスムーズに行うことができ、ドラム215回動時の操作力を小さくすることができるとともに、巻取り作業を容易とすることができる。
【0107】
なお、本実施の形態にあっては、フレーム212の側部213間に架橋したガイドバー221を、U字状に形成されたパイプ材によって構成した場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものでは無く、例えば線材やワイヤやパイプやプラスチックで形成してドラム215に巻き取られるホース202を案内するガイド部を構成しても良い。
【0108】
また、本実施の形態にあっては、ガイドバー221と取っ手216とを連設バー222で連設した場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものでは無く、前記連設バー222は無くても良い。
【0109】
(第4の実施の形態)
【0110】
図13は、第4の実施の形態を示す図であり、第3の実施の形態と同一又は同等の部分については、同符号を付して説明を割愛する。
【0111】
すなわち、このホースリール301も、ドラム215が露出するタイプであり、当該ホースリール301のフレーム212は、一本のパイプ材が屈曲されて形成されてなる。該フレーム212の下部には、コ字所の脚部214が形成されており、脚部214の両端部からは、起立部302,302が起立されている。各起立部302,302からは、前記脚部214上に折り返された折返し部303,303が形成されており、各折返し部303,303の中間部には、ドラム215を回動自在に支持する支持部304,304が設けられている。
【0112】
前記両折返し部303,303の先端部は、ガイド部311によって連設されており、該ガイド部311には、前記ドラム215に巻き取られるホースの移動経路上に設けられ、巻き取られるホースの移動方向と交差する方向に延在して、前記ホースの逃げを阻止する規制部231が設定されている。そして、この規制部231は、中央部が突出するアーチ状に形成されている。
【0113】
本実施の形態においても、第3の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0114】
加えて、フレーム212を一本のパイプ材で構成することができるので、構成の簡素化及び低コスト化を図ることができる。
【0115】
なお、第3及び第4の実施の形態にあっては、規制部231がU字状に形成された場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものでは無い。
【0116】
(第5の実施の形態)
【0117】
すなわち、図14の(a)に示すように、前記両折返し部303,303の先端部より上方へ向けて直線状に延出する縦部401,401と、各縦部401,401上端より内側へ向けて傾斜して延出する直線状の傾斜部402,402と、両傾斜部402,402を連設する直線状の連設部403とで形成しても良い。
【0118】
(第6の実施の形態)
【0119】
また、図14の(b)に示すように、前記両縦部401,401の基端を、直線状の横設部411で連設して下部の規制部を形成しても良い。
【0120】
(第7の実施の形態)
【0121】
さらに、図14の(c)に示すように、前記縦部401,401を廃止して前記傾斜部402,402を前記折返し部303,303に直接連設し、台形状の規制部231を構成しても良い。
【0122】
(第8の実施の形態)
【0123】
図15は、第8の実施の形態を示す図であり、前述した第1の実施の形態と同一又は同等の部分については、同符号を付して説明を割愛する。
【0124】
すなわち、本体ケース11を構成する上部容器13の前面31であって、ドラム15に巻き取られるホース14の移動経路上には、該ホース14を案内するガイド部32が設定されている。該ガイド部32は、前記ホース14が挿通する開口部としての出入口33を備えてなり、該出入口33の上側の開口縁は、前記ホース14の上方への逃げを阻止する上方規制部34を構成している。該上方規制部34は、巻き取られる前記ホース14の移動方向Iと交差する方向に延在しており(図1参照)、当該上方規制部34は、中央部が上方へ向けて突出した台形状に形成されている。
【0125】
この上方規制部34は、前記出入口33の下縁が構成する下方規制部36の両端に連設し、上方へ向かうに従って出入口33の中央部側へ傾斜した傾斜部501,501と、両傾斜部501の上端を連設する水平部502とによって構成されており、水平方向に延在する前記下方規制部36と前記各傾斜部501,501との傾斜角βは、45度以上90度未満の範囲内に設定されている。
【0126】
以上の構成において、ドラム15を回動してホース14を巻き取る際には、ホース14がドラム15の端部に集中することがある。しかし、ホース14の移動経路上には、ホース14を案内するガイド部32が設けられており、該ガイド部32に設定された上方規制部34には、上方へ向かうに従って中央部側へ傾斜した傾斜部501,501が設定されている。
【0127】
このため、ドラム15の端部に集中して巻き付けられたホース14は、所定量積層された時点で、前記傾斜部501,501によって出入口33中心側へ案内することができる。
【0128】
したがって、ホース14がドラム15の端部に集中して巻き取られるといった巻乱れを防止することができ、ホース巻取り状態での外観品質を高めることができるとともに、巻乱れによって生じ得る重心の偏りを防止することができる。
【0129】
このとき、この傾斜部501,501に当接したホース14には、下方へ向けた垂直分力F1と水平方向への水平分力F2とが生じるが、当該傾斜部501の傾斜角βは、45度以上90度未満に設定されている。このため、水平分力F2が、垂直分力F1以上となり、所定量積層されたホース14を中央部側へ案内する力を、ホース14を下方へ押圧する力以上とすることができる。
【0130】
このため、所定量積層されたホース14が上方から押し潰された状態の挟み込みを防止することができる。
【符号の説明】
【0131】
1 ホースリール
14 ホース
15 ドラム
32 ガイド部
33 出入口(開口部)
34 上方規制部
36 下方規制部
37 一般部
38 厚肉部
101 コロ(回転部材)
201 ホースリール
202 ホース
212 フレーム
215 ドラム
221 ガイドバー
231 規制部
261 外周面
301 ホースリール
311 ガイド部
I 移動方向
W 幅寸法

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドラムを回動してホースを巻き取るホースリールにおいて、
前記ドラムに巻き取られるホースの移動経路上に、該ホースを案内する案内部を設け、該案内部の幅寸法を上方へ向かうに従って小さくなるように設定したことを特徴とするホースリール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−100438(P2010−100438A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−26076(P2010−26076)
【出願日】平成22年2月9日(2010.2.9)
【分割の表示】特願2003−293376(P2003−293376)の分割
【原出願日】平成15年8月14日(2003.8.14)
【出願人】(391001457)アイリスオーヤマ株式会社 (146)
【Fターム(参考)】