説明

ボイラ

【課題】 温度センサを適切な位置に設けることで、水管内面へのスケールの付着量を正確に把握する。
【解決手段】 上部管寄せ3と下部管寄せ4との間を接続する複数の水管5,6により、内側水管列7と外側水管列8とが構成される。内側水管列7の下端部を残して、隣接する内側水管5,5間の隙間は、内側縦ヒレ9にて閉塞される。外側水管列8の上端部を残して、隣接する外側水管6,6間の隙間は、外側縦ヒレ11にて閉塞される。各外側水管6の上下方向中途部から上方への設定領域であって、外側水管列8の内周面を構成する面には、上方外側横ヒレ17が上下に複数設けられる。前記設定領域の下端部と対応した位置において、外側水管6に温度センサ29を設ける。この温度センサ29の検出温度により、スケールの付着状況を把握する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、蒸気ボイラ、温水ボイラ、廃熱ボイラおよび排ガスボイラを含む各種ボイラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
多管式のボイラとして、下記特許文献1に開示されるものが知られている。この種のボイラは、環状に形成した上部管寄せと下部管寄せとの間に、多数の水管が同心円筒状に配列されて構成される缶体を備える。このような缶体では、内側水管列よりも内側が燃焼室とされ、それよりも外側が燃焼ガス流路とされる。
【0003】
従って、缶体上部に設置したバーナから燃焼室内へ向けて燃料の燃焼を行うと、燃焼ガスは燃焼室の下部で反転して、内側水管列と外側水管列との間を通って、排ガスとして缶体上部から煙道へ排出される。この間、燃焼ガスは、各水管内の水と熱交換し、各水管内の水の加熱が図られる。
【0004】
このようなボイラにおいて、水管内のスケールの付着状況を確認したい場合、下記特許文献2に開示されるように、水管の温度を計測することが行われる。
【特許文献1】特開平2−75805号公報 (第2図、第3図)
【特許文献2】特開平11−201406号公報 (段落番号[0003]、[0009]、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、スケールの付着量を監視するための温度センサは、従来、確立された取付位置が存在しない。前記特許文献2に開示される発明も、スケール付着と煤付着とを区別するための取付位置である。そのため、各水管内の水の沸騰状況、各水管の熱負荷、各水管に設けられる横ヒレとの関係などを考慮して、スケールの付着量を監視するための温度センサを最適な位置に設けるものではない。
【0006】
この発明が解決しようとする課題は、各水管内の水の沸騰状況、各水管の熱負荷、または各水管に設けられる横ヒレとの関係などを考慮して、温度センサを設けることで、水管内面へのスケールの付着量を正確に把握することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、上部管寄せと下部管寄せとの間を接続する複数の水管のいずれかに設けられ、その水管内の水の沸騰開始部、またはその水管の高熱負荷部に設けられる温度センサを備えることを特徴とするボイラである。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、水管内の水の沸騰開始部、または水管の高熱負荷部に、温度センサが設けられる。発明者は、鋭意研究の結果、これらの箇所で水が濃縮し易く、スケールが析出して付着し易いことを突き止めた。従って、これらの箇所の温度を計測することで、水管内面へのスケールの付着量を正確に把握することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、前記水管が同心円筒状に配列されて、内側水管列と外側水管列とが構成され、前記内側水管列の内側は、燃焼室とされるか、排ガスの導入空間とされ、燃焼ガスまたは排ガスが前記内側水管列の内側から、前記内側水管列と前記外側水管列との間を介して、前記外側水管列の外側へ導出されるように、ガス流路が規定され、前記内側水管列および/または前記外側水管列には、前記ガス流路の中途から下流部にのみ横ヒレ(上方内側横ヒレおよび/または上方外側横ヒレ)が設けられるか、前記ガス流路の中途から下流部の横ヒレ(上方内側横ヒレおよび/または上方外側横ヒレ)が、それより上流部の横ヒレ(下方内側横ヒレおよび/または下方外側横ヒレ)よりも前記水管からの延出長さが長くなるよう設けられ、前記ガス流路の内、前記横ヒレが付けられ始める位置か、前記横ヒレの延出長さが長くなる位置において、前記水管に前記温度センサが設けられることを特徴とする請求項1に記載のボイラである。
【0010】
横ヒレが付けられ始める位置や、横ヒレの延出長さが長くなる位置は、受熱量が急激に上昇するため、水が濃縮し易く、スケールが析出して付着し易い。従って、請求項2に記載の発明によれば、この箇所に温度センサを設けることで、水管内面へのスケールの付着量を正確に把握することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、前記外側水管列を構成する外側水管の内、受熱量の多い水管に、前記温度センサが設けられることを特徴とする請求項2に記載のボイラである。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、外側水管の内、受熱量の多い水管に、温度センサが設けられる。高熱負荷水管の高熱負荷部に温度センサを設けて、その箇所の温度を計測することで、水管内面へのスケールの付着量をより確実で迅速に把握することができる。しかも、外側水管に温度センサを設けるので、温度センサの設置やメンテナンスも容易である。
【0013】
請求項4に記載の発明は、上部管寄せと下部管寄せとの間に円筒状に配列されて内側水管列を構成する複数の内側水管と、前記内側水管列を取り囲むように、前記上部管寄せと前記下部管寄せとの間に円筒状に配列されて外側水管列を構成する複数の外側水管と、前記内側水管列の下端部を残して、隣接する前記内側水管間の隙間を閉塞するよう設けられる複数の内側縦ヒレと、前記外側水管列の上端部を残して、隣接する前記外側水管間の隙間を閉塞するよう設けられる複数の外側縦ヒレと、前記各外側水管の上下方向中途部から上方への設定領域であって、前記外側水管列の内周面を構成する面に設けられる外側横ヒレ(上方外側横ヒレ)と、前記設定領域の下端部と対応した位置において、前記外側水管、前記外側縦ヒレまたは前記外側横ヒレに設けられる温度センサとを備えることを特徴とするボイラである。
【0014】
外側横ヒレ(上方外側横ヒレ)が付けられ始める位置は、受熱量が急激に上昇するため、水が濃縮し易く、スケールが析出して付着し易い。従って、請求項4に記載の発明によれば、この箇所に温度センサを設けることで、水管内面へのスケールの付着量を正確に把握することができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、上部管寄せと下部管寄せとの間に円筒状に配列されて内側水管列を構成する複数の内側水管と、前記内側水管列を取り囲むように、前記上部管寄せと前記下部管寄せとの間に円筒状に配列されて外側水管列を構成する複数の外側水管と、前記内側水管列の周方向一部を残して、隣接する前記内側水管間の隙間を閉塞するよう設けられる複数の内側縦ヒレと、前記外側水管列の周方向他部を残して、隣接する前記外側水管間の隙間を閉塞するよう設けられる複数の外側縦ヒレと、前記外側水管列の周方向中途部から周方向他部への設定領域であって、前記外側水管列の内周面を構成する面に設けられる外側横ヒレと、前記設定領域の内、周方向一部の側と対応した位置において、前記外側水管、前記外側縦ヒレまたは前記外側横ヒレに設けられる温度センサとを備えることを特徴とするボイラである。
【0016】
横ヒレが付けられ始める位置は、受熱量が急激に上昇するため、水が濃縮し易く、スケールが析出して付着し易い。従って、請求項5に記載の発明によれば、この箇所に温度センサを設けることで、水管内面へのスケールの付着量を正確に把握することができる。
【0017】
さらに、請求項6に記載の発明は、前記温度センサは、それが設けられる前記外側水管内の水の沸騰開始部と対応した高さに設けられることを特徴とする請求項5に記載のボイラである。
【0018】
水管内の水の沸騰開始部は、水が濃縮し易く、スケールが析出して付着し易い。従って、請求項6に記載の発明によれば、横ヒレが付けられ始める周方向位置で、且つ水の沸騰開始部付近となる上下方向位置に、温度センサを設けることで、水管内面へのスケールの付着量をさらに正確に把握することができる。
【発明の効果】
【0019】
この発明のボイラによれば、各水管内の水の沸騰状況、各水管の熱負荷、または各水管に設けられる横ヒレとの関係などを考慮して、温度センサを設けることで、水管内面へのスケールの付着量を正確に把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
つぎに、この発明の実施の形態について説明する。
この発明のボイラは、その種類を特に問わないが、たとえば、蒸気ボイラ、温水ボイラ、廃熱ボイラまたは排ガスボイラである。いずれの場合も、ボイラは、多管式ボイラとされ、典型的には多管式貫流ボイラとされる。
【0021】
ボイラは、上部管寄せと下部管寄せとの間を複数の水管で接続して構成される缶体を備える。上部管寄せと下部管寄せとは、上下に離隔して平行に配置され、典型的には中空の円環状とされる。各水管は、垂直に配置され、上部管寄せと下部管寄せとの間を接続する。すなわち、各水管は、上端部が上部管寄せに接続される一方、下端部が下部管寄せに接続される。
【0022】
通常、各水管は、上部管寄せと下部管寄せとの間に、それらの周方向へ沿って配列されることで、円筒状の水管列を構成する。この際、水管列は、同心円筒状に配列される内側水管列と外側水管列との二列とされる。但し、場合により、内側水管列と外側水管列とに加えて、他の水管または水管列を設けてもよい。内側水管列を構成する水管を内側水管といい、外側水管列を構成する水管を外側水管という。内側水管列と外側水管列とを備える缶体として、次に述べる順流缶体とω(オメガ)フロー缶体とを挙げることができる。
【0023】
まず、順流缶体の場合、円筒状に配列された内側水管は、内側水管列の下端部を残して、隣接する内側水管間の隙間が内側縦ヒレで閉塞される。これにより、内側水管列の下端部には、内側縦ヒレが設けられないことで、内側水管間に隙間が形成される。この隙間を内列連通部という。一方、円筒状に配列された外側水管は、外側水管列の上端部を残して、隣接する外側水管間の隙間が外側縦ヒレで閉塞される。これにより、外側水管列の上端部には、外側縦ヒレが設けられないことで、外側水管間に隙間が形成される。この隙間を外列連通部という。
【0024】
このような構成の順流缶体には、伝熱面積を増加させるために、内側水管列の外周面、および/または、外側水管列の内周面に、各水管から外方へ延出して横ヒレなどを設けることができる。たとえば、各内側水管の上下方向設定領域には、内側水管列の外周面を構成する面に、内側横ヒレを上下に離隔して複数設けることができる。また、各外側水管の上下方向設定領域には、外側水管列の内周面を構成する面に、外側横ヒレを上下に離隔して複数設けることができる。
【0025】
一方、ωフロー缶体の場合、円筒状に配列された内側水管は、内側水管列の周方向一部を残して、隣接する内側水管間の隙間が内側縦ヒレで閉塞される。これにより、内側水管列の周方向一部には、内側縦ヒレが設けられないことで、内側水管間に隙間が形成される。この隙間を内列連通部という。各内側水管を周方向等間隔に配列して内側水管列を構成する場合、内側水管列の周方向一部において、一または複数の内側水管の設置をも省略して、内列連通部を形成してもよい。一方、円筒状に配列された外側水管は、外側水管列の周方向他部(前記周方向一部と略対向する部分)を残して、隣接する外側水管間の隙間が外側縦ヒレで閉塞される。これにより、外側水管列の周方向他部には、外側縦ヒレが設けられないことで、外側水管間に隙間が形成される。この隙間を外列連通部という。各外側水管を周方向等間隔に配列して外側水管列を構成する場合、外側水管列の周方向他部において、一または複数の外側水管の設置をも省略して、外列連通部を形成してもよい。
【0026】
このような構成のωフロー缶体には、伝熱面積を増加させるために、内側水管列の外周面、および/または、外側水管列の内周面に、各水管から外方へ延出して横ヒレなどを設けることができる。たとえば、内側水管列の周方向中途部(前記周方向一部から前記周方向他部へ至るまでの中途部)から周方向他部への設定領域には、内側水管列の外周面を構成する面に、内側横ヒレを上下に離隔して各内側水管に複数設けることができる。また、外側水管列の周方向中途部から周方向他部への設定領域には、外側水管列の内周面を構成する面に、外側横ヒレを上下に離隔して各外側水管に複数設けることができる。
【0027】
いずれの缶体の場合も、その上端部にはバーナが設けられ、下端部は耐火材で閉塞される。これにより、内側水管列よりも内側は燃焼室とされ、この燃焼室内へ向けてバーナから燃料の燃焼が可能とされる。但し、廃熱ボイラや排ガスボイラとする場合には、缶体は、上下方向一方が閉塞され、上下方向他方の開口部から排ガスが導入される。つまり、この場合には、内側水管列よりも内側は、排ガスの導入空間とされる。
【0028】
このような構成であるから、順流缶体の場合には、燃焼ガスまたは排ガスは、内側水管列の下端部の内列連通部を介して、内側水管列と外側水管列との隙間へ導入され、外側水管列の上端部の外列連通部から放射状に導出される。一方、ωフロー缶体の場合には、燃焼ガスまたは排ガスは、内側水管列の周方向一部の内列連通部を介して、内側水管列と外側水管列との隙間へ導入され、外側水管列の周方向他部から導出される。
【0029】
いずれの缶体の場合も、外側水管列の外周部には、円筒状の缶体カバーが設けられ、この缶体カバーを介して、排ガスは煙道へ導出される。缶体カバーは、外側水管列の外列連通部からの排ガスを受け入れて煙道へ導くものであればその構成を問わないが、典型的には、外側水管列を取り囲むように、上部管寄せと下部管寄せとの間に設けられる円筒状の部材である。この際、缶体カバーは、上端部において、上部管寄せとの隙間が封止され、下端部において、下部管寄せとの隙間が封止される。そして、缶体カバーの周側壁の上部には、煙道が接続される。この際、缶体カバーの一部を径方向外側へ膨出しておき、この膨出部を介して排ガスを煙道へと導く構成としてもよい。
【0030】
缶体には、水管内面へのスケール(水中の硬度分が析出したもの)の付着状況を監視するために、温度センサが取り付けられる。この温度センサを用いて水管の温度を監視することで、スケールの付着状況を把握することができる。温度センサとしては、サーミスタなどでもよいが、熱電対が好適に用いられる。
【0031】
発明者は、鋭意研究の結果、水管内の水の沸騰開始部、または水管の高熱負荷部において、水管壁近傍の水が濃縮し易く、スケールが析出して水管に付着し易いことを突き止めた。従って、これらの箇所に温度センサを設けて、その箇所の温度に基づきスケール付着状況を監視するのが、スケール付着状況の迅速な把握に有効である。この際、水管ごとに熱負荷が異なる場合には、受熱量が多い水管に設けるのがよい。より好ましくは、最も受熱量の多い最大熱負荷水管において、その水管内の水の沸騰開始部、またはその水管の最大熱負荷部(横ヒレなどの拡大伝熱面の付き始めや、水管からの横ヒレの延出長さが長くなる位置などで受熱量が急激に上昇する箇所)に設けるのがよい。
【0032】
順流缶体において、内側水管および/または外側水管の上下方向中途部から上方への設定領域に横ヒレを設けるか、その設定領域で横ヒレの延出長さを長くする場合、横ヒレが設けられた水管は、その軸方向で熱負荷が異なることになる。この場合、横ヒレが設けられた水管には、その水管内の水の沸騰開始部、または前記設定領域の下端部と対応した位置に温度センサが設けられる。
【0033】
ωフロー缶体において、内側水管および/または外側水管の周方向中途部から周方向他部への設定領域に横ヒレを設ける場合、横ヒレの有無などにより、水管同士で熱負荷が異なることになる。この場合、前記設定領域の内、周方向一部の側と対応した位置において、横ヒレが付けられ始める水管が最大熱負荷水管となるので、その最大熱負荷水管に温度センサが設けられる。この際、温度センサは、それが設けられる水管内の水の沸騰開始部に設けるのがよい。
【0034】
いずれの場合も、内側水管と外側水管との内、外側水管に温度センサを設けると、温度センサの設置やメンテナンスが容易となる。その際、温度センサは、外側水管自体ではなく、場合により外側縦ヒレや外側横ヒレに設けてもよい。この場合も、外側縦ヒレまたは外側横ヒレに設けられた温度センサは、間接的に外側水管の温度を検出することになる。
【実施例1】
【0035】
以下、この発明の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明のボイラの実施例1を示す概略縦断面図である。また、図2は、そのII−II断面図である。本実施例のボイラ1は、円筒状の缶体2を備えた多管式貫流ボイラである。本実施例の缶体2は、いわゆる順流缶体として構成される。具体的には、缶体2は、上部管寄せ3と下部管寄せ4との間を、円筒状に配列された多数の水管5,5,…、6,6,…で接続して構成される。
【0036】
上部管寄せ3と下部管寄せ4とは、上下に離隔して平行に配置され、それぞれ中空の円環状とされている。また、上部管寄せ3と下部管寄せ4とは、それぞれ水平に配置されると共に、同一軸線上に配置される。
【0037】
各水管5,6は、垂直に配置され、上端部が上部管寄せ3に接続される一方、下端部が下部管寄せ4に接続される。各水管5,6は、上部管寄せ3と下部管寄せ4との周方向へ順次に配列されることで、円筒状の水管列を構成する。本実施例では、内側水管列7と外側水管列8とが同心円筒状に配列される。内側水管列7は、円筒状に配列された内側水管5,5,…にて構成される。一方、外側水管列8は、内側水管列7を取り囲むように、円筒状に配列された外側水管6,6,…にて構成される。
【0038】
内側水管列7には、下端部の設定領域を残して、隣接する内側水管5,5間の隙間を閉塞するように、内側縦ヒレ9が設けられる。つまり、内側水管5,5間の隙間は、下端部の設定領域を残して、内側縦ヒレ9にて閉塞される。内側水管列7は、内側縦ヒレ9が設けられない下端部において、隣接する内側水管5,5間に隙間が空けられる。この隙間から構成される内列連通部10を介して、内側水管列7の内側と外側とは連通される。
【0039】
外側水管列8には、上端部の設定領域を残して、隣接する外側水管6,6間の隙間を閉塞するように、外側縦ヒレ11が設けられる。つまり、外側水管6,6間の隙間は、上端部の設定領域を残して、外側縦ヒレ11にて閉塞される。外側水管列8は、外側縦ヒレ11が設けられない上端部において、隣接する外側水管6,6間に隙間が空けられる。この隙間から構成される外列連通部12を介して、外側水管列8の内側と外側とは連通される。
【0040】
ところで、図示例では、各内側水管5の下端部は、それより上部よりも小径部13に形成されている。これは、内列連通部10を通過する燃焼ガスの流量を所望に確保するためである。従って、内列連通部10を通過する燃焼ガスの流量を所望に確保できる場合には、小径部13はなくてもよい。内列連通部10の大きさは、隣接する内側水管5,5間の隙間と、内側縦ヒレ9の下端部の高さ位置にも左右されるため、小径部13を設ける代わりに、これら寸法を調整してもよい。一方、図示例では、各外側水管6の上端部には、小径部は形成されていないが、各内側水管5と同様に小径部を形成してもよい。
【0041】
図3は、図1におけるIII−III断面の部分拡大図である。また、図4は、図1におけるIV−IV断面の部分拡大図である。図1から図4に示すように、各内側水管5には、所望により、その外周面から突出する拡大伝熱面をさらに設けてもよい。図示例では、各内側水管5には、内側水管列7の外周面を構成する面に、内側横ヒレ14,15が設けられる。この際、各内側水管5には、上方領域に上方内側横ヒレ14が設けられ、下方領域に下方内側横ヒレ15が設けられる。
【0042】
具体的には、各内側水管5の上半分の領域には、内側水管列7の外周面を構成する面に、内側水管5の径方向外側へツバ状に延出して、複数の上方内側横ヒレ14が設けられる。図示例では、上下に等間隔に多数の上方内側横ヒレ14が設けられる。そして、各上方内側横ヒレ14には、所望により、図3に示すように、熱応力を緩和する切欠き16が先端部に形成される。一方、各内側水管5の下半分で小径部13を除いた領域には、内側水管列7の外周面を構成する面に、内側水管5の径方向外側へツバ状に延出して、複数の下方内側横ヒレ15が設けられる。図示例では、上下に等間隔に多数の下方内側横ヒレ15が設けられる。各上方内側横ヒレ14と同様に、各下方内側横ヒレ15にも、所望により、熱応力を緩和する切欠き(図示省略)を先端部に形成してもよい。上方内側横ヒレ14や下方内側横ヒレ15は、内側水管5の外周面からの延出長さを特に問わない。但し、下方内側横ヒレ15は、その過熱を防止するために、上方内側横ヒレ14よりも、内側水管5の外周面からの延出長さが短く形成されるのが好ましい。典型的には、下方内側横ヒレ15は、上方内側横ヒレ14の半分以上の長さに形成されるが、上方内側横ヒレ14よりも短く形成される。
【0043】
また、同様に、各外側水管6には、所望により、その外周面から突出する拡大伝熱面をさらに設けてもよい。図示例では、各外側水管6には、外側水管列8の内周面を構成する面に、外側横ヒレ17,18が設けられる。この際、各外側水管6には、上方領域に上方外側横ヒレ17が設けられ、下方領域に下方外側横ヒレ18が設けられる。
【0044】
具体的には、各外側水管6の上半分の領域には、外側水管列8の内周面を構成する面に、外側水管6の径方向外側へツバ状に延出して、複数の上方外側横ヒレ17が設けられる。図示例では、上下に等間隔に多数の上方外側横ヒレ17が設けられる。そして、各上方外側横ヒレ17には、所望により、図3に示すように、熱応力を緩和する切欠き19が先端部に形成される。一方、各外側水管6の下半分の領域には、外側水管列8の内周面を構成する面に、外側水管6の径方向外側へツバ状に延出して、複数の下方外側横ヒレ18が設けられる。図示例では、上下に等間隔に多数の下方外側横ヒレ18が設けられる。各上方外側横ヒレ17と同様に、各下方外側横ヒレ18にも、所望により、熱応力を緩和する切欠き(図示省略)を先端部に形成してもよい。上方外側横ヒレ17や下方外側横ヒレ18は、外側水管6の外周面からの延出長さを特に問わない。但し、下方外側横ヒレ18は、その過熱を防止するために、上方外側横ヒレ17よりも、外側水管6の外周面からの延出長さが短く形成されるのが好ましい。典型的には、下方外側横ヒレ18は、上方外側横ヒレ17の半分以上の長さに形成されるが、上方外側横ヒレ17よりも短く形成される。
【0045】
ところで、内側水管5と外側水管6とは、缶体2の周方向へ行くに従って互い違いに配置される。そして、内側横ヒレ14,15および外側横ヒレ17,18は、缶体2の平面視において重ならないように大きさ、形状および配置が調整されている。また、上方内側横ヒレ14と上方外側横ヒレ17の他、下方内側横ヒレ15と下方外側横ヒレ18とは、いずれも水平状態に設置してもよいが、缶体2の周方方向一方へ行くに従って上方へ傾斜して設けるのがよい。本実施例では、内側横ヒレ14,15および外側横ヒレ17,18は、各水管5,6の軸方向(垂直方向)に対し同一の設定角度だけ傾斜して設けられる。この傾斜角度は、たとえば80度に設定される。このようにして、各横ヒレ14,15,17,18を水平状態から傾斜させる場合には、内側水管列7と外側水管列8との間の燃焼ガス流路27を上方へ流れる燃焼ガスを攪拌させて、燃焼ガスから各水管5,6への伝熱性を高めることができる。但し、横ヒレ14,15,17,18の設置の有無、設置領域および設置位置、設置個数、形状や大きさなどは適宜に変更可能である。
【0046】
上部管寄せ3と下部管寄せ4との間にはさらに、外側水管列8を取り囲むように、円筒状の缶体カバー20が設けられる。缶体カバー20は、上端部において、上部管寄せ3との隙間が封止され、下端部において、下部管寄せ4との隙間が封止される。缶体カバー20の周側壁上部には、周方向の所望箇所に煙道21が接続される。図示例では、缶体カバー20の上端部は、大径部22に形成されており、この大径部22の周側壁に煙道21が接続される。
【0047】
上部管寄せ3の下面および下部管寄せ4の上面には、各管寄せ3,4と各水管5,6との接続部を覆うように、耐火材23が設けられる。この際、下部管寄せ4側の耐火材23は、下部管寄せ4の中央部をも閉塞するように設けられる。下部管寄せ4側の耐火材23の中央部には、円柱状または円錐台状の凹部24が形成される。
【0048】
上部管寄せ3の中央部には、下方へ向けてバーナ25が設けられる。このバーナ25には、燃料が供給されると共に、燃焼用空気が供給される。バーナ25を作動させることで、缶体2内において燃料の燃焼が行われる。この際、内側水管列7の内側は、燃焼室26として機能する。
【0049】
燃焼室26での燃料の燃焼による燃焼ガスは、内列連通部10を介して、内側水管列7と外側水管列8との間の燃焼ガス流路27へ導出される。そして、その燃焼ガスは、外列連通部12を介して、外側水管列8の上部から放射状に導出され、缶体カバー20に受け入れられる。その後、排ガスとして、缶体カバー20に接続された煙道21を介して、外部へ排出される。この間、燃焼ガスは、各水管5,6内の水と熱交換し、各水管5,6内の水の加熱が図られる。これにより、上部管寄せ3から蒸気を取り出すことができ、その蒸気は気水分離器(図示省略)などを介して、蒸気使用設備(図示省略)へ送られる。
【0050】
外側水管列8と缶体カバー20との間の円筒状隙間には、下方の設定領域に断熱材28が充填される。断熱材28は、その種類を特に問わないが、たとえばセラミックファイバーまたはロックウールである。図示例の場合、外列連通部12よりも下方領域の外側水管列8と、大径部22よりも下方領域の缶体カバー20との間に、断熱材28が充填される。
【0051】
ボイラ1のいずれかの水管5,6には、熱電対などを用いた温度センサ29が設けられる。この温度センサ29は、それが設けられた箇所の温度を検出することで、水管5,6内面へのスケールの付着状況を監視するために設けられる。本実施例では、温度センサ29は、外側水管6の一つに設けられ、上方外側横ヒレ17が設けられた領域の下端部に設けられる。すなわち、上下に複数設けられる上方外側横ヒレ17の内、最も下側に配置される上方外側横ヒレ17の下部に、温度センサ29が設けられる。この箇所は、上方外側横ヒレ17が設けられた領域の下端部と、下方外側横ヒレ18が設けられた領域の上端部との隙間でもある。
【0052】
温度センサ29は、いずれの外側水管6に設けてもよいが、図示例では、煙道21と略対向した位置の外側水管6に設けられる。また、外側水管6への温度センサ29の取付方法は、特に問わないが、図3に示すように、外側水管6の周方向へ沿って取付座30を溶接などで固定しておき、その取付座30に温度センサ29を差し込むのが簡易である。この場合、取付座30は、外側水管列8の外側から外側縦ヒレ11を貫通し、外側水管列8の内側まで延出して設けられる。この際、取付座30の先端部は、上方外側横ヒレ17の幅方向中央部と対応する位置まで延出して、外側水管6の外周面に固定されるのが好ましい。
【0053】
取付座30には、その延出方向へ沿って取付穴(図示省略)が形成されている。この取付穴は、取付座30の基端部に開口しているが、取付座30の先端部にまでは達しない。従って、外側水管列8の外側から、取付穴の奥まで温度センサ29を差し込むだけで、外側水管列8の内側に温度センサ29を設置することができる。ところで、取付穴は、円弧状に湾曲する取付座30の内周面へ開口する溝状に形成されていてもよい。この場合、外側水管6に取付座30を設置することで、外側水管6の外周面との間で、有底の穴が形成される。
【0054】
温度センサ29は、外側水管6に設けられて、外側水管6の温度を検出するが、場合により外側縦ヒレ11または上方外側横ヒレ17に設けられて、その温度から間接的に外側水管6の温度を検出してもよい。また、ここでは最下部の上方外側横ヒレ17の下部に温度センサ29を設けたが、これは外側水管6の高熱負荷部に設けたことを意味する。但し、これに代えてまたはこれに加えて、外側水管6内の水の沸騰開始部と対応する箇所に、温度センサ29を設けてもよい。
【0055】
外側水管6内の水の沸騰開始部とは、具体的には、上部管寄せ3側の耐火材23の下面と、下部管寄せ4側の耐火材23の上面との離隔距離Lの十分の一の長さだけ、下部管寄せ4側の耐火材23の上面から上方へ離隔した位置とされる。
【0056】
ボイラ1の運転中、温度センサ29により、外側水管6に基づきスケール付着状況が監視される。万一、温度センサ29の検出温度が設定温度を超えると、所定以上のスケールが付着しているとして、その旨の出力を行えばよい。それに対しては、缶体2内の水を排水して、薬品などでスケールの除去作業を図るのがよい。
【0057】
本実施例の構成によれば、水管5,6の高熱負荷部、および/または、水管5,6内の水の沸騰開始部に温度センサ29を設けた。水管5,6内の水が濃縮し易く、スケールが析出して付着し易いこれらの箇所の温度を監視することで、水管5,6内のスケールの付着状況を迅速で正確に把握することができる。ボイラ1には通常、軟水が使用され、スケールの付着が防止されるが、本実施例の構成によれば、軟水器の不良による硬度もれなどにも、迅速に対応することができる。
【実施例2】
【0058】
図5は、本発明のボイラの実施例2の概略横断面図である。本実施例2のボイラも、基本的には前記実施例1と同様の構成である。そこで、以下においては、両者の異なる点を中心に説明し、共通する点については説明を省略する。また、対応する箇所には同一の符号を付して説明する。
【0059】
前記実施例1のボイラ1では、バーナ25からの燃焼ガスは、内側水管列7の下端部の内列連通部10を介して、内側水管列7と外側水管列8との間の燃焼ガス流路27に導入され、外側水管列8の上端部の外列連通部12から放射状に導出される順流缶体とされたが、本実施例2のボイラ1では、バーナ25からの燃焼ガスは、内側水管列7の周方向一部(図5における右側)に設けた内列連通部10を介して、内側水管列7と外側水管列8との間の燃焼ガス流路27に導入され、外側水管列8の周方向他部(図5における左側)に設けた外列連通部12を介して、外側水管列8の外側へ導出されるωフロー缶体とされる。ωフロー缶体と呼ぶ理由は、燃焼ガスの流れが上述のとおり横向きのω状であるためである。
【0060】
前記実施例1では、隣接する内側水管5,5間の隙間は、下端部の設定領域を残して、内側縦ヒレ9にて閉塞されたが、本実施例2では、隣接する内側水管5,5間の隙間は、図5における右端部を除き、上下方向全域に渡って内側縦ヒレ9にて閉塞される。図5における右端部においては、隣接する内側水管5,5間の隙間には内側縦ヒレ9は設けられず、上下方向全域において隙間が形成されて、内列連通部10が形成されている。内列連通部10を形成する際、周方向等間隔に配列された内側水管5,5,…の内、図5における右端部において、一本または複数本の内側水管5の設置を省略してもよい。
【0061】
前記実施例1では、隣接する外側水管6,6間の隙間は、上端部の設定領域を残して、外側縦ヒレ11にて閉塞されたが、本実施例2では、隣接する外側水管6,6間の隙間は、図5における左端部を除き、上下方向全域に渡って外側縦ヒレ11にて閉塞される。図5における左端部においては、隣接する外側水管6,6間の隙間には外側縦ヒレ11は設けられず、上下方向全域において隙間が形成されて、外列連通部12が形成されている。外列連通部12を形成する際、周方向等間隔に配列された外側水管6,6,…の内、図5における左端部において、一本または複数本の外側水管6の設置を省略してもよい。
【0062】
本実施例2の場合、燃焼室26から内列連通部10を介して外方へ導出される燃焼ガスは、周方向両側へ分岐して、缶体2の前後の燃焼ガス流路27,27を介して、外列連通部12から外方へ導出される。各燃焼ガス流路27には、その中途部から下流の設定領域に、内側横ヒレ14および/または外側横ヒレ17が設けられる。本実施例では、図5に示すように、右端部の内列連通部10から左端部の外列連通部12へ至るまでの燃焼ガス流路27の中途から下流までの領域に、内側横ヒレ14および外側横ヒレ17が設けられる。
【0063】
この際、内側横ヒレ14は、それが設けられる内側水管5の上下方向全域であって、内側水管列7の外周面を構成する面に、内側水管5の半径方向外側へツバ状に延出して、上下に等間隔に複数設けられる。また、外側横ヒレ17は、それが設けられる外側水管6の上下方向全域であって、外側水管列8の内周面を構成する面に、外側水管6の半径方向外側へツバ状に延出して、上下に等間隔に複数設けられる。
【0064】
本実施例2においても、内側水管5と外側水管6とは、缶体2の周方向へ行くに従って互い違いに配置される。そして、内側横ヒレ14および外側横ヒレ17は、缶体2の平面視において重ならないように大きさ、形状および配置が調整されている。本実施例2では、内側横ヒレ14と外側横ヒレ17とは、水平に設置されるが、場合により前記実施例1のように傾斜させてもよい。
【0065】
本実施例2においても、外側水管列8の外側は、缶体カバー20で覆われるが、この缶体カバー20への煙道21の設置は、外列連通部12が設けられた左側で行われる。この際、缶体2の上下方向いずれの箇所において、缶体カバー20に煙道21を接続してもよい。また、前記実施例1と同様に、缶体カバー20の一部を大径部としたり、外列連通部12が設けられた左側壁の一部を上下方向へ沿って外方へ膨出したりして、その膨出部に煙道21を接続してもよい。
【0066】
本実施例2の場合、燃焼ガス流路27の中途部から外列連通部12へ至るまでの設定領域において、内側水管5や外側水管6に横ヒレ14,17が設けられるので、横ヒレ14,17の有無などにより、水管同士で熱負荷が異なることになる。この場合、前記設定領域の上流側の端部において、横ヒレ14,17が付けられ始める水管5,6が最大熱負荷水管となるので、その最大熱負荷水管(図示例では外側水管6)に温度センサ29を設ける。この際、温度センサ29は、それが設けられる水管6内の水の沸騰開始部に設けるのがよい。これにより、水管6内へのスケールの付着状況の監視を、迅速で正確に行うことができる。
【0067】
本発明のボイラ1は、前記各実施例の構成に限らず適宜変更可能である。特に、受熱量の多い水管(好ましくは最大熱負荷水管)の水の沸騰開始部、および/または、その水管の高熱負荷部(好ましくは最大熱負荷部)に温度センサ29を設ける構成とする限り、水管5,6の本数や配置などの缶体構造は適宜に変更可能である。
【0068】
たとえば、前記実施例1の順流缶体において、内側水管5および/または外側水管6は、凹部(小径部)と凸部(大径部)とが上下に交互形成されたバルジ管としてもよい。その場合、凹部と凸部とが形成された領域の下端部(凹凸の開始位置)に、温度センサ29を設ければよい。
【0069】
また、前記実施例2のωフロー缶体において、外列連通部12側の外側水管6は、エロフィンチューブなどのように全周にヒレが設けられた構成とされてもよい。その場合、全周ヒレ付きの外側水管6は、他の外側水管6よりも缶体2の径方向内側に配置される。また、ωフロー缶体において、燃焼室26内に、いくつかの水管を設置してもよい。さらに、場合により、缶体2は、前記実施例1のような順流缶体、または前記実施例2のようなωフロー缶体に限らず、他の構造でもよい。そして、缶体構造の変更に伴い、スケール付着状況確認用の温度センサ29の取付水管やその取付位置が異なることがあるのは言うまでもない。
【0070】
また、前記各実施例では、温度センサ29の設置とメンテナンスを考慮して、外側水管6に温度センサ29を設けたが、それに代えてまたはそれに加えて、内側水管5に温度センサ29を設けてもよい。また、前記各実施例において、バーナ25を設ける代わりに、内側水管列7の内側に排ガスを導入すれば、廃熱ボイラや排ガスボイラとすることができる。
【0071】
さらに、前記実施例1において、下方内側横ヒレ15および下方外側横ヒレ18は、内側水管5または外側水管6から径方向外側へ突出するピン状のスタッドとしてもよい。その場合、スタッドは、内側水管5または外側水管6の周方向に等間隔に複数設けられると共に、上下にも等間隔に多数設けられる。また、前記実施例1において、内側水管5および/または外側水管6の下方領域には、横ヒレ(下方内側横ヒレ15,下方外側横ヒレ18)やスタッドなどを何も設けない構成としてもよい。さらに、前記実施例1においては、各水管5,6の上下方向中央部で領域を分けて、横ヒレ14,15,17,18の設置領域を定めたが、この境界は上下方向中央部に限らず適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明のボイラの実施例1を示す概略縦断面図である。
【図2】図1のII−II断面図である。
【図3】図1におけるIII−III断面の部分拡大図である。
【図4】図1におけるIV−IV断面の部分拡大図である。
【図5】本発明のボイラの実施例2を示す概略横断面図である。
【符号の説明】
【0073】
1 ボイラ
2 缶体
3 上部管寄せ
4 下部管寄せ
5 内側水管
6 外側水管
7 内側水管列
8 外側水管列
9 内側縦ヒレ
11 外側縦ヒレ
14 内側横ヒレ(上方内側横ヒレ)
15 内側横ヒレ(下方内側横ヒレ)
17 外側横ヒレ(上方外側横ヒレ)
18 外側横ヒレ(下方外側横ヒレ)
26 燃焼室
27 燃焼ガス流路
29 温度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部管寄せと下部管寄せとの間を接続する複数の水管のいずれかに設けられ、その水管内の水の沸騰開始部、またはその水管の高熱負荷部に設けられる温度センサを備える
ことを特徴とするボイラ。
【請求項2】
前記水管が同心円筒状に配列されて、内側水管列と外側水管列とが構成され、
前記内側水管列の内側は、燃焼室とされるか、排ガスの導入空間とされ、
燃焼ガスまたは排ガスが前記内側水管列の内側から、前記内側水管列と前記外側水管列との間を介して、前記外側水管列の外側へ導出されるように、ガス流路が規定され、
前記内側水管列および/または前記外側水管列には、前記ガス流路の中途から下流部にのみ横ヒレが設けられるか、前記ガス流路の中途から下流部の横ヒレが、それより上流部の横ヒレよりも前記水管からの延出長さが長くなるよう設けられ、
前記ガス流路の内、前記横ヒレが付けられ始める位置か、前記横ヒレの延出長さが長くなる位置において、前記水管に前記温度センサが設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載のボイラ。
【請求項3】
前記外側水管列を構成する外側水管の内、受熱量の多い水管に、前記温度センサが設けられる
ことを特徴とする請求項2に記載のボイラ。
【請求項4】
上部管寄せと下部管寄せとの間に円筒状に配列されて内側水管列を構成する複数の内側水管と、
前記内側水管列を取り囲むように、前記上部管寄せと前記下部管寄せとの間に円筒状に配列されて外側水管列を構成する複数の外側水管と、
前記内側水管列の下端部を残して、隣接する前記内側水管間の隙間を閉塞するよう設けられる複数の内側縦ヒレと、
前記外側水管列の上端部を残して、隣接する前記外側水管間の隙間を閉塞するよう設けられる複数の外側縦ヒレと、
前記各外側水管の上下方向中途部から上方への設定領域であって、前記外側水管列の内周面を構成する面に設けられる外側横ヒレと、
前記設定領域の下端部と対応した位置において、前記外側水管、前記外側縦ヒレまたは前記外側横ヒレに設けられる温度センサと
を備えることを特徴とするボイラ。
【請求項5】
上部管寄せと下部管寄せとの間に円筒状に配列されて内側水管列を構成する複数の内側水管と、
前記内側水管列を取り囲むように、前記上部管寄せと前記下部管寄せとの間に円筒状に配列されて外側水管列を構成する複数の外側水管と、
前記内側水管列の周方向一部を残して、隣接する前記内側水管間の隙間を閉塞するよう設けられる複数の内側縦ヒレと、
前記外側水管列の周方向他部を残して、隣接する前記外側水管間の隙間を閉塞するよう設けられる複数の外側縦ヒレと、
前記外側水管列の周方向中途部から周方向他部への設定領域であって、前記外側水管列の内周面を構成する面に設けられる外側横ヒレと、
前記設定領域の内、周方向一部の側と対応した位置において、前記外側水管、前記外側縦ヒレまたは前記外側横ヒレに設けられる温度センサと
を備えることを特徴とするボイラ。
【請求項6】
前記温度センサは、それが設けられる前記外側水管内の水の沸騰開始部と対応した高さに設けられる
ことを特徴とする請求項5に記載のボイラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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