説明

ボルト締めランジュバン型振動子

【課題】 従来のボルト締めランジュバン型振動子では、圧電体振動子3,4と電極板5,6はそれぞれの中心穴3a、4a、5a、6aが結合ボルト7と接触しないように金属ブロック1,2と結合ボルト7を組み付けるため、作業が困難であるという問題があった。
【解決手段】 結合ボルト7の下端のねじ山7bに金属ブロック2がねじ嵌合され、金属ブロック2の上に電極6の中心穴が結合ボルト7に通され、電極板6の上に圧電体振動子4が通され、又、圧電体振動子4の上に電極板5が結合ボルト7に通され、電極板5の上に圧電体振動子3の中心穴が結合ボルト7にと通され、さらに、結合ボルト7の上端のねじ山7aに金属ブロック1のねじ山が嵌合されて、ランジュバン型振動子9が形成される

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの金属ブロックの一方と2つのリング状の圧電体振動子の一方の間に介在される一つの電極板と、2つのリング状の圧電体振動子の間に介在される他の電極板の位置が規定されるランジュバン型振動子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、図6及び図7に示すように、2つの金属ブロック1,2の間にリング状の圧電体振動子3,4が挟持され、これらの圧電体振動子3,4の間及び端部に電極5,6が挟持され、2つの金属ブロック1,2のねじ穴に1a、2aに図7に示す結合ボルト7がねじ込まれて一体に形成されたボルト締めランジュバン型振動子8が提案されている。
【0003】
このように構成されたボルト締めランジュバン型振動子では、図7に示すように、圧電体振動子3,4の中心穴3a、4a及び電極5,6の中心穴5a、6aは結合ボルト7に接触しないように、結合ボルト7は圧電体振動子3,4の中心穴3a、4a及び電極板5,6の中心穴5a、6aのそれぞれの中心に位置するように、金属ブロック1,2と結合ボルト7が組み付けられているが、圧電体振動子3,4と電極板5,6の位置がずれると、圧電体振動子3,4と電極板5,6のそれぞれの中心穴3a、4a、5a、6aが結合ボルト7と接触するという問題があった。
【特許文献1】実開平5−39677号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする問題点は、従来のボルト締めランジュバン型振動子では、圧電体振動子3,4と電極板5,6はそれぞれの中心穴3a、4a、5a、6aが結合ボルト7と接触しないように金属ブロック1,2と結合ボルト7を組み付けるため、作業が困難であるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明では、2つの金属ブロックと、これらの金属ブロックの間に装着される2つのリング状の圧電体振動子と、前記2つの金属ブロックの一方と前記2つのリング状の圧電体振動子の一方の間に介在される一つの電極板と、前記2つのリング状の圧電体振動子の間に介在される他の電極板と、前記2つの金属ブロック、前記2つの圧電体振動子、前記2つの電極のそれぞれの中心穴に通される結合ボルトとからなり、前記2つの金属ブロックのねじ穴に結合ボルトがねじ込まれて一体に形成されたランジュバン型振動子であって、リング状の圧電体振動子の内側の前記結合ボルトの外周に絶縁体を装着し、該絶縁体の軸方向に突起を形成し、前記電極板の中心穴に形成した凹みに嵌合させるものであり、又、前記絶縁体の軸方向に形成した突起の対向する位置に別の軸方向に形成した突起を形成し、前記電極の中心穴に形成した凹みに対向した位置に他の凹みを形成するものであり、さらに、前記筒状の絶縁体は軸方向に切り込みを設けたものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明のボルト締めランジュバン型振動子では、リング状の圧電体振動子の内側の結合ボルトの外周に絶縁体を装着し、絶縁体の軸方向に突起を形成し、電極板の中心穴に形成した凹みに嵌合させることにより、ボルト締めランジュバン型振動子の組み立てが容易になり、作業性が良くなるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明では、2つの金属ブロックのねじ穴に結合ボルトがねじ込まれて一体に形成され、結合ボルトの外周に装着した絶縁体の軸方向に突起を形成し、この突起を電極板の中心穴に形成した凹みに嵌合させるもである。
【実施例】
【0008】
図1は本発明の実施例のボルト締めランジュバン型振動子の結合ボルトの斜視図で、結合ボルト7は両端にねじ山7a、7bが形成され、結合ボルト7のねじ山7a、7bの中央部分に絶縁材8が装着され、絶縁材8の軸方向に対向するように突起8a、8bが形成されており、又、図2は電極板の平面図で、電極板5に中心穴5aが形成され、中心穴5aの対向部分に凹み5b、5cが形成され、凹み5b、5cの延長部分の外周に接続部5dが形成され、さらに、図3は圧電体振動子の斜視図で、圧電体振動子3は絶縁体8の直径より大きい径の中心穴3aが形成されており、電極板5と電極板6は同じ形状に形成され、又、圧電体振動子4は圧電体振動子3と同じ形状に形成されている。
【0009】
図4はランジュバン型振動子の半製品の斜視図で、結合ボルト7の下端のねじ山7bに金属ブロック2がねじ嵌合され、金属ブロック2の上に電極板6の中心穴が結合ボルト7に通され、電極板6の上に圧電体振動子4が通され、さらに、図5はランジュバン型振動子の斜視図で、圧電体振動子4の上に電極板5が結合ボルト7に通され、電極板5の上に圧電体振動子3の中心穴が結合ボルト7にと通され、さらに、結合ボルト7の上端のねじ山7aに金属ブロック1のねじ山が嵌合されて、ランジュバン型振動子9が形成される。
【0010】
本発明では、図5に示すようにランジュバン型振動子が形成されるので、結合ボルト7の下端のねじ山7aに金属ブロック2を嵌合すると、自動的に電極板6、圧電体振動子4、電極板5、圧電体振動子3の位置が決定され、結合電極7に電極板6、圧電体振動子4、電極板5、圧電体振動子3のそれぞれの中心穴を順に通し、最後に金属ブロック1をねじ止めするだけでランジュバン型振動子を形成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0011】
なお、上記実施例において、絶縁体8の両側の対向位置に突起8a、8bを形成したが、突起は一方だけでも良く、また、絶縁体8として筒状のものを結合ボルト7に嵌合した例を示したが、軸方向に切り込みを設けた絶縁体でもよく、このような絶縁体では、結合ボルト7を絶縁体8の中心穴に通す必要がなく、結合ボルト7に巻き付ければ良いので、さらに、作業性がよくなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施例のボルト締めランジュバン型振動子結合ボルトの斜視図である。
【図2】本発明の実施例のボルト締めランジュバン型振動子の電極板の平面図である。
【図3】本発明の実施例のボルト締めランジュバン型振動子の圧電体振動子の斜視図である。
【図4】本発明の実施例のボルト締めランジュバン型振動子の半製品の斜視図である。
【図5】図4のボルト締めランジュバン型振動子の斜視図である。
【図6】従来のボルト締めランジュバン型振動子の斜視図である。
【図7】図6のボルト締めランジュバン型振動子の断面図である。
【符号の説明】
【0013】
1、2 金属ブロック
3,4 圧電体振動子
5,6 電極板
7 結合ボルト
8 絶縁体
9 ランジュバン型振動子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの金属ブロックと、これらの金属ブロックの間に装着される2つのリング状の圧電体振動子と、前記2つの金属ブロックの一方と前記2つのリング状の圧電体振動子の一方の間に介在される一つの電極板と、前記2つのリング状の圧電体振動子の間に介在される他の電極板と、前記2つの金属ブロック、前記2つの圧電体振動子、前記2つの電極のそれぞれの中心穴に通される結合ボルトとからなり、前記2つの金属ブロックのねじ穴に結合ボルトがねじ込まれて一体に形成されたランジュバン型振動子であって、リング状の圧電体振動子の内側の前記結合ボルトの外周に筒状の絶縁体を装着し、該筒状の絶縁体の軸方向に突起を形成し、前記電極板の中心穴に形成した凹みに嵌合させることを特徴とするボルト締めランジュバン型振動子。
【請求項2】
前記絶縁体の軸方向に形成した突起の対向する位置に別の軸方向に形成した突起を形成し、前記電極の中心穴に形成した凹みに対向した位置に他の凹みを形成することを特徴とする請求項1記載のランジュバン型振動子。
【請求項3】
前記筒状の絶縁体は軸方向に切り込みを設けたことを特徴とする請求項1記載の ランジュバン型振動子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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