説明

ボールジョイント

【課題】ソケット内でのボールシートのがたつきを防止したボールジョイントを提供する。
【解決手段】ボールスタッド2の軸方向に第1所定値以上の荷重が加わった際には、クッションシート5が所定量変形すると、対向面部73がボールシート4の第1荷重受け部52に当接することで、ボールシート4がクッションシート5の中心軸方向への所定量以上の変形を食い止める。ボールスタッド2の軸方向に第1所定値よりも大きい第2所定値以上の荷重が加わった際には、ボールシート4の第2荷重受け部54がソケット3の内室25の底面部33に当接することで、クッションシート5への軸方向の負荷を軽減し、ボールシート4がクッションシート5の軸方向への所定量以上の変形を食い止める。ボールスタッド2に比較的大きな軸方向荷重が加わった際でも、クッションシート5の永久変形を抑制でき、ソケット3内でのボールシート4のがたつきを防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベアリングシート及びソケットの内面の間に介在された弾性部材を備えたボールジョイントに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、自動車の懸架装置、あるいは操舵装置などに用いられるボールジョイントとして、開口部と底面部とを備えた内室を有する略有底円筒状のソケットと、このソケットの内室に収容され開口部に連通する開口を有するベアリングシートとしてのボールシートと、このボールシートとソケットの内室の間に介在された弾性部材としてのクッションシートと、ボールシート内の摺動面に摺動可能に保持されるボール部及び開口と開口部とに挿通されるスタッド部を有するボールスタッドとを備えたものが知られている。そして、このボールジョイントは、ベアリングシートの開口と反対側の端部に、ソケットの内室の底面部に対向する荷重受け面部が形成され、ボールスタッドに所定値以上の軸方向への圧縮荷重が加わると、ベアリングシートの荷重受け面部がハウジングの内室の底面部に当接することで、ベアリングシートが負荷を受け、弾性部材の軸方向へのへたりを防止している(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特公平7−30781号公報(第2−3頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述のボールジョイントでは、所定値以上の大荷重がボールスタッドに加わった際に、クッションシートが中心軸方向に潰されて塑性変形すなわち永久変形するおそれがあり、このように永久変形してしまうと、ソケット内でボールシートにがたつきが生じるおそれがあるという問題点を有している。
【0004】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、ソケット内でのベアリングシートのがたつきを防止したボールジョイントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載のボールジョイントは、一端に開口部を有し他端に底面部を有する内室を備えたソケットと、一端に開口を備え、この開口が前記開口部に連通するように前記ソケットの内室に収容されたベアリングシートと、このベアリングシートに回動可能に保持されて前記ソケットの内室に収容されるボール部、及び、このボール部から突設され前記開口及び前記開口部に挿通されるスタッド部を備えたボールスタッドと、前記ベアリングシート及び前記ソケットの内面の間に介在され、対向面部を内周側に備えた筒状の弾性部材とを具備し、前記ベアリングシートは、前記ソケットに収容され外部から力が加わっていない状態で前記対向面部に離間されて対向し、前記ボールスタッドに第1所定値以上の所定方向荷重が加わった際に前記対向面部と当接する第1荷重受け部と、前記ソケットに収容され外部から力が加わっていない状態で前記底面部に対して離間され、前記ボールスタッドに前記第1所定値よりも大きい第2所定値以上の所定方向荷重が加わった際に前記底面部に当接する第2荷重受け部とを備えているものである。
【0006】
そして、ボールスタッドに第1所定値以上の所定方向荷重が作用した際には、弾性部材が所定量変形すると、ベアリングシートの第1荷重受け部が弾性部材の内周側の対向面部に当接するため、この弾性部材の中心軸方向への塑性変形が防止されるとともに、ボールスタッドに第2所定値以上の所定方向荷重が作用した際には、ベアリングシートの第2荷重受け部がハウジングの内室の底面部に当接して弾性部材への所定方向の負荷が軽減されるため、弾性部材の塑性変形が防止され、ソケット内でのベアリングシートのがたつきが防止される。
【0007】
請求項2記載のボールジョイントは、請求項1記載のボールジョイントにおいて、ベアリングシートは、略筒状に形成され、第1荷重受け部が他端部の外周面に設けられているとともに、第2荷重受け部が前記第1荷重受け部に連続して先端部に平面状に設けられているものである。
【0008】
そして、第1荷重受け部を、略筒状のベアリングシートの他端部の外周面に設けることで、ボールスタッドに第1所定値以上の所定方向荷重が作用した際に、第1荷重受け部が対向面部と確実に当接して弾性部材の中心軸方向への変形がより確実に防止されるとともに、第2荷重受け部を、第1荷重受け部に連続してベアリングシートの先端部に平面状に設けることで、ボールスタッドに第2所定位置以上の所定方向荷重が作用した際に、第2荷重受け部が底面部と確実に当接して弾性部材への所定方向の負荷がより確実に軽減されるので、弾性部材の塑性変形がより確実に防止される。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載のボールジョイントによれば、ボールスタッドに第1所定値以上の所定方向荷重が作用した際には、弾性部材が所定量変形すると、ベアリングシートの第1荷重受け部が弾性部材の内周側の対向面部に当接するため、この弾性部材の中心軸方向への塑性変形を防止できるとともに、ボールスタッドに第2所定値以上の所定方向荷重が作用した際には、ベアリングシートの第2荷重受け部がハウジングの内室の底面部に当接して弾性部材への所定方向の負荷が軽減されるため、弾性部材の塑性変形を防止でき、ソケット内でのベアリングシートのがたつきを防止できる。
【0010】
請求項2記載のボールジョイントによれば、請求項1記載のボールジョイントの効果に加えて、第1荷重受け部を、略筒状のベアリングシートの他端部の外周面に設けることで、ボールスタッドに第1所定値以上の所定方向荷重が作用した際に、第1荷重受け部が対向面部と確実に当接して弾性部材の中心軸方向への変形をより確実に防止できるとともに、第2荷重受け部を、第1荷重受け部に連続してベアリングシートの先端部に平面状に設けることで、ボールスタッドに第2所定位置以上の所定方向荷重が作用した際に、第2荷重受け部が底面部と確実に当接して弾性部材への所定方向の負荷がより確実に軽減されるので、弾性部材の塑性変形をより確実に防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の一実施の形態のボールジョイントの構成を図面を参照して説明する。
【0012】
図1において、1はボールジョイントで、このボールジョイント1は、自動車の懸架装置、あるいは操舵装置などに用いられるものである。そして、このボールジョイント1は、鋼鉄製などのボールスタッド2、金属製などの略有底円筒状のソケット3、ベアリングシートとしての合成樹脂製などのボールシート4、弾性部材としての合成樹脂製などのクッションシート5、及び、ゴムあるいは軟質合成樹脂などにて略円筒状に形成された図示しないダストカバーなどを備えている。
【0013】
ボールスタッド2は、ボールシート4に回動可能に保持されたボール部15と、このボール部15から軸状に突設されたスタッド部16とを有している。
【0014】
ボール部15は、ボールシート4に保持された状態でソケット3内に収容されている。また、スタッド部16は、ソケット3から突出している。
【0015】
さらに、ソケット3は、略有底円筒状のソケット本体21と、このソケット本体21の軸方向の一端部からボールスタッド2のスタッド部16と逆方向に突設された接続部22とを有している。
【0016】
ソケット本体21は、ボールシート4が嵌着される内室25を内部に備え、軸方向の一端部に、内室25に連通する開口部26が開口形成されるとともに、軸方向の他端部に、接続部22が突設される底部27が形成され、外周部の所定位置に凹部28が設けられている。そして、このソケット本体21は、内室25にボールシート4を嵌着して開口部26の外周縁部を中心軸方向にかしめ変形することにより、ボールシート4を内室25に保持するとともに、ソケット3及びボールシート4に対してボールスタッド2を抜け止めする。
【0017】
内室25は、開口部26側から底部27側へと、内周面部31、傾斜面部32及び底面部33が順次連続的に同心状に形成され、底部27側である傾斜面部32及び底面部33が縮径されている。
【0018】
また、内周面部31は、ボールシート4の最大外径寸法と略等しい外径寸法を有する円筒内周面状に形成されている。
【0019】
さらに、傾斜面部32は、内周面部31から底面部33側へと中心軸に向けて傾斜した円筒内周面状に形成されている。
【0020】
そして、底面部33は、内室25の底面となる部分であり、中心軸方向に向けて若干傾斜した平面状に形成されている。
【0021】
一方、接続部22は、ソケット本体21の底部27にこのソケット本体21と同軸状に設けられ、例えば図示しない被接続部にねじこまれる雄ねじ部41が外周面に設けられている。
【0022】
そして、ボールシート4は、例えば可撓性を有するポリアセタールなどの合成樹脂により略円筒状に形成され、ボール部15を回動可能に保持する球面状の摺動面43が内部に設けられ、この摺動面43に連続して、軸方向の一端部に開口44が開口形成されているとともに、軸方向の他端側に底部開口45が開口形成されている。
【0023】
また、このボールシート4の外周部は、ソケット3のかしめ変形時にこのソケット3の内周面部31により保持される外周面部51が開口44側に形成され、この外周面部51の他端側には、第1荷重受け部52を有しクッションシート5が嵌合される嵌合凹部53が形成され、かつ、この嵌合凹部53の他端側には、第2荷重受け部54が、中心軸側へと平面状に形成されている。
【0024】
摺動面43は、ソケット3のかしめ変形によりボールスタッド2のボール部15に沿って球面状に変形してボール部15の外周面を保持する部分である。また、この摺動面43には、ボール部15の赤道位置、すなわちボールスタッド2の中心軸に直交する平面上でボール部15の半径が最大となる位置よりも他端側の位置に、図示しない潤滑剤を収容する円環溝状の潤滑剤溜め部57が形成されている。
【0025】
この潤滑剤溜め部57は、ボール部15の赤道に対して略平行、すなわちボール部15の緯線方向に沿って設けられている。この結果、摺動面43は、潤滑剤溜め部57により、開口44側の第1摺動面61と底部開口45側の第2摺動面62とに分割されている。
【0026】
また、開口44は、ボールシート4をソケット3の内室25に嵌着した状態で開口部26に連通され、スタッド部16が挿通される部分である。
【0027】
さらに、底部開口45は、ソケット3の内室25の底面部33に対向し、ボールシート4の内部と内室25とを連通するとともに、この底面部33とボールスタッド2のボール部15の外周面との間に潤滑剤を保持するものである。
【0028】
一方、外周面部51は、内周面部31の内径寸法と略等しい外径寸法を有する円周面状に形成され、ボールシート4の赤道よりも底部開口45側に延設されている。
【0029】
また、嵌合凹部53は、外周面部51に連続する第1嵌合面部65と、この第1嵌合面部65に連続する第2嵌合面部66と、この第2嵌合面部66と第2荷重受け部54とに連続する第1荷重受け部52とを有している。
【0030】
そして、第1嵌合面部65は、ボールシート4の中心軸側に延設された円環面状である。
【0031】
また、第2嵌合面部66は、第1嵌合面部65からボールシート4の軸方向の他端側へと傾斜した円環面状に形成されている。
【0032】
さらに、第1荷重受け部52は、第2嵌合面部66からボールシート4の軸方向の他端側へと突設され、円筒外周面状に形成されている。また、この第1荷重受け部52は、クッションシート5及びボールシート4がソケット3の内室25に嵌着されて外部から力が加えられていない状態で、クッションシート5の内周側に離間されて対向している。
【0033】
そして、第2荷重受け部54は、第1荷重受け部52の他端部から中心軸方向に平面状に延設された円環面状に形成され、底部開口45の周縁部に位置している。また、この第2荷重受け部54は、ボールシート4及びクッションシート5がソケット3の内室25に嵌着されて外部から力が加えられていない状態で、この内室25の底面部33に離間されて対向している。すなわち、第2荷重受け部54と底面部33との間には、空間部67が形成されている。
【0034】
また、クッションシート5は、弾性を有するポリウレタン、ポリエステル、あるいはゴムなどの合成樹脂により略円筒状に形成され、その弾性力によりボールシート4と内室25との寸法公差を吸収することで、ソケット3の内室25内でのボールシート4のがたつきを防止するとともに、ボールスタッド2のボール部15に予備負荷すなわちプレロードを付与してボールスタッド2の作動トルクを安定させるものである。
【0035】
そして、このクッションシート5は、ソケット3の内室25に嵌着されボールシート4の嵌合凹部53に嵌合された状態で第1嵌合面部65に当接する第1当接面部71を軸方向の一端側に有し、この第1当接面部71に連続し第2嵌合面部66に当接する第2当接面部72が中心軸方向に連続するとともに、この第2当接面部72に連続し第1荷重受け部52に離間されて対向する対向面部73が内周側に形成されている。
【0036】
さらに、クッションシート5の軸方向の他端部には、対向面部73に連続するシート底面部75が形成され、このシート底面部75には、クッションシート5及びボールシート4がソケット3の内室25に嵌着されてクッションシート5がボールシート4の嵌合凹部53に嵌合された状態で傾斜面部32に当接するシート傾斜面部76が外周側に連続している。
【0037】
そして、このシート傾斜面部76には、クッションシート5及びボールシート4がソケット3の内室25に嵌着されてクッションシート5がボールシート4の嵌合凹部53に嵌合された状態で内周面部31に当接するシート外周面部77が連続し、このシート外周面部77の一端部が第1当接面部71に連続している。
【0038】
第1当接面部71は、クッションシート5の中心軸側に延設された円環面状である。
【0039】
また、第2当接面部72は、第1当接面部71からクッションシート5の軸方向の他端側へと傾斜した円環面状に形成されている。
【0040】
そして、対向面部73は、クッションシート5の内周面となるものであり、第2当接面部72からクッションシート5の軸方向の他端側へと連続した円筒内周面状に形成されている。また、この対向面部73は、ボールシート4及びクッションシート5がソケット3の内室25に嵌着されて外部から力が加えられていない状態で、第1荷重受け部52に離間されて対向している。すなわち、対向面部73と第1荷重受け部52との間には、円環状の間隙78が全周に形成されている。
【0041】
また、シート底面部75は、クッションシート5の中心軸側に延設された円環面状に形成され、クッションシート5の軸方向の他端面となっている。
【0042】
さらに、シート傾斜面部76は、シート底面部75に対してクッションシート5の軸方向に傾斜した円環面状に形成されている。
【0043】
そして、シート外周面部77は、クッションシート5の外周面となるものであり、円筒外周面状に形成されている。
【0044】
次に、上記一実施の形態の動作を説明する。
【0045】
ボールジョイント1を組み立てる際には、ソケット3の開口部26からクッションシート5及びボールシート4を順次内室25に嵌着し、ボールスタッド2のボール部15をボールシート4内に挿入してスタッド部16を開口44及び開口部26から突出させ、ソケット3の開口部26の外周部を中心軸方向にかしめ変形することで、ボールスタッド2、ボールシート4及びクッションシート5がソケット3に対して抜け止めされる。
【0046】
この状態で、クッションシート5がボールシート4の嵌合凹部53に嵌合して第1荷重受け部52と対向面部73との間に間隙78が形成されるとともに、第2荷重受け部54と底面部33との間に空間部67が形成されている。そして、外部から力が加わっていない場合には、ボールシート4とクッションシート5との嵌合による歪みなどを間隙78及びクッションシート5の弾性力が吸収することにより、ボールシート4の摺動面43及び外周面部51などに略均一な力を伝達でき、摺動面43に対して摺動するボールスタッド2のボール部15及びソケット3の内室25の表面形状の寸法公差を吸収でき、ボール部15の摺動による摩擦トルクを安定させることができる。
【0047】
そして、ボールスタッド2に第1所定値以上の所定方向荷重、すなわちソケット3の軸方向に沿う軸方向荷重P1が加わった際には、図2(a)に示すように、ボールシート4がソケット3の底面部33側へと軸方向に可撓変形することで嵌合凹部53が変形し、この嵌合凹部53に嵌合したクッションシート5が軸方向及び中心軸方向に所定量可撓変形する。すなわち、クッションシート5が、傾斜面部32の傾斜方向に沿って矢印Aに示す方向へと可撓変形する。
【0048】
このとき、間隙78が狭まり対向面部73の全面がボールシート4の第1荷重受け部52の全面に当接することで、ボールシート4がクッションシート5の中心軸方向への所定量以上の変形を食い止める。
【0049】
さらに、ボールスタッド2に第1所定値よりも大きい第2所定値以上の軸方向荷重P2が加わった際には、図2(b)に示すように、ボールシート4及びクッションシート5が矢印A方向にさらに可撓変形する。
【0050】
このとき、間隙78が狭まり対向面部73の全面がボールシート4の第1荷重受け部52の全面に当接するとともに、空間部67が狭まりボールシート4の第2荷重受け部54がソケット3の内室25の底面部33に当接することで、クッションシート5への軸方向の負荷を軽減し、ボールシート4がクッションシート5の軸方向への所定量以上の変形を食い止める。
【0051】
この結果、ボールスタッド2に比較的大きな軸方向荷重が加わった際でも、クッションシート5の塑性変形、すなわち永久変形を中心軸方向及び軸方向に抑制できるので、クッションシート5のボールシート4を内室25に押し付ける弾性力が損なわれにくく、ソケット3内でのボールシート4のがたつきを、従来よりも高い荷重に亘って防止できる。
【0052】
また、第1荷重受け部52を、略筒状のボールシート4の他端部の外周面に設けることで、ボールスタッド2に第1所定値以上の軸方向荷重P1が作用した際に、第1荷重受け部52が対向面部73と確実に当接してクッションシート5の中心軸方向への変形をより確実に防止でき、かつ、第2荷重受け部54を、第1荷重受け部52に連続してボールシート4の先端部に平面状に設けることで、ボールスタッド2に第2所定値以上の軸方向荷重P2が作用した際に、第2荷重受け部54が底面部33と確実に当接してクッションシート5への軸方向の負荷をより確実に軽減でき、クッションシート5の永久変形をより確実に抑制できる。
【0053】
そして、このように軸方向荷重に対する耐荷重性が向上することにより、荷重が大きくなる部位に上記ボールジョイント1を適用でき、使い勝手を向上できる。
【0054】
なお、上記一実施の形態において、ボールシート4の摺動面となる内周面側の形状は、例えば潤滑剤を保持する溝部をさらに設けたりするなど、任意に設定できる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施の形態のボールジョイントを示す縦断面図である。
【図2】(a)は同上ボールジョイントの第1所定値以上の所定方向荷重が加わった状態の一部を拡大して示す縦断面図、(b)は同上ボールジョイントの第2所定値以上の所定方向荷重が加わった状態の一部を拡大して示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0056】
1 ボールジョイント
2 ボールスタッド
3 ソケット
4 ベアリングシートとしてのボールシート
5 弾性部材としてのクッションシート
15 ボール部
16 スタッド部
25 内室
26 開口部
33 底面部
44 開口
52 第1荷重受け部
54 第2荷重受け部
73 対向面部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端に開口部を有し他端に底面部を有する内室を備えたソケットと、
一端に開口を備え、この開口が前記開口部に連通するように前記ソケットの内室に収容されたベアリングシートと、
このベアリングシートに回動可能に保持されて前記ソケットの内室に収容されるボール部、及び、このボール部から突設され前記開口及び前記開口部に挿通されるスタッド部を備えたボールスタッドと、
前記ベアリングシート及び前記ソケットの内面の間に介在され、対向面部を内周側に備えた筒状の弾性部材とを具備し、
前記ベアリングシートは、
前記ソケットに収容され外部から力が加わっていない状態で前記対向面部に離間されて対向し、前記ボールスタッドに第1所定値以上の所定方向荷重が加わった際に前記対向面部と当接する第1荷重受け部と、
前記ソケットに収容され外部から力が加わっていない状態で前記底面部に対して離間され、前記ボールスタッドに前記第1所定値よりも大きい第2所定値以上の所定方向荷重が加わった際に前記底面部に当接する第2荷重受け部とを備えている
ことを特徴とするボールジョイント。
【請求項2】
ベアリングシートは、略筒状に形成され、第1荷重受け部が他端部の外周面に設けられているとともに、第2荷重受け部が前記第1荷重受け部に連続して先端部に平面状に設けられている
ことを特徴とした請求項1記載のボールジョイント。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2006−275176(P2006−275176A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−95910(P2005−95910)
【出願日】平成17年3月29日(2005.3.29)
【出願人】(000198271)株式会社ソミック石川 (91)
【Fターム(参考)】