ボール弁
【課題】 第2弁座部材を第1弁座部材側に押して、第1、第2弁座部材及び球弁を所定の位置に位置固定する押圧部材を容易に取り付けることができるようにする。
【解決手段】 ガス通路1aの一部である弁収容室1dの内周面には、取付溝1jを形成する。押圧部材5は、弾性的に拡縮径可能に形成する。縮径された状態でテーパ雌ねじ部1eの開口部から弁収容室1dまで挿入された押圧部材5を拡径させ、その外周部を取付溝1jに挿入することにより、押圧部材5を弁収容室1dに取り付ける。
【解決手段】 ガス通路1aの一部である弁収容室1dの内周面には、取付溝1jを形成する。押圧部材5は、弾性的に拡縮径可能に形成する。縮径された状態でテーパ雌ねじ部1eの開口部から弁収容室1dまで挿入された押圧部材5を拡径させ、その外周部を取付溝1jに挿入することにより、押圧部材5を弁収容室1dに取り付ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、弁体として球弁が用いられたボール弁に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ボール弁は、内部に流通路が形成された本体と、流通路の内部にその一端開口部から順次挿入されて所定の位置に配置された第1弁座部材、球弁、第2弁座部材及び押圧部材とを備えており、押圧部材が第2弁座部材を第1弁座部材側に押すことにより、上記球弁が上記第1、第2弁座部材によって回動可能に挟持されている。この球弁が所定の閉位置に回動させられると、流通路の上流側部分と下流側部分とが球弁によって遮断され、ボール弁が閉状態になる。逆に、球弁が所定の開位置に回動させられると、流通路の上流側部分と下流側部分とが球弁に設けられた貫通孔を介して連通し、ボール弁が開状態になる(特許文献1,2参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平5−332462号公報
【特許文献2】特開2002−71032号公報
【0004】
ところで、ボール弁には、特許文献1に記載のもののように、本体が互いに螺合固定された二つの半体からなるものと、特許文献2に記載のもののように、本体全体が一体に形成されたものとがある。前者のボール弁においては、一方の半体に雌ねじ部を、他方の半体に雄ねじ部をそれぞれ形成しなければならず、その分だけ加工工数が増える。しかも、一方の半体と他方の半体とを一体的に連結固定するために、雌ねじ部に雄ねじ部を螺合させて締め付けなければならず、組み立て工数が増加する。この結果、ボール弁の製造費が高くなるという問題がある。この点、後者のボール弁においては、本体全体が一体に構成されているので、そのような問題が全く生じない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、本体全体を一体に構成した後者のボール弁においては、押圧部材が流通路の開口部から離れた内部に配置され、しかも流通路の内周面に形成された雌ねじ孔に螺合されている。したがって、押圧部材を流通路内に装着する場合には、押圧部材を流通路の内部の深くまで挿入した状態で螺合させなければならず、その作業は多くの困難性を伴う。このため、押圧部材の装着に時間がかかるという問題があった。また、流通路の内周面に雌ねじ孔を形成すると、その分だけ流通路の内径が小径になり、それに応じて、第1、第2弁座部材及び球弁の各外径が小径になるとともに、球弁に形成される貫通孔の内径が小さくなる。このため、ボール弁の圧力損失が大きくなるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、この発明の第1の態様は、全体が一体に形成され、内部に流通路が形成された本体と、上記流通路の内部にその一端開口部から順次挿入されてそれぞれ所定の位置に配置された第1弁座部材、球弁、第2弁座部材及び押圧部材とを備え、上記押圧部材が上記第2弁座部材を上記第1弁座部材側に押すことにより、上記球弁が上記第1、第2弁座部材によって回動可能に支持されたボール弁において、上記流通路の内周面に環状の取付溝が形成され、上記押圧部材が弾性的に拡縮径可能とされ、弾性的に縮径された上記押圧部材が拡径することによってその外周部が上記取付溝に挿入され、それによって上記押圧部材が上記所定の位置に配置されていることを特徴としている。
この場合、上記流通路の上記一端開口部には、上記流通路の内側に向かって小径になるテーパ雌ねじ部が形成され、上記押圧部材の自然状態時における外径が、上記テーパ雌ねじ部の最大内径より小径で、かつ最小内径より大径に設定され、上記押圧部材が、その外径が上記テーパ雌ねじ部の最小内径より小径になるまで弾性的に縮径可能であることが望ましい。
この発明の第2の態様は、全体が一体に形成され、内部に流通路が形成された本体と、上記流通路の内部にその一端開口部から順次挿入されてそれぞれ所定の位置に配置された第1弁座部材、球弁、第2弁座部材及び押圧部材とを備え、上記押圧部材が上記第2弁座部材を上記第1弁座部材側に押すことにより、上記球弁が上記第1、第2弁座部材によって回動可能に支持されたボール弁において、互いに対向する上記流通路の内周面と上記押圧部材の外周面とに環状をなす第1、第2取付溝がそれぞれ形成され、弾性的に拡縮径可能とされた係合部材の外周部と内周部とが上記第1、第2取付溝にそれぞれ挿入されることにより、上記押圧部材が上記所定の位置に配置され、上記第1取付溝と上記第2取付溝とのいずれか一方が上記係合部材全体を収容可能に形成されていることを特徴としている。
この場合、上記流通路の上記一端開口部には、上記流通路の内側に向かって小径になるテーパ雌ねじ部が形成され、上記係合部材の自然状態時における外径が、上記テーパ雌ねじ部の最大内径より小径で、かつ最小内径より大径に設定され、上記係合部材が、その外径が上記テーパ雌ねじ部の最小内径より小径になるまで弾性的に縮径可能であることが望ましい。
この発明の第3の態様は、全体が一体に形成され、内部に流通路が形成された本体と、上記流通路の内部にその一端開口部から順次挿入されてそれぞれ所定の位置に配置された第1弁座部材、球弁、第2弁座部材及び押圧部材とを備え、上記押圧部材が上記第2弁座部材を上記第1弁座部材側に押すことにより、上記球弁が上記第1、第2弁座部材によって回動可能に支持されたボール弁において、上記押圧部材が上記本体を構成する金属より硬度が高い金属によって拡縮径可能に構成され、上記押圧部材の外周部には、上記押圧部材が上記挿入方向と逆方向へ移動させられたときに上記流通路の内周面に食い込む食い付き部が形成されていることを特徴としている。
第1、第2、及び第3の態様においては、上記第1、第2弁座部材が弾性材によって構成されていることが望ましい。
【発明の効果】
【0007】
上記特徴構成を有する第1〜第3の発明によれば、固定部材を螺合させることなく、流通路内に単に押し込むだけで事足りる。したがって、固定部材を容易に取り付けることができる。また、流通路の内部に雌ねじ孔を形成する必要がないので、その分だけ流通路の内径を大きくすることができ、それに応じて第1、第2弁座部材及び球弁の外径を大きくすることができ、また球弁に形成される貫通孔の内径を大径にすることができる。したがって、ボール弁の圧力損失を小さくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、この発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。
図1及び図2は、この発明の第1実施の形態を示す。この実施の形態のボール弁Aは、図1に示すように、本体1、第1弁座部材2、第2弁座部材3、球弁4及び押圧部材5を備えている。
【0009】
本体1の内部には、その一端面(図1において右端面)から他端面まで一直線状に貫通するガス通路(流通路)1aが形成されている。このガス通路1aは、互いの軸線を一致させた流入孔1b、流出孔1c及び弁収容室1dを有している。
【0010】
流入孔1bは、断面円形をなしており、本体1の一端面から内部に向かって延びている。流入孔1bの内周面の開口側端部には、本体1の内側へ向かうにしたがって小径になるテーパ雌ねじ部1eが形成されている。このテーパ雌ねじ部1eには、ガス管、その他のガス器具(図示せず)が螺合接続される。流入孔1bの内側の端部には、ストレート孔部1fが形成されている。このストレート孔部1fは、テーパ雌ねじ部1eと軸線を一致させて形成されており、その内径はテーパ孔部1eの小径側の端縁の内径と同一に設定されている。したがって、テーパ孔部1eとストレート孔部1bとは、互いの間に段差が形成されることなく連続している。
【0011】
流出孔1cは、断面円形をなしており、本体1の他端面から内部に向かって延びている。流出孔1cの内周面には、本体1の内側へ向かうにしたがって小径になるテーパ雌ねじ部1gが形成されている。このテーパ雌ねじ部1gは、テーパ雌ねじ部1eと対称な関係になっているが、同一寸法を有している。勿論、テーパ雌ねじ部1gにも、ガス管、その他のガス器具(図示せず)が螺合接続される。なお、流出孔1cを流入孔とし、上記流入孔1bを流出孔としてもよい。
【0012】
弁収容室1dは、断面円形をなしており、ストレート孔部1fと同一内径を有している。したがって、弁収容室1dは、ストレート孔部1fを他端側へ延長したものと同一形状をなしている。弁収容室1dと流出孔1bとの間には、環状突出部1hが形成されている。この環状突出部1hの内径がガス通路1aのうちで最も小径に設定されている。
【0013】
第1弁座部材2は、周知のボール弁のように、四フッ化エチレン樹脂、ゴム等の弾性材によって構成されている。第1弁座部材2は、リング状をなしており、その軸線をガス通路1aの軸線と一致させて配置されている。しかも、第1弁座部材2は、その他端側(図1において左側)の端面が環状突出部1hの弁収容室1dに臨む端面に押し付けられるとともに、その外周面が弁収容室1dの内周面に気密に、かつ弁収容室1dの軸線方向へ摺動可能に押し付けられている。第1弁座部材2の一端側の端面の内周部には、環状をなす弁座2aが形成されている。この弁座2aは、ガス通路1aの軸線上に中心が配置された球面の一部によって構成されている。
【0014】
第2弁座部材3は、第1弁座部材2と同一の材質によって構成されており、第1弁座部材2と対称に形成されている。したがって、第2弁座部材3の他端側の端面の内周部には、弁座2aと同一の球面の一部からなる弁座3aが形成されている。
【0015】
弁収容室1dには、球弁4が収容されている。この球弁4は、第1、第2弁座部材2,3の弁座2a,3aにより、ガス通路1aの軸線と直交する軸線を中心として回動可能に支持されている。勿論、球弁4の外周面は、弁座2a,3aに気密に接触している。球弁4には、その回動軸線と直交する方向に延びる断面円形の貫通孔4aが形成されている。この貫通孔4aの内径は、弁座部材2,3の内径とほぼ同一に設定されている。
【0016】
貫通孔4aは、球弁4を図1に示す開位置に回動させると、貫通孔4aの一端部が流入1bと連通し、他端部が流出孔1bと連通する。これにより、流入孔1bと流出孔1cとが連通し、ガス通路1aが開かれてボール弁Aが開状態になる。球弁4を開位置からほぼ90°回動させて閉位置に位置させると、貫通孔4aの両端開口部が流入孔1b及び流出孔1cから球弁4の周方向へ離間する結果、流入孔1bと流出孔1cとが球弁4によって遮断される。これにより、ガス通路1aが閉じられてボール弁Aが閉状態になる。
【0017】
球弁4の回動軸線上に位置する本体1の一側部には、その外面から弁収容室1dまで貫通する操作孔1iが形成されている。この操作孔1iには、操作軸6が回動可能に挿入されている。操作軸6の内側の端部には、球弁4が回動不能に連結されている。操作軸6の本体1から外部に突出した外側の端部には、ハンドル7が回動不能に連結されている。したがって、ハンドル7によって球弁4を回動操作することができる。
【0018】
弁収容室1dの内周面には、環状をなす取付溝1jが形成されている。この取付溝1jは、第2弁座部材3に対し本体1の一端側において隣接するように配置されている。取付溝1jには、押圧部材5が着脱可能に装着されている。
【0019】
押圧部材5は、図2に示すように、金属製の板材からなるリング体の一部を切り欠くことによって略C字状に形成したものであり、弾性的に拡縮径可能になっている。押圧部材5の外径は、押圧部材5に外力が作用しない自然状態になっているときに、ストレート孔部1fの内径(テーパ雌ねじ部1eの最小内径)より大径になっている。したがって、押圧部材5は、縮径した状態でストレート孔部1fに挿入され、その外周面が取付溝1jと対向すると、押圧部材5自体の弾性によって拡径し、その外周部が取付溝1jに着脱可能に装着される。押圧部材5の外径は、それが自然状態になっているとき、テーパ雌ねじ部1eの最大内径、つまりテーパ雌ねじ部1eの開口端における内径より小径に設定するのが望ましい。押圧部材5の厚さ(ガス通路1aの軸線方向における厚さ)は、テーパ雌ねじ部1eのピッチより大きくするのが望ましい。さらに、押圧部材5の外周面は、テーパ雌ねじ部1eと同一のテーパ度を有するテーパ面にするのが望ましい。
【0020】
押圧部材5は、取付溝1jに装着された状態では第2弁座部材3を所定の大きさの押圧力で第1弁座部材2側へ押している。その結果、弁座3aが球弁4の外周面に気密に押圧接触され、さらに球弁4の外周面が弁座2aが気密に押し付けられ、球弁4が第1、第2弁座部材2,3によって回動可能に挟持されている。
【0021】
上記構成のボール弁Aにおいて、弁収容室1d内に第1、第2弁座部材2,3及び球弁4を組み込む場合には、ガス通路1aの一端開口部、つまりテーパ雌ねじ部1eの開口部から第1弁座部材2、球弁4及び第2弁座部材3を弁収容室1dに順次挿入する。そして、第1弁座部材2を環状突出部1hに押し付け、第1弁座部材2の弁座2aに球弁4を押し付け、さらに球弁4に第2弁座部材3の弁座3aを押し付ける。
【0022】
次に、押圧部材5をテーパ雌ねじ部1e内にその開口部から挿入する。このとき、押圧部材5の自然状態での外径がテーパ雌ねじ部1eの最大内径、つまり開口部の内径より小径であるので、押圧部材5をテーパ雌ねじ部1eに容易に挿入することができる。押圧部材5をテーパ雌ねじ部1eの所定の位置まで挿入すると、押圧部材5の外周面がテーパ雌ねじ部1eの内周面に押し当たる。その後は、図3に示すように、押圧部材5を押しロッドRで押し込む。すると、押圧部材5がテーパ雌ねじ部1eの内周面により、弾性的に縮径されつつ、テーパ雌ねじ部1eに挿入される。押圧部材5は、テーパ雌ねじ部1eからストレート孔部1fに挿入されて所定の位置に達すると、第2弁座部材3に突き当たる。その状態で押圧部材5をさらに押し込むと、押圧部材5の外周面が取付溝1jと対向する。すると、押圧部材5がそれ自体の弾性によって自然状態になるまで拡径することにより、押圧部材5の外周部が取付溝1jに入り込む。この状態では、テーパ雌ねじ部1eの開口部側への押圧部材5の移動が取付溝1jによって阻止され、しかも第2弁座部材3が押圧部材5によって第1弁座部材2側へ押されているので、第2弁座部材3が押圧部材5に突き当たった状態に位置固定され、第1弁座部材2が環状突出部1hに突き当たった状態で位置固定され、さらに球弁4が第1、第2弁座部材2,3によって挟持される。
【0023】
このように、このボール弁Aにおいて、第1、第2弁座部材2,3及び球弁4を所定の位置に装着するに際しては、押圧部材5をガス通路1a内に押し込むだけで足り、ねじ込む必要がない。したがって、押圧部材5をガス通路1a内に容易に短時間で装着することができる。また、ガス通路1aの内周面に雌ねじ孔を形成していないので、その分だけガス通路1aの内径を大径にすることができ、それに応じて第1、第2弁座部材2,3及び球4弁の各外径を大径にすることができる、球弁4に形成される貫通孔4aの内径を大きくすることができる。よって、ボール弁Aの圧力損失を小さくすることができる。
【0024】
次に、この発明の他の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態については、上記実施の形態と異なる構成についてのみ説明することとし、同様な構成部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0025】
図4は、この発明の第2実施の形態を示す。この実施の形態のボール弁Bにおいては、第2弁座部材3と押圧部材5との間に剛性を有する環状のワッシャ8が設けられている。ワッシャ8の外径及び内径は、弁収容孔1dに収容された第2弁座部材3の外径及び内径とそれぞれほぼ同一に設定されている。したがって、第2弁座部材3は、その外側を向く端面全体が押圧部材5によりワッシャ8を介して押される。
【0026】
図5は、この発明の第3実施の形態を示す。この実施の形態のボール弁Cにおいては、押圧部材5に代えて押圧部材5Aが用いられている。この押圧部材5Aは、図6に示すように、金属製の板材からなる環状の主部5aと、この主部5aの外周に一体に形成された多数の係合突起5bとを有している。係合突起5bは、図6(B)に示すように、階段状をなしており、主部5aに対して外側(テーパ雌ねじ部1e側)に配置されている。押圧部材5Aの外径(各係合突起5bの外周面を連ねてできる円の径)は、上記押圧部材5の外径と同様に設定されている。したがって、押圧部材5Aをテーパ雌ねじ部1eに所定箇所を越えて挿入すると、係合突起5bがテーパ雌ねじ部1eの内周面により、図6(B)において想像線で示すように、斜めに倒れるように弾性変形させられ、それによって押圧部材5Aの外径が弾性的に縮径される。係合突起5bの外周面が取付溝1jと対向すると、係合突起5bが元の自然状態に復帰し、押圧部材5Aが拡径する。それによって押圧部材5Aの外周部たる係合突起5bが取付溝1jに嵌り込む。なお、この実施の形態では、押圧部材5Aの内径が第2弁座部材3の内径と同一にされているが、押圧部材5Aの内径を第2弁座部材3の内径より大きしてもよく、その場合には、図4に示す実施の形態のように、ワッシャを用いるのが望ましい。この点は、以下に述べる実施の形態においても同様である。
【0027】
図7は、この発明の第4実施の形態を示す。この実施の形態のボール弁Dは、上記ボール弁Cの押圧部材5Aに代えて押圧部材5Bを用いたものである。図8に示すように、押圧部材5Bの主部5aの外周には、係合突起5bに代わる多数の傾斜突起5cが一体に形成されている。傾斜突起5cは、押圧部材5Bの径方向外側へ向かうにしたがってテーパ雌ねじ部1e側へ向かうように傾斜させられている。したがって、押圧部材5Bをテーパ雌ねじ部1eに所定箇所を越えて挿入すると、傾斜突起5cがテーパ雌ねじ部1eの内周面により、図8(B)において想像線で示すように、水平に近づくように弾性変形させられ、それによって押圧部材5Bの外径が弾性的に縮径される。傾斜突起5cの外周面が取付溝1jと対向すると、傾斜突起5cが元の自然状態に復帰し、押圧部材5Bが拡径する。それによって、押圧部材5Aの外周部たる傾斜突起5cが取付溝1jに嵌り込む。
【0028】
図9は、この発明の第5実施の形態を示す。この実施の形態のボール弁Eにおいては、第1実施の形態のボール弁Aの押圧部材5に代えて押圧部材5Cが用いられ、さらに係合部材9が新たに用いられている。押圧部材5Cは、完全な環状体として形成されており、径方向及び軸線方向にほとんど弾性変形しないよう、大きな剛性を有している。押圧部材5Cの外径は、ストレート孔部1fに対して挿脱可能であるように、ストレート孔部1fの内径とほぼ同一に設定されている。押圧部材5Cの内径は、弁収容室1dに収容された第2弁座部材3の内径とほぼ同一に設定されている。
【0029】
押圧部材5Cの外周面には、環状凹部(第2取付溝)5dが形成されている。この環状凹部5dは、取付溝(第1取付溝)1jと対向するように配置されている。環状凹部5dには、係合部材9の内周側の略半分が挿入されている。係合部材9の外周側の略半分は、取付溝1jに挿入されている。この結果、押圧部材5Cが弁収容室1d内の所定の位置に係合部材9を介して位置固定されている。
【0030】
係合部材9は、断面円形に形成されているが、断面四角形に形成してもよい。係合部材9は、その軸線方向から見たとき、C字状をなしており、それによって弾性的に拡縮径可能になっている。環状凹部5dの深さは、係合部材9の外径がストレート孔部1fの内径と同一内径になるまで係合部材9が縮径するのを許容し、その結果係合部材9全体を収容することができるよう、係合部材9を構成する断面円形の素材の外径とほぼ同一の深さに設定されている。
【0031】
上記構成のボール弁Eにおいて、第1弁座部材2、球弁4及び第2弁座部材3を弁収容室1dに挿入した後、押圧部材5Cを所定の位置に装着する場合には、押圧部材5Cの環状凹部5dに係合部材9を予め装着しておく。この場合、係合部材9は、その内側の半分が環状凹部5dに挿入され、その外側の半分が押圧部材5Cの外周面から突出した自然状態で装着されている。自然状態での係合部材9の外径は、テーパ雌ねじ部1eの最大内径より小径であり、最小内径より大径になっている。したがって、押圧部材5Cをテーパ雌ねじ部1e内に所定の位置を越えて挿入すると、係合部材9がテーパ雌ねじ部1eの内周面によって弾性的に縮径される。その後、環状凹部5dが取付溝1jと対向すると、係合部材9がそれ自体の弾性によって拡径し、その外周側の半分が取付溝1jに嵌り込む。これにより、押圧部材5Cが所定の位置に位置固定される。
【0032】
なお、押圧部材5Cの装着に際しては、係合部材9を取付溝1jに予め装着しておいてもよい。その場合には、係合部材9の外周側の半分が取付溝1jに挿入され、内周側の半分が取付溝1jから内側に突出した状態で係合部材9が取付溝1jに装着される。このように装着された係合部材9は、弁収容室1dに挿入される押圧部材5Cによって拡径される。したがって、取付溝1jは、係合部材9の拡径を許容して、係合部材9全体を収容することができるような深さをもって形成される。また、係合部材9を容易に拡径させることができるようにするために、押圧部材5Cの挿入方向の先端部外周面には、前方へ向かって小径になるテーパ面を形成しておくのがよい。勿論、テーパ面の最小外径は、自然状態での係合部材9の内径より若干小径にしておく。
【0033】
図10は、この発明の第6実施の形態を示す。この実施の形態のボール弁Fにおいては、取付溝1jが形成されておらず、また押圧部材5Dが用いられている。押圧部材5D、本体1を構成する金属より硬質の金属が採用されている。この実施の形態では、本体1が真鍮又は亜鉛によって構成され、押圧部材5Dが鋼によって構成されている。押圧部材5Dの形状寸法は、上記押圧部材5Bと同様であるのでその説明は省略する。
【0034】
押圧部材5Dを用いて第1、第2弁座部材2,3及び球弁5を所定の位置に固定する場合には、前述した実施の形態と同様に、まず第1弁座部材2、球弁4及び第2弁座部材3を弁収容室1dの所定の位置まで挿入した後、押圧部材5Dを挿入する。このとき、押圧部材5Dは、押圧部材5Bと同様に、傾斜突起5cが倒れるように弾性変形し、それよって押圧部材5Dが縮径する。したがって、押圧部材5Dは、問題なく挿入される。すなわち、図11に示すように、傾斜突起5cと弁収容室1dの内周面となす角度αが鈍角であるから、傾斜突起5cの先端部5eは弁収容室1dの内周面に食い込むことなく挿入される。しかるに、押圧部材5Dが第2弁座部材3に突き当たってこれを所定量だけ弾性変形させた後、押圧部材5Dに対する押圧力を解除すると、第1、第2弁座部材2,3の付勢力により、押圧部材5Dが想像線で示す位置から実線で示す位置に押し戻される。このときには、傾斜突起5Dと弁収容室1dの内周面とのなす角度βが鋭角であり、しかも押圧部材5Dが本体1より硬質の金属で構成されているので、先端部5eが弁収容室1dの内周面に食い込む。すると傾斜突起5cがより垂直状態に近づくように復帰変形する結果、先端部5eが弁収容室1dの内周面にさらに食い込む。これにより、押圧部材5Dが位置固定され、第1、第2弁座部材2,3及び球弁4が位置固定される。
【0035】
図12は、この発明の第7実施の形態を示す。この実施の形態のボール弁Gにおいては、ガス通路1aの流出孔1cが、弁収容室1dを間にして操作孔1iと逆側に配置されており、操作孔1iと対向する弁収容室1dの内面に開口している。しかも、流出孔1cは、その軸線を球弁4の回動軸線と一致させて形成されている。この結果、ガス通路1aがほぼ直角に屈曲させられている。また、このボール弁Gにおいては、球弁4の貫通孔4aが、その長手方向の中央部において流出孔1cと対向する球弁4の外周面に開口している。したがって、貫通孔4aは、流出孔1cと常時連通している。ただし、上記の各実施の形態と同様に、このボール弁Gにおいても、球弁4を90°の範囲で回動させることにより、貫通孔4aの一端開口部が流入孔1bと連通した開状態と、流入孔1dに対して遮断された閉状態とに切換可能である。貫通孔4aの他端開口部については、閉じておいてもよい。
【0036】
なお、この発明は、上記の実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、上記の各実施の形態は、この発明を都市ガスやプロパンガス等の気体用のボール弁に適用したものであるが、この発明は、水道水等の液体用のボール弁や穀物粉等の粉体用のボール弁にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】この発明の第1実施の形態を示す断面図である。
【図2】同実施の形態において用いられている押圧部材を示す平面図である。
【図3】同実施の形態において、押圧部材を取付溝に装着するための一方法を示す断面図である。
【図4】この発明の第2実施の形態を示す断面図である。
【図5】この発明の第3実施の形態を示す断面図である。
【図6】同実施の形態において用いられている押圧部材を示す図であって、図6(A)はその平面図、図6(B)は図6(A)のB−B線に沿う拡大断面図である。
【図7】この発明の第4実施の形態を示す断面図である。
【図8】同実施の形態において用いられている押圧部材を示す図であって、図8(A)はその平面図、図8(B)は図8(A)のB−B線に沿う断面図である。
【図9】この発明の第5実施の形態を示す断面図である。
【図10】この発明の第6実施の形態を示す断面図である。
【図11】同実施の形態における押圧部材の本体に対する食い込み状況を示す拡大断面図である。
【図12】この発明の第7実施の形態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0038】
A,B,C,D,E,F,G ボール弁
1 本体
1a ガス通路
1e テーパ雌ねじ部
1j 取付溝(第1取付溝)
2 第1弁座部材
2a 弁座
3 第2弁座部材
3a 弁座
4 球弁
5,5A,5B,5C,5D 押圧部材
5d 環状凹部(第2取付溝)
9 係合部材
【技術分野】
【0001】
この発明は、弁体として球弁が用いられたボール弁に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ボール弁は、内部に流通路が形成された本体と、流通路の内部にその一端開口部から順次挿入されて所定の位置に配置された第1弁座部材、球弁、第2弁座部材及び押圧部材とを備えており、押圧部材が第2弁座部材を第1弁座部材側に押すことにより、上記球弁が上記第1、第2弁座部材によって回動可能に挟持されている。この球弁が所定の閉位置に回動させられると、流通路の上流側部分と下流側部分とが球弁によって遮断され、ボール弁が閉状態になる。逆に、球弁が所定の開位置に回動させられると、流通路の上流側部分と下流側部分とが球弁に設けられた貫通孔を介して連通し、ボール弁が開状態になる(特許文献1,2参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平5−332462号公報
【特許文献2】特開2002−71032号公報
【0004】
ところで、ボール弁には、特許文献1に記載のもののように、本体が互いに螺合固定された二つの半体からなるものと、特許文献2に記載のもののように、本体全体が一体に形成されたものとがある。前者のボール弁においては、一方の半体に雌ねじ部を、他方の半体に雄ねじ部をそれぞれ形成しなければならず、その分だけ加工工数が増える。しかも、一方の半体と他方の半体とを一体的に連結固定するために、雌ねじ部に雄ねじ部を螺合させて締め付けなければならず、組み立て工数が増加する。この結果、ボール弁の製造費が高くなるという問題がある。この点、後者のボール弁においては、本体全体が一体に構成されているので、そのような問題が全く生じない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、本体全体を一体に構成した後者のボール弁においては、押圧部材が流通路の開口部から離れた内部に配置され、しかも流通路の内周面に形成された雌ねじ孔に螺合されている。したがって、押圧部材を流通路内に装着する場合には、押圧部材を流通路の内部の深くまで挿入した状態で螺合させなければならず、その作業は多くの困難性を伴う。このため、押圧部材の装着に時間がかかるという問題があった。また、流通路の内周面に雌ねじ孔を形成すると、その分だけ流通路の内径が小径になり、それに応じて、第1、第2弁座部材及び球弁の各外径が小径になるとともに、球弁に形成される貫通孔の内径が小さくなる。このため、ボール弁の圧力損失が大きくなるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、この発明の第1の態様は、全体が一体に形成され、内部に流通路が形成された本体と、上記流通路の内部にその一端開口部から順次挿入されてそれぞれ所定の位置に配置された第1弁座部材、球弁、第2弁座部材及び押圧部材とを備え、上記押圧部材が上記第2弁座部材を上記第1弁座部材側に押すことにより、上記球弁が上記第1、第2弁座部材によって回動可能に支持されたボール弁において、上記流通路の内周面に環状の取付溝が形成され、上記押圧部材が弾性的に拡縮径可能とされ、弾性的に縮径された上記押圧部材が拡径することによってその外周部が上記取付溝に挿入され、それによって上記押圧部材が上記所定の位置に配置されていることを特徴としている。
この場合、上記流通路の上記一端開口部には、上記流通路の内側に向かって小径になるテーパ雌ねじ部が形成され、上記押圧部材の自然状態時における外径が、上記テーパ雌ねじ部の最大内径より小径で、かつ最小内径より大径に設定され、上記押圧部材が、その外径が上記テーパ雌ねじ部の最小内径より小径になるまで弾性的に縮径可能であることが望ましい。
この発明の第2の態様は、全体が一体に形成され、内部に流通路が形成された本体と、上記流通路の内部にその一端開口部から順次挿入されてそれぞれ所定の位置に配置された第1弁座部材、球弁、第2弁座部材及び押圧部材とを備え、上記押圧部材が上記第2弁座部材を上記第1弁座部材側に押すことにより、上記球弁が上記第1、第2弁座部材によって回動可能に支持されたボール弁において、互いに対向する上記流通路の内周面と上記押圧部材の外周面とに環状をなす第1、第2取付溝がそれぞれ形成され、弾性的に拡縮径可能とされた係合部材の外周部と内周部とが上記第1、第2取付溝にそれぞれ挿入されることにより、上記押圧部材が上記所定の位置に配置され、上記第1取付溝と上記第2取付溝とのいずれか一方が上記係合部材全体を収容可能に形成されていることを特徴としている。
この場合、上記流通路の上記一端開口部には、上記流通路の内側に向かって小径になるテーパ雌ねじ部が形成され、上記係合部材の自然状態時における外径が、上記テーパ雌ねじ部の最大内径より小径で、かつ最小内径より大径に設定され、上記係合部材が、その外径が上記テーパ雌ねじ部の最小内径より小径になるまで弾性的に縮径可能であることが望ましい。
この発明の第3の態様は、全体が一体に形成され、内部に流通路が形成された本体と、上記流通路の内部にその一端開口部から順次挿入されてそれぞれ所定の位置に配置された第1弁座部材、球弁、第2弁座部材及び押圧部材とを備え、上記押圧部材が上記第2弁座部材を上記第1弁座部材側に押すことにより、上記球弁が上記第1、第2弁座部材によって回動可能に支持されたボール弁において、上記押圧部材が上記本体を構成する金属より硬度が高い金属によって拡縮径可能に構成され、上記押圧部材の外周部には、上記押圧部材が上記挿入方向と逆方向へ移動させられたときに上記流通路の内周面に食い込む食い付き部が形成されていることを特徴としている。
第1、第2、及び第3の態様においては、上記第1、第2弁座部材が弾性材によって構成されていることが望ましい。
【発明の効果】
【0007】
上記特徴構成を有する第1〜第3の発明によれば、固定部材を螺合させることなく、流通路内に単に押し込むだけで事足りる。したがって、固定部材を容易に取り付けることができる。また、流通路の内部に雌ねじ孔を形成する必要がないので、その分だけ流通路の内径を大きくすることができ、それに応じて第1、第2弁座部材及び球弁の外径を大きくすることができ、また球弁に形成される貫通孔の内径を大径にすることができる。したがって、ボール弁の圧力損失を小さくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、この発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。
図1及び図2は、この発明の第1実施の形態を示す。この実施の形態のボール弁Aは、図1に示すように、本体1、第1弁座部材2、第2弁座部材3、球弁4及び押圧部材5を備えている。
【0009】
本体1の内部には、その一端面(図1において右端面)から他端面まで一直線状に貫通するガス通路(流通路)1aが形成されている。このガス通路1aは、互いの軸線を一致させた流入孔1b、流出孔1c及び弁収容室1dを有している。
【0010】
流入孔1bは、断面円形をなしており、本体1の一端面から内部に向かって延びている。流入孔1bの内周面の開口側端部には、本体1の内側へ向かうにしたがって小径になるテーパ雌ねじ部1eが形成されている。このテーパ雌ねじ部1eには、ガス管、その他のガス器具(図示せず)が螺合接続される。流入孔1bの内側の端部には、ストレート孔部1fが形成されている。このストレート孔部1fは、テーパ雌ねじ部1eと軸線を一致させて形成されており、その内径はテーパ孔部1eの小径側の端縁の内径と同一に設定されている。したがって、テーパ孔部1eとストレート孔部1bとは、互いの間に段差が形成されることなく連続している。
【0011】
流出孔1cは、断面円形をなしており、本体1の他端面から内部に向かって延びている。流出孔1cの内周面には、本体1の内側へ向かうにしたがって小径になるテーパ雌ねじ部1gが形成されている。このテーパ雌ねじ部1gは、テーパ雌ねじ部1eと対称な関係になっているが、同一寸法を有している。勿論、テーパ雌ねじ部1gにも、ガス管、その他のガス器具(図示せず)が螺合接続される。なお、流出孔1cを流入孔とし、上記流入孔1bを流出孔としてもよい。
【0012】
弁収容室1dは、断面円形をなしており、ストレート孔部1fと同一内径を有している。したがって、弁収容室1dは、ストレート孔部1fを他端側へ延長したものと同一形状をなしている。弁収容室1dと流出孔1bとの間には、環状突出部1hが形成されている。この環状突出部1hの内径がガス通路1aのうちで最も小径に設定されている。
【0013】
第1弁座部材2は、周知のボール弁のように、四フッ化エチレン樹脂、ゴム等の弾性材によって構成されている。第1弁座部材2は、リング状をなしており、その軸線をガス通路1aの軸線と一致させて配置されている。しかも、第1弁座部材2は、その他端側(図1において左側)の端面が環状突出部1hの弁収容室1dに臨む端面に押し付けられるとともに、その外周面が弁収容室1dの内周面に気密に、かつ弁収容室1dの軸線方向へ摺動可能に押し付けられている。第1弁座部材2の一端側の端面の内周部には、環状をなす弁座2aが形成されている。この弁座2aは、ガス通路1aの軸線上に中心が配置された球面の一部によって構成されている。
【0014】
第2弁座部材3は、第1弁座部材2と同一の材質によって構成されており、第1弁座部材2と対称に形成されている。したがって、第2弁座部材3の他端側の端面の内周部には、弁座2aと同一の球面の一部からなる弁座3aが形成されている。
【0015】
弁収容室1dには、球弁4が収容されている。この球弁4は、第1、第2弁座部材2,3の弁座2a,3aにより、ガス通路1aの軸線と直交する軸線を中心として回動可能に支持されている。勿論、球弁4の外周面は、弁座2a,3aに気密に接触している。球弁4には、その回動軸線と直交する方向に延びる断面円形の貫通孔4aが形成されている。この貫通孔4aの内径は、弁座部材2,3の内径とほぼ同一に設定されている。
【0016】
貫通孔4aは、球弁4を図1に示す開位置に回動させると、貫通孔4aの一端部が流入1bと連通し、他端部が流出孔1bと連通する。これにより、流入孔1bと流出孔1cとが連通し、ガス通路1aが開かれてボール弁Aが開状態になる。球弁4を開位置からほぼ90°回動させて閉位置に位置させると、貫通孔4aの両端開口部が流入孔1b及び流出孔1cから球弁4の周方向へ離間する結果、流入孔1bと流出孔1cとが球弁4によって遮断される。これにより、ガス通路1aが閉じられてボール弁Aが閉状態になる。
【0017】
球弁4の回動軸線上に位置する本体1の一側部には、その外面から弁収容室1dまで貫通する操作孔1iが形成されている。この操作孔1iには、操作軸6が回動可能に挿入されている。操作軸6の内側の端部には、球弁4が回動不能に連結されている。操作軸6の本体1から外部に突出した外側の端部には、ハンドル7が回動不能に連結されている。したがって、ハンドル7によって球弁4を回動操作することができる。
【0018】
弁収容室1dの内周面には、環状をなす取付溝1jが形成されている。この取付溝1jは、第2弁座部材3に対し本体1の一端側において隣接するように配置されている。取付溝1jには、押圧部材5が着脱可能に装着されている。
【0019】
押圧部材5は、図2に示すように、金属製の板材からなるリング体の一部を切り欠くことによって略C字状に形成したものであり、弾性的に拡縮径可能になっている。押圧部材5の外径は、押圧部材5に外力が作用しない自然状態になっているときに、ストレート孔部1fの内径(テーパ雌ねじ部1eの最小内径)より大径になっている。したがって、押圧部材5は、縮径した状態でストレート孔部1fに挿入され、その外周面が取付溝1jと対向すると、押圧部材5自体の弾性によって拡径し、その外周部が取付溝1jに着脱可能に装着される。押圧部材5の外径は、それが自然状態になっているとき、テーパ雌ねじ部1eの最大内径、つまりテーパ雌ねじ部1eの開口端における内径より小径に設定するのが望ましい。押圧部材5の厚さ(ガス通路1aの軸線方向における厚さ)は、テーパ雌ねじ部1eのピッチより大きくするのが望ましい。さらに、押圧部材5の外周面は、テーパ雌ねじ部1eと同一のテーパ度を有するテーパ面にするのが望ましい。
【0020】
押圧部材5は、取付溝1jに装着された状態では第2弁座部材3を所定の大きさの押圧力で第1弁座部材2側へ押している。その結果、弁座3aが球弁4の外周面に気密に押圧接触され、さらに球弁4の外周面が弁座2aが気密に押し付けられ、球弁4が第1、第2弁座部材2,3によって回動可能に挟持されている。
【0021】
上記構成のボール弁Aにおいて、弁収容室1d内に第1、第2弁座部材2,3及び球弁4を組み込む場合には、ガス通路1aの一端開口部、つまりテーパ雌ねじ部1eの開口部から第1弁座部材2、球弁4及び第2弁座部材3を弁収容室1dに順次挿入する。そして、第1弁座部材2を環状突出部1hに押し付け、第1弁座部材2の弁座2aに球弁4を押し付け、さらに球弁4に第2弁座部材3の弁座3aを押し付ける。
【0022】
次に、押圧部材5をテーパ雌ねじ部1e内にその開口部から挿入する。このとき、押圧部材5の自然状態での外径がテーパ雌ねじ部1eの最大内径、つまり開口部の内径より小径であるので、押圧部材5をテーパ雌ねじ部1eに容易に挿入することができる。押圧部材5をテーパ雌ねじ部1eの所定の位置まで挿入すると、押圧部材5の外周面がテーパ雌ねじ部1eの内周面に押し当たる。その後は、図3に示すように、押圧部材5を押しロッドRで押し込む。すると、押圧部材5がテーパ雌ねじ部1eの内周面により、弾性的に縮径されつつ、テーパ雌ねじ部1eに挿入される。押圧部材5は、テーパ雌ねじ部1eからストレート孔部1fに挿入されて所定の位置に達すると、第2弁座部材3に突き当たる。その状態で押圧部材5をさらに押し込むと、押圧部材5の外周面が取付溝1jと対向する。すると、押圧部材5がそれ自体の弾性によって自然状態になるまで拡径することにより、押圧部材5の外周部が取付溝1jに入り込む。この状態では、テーパ雌ねじ部1eの開口部側への押圧部材5の移動が取付溝1jによって阻止され、しかも第2弁座部材3が押圧部材5によって第1弁座部材2側へ押されているので、第2弁座部材3が押圧部材5に突き当たった状態に位置固定され、第1弁座部材2が環状突出部1hに突き当たった状態で位置固定され、さらに球弁4が第1、第2弁座部材2,3によって挟持される。
【0023】
このように、このボール弁Aにおいて、第1、第2弁座部材2,3及び球弁4を所定の位置に装着するに際しては、押圧部材5をガス通路1a内に押し込むだけで足り、ねじ込む必要がない。したがって、押圧部材5をガス通路1a内に容易に短時間で装着することができる。また、ガス通路1aの内周面に雌ねじ孔を形成していないので、その分だけガス通路1aの内径を大径にすることができ、それに応じて第1、第2弁座部材2,3及び球4弁の各外径を大径にすることができる、球弁4に形成される貫通孔4aの内径を大きくすることができる。よって、ボール弁Aの圧力損失を小さくすることができる。
【0024】
次に、この発明の他の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態については、上記実施の形態と異なる構成についてのみ説明することとし、同様な構成部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0025】
図4は、この発明の第2実施の形態を示す。この実施の形態のボール弁Bにおいては、第2弁座部材3と押圧部材5との間に剛性を有する環状のワッシャ8が設けられている。ワッシャ8の外径及び内径は、弁収容孔1dに収容された第2弁座部材3の外径及び内径とそれぞれほぼ同一に設定されている。したがって、第2弁座部材3は、その外側を向く端面全体が押圧部材5によりワッシャ8を介して押される。
【0026】
図5は、この発明の第3実施の形態を示す。この実施の形態のボール弁Cにおいては、押圧部材5に代えて押圧部材5Aが用いられている。この押圧部材5Aは、図6に示すように、金属製の板材からなる環状の主部5aと、この主部5aの外周に一体に形成された多数の係合突起5bとを有している。係合突起5bは、図6(B)に示すように、階段状をなしており、主部5aに対して外側(テーパ雌ねじ部1e側)に配置されている。押圧部材5Aの外径(各係合突起5bの外周面を連ねてできる円の径)は、上記押圧部材5の外径と同様に設定されている。したがって、押圧部材5Aをテーパ雌ねじ部1eに所定箇所を越えて挿入すると、係合突起5bがテーパ雌ねじ部1eの内周面により、図6(B)において想像線で示すように、斜めに倒れるように弾性変形させられ、それによって押圧部材5Aの外径が弾性的に縮径される。係合突起5bの外周面が取付溝1jと対向すると、係合突起5bが元の自然状態に復帰し、押圧部材5Aが拡径する。それによって押圧部材5Aの外周部たる係合突起5bが取付溝1jに嵌り込む。なお、この実施の形態では、押圧部材5Aの内径が第2弁座部材3の内径と同一にされているが、押圧部材5Aの内径を第2弁座部材3の内径より大きしてもよく、その場合には、図4に示す実施の形態のように、ワッシャを用いるのが望ましい。この点は、以下に述べる実施の形態においても同様である。
【0027】
図7は、この発明の第4実施の形態を示す。この実施の形態のボール弁Dは、上記ボール弁Cの押圧部材5Aに代えて押圧部材5Bを用いたものである。図8に示すように、押圧部材5Bの主部5aの外周には、係合突起5bに代わる多数の傾斜突起5cが一体に形成されている。傾斜突起5cは、押圧部材5Bの径方向外側へ向かうにしたがってテーパ雌ねじ部1e側へ向かうように傾斜させられている。したがって、押圧部材5Bをテーパ雌ねじ部1eに所定箇所を越えて挿入すると、傾斜突起5cがテーパ雌ねじ部1eの内周面により、図8(B)において想像線で示すように、水平に近づくように弾性変形させられ、それによって押圧部材5Bの外径が弾性的に縮径される。傾斜突起5cの外周面が取付溝1jと対向すると、傾斜突起5cが元の自然状態に復帰し、押圧部材5Bが拡径する。それによって、押圧部材5Aの外周部たる傾斜突起5cが取付溝1jに嵌り込む。
【0028】
図9は、この発明の第5実施の形態を示す。この実施の形態のボール弁Eにおいては、第1実施の形態のボール弁Aの押圧部材5に代えて押圧部材5Cが用いられ、さらに係合部材9が新たに用いられている。押圧部材5Cは、完全な環状体として形成されており、径方向及び軸線方向にほとんど弾性変形しないよう、大きな剛性を有している。押圧部材5Cの外径は、ストレート孔部1fに対して挿脱可能であるように、ストレート孔部1fの内径とほぼ同一に設定されている。押圧部材5Cの内径は、弁収容室1dに収容された第2弁座部材3の内径とほぼ同一に設定されている。
【0029】
押圧部材5Cの外周面には、環状凹部(第2取付溝)5dが形成されている。この環状凹部5dは、取付溝(第1取付溝)1jと対向するように配置されている。環状凹部5dには、係合部材9の内周側の略半分が挿入されている。係合部材9の外周側の略半分は、取付溝1jに挿入されている。この結果、押圧部材5Cが弁収容室1d内の所定の位置に係合部材9を介して位置固定されている。
【0030】
係合部材9は、断面円形に形成されているが、断面四角形に形成してもよい。係合部材9は、その軸線方向から見たとき、C字状をなしており、それによって弾性的に拡縮径可能になっている。環状凹部5dの深さは、係合部材9の外径がストレート孔部1fの内径と同一内径になるまで係合部材9が縮径するのを許容し、その結果係合部材9全体を収容することができるよう、係合部材9を構成する断面円形の素材の外径とほぼ同一の深さに設定されている。
【0031】
上記構成のボール弁Eにおいて、第1弁座部材2、球弁4及び第2弁座部材3を弁収容室1dに挿入した後、押圧部材5Cを所定の位置に装着する場合には、押圧部材5Cの環状凹部5dに係合部材9を予め装着しておく。この場合、係合部材9は、その内側の半分が環状凹部5dに挿入され、その外側の半分が押圧部材5Cの外周面から突出した自然状態で装着されている。自然状態での係合部材9の外径は、テーパ雌ねじ部1eの最大内径より小径であり、最小内径より大径になっている。したがって、押圧部材5Cをテーパ雌ねじ部1e内に所定の位置を越えて挿入すると、係合部材9がテーパ雌ねじ部1eの内周面によって弾性的に縮径される。その後、環状凹部5dが取付溝1jと対向すると、係合部材9がそれ自体の弾性によって拡径し、その外周側の半分が取付溝1jに嵌り込む。これにより、押圧部材5Cが所定の位置に位置固定される。
【0032】
なお、押圧部材5Cの装着に際しては、係合部材9を取付溝1jに予め装着しておいてもよい。その場合には、係合部材9の外周側の半分が取付溝1jに挿入され、内周側の半分が取付溝1jから内側に突出した状態で係合部材9が取付溝1jに装着される。このように装着された係合部材9は、弁収容室1dに挿入される押圧部材5Cによって拡径される。したがって、取付溝1jは、係合部材9の拡径を許容して、係合部材9全体を収容することができるような深さをもって形成される。また、係合部材9を容易に拡径させることができるようにするために、押圧部材5Cの挿入方向の先端部外周面には、前方へ向かって小径になるテーパ面を形成しておくのがよい。勿論、テーパ面の最小外径は、自然状態での係合部材9の内径より若干小径にしておく。
【0033】
図10は、この発明の第6実施の形態を示す。この実施の形態のボール弁Fにおいては、取付溝1jが形成されておらず、また押圧部材5Dが用いられている。押圧部材5D、本体1を構成する金属より硬質の金属が採用されている。この実施の形態では、本体1が真鍮又は亜鉛によって構成され、押圧部材5Dが鋼によって構成されている。押圧部材5Dの形状寸法は、上記押圧部材5Bと同様であるのでその説明は省略する。
【0034】
押圧部材5Dを用いて第1、第2弁座部材2,3及び球弁5を所定の位置に固定する場合には、前述した実施の形態と同様に、まず第1弁座部材2、球弁4及び第2弁座部材3を弁収容室1dの所定の位置まで挿入した後、押圧部材5Dを挿入する。このとき、押圧部材5Dは、押圧部材5Bと同様に、傾斜突起5cが倒れるように弾性変形し、それよって押圧部材5Dが縮径する。したがって、押圧部材5Dは、問題なく挿入される。すなわち、図11に示すように、傾斜突起5cと弁収容室1dの内周面となす角度αが鈍角であるから、傾斜突起5cの先端部5eは弁収容室1dの内周面に食い込むことなく挿入される。しかるに、押圧部材5Dが第2弁座部材3に突き当たってこれを所定量だけ弾性変形させた後、押圧部材5Dに対する押圧力を解除すると、第1、第2弁座部材2,3の付勢力により、押圧部材5Dが想像線で示す位置から実線で示す位置に押し戻される。このときには、傾斜突起5Dと弁収容室1dの内周面とのなす角度βが鋭角であり、しかも押圧部材5Dが本体1より硬質の金属で構成されているので、先端部5eが弁収容室1dの内周面に食い込む。すると傾斜突起5cがより垂直状態に近づくように復帰変形する結果、先端部5eが弁収容室1dの内周面にさらに食い込む。これにより、押圧部材5Dが位置固定され、第1、第2弁座部材2,3及び球弁4が位置固定される。
【0035】
図12は、この発明の第7実施の形態を示す。この実施の形態のボール弁Gにおいては、ガス通路1aの流出孔1cが、弁収容室1dを間にして操作孔1iと逆側に配置されており、操作孔1iと対向する弁収容室1dの内面に開口している。しかも、流出孔1cは、その軸線を球弁4の回動軸線と一致させて形成されている。この結果、ガス通路1aがほぼ直角に屈曲させられている。また、このボール弁Gにおいては、球弁4の貫通孔4aが、その長手方向の中央部において流出孔1cと対向する球弁4の外周面に開口している。したがって、貫通孔4aは、流出孔1cと常時連通している。ただし、上記の各実施の形態と同様に、このボール弁Gにおいても、球弁4を90°の範囲で回動させることにより、貫通孔4aの一端開口部が流入孔1bと連通した開状態と、流入孔1dに対して遮断された閉状態とに切換可能である。貫通孔4aの他端開口部については、閉じておいてもよい。
【0036】
なお、この発明は、上記の実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、上記の各実施の形態は、この発明を都市ガスやプロパンガス等の気体用のボール弁に適用したものであるが、この発明は、水道水等の液体用のボール弁や穀物粉等の粉体用のボール弁にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】この発明の第1実施の形態を示す断面図である。
【図2】同実施の形態において用いられている押圧部材を示す平面図である。
【図3】同実施の形態において、押圧部材を取付溝に装着するための一方法を示す断面図である。
【図4】この発明の第2実施の形態を示す断面図である。
【図5】この発明の第3実施の形態を示す断面図である。
【図6】同実施の形態において用いられている押圧部材を示す図であって、図6(A)はその平面図、図6(B)は図6(A)のB−B線に沿う拡大断面図である。
【図7】この発明の第4実施の形態を示す断面図である。
【図8】同実施の形態において用いられている押圧部材を示す図であって、図8(A)はその平面図、図8(B)は図8(A)のB−B線に沿う断面図である。
【図9】この発明の第5実施の形態を示す断面図である。
【図10】この発明の第6実施の形態を示す断面図である。
【図11】同実施の形態における押圧部材の本体に対する食い込み状況を示す拡大断面図である。
【図12】この発明の第7実施の形態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0038】
A,B,C,D,E,F,G ボール弁
1 本体
1a ガス通路
1e テーパ雌ねじ部
1j 取付溝(第1取付溝)
2 第1弁座部材
2a 弁座
3 第2弁座部材
3a 弁座
4 球弁
5,5A,5B,5C,5D 押圧部材
5d 環状凹部(第2取付溝)
9 係合部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
全体が一体に形成され、内部に流通路が形成された本体と、上記流通路の内部にその一端開口部から順次挿入されてそれぞれ所定の位置に配置された第1弁座部材、球弁、第2弁座部材及び押圧部材とを備え、上記押圧部材が上記第2弁座部材を上記第1弁座部材側に押すことにより、上記球弁が上記第1、第2弁座部材によって回動可能に支持されたボール弁において、
上記流通路の内周面に環状の取付溝が形成され、上記押圧部材が弾性的に拡縮径可能とされ、弾性的に縮径された上記押圧部材が拡径することによってその外周部が上記取付溝に挿入され、それによって上記押圧部材が上記所定の位置に配置されていることを特徴とするボール弁。
【請求項2】
上記流通路の上記一端開口部には、上記流通路の内側に向かって小径になるテーパ雌ねじ部が形成され、上記押圧部材の自然状態時における外径が、上記テーパ雌ねじ部の最大内径より小径で、かつ最小内径より大径に設定され、上記押圧部材が、その外径が上記テーパ雌ねじ部の最小内径より小径になるまで弾性的に縮径可能であることを特徴とする請求項1に記載のボール弁。
【請求項3】
全体が一体に形成され、内部に流通路が形成された本体と、上記流通路の内部にその一端開口部から順次挿入されてそれぞれ所定の位置に配置された第1弁座部材、球弁、第2弁座部材及び押圧部材とを備え、上記押圧部材が上記第2弁座部材を上記第1弁座部材側に押すことにより、上記球弁が上記第1、第2弁座部材によって回動可能に支持されたボール弁において、
互いに対向する上記流通路の内周面と上記押圧部材の外周面とに環状をなす第1、第2取付溝がそれぞれ形成され、弾性的に拡縮径可能とされた係合部材の外周部と内周部とが上記第1、第2取付溝にそれぞれ挿入されることにより、上記押圧部材が上記所定の位置に配置され、上記第1取付溝と上記第2取付溝とのいずれか一方が上記係合部材全体を収容可能に形成されていることを特徴とするボール弁。
【請求項4】
上記流通路の上記一端開口部には、上記流通路の内側に向かって小径になるテーパ雌ねじ部が形成され、上記係合部材の自然状態時における外径が、上記テーパ雌ねじ部の最大内径より小径で、かつ最小内径より大径に設定され、上記係合部材が、その外径が上記テーパ雌ねじ部の最小内径より小径になるまで弾性的に縮径可能であることを特徴とする請求項3に記載のボール弁。
【請求項5】
全体が一体に形成され、内部に流通路が形成された本体と、上記流通路の内部にその一端開口部から順次挿入されてそれぞれ所定の位置に配置された第1弁座部材、球弁、第2弁座部材及び押圧部材とを備え、上記押圧部材が上記第2弁座部材を上記第1弁座部材側に押すことにより、上記球弁が上記第1、第2弁座部材によって回動可能に支持されたボール弁において、
上記押圧部材が上記本体を構成する金属より硬度が高い金属によって拡縮径可能に構成され、上記押圧部材の外周部には、上記押圧部材が上記挿入方向と逆方向へ移動させられたときに上記流通路の内周面に食い込む食い付き部が形成されていることを特徴とするボール弁。
【請求項6】
上記第1、第2弁座部材が弾性材によって構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のボール弁。
【請求項1】
全体が一体に形成され、内部に流通路が形成された本体と、上記流通路の内部にその一端開口部から順次挿入されてそれぞれ所定の位置に配置された第1弁座部材、球弁、第2弁座部材及び押圧部材とを備え、上記押圧部材が上記第2弁座部材を上記第1弁座部材側に押すことにより、上記球弁が上記第1、第2弁座部材によって回動可能に支持されたボール弁において、
上記流通路の内周面に環状の取付溝が形成され、上記押圧部材が弾性的に拡縮径可能とされ、弾性的に縮径された上記押圧部材が拡径することによってその外周部が上記取付溝に挿入され、それによって上記押圧部材が上記所定の位置に配置されていることを特徴とするボール弁。
【請求項2】
上記流通路の上記一端開口部には、上記流通路の内側に向かって小径になるテーパ雌ねじ部が形成され、上記押圧部材の自然状態時における外径が、上記テーパ雌ねじ部の最大内径より小径で、かつ最小内径より大径に設定され、上記押圧部材が、その外径が上記テーパ雌ねじ部の最小内径より小径になるまで弾性的に縮径可能であることを特徴とする請求項1に記載のボール弁。
【請求項3】
全体が一体に形成され、内部に流通路が形成された本体と、上記流通路の内部にその一端開口部から順次挿入されてそれぞれ所定の位置に配置された第1弁座部材、球弁、第2弁座部材及び押圧部材とを備え、上記押圧部材が上記第2弁座部材を上記第1弁座部材側に押すことにより、上記球弁が上記第1、第2弁座部材によって回動可能に支持されたボール弁において、
互いに対向する上記流通路の内周面と上記押圧部材の外周面とに環状をなす第1、第2取付溝がそれぞれ形成され、弾性的に拡縮径可能とされた係合部材の外周部と内周部とが上記第1、第2取付溝にそれぞれ挿入されることにより、上記押圧部材が上記所定の位置に配置され、上記第1取付溝と上記第2取付溝とのいずれか一方が上記係合部材全体を収容可能に形成されていることを特徴とするボール弁。
【請求項4】
上記流通路の上記一端開口部には、上記流通路の内側に向かって小径になるテーパ雌ねじ部が形成され、上記係合部材の自然状態時における外径が、上記テーパ雌ねじ部の最大内径より小径で、かつ最小内径より大径に設定され、上記係合部材が、その外径が上記テーパ雌ねじ部の最小内径より小径になるまで弾性的に縮径可能であることを特徴とする請求項3に記載のボール弁。
【請求項5】
全体が一体に形成され、内部に流通路が形成された本体と、上記流通路の内部にその一端開口部から順次挿入されてそれぞれ所定の位置に配置された第1弁座部材、球弁、第2弁座部材及び押圧部材とを備え、上記押圧部材が上記第2弁座部材を上記第1弁座部材側に押すことにより、上記球弁が上記第1、第2弁座部材によって回動可能に支持されたボール弁において、
上記押圧部材が上記本体を構成する金属より硬度が高い金属によって拡縮径可能に構成され、上記押圧部材の外周部には、上記押圧部材が上記挿入方向と逆方向へ移動させられたときに上記流通路の内周面に食い込む食い付き部が形成されていることを特徴とするボール弁。
【請求項6】
上記第1、第2弁座部材が弾性材によって構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のボール弁。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−220197(P2006−220197A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−33120(P2005−33120)
【出願日】平成17年2月9日(2005.2.9)
【出願人】(000167325)光陽産業株式会社 (69)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月9日(2005.2.9)
【出願人】(000167325)光陽産業株式会社 (69)
【Fターム(参考)】
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