説明

ポインティング装置を用いたコンテンツ移動方法および装置

【課題】本発明は、ポインティング装置を用いたコンテンツ移動方法および装置に関し、特に、画面よりも大きなコンテンツをユーザが便利に見ることができるようにする。
【解決手段】本発明のコンテンツ移動方法は、前記コンテンツの一部を表示する途中で画面に対するポインティング地点の位置変化が感知されれば、現在のポインティング地点を追跡して取得するステップと、前記画面に対する最初のポインティング地点を原点として、前記原点から前記現在のポインティング地点までのX軸変化量およびY軸変化量をそれぞれ予め設定されたX軸閾値およびY軸閾値と比較するステップと、前記比較結果に基づいて前記ポインティング地点の移動方向をX軸、Y軸およびXY軸(対角線)方向のうちいずれか1つに決定するステップと、前記決定された方向に前記コンテンツを移動して前記コンテンツの他の部位を表示するステップと、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポインティング装置を用いたコンテンツ移動方法および装置に関し、特に、画面よりも大きなコンテンツをユーザが便利に見ることができるようにする、ポインティング装置を用いたコンテンツ移動方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンテンツ移動装置は、画面よりも大きなコンテンツで一部を表示する表示部と、コンテンツを移動させるためのポインティング装置とを備える。このようなポインティング装置としては、主にタッチスクリーンを利用している傾向にある。このようなコンテンツ移動装置は、タッチスクリーンに対するユーザの操作に応答してコンテンツ(例、イメージ)を移動させ、コンテンツの他の部位を画面に表示する。一般的に、このようなコンテンツ移動装置は、携帯端末機に適用することができる。電子通信技術の発展に伴い、ユーザは、携帯端末機を用いて多様な機能を利用できるようになった。特に、スマートフォン、タブレットパソコン等は、与えられた機能だけを利用した従来の携帯端末機とは異なり、アップストア等のアプリケーションマーケットを介して多様なアプリケーションをダウンロードして設置することができる。
【0003】
一方、ユーザは、このようなタッチスクリーンを操作して、画面に表示されるコンテンツを自身が希望する方向に移動させることができる。しかし、ユーザの操作ミスや移動方向に対する測定誤差などによって、ユーザの意図しない方向にコンテンツが移動するという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の問題点を解決するために案出されたものであり、ユーザの単純な操作ミスや移動方向に対する測定誤差などを勘案して、コンテンツを一定の方向に移動させて表示するポインティング装置を用いたコンテンツ移動方法および装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のポインティング装置を用いたコンテンツ移動方法は、前記コンテンツの一部を表示する途中で画面に対するポインティング地点の位置変化が感知されれば、現在のポインティング地点を追跡して取得するステップと、前記画面に対する最初のポインティング地点を原点として、前記原点から前記現在のポインティング地点までのX軸変化量およびY軸変化量をそれぞれ予め設定されたX軸閾値およびY軸閾値と比較するステップと、前記比較結果に基づいて前記ポインティング地点の移動方向をX軸、Y軸およびXY軸(対角線)方向のうちいずれか1つに決定するステップと、前記決定された方向に前記コンテンツを移動して前記コンテンツの他の部位を表示するステップと、を含む。
【0006】
本発明のコンテンツ移動装置は、画面よりも大きなコンテンツで一部を前記画面に表示する表示部と、前記画面の特定地点をポインティングするためのポインティング部と、前記画面に前記コンテンツの一部が表示される途中で前記画面に対するポインティング地点の位置変化が感知されれば、現在のポインティング地点を追跡して取得する取得部と、前記画面に対する最初のポインティング地点を原点として、前記原点から前記現在のポインティング地点までのX軸変化量およびY軸変化量をそれぞれ予め設定されたX軸閾値およびY軸閾値と比較する比較部と、前記比較結果に基づいて前記ポインティング地点の移動方向をX軸、Y軸およびXY軸(対角線)方向のうちいずれか1つに決定する方向決定部と、前記決定された方向に前記コンテンツを移動し、前記表示部を制御して前記移動したコンテンツの該当部位を表示するようにする表示制御部と、を含む。
【発明の効果】
【0007】
以上から、本発明のコンテンツ移動方法および装置によれば、コンテンツをユーザが意図した一定の方向に移動させて表示することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明のコンテンツ移動装置の画面およびこれを介して表示されるコンテンツを示す概念図である。
【図2】本発明に係るドラッグの発生および方向を判断するためのアルゴリズムを説明するための概念図である。
【図3】本発明に係る垂直、水平および対角線方向へのコンテンツ移動過程を説明するための概念図である。
【図4】本発明に係る垂直、水平および対角線方向へのコンテンツ移動過程を説明するための概念図である。
【図5】本発明に係る垂直、水平および対角線方向へのコンテンツ移動過程を説明するための概念図である。
【図6】本発明の一実施例に係るコンテンツ移動装置のブロック構成図である。
【図7】本発明の一実施例に係るコンテンツ移動方法を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の他の実施例に係るコンテンツ移動方法を説明するためのフローチャートである。
【図9】ドラッグの出発点を再設定する過程を説明するための概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付した図面を参照して本発明の好ましい実施例により、タッチスクリーンを用いたコンテンツ移動方法および装置について詳細に説明する。但し、本発明を説明するにあたって、関連する公知機能または構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不要に曖昧にすると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
【0010】
本発明の詳細な説明に先立ち、以下で使用された用語や単語は、通常的または辞書的な意味として限定して解釈されてはいけず、本発明の技術的思想に符合する意味および概念として解釈されなければならない。したがって、本明細書と図面は、本発明の好ましい実施例に過ぎないだけで、本発明の技術的思想を全部代弁するものではないため、本出願時点においてこれらを代替することができる多様な均等物と変形例があり得ることを理解しなければならない。また、添付図面において一部の構成要素は、誇張または省略されるか、概略的に示されており、各構成要素の大きさは、実際の大きさを全面的に反映するものではない。したがって、本発明は、添付した図面に描かれた相対的な大きさや間隔によって制限されない。
【0011】
本発明のコンテンツ移動装置は、ポインティング装置を備えた装置であって、携帯電話、スマートフォン、タブレットパソコン、ハンドヘルド(hand−held)PC、PMP(Portable Multimedia Player)、PDA(Personal Digital Assistant)、音楽再生機(例、MP3プレーヤー)、携帯型ゲーム端末機およびデジタル放送プレーヤー等の全ての情報通信機器とマルチメディア機器、並びにそれに対する応用機器に適用できることは自明である。ここで、ポインティング装置は、周知されているようにライトペン、マウス、タッチパッド、トラックボールおよびタッチスクリーンなどがある。以下の説明では、ポインティング装置をタッチスクリーンと仮定して説明する。
【0012】
図1は、本発明のコンテンツ移動装置の画面およびこれを介して表示されるコンテンツを示す概念図である。
【0013】
図1を参照すれば、コンテンツ移動装置は、その画面110より大きいサイズのコンテンツ120で一部を画面110に表示する。ここで、コンテンツ120は、写真、ウェブページまたは文書などであってもよい。コンテンツ移動装置は、ドラッグ(Drag)が発生すれば、ドラッグの方向にコンテンツ120を移動してコンテンツの新しい部位を表示する。例えば、ユーザが下方向にドラッグをするようになれば、コンテンツの新しい部位が画面の上方部分に現れながら、相対的に画面の下方にあった既存に表示される部位は消えるようになる。ここで、ドラッグは、ユーザが画面の特定地点をポインティング、すなわち、タッチした状態で指を所定方向に移動させる動作を意味する。このようなドラッグは、スクロールともいう。一方、ユーザは一定の方向にドラッグをするが、コンテンツ移動装置で感知されるドラッグの方向は、ユーザの意図とは異なって、一定しないのが一般的である。このようなドラッグ方向上の誤差に対してコンテンツ移動装置が敏感に反応するようになれば、ユーザの意図しない異なる方向にコンテンツ120を移動させるという問題がある。このような問題を解決するために、本発明は、ドラッグの発生および方向を判断するためのアルゴリズムを提示する。
【0014】
図2は、本発明に係るドラッグの発生および方向を判断するためのアルゴリズムを説明するための概念図である。
【0015】
図2を参照すれば、画面210に対する最初のポインティング地点220を原点として、原点から現在のポインティング地点までのX軸変化量(△xn=x−x;xは、最初のポインティング地点220の座標であり、xは、現在のポインティング地点の座標であり、nは、0または正の整数を示す)がX軸閾値(Xth)を超過し、その反面、現在のポインティング地点のY軸変化量(△y=y−y)がY軸閾値(Yth)以下の場合、本発明のコンテンツ移動装置は、ドラッグの方向を水平、すなわち、X軸と判断して、前記△xに基づきコンテンツを移動して表示する。例えば、コンテンツ移動装置は、△x分だけ水平にコンテンツを移動して表示する。一方、△x≦Xthであり、△y>Ythであれば、本発明のコンテンツ移動装置は、ドラッグの方向を垂直、すなわち、Y軸と判断して、△yに基づきコンテンツを移動して表示する。また、△x>Xthであり、△y>Ythであれば、本発明のコンテンツ移動装置は、ドラッグの方向を対角線、すなわち、XY軸と判断して、△xおよび△yに基づきコンテンツを移動して表示する。また、△xおよび△y、両方とも該当閾値の以下であれば、本発明のコンテンツ移動装置は、最初のポインティング地点220で未だドラッグが発生しないものと判断し、コンテンツをいずれの方向にも移動させない。言い換えれば、画面に対するユーザのタッチが最初のポインティング地点220で「XthおよびYthによって決まる閾値領域230(図2参照)」を外れる場合のみに、コンテンツ移動装置は、ドラッグが発生したものと判断する。
【0016】
図3〜図5は、本発明に係る垂直、水平および対角線方向へのコンテンツ移動過程を説明するための概念図である。図3を参照すれば、本発明のコンテンツ移動装置は、ドラッグの方向310が右側に決定されれば、画面320を基準としてコンテンツ330を右側に移動させて表示する。図示を省略するが、ドラッグの方向が左側に決定されれば、画面を基準としてコンテンツを左側に移動させて表示する。また、図4を参照すれば、本発明のコンテンツ移動装置は、ドラッグの方向410が上側に決定されれば、画面420を基準としてコンテンツ430を上側に移動させて表示する。図示を省略するが、ドラッグの方向が下側に決定されれば、画面を基準としてコンテンツを下側に移動させて表示する。また、図5を参照すれば、本発明のコンテンツ移動装置は、ドラッグの方向510が対角線、すなわち、右上側に決定されれば、画面520を基準としてコンテンツ530を右上側510に移動させて表示する。図示を省略するが、本発明のコンテンツ移動装置は、他の対角線、すなわち、左上側、右下側および左下側にコンテンツを移動させて表示する。以上から見ると、本発明のコンテンツ移動装置は、8個の方向にコンテンツを移動させて表示することができる。
【0017】
図6は、本発明の一実施例に係るコンテンツ移動装置のブロック構成図である。図6を参照すれば、本発明のコンテンツ移動装置は、タッチスクリーン610、キー入力部620、表示部630、格納部640、無線通信部650、カメラ660、および制御部670を含んで構成される。
【0018】
このような構成を有する本発明のコンテンツ移動装置は、画面よりも大きいサイズのコンテンツで一部を表示する途中でドラッグが発生すれば、発生したドラッグの方向を決定する。そして、本発明のコンテンツ移動装置は、前記決定されたドラッグの方向に基づきコンテンツを移動させて、コンテンツの他の部位を表示する。また、本発明のコンテンツ移動装置は、タッチの位置を追跡する。そして、本発明のコンテンツ移動装置は、前記追跡の結果、所定の時間の間に位置の変動がなければ、該当地点をドラッグの発生および方向を判断するためのドラッグの出発点であると再設定する。これとは異なり、ドラッグの出発点は、ユーザが指をドロップ(Drop)しない限り、続けて最初のタッチ地点に維持されることは勿論である。このようなコンテンツ移動装置の各構成に対して具体的に説明する。
【0019】
タッチスクリーン610は、画面の特定地点に対するユーザのタッチに応答して、タッチイベントを発生させて制御部670に伝達する。このようなタッチイベントは、その動作により、タッチ(Touch)、タップ(Tap)、ダブルタップ(Double Tap)、プレス(Press)、ドラッグ(Drag)、ドラッグ・アンド・ドロップ(Drag&Drop)、フリック(Flick)、およびドラッグ・アンド・フリック(Drag&Flick)などに区分される。ここで、タッチは、ユーザが画面のいずれかの地点を押す動作であり、タップは、いずれかの地点をタッチした後、指の移動なしで該当地点から指を離す、すなわち、ドロップする動作であり、ダブルタップは、いずれかの地点を連続的に2回タップする動作であり、プレスは、タップよりも相対的に長くタッチした後、指の移動なしで該当地点から指を離す動作であり、ドラッグは、上述したようにいずれかの地点をタッチした状態で、指を所定方向に移動させる動作であり、ドラッグ・アンド・ドロップは、ドラッグした後に指を離す動作であり、フリックは、弾くように指を素早く移動させた後に離す動作を意味する。また、ドラッグ・アンド・フリックは、ドラッグをしている途中、ある時点にフリックをする動作(すなわち、指がタッチスクリーン610に接触した状態で、ドラッグとフリックが連続的になされる動作)を意味する。制御部670は、移動速度によってフリックとドラッグを区分する。制御部670は、このようなタッチイベントに基づいてコンテンツの移動方向を決定する。特に、コンテンツの一部が表示される途中で、前記タッチイベントのうち閾値領域230(図2参照)を外れるドラッグが発生すれば、制御部670は、ドラッグの方向を決定するためのアルゴリズムを実行する。
【0020】
キー入力部620は、コンテンツ移動装置を操作するための複数のキーで構成され、キー信号を制御部670に伝達する。ここで、キー信号は、電源オン/オフ信号、ボリューム調節信号、画面オン/オフ信号などに区分される。
【0021】
表示部630は、制御部670から入力されたコンテンツをアナログ信号に変換して表示する。このような表示部630は、液晶表示装置(Liquid Crystal Display)、OLED(Organic Light Emitted Diode)等の平板表示パネルの形態で形成される。また、表示部630は、左眼イメージと右眼イメージを表示することができ、表示される左眼/右眼イメージに対してユーザが立体感を感じるようにする3D実現部を含んでもよい。このような3D実現部は、表示部630の上に積層される形態で構成される。3D実現部は、ユーザの左右両眼にそれぞれ左眼イメージと右眼イメージが認識されるようにする。3D実現方式は、周知されているように、メガネ方式と無メガネ方式に区分される。メガネ方式としては、色フィルタ方式、偏光フィルタ方式およびシャッターグラス方式などがあり、無メガネ方式としては、レンチキュラーレンズ(Lenticular Lens)方式およびパララックスバリア(Parallax Barrier)方式などがある。3D実現方式は、公知されている技術であるため、具体的な説明は省略する。
【0022】
格納部640は、本発明の実施例に係る機能動作に必要なアプリケーションをはじめとし、表示部630に出力される画面イメージなどを格納する。そして、格納部640は、タッチスクリーン610の運用のためのキーマップやメニューマップなどを格納する。ここで、キーマップおよびメニューマップは、それぞれ多様な形態であってもよい。すなわち、キーマップは、キーボードマップや、3×4キーマップ、Qwerty(クウォーティーまたはクワーティまたはクウェルティ)キーマップ等であってもよく、現在活性化されているアプリケーションの制御のための制御キーマップであってもよい。また、メニューマップは、現在活性化されているアプリケーションの制御のためのメニューマップであってもよい。
【0023】
また、格納部640は、大きくプログラム領域とデータ領域とを含んでもよい。プログラム領域は、コンテンツ移動装置の起動および上述した各構成の運用のためのオペレーティングシステム(OS、Operating System)、多様なユーザ機能、例えば、通話機能のサポートのためのユーザ機能、インターネットサーバに接続するためのウェブブラウザー、その他の音源を再生するためのMP3ユーザ機能、写真などを再生するためのイメージ出力機能、動画再生機能などを各々サポートするためのアプリケーションなどを格納することができる。特に、本発明のプログラム領域は、ドラッグの発生および方向を判断するためのアルゴリズムと、ドラッグの出発点を再設定するためのアルゴリズムとを格納する。データ領域は、コンテンツ移動装置の使用により発生するデータが格納される領域であって、フォンブックデータ、ウィジェット機能による少なくとも1つのアイコン、および多様なコンテンツを格納することができる。特に、データ領域は、コンテンツの一部が表示される途中で発生したドラッグの最初出発点および再設定された出発点などを一時的に格納する。また、データ領域は、出発点の再設定有無を示す設定値を格納する。このような出発点の再設定有無は、ユーザが任意に定めることができる。すなわち、制御部670は、タッチスクリーン610またはキー入力部620を介して入力された設定値を格納部640に伝達し、格納部640は、伝達された設定値をデータ領域に格納する。
【0024】
無線通信部650は、ネットワークを介して他の端末機と通信チャネルを形成する構成である。このような無線通信部650は、ネットワークとの通信チャネル形成のために多様な通信方式のうち少なくとも1つの通信方式による通信モジュールで構成される。例えば、無線通信部650は、CDMA、GSM(登録商標)などの通信方式をサポートする通信モジュールだけでなく、WCDMA、OFDMA方式などの様々な通信方式をサポートする通信モジュールのうち少なくとも1つで構成される。
【0025】
カメラ660は、映像を撮影して、撮影したイメージを制御部670に出力するもので、装置の前面に配置される前面カメラと後面に配置される後面カメラとを含む。
【0026】
制御部670は、コンテンツ移動装置の全般的な動作およびコンテンツ移動装置の内部ブロック間の信号の流れを制御する。特に、制御部670は、表示部630でコンテンツの一部が表示される途中で画面に対するポインティング、すなわち、タッチの位置変化が感知されれば、現在のタッチ地点を追跡して取得する取得部671と、最初のタッチ地点を原点として、原点から現在タッチ地点までのX軸変化量およびY軸変化量をそれぞれ予め設定されたX軸閾値およびY軸閾値と比較する比較部672と、比較部672の比較結果に基づいてタッチの移動方向をX軸、Y軸およびXY軸(対角線)方向のうちいずれか1つに決定する方向決定部673と、方向決定部673によって決定された方向にコンテンツを移動し、表示部630を制御して前記移動したコンテンツの該当部位を表示するようにする表示制御部674と、タッチが予め決められた時間の間に位置変動なしでストップされた状態の場合、前記ストップされた位置を原点であると再設定し、再設定された原点を比較部672に伝達する原点再設定部675と、を含む。
【0027】
このような制御部670の機能について、図7〜図9を参照して具体的に説明する。
【0028】
図7は、本発明の一実施例に係るコンテンツ移動方法を説明するためのフローチャートである。図7を参考すれば、ステップ701で表示部630は、制御部670の制御によって画面よりも大きいサイズのコンテンツにおいてその一部を画面に表示する。ステップ702で制御部670の取得部671は、画面、すなわち、タッチスクリーン610に対するタッチの位置変化を感知すれば、ステップ703で制御部670は、最初のタッチ地点(x、y)を基準として現在のタッチ地点(x、y)を取得する。ここで、現在のタッチ地点を取得する方法は多様である。例えば、取得部671は、タッチスクリーン610から入力されるタッチの位置値を一定周期ごとに適切にサンプリングして、現在のタッチ地点を取得する。そして、制御部670の比較部672は、X軸変化量(△x)およびY軸変化量(△y)を計算した後、これらを各々X軸閾値(Xth)およびY軸閾値(Yth)と比較する。
【0029】
ステップ704で制御部670の方向決定部763は、△xおよび△yが、両方ともその閾値と同じか小さいかを判断する。判断の結果、同じか小さい場合には、ドラッグが発生しないものと判断し、ステップ710に進んで、そうでない場合には、ドラッグが発生したものと判断し、ドラッグの方向を決定するためにステップ705に進む。
【0030】
ステップ705で方向決定部763は、△xがXth以下であり、△yがYthを超過するか否かを判断する。判断の結果、△xがXth以下であり、△yがYthを超過する場合には、ドラッグの方向をY軸方向に決定する。これによって、ステップ706で制御部670の表示制御部674は、dy(=y−yn−1)だけY軸方向にコンテンツを移動させ、表示部630を制御して移動されたコンテンツを表示するようにした後、ステップ710に進む。ここで、yn−1は、以前に取得されたタッチ位置のY座標であって、最初のタッチ地点のY座標であってもよい。一方、ステップ705における判断の結果、△xがXth以下でない場合には、ステップ707に進む。
【0031】
ステップ707で方向決定部673は、△xがXthを超過し、△yがYth以下であるか否かを判断する。判断の結果、△xがXthを超過し、△yがYth以下の場合には、ドラッグの方向をX軸方向に決定する。これによって、ステップ708で表示制御部674は、dx(=x−xn−1)だけX軸方向にコンテンツを移動させ、表示部630を制御して移動されたコンテンツを表示するようにした後、ステップ710に進む。ここで、xn−1は、以前に取得されたタッチ位置のX座標であって、最初のタッチ地点のX座標であってもよい。
【0032】
一方、方向決定部673は、ステップ707における判断の結果、△yがYth以下でない場合、すなわち、△xおよび△yが、両方とも該当閾値を超過する場合には、ドラッグの方向をXY軸、すなわち、対角線方向に決定する。これによって、ステップ709で表示制御部674は、dxだけX軸方向、また、dyだけY軸方向にコンテンツを移動させ、表示部630を制御して移動されたコンテンツを表示するようにした後、ステップ710に進む。
【0033】
ステップ710で制御部670は、ドロップの発生有無を判断する。判断の結果、ドロップが発生した場合には、プロセスを終了する。ステップ710における判断の結果、ユーザが持続的にタッチを維持する場合、すなわち、タッチ移動中であるかタッチ移動がストップされた状態の場合には、制御部670は、ステップ703に復帰してコンテンツの移動のため上述した過程を再び行う。
【0034】
図7を参照して説明した本発明の一実施例によれば、ドラッグが閾値領域230を外れたか否かの基準になるドラッグの出発点は、タッチ移動がストップされたか否かと関係なく、タッチがドロップされなければ、最初のタッチ地点に維持される。それに比べて、以下の説明は、ストップされた位置をドラッグの出発点であると再設定することを主な特徴とする。
【0035】
図8は、本発明の他の実施例に係るコンテンツ移動方法を説明するためのフローチャートである。図8を参考すれば、ステップ801〜ステップ810のそれぞれは、上述したステップ701〜ステップ710と同一の過程であるので、具体的な説明は省略する。ただし、ステップ803は、常に最初のタッチ地点を基準として現在のタッチ位置を取得するものではなく、ステップ812によって再設定された原点を基準として、現在のタッチ位置を取得する過程である。具体的に、ステップ811で制御部670は、タッチ位置を追跡してタッチがストップされたか否かを判断する。判断の結果、タッチがストップされずに続けて動く場合には、ステップ803に復帰する。一方、タッチ位置が予め決められた時間にわたり元の位置にとどまる場合には、ステップ812で制御部670の原点再設定部675は、ストップされた位置をドラッグの出発点の原点であると再設定する。そして、制御部670は、再設定された原点を基準として現在の位置を取得するようになり、このように取得された現在の位置に基づいて、ドラッグ発生の判断およびドラッグの方向を決定するための過程を行うようになる。
【0036】
図9は、ドラッグの出発点を再設定する過程を説明するための概念図である。図9を参照すれば、制御部670は、画面910に対する最初のタッチ地点920(x、y)を基準として第1閾値領域940を決定する。その後、タッチ位置が任意の地点に移動し、その地点で予め決められた時間にわたり元の位置にとどまる場合には、制御部670は、該当地点930(x、y)を原点であると再設定し、再設定された原点930を基準として第2閾値領域を再設定する。ドラッグが再設定された原点930から出発し、第2閾値領域950を外れる場合、制御部670は、ドラッグが発生したものと判断する。一方、制御部670は、格納部640のデータ領域に格納された設定値を確認して、原点の再設定有無を決定することができる。
【0037】
本発明のタッチスクリーンを用いたコンテンツ移動方法および装置は、上述した実施例に限定されず、本発明の技術思想が許容する範囲で多様に変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0038】
110、210、320、420、520、910:画面
120、330、430、530:コンテンツ
230:閾値領域
940:第1閾値領域
950:第2閾値領域
610:タッチスクリーン
620:キー入力部
630:表示部
640:格納部
650:無線通信部
660:カメラ
670:制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポインティング装置を用いたコンテンツ移動方法において、
前記コンテンツの一部を表示する途中で画面に対するポインティング地点の位置変化が感知されれば、現在のポインティング地点を追跡して取得するステップと、
前記画面に対する最初のポインティング地点を原点として、前記原点から前記現在のポインティング地点までのX軸変化量およびY軸変化量をそれぞれ予め設定されたX軸閾値およびY軸閾値と比較するステップと、
前記比較結果に基づいて前記ポインティング地点の移動方向をX軸、Y軸およびXY軸(対角線)方向のうちいずれか1つに決定するステップと、
前記決定された方向に前記コンテンツを移動して、前記コンテンツの他の部位を表示するステップと、
を含むことを特徴とするコンテンツ移動方法。
【請求項2】
前記決定するステップは、
前記X軸変化量が前記X軸閾値を超過し、前記Y軸変化量が前記Y軸閾値以下の場合には、前記ポインティング地点の移動方向をX軸方向に決定するステップと、
前記X軸変化量が前記X軸閾値以下であり、前記Y軸変化量が前記Y軸閾値を超過する場合には、前記ポインティング地点の移動方向をY軸方向に決定するステップと、
前記X軸変化量が前記X軸閾値を超過し、前記Y軸変化量が前記Y軸閾値を超過する場合には、前記ポインティング地点の移動方向をXY軸(対角線)方向に決定するステップと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ移動方法。
【請求項3】
前記ポインティング地点が予め決められた時間の間に位置の変動なしでストップされた場合、前記ストップされた位置を前記原点であると再設定するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ移動方法。
【請求項4】
前記原点の再設定有無を示す設定値を格納するステップと、
前記格納された設定値を確認して、前記原点の再設定有無を決定するステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載のコンテンツ移動方法。
【請求項5】
前記原点を中心に第1閾値領域を決定するステップと、
現在のポインティング地点が予め決められた時間の間に位置の変動なしでストップされた場合、前記ストップされた位置をドラッグアクションのための新しい原点であると再設定するステップと、
前記再設定された新しい原点を中心に第2閾値領域を決定するステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ移動方法。
【請求項6】
現在のポインティング地点が前記第2閾値領域を外れた場合、ドラッグアクションが発生したものと決定するステップをさらに含むことを特徴とする請求項5に記載のコンテンツ移動方法。
【請求項7】
前記表示するステップは、
前記決定された方向がX軸であれば、現在取得したX座標と以前に取得したX座標との差だけ、X軸方向に前記コンテンツを移動するステップと、
前記決定された方向がY軸であれば、現在取得したY座標と以前に取得したY座標との差だけ、Y軸方向に前記コンテンツを移動するステップと、
前記決定された方向がXY軸(対角線)であれば、現在取得したX座標と以前に取得したX座標との差、また、現在取得したY座標と以前に取得したY座標との差だけ、XY軸方向に前記コンテンツを移動するステップと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ移動方法。
【請求項8】
前記取得するステップは、
タッチスクリーンに対するユーザのタッチに応答して、タッチ信号を発生するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ移動方法。
【請求項9】
画面よりも大きなコンテンツで一部を前記画面に表示する表示部と、
前記画面の特定地点をポインティングするためのポインティング部と、
前記ポインティングに応答して前記コンテンツの移動を制御する制御部と、を含み、
前記制御部は、
前記画面に前記コンテンツの一部が表示される途中で前記画面に対するポインティング地点の位置変化が感知されれば、現在のポインティング地点を取得する取得部と、
前記画面に対する最初のポインティング地点を原点として、前記原点から前記現在のポインティング地点までのX軸変化量およびY軸変化量をそれぞれ予め設定されたX軸閾値およびY軸閾値と比較する比較部と、
前記比較結果に基づいて前記ポインティング地点の移動方向をX軸、Y軸およびXY軸(対角線)方向のうちいずれか1つに決定する方向決定部と、
前記決定された方向に前記コンテンツを移動し、前記表示部を制御して前記移動したコンテンツの該当部位を表示するようにする表示制御部と、
を含むことを特徴とするコンテンツ移動装置。
【請求項10】
前記ポインティング部は、
前記画面の特定地点に対するユーザのタッチに応答して、タッチイベントを発生させるタッチスクリーンを含むことを特徴とする請求項9に記載のコンテンツ移動装置。
【請求項11】
前記決定部は、
前記X軸変化量が前記X軸閾値を超過し、前記Y軸変化量が前記Y軸閾値以下の場合には、前記ポインティング地点の移動方向をX軸方向に決定し、
前記X軸変化量が前記X軸閾値以下であり、前記Y軸変化量が前記Y軸閾値を超過する場合には、前記ポインティング地点の移動方向をY軸方向に決定し、
前記X軸変化量が前記X軸閾値を超過し、前記Y軸変化量が前記Y軸閾値を超過する場合には、前記ポインティング地点の移動方向をXY軸(対角線)方向に決定することを特徴とする請求項9に記載のコンテンツ移動装置。
【請求項12】
前記ポインティング地点が予め決められた時間の間に位置の変動なしでストップされた場合、前記ストップされた位置を前記原点であると再設定する原点再設定部をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載のコンテンツ移動装置。
【請求項13】
前記原点の再設定有無を示す設定値を格納する格納部をさらに含み、
前記制御部は、前記設定値に基づいて前記原点の再設定有無を決定することを特徴とする請求項9に記載のコンテンツ移動装置。
【請求項14】
前記制御部は、
前記原点を中心に第1閾値領域を決定し、現在のポインティング地点が予め決められた時間の間に位置の変動なしでストップされた場合、前記ストップされた位置をドラッグアクションのため新しい原点であると再設定し、前記再設定された新しい原点を中心に第2閾値領域を決定することを特徴とする請求項13に記載のコンテンツ移動装置。
【請求項15】
前記制御部は、
現在のポインティング地点が前記第2閾値領域を外れた場合、ドラッグアクションが発生したものと決定することを特徴とする請求項14に記載のコンテンツ移動装置。
【請求項16】
前記表示制御部は、
前記決定された方向がX軸であれば、現在取得したX座標と以前に取得したX座標との差だけ、X軸方向に前記コンテンツを移動し、
前記決定された方向がY軸であれば、現在取得したY座標と以前に取得したY座標との差だけ、Y軸方向に前記コンテンツを移動し、
前記決定された方向がXY軸(対角線)であれば、現在取得したX座標と以前に取得したX座標との差、また、現在取得したY座標と以前に取得したY座標との差だけ、XY軸方向に前記コンテンツを移動することを特徴とする請求項9に記載のコンテンツ移動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−45457(P2013−45457A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−180918(P2012−180918)
【出願日】平成24年8月17日(2012.8.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung−ro,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】