説明

ポイント修正装置およびポイント修正方法

【課題】POS端末におけるポイント修正方法に関し,手入力によりポイント対象金額,ポイント数を端末に入力する場合において,オペレータの入力ミスを防止する。
【解決手段】あらかじめ最大桁数設定部112に,ポイント対象金額MAX桁数とポイント数MAX桁数とを設定しておく。桁数オーバーチェック部118は,入力されたポイント対象金額の桁数がポイント対象金額MAX桁数を超えていないかをチェックし,また,入力されたポイント数の桁数がポイント数MAX桁数を超えていないかをチェックする。超えている場合には,入力エラー通知部116がエラーを通知する。入力エリアチェック部119は,「ポイント対象金額>ポイント数」であるかをチェックする。「ポイント対象金額≦ポイント数」である場合には,入力エラー通知部116がエラーを通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,ポイントカードによる特典サービスを行うポイントサービスシステムにおいて,オペレータが手入力によりポイント対象金額,ポイント数を端末に入力する場合に,オペレータによる入力ミスや不正入力を防止することが可能なポイント修正装置およびポイント修正方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年,スーパーマーケットや大型電気店などを中心に,ポイントカードによる販売商品の金額に応じた特典サービス(ポイントサービス)を行う店が増えてきている。顧客は,あらかじめ特典サービスを受ける店のポイントカード会員の登録をしておき,その店での会計時に店員(オペレータ)にポイントカードを渡すことにより,商品の購入金額に応じたポイントを得ることができる。得られたポイントは,後日,その店において現金の代わりとして利用することができたり,その店の商品券や何らかのサービス商品と交換したりすることができる。
【0003】
POSシステムにおいて,POS端末オペレータは,商品の会計時に顧客からポイントカードを受け取ると,そのポイントカードをPOS端末のカードリライタに挿入する。POS端末では,ポイントの対象となる売上金額(ポイント対象金額)から,新たに加算するポイント数を算出し,ポイントカードに記録されているそれまでの累計ポイントを読み込み,読み込んだ累計ポイントに算出されたポイント数を加算し,新たな累計ポイントを求める。新たに求められた累計ポイントは,顧客に対して発行されるレシートやポイントカードに書き込まれる。
【0004】
また,その店のすべてのPOS端末と接続されているPOSサーバまたはその上位の本部サーバによって,ポイントを管理する方法もある。POSサーバまたは本部サーバでは,顧客マスタで顧客ごとの累計ポイントを管理する。
【0005】
POS端末オペレータは,商品の会計時に顧客からポイントカードを受け取ると,そのポイントカードをPOS端末のカードリライタに挿入する。POS端末では,ポイントの対象となる商品の売上金額(ポイント対象金額)から,新たに加算するポイント数を算出し,ポイントカードから顧客IDを読み込み,それらをPOSサーバに送信する。POSサーバは,受信した顧客IDで顧客マスタを検索し,該当する顧客の累計ポイントに受信したポイント数を加算する。新たな累計ポイントはPOS端末に送信され,顧客に対して発行されるレシートやポイントカードに書き込まれる。
【0006】
なお,ポイントサービスに関する技術が記載されたものの例として,特許文献1,特許文献2などがある。
【0007】
ところで,顧客のポイントカード忘れ等の理由により,商品の会計時にポイントの蓄積ができない場合がある。このような場合には,ポイント対象金額(ポイントの対象となる売上金額)と新たに加算するポイント数とが書かれたレシートに,ポイント未処理であることを示すためのスタンプ等を押したものを,顧客に対して発行する。
【0008】
後日,顧客がポイントカードとポイント未処理のレシートとを持ってきたときに,POS端末オペレータが,POS端末でポイント修正のための専用画面を呼び出し,キーボードなどを用いて手入力により,レシートに記載されているポイント対象金額,ポイント数等を入力し,ポイント修正処理を行う。
【特許文献1】特開2004−192370号公報
【特許文献2】特開2003−141405号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
POS端末オペレータが手入力でポイント対象金額,ポイント数を入力するときに,誤って桁数を多く入力してしまう場合がある。また,オペレータのミスにより,ポイント対象金額を入力するときにポイント数を入力してしまい,ポイント数を入力するときにポイント対象金額を入力してしまう場合がある。
【0010】
本発明は,上記の問題点の解決を図り,ポイント対象金額,ポイント数の入力時におけるPOS端末オペレータの入力ミスを防止することが可能となる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は,上記の課題を解決するため,POS端末オペレータが手入力でポイント対象金額,ポイント数を入力する際に,POS端末が,以下の2点のチェックを行うことを特徴とする。
【0012】
(1)ポイント対象金額最大桁数(MAX桁数)チェック,ポイント数最大桁数チェック(あらかじめ最大桁数を設定)
ポイント対象金額,ポイント数の手入力時に最大桁数をオーバーしている場合には,エラーメッセージを表示し,再入力を求める。ただし,あえて最大桁数より大きな桁数を入力したい場合には,例えば「桁解除」キーなどを押下することで,システム上の最大桁数(あらかじめ設定された最大桁数を超えた桁数)まで入力できるようにする。
【0013】
(2)ポイント対象金額とポイント数との大小チェック
「ポイント対象金額>ポイント数」であることをチェックする。もし,「ポイント対象金額≦ポイント数」である場合には,エラーメッセージを表示し,再入力を求める。これは,一般にポイント数がポイント対象金額以上になることはなく,「ポイント対象金額≦ポイント数」のときは,ポイント対象金額の入力エリアと,ポイント数の入力エリアとをオペレータが間違えて入力した可能性が大きいからである。
【0014】
また,入力されたポイント対象金額,ポイント数,最大桁数解除などの情報をロギングすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明では,ポイント対象金額,ポイント数の入力桁数をチェックすることにより,オペレータの誤操作によるポイント被害を最小に押さえることができる。また,入力されたポイント対象金額とポイント数との大小関係をチェックすることにより,オペレータによる入力エリアのミスがチェックでき,ポイント被害を押さえることができる。
【0016】
さらに,ポイント対象金額,ポイント数,「桁解除」キーなどによる最大桁数解除などの情報をロギングして記録として保存するため,どのオペレータがどの顧客に対してポイント修正したのかが確認でき,オペレータの不正操作によるポイント被害もくい止めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下,本発明の実施の形態について,図を用いて説明する。
【0018】
図1は,本発明の実施の形態におけるPOSシステムの構成例を示す図である。図1に示すPOSシステムは,あるスーパーマーケットの1店舗におけるPOSシステムの例である。POSシステムとしては顧客のポイントをサーバ側で管理するシステムや,サーバ側では顧客マスタを持たず累計ポイントを管理しないシステムなど,各種のシステムが存在するが,ここでは累計ポイントをそれぞれのポイントカード40に記録し,POSサーバ20は顧客マスタを持たないシステムの例を説明する。
【0019】
図1のPOSシステムは,商品の売場に設置される複数のPOS端末10と,全POS端末10と通信回線30で接続されているPOSサーバ20とから構成される。また,POS端末10は,バーコードリーダ100と,キーボード101と,ポイントカードリライタ102と,入力制御部103と,タッチパネル104と,登録部105と,計算部106と,ポイント修正部107と,出力制御部108と,顧客表示パネル109と,レシートプリンタ110と,ジャーナルプリンタ111とから構成される。また,POSサーバ20は,商品マスタ21を備える。
【0020】
バーコードリーダ100は,例えばタッチスキャナや固定スキャナなどのことであり,商品に付いているバーコードを読み取る。キーボード101は,例えば多項目キーボードなどのことであり,バーコードのない商品の入力などに使用する。
【0021】
ポイントカードリライタ102は,挿入されているポイントカード40に記録された顧客IDや累計ポイントなどを読み取り,挿入されているポイントカード40に更新された累計ポイントなどを書き込む。
【0022】
入力制御部103は,バーコードリーダ100,キーボード101,ポイントカードリライタ102,タッチパネル104などからの情報の入力を制御する。タッチパネル104は,情報を画面に出力する。また,タッチパネル104の画面に触れることで,情報を入力することができる。
【0023】
登録部105は,商品マスタ21に記録されている各商品の商品コード,商品名,商品価格などの商品情報をPOSサーバ20から読み込み,POS端末10のメモリに登録する。計算部106は,商品の合計金額やそのときに加算されるポイント数などの計算を行う。
【0024】
ポイント修正部107は,POS端末オペレータの手入力によるポイント入力を処理する。ポイント修正部107の詳細については後述する。
【0025】
出力制御部108は,タッチパネル104,顧客表示パネル109,レシートプリンタ110,ジャーナルプリンタ111などに出力する情報を制御する。顧客表示パネル109は,会計中の顧客などに対して,合計金額などを表示する。
【0026】
レシートプリンタ110は,顧客に対して発行するレシートなどを印刷する。ジャーナルプリンタ111は,POS端末10における商品販売の履歴,取消の履歴などのログ情報を印刷する。
【0027】
POSサーバ20は,すべてのPOS端末10と通信回線30で接続され,全POS端末10を管理する。また,商品マスタ21を有し,POS端末10における商品情報の登録時には,商品マスタ21に記録されている各商品の商品コード,商品名,商品価格などの商品情報を送る。
【0028】
POS端末オペレータは,商品の会計時に顧客からポイントカード40を受け取り,POS端末10のポイントカードリライタ102に挿入する。POS端末10は,ポイントの対象となる売上金額(ポイント対象金額)から加算するポイント数を算出し,さらに挿入されたポイントカード40から累計ポイントを読み込む。ポイントカード40から読み込んだ累計ポイントにポイント対象金額から算出されたポイント数を加算し,得られた新たな累計ポイントをポイントカードリライタ102に挿入されているポイントカード40に書き込む。
【0029】
このような流れで,顧客が会計時にポイントカード40を所有している場合には,ポイント数加算の自動処理を行うが,顧客が会計時にポイントカード40を所有していない場合には,ポイント対象金額やポイント数などの情報をレシートに出力し,顧客に対して発行する。このときには,ポイント未処理であることがわかるように,ポイント未処理を示すスタンプなどを押してレシートを顧客に渡す。
【0030】
顧客がポイントカード40とともにまだ加算処理を行っていないポイント数が書き込まれたレシートを持参してくると,POS端末オペレータは,POS端末10でポイント修正の専用画面(ポイント修正画面)を呼び出し,POS端末10のポイントカードリライタ102にポイントカード40を挿入する。
【0031】
図2は,本発明の実施の形態におけるポイント修正部の構成例を示す図である。ポイント修正部107は,POS端末オペレータによるポイント修正画面の呼出しにより起動される。
【0032】
ポイント修正部107は,最大桁数設定部112と,ポイント対象金額入力部113と,ポイント数入力部114と,入力エラー検出部115と,入力エラー通知部116と,最大桁数解除部117とを備える。また,入力エラー検出部115は,桁数オーバーチェック部118と,入力エリアチェック部119とから構成される。
【0033】
最大桁数設定部112には,入力されるポイント対象金額の最大桁数の制限であるポイント対象金額MAX桁数と,入力されるポイント数の最大桁数の制限であるポイント数MAX桁数とが,あらかじめ設定されている。
【0034】
ポイント対象金額入力部113は,POS端末オペレータによるポイント対象金額の入力を受け付ける。また,ポイント数入力部114は,POS端末オペレータによるポイント数の入力を受け付ける。
【0035】
桁数オーバーチェック部118は,POS端末オペレータが入力したポイント対象金額の桁数が,最大桁数設定部112に設定されているポイント対象金額MAX桁数を超えていないかをチェックする。超えている場合には,入力エラー通知部116がエラーを通知する。また,同様に,POS端末オペレータが入力したポイント数の桁数が,最大桁数設定部112に設定されているポイント数MAX桁数を超えていないかをチェックする。超えている場合には,同様に,入力エラー通知部116がエラーを通知する。
【0036】
ここで,POS端末オペレータが「桁解除」キーなどにより最大桁数の解除を要求すると,最大桁数解除部117は,最大桁数設定部112による最大桁数の制限を一時的に解除し,最大桁数を無制限とする。これにより,桁数オーバーチェック部118では,桁数オーバーのエラーが発生しなくなる。ポイント対象金額,ポイント数のそれぞれを独立に,最大桁数の解除を行うことができる。
【0037】
入力エリアチェック部119は,入力されたポイント対象金額と入力されたポイント数とを比較し,「ポイント対象金額>ポイント数」であることを確認する。「ポイント対象金額≦ポイント数」である場合には,入力エラー通知部116がエラーを通知する。
【0038】
図3〜図5は,本実施の形態におけるポイント修正画面の例を示す図である。ポイント修正画面50において,顧客ID欄51には,ポイントカード40から読み込まれた顧客ID(ポイントカードID)が表示される。ポイント対象金額欄52には,入力されたポイント対象金額が表示され,ポイント(現在)欄53には,ポイントカード40から読み込まれた累計ポイントが表示され,ポイント(加算)欄54には,入力されたポイント数が表示され,ポイント(累計)欄55には,ポイント(現在)欄53の値とポイント(加算)欄54の値との合計が表示される。
【0039】
POS端末オペレータは,入力欄56に数値を入力する。また,「桁解除」キー57を押下することにより,最大桁数を解除することができる。
【0040】
図3(A)は,ポイントカードリライタ102にポイントカード40が挿入された後のポイント修正画面50である。ポイントカード40から読み込まれた顧客IDが顧客ID欄51に表示され,ポイントカード40から読み込まれた累計ポイントがポイント(現在)欄53とポイント(累計)欄55とに表示されている。入力欄56で,ポイント対象金額の入力が要求されている。
【0041】
図3(B)は,入力されたポイント対象金額がポイント対象金額MAX桁数を超えていた場合のポイント修正画面50の例である。入力エラーウィンドウ58によって,入力されたポイント対象金額がポイント対象金額MAX桁数を超えている旨が通知される。
【0042】
図4(A)は,入力されたポイント対象金額がポイント対象金額MAX桁数を超えていなかった場合のポイント修正画面50の例である。入力されたポイント対象金額がポイント対象金額欄52に表示されている。入力欄56で,ポイント数の入力が要求されている。
【0043】
図4(B)は,入力されたポイント数がポイント数MAX桁数を超えていた場合のポイント修正画面50の例である。入力エラーウィンドウ58によって,入力されたポイント数がポイント数MAX桁数を超えている旨が通知される。
【0044】
図5(A)は,入力されたポイント数が入力されたポイント対象金額以上であった場合のポイント修正画面50の例である。入力エラーウィンドウ58によって,入力されたポイント数が入力されたポイント対象金額を超えている旨が通知される。
【0045】
図5(B)は,正常に入力が終了した場合のポイント修正画面50の例である。入力されたポイント数がポイント(加算)欄54に表示され,ポイント(現在)欄53の値にポイント(加算)欄54の値が加算されたものがポイント(累計)欄55に表示されている。また,登録完了ウィンドウ59によって,登録が完了した旨が通知される。
【0046】
図6は,本実施の形態におけるポイント修正処理フローチャートである。POS端末オペレータによって,ポイント修正画面50が呼び出され,ポイントカードリライタ102にポイントカード40が挿入されると,ポイント対象金額の入力を要求するメッセージを表示し,その後,ポイント対象金額が入力されるのを待つ(ステップS10)。ポイント対象金額が入力されたら,ポイント対象金額について最大桁数が解除されているかを確認する(ステップS11)。
【0047】
ポイント対象金額について最大桁数が解除されていなければ,入力されたポイント対象金額がポイント対象金額MAX桁数を超えているかどうかを判定し(ステップS12),超えていれば,エラー通知を出力し(ステップS13),ステップS10に戻ってポイント対象金額の再入力を待つ。
【0048】
ステップS11においてポイント対象金額について最大桁数が解除されているか,ステップS12において入力されたポイント対象金額がポイント対象金額MAX桁数を超えていなければ,次に,加算するポイント数の入力を要求するメッセージを表示し,ポイント数が入力されるのを待つ(ステップS14)。
【0049】
ポイント数が入力されたら,まずポイント数について最大桁数が解除されているかを確認する(ステップS15)。ポイント数について最大桁数が解除されていなければ,入力されたポイント数がポイント数MAX桁数を超えているかどうかを判定し(ステップS16),超えていれば,エラー通知を出力し(ステップS17),ステップS14に戻ってポイント数の再入力を待つ。
【0050】
ステップS15においてポイント対象金額について最大桁数が解除されているか,ステップS16において入力されたポイント数がポイント数MAX桁数を超えていなければ,入力されたポイント対象金額と入力されたポイント数とを比較し,ポイント対象金額がポイント数より大きいかを確認する(ステップS18)。ポイント対象金額がポイント数以下であれば,エラー通知を出力し(ステップS19),ステップS10に戻ってポイント対象金額の再入力を待つ。
【0051】
ステップS20においてポイント対象金額がポイント数より大きければ,入力されたポイント対象金額と入力されたポイント数とを登録する(ステップS20)。すなわち,以上のようなポイント修正のチェックを行った後に,POS端末10は,ポイントカード40から読み込まれた累計ポイントに入力されたポイント数を加算し,得られた新たな累計ポイントでポイントカードリライタ102に挿入されているポイントカード40の累計ポイントを更新する。
【0052】
また,ポイント修正処理における顧客ID,ポイント対象金額,ポイント数,最大桁数解除などの情報は,日時,POS端末番号などの情報とともにロギングされる。そのログ情報は,後日,ミスの訂正や不正の検出などに用いられる。
【0053】
図7は,本実施の形態におけるポイント修正処理時にロギングされるレコードの例を示す図である。図7の例に示すように,ポイント修正処理時には,ログ種別,日時,POS端末番号,顧客ID,ポイント対象金額,ポイント対象金額の最大桁数解除の有無,ポイント数,ポイント数の最大桁数解除の有無,累計ポイントなどの情報が,POSサーバ20にロギングされる。
【0054】
以上,本発明の実施の形態について説明したが,本発明はこの実施の形態に限られるものではない。例えば,1店舗におけるPOSシステムではなく,複数店舗におけるPOSシステムについても,同様のポイント修正処理が適用可能である。
【0055】
図8は,本実施の形態における複数店舗のPOSシステムの構成例を示す図である。図8に示すPOSシステムは,複数の店舗が複数のPOS端末10を設置しているスーパーマーケットチェーンなどにおけるPOSシステムの例である。このPOSシステムでは,図1に示すPOSシステムを持つ複数の店舗のPOSサーバ20が,ネットワーク70を介して,本部サーバ60に接続されている。本部サーバ60は,POSシステム全体を管理し,商品マスタ61と,顧客マスタ62とを備えている。
【0056】
各店舗のPOSサーバ20は,本部サーバ60の商品マスタ61から各商品の商品コード,商品名,商品価格などの商品情報を取得し,さらに店舗別の特売などの店舗独自の情報を加えて商品マスタ21(図1)を作成している。
【0057】
顧客マスタ62は,ポイントカード会員の登録を行った顧客の情報を記録している。顧客マスタ62に記録されている顧客情報としては,顧客ID,顧客名,住所,連絡先,累計ポイントなどの情報がある。このPOSシステムでは,顧客マスタ62を用いることにより,チェーン全体でポイントサービスを一元管理することができる。
【0058】
POS端末10においてポイント処理が行われると,POS端末10は,ポイントカード40に記録された顧客IDと算出された新たな累計ポイントとを,POSサーバ20,ネットワーク70を介して本部サーバ60に送信する。本部サーバ60は,受信した顧客IDで顧客マスタ62を検索し,該当する顧客の累計ポイントのレコードを受信した新たな累計ポイントで更新する。
【0059】
また,ポイントカード40に累計ポイントを記録しない方法もある。このときには,POS端末10が,ポイントカード40から顧客IDを取得し,それを本部サーバ60に送信する。本部サーバ60は,受信した顧客IDで顧客マスタ62を検索し,該当する顧客の累計ポイントを取得し,それをPOS端末10に送信する。
【0060】
POS端末10では,受信した累計ポイントを用いてポイント処理を行い,顧客ID,算出された新たな累計ポイントを本部サーバに送信する。本部サーバ60は,顧客マスタ62を受信した顧客IDで検索し,該当する顧客の累計ポイントのレコードを受信した新たな累計ポイントで更新する。
【0061】
説明するまでもなく,このようなPOSシステムにおいても,上述のポイント修正処理は,問題なく実施可能である。
【0062】
以上のPOS端末において実行するポイント修正の処理は,POS端末のコンピュータとソフトウェアプログラムとによって実現することができ,そのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録することも,ネットワークを通して送受信することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施の形態におけるPOSシステムの構成例を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態におけるポイント修正部の構成例を示す図である。
【図3】本実施の形態におけるポイント修正画面の例を示す図である。
【図4】本実施の形態におけるポイント修正画面の例を示す図である。
【図5】本実施の形態におけるポイント修正画面の例を示す図である。
【図6】本実施の形態におけるポイント修正処理フローチャートである。
【図7】本実施の形態におけるポイント修正処理時にロギングされるレコードの例を示す図である。
【図8】本実施の形態における複数店舗のPOSシステムの構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0064】
10 POS端末
20 POSサーバ
21 商品マスタ
30 通信回線
40 ポイントカード
60 本部サーバ
61 商品マスタ
62 顧客マスタ
70 ネットワーク
100 バーコードリーダ
101 キーボード
102 ポイントカードリライタ
103 入力制御部
104 タッチパネル
105 登録部
106 計算部
107 ポイント修正部
108 出力制御部
109 顧客表示パネル
110 レシートプリンタ
111 ジャーナルプリンタ
112 最大桁数設定部
113 ポイント対象金額入力部
114 ポイント数入力部
115 入力エラー検出部
116 入力エラー通知部
117 最大桁数解除部
118 桁数オーバーチェック部
119 入力エリアチェック部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポイントカードによる特典サービスを行うポイントサービスにおいて,オペレータが操作する入力装置から,ポイントサービスの対象となる売上金額であるポイント対象金額と,それまでの累計ポイントに加算するポイント数とを,端末に入力するためのポイント修正装置であって,
前記ポイント対象金額とポイント数との少なくともいずれかの最大桁数を設定する手段と,
前記入力装置からポイント対象金額を入力する手段と,
前記入力装置からポイント数を入力する手段と,
前記入力されたポイント対象金額の桁数または前記入力されたポイント数の少なくともいずれかが前記設定された最大桁数を超えた場合に,エラーを通知する手段と,
前記入力されたポイント数が前記入力されたポイント対象金額よりも大きい場合に,エラーを通知する手段とを備える
ことを特徴とするポイント修正装置。
【請求項2】
請求項1に記載のポイント修正装置において,
前記入力装置からの入力により前記最大桁数の設定を一時的に解除する手段を備える
ことを特徴とするポイント修正装置。
【請求項3】
請求項2に記載のポイント修正装置において,
少なくとも前記入力されたポイント対象金額,前記入力されたポイント数,前記最大桁数の設定を一時的に解除したか否かの情報を含む情報をロギングする手段を備える
ことを特徴とするポイント修正装置。
【請求項4】
ポイントカードによる特典サービスを行うポイントサービスにおいて,オペレータが操作する入力装置から,ポイントサービスの対象となる売上金額であるポイント対象金額と,それまでの累計ポイントに加算するポイント数とを端末に入力するための,端末が実行するポイント修正方法であって,
前記ポイント対象金額とポイント数との少なくともいずれかの最大桁数を端末内に設定する処理過程と,
前記入力装置からポイント対象金額を入力する処理過程と,
前記入力装置からポイント数を入力する処理過程と,
前記入力されたポイント対象金額の桁数または前記入力されたポイント数の少なくともいずれかが前記設定された最大桁数を超えた場合に,エラーを通知する処理過程と,
前記入力されたポイント数が前記入力されたポイント対象金額よりも大きい場合に,エラーを通知する処理過程とを有する
ことを特徴とするポイント修正方法。
【請求項5】
請求項4に記載のポイント修正方法において,
前記入力装置からの入力により前記最大桁数の設定を一時的に解除する処理過程を有する
ことを特徴とするポイント修正方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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