説明

ポイント利用システム

【課題】本発明は企業が発行したポイントを有効に消費させる新たなシステムの提供を目的とするものである。
【解決手段】 本発明は、前記ポイントの所有者である顧客に利用を許可するwebページ等のブラウザや各種端末機器の画面上において閲覧および操作可能なマンマシンインターフェイス(50)を有している。そして、当該マンマシンインターフェイスを介して、ゲームの提供、インターネットショッピング等を含む各種情報サービスを提供するサービス提供手段(56)を有している。また、前記サービス提供手段を顧客に利用させ、当該利用に伴って顧客が保持するポイントの増減を行うポイント情報変更手段(58)を有したことを特徴とするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各企業が発行する有価ポイントを、当該ポイントの所有者である顧客に積極的に消費させることを目的としたポイント利用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、多くの企業が、商品の販売やサービスを提供する際に、代金の支払額に応じてポイントを発行するポイントサービスを実施している。当該ポイントサービスによって顧客に与えられたポイントは、請求があればいずれ支払われるべき負債としての側面もあることから、当該負債額に見合う引当金の準備が必要とされている。
その他、発行されたポイントの消費を促進するために、各企業が発行した複数のポイントをとりまとめて使用できるようにしたことも行われている。この際、各企業が発行したポイントの金銭的価値は異なるものであることから、所定の精算レートに基づいてポイントを精算することが行われている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第3401228号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前述のように、企業が発行したポイントは、その企業にとっては実質的な債務であるから、会計上その収支を明確にしておくことが望ましい。また、一方において企業が発行したポイントは、その企業にとっては負債であることから、ポイントの使用率を高めて発行残高を減少させることが各企業にとって重要な課題となっている。
本発明は当該課題に鑑み発明されたものであって、企業が発行したポイントを有効に消費させる新たなシステムの提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明はポイントサービスによって企業が発行した金銭的価値を有するポイントの利用を促進させるポイント利用システムである。
本発明は、前記ポイントの所有者である顧客に利用を許可するwebページ等のブラウザや各種端末機器の画面上において閲覧および操作可能なマンマシンインターフェイス(50)を有している。そして、当該マンマシンインターフェイスを介して、ゲームの提供、インターネットショッピング等を含む各種情報サービスを提供するサービス提供手段(56)を有している。また、前記サービス提供手段を顧客に利用させ、当該利用に伴って顧客が保持するポイントの増減を行うポイント情報変更手段(58)を有したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、ポイントを所有する顧客に対しては、所有しているポイントが商品購入に使用したいと欲するほど多くない場合であっても、ポイント使用の動機付けとなるゲームその他の各種サービスを提供することによって、ポイントの使用を楽しむことができるという効果を有している。
また、ポイントを発行している企業にとって、ポイントは将来的に返済しなければならない債務と同等のものであるから、発行したポイントが効率よく使用され、ポイント発行残高が将来的に増加せずに一定水準以下に維持されることが望ましい。本発明は、顧客に対してポイント使用の動機づけ(インセンティブ手段)を備えたサービス提供手段を提供し、これによりポイントの未消費残高を将来的に増加させることなく一定水準以下に維持することができるという効果を有するものである。
消費者(顧客)がポイントを使用する場合の一般的なケースは、有る程度ポイントを蓄積
させてから商品購入等で使用するというものである。しかし、ポイントが使用されないまま長期間放置されているケースも多く、ポイントを発行した企業にとっては未使用ポイントが消化されないまま残ることになり、未消化ポイントに相当する引当金が多額になるのを避けることができないという状況になっている。本発明は、貯める必要が無いほどのポイント数によって各種コンテンツを提供し、さらに、ポイントを使用するほど賞としてポイントや製品等が当たるというインセンティブを与えるシステムの提供によって、顧客に対してポイントを貯めることなく即時にポイントを消費する動機を与え、これによってポイントの消費を促すことができるという効果を有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
はじめに、現在各企業が実施しているポイントサービスについて説明する。ポイントサービスは、商品の販売やサービスを提供する際に、代金の支払いに応じて顧客(Customer)に点数(points)(以下「ポイント」という)を発行するものである。当該ポイントは、商品やサービスとの交換が可能であることから、貨幣的な価値を有する疑似通貨としての側面を有したものとなっている。当該ポイントサービスには航空会社が行っているマイレージサービスも含まれ、小売業に限らず様々な業種の企業が営業活動の促進を目的としてポイントサービスを行っている。
【0007】
通常、ポイントサービスを行う前提として、各企業は顧客(Customer)に対してポイントカードを発行する。当該ポイントカードには、クレジットカードの機能を備えた多機能カードや、家電量販店等の特定の店舗のみで使用可能な企業独自のカードや、提携した複数の企業間で共通して使用できる共通のポイントカード等がある。
ポイントサービスによって発行されたポイントに関する各種の情報は、前記ポイントカードと関連づけられて各企業が備えるポイント管理サーバーによって管理される。また、このポイント管理サーバーの運用形態は一様ではなく、ポイントサービス専用として設けられているものの他、顧客管理、商品の在庫管理、インターネットショッピングにおける受注、決済等の業務全般を行う総合的な管理システムの一部として設けられている場合もある。
【0008】
また、前記ポイントカードについても、インターネットを介して利用可能としたオンライン型の他、所定の店舗やサービスカウンター等でのみ利用可能なオフライン型がある。
オンライン型のポイントカードの場合には、インターネット等の広域ネットワークを利用するものであり、ポイントカードに関連づけた各種の情報が前記ポイント管理サーバーに記憶される。例えば、ポイント管理サーバーにアクセスするためにカードNo、ID、パスワード、所有しているポイント、その他、氏名、住所、電話番号、Eメールアドレス等の個人情報が登録される。
オフライン型のポイントカードの場合には、特定の店舗に設けられた端末とポイント管理サーバーを結ぶ比較的小さいネットワークを利用するものであり、ポイント管理サーバーには、最低限の情報としてカードNoと、当該カードNoに対応づけられたポイント残高が登録される。
【0009】
本発明は、前述したポイントサービスによって発行されたポイントを、一例としてインターネット等のネットワークを介して利用可能としたシステムである。
そして当該システムは、前記ポイント管理サーバーの運用プログラムに組み込まれる一つの機能、あるいはポイント管理サーバーの運用プログラムにアドインされる独立したアプリケーションプログラム、あるいはポイント管理サーバーに対して直接若しくはインターネット、イントラネットを介して接続される専用サーバー等の形態で提供されるものである。
【0010】
図1は、本発明に係るポイント利用(削減)システム(Points Reduction System)1の実施に関する概念図である。
図1は、ネットワーク3に接続された複数の企業A〜Eが所有する管理サーバー5a〜5eおよび複数企業の管理サーバーを一元的に管理する中央管理サーバー5f、ポイントの所有者である顧客x、y、zが所有する端末機器7x、7y、7zおよび顧客α、βが所有する無線端末機器7α、7βを表している。ネットワーク3には、インターネット、イントラネット、ワイヤレスLAN、WiFi等の種々の形態のネットワークが含まれる。
【0011】
一例として表した企業Aは、インターネット等のネットワーク3に接続された管理サーバー5aを有している。また、当該管理サーバー5aは、店舗内に設置されたコンピュータ端末(store/shop)4とも接続されている。
当該管理サーバー5aは、顧客管理、商品の在庫管理、インターネットショッピングにおける受注、決済等の業務全般を行う総合的な管理システム9aを備えており、当該管理システム9aが備える機能の一つとしてポイントの管理を行うポイント管理システム11aを有している。
そして、管理システム9aには、前記ポイント管理システム11aと連携して動作するポイント利用システム(Points Reduction System)1aが設けられている。本実施の形態における図示した例では、ポイント利用システム1aは、ポイント管理システム11aに組み込まれた付加プログラムとして設けられている。
【0012】
図2は、前記ポイント管理システム11aおよびポイント利用システム1aの概要を表したブロック図である。
ポイント管理システム11aは、ポイントカード発行時に取得した顧客の個人情報を記憶する顧客データベース20、主として各顧客が保有するポイントの残数を記憶するポイントデータベース22、当該顧客データベースおよびポイントデータベースに対するデータの書き換えや各種管理を行うポイント管理プログラム24を有している。
また、管理システム9aとの連携を行うその他のプログラム26、管理システム9aとの連携に伴って生じるデータを記憶するデータベース28を有している。
【0013】
図示したポイント管理システム11aは、顧客からのネットワーク3を介したアクセスを許容するマンマシンインターフェイスとして機能するWebページ30を有している。当該Webページ30には、ポイントの利用に関するメニューなどが設けられており、ポイントを含めた自己の情報にアクセスするための初期画面を提供するものとなっている。なお、ポイントを含めた自己の情報へのアクセスを許可する場合には、ポイントカードの番号、ID、パスワード等の入力を行わせ、セキュリティー手段32によって入力内容の正当性を検証するようになっている。
また、店舗内に設置されたコンピュータ端末4を用いてもWebページ30にアクセスすることができる。この場合、コンピュータ端末4に付属しているカード読みとり機(図示せず)に顧客が所有する会員カードを読みとらせることにより、セキュリティー手段32による認証を受けさせることが出来る。会員カードに暗証番号が設定されている場合には、会員カードの認証の際に暗証番号を入力することで、セキュリティー手段32を通過させることができるようになっている。セキュリティー手段32を通過すると、前記ネットワーク3を介してアクセスする場合と同様に、本発明に係るポイント利用システム1aを利用することができる。
【0014】
ポイント利用システム1aは、大まかに4つのセクションから構成されている。すなわち、ポイント管理システム11aとの間に位置するインターフェイスセクション40、ポイントの入出力に関する情報を財務的な情報として記憶する財務セクション42、ポイン
ト利用システム1aを運用する上での中心的な働きをするエンジンセクション44、ポイントを利用する具体的なコンテンツ等を提供するインセンティブセクション46に分けることが出来る。なお、上記各セクションは、それぞれ単独で機能するものではなく、各手段が共同して動作するものである。
【0015】
インターフェイスセクション40として、2つのインターフェイス(プログラム)が設けられている。
エンジンセクション44と前記ポイント管理プログラム24(ポイント管理システム11a)との間には、インターフェイス48が設けられている。当該インターフェイス48は、主としてAPIや通信プロトコル等で構成されており、大量のデータ通信を短時間で処理するように構成されている。また、インターフェイス48は、管理システム9a上の管理者向けインターフェイスを提供する手段ともなっており、ポイント利用システム1aの各種設定を行うことができるようになっている。
もう一つのインターフェイス50は、顧客向けのマンマシンインターフェイスとして機能するWebページを提供するカスタマーインターフェイスとなっている。当該インターフェイス50は、セキュリティー手段32によってID、パスワード等による所定の認証が行われた後に、顧客の所有する端末機器7上に所定の画面を表示し、顧客に対して各種のサービスを提供するようになっている。顧客に対するサービスの提供は、当該インターフェイス50を介して行われるようになっており、エンジンセクション44や他のセクションへの不正侵入を防ぐセキュリティー手段も組み込まれている。
【0016】
財務セクション42は、ポイント利用システム1aによって行われたポイントの消費や付与に関する履歴を全て記憶するための財務プログラム52および、履歴を保存するポイントデータベース53、54等によって構成されている。ポイントデータベース53は、ポイント管理システム11aのポイントデータベース22から、本発明に係るポイント利用システム1a内に流入するポイントの記録を蓄積する手段である。また、ポイントデータベース54は、本発明に係るポイント利用システム1aからポイント管理システム11aのポイントデータベース22へに流出するポイントの記録を蓄積する手段である。
前述した通り、未使用のポイントはポイントを発行した企業にとっては将来的な債務となるものであることから、企業の財務管理上その収支を明確にしておく必要がある。したがって、財務プログラム52は、前記ポイントデータベース53、54等の記録に基づき、前記ポイントデータベース22に記憶されているポイントの消費、あるいは増加、残存する未消費ポイント数と消費あるいは付与されたポイント数との照合等を行い、必要に応じて印字、ファイル出力等の形で収支の明細を出力するものとなっている。
また、財務プログラム52は、適宜管理システム9aが備えるポイントデータベース34に対して、当該収支明細に関するデータを出力し記憶させるようになっている。
【0017】
エンジンセクション44には、ポイント利用システム1aの重要な機能を果たすポイントの利用(消費)、付加に関する処理を高速に行うポイント利用(削減)プログラム56が設けられている。また、ポイントの増減および設定されたポイントの消費および蓄積時に考慮されるレートに基づく計算、ポイント管理システム11aが備えるポイントデータベース22、34に記憶されているポイントの変更、インセンティブ手段に対する設定等を行うポイント情報変更手段(ポイント/製品管理手段)58が設けられている。
その他、前記ポイント利用プログラム56による演算時に使用されるデータ記憶手段60、ポイント情報変更手段(ポイント/製品管理手段)58による演算時に使用されるデータ記憶手段62が設けられている。
なお、エンジンセクション44に記載した各手段は、次に説明するインセンティブセクション46記載の各手段とともに一体的かつ並列的に動作するものとなっている。また、図2に示した各ブロック同士の接続線以外にも、各手段の間においてデータの交換や同期を行うための接続が行われているが、本明細書においては図示しての説明は省略する。
【0018】
インセンティブセクション46には、前記顧客向けのマンマシンインターフェイスとして提供されるWebページ(インターフェイス50)上で提供される各種のコンテンツプログラム70が設けられている。当該コンテンツプログラム70によって提供されるコンテンツには種々のものがあり、顧客が保有しているポイントの使用を条件としない無料のサービスゲームや、ポイントの使用を条件とする有料的なゲーム、景品獲得を目的としたクジ等が提供される。本発明に係るポイント利用システム1aによって提供されるコンテンツには種々のものがあり、一例を挙げると、ゲーム(Game)、アプリケーション(Application)、エンターテインメント(Entertainment (music, tv, movie etc.))、広告(Advertising)、教育(Education (trivia, question/answer etc.))、カジノタイプゲーム(Gaming/Casino technology)等である。その他、種々のコンテンツが提供可能である。
コンテンツプログラム70によって提供される各コンテンツは、ポイントの使用を促すインセンティブ手段であるが、さらに積極的にポイントの使用を促すために次に述べるインセンティブ手段も設けられている。
【0019】
インセンティブセクション46には、ポイント蓄積プログラム72が設けられている。当該ポイント蓄積プログラム72は、複数の顧客が本システムを利用する際に所有しているポイントの一部を少しずつ蓄積し、一定量に達したところで、一の顧客に対して蓄積されたポイント、またはそれに代替する製品やサービスを付与する機能を有したものである。
また、インセンティブセクション46には、当該ポイント蓄積プログラム72によって管理される誘因&賞記憶手段(Incentives & Prizes)74および、蓄積ポイント記憶手段(Points Pool)76、製品&サービス記憶手段(Products & Services)78が設けられている。
当該ポイント蓄積プログラム72は、ポイントを多く使用した顧客ほど、ポイントや製品、その他の賞が当選するように、当選確率を変動させる手段を内蔵している。また、ポイントを多く使用した顧客ほど、ポイント数や製品の価値、より価値の高い賞が当選する、当選内容を変動させる手段も内蔵している。これらの手段も、本ポイント利用システム1aの利用の動機づけとなるインセンティブ手段の一つとなっている。
【0020】
次に、顧客が自己の保有するポイントを使用してどのようにサービスを享受するのかを、簡単な事例を用いて説明する。
図3〜図5は、各顧客が所有する端末機器上でアクセスすることができるwebページとして作成されたものである。これらのwebページは、マンマシンインターフェイスとして管理サーバー5aによって制御されるインターフェイス30または前記ポイント利用プログラム56によって制御されるインターフェイス50によって提供されるものである。
図3(a)は、家電量販店などが用意する顧客向けに各種のサービスを提供する総合的なwebページを表したものであり、サービスとして各種のメニューが用意されているものである。メニューの一例としては、商品の通信販売、当該webページを利用するための会員登録、問い合わせ、ゲームの提供等が用意されている。
また、既にID及びパスワードを登録したポイントカードを所有する顧客に対しては、「User ID」「Password」と指示された空欄に自己のID及びパスワードを入力することにより、会員専用の種々のサービスが受けられるようになっている。当該ID及びパスワードの認証は、管理サーバー5aが備える前述したセキュリティー手段32によって行われる。
【0021】
セキュリティー手段32によってID及びパスワードの認証が行われると、図3(b)に示した画面が表示される。顧客に対する全てのサービスはこの画面を介して行われるが
、本実施の形態ではその一部のみを表示している。また、ID及びパスワードの認証を経てログインすると、ポイントデータベース22に記憶されている自己の所有しているポイント数が管理サーバー5aの機能によって表示される。なお、当該ポイント数の表示方法については当該例に限定されるわけではない。
当該図3(b)に示す画面において、メニューとして用意されているリストから「コンテンツ」を選択すると、「ポイントを使用しません」および「ポイントを使用します」との選択肢が表示される。これは、顧客がポイントカードに関連づけて所有しているポイントを使用(消費)しないコンテンツを選択するのか、ポイントを使用(消費)するコンテンツを選択するのかを顧客に選択させるものである。
この際、「ポイントを使用しません」を選択して次の画面に進むと、コンテンツプログラム70の中に用意されている無償ゲームがインターフェイス50を介して表示されるか、ログイン画面の無いトップページに移行する。
【0022】
また、図3(b)において「ポイントを使用します」を選択すると、管理サーバー5aの機能によって図4(a)に示す画面が表示され、さらにメニューの中から「コンテンツ」を選択すると、コンテンツ入り口が表示される。また、一例として顧客が所有しているポイント数が画面上に表示される。
コンテンツ入り口には、コンテンツの中にポイントの消費を条件とするものがあることを理解しているかを「いいえ」、「はい」によって再度回答させるようになっている。「はい」を選択すると、図4(b)に示すようにコンテンツ選択メニューが表示される。当該ゲーム選択メニューは、前述したインターフェイス50となるものであり、コンテンツプログラム70によって提供されるゲーム等の各種コンテンツの一覧が表示されるようになっている。図4(b)には、一例として、1.ゲーム、2.アプリケーション、3エンターテインメント(映画、音楽、TV)、4.広告、5.教育(trivia, question/answer etc.)、6.カジノタイプゲーム、7.その他コンテンツという選択メニューが表示されている。
図4(b)に一覧表示されたコンテンツの内「6.カジノタイプゲーム」を選択すると、カジノタイプゲームの一例として図5(a)に示した「スロットマシン」を表す画面が表示される。
【0023】
賭博(カジノ)が認可されている国では、スロットマシンを行う際に実際に金銭(credit)をかけ、絵柄の揃い具合に応じて金銭を消費、または償として金銭が得られるようになっている。本実施の形態における図5(a)に示した「スロットマシン」の場合、現金の代わりに前述したポイントを掛け、絵柄の揃い具合に応じて、ポイントの消費または償としてポイントが償還されるようになっている。
掛けるポイントは、クレジット(Credit)欄に示された2〜20ポイントの中から選択することで設定される。設定されたポイントは、クレジットポイント(Credit Points)欄に表示される。
クレジットした後、スタート(START)を選択すると中央のリール画面に表示された絵柄が回転をするように変化し、その後自動的に停止する。そして、絵柄が横一列、その他特定の配列になった場合に、予め定められたクレジットポイントに応じて所定数のポイントが償還されるようになっている。
【0024】
償還によってポイントを取得した場合、そのポイント数が取得ポイント(Acquired Point)欄に表示されるようになっている。
また、本実施の形態の場合、インセンティブ手段の一つとしてポイントの集積機能が設けられており、不特定の参加者がクレジットしたポイントの一定割合を逐次蓄積し、一定の蓄積数を超えたところで、ある確率に基づいて入賞者に蓄積ポイントを償還するようになっている。当該ポイントの集積機能は、図2に示したポイント蓄積プログラム(Point Accumulation Program)72によって行われ、「Incentives & Prizes」データベース7
4の中の蓄積ポイント記憶手段76にポイントが蓄積されるようになっている。このポイントの蓄積に関する処理フローを表したのが図7となっている。
図5(a)に示した例では、集積されたポイント数が「蓄積ポイント」として表示されており、その数は8000ポイントとなっている。この蓄積ポイントは、誰に償還されるのか予測がつかず、かつ大きなポイントであることから、顧客に対して当該スロットマシンへの参加を促す大きな誘因(Incentive)となるものである。なお、当該「蓄積ポイント」は、誰にあたるのか予測がつかないものであるが、前述した使用したポイント数に基づく当選確率を変動させる手段によって、ポイントの使用数が多い顧客の当選確率が高くなるように設定されている。
【0025】
なお、上記の例はポイントを蓄積して、不特定のプレイヤーに対して蓄積されたポイントを償還するものであるが、蓄積されたポイント数と同等の価値を有する製品やサービスを償還するようにしてもよい。当然ながら、製品やサービスをネットワーク上で電送することはできないので、それとの引き替を可能とするクーポン的な情報をプレイヤーに対して送信する。これら、製品やサービスに関する情報は、図2に示した誘因&賞(Incentives & Prizes)データベース74の中の製品&サービス記憶手段78に蓄積されるようになっている。
【0026】
図5(b)は、前記蓄積ポイントが当選して、プレイヤーである顧客に償還された場合を表しており、顧客に与えられたポイントが「取得ポイント欄」に表示されている。それと同時に、蓄積ポイント記憶手段76に蓄積されていたポイントが、インターフェイス48を介してポイント管理システム11aのポイントデータベース22に移動し、顧客が保有するポイントに加算される。そして、図5(b)に示した画面右上の「ポイント数」の欄に、ポイントデータベース22に加えられたポイントを含めたポイント数が表示される。この、ポイントデータベース22に記憶されている情報の書き換えは、ポイント情報変更手段58によって行われる。
【0027】
なお、前述した例は、ポイントを取得する場合について説明しているが、例えばスロットマシンによって、絵柄が揃う等のポイントアップにつながる入賞結果が得られなかった場合には、クレジットしたポイントがゲームの使用料として消費され、ポイントデータベース22に記憶されているポイントから減算される。また、ポイントがクレジットされる際には、前述したように、ポイントの一部がポイント蓄積プログラム72によって蓄積ポイント記憶手段76に蓄積される。
また、以上の説明はスロットマシンを例として説明したが、ルーレットや他のゲームを行う際に、ポイント蓄積プログラム72を実行させるようにしても差し支えがないものである。
【0028】
前述した、ポイントデータベース22に記憶されているポイントに関連する情報の書き換えは、エンジンセクション44、インセンティブセクション46記載の各手段の相互作用によって高速に行われる。
【0029】
図6は、主として、エンジンセクション44およびインセンティブセクション46において行われる処理の概念を表している。そして、
図7は、ポイント蓄積プログラム(Point Accumulation Program)72において行われる処理の概要を表したフローチャートである。ネットワーク3を介してアクセスする顧客に対しては、これに限定されるわけではないが、主として当該図7に示した処理が適用される。
図6に示した「インセンティブ手段の選択」処理は、図2に示したポイント情報変更手段(ポイント/製品管理手段)58における処理であり、前述した機能を有するほか、次の設定を行う手段となっている。すなわち、企業が顧客に対して与える動機付けを、前述
した蓄積ポイントにより行うものであるのか、一定の製品やサービスの提供によって行うのかを、インターフェイス48を介して設定できるようにするものである。もちろん、これら蓄積ポイント(76)や製品やサービスの提供(78)以外にも、顧客の動機付けとなる他の手段(80)を設定することができる。
【0030】
また、ネットワーク3を使用せずに、店舗内に設置されたコンピュータ端末4を用いたアクセスの場合には、視覚情報を主としたコンテンツプログラム70を提供することなく、景品としての製品や各種サービスの当選を動機付けとするインセンティブ手段を提供してもよい。この場合の処理を表したのが、図8に示す処理フローであり、ポイント蓄積プログラム72が有する他の機能によって、誘因&賞データ74および製品&サービスデータ78が制御され、景品としての製品や各種サービスに関する当選等の処理が行われるようになっている。
また、景品として顧客に対して与えられるものが、ポイント、製品、各種サービスといった上記以外のものである場合についても、ポイント蓄積プログラム72が有する他の機能によって、誘因&賞データ74およびその他のデータ80が制御され、景品として与えられるべく当選等の処理が行われるようになっている。
【0031】
次に、再度図1を用いて、本発明に係るポイント利用システムの実施の形態に関する他の形態について説明する。
図1に示した企業Bの場合、本発明に係るポイント利用システム1bは、独立した1個のサーバーとして形成されている。そして、当該サーバーを、イントラネット若しくはイントラネットを介して企業Bの管理サーバー5bに接続し、前述した図2と同様のシステムを構築している。このように、本発明に係るポイント利用システムは、企業の管理サーバー内に組み込むのみならず、企業の管理サーバーとは独立して設置することも可能となっている。
【0032】
また、図1に示した企業C、D、Eの場合は、企業Cが発行したポイントを企業Eが使用できる等のように、各企業が発行しているポイントを相互運用している場合について説明したものである。各企業がポイントについて相互運用を行う場合、一つの形態としてポイント管理用のセントラルポイント管理サーバー5fを設けることが行われる。本発明に係るポイント利用システム1は、この管理サーバー5fに適用することで、結果として提携している複数企業C、D、Eに対して、ポイント利用システム1を提供することができるようになっている。また、各社が発行するポイントの価値が同等ではない場合には、ポイント情報をセントラルポイント管理サーバー5fに集約する際に、設定されたレートに基づいてポイント間の価値調整が行われるようになっている。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、ポイントサービスによって企業が発行したポイントを、所有者である顧客に対して有効に使用させるポイント利用システムに利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係るポイント利用システムの実施の形態に関する概念図である。
【図2】本発明に係るポイント利用システムの概要を表すブロック図である。
【図3】本発明の顧客向けインターフェイス画面の一例に関する説明図である。
【図4】本発明の顧客向けインターフェイス画面の一例に関する説明図である。
【図5】本発明の顧客向けインターフェイス画面の一例に関する説明図である。
【図6】本発明の主要処理部の機能に関する概念図である。
【図7】本発明のポイント蓄積処理の一例を表したフローチャートである。
【図8】本発明の景品(製品/サービス)付与に関する処理の一例を表したフローチャートである。
【符号の説明】
【0035】
1 ポイント利用(削減)システム(Points Reduction System)
3 ネットワーク(Network)
5a〜5e 管理サーバー(Management server)
5f 中央管理サーバー(Central management server)
7x、7y、7z 端末機器
7α、7β 無線端末機器
9a 管理システム(Management System)
11a ポイント管理システ(Point management System)
20 顧客データベース(Customer data)
22 ポイントデータベース(Point data(Customer))
24 ポイント管理プログラム(Point management program)
26 プログラム(Other program)
28 データベース(Other data)
30 Webページ(Web page /gate way)
32 セキュリティー手段(Security)
40 インターフェイスセクション(INTERFACE Section)
42 財務セクション(FINANCIAL Section)
44 エンジンセクション(ENGINE Section)
46 インセンティブセクション(INCENTIVE Section)
48 インターフェイス(Interface Program )
50 インターフェイス(Customer Interface)
52 財務プログラム(Financial program)
54 ポイントデータベース(Point data(Enterprise))
56 ポイント利用プログラム(Points Reduction/Point use system Program (engines))
58 ポイント情報変更手段(ポイント/製品管理手段、Point/Products management program)
60 データ記憶手段(Other Data)
62 データ記憶手段(Point data(Enterprise))
70 コンテンツプログラム(Content Program & Applications)
72 ポイント蓄積プログラム(Point Accumulation Program)
74 誘因&賞データ(Incentives & Prizes)
76 蓄積ポイント(Points Pool)
78 製品&サービス(Products & Services)




【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポイントサービスによって企業が発行したポイントの利用を促進するポイント利用システムであって、
前記ポイントの所有者に利用を許可するマンマシンインターフェイスと、
当該マンマシンインターフェイスを介して利用することができるサービス提供手段と、
前記サービス提供手段の利用に伴って、前記所有者が保持するポイントの増減を行うポイント情報変更手段を有したことを特徴とするポイント利用システム。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2009−266133(P2009−266133A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−117925(P2008−117925)
【出願日】平成20年4月28日(2008.4.28)
【出願人】(508130432)株式会社J8 (1)
【Fターム(参考)】