説明

ポイント管理システム

【課題】多数のポイントカードを常時携帯することなく、複数の会員店舗にてポイントサービスを受けることを可能にする。
【解決手段】ポイント管理サーバ201と、会員店舗に設置されたポイント端末の識別子と当該会員店舗のポイントカードを有する消費者との対応関係が記憶される会員データベース202と、会員店舗に設置されたポイント端末で過去に購入したデータから抽出されたポイント情報が消費者毎に記憶されるポイントデータベース203と、を備える。ポイント端末は、ポイントカードに内蔵のICチップの個体番号を読取る手段と、読取られたICチップの個体番号とポイント情報とを含む取引要求をネットワークを介して前記ポイント管理サーバに送信する手段を備える。ポイント管理サーバ201は、更に、取引要求を受信する手段と、受信された取引要求に含まれる情報を用いて会員データベースとポイントデータベースとを更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポイント管理システムに関する。更に詳しくは、本発明は、消費者が様々な店舗から別個に受け取る複数のポイントカードに蓄積されたポイント自体を消費者とカード発行者との双方にとって便利な態様で管理することを可能にするポイント管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在の消費者は、様々な店舗で買い物をする際やサービスの提供を受ける際に、支払った金額に応じて与えられ次回以降の利用の際に特典が得られる「ポイント」を蓄積するためのカード(以下では、簡単に「ポイントカード」と称する)を渡されることがある。家電量販店におけるポイントサービスや航空会社におけるマイレージサービスはよく知られているし、クレジットカードの利用額に応じて付与されるポイントやレンタルビデオ店で付与されるポイントも広く知られている。
【0003】
コンピュータの利用が一般的になる以前には、地域の商店街単位で運営される地域通貨的なポイントなど、切手型のシールをポイントの表象形態として用い集めたシールを台紙に貼って集計する方式が存在した。また、紙製のポイントカードに押印することによってポイントを記録するスタンプカードも、類似の方式と見なすことができる。このような手作業的なポイントサービスは、得意客への将来の利用の際の割引的な性質が主であり、ポイント発行者が顧客の消費行動を知るための情報収集手段としての側面は小さい。
【0004】
次に、コンピュータでのデータ処理を前提として、磁気記録媒体やバーコードを備えたポイントカードが用いられるようになった。この方式は現在でも広く行われている。更には、非接触状態での電子的な読み書きが可能な半導体メモリを備えたICカードや携帯電話端末をポイントカードとして機能させることも行われている。この方式を用いると、どの消費者がどこで何を購入したかなどの消費行動に関する情報を収集することが容易であり、そのような情報を統計処理して将来の経営戦略や、個々の消費者に対する個別的な営業活動に利用することができる。
【0005】
コンピュータでのデータ処理という側面に着目すると、街中に存在する物理的な店舗の場合に加え、電話や郵便を利用した伝統的な通信販売やインターネットを利用したインターネットショッピングを通じて商品やサービスを購入する際に付与されるポイントも、ポイントカードを用いる場合のポイントと同様の機能を有する。例えば、インターネットショッピングの場合にも、消費者は商品やサービスを購入する際にポイントを獲得し、蓄積されたポイント数を自分自身に割り当てられたウェブページなどで確認し、次回以降の利用の際に特典を得ることができる。
【0006】
これほどポイントカードが普及したのは、ポイントカードの利用が消費者と発行者との双方にとって利点があるからである。消費者としては、特定の店舗で商品やサービスを購入することの結果として購入額に応じた特典が得られるという利点がある。同時に、ポイントを獲得していくことに、ゲーム感覚的な楽しみも味わうことができる。ポイントカードの発行者側から見ると、ポイントカード作成時に、どの範囲まで得られるかは消費者に依存するのは事実であるが、性別、年齢、家族関係、職業、住所などの人口学的情報を得ることができる。そして、そのようにして得た特定の消費者の人口学的情報とその消費者の消費行動とを相関させることにより、どのような人口学的特性を有する消費者がどのような商品やサービスをどのように購入するかという情報を得ることができる。このような情報は、商品及びサービスの開発や営業戦略の策定の際に有用であり貴重である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、消費者のだれもが感じているように、今日では、商品やサービスの購入の際に渡されるポイントカードをすべて受け取るのは既に困難な状況にある。だれもが経験するように、様々な店舗で渡されるポイントカードはすぐに相当な枚数になってしまい、結果的に各人の財布が多数のポイントカードであふれているのは珍しい現象ではない。それほどまでに、ポイントカードを渡そうとする商店が増加している。しかし、財布の容積には限りがあるのだから、例えば20枚を超えるような多数のカードを財布の中に保持するのは物理的に困難である。効率を考えてみても、月に一度しか行かない店のポイントカードを毎日持ち歩く必要はない。このように、ひとりの消費者が受け取るポイントカードの枚数の増加、これが第1の問題点である。
【0008】
また、ポイントカードは多種多様であるがこれほどまで枚数が増加すると、どのポイントカードをどの店で受け取ったのかを明確に認識することは必ずしも容易でない。それぞれのカードには様々なデザインが施されてはいるものの、特定のポイントカードをその発行者と結びつけるのは、容易ではない。このように、ポイントカード相互間の識別が容易ではないことが第2の問題点である。
【0009】
消費者から見る場合だけではなく、店舗の側にとっても、従来型のポイントカードには問題点がある。すなわち、コストの問題である。大規模な店舗やチェーン店であれば、インターネットへの接続などの通信環境も含めポイントカードのためのコンピュータ・システムに相当の投資をしても、投資に見あった見返りが期待できるだろう。しかし、小規模な商店にとっては、そのような設備投資は困難であることが多い。設備投資という金銭的なコストだけではなく、ポイントカードのためのシステムを維持管理するためのスタッフを確保するという人的なコストに関する問題も存在する。小規模な商店は、人員の配置がぎりぎりであることが多く、お客様への応対で忙しいため、コンピュータ・システムの使用はもちろん、維持管理は容易でない。以上で述べたポイントカードのためのシステムに要する金銭的及び人的なコストが第3の問題点である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、以上で述べた従来のポイントカードに関する第1から第3の問題点を克服することを目的とするために、消費者が1又は複数の店舗において商品又はサービスを購入する際に付与されるポイントを管理するシステムであって、ポイント管理サーバと、前記1又は複数の店舗のそれぞれに設置されており前記ポイント管理サーバとネットワークを介して通信可能であるポイント端末と、前記ポイント管理サーバに接続されており、前記消費者の個人識別子と前記消費者が過去に用いた1又は複数の識別媒体の識別子との対応関係が記憶されている会員データベースと、前記ポイント管理サーバに接続されており、前記ポイント端末から得られた過去の購入データから抽出されたポイント情報が消費者ごとに記憶されているポイントデータベースと、を備えており、前記ポイント端末は、前記消費者が前記購入の際に用いる前記識別媒体の識別子を読み取る手段と、前記読み取られた識別子と前記購入によって付与されるポイント情報とを含む取引要求を前記ネットワークを介して前記ポイント管理サーバに送信する手段と、を備え、前記ポイント管理サーバは、前記取引要求を受信する手段と、前記受信された取引要求に含まれる前記識別媒体の識別子を用いて前記会員データベースを検索する手段と、前記受信された取引要求に含まれる情報を用いて前記会員データベースと前記ポイントデータベースとにおける前記検索手段によって特定されたデータを更新する手段と、を備えているシステムが提供される。
【0011】
また、本発明によるシステムにおいて、前記ポイント管理サーバは、前記検索手段が前記会員データベースを検索した結果として前記受信された取引要求に含まれる前記識別媒体の識別子に対応する個人識別子を特定できないときに検索結果を前記ポイント端末に送信する手段と、前記検索結果に応答して前記ポイント端末から送信される個人識別子と前記識別媒体の識別子との新たな対応関係を前記会員データベースに記憶する手段と、を備えており、前記ポイント端末は、前記検索結果を受信する手段と、前記個人識別子を入力する手段と、を備えていることがありうる。
【0012】
また、顧客が1又は複数の店舗において商品又はサービスを購入又は利用する際の取引情報を管理するシステムであって、取引情報管理サーバと、前記1又は複数の店舗のそれぞれに設置されており前記取引情報管理サーバとネットワークを介して通信可能である取引端末と、前記取引情報管理サーバに接続されており、前記顧客の個人識別子と前記顧客が有する1又は複数の識別媒体の識別子との対応関係が記憶される顧客データベースと、前記取引情報管理サーバに接続されており、前記顧客が有する取引口座が記憶される取引口座データベースと、を備えており、前記取引端末は、前記顧客が前記購入又は利用の際に用いる前記識別媒体の識別子を読み取る手段と、取引端末情報、前記読み取られた識別子、及び前記取引情報を含む取引要求を、前記ネットワークを介して前記取引情報管理サーバに送信する手段と、を備え、前記取引情報管理サーバは、前記取引要求を受信する手段と、前記受信された取引要求に含まれる前記識別媒体の識別子を用いて前記顧客データベースを検索する手段と、前記受信された取引要求に含まれる情報を用いて前記顧客データベース及び前記取引口座データベースの中から前記検索手段によってマスターデータを検索し、そのマスターデータに紐付けられたデータを更新する手段と、を備えているシステムが提供される。
【0013】
更に、消費者が1又は複数の店舗において商品又はサービスを購入する際に付与されるポイントを管理するシステムであって、ポイント管理サーバと、前記1又は複数の店舗のそれぞれに設置されており前記ポイント管理サーバとネットワークを介して通信可能であるポイント端末と、前記ポイント管理サーバに接続されており、前記消費者の個人識別子と前記消費者が有する1又は複数の識別媒体の識別子との対応関係が記憶される会員データベースと、前記ポイント管理サーバに接続されており、前記ポイント端末から得られた購入データから抽出されたポイント情報が消費者ごとに記憶されるポイントデータベースと、を備えており、前記ポイント端末は、前記消費者が前記商品又はサービスの購入の際に用いる前記識別媒体の識別子を読み取る手段と、ポイント端末情報、前記読み取られた識別子、及び前記購入データを含む取引要求を、前記ネットワークを介して前記ポイント管理サーバに送信する手段と、を備え、前記ポイント管理サーバは、前記取引要求を受信する手段と、前記受信された取引要求に含まれる前記識別媒体の識別子を用いて前記会員データベースを検索する手段と、前記受信された取引要求に含まれる情報を用いて前記会員データベース及び前記ポイントデータベースの中から前記検索手段によってマスターデータを検索し、そのマスターデータに紐付けられたデータを更新する手段と、を備えているシステムが提供される。
【0014】
本発明によるシステムにおいて、前記ポイント端末は、購入データからポイント情報を演算するポイント情報演算部を有し、前記ポイント管理サーバに送信する手段は、前記ポイント端末情報、前記識別媒体の識別子、及び前記ポイント情報を含む取引要求を、前記ネットワークを介して前記ポイント管理サーバに送信することがありうる。
【0015】
また、本発明によるシステムにおいて、前記ポイント管理サーバは、前記取引要求を受信する手段にて受信された購入データからポイント情報を演算するポイント情報演算部を有することがありうる。
【0016】
また、本発明によるシステムにおいて、前記会員データベースに接続され、かつ、前記取引要求に含まれる情報の内、少なくともポイント端末情報、前記識別媒体の識別子情報、及び前記ポイント情報を取引要求単位で格納するポイント履歴データベースを、備え、前記ポイント履歴データベースに格納された取引要求に含まれる情報は、前記ポイント管理サーバにより、前記マスターデータである前記識別媒体の識別子情報又は前記個人識別子の情報ごとに集計され、前記識別媒体の識別子情報又は前記個人識別子の情報ごとに束ねられた前記ポイント情報が前記ポイントデータベースに格納されることがありうる。
【0017】
本発明によるシステムにおいて、前記個人識別子の情報が未登録の時、該ポイント履歴データベースに格納された全取引要求に含まれる情報は、前記ポイント管理サーバにより、前記マスターデータである前記識別媒体の識別子情報ごとに集計され、前記個人識別子の情報が既登録の時、該ポイント履歴データベースに格納された全取引要求に含まれる情報は、前記ポイント管理サーバにより、前記マスターデータである前記個人識別子の情報ごとに集計されることがありうる。
【0018】
本発明によるシステムにおいて、前記ポイント履歴データベースに格納された全取引要求に含まれる情報を、前記ポイント管理サーバにより、前記マスターデータである前記識別媒体の識別子情報又は前記個人識別子の情報ごとに集計する際、前記ポイント情報は、ポイント種別ごとに分別されることがありうる。
【0019】
本発明によるシステムでは、前記識別媒体はユニーク(一意的な)情報を有するものであり、該ユニーク情報が前記識別媒体の識別子である。
本発明によるシステムでは、例えば、前記識別媒体はICチップを内蔵したICカードであり、その場合、前記識別媒体の識別子は前記ICチップの個体番号である。
【0020】
また、本発明によるシステムでは、例えば、前記識別媒体はICチップを内蔵した携帯電話端末であり、その場合、前記識別媒体の識別子は前記ICチップの個体番号である。
【発明の効果】
【0021】
以上の構成を備えていることにより、本発明によるポイント管理システムを用いると、消費者は、多数のポイントカードを携帯していなくとも、例えばICチップを内蔵したICカード又は携帯電話端末の内のいずれか1つを携帯していれば、このポイント管理システムの会員となっている店舗であればどの店舗において商品やサービスを購入しても、ポイントサービスを受けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明におけるN:1:Nという対応関係を、従来技術における1:1:1という対応関係と対照させて示している。
【図2】本発明によるポイント管理システムの構成の概略を示すブロック図である。
【図3】本発明によるポイント管理システムの典型的な動作の流れを示す流れ図である。
【図4】本発明によるポイント管理システムの典型的な動作を示すより詳細な図解である。
【図5】本発明によるポイント管理システムの典型的な動作を示すより詳細な図解である。
【図6】生体認証の場合の本発明によるポイント管理システムの典型的な動作を示すより詳細な図解である。
【図7】管理者設定フロー(I)と未登録の消費者が何らかのカードを最初に使用する時のフロー(II)とが示されている。
【図8】その場ですぐに新規登録する場合のデータ処理の概要が図解されている。
【図9】その場ですぐに登録するのではなく、後で登録する場合の処理について概要が図解されている。
【図10】2回目以降に使用する場合(登録済みの個人識別IDは持っており、新しい識別媒体を使用する場合)の処理の概要が図解されている。
【図11】ポイント履歴データベースとポイント口座データベースとの関係の概要が図解されている。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1には、従来技術による2種類のポイントカードの場合と比較しながら、本発明によるポイント管理システムにおいて識別媒体と消費者とポイントサービスとがどのように関連付けられているかが示されている。なお、複数の情報を相互に関連付けることは、紐付け、紐付けられる、などと表現されることもある。
【0024】
従来技術における一般的なポイントサービスが、図1のAの欄(一番上の欄)に示されている。この場合には、1枚のポイントカードとその1枚のポイントカードを発行した1つの店舗とのそれぞれがひとりの消費者と関連付けられている。「1つの店舗」が物理的に1つの場所に存在するただ1つの店舗を意味するのが最も単純な場合である。例えば、ある1つの店舗においてひとりの消費者にポイントカードが発行され、この消費者がこの店舗で商品やサービスを購入する度に、このポイントカードにポイントが記録される。そして、所定の点数が蓄積されると、所定の特典が得られる。
【0025】
しかし、今日では広く見られるように、「1つの店舗」が物理的には別の複数の場所に存在するが同じ1つの系列に属する複数の店舗を意味する場合にも、図1でAとして示されている関連付けが相当する。例えば、百貨店、ファミリーレストラン、レンタルビデオ店、ドラッグストア、家電量販店、インターネットカフェなど複数の店舗が同じ系列に属する場合には、その系列に属している店舗であれば、1枚のポイントカードを共通に用いることができるのが通常である。以上で説明したAのような識別媒体(例えば、ポイントカード)と消費者と店舗との関連付けは、1:1:1の関係にあると規定することが可能である。
【0026】
次に図1のBの欄に示されているのは、会社ごとに名称が異なるが様々な航空会社において類似の内容で行われているポイントサービス(マイレージサービス)の例である。航空会社が発行するマイレージカードは、会員登録を行うことによって発行されるのが通常であり、その航空会社の航空サービスを利用する度に、飛行距離に応じてポイントが付与される。マイレージサービスにおけるポイントのことは、その沿革からマイルと称されることが多い。所定のマイルを得ると、無料の航空券との引き換えや、座席のアップグレードなどが得られる。また、マイル(ポイント)の交換という手続きを経由して、航空会社と関係の深い小売店、ホテル、レンタカーなどにおいて、獲得したマイルに相当するサービスを受けることができることが多い。つまり、図1のBの欄の右側に示されているように、マイレージサービスでは、獲得されたポイントすなわちマイルは、航空会社、ホテル又はそれ以外の加盟店において用いることが可能であるのが通常である。このマイレージサービスのようなポイントサービスも、ポイント相当の特典を受けられる店舗が複数であるのが特徴的ではあるが、識別媒体は一つしかなく、基本的な関連付け構造はAの場合と同様であり、1:1:1の関係が維持されている。
【0027】
次に図1のCの欄には、本発明によるポイント管理システムにおいて採用される識別媒体と消費者とポイントサービスとの関連付けが示されている。本発明によるポイント管理システムでは、Nを正の整数として、N個の識別媒体とひとりの消費者とN種類のポイントサービスとが相互に関連付けられている。つまり、N:1:Nの関連付けである。N:1:Nというのは、ひとりの消費者に対して、N個の識別媒体とN種類のポイントサービスとがパラレルに関連付けられ(ぶら下げられ)、それら全体が紐付けられている場合をいう。しかし、マイレージサービスに関して上述したように、1枚のポイントカードに蓄積されたポイントを複数種類の店舗において用いることができる場合もあるのだから、ポイントサービスの種類は、MをNとは異なる正の整数として、M種類であることもありうる。つまり、常にN:1:Nという対応関係であることは必要なく、N:1:Mという対応関係もありうる。しかし、B欄に示された関係をA欄の場合と同様に1:1:1と説明したのと同様に、C欄についても、Nとは異なるMを用いて説明するのではなく、N:1:Nという関係であるとして説明したい。
【0028】
識別媒体とは、以上で説明してきたポイントカードに相当する。図1に示されているように、東日本旅客鉄道株式会社が運営、提供するスイカ(Suica:登録商標)やビットワレット株式会社が運営、提供するエディ(Edy:登録商標)、また、いわゆるおサイフケータイ(登録商標)機能を備えた携帯電話端末などが含まれる。また、識別媒体として、銀行カードやクレジットカードなどの磁気カード、バーコードやQRコードが付与されたカードなど、識別媒体を特定可能で、他との差別化が可能なユニーク情報をもったものであれば、全てが対応可能である。
【0029】
N個の識別媒体(例えば、N枚のポイントカード)すべてがひとりの消費者と関連付けられているのだから、本発明によるポイント管理システムでは、N個の識別媒体の中のどの1つが読み取られた場合でも、ひとりの同じ消費者が一意的に識別される。ここで言う、「ポイント端末」とは、ポイント専用の端末、POSシステム端末、コンビニなどに設置されている情報端末又は決済端末、デビッドカード端末、ATM端末などを示している。
【0030】
そのような関連付けがどのようになされるかであるが、消費者は、ポイント端末が設置されている店舗で商品又はサービスを購入し本発明によるポイント管理システムに最初に登録するとき、カードAというICチップ内蔵カードを、ICチップリーダー機能を有するポイント端末に接触方式/非接触方式で読み取らせる。これにより、ICチップ内蔵カードのICチップ(媒体識別子)の情報が読み取られる。また、消費者は、後述する任意の方法によりポイント管理システムから受け取った自分自身の個人識別子を有する。そして、ポイント端末によって読み取られた識別媒体(例えば、スイカ)の媒体識別子の情報(識別媒体情報)と消費者に付与された個人識別子の情報(個人識別ID)とを関連付け、その対応関係が記憶装置(システムサーバー)に記憶される。ここで言う、「サービスを購入」とは、必ずしも「消費者がサービスの提供を受け、その対価を支払う」といった消費者にとって有料のサービスだけではなく、「現金の預け入れ及び引出し」、「来店に伴う無料のポイント付与」、「マイレージの登録」等も含む。
【0031】
同じ消費者が、同一の又は別の店舗で、別の第2の識別媒体(例えば、エディ)を最初に用いるときには、第1の識別媒体を用いたときに既に付与されている個人識別子を例えばポイント端末に接続された入力装置を用いて入力することにより、既に付与されている個人識別子と初めて用いられる第2の識別媒体とが関連付けられる。同じ消費者が更に別の第3の識別媒体(例えば、携帯電話端末)を用いる場合にも同様の処理がなされる。
【0032】
このような処理が反復されることにより、本発明によるポイント管理システムでは、同一の消費者が有しているN枚のポイントカード(ICチップ内蔵カード、携帯電話端末)とそのひとりの消費者との関連付けがなされ、N枚のポイントカードとそのひとりの消費者との対応表が得られる。これが、図1のC欄に示されているN枚の識別媒体とひとりの消費者とのN:1の関係である。
【0033】
次に、消費者とポイントサービスとの関係について説明する。本発明によるポイント管理システムでは、特定の消費者に、N種類のポイントサービスが関連付けられており、それぞれのポイントサービスに蓄積されたポイントを、様々な方法で利用することができる。
【0034】
ポイントサービスは、大別して2種類に分けられる。一つは、各会員店舗でのみ利用可能な固有のポイント(以下、オリジナルポイントという)、もう一つは会員店舗全店で利用可能な共通のポイント(以下、共通ポイントという)である。
【0035】
オリジナルポイントの利用方法は、図1のAの欄を用いて説明したので省略する。一方、共通ポイントは、ある消費者が、ある会員店舗(例えば、レンタルビデオ店)にて主に蓄積してきた共通ポイントを、ある会員店舗とは直接の関係がない他の店舗(例えば、クリーニング店)において利用するものである。
【0036】
また、本発明によるポイント管理システムでは、そのシステム内でオリジナルポイント及び共通ポイントを相互に交換、利用することも可能である。つまり、例えば、レンタルビデオ店で付与されたオリジナルポイントを、消費者とレンタルビデオ店との両者の合意があれば、クリーニング店のオリジナルポイントに振り替えて、利用できるように設定することもできる。また、特定の1つのポイントサービスと所定の関係を有するポイントサービスを利用することができるような設定も可能である。前述したポイント振り替えの際には、ある店舗と別の店舗との間で、それぞれのポイントがまったく同等の価値を有するような設定も可能であるが、例えば、1:1.5や1:2などの重みを介して換算、振り替えるような設定も可能である。
【0037】
次に、図2を参照して、本発明によるポイント管理システムにおけるシステム構成について説明したい。図2には、本発明によるポイント管理システム200とその構成要素とが図解されている。ポイント管理サーバ201は、本発明によるポイント管理システム200の会員である店舗に設置されたポイント端末204との間で任意のネットワークを介して通信可能な環境にある。ポイント端末204は、会員店舗に設置された通信端末であり、消費者が有する識別媒体C1,C2,・・・,CNに内蔵されているICチップの個体番号などの識別子を読み取ることができる。識別媒体の読み取りは、ポイント端末204自体でスイカなどのように非接触式又は接触式で行うことが挙げられる。その他の読み取り方法としては、ポイント端末204は、クレジットカードなどの読取装置やバーコードリーダなどの他の読取装置が接続可能であり、それらの読取装置を用いて識別媒体を読み取ることもできる。ポイント端末204には、キーボードなどの入力装置とディスプレイなどの出力装置とが付属している。出力装置は、入力装置とディスプレイとが一体化したタッチパネル方式であってもよい。消費者が既に付与されている個人識別子を入力する際には、そのキーボードを用いることができる。個人識別子の確認などポイント管理サーバ201から消費者に向けて何らかの通知をする必要がある場合には、ディスプレイに所要の表示がなされる。なお、ポイント管理サーバ201とポイント端末204との間の通信を可能にするネットワークは最も典型的な例としてインターネットを含むが、LANなどでもかまわない。一般的な認証機能などを有することもありうる。
【0038】
本発明によるポイント管理システム200において利用可能な識別媒体としては、例えば、FeliCa(登録商標)対応携帯電話端末(いわゆるおサイフケータイ(登録商標))、スイカ(Suica)や東日本旅客鉄道株式会社以外のJRグループ各社や株式会社パスモが運営、提供しているICチップ内蔵型の交通系ICカード(トイカ(TOICA:登録商標)、イコカ(ICOCA:登録商標)、パスモ(PASMO:登録商標))、及びICチップ内蔵の免許証やパスポートなども候補となりうる。
【0039】
ポイント管理サーバ201は、会員データベース202と接続されている。会員データベース202には、1人の消費者とその1人の消費者が有している最大でN個の識別媒体(例えば、N枚のポイントカードC1,C2,・・・,CN)との対応表(ルックアップテーブル、LUT)が記憶されている。具体的には、消費者は登録時にポイント管理サーバ201から付与される個人識別子によって一意的に識別され、識別媒体は内蔵されているICチップの個体番号によって一意的に識別されるから、会員データベース202には、それぞれの消費者の個人識別子と最大でN個のICチップ個体番号との間の対応関係が記憶されている。
【0040】
新たな会員登録がなされる場合には、先ず、登録の際に用いられたある1つの識別媒体の識別子(例えばR1)を核体にして、新たに生成されたある1つのポイントデータ(又はポイント口座:例えばPD1)が1:1の対応関係で紐付けられ、会員データベース202及びポイントデータベース203にそれぞれ記憶される。そして、これら識別子R1とポイントデータPD1との紐付け後、これら紐付けられた情報に、ポイント管理サーバ201から付与される個人識別子(例えばI1)が紐付けられる。この個人識別子I1(消費者ID)の紐付けがなされると、個人識別子I1を核体にして、識別子R1及びポイントデータPD1をそれぞれ紐付けるよう、紐付けの切り替えがなされる。
【0041】
その後、消費者が、別の識別媒体を用いてポイント管理システムに追加登録していく際は、核体である個人識別子I1に、第2、第3の識別媒体の識別子(例えばR2、R3)が2:1、3:1、・・・という対応関係で紐付けられて行き、最終的にはN:1の対応関係が記憶される。
【0042】
ポイント管理サーバ201は、ポイントデータベース203とも接続されている。ポイントデータベース203には、ある消費者が蓄積する最大でN個のポイントデータ(PD1〜PDN)が記憶されている。消費者の消費行動に伴い、任意のポイントデータPDNにポイントが新たに付与されたり、任意のポイントデータPDNのポイントが使用されたりすると、ポイントデータベース203に記憶されているポイントデータPDNのポイント数が、付与及び使用に応じて更新される。ポイントデータベース203には、個々の消費者がどの会員の店舗においてどれだけのポイントを獲得したのかというデータを記憶することも可能である。その場合には、それぞれの会員がどの店舗でどのような商品又はサービスを購入したかに関する消費行動データが記憶されることになる。そのようにして蓄積されたデータは、会員店舗における消費者の利用状況を把握するのに有用であろう。
【0043】
会員データベース202には、上述したように、それぞれの会員とポイントカードなどの識別媒体との対応関係が記憶されている。ただし、消費者がある会員店舗のオリジナルポイントの発行を望まない場合がある。このように当該店舗のオリジナルポイントの発行を受けない場合でも、共通ポイントとして蓄積、記憶させることも可能である。
【0044】
以下では、簡単な条件を仮定した上で、図3〜図5を参照しながら、本発明によるポイント管理システム200における典型的な動作を概観する。本発明によるポイント管理システム200の会員でありポイント端末204が設置されている店舗は、それぞれが、当該店舗を利用する消費者にオリジナルポイントを提供するポイントサービスを用意していると仮定する。また、店舗の数をNとすると、1人の消費者はNを超える個数の識別媒体を有する場合もあるが、説明を簡単にするため、1人の消費者がN個の識別媒体を有していると仮定する。なお、Nは正の整数である。
【0045】
本発明によるポイント管理システム200では、ポイント端末204が設置されるN個の店舗S1,・・・,SNの店舗情報が、会員データベース202に予め登録されている。つまり、店舗情報には、店舗Si(iは、1≦i≦Nである整数)に設置されているポイント端末204iに割り当てられた識別情報、当該店舗自身の情報、及び当該店舗が提供するポイントサービスが含まれる。ポイントサービスとは、例えば、いくらの購入額に対して何点のポイントが与えられるかなどである。また、当該店舗のポイントサービスに登録した消費者の個人識別子I1も登録されている。個人識別子I1には、別途登録された消費者の個人情報が関連付けられている。これらの個人情報は、例えば、ポイント管理システム200とは独立したシステムのサーバ(後述の設定サーバなど)内に格納されている。
【0046】
図3においては、最初に、ステップ301において、システム200が動作を開始する。具体的には、会員店舗のポイントサービス開始に先だって、図4に示すように、ポイント端末204とは別に設置される管理者用PCにてインターネット回線を通じてポイント管理システム200とは独立した設定サーバにアクセスし、設定サーバ内の自店ポイント端末204にて各種設定がなされる。ここでいう各種設定とは、日時及び/又は曜日ごとのポイント付与条件、当該会員店舗のポイント種別(共通ポイント又はオリジナルポイント)などである。各種設定は複数の登録が可能であり、会員店舗側が自由に選択できる。そして、ある任意の日の営業開始時にポイント端末204が起動されると、ポイント端末204は設定サーバにアクセスし、ある任意の日の各種設定を会員店舗側が選択し、ポイント端末204に当該各種設定が設定される。
【0047】
その後、消費者X1が店舗Siに来店し、当該店舗Siにおいて、自分が有しているN枚のカードの中の1枚であるカードCj(jは、1≦j≦Nである整数:本発明のシステム200にまだ登録していないカード)をポイント端末204に読み取らせる場合を考える。
【0048】
ステップ302では、未登録の消費者X1が、店舗SiでカードCjを用いてポイントサービスを利用する。ステップ303では、この店舗Siに設置されているポイント端末204は、カードCjのICチップ個体番号を読み取り、一意的なカード情報(媒体識別子)として取得する。そして、ステップ304では、ポイント端末204は、当該ポイント端末自体の識別情報とカードCjから取得したICチップ個体番号と新規発生ポイント(購入金額を基にポイント端末204で計算された値)とを含む取引要求を、ポイント管理サーバ201に送信する。
【0049】
ステップ305では、ポイント管理サーバ201が会員データベース202に記憶されている消費者の個人識別子と識別媒体の媒体識別子との対応表を参照すると、消費者X1は未登録であるため、対応する個人データも識別媒体データも会員データベース202に存在しない。この場合、ポイント管理サーバ201にて、媒体識別子(カード識別子)が存在しないことが確認されると、当該媒体識別子が会員データベース202に仮登録される。また、新規発生ポイントは、該媒体識別子に紐付けてポイントデータベース203(図4中ではオリジナルポイントAのポイントA口座)に仮登録される。このとき、ポイントA口座に新規発生ポイントが蓄積される。
【0050】
その後、媒体識別子が未登録であるとの返答がポイント端末204に送信され、2種類の情報がポイント端末204のディスプレイに表示される。すなわち、消費者X1の消費者IDが本発明のシステム200に全く登録されていないときの新規登録要求(パターンA)と、取得済みの消費者IDの入力要求(パターンB)とが表示される。
【0051】
パターンAの時、消費者X1が登録を希望するのであれば、ポイント端末204に接続されたキーボードなどの入力装置(又はポイント端末204のタッチパネル)を用いて自分自身の個人データを入力し、ポイント管理サーバ201に送信する。この場合の個人データとは、氏名、生年月日などを含むが、認証のために今日広く用いられている秘密の質問及びそれに対する回答などを含ませることもありうる。消費者X1は、個人データを送信するために携帯電話の電子メール機能を用いることも可能である。
【0052】
ポイント管理サーバ201は、消費者X1の個人データ(消費者データ)を受信すると消費者データを登録、格納し、消費者X1に対して新規の個人識別子(消費者ID)を割り当てる。そして、当該消費者IDに、前述の仮登録された媒体識別子及びポイントA口座がそれぞれ紐付けられ、本登録される。そして、ポイント端末204に消費者X1の消費者IDと、消費者登録が完了された旨が表示される。以上のデータ処理によって、消費者X1は、ポイントカードCj及びポイントA口座の所有者として、ポイント管理システム200に登録されたことになる。また、消費者X1は、登録された消費者IDを携帯電話端末などで受信できるようにすることもできる。この場合、消費者IDが携帯電話端末に記録、記憶されるので、消費者X1が消費者IDを紛失したり、失念したりするのを防ぐことができる。また、消費者IDは、消費者X1が後日、任意に変更できるようにしても良い。
【0053】
パターンBの時、消費者X1は、ポイント端末204に接続されたキーボードなどの入力装置(又はポイント端末204のタッチパネル)を用いて自分自身の既取得消費者IDを入力し、ポイント管理サーバ201に送信する。
【0054】
ポイント管理サーバ201は、消費者IDを受信すると、当該消費者IDを検索、特定すると共に、当該消費者IDにカードCjの媒体識別子が紐付けられる。その後、ポイント管理サーバ201は、当該消費者IDに紐付けられた店舗Siのポイントデータベース203(ポイントA口座)を検索、特定し、ポイントA口座に新規発生ポイントが蓄積される。そして、ポイント端末204に、カードCjの媒体識別子が、消費者X1の識別媒体として新たに登録された旨が表示される。
【0055】
ここで、消費者X1が店舗Siにおいて商品又はサービスを購入する際、ポイントA口座に新規発生ポイントを蓄積する代わりに、消費者X1がこれまでに獲得していたポイントの少なくとも一部を購入金額の割引に充当するようにしてもよい。このとき、割引に充当したポイント分が、消費者X1のポイントA口座から差し引かれ、更新される。
【0056】
次に、既に本発明によるシステム200への登録が終了している消費者X2が、登録の際に用いたのと同じカードCjを用いる場合を、図5を参照しながら説明する。
ステップ401において、システム200が動作を開始する。ステップ402では、登録済の消費者X2が、店舗Siで登録の際に用いたのと同じカードCjを用いて商品又はサービスを購入する。次のステップ403では、この店舗Siに設置されているポイント端末204は、カードCjのICチップ個体番号を読み取り、一意的なカード情報(媒体識別子)として取得する。そして、ステップ404では、ポイント端末204は、当該ポイント端末自体の識別情報とカードCjから取得したICチップ個体番号と新規発生ポイントとを含む取引要求を、ポイント管理サーバ201に送信する。ステップ405では、ポイント管理サーバ201は、会員データベース202に記憶されている識別媒体の媒体識別子に紐付けられた消費者の個人識別子(消費者ID)を検索、特定する。その後、消費者IDに紐付けられた店舗Siのポイントデータベース203(ポイントA口座)に、取引要求に含まれていた新規発生ポイントを蓄積し、ポイントデータベース203のポイントA口座に関するデータが更新される。ポイントA口座に関するデータの更新後、ポイント端末204に最新のポイント情報(新規発生ポイント、累積ポイントなど)が表示される。
【0057】
次に、第2の実施形態として、生体認証を用いた紐付けについて説明する。
図6に示すように、本発明のシステム200への登録が全く未登録の消費者X1が店舗Siに来店し、当該店舗Siにおいて、自分が有しているN枚のカードの中の1枚であるカードCj(jは、1≦j≦Nである整数:本発明のシステム200にまだ登録していないカード)をポイント端末204に読み取らせる場合を考える。
【0058】
未登録の消費者X1が、店舗SiでカードCjを用いて商品又はサービスを購入し、この店舗Siに設置されているポイント端末204にカードCjをかざす。ポイント端末204は、カードCjのICチップ個体番号を読み取り、一意的なカード情報(媒体識別子)として取得する。そして、ポイント端末204は、当該ポイント端末自体の識別情報とカードCjから取得したICチップ個体番号と新規発生ポイントとを含む取引要求を、ポイント管理サーバ201に送信する。
【0059】
ポイント管理サーバ201が会員データベース202に記憶されている消費者の個人識別子と識別媒体の媒体識別子との対応表を参照すると、消費者X1は未登録であるため、対応する個人データも識別媒体データも会員データベース202に存在しない。この場合、ポイント管理サーバ201にて、媒体識別子(カード識別子)が存在しないことが確認されると、当該媒体識別子が会員データベース202に仮登録される。また、新規発生ポイントは、該媒体識別子に紐付けてポイントデータベース203(図6中ではオリジナルポイントAのポイントA口座)に仮登録される。このとき、ポイントA口座に新規発生ポイントが蓄積される。
【0060】
その後、媒体識別子が未登録であるとの返答がポイント端末204に送信され、情報がポイント端末204のディスプレイに表示される。すなわち、消費者X1が本発明のシステム200に全く登録されていないときの新規登録要求(パターンA)が表示される。
【0061】
この時、消費者X1が登録を希望するのであれば、ポイント端末204に接続された生体認証装置(指紋、静脈、掌紋、光彩など)を用いて消費者自身の生体的特徴を入力し、ポイント管理サーバ201に送信する。
【0062】
ポイント管理サーバ201は、消費者X1の生体的特徴データを受信すると、当該生体的特徴データを登録、格納する。そして、当該生体的特徴データに、前述の仮登録された媒体識別子及びポイントA口座がそれぞれ紐付けられ、本登録される。そして、ポイント端末204に消費者X1の生体的特徴データ登録と、識別媒体登録が完了された旨が表示される。以上のデータ処理によって、消費者X1は、ポイントカードCj及びポイントA口座の所有者として、ポイント管理システム200に登録されたことになる。
【0063】
本実施の形態によれば、消費者X1の生体的特徴データを消費者登録のキーとすることで、ほぼ唯一無二のパスワードである生体的特徴データが、消費者ID及び消費者データの代わりとなるため、消費者にとっては面倒くさい消費者データの入力作業が不要となる。会員店舗側から消費者へ、キャンペーン情報や特典サービス情報を送付、送信するために、後日、消費者X1の消費者データを入力できるようにしても良い。
【0064】
また、消費者X1の生体的特徴データ、すなわち消費者自身が消費者IDとなるため、一旦、システムへの登録を済ませてしまえば、ICチップ内蔵カードや携帯電話を何ら携帯していなくても、ポイントサービスを受けることができる。
【0065】
本実施の形態においては、消費者X1のシステムへの新規登録の際、カードCjを用いた場合を例に挙げて説明を行ったが、カードCjは必ずしも必要ではなく、消費者X1の生体的特徴データのみでシステムへの新規登録も可能である。
【0066】
このように、消費者Xが、本発明によるポイント管理システム200に会員登録しておくと(消費者IDの発行を受けておくと)、会員店舗において商品やサービスを購入した際に、購入金額に応じたポイントが付与される。また、このとき、本発明によるポイント管理システム201が多くの店舗を会員として包含していたとしても、消費者としては、今日ではほとんど誰もが持っている何らしかのIDチップ内蔵カードや携帯電話端末の少なくとも一つを携帯していれば、多数のポイントカードを常時携帯することなく、複数の会員店舗にてポイントを蓄積したり、ポイントサービスを受けたりすることができる。
【0067】
また、消費者である顧客情報の管理や、識別媒体相互間の関連付けなどは、すべて会員データベース202及びポイントデータベース203が行うため、店舗側にとっては煩わしい入力作業かえら解放され、ポイント端末204を導入するだけで、ポイントサービスシステムを提供することができる。この導入に伴う店舗側の負担費用は、ポイント端末204のレンタル使用料及び通信費用だけであり、この通信費用もデータ通信(パケット通信)などの定額プラン等を採用することで、リーズナブルな料金に抑えることができる。また、ポイント端末204の使用方法として、画面入力方式などを採用すれば、老若問わず、だれでも簡単に使用することができる。よって、本発明によるポイント管理システム200によれば、小規模な商店においても、比較的低額な金銭的及び人的コストで、ポイントサービスシステムを提供することができる。
【0068】
以上は、本発明によるシステムに関する概略的な説明であった。以下では、これまでの説明との重複を厭うことなく、図7以下の図面を参照しながら、本発明によるシステムにおけるデータ処理の詳細について説明したい。
【0069】
図7には、管理者設定フロー(I)と未登録の消費者710が何らかのカードを最初に使用する時のフロー(II)とが示されている。管理者750は、設定サーバ751でポイント端末204のポイント数やポイントの種別、期限を設定する事が出来る。また管理者は階層毎にアクセス権を設定し、ポイント端末204の設定範囲を制限する事ができる。管理者750によって設定された情報は、設定サーバ751からネットワークを通じて各ポイント端末204側の設定変更を行い、演算処理の条件変更やポイント管理サーバ201との通信時に(ポイントの期限や種類など)設定された情報を送信するようにする。管理者750は設定サーバ751を通じて、ポイント端末204をグループ分けし、複数のポイントシステムを運営する事ができる。また階層分けやアクセス制限、集計単位等の各種設定は任意のグループでまとめ集約する事ができる。また設定サーバ751で設定された情報は端末定義・サービス定義データベース211にも送信され、設定変更が行われる。
【0070】
更に図7には、ある未登録の消費者710が何らかのカード(識別媒体701)を最初に使用する時のフロー(II)が示されている。最初に使用するとは、どのシステムにも登録されていないカードを新規に使用することを意味する。第1に、消費者710がポイント端末204で未登録の識別媒体701(ICチップ内蔵カードなど)を使用する。第2に、ポイント端末204は「発生日時/ポイント端末情報702/識別媒体情報703(ユニーク)/購入データ704(ポイントの種類等を含む)/ポイント操作業務区分(付与/還元/訂正)」を送信する。購入データ704とする理由は、金額からポイントへの換算作業はポイント端末204又はポイント管理サーバ201のいずれで行ってもよいためである。第3に、ポイント管理サーバ201は、ポイント端末情報702を端末定義・サービス定義データベース211で設定された組織・グループ情報と照会して、ポイントを格納するグループを特定する。第4に、特定されたグループの会員データベース202内に設けられた対応表212(識別媒体情報703(ユニーク)と個人識別ID705が紐付けされている)で、ポイント端末204から送信されてきた識別媒体情報703をもとに個人識別ID705を照会する。第5に、対応表212で、登録済みの個人識別ID705が存在しない(新規の識別媒体情報703である)事を確認する。第6に、ポイント管理サーバ201は個人識別ID705が空欄の状態でポイント履歴データベース210に第2の段階で送信された情報(この時点では、購入データ704ではなく、ポイント情報706、ポイント端末情報702等)を格納する。この時対応表212の個人識別ID705が存在しない事を示す仮IDを登録し紐付け処理をしても良い。
【0071】
ポイント履歴データベース210は、ポイントの付与、使用の全ての情報を取引単位で格納しており、格納された情報は1取引情報として紐付けされている(識別媒体情報703/ポイント情報706/ポイント端末情報702・・・が1:1:1・・・となる)。ここで、ポイント履歴データベース210はグループ単位では作成せず、複数のグループをまとめる1事業単位で作成されるが、各グループ単位で作成しても問題ない。
【0072】
第7に、ポイント履歴データベース210のうち個人識別ID705が存在しない取引情報を識別媒体情報703単位で(識別媒体情報703ごとに)まとめ、更にポイントの種類毎に集計し、ポイント口座データベース203に格納する。この時の集計は、端末情報を基に、所定のグループ単位で集計される。
【0073】
第8に、ポイント管理サーバ201は対応表212に個人識別ID705が無いことを確認し、識別媒体情報703でポイント口座データベース203を検索し、該当する口座を特定する。
【0074】
第9に、ポイント管理サーバ201は特定されたポイント口座のポイント情報706を読み取る。第10として、ポイント管理サーバ201は該当するポイント口座の情報をポイント端末204に送信する。この時合わせて個人識別ID705が存在しないことをポイント端末204側に送信する。
【0075】
第11に、ポイント情報706を受信したポイント端末204は下記2パターンの何れかを実施するよう表示する。その場ですぐに新規登録する場合の処理については、図8に示されている。すぐには新規登録せず後で新規登録する場合の処理については、後述する図9に示されている。ここで、図9に示されている「後で新規登録」を表示してもよい。この場合、仮の個人識別ID705(例えば、仮IDのみ)と仮パスワードを発行し、システムにはその仮の個人識別ID705で仮登録される。その後、PCや携帯電話など個人の通信端末213で仮の個人識別ID705および仮パスワードを使ってログインし、個人情報等を入力すると共に、任意で仮の個人識別ID705を真の個人識別ID705に変更してもよい。この時個人識別IDは上書きされる。
【0076】
次に図8を参照しながら、その場ですぐに新規登録する場合のデータ処理について説明する。なお、これは、新規登録の時、既に使用した識別媒体701を合わせて登録するパターンである。第1に、消費者710がポイント端末204から、個人の通信端末213にて、識別媒体情報703(ユニーク)を読み取る。これはポイント端末204から通信端末213に情報を送信しても良いし、別途手入力でも良い。第2に、通信端末213にて、個人情報等を入力する事で「識別媒体情報703(ユニーク)/個人情報/ポイント端末情報702/通信端末情報813(送信元メールアドレスや、個体識別情報など)」をポイント管理サーバ201に送信する。ポイント端末情報702はグループを特定できる情報があればこだわらない(例えば、特定のウェブサイト(ホームページ)から個人情報を入力すると必然的に登録するグループが指定される場合など)また、第1の段階で消費者710がポイント端末204から、個人の通信端末213にて、識別媒体情報703(ユニーク)を読み取る際に、合わせてポイント端末情報702を読み取ることで、登録時の登録先のグループの特定をしても良い。第3に、ポイント管理サーバ201は、ポイント端末情報702やその他グループ特定情報を基にして、端末定義・サービス定義データベース211で設定された組織・グループ情報と照会する事で、会員個人情報814と通信端末情報813を登録するグループを特定する。第4に、ポイント管理サーバ201は、送信された、通信端末情報813から、過去に登録された会員個人情報814が無い事を確認し、入力された会員個人情報814と、通信端末情報813と、新たに採番した個人識別ID705を会員データベースに送信し、登録するとともに対応表212に記録する。この時個人識別ID705に仮IDが発行されている場合は採番された個人識別ID705と置き換えていく。もし通信端末情報813(通信端末213の送信元メールアドレスなど)が過去に登録されていた場合、既存会員とみなし、個人情報は登録しない。また、個人識別ID705も採番しない。第5に、ポイント管理サーバ201は個人識別ID705と一緒に送信された識別媒体情報703を基に、ポイント履歴データベース210の中の同じ識別媒体情報703を検索し紐付けしていく。第6に、対応表212で紐付けされた識別媒体情報703を基に履歴データベース210を検索し、該当する個人識別ID705と紐付けする。第7に、第5の段階で検索された識別媒体情報703をポイント種類毎に再度集計し、個人識別ID705と紐付け処理を行い、ポイント口座データベース203に格納する(個人識別ID705単位の再集計をする)。この時の集計は、ポイント端末情報702を基に、一定のグループ単位で集計される。これによってポイント口座には新たに個人識別ID705が格納される事になる。第8に、ポイント管理サーバ201は識別媒体情報703から特定された個人識別ID705を基に該当するポイント口座を特定する。第9に、ポイント管理サーバ201は特定されたポイント口座のポイント情報706を読み取る。第10に、読み取ったポイント口座の情報と発行した個人識別ID705を消費者710の通信端末213に送信する。入力した端末や特定のメールアドレス等に返信する。以上の場合は通信端末213からの登録であるが、この機能をポイント端末204自身が持ち合わせていることもありうる。
【0077】
次に、図9を参照しながら、その場ですぐに登録するのではなく、後で登録する場合について説明する。第1に、消費者710がポイント端末204やPC、携帯電話等個人の通信端末213を用いて個人プロフィール(個人情報)を入力する。このとき、識別媒体情報703が判明していれば合わせて入力する。入力する識別媒体情報703は複数であっても良い。第2に、「個人情報/識別媒体情報703(ユニーク)/通信端末情報813(送信元メールアドレスや、個体識別情報など)」をポイント管理サーバ201に送信する。このとき、登録するグループの情報を合わせて送信する。特定するグループの情報は直接入力又は特定のウェッブサイト(ホームページ)からの登録によるドメイン等で判別しても良い。第3に、ポイント管理サーバ201は、グループ情報を基に端末定義・サービス定義データベースを照会し、個人情報を登録する会員データベース202を特定する。第4に、ポイント管理サーバ201は通信端末情報813を基に重複チェック等を行い個人識別ID705を発行する。個人識別ID705と個人プロフィールは特定グループの会員データベース202内のに会員個人情報814に登録する。個人識別ID705の発行は会員データベース202側で実施することも可能である。第5に、会員データベース202内の会員個人情報814の個人識別ID705を対応表212に展開する。第6に、識別媒体情報703が登録されなかった場合、対応表212では識別媒体情報703は空欄で紐付け処理はされないが、識別媒体情報703が入力された場合には、識別媒体情報703を合わせて展開し紐付けまで実施する。第7に、ポイント管理サーバ201は発行した個人識別ID705を、消費者710の通信端末213へ送信する。入力した端末や特定のメールアドレス等に返信するが、第6段階で識別媒体情報703との紐付けが実施された場合は、図8の第6段階以降が展開される。
【0078】
以上は最初に使用する場合であるが、次に図10を参照して、2回目以降に使用する場合(登録済みの個人識別ID705は持っており、新しい識別媒体701を使用する場合)の処理について説明する。第1に、消費者710がポイント端末204で未登録の識別媒体701(新規の識別媒体、ICチップ内蔵カード)を使用する。第2に、ポイント端末204は「発生日時/ポイント端末情報204/識別媒体情報703(ユニーク)/個人識別ID705/購入データ704(ポイントの種類等を含む)/ポイント操作業務区分(付与/還元/訂正)」を送信する。第3に、ポイント管理サーバ201は端末情報を端末定義・サービス定義データベースで設定された組織・グループ情報と照会して、ポイントを格納するグループを特定する。第4に、特定されたグループの会員データベース内に設けられた対応表212(識別媒体情報703(ユニーク)と個人識別ID705が紐付けされている)をもとに個人識別ID705を照会する。第5に、対応表212で、登録済みの個人識別ID705を確認する。また、会員データベース内に設けられた対応表212内の登録済み個人識別ID705に、新規の識別媒体情報703が追加して紐付けられる。これで2:1の対応関係が完成する。これを繰り返すことでN:1となる。第6に、ポイント管理サーバ201は個人識別ID705を確認できた状態でポイント履歴データベース210に第2の段階で送信された情報を格納し個人識別ID705と紐付けを行う。第7に、ポイント履歴データベース210から新たに格納された識別媒体情報703を基に集約し、個人識別ID705単位でまとめ、該当する個人識別ID705が格納されたポイント口座に格納する。また、ポイント口座に新たに格納されたポイント情報706は、既に格納されているポイント情報706と、ポイント種別ごとに統合され、再度演算される(ポイント情報706は更新される)。この時既に作成されていた識別媒体情報703単位のポイント口座が、個人識別ID705単位のポイント口座に統合された場合、識別媒体単位のポイント口座は削除されるが、ポイント管理サーバ201のポイント口座検索は個人識別ID705が優先される為、削除されなくても問題ない。第8に、ポイント管理サーバ201は識別媒体情報703から特定された個人識別ID705を基に該当するポイント口座を特定する。第9に、ポイント管理サーバ201は紐付けを確認した情報を基に該当するポイント口座の更新されたポイント情報706を読み取る。第10に、ポイント管理サーバ201はポイント口座の情報をポイント端末204に送信する。
【0079】
最後に、ポイント履歴データベース210とポイント口座データベース203との関係について、図11を参照しながら説明する。ポイント履歴データベース210は、ポイントの付与、使用の全ての情報を取引単位で格納しており、格納された情報は1取引情報として、(識別媒体情報703/ポイント情報706/端末情報・・・が1:1:1・・・)として保管される。ポイント履歴はポイント口座データベース203の上位の階層で作成され、基本的には事業者のみがアクセス可能である。消費者710、加盟店舗がアクセスできるのはポイント口座データベース203となる。ポイント口座データベース203は任意のデータベースグループ単位で作成され、ポイント履歴データベース210の端末情報から対象となる取引情報を絞り込み、個人識別ID705単位で情報を集約し、且つポイントの種類毎に集計する。つまり個人識別ID705に対しポイントの種類毎に複数のポイントが紐付けされ、その関係は1:Nの関係になる。この時の「1」は個人識別ID705となる。個人識別ID705が無い場合には、ポイント履歴データベース210の端末情報から対象となる取引情報を絞り込み、個人識別ID705が無いものを、識別媒体情報703単位で情報を集約し、且つポイントの種類毎に集計する。つまり識別媒体情報703に対しポイントの種類毎に複数のポイントが紐付けされ、その関係は1:Nの関係になる。この時の「1」は識別媒体情報703となる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
消費者が1又は複数の店舗において商品又はサービスを購入する際に付与されるポイントを管理するシステムであって、
ポイント管理サーバと、
前記1又は複数の店舗のそれぞれに設置されており前記ポイント管理サーバとネットワークを介して通信可能であるポイント端末と、
前記ポイント管理サーバに接続されており、前記消費者の個人識別子と前記消費者が過去に用いた1又は複数の識別媒体の識別子との対応関係が記憶されている会員データベースと、
前記ポイント管理サーバに接続されており、前記ポイント端末から得られた過去の購入データから抽出されたポイント情報が消費者ごとに記憶されているポイントデータベースと、
を備えており、
前記ポイント端末は、前記消費者が前記購入の際に用いる前記識別媒体の識別子を読み取る手段と、前記読み取られた識別子と前記購入によって付与されるポイント情報とを含む取引要求を前記ネットワークを介して前記ポイント管理サーバに送信する手段と、を備え、
前記ポイント管理サーバは、前記取引要求を受信する手段と、前記受信された取引要求に含まれる前記識別媒体の識別子を用いて前記会員データベースを検索する手段と、前記受信された取引要求に含まれる情報を用いて前記会員データベースと前記ポイントデータベースとにおける前記検索手段によって特定されたデータを更新する手段と、を備えている
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
請求項1記載のシステムにおいて、
前記ポイント管理サーバは、前記検索手段が前記会員データベースを検索した結果として前記受信された取引要求に含まれる前記識別媒体の識別子に対応する個人識別子を特定できないときに検索結果を前記ポイント端末に送信する手段と、前記検索結果に応答して前記ポイント端末から送信される個人識別子と前記識別媒体の識別子との新たな対応関係を前記会員データベースに記憶する手段と、を備えており、
前記ポイント端末は、前記検索結果を受信する手段と、前記個人識別子を入力する手段と、を備えていることを特徴とするシステム。
【請求項3】
顧客が1又は複数の店舗において商品又はサービスを購入又は利用する際の取引情報を管理するシステムであって、
取引情報管理サーバと、
前記1又は複数の店舗のそれぞれに設置されており前記取引情報管理サーバとネットワークを介して通信可能である取引端末と、
前記取引情報管理サーバに接続されており、前記顧客の個人識別子と前記顧客が有する1又は複数の識別媒体の識別子との対応関係が記憶される顧客データベースと、
前記取引情報管理サーバに接続されており、前記顧客が有する取引口座が記憶される取引口座データベースと、
を備えており、
前記取引端末は、前記顧客が前記購入又は利用の際に用いる前記識別媒体の識別子を読み取る手段と、取引端末情報、前記読み取られた識別子、及び前記取引情報を含む取引要求を、前記ネットワークを介して前記取引情報管理サーバに送信する手段と、を備え、
前記取引情報管理サーバは、前記取引要求を受信する手段と、前記受信された取引要求に含まれる前記識別媒体の識別子を用いて前記顧客データベースを検索する手段と、前記受信された取引要求に含まれる情報を用いて前記顧客データベース及び前記取引口座データベースの中から前記検索手段によってマスターデータを検索し、そのマスターデータに紐付けられたデータを更新する手段と、を備えている
ことを特徴とするシステム。
【請求項4】
消費者が1又は複数の店舗において商品又はサービスを購入する際に付与されるポイントを管理するシステムであって、
ポイント管理サーバと、
前記1又は複数の店舗のそれぞれに設置されており前記ポイント管理サーバとネットワークを介して通信可能であるポイント端末と、
前記ポイント管理サーバに接続されており、前記消費者の個人識別子と前記消費者が有する1又は複数の識別媒体の識別子との対応関係が記憶される会員データベースと、
前記ポイント管理サーバに接続されており、前記ポイント端末から得られた購入データから抽出されたポイント情報が消費者ごとに記憶されるポイントデータベースと、
を備えており、
前記ポイント端末は、前記消費者が前記商品又はサービスの購入の際に用いる前記識別媒体の識別子を読み取る手段と、ポイント端末情報、前記読み取られた識別子、及び前記購入データを含む取引要求を、前記ネットワークを介して前記ポイント管理サーバに送信する手段と、を備え、
前記ポイント管理サーバは、前記取引要求を受信する手段と、前記受信された取引要求に含まれる前記識別媒体の識別子を用いて前記会員データベースを検索する手段と、前記受信された取引要求に含まれる情報を用いて前記会員データベース及び前記ポイントデータベースの中から前記検索手段によってマスターデータを検索し、そのマスターデータに紐付けられたデータを更新する手段と、を備えている
ことを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項4記載のシステムにおいて、
前記ポイント端末は、購入データからポイント情報を演算するポイント情報演算部を有し、
前記ポイント管理サーバに送信する手段は、前記ポイント端末情報、前記識別媒体の識別子、及び前記ポイント情報を含む取引要求を、前記ネットワークを介して前記ポイント管理サーバに送信する
ことを特徴とするシステム。
【請求項6】
請求項4記載のシステムにおいて、
前記ポイント管理サーバは、前記取引要求を受信する手段にて受信された購入データからポイント情報を演算するポイント情報演算部を有する
ことを特徴とするシステム。
【請求項7】
請求項5又は請求項6記載のシステムにおいて、
更に、前記会員データベースに接続され、かつ、前記取引要求に含まれる情報の内、少なくともポイント端末情報、前記識別媒体の識別子情報、及び前記ポイント情報を取引要求単位で格納するポイント履歴データベースを、備え、
前記ポイント履歴データベースに格納された取引要求に含まれる情報は、前記ポイント管理サーバにより、前記マスターデータである前記識別媒体の識別子情報又は前記個人識別子の情報ごとに集計され、前記識別媒体の識別子情報又は前記個人識別子の情報ごとに束ねられた前記ポイント情報が前記ポイントデータベースに格納されることを特徴とするシステム。
【請求項8】
請求項7記載のシステムにおいて、
前記個人識別子の情報が未登録の時、該ポイント履歴データベースに格納された全取引要求に含まれる情報は、前記ポイント管理サーバにより、前記マスターデータである前記識別媒体の識別子情報ごとに集計され、
前記個人識別子の情報が既登録の時、該ポイント履歴データベースに格納された全取引要求に含まれる情報は、前記ポイント管理サーバにより、前記マスターデータである前記個人識別子の情報ごとに集計される、
ことを特徴とするシステム。
【請求項9】
請求項7記載のシステムにおいて、
前記ポイント履歴データベースに格納された全取引要求に含まれる情報を、前記ポイント管理サーバにより、前記マスターデータである前記識別媒体の識別子情報又は前記個人識別子の情報ごとに集計する際、
前記ポイント情報は、ポイント種別ごとに分別される、
ことを特徴とするシステム。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1つに記載のシステムにおいて、前記識別媒体はユニーク情報を有するものであり、該ユニーク情報が前記識別媒体の識別子である
ことを特徴とするシステム。
【請求項11】
請求項10記載のシステムにおいて、前記識別媒体はICチップを内蔵したICカードであり、前記識別媒体の識別子は前記ICチップの固体番号であることを特徴とするシステム。
【請求項12】
請求項10記載のシステムにおいて、前記識別媒体はICチップを内蔵した携帯電話端末であり、前記識別媒体の識別子は前記ICチップの個体番号であることを特徴とするシステム。
【請求項13】
消費者が1又は複数の店舗において商品又はサービスを購入する際に付与されるポイントを管理するシステムに加入する際の、消費者とポイントとの紐付け方法であって、
前記システムは、
ポイント管理サーバと、
前記1又は複数の店舗のそれぞれに設置されており前記ポイント管理サーバとネットワークを介して通信可能であるポイント端末と、
前記ポイント管理サーバに接続されており、前記ポイント端末が設置される店舗の情報及び前記消費者が有する1又は複数の識別媒体の識別子が記憶されている会員データベースと、
前記ポイント管理サーバに接続されており、前記ポイント端末から得られた過去の購入データから抽出されたポイント情報が消費者ごとに記憶されているポイントデータベースと、
を備えており、前記ポイント端末は、前記消費者が前記購入の際に用いる前記識別媒体の識別子を読み取る手段と、前記読み取られた識別子と前記購入によって付与されるポイント情報とを含む取引要求を前記ネットワークを介して前記ポイント管理サーバに送信する手段と、を備え、
前記消費者が、前記店舗にて商品又はサービスを購入し、前記システムに加入する際、
前記識別媒体の識別子を前記ポイント端末の読取手段にて読み取るステップと、
前記識別媒体の識別子及び前記商品又はサービスの購入に伴い付与されたポイントのデータを、前記ポイント端末の送信手段にて前記会員データベース及び前記ポイントデータベースに送信するステップと、
前記識別媒体から読み取られた識別子と当該識別媒体を用いた購入によって新たに付与されるポイントデータとを用いて、対応する消費者の識別子が特定されないままで前記会員データベースと前記ポイントデータベースとに仮の登録を行うステップと、
前記ポイント端末において新たに入力される消費者の個人識別子を前記会員データベースに登録するステップと、
前記個人識別子と前記仮の登録がなされている前記識別媒体から読み取られた識別子とを前記会員データベースにおいて関連付け、前記個人識別子と前記仮の登録がなされているとを前記ポイントデータベースにおいて関連付けるステップと、
前記個人識別子に関連付けて前記識別子及び前記ポイントデータを、前記会員データベース及び前記ポイントデータベースに本登録するステップと、
を更に備えていることを特徴とする紐付け方法。
【請求項14】
消費者が1又は複数の店舗において商品又はサービスを購入する際に付与されるポイントを管理するシステムに加入する際の、消費者とポイントとの紐付け方法であって、
前記システムは、
ポイント管理サーバと、
前記1又は複数の店舗のそれぞれに設置されており前記ポイント管理サーバとネットワークを介して通信可能であるポイント端末と、
前記ポイント管理サーバに接続されており、前記消費者の個人識別子と前記消費者が有する1又は複数の識別媒体の識別子が記憶される会員データベースと、
前記ポイント管理サーバに接続されており、前記ポイント端末から得られた購入データから抽出されたポイント情報が消費者ごとに記憶されるポイントデータベースと、
を備えており、
前記ポイント端末は、前記消費者が前記購入の際に用いる前記識別媒体の識別子を読み取る手段と、ポイント端末情報、前記読み取られた識別子、及び前記購入データを含む取引要求を、前記ネットワークを介して前記ポイント管理サーバに送信する手段と、を備え、
ある前記消費者が、任意の前記店舗にて商品又はサービスを購入し、任意の前記識別媒体を用いて前記システムに加入する際、
任意の前記識別媒体の識別子を前記ポイント端末の読取手段にて読み取る読取ステップと、
任意の前記ポイント端末情報、任意の前記識別媒体の識別子、及び前記商品又はサービスの購入データを含む取引要求を、前記ポイント端末の送信手段にて前記ポイント管理サーバに送信する第1送信ステップと、
前記ポイント管理サーバにより受信された前記取引要求に含まれる任意の前記識別媒体の識別子に対応する前記消費者の個人識別子情報を、前記会員データベース内で検索する第1検索ステップと、
少なくとも任意の前記ポイント端末情報、前記識別媒体の識別子情報、及び購入データから抽出された前記ポイント情報を紐付けし、取引要求ごとの情報を格納する第1紐付けステップと、
取引要求ごとに格納された取引要求に含まれる情報を、マスターデータである前記識別媒体の識別子情報ごとに集計する第1集計ステップと、
前記識別媒体の識別子情報ごとに束ねられた前記ポイント情報を前記ポイントデータベースに格納する第1格納ステップと、
を備えることを特徴とする紐付け方法。
【請求項15】
請求項14記載の紐付け方法において、
前記識別媒体の識別子情報ごとに束ねられた前記ポイント情報を前記ポイントデータベースに格納した後、
ある前記消費者の前記個人識別子情報を入力する第1入力ステップと、
入力された前記個人識別子情報を前記ポイント管理サーバに送信する第2送信ステップと、
前記ポイント管理サーバにより受信された前記個人識別子情報に対応する任意の前記識別媒体の識別子情報を、前記会員データベース内で検索する第2検索ステップと、
任意の前記識別媒体の識別子情報と前記個人識別子情報とを紐付けする第3紐付けステップと、
取引要求ごとに格納された取引要求に含まれる情報を、新たなマスターデータである前記個人識別子情報ごとに集計し直す第2集計ステップと、
前記個人識別子情報ごとに束ねられた前記ポイント情報を前記ポイントデータベースに格納する第2格納ステップと、
を更に備えることを特徴とする紐付け方法。
【請求項16】
請求項15記載の紐付け方法において、
前記入力ステップにおけるある前記消費者の前記個人識別子情報の入力は、前記ポイント端末により行う、
ことを特徴とする紐付け方法。
【請求項17】
請求項15記載の紐付け方法において、
前記入力ステップにおけるある前記消費者の前記個人識別子情報の入力は、ネットワーク通信が可能な外部端末により行う、
ことを特徴とする紐付け方法。
【請求項18】
請求項15記載の紐付け方法において、
前記個人識別子情報を登録済みのある前記消費者が、任意の前記店舗にて商品又はサービスを購入し、別の前記識別媒体を用いて前記システムを利用する際、
別の前記識別媒体の識別子を前記ポイント端末の読取手段にて読み取る読取ステップと、
登録済みの前記個人識別子情報を前記ポイント端末に入力する第2入力ステップと、
任意の前記ポイント端末情報、別の前記識別媒体の識別子情報、前記個人識別子情報、及び前記商品又はサービスの購入データを含む新規の取引要求を、前記ポイント端末の送信手段にて前記ポイント管理サーバに送信する第3送信ステップと、
前記ポイント管理サーバにより受信された前記取引要求に含まれる前記個人識別子情報を、前記会員データベース内で検索する第3検索ステップと、
検索された前記個人識別子情報に、新たに別の前記識別媒体の識別子情報を紐付ける第4紐付けステップと、
前記ポイントデータベースに格納された前記個人識別子情報ごとに束ねられた前記ポイント情報に、前記新規の取引要求から抽出された新規のポイント情報を格納する第3格納ステップと、
を有することを特徴とする紐付け方法。

【図1】
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【図3】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−231777(P2010−231777A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−45590(P2010−45590)
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(509027157)タイヘイコンピュータ株式会社 (1)
【Fターム(参考)】