説明

ポリアミド及びポリカーボネートジアミンからなるコポリマーを含む医療機器

本発明は、ポリアミドとポリカーボネートジアミンとからなるブロックコポリマーの良好な物理的特性に加えて、高い可撓性及び高い応力抵抗性、特に高い引張り強度又は引裂き抵抗を有する変性コポリマーそれ自体、又は前記変性コポリマーを含む医療機器に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリアミドとポリカーボネートジアミンとからなるブロックコポリマーの良好な物理的特性に加えて、高い可撓性及び高い応力抵抗性、特に高い引張り強度又は引裂き抵抗を有する変性コポリマーそれ自体、更には前記変性コポリマーを含む医療機器に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリアミド及びポリエーテルのブロックコポリマーは、ポリマー産業において長く用いられており、可能な用途が極めて広いことから、多岐にわたる工業製品において見られる。近年、医療機器の領域では、特にインプラントにおいて、こうした材料が有効に利用されている。この分野で使用される、ポリアミド及びポリエーテルからなる最も一般的なブロックコポリマーとしては、異なる種類のナイロンを含むポリアミドの他に、PEBAX(商標)が挙げられる。これらの材料は確かに問題なく使用されてきたものではあるが、材料に加わる歪み及び治療される患者数の増加によって蓄積された経験に基づいて材料の特性を向上させる必要性から、好ましくは低コストの製造プロセスによって製造される、患者を効果的に治療することを考慮に入れた改良された材料/エラストマーが求められていることは明らかである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、変性エラストマーを含んだ医療機器、又は、コポリマーの有する良好な物理的特性に加えて高い可撓性及び高い応力抵抗性、特に引張り強度又は引裂き抵抗を有するコポリマーであることが好ましい前記変性エラストマーそれ自体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
したがって本発明は、変性ポリアミドと、ポリカーボネートジアミンとを重合させることにより製造可能なコポリマーを含む医療機器又はインプラントであって、前記変性ポリアミドが、1以上のプレポリアミドと、α,ω−ジカルボン酸、そのアルキルエステル、及びそのハロゲン化アシルのいずれかとを接触させる又は混合すること、及び150℃を超える温度まで昇温することにより製造可能であることを特徴とする医療機器又はインプラントに関する。
【0005】
また本発明は、変性ポリアミドと、ポリカーボネートジアミンとを重合させることにより製造可能な対応するコポリマーであって、前記変性ポリアミドが、1以上のプレポリアミドと、α,ω−ジカルボン酸、そのアルキルエステル、及びそのハロゲン化アシルのいずれかとを接触させる又は混合すること、及び150℃を超える温度まで昇温することにより製造可能であることを特徴とするコポリマーに関する。
【0006】
更に本発明の目的は、一般式XI、XIa、XIb、及びXIcのいずれかを有するコポリマー、又はこのコポリマーを含む医療機器を提供することにある。
【化1】

【化2】

【化3】

【化4】

【0007】
更に本発明の目的は、医療機器、バルーン材料、ステント、ステントグラフト、及びカテーテルの製造における本発明のコポリマーの使用を提供することにある。
【発明を実施するための形態】
【0008】
特に心血管の分野の低侵襲手術におけるステント、バルーン、カテーテル及び他の医療機器等の使用が、近年、急増している。その結果、従来量産品が主流となっていた技術領域において、各種医療機器の分野における高度に特化したニーズに応える有用材料の必要性が明確に生じてきている。特に心血管手術に用いられるバルーンの分野では、血管に損傷を与えずに血管環境内に導入できるような充分な可撓性を有する一方で、特に実際の手術時に血管内で膨らませた際に血管内部で過度に伸びないような充分な安定性及び剛性を有するエラストマーが強く望まれている。これ以外にも材料は、保管時に熱酸化反応による変化によってその物理化学的特性の維持が阻害されるばかりか、使用時又は保管時において過剰な水分を吸収することによって物理化学的特性の維持が大きく阻害されることから、水吸収性が低いものである必要もある。
【0009】
従って本発明は、変性ポリアミドと、ポリカーボネートジアミンとを重合させることにより製造可能なコポリマーを含むインプラント又は医療機器であって、前記変性ポリアミドが、1以上のプレポリアミドと、α,ω−ジカルボン酸、そのアルキルエステル、及びそのハロゲン化アシルのいずれかとを接触させる又は混合すること、及び150℃を超える温度まで昇温することにより製造可能であることを特徴とするインプラント又は医療機器に関する。
【0010】
本発明に係るインプラント又は医療機器は、埋込用医療機器及び埋込可能医療機器のいずれかから、バルーン/バルーン材料、ステント、ステントグラフト、グラフト、グラフトコネクタ、及びカテーテルのいずれかから選択されることが好ましい。
【0011】
また、本発明に係るインプラント又は医療機器は、埋込用医療機器、埋込可能医療機器、及び低侵襲医療機器のいずれかから、ステント、ステントグラフト、グラフト、グラフトコネクタ、閉塞デバイス、濾過器、及びカテーテルのいずれか、送達カテーテル、ステント送達カテーテル、バルーン拡張カテーテル、及び医療用バルーン/バルーン材料のいずれかから選択することができる。
【0012】
別の実施形態では、本発明に係るインプラント又は医療機器は、埋込用医療機器、埋込可能医療機器、及び低侵襲医療機器のいずれかであり、バルーン、及びステントのいずれか、ステントグラフト、グラフト、グラフトコネクタ、及びカテーテルのいずれかであることが好ましく;バルーンカテーテル及び医療機器のための医療用バルーンのいずれかであることがより好ましく;バルーンカテーテルのための医療用バルーンであることが最も好ましい。
【0013】
また1実施形態では、本発明に係るインプラント又は医療機器は、埋込用医療機器、埋込可能医療機器、及び低侵襲医療機器のいずれかであり、バルーンであることが好ましく、バルーンカテーテル及び医療機器のための医療用バルーンのいずれかであることがより好ましく、バルーンカテーテルのための医療用バルーンであることが最も好ましい。
【0014】
本発明の文脈における「バルーン及びバルーン材料のいずれか」とは、冠動脈のバルーン血管形成術において使用されるようなバルーン、及びこうしたバルーンに、特にバルーンカテーテルに使用される材料を特に意味するものである。ここで、例えばバルーンカテーテルは動脈に挿入され、例えば冠動脈の狭窄部へと進められる。次いでバルーンは、管腔を拡大するために膨らまされる。特に、これは、血管介入術であることが好ましく、冠動脈バルーン血管形成術及び血管内バルーン血管形成術のいずれかであることがより好ましい、低侵襲性介入術において用いられるバルーンカテーテルのバルーン、及び、これらのバルーンに用いられる材料を意味する。経皮経管的血管形成術(PTA)、経皮経管冠動脈形成術(PTCA)、ステント送達及び配置、放射線治療、薬物の病変部への送達等の非侵襲的手段が、血管内疾患の治療において用いられる。これらの治療法は、当技術分野でよく知られており、そこでは通常ガイドワイヤー上で引っ張られたバルーンカテーテルを使用する。ガイディングカテーテルを患者の主血管中に設置した後、ガイドワイヤーを、ガイディングカテーテル中を通してガイディングカテーテルの遠位端からとび出るように進める。次にガイドワイヤー上で、バルーンカテーテルを、病変及び狭窄のいずれかを有する治療部位に到達するまで進める。バルーンを膨らませて病変部を圧迫し、狭くなっていた病変部及び狭窄部のいずれかを拡張させる。バルーンにステント及び薬物の少なくともいずれかを保持させる場合、バルーンを膨らませるときに、ステント及び薬物の少なくともいずれかを前記部位に送達させる。同様に、更なる治療法において、病変部の治療のためにバルーンカテーテルを使用することもできる。
【0015】
「ステント」とは、中空の内部、少なくとも2個の開口部、及び通常は円形又は楕円形であるが他の任意の形状を有してもよい横断面を有し、孔が形成された格子状の構造を有することが好ましい長尺のインプラントであって、脈管、特に血管中に埋め込まれて脈管を開通状態及び機能状態に復元及び維持するインプラントのことを意味する。
【0016】
「グラフト」とは、中空の内部、少なくとも2個の開口部、通常は円形又は楕円形であるが他の任意の形状を有してもよい横断面、及び均質であるか又は任意に各種の繊維で織られ、組まれ、編まれ、又は紡がれた少なくとも1つの閉じたポリマー表面を有する長尺のインプラントのことを意味する。この表面は血液の血球成分及び水の少なくともいずれかに対して不透過性であることが好ましく、これによりインプラントは血管プロテーゼとして機能し、損傷した脈管において通常使用したり、脈管の代わりに使用することができる。
【0017】
「ステントグラフト」とは、ステントとグラフトが連結したものを意味する。ステントグラフトはステントで補強された血管プロテーゼ(いずれも上記に定義したもの)を含むことが好ましく、その場合、ポリマー層は均質であるか、又は任意に各種繊維で織られたもので、血液の血球成分及び水の少なくともいずれかに対して不透過性である。特にステントグラフトは、各種の繊維で織られ、組まれ、編まれ、又は紡がれたものであってよく、且つ、血液の血球成分及び水の少なくともいずれかに対して不透過性であってよく、内皮の内側への成長を可能にするが内皮の放出する塞栓に対しては不透過性であるような多孔性のものであってよく、又は、塞栓に対する単なる濾過器として機能してもよい。より好ましくは、ステントはその表面の少なくとも20%に、孔形成された(格子状の)、好ましくは金属製の外層と、ステント外層の内側及び外側の少なくともいずれかに配置される少なくとも1つの閉じたポリマー層とを有する。この閉じたポリマー層は、任意に各種の繊維で織られ、組まれ、編まれ、又は紡がれたものであってよく、血液の血球成分及び水の少なくともいずれかに対して不透過性であってよく、内皮の内側への成長を可能にするが内皮の放出する塞栓に対しては不透過性であるような多孔性のものであってよく、又は、塞栓に対する単なる濾過器として機能してもよい。閉じたポリマー層が金属製外層の内側に配される場合には、孔形成された(格子状の)、好ましくは金属製の更なる内層を任意にポリマー層の内側に配置してもよい。
【0018】
「グラフトコネクター」とは、少なくとも2個の中空の臓器、脈管、及びグラフトのいずれかを連結し、グラフト及びステントグラフトのいずれかに対して規定された材料からなり、及び/又は、ステントグラフトに対して規定された構造を有するインプラントを意味する。好ましくは、グラフトコネクターは、少なくとも2、3、又は4個の、例えば、非対称なT字形に配置された開口部を有する。
【0019】
「カテーテル」とは、中空の臓器内に導入されることを目的とした管状の器具のことを意味する。より好ましくは、カテーテルには、他のカテーテルを案内するための使用のための、血管造影法、超音波画像法、又は特に拡張用のバルーンカテーテルやステントの送達のための設計がなされていてもよい。これには、心筋のポンピングを補助することが可能なプロペラが先端に設けられたカテーテルである「カテーテルポンプ」も含まれる。
【0020】
本発明に係るインプラント又は医療機器内に含まれる本発明のコポリマーを、特に医療機器上及び医療機器中のいずれかに配置される医療機器のための医療用バルーンを形成するために、特に、ステント送達のためのバルーンカテーテルか、膨張のためのそれゆえステントを保持しないバルーンカテーテルのいずれかであるバルーンカテーテルの上又は中に配置される医療用バルーンを形成するために使用することが最も好ましい。
【0021】
したがって、本発明は、本発明に係るコポリマーから形成される医療機器のためのバルーンにも言及する。医療機器のためのバルーンは、加圧してチューブを径方向に拡張することによって、ポリマーが本発明のコポリマーである一本のポリマーチューブ(a length of polymer tubing)から形成することが好ましい。この医療機器のためのバルーンは、加圧してチューブを径方向に拡張することによって、ポリマーが以下のコポリマーである一本のポリマーチューブから形成することがなおより好ましい。即ち該ポリマーは、変性ポリアミドと、ポリカーボネートジアミンとを重合させることにより製造可能なコポリマーであって、前記変性ポリアミドが、1以上のプレポリアミドと、α,ω−ジカルボン酸、そのアルキルエステル、及びそのハロゲン化アシルのいずれかとを接触させる又は混合すること、及び150℃を超える温度まで昇温することにより製造可能であることを特徴とするコポリマーである。
【0022】
特に、これらの実施形態では、医療用バルーンを形成するコポリマーが一定の属性を示すことが好ましい。したがって、これらの実施形態では、本発明に係るコポリマーが以下に挙げる属性の一方又は両方を示すことが好ましい:
コポリマーの曲げ弾性率が約150,000psi未満である、
及び/又は
コポリマーの硬度が、ショア(D)スケールで60を超える。
【0023】
加えて、これらの特定の実施形態では、本発明の医療用バルーンが以下に挙げる属性の一方又は両方を示すことも好ましい:
壁強度が少なくとも18,000psiである、及び/又は
88psi〜235psiの範囲に亘る膨張が少なくとも12%である。
【0024】
また、これらの特定の実施形態では、本発明に係る医療用バルーンを、その近位部及び遠位部が腰部分に、中央部が本体部分になるようにして以下の方法のいずれかにより形成することが好ましい:
(1)
加圧して(本発明に係るコポリマーでできた)一本のポリマーチューブを径方向に拡張する工程であって、前記一本のチューブを、近位部及び遠位部で引き伸ばし直径を縮めておき且つ中央部では引き伸ばさないままにしておき、次に前記径方向に拡張する工程を、バルーン本体が前記チューブの引き伸ばされなかった中央部から形成され、バルーンの近位腰部分及び遠位腰部分が前記チューブの引き伸ばされた近位部及び遠位部から形成されるように、前記チューブをモールド中で拡張することによって、実施する工程を含む方法;及び/又は、
(2)
近位端、遠位端、及び中央部を有し、所定の壁厚及び長さの、(本発明のコポリマーである)熱可塑性材料でできたチューブ状のセグメントを押出する工程;
前記セグメントの温度をコポリマーの最高ガラス転移温度より下の温度に維持する一方、前記セグメントを所定の長さまで引き伸ばす工程であって、前記近位端で第1の腰部を形成する工程;及び、
第1の腰部を有する前記セグメントをモールド中で拡張する工程であって、これにより前記セグメントの中央部で形成するバルーン本体部分を有するバルーンを作製する工程を含む方法。
【0025】
本発明は、それゆえ、変性ポリアミドとポリカーボネートジアミンとを重合させることにより製造可能なコポリマーであって、前記変性ポリアミドが、1以上のプレポリアミドと、α,ω−ジカルボン酸、そのアルキルエステル、及びそのハロゲン化アシルのいずれかとを接触させる又は混合すること、及び150℃を超える温度まで昇温することにより製造可能であることを特徴とするコポリマーに言及する。
【0026】
1実施形態では、また、以下の条件の一方又は両方が、本発明に係るインプラント又は医療機器中にも含まれる本発明のコポリマーに適用される:
コポリマーが実質上エステル結合を有していないという条件
コポリマーが前記コポリマーの端以外では実質上エステル結合を有していないという条件。
非常に好ましい1実施形態においては、α,ω−ジカルボン酸、そのアルキルエステル、及びそのハロゲン化アシルのいずれかは置換されていない。
【0027】
好ましい実施形態では、本発明のインプラント又は医療機器中にも含まれる本発明のコポリマーを生成する重合反応を、前記変性ポリアミドとポリカーボネートジアミンとを、好ましくはルイス塩基及びルイス酸のいずれかが好ましい触媒の存在下で接触させること/混合すること、及び、温度を
(a)溶融重合の場合は150℃を超える温度に、
(b)溶液中の重合の場合は50℃を超える温度に
上昇させることによって、実施する。
【0028】
好ましくは溶液中の重合の場合に関する、好ましい実施形態においては、本発明のインプラント又は医療機器中にも含まれる本発明のコポリマーを生成する重合反応の加熱を、
(a)混合/接触時に予め行うか、及び/又は、
(b)保護気体の雰囲気下、好ましくはアルゴンの雰囲気下で行うか、及び/又は、
(c)200℃よりも高い温度、好ましくは220℃よりも高い温度に加熱するか、及び/又は、
(d)第2の温度に所定の制限時間内に到達させるための中間工程によって分けられた温度の異なる2工程で行うか、及び/又は、
(e)3時間よりも長い時間、好ましくは4時間よりも長い時間にわたって行う。
【0029】
好ましくは溶融重合の場合に関する、好ましい実施形態においては、本発明のインプラント又は医療機器中にも含まれる本発明のコポリマーを生成する重合反応の加熱を、
(a)保護気体の雰囲気下、好ましくはアルゴンの雰囲気下で行う。
【0030】
本発明のコポリマーの、又は、このコポリマーを含むインプラント又は医療機器の好ましい実施形態においては、前記変性ポリアミドと、ポリカーボネートジアミンとを0.9〜1.1のモル比で、好ましくは等モル量で重合させる。
【0031】
本発明の1態様は、本発明のインプラント又は医療機器にも含まれる本発明のコポリマーの一部分を形成する変性ポリアミドに関し、これは、1以上のプレポリアミドと、α,ω−ジカルボン酸、そのアルキルエステル、及びそのカルボニルハロゲンのいずれかとを接触させる又は混合すること、及び150℃を超える温度まで昇温することにより製造可能である。
【0032】
好ましい実施形態においては、変性ポリアミドの生成のための加熱を、
(a)混合/接触時に予め行うか、及び/又は、
(b)保護気体の雰囲気下、好ましくはアルゴンの雰囲気下で行うか、及び/又は、
(c)200℃よりも高い温度、好ましくは220℃よりも高い温度に加熱するか、及び/又は、
(d)第2の温度に所定の制限時間内に到達させるための中間工程によって分けられることが好ましい温度の異なる2工程で行うか、及び/又は、
(e)3時間よりも長い時間、好ましくは4時間よりも長い時間にわたって行う。
【0033】
この混合を、200℃を超える温度(220℃が好ましい)で、1時間を超える時間(2時間が好ましい)をかけて加熱する第1加熱工程において、保護気体雰囲気下(アルゴン雰囲気下が好ましい)で実施することが最も好ましい。そのようなわけで、温度を、10分〜30分以内(20分以内が好ましい)に、220℃を超える温度(250℃が好ましい)に上昇させ、混合物を更に2時間撹拌した。
【0034】
現在、医療機器、特に医療用バルーンには3種類の材料が使用されており、個別に比較した場合にこれらの材料に対して本発明の材料は利点を有する。
(a) ナイロン
異なる種類のナイロン、特にナイロン12に対して、本発明のコポリマーは、より高い可撓性を有し、及び/又は水吸収性がより低いという利点を有する。特に可撓性の不足はナイロンを用いた医療機器における短所であるとしばしば考えられている。
(b) PEBA
PEBA(例、PEBAX(登録商標))に対して、本発明のコポリマーは、剛性が若干高いか、及び/又は水吸収性がより低いという利点を有し、やはり目的とする特殊な使用のために優れており、より必要とされる可撓性と剛性とをバランスよく妥協させることを可能にする。更に本発明の材料は、特にPEBAに見られる熱酸化の影響と比較した場合に高い安定性を示し、及び/又は、高い寸法安定性を更に示すと考えられる。
(c) a)とb)のブレンド
ナイロンの高い剛性と、PEBAの高い可撓性とを妥協させる必要性は、ブレンドが使用されつつあるという結果を既にもたらしている。依然として、これらは、明確な構造も相も有しておらず、このことから水吸収性が低いと考えられる本発明の材料は、また、既に内在的な利点を有するものである。
【0035】
本発明の文脈において「接触させる又は混合する」とは、少なくとも2種類の物質(例えばプレポリアミドと酸、又は変性ポリアミドとポリカーボネート等)を、例えば、一般的な容器の中で物理的に接触させ、任意にこれらを混合して物質間の接触面積を増大させることとして理解される。
【0036】
本発明の文脈において「重合させる」とは、適切な反応条件下において、モノマー及び構成単位のいずれかを共に反応させ、ポリマー鎖のネットワークを形成させる過程として理解される。
【0037】
本発明の文脈において少なくとも一置換されたα,ω−ジカルボン酸の「アルキルエステル」とは、酸の一の端部の酸官能基と、C1〜6のアルキル基とのエステルとして理解される。
【0038】
本発明の文脈においてα,ω−ジカルボン酸の「ハロゲン化アシル」とは、酸官能基のヒドロキシル基を、塩素原子が好ましいハロゲン原子で置換したもの(−C(O)−X)として理解される。
【0039】
一般に「少なくとも一置換」とは、「一置換」及び「多置換」のいずれかを意味する。
【0040】
「アリール」、「アリールラジカル」、又は「アリール基」とは、少なくとも1個の芳香環を有する環システムで、いずれの環にもヘテロ原子が含まれていない環システムを意味するものとして理解される。その例としては、非置換又は一置換又は多置換されていてもよい、フェニル、ナフチル、フルオランテニル、フルオレニル、テトラリニル、及びインダニルのいずれか、特に、9H−フルオレニルラジカル及びアントラセニルラジカルのいずれかが挙げられる。
【0041】
本発明の文脈において「シクロアルキルラジカル」又は「シクロアルキル基」とは、非置換又は一置換又は多置換されていてもよい飽和及び不飽和(ただし芳香族ではない)の環状炭化水素(環内にヘテロ原子を含まない)を意味するものとして理解される。更に、C3〜4シクロアルキルとはC又はCシクロアルキルを表し、C3〜5シクロアルキルとはC、C、又はCシクロアルキルを表し、C3〜6シクロアルキルとはC、C、C、又はCシクロアルキルを表し、C3〜7シクロアルキルとはC、C、C、C、又はCシクロアルキルを表し、C3〜8シクロアルキルとはC、C、C、C、C、又はCシクロアルキルを表し、C4〜5シクロアルキルとはC又はCシクロアルキルを表し、C4〜6シクロアルキルとはC、C、又はCシクロアルキルを表し、C4〜7シクロアルキルとはC、C、C、又はCシクロアルキルを表し、C4〜8シクロアルキルとはC、C、C、C、又はCシクロアルキルを表し、C5〜6シクロアルキルとはC又はCシクロアルキルを表し、C5〜7シクロアルキルとはC、C、又はCシクロアルキルを表す。しかしながら、一置換又は多置換、好ましくは一置換されたシクロアルキルは、そのシクロアルキルが芳香族システムでない限り、具体的にシクロアルキルという用語にも含まれうるものである。シクロアルキルラジカルとしては、好ましくはシクロプロピル、2−メチルシクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、及び更にアダマンチルがある。
【0042】
「ヘテロシクリル」、「ヘテロシクリルラジカル」若しくは「ヘテロシクリル基」、又は「複素環システム」とは、窒素、酸素及び硫黄の少なくともいずれかからなる群から選択される1以上のヘテロ原子が、環又は環システムに含まれる、やはり一置換又は多置換されていてもよい複素環システムを意味するものとして理解される。環システムは、1個のみの飽和又は不飽和又は更には芳香環からなるか、あるいは2以上の環の間で環員が共有されるように縮合された2、3、又は4個の飽和又は不飽和又は更には芳香環からなるものであってもよい。ヘテロシクリルの群から言及されるものの例としては、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピロール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、キノリン、イソキノリン、フタラジン、ベンゾ−1,2,5−チアジアゾール、イミダゾ−チアゾール、ベンゾチアゾール、インドール、ベンゾトリアゾール、ベンゾジオキソラン、ベンゾジオキサン、カルバゾール、及びキナゾリンがある。
【0043】
アリールラジカル、シクロアルキルラジカル、又はヘテロシクリルラジカルに関し、「置換された」とは特に断らない限りにおいて、アリールラジカル、シクロアルキルラジカル又はヘテロシクリルラジカルの環システム上の少なくとも1個の水素ラジカルが、OH、SH、=O、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、CN、NO、COOH;NR(ただし、R及びRは独立してH、又は飽和又は不飽和の、直鎖又は分枝鎖の、置換又は非置換のC1〜6アルキルである);飽和又は不飽和の、直鎖又は分枝鎖の、置換又は非置換のC1〜6アルキル;飽和又は不飽和の、直鎖又は分枝鎖の、置換又は非置換の−O−C1〜6アルキル(アルコキシ);飽和又は不飽和の、直鎖又は分枝鎖の、置換又は非置換の−S−C1〜6アルキル;飽和又は不飽和の、直鎖又は分枝鎖の、置換又は非置換の−C(O)−C1〜6アルキル;飽和又は不飽和の、直鎖又は分枝鎖の、置換又は非置換の−C(O)−O−C1〜6アルキル;置換又は非置換のフェニルによって置換されていることを意味するものとして理解される。「任意に少なくとも一置換された」(“Optionally at least monosubstituted”)とは、オプションが選択されることがない場合は「非置換」を意味し、その他の場合は「一置換」及び「多置換」のいずれかを意味し、「少なくとも一置換された」とは、「一置換」か「多置換」のいずれかを意味する。
【0044】
本発明で言うところの脂肪族ラジカル/基は、任意に一置換又は多置換され、分枝していてもよいし、分枝していなくともよく、飽和していてもよいし、不飽和であってもよい。本発明で定義される脂肪族ラジカルとしては、アルキル、アルケニル及びアルキニルラジカルが挙げられる。本発明で定義される不飽和の脂肪族ラジカルとしては、アルケニル及びアルキニルラジカルが挙げられる。本発明に係る好ましい脂肪族ラジカルとしては、これらに限定されるものではないが、メチル、エチル、ビニル(エテニル)、エチニル、プロピル、n−プロピル、イソプロピル、アリル(2−プロペニル)、1−プロピニル、メチルエチル、ブチル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ブテニル、ブチニル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、ペンチル、n−ペンチル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、ヘキシル、1−メチルペンチル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、及びn−デシルが挙げられる。
【0045】
本発明の文脈において、アルキルラジカル又はアルキル基とは、飽和及び不飽和、直鎖又は分枝鎖の、非置換又は一置換若しくは多置換されていてもよい炭化水素を意味するものとして理解される。このように不飽和アルキルとは−CH=CH−CH又はC≡C−CHなどのアルケニル及びアルキニル基を含み、飽和アルキルとは−CH及び−CH−CHなどを含むものとして理解される。これらのラジカルにおいてC1〜2アルキルとはC又はCアルキルを表し、C1〜3アルキルとはC、C、又はCアルキルを表し、C1〜4アルキルとはC、C、C、又はCアルキルを表し、C1〜5アルキルとはC、C、C、C、又はCアルキルを表し、C1〜6アルキルとはC、C、C、C、C、又はCアルキルを表し、C1〜7アルキルとはC、C、C、C、C、C、又はCアルキルを表し、C1〜8アルキルとはC、C、C、C、C、C、C、又はCアルキルを表し、C1〜10アルキルとはC、C、C、C、C、C、C、C、C、又はC10アルキルを表し、C1〜18アルキルとはC、C、C、C、C、C、C、C、C、C10、C11、C12、C13、C14、C15、C16、C17、又はC18アルキルを表す。アルキルラジカルは、メチル、エチル、ビニル(エテニル)、プロピル、アリル(2−プロペニル)、1−プロピニル、メチルエチル、ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、ペンチル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、ヘキシル、1−メチルペンチル、置換された場合には更にCHF、CF、又はCHOHなどであることが好ましい。
【0046】
特に定義をしない限り、アルキレン、アルキル、又は脂肪族ラジカル又は基に関し、本発明の文脈における用語「置換された」とは、少なくとも1個の水素ラジカルがF、Cl、Br、I、NH、SH、又はOHによって置換されていることを意味するものとして理解される。その内、「一置換された」とは、丁度1個の水素ラジカルが置換されていることを意味するのに対して、「多置換された」とは、1個よりも多い水素ラジカルが置換されていることを意味し、その場合「多置換された」ラジカルとは、異なる原子及び同一の原子の両者で同一の又は異なる置換基による置換が複数回行われていることを意味するものとして理解される。例えば、CFの場合では同一の炭素原子が、−CH(OH)−CH=CH−CHCl等の場合では異なる位置で3回置換されている。したがって、「任意に少なくとも一置換された」(optionally at least monosubstituted)とは、オプションが選択されない場合には「非置換」を、その他の場合には「一置換」又は「多置換」を意味し、「少なくとも一置換された」とは、「一置換」か「多置換」のいずれかを意味する。「置換された」又は上記の選択された置換基のこうした定義は、「少なくとも一置換されたα,ω−ジカルボン酸、そのアルキルエステル、及びそのハロゲン化アシルのいずれか」又は式Iの酸にも一般的に当てはまるものである。
【0047】
「アルキレン」なる用語は、−CH−又は−CH−CH−のような2価のアルキル基を意味するものとして理解され、その場合、(CH3〜6は−CH−CH−CH−、−CH−CH−CH−CH−、−CH−CH−CH−CH−CH−、及び−CH−CH−CH−CH−CH−CH−を意味するものとして理解され、(CH1〜4は−CH−、−CH−CH−、−CH−CH−CH−及び−CH−CH−CH−CH−を意味するものとして理解され、(CH4〜5は−CH−CH−CH−CH−及び−CH−CH−CH−CH−CH−を意味するものとして理解される。
【0048】
本発明のインプラント又は医療機器内にも含まれていてもよい本発明に係るコポリマーの一部を形成する変性ポリアミドの好ましい実施形態では、α,ω−ジカルボン酸は、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、1,7−ヘプタンジカルボン酸、1,8−オクタンジカルボン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸から選択され、アジピン酸、又は1,10−デカンジカルボン酸から選択されるのが好ましい。
【0049】
本発明の文脈において、「本発明に係るコポリマーの一部を形成する」とは、「一部を形成する」化合物が、本発明に係るコポリマーの製造時の1又は複数の構成単位の源となる化合物であることであると定義される。したがって、これらの構成単位は、最終製造工程(例えば重合工程)の後に前記コポリマーの一部となっている。
【0050】
本発明のインプラント又は医療機器内にも含まれていてもよい本発明に係るコポリマーの一部を形成する変性ポリアミドの別の好ましい実施形態では、α,ω−ジカルボン酸は一般式I:
【化5】

[式中、
mは、1〜10の自然数から選択され、
はOH、ハロゲン、及びOC1〜4アルキルのいずれかから選択される]
で表される化合物である。
【0051】
本発明のインプラント又は医療機器内にも含まれていてもよい本発明に係るコポリマーの一部を形成し、一般式Iの化合物を含む変性ポリアミドの別の好ましい実施形態では、
mは、2、3、4、及び5のいずれかであり;4であることが好ましく、
又は、
mは、5、6、7、8、及び9のいずれかであり;8であることが好ましく、
好ましくは、
mは、2、3、4、及び5のいずれかであり;4であることが好ましい。
【0052】
本発明のインプラント又は医療機器内にも含まれていてもよい本発明に係るコポリマーの一部を形成する変性ポリアミドの別の好ましい実施形態では、α,ω−ジカルボン酸はアジピン酸である。
【0053】
本発明のインプラント又は医療機器内にも含まれていてもよい本発明に係るコポリマーの一部を形成する変性ポリアミドの別の好ましい実施形態では、
ポリアミドは一般式III及びIIIaのいずれか:
【化6】

【化7】

[式中、
Aは、2価の、分枝鎖及び直鎖のいずれかの、飽和及び不飽和のいずれかの、任意に置換された炭化水素鎖であって、任意に少なくとも1個の炭素原子がNH、O、及びSのいずれかかによって置換された炭化水素鎖であり、2価の、分枝鎖及び直鎖のいずれかの、飽和及び不飽和のいずれかの、任意に置換された炭化水素鎖であって、任意に1個の炭素原子がNH、O、及びSのいずれかかによって置換された炭化水素であることが好ましく;
A′は、2価の、分枝鎖及び直鎖のいずれかの、飽和及び不飽和のいずれかの、任意に置換された炭化水素鎖であって、任意に少なくとも1個の炭素原子がNH、O、及びSのいずれかかによって置換された炭化水素鎖であり、2価の、分枝鎖及び直鎖のいずれかの、飽和及び不飽和のいずれかの、任意に置換された炭化水素鎖であって、任意に1個の炭素原子がNH、O、及びSのいずれかかによって置換された炭化水素であることが好ましく;
B及びB′は互いに独立してH及びC1〜4アルキルのいずれかから選択され、
vは1〜24の自然数であり、
v′は1〜24の自然数であり、
yは自然数(1以上)である。]
の構造、好ましくは一般式IIIの構造を有する。
【0054】
本発明のインプラント又は医療機器内にも含まれていてもよい本発明に係るコポリマーの一部を形成する変性ポリアミドの別の好ましい実施形態では、一般式III及びIIIaのいずれかの構造のプレポリアミドにおいて、
Aは、分枝鎖及び直鎖のいずれかの、飽和及び不飽和のいずれかの、任意に置換された2価の脂肪族基であり、任意に置換されたアルキレンであることが好ましく、−CH−であることがより好ましく、
A′は、分枝鎖及び直鎖のいずれかの、飽和及び不飽和のいずれかの、任意に置換された2価の脂肪族基であり、任意に置換されたアルキレンであることが好ましく、−CH−であることがより好ましく、
及び/又は、
vは3〜13の自然数であり、5〜11の自然数であることが好ましく、5、10、及び11のいずれかであることがより好ましく、11及び5のいずれかであることが最も好ましく、
v′は3〜13の自然数であり、5〜11の自然数であることが好ましく、5、10、及び11のいずれかであることがより好ましく、11及び5のいずれかであることが最も好ましく、
好ましくは、
プレポリアミドが一般式IIIの構造である場合、
Aは、分枝鎖及び直鎖のいずれかの、飽和及び不飽和のいずれかの、任意に置換された2価の脂肪族基であり、任意に置換されたアルキレンであることが好ましく、−CH−であることがより好ましく、
及び/又は、
vは、3〜13の自然数であり、5〜11の自然数であることが好ましく、5、10、及び11のいずれかであることがより好ましく、11であることが最も好ましい。
【0055】
本発明のインプラント又は医療機器内にも含まれていてもよい本発明に係るコポリマーの一部を形成する変性ポリアミドの別の好ましい実施形態では、プレポリアミドは、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン11、及びナイロン12のいずれかから選択され、ナイロン12であることが好ましい。
【0056】
本発明のインプラント又は医療機器内にも含まれていてもよい本発明に係るコポリマーの一部を形成する変性ポリアミドの別の好ましい実施形態では、プレポリアミドは、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン11、又はナイロン12から選択され、ナイロン12であることが好ましく、
且つ、
少なくとも一置換されたα,ω−ジカルボン酸が3−tert−ブチルアジピン酸である。
【0057】
本発明のインプラント又は医療機器内にも含まれていてもよい本発明に係るコポリマーの一部を形成する変性ポリアミドの別の好ましい実施形態では、変性ポリアミドを生成するときに場合、α,ω−ジカルボン酸は、前記酸と前記プレポリアミドのモル比(前記プレポリアミドのモル濃度は、プレポリアミド中の理論上のラクタム単位の当量数に相対的に基づいて計算される)が、
0.05〜0.0005であり、0.025〜0.001が好ましく、
又は、
1.0〜0.0005であり、0.75〜0.00075が好ましく、0.5〜0.001、0.05〜0.004、及び0.1〜0.001のいずれかがより好ましいという比となるような量で、添加される。
【0058】
本発明のインプラント又は医療機器内にも含まれていてもよい本発明に係るコポリマーの一部を形成する変性ポリアミドの別の好ましい実施形態では、変性ポリアミドを生成するときに、α,ω−ジカルボン酸は、前記酸と前記プレポリアミドとのモル比(ただしプレポリアミドのモル濃度は、重合したアミド構成単位(VIII):
【化8】

の数及び分子量に基づいて相対的に計算される)が、
0.05〜0.0005であり、0.025〜0.001が好ましく、
又は、
1.0〜0.0005であり、0.75〜0.00075が好ましく、0.5〜0.001、0.05〜0.004、及び0.1〜0.001のいずれかがより好ましいという比となるような量で、添加される。
【0059】
したがって、例えばYgのジカルボン酸と、Xgのプレポリアミドとを混合する場合、酸の量をその分子量で割ることによって酸のモル濃度が与えられるのに対して、プレポリアミドの量を構成単位/理論上の基本ラクタム単位の分子量で割ることによってポリアミドの相対モル濃度が与えられる。これにより酸:プレポリアミドの相対モル比が計算される。
【0060】
本発明のインプラント又は医療機器内にも含まれていてもよい本発明に係るコポリマーの一部を形成する変性ポリアミドの別の好ましい実施形態では、変性ポリアミドをもたらす反応は、ドイツ特許公報DD276 290A1号及びEichhornら、Journal of Applied Polymer Science (1996)、62巻、pp.2053−2060に記載の反応押出法を用いて行われる。
【0061】
本発明のインプラント又は医療機器内にも含まれていてもよい本発明に係るコポリマーの一部を形成する変性ポリアミドの別の好ましい実施形態では、前記変性ポリアミドは、一般式IV及びIVaのいずれか:
【化9】

【化10】

[式中、
Aは、2価の、分枝鎖及び直鎖のいずれかの、飽和及び不飽和のいずれかの、任意に置換された炭化水素鎖であって、任意に少なくとも1個の炭素原子がNH、O、及びSのいずれかかによって置換された炭化水素鎖であり、2価の、分枝鎖及び直鎖のいずれかの、飽和及び不飽和のいずれかの、任意に置換された炭化水素鎖であって、任意に1個の炭素原子がNH、O、及びSのいずれかかによって置換された炭化水素であることが好ましく;
A′は、2価の、分枝鎖及び直鎖のいずれかの、飽和及び不飽和のいずれかの、任意に置換された炭化水素鎖であって、任意に少なくとも1個の炭素原子がNH、O、及びSのいずれかかによって置換された炭化水素鎖であり、2価の、分枝鎖及び直鎖のいずれかの、飽和及び不飽和のいずれかの、任意に置換された炭化水素鎖であって、任意に1個の炭素原子がNH、O、及びSのいずれかかによって置換された炭化水素であることが好ましく;
B及びB′は、互いに独立してH及びC1〜4アルキルのいずれかから選択され、
vは、1〜24の自然数であり、
v′は、1〜24の自然数であり、
yは、自然数(1以上)であり、
y′は、自然数(1以上)及び0のいずれかであり、
mは、1〜10の自然数である]
のポリマーであり、一般式IVのポリマーであることが好ましい。
【0062】
本発明のインプラント又は医療機器内にも含まれていてもよい本発明に係るコポリマーの一部を形成する変性ポリアミドの別の好ましい実施形態では、前記変性ポリアミドは、一般式V:
【化11】

[式中、
B及びB′は互いに独立してH及びC1〜4アルキルのいずれかから選択され、
vは1〜24の自然数であり、
yは自然数(1以上)であり、
y′は自然数(1以上)及び0のいずれかである]
を有する。
【0063】
本発明のインプラント又は医療機器内にも含まれていてもよい本発明に係るコポリマーの一部を形成する変性ポリアミドの別の好ましい実施形態では、変性ポリアミドは、一般式IV及びVのいずれかを有し、
B及びB′は、水素であり、
及び/又は、
vは、3〜13の自然数であり、5〜11の自然数であることが好ましく、5、10、及び11のいずれかであることが好ましく、5及び11のいずれかであることがより好ましく、11であることが最も好ましく、
及び/又は、
y′は、0であり、
及び/又は、
y+y′は、20〜2,000の自然数であり、40〜1,000の数であることが好ましい。
【0064】
本発明のインプラント又は医療機器内にも含まれていてもよい本発明に係るコポリマーの一部を形成するポリカーボネートジアミンの別の好ましい実施形態では、前記ポリカーボネートジアミンは、一般式VII及びVIIaのいずれかである
【化12】

[式中、
Eは、2価の、分枝鎖及び直鎖のいずれかの、飽和及び不飽和のいずれかの、任意に置換された炭化水素鎖であり、
wは、1〜24の自然数であり;
zは、自然数(1以上)である]、
である。
【0065】
本発明のインプラント又は医療機器内にも含まれていてもよい本発明に係るコポリマーの一部を形成するポリカーボネートジアミンの別の好ましい実施形態では、前記ポリカーボネートジアミンは、一般式VIIaであり、ここでは、
wが1〜10の自然数であり;wは、z=1の場合1〜10の自然数でありz≠1の場合2〜10の自然数であることが好ましく、
及び/又は、
zが、1〜2,000の自然数であり、2〜2,000の自然数であることが好ましく、1〜1,000の自然数であることがより好ましい。
【0066】
本発明のインプラント又は医療機器内にも含まれていてもよい本発明に係るコポリマーの別の好ましい実施形態では、
変性ポリアミドを生成する反応か、
重合反応、又は
その両方の反応を、ドイツ特許公報DD276 290A1号及びEichhornら、Journal of Applied Polymer Science (1996)、62巻、pp.2053−2060に記載の反応押出法を用いて行う。
【0067】
本発明の別の態様は、本発明のインプラント又は医療機器内にも含まれていてもよい、一般式XI、XIa、XIb、及びXIcのいずれかを有するコポリマー(B)に関する:
【化13】


【化14】

【化15】

【化16】

[これら式中、
Aは、2価の、分枝鎖及び直鎖のいずれかの、飽和及び不飽和のいずれかの、任意に置換された炭化水素鎖であり、任意にその1個の炭素原子がNH、O、及びSのいずれかで置換され、
A′は、2価の、分枝鎖及び直鎖のいずれかの、飽和及び不飽和のいずれかの、任意に置換された炭化水素鎖であり、任意にその1個の炭素原子がNH、O、及びSのいずれかで置換され、
Eは、2価の、分枝鎖及び直鎖のいずれかの、飽和及び不飽和のいずれかの、任意に置換された炭化水素鎖であり、
B′は、H、及びC1〜4アルキルのいずれかから選択され、
vは、1〜24の自然数であり、
v′は、1〜24の自然数であり、
wは、1〜24の自然数であり、
xは、自然数(1以上)であり、
y及びy′は、互いに独立して自然数(1以上)であり、
zは、自然数(1以上)であり、
mは、1〜10の自然数である]。
【0068】
本発明に係るコポリマー(B)の別の好ましい実施形態においては、コポリマーは、本発明のインプラント又は医療機器内にも含まれていてもよい一般式XIII及びXIIIaのいずれかの構造を有する:
【化17】

【化18】

[式中、
B′は、H、及びC1〜4アルキルのいずれかから選択され、
vは、1〜24の自然数であり、
wは、1〜24の自然数であり、
xは、自然数(1以上)であり、
y及びy′は、互いに独立して自然数(1以上)であり、
zは、自然数(1以上)である]。
【0069】
本発明のインプラント又は医療機器内にも含まれていてもよい、一般式XI、XIa、XIb、XIc、XIII、及びXIIIaのいずれかを有する本発明のコポリマー(B)の別の好ましい実施形態では、前記コポリマーにおいて、
B′が水素であり;
及び/又は、
Aが−CH−であり;
及び/又は、
Eが−CH−であり;
及び/又は、
vが3〜13の自然数であり、5〜11の自然数であることが好ましく;5、10、及び11のいずれかであることが好ましく、5及び11のいずれかであることがより好ましく、11であることが最も好ましく、
及び/又は、
wが1〜10の自然数であり;wは、z=1の場合1〜10の自然数でありz≠1の場合2〜10の自然数であることが好ましく、
及び/又は、
zが、1〜2,000の自然数であり、2〜2,000の自然数であることが好ましく、1〜1,000の自然数であることがより好ましく、
及び/又は、
yが、1〜2,000の自然数であり、2〜1,000の自然数であることが好ましく、2〜200の自然数であることがより好ましく、2〜150の自然数であることがなおより好ましく、2〜100の自然数であることが最も好ましく、
及び、
y′が、1〜2,000の自然数であり、2〜1,000の自然数であることが好ましく、2〜200の自然数であることがより好ましく、2〜150の自然数であることがなおより好ましく、2〜100の自然数であることが最も好ましく、
及び、
y+y′の合計が、1〜2,000の自然数であり、2〜1,000の自然数であることが好ましく、2〜200の自然数であることがより好ましく、2〜150の自然数であることがなおより好ましく、2〜100の自然数であることが最も好ましく、
及び/又は、
xが、1〜100の自然数である。
【0070】
本発明のインプラント又は医療機器内にも含まれていてもよい、一般式XII及びXIIIのいずれかを有する本発明に係るコポリマー(B)の別の好ましい実施形態では、前記コポリマー(B)において、
vが11であり、
及び、
wが6である。
【0071】
本発明の別の態様において、本発明のインプラント又は医療機器内にも含まれていてもよい本発明のコポリマーの別の好ましい実施形態においては、前記コポリマーは、末端基の少なくとも一方において液晶オリゴマー(LCOs/LC−オリゴマー)により変性されている。
【0072】
本発明の別の態様は、本発明のインプラント又は医療機器内にも含まれていてもよいコポリマー(C)であって、ポリアミドを形成するモノマーに由来するユニット、ポリカーボネートジアミンに由来するユニット、及びα,ω−ジカルボン酸に由来するユニットを含み、前記ポリアミドを形成するモノマーが以下の式(IX)及び(IXa)のいずれかで表され、ポリカーボネートジアミンが以下の式(VII)及び(VIIa)のいずれかで表され、そしてα,ω−ジカルボン酸が以下の一般式(I)で表されることを特徴とするコポリマー(C)を提供する:
【化19】

【化20】

[これらの式中、
Aは、2価の、分枝鎖及び直鎖のいずれかの、飽和及び不飽和のいずれかの、任意に置換された炭化水素鎖であり、任意にその1個の炭素原子がNH、O、及びSのいずれかで置換され、メチレンであることが好ましく、
及び、
vは、1〜24の自然数であり、3〜13の自然数であることが好ましく、5〜11の自然数であることがより好ましく、5、10、及び11のいずれかの自然数であることがより好ましく、5及び11のいずれかであることがなおより好ましく、11であることが最も好ましい]、
【化21】

[これらの式中、
Eは、2価の、分枝鎖及び直鎖のいずれかの、飽和及び不飽和のいずれかの、任意に置換された炭化水素鎖であり、メチレンであることが好ましく、
wは、1〜24の自然数であり、
zは、自然数(1以上)である]、
【化22】

[式中、
mは、1〜10の自然数から選択され;mは、2、3、4、及び5のいずれかであることが好ましく、4であることがより好ましく;
は、OH、ハロゲン、及びO−C1〜4アルキルのいずれかから選択され、OHであることが好ましい]。
【0073】
本発明のインプラント又は医療機器内にも含まれていてもよい上述した本発明のコポリマー(C)の好ましい1実施形態においては、
Aが−CH−であり、
及び/又は、
vが3〜13の自然数であり、5〜11の自然数であることが好ましく;5、10、及び11のいずれかであることが好ましく、5及び11のいずれかであることがより好ましく、11であることが最も好ましく、
及び/又は、
Eが−CH−であり;
及び/又は、
wが1〜10の自然数であり;wは、z=1の場合1〜10の自然数でありz≠1の場合2〜10の自然数であることが好ましく、
及び/又は、
zが、1〜2,000の自然数であり、2〜2,000の自然数であることが好ましく、1〜1,000の自然数であることがより好ましく、
及び/又は、
mが、1〜10の自然数から選択され、
及び/又は、
がOH、ハロゲン、及びOC1〜4アルキルのいずれかから選択される。
【0074】
本発明のインプラント又は医療機器内にも含まれていてもよい上述した本発明のコポリマー(C)の好ましい1実施形態において、前記コポリマーは、ポリアミドを形成するモノマーに由来するユニットを15重量%〜90重量%の割合で含有する。
【0075】
本発明のインプラント又は医療機器内にも含まれていてもよい上述した本発明のコポリマー(C)の別の好ましい1実施形態において、前記コポリマーは、ポリカーボネートジアミンに由来するユニットを15重量%〜90重量%の割合で含有する。
【0076】
本発明の別の態様では、本発明のコポリマーの一部を形成する変性ポリアミドを生成するための工程であって、1以上のプレポリアミドを、アジピン酸であることが好ましいα,ω−ジカルボン酸と接触させる又は混合する工程と、及び次に混合物を150℃を超える温度まで加熱する工程とを含む工程を提供する。
【0077】
本発明のコポリマーの一部を形成する変性ポリアミドの生成のための工程の別の好ましい実施形態においては、アジピン酸であることが好ましいα,ω−ジカルボン酸を、前記酸と、プレポリアミド中のラクタム単位の当量数に相対的に基づいて計算されるプレポリアミドとのモル比が、
0.05〜0.0005であり、0.025〜0.001が好ましく、
又は、
1.0〜0.0005であり、0.75〜0.00075が好ましく、0.5〜0.001、0.05〜0.004、及び0.1〜0.001のいずれかがより好ましいという比となるような量で、
又は、
前記酸と、重合アミド構成単位(VIII):
【化23】

の分子量に相対的に基づいて計算されるプレポリアミドとのモル比が、
0.05〜0.0005であり、0.025〜0.001が好ましく、
又は、
1.0〜0.0005であり、0.75〜0.00075が好ましく、0.5〜0.001、0.05〜0.004、及び0.1〜0.001のいずれかがより好ましいという比となるような量で、添加する。
【0078】
本発明のコポリマーの一部を形成する変性ポリアミドの生成のための工程の別の好ましい実施形態においては、反応を反応押出法を用いて実施する。
【0079】
本発明の別の態様では、埋込用医療機器及び埋込可能医療機器のいずれかであることが好ましい、インプラント又は医療機器の製造における、より好ましくはバルーン/バルーン材料、ステント、ステントグラフト、グラフト、グラフトコネクタ、及びカテーテルのいずれかの製造における、本発明のコポリマーの使用を提供する。
【0080】
上述のように、本発明の主要な態様では、埋込用医療機器及び埋込可能医療機器のいずれかが好ましく、バルーン/バルーン材料、ステント、ステントグラフト、グラフト、グラフトコネクタ、及びカテーテルのいずれかであることがより好ましい、本発明のコポリマーを含むインプラント又は医療機器を提供する。
【実施例】
【0081】
以下の項においてポリアミドの使用について述べた実施例は、あくまで例示的なものであって、本発明はこれらの応用例に限定されるものとして決して解釈されてはならない。
【0082】
(A)以下の実施例A1〜A5は、本発明のコポリマーの部分を形成する変性ポリアミドの製造の例である。
【0083】
(実施例A1:1.4% 通常の反応)
50gの乾燥したナイロン12(分子量約26,000g/mol)を0.639g(0.0034mol)のアジピン酸と、アルゴン雰囲気下で2時間、220℃で混合した。温度を20分間以内に250℃にまで昇温し、混合物を更に2時間攪拌した。得られた固体の分子量は13,000g/molであった。相対モル比(上記参照)は、0.0034mol(酸):0.253相対mol(ポリアミド:分子量(構成単位)197.3)として0.013と計算された。
【0084】
(実施例A2:1.4% 押出法)
実施例A1の反応をドイツ特許公報DD276 290A1号及びEichhornら、Journal of Applied Polymer Science、(1996)、62巻、pp.2053〜2060に記載されているようないわゆる反応押出法を用いて押出機で行った。2工程のそれぞれの反応時間は30分間未満に短縮された。
【0085】
(C)以下の実施例C1は、本発明のコポリマーの製造の例である。
【0086】
(実施例C1:ポリカーボネートジアミンを用いたコポリマー)
実施例A1の変性ポリアミドを、ポリヘキサメチレンカーボネートジアミンと200℃で混合し、混合物を4時間撹拌した。
【0087】
幾つかの実施例においては、実施例A1の変性ポリアミドを、ポリヘキサメチレンカーボネートジアミンと、ほぼ又は正確に等モル量で混合した。
【0088】
市販品を利用することができない特定のアミノ変性ポリカーボネートについては、当業者は、例えばアミノ変性ポリエチレンオキシドなどのために記載されるような、当技術分野において知られる合成経路に従い及び/又は合成経路を変更し合成することができる。例としては、本明細書において援用される、以下の参考論文を変更したものが挙げられる:McManus,N.T.ら、Journal of Applied Polymer Science (2006)、101巻(6号)、pp.4230−4237。
【0089】
機械的特性の試験
実施例C1による材料をPEBAX(登録商標)と比較した。
【0090】
(D)医療用バルーンの形成
(実施例D1)
実施例C1による材料から、押出法により1本のポリマーチューブを作製した。前記1本のチューブの近位部及び遠位部を引き伸ばし直径を縮める一方、中央部は引き伸ばさないでおいた。次に、前記1本のポリマーチューブを加圧して、前記チューブをモールド中で膨らませることにより径方向に拡張し、前記チューブの引き伸ばさなかった中央部でバルーン本体を作製した。バルーンの近位腰部及び遠位腰部を、チューブの引き伸ばされた近位部及び遠位部から作製した。
【0091】
(実施例D2)
実施例C1による材料から、押出法により、近位端、遠位端、及び中央部を有する、所定の壁厚さ及び長さの1個のチューブ状のセグメントを作製した。セグメントの温度を、実施例C1及びC2のいずれかによるコポリマーの最高ガラス遷移温度よりも下の温度に維持しながら、前記セグメントを次に所定の長さまで引き伸ばした。これにより、前記近位端で第1の腰部を作製した。続いて、第1の腰部を有するこのセグメントをモールド中で膨らませ、バルーンを作製した。仕上げを行った後、バルーンに、前記セグメントの中央部がバルーン本体部を形成している本体部を作製した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
変性ポリアミドと、ポリカーボネートジアミンとを重合させることにより製造可能なコポリマーを含むインプラント又は医療機器であって、前記変性ポリアミドが、1以上のプレポリアミドと、α,ω−ジカルボン酸、そのアルキルエステル、及びそのハロゲン化アシルのいずれかとを接触させる又は混合すること、並びに150℃を超える温度まで昇温することにより製造可能であることを特徴とするインプラント又は医療機器。
【請求項2】
埋込用医療機器、埋込可能医療機器、及び低侵襲医療機器のいずれかであり;バルーン及びステントのいずれか、ステントグラフト、グラフト、グラフトコネクタ、又はカテーテルであることが好ましく;バルーンカテーテル、及び医療機器用医療バルーンのいずれかであることがより好ましく;バルーンカテーテル用の医療バルーンであることが最も好ましい請求項1に記載のインプラント又は医療機器。
【請求項3】
変性ポリアミドとポリカーボネートジアミンとを、好ましくはルイス塩基及びルイス酸のいずれかであることが好ましい触媒の存在下に、接触させること、及び温度を
a)溶融重合の場合、150℃を超える温度に
b)溶液中の重合の場合、50℃を超える温度に
上昇させることにより重合反応を引き起こす請求項1から2のいずれかに記載のインプラント又は医療機器。
【請求項4】
α,ω−ジカルボン酸が、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、1,7−ヘプタンジカルボン酸、1,8−オクタンジカルボン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、及び1,12−ドデカンジカルボン酸のいずれかから選択され、好ましくはアジピン酸及び1,10−デカンジカルボン酸のいずれかから選択される請求項1から3のいずれかに記載のインプラント又は医療機器。
【請求項5】
α,ω−ジカルボン酸が、一般式Iの化合物:
【化24】

[式中、
mは、1〜10の自然数から選択され、
は、OH、ハロゲン、及びO−C1〜4アルキルのいずれかから選択される]
である請求項1から3のいずれかに記載のインプラント又は医療機器。
【請求項6】
mが、2、3、4、及び5のいずれかであり;4であることが好ましく、
又は、
mが、5、6、7、8、及び9のいずれかであり;8であることが好ましく、
好ましくは、
mが、2、3、4、及び5のいずれかであり;4であることが好ましい請求項5に記載のインプラント及び医療機器。
【請求項7】
プレポリアミドが、一般式III及びIIIaのいずれかの構造であり:
【化25】

【化26】

[式中、
Aは、2価の、分枝鎖及び直鎖のいずれかの、飽和及び不飽和のいずれかの、任意に置換された炭化水素鎖であり、任意にその1個の炭素原子がNH、O、及びSのいずれかで置換され、
A′は、2価の、分枝鎖及び直鎖のいずれかの、飽和及び不飽和のいずれかの、任意に置換された炭化水素鎖であり、任意にその1個の炭素原子がNH、O、及びSのいずれかで置換され、
B及びB′は、互いに独立してH、及びC1〜4アルキルのいずれかから選択され、
vは、1〜24の自然数であり、
v′は、1〜24の自然数であり、
yは、自然数(1以上)である]、
好ましくは一般式IIIの構造である請求項1に記載のインプラント又は医療機器。
【請求項8】
Aは、分枝鎖及び直鎖のいずれかの、飽和及び不飽和のいずれかの、任意に置換された2価の脂肪族基であり、任意に置換されたアルキレンであることが好ましく、−CH−であることがより好ましく、
A′は、分枝鎖及び直鎖のいずれかの、飽和及び不飽和のいずれかの、任意に置換された2価の脂肪族基であり、任意に置換されたアルキレンであることが好ましく、−CH−であることがより好ましく、
及び/又は、
vは、3〜13の自然数であり、5〜11の自然数であることが好ましく、5、10、及び11のいずれかであることがより好ましく、11及び5のいずれかであることが最も好ましく、
v′は、3〜13の自然数であり、5〜11の自然数であることが好ましく、5、10、及び11のいずれかであることがより好ましく、11及び5のいずれかであることが最も好ましく、
好ましくは、
プレポリアミドが一般式IIIの構造を有する場合、
Aは、分枝鎖及び直鎖のいずれかの、飽和及び不飽和のいずれかの、任意に置換された2価の脂肪族基であり、任意に置換されたアルキレンであることが好ましく、−CH−であることがより好ましく、
及び/又は、
vは、3〜13の自然数であり、5〜11の自然数であることが好ましく、5、10、及び11のいずれかであることがより好ましく、11であることが最も好ましい請求項7に記載のインプラント又は医療機器。
【請求項9】
プレポリアミドが、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン11、及びナイロン12のいずれかから選択され、好ましくはナイロン12であり、
且つ、
α,ω−ジカルボン酸がアジピン酸である請求項1に記載のインプラント又は医療機器。
【請求項10】
変性ポリアミドを生成するときに、α,ω−ジカルボン酸が、前記酸と、プレポリアミド中のラクタム単位の当量数に相対的に基づいて計算されるプレポリアミドとのモル比が、
0.05〜0.0005であり、0.025〜0.001が好ましく、
又は、
1.0〜0.0005であり、0.75〜0.00075が好ましく、0.5〜0.001、0.05〜0.004、及び0.1〜0.001のいずれかがより好ましいという比となるような量で、添加される請求項1から9のいずれかに記載のインプラント又は医療機器。
【請求項11】
変性ポリアミドを生成するときに、α,ω−ジカルボン酸が、前記酸と、重合アミド構成単位(VIII):
【化27】

の分子量に相対的に基づいて計算されるプレポリアミドとのモル比が、
0.05〜0.0005であり、0.025〜0.001が好ましく、
又は、
1.0〜0.0005であり、0.75〜0.00075が好ましく、0.5〜0.001、0.05〜0.004、及び0.1〜0.001のいずれかがより好ましいという比となるような量で、添加される請求項1から9のいずれかに記載のインプラント又は医療機器。
【請求項12】
変性ポリアミドが一般式IV及びIVaのいずれかで表され:
【化28】

【化29】

[式中、
Aは、2価の、分枝鎖及び直鎖のいずれかの、飽和及び不飽和のいずれかの、任意に置換された炭化水素鎖であり、任意にその1個の炭素原子がNH、O、及びSのいずれかで置換され、
A′は、2価の、分枝鎖及び直鎖のいずれかの、飽和及び不飽和のいずれかの、任意に置換された炭化水素鎖であり、任意にその1個の炭素原子がNH、O、及びSのいずれかで置換され、
B及びB′は、互いに独立してH、及びC1〜4アルキルのいずれかから選択され、
vは、1〜24の自然数であり、
v′は、1〜24の自然数であり、
yは、自然数(1以上)であり、
y′は、自然数(1以上)及び0のいずれかであり、
mは、1〜10の自然数である]、
IVで表されることが好ましい請求項1に記載のインプラント又は医療機器。
【請求項13】
変性ポリアミドが一般式Vで表される:
【化30】

[式中、
B及びB′は、互いに独立してH、及びC1〜4アルキルのいずれかから選択され、
vは、1〜24の自然数であり、
yは、自然数(1以上)であり、
y′は、自然数(1以上)及び0のいずれかである]、
請求項1に記載のインプラント又は医療機器。
【請求項14】
変性ポリアミドが一般式IV及びVのいずれかの化合物であり、ここでは
B及びB′が水素であり;
及び/又は、
vが3〜13の自然数であり、5〜11の自然数であることが好ましく;5、10、及び11のいずれかであることが好ましく、5及び11のいずれかであることがより好ましく、11であることが最も好ましく、
及び/又は、
y′が0であり、
及び/又は、
y+y′が20〜2,000であり、40〜1,000が好ましい請求項12から13のいずれかに記載のインプラント又は医療機器。
【請求項15】
ポリカーボネートジアミンが一般式VII及びVIIaのいずれか
【化31】

[式中、
Eは、2価の、分枝鎖及び直鎖のいずれかの、飽和及び不飽和のいずれかの、任意に置換された炭化水素鎖であり、
wは、1〜24の自然数であり;
zは、自然数(1以上)である]、
である請求項1に記載のインプラント又は医療機器。
【請求項16】
ポリカーボネートジアミンが一般式VIIaであり、ここでは、
wが1〜10の自然数であり;wは、z=1の場合1〜10の自然数でありz≠1の場合2〜10の自然数であることが好ましく、
及び/又は、
zが、1〜2,000の自然数であり、2〜2,000の自然数であることが好ましく、1〜1,000の自然数であることがより好ましい請求項15に記載のインプラント又は医療機器。
【請求項17】
変性ポリアミドを生成する反応か、
重合反応、又は
その両方の反応が反応押出法を用いて行われる請求項1から16のいずれかに記載のインプラント又は医療機器。
【請求項18】
一般式XI、XIa、XIb、及びXIcのいずれか:
【化32】

【化33】

【化34】

【化35】

[これらの式中、
Aは、2価の、分枝鎖及び直鎖のいずれかの、飽和及び不飽和のいずれかの、任意に置換された炭化水素鎖であり、任意にその1個の炭素原子がNH、O、及びSのいずれかで置換され、
A′は、2価の、分枝鎖及び直鎖のいずれかの、飽和及び不飽和のいずれかの、任意に置換された炭化水素鎖であり、任意にその1個の炭素原子がNH、O、及びSのいずれかで置換され、
Eは、2価の、分枝鎖及び直鎖のいずれかの、飽和及び不飽和のいずれかの、任意に置換された炭化水素鎖であり、
B′は、H、及びC1〜4アルキルのいずれかから選択され、
vは、1〜24の自然数であり、
v′は、1〜24の自然数であり、
wは、1〜24の自然数であり、
xは、自然数(1以上)であり、
y及びy′は、互いに独立して自然数(1以上)であり、
zは、自然数(1以上)であり、
mは、1〜10の自然数である]
であることを特徴とするインプラント又は医療機器。
【請求項19】
一般式XIII及びXIIIaのいずれかである:
【化36】

【化37】

[式中、
B′は、H、及びC1〜4アルキルのいずれかから選択され、
vは、1〜24の自然数であり、
wは、1〜24の自然数であり、
xは、自然数(1以上)であり、
y及びy′は、互いに独立して自然数(1以上)であり、
zは、自然数(1以上)である]
請求項18に記載のインプラント又は医療機器。
【請求項20】
B′が水素であり;
及び/又は、
Aが−CH−であり;
及び/又は、
Eが−CH−であり;
及び/又は、
vが、3〜13の自然数であり、5〜11の自然数であることが好ましく;5、10、及び11のいずれかであることが好ましく、5及び11のいずれかであることがより好ましく、11であることが最も好ましく、
及び/又は、
wが、1〜10の自然数であり;wは、z=1の場合1〜10の自然数でありz≠1の場合2〜10の自然数であることが好ましく、
及び/又は、
zが、1〜2,000の自然数であり、2〜2,000の自然数であることが好ましく、1〜1,000の自然数であることがより好ましく、
及び/又は、
yが、1〜2,000の自然数であり、2〜1,000の自然数であることが好ましく、2〜200の自然数であることがより好ましく、2〜150の自然数であることがなおより好ましく、2〜100の自然数であることが最も好ましく、
及び、
y′が、1〜2,000の自然数であり、2〜1,000の自然数であることが好ましく、2〜200の自然数であることがより好ましく、2〜150の自然数であることがなおより好ましく、2〜100の自然数であることが最も好ましく、
及び、
y+y′の合計が、1〜2,000の自然数であり、2〜1,000の自然数であることが好ましく、2〜200の自然数であることがより好ましく、2〜150の自然数であることがなおより好ましく、2〜100の自然数であることが最も好ましく、
及び/又は、
xが、1〜100の自然数である
請求項18から19のいずれかに記載のインプラント又は医療機器。
【請求項21】
vが11であり、及び、
wが6である請求項20に記載のインプラント又は医療機器。
【請求項22】
コポリマーが末端基Bの少なくとも一方において液晶オリゴマー(LCOs/LC−オリゴマー)により変性されている請求項18から21のいずれかに記載のインプラント又は医療機器。
【請求項23】
コポリマーが、ポリアミドを形成するモノマーに由来するユニット、ポリカーボネートジアミンに由来するユニット、並びにα,ω−ジカルボン酸に由来するユニットを含むインプラント又は医療機器であって、前記ポリアミドを形成するモノマーが以下の式(IX)及び(IXa)のいずれかで表され、ポリカーボネートジアミンが以下の式(VII)及び(VIIa)のいずれかで表され、そしてα,ω−ジカルボン酸が以下の一般式(I)で表されることを特徴とするインプラント又は医療機器。
【化38】

【化39】

[これらの式中、
Aは、2価の、分枝鎖及び直鎖のいずれかの、飽和及び不飽和のいずれかの、任意に置換された炭化水素鎖であり、任意にその1個の炭素原子がNH、O、及びSのいずれかで置換され、
及び、
vは、1〜24の自然数である]、
【化40】

[これらの式中、
Eは、2価の、分枝鎖及び直鎖のいずれかの、飽和及び不飽和のいずれかの、任意に置換された炭化水素鎖であり、
wは、1〜24の自然数であり、
zは、自然数(1以上)である]、
【化41】

[式中、
mは、1〜10の自然数から選択され、
は、OH、ハロゲン、及びO−C1〜4アルキルのいずれかから選択される]。
【請求項24】
Aが−CH−であり、
及び/又は、
vが3〜13の自然数であり、5〜11の自然数であることが好ましく;5、10、及び11のいずれかであることが好ましく、5及び11のいずれかであることがより好ましく、11であることが最も好ましく、
及び/又は、
Eが−CH−であり、
及び/又は、
wが1〜10の自然数であり;wは、z=1の場合1〜10の自然数でありz≠1の場合2〜10の自然数であることが好ましく、
及び/又は、
zが、1〜2,000の自然数であり、2〜2,000の自然数であることが好ましく、1〜1,000の自然数であることがより好ましく、
及び/又は、
mが、1〜10の自然数から選択され、
及び/又は、
がOH、ハロゲン、及びOC1〜4アルキルのいずれかから選択される請求項23に記載のインプラント又は医療機器。
【請求項25】
変性ポリアミドと、ポリカーボネートジアミンとを重合させることにより製造可能なコポリマーであって、前記変性ポリアミドが、1以上のプレポリアミドと、α,ω−ジカルボン酸、そのアルキルエステル、及びそのハロゲン化アシルのいずれかとを接触させる又は混合すること、及び150℃を超える温度まで昇温することにより製造可能であることを特徴とするコポリマー。
【請求項26】
α,ω−ジカルボン酸が、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、1,7−ヘプタンジカルボン酸、1,8−オクタンジカルボン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸から選択され、好ましくはアジピン酸及び1,10−デカンジカルボン酸のいずれかから選択される請求項25に記載のコポリマー。
【請求項27】
プレポリアミドが、一般式III及びIIIaのいずれかの構造であり:
【化42】

【化43】

[式中、
Aは、2価の、分枝鎖及び直鎖のいずれかの、飽和及び不飽和のいずれかの、任意に置換された炭化水素鎖であり、任意にその1個の炭素原子がNH、O、及びSのいずれかで置換され、
A′は、2価の、分枝鎖及び直鎖のいずれかの、飽和及び不飽和のいずれかの、任意に置換された炭化水素鎖であり、任意にその1個の炭素原子がNH、O、及びSのいずれかで置換され、
B及びB′は、互いに独立してH、及びC1〜4アルキルのいずれかから選択され、
vは、1〜24の自然数であり、
v′は、1〜24の自然数であり、
yは、自然数(1以上)である]、
好ましくは一般式IIIの構造である請求項25に記載のコポリマー。
【請求項28】
プレポリアミドが、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン11、及びナイロン12のいずれかから選択され、好ましくはナイロン12であり、
且つ、
α,ω−ジカルボン酸がアジピン酸である請求項25に記載のコポリマー。
【請求項29】
変性ポリアミドが一般式IV及びIVaのいずれかであり:
【化44】

【化45】

[式中、
Aは、2価の、分枝鎖及び直鎖のいずれかの、飽和及び不飽和のいずれかの、任意に置換された炭化水素鎖であり、任意にその1個の炭素原子がNH、O、及びSのいずれかで置換され、
A′は、2価の、分枝鎖及び直鎖のいずれかの、飽和及び不飽和のいずれかの、任意に置換された炭化水素鎖であり、任意にその1個の炭素原子がNH、O、及びSのいずれかで置換され、
B及びB′は、互いに独立してH、及びC1〜4アルキルのいずれかから選択され、
vは、1〜24の自然数であり、
v′は、1〜24の自然数であり、
yは、自然数(1以上)であり、
y′は、自然数(1以上)及び0のいずれかであり、
mは、1〜10の自然数である]、
IVで表されることが好ましい請求項25に記載のコポリマー。
【請求項30】
変性ポリアミドが一般式Vである:
【化46】

[式中、
B及びB′は、互いに独立してH、及びC1〜4アルキルのいずれかから選択され、
vは、1〜24の自然数であり、
yは、自然数(1以上)であり、
y′は、自然数(1以上)及び0のいずれかである]、
請求項25に記載のコポリマー。
【請求項31】
ポリカーボネートジアミンが一般式VII及びVIIaのいずれかである:
【化47】

[式中、
Eは、2価の、分枝鎖及び直鎖のいずれかの、飽和及び不飽和のいずれかの、任意に置換された炭化水素鎖であり、
wは、1〜24の自然数であり;
zは、自然数(1以上)である]、
請求項25に記載のコポリマー。
【請求項32】
一般式XI、XIa、XIb、及びXIcのいずれかで表されることを特徴とするコポリマー:
【化48】

【化49】

【化50】

【化51】

[式中、
Aは、2価の、分枝鎖及び直鎖のいずれかの、飽和及び不飽和のいずれかの、任意に置換された炭化水素鎖であり、任意にその1個の炭素原子がNH、O、及びSのいずれかで置換され、
A′は、2価の、分枝鎖及び直鎖のいずれかの、飽和及び不飽和のいずれかの、任意に置換された炭化水素鎖であり、任意にその1個の炭素原子がNH、O、及びSのいずれかで置換され、
Eは、2価の、分枝鎖及び直鎖のいずれかの、飽和及び不飽和のいずれかの、任意に置換された炭化水素鎖であり、
B′は、H、及びC1〜4アルキルのいずれかから選択され、
vは、1〜24の自然数であり、
v′は、1〜24の自然数であり、
wは、1〜24の自然数であり、
xは、自然数(1以上)であり、
y及びy′は、互いに独立して自然数(1以上)であり、
zは、自然数(1以上)であり、
mは、1〜10の自然数である]。
【請求項33】
ポリアミドを形成するモノマーに由来するユニット、ポリカーボネートジアミンに由来するユニット、及びα,ω−ジカルボン酸に由来するユニットを含むコポリマーであって、前記ポリアミドを形成するモノマーが以下の式(IX)及び(IXa)のいずれかで表され、前記ポリカーボネートジアミンが以下の式(VII)及び(VIIa)のいずれかで表され、そして前記α,ω−ジカルボン酸が以下の一般式(I)で表されることを特徴とするコポリマー:
【化52】

【化53】

[これらの式中、
Aは、2価の、分枝鎖及び直鎖のいずれかの、飽和及び不飽和のいずれかの、任意に置換された炭化水素鎖であり、任意にその1個の炭素原子がNH、O、及びSのいずれかで置換され、
及び、
vは、1〜24の自然数である]、
【化54】

[これらの式中、
Eは、2価の、分枝鎖及び直鎖のいずれかの、飽和及び不飽和のいずれかの、任意に置換された炭化水素鎖であり、
wは、1〜24の自然数であり、
zは、自然数(1以上)である]、
【化55】

[式中、
mは、1〜10の自然数から選択され、
は、OH、ハロゲン、及びO−C1〜4アルキルのいずれかから選択される]。
【請求項34】
インプラント又は医療機器、好ましくは埋込用医療機器及び埋込可能医療機器のいずれかの製造、より好ましくはバルーン、バルーン材料、ステント、ステントグラフト、グラフト、グラフトコネクタ及びカテーテルのいずれかの製造のための、請求項25から33のいずれかに記載のコポリマーの使用。
【請求項35】
加圧してポリマーチューブを径方向に拡張することによって一本のポリマーチューブ(a length of polymer tubing)から形成される医療機器用医療バルーンであって、前記ポリマーが請求項25から33のいずれかに記載のコポリマーであることを特徴とする医療機器用医療バルーン。

【公表番号】特表2010−526571(P2010−526571A)
【公表日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−506859(P2010−506859)
【出願日】平成20年5月9日(2008.5.9)
【国際出願番号】PCT/EP2008/003773
【国際公開番号】WO2008/138568
【国際公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(503327303)アボット ラボラトリーズ バスキュラー エンタープライゼズ リミテッド (5)
【Fターム(参考)】