説明

ポリアミド成形組成物及びその使用

【課題】非常に低い歪みと良好な機械的特性を有するポリアミド成形組成物を提供する。
【解決手段】透明ポリアミドと繊維強化材料及び粒状充填材及び必要に応じて衝撃改良剤、結合剤、防炎剤等の添加剤の組合せにより達成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は良好な機械特性を有する非常に少ない歪みを有するポリアミド成形組成物に関する。これは透明ポリアミドと繊維状強化材料とさらに粒状充填材との組み合わせにより達成することができる。本発明の成形組成物は成形品半製品又は完成品の製造に使用することができる。
【背景技術】
【0002】
ポリアミドは、本質的に優れた機械特性を有することにより、今日インテリア又はエクステリア表面の構造要素として広く用いられている。
強度及び剛性などの機械特性の改良は、特に繊維状強化材料、例えばガラス繊維を添加することにより行われてきた。しかし繊維状強化材料を加えることにより成形部材の歪みが大きくなることがしばしばあった。この結果、歪みが成形部材にとって重要な値であるとみなされる場合には、少量の繊維状強化材料を用いるか、あるいはガラス玉のような等方性充填材のみが使われていた。この方法により得られた成形組成物は、成形部材において低い引張弾性率しか有しない。
【0003】
一方、粒状充填材を添加すると、歪みは減少するが、他方強度及び破断点伸びなどの機械特性の面で損なわれる。
この点から出発して、良好な機械特性を有し、同時に歪みが少なく、上に記載したような従来技術の不都合な点を有さない成形品を製造することができるポリアミド成形組成物を提供することが本発明の目的である。
【0004】
この目的は、請求項1の態様のポリアミド成形組成物、請求項15の態様の成形品、及び請求項20の態様の使用により達成することができる。さらなる従属項は有利な改良点を明らかにする。
【0005】
本発明のポリアミド成形組成物は、少なくとも40〜79重量%の透明ポリアミド;少なくとも15〜49重量%の繊維状強化材料;及び6〜30重量%の粒状充填材を含む。さらに、100重量%になるまで添加剤を含むことができる。好適な組成物は、40〜69重量%、好ましくは40〜55重量%の透明ポリアミド;25〜49重量%、好ましくは30〜49重量%の繊維状強化材料;及び6〜30重量%の粒状充填材;及び必要に応じて、100重量%となるように、少なくとも1のさらなる添加剤を含む。しかしながら本発明の範囲内に添加剤としてポリアミドオリゴマーを含むものと理解してはならない。
【0006】
本発明の態様は、請求の範囲に記載された組合せによりここに製造される成形品によって良好な機械的特性が達成され、同時に本発明に成形品が基地の成形品と比較して実質的に低い歪みを有することである。
【0007】
繊維強化材料に関しては、基本的に何ら制限はない。好ましくはガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、アラミド繊維、ウィスカー及びこれらの混合物からなる群より選択される。ウィスカーとは、金属、酸化物、ホウ化物、炭化物、窒化物、ポリチタン酸塩、炭素等を含む、多角形の断面を有する針状単結晶、例えばチタン酸カリウム、酸化アルミニウム、シリコンカーバイドウィスカーであると理解すべきである。一般に、ウィスカーは直径0.1〜10μm、長さはmmからcmの範囲のものを有する。これと同時にウィスカーは高い引っ張り強度を有する。ウィスカーは気相から固体への蒸着(deposition)により(VSメカニズム)、あるいは三相システム(VLSメカニズム)にて製造される。
【0008】
ガラス繊維は好ましくは直径5〜20μm、特に好ましくは5〜10μmを有する。好適には円形、長円形または長方形の断面を有するガラス繊維を用いる。したがってガラス繊維は好ましくはE−ガラスを含む。よってガラス繊維はエンドレス繊維か切断ガラス繊維の形で加えられ、繊維は適切な定寸システムと結合剤あるいは結合剤システム、例えばシランベースのものにより用意することができる。
【0009】
本技術分野の当業者に基地の全ての充填材は適当な充填材として使用できる。特に適当な充填材として、タルカム、マイカ、ケイ酸塩、石英、二酸化チタン、ウォラストナイト、カオリン、ケイ酸、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、チョーク、粉砕又は沈殿させた炭酸カルシウム、石灰、長石、硫酸バリウム、永久磁石または磁化可能な金属又はアロイ、ガラスボール、中空ガラスボール、中空球形ケイ酸塩充填材及びこれらの混合物からなる群より選択されるものが挙げられる。
【0010】
本発明において透明ポリアミドとは規定の光透過性を有するポリアミドを意味する。
特にポリアミドは、ポリアミドが板状、例えば厚さ2mmの円板状の形で存在する場合、少なくとも70%の光透過性を有するものが含まれる。75×2mmの円板がArburg射出成形装置でシリンダー温度240〜340℃、成形温度20〜140℃の研磨成形(polished mould)で製造される。光透過性の測定はASTM D 1003-61に従いByk Gardner社のHaze Gard plus測定装置を用いてCIE光タイプC(23℃)で測定される。光透過値は照射された光量の%で示される。
【0011】
少なくとも86%、特に好ましくは少なくとも90%の光透過性を有する透明ポリアミドを用いることが好適である。
透明ポリアミド組成物に関して何ら制限はなく、当業者が知る全ての透明ポリアミドまたはこれらの混合物を用いることができる。特に少なくとも1のジアミンと少なくとも1のジカルボン酸及び/又は少なくとも1のアミノ酸またはラクタムから製造されたポリアミドが挙げられる。ジアミンとして、6〜17の炭素原子を有する脂肪族及び/又は環状脂肪族ジアミン及び/又は部分的に芳香族構造を有する(C6−C17)ジアミンが好ましい。ジカルボン酸として6〜12の炭素原子を有する脂肪族及び/又は芳香族ジカルボン酸を用いることが好ましい。アミノ酸は好ましくは6〜12の炭素原子を有するα、ωアミノ酸から選択される。ラクタムは好ましくは6〜12の炭素原子を有するラクタムから選択される。
【0012】
透明ポリアミドは相対粘度1.36〜1.80、好ましくは1.36〜1.74、さらに好ましくは1.41〜1.69を有する。相対粘度はDIN EN ISO 307に従い、20℃のm−クレゾール溶液で測定される。
【0013】
透明ポリアミドは、少なくとも120℃、好ましくは少なくとも130℃のガラス転移温度(Tg)を有する。ガラス転移温度は示差走査型熱量計(DSC)により、ISO標準 11357-1/-2に従って20℃/分の加熱速度で測定される。転移点の温度が表示される。
【0014】
透明アモルファスポリアミドが好ましい。特に動的示差走査型熱量計(DSC)でISO 1357-1/-2に従って20℃/分の加熱速度で測定した結果、最大5J/g、好ましくは最大3J/g、特に好ましくは1J/gの融解熱を有するポリアミドが挙げられる。
【0015】
透明アモルファスポリアミドは好ましくは少なくとも1のジアミンと少なくとも1のジカルボン酸及び/又は少なくとも1のアミノ酸またはラクタムから製造される。ジアミンとして、6〜17の炭素原子を有する脂肪族及び/又は環状脂肪族ジアミン及び/又は部分的に芳香族構造を有する(C6-C17)ジアミンが好適である。ジカルボン酸として6〜12の炭素原子を有するジカルボン酸及び/又は6〜12の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸を用いることが好ましい。アミノ酸は好適には6〜12の炭素原子を有するα、ωアミノ酸から選択される。ラクタムは好ましくは6〜12の炭素原子を含むラクタムから選択される。
【0016】
透明アモルファスポリアミドは相対粘度1.36〜1.80、好ましくは1.36〜1.74、さらに好ましくは1.41〜1.69を有する。相対粘度はDIN EN ISO 307に従い、20℃のm−クレゾール溶液で測定される。
【0017】
透明アモルファスポリアミドは、少なくとも120℃、好ましくは少なくとも130℃のガラス転移温度(Tg)を有する。ガラス転移温度は示差走査型熱量計(DSC)により、ISO標準 11357-1/-2に従って20℃/分の加熱速度で測定される。転移点の温度が表示される。
【0018】
好適な透明アモルファスポリアミドは以下の群:PA 6I、PA 6I/6T、PA MXDI/6I、PA MXDI/MXDT/6I/6T、PA MXDI/12I、PA MXDI、PA MACM12、PA MACMI/12、PA MACMI/MACMT/12、PA 6I/MACMI/12、PA 6I/6T/MACMI/MACMT、PA 6I/6T/MACMI/MACMT/12、PA MACM6/11、PA MACMI/MACM12及びこれらの混合物から選択される。MACMは55モル%まで、好ましくは50モル%までをPACMで置き換えることもできる。
【0019】
特に好ましい態様においてベース材料として相対粘度1.41〜1.69、好ましくは1.49〜1.69を有するMACM含有透明アモルファスポリアミドまたはこれらの混合物を用いる。ガラス転移温度は少なくとも130℃、好ましくは少なくとも145℃である。
【0020】
さらに好適な態様として、透明アモルファスポリアミドは、各々相対粘度1.41〜1.69、好ましくは1.49〜1.69を有するMACM12、MACMI/12およびこれらの混合物からなる群から選ばれるベース材料を用いる。ガラス転移温度は少なくとも130℃、好ましくは少なくとも145℃である。
【0021】
勿論、本発明の熱可塑性ポリアミド成形組成物はさらに当業者に既知の通常の添加剤であって、耐衝撃改良剤、好ましくはいわゆるMBSまたはコア−表層衝撃改良剤、例えばメタクリレート−ブタジエン−スチレンベースのもの、結合剤、ハロゲン含有防炎剤、ハロゲンフリー防炎剤、安定剤、老化防止剤、酸化防止剤、オゾン酸化防止剤、光防止剤、紫外線防止剤、紫外線吸収剤、紫外線防御剤、無機熱安定剤、有機熱安定剤、導電性付与剤、カーボンブラック、光ライトナー、加工助剤、核剤、結晶促進剤、結晶防止剤、流動助剤、滑剤、離型剤、柔軟剤、顔料、着色料、マーキング剤及びこれらの混合物を含む群から選択される。
【0022】
本発明のポリアミド成形組成物は、特定の目的のために、さらに他のポリマー、例えばポリオレフィン、ANポリマー、官能性コポリオレフィン及びイオノマーを含むことができる。
【0023】
さらなる態様として、21〜60重量%、好ましくは31〜60重量%、特に好ましくは45〜60重量%、さらに特に好ましくは45〜55重量%の繊維強化材料と粒状充填材を合計で含むポリアミド成形組成物を提供する。
【0024】
強化材料は通常少なくとも充填材の量と同じ量(重量)で存在する。
本発明は、上述の成形組成物から製造された成形品をさらに含む。これら成形品は好ましくは2.7以下の、特に好ましくは2.3以下の歪みを有する。このように低い歪みにもかかわらず成形品の機械的特性は影響されないままであることは強調されるべきである。したがって成形品は好ましくは引張弾性率8000MPa以上、好ましくは10000MPa以上を有する。引張強度に関しては100MPa以上、特に140MPa以上が好ましい。
【0025】
ポリアミド成形組成物は好ましくは破断点伸び1.5%以上、特に好ましくは2.0%以上を有する。
最後に、本発明は上述の成形組成物の歪みのない成形品の製造のための使用にも関する。成形品は好ましくは電子工学分野、エレクトロニクス、エネルギー及びドライブ技術、機械工学、自動車、家具、スポーツ、サニタリー、衛生、医療技術、交通手段、通信、エンターテインメントエレクトロニクス、家庭用品または他の電子器具の分野における、射出成形、押出成形または他の成形技術により製造される精密取り付け部品、相互可動部品、機能性素子、制御素子、トラッキング素子、調節素子、キャリヤ素子、フレーム素子、スイッチ及びハウジングを含む群から選択され、例えば自動車のコックピットの機能性キャリヤ、ミシンのフレーム部品、携帯電話のハウジングが挙げられる。
【0026】
本発明のポリアミド成形組成物の製造は通常のコンパウンド機により行われ、例えば二軸押出機またはスクリューニーダーなどが挙げられる。普通ポリマー成分を溶融し強化材料及び/又は充填材を押出機のいずれかの部分で(例えばサイドフィーダーを用いて)該溶融物に投入する。コンパウンディングは好ましくは260〜320℃の温度で行われる。しかしながらポリマー成分と強化材料及び/又は充填材は重量を測定して投入される。
【0027】
本発明は以下の実施例によりより詳細に説明されるが、ここに示される特殊な態様によって発明を制限することを意図しない。
【実施例】
【0028】
成形組成物はWerner & Pfleidererの、タイプZSK25二軸押出機で製造した。ポリアミドグラニュールとミネラル類は、それぞれのスケールを用いて秤量して投入した。ガラス繊維をノズルの前の6ハウジングユニットサイドフィーダーからポリマー溶融物に投入した。
【0029】
第1ハウジングの温度を100℃に設定し、残りのハウジングを280℃とした。回転速度200rpm、スループット10kg/時間とし、大気によって脱気した。ストランドを水浴で冷却し切断して得られたグラニュールを120℃で24時間乾燥した。
【0030】
こうして製造した成形組成物を以下のように試験片に加工し、試験した。
加工
標準試験片をArburg社の射出成形機Allrounder 320-210-750Hydronicaモデルで製造した。成形組成物がPA 66を含まない場合、材料温度は275〜300℃とし、成形温度を80℃とした。成形組成物がPA 66を含む場合は材料温度300〜308℃、成形温度100℃とした。
【0031】
Ferromatik社の射出成形機K85 D-S/2Fモデルを用いてシリンダー温度270〜290℃、成形温度80〜100℃で「ビジターカードホルダー」を製造した。
試験
歪み:
歪みは、射出成形された「ビジターカードホルダー」(図1を参照のこと)を用いて測定した。14日間大気中(23℃、相対湿度50%)に貯蔵した後、幅を測定し、金型の寸法(キャビティーの幅:90.2mm)と比較した。
【0032】
引張弾性率
ISO 527、引張速度1mm/分
ISO試験バー、標準:ISO/CD 3167、A1タイプ、170×20/10×4mm、温度23℃
引張強度及び破断点伸び
ISO 527、引張速度50mm/分
ISO試験バー、標準:ISO/CD 3167、A1タイプ、170×20/10×4mm、温度23℃
シャルピー衝撃強度
ISO 179/1eU
ISO試験バー、標準:ISO/CD 3167、B1タイプ、80×10×4mm、温度23℃
シャルピー ノッチ衝撃強度
ISO 179/1eA
ISO試験バー、標準:ISO/CD 3167、B1タイプ、80×10×4mm、温度23℃
全ての試験片は「ビジターカードホルダー」とは別に乾燥状態で用いた。この目的のために試験片を射出成形後48時間室温で乾燥環境で貯蔵した。
実施例及び比較実施例
以下、略語は以下の通りである:
ABS:アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン−コポリマー
IPS:イソフタル酸(I)
LC−12:ラウリンラクタム
MACM:ビス−(4−アミノ−3−メチル−シクロヘキシル)メタン
PC:ポリカーボネート
TPS:テレフタル酸(T)
RV:相対粘度
実施例で用いた材料は以下の表1の通り:
【0033】
【表1】

【0034】
表2は本発明に従う実施例1〜5の組成物とそれらの歪みならびに機械的特性に関する試験結果を示す。
表3は本発明に従う実施例6〜10の組成物とそれらの歪みならびに機械的特性を示す。
【0035】
表4は比較実施例11〜16の組成物とそれらの試験結果を示す。
表5は比較実施例17〜19の組成物とそれらの試験結果を示す。
【0036】
【表2】

【0037】
【表3】

【0038】
【表4】

【0039】
【表5】

【0040】
本発明に従う実施例の成形組成物から製造された「ビジターカードホルダー」は、例外なく比較実施例の成形組成物で作られたものよりも低い歪みを示した。
11番のアモルファスPC/ABSブレンドベース(Bayblend T88-4N、Bayer AGの市販品)成形組成物で作られた試験片は比較実施例の中では最も低い歪みを示したが、しかしこれも本発明の成形組成物で作られた試験片よりはなお高い。
【0041】
比較実施例の成形組成物で作られた試験片(13〜16番、及び18番、19番)は部分的に結晶性ポリアミドをベースとするものであるが依然として著しく高い歪みを有していた。
【0042】
アモルファスポリアミドをベースとし、強化されただけの比較成形組成物で作られた試験片(12番及び17番)は、強化材料及び充填材を含む本発明の成形組成物よりも高い歪みを有していた。
【0043】
さらに比較実施例は高い引張弾性率を示すものの、概して高い歪みを伴っていた。
これに関連して成形組成物11番は比較実施例の中では最も低い歪みを示したが、引張弾性率も最低であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも40〜79重量%の透明ポリアミド;少なくとも15〜49重量%の繊維状強化材料;及び6〜30重量%の粒状充填材;及び必要に応じて、100重量%となるように、少なくとも1のさらなる添加剤(但し添加剤としてポリアミドオリゴマーを除く)を含む、ポリアミド成形組成物。
【請求項2】
40〜69重量%、好ましくは40〜55重量%の透明ポリアミド;25〜49重量%、好ましくは30〜49重量%の繊維状強化材料;及び6〜30重量%の粒状充填材;及び必要に応じて、100重量%となるように、少なくとも1のさらなる添加剤を含む、請求項1に記載のポリアミド成形組成物。
【請求項3】
少なくとも1の繊維状強化材料が、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、アラミド繊維、ウィスカー及びこれらの混合物からなる群より選択される、請求項1又は2に記載のポリアミド成形組成物。
【請求項4】
ガラス繊維の直径が5〜20μm、好ましくは5〜10μmである、請求項3に記載のポリアミド成形組成物。
【請求項5】
ガラス繊維が、円形、長円形または長方形の断面を有する、請求項3又は4に記載のポリアミド成形組成物。
【請求項6】
E−ガラスから作られたガラス繊維を含有する、請求項3〜5のいずれかに記載のポリアミド成形組成物。
【請求項7】
少なくとも1の粒状充填材がタルカム、マイカ、ケイ酸塩、石英、二酸化チタン、ウォラストナイト、カオリン、ケイ酸類、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、チョーク、粉砕又は沈殿させた炭酸カルシウム、石灰、長石、硫酸バリウム、永久磁石あるいは磁化可能な金属又はアロイ、ガラス玉、中空ガラス玉、中空球形ケイ酸塩充填材、及びこれらの混合物からなる群より選択される、請求項1〜6のいずれかに記載のポリアミド成形組成物。
【請求項8】
少なくとも1の透明ポリアミドが、ASTM D 1003-61に従って厚さ2mmのポリアミド板上で測定した光透過性が少なくとも70%、好ましくは少なくとも86%、さらに好ましくは少なくとも90%のポリアミドから選択される、請求項1〜7のいずれかに記載のポリアミド成形組成物。
【請求項9】
少なくとも1の透明アモルファスポリアミドが、ISO 1357-1/-2に従って示差走査型熱量計DSCにより加熱速度20℃/分で測定した融解熱がたかだか5J/g、好ましくはたかだか3J/g、さらに好ましくはたかだか1J/gのポリアミドから選択される、請求項1〜8のいずれかに記載のポリアミド成形組成物。
【請求項10】
透明ポリアミドが、各々少なくともポリアミド形成ジアミン及び/又はジカルボン酸及び/又はアミノ酸又はラクタムから得られたアモルファスポリアミドである、請求項1〜9のいずれかに記載のポリアミド成形組成物。
【請求項11】
ジアミンとして、6〜17の炭素原子を有する脂肪族及び/又は環状脂肪族ジアミン及び/又は6〜17の炭素を有する部分的に芳香族構造を有するジアミンから選択し、ジカルボン酸として、6〜12の炭素原子を有する脂肪族及び/又は芳香族ジカルボン酸から選択し、アミノ酸として、6〜12の炭素原子を有するα−、ω−アミノ酸から選択する、請求項9に記載のポリアミド成形組成物。
【請求項12】
ポリアミドが、PA,6I,PA 6I/6T,PA MXDI/6I,PA MXDI/MXDT/6I/6T,PA MXDI/12I/,PA MXDI,PA MACM12,PA MACMI/12,PA MACMI/MACMT/12, PA 6I/MACMI/12,PA 6I/6T/MACMI/MACMT,PA 6I/6T/MACMI/MACMT/12,PA MACM6/11,PA MACMI/MACM12,MACMベースのホモ−及び/又はコポリアミド(MACMは55モル%まで、好ましくは50モル%までのPACMで置き換えることができる)からなる群から選択される、請求項1〜11のいずれかに記載のポリアミド成形組成物。
【請求項13】
添加剤が、衝撃改良剤、結合剤、ハロゲン含有防炎剤、ハロゲンフリー防炎剤、安定剤、老化防止剤、酸化防止剤、耐オゾン剤、光防止剤、紫外線安定剤、紫外線吸収剤、紫外線防御剤、無機熱安定剤、有機熱安定剤、導電剤、カーボンブラック、光学ライトナー、加工助剤、核剤、結晶促進剤、結晶防止剤、流動助剤、滑剤、離型剤、柔軟剤、顔料、着色料、マーキング剤及びこれらの混合物から選択される、請求項1〜12のいずれかに記載のポリアミド成形組成物。
【請求項14】
ポリアミド成形組成物が合わせて21〜60重量%の繊維状強化材料と粒状充填材とを含有する、請求項1〜13のいずれかに記載のポリアミド成形組成物。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれかに記載のポリアミド成形組成物から製造された成形品。
【請求項16】
2.7%以下、特に2.3%以下の歪みを有する、請求項14に記載の成形品。
【請求項17】
8000MPa以上、特に10000MPa以上の引張弾性率を有する、請求項14又は15に記載の成形品。
【請求項18】
100MPa以上、特に140MPa以上の引張強度を有する、請求項14〜16のいずれかに記載の成形品。
【請求項19】
ポリアミド成形組成物が1.5%以上、特に2.0%以上の破断点伸びを有する、請求項14〜17のいずれかに記載の成形品。
【請求項20】
請求項1〜14のいずれかに記載のポリアミド成形組成物の、歪みのない成形品の製造のための使用。
【請求項21】
成形品が、繊維、フィルム、パイプ、中空体、又は射出成形、押出成形、引抜成形、射出吹込成形、又は他の成形技術からの他の半製品又は完成品からなる群から選択される、請求項20に記載の使用。

【公開番号】特開2008−19440(P2008−19440A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−180493(P2007−180493)
【出願日】平成19年7月10日(2007.7.10)
【出願人】(507233291)エムズ−ヒェミー・アクチェンゲゼルシャフト (6)
【Fターム(参考)】