説明

ポリイソシアヌレート発泡体の製造方法

【課題】 機械強度、寸法安定性、吸水性、断熱性、難燃性、及び生産性に優れ、さらには、面材との接着性にも優れ発泡ボードとして好適に用いることのできるポリイソシアヌレート発泡体の製造方法を提供する。
【解決手段】 ポリオール、無機層状材料、及び発泡剤を少なくとも含有するポリオール混合物と、イソシアネート組成物と、触媒とを含有する発泡体原料を発泡硬化させるポリイソシアヌレート発泡体の製造方法であって、発泡剤としてペンタンを用い、無機層状材料として層状シリケートを4級アンモニウム塩で処理した含水率20〜90質量%の有機化層状シリケートを用い、触媒として三量化触媒を含有するものを用い、ポリオール混合物として、発泡剤100質量部に対し、無機層状材料が5〜100質量部含有し、かつ、発泡体原料100質量部に対し、層状シリケートが0.1〜1.0質量部含有するように無機層状材料を配合したものを用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、断熱性及び寸法安定性に優れたポリイソシアヌレート発泡体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
各種ウレタンフォームのなかでも、ポリイソシアヌレート発泡体は、断熱性及び難燃性に優れ、かつ、高強度であることから、各種断熱材や建材パネル等に好適に利用されている。そして、難燃性及び断熱性に優れた発泡体が得られるということから、従来は、発泡剤としてトリクロロフルオロメタン等のクロロフルオロカーボン(フロン)が用いられてきた。
【0003】
しかしながら、このフロンは、成層圏におけるオゾン層の破壊および地球温暖化等の環境破壊物質であることから、その使用に制限が求められており、オゾン破壊係数が少なく、環境破壊の少ないHFC−365mfcや、HFC−245fa等の次世代フロンを発泡剤として用いたイソシアヌレート発泡体等のウレタンフォームが各種検討されている。また、近年オゾン層破壊の恐れがほとんどない、環境にやさしい発泡剤として、塩素原子を含有しない、シクロペンタン、イソペンタン、ノルマルペンタン等の炭化水素系の発泡剤が検討されている。
【0004】
一方、近年、無機材料である層状シリケートなどの無機層状材料を、ポリアミド等の樹脂にナノオーダーで分散させることにより、樹脂の耐熱性、あるいはガスバリア性が向上することが知られ、無機層状材料を用いた各種ウレタンフォームも知られている。
【0005】
しかし、ウレタンフォームの原料に無機層状材料を使用した場合、ウレタンフォーム中における無機層状材料の分散が不充分であると、発泡体のセル(気泡)が粗くなり、独立気泡率が低下して断熱性が劣るばかりでなく、得られるウレタンフォームは寸法変化、経時での圧縮強度の低下などが生じてしまうため、ウレタンフォーム中にナノオーダーにまで分散させる必要があるが、無機層状材料は凝集しやすく、沈殿しやすいものであり、ウレタンフォーム中にナノオーダーで分散させるためには、比較的手間や時間を要していた。
【0006】
そこで、これらの無機層状材料を、ウレタンフォーム中にナノオーダーで分散させるにあたり様々な検討がなされており、例えば、下記特許文献1には、イソシアネート組成物と、ポリオールと、整泡剤と、触媒と、発泡剤成分として炭素数が4〜6の炭化水素、水およびカルボン酸化合物のうちの少なくとも1種類を成分とする発泡剤と、有機オニウムイオン化合物によりカチオン交換された0.1〜1.5重量%の層状シリケートとを混合し、発泡硬化させることが開示されている。
【0007】
また、下記特許文献2には、4級アルキルアンモニウム塩で処理した層状シリケートをポリオールに分散させたポリオール混合物と、イソシアネート組成物と、水とを含有するウレタン組成物を、発泡硬化させることが開示されている。
【特許文献1】特開2003−48941号公報
【特許文献2】特開2004−339437号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献1、2に開示されているように、層状シリケートを4級アンモニウム塩などで有機親和処理することで、層状シリケートの層間が開きやすくなり、分散性が向上するが、分散は未だ不充分であり、得られる発泡体の吸水性、圧縮強度、寸法安定性が劣るものであった。
【0009】
前記の分散性を補うには、無機層状材料の添加を多くすることが考えられるが、ポリイソシアヌレート発泡体は、ウレタンフォームに比べ、面材との接着性が劣る傾向にあり、このポリイソシアヌレート発泡体に無機層状材料を添加した発泡体は、更に面材接着性に劣り、発泡ボードとして使用しにくいものであった。
【0010】
したがって、本発明の目的は、機械強度、寸法安定性、吸水性、断熱性、難燃性、及び生産性に優れ、さらには、面材との接着性にも優れ、発泡ボードとして好適に用いることのできるポリイソシアヌレート発泡体の製造方法を提供することにあることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するにあたって、本発明のポリイソシアヌレート発泡体の製造方法は、
ポリオール、無機層状材料、及び発泡剤を少なくとも含有するポリオール混合物と、イソシアネート組成物と、触媒とを含有する発泡体原料を発泡硬化させるポリイソシアヌレート発泡体の製造方法であって、前記発泡剤として、ペンタンを用い、前記無機層状材料として、層状シリケートを4級アンモニウム塩で処理した含水率20〜90質量%の有機化層状シリケートを用い、前記触媒として、三量化触媒を含有するものを用い、前記ポリオール混合物として、前記発泡剤100質量部に対し、前記無機層状材料が5〜100質量部含有し、かつ、前記発泡体原料100質量部に対し、層状シリケートが0.1〜1.0質量部含有するように前記無機層状材料を配合したものを用いることを特徴とする。
【0012】
無機層状材料として上記含水率の有機化層状シリケートを使用することで、得られる発泡体の断熱性、寸法安定性、難燃性などの諸物性を損なうことなく、更には、本来吸水性が劣りがちなポリイソシアヌレート発泡体の吸水性を低下させることがなく上記ポリオール混合物中における分散性を向上させることができるので、層状シリケートがナノオーダーで分散した機械強度に優れたポリイソシアヌレート発泡体を効率よく生産することができる。また、層状シリケートの層間が剥離しやすく、シリケート層が発泡体中に効率的に分散されることから、少量の添加量であっても、シリケートによる高い補強効果が得られ、従来問題視されていた、無機層状材料を配合することで生じがちであった面材との接着性不良を改善することができる。また更には、4級アンモニウム塩で処理した層状シリケートは、ポリエーテルポリオールとは極性が合わず、沈殿が生じることがあったが、上記含水有機化層状シリケートであれば、ポリオールとしてポリエーテルポリオールを使用した場合であっても沈殿が生じることがないので、幅広いポリオールに適応することができる。
【0013】
本発明のポリイソシアヌレート発泡体の製造方法においては、前記ポリオール混合物として、無機層状材料を前記ポリオールにあらかじめ分散させて分散溶液としたのち、この分散溶液を前記発泡剤に分散させたものを用いることが好ましい。これによれば、無機層状材料の分散効率が向上し、その結果、無機層状材料がナノオーダーで分散した発泡体を効率よく得ることができ、独立気泡タイプのウレタン系樹脂発泡体で多く見られる、発泡硬化直後からの収縮や経時での断熱性等の低下を改善することできる。
【0014】
また、前記ポリオール混合物として、前記発泡体原料100質量部に対し、前記発泡剤が3〜7質量部含有するものを用いることが好ましく、更にまた、ペンタンと水とのモル比で、ペンタン/水が、50/50〜90/10であるものを用いることが好ましい。これによれば、寸法安定性、断熱性、成形性、難燃性などに優れたポリイソシアヌレート発泡体とすることができる。
【0015】
また、前記無機層状材料として、前記層状シリケートと前記4級アンモニウム塩との質量比で、層状シリケート/4級アンモニウム塩が、75/25〜35/65であるものを用いることが好ましく、更にまた、前記有機化層状シリケートを、更にシランカップリング剤で処理したものを用いることが好ましい。これによれば、層状シリケートを層間剥離させやすく、ポリオール混合物中に層状シリケートを短時間でナノ分散させることができ、また、層状シリケートをポリオール混合物中に分散させる際においてチキソトロピー性の発現を抑制することができるので、イソシアネート組成物との混和性を損なうことがない。
【0016】
また、前記層状シリケートの有機化処理に用いる4級アンモニウム塩は、テトラアルキルアンモニウム塩であることが好ましい。これによれば、テトラアルキルアンモニウム塩で処理された層状シリケートは、層間剥離しやすく、ポリオール混合物中にナノ分散しやすい。
【0017】
また、前記発泡体原料として、更に分子内にモルホリン環を有する化合物を含有するものを用いることが好ましい。これによれば、面材との接着性に優れたポリイソシアヌレート発泡体を得ることができるので、発泡ボードなどとして好適に用いることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明のポリイソシアヌレート発泡体の製造方法によれば、機械強度、断熱性、寸法安定性、耐水性、難燃性などに優れたポリイソシアヌレート発泡体を効率的に得ることができる。また、こうして得られたポリイソシアヌレート発泡体は、従来の無機層状材料を使用したポリイソシアヌレート発泡体に見られた面材との接着性が改善されており、発泡ボード等に好適に好適に使用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明におけるポリイソシアヌレート発泡体とは、ポリオール混合物と、イソシアネート組成物と、触媒とを含有する発泡体原料を発泡硬化させて得られたものである。以下、本発明のポリイソシアヌレート発泡体の製造方法に用いる各成分について詳しく説明する。
【0020】
本発明のポリイソシアヌレート発泡体の製造方法において用いるイソシアネート組成物は、一般のウレタン系樹脂発泡体に使用することのできるものであれば特に限定はなく、具体的には、例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジメチルジフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート等が挙げられる。なかでも、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(クルードMDI)が好ましい。また、イソシアネート組成物は、単独で用いてもよく、2種以上の混合系として用いてもよく、更には、脂肪族ポリイソシアネート又は脂環族ポリイソシアネートと、芳香族ポリイソシアネート組成物とを、ポリオールを用いて反応させて得られたイソシアネート基末端プレポリマーや、イソシアネート組成物を三量体化させて得られたイソシアネート基を有するイソシアヌレート化合物等を混合して使用しても良い。
【0021】
本発明のポリイソシアヌレート発泡体の製造方法において用いるポリイソシアヌレート発泡体のポリオール混合物は、ポリオール、無機層状材料、及び発泡剤を少なくとも含有する混合物である。
【0022】
上記ポリオール混合物に用いるポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等を使用することができ、なかでも、ポリエステルポリオールを使用することが、後述する無機層状材料の分散性を向上させるため好ましい。そして、ポリエステルポリオールとしては、2官能以上の多官能性ポリオールと、多塩基酸とを縮合させて得られた、末端あるいは側鎖に水酸基を2個以上有する芳香族ポリエステルポリオールを用いることが好ましい。
【0023】
多官能性ポリオールとしては、1);エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等、又は、これらにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドのアルキレンオキサイド類を付加重合した化合物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の2官能ポリオール、2);トリメチロールプロパン、グリセリン等、又は、これらにアルキレンオキサイド類を付加重合した化合物等の3官能ポリオール、3);ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、糖類等、又は、これらにアルキレンオキサイド類を付加重合した化合物等の多官能ポリオール等が挙げられる。
【0024】
多塩基酸としては、オルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
【0025】
難燃性の観点からフタル酸と、2官能、3官能、あるいは多官能のアルコール類またはこれらのアルキレンオキサイド付加物の1種以上とを縮合させて得られたポリエステルポリオールが好ましく、テレフタル酸とジエチレングリコールとを縮合させて得られたポリエステルポリオールが特に好ましい。
【0026】
ポリオールの水酸基の含有量としては、2〜3個であることが好ましい。水酸基の含有量が2個以上であれば、得られるポリイソシアヌレート発泡体の寸法安定性が良好となり、また、4個より多いと面材との接着性が損なわれる虞れがあるので3個以下とすることが好ましい。
【0027】
ポリオールの水酸基価としては、100〜1,000[KOHmg/g]であることが好ましく、より好ましくは150〜400[KOHmg/g]である。水酸基価が上記範囲内であれば、得られるポリイソシアヌレート発泡体が剛直化しすぎず、また、軟弱になることがないので、面材との接着性が良好となり、発泡ボードとして好適なポリイソシアヌレート発泡体が得られる。
【0028】
ポリオールの粘度としては、10,000cps以下であることが好ましく、より好ましくは300〜1,500cpsである。粘度が10,000cps以下であれば、イソシアネート組成物との混和性を損なうことがないので、ポリイソシアヌレート発泡体を生産性よく製造することができる。
【0029】
上記ポリオール混合物に用いる無機層状材料としては、層状シリケートを4級アンモニウム塩で処理して得られた、含水率20〜90質量%の有機化層状シリケートを用いる。
【0030】
ここで、層状シリケートとは、厚さ約1nm、長さ約100〜500nmのシリケート層が積層された構造を有し、更に、シリケート層間に、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン等が存在している材料であって、水等の膨潤剤が上記カチオンと静電和(水和)することより、密に積層された状態から層間距離を広げて膨潤する性質を有するものである。層状シリケートの具体例としては、例えば、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロライト、ヘクトライト、サポナイト等のスメクタイト、バーミキュライト、ハロサイト、マイカ等が挙げられる。
【0031】
本発明では、層状シリケートの層間に存在するナトリウム、カリウム、あるいはカルシウムイオン等の交換可能なカチオンを、4級アンモニウムカチオンとイオン交換させた有機親和性を有する有機化層状シリケートを使用する。
【0032】
シリケート層表面の酸素原子は、水酸基、アミノ基あるいはカルボキシル基等の活性水素を有する官能基と水素結合を形成しやすいので、上記官能基を有する有機化合物を層状シリケートの層間に挿入(インターカレーション)することで、層状シリケートが膨潤(層間剥離)しやすくなる。したがって、上記処理を施した有機化層状シリケートは、層間の間隔を広げ易くなり、ポリオール中でナノ分散しやすくなる。
【0033】
そして、層状シリケートの有機化処理に用いる4級アンモニウム塩としては、テトラアルキルアンモニウム塩が好ましく、含まれる4個のアルキル基のうち、少なくとも1個は、メチル基、エチル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、あるいはオクタデシル基を含有する4級アルキルアンモニウム塩が特に好ましい。具体的には、ドデシルトリメチルアンモニウム塩、テトラデシルトリメチルアンモニウム塩、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム塩、オクタデシルトリメチルアンモニウム塩、ジオクタデシルジメチルアンモニウム塩、ジヘキサデシルジメチルアンモニウム塩、トリメチルステアリルアンモニウム塩、ジメチルステアリルアンモニウム塩等が挙げられ、トリメチルステアリルアンモニウム塩、ジメチルステアリルアンモニウム塩が特に好ましい。
【0034】
層状シリケートに対する4級アンモニウム塩の挿入又は付着量としては、層状シリケートと4級アンモニウム塩との質量比で、層状シリケート/4級アンモニウム塩が、75/25〜35/65であることが好ましく、より好ましくは65/35〜45/55である。
【0035】
4級アンモニウム塩の挿入又は付着量が上記質量比で25未満であると、有機親和性が乏しく、ポリオール混合物中に層状シリケートをナノオーダーにまで分散させるのに時間を要しがちで、生産性を損なったり、また、層状シリケートがナノオーダーまでの分散するに至らず、本発明の目的とする改善が発現しない場合がある。一方、4級アンモニウム塩の挿入又は付着量が上記質量比で65を超えると、シリケート層表面の金属カチオンは、4級アンモニウムカチオンと充分にイオン交換されているが、余剰の4級アンモニウム塩が残存することとなる場合があり、不経済となると共に耐熱性や断熱性が劣り好ましくない。
【0036】
また、有機化層状シリケートの含水率としては、20〜90質量%であることが必要であり、好ましくは40〜80質量%である。なお、この含水率は、例えば、有機化層状シリケートを105℃で質量変化がなくなるまで加熱し、加熱前の質量に対する加熱により減少した質量の割合を求めることにより得ることができる。
【0037】
層状シリケートを4級アンモニウム塩で処理することで、各シリケート層の層間が開きやすくなるが、含水量が低いと層間の開きが狭くなり、ポリオール混合物中に好適にナノ分散させるには、強制的な機械攪拌などが必要であるが、上記含水率の有機化層状シリケートであれば、層間剥離(膨潤)させ易く、ナノ分散させ易い。これは、層間に、4級アンモニウム塩の他に水分子が存在しているので層間の開きが広くなっており、このためポリオール分子やペンタン分子が層間に入り込んで層間剥離させ易く、また、この層間の水分子がイソシアネートと反応して層間を広げることから、ナノ分散し易くなっていると考えられる。
【0038】
そして、有機化層状シリケートの含水率は、20質量%未満であると、層状シリケートの分散性が劣りがちであり、層状シリケートをナノオーダーで分散させるのに時間や手間を要し、更には、ポリオールとしてポリエーテルポリオールを使用した場合、極性の違いから沈殿が生じることがあり、幅広いポリオールに適応することができない。また、含水率が90質量%を超えると、結果として層状シリケートをあまり配合できなくなるので、層状シリケートによる補強効果をほとんど得ることができず、更には水分多過の状態になりかねず、所定密度の発泡体が得られにくくなる。
【0039】
したがって、上記範囲の含水率の有機化層状シリケート(以下より「含水有機化層状シリケート」とする)であれば、幅広いポリオールに適応することができ、また、層状シリケートの分散性を向上させ、機械強度、断熱性、寸法安定性、難燃性、耐水性等の物性に優れたポリイソシアヌレート発泡体とすることができる。また、層状シリケートの分散性が高いことから、少量の添加量であっても、層状シリケートによる高い補強効果(機械強度向上、耐熱性向上、耐水性向上等)が得られ、結果として層状シリケートの配合量を減らすことができ、層状シリケート等の無機層状材料を配合することで生じがちであった面材との接着性不良を改善することができる。
【0040】
このような含水有機化層状シリケートは、例えば、層状シリケートを、適度の濃度の4級アンモニウム塩水溶液中に分散させ、膨潤させた状態で攪拌し、層間のNaイオンを4級アンモニウムイオンでイオン交換処理したのち、所定の含水量となるように、フィルタープレスする等の処理を行うことで得ることができる。
【0041】
本発明においては、上記含水有機化層状シリケートを、更にシランカップリング剤で処理したものを無機層状材料として使用することが好ましい。上記含水有機化層状シリケートを更にシランカップリング剤で処理することで、ポリオール混合物の粘度の上昇、粘性の変化、チキソトロピー性の発現によるポリオール混合物とイソシアネート組成物との混合液の流動性の低下を抑えることができる。
【0042】
このようなシランカップリング剤としては、特に限定されないが、例えば、1);N‐β(2‐アミノエチル)γ‐アミノプロピルトリメトキシシラン、N‐β(2‐アミノエチル)γ‐アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ‐アミンプロピルトリエトキシシラン、N‐フェニル‐γ‐アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン類、2);ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(β‐メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、3);γ‐メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアクリルシラン類、4);β‐(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ‐グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ‐グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等のエポキシシラン類、5);γ‐メルカプトプロピルトリメトキシシラン、あるいはγ‐クロロプロピルトリメトキシシラン等が例示できる。なかでも、本発明ではアミノシラン類を使用することがより好ましい。
【0043】
そして、シランカップリング剤の付着量としては、上記層状シリケートに対し0.05〜2質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜1質量%である。シランカップリング剤の付着量が0.05質量%未満であると、層状シリケートの凝集を抑制する効果が少なく、分散性をさほど向上させることができず、また、該付着量が2質量%を超えても、層状シリケートの凝集を抑制する効果はさほど向上しないので、経済的に好ましくない。
【0044】
そして、ポリオール混合物中における無機層状材料の含有量は、上記発泡体原料100質量部に対し、層状シリケートが0.1〜1.0質量部となるように、ポリオール混合物中に配合することが必要であり、好ましくは0.2〜1.0質量部である。0.1質量部未満であると、層状シリケートによる補強効果が乏しく、また、1.0質量部を超えると、得られる発泡体の面材に対する接着性が劣りかねない。
【0045】
上記ポリオール混合物に用いる発泡剤としては、ペンタンを用い、断熱性、寸法安定性により優れたポリイソシアヌレート発泡体が得られるという理由から、シクロペンタン、ノルマルペンタン、イソペンタンを用いることがより好ましい。
【0046】
また、ペンタンと水とのモル比で、ペンタン/水が、50/50〜90/10となるように、ポリオール混合物中に発泡剤を配合することが好ましく、より好ましくは70/30〜85/15である。ペンタンの割合が50未満であると、剛直な発泡体になりやすく、面材等との接着性の悪いものとなりやすい上に、断熱性が劣りやすく、更には、経時で発泡体が収縮しやすくなるので寸法安定性も劣りやすい。また、ペンタンの割合が90を超えると、ポリオール混合物とイソシアネート組成物とのウレタン反応において、充分な発熱が得られにくくなるため、ヌレート化が不充分となりがちであり、得られる発泡体の強度が低下しやすく、また、難燃性も劣りやすい。
【0047】
ここで、ポリオール混合物に含まれる水分は、上記無機層状材料が含有する水分で補うことができるので水の添加は特に不要ではあるが、ペンタンと水とのモル比を上記範囲で調整するのであれば、必要に応じて更に水を添加しても良い。
【0048】
そして、発泡剤の含有量は、上記発泡体原料100質量部に対し、3〜7質量部となるように、ポリオール混合物中に配合することが好ましく、より好ましくは4〜6質量部である。発泡剤の含有量が上記範囲内であれば、軽量で取り扱い性、施工性に優れ、かつ、断熱性に優れたイソシアヌレート発泡体を得ることができる。
【0049】
本発明においては、触媒は、ポリオール混合物とイソシアネート組成物とを混合する際に添加してもよく、また、あらかじめポリオール混合物中に含有させておいてもよい。
【0050】
触媒としては、三量化触媒を用い、反応速度や成形性を調整するため、必要に応じて泡化触媒や樹脂化触媒を組み合わせて用いても良い。
【0051】
三量化触媒としては、例えば、1);酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム等の金属酸化物類、2);メトキシナトリウム、エトキシナトリウム、プロポキシナトリウム、ブトキシナトリウム、メトキシカリウム、エトキシカリウム、プロポキシカリウム、ブトキシカリウム等のアルコキシド類、3);酢酸カリウム、オクチル酸カリウム、シュウ酸鉄等の有機金属塩類、4);2,4,6‐トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N,N’,N”‐トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロトリアジン、トリエチレンジアミン等の3級アミン類、5);エチレンイミンの誘導体、6);アルカリ金属、アルミニウム、遷移金属類のアセチルアセトンのキレート類、4級アンモニウム塩等が挙げられる。これらは、単独、又は2種以上を混合して使用することができ、なかでも、有機金属塩類や4級アンモニウム塩を使用することがより好ましい。
【0052】
また、泡化触媒としては、水とイソシアネート基との反応を促進する効果の高い触媒を用いることが好ましく、具体的には、N,N,N’,N’,N”‐ペンタメチルジエチレントリアミン、ビス(2‐ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N’‐トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N,N’,N”-トリス(3−ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−s−トリアジン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミンが好ましい。
【0053】
また、N‐メチルモルフォリン、N‐エチルモルフォリン、4,4’‐オキシジメチレンジモルフォリン、N,N‐ジメチルアミノエチルモルフォリン等の分子内にモルホリン環を有する化合物(以下「モルホリン系化合物」とする)は、得られる発泡体の表面特性を改質し、面材との接着性を向上できるという理由から、好ましく採用することができ、モルホリン系化合物としては、沸点が200℃以下であるものが好ましい。そして、モルホリン系化合物の含有量としては、発泡体原料の全量に対し0.04〜0.4質量%であることが好ましく、0.1〜0.3質量%であることがより好ましい。
【0054】
また、本発明においては、整泡剤、難燃剤、減粘剤、面材接着性向上剤、気泡微細化剤等の各種添加剤を用いることができ、これらの添加剤は、ポリオール混合物とイソシアネート組成物とを混合する際に添加してもよく、また、あらかじめポリオール混合物中に含有させておいてもよい。
【0055】
整泡剤としては、特に限定はなく、従来公知のノニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等が使用できる。そして、断熱性の観点から、発泡体の気泡径は小さいことが好ましいことより、気泡径が比較的小さくなる傾向の気泡核形成能の高い整泡剤が好ましい。このような整泡剤としては、例えば、GOLDSHMIT社から市販されている「TEGOSTAB−B8461」、「TEGOSTAB−B8474」、「TEGOSTAB−B8870」や、東レ・ダウコーニング社から市販されている「SF2938F」、「SF2939」等を好ましく利用できる。
【0056】
難燃剤としては、ポリリン酸アンモニウム、リン酸メラミン、トリフェニルホスフィン等のリン系化合物、メラミンシアヌレート、メラミン等のメラミン系化合物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水和物、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェノルホスフェート、クレジルジ2,6‐キシレニルホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(クロロプロピル)ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート等のリン酸エステル系化合物が挙げられるが、なかでも、リン酸エステル系化合物が好ましく、特に好ましくは、トリス(クロロプロピル)ホスフェート、トリエチルホスフェート、トリクレジルホスフェートである。
【0057】
減粘剤としては、従来公知のものが使用でき、グリコールエーテル類、又は、これらにアルキレンオキサイド類を付加重合した化合物、低分子アルコール類、低粘度のリン酸エステル類等が挙げられる。また、面材接着性向上剤としては、従来公知のものが使用でき、グリコールエーテル類、又は、これらにアルキレンオキサイド類を付加重合した化合物、低分子アルコール類、低粘度のリン酸エステル類等が挙げられる。また、気泡微細化剤としては、従来公知のものが使用でき、縮合度の小さなポリアルキルポリシロキサン、パーフロロ化合物等が挙げられる。
【0058】
本発明においては、上記ポリオール、無機層状材料、発泡剤を添加混合したものをポリオール混合物として用いるが、前記無機層状材料を前記ポリオールにあらかじめ分散させて分散溶液としたのち、この分散溶液を前記発泡剤に分散させたものを用いることが好ましい。このように無機層状材料をポリオール中に分散させることで、無機層状材料の分散効率が向上して、沈殿などの発生を抑制でき、無機層状材料がナノオーダーで分散した発泡体を生産性よく製造することができる。なお、前述したように、前記触媒、整泡剤、水、難燃剤、減粘剤、面材接着性向上剤、気泡微細化剤などをあらかじめポリオール混合物に添加して用いることもできる。
【0059】
そして、本発明のポリイソシアヌレート発泡体の製造方法においては、上記イソシアネート組成物と、上記ポリオール混合物と、ポリオール混合物中に触媒を添加しない場合においては更に触媒とを、例えば汎用の高圧発泡機などを用い、衝突混合して混合液とし、該混合液を所定の寸法の金型などに入れて発泡硬化させる。イソシアネート組成物と、ポリオール混合物との混合比としては、イソシアネートインデックスが150〜450となるように混合することが好ましい。
【0060】
イソシアネートインデックスが150未満であると、ヌレート環の生成が少なくなりがちで、得られるポリイソシアヌレート発泡体の強度が不充分で、難燃性が劣りやすくなり、また、450を超えると、発泡体が剛直になりすぎて面材との接着性が劣り、硬化が不充分となったり、ボイドやしわ等が生じやすく成形性が劣るので、発泡ボード等として使用しにくいものとなりがちである。
【0061】
金型などの成形容器の温度としては、40〜85℃であることが好ましく、より好ましくは55〜70℃である。発泡硬化温度が40℃未満で乏しく、85℃を超えると発泡体の表面が粗くなり、外観が劣るばかりでなく、面材との接着性が劣り好ましくない。
【0062】
こうして得られたポリイソシアヌレート発泡体は、密度が27〜40kg/mで、熱伝導率が19〜22mW/mKで、独立気泡率が90%以上で、圧縮強度が1.5kg/cm以上であり、高い断熱性を有するものである。そして、経時で発泡体が収縮することがないので寸法安定性にも優れており、更には、ボイドやしわなどの発生が極めて少ないため、成形性の良いものでもある。また、面材などとの接着性も良好であることから、その外周に面材を貼り付けて発泡ボードとして好適に用いることができる。
【0063】
面材としては、断熱性や接着性などの観点から、ポリイソシアヌレート発泡体と当接する面にポリエチレン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂層を有し、かつ、アルミニウム層を少なくとも1層以上有するものであることが好ましく、樹脂層と、アルミニウム層との間には、クラフト紙、不織布、織布等の繊維層を介在させたものがより好ましい。
【0064】
また、アルミニウム層の厚みは、合計して3〜40μmであることが好ましく、より好ましくは9〜40μmである。3μm以上であれば、断熱性を向上させることができる。なお、アルミニウム層の厚みは40μmよりも大きくしても、コストや重量が増加するばかりで、さほど効果は向上しないため、40μm以下とすることが好ましい。
【実施例】
【0065】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
【0066】
[ポリイソシアヌレート発泡体の製造]
各原料を表1に示した割合で混合し、ラボミキサーを用いて、回転数5000rpmにて5秒間攪拌した。その後、上下面にポリエチレン樹脂塗膜の形成された面材が設置され65℃に加温された、内寸法500mm×500mm×48mmのサイド部開放アルミ製のモールドにこの混合液(発泡体原料)を注入し6分後脱型して、実施例1〜7、比較例1〜6のポリイソシアヌレート発泡体を得た。なお、無機層状材料としては、表2に示すものを用いた。






【0067】
【表1】

【0068】
【表2】

【0069】
[評価項目]
(熱伝導率)
JIS A 1412に準拠した方法で行い、平均温度20℃にて発泡体の熱伝導率を測定した。
【0070】
(粘度)
ポリオール混合物の25℃における粘度を測定し、1500cps未満であれば◎、1500〜3000cpsであれば○、3000〜5000cpsであれば△、5000cpsを超えれば×とした。
【0071】
(吸水性)
ポリイソシアヌレートを100mm×100mm×25mmに調整したものを試験片として用い、この試験片を水中浸漬させた。24時間経過後、水中から試験片を取出し、充分水気を除去させた後、水中浸漬前後の重量変化を計測し、1.0g未満であれば◎、1.0〜1.5gであれば○、1.5〜2.0gであれば△、2.0gを超えれば×とした。
【0072】
(寸法安定性)
JIS A 9511に準拠した方法で行い、発泡体の湿熱条件(温度;60℃、湿度;95%)における厚み方向の寸法変化率を測定した。寸法変化率が1%未満であれば◎、1〜2%であれば○、2〜3%であれば△、3%を超えれば×とした。
【0073】
(圧縮強度)
JIS A 9511に準拠した方法で行い、発泡体の破断時の強度を測定し、1.8kg/cmを超えれば◎、1.5〜1.8kg/cmであれば○、1.2〜1.5kg/cmであれば△、1.2kg/cm未満であれば×とした。
【0074】
(面材接着性)
得られた試験体の面材に、100mm×100mm角の切り目を入れ、その面材の一辺を発泡体から5mm剥離させ、剥離した部分にクリップを取付けた。その後、クリップを、面材の垂直方向に引張り、発泡体から、面材を剥離させ、その時の最大荷重を測定した。最大荷重が2.0kgを超えれば◎、1.5〜2.0kgであれば○、1.2〜1.5kgであれば△、1.2kg未満であれば×とした。
【0075】
実施例1〜7、比較例1〜6のポリイソシアヌレート発泡体について上記試験を行い、結果を表3にまとめて記す。














【0076】
【表3】

【0077】
上記結果より、無機層状材料として、含水率が20〜90質量%の範囲を外れる有機化層状シリケートを用いた比較例1〜3のポリイソシアヌレート発泡体は、圧縮強度や寸法安定性の劣るものであった。
【0078】
また、発泡剤100質量部に対する無機層状材料の割合が100質量部を超えるポリオール混合物を用いた比較例4、及び発泡体原料100質量部に対する層状シリケートの割合が1.0質量部を超える比較例2、6のポリイソシアヌレート発泡体は、ポリオール混合物の粘度が高く、取り扱い性の悪いものであり、また、面材との接着性の劣るものであった。
【0079】
また、発泡剤100質量部に対する無機層状材料の割合が5質量部未満であるポリオール混合物を用いた比較例5のポリイソシアヌレート発泡体は、圧縮強度、寸法安定性、吸水性の劣るものであった。
【0080】
一方、本発明のポリオール混合物を使用して得られた実施例1〜7のポリイソシアヌレート発泡体は、寸法安定性、断熱性、吸水性、圧縮強度、面材との接着性など物性に優れたものであった。なかでも、無機層状材料として、4級アンモニウム塩で処理した後、シランカップリング剤で処理したものを用いた実施例1、2の発泡体は、ポリオール混合物の粘度が低く、取り扱い性の優れたものであり、また、ボイドの少ないポリイソシアヌレート発泡体であった。そして、分子内にモルホリン環を有する化合物を更に使用した実施例1のポリイソシアヌレート発泡体は、面材との接着性に優れたものであり、発泡ボードとして特に好適に用いることのできるものであった。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明のポリイソシアヌレート発泡体は、環境負荷の少ない断熱材として利用でき、住宅用パネル等の建材として好適に用いることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオール、無機層状材料、及び発泡剤を少なくとも含有するポリオール混合物と、イソシアネート組成物と、触媒とを含有する発泡体原料を発泡硬化させるポリイソシアヌレート発泡体の製造方法であって、
前記発泡剤として、ペンタンを用い、
前記無機層状材料として、層状シリケートを4級アンモニウム塩で処理した含水率20〜90質量%の有機化層状シリケートを用い、
前記触媒として、三量化触媒を含有するものを用い、
前記ポリオール混合物として、前記発泡剤100質量部に対し、前記無機層状材料が5〜100質量部含有し、かつ、前記発泡体原料100質量部に対し、層状シリケートが0.1〜1.0質量部含有するように前記無機層状材料を配合したものを用いることを特徴とするポリイソシアヌレート発泡体の製造方法。
【請求項2】
前記ポリオール混合物として、前記無機層状材料を前記ポリオールにあらかじめ分散させて分散溶液としたのち、この分散溶液を前記発泡剤に分散させたものを用いる請求項1に記載のポリイソシアヌレート発泡体の製造方法。
【請求項3】
前記ポリオール混合物として、前記発泡体原料100質量部に対し、前記発泡剤が3〜7質量部含有するものを用いる請求項1又は2に記載のポリイソシアヌレート発泡体の製造方法。
【請求項4】
前記ポリオール混合物として、ペンタンと水とのモル比で、ペンタン/水が、50/50〜90/10であるものを用いる請求項1〜3のいずれか一つに記載のポリイソシアヌレート発泡体の製造方法。
【請求項5】
前記無機層状材料として、前記層状シリケートと前記4級アンモニウム塩との質量比で、層状シリケート/4級アンモニウム塩が、75/25〜35/65であるものを用いる請求項1〜4のいずれか一つに記載のポリイソシアヌレート発泡体の製造方法。
【請求項6】
前記無機層状材料として、前記有機化層状シリケートを更にシランカップリング剤で処理したものを用いる請求項1〜5のいずれか一つに記載のポリイソシアヌレート発泡体の製造方法。
【請求項7】
前記層状シリケートの有機化処理に用いる4級アンモニウム塩は、テトラアルキルアンモニウム塩である請求項1〜6のいずれか一つに記載のポリイソシアヌレート発泡体の製造方法。
【請求項8】
前記発泡体原料として、更に分子内にモルホリン環を有する化合物を含有するものを用いる請求項1〜7のいずれか一つに記載のポリイソシアヌレート発泡体の製造方法。

【公開番号】特開2007−39538(P2007−39538A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−224559(P2005−224559)
【出願日】平成17年8月2日(2005.8.2)
【出願人】(000116792)旭ファイバーグラス株式会社 (101)
【Fターム(参考)】