説明

ポリイソシアネート組成物および該組成物を用いた硬質ポリウレタンフォームの製造方法

【課題】−5℃という超低温雰囲気下における貯蔵安定性に優れ、且つ、例えば−5℃という超低温の被着体に対する接着力にも優れた硬質ポリウレタンフォームを製造することが可能なポリイソシアネート組成物、および、該ポリイソシアネート組成物を使用して行う硬質ポリウレタンフォームの製造方法を提供する。
【解決手段】 ポリメリックMDI、特定のポリエーテルモノオール、シリコーン系整泡剤、並びにジアルキルグリコールエーテルから構成されるポリイソシアネート組成物を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリイソシアネート組成物および該組成物を用いた硬質ポリウレタンフォームの製造方法に関する。更に詳しくは、例えば−5℃という超低温雰囲気下における貯蔵安定性に優れ、且つ、例えば−5℃という超低温の被着体に対する接着力にも優れた硬質ポリウレタンフォームを供することが可能なポリイソシアネート組成物、および、該ポリイソシアネート組成物を使用して行う硬質ポリウレタンフォームの製造方法に関する。
なお、本発明において、「硬質ポリウレタンフォーム」とは、特に断らない限り「イソシアヌレート変性ポリウレタンフォーム」を含む概念である。
【背景技術】
【0002】
従来、硬質ポリウレタンフォームは、冷蔵庫、冷凍倉庫、建築材料等の断熱材として、また、スプレー用途として広範囲に使用されている。
【0003】
硬質ポリウレタンフォームを製造する際のポリイソシアネートとしては、ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、「MDI」と略記。)とMDI系多核縮合体とを包含するポリメリックMDI(ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート)が使用されている。
【0004】
一方、硬質ポリウレタンフォームを製造する際の発泡剤としては、オゾン層破壊を防止するなどの観点から、従来多用されていた1,1−ジクロロ−1−フルオロエタンなどの(ハイドロ)クロロフルオロカーボン類に代えて、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(以下、「HFC−245fa」と略記。)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(以下、「HFC−365mfc」と略記。)などのハイドロフルオロカーボン類が使用され始めている。
【0005】
また、前述と同じような観点から、発泡剤として水のみを使用する(完全)水発泡処方の硬質ポリウレタンフォームも紹介されている。
【0006】
しかしながら、発泡剤として使用されるハイドロフルオロカーボン類および水は、従来の(ハイドロ)クロロフルオロカーボン類と比較してウレタン原料(イソシアネート組成物およびポリオール組成物)との均一混合性(相溶性・分散性)に劣るという問題がある。発泡剤とウレタン原料との均一混合性(相溶性・分散性)が低いと、反応性や発泡効率(高密度化)が低下し、製造されるフォームにおいて、表面の仕上がり不良、強度の低下、寸法安定性の低下、セル粗れによる断熱性の低下などを招来するほか、被着体(躯体)に対するフォームの接着力が低下するという問題を生じる。
【0007】
また、水発泡処方による硬質ポリウレタンフォームは、被着体に対して十分な接着力を有するものではない。
【0008】
ここに、被着体に対する接着力の低下は、低温環境下で行われる吹き付け施工(スプレー施工)において特に問題となる。この被着体に対する接着力の低下は、例えば−5℃という超低温の被着体に対して顕著に現れ、この解決が特に求められている。
【0009】
硬質ポリウレタンフォームの被着体に対する接着性の向上等を図る方法として、例えば、次のような方法が紹介されている。
(1)数平均分子量150〜10,000、末端に炭素数3以上の1価の有機基を有し、オキシプロピレン基を70質量%以上含有する水酸基含有ポリエーテルをイソシアネートと反応させたイソシアネート基末端プレポリマーを用いる方法(特許文献1参照)。
(2)特定要件を満たす活性水素基含有ポリエーテルと、特定要件を満たす活性水素基含有ポリシロキサン−ポリエーテル共重合体を各々イソシアネートと反応させたイソシアネート基末端プレポリマーを用いる方法(特許文献2参照)。
(3)特定要件を満たす活性水素基非含有ポリエーテル及び/又は特定要件を満たす活性水素基非含有ポリシロキサン−ポリエーテル共重合体をイソシアネートに導入する方法(特許文献3参照)。
(4)特定要件を満たす活性水素基含有ポリシロキサン−ポリエーテル共重合体をイソシアネートに導入する方法(特許文献4参照)。
(5)炭素数3〜50の活性水素基含有炭化水素系化合物及び/又は炭素数3〜50の活性水素基含有ハロゲン化炭化水素系化合物をイソシアネートと反応させたイソシアネート基末端プレポリマーを用いる方法(特許文献5参照)。
(6)活性水素基含有脂肪酸エステル及び/又は活性水素基含有脂肪酸アミド化合物をイソシアネートと反応させたイソシアネート基末端プレポリマーを用いる方法(特許文献6参照)。
(7)スルホ基もしくはスルホナト基を分子構造中に有するポリエステルポリオールと、ポリエーテルモノオールを、各々イソシアネートと反応させたイソシアネート基末端プレポリマーに、さらにシリコーン系整泡剤を導入する方法(特許文献7参照)。
【0010】
しかしながら、上記(1)〜(7)の方法を含め、従来公知の方法では、例えば−5℃という超低温の被着体に対しては、十分に高い接着力を有する硬質ポリウレタンフォームを製造することはできない。
【0011】
また、硬質ポリウレタンフォームを製造する際に用いられるポリイソシアネートには、施工現場におけるポリイソシアネートの貯蔵安定性も併せて要求される。従って、前述の接着性の向上と併せて、例えば−5℃という超低温雰囲気下における貯蔵安定性をも得る必要がある。
【0012】
【特許文献1】特開2002−322231号公報
【特許文献2】特開2002−356530号公報
【特許文献3】特開2002−356532号公報
【特許文献4】特開2002−356533号公報
【特許文献5】特開2002−356534号公報
【特許文献6】特開2002−356535号公報
【特許文献7】特開2005−213306号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は以上のような背景に基づいてなされたものである。
【0014】
本発明の第1の目的は、例えば−5℃という超低温の被着体に対して良好な接着性を有し、しかも、形状安定性に優れた硬質ポリウレタンフォームを得ることが可能なポリイソシアネート組成物を提供することにある。
【0015】
本発明の第2の目的は、例えば−5℃という超低温雰囲気下においても貯蔵安定性に優れた硬質ポリウレタンフォーム製造用ポリイソシアネート組成物を提供することにある。
【0016】
本発明の第3の目的は、ハイドロフルオロカーボン類および/または水を発泡剤とする発泡処方において、−5℃という超低温の被着体に対して良好な接着性を有し、しかも、所望される機械物性等に優れた硬質ポリウレタンフォームの製造方法を提供することにある。
【0017】
本発明の第4の目的は、スプレー方式によっても前述のような優れた性能を有する硬質ポリウレタンフォームの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
これらの一連の課題を解決する(目的を達成する)ために、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、特定の構成からなる硬質ポリウレタンフォーム製造用ポリイソシアネート組成物とすることが解決する手段として非常に有効であることを見出し、本発明に至った。
【0019】
すなわち、本発明は次の(1)〜(4)のとおりである。
【0020】
(1) (A1)ジフェニルメタンジイソシアネート異性体混合物(a1d)を20〜80質量%、3核体以上のジフェニルメタンジイソシアネート系多核縮合体(a1p)が80〜20質量%(但し、(a1d)+(a1p)=(A1)として100質量%)であるポリメリックMDI、
(A2)数平均分子量150〜10,000のポリエーテルモノオール、
(A3)水酸基を含有していてもよいシリコーン系整泡剤、および
(A4)以下に示す一般式(1)で表される化合物を反応及び混合して得られるポリイソシアネート組成物であって、
(A1)=98.95〜88.0質量%、
(A2)=0.5〜5質量%、
(A3)=0.05〜2.0質量%、および
(A4)=0.5〜5.0質量%
(但し、(A1)+(A2)+(A3)+(A4)=組成物全体として100質量%)であることを特徴とする、硬質ポリウレタンフォーム製造用ポリイソシアネート組成物。
【0021】
【化1】

【0022】
(2) (A1)4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4′−MDI)が、60〜95質量%、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート以外のジフェニルメタンジイソシアネート異性体(異性体MDI)が5〜40質量%からなるジフェニルメタンジイソシアネート異性体混合物(a1d)を20〜80質量%、3核体以上のジフェニルメタンジイソシアネート系多核縮合体(a1p)が80〜20質量%(但し、(a1d)+(a1p)=(A1)として100質量%)であるポリメリックMDI、
(A2)数平均分子量150〜10,000のポリエーテルモノオール
(A3)水酸基含有シリコーン系整泡剤、および
(A4)ジエチレングリコールジメチルエーテルを反応及び混合して得られるポリイソシアネート組成物であって、
(A1)=98.95〜88.0質量%、
(A2)=0.5〜5質量%、
(A3)=0.05〜2.0質量%、および
(A4)=0.5〜5.0質量%、
(但し、(A1)+(A2)+(A3)+(A4)=組成物全体として100質量%)
であることを特徴とする、硬質ポリウレタンフォーム製造用ポリイソシアネート組成物。
【0023】
(3) (1)又は(2)に記載のポリイソシアネート組成物と、ポリオール(B)とを、発泡剤(C)、触媒(D)および整泡剤(E)の存在下に反応させる硬質ポリウレタンフォームの製造方法であって、前記発泡剤(C)として、ハイドロフルオロカーボンおよび/または水を使用することを特徴とする、硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
【0024】
(4) (3)に記載の硬質ポリウレタンフォームの製造方法であって、スプレー方式により被着体上に硬質ポリウレタンフォーム形成することを特徴とする、硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
【発明の効果】
【0025】
本発明のポリイソシアネート組成物を用いることにより、例えば−5℃という超低温の被着体に対しても良好な接着性を有し、且つ、形状安定性に優れた硬質ポリウレタンフォームを製造することができる。
【0026】
また、本発明のポリイソシアネート組成物は例えば−5℃という超低温雰囲気下においても貯蔵安定性に優れていることから、例えば−5℃という超低温雰囲気下にある施工現場において、硬質ポリウレタンフォーム製造用ポリイソシアネート組成物の安定供給が可能である。
【0027】
これらの優れた効果はさらに、ハイドロフルオロカーボン類および/または水を発泡剤とする発泡処方において、−5℃という超低温の被着体に対して良好な接着性を有し、しかも、所望される機械物性等に優れた硬質ポリウレタンフォームフォームの製造方法を提供することが可能である。
【0028】
とりわけ、スプレー方式により被着体上に硬質ポリウレタンフォームを形成させる場合、例えば−5℃という超低温雰囲気下での施工においても、所望される硬質ポリウレタンフォームを得ることが十分可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明をさらに詳細に説明する。
【0030】
本発明のポリイソシアネート組成物は、(A1)2核体であるジフェニルメタンジイソシアネート異性体混合物(以下「MDI」と略記。)(a1d)が20〜80質量%、3核体以上のジフェニルメタンジイソシアネート系多核縮合体(以下「MDI系多核縮合体」と略記。)(a1p)が80〜20質量%(但し、(a1d)+(a1p)=(A1)として100質量%)であるポリメリックMDI、(A2)数平均分子量150〜10,000のポリエーテルモノオール、(A3)水酸基を含有していてもよいシリコーン系整泡剤、および(A4)以下に示す一般式(1)で表される化合物からなり、
(A1)=98.95〜88.0質量%、
(A2)=0.5〜5質量%、
(A3)=0.05〜2.0質量%、および
(A4)=0.5〜5.0質量%
(但し、(A1)+(A2)+(A3)+(A4)=組成物全体として100質量%)
で構成される。
【0031】
【化2】

【0032】
<ポリメリックMDI(A1)>
本発明のポリイソシアネート組成物を構成するポリメリックMDI(A1)は、MDI(a1d)が20〜80質量%、MDI系多核縮合体(a1p)が80〜20質量%からなる混合物(ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート)である。なお、MDI(a1d)とMDI系多核縮合体(a1p)との合計は、ポリメリックMDI(A1)として100質量%である。
【0033】
本発明のポリイソシアネート組成物を構成するポリメリックMDI(A1)は、ポリイソシアネート組成物全体を100質量%とした場合、88.0〜98.95質量%の範囲内で用いられる。
【0034】
ポリメリックMDI(A1)は、アニリンとホルマリンとの縮合反応によって得られる縮合混合物(ポリアミン)のアミノ基を、ホスゲン化等によりイソシアネート基に転化することによって得ることができ、縮合時の原料組成比や反応条件を変更することによって、最終的に得られるポリメリックMDIの組成(核体分布や異性体構成比)を制御することができる。
【0035】
本発明に用いられるポリメリックMDI(A1)は、イソシアネート基への転化後の反応液、反応液から溶媒の除去、一部MDIを留出分離した缶出液等の、反応条件や分離条件等の異なった数種の混合物であってもよい。また、市販のポリメリックMDIにMDI(a1d)を混合したものであってもよい。
【0036】
ポリメリックMDI(A1)におけるMDI(a1d)の割合は20〜80質量%の範囲であり、好ましくは25〜75%の範囲、中でも、ポリメリックMDI(A1)における液状での貯蔵安定性の保持、また、硬質ポリウレタンフォーム形成時における良好な作業性を具備するとの観点から、26〜70%の範囲であることがとりわけ好ましい。ここで、MDI(a1d)の割合はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるMDIのピーク面積比から求める割合である。ポリメリックMDI(A1)におけるMDI(a1d)の割合が80%を超えた場合、MDI(a1d)に起因する結晶の析出が生じる等、ポリメリックMDIの貯蔵安定性の面で不具合が生じる可能性が高くなる傾向にある。一方、この割合が20%未満である場合、ポリメリックMDIの粘度が過度に高くなり、混合不良が生じる等作業性の面で不具合が生じる可能性が高くなる傾向にある。
【0037】
2核体であるMDI(a1d)は、4,4′−MDIと、2,2′−MDIと、2,4′−MDIとの3種類の異性体により構成されている。本発明においては、これらの異性体の構成比は特に限定はないが、前記にて示した−5℃よりさらに過酷な条件下、例えば−20℃といった過酷な低温雰囲気条件下でも優れた貯蔵安定性を具備する(結晶等が析出しない)との観点から、4,4′−MDI含有割合が60〜95%の範囲であることが好ましい。なお、異性体の構成比はGC(ガスクロマトグラフィー)によって得られる各ピークの面積百分率を基に、検量線から求めることができる。
【0038】
ポリメリックMDI(A1)の平均官能基数は、2.2以上であることが好ましく、更に好ましくは2.2〜3.1とされる。
【0039】
ポリメリックMDI(A1)のイソシアネート基含有量は、28〜33質量%であることが好ましく、更に好ましくは28.5〜32.5質量%とされる。
【0040】
ポリメリックMDI(A1)の酸度は0.001〜0.2質量%であることが好ましく、更に好ましくは0.003〜0.15質量%とされる。これにより、得られるポリイソシアネート組成物の貯蔵安定性と好適な反応性とが確保される。なお、「酸度」とは、室温でアルコールと反応し遊離する酸成分を塩化水素に換算して示した値をいい、JIS K−1603によって測定される。
【0041】
<ポリエーテルモノオール(A2)>
本発明に用いられる数平均分子量150〜10,000のポリエーテルモノオール(A2)は、本発明のポリイソシアネート組成物に、発泡剤(特に、ハイドロフルオロカーボン類および/または水からなる発泡剤)との均一混合性を付与する成分であり、ポリイソシアネート組成物全体を100質量%とした場合、0.5〜5質量%の範囲内で用いられる。数平均分子量150〜10,000のポリエーテルモノオール(A2)は、下記の一般式(2)で表すことができる。
【0042】
【化3】

【0043】
該一般式(2)において、有機基(R)は、炭素原子および水素原子以外の原子を有していてもよく、また側鎖の有無は問わない。また、複数存在するアルキレンオキサイド基−(RO)−は、同一であっても、異なっていてもよい。
【0044】
ポリエーテルモノオール(A1)は、1個の水酸基を有する化合物(ROH)を開始剤として、これにアルキレンオキサイドなどの環状エーテルを付加することにより得ることができる。
【0045】
開始剤として使用するROHで示される化合物としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、2−エチルヘキシルアルコール、フェノール、ベンジルアルコール、N−メチル−N−エチルアミノアルコール、N,N−ジエチルアミノアルコールなどを例示することができる。
【0046】
また、開始剤に付加されるアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどを挙げることができる。好ましくは、プロピレンオキサイサイドが全アルキレンオキサイド中80モル%以上のものである。
【0047】
本発明に用いられるポリエーテルモノオール(A2)の数平均分子量は150〜10,000であり、中でも150〜5,000であることが好ましい。ポリエーテルモノオール(A2)の数平均分子量が過小である場合には、発泡剤(特に、ハイドロフルオロカーボン類および/または水からなる発泡剤)との均一混合性の向上効果を十分に発揮することができなくなる可能性がある。一方、ポリエーテルモノオール(A2)の数平均分子量が過大である場合には、得られるポリイソシアネート組成物の粘度が高くなり、作業性の低下を招く可能性がある。
【0048】
ポリエーテルモノオール(A2)として好ましい化合物の一例を示せば、末端基(RO−)として炭素数4〜12のアルコキシ基を有し、繰り返し単位〔−(RO)n−〕としてオキシエチレン基および/またはオキシプロピレン基を有し、数平均分子量が500〜1000であるポリ(オキシエチレン)モノオール、ポリ(オキシプロピレン)モノオール、ポリ(オキシエチレン−オキシプロピレン)共重合体系モノオールを挙げることができる。さらに好ましい態様としては、オキシプロピレンとオキシエチレンとの比が、オキシプロピレン/オキシエチレン=0.5以上である。
【0049】
なお、本発明のポリイソシアネート組成物において、数平均分子量150〜10,000のポリエーテルモノオール(A2)は前記のポリメリックMDI(A1)におけるイソシアネート基の一部と反応した形態で存在しても良く、また、イソシアネート基とは反応しないまま均一混合された形態で存在しても良い。
【0050】
<シリコーン系整泡剤(A3)>
本発明のポリイソシアネート組成物を構成する水酸基を含有していてもよいシリコーン系整泡剤(A3)としては、特に限定されるものではなく、硬質ポリウレタンフォーム用の整泡剤として従来公知のもの(ジメチルポリシロキサンおよびポリシロキサン−ポリエーテル共重合体)を全て使用することができる。
【0051】
シリコーン系整泡剤(A3)としては、公知のシリコーン系界面活性剤が挙げられ、例えば東レ・ダウコーニング製のL−5340、L−5420、L−5421、L−5740、L−580、SZ−1142、SZ−1642、SZ−1605、SZ−1649、SZ−1919、SH−190、SH−192、SH−193、SF−2945F、SF−2940F、SF−2936F、SF−2938F、SRX−294A、信越化学工業製のF−305、F−341、F−343、F−374、F−345、F−348、ゴールドシュミット製のB−8404、B−8407、B−8465、B−8444、B−8467、B−8433、B−8466、B−8870、B−8450、B−8460等が挙げられる。
【0052】
本発明においては、シリコーン系整泡剤(A3)の一部または全部として、水酸基を含有するポリシロキサン−ポリエーテル共重合体(以下、「水酸基含有シリコーン」という。)を使用することが好ましい。この場合、水酸基含有シリコーン系整泡剤を含有してなる本発明のポリイソシアネート組成物によれば、発泡剤との均一混合性(特に、ハイドロフルオロカーボン類および/または水からなる発泡剤との相溶性,組成物中における発泡剤の分散性)の更なる向上を図ることができる。
【0053】
水酸基含有シリコーンは、ジメチルポリシロキサン構造と、ポリオキシアルキレン構造(ポリエーテル構造)とからなるブロック共重合体であって、分子構造中に水酸基を有する化合物である。
【0054】
水酸基含有シリコーンの平均官能基数(1分子中に有する水酸基の平均の数)は1〜10であることが好ましく、更に好ましくは1〜5、特に好ましくは1〜2とされる。平均官能基数が大きすぎる場合には、得られるポリイソシアネート組成物の粘度が高くなって、発泡時の作業性が低下しやすい。
【0055】
水酸基含有シリコーンの数平均分子量は500〜20,000であることが好ましく、更に好ましくは1,000〜18,000とされる。数平均分子量が過大であるものは、粘度が高くて取扱性に劣る。
【0056】
水酸基含有シリコーンの水酸基価は3〜300mgKOH/gであることが好ましく、更に好ましくは5〜150mgKOH/gとされる。水酸基価が過小であるものは、粘度が高くて取扱性に劣り、また、形成されるフォームが十分な強度を有するものとならない。一方、水酸基価が過大である場合は、得られるポリイソシアネート組成物が、発泡剤との均一混合性を十分に向上させることができない。
【0057】
なお、水酸基を含有していてもよいシリコーン系整泡剤(A3)は、本発明のポリイソシアネート組成物を100質量%とした場合0.05〜2.0質量%の範囲で用いられるが、好ましくは0.1〜1.0質量%の範囲、中でも、本発明のポリイソシアネート組成物の液粘度を具備する(過剰導入による粘度上昇の回避)、また、ハイドロフルオロカーボン類との均一混合整(相溶性)を具備する(僅かな導入ではこの効果が得られない)との観点から、0.2〜1.0質量%の範囲で用いられるのが特に好ましい。
【0058】
<以下に示す一般式(1)で表される化合物(A4)>
本発明のポリイソシアネート組成物を構成する以下に示す一般式(1)で表される化合物(A4)としては、例えばジアルキルグリコールエーテルと称される従来公知のものを全て使用することができる。
【0059】
【化4】

【0060】
本発明においては、硬質ポリウレタンフォーム形成時において、本発明のポリイソシアネート組成物に対して、ポリオールまたは水とのより優れた均一混合性(相溶性)を付与するとの観点から、前記一般式(1)で表される化合物(A4)として、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(DMTG)、ジエチレングリコールジエチルエーテル(DEDG)、ジエチレングリコールジブチルエーテル(DBDG)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(DMFDG)等を挙げることができ、これらを単独で用いてもよいし、2種以上を併用しても良い。
【0061】
本発明においては、前記一般式(1)で表される化合物(A4)として、中でも、沸点並びに引火点が共に比較的高く、また、粘度が低く、且つ、水との相溶性も良好であるとの観点から、ジエチレングリコールジエチルエーテル(DEDG)を選択して用いるのが好ましい。
【0062】
なお、前記一般式(1)で表される化合物(A4)は、本発明のポリイソシアネート組成物を100質量%とした場合0.5〜5.0質量%の範囲で用いられるが、0.5〜3.0質量%の範囲で用いられるのが好ましく、中でも、得られる硬質ポリウレタンフォームに所望される寸法安定性を確保する(過剰導入では該寸法安定性が悪化する)、また、例えば−5℃といった低温雰囲気下での優れた接着性を具備する(導入量が少ないとこの効果が得られない)との観点から、1.0〜2.5質量%の範囲で用いられるのがとりわけ好ましい。
【0063】
<その他のイソシアネート化合物>
本発明のポリイソシアネート組成物は前記のポリメリックMDI(A1)を必須とされるが、本発明のポリイソシアネート組成物には必要に応じて、この必須であるイソシアネート化合物以外のイソシアネート化合物(以下「その他のイソシアネート化合物」と略記。)が含有されていてもよい。
【0064】
その他のイソシアネート化合物としては、ポリメリックMDI(もしくはMDIのみ)と、活性水素基含有化合物とを反応させて得られるウレタン化物(前記の数平均分子量150〜10,000のポリエーテルモノオール(A2)とポリメリックMDI(A1)におけるイソシアネート基の一部とが反応した形態で存在するものを除く。)、ウレア化物、アロファネート化物、ビウレット化物、カルボジイミド化物、ウレトンイミン化物、ウレトジオン化物、イソシアヌレート化物;2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシレン−1,4−ジイソシアネート、キシレン−1,3−ジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、3−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネートなどを挙げることができる。また、これらのポリメリック体やこれらのイソシアネートと、活性水素基含有化合物とを反応させて得られるウレタン化物、ウレア化物、アロファネート化物、ビウレット化物、カルボジイミド化物、ウレトンイミン化物、ウレトジオン化物、イソシアヌレート化物などを使用することもできる。これらのイソシアネート化合物は単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0065】
<任意成分>
本発明のポリイソシアネート組成物には、その効果が損なわれない範囲内において各種の任意成分が含有されていてもよい。かかる任意成分としては、硬質ポリウレタンフォームを製造するためのポリイソシアネート組成物に含有されるものとして従来公知の物質(添加剤など)を全て使用することができる。
【0066】
<ポリイソシアネート組成物>
本発明のポリイソシアネート組成物におけるイソシアネート基含有量としては、28.0〜31.5質量%であることが好ましく、より好ましくは28.5〜31.0質量%、中でも、本発明のポリイソシアネート組成物を用いて得られる硬質ポリウレタンフォームに所望される機械物性を具備できる、また、本発明のポリイソシアネート組成物における粘度が硬質ポリウレタンフォームの製造(例えばスプレー発泡時における吹き付け作業)に適する程度となるとの観点から、29.0〜31.0質量%であることが特に好ましい。
【0067】
本発明のポリイソシアネート組成物の粘度(25℃)としては、50〜500mPa・sであることが好ましく、より好ましくは70〜300mPa・s、中でも、硬質ポリウレタンフォームの製造(例えばスプレー発泡時における吹き付け作業)に適するとの観点から、80〜150mPa・sであることが特に好ましい。
【0068】
本発明のポリイソシアネート組成物は、ハイドロフルオロカーボン類や水との均一混合性(相溶性/組成物中におけるハイドロフルオロカーボン類や水の分散性)に優れているので、これらを発泡剤とする発泡処方による硬質ポリウレタンフォームを製造するために好適に使用される。
【0069】
本発明のポリイソシアネート組成物は特に、従来公知のポリイソシアネート組成物では接着性の点から適用できなかった低温環境下、とりわけ、例えば−5℃といった極めて低温の環境下での吹き付け施工(スプレー施工)において適用することができ、被着体に対して良好な接着性を有する硬質ポリウレタンフォームを形成することができる。
【0070】
ここに、本発明のポリイソシアネート組成物が適用される被着体としては特に限定されるものではなく、例えば、木材類、コンクリート類、各種金属類、紙類、石材類、各種プラスチック類、セラミック類、ガラス類、各種ゴム類などを挙げることができる。
【0071】
なお、本発明のポリイソシアネート組成物の使用態様(施工方法)としては、スプレー施工に限定されるものではないことは勿論である。
【0072】
<硬質ポリウレタンフォームの製造方法>
本発明の製造方法は、前記の本発明のポリイソシアネート組成物と、ポリオール(B)とを、発泡剤(C)、触媒(D)および整泡剤(E)の存在下に反応させる硬質ポリウレタンフォームの製造方法であって、前記ポリイソシアネート組成物が、
(A1)ジフェニルメタンジイソシアネート異性体混合物(a1d)を20〜80質量%、3核体以上のジフェニルメタンジイソシアネート系多核縮合体(a1p)が80〜20質量%(但し、(a1d)+(a1p)=(A1)として100質量%)であるポリメリックMDI、
(A2)数平均分子量150〜10,000のポリエーテルモノオール、
(A3)水酸基を含有していてもよいシリコーン系整泡剤、および
(A4)以下に示す一般式(1)で表される化合物
を反応及び混合して得られるポリイソシアネート組成物であって、
(A1)=98.95〜88.0質量%、
(A2)=0.5〜5質量%、
(A3)=0.05〜2.0質量%、および
(A4)=0.5〜5.0質量%
(但し、(A1)+(A2)+(A3)+(A4)=組成物全体として100質量%)
であり、且つ、前記発泡剤(C)として、ハイドロフルオロカーボンおよび/または水を使用する点に特徴を有している。
【0073】
【化5】

【0074】
<ポリオール(B)>
本発明の製造方法で使用する「ポリオール(B)」は、特に制限されるものではなく、従来公知のポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオールなどを挙げることができる。なお、形成される硬質ポリウレタンフォームの強度等を考慮して、低分子ポリオール、低分子ポリアミン、低分子アミノアルコールなどを併用してもよい。
【0075】
本発明の製造方法で使用するポリオール(B)として、以下に示す3種類のポリオール〔ポリオール(b1)〜(b3)〕の少なくとも1種類を使用することが好ましく、2種類以上を使用することが更に好ましい。
【0076】
ポリオール(b1)およびポリオール(b3)の何れか1種類のみを使用する場合には、形成される硬質ポリウレタンフォームが十分な機械的強度を有するものとならない場合がある。また、ポリオール(b2)のみからなるポリオール(B)は粘度が過大となって、作業性に劣る傾向がある。
【0077】
〔ポリオール(b1)〕
モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類、トリレンジアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、アンモニア、アニリン、キシリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン等のポリアミン類等のアミン系化合物の1種または2種以上の混合物を開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加反応させて得られる、水酸基価50〜1,000mgKOH/g、好ましくは100〜900mgKOH/gのポリエーテルポリオール。なお、更に開始剤として、ポリオール(b2)およびポリオール(b3)を得るために使用される多価アルコールを併用することができる。
【0078】
〔ポリオール(b2)〕
(1)エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールのような多価アルコールの1種または2種以上の混合物と、アジピン酸、マロン酸、フマル酸、琥珀酸、酒石酸、シュウ酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等のような、少なくとも2個以上のカルボキシル基(またはカルボキシル基から誘導される基)を有する化合物の1種または2種以上の混合物とを使用し、公知の方法によって製造することによって得られる、水酸基価50〜800mgKOH/g、好ましくは100〜700mgKOH/gのポリエステルポリオール。(2)ラクトン(例えばε−カプロラクトン)類の開環重合により得られるポリエステルポリオール。
(3)ポリエステルポリオール及びポリエステル成形品を分解して得られる回収ポリエステル。
【0079】
〔ポリオール(b3)〕
エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールような、1分子中にヒドロキシル基を2〜6個、好ましくは2〜5個有する多価アルコールを開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加反応させて得られる、水酸基価50〜1,000mgKOH/g、好ましくは100〜900mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
【0080】
ポリオール(b1)〜(b3)の各々において、水酸基価が一定の値(下限値)以上であることにより、形成される硬質ポリウレタンフォームに十分な機械的強度を付与することができる。また、水酸基価が一定の値(上限値)以下であることにより、形成される硬質ポリウレタンフォームの脆性化を抑制することができる。
【0081】
ポリオール(b1)の平均官能基数は2〜8であることが好ましく、さらに好ましくは3〜6とされる。
【0082】
ポリオール(b2)の平均官能基数は2〜4であることが好ましく、さらに好ましくは2〜3とされる。
【0083】
ポリオール(b3)の平均官能基数は3〜6であることが好ましく、さらに好ましくは3〜5とされる。
【0084】
ポリオール(b1)〜(b3)の各々において、平均官能基数が一定の数(下限)以上であることにより、形成される硬質ポリウレタンフォームに十分な機械的強度を付与することができる。また、平均官能基数が一定の数(上限)以下であることにより、形成される硬質ポリウレタンフォームの脆性化を抑制することができる。
【0085】
ポリオール(b1)を使用する場合において、ポリオール(B)に占めるポリオール(b1)の割合は40〜70質量%であることが好ましい。
【0086】
ポリオール(b2)を使用する場合において、ポリオール(B)に占めるポリオール(b2)の割合は10〜90質量%であることが好ましい。
【0087】
ポリオール(b3)を使用する場合において、ポリオール(B)に占めるポリオール(b3)の割合は10〜70質量%であることが好ましい。
【0088】
ポリオール(B)に占める、ポリオール(b1)、ポリオール(b2)、ポリオール(b3)の合計の割合は80質量%以上であることが好ましい。
【0089】
ポリオール(b1)の含有割合が過大であると、活性が高くなりすぎ、ボイド等の成形不良を招く虞がある。
【0090】
ポリオール(b2)の含有割合が過大であると、ポリオール(B)の粘度が高くなり、フォームの液流れ性・充填性が悪化する傾向がある。
【0091】
ポリオール(b3)の含有割合が過大であると、形成される硬質ポリウレタンフォームの機械的強度が低下する傾向がある。
【0092】
ポリオール(B)を構成するポリオール(b1)〜(b3)以外のポリオール(以下、その他ポリオールと略記する)としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、水酸基価が50〜150mgKOH/gのポリプロピレングリコールを好適なものとして挙げることができる。
【0093】
エチレングリコール、ジエチレングリコール、水酸基価が50〜150mgKOH/gのポリプロピレングリコールから選ばれた少なくとも1種類を用いることにより、ポリオール(B)の粘度を低下させることができる。
【0094】
また、ポリオール(B)を構成するその他ポリオールとして、ポリマーポリオールを用いてもよい。このポリマーポリオールは、前述のポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールをベースとして、スチレンまたはアクリロニトリルのビニルポリマーや、活性水素基含有化合物とポリイソシアネートから得られるポリマーをグラフト重合またはフィラーとして導入したものである。ポリマーポリオールにおけるポリマー含有量は1〜20質量%であることが好ましい。
【0095】
ポリオール(B)の粘度(25℃)は2,000mPa・s以下であることが好ましく、更に好ましくは100〜1,800mPa・sとされる。粘度が上限を越える場合は、特に冬期での作業性が低下する。
【0096】
<発泡剤(C)>
本発明の製造方法においては、発泡剤(C)として、ハイドロフルオロカーボンおよび/または水を使用する。
【0097】
発泡剤(C)の添加量としては、HFC−245fa、HFC−365mfc、HFC−134a等のハイドロフルオロカーボンを使用する場合は、ポリオール(B)に対して、1〜50質量%である。
【0098】
また、ハイドロフルオロカーボンおよび水を併用する場合における水の添加量は、ポリオール(B)に対して0.5〜5.0質量%である。
【0099】
また、水のみを使用する完全水発泡処方において、水の添加量は、ポリオール(B)に対して2.0〜20.0質量%である。
【0100】
<触媒(D)>
本発明の製造方法で使用する「触媒(D)」としては、通常ウレタン発泡に用いられる公知の触媒を使用することができる。例えば、ウレタン化触媒として、N−メチルイミダゾール、トリメチルアミノエチルピペラジン、トリプロピルアミン、テトラメチルヘキサメチレンジアミン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート等の錫化合物、アセチルアセトン金属塩等の金属錯化合物等が挙げられる。三量化触媒としては、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,3,5−トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−s−トリアジン等のトリアジン類、2,4−ビス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2−エチルヘキサン酸カリウム、2−エチルヘキサン酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、2−エチルアジリジン等のアジリジン類等のアミン系化合物、3級アミンのカルボン酸塩等の第四級アンモニウム化合物、ジアザビシクロウンデセン、ナフテン酸鉛、オクチル酸鉛等の鉛化合物、ナトリウムメトキシド等のアルコラート化合物、カリウムフェノキシド等のフェノラート化合物等を挙げることができる。これらの触媒は、1種または2種以上併用して用いることがでる。
【0101】
触媒(D)の使用量は、ポリオール(B)に対して、0.01〜15質量%となる量が適当である。
【0102】
<整泡剤(E)>
本発明の製造方法に用いられる整泡剤(E)としては、前述のシリコーン系整泡剤(A3)としては、特に限定されるものではなく、硬質ポリウレタンフォーム用の整泡剤として従来公知のもの(ジメチルポリシロキサンおよびポリシロキサン−ポリエーテル共重合体)を全て使用することができる。具体例としては、前述のシリコーン系整泡剤(A3)において列記したものを挙げることができる。整泡剤(E)の使用量は、ポリオール(B)に対して、0.1〜5質量%となる量が適当である。なお、本発明の製造方法に用いられる整泡剤(E)は、本発明により得られる硬質ポリウレタンフォームに所望される性能を具備するうえで、前述のシリコーン系整泡剤(A3)として用いられるものと同一のものを用いても良いし、別のものを用いても良い。
【0103】
本発明の製造方法においては添加剤を用いること(添加剤の存在下に、ポリイソシアネート混合物(A)とポリオール(B)とを反応させること)ができる。この添加剤としては、可塑剤、充填剤、着色剤、難燃剤、有機または無機の充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、顔料・染料、抗菌剤・抗カビ剤等が挙げられる。本発明では、難燃剤を用いるのが好ましい。難燃剤としては、トリエチルホスフェート、トリス(β−クロロプロピル)ホスフェート等のリン酸エステル類、亜リン酸エチル、亜リン酸ジエチル等の亜リン酸エステル類のリン酸化合物等が挙げられる。
【0104】
本発明の製造方法においては、3成分以上の多成分系としても良いが、装置を簡略化する目的から、前記の本発明のポリイソシアネート組成物を主成分とする「I液」と、ポリオール(B)を主成分とする「R液」からなる2成分系とするのが好ましい。
【0105】
以下、2成分系とする場合における好ましい具体的な製造方法の例を示す。
【0106】
(1)前記の本発明のポリイソシアネート組成物を「I液」とし、前記ポリオール(B)を「R液」とする。
【0107】
(2)発泡剤(C)、触媒(D)、整泡剤(E)および添加剤(任意成分)の各々を、「I液」および/または「R液」中に混合させる。なお、発泡剤(C)、触媒(D)および整泡剤(E)は、「R液」中に混合させることが好ましい。また、当初から「I液」に含有されているシリコーン系整泡剤(A2)は、以後の工程において整泡剤(E)を構成するものとして取り扱われる。
【0108】
(3)「I液」と「R液」とを混合し、前記の本発明のポリイソシアネート組成物と、前記のポリオール(B)とを、前記の発泡剤(C)、触媒(D)および整泡剤(E)の存在下に反応させ、反応系を発泡、硬化させる。
【0109】
「I液」と「R液」との混合装置としては特に限定されるものでなく、例えば、小型ミキサー、一般のウレタンフォームを製造する際に使用される、注入発泡用の低圧または高圧発泡機、スラブ発泡用の低圧または高圧発泡機、連続ライン用の低圧または高圧発泡機、吹き付け工事用のスプレー発泡機等を使用することができる。なお、混合される「I液」と「R液」の温度は、15〜50℃に調節しておくことが好ましい。
【0110】
本発明の製造方法によって得られる硬質ポリウレタンフォームは、ウレタン結合やウレア結合といった化学結合を有するもの(いわゆるウレタンフォーム)である。また、製造条件によっては、発泡時にイソシアヌレート基を生成させることができ、このようにして得られるイソシアヌレート変性ポリウレタンフォーム(いわゆるイソシアヌレートフォーム)も「硬質ポリウレタンフォーム」に包含される。イソシアヌレート基は、イソシアネート基を三量化触媒により三量化させて生成され、機械的強度や耐熱性等を向上させることができる。
【0111】
本発明の製造方法において、好ましいイソシアネートインデックス〔(ポリイソシアネート組成物中の全イソシアネート基のモル数/ポリオール(B)中の全活性水素基のモル数)×100〕は、いわゆるウレタンフォームの場合で50〜140であることが好ましく、更に好ましくは70〜130である。また、三量化触媒を用いて形成するいわゆるイソシアヌレートフォームの場合で140〜800であることが好ましく、更に好ましくは150〜500である。イソシアネートインデックスがウレタンフォームの場合で50未満、イソシアヌレートフォームの場合で140未満であると、得られたフォームが十分な強度を有しないことがあり収縮しやすくなる。また、ウレタンフォームの場合で140を越え、イソシアヌレートフォームの場合で800を越えると、得られるフォームの脆性が高くなり接着性が低下する傾向にある。
【実施例】
【0112】
以下に実施例および比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれらの例によってなんら限定して解釈されるものではない。なお、以下においては特段の記載がない限り、「%」および「部」は、それぞれ「質量%」および「質量部」を示す。
【0113】
<有機ポリイソシアネート組成物の合成>
実施例1
下記表1に示す処方に従って、攪拌機、冷却管、窒素導入管、温度計を備えた容量:100kgの反応器に、「イソシアネートB」を84.7kgと、「イソシアネートD」を11.6kgとを各々仕込み、攪拌しながら60℃に加温して、「ポリメリックMDI(A1)」を得た。次いで、ポリエーテルモノオール(A2)として「A2−1」を2.0kgと、シリコーン系整泡剤(A3)として「A3−2」を0.2kgと、ジアルキルグリコールエーテル(A4)として「A4−1」を1.5kgとを、各々反応器への仕込みを行った。仕込み完了後、攪拌しながら60℃にて2時間反応させ、本発明のポリイソシアネート組成物「NCO−1」を得た。このポリイソシアネート組成物「NCO−1」のイソシアネート基含有量(以下、必要に応じて「NCO含量」と略記。)は29.8%、粘度(25℃)は105mPa・sであった。
【0114】
実施例2〜12、比較例1〜15
下記表1並びに表2に示す処方に従って、イソシアネートA〜D、ポリエーテルモノオール(A2)として「A2−1」〜「A2−4」、シリコーン系整泡剤として「A3−1」または「A3−2」、並びに、ジアルキルグリコールエーテル(A4)として「A4−1」〜「A4−5」の各々を使用したこと以外は、実施例1と同様にして本発明のポリイソシアネート組成物「NCO−2」〜「NCO−12」、並びに、比較例としてのポリイソシアネート組成物「NCO−13」〜「NCO−27」を調製した。得られたポリイソシアネート組成物のイソシアネート含量および粘度(25℃)を表1〜表4に併せて示す。
【0115】
<ハイドロフルオロカーボン類および水との均一混合性>
上記の実施例1〜12並びに比較例1〜15により得られたポリイソシアネート組成物「NCO−1」〜「NCO−27」の各々について、下記の方法に従ってハイドロフルオロカーボン類および水との均一混合性を評価した。結果を表1〜表4に併せて示す。
【0116】
(ハイドロフルオロカーボン類との均一混合性の評価方法)
ポリイソシアネート組成物50gと、ハイドロフルオロカーボン(HFC−365mfc)20gとをラボミキサーに仕込み、7,000rpmで3秒間にわたる混合操作を行い、操作直後および30分経過後における混合物の外観を目視により観察し、下記の基準に基いて評価した。
【0117】
(水との均一混合性の評価方法)
ポリイソシアネート(組成物)50gと精製水5gとをラボミキサーに仕込み、7,000rpmで3秒間にわたる混合操作を行い、操作直後および30分経過後における混合物の外観を目視により観察し、下記の基準に基づいて評価した。
【0118】
(評価基準)
「◎」:均質な乳化状態が得られ、30分経過後においてもこの状態が保持された。
「○」:乳化状態が得られたが、30分経過後に相分離が発生した。
「×」:操作直後において相分離が発生した。
【0119】
<ポリイソシアネート組成物の低温雰囲気下における液貯蔵安定性>
上記の実施例1〜12並びに比較例1〜4により得られたポリイソシアネート組成物「NCO−1」〜「NCO−27」の各々について、200ml容量のガラス製サンプル瓶に200g仕込み、蓋で密封した後、−5℃、−10℃、並びに−20℃雰囲気下にて90日間静置した。90日経過後の外観を目視により観察し、下記の基準に基づいて評価した。結果を表1〜表4に併せて示す。
【0120】
(評価基準)
「○」:結晶析出や液相分離は見られない。
「×」:結晶析出や液相分離、またはこれらの前兆と思われる液の濁りが見られる。
なお、測定開始時における上記のポリイソシアネート組成物「NCO−1」〜「NCO−27」は、各々全て「○」と判断されている。
【0121】
【表1】

【0122】
【表2】

【0123】
【表3】

【0124】
【表4】

【0125】
上記の表1〜表4における化合物(成分または反応原料)の詳細は下記のとおりである。また、これらの使用量の単位は「部」である。
【0126】
<イソシアネートA>
(i)GPCによるMDIのピーク面積比=40%(ポリメリックMDI)
(ii)MDI中の4,4’−MDIの割合=99%(GCによる測定)
(iii)イソシアネート含量=30.8%
(iv)平均官能基数=2.3
(v)酸度=0.01%
<イソシアネートB>
(i)GPCによるMDIのピーク面積比=37%(ポリメリックMDI)
(ii)MDI中の4,4’−MDIの割合=89%(GCによる測定)
(iii)イソシアネート含量=30.7%
(iv)平均官能基数=2.3
(v)酸度=0.01%
<イソシアネートC>
(i)MDI(二核体)
(ii)4,4’−MDIの割合=99%(GCによる測定)
(iii)酸度=0.001%
<イソシアネートD>
(i)MDI(二核体)
(ii)4,4’−MDIの割合=82%(GCによる測定)
(iii)酸度=0.001%
<ポリエーテルモノオール(A2−1)>
(i)開始剤=2−エチルヘキサノール
(ii)数平均分子量=800
(iii)PO(オキシプロピレン)/EO(オキシエチレン)=100/0(質量比)
<ポリエーテルモノオール(A2−2)>
(i)開始剤=2−エチルヘキサノール
(ii)数平均分子量=800
(iii)PO(オキシプロピレン)/EO(オキシエチレン)=90/10(質量比)
<ポリエーテルモノオール(A2−3)>
(i)開始剤=フェノール
(ii)数平均分子量=800
(iii)PO(オキシプロピレン)/EO(オキシエチレン)=100/0(質量比)
<ポリエーテルモノオール(A2−4)>
(i)開始剤=メタノール
(ii)数平均分子量=700
(iii)PO(オキシプロピレン)/EO(オキシエチレン)=0/100(質量比)
<シリコーン系整泡剤(A2−1)>
ポリシロキサン−ポリエーテル共重合体「L−5340」(東レダウコーニングシリコーン(株)製)
水酸基価=0
<シリコーン系整泡剤(A2−2)>
ポリシロキサン−ポリエーテル共重合体「B−8460」(ゴールドシュミット製)
水酸基価=120
<ジアルキルグリコールエーテル(A3−1)>
ジエチルジグリコール(ジエチレングリコールジエチルエーテル)「DEDG」(日本乳化剤(株)製)
<ジアルキルグリコールエーテル(A3−2)>
ジメチルトリグリコール(トリエチレングリコールジメチルエーテル)「DMTG」(日本乳化剤(株)製)
<ジアルキルグリコールエーテル(A3−3)>
ジエチレングリコールジメチルエーテル「DMDG」(日本乳化剤(株)製)
<ジアルキルグリコールエーテル(A3−4)>
ジエチレングリコールジブチルエーテル「DBDG」(日本乳化剤(株)製)
<ジアルキルグリコールエーテル(A3−5)>
ジプロピレングリコールジメチルエーテル「DMFDG」(日本乳化剤(株)製)
<特定のポリエステルポリオール>
(i)5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル、アジピン酸、1,6−ヘキサンジオールを、常法に従って反応(エステル反応およびエステル交換反応)させて得られたスルホナト基(スルホン酸ナトリウム残基)含有アジペート系ポリエステルポリオール。
(ii)数平均分子量=1,000,スルホナト基の含有割合=0.4mmol/g
【0127】
<調製例1〜2>
下記表3に示す配合処方に従って、各成分を均一混合することによりポリオール組成物「OH−1」並びに「OH−2」を調製した。
【0128】
【表5】

【0129】
上記の表5における化合物(成分)の詳細は下記のとおりである。また、これらの使用量の単位は「部」である。
【0130】
<ポリオール(B−1)>
無水フタル酸/ジエチレングリコールを原料とする水酸基価=250のポリエステルポリオール「テロール693」(米国OXID社製)
<ポリオール(B−2)>
無水フタル酸/ジエチレングリコールを原料とする水酸基価=250のポリエステルポリオール「テロール250」(米国OXID社製)
<ポリオール(B−3)>
水酸基価=350のマンニッヒ系ポリエーテルポリオール「DKポリオール3776」(第一工業製薬(株)製)
<ポリオール(B−4)>
水酸基価=450のマンニッヒ系ポリエーテルポリオール「DKポリオール3773」(第一工業製薬(株)製)
<発泡剤(C−1)>
HFC−245fa(セントラル硝子(株)製)
<発泡剤(C−2)>
HFC−365mfc(ソルベイ社製)
<発泡剤(C−3)>
精製水
<触媒(D−1)>
三量化触媒「DABCO K15」(エアープロダクツ製)
<触媒(D−2)>
オクチル酸鉛「ニッカオクチックス鉛」(日本化学産業(株)製)
<整泡剤(E−1)>
ポリシロキサン−ポリエーテル共重合体「B−8460」(ゴールドシュミット製)
<難燃剤(F−1)>
トリス(β−クロロプロピル)ホスフェート「ファイロールPCF」(アクゾ・ノーベル社製)
【0131】
<硬質ポリウレタンフォームの形成(製造)>
実施例13〜25、比較例16〜30
下記表6〜表9に示す組合せに従って、ポリイソシアネート組成物(A液)と、ポリオール組成物(B液)との混合液(混合体積比=100:100)を、被着体としての画用紙(50mm×50mm)が貼付されているベニヤ板(1000mm×1000mm)に吹き付け施工することにより、ポリイソシアネート混合物(A)と、ポリオール(B)とを、発泡剤(C)、触媒(D)および整泡剤(E)等の存在下に反応させ、被着体が貼付されたベニヤ板(1000mm×1000mm)の全面に硬質ポリウレタンフォームを形成した。なお、該形成の際に反応性としてクリームタイムとライズタイムを測定した。また、形成24時間静置しながら−5℃雰囲気下にて養生させた後、フォームコア密度を測定した。
ここに、吹き付け発泡条件等は以下の通りである。
・発泡機 :ガスマー吹き付け発泡機「FF−1600型」
・被着体の温度 :−5℃
・プライマリヒータ温度:45℃
・発泡厚み :30〜40mm
【0132】
<フォームの常温収縮(放置による体積変化率)>
実施例13〜25並びに比較例16〜30によって、ベニヤ板(1000mm×1000mm)上に形成された硬質ポリウレタンフォームの各々から、縦=100mm,横=100mm,高さ(発泡方向)=25mmのサンプルを採取し、このサンプルを、25℃の温度条件下に24時間放置後、縦・横・高さの寸法を再度測定することにより、フォームの体積変化率を測定し、下記の基準に基いて評価した。結果を併せて表6〜表9に示す。
【0133】
(評価基準)
「◎」:体積変化率=2%未満
「○」:体積変化率=2%以上5%未満
「×」:体積変化率=5%以上
【0134】
<被着体に対する接着性>
実施例13〜25並びに比較例16〜30によって、被着体(50mm×50mmの画用紙)上に形成された硬質ポリウレタンフォームの各々について、−5℃の温度環境下に2時間静置した後、ピーリング試験を行って、当該被着体(画用紙)に対する接着強度を測定した。結果を併せて表6〜表9に示す。
【0135】
【表6】

【0136】
【表7】

【0137】
【表8】

【0138】
【表9】

【産業上の利用可能性】
【0139】
本発明のポリイソシアネート組成物は、ボード、パネル、冷蔵庫、庇、ドア、雨戸、サッシ、コンクリート系住宅、バスタブ、低温タンク機器、冷凍倉庫、パイプカバー、結露防止、スラブ等、各種断熱材用途に適用できる。
【0140】
本発明のポリイソシアネート組成物は、種々の被着体に対する吹き付け施工(スプレー発泡)、とりわけ、例えば気温−5℃といった寒冷地における種々の被着体に対する吹き付け施工(スプレー発泡)の用途に特に適している。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A1)ジフェニルメタンジイソシアネート異性体混合物(a1d)を20〜80質量%、3核体以上のジフェニルメタンジイソシアネート系多核縮合体(a1p)が80〜20
質量%(但し、(a1d)+(a1p)=(A1)として100質量%)であるポリメリックMDI、
(A2)数平均分子量150〜10,000のポリエーテルモノオール、
(A3)水酸基を含有していてもよいシリコーン系整泡剤、および
(A4)以下に示す一般式(1)で表される化合物
【化1】

を反応及び混合して得られるポリイソシアネート組成物であって、
(A1)=98.95〜88.0質量%、
(A2)=0.5〜5質量%、
(A3)=0.05〜2.0質量%、および
(A4)=0.5〜5.0質量%
(但し、(A1)+(A2)+(A3)+(A4)=組成物全体として100質量%)であることを特徴とする、硬質ポリウレタンフォーム製造用ポリイソシアネート組成物。
【請求項2】
(A1)4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4′−MDI)が、60〜95質量%、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート以外のジフェニルメタンジイソシアネート異性体(異性体MDI)が5〜40質量%からなるジフェニルメタンジイソシアネート異性体混合物(a1d)を20〜80質量%、3核体以上のジフェニルメタンジイソシアネート系多核縮合体(a1p)が80〜20質量%(但し、(a1d)+(a1p)=(A1)として100質量%)であるポリメリックMDI、
(A2)数平均分子量150〜10,000のポリエーテルモノオール
(A3)水酸基含有シリコーン系整泡剤、および
(A4)ジエチレングリコールジメチルエーテルを反応及び混合して得られるポリイソシアネート組成物であって、
(A1)=98.95〜88.0質量%、
(A2)=0.5〜5質量%、
(A3)=0.05〜2.0質量%、および
(A4)=0.5〜5.0質量%、
(但し、(A1)+(A2)+(A3)+(A4)=組成物全体として100質量%)
であることを特徴とする、硬質ポリウレタンフォーム製造用ポリイソシアネート組成物。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のポリイソシアネート組成物と、ポリオール(B)とを、発泡剤(C)、触媒(D)および整泡剤(E)の存在下に反応させる硬質ポリウレタンフォームの製造方法であって、前記発泡剤(C)として、ハイドロフルオロカーボンおよび/または水を使用することを特徴とする、硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載の硬質ポリウレタンフォームの製造方法であって、スプレー方式により被着体上に硬質ポリウレタンフォーム形成することを特徴とする、硬質ポリウレタンフォームの製造方法。


【公開番号】特開2008−81701(P2008−81701A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−266597(P2006−266597)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(000230135)日本ポリウレタン工業株式会社 (222)
【Fターム(参考)】