説明

ポリイミド樹脂の製造方法

【課題】本発明は、異物の少ないポリイミド樹脂、またはその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】ポリイミド樹脂溶液に沈殿溶媒を添加し、得られたポリイミド樹脂混合溶液をろ過した後に、更に沈殿溶媒を添加してポリイミド樹脂を沈殿させることを特徴とするポリイミド樹脂の製造方法。特に、ポリイミド樹脂溶液に添加する沈殿溶媒の量が、ポリイミド樹脂の沈殿を生じない範囲の量であることが好ましい。
本発明によれば、異物の少ないポリイミド樹脂を得ることができ、異物欠陥の少ない賦形物(フィルム、コート層、成形体等)を形成することが可能となり、有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異物の少ないポリイミド樹脂の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリイミド樹脂は、耐熱性、電気絶縁性、耐溶剤性に優れていることから、電子材料として広く使用されている。しかし、耐溶剤性に優れているために、逆に成形加工の際に困難を伴うことがあった。
【0003】
そこで、近年では有機溶剤に可溶なポリイミド樹脂が開発されている。例えば、ポリイミドスクリーン印刷用として有機溶媒に可溶なポリイミド樹脂がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
前記用途のみだけでなく、電子材料全般に言えることであるが、異物に対する要求レベルが厳しくなっている。特に、溶媒に溶解させた後に乾燥して賦形する用途や(例えばコーティング、溶液キャスティング等)、光学用途等においては、いっそうの異物低減の要求が高まっており、従来の方法では対応できない状況となってきている。
【特許文献1】特開2000−154346号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来の技術が有する上記課題に鑑みてなされたもので、異物の少ないポリイミド樹脂の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで本発明者らは鋭意検討した結果、ポリイミド樹脂溶液に沈殿溶媒を添加し、得られたポリイミド樹脂混合溶液をろ過した後に、更に沈殿溶媒を添加してポリイミド樹脂を沈殿させることで、異物の少ないポリイミド樹脂が得られることを見出し、本発明に至った。即ち、
1)ポリイミド樹脂溶液に沈殿溶媒を添加し、得られたポリイミド樹脂混合溶液をフィルター等を用いてろ過した後に、更に沈殿溶媒を添加してポリイミド樹脂を沈殿させることを特徴とするポリイミド樹脂の製造方法を提供した。また、ポリイミド樹脂溶液に添加する沈殿溶媒の量は、ポリイミド樹脂の沈殿を生じない範囲の量であることが好ましい。
【0007】
2)沈殿溶媒にアルコール類又は炭化水素類を主成分として含む有機溶媒を用いることを特徴とする1)記載のポリイミド樹脂の製造方法を提供した。
【0008】
3)ポリイミド樹脂混合溶液の粘度が10Pa・s以下であることを特徴とする1)又は2)記載のポリイミド樹脂の製造方法を提供した。
【0009】
4)酸二無水物と、一般式群(1)で表される少なくとも一種のジアミンを付加縮合して得られるポリイミド樹脂である1)〜3)記載のポリイミド樹脂の製造方法を提供した。
【0010】
【化1】

【0011】
(R1、R2はそれぞれ独立したF、Cl、Br、CF3、CCl3、CBr3から選ばれる置換基である。R3、R4、R5、R6はそれぞれ独立したH、F、Cl、Br、CF3、CCl3、CBr3から選ばれる置換基である。)
【0012】
5)ジアミンと、一般式群(2)で表される少なくとも一種の酸二無水物を付加縮合して得られるポリイミド樹脂である1)〜4)記載のポリイミド樹脂の製造方法を提供した。
【0013】
【化2】

【0014】
(R7は−C(CF32−、−SO2−から選ばれる置換基である。R8は、H、F、Cl、Br、CF3、CCl3、CBr3から選ばれる置換基である。またR9は、F、Cl、Br、CF3、CCl3、CBr3から選ばれる置換基である。)
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、異物の少ないポリイミド樹脂を得ることができ、異物欠陥の少ない賦形物(フィルム、コート層、成形体等)を形成することが可能となり、有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明は、ポリイミド樹脂溶液に沈殿溶媒を添加し、得られたポリイミド樹脂混合溶液をフィルター等を用いてろ過した後に、更に沈殿溶媒を添加してポリイミド樹脂混合溶液からポリイミド樹脂を沈殿させるポリイミド樹脂の製造方法に関するものである。この方法によれば、異物の少ないポリイミド樹脂を得ることができ、例えば、異物欠陥の少ない賦形物(例えば、フィルム、コート層、成形体等)を形成することが可能となる。
【0017】
ここで異物欠陥となる異物としては、原料に由来する異物、ポリイミド樹脂の製造工程で環境から混入する異物、更にポリイミド樹脂の製造時に生成する異物等が考えられる。一方、組成の上で考えると、無機、有機の異物等が考えられる。特に有機の異物の中でも、ポリイミド樹脂の製造時に生成することが考えられるゲルなどの高分子量体からなる異物は、従来の方法では除去することが困難であり、新たな市場の要求に応えることが難しい状況となっている。
【0018】
無機の異物の除去は、ポリイミド樹脂溶液を単にフィルター等を用いてろ過することでも可能であるが、ポリイミド樹脂溶液の粘度が高いとろ過時間が長時間必要となるだけでなく、高圧をかけてろ過する必要が生じる。一方、高圧をかけてろ過するとフィルターの目開きが大きくなり、異物の捕捉率が低下するという問題がある。この観点から、無機の異物を除去する上でも、沈殿溶媒を添加してポリイミド樹脂混合溶液の粘度を低くした後に、フィルター等を用いて除去することが有効である。尚、単に溶媒を加えて希釈するのみでは、その後の沈殿の際に要する沈殿溶媒の量が増えてしまうので、好ましい方法ではない。
【0019】
有機の異物の中でも特にゲルなどは、例えその大きさがフィルターの孔径以上であったとしても、単にポリイミド樹脂溶液をフィルター等を用いてろ過したのみでは、除去することは難しい。これは本発明者の推測によれば、ゲルの組成がポリイミド樹脂の組成と類似しているために、ゲルの一部が溶媒に溶解した状態となり、フィルターをすり抜けてしまうのではないかと考えている。これに対し、ポリイミド樹脂溶液に沈殿溶媒を加えた後にフィルター等を用いてろ過すれば、ゲルなどをフィルター等で除去できるレベルにまで析出させることができ(例え、ポリイミド樹脂とゲル等の組成が類似しているとしても、ポリイミド樹脂が沈殿する間際まで沈殿溶媒が添加された状態では、僅かな組成の違いに基づきゲルの析出が生じるものと考えられる。)、ろ過にて除去することが可能となるものと考えられる。
【0020】
本発明においてフィルターを使用する場合、使用できるフィルターは特に制限されないが、除去したい異物の大きさとフィルターの捕捉効率に合わせて、使用するフィルターを設定する必要がある。しかし、最近の市場の要求に応える為には、孔径は5μm以下のものが好ましく、より好ましくは3μm以下、さらに好ましくは1μm以下である。ここで孔径とは、ラテックス球分散水を10L/minでろ過したときのラテックス球の捕捉効率が99%以上となるラテックス球の最大粒子径のことである。例えば、フィルターの孔径5μmとは、ラテックス球の分散水を10L/minでろ過した際のラテックス球の捕捉効率が99%以上となる最大粒子径が5μmであることを表す。
【0021】
本発明でポリイミド樹脂溶液に添加する沈殿溶媒の量は、ポリイミド樹脂の沈殿を生じない範囲の量であることが好ましい(ここで”沈殿”とは、均一に混合した状態で析出が生じる状態を意味するものである。これに対し、沈殿溶媒を添加した直後に白濁を生じ、その後に均一に混合した時に溶解することがあるが、この様な状態を意味するものではない。)。更には、ゲル等がフィルターで除去できるレベルまで析出する量であることがより好ましい。実際にポリイミド樹脂溶液に添加する沈殿溶媒の量は、ポリイミド樹脂の組成と分子量、溶解させている溶媒組成、溶液温度等に応じ、調整することが好ましい。
【0022】
本発明に用いることのできる沈殿溶媒は、ポリイミド樹脂の貧溶媒もしくは非溶媒であることが好ましく、更にはポリイミド樹脂を溶解させている溶媒と混和し、多量に使用した場合にポリイミド樹脂を沈殿させるものであることが好ましい。この中でも、特に入手の容易さから、アルコール類又は炭化水素類を主成分として含む有機溶媒が特に好ましい。
【0023】
アルコール類の例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール、1−ブチルアルコール、2−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等が好ましく、乾燥効率の面から、メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコールが特に好ましい。
【0024】
炭化水素類の例としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、エチルベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロホルム、塩化イソプロピル、塩化ブチル、塩化ペンチル、塩化ヘキシル、クロロベンゼン、ブロモベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、アニソール、ジオキサン、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類が挙げられる。ポリイミド樹脂の収率向上の面で、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、エチルベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類が好ましく、洗浄効率の面から、エチルベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類がさらに好ましく、乾燥効率の面から、トルエンが特に好ましい。
【0025】
ポリイミド樹脂混合溶液の溶液粘度は、10Pa・s以下であることが好ましい。溶液粘度が10Pa・sより高いとゲルがフィルターをすり抜けることがある。
【0026】
一方、本発明におけるポリイミド樹脂としては、各種有機溶剤に溶解可能であることが好ましく、特にジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジオキソランから選ばれる1以上の溶媒に、固形分濃度5重量%以上の濃度で溶解可能なポリイミド樹脂であることが特に好ましい(いわゆる可溶性ポリイミドであることが好ましい。)。
【0027】
また、ポリイミド樹脂の分子量は、GPCのPEG(ポリエチレングリコール)換算で、重量平均分子量が10000以上、500000以下であることが好ましく、さらに50000以上、400000以下、特に80000以上、300000以下であることが、ポリイミド樹脂を例えば支持体表面に塗布して乾燥する際にムラが発生しにくい点で好ましい。
【0028】
本発明のポリイミド樹脂は、以下の3つの工程を経ることで、好適に製造することができる。それぞれの工程について例を挙げて説明する。但し、本発明は以下の製造方法、又はこれによって得られる樹脂に限定されるものではない。
(1)ポリアミド酸の形成
(2)ポリアミド酸のイミド化
(3)ポリイミド樹脂の沈殿
【0029】
(1)ポリアミド酸の形成
ジアミンを溶解した有機溶媒中に、酸二無水物を分散し、攪拌することで完全に溶解させ重合させる方法、酸二無水物を有機溶媒中に溶解及び/または分散させた後、ジアミンを用いて重合させる方法、酸二無水物とジアミンの混合物を有機溶媒中で反応させて重合する方法など、公知の重合方法を用いることができる。
【0030】
反応時間は、通常約1時間から5時間が好ましいが、特にポリアミド酸溶液の粘度が、5Pa・s以上になるまで反応を行うことが好ましく、さらには10Pa・s以上、20Pa・s以上まで反応を行うころとが好ましい。ポリアミド酸溶液の粘度が20Pa・s以上であると、後の沈殿溶媒を添加する工程において溶解性の優れたポリイミド樹脂を得ることが容易となるので好ましい。
【0031】
反応装置には、反応温度を制御するための温度調製装置を備えていることが好ましく、反応溶液温度として60℃以下が好ましく、さらに、40℃以下であることが反応を効率良くしかも、ポリアミド酸の粘度が上昇しやすいことから好ましい。
【0032】
ポリアミド酸の重合に使用する有機溶媒としては、例えばテトラメチル尿素、N,N−ジメチルエチルウレアのようなウレア類、ジメチルスルホキシド、ジフェニルスルホン、テトラメチルスルフォンのようなスルホキシドあるいはスルホン類、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N’−ジエチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、γ―ブチルラクトン、ヘキサメチルリン酸トリアミドのようなアミド類、またはホスホリルアミド類の非プロトン性溶媒、クロロホルム、塩化メチレンなどのハロゲン化アルキル類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、フェノール、クレゾールなどのフェノール類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、p−クレゾールメチルエーテルなどのエーテル類等が挙げられる。通常はこれらの溶媒を単独で用いるが、必要に応じて2種以上を適宜組合わせて用いても良い。これらのうちDMF、DMAc、NMPなどのアミド類が好ましく使用される。
【0033】
ポリアミド酸溶液中のポリアミド酸の重量%は、5〜50wt%、好ましくは10〜40wt%、更に好ましくは15〜30wt%であることが、取り扱い性の面から好ましい。
【0034】
本発明に好適に用いることのできるジアミンは溶解性を付与する上で前記一般式群(1)で表される構造が含まれていることが好ましい。なお、一般式群(1)で表される構造を、複数種混合して用いることも可能である。例えば、2,2´−ジフルオロ−4,4´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジフルオロ−4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジフルオロ−5,5´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジフルオロ−5,5´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジクロロ−4,4´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジクロロ−4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジクロロ−5,5´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジクロロ−5,5´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジブロモ−4,4´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジブロモ−4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジブロモ−5,5´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジブロモ−5,5´−ジアミノビフェニル、2,2´−ビス(トリフルオロメチル)−4,4´−ジアミンビフェニル、3,3´−ビス(トリフルオロメチル)−4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ビス(トリフルオロメチル)−5,5´−ジアミノビフェニル、3,3´−ビス(トリフルオロメチル)−5,5´−ジアミノビフェニル、2,2´−ビス(トリクロロメチル)−4,4´−ジアミンビフェニル、3,3´−ビス(トリクロロメチル)−4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ビス(トリクロロメチル)−5,5´−ジアミノビフェニル、3,3´−ビス(トリクロロメチル)−5,5´−ジアミノビフェニル、2,2´−ビス(トリブロモメチル)−4,4´−ジアミンビフェニル、3,3´−ビス(トリブロモメチル)−4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ビス(トリブロモメチル)−5,5´−ジアミノビフェニル、3,3´−ビス(トリブロモメチル)−5,5´−ジアミノビフェニル、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(3−アミノフェニル)スルホン、ビス(5−フルオロ−4−アミノフェニル)スルホン、ビス(5−フルオロ−3−アミノフェニル)スルホン、ビス(5−クロロ−4−アミノフェニル)スルホン、ビス(5−クロロ−3−アミノフェニル)スルホン、ビス(5−ブロモ−4−アミノフェニル)スルホン、ビス(5−ブルモ−3−アミノフェニル)スルホン、ビス(5−トリフルオロメチル−4−アミノフェニル)スルホン、ビス(5−トリフルオロメチル−3−アミノフェニル)スルホン、ビス(5−トリクロロメチル−4−アミノフェニル)スルホン、ビス(5−トリクロロメチル−3−アミノフェニル)スルホン、ビス(5−トリブルモメチル−4−アミノフェニル)スルホン、ビス(5−トリブロモメチル−3−アミノフェニル)スルホン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(5−フルオロ−4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(5−フルオロ−3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(5−クロロ−4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(5−クロロ−3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(5−ブロモ−4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(5−ブロモ−3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(5−トリフルオロメチル−4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(5−トリフルオロメチル−3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(5−トリクロロメチル−4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(5−トリクロロメチル−3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(5−トリブロモメチル−4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(5−トリブロモメチル−3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホンを用いることが、溶解性の面で好ましく、2,2´−ビス(トリフルオロメチル)−4,4´−ジアミンビフェニルがさらに好ましい。
【0035】
また、以下のジアミンを適時併用または、その代わりとして用いることも可能である。例えば、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エ−テル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、ジアミノポリシロキサン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4,4´−ジアミノ−ベンゾフェノン、4,4´−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4´−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4´−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゾフェノン、4,4´−ジアミノジフェニルエーテル、4,4´−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルエーテル等が挙げられる。
【0036】
本願発明に好適に用いることのできる酸二無水物は、溶解性を付与する上で前記一般式群(2)で表される構造が含まれていることが好ましい。なお、一般式群(2)で表される構造を、複数種混合して用いることも可能である。例えば、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン酸二無水物、4,4´−スルホニルジフタル酸二無水物、3−フルオロピロメリット酸二無水物、3−クロロピロメリット酸二無水物、3−ブロモピロメリット酸二無水物、3−トリフルオロメチルピロメリット酸二無水物、3−トリクロロメチルピロメリット酸二無水物、3−トリブロモメチルピロメリット酸二無水物、3,6−ジフルオロピロメリット酸二無水物、3,6−ジクロロピロメリット酸二無水物、3,6−ジブロモピロメリット酸二無水物、3,6−ビストリフルオロメチルピロメリット酸二無水物、3,6−ビストリクロロメチルピロメリット酸二無水物、3,6−ビストリブロモメチルピロメリット酸二無水物等が好ましく、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン酸二無水物が多種の有機溶剤への溶解性を付与する面でさらに好ましい。
【0037】
また、以下の酸二無水物を適時併用または、その代わりとして用いることも可能である。例えば、9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン酸二無水物、9,9−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]フルオレン酸二無水物、4,4´−ビフェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、p−メチルフェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、p−(2,3−ジメチルフェニレン)ビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)1,4−ナフタレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、2,6−ナフタレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス[4−(トリメリット酸モノエステル酸無水物)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(トリメリット酸モノエステル酸無水物)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン二無水物、1−(2,3−ジカルボキシフェニル)−3−(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン二無水物等が挙げられる。
【0038】
ポリアミド酸の形成に用いられる酸二無水物類とジアミン類の使用モル比率は、使用モル比率=全酸二無水物モル数/全ジアミンモル数で算出した場合に、この値が0.9以上、1.5以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.95以上、1.3以下であることが好ましく、特に0.98以上、1.2以下であることが高分子量体を得る上で好ましい。
【0039】
(2)ポリアミド酸のイミド化
上記で作成したポリアミド酸を含む溶液をイミド化して可溶性のポリイミド樹脂を含む溶液を製造する方法について説明する。ポリアミド酸を含む溶液をイミド化する方法には、大きく分けて、熱的に脱水閉環する熱的イミド化方法と、脱水剤及びイミド化促進剤を用いる化学的イミド化方法がある。
【0040】
熱的イミド化方法では、公知の技術を用いることができるが、例えば、イミド化反応で生成した水がポリアミド酸の分解に寄与するため、水と共沸する有機溶媒を系中に加え、ディーン・スターク管などの装置を使用して、水を系外に排出することが好ましい。水と共沸する有機溶媒としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素を使用することができる。またイミド化促進剤としては、例えば3級アミンを用いることができる。3級アミンとしては、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン等の脂肪族アミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジプロピルアニリン等の芳香族3級アミン、ピリジン、キノリン、ピコリン、イソキノリン等の複素環3級アミンを用いることができる。着色抑制の面で、ピリジン、キノリン、ピコリン、イソキノリン等の複素環3級アミンを用いることが好ましい。
【0041】
化学的イミド化方法では、イミド化促進剤と脱水剤を併用することでポリイミド樹脂のイミド化率を向上させることができる。イミド化促進剤としては、公知の技術を用いることができ、3級アミンを用いることができる。例えば3級アミンとしては、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン等の脂肪族アミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジプロピルアニリン等の芳香族3級アミン、ピリジン、キノリン、ピコリン、イソキノリン等の複素環3級アミンを用いることができる。着色抑制、分子量低下抑制の面で、ピリジン、キノリン、ピコリン、イソキノリン等の複素環3級アミンを用いることが好ましい。
【0042】
イミド化促進剤の量は、ポリイミド樹脂の洗浄を効率良く実施するため、”イミド化促進剤/ポリアミド酸中アミド基のモル比”で0.01以上、5未満で用いることが好ましい。イミド化促進剤が0.01未満であるとイミド化の進行に時間を要する場合がある。逆に5以上であると、ポリイミド樹脂の洗浄に時間を要する場合がある。
【0043】
イミド化に際して、脱水剤を併用することはイミド化時間を短縮できる観点で好ましい。このような脱水剤としては、無水酢酸などの脂肪族酸無水物や芳香族酸無水物などが挙げられる。無水酢酸を用いることがポリイミド樹脂の洗浄に適しているという点から好ましい。
【0044】
脱水剤の量は、”脱水剤/ポリアミド酸中のアミド基のモル比”で1以上、5未満で用いることができる。脱水剤の量が少ないとイミド化が進行するのに時間が要する場合があり、逆に多すぎると分子量の低下を引き起こすことがある。
【0045】
(3)ポリイミド樹脂の沈殿
本発明では、上記(1)(2)のようにして得られたポリイミド樹脂溶液に対し、沈殿溶媒を添加し、得られたポリイミド樹脂混合溶液をフィルター等でろ過した後に、更に沈殿溶媒を添加してポリイミド樹脂を沈殿させることとなる。
【0046】
沈殿させた後、乾燥させて得られるポリイミド樹脂は、形状が特に制限されるものではないが、後にワニスを形成する際のワニス溶媒への溶解性の面で、粉末状、フレーク状、種々の形態を含む固形物状態のものが好ましく、その平均粒径は、好ましくは5mm以下であり、さらには3mm以下、特には1mm以下が好ましい。
【0047】
ポリイミド樹脂を沈殿させる際、ポリイミド樹脂の塊が生成する場合は、湿式または乾式の粉砕装置を併用することができる。
【0048】
ポリイミド樹脂を実際に沈殿させる為に用いる沈殿溶媒量(ポリイミド樹脂溶液に添加する量と、ポリイミド樹脂混合溶液に添加する量の総計)は元のポリイミド樹脂溶液の1.5倍以上の量であることが、粉体形状を制御する面で好ましい。
【0049】
一方、沈殿させた状態の溶剤が混在するポリイミド樹脂(以下、スラリーと言うことがある)は、洗浄して、イミド化促進剤等を除去することが、ポリイミド樹脂の変質を抑制する面で好ましい。洗浄に使用する溶媒としては、前記沈殿溶媒として用いた溶媒を使用することができるが、イミド化時に用いた溶媒、副原料、副生成物等を除去できるものであることがより好ましい。
【0050】
ポリイミド樹脂のスラリーは、乾燥により溶媒を除去し、ポリイミド樹脂を得ることが好ましい。乾燥方法としては、例えば真空乾燥又は熱風乾燥等を用いることができる。乾燥温度としては、酸素存在下では120℃以上では着色が起こる場合があり、150℃では明らかに着色するので、120℃以下で行うことが望ましい。真空中や不活性ガス雰囲気でも、120℃以下で行うことが望ましい。
【0051】
本発明のポリイミド樹脂は、再び溶媒に溶解して(以下、この状態をワニスと言うことがある。一方、この時に用いる溶媒をワニス溶媒と言うことがある。)、例えば塗布・乾燥することにより、フィルム状、若しくは層状に成型することができる。ワニス溶媒としては、例えばテトラメチル尿素、N,N−ジメチルエチルウレアのようなウレア類、ジメチルスルホキシド、ジフェニルスルホン、テトラメチルスルフォンのようなスルホキシドあるいはスルホン類、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N’−ジエチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、γ―ブチルラクトン、ヘキサメチルリン酸トリアミドのようなアミド類、またはホスホリルアミド類の非プロトン性溶媒、クロロホルム、塩化メチレンなどのハロゲン化アルキル類、ベンゼン、トルエン、p−キシレン、m−キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素類、フェノール、クレゾールなどのフェノール類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、p−クレゾールメチルエーテルなどのエーテル類、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、アセトン、ジエチルケトンなどのケトン類等を挙げることができる。また、これらの溶媒を2種以上併用することも可能である。
【0052】
一方、沈殿溶媒を添加する対象となるポリイミド樹脂溶液の溶媒と、ワニス溶媒は異なっていることが好ましい。この場合、ポリマーの合成に好ましい溶媒と、ワニスとして使用する際に好ましい溶媒を選択することができ好ましい。
【0053】
ポリイミド樹脂のワニス溶媒としては、上記の通り各種溶媒を使用することができるが、その可溶性ポリイミド樹脂の使用形態、用途等に応じ選択することが好ましい。例えば、電子回路部材に用いる場合には、ポリイミド樹脂の溶解性が高い、DMF、DMAc、NMP等のアミド類と揮発性の高い、MIBK、MEK、アセトンなどのケトン類を混合して用いることが好ましい。また、例えば光学フィルムとして、液晶表示装置等の視野角補償層などのように高分子フィルム表面に積層する場合には、乾燥温度が低く、更に高分子フィルムを溶解しない溶媒を選択することが必要であり、そのために、MIBK、MEK、アセトンなどのケトン類が好ましく使用される。
【0054】
本発明のポリイミド樹脂を溶解させたワニス溶媒の粘度は、ワニス溶媒としてMIBKを用い、ワニス溶液粘度を検討した。
【実施例】
【0055】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0056】
(実施例1)
<ポリイミド樹脂溶液の製造(ポリアミド酸の形成とそのイミド化)>
本実施例では、操作をクリーンベンチで実施した。反応容器としてガラス製セパラブルフラスコを備え、該セパラブルフラスコ内の攪拌装置として2枚のパドル翼を備え、20℃の水浴で冷却しながらポリアミド酸を製造した。重合反応中は、水分の混入を防ぐ為に、塩化カルシウム中を通過させて脱水を行った窒素ガスを0.05L/minで流して重合反応を行った。
【0057】
上記セパラブルフラスコに、重合用溶媒としてN−メチルピロリドン(NMP)223.0gを仕込み、これに、2,2´−ビス(トリフルオロメチル)−4,4´−ジアミノビフェニル(0.125モル)を溶解した。この溶液に、4,4´−スルホニルジフタル酸二無水物(0.125モル)を添加・攪拌して完全に溶解させた。完全に溶解した後、攪拌して重合粘度を80Pa・sまで上昇させた。前記溶液は、トルエンを満たしたディーン・スターク管で系を180℃に加熱し、発生する水を系外に除去した。5時間加熱したところ、系から水の発生が認められなくなった。冷却後、この溶液にNMP205gを加えたところ、溶液粘度が10Pa・sのポリイミド樹脂溶液が得られた。
【0058】
<ポリイミド樹脂の沈殿>
前記ポリイミド樹脂溶液にイソプロピルアルコール(IPA)365g加えたところ、ポリイミド樹脂は析出せず、溶液粘度は2Pa・sであった。当該溶液を孔径1μmのPTFEフィルター(アドバンテック社製:T100A047A)で加圧ろ過した後、予め孔径0.1μmのPTFEフィルター(アドバンテック社製:T010A047A)でろ過しておいたIPA1330gを加え、ポリイミド樹脂スラリーを得た。得られたポリイミド樹脂スラリーは、予め孔径0.1μmのPTFEフィルター(アドバンテック社製:T010A047A)でろ過しておいたIPA500gで5回洗浄した後、固形分をろ過して取り出した。その後、100℃で12時間減圧乾燥し、ポリイミド樹脂粉体を得た。
【0059】
得られたポリイミド樹脂粉体60gを、予め孔径0.1μmのPTFEフィルター(アドバンテック社製:T010A047A)でろ過しておいたジメチルホルムアミド(DMF)2940gに溶解させた後、孔径0.5μmのPTFEフィルター(大きさ47mm)(アドバンテック社製:T050A047A)で減圧ろ過し、その後、当該フィルターを140℃で1時間乾燥させ、ろ紙表面を光学顕微鏡(倍率200倍)で観察した。
【0060】
<評価結果>
光学顕微鏡により、ろ紙表面の300μm×400μmのエリアを観察したところ、0.5μm以上の大きさの異物が56個観察された。異物はいずれもポリイミド樹脂由来ではないことが確認された(IR分析でポリイミド樹脂と同様のスペクトルを示すものは確認されなかった。)。
【0061】
(比較例1)
ポリイミド樹脂溶液の製造は、実施例1と同一の方法で行った。一方、ポリイミド樹脂の沈殿は、実施例1における最初のIPA(365g)の添加を行わなかった以外は、実施例1と同一の方法で行った。
【0062】
<評価結果>
光学顕微鏡により、ろ紙表面の300μm×400μmのエリアを観察したところ、0.5μm以上の大きさの異物が104個観察された。異物のほとんどはポリイミド樹脂由来ではない異物であったが、その中にゲルと考えられる異物が5個確認された(IR分析にて、ポリイミド樹脂と同様のスペクトルが得られたことからこの様に考えた。)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリイミド樹脂溶液に沈殿溶媒を添加し、得られたポリイミド樹脂混合溶液をろ過した後に、更に沈殿溶媒を添加してポリイミド樹脂を沈殿させることを特徴とするポリイミド樹脂の製造方法。
【請求項2】
ポリイミド樹脂溶液に添加する沈殿溶媒の量が、ポリイミド樹脂の沈殿を生じない範囲の量であることを特徴とする、請求項1記載のポリイミド樹脂の製造方法。
【請求項3】
沈殿溶媒にアルコール類又は炭化水素類を主成分として含む有機溶媒を用いることを特徴とする請求項1又は2の何れか1項に記載のポリイミド樹脂の製造方法。
【請求項4】
ポリイミド樹脂混合溶液の粘度が10Pa・s以下であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のポリイミド樹脂の製造方法。
【請求項5】
酸二無水物と、一般式群(1)で表される少なくとも一種のジアミンを付加縮合して得られるポリイミド樹脂であることを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載のポリイミド樹脂の製造方法。
【化1】

(R1、R2はそれぞれ独立したF、Cl、Br、CF3、CCl3、CBr3から選ばれる置換基である。R3、R4、R5、R6はそれぞれ独立したH、F、Cl、Br、CF3、CCl3、CBr3から選ばれる置換基である。)
【請求項6】
ジアミンと、一般式群(2)で表される少なくとも一種の酸二無水物を付加縮合して得られるポリイミド樹脂であることを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載のポリイミド樹脂の製造方法。
【化2】

(R7は−C(CF32−、−SO2−から選ばれる置換基である。R8は、H、F、Cl、Br、CF3、CCl3、CBr3から選ばれる置換基である。またR9は、F、Cl、Br、CF3、CCl3、CBr3から選ばれる置換基である。)

【公開番号】特開2007−262333(P2007−262333A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−92472(P2006−92472)
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【出願人】(000000941)株式会社カネカ (3,932)
【Fターム(参考)】