説明

ポリウレタン、ポリウレタン(ウレア)、硫黄含有ポリウレタンおよび硫黄含有ポリウレタン(ウレア)ならびに調製方法

【課題】ポリウレタン、ポリウレタン(ウレア)、硫黄含有ポリウレタンおよび硫黄含有ポリウレタン(ウレア)ならびにそれらの調製方法を提供すること。
【解決手段】本発明は、ポリウレタン、ポリウレタン(ウレア)、硫黄含有ポリウレタン、硫黄含有ポリウレタン(ウレア)およびそれらの調製方法に関する。本発明のポリウレタンは、ポリイソシアネートと、200グラム/モル以下の分子量を有する三官能性以上のポリオールと、200グラム/モル以下の分子量を有するジオールと、を組み合わせることにより調製され得る。本発明のポリウレタン(ウレア)は、ポリイソシアネートと、三官能性以上のポリオールジオールと、ジアミンと、を組み合わせることにより調製され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリウレタン、ポリウレタン(ウレア)、硫黄含有ポリウレタンおよび硫黄含有ポリウレタン(ウレア)ならびにそれらの調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光学レンズ、光ファイバ、窓ならびに自動車用、船舶用および航空機用透明体のような用途におけるガラスの代替品または代用品として、プラスチックのような多くの有機ポリマー材料が開発されてきた。これらのポリマー材料は、粉砕耐性、特定の用途についてのより軽い重量、成形の容易さおよび染色の容易さを含む、ガラスに対する利点を提供できる。しかしながら、多くのポリマー材料の屈折率は一般に、ガラスの屈折率よりも低い。眼用の用途において、より低い屈折率を有するポリマー材料の使用は、より高い屈折率を有する材料と比較して、より厚いレンズを必要とする。より厚いレンズは、望ましくない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、当該技術において、以下の特性、すなわち、十分な屈折率、軽量/低密度、良好な衝撃耐性/強度、良好な光学的透明度、良好な剛性/硬度、良好な熱的特性、および前記材料から作られた光学レンズの加工の容易さのうちの少なくとも1つを有するポリマー材料を開発することが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
例えば、本発明は、以下の項目を提供する。
(項目1)
ポリイソシアネートと、200グラム/モル以下の分子量を有する三官能性以上のポリオールと、200グラム/モル以下の分子量を有するおよびジオールと、の反応生成物を含む、ポリウレタン。
(項目2)
(a)ポリイソシアネートと、200グラム/モル以下の分子量を有する三官能性以上のポリオールと、の反応生成物を含むポリウレタンプレポリマーと、
(b)200グラム/モル以下の分子量を有するジオールと、
の反応生成物を含むポリウレタン。
(項目3)
前記ポリイソシアネートが、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、およびそれらの混合物から選ばれる、項目1に記載のポリウレタン。
(項目4)
前記三官能性以上のポリオールが、トリオール、テトラオール、およびそれらの混合物から選ばれる、項目1に記載のポリウレタン。
(項目5)
前記ジオールが、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2,4−ヘプタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、およびそれらの混合物から選ばれる、項目1に記載のポリウレタン。
(項目6)
前記ポリウレタンが、少なくとも1.50の屈折率および少なくとも40のアッベ数を有する光学製品に適合させられている、項目1に記載のポリウレタン。
(項目7)
前記ポリウレタンが、少なくとも1.55の屈折率および少なくとも30のアッベ数を有する光学製品に適合させられている、項目1に記載のポリウレタン。
(項目8)
前記三官能性以上のポリオールの当量数と前記ポリイソシアネートの当量数の比が、0.05:1.0〜0.4:1.0である、項目1に記載のポリウレタン。
(項目9)
ポリウレタンを調製する方法であって、
(a)ポリイソシアネートを、200グラム/モル以下の分子量を有する三官能性以上のポリオールと反応させて、ポリウレタンプレポリマーを形成するステップと、
(b)該ポリウレタンプレポリマーを、200グラム/モル以下の分子量を有するジオールと反応させて、該ポリウレタンを形成するステップと、
を含む、方法。
(項目10)
ポリイソシアネートと、200グラム/モル以下の分子量を有する三官能性以上のポリオールと、200グラム/モル以下の分子量を有するジオールと、をワンポットプロセスにおいて反応させるステップを含む、ポリウレタンを調製する方法。
(項目11)
(a)ポリイソシアネート、ポリイソチオシアネートまたはそれらの混合物から選ばれる材料と、
(b)200グラム/モル以下の分子量を有する三官能性以上のポリオール、700グラム/モル以下の分子量を有する三官能性以上のポリチオール、700グラム/モル以下の分子量を有するヒドロキシル基およびSH基両方を含む三官能性以上の材料、およびそれらの混合物から選ばれる材料と、
(c)200グラム/モル以下の分子量を有するジオール、600グラム/モル以下の分子量を有するジチオール、600グラム/モル以下の分子量を有するヒドロキシル基およびSH基両方を含む二官能性材料、ならびにそれらの混合物から選ばれる材料と、
の反応生成物を含み、
(a)、(b)または(c)の少なくとも1つが硫黄含有である、
硫黄含有ポリウレタン。
(項目12)
(c)における前記ジチオールが、600グラム/モル以下の数平均分子量を有するジチオールオリゴマーを含むが、該ジチオールオリゴマーが、(c)反応物の70モルパーセント以下を構成することが条件である、項目11に記載の硫黄含有ポリウレタン。
(項目13)
(a)および(b)を反応させてポリウレタンプレポリマーを形成し、該プレポリマーを(c)によって連鎖延長することにより調製される、項目11に記載の硫黄含有ポリウレタン。
(項目14)
(a)、(b)、および(c)がワンポットプロセスにおいて反応させられる、項目11の硫黄含有ポリウレタン。
(項目15)
前記ポリウレタンプレポリマーが硫黄含有である、項目13に記載の硫黄含有ポリウレタン。
(項目16)
前記硫黄含有ポリウレタンプレポリマーが、
(a)ポリイソシアネート、ポリイソチオシアネートまたはそれらの混合物のうちの少なくとも1つと、
(b)三官能性以上のポリチオール、または三官能性以上のポリチオールと三官能性以上のポリオールとの混合物のうちの少なくとも1つと、
の反応生成物を含む、
項目15に記載の硫黄含有ポリウレタン。
(項目17)
前記ポリウレタンが、少なくとも1.55の屈折率および少なくとも30のアッベ数を有する光学製品に適合させられている、項目11に記載の硫黄含有ポリウレタン。
(項目18)
前記ジチオールが、600グラム/モル以下の数平均分子量を有するジチオールオリゴマーを含むが、該ジチオールオリゴマーが、(c)反応物の70モルパーセント以下を構成することが条件である、項目11に記載の硫黄含有ポリウレタン。
(項目19)
(a)ポリイソシアネート、またはポリイソチオシアネートもしくはそれらの混合物のうちの少なくとも1つを、200グラム/モル以下の分子量を有する三官能性以上のポリオール、700グラム/モル以下の分子量を有する三官能性以上のポリチオール、700グラム/モル以下の分子量を有するヒドロキシル基およびSH基両方を含む三官能性以上の物質、またはそれらの混合物のうちのすくなくとも1つと反応させて、ポリウレタンプレポリマーを形成するステップと、
(b)該プレポリマーを、200グラム/モル以下の分子量を有するジオール、600グラム/モル以下の分子量を有するジチオール、600グラム/モル以下の分子量を有するヒドロキシル基およびSH基両方を含む二官能性材料、またはそれらの混合物から選ばれる少なくとも1つの活性水素含有材料と反応させるステップと、
を含み、
(a)または(b)の少なくとも1つが硫黄含有である、
硫黄含有ポリウレタンを調製する方法。
(項目20)
(a)ポリイソシアネート、ポリイソチオシアネートまたはそれらの混合物から選ばれる少なくとも1つの材料と、
(b)200グラム/モル以下の分子量を有する三官能性以上のポリオール、700グラム/モル以下の分子量を有する三官能性以上のポリチオール、700グラム/モル以下の分子量を有するヒドロキシル基およびSH基両方を含む三官能性以上の材料、およびそれらの混合物から選ばれる少なくとも1つの材料と、
(c)200グラム/モル以下の分子量を有するジオール、600グラム/モル以下の分子量を有するジチオール、600グラム/モル以下の分子量を有するヒドロキシル基およびSH基両方を含む二官能性材料、ならびにそれらの混合物から選ばれる少なくとも1つの材料と、
をワンポットプロセスにおいて反応させるステップを含み、
(a)、(b)または(c)の少なくとも1つが硫黄含有である、
硫黄含有ポリウレタンを調製する方法。
(項目21)
ポリイソシアネートと、200グラム/モル以下の分子量を有する三官能性以上のポリオールと、200グラム/モル以下の分子量を有するジオールと、ジアミンとの反応生成物を含む、ポリウレタン(ウレア)。
(項目22)
(a)前記ポリイソシアネートを、前記三官能性以上のポリオールと反応させてポリウレタンプレポリマーを形成し、
(b)該ポリウレタンプレポリマーを、前記ジオールおよび前記ジアミンと反応させて前記ポリウレタン(ウレア)を形成する、
ことにより調製される、項目21に記載のポリウレタン(ウレア)。
(項目23)
(b)が、三官能性以上のポリアミン、三官能性以上のポリオール、またはそれらの混合物から選ばれる材料をさらに含む、項目22に記載のポリウレタン(ウレア)。
(項目24)
前記ポリイソシアネート、前記三官能性以上のポリオール、前記ジオールおよび前記ジアミンをワンポットプロセスにおいて反応させることにより調製される、項目21に記載のポリウレタン(ウレア)。
(項目25)
前記ジアミンが、2,4−ジアミノ−3,5−ジエチル−トルエン、2,6−ジアミノ−3,5−ジエチル−トルエン、およびそれらの混合物、4,4’−メチレンビス(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2−クロロアニリン)、以下の化学式を有する材料:
【化1】


(式中、RおよびRは、各々独立してメチル、エチル、プロピル、またはイソプロピルであり、Rは、水素または塩素である)、およびそれらの混合物から選ばれる、
項目1に記載のポリウレタン(ウレア)。
(項目26)
前記ジアミンが、第一ジアミンまたは環式ジアミンである、項目21に記載のポリウレタン(ウレア)。
(項目27)
前記環式ジアミンが、芳香族ジアミンである、項目26に記載のポリウレタン(ウレア)。
(項目28)
三官能性以上のポリアミンをさらに含む、項目21に記載のポリウレタン(ウレア)。
(項目29)
(a)ポリイソシアネートを、200グラム/モル以下の分子量を有する三官能性以上のポリオールと反応させて、ポリウレタンプレポリマーを形成するステップと、
(b)前記ポリウレタンプレポリマーを、200グラム/モル以下の分子量を有するジオールと反応させて前記ポリウレタン(ウレア)を形成するステップと、
を含む、
ポリウレタン(ウレア)を調製する方法。
(項目30)
ポリイソシアネートと、200グラム/モル以下の分子量を有する三官能性以上のポリオールと、200グラム/モル以下の分子量を有するジオールと、ジアミンとをワンポットプロセスにおいて反応させるステップを含む、ポリウレタン(ウレア)を調製する方法。
(項目31)
(a)ポリイソシアネート、ポリイソチオシアネートまたはそれらの混合物のうちの少なくとも1つと、
(b)200グラム/モル以下の分子量を有する三官能性以上のポリオール、700グラム/モル以下の分子量を有するヒドロキシル基およびSH基両方を含む三官能性以上の材料、700グラム/モル以下の分子量を有する三官能性以上のポリチオール、およびそれらの混合物のうちの少なくとも1つと、
(c)200グラム/モル以下の分子量を有するジオール、600グラム/モル以下の分子量を有するジチオール、600グラム/モル以下の分子量を有するヒドロキシル基およびSH基両方を含む二官能性材料、またはそれらの混合物のうちの少なくとも1つと、
(d)ジアミンと、
の反応生成物を含み、
(a)、(b)および(c)の少なくとも1つが硫黄含有である、
硫黄含有ポリウレタン(ウレア)。
(項目32)
(c)における前記ジチオールが、600グラム/モル以下の数平均分子量を有するジチオールオリゴマーを含むが、該ジチオールオリゴマーが、(c)における反応物の70モルパーセント以下を構成することが条件である、項目31に記載の硫黄含有ポリウレタン(ウレア)。
(項目33)
(a)および(b)を反応させてポリウレタンプレポリマーを形成し、該プレポリマーを(c)および(d)によって連鎖延長することにより調製される、項目31に記載の硫黄含有ポリウレタン(ウレア)。
(項目34)
(a)、(b)、(c)および(d)がワンポットプロセスにおいて反応させられている、項目31に記載の硫黄含有ポリウレタン(ウレア)。
(項目35)
(d)が、三官能性以上のポリアミン、三官能性以上のポリオール、700以下の分子量を有する三官能性以上のポリチオール、700以下の分子量を有するヒドロキシル基およびSH基両方を含む三官能性以上の材料、およびそれらの混合物から選ばれる材料をさらに含む、項目33に記載の硫黄含有するポリウレタン(ウレア)。
(項目36)
前記ポリウレタンプレポリマーが硫黄含有である、項目33に記載の硫黄含有ポリウレタン(ウレア)。
(項目37)
前記硫黄含有ポリウレタンプレポリマーが、
(a)ポリイソシアネート、ポリイソチオシアネートまたはそれらの混合物のうちの少なくとも1つと、
(b)三官能性以上のポリチオールまたは三官能性以上のポリチオールと三官能性以上のポリオールとの混合物のうちの少なくとも1つと、
の反応生成物を含む、
項目35に記載の硫黄含有ポリウレタン(ウレア)。
(項目38)
光学製品に適合させられた場合、少なくとも1.55の屈折率および少なくとも30のアッベ数を有する、項目31に記載の硫黄含有ポリウレタン(ウレア)。
(項目39)
(a)ポリイソシアネート、ポリイソチオシアネートおよびそれらの混合物から選ばれる材料を、200グラム/モル以下の分子量を有する三官能性以上のポリオール、700グラム/モル以下の分子量を有する三官能性以上のポリチオール、700グラム/モル以下の分子量を有するヒドロキシル基およびSH基両方を含む三官能性以上の物質、およびそれらの混合物から選ばれる物質と反応させて、ポリウレタンプレポリマーを形成するステップと、
(b)該プレポリマーを、ジアミンおよび200グラム/モル以下の分子量を有するジオール、600グラム/モル以下の分子量を有するジチオール、600グラム/モル以下の分子量を有するヒドロキシル基およびSH基両方を含む二官能性材料、およびそれらの混合物から選ばれる材料と反応させるステップと、
(d)ジアミンと、
を含み、
(a)、(b)および(c)のうちの少なくとも1つが、硫黄含有である、
硫黄含有ポリウレタン(ウレア)を調製する方法。
(項目40)
(a)ポリイソシアネート、ポリイソチオシアネートまたはそれらの混合物から選ばれる材料と、
(b)200グラム/モル以下の分子量を有する三官能性以上のポリオール、700グラム/モル以下の分子量を有する三官能性以上のポリチオール、700グラム/モル以下の分子量を有するヒドロキシル基およびSH基両方を含む三官能性以上の材料、およびそれらの混合物から選ばれる材料と、
(c)200グラム/モル以下の分子量を有するジオール、600グラム/モル以下の分子量を有するジチオール、600グラム/モル以下の分子量を有するヒドロキシル基およびSH基両方を含む二官能性材料、ならびにそれらの混合物から選ばれる材料と、
(d)ジアミンと、
を反応させるステップを含み、
(a)、(b)、(c)および(d)が、ワンポットプロセスにおいて反応させられ、(a)、(b)および(c)のうちの少なくとも1つが硫黄含有である、
硫黄含有ポリウレタン(ウレア)を調製する方法。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本明細書の目的のため、特に示されていない限り、本明細書中で用いられる原料、反応条件等の量を表すすべての数字は、すべての例において用語「約(about)」により修正されるものと理解されるべきである。従って、逆に示されていない限り、以下の明細書および特許請求の範囲において述べられる数値パラメータは、本発明により得られることが求められる所望の特性に応じて変わり得る近似である。最低でも、特許請求の範囲の範囲への均等論の適用を制限する試みとしてではなく、各数値パラメータは、報告される有効数字の数を考慮しておよび通常の丸め手法を適用することにより少なくとも解釈されるべきである。
【0006】
本発明の広い範囲を述べる数値範囲および数値パラメータは、近似値であるにもかかわらず、特定の実施例において示される数値は、できるだけ正確に報告されている。しかしながら、任意の数値は、それらのそれぞれの試験測定において見出される標準偏差から必然的に生じる特定の誤差を本質的に含む。
【0007】
非限定的な実施形態において、本発明のポリウレタンは、ポリイソシアネート、200グラム/モル以下の分子量を有する三官能性以上のポリオール、および200グラム/モル以下の分子量を有するジオールの反応生成物であり得る。
【0008】
別の非限定的な実施形態において、本発明のポリウレタン(ウレア)は、ポリイソシアネート、200グラム/モル以下の分子量を有する三官能性以上のポリオール、200グラム/モル以下の分子量を有するジオール、およびジアミンのワンポットプロセスにおける反応生成物であり得る。
【0009】
さらに別の非限定的な実施形態において、本発明のポリウレタン(ウレア)は、(a)ポリイソシアネートを、200グラム/モル以下の分子量を有する三官能性以上のポリオールと反応させて、イソシアネートを末端基とするポリウレタンプレポリマーを形成し、(b)前記ポリウレタンプレポリマーを、活性水素含有材料と反応させることにより調製することができ、前記活性水素含有材料は、200グラム/モル以下の分子量を有するジオールおよびジアミンを含み得る。この非限定的な実施形態において、前記活性水素含有材料は任意に、三官能性以上のポリオール、および/または三官能性以上のポリアミンをさらに含み得る。
【0010】
さらなる非限定的な実施形態において、本発明の硫黄含有ポリウレタンは、
(a)ポリイソシアネート、ポリイソチオシアネート、およびそれらの混合物から選ばれる材料、
(b)三官能性以上のポリオール、三官能性以上のポリチオール、ヒドロキシル基およびSH基両方を含む三官能性以上の材料、ならびにそれらの混合物から選ばれる材料、および
(c)ジオール、ジチオール、二官能性材料、ヒドロキシル基およびSH基両方を含む材料、およびそれらの混合物から選ばれる材料、を組み合わせることにより調製することができ、(a)、(b)、および(c)の少なくとも1つは、硫黄含有である。別の非限定的な実施形態前記において、(c)の前記ジチオールは、少なくとも1つのジチオールオリゴマーを含み得る。
【0011】
さらなる非限定的な実施形態において、本発明の硫黄含有ポリウレタン(ウレア)は、(a)ポリイソシアネート、またはポリイソチオシアネート、およびそれらの混合物から選ばれる少なくとも1つの材料、
(b)200グラム/モル以下の分子量を有する三官能性以上のポリオール、700グラム/モル以下の分子量を有する三官能性以上のポリチオール、700グラム/モル以下の分子量を有するヒドロキシル基およびSH基両方を含む材料、ならびにそれらの混合物から選ばれる少なくとも1つの材料、
(c)200グラム/モル以下の分子量を有するジオール、600グラム/モル以下の分子量を有するジチオール、600グラム/モル以下の分子量を有するヒドロキシル基およびSH基両方を含む二官能性の材料、ならびにそれらの混合物から選ばれる少なくとも1つの材料、および
(d)ジアミン、
を反応させることによりワンポットプロセスで調製することができ、(a)、(b)、または(c)の少なくとも1つは、硫黄含有である。この非限定的な実施形態において、(d)は、三官能性以上のポリアミンをさらに含み得る。別の非限定的な実施形態において、(c)におけるジチオールは、600グラム/モル以下の平均分子量を有するジチオールオリゴマーを含むことができ、前記ジチオールオリゴマーは、(c)に含まれる種の70モルパーセント以下を構成する。
【0012】
本明細書および特許請求の範囲において用いられるように、用語「イソシアネート」および「イソチオシアネート」としては、チオール、ヒドロキシル基、またはアミン官能基のような反応性基と共有結合を形成できる非ブロック化合物が含まれる。別の非限定的な実施形態において、本発明のポリイソシアネートは、イソシアネート(NCO)から選ばれる少なくとも2つの官能性基を含むことができ、ポリイソチオシアネートは、イソチオシアネート(NCS)から選ばれる少なくとも2つの官能性基を含むことができ、イソシアネートおよびイソチオシアネート材料は各々、イソシアネート官能基およびイソチオシアネート官能基の組み合わせを含み得る。非限定的な実施形態において、ポリイソチオシアネートは、イソチオシアネートまたはイソチオシアネートとイソシアネートとの組み合わせから選ばれる少なくとも2つの基を含み得る。
【0013】
別の非限定的な実施形態において、本発明のポリウレタンおよび/または硫黄含有ポリウレタンならびにポリウレタン(ウレア)および/または硫黄含有ポリウレタン(ウレア)は重合された場合に、少なくとも1.50、または少なくとも1.53、または少なくとも1.55、または少なくとも1.60の屈折率を有するポリメリゼート(polymerizate)を生成することができる。本発明のポリウレタンおよび/または硫黄含有ポリウレタンならびにポリウレタン(ウレア)および/または硫黄含有ポリウレタン(ウレア)が、少なくとも1つの芳香環および/または少なくとも1つの硫黄含有部分、あるいはそれらの組み合わせまたはそれらの混合物を含有する材料を含む、さらなる非限定的な実施形態において、ポリウレタンおよび/または硫黄含有ポリウレタンならびにポリウレタン(ウレア)および/または硫黄含有ポリウレタン(ウレア)は重合された場合に、少なくとも1.53、または1.55、または少なくとも1.56、または少なくとも1.57、または少なくとも1.58、または少なくとも1.59、または少なくとも1.60、または少なくとも1.62、または少なくとも1.65の屈折率を有するポリメリゼートを生成することができる。さらに別の非限定的な実施形態において、本発明のポリウレタンおよび硫黄含有ポリウレタンならびにポリウレタン(ウレア)および硫黄含有ポリウレタン(ウレア)は重合された場合に、少なくとも30、または少なくとも32、または少なくとも35、または少なくとも38、または少なくとも39、または少なくとも40、または少なくとも44のアッベ数を有するポリメリゼートを生成することができる。屈折率およびアッベ数は、American Standard Test Method(ASTM)Number D 542−00のような当該技術において公知である方法により求めることができる。さらに、屈折率およびアッベ数は、様々な既知の計測器を用いて求めることができる。本発明の非限定的な実施形態において、屈折率およびアッベ数は、以下を例外としてASTM D 542−00に従って測定できる:(i)セクション7.3に規定されるような最低3個の試験片の代わりに1〜2個の試料/試験体を試験する場合、および(ii)セクション8.1に規定されるように試験前に試料/試験体を状態調節する代わりに、状態調節されていない試料を試験する場合。さらに、非限定的な実施形態において、試料/試験体の屈折率およびアッベ数を測定するために、Atago、モデルDR−M2 Multi−Wavelength Digital Abbe Refractometerを用いることができる。
【0014】
ポリメリゼートが光学/眼用用途にとり有用であるために、良好なまたは十分に高い剛性/硬度および/または熱的性質がポリメリゼートにとって望ましい特性である。なぜならば、高い剛性/硬度および/または熱的性質は、前記ポリメリゼートが、表面仕上げ加工、エッジング加工、およびコーティング加工のような、ただしこれらに限定されない、眼用レンズ製品の製造に関連する加工にかけられる場合に、改善された精度、加工歩留まり、および耐久性のうちの少なくとも1つに関連し得るからである。
【0015】
非限定的な実施形態において、ポリウレタンおよび/または硫黄含有ポリウレタンならびにポリウレタン(ウレア)および/または硫黄含有ポリウレタン(ウレア)は重合された場合に、十分に高い硬度を有するポリメリゼートを生成することができる。硬度は、当該技術において公知の方法により求めることができる。非限定的な実施形態において、硬度は、ISO標準試験方法BS EN ISO14577−1:2002に従って測定できる。さらに、非限定的な実施形態において、Fischer Technology,Inc.により供給されるFischer Scope H−100計測器を、BS EN ISO 14577−1:2002に従って、マルテンス硬度を測定するために用いることができ、前記マルテンス硬度は、ニュートン(N)/mmの単位で報告され得る。
【0016】
別の非限定的な実施形態において、本発明のポリウレタンまたは硫黄含有ポリウレタンは重合された場合に、80ニュートン/mm以上、または100ニュートン/mm以上、または110ニュートン/mm以上、または120ニュートン/mm以上、または130ニュートン/mm以上、あるいは250ニュートン/mm未満、または200ニュートン/mm未満のマルテンス硬度(HM 0.3/15/0)を有するポリメリゼートを生成することができる。
【0017】
別の非限定的な実施形態において、本発明のポリウレタン(ウレア)または硫黄含有ポリウレタン(ウレア)は重合された場合に、80ニュートン/mm以上、または100ニュートン/mm以上、または110ニュートン/mm以上、または120ニュートン/mm以上、または140ニュートン/mm以上、あるいは250ニュートン/mm未満、または200ニュートン/mm未満のマルテンス硬度(HM 0.3/15/0)を有するポリメリゼートを生成することができる。
【0018】
非限定的な実施形態において、ポリウレタンおよび/または硫黄含有ポリウレタン、および/またはポリウレタン(ウレア)および/または硫黄含有ポリウレタン(ウレア)は重合された場合に、十分に高い熱的性質を有するポリメリゼートを生成することができる。熱的性質は、当該技術において公知の方法により求めることができる。非限定的な実施形態において、熱的性質は、ASTM D648 Method Bに従って測定することができる。さらに、非限定的な実施形態において、ポリメリゼートの熱的性質は、この試験方法の条件下で、加熱撓み温度(すなわち、試料片の0.254mm(10ミル)撓みが生じる温度)および全撓み温度(すなわち、2.54mm(100ミル)撓みが生じる温度)として報告され得る。さらなる非限定的な実施形態において、試験は、CEAST USA,Inc.により供給されるHDT Vicat測定器を用いて実行され得る。
【0019】
別の非限定的な実施形態において、本発明のポリウレタンまたは硫黄含有ポリウレタン、および/またはポリウレタン(ウレア)または硫黄含有ポリウレタン(ウレア)は重合された場合に、少なくとも80℃、または少なくとも90℃、または少なくとも100、または少なくとも110℃の加熱撓み温度を有するポリメリゼートを生成することができる。
【0020】
非限定的な実施形態において、ポリウレタンおよび/または硫黄含有ポリウレタン、および/またはポリウレタン(ウレア)および/または硫黄含有ポリウレタン(ウレア)は重合された場合に、十分に良好な衝撃抵抗/強さを有するポリメリゼートを生成することができる。衝撃抵抗は、当業者に既知の多様な従来方法を用いて測定され得る。
【0021】
非限定的な実施形態において、衝撃抵抗は、衝撃エネルギー試験を用いて測定することができ、この試験では、円柱形の鋼製ホルダに取り付けられた、内径25mmで厚さ2.3mmのOリングによって支持された、厚さ3mmのポリメリゼートの平らなシート試料上に、重量が増大する鋼球が1.27mの高さから連続的に落下される。もしシートが破損しなければ、そのシートは、試験に合格したとされる。シートが破損すれば、そのシートは試験に不合格であったとされる。本明細書中で用いられるように、用語「破損(fracture)」は、シートの厚み全体を通り2つ以上の別個の断片になる亀裂、またはシートの裏面(すなわち、衝撃面と反対のシートの面)からの1つ以上の材料片の剥離を意味する。試料の衝撃強さは、本明細書中の実験セクションにおいてより詳細に説明されるように、平らなシートが合格する最も高いレベル(すなわち、最も大きいボール)に対応する衝撃エネルギー(ジュール)として報告される。
【0022】
別の非限定的な実施形態において、本明細書中に記載されるような衝撃エネルギー試験を用いて、本発明のポリウレタンまたは硫黄含有ポリウレタン、および/またはポリウレタン(ウレア)または硫黄含有ポリウレタン(ウレア)は重合された場合に、少なくとも1.0ジュール、または少なくとも2.0ジュール、または少なくとも4.95ジュールの衝撃強さを有するポリメリゼートを生成することができる。
【0023】
非限定的な実施形態において、本発明のポリウレタンは、ポリイソシアネート、三官能性以上のポリオール、およびジオールの反応生成物を含み得る。非限定的な実施形態において、前記三官能性以上のポリオールの当量数と前記ポリイソシアネートの当量数の比は、0.05:1.0〜0.4〜1.0であり得る。
【0024】
非限定的な実施形態において、本発明のポリウレタンは、ポリイソシアネート、200グラム/モル以下の分子量を有する三官能性以上のポリオール、および200グラム/モル以下の分子量を有するジオールの反応生成物を含み得る。非限定的な実施形態において、前記三官能性以上のポリオールは、三官能性および/または四官能性ポリオールであり得る。別の非限定的な実施形態において、前記三官能性以上のポリオールの当量数と前記ポリイソシアネートの当量数の比は、0.05:1.0〜0.4〜1.0であり得る。さらなる非限定的な実施形態において、前記比は、0.1:1.0〜0.4:1.0、または0.15:1.0〜0.4:1.0、または0.2:1.0〜0.4:1.0、または0.1:1.0〜0.3:1.0、または0.15:1.0〜0.3:1.0、または0.2:1.0〜0.3:1.0〜であり得る。
【0025】
別の非限定的な実施形態において、本発明の硫黄含有ポリウレタンは、
(a)ポリイソシアネート、またはポリイソチオシアネート、およびそれらの混合物から選ばれる材料;
(b)三官能性以上のポリオール、または三官能性以上のポリチオール、またはヒドロキシル基およびSH基両方を含む三官能性以上の材料、およびそれらの混合物から選ばれる材料;および
(c)ジオール、ジチオール、ヒドロキシル基およびSH基両方を含む二官能性材料、ならびにそれらの混合物から選ばれる材料、
の反応生成物を含むことができ、(a)、(b)、および(c)のうちの少なくとも1つは、硫黄含有である。非限定的な実施形態前記において、(c)の前記ジチオールは、少なくとも1つのジチオールオリゴマーを含み得るが、前記ジチオールオリゴマーが、(c)に含まれる種の70モルパーセント以下を構成することが条件である。別の非限定的な実施形態において、前記三官能性以上のポリオールに前記三官能性以上のポリチオールならびにヒドロキシル基およびSH基両方を含む三官能性以上の材料を加えたものの当量数の合計と、前記ポリイソシアネートに前記ポリイソチオシアネートを加えたものの当量数の合計の比は、0.05:1.0〜0.4:1.0であり得る。
【0026】
非限定的な実施形態において、本発明の硫黄含有ポリウレタンは、
(a)ポリイソシアネート、またはポリイソチオシアネート、およびそれらの混合物から選ばれる材料;
(b)200グラム/モル以下の分子量を有する三官能性以上のポリオール、700グラム/モル以下の分子量を有する三官能性以上のポリチオール、700グラム/モル以下の分子量を有するヒドロキシル基およびSH基両方を含む材料、ならびにそれらの混合物から選ばれる材料;
(c)200グラム/モル以下の分子量を有するジオール、600グラム/モル以下の分子量を有するジチオール、600グラム/モル以下の分子量を有するヒドロキシル基およびSH基両方を含む二官能性の材料、ならびにそれらの混合物から選ばれる材料、
の反応生成物を含むことができ、(a)、(b)、および(c)のうちの少なくとも1つは、硫黄含有である。
【0027】
非限定的な実施形態において、(c)の前記ジチオールは、600グラム/モル以下の数平均分子量を有するジチオールオリゴマーを含み得るが、ジチオールオリゴマーが、(c)に含まれる種の70モルパーセント以下を構成することが条件である。さらなる非限定的な実施形態において、(b)は、三官能性および/または四官能性ポリオール、三官能性および/または四官能性ポリチオール、ヒドロキシル基およびSH基両方を含む三官能性および/または四官能性材料、あるいはそれらの混合物であり得る。別の非限定的な実施形態において、三官能性以上のポリオールおよび三官能性以上のポリチオールならびにヒドロキシル基およびSH基両方を含む三官能性以上の材料の当量数の合計と、ポリイソシアネートおよびポリイソチオシアネートの当量数の合計の比は、0.05:1.0〜0.4:1.0であり得る。さらなる非限定的な実施形態において、前記比は、0.1:1.0〜0.4:1.0、または0.15:1.0〜0.4:1.0、または0.2:1.0〜0.4:1.0、または0.1:1.0〜0.3:1.0、または0.15:1.0〜0.3:1.0、または0.2:1.0〜0.3:1.0であり得る。
【0028】
非限定的な実施形態において、本発明のポリウレタンは、(a)ポリイソシアネートを、200グラム/モル以下の分子量を有する三官能性以上のポリオールと反応させて、イソシアネートを末端基とするポリウレタンプレポリマーを形成し、(b)活性水素含有材料を用いてプレポリマーを連鎖延長することにより調製することができ、活性水素含有材料は、200グラム/モル以下の分子量を有するジオールを含み得る。この非限定的な実施形態において、活性水素含有材料は、200グラム/モル以下の分子量を有する三官能性以上のポリオールを任意にさらに含み得る。別の非限定的な実施形態において、(b)に含まれる活性水素含有材料の量およびポリウレタンプレポリマーの量は、(OH):(NCO)の当量比が1.1:1.0〜0.85:1.0になるように選ばれ得る。別の非限定的な実施形態において、(OH):(NCO)の当量比は、1.1〜:1.0〜0.90:1.0、または1.1:1.0〜0.95:1.0、または1.0:1.0〜0.90:1.0、または1.0:1.0〜0.95:1.0の範囲をとり得る。
【0029】
非限定的な実施形態において、本発明の硫黄含有ポリウレタンは、(a)ポリイソシアネート、ポリイソチオシアネート、およびそれらの混合物を、200グラム/モル以下の分子量を有する三官能性以上のポリオール、700グラム/モル以下の分子量を有する三官能性以上のポリチオール、700グラム/モル以下の分子量を有するヒドロキシル基およびSH基両方を含む三官能性以上の、およびそれらの混合物から選ばれる材料と反応させて、イソシアネートまたはイソチオシアネートまたはイソチオシアネート/イソシアネートを末端基とするポリウレタンプレポリマーまたは硫黄含有ポリウレタンプレポリマーを形成し、(b)活性水素含有材料を用いてプレポリマーを連鎖延長することにより調製することができ、活性水素含有材料は、200グラム/モル以下の分子量を有するジオール、600グラム/モル以下の分子量を有するジチオール、または600グラム/モル以下のヒドロキシル基およびSH基両方を含む二官能性材料、およびそれらの混合物から選ばれる材料を含むことができ、(a)および(b)に含まれる材料のうちの少なくとも1つは、硫黄含有である。非限定的な実施形態において、(b)のジチオールは、600グラム/モル以下の数平均分子量を有するジチオールオリゴマーを含み得るが、ジチオールオリゴマーが、(b)に含まれる種の70モルパーセント以下を構成することが条件である。別の非限定的な実施形態において、(b)の活性水素含有材料は、200グラム/モル以下の分子量を有する三官能性以上のポリオール、700グラム/モル以下の分子量を有する三官能性以上のポリチオール、700グラム/モル以下の分子量を有するヒドロキシル基およびSH基両方を含む三官能性以上の材料、およびそれらの混合物をさらに含み得る。
【0030】
上記の非限定的な実施形態において、(b)に含まれる活性水素含有材料の量およびイソシアネートまたはイソチオシアネートまたはイソチオシアネート/イソシアネートを末端基とするポリウレタンプレポリマーまたは硫黄含有ポリウレタンプレポリマーの量は、(OH+SH):(NCO+NCS)の当量比が1.1:1.0〜0.85:1.0になり得るように選ばれ得る。別の非限定的な実施形態において、前記当量比(OH+SH):(NCO+NCS)は、1.1:1.0〜0.90:1.0、または1.1:1.0〜0.95:1.0、または1.0〜:1.0〜0.90:1.0、または1.0〜:1.0〜0.95:1.0の範囲をとり得る。
【0031】
別の非限定的な実施形態において、ポリウレタンプレポリマーまたは硫黄含有ポリウレタンプレポリマーを調製するために用いられるポリイソシアネートおよび/またはポリイソチオシアネートの量ならびに三官能性以上のポリオール、ポリチオール、および/またはヒドロキシル基およびSH基両方を含む材料の量は、Brookfield CAP 2000+粘度計を用いて73℃で測定された前記プレポリマーの粘度が、15,000cps未満、または8,000cps未満、または2,000cps未満であるように選ば
れ得る。
【0032】
非限定的な実施形態において、本発明のポリウレタンは、ポリイソシアネート、200グラム/モル以下の分子量を有する三官能性以上のポリオール、および200グラム/モル以下の分子量を有するジオールをワンポットプロセスで反応させることにより調製され得る。
【0033】
非限定的な実施形態において、本発明の硫黄含有ポリウレタンは、(a)ポリイソシアネート、またはポリイソチオシアネート、およびそれらの混合物から選ばれる材料、(b)200グラム/モル以下の分子量を有する三官能性以上のポリオール、700グラム/モル以下の分子量を有する三官能性以上のポリチオール、700グラム/モル以下の分子量を有するヒドロキシル基およびSH基両方を含む三官能性以上の材料およびそれらの混合物から選ばれる材料、および(c)200グラム/モル以下の分子量を有するジオール、600グラム/モル以下の分子量を有するジチオール、600グラム/モル以下の分子量を有するヒドロキシル基およびSH基両方を含む二官能性の材料、およびそれらの混合物から選ばれる材料を、ワンポットプロセスで反応させることにより調製することができ、(a)、(b)、および(c)に含まれる材料の少なくとも1つは、硫黄含有である。非限定的な実施形態において、(c)におけるジチオールは、600グラム/モル以下の数平均分子量を有するジチオールオリゴマーを含むことができ、前記ジチオールオリゴマーは、(c)に含まれる種の70モルパーセント以下を構成する。別の非限定的な実施形態において、(b)に含まれる種の当量数の合計と(a)に含まれる種の当量数の合計の比は、0.05:1.0〜0.4:1.0〜であり得る。
【0034】
本発明のポリウレタンおよび/または硫黄含有ポリウレタン、および/またはポリウレタン(ウレア)または硫黄含有ポリウレタン(ウレア)の調製において有用なポリイソシアネートおよびポリイソチオシアネートは、非常に多くかつ多様である。本発明において使用するのに適したポリイソシアネートとしては、高分子量ポリイソシアネート、脂肪族直鎖ポリイソシアネート、脂肪族分枝ポリイソシアネート、1つ以上のイソシアナト基が脂環に直接結合されている脂環式ポリイソシアネートおよび1つ以上のシアナト基が脂環に直接結合されていない脂環式ポリイソシアネート、ならびに1つ以上のイソシアナト基が芳香環に直接結合されている芳香ポリイソシアネートおよび1つ以上のイソシアナト基が芳香環に直接結合されていない芳香族ポリイソシアネートが含まれるが、これらに限定されない。
【0035】
本発明における使用に適したポリイソチオシアネートとしては、高分子量ポリイソチオシアネート、脂肪族直鎖ポリイソチオシアネート、脂肪族分枝ポリイソチオシアネート、1つ以上のイソシアナト基が脂環に直接結合されている脂環式ポリイソチオシアネートおよび1つ以上のシアナト基が脂環に直接結合されていない脂環式ポリイソチオシアネート、ならびに1つ以上のイソシアナト基が芳香環に直接結合されている芳香族ポリイソチオシアネート、および1つ以上のイソシアナト基が芳香環に直接結合されていない芳香族ポリイソチオシアネートが含まれるが、これらに限定されない。
【0036】
非限定的な例としては、ウレタン結合(−NH−C(O)−O−)、チオウレタン結合(−NH−C(S)−O−)、ジチオウレタン結合(−NH−C(S)−S−)およびそれらの組み合わせから選ばれる主鎖結合を有するポリイソシアネートおよびポリイソチオシアネートが含まれ得る。
【0037】
ポリイソシアネートおよびポリイソチオシアネートの分子量は、広く変わり得る。別の非限定的な実施形態において、各々の数平均分子量(Mn)は、少なくとも100グラム/モル未満、または少なくとも150グラム/モル未満、または15,000グラム/モル未満、または5000グラム/モル未満であり得る。数平均分子量は、既知の方法を用いて求めることができる。本明細書および特許請求の範囲において列挙される数平均分子量値は、ポリスチレン標準を用いるゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により決定された。
【0038】
適切なポリイソシアネートおよびポリイソチオシアネートの非限定的な例としては、参照により本明細書に組み込まれるWO 2004/060951 A1の段落[0013]〜[0035]に記載されるものが含まれ得るが、それらに限定されない。
【0039】
さらに別の非限定的な実施形態において、ポリイソシアネートとしては、メタ−テトラメチルキシレンジイソシアネート(1,3−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチルベンゼン)、3−イソシアナト−メチル−3,5,5,−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メタ−キシレンジイソシアネート、またはそれらの混合物が含まれる。
【0040】
本発明の非限定的な実施形態において、ポリイソシアネートおよび/またはポリイソチオシアネートは、三官能性以上のポリオールおよび/またはポリチオールと組み合わせて、ポリウレタンプレポリマーまたは硫黄含有ポリウレタンプレポリマーを形成するように反応させることができ、前記プレポリマーは次に、ジオール、および/またはジチオール、および任意に三官能性以上のポリオールおよび/またはポリチオールで連鎖延長されて、ポリウレタンまたは硫黄含有ポリウレタンポリマーを形成することができる。別の非限定的な実施形態において、ポリイソシアネートおよび/またはポリイソチオシアネート、三官能性以上のポリオールおよび/またはポリチオール、ジオールおよび/またはジチオールを、ワンポットプロセスにおいて一緒に組み合わせて、ポリウレタンまたは硫黄含有ポリウレタンポリマーを形成することができる。
【0041】
本発明の非限定的な実施形態において、ポリイソシアネートおよび/またはポリイソチオシアネートは、三官能性以上のポリオールおよび/またはポリチオールと組み合わせて、ポリウレタンプレポリマーまたは硫黄含有ポリウレタンプレポリマーを形成するように反応させることができ、前記プレポリマーは次に、ポリウレタン(ウレア)または硫黄含有ポリウレタン(ウレア)ポリマーを形成するために、ジオール、および/またはジチオール、およびアミン含有硬化剤と反応させられ得る。別の非限定的な実施形態において、ポリイソシアネートおよび/またはポリイソチオシアネート、三官能性以上のポリオールおよび/または三官能性以上のポリチオール、ジオールおよび/またはジチオール、ならびにアミン含有硬化剤を、ワンポットプロセスにおいて一緒に組み合わせて、ポリウレタン(ウレア)または硫黄含有ポリウレタン(ウレア)ポリマーを形成することができる。
【0042】
非限定的な実施形態において、本発明のポリウレタン(ウレア)は、ポリイソシアネート、三官能性以上のポリオール、ジオール、ジアミン、および任意に三官能性以上のポリアミンの反応生成物を含み得る。非限定的な実施形態において、前記三官能性以上のポリオールの当量数と前記ポリイソシアネートの当量数の比は、0.05:1.0〜0.4〜1.0であり得る。別の非限定的な実施形態において、前記ジアミンの当量数と前記ポリイソシアネートの当量数の比は、0.05:1.0〜0.4〜1.0であり得る。別の非限定的な実施形態において、前記ジアミンに前記三官能性以上のポリアミンを加えたものの当量数と前記ポリイソシアネートの当量数の比は、0.05:1.0〜0.4:1.0であり得る。
【0043】
非限定的な実施形態において、本発明のポリウレタン(ウレア)は、ポリイソシアネート、200グラム/モル以下の分子量を有する三官能性以上のポリオール、200グラム/モル以下の分子量を有するジオール、ジアミン、および任意に三官能性以上のポリアミンの反応生成物を含み得る。この非限定的な実施形態において、前記三官能性以上のポリオールは、三官能性および/または四官能性ポリオールであり得る。別の非限定的な実施形態において、前記三官能性以上のポリアミンは、三官能性および/または四官能性ポリアミンであり得る。別の非限定的な実施形態において、前記三官能性以上のポリオールの当量数と前記ポリイソシアネートの当量数の比は、0.05:1.0〜0.4〜1.0〜であり得る。さらなる非限定的な実施形態において、前記比は、0.1:1.0〜0.4:1.0、または0.15:1.0〜0.4:1.0、または0.2:1.0〜0.4〜1.0、または0.1:1.0〜0.3:1.0、または0.15:1.0〜0.3:1.0、または0.2:1.0〜0.3:1.0であり得る。非限定的な実施形態において、前記ジアミンの当量数と前記ポリイソシアネートの当量数の比は、0.05:1.0〜0.4〜1.0であり得る。さらなる非限定的な実施形態において、前記比は、0.1:1.0〜0.4:1.0、または0.15:1.0〜0.4:1.0、または0.2:1.0〜0.4〜1.0、または0.1〜:1.0〜0.3:1.0、または0.15:1.0〜0.3:1.0、または0.2:1.0〜0.3:1.0であり得る。別の非限定的な実施形態において、前記ジアミンに前記三官能性以上のポリアミンを加えたものの当量数の合計と前記ポリイソシアネートの当量数の比は、0.05:1.0〜0.4:1.0であり得る。
【0044】
非限定的な実施形態において、本発明の硫黄含有ポリウレタン(ウレア)は、(a)ポリイソシアネート、ポリイソチオシアネート、またはそれらの混合物から選ばれる少なくとも1つの材料と、200グラム/モル以下の分子量を有する三官能性またはより高い官能性ポリオール、700グラム/モル以下の分子量を有する三官能性以上のポリチオール、700グラム/モル以下の分子量を有するヒドロキシル基およびSH基両方を含む三官能性以上の材料、またはそれらの混合物から選ばれる少なくとも1つの材料を含む活性水素含有材料と反応させて、イソシアネートまたはイソチオシアネートまたはイソチオシアネート/イソシアネートを末端基とするポリウレタンプレポリマーまたは硫黄含有ポリウレタンプレポリマーを形成し、(b)前記プレポリマーを、ジアミンおよび200グラム/モルの分子量を有するジオール、600グラム/モル以下の分子量を有するジチオール、600グラム/モル以下の分子量を有するヒドロキシル基およびSH基両方を含む二官能性材料含、またはそれらの混合物から選ばれる少なくとも1つを含む活性水素含有材料と反応させることにより調製することができ、(a)または(b)に含まれる材料のうちの少なくとも1つは、硫黄含有材料である。この非限定的な実施形態前記において、(b)の前記ジチオールは、600グラム/モル以下の数平均分子量を有するジチオールオリゴマーを含み得るが、前記ジチオールオリゴマーが、(b)に含まれる種の70モルパーセント以下を構成することが条件である。別の非限定的な実施形態において、(b)の前記活性水素含有する材料は、三官能性以上のポリアミン、三官能性以上のポリオール、700グラム/モル以下の分子量を有する三官能性またはより高い官能性ポリチオール、700グラム/モル以下の分子量を有するヒドロキシル基およびSH基両方を含む三官能性以上の材料をさらに含み得る。
【0045】
上記の非限定的な実施形態において、(a)に含まれる前記ポリイソシアネートおよび/またはポリイソチオシアネートの量、および活性水素含有材料の量は、前記プレポリマーを調製するために用いられる(OH+SH):(NCO+NCS)の当量比が、0.05:1.0〜0.4:1.0であり得るように選ばれ得る。別の非限定的な実施形態において、(b)に含まれる活性水素含有材料の量および前記プレポリマーの量は、(OH+SH+NH):(NCO+NCS)の当量比が、1.1:1.0〜0.70:1.0〜であり得るように選ばれ得る。別の非限定的な実施形態において、(OH+SH+NH):(NCO+NCS)の前記当量比は、1.1:1.0〜0.80:1.0、または1.1:1.0〜0.85:1.0、または1.1:1.0〜0.90:1.0、または1.0:1.0〜0.90:1.0の範囲をとり得る。
【0046】
本発明において使用するのに適した活性水素含有材料は、当該技術において多様かつ既知である。非限定的な例としては、ポリオールのようなただしこれに限定されない水素含有材料、ヒドロキシル基官能性ポリスルフィドのようなただしこれに限定されない硫黄含有材料、およびポリチオールのようなただしこれに限定されないSH−含有材料、ならびにヒドロキシル基およびチオール官能基両方を有する材料が含まれる。
【0047】
本発明において使用するための三官能性およびより高い官能性のポリオールの非限定的な例としては、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジ(トリメチロールプロパン)、グリセロール、ペンタエリスリトール、ジ(ペンタエリスリトール)、シクロヘキサントリオール、エトキシル化トリメチロールプロパン、プロポキシル化トリメチロールプロパン、エトキシル化ペンタエリスリトール、プロポキシル化ペンタエリスリトール、またはそれらの混合物が含まれ得る。
【0048】
本発明において使用するのに適したジオールは多様であり、当該技術において知られているものから選ばれ得る。非限定的な例としては、脂肪族ジオール、脂環式ジオール、芳香族ジオール、複素環式ジオール、ポリマー型ジオール、オリゴマー型ジオールおよびそれらの混合物が含まれる。
【0049】
本発明における使用のためのジオールの非限定的な例としては、従来技術および本明細書中に開示されたるものが含まれ得る。本発明における使用のためのジオールのさらなる非限定的な例としては、200〜5000グラム/モルの数平均分子量(Mn)を有するポリエステルジオール、ポリカプロラクトンジオール、ポリエーテルジオール、およびポリカーボネートジオールが含まれ得る。
【0050】
適切なジオールとしては、以下の一般式:
【0051】
【化2】

により記述される材料が含まれ、
式中、Rは、C〜C30の二価の直鎖状または分枝状の脂肪族、脂環式、芳香族、複素環式、またはオリゴマー型の飽和アルキレンラジカルあるいはそれらの混合物、炭素原子および水素原子に加えて硫黄、酸素およびケイ素から成る群から選ばれる少なくとも1つの元素を含むC〜C30の二価の有機ラジカル、C〜C30の二価の飽和シクロアルキレンラジカル、C〜C30の二価の飽和ヘテロシクロアルキレンラジカルを表すことができ、R’およびR’’は各々、C〜C30の二価の直鎖状または分枝状の脂肪族、脂環式、芳香族、複素環式、ポリマー型、オリゴマー型の飽和アルキレンラジカルまたはそれらの混合物を独立して表すことができる。
【0052】
本発明において使用するためのジオールの非限定的な例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1、4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2メチル−1,3ペンタンジオール、2,4−ヘプタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオネート、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,2−ビス(ヒドロキシエチル)−シクロヘキサン、ビスヒドロキシプロピルヒダントイン、1モルの2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(すなわち、ビスフェノール−A)と2モルのプロピレンオキシドとのアルコキシル化生成物、およびそれらの混合物が含まれ得る。
【0053】
非限定的な実施形態において、本発明において使用するための三官能性以上のポリチオールとしては、少なくとも3つのチオール基を有するポリチオールのようなただしこれに限定されないSH−含有材料が含まれ得る。適切なポリチオールの非限定的な例としては、脂肪族直鎖状または分枝状ポリチオール、脂環式ポリチオール、芳香族ポリチオール、複素環式ポリチオール、オリゴマー型ポリチオールおよびそれらの混合物が含まれ得るが、それらに限定されない。ポリチオールは、エーテル結合(−O−)、スルフィド結合(−S−)、ポリスルフィド結合(−S、式中、xは、が少なくとも2、または2〜4である)およびそのような結合の組み合わせを含むがそれらに限定されない結合を有し得る。本明細書および特許請求の範囲において用いられるように、用語「チオール」、「チオール基」、「メルカプト」または「メルカプト基」は、イソシアネートとチオウレタン結合(すなわち、−NH−C(O)−S−)を形成またはイソチオシアネートとジチオウレタン結合(すなわち、−NH−C(S)−S−)を形成できる−SH基を意味する。
【0054】
本発明における使用に適した三官能性以上のポリチオールの非限定的な例としては、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトアセテート)、およびそれらの混合物が含まれ得るが、それらに限定されない。
【0055】
適切なポリチオールの非限定的な例としては、参照により本明細書に組み込まれるWO
2004/060951 A1の段落[0056]〜[0112]に記載されるものが含まれ得るが、それらに限定されない。
【0056】
ポリチオールのSH基の性質は、酸化結合が容易に生じることができ、ジスルフィドの形成を招来するというものである。様々な酸化剤がそのような酸化結合を招来し得る。空気中の酸素は、場合によっては、ポリチオールの保存中にそのような酸化結合を招来することがある。チオール基の酸化結合についての考え得る機構がチイルラジカルの形成を伴い、前記チイルラジカルの結合が続き、ジスルフィド結合を形成すると考えられている。ジスルフィド結合の形成が、フリーラジカル開始を伴う反応条件を含むがそれに限定されない、チイルラジカルの形成を招来し得る条件下で生じ得るとさらに考えられている。
【0057】
非限定的な実施形態において、本発明における使用のためのポリチオールとしては、保存中に形成されたジスルフィド結合を含む種が含まれ得る。
【0058】
別の非限定的な実施形態において、本発明における使用のためのポリチオールとしては、前記ポリチオールの合成中に形成されたジスルフィド結合を含む種が含まれ得る。
【0059】
非限定的な実施形態において、本発明における使用のためのジチオールとしては、ジチオールとジエンとの、前記ジチオールのSH基と前記ジエンの二重結合基とのチオール−エン型反応を介した、反応により形成されるジチオールオリゴマーが含まれ得る。
【0060】
別の非限定的な実施形態において、本発明における使用のためのジチオールとして、以下の構造式により表され、以下の方法により調製される少なくとも1つのditholオリゴマーが含まれ得る。
【0061】
【化3】

式中、Rは、C〜Cのn−アルキレン、ヒドロキシル、メチルまたはエチルのようなアルキル、アルコキシ、チオアルキルを含むがそれらに限定されない1以上の側基を有するC〜Cの分枝アルキレン、またはC〜Cのシクロアルキレンから選ばれ、Rは、C〜Cのn−アルキレン、C〜Cの分枝アルキレン、C〜CのシクロアルキレンまたはC〜C10のアルキルシクロアルキレン基あるいは−−[(CH
−)−−O−−]−−(−−CH−−)から選ばれることができ、mは0〜10
の有理数、nは1〜20の整数、pは2〜6の整数、qは1〜5の整数、rは2〜10の整数であり得る。
【0062】
式(IV’f)のジチオールを調製する様々な方法が、米国特許第6,509,418B1号の第4欄、第52行から第8欄、第25行に詳細に記載されており、この開示は、参照により本明細書に組み入れられる。一般に、このジチオールは、1つ以上のポリビニルエーテルモノマーを含む試薬を、1つ以上のジチオール材料と反応させることによって調製され得る。有用なポリビニルエーテルモノマーとしては、以下の構造式により表されるジビニルエーテルが含まれるが、これに限定されない:
CH=CH−−O−−(−−R−−O−−)−−CH=CH (V’)
式中、Rは、C〜Cのn−アルキレン、C〜Cの分枝アルキレン、C〜CのシクロアルキレンまたはC〜C10のアルキルシクロアルキレン基あるいは−−[(
CH−−)−−O−−]−−(−−CH−−)−−から選ばれることができ、
mは0〜10の有理数、pは2〜6の整数、qは1〜5の整数およびrは2〜10の整数であり得る。
【0063】
非限定的な実施形態において、mは2であり得る。
【0064】
使用に適するポリビニルエーテルモノマーの非限定的な例としては、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテルおよびブタンジオールジビニルエーテルのような、ただしそれらに限定されないジビニルエーテルモノマーが含まれ得る。
【0065】
式(V’)のジビニルエーテルは、以下の式(VI’)を有するジチオールのような、ただしこれに限定されないポリチオールと反応させることができる:
HS−−R1−−SH (VI’)
式中、R1は、C〜Cのn−アルキレン、ヒドロキシル、メチルまたはエチルのようなアルキルを含み得るがこれらに限定されない1つ以上の側基を有するC〜Cの分枝アルキレン、アルコキシ、チオアルキル、またはC〜Cのアシクロアルキレンから選ばれ得る。
【0066】
式(VI’)により表される適切なジチオールの非限定的な例としては、1,2−エタンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,3−ブタンジチオール、1,4−ブタンジチオール、2,3−ブタンジチオール、1,3−ペンタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,3−ジメルカプト−3−メチルブタン、ジペンテンジメルカプタン、エチルシクロヘキシルジチオール(ECHDT)、ジメルカプトジエチルスルフィド、メチル置換ジメルカプトジエチルスルフィド、ジメチル置換ジメルカプトジエチルスルフィド、ジメルカプトジオキサオクタン、1,5−ジメルカプト−3−オキサペンタンのようなジチオールおよびそれらの混合物が含まれるが、それらに限定されない。非限定的な実施形態において、式(VI’)のジチオールは、ジメルカプトジエチルスルフィド(DMDS)であり得る。
【0067】
さらなる非限定的な実施形態において、ジチオールとジビニルエーテル材料の化学量論比は、ポリビニルエーテル1当量対ジチオール1当量未満であり得る。
【0068】
非限定的な実施形態において、式(VI’f)により表されるジチオールを生成する際に用いられる反応物は、1つ以上のフリーラジカル触媒をさらに含み得る。適切なフリーラジカル触媒の非限定的な例としては、アゾ(ビス)イソブチロニトリル(AIBN)のようなただしこれに限定されないアゾビス−ニトリル化合物のようなアゾ化合物、ベンゾイルペルオキシドおよびt−ブチルペルオキシのようなただしこれらの限定されない有機ペルオキシド、無機ペルオキシドおよび同様なフリーラジカル発生剤が含まれ得る。
【0069】
別の非限定的な実施形態において、式(VI’f)により表される材料を生成する反応は、カチオン光開始部分有りまたは無しで紫外光による照射によって引き起こされ得る。
【0070】
非限定的な実施形態において、本発明における使用のためのジチオールは、以下の構造式を有し以下の反応により調製される材料を含み得る:
【0071】
【化4】

式中、nは、1〜20の整数であり得る。
【0072】
式(VI’g)のジチオールを調製する様々な方法が、WO 03/042270号、第2ページ、第16行〜第10ページ、第7行に詳細に記載されており、この開示は、参照により本明細書に組み入れられる。ジチオールは、適切な光開始剤の存在下での紫外線(UV)触媒フリーラジカル重合により調製され得る。当業者に知られているような通常の量の適切な光開始剤が、このプロセスのために用いられ得る。非限定的な実施形態において、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(Irgacure184)を、混合物中に存在する重合性モノマーの総重量に基づいて、0.05%〜0.10%の量で用いられ得る。
【0073】
非限定的な実施形態において、式(IV’g)のジチオールは、上で示されるように、「n」モルのアリルスルフィドを「n+1」モルのジメルカプトジエチルスルフィドと反応させることにより調製され得る。
【0074】
非限定的な実施形態において、本発明における使用のためのジチオールは、以下の構造式により表され以下の反応により調製される材料を含み得る:
【0075】
【化5】

式中、nは、1〜20の整数であり得る。
【0076】
式(IV’h)のジチオールを調製するための様々な方法が、WO/01/66623A1号、第3ページ、第19行〜第6ページ、第11行に詳細に記載されており、この開示は、参照により本明細書に組み入れられる。一般に、このジチオールは、フリーラジカル開始剤の存在下での、ジチオール、および脂肪族の環含有非共役ジエンの反応により調製され得る。この反応における使用に適するジチオールの非限定的な例としては、エタンジチオール、ビニルシクロヘキシルジチオール、ジシクロペンタジエンジチオール、ジペンテンジメルカプタン、およびヘキサンジチオールのような低級アルキレンジチオール、チオグリコール酸およびチオプロピオン酸のポリオールエステルが含まれるが、これら限定されない。
【0077】
適切なシクロジエンの非限定的な例としては、ビニルシクロヘキセン、ジペンテン、ジシクロペンタジエン、シクロドデカジエン、シクロオクタジエン、2−シクロペンテン−1−イル−エーテル、5−ビニル−2−ノルボルネンおよびノルボルナジエンが含まれ得るが、これらに限定されない。
【0078】
この反応のための適切なフリーラジカル開始剤の非限定的な例としては、VAZO(商標)の下でDuPontから商業的に入手可能なアゾビスアルキレンニトリルのようなアゾまたはペルオキシフリーラジカル開始剤アゾが含まれ得る。
【0079】
さらなる非限定的な実施形態において、ジメルカプトエチルスルフィドと4−ビニル−1−シクロヘキセンとの反応は、VAZO−52フリーラジカル開始剤を含み得る。
【0080】
非限定的な実施形態において、本発明における使用のためのジチオールは、以下の構造式および反応スキームにより表される材料を含み得る:
【0081】
【化6】

式中、RおよびRは、C〜Cのn−アルキレン、C〜Cの分枝アルキレン、C〜Cのシクロアルキレン、C〜C10のアルキルシクロアルキレン、C〜Cのアリール、C〜C10のアルキル−アリール、エーテル結合またはチオエーテル結合またはエステル結合またはチオエステル結合またはそれらの組み合わせを含むアルキル基、−−[(CH−−)−−X−−]−−(−−CH−−)−−から独立して選ばれることができ、XはOまたはS、pは2〜6の整数、qは1〜5の整数、rは0〜10の整数であり、Rは、水素またはメチルから選ばれ、nは1〜20の整数であり得る。
【0082】
一般に、式(IV’j)のジチオールは、ジ(メタ)アクリレートモノマーおよび1つ以上のポリチオールを反応させることによって調製され得る。適切なジ(メタ)アクリレートモノマーの非限定的な例は、多種多様であり、エチレングリコールジ(メタ(アクリレート,1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、2,3−ジメチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキル化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、プロポキシル化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、アルコキシルカネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキシレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、チオジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、アルコキシル化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、アルコキシル化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エトキシル化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートのような当該技術において知られているものが含まれえるが、それらに限定されない。
【0083】
式(IV’j)のジチオールを調製する際に使用するための適切なジチオールの非限定的な例は、多種多様であり、1,2−エタンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,3−ブタンジチオール,1,4−ブタンジチオール、2,3−ブタンジチオール、1,3−ペンタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,3−ジメルカプト−3−メチルブタン、ジペンテンジメルカプタン、エチルシクロヘキシルジチオール(ECHDT)、ジメルカプトジエチルスルフィド(DMDS)、メチル置換ジメルカプトジエチルスルフィド、ジメチル置換ジメルカプトジエチルスルフィド、ジメルカプトジオキサオクタン、3,6−ジオキサ,1,8−オクタンジチオール、2−メルカプトエチルエーテル、1,5−ジメルカプト−3−オキサペンタン、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン(DMMD)、エチレングリコールジ(2−メルカプトアセテート)、エチレングリコールジ(3−メルカプトプロピオネート)、およびそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0084】
非限定的な実施形態において、式(IV’j)のジチオールを調製するために用いられるジ(メタ)アクリレートは、エチレングリコールジ(メタ)アクリレートであり得る。
【0085】
別の非限定的な実施形態において、式(IV’j)のジチオールを調製するために用いられるジチオールは、ジメルカプトジエチルスルフィド(DMDS)であり得る。
【0086】
非限定的な実施形態において、式(IV’j)のジチオールを生成するための反応は、塩基触媒の存在下で実行できる。この反応における使用に適する塩基触媒は多種多様であり、当該技術において既知のものから選ばれ得る。非限定的な例としては、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)およびN,N−ジメチルベンジルアミンのような第三アミン塩基が含まれ得るが、それらに限定されない。用いられる塩基触媒の量は広範に変わり得る。非限定的な実施形態において、塩基触媒は、反応混合の0.001%〜5.0重量%の量で存在し得る。
【0087】
どのような特定の理論によって束縛されることも意図せず、ジチオール、ジ(メタ)アクリレートモノマー、および塩基触媒の混合物が反応させられると、二重結合がpditholのSH基との反応によって少なくとも部分的に消費され得ると考えられる。非限定的な実施形態において、混合物は、二重結合が実質的に消費されてSH含有量についての所望の理論値が達成されるように、ある期間にわたり反応させられ得る。非限定的な実施形態において、混合物は、1時間〜5日間の期間にわたり反応させられ得る。別の非限定的な実施形態において、混合物は、20℃〜100℃の温度で反応させられ得る。さらなる非限定的な実施形態において、混合物は、0.5%〜20%のSH含有量についての理論値が達成されるまで、反応させられ得る。
【0088】
結果として生じるジチオールオリゴマーの数平均分子量(M)は広範に変わり得る。非限定的な実施形態において、ジチオールオリゴマーの数平均分子量(M)は、反応の化学量論により決定され得る。別の非限定的な実施形態において、ジチオールオリゴマーのMは、少なくとも250グラム/モル、または3000グラム/モル以下、または250グラム〜2000グラム/モル、または250グラム〜1500グラム/モルであり得る。
【0089】
非限定的な実施形態において、本発明における使用のためのジチオールは、以下の構造式および反応スキームにより表される材料を含み得る:
【0090】
【化7】

式中、RおよびRは各々、C〜Cのn−アルキレン、C〜Cの分枝アルキレン、C〜Cのシクロアルキレン、C〜C10のアルキルシクロアルキレン、C〜Cのアリール、C〜C10のアルキル−アリール、エーテル結合またはチオエーテル結合またはエステル結合またはチオエステル結合またはそれらの組み合わせを含むアルキル基、−−[(CH−−)−−X−−]−−(−−CH−−)−−から独立して選ばれることができ、XはOまたはS、pは2〜6の整数、qは1〜5の整数、rは0〜10の整数であり、Rは、水素またはメチルから選ばれ、nは1〜20の整数であり得る。
【0091】
一般に、式(IV’k)のジチオールは、ジチオ(メタ)アクリレートモノマー、および1つ以上のジチオールを反応させることによって調製され得る。適切なジチオ(メタ)アクリレートモノマーの非限定的な例は広範に変わり得、そのオリゴマーを含む1,2−エタンジチオールのジ(メタ)アクリレート、そのオリゴマーを含むジメルカプトジエチルスルフィドのジ(メタ)アクリレート(すなわち、2,2’−チオエタンジチオールジ(メタ)アクリレート)、そのオリゴマーを含む3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジチオールのジ(メタ)アクリレート、そのオリゴマーを含む2−メルカプトエチルエーテルのジ(メタ)アクリレート、4,4’−チオジベンゼンチオールのジ(メタ)アクリレート、およびそれらの混合物を含むが、それらに限定されない。
【0092】
ジチオ(メタ)アクリレートモノマーは、米国特許第4,810,812号、米国特許第6,342,571号、およびWO03/011925号に開示される方法を含むが、それらに限定されない、当業者に既知の方法を用いてジチオールから調製され得る。構造(IV’k)のジチオールの調製において使用するための適切なジチオール材料の非限定的な例としては、1,2−エタンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,3−ブタンジチオール、1,4−ブタンジチオール、2,3−ブタンジチオール、1,3−ペンタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,3−ジメルカプト−3−メチルブタン、ジペンテンジメルカプタン、エチルシクロヘキシルジチオール(ECHDT)、ジメルカプトジエチルスルフィド、メチル置換ジメルカプトジエチルスルフィド、ジメチル置換ジメルカプトジエチルスルフィド、ジメルカプトジオキサオクタン、3,6−ジオキサ,1,8−オクタンジチオール、2−メルカプトエチルエーテル、1,5−ジメルカプト−3−オキサペンタン、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン(DMMD)、エチレングリコールジ(2−メルカプトアセテート)、エチレングリコールジ(3−メルカプトプロピオネート)、およびそれらの混合物のような、ただしそれらに限定されない、当該技術において知られている多種多様なジチオールが含まれる。
【0093】
非限定的な実施形態において、式(IV’k)のポリチオールを調製するために用いられるジチオ(メタ)アクリレートは、ジメルカプトジエチルスルフィドのジ(メタ)アクリレート、すなわち、2,2’−チオジエタンチオールジメタクリレートであり得る。別の非限定的な実施形態において、式(IV’k)のジチオールを調製するために用いられるジチオールは、ジメルカプトジエチルスルフィド(DMDS)であり得る。
【0094】
非限定的な実施形態において、この反応は、塩基触媒の存在下で実行され得る。使用する適切な基本触媒の非限定的な例は、広範に変わり得、当該技術において知られているものから選ばれ得る。非限定的な例としては、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)およびN,N−ジメチルベンジルアミンのような第三アミン塩基が含まれるが、これらに限定されない。
【0095】
用いられる塩基触媒の量は、広範に変わり得る。非限定的な実施形態において、塩基触媒は、反応混合物の0.001%〜5.0重量%の量で存在し得る。非限定的な実施形態において、混合物は、1時間〜5日間の期間にわたり反応させられ得る。別の非限定的な実施形態において、混合物は、20℃〜100℃の温度で反応させられ得る。さらなる非限定的な実施形態において、混合物は、0.5%〜20%のSH含有量についての理論値が達成されるまで、反応させられ得る。
【0096】
結果として生じるジチオールオリゴマーの数平均分子量(M)は広範に変わり得る。非限定的な実施形態において、ジチオールオリゴマーの数平均分子量(M)は、反応の化学量論により決定され得る。別の非限定的な実施形態において、ジチオールオリゴマーのMは、少なくとも250グラム/モル、または3000グラム/モル以下、または250グラム〜2000グラム/モル、または250グラム〜1500グラム/モルであり得る。
【0097】
非限定的な実施形態において、本発明における使用のためのジチオールは、以下の構造式および反応スキームにより表される材料を含み得る:
【0098】
【化8】

式中、Rは、水素またはメチルから選ばれることができ、Rは、C〜Cのn−アルキレン、C〜Cの分枝アルキレン、C〜Cのシクロアルキレン、C〜C10のアルキルシクロアルキレン、C〜Cのアリール、C〜C10のアルキル−アリール、エーテル結合またはチオエーテル結合またはエステル結合またはチオエステル結合またはそれらの組み合わせを含むアルキル基、あるいは−−[(CH−−)−−X−−]−−(−−CH−−)−−から独立して選ばれることができ、XはOまたはSから選ばれることができ、pは2〜6の整数、qは1〜5の整数、rは0〜10の整数であり、nは1〜20の整数であり得る。
【0099】
一般に、式(IV’l)のジチオールは、アリル(メタ)アクリレート、および1つ以上のジチオールを反応させることによって調製され得る。構造(IV’l)のジチオールの調製に使用するための適切なジチオールの非限定的な例としては、1,2−エタンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,3−ブタンジチオール、1,4−ブタンジチオール、2,3−ブタンジチオール、1,3−ペンタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,3−ジメルカプト−3−メチルブタン、ジペンテンジメルカプタン、エチルシクロヘキシルジチオール(ECHDT)、ジメルカプトジエチルスルフィド、メチル置換ジメルカプトジエチルスルフィド、ジメチル置換ジメルカプトジエチルスルフィド、ジメルカプトジオキサオクタン、3,6−ジオキサ,1,8−オクタンジチオール、2−メルカプトエチルエーテル、1,5−ジメルカプト−3−オキサペンタン、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン、エチレングリコールジ(2−メルカプトアセテート)、エチレングリコールジ(3−メルカプトプロピオネート)、4−tert−ブチル−1,2−ベンゼンジチオール、ベンゼンジチオール、4,4’−チオジベンゼンチオール、およびそれらの混合物のような、ただしそれらに限定されない、多種多様な既知のジチオールが含まれる。
【0100】
非限定的な実施形態において、式(IV’l)のジチオールを調製するために用いられるジチオールは、ジメルカプトジエチルスルフィド(DMDS)であり得る。
【0101】
非限定的な実施形態において、アリル(メタ)アクリレートの(メタ)アクリル二重結合は、最初に塩基触媒の存在下でジチオールと反応させられ得る。適切な基本触媒の非限定的な例は、広範に変わり得、当該技術において知られているものから選ばれ得る。非限定的な例としては、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)およびN,N−ジメチルベンジルアミンのような第三アミン塩基が含まれ得るが、これらに限定されない。用いられる塩基触媒の量は、広範に変わり得る。非限定的な実施形態において、塩基触媒は、反応混合物の0.001%〜5.0重量%の量で存在し得る。非限定的な実施形態において、混合物は、1時間〜5日間の期間にわたり反応させられ得る。別の非限定的な実施形態において、混合物は、20℃〜100℃の温度で反応させられ得る。さらなる非限定的な実施形態において、ジチオールのSH基と、アリル(メタ)アクリレートの実質的にすべての利用可能な(メタ)アクリレート二重結合との反応に続き、アリル二重結合は、ラジカル開始剤の存在下で残留SH基と反応させられ得る。どのような特定の理論によって束縛されることも意図せず、混合物が加熱される時に、アリル二重結合は、残留SH基との反応によって少なくとも部分的に消費され得ると考えられる。適切なラジカル開始剤の非限定的な例としては、VAZO(商標)の下でDuPontから商業的に入手可能なアゾビスアルキレンニトリルのようなアゾまたはペルオキシド型フリーラジカル開始剤が含まれ得るが、これに限定されない。非限定的な実施形態において、別の非限定的な実施形態において、VAZO−52、VAZO−64、VAZO−67、またはVAZO−88触媒が、ラジカル開始剤として使用され得る。
【0102】
非限定的な実施形態において、混合物は、二重結合が実質的に消費され、SH含有量についての所望の理論値が達成されるように、ある期間加熱され得る。非限定的な実施形態において、混合物は、1時間〜5日間の期間にわたり加熱され得る。別の非限定的な実施形態において、混合物は、40℃〜100℃の温度で加熱され得る。さらなる非限定的な実施形態において、混合物は、0.5%〜20%のSH含有量についての理論値が達成されるまで加熱され得る。
【0103】
結果として生じるジチオールオリゴマーの数平均分子量(Mn)は、広範に変わり得る。非限定的な実施形態において、ジチオールオリゴマーの数平均分子量(Mn)は、反応の化学量論により決定され得る。別の非限定的な実施形態において、ジチオールオリゴマーのMnは、少なくとも250グラム/モル、または3000グラム/モル以下、または250グラム〜2000グラム/モル、または250グラム〜1500グラム/モルであり得る。
【0104】
別の非限定的な実施形態において、本発明における使用のためのポリチオールは、以下の構造式および反応スキームに表される材料を含み得る。
【0105】
【化9】

式中、nは1〜20の整数であり得る。
【0106】
式(IV’m)のポリチオールは、1モルの1,2,4−トリビニルシクロヘキサンを3モルのジメルカプトジエチルスルフィド(DMDS)と反応させ、混合物を、VAZO64のような、ただしこれに限定されない適切なラジカル開始剤の存在下で加熱することによって調製され得る。
【0107】
別の非限定的な実施形態において、本発明における使用のためのジチオールとしては、少なくとも1つ以上のジチオールと少なくとも2つ以上の異種ジエンとの反応により調製されるジチオールオリゴマーが含まれ、存在するすべてのジチオールの当量数の合計と、存在するすべてのジエンの当量数の合計の比は、1.0:1.0より大きい。この反応において用いられるジエンを指す場合に本明細書および特許請求の範囲において用いられるように、用語「異種ジエン(different dienes)」としては、以下の非限定的な実施形態が含まれる:
少なくとも1つの非環式ジエンならびに非芳香族単環式ジエン、非芳香族多環式ジエンまたはそれらの組み合わせを含むがそれらに限定されない非芳香族環含有ジエン、および/または芳香族環含有ジエンから選ばれる少なくとも1つの環式ジエン、
少なくとも1つの芳香族環含有ジエンおよび上述の非芳香族環式ジエンから選ばれる少なくとも1つのジエン、
少なくとも1つの非芳香族単環式ジエンおよび少なくとも1つの非芳香族多環式ジエン。
【0108】
さらなる非限定的な実施形態において、反応混合物中のジチオールとジエンのモル比は、(n+1)対(n)であることができ、nは2〜30の整数を表し得る。
【0109】
ジチオールオリゴマーを調製する際に使用する適切なジチオールは、当該技術において知られている多種多様なものから選ばれ得る。非限定的な例としては、本明細書中に記載されるものが含まれ得る。
【0110】
少なくとも2つ以上の異種ジエンは各々、直鎖および/または分枝脂肪族非環式ジエンを含む非環式ジエン、二重結合が環内に含まれるもしくは環内に含まれないまたはそのいずれかの組み合わせである非芳香族環含有ジエンであって、非芳香族単環基もしくは非芳香族多環基またはそれらの組み合わせを含む非芳香族環含有ジエン、芳香族環含有ジエン、または、複素環含有ジエン、あるいはそのような非環式および/または環式基の任意の組み合わせを含むジエンから独立して選ばれることができ、前記2つ以上の異種ジエンは、チオエーテル結合、ジスルフィド結合、ポリスルフィド結合、スルホン結合、エステル結合、チオエステル結合、カーボネート結合、チオカーボネート結合、ウレタン結合、もしくはチオウレタン結合、またはハロゲン置換基、あるいはそれらの組み合わせを任意に含むことができるが、前記ジエンが、ポリチオールのSH基と反応を受けて共有C−S二重結合を形成することができ、前記ジエンのうちの少なくとも2つが互いに異なっていることが条件であり、少なくとも1つ以上のジチオールは各々、直鎖および/または分枝非環式脂肪族基、脂環式基、アリール基、アリール−アルキル基、複素環基、またはそれらの組み合わせもしくは混合物から独立して選ばれることができ、前記少なくとも1つ以上のジチオールは各々、チオエーテル結合、ジスルフィド結合、ポリスルフィド結合、スルホン結合、エステル結合、チオエステル結合、カーボネート結合、チオカーボネート結合、ウレタン、もしくはチオウレタン結合、またはハロゲン置換基、あるいはそれらの組み合わせを任意に含むことができ、存在するすべてのジチオールの当量数の合計と存在するジエンの当量数の合計の化学量論比が、1:1より大きい。非限定的な実施形態において、前記比は、1:1〜3:1、または1.01:1〜3:1、または1.01:1〜2:1、または1.05:1〜2:1、または1.1:1〜1.5:1、または1.25:1〜1.5:1の範囲内にあり得る。本明細書および特許請求の範囲において用いられるように、用語「当量数(number of equivalents)」は、特定のジエンまたはジチオールのモル数に、前記ジエンまたはジチオールの分子あたりのチオール基または二重結合基の平均数を掛けたものを意味する。
【0111】
少なくとも2つ以上の異種ジエンの群および少なくとも1つ以上のジチオールの群ならびにジチオールオリゴマーを調製するために用いられる各ジエンおよびジチオールの対応する当量数から成る反応混合物は、以下のスキームIに示されるように図示され得る:
スキームI
+d+...+d+t+...+t → ジチオールオリゴマー
式中、D〜Dは、2つ以上の異種ジエンを表し、xは、存在する異種のジエンの総数を表す2以上の整数であり、d〜dは、各対応するジエンの当量数を表し、T〜Tは、1つ以上のジチオールを表し、t〜tは、各対応するジチオールの当量数を表す。
【0112】
より一般的には、少なくとも2以上の異種ジエンの群および各ジエンの対応する当量数は、(上記のスキームIにおいて示されるように、d〜dのような)項dにより記述することができ、Dは、i番目のジエンを表し、dは、Dの当量数を表し、iは、1〜xの範囲の整数であることができ、xは、2以上の整数であって、存在する異種のジエンの総数を定義する。さらに、存在するすべてのジエンの当量数の合計は、以下の式(I)に従って定義される項dにより表され得る。
【0113】
【化10】

式中、i、x、およびdは、上記で定義されたものである。
【0114】
同様に、少なくとも1つ以上のジチオールおよび各ジチオールの対応する当量数は、(上記のスキームIにおいて示されるように、t〜tのような)項tにより記述することができ、Tは、j番目のチオールを表し、tは、対応するジチオールTの当量数を表し、jは、1〜yの範囲の整数であることができ、yは、存在する異種のジエンの総数を定義する整数であり、yは、1以上の値を有する。さらに、存在するすべてのジチオールの当量数の合計は、以下の式(II)に従って定義される項tにより表され得る。
【0115】
【化11】

式中、j、y、およびyは、上記で定義されたものである。
【0116】
存在するすべてのジエンの当量数の合計と存在するすべてのジチオールの当量数の合計の比は、項t/dにより特徴付けることができ、式中、tおよびdは、上記で定義されたものである。比t/dは、1:1より大きい値を有する有理数である。非限定的な実施形態において、比t/dは、1:1〜3:1、または1.01:1〜3:1、または1.01:1〜2:1、または1.05:1〜2:1、または1.1:1〜1.5:1、または1.25:1〜1.5:1の範囲内の値を有し得る。
【0117】
当該技術において知られているように、ジエンおよびジチオールの任意のセットについて、分子量が変動するオリゴマー分子の統計学的混合物が、ジチオールオリゴマーが調製される反応の間に形成され、結果として生じる混合物の数平均分子量は、ジエンおよびジチオールの分子量に基づいて計算および予測することができ、前記ジチオールオリゴマーを調製するために用いられる反応混合物中に存在するジエンおよびジチオールの相対的な当量比またはモル比が計算および予測できる。やはり当業者に知られているように、上記のパラメータは、ジチオールオリゴマーの数平均分子量を調節するために変えられ得る。例えば、非限定的な実施形態において、上記定義されるxの値が2であり、yの値が1であり、ジエン1が120の分子量(MW)を有し、ジエン2が158の分子量を有し、ジチオールが154の分子量を有し、さらにジエン1、ジエン2、およびジチオールがそれぞれ2モル:4モル:8モルの相対的モル量で存在すれば、結果として生じるジチオールオリゴマーの数平均分子量(M)は、次の通り計算される:
={(モルジエン1×MWジエン1)+(モルジエン2×MWジエン2)+(モルジチオール×MWジチオール)}/m
式中、mは、最小のモル量で存在する材料のモル数である。
【0118】
={(2×120)+(4×158)+(8×154)}/2
=1052g/モル
ジチオールオリゴマーの調製において用いられる少なくとも2つ以上の異種ジエンの群を指す場合に本明細書および特許請求の範囲において用いられるように、用語「異種ジエン」は、各種の観点のいずれか1つにおいて互いに異なり得るジエンを指す。非限定的な実施形態において、「異種ジエン」は、以下の3つの観点:a)非環式対環式、b)芳香族環含有対非芳香族、または、c)単環式非芳香族対多環式非芳香族、のうちの1つにおいて互いに異なることができ、それによって、本発明の非限定的な実施形態は、以下の3つの実施形態のうちのいずれかを含み得る:
a)少なくとも1つの非環式ジエンならびに非芳香族単環式基を含むジエンもしくは非芳香族多環式基を含むジエンまたはそれらの組み合わせを含むがそれらに限定されない非芳香族環含有ジエン、および/または芳香族環含有ジエンから選ばれる少なくとも1つの環式ジエン、
b)少なくとも1つの芳香族環含有ジエンおよび上述の非芳香族環式ジエンから選ばれる少なくとも1つのジエン、c)非芳香族単環式基を含む少なくとも1つの非芳香族環含有ジエン、および多環式非芳香族基を含む少なくとも1つの非芳香族環含有ジエン。
【0119】
非限定的な実施形態において、ジチオールオリゴマーは、以下のスキームII中の式(AA’)に描かれるように、ジエンとジエンとジチオールとの反応から生成することができ、RおよびRは、H、メチル、またはエチルから独立して選ばれることができ、RおよびRは、直鎖および/または分枝脂肪族非環式部分、非芳香族単環式部分もしくは非芳香族多環式部分またはそれらの組み合わせを含む非芳香族環含有部分、芳香族環含有部分、または複素環含有部分、またはそのような非環式および/または環式基の任意の組み合わせを含む部分から独立して選ばれることができ、さらにRおよびRは、エーテル結合、チオエーテル結合、ジスルフィド結合、ポリスルフィド結合、スルホン結合、エステル結合、チオエステル結合、カーボネート結合、チオカーボネート結合、ウレタン結合、もしくはチオウレタン結合、またはハロゲン置換基、あるいはそれらの組み合わせを任意に含むことができるが、ジエンおよびジエンが、ポリチオールのSHと反応して共有C−S結合を形成できる二重結合を含み、ジエンおよびジエンが互いに異なることが条件であり、Rは、直鎖および/または分枝非環式脂肪族基、脂環式基、アリール基、アリール−アルキル基、複素環式基、またはそれらの組み合わせを含む二価の基から選ばれることができ、Rは、エーテル結合、チオエーテル結合、ジスルフィド結合、ポリスルフィド結合、スルホン結合、エステル結合、チオエステル結合、カーボネート結合、チオカーボネート結合、ウレタン結合、もしくはチオウレタン結合、またはハロゲン置換基、あるいはそれらの組み合わせを任意に含むことができ、nは、1〜20の範囲の整数である。
【0120】
【化12】

第2の非限定的な実施形態において、ジチオールオリゴマーは、以下のスキームIII中の式(AA’’)に描かれるように、ジエンと4−ビニル−1−ノルボルネン(VNB)とジチオールとの反応から生成することができ、Rは、H、メチル、またはエチルから選ばれることができ、Rは、直鎖および/または分枝脂肪族非環式部分、非芳香族環含有部分から選ばれることができ、前記非芳香族環含有部分は、非芳香族単環部分、芳香族環含有部分、または複素環含有部分を含むことができ、あるいはそのような非環式および/または環式基の任意の組み合わせを含有する部分を含むことができ、Rは、エーテル結合、チオエーテル結合、ジスルフィド結合、ポリスルフィド結合、スルホン結合、エステル結合、チオエステル結合、カーボネート結合、チオカーボネート結合、ウレタン結合、もしくはチオウレタン結合、またはハロゲン置換基、あるいはそれらの組み合わせを任意に含むことができるが、ジエンが、ポリチオールのSHと反応して共有C−S結合を形成できる二重結合を含み、ジエンがVNBと異なることが条件であり、Rは、直鎖および/または分枝非環式脂肪族基、脂環式基、アリール基、アリール−アルキル基、複素環式基、またはそれらの組み合わせもしくは混合物を含む二価の基から選ばれることができ、Rは、エーテル結合、チオエーテル結合、ジスルフィド結合、ポリスルフィド結合、スルホン結合、エステル結合、チオエステル結合、カーボネート結合、チオカーボネート結合、ウレタン結合、もしくはチオウレタン結合、またはハロゲン置換基、あるいはそれらの組み合わせを任意に含むことができ、nは、1〜20の範囲の整数である。
【0121】
【化13】

第3の非限定的な実施形態において、ジチオールオリゴマーは、ジエンと4−ビニル−1−シクロヘキセン(VCH)とジチオールとの反応から生成される、以下のスキームIV中の式(AA’’’)に描かれるジチオールオリゴマーを含み、Rは、H、メチル、またはエチルから選ばれることができ、Rは、直鎖および/または分枝脂肪族非環式部分、非芳香族環含有部分から選ばれることができ、前記非芳香族環含有部分は、非芳香族多環部分、芳香族環含有部分、または複素環含有部分、あるいはそのような非環式および/または環式基の任意の組み合わせを含有する部分を含むことができ、Rは、エーテル結合、チオエーテル結合、ジスルフィド結合、ポリスルフィド結合、スルホン結合、エステル結合、チオエステル結合、カーボネート結合、チオカーボネート結合、ウレタン結合、もしくはチオウレタン結合、またはハロゲン置換基、あるいはそれらの組み合わせを任意に含むことができるが、ジエンが、ポリチオールのSHと反応して共有C−S結合を形成できる二重結合を含み、ジエンがVCHと異なることが条件であり、Rは、直鎖および/または分枝非環式脂肪族基、脂環式基、アリール基、アリール−アルキル基、複素環式基、またはそれらの組み合わせもしくは混合物を含む二価の基から選ばれることができ、Rは、チオエーテル結合、ジスルフィド結合、ポリスルフィド結合、スルホン結合、エステル結合、チオエステル結合、カーボネート結合、チオカーボネート結合、ウレタン結合、もしくはチオウレタン結合、またはハロゲン置換基、あるいはそれらの組み合わせを任意に含むことができ、nは、1〜20の範囲の整数である。
【0122】
【化14】

さらなる非限定的な実施形態において、本発明おける使用のためのポリチオールは、
a)少なくとも2つ以上の異種ジエン、
b)少なくとも1つ以上のジチオール、および
c)任意に1つ以上の三官能性以上のポリチオール、
の反応により生成されるポリチオールオリゴマーを含むことができ、
少なくとも2つ以上の異種ジエンは各々、直鎖および/または分枝脂肪族非環式ジエンを含む非環式ジエン、非芳香族環含有ジエンであって、二重結合が環内に含まれても環内に含まれなくてもよく、非芳香族単環基もしくは非芳香族多環基またはそれらの組み合わせを含むことができる非芳香族環含有ジエン、芳香族環含有ジエン、または複素環含有ジエン、あるいはそのような非環式および/または環式基の任意の組み合わせを含むジエンから独立して選ばれることができ、前記2つ以上の異種ジエンは、チオエーテル結合、ジスルフィド結合、ポリスルフィド結合、スルホン結合、エステル結合、チオエステル結合、カーボネート結合、チオカーボネート結合、ウレタン結合、もしくはチオウレタン結合、またはハロゲン置換基、あるいはそれらの組み合わせを任意に含むことができるが、前記異種ジエンの少なくとも2つが、ポリチオールのSHと反応して共有C−S結合を形成できる二重結合を含み、前記ジエンの少なくとも2つ以上が互いに異なることが条件であり、1つ以上のジチオールは各々、直鎖および/または分枝非環式脂肪族基、脂環式基、アリール基、アリール−アルキル基、複素環式基、またはそれらの組み合わせもしくは混合物を含むジチオールから独立して選ばれることができ、前記1つ以上のジチオールは各々、チオエーテル結合、ジスルフィド結合、ポリスルフィド結合、スルホン結合、エステル結合、チオエステル結合、カーボネート結合、チオカーボネート結合、ウレタン結合、もしくはチオウレタン結合、またはハロゲン置換基、あるいはそれらの組み合わせを任意に含むことができ、三官能性以上のポリチオールは、直鎖および/または分枝非環式脂肪族基、脂環式基、アリール基、アリール−アルキル基、複素環式基、またはそれらの組み合わせもしくは混合物を含むジチオールから選ばれることができ、前記三官能性以上のポリチオールは各々、チオエーテル結合、ジスルフィド結合、ポリスルフィド結合、スルホン結合、エステル結合、チオエステル結合、カーボネート結合、チオカーボネート結合、ウレタン結合、もしくはチオウレタン結合、またはハロゲン置換基、あるいはそれらの組み合わせを任意に含むことができ、存在するすべてのジチオールの当量数と存在するすべてのジエンの当量数の化学量論比は、1:1より大きい。
【0123】
ポリチオールオリゴマーを調製する際に使用するための適切なジチオールは、当該技術において知られている多種多様なものから選ばれ得る。非限定的な例としては、本明細書中に開示されるものが含まれ得る。
【0124】
ポリチオールオリゴマーを調製する際に使用するための適切な三官能性以上のポリチオールは、当該技術において知られている多種多様なものから選ばれ得る。非限定的な例としては、本明細書中で開示されるものが含まれ得る。適切な三官能性以上のポリチオールのさらなる非限定的な例としては、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、チオグリコールビス(2−メルカプトプロピオネート)、およびそれらの混合物が含まれ得るが、それらに限定されない。
【0125】
ジチオールオリゴマーを調製する際に使用するための適切なジエンは多種多様であり、当該技術において知られているものから選ばれ得る。適切なジエンの非限定的な例としては、非環式非共役ジエン、非環式ポリビニルエーテル、アリルおよびビニルアクリレート、アリルおよびビニルメタクリレート、線状ジオールおよびジチオールのジアクリレートおよびジメタクリレート、ポリ(アルキレングリコール)ジオールの線状ジオールおよびジチオール、単環式非芳香族ジエン、多環式非芳香族ジエン、芳香族環ジカルボン酸のジアリルおよびジビニルエステル、およびそれらの混合物が含まれるが、それらに限定されない。
【0126】
非環式非共役ジエンの非限定的な例としては、以下の一般式により表されるものが含まれ得る:
【0127】
【化15】

式中、Rは、C〜C30の線状分枝二価飽和アルキレンラジカル、またはチオエーテル、エステル、チオエステル、ケトン、ポリスルフィド、スルホンおよびそれらの組み合わせを含むがそれらに限定されない基を含むC〜C30の二価有機ラジカルを表し得る。非限定的な実施形態において、「R」定義についての代替位置が提供される。
【0128】
別の非限定的な実施形態において、非環式非共役ジエンは、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,7−オクタジエンおよびそれらの混合物から選ばれ得る。
【0129】
適切な非環式ポリビニルエーテルの非限定的な例としては、以下の構造式(V’)により表されるものが含まれ得るが、それらに限定されない:
CH=CH−−O−−(−−R−−O−−)−−CH=CH (V’’)
式中、Rは、C〜Cのn−アルキレン、C〜Cの分枝アルキレン基、または−−[(CH−−)−−O−−]−−(−−CH−−)であることができ、mは、0〜10の有理数であることができ、pは、2〜6の整数であることができ、qは、1〜5の整数であることができ、rは、2〜10の整数であり得る。
【0130】
非限定的な実施形態において、mは、2であり得る。
【0131】
使用のための適切なポリビニルエーテルモノマーの非限定的な例としては、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、およびそれらの混合物のような、ただしそれらに限定されないジビニルエーテルモノマーが含まれ得る。
【0132】
適切なアリル−およびビニル−アクリレートおよびメタアクリレートの非限定的な例としては、以下の式により表されるものが含まれ得るがそれらに限定されない:
【0133】
【化16】

式中、R1は各々独立して、水素またはメチルであり得る。
【0134】
非限定的な実施形態において、アクリレートおよびメタクリレートモノマーとしては、アリルメタクリレート、アリルアクリレートおよびそれらの混合物のような、ただしそれらに限定されないモノマーが含まれ得る。
【0135】
線状ジオールのジアクリレートおよびジメタクリレートエステルの非限定的な例としては、以下の構造式により表されるものが含まれ得るが、それらに限定されない:
【0136】
【化17】

式中、Rは、C〜C30の二価飽和アルキレンラジカル、分枝二価飽和したアルキレンラジカル、またはチオエーテル、エステル、チオエステル、ケトン、ポリスルフィド、スルホンおよびそれらの組み合わせのような基を含むがそれらに限定されないC〜C30の二価有機ラジカルを表すことができ、Rは、水素またはメチルを表し得る。
【0137】
別の非限定的な実施形態において、線状ジオールのジアクリレートおよびジメタクリレートエステルとしては、エタンジオールジメタクリレート、1,3−プロパンジオールジアクリレート、1,3−プロパンジオールジメタクリレート、1,2−プロパンジオールジアクリレート、1,2−プロパンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,2−ブタンジオールジアクリレート、1,2−ブタンジオールジメタクリレート、およびそれらの混合物が含まれ得る。
【0138】
ポリ(アルキレングリコール)ジオールのジアクリレートおよびジメタクリレートエステルの非限定的な例としては、以下の構造式により表されるものが含まれ得るが、それらに限定されない:
【0139】
【化18】

式中、Rは、各々独立して水素またはメチルを表すことができ、pは、1〜5の整数を表し得る。
【0140】
別の非限定的な実施形態において、ポリ(アルキレングリコール)ジオールのジアクリレートおよびジメタクリレートエステルとしては、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、およびそれらの混合物が含まれ得る。
【0141】
適切なジエンのさらなる非限定的な例としては、以下の構造式により表されるような単環式脂肪族ジエンが含まれ得るが、それらに限定されない:
【0142】
【化19】

式中、XおよびYは各々独立して、C1〜10の二価飽和アルキレンラジカル、または、炭素原子および水素原子に加え硫黄、酸素およびケイ素の群から選択される少なくとも1つの原子を含む、C1〜5の二価飽和アルキレンラジカルを表すことができ、R1は、H、またはC〜C10アルキルを表すことができ、
【0143】
【化20】

式中、XおよびRは、上記で定義されたものであり、Rは、C〜C10のアルケニルを表し得る。
【0144】
別の非限定的な実施形態において、単環式脂肪族ジエンとしては、1,4−シクロヘキサジエン、4−ビニル−1−シクロヘキセン、ジペンテンおよびテルピネンが含まれ得る。
【0145】
多環式脂肪族ジエンの非限定的な例としては、5−ビニル−2−ノルボルネン、2,5−ノルボルナジエン、ジシクロペンタジエンおよびそれらの混合物が含まれ得るが、それらに限定されない。
【0146】
芳香族環含有ジエンの非限定的な例としては、以下の構造式により表されるものが含まれ得るが、それらに限定されない:
【0147】
【化21】

式中、Rは、水素またはメチルを表し得る
別の非限定的な実施形態において、芳香族環含有ジエンとしては、1,3−ジイソプロペニルベンゼン、ジビニルベンゼンおよびそれらの混合物のようなモノマーが含まれ得る。
【0148】
芳香族環ジカルボン酸のジアリルエステルの非限定的な例としては、以下の構造式により表されるものが含まれ得るが、それらに限定されない:
【0149】
【化22】

式中、nおよびnは各々独立して、0〜5の整数であり得る。
【0150】
別の非限定的な実施形態において、芳香族券ジカルボン酸のジアリルエステルとしては、o−ジアリルフタレート、m−ジアリルフタレート、p−ジアリルフタレートおよびそれらの混合物が含まれ得る。
【0151】
非限定的な実施形態において、少なくとも1つのポリチオールと2つ以上の異種ジエンとの反応は、ラジカル開始剤の存在下で実行され得る。本発明における使用のための適切なラジカル開始剤は、多種多様であり、当業者に既知のものを含み得る。ラジカル開始剤の非限定的な例としては、アゾビスアルカレンニトリルのようなアゾまたはペルオキシド型フリーラジカル開始剤が含まれ得るが、それらに限定されない。非限定的な実施形態において、フリーラジカル開始剤は、VAZO(商標)の下でDupontから商業的に入手可能なアゾビスアルカレンニトリルであり得る。別の非限定的な実施形態において、VAZO−52、VAZO−64、VAZO−67、VAZO−88およびそれらの混合物が、ラジカル開始剤として使用され得る。
【0152】
非限定的な実施形態において、フリーラジカル開始剤の選択は、反応温度に依存し得る。非限定的な実施形態において、反応温度は、室温〜100℃で変わり得る。さらなる別の非限定的な実施形態において、VAZO52は、50〜60℃の温度で用いることができ、または、VAZO64、VAZO67は、60〜70℃の温度で用いることができ、VAZO88は、70〜100℃の温度で用いることができる。
【0153】
少なくとも1つのポリチオールおよび2つ以上の異種ジエンの反応は、様々な反応条件下で実行され得る。別の非限定的な実施形態において、そのような条件は、ジエンの反応度および結果として生じるポリチオールオリゴマーの所望の構造に依存し得る。非限定的な実施形態において、ポリチオール、2つ以上の異種ジエンおよびラジカル開始剤は、混合物の加熱中有に一緒に組み合わせられ得る。さらなる非限定的な実施形態において、ポリチオールおよびラジカル開始剤は、一緒に組み合わされ、2つ以上のジエンの混合物へある期間にわたり比較的少量添加され得る。別の非限定的な実施形態において、2つ以上のジエンは、ラジカル開始下で段階的にポリチオールと組み合わされ得る。
【0154】
別の非限定的な実施形態において、ポリチオールは、1つのジエンおよび任意にフリーラジカル開始剤と混合することができ、ジエンおよびポリチオールならびに任意のフリーラジカル開始剤を反応させ、次に第2のジエンを混合物に添加し、続いてラジカル開始剤が混合物に添加され得る。混合物は、二重結合が実質的に消費され、(例えば、化学量論に基づく滴定により)予め計算された理論的なSH当量が得られるまで反応させられる。完了のための反応時間は、用いられるジエンの反応性に応じて、1時間〜5日間で変わり得る。
【0155】
さらなる非限定的な実施形態において、段階的添加プロセスの最終オリゴマー生成物は、ブロックタイプコポリマーであり得る。
【0156】
非限定的な実施形態において、少なくとも1つのポリチオールと2つ以上の異種ジエンとの反応は、触媒の存在下で実行さえ得る。この反応における使用のための適切な触媒は多種多様であり、当該技術において知られているものから選ばれ得る。本発明の反応において用いられる触媒の量は、多種多様であり、選ばれた触媒に依存し得る。非限定的な実施形態において、触媒の量は、反応混合物の0.01重量%〜5重量%の量で存在し得る。
【0157】
ジエンの混合物がアクリルモノマーの混合物であり得る非限定的な実施形態において、アクリルモノマーは、塩基触媒の存在下でポリチオールと反応させられ得る。この反応における使用のための適切な塩基触媒は多種多様であり、当該技術において知られているものから選ばれ得る。非限定的な例としては、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)およびN,N−ジメチルベンジルアミンのような第三アミン塩基が含まれ得るが、それらに限定されない。用いられる塩基触媒の量は、広範に変わり得る。非限定的な実施形態において、塩基触媒は、反応混合物の0.01重量%〜5.0重量%の量で存在し得る。塩基触媒の存在下でのアクリルモノマーとポリチオールとの反応は、二重結合重合を実質的に最小化または本質的に排除することができる。
【0158】
別の非限定的な実施形態において、二重結合重合を実質的に最小化または本質的に排除するために、アクリル二重結合を最初に、塩基触媒条件下でポリチオールと反応させ、次に、電子リッチな反応性二重結合ジエンが、中間生成物に添加され、ラジカル開始条件下で反応させられ得る。電子リッチな反応性二重結合ジエンの非限定的な例としては、ビニルエーテル、脂肪族ジエンおよび脂環式ジエンのような材料が含まれ得るが、それらに限定されない。
【0159】
どのような特定の理論によって束縛されることも意図せず、ポリチオール、ジエンおよびラジカル開始剤の混合物が加熱されると、二重結合が、ポリチオールのSH基との反応によって少なくとも部分的に消費されると考えられる。混合物は、二重結合が本質的に消費され、SH含有量についての予め計算された理論値が達成されるように、十分な期間加熱され得る。非限定的な実施形態において、混合物は、1時間〜5日間の期間にわり加熱され得る。別の非限定的な実施形態において、混合物は、40℃〜100℃の温度で加熱され得る。さらなる非限定的な実施形態において、混合物は、0.7%〜17%のSH含有量についての理論値が達成されるまで加熱され得る。
【0160】
結果として生じるポリチオールオリゴマーの数平均分子量(M)は、多種多様であり得る。ポリチオールオリゴマーの数平均分子量(M)は、反応の化学量論に基づいて予測され得る。別の非限定的な実施形態において、ポリチオールオリゴマーのMnは、400〜3000グラム/モル、または400〜2000グラム/モル、または400〜1500グラム/モルの範囲で変わり得る。
【0161】
結果として生じるポリチオールオリゴマーの粘度は、広範に変わり得る。別の非限定的な実施形態において、粘度は、73℃で40cP〜4000cP、または73℃で40cP〜2000cP、または73℃で150cP〜1500cPであり得る。
【0162】
非限定的な実施形態において、ビニルシクロヘキセン(VCH)および1,5−ヘキサジエン(1,5−HD)を一緒に組み合わせることができ、2−メルカプトエチルスルフィド(DMDS)およびラジカル開始剤(VAZO52のような)を一緒に混合することができ、この混合物は、60℃の温度を越えないように、ジエンの混合物に滴下により添加できる。添加の完了後、混合物は、二重結合が本質的に消費されSH含有量についての予め計算された理論値が達成されるまで、60℃の温度を維持するために加熱され得る。
【0163】
別の非限定的な実施形態において、ジチオールオリゴマーは、ジエンおよびジチオールの以下の組み合わせから調製できる:
(a)5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)、ジエチレングリコールジビニルエーテル(DEGDVE)およびDMDS、
(b)1,3−ジイソプロペニルベンゼン(DIPEB)、DEGDVEおよびDMDS、
(c)DIPEB、VNBおよびDMDS、
(d)DIPEB、4−ビニル−1−シクロヘキセン(VCH)、DMDS、
(e)アリルメタクリレート(AM)、VNBおよびDMDS、
(f)VCH、VNBおよびDMDS、
(g)リモネン(L)、VNBおよびDMDS、
(h)エチレングリコールジメタクリレート(EGDM)、VCHおよびDMDS。
【0164】
ヒドロキシル基およびチオール基両方を有する適切な活性水素含有材料の非限定的な例としては、2−メルカプトエタノール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、グリセリンビス(2−メルカプトアセテート)、グリセリンビス(3−メルカプトプロピオネート)、1−ヒドロキシ−4−メルカプトシクロヘキサン、1,3−ジメルカプト−2−プロパノール、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、トリメチロールプロパンビス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパンビス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールモノ(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールビス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールトリス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールモノ(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールトリス(3−メルカプトプロピオネート)、ジヒドロキシエチルスルフィドモノ(3−メルカプトプロピオネート)、およびそれらの混合物が含まれるが、それらに限定されない。
【0165】
非限定的な実施形態において、本発明のポリウレタンプレポリマーまたは硫黄含有ポリウレタンプレポリマーは、前記プレポリマーを調製するために用いられるポリチオールおよび/またはポリチオールオリゴマー中に含有されるジスルフィド結合に起因するジスルフィド結合を含有し得る。
【0166】
非限定的な実施形態において、本発明のポリウレタンまたは硫黄含有ポリウレタンは、ポリイソシアネートおよび/またはポリイソチオシアネートを、三官能性以上のポリオールおよび/またはポリチオール、および/またはヒドロキシル基およびSH基両方を含む多官能性材料から選ばれる少なくとも1つの材料と反応させて、ポリウレタンプレポリマーまたは硫黄含有ポリウレタンプレポリマーを形成し、活性水素含有材料を用いて前記プレポリマーを連鎖延長することによって調製でき、前記活性水素含有材料としては、ジオールおよび/またはジチオールおよび/またはヒドロキシル基およびSH基両方を含む二官能性材料、ならびに任意に三官能性以上のポリオールおよび/またはポリチオールおよび/またはヒドロキシル基およびSH基両方を含む多官能性材料が含まれる。
【0167】
別の非限定的な実施形態において、本発明のポリウレタンまたは硫黄含有ポリウレタンは、(a)ポリイソシアネートおよび/またはポリイソチオシアネートと、(b)三官能性以上のポリオールおよび/またはポリチオールおよび/またはヒドロキシル基およびSH基両方を含む多官能性材料と、(c)ジオールおよび/またはジチオールおよび/またはヒドロキシル基およびSH基両方を含む二官能性材料と、をワンポットプロセスにおいて反応させることによって調製され得る。
【0168】
本発明のポリウレタンおよび/または硫黄含有ポリウレタンは、当該技術において知られている各種の技法を用いて調製され得る。非限定的な実施形態において、ポリウレタンおよび/または硫黄含有ポリウレタンは、ポリイソシアネート、ポリイソチオシアネートまたはそれらの混合物を、三官能性以上のポリオールもしくはポリチオールまたはヒドロキシル基およびSH基両方を含む多官能性材料、あるいはそれらの混合物と一緒に導入し、それらを反応させてポリウレタンプレポリマーおよび/または硫黄含有ポリウレタンプレポリマーを形成させ、次に、活性水素含有材料であって、該活性水素含有材料としては、ジオールおよび/またはジチオールおよび/またはヒドロキシル基およびSH基両方を含む二官能性材料、および任意に三官能性以上のポリオールおよび/またはポリチオールおよび/またはヒドロキシル基およびSH基両方を含む多官能性材料が含まれる活性水素含有材料と、さらに任意に触媒と、を導入し、重合を実行してポリウレタンおよび/または硫黄含有ポリウレタンを形成することにより調製され得る。非限定的な実施形態において、上述の成分の各々はそれぞれ、それらを組み合わせる前に脱ガスされ得る。別の非限定的な実施形態において、プレポリマーが脱ガスされ、残留材料が一緒に混合および脱ガスされ、次にプレポリマーと、活性水素含有材料と、および任意に触媒と、が組み合わされ、反応させられ得る。
【0169】
別の非限定的な実施形態において、本発明のポリウレタンおよび/または硫黄含有ポリウレタンは、ワンポットプロセスにより調製でき、ポリウレタンおよび/または硫黄含有ポリウレタンは、ポリイソシアネートおよび/またはポリイソチオシアネートと、三官能性以上のポリオールおよび/またはポリチオールおよび/またはヒドロキシル基およびSH基両方を含む多官能性材料と、ジオールおよび/またはジチオールおよび/またはヒドロキシル基およびSH基両方を含む二官能性材料と、任意に触媒と、を一緒に導入し、重合を実行して前記ポリウレタンおよび/または硫黄含有ポリウレタンを形成することによって調製できる。非限定的な実施形態において、上述の成分の各々は、それらを組み合わせる前にそれぞれ脱ガスされ得る。
【0170】
非限定的な実施形態において、ポリイソシアネートおよび/またはポリイソチオシアネートならびに三官能性以上のポリオール、三官能性以上のポリチオール、ヒドロキシル基およびSH基両方を含む三官能性以上の材料、またはそれらの混合物から選ばれる少なくとも1つの材料を組み合わせ、反応させてポリウレタンプレポリマーまたは硫黄含有ポリウレタンプレポリマーを形成させることができ、次に前記プレポリマーをアミン含有硬化剤と反応させることができ、前記アミン含有硬化剤は、本発明のポリウレタン(ウレア)または硫黄含有ポリウレタン(ウレア)を形成するための、ジアミンと、ジオール、ジチオール、ヒドロキシル基およびSH基両方を含む二官能性材料、またはそれらの混合物から選ばれる少なくとも1つの材料と、任意に三官能性以上のポリオール、三官能性以上の官能性ポリチオール、および/または三官能性以上のポリアミンと、の混合物を含む。
【0171】
別の非限定的な実施形態において、ポリイソシアネートおよび/またはポリイソチオシアネートと、三官能性以上のポリオール、三官能性以上のポリチオール、ヒドロキシル基およびSH基両方を含む三官能性以上の材料、またはそれらの混合物から選ばれる少なくとも1つの材料と、ジオール、ジチオール、ヒドロキシル基およびSH基両方を含む二官能性材料、またはそれらの混合物から選ばれる少なくとも1つの材料と、ジアミンと、任意に三官能性以上のポリアミンとが、一緒に組み合わされ、ワンポットプロセスにおいて反応させられてポリウレタン(ウレア)または硫黄含有ポリウレタン(ウレア)を形成することができる。
【0172】
非限定的な実施形態において、本発明のポリウレタン(ウレア)は、
(a)ポリイソシアネート、三官能性以上のポリオール、および少なくとも1つのジオールを反応させて、ポリウレタンプレポリマーを形成し、
(b)ポリウレタンプレポリマーを、200以下の分子量を有するジオールおよびジアミンと反応させる、
ことにより調製され得る。
【0173】
この非限定的な実施形態において、(a)におけるジオールは、少なくとも1つのポリカプロラクトンジオールを含み得る。さらなる非限定的な実施形態において、前記ポリカプロラクトンジオールは、200〜10000グラム/モルの数平均分子量(M)を有し得る。本発明における使用のための適切なジアミンとしては、当該技術において知られている多様な硬化剤を含むジアミンが含まれ得る。非限定的な例としては、脂肪族ポリアミン、脂環式ポリアミン、芳香族ポリアミンおよびそれらの混合物が含まれ得るが、それらに限定されない。非限定的な実施形態において、前記ジアミンは、第一ジアミンであり得る。別の非限定的な実施形態において、前記ジアミンは、環式ジアミンであり得る。さらなる非限定的な実施形態において、前記環式ジアミンは、芳香族ジアミンであり得る。
【0174】
別の非限定的な実施形態において、ジアミンは、第一アミン(−NH)、第二アミン(−NH−)およびそれらの組み合わせから独立して選ばれる少なくとも2つの官能性基を有するポリアミンであり得る。さらなる非限定的な実施形態において、ジアミン含有硬化剤は、少なくとも2つの第一アミン基を有し得る。別の非限定的な実施形態において、ジアミン含有硬化剤は、ジアミンならびに任意に三官能性以上のポリアミンおよび/またはポリチオールおよびポリオールから選ばれる少なくとも1つの材料を含み得る。適切なポリチオールとポリオールの非限定的な例としては、以前に本明細書中で列挙されたものが含まれる。さらに別の非限定的な実施形態において、ジアミン含有硬化剤は、硫黄含有ジアミン含有硬化剤であり得る。硫黄含有ジアミン含有硬化剤の非限定的な例としては、Albemarle Corporationから商業に入手可能なETHACURE 300が含まれ得る。
【0175】
低色調を有するポリウレタン(ウレア)および硫黄含有ポリウレタン(ウレア)を生成することが望ましい実施形態において、ジアミン含有硬化剤は、その硬化剤が比較的低色調でありおよび/またはアミンが発色(例えば、黄色)するのを防止するようにその硬化剤が製造および/または保管され得るように選ばれ得る。
【0176】
本発明における使用のために適切なジアミン含有硬化剤としては、以下の化学式を有する材料が含まれ得るが、それらに限定されない:
【0177】
【化23】

式中、RおよびRは各々、メチル基、エチル基、プロピル基、およびイソプロピル基から独立して選ばれることができ、Rは、水素および塩素から選ばれ得る。適切なアミン含有硬化剤の非限定的な例としては、参照により本明細書に組み込まれるWO2004/060951 A1の段落[0118]〜[0125]に記載されるものが含まれ得るが、それらに限定されない。
【0178】
本発明のポリウレタン(ウレア)および/または硫黄含有ポリウレタン(ウレア)は、当該技術において知られている各種の技法を用いて調製され得る。非限定的な実施形態において、ポリウレタン(ウレア)および/または硫黄含有ポリウレタン(ウレア)は、ポリイソシアネート、ポリイソチオシアネート、またはそれらの混合物を、三官能性以上のポリオール、三官能性以上のポリチオール、ヒドロキシル基およびSH基両方を含む三官能性以上の材料、またはそれらの混合物を一緒に導入し、それらを反応させてポリウレタンプレポリマーおよび/または硫黄含有ポリウレタンプレポリマーを形成させ、次に、アミン含有硬化剤であって、該アミン含有硬化剤は、ジアミンとジオールおよび/またはジチオールおよび/またはヒドロキシル基およびSH基両方を含む二官能性材料、および任意に三官能性以上のポリオールおよび/またはポリチオールおよび/またはポリアミンを含むアミン硬化剤と、さらに任意に触媒と、を導入し、重合を実行してポリウレタン(ウレア)および/または硫黄含有ポリウレタン(ウレア)を形成することにより調製され得る。非限定的な実施形態において、上述の成分の各々はそれぞれ、それらを組み合わせる前に脱ガスされ得る。別の非限定的な実施形態において、プレポリマーが脱ガスされ、残留材料が一緒に混合および脱ガスされ、次にプレポリマーと、アミン含有硬化剤と、および任意に触媒と、が組み合わされ、反応させられ得る。
【0179】
別の非限定的な実施形態において、本発明のポリウレタン(ウレア)および/または硫黄含有ポリウレタン(ウレア)は、ワンポットプロセスにより調製でき、ポリウレタン(ウレア)および/または硫黄含有ポリウレタン(ウレア)は、ポリイソシアネートおよび/またはポリイソチオシアネートと、三官能性以上のポリオール、三官能性以上のポリチオール、ヒドロキシル基およびSH基両方を含む三官能性以上の材料と、ジオール、ジチオール、ヒドロキシおよびSH基両方を含む二官能性材料、またはそれらの混合物と、ジアミンおよび任意に三官能性以上のポリアミンと、任意に触媒と、を一緒に導入し、重合を実行してポリウレタン(ウレア)および/または硫黄含有ポリウレタン(ウレア)を形成することによって調製できる。非限定的な実施形態において、上述の成分の各々は、それらを組み合わせる前にそれぞれ脱ガスされ得る。
【0180】
非限定的な実施形態において、本発明のポリウレタン(ウレア)は、
(a)ポリイソシアネート、三官能性以上のポリオール、およびジオールを反応させてポリウレタンプレポリマーを形成し、
(b)ポリウレタンプレポリマーを、200グラム/モル以下の分子量を有するジオールおよびジアミンと反応させる、
ことにより調製され得る。
【0181】
この非限定的な実施形態において、(a)におけるジオールは、ポリカプロラクトンジオールを含み得る。さらなる非限定的な実施形態において、ポリカプロラクトンジオールの数平均分子量(M)は、200〜5000グラム/モルであり得る。さらなる非限定的な実施形態において、本発明のポリウレタン(ウレア)は、触媒の添加なしで上記の反応により形成され得る。別の非限定的な実施形態において、ポリウレタン(ウレア)は、触媒が添加される上記の反応により形成され得る。
【0182】
適切な触媒は、当該技術において知られているものから選ばれ得る。非限定的な例としては、第三アミン触媒、錫化合物またはそれらの混合物が含まれ得るが、それらに限定されない。別の非限定的な実施形態において、触媒は、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジブチル錫ジラウレートまたはそれらの混合物であり得る。さらなる非限定的な実施形態において、脱ガスは、触媒の添加の間または後に行われ得る。
【0183】
レンズが形成され得る別の非限定的な実施形態において、任意に脱ガスされ得る混合物は型内に導入することができ、型は、当該技術的において知られている各種の従来技法を用いて加熱され得る(すなわち、熱硬化サイクル)。熱硬化サイクルは、反応物の反応性およびモル比に応じて変わり得る。非限定的な実施形態において、熱硬化サイクルは、室温〜200℃の温度で0.5時間〜120時間、あるいは80〜150℃で5時間〜48時間、プレポリマー、およびジチオールおよび/またはジオール、またはプレポリマー、ジアミン、およびジチオールおよび/またはジオールの混合物を加熱すること、または、ポリイソシアネートおよび/またはポリイソチオシアネート、ポリオールおよび/またはポリチオール、およびジチオールおよび/またはジオール、またはポリイソシアネートおよび/またはポリイソチオシアネート、ポリオールおよび/またはポリチオール、ジアミンおよびジチオールおよび/またはジオールの混合物を加熱することを含み得る。
【0184】
非限定的な実施形態において、ポリウレタン形成材料の反応を向上させるために、ウレタン化触媒が本発明において用いられ得る。適切なウレタン化触媒は多様であり、例えば、適切なウレタン化触媒としては、NCOとOH含有材料および/またはNCOとおよびSH含有材料との反応によるウレタンの形成に有用な触媒が含まれ得る。適切な触媒の非限定的な例としては、ルイス塩基、ルイス酸およびUllmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,5th Edition,1992,Volume A21,pp.673〜674に記載されるような挿入触媒から選ばれ得る。非限定的な実施形態において、触媒は、のような有機酸、オクタン酸第1錫、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫メルカプチド、ジブチル錫ジマレエート、ジメチル錫ジアセテート、ジメチル錫ジラウレート、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、およびそれらの混合物のような、ただしそれらに限定されない有機酸の第一錫塩であり得る。別の非限定的な実施形態において、触媒は、オクタン酸亜鉛、ビスマス、またはアセチルアセトン酸第二鉄であり得る。
【0185】
適切な触媒のさらなる非限定的な例としては、ジブチル錫ジラウレート、ホスフィン、第三アンモニウム塩のようなただしそれらには限定されない錫化合物、ならびにトリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミンおよびそれらの混合物のようなただしそれらに限定されない第三アミンが含まれ得る。そのような適切な第三アミンは、米国特許第5,693,738、第10欄第6〜38行に開示されており、この開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0186】
別の非限定的な実施形態において、様々な既知の添加剤を、本発明のポリウレタンおよび/または硫黄含有ポリウレタンおよび/またはポリウレタン(ウレア)および/または硫黄含有ポリウレタン(ウレア)に組み入れることができる。そのような添加剤としては、光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、離型剤、静的(非フォトクロミック)染料、顔料ならびにアルコキシル化フェノールベンゾエートおよびポリ(アルキレングリコール)ジベンゾエートのような、ただしそれらに限定されない柔軟化添加剤が含まれるが、それらに限定されない。青味剤の非限定的な例としては、3−メチル−2−ブテノール、オルガノピロカーボネートおよびトリフェニルホスファイト(CAS registry no.101−02−0)が含まれ得る。そのような添加剤は、添加剤が、プレポリマーの総重量に基づいて、10重量パーセント未満、または5重量パーセント未満、または3重量パーセント未満を構成するような量で存在し得る。別の非限定的な実施形態において、上記の任意の添加剤は、ポリイソシアネートおよび/またはポリイソシアネートと混合され得る。さらなる実施形態において、任意の添加剤は、活性水素含有材料と混合され得る。
【0187】
非限定的な実施形態において、本発明の重合可能組成物は、それが少なくとも部分的に硬化されるまで、(例えば、熱硬化のような)硬化条件にかけられ得る。非限定的な実施形態において、用語「少なくとも部分的に硬化される(at least partially cured)」は、重合可能組成物を硬化条件にかけることを意味し、前記組成物の反応性末端基の少なくとも一部の反応は、固体のポリメリゼートを形成するために、前記ポリメリゼートが、取り出され、試験片に切断され得るように、または前記ポリメリゼートが、光学レンズ加工を含む機械加工操作にかけられ得るように、または前記ポリメリゼートが、光学または眼用レンズ用途に適するように、行われる。
【0188】
別の非限定的な実施形態において、重合可能組成物は、実質的に完全な硬化の状態が達成されるように、(例えば、熱硬化のような)硬化条件にかけることができ、同じ条件下でのさらなる硬化は、硬度のようなポリマー特性の有意なさらなる改善という結果には全くならない。
【0189】
非限定的な実施形態において、結果として生じる本発明のポリウレタンおよび硫黄含有ポリウレタン、および/またはポリウレタン(ウレア)、および硫黄含有ポリウレタン(ウレア)は、硬化された場合には、固体であり、光学または眼用レンズ用途に適するように、本質的に透明であり得る。別の非限定的な実施形態において、ポリウレタンおよび硫黄含有ポリウレタン、および/またはポリウレタン(ウレア)および硫黄含有ポリウレタン(ウレア)は、少なくとも1.50、または少なくとも1.53、または少なくとも1.55、または少なくとも1.56、または少なくとも1.57、または少なくとも1.58、または少なくとも1.59、または少なくとも1.60、または少なくとも1.62、または少なくとも1.65の屈折率を有し得る。さらなる別の非限定的な実施形態において、ポリウレタンおよび/または硫黄含有ポリウレタン、および/またはポリウレタン(ウレア)および/または硫黄含有ポリウレタン(ウレア)は、硬化された場合に、少なくとも30、または少なくとも32、または少なくとも35、または少なくとも38、または少なくとも39、または少なくとも40、または少なくとも44のアッベ数を有し得る。
【0190】
非限定的な実施形態において、ポリウレタンおよび/または硫黄含有ポリウレタン、および/またはポリウレタン(ウレア)および/または硫黄含有ポリウレタン(ウレア)、硬化された場合に、十分高い硬度を有し得る。非限定的な実施形態において、硬度は、Fischer Technology,Inc.により供給されるFischer Scope H−100計測器を用いて、ISO標準試験方法BS EN ISO14577−1:2002に従って測定され、ニュートン(N)/mmの単位でマルテンス硬度として報告され得る。
【0191】
非限定的な実施形態において、本発明のポリウレタンまたは硫黄含有ポリウレタンは、硬化された場合、80ニュートン/mmより大きい、または100ニュートン/mmより大きい、または110ニュートン/mmより大きい、または120ニュートン/mmより大きい、または130ニュートン/mmより大きい、あるいは220ニュートン/mm未満、または200ニュートン/mm未満のマルテンス硬度(HM0.3/15/0)を有し得る。
【0192】
非限定的な実施形態において、本発明のポリウレタン(ウレア)および/または硫黄含有ポリウレタン(ウレア)は、硬化された場合、80ニュートン/mmより大きい、または100ニュートン/mm、または110ニュートン/mmより大きい、または120ニュートン/mmより大きい、または140ニュートン/mmより大きい、あるいは250ニュートン/mm未満または200ニュートン/mm未満のマルテンス硬度(HM0.3/15/0)を有し得る。
【0193】
非限定的な実施形態において、ポリウレタンおよび/または硫黄含有ポリウレタンならびにポリウレタン(ウレア)および/または硫黄含有ポリウレタン(ウレア)は、硬化された場合、十分高い熱的性質を有し得る。非限定的な実施形態において、熱的性質は、CEAST USAにより供給されるHDT計測器を用いて、ASTM D648 Method Bに従って測定され得る。さらに、非限定的な実施形態において、ポリメリゼートの熱的性質は、加熱撓み温度(すなわち、0.254mm(10ミル)撓みが生じる温度)として報告され得る。
【0194】
非限定的な実施形態において、本発明のポリウレタンまたは硫黄含有ポリウレタンは、硬化された場合、少なくとも80℃に、または少なくとも90℃に、または少なくとも100℃に、または少なくとも110℃に加熱撓み温度を有し得る。
【0195】
別の非限定的な実施形態において、本発明のポリウレタン(ウレア)または硫黄含有ポリウレタン(ウレア)は、硬化された場合、少なくとも80℃に、または少なくとも100℃に、または少なくとも120℃に、または少なくとも140℃に加熱撓み温度を有し得る。
【0196】
非限定的な実施形態において、ポリウレタンおよび/または硫黄含有ポリウレタン、および/またはポリウレタン(ウレア)または硫黄含有ポリウレタン(ウレア)は、硬化された場合、良好な衝撃抵抗/強さを示し得る。衝撃抵抗は、当業者に知られている種々の従来方法を用いて測定され得る。
【0197】
非限定的な実施形態において、衝撃抵抗は、本明細書中および実施例において前に説明されたように、衝撃エネルギー試験を用いて測定され得る。
【0198】
別の非限定的な実施形態において、本明細書中に記載されるような衝撃エネルギー試験を用い、本発明のポリウレタン(ウレア)または硫黄含有ポリウレタン(ウレア)は、少なくとも1.0ジュール、または少なくとも2.0ジュール、または少なくとも4.95ジュールの衝撃強さのポリメリゼートを生成し得る。
【0199】
非限定的な実施形態において、本発明のポリウレタンおよび/または硫黄含有ポリウレタン、および/またはポリウレタン(ウレア)または硫黄含有ポリウレタン(ウレア)は、硬化された場合、低い密度を有し得る。非限定的な実施形態において、密度は、1.0〜1.3グラム/cm未満、または1.0〜1.4グラム/cm未満、または1.0〜1.45グラム/cm未満、または1.1〜1.45グラム/cm未満、または1.1〜1.4グラム/cm未満、または1.1〜1.3グラム/cm未満であり得る。非限定的な実施形態において、密度は、Tech Pro,Incorporatedにより製造されるDensiTECH計測器を用いて測定される。さらなる非限定的な実施形態において、密度は、ASTM D297に従って測定される。
【0200】
本発明のポリウレタンおよび/または硫黄含有ポリウレタン、および/またはポリウレタン(ウレア)または硫黄含有ポリウレタン(ウレア)ポリメリゼートを用いて調製され得る固体製品としては、度無しおよび眼用レンズのような光学レンズ、太陽レンズ、窓、フロントガラス、側灯およびバックライトのような自動車用透明体、および航空機用透明体が含まれるが、それらに限定されない。
【0201】
非限定的な実施形態において、本発明のポリウレタンおよび/または硫黄含有ポリウレタン、および/またはポリウレタン(ウレア)または硫黄含有ポリウレタン(ウレア)ポリメリゼートは、レンズのようなフォトクロミック製品を製造するために使用され得る。さらなる実施形態において、ポリメリゼートは、フォトクロミックを活性化する電磁波スペクトルの部分、すなわち、フォトクロミック物質の着色または開いた形状を作り出す紫外(UV)光の波長ならびにUV活性化された形状、すなわち開いた形状におけるフォトクロミック物質の吸収最大波長を含む可視スペクトルの部分に対して透明であり得る。
【0202】
多様なフォトクロミック物質が本発明において使用され得る。非限定的な実施形態において、有機フォトクロミック化合物または物質が使用され得る。別の非限定的な実施形態において、フォトクロミック物質は、ポリメリゼートに組み込むことができ、例えば、ポリメリゼート中に溶解、分散または拡散させることができ、あるいはポリメリゼート上にコーティングとして塗布することができる。
【0203】
適切なフォトクロミック材料およびフォトクロミック製品の製造方法の非限定的な例としては、参照により本明細書に組み込まれるWO2004/060951 A1の段落[0151]〜[0163]に記載されるものが含まれるが、それらに限定されない。
【実施例】
【0204】
(組成物および特性を特徴付けるための実験方法)
以下の実施例において、特に述べられていない限り、屈折率およびアッベ数は、ATAGO Co.,Ltd.により製造されるmultiple wavelenght Abbe Refractometer Model DR−M2で測定され、液体の屈折率およびアッベ数は、ASTM−D1218に従って測定された、固体の屈折率およびアッベ数は、ASTM−D−542に従って測定された。
【0205】
固体の密度は、ASTM−D792に従って測定された。
【0206】
粘度は、Brookfield CAP 2000+Viscometerを用いて測定された。
【0207】
%ヘーズは、Hunter Associates Laboratory,Inc製のColorQuest XE計測器を用いて、ASTM−D1003に従って測定された。
【0208】
硬度は、Fischer Technology,Inc.により供給されるFischer Scope H−100計測器を用い、ISO標準試験方法BS EN ISO
14577−1:2002に従って測定され、ニュートン(N)/mmの単位で、マルテンス硬度(HM0.3/15/0)として報告された。前記標準試験方法において必要とされるように、以下の試験パラメータが指定された:試料に適用される最大総荷重は0.3のニュートン(N)であり、試料に最大総荷重が適用された期間は15秒間であり、前記最大総荷重が次に試料に適用された期間は0秒であった。従って、試験結果は、これら3つの試験パラメータを反映するために、用語「HM0.3/15/0」で明示された。
【0209】
加熱撓み温度(すなわち、試料片の0.254mm)(10ミル)の撓みが生じる温度)および総撓み温度(すなわち、試料片の2.54mm(100ミル)の撓みが生じる温度)は、CEAST USA,Inc.により供給されるHDT Vicat測定器を用い、ASTM D648 Method Bに従って測定された。
【0210】
衝撃試験は、本明細書中に記載されるように、衝撃エネルギー試験に従って遂行され、結果は、エネルギー単位(ジュール)で報告された。衝撃エネルギー試験は、3mmの厚さを有し、約4cm×4cmの正方形の断片に切断されたポリメリゼートの平らなシート試料を試験することから成る。前記ポリメリゼートの平らなシート試料は、以下で定義されるように、鋼製ホルダの台座の頂部に取り付けられた平らなOリングによって支持される。前記Oリングは、40±5ショアAデュロメータの硬度、8.3MPaの最小引張強さ、および400パーセントの最小極限伸びを有するネオプレンで構成されており、25mmの内径、31mmの外径、および2.3mmの厚さを有する。前記鋼製ホルダは、質量約12kgの鋼製ベース、および該鋼製ベースに取り付けられた鋼製台座から成る。前記構成台座の形状は、75mmの外形および10mmの高さを有する円柱の頂部に、75mmの底部直径、25mmの頂部直径、および8mmの高さを有する直円錐台を付加した結果生じるであろう中実形状により近似され、前記錐台の中心は、前記円柱の中心と一致する。前記鋼製台座の底部は、前記鋼製ベースに取り付けられ、ネオプレン製Oリングが中心に置かれ、鋼製台座の頂部に取り付けられる。ポリメリゼートの平らなシート試料が中心に置かれ、Oリングの上にセットされる。衝撃エネルギー試験は、平らなシート試料の中心上に50インチ(1.27メートル)の距離から重量が増大する鋼球を落下させることによって実行される。もしシートが破損しなければ、そのシートは、試験に合格したとされる。シートが破損すれば、そのシートは、試験に不合格であったとされる。本明細書中で用いられるように、用語「破損(fracture)」は、シートの厚み全体を通り2つ以上の別個の断片になる亀裂、またはシートの裏面(すなわち、衝撃面と反対ののシートの面)からの1つ以上の材料片の剥離を意味する。シートの衝撃強さは、シートが合格する最も高いレベル(すなわち、最も大きいボール)に対応する衝撃エネルギーとして報告され、以下の式に従って計算される:
E=mgd
式中、Eはジュール(J)で表した衝撃エネルギーを表し、mはキログラム(kg)で表した球の質量を表し、gは重力に起因する加速度(すなわち、9.80665m/sec)を表し、dはメートルで表した球の落下距離(すなわち、1.27m)を表す。
【0211】
プレポリマー(成分A)のNCO濃度は、以下の手順に従って、過剰のn−ジブチルアミン(DBA)と反応させて対応するウレアを形成し、続いて未反応DBAをHClで滴定することによって決定された。
【0212】
(試薬)
1.テトラヒドロフラン(THF)、試薬グレード。
【0213】
2.80/20THF/プロピレングリコール(PG)混合物。
【0214】
この溶液は、800mlのPGを4リットルボトル中の3.2リットルのTHFと混合することにより、実験室で調製した。
【0215】
3.DBA、ACS認証ジブチルアミン。
【0216】
4.DBA/THF溶液。150mLのDBAを750mLのTHFと組み合わせ、これをよく混合し、褐色びんに移した。
【0217】
5.濃塩酸。ACS認証。
【0218】
6.イソプロパノール、工業グレード。
【0219】
7.アルコール性塩酸、0.2N。75mlの濃HClを、4リットルボトルの工業グレードイソプロパノールに緩やかに添加し、マグネチックスターラーで撹拌しつつ、最低30分間混合した。この溶液を、THAM(トリスヒドロキシル基メチルアミノメタン)を用いて以下のように標準化した:
ガラス製100mLビーカー中に、約0.6gの(HOCHCNH一次標準を0.1mgの正確さで量り入れ、重量を記録した。100mLのDI水を添加して溶解させ、調製されたアルコール性HClで滴定した。
【0220】
この手順を最低1回繰り返し、値を以下の計算を用いて平均した。
【0221】
【化24】

(装置)
1.ポリエチレン製ビーカー、200mL、Falcon specimen beaker、No.354020。
【0222】
2.上記用のポリエチレン製蓋、Falcon No.354017。
【0223】
3.マグネチックスターラーおよび撹拌バー。
【0224】
4.小出し用Brinkmann計量器または10mLピペット。
【0225】
5.pH電極を備えた自動滴定装置。
【0226】
6.溶媒用25mL、50mLディスペンサまたは25mLおよび50mLピペット。
【0227】
(手順)
1.ブランク決定:220mLポリエチレン製ビーカー中に、LTHF50mを加え、続いてLDBA/THF溶液10.0mを加えた。溶液の蓋を締め、マグネチックスターラーで5分間撹拌した。80/20THF/PG混合物50mLを加え、標準化アルコール性HCL溶液を用いて滴定し、この容量を記録した。この手順を繰り返し、これらの値を、ブランク値として使用するために平均した。
【0228】
2.ポリエチレン製ビーカー中に、プレポリマー試料1.0グラムを量り入れ、重量を0.1mgの正確さで記録した。LTHF50mを加え、試料の蓋を締め、マグネチックスターラーで溶解させた。
【0229】
3.LDBA/THF溶液10.0mを加え、試料の蓋を締め、15分間撹拌しつつ反応させた。
【0230】
4.80/20THF/PG溶液50mLを加えた。
【0231】
5.ビーカーを滴定器上に設置し、滴定を開始した。この手順を繰り返した。
【0232】
(計算)
【0233】
【化25】

生成物内のSH基、以下の手順を用いて決定した。生成物の試料サイズ(0.1mg)をテトラヒドロフラン(THF)/プロピレングリコール(80/20)50mLと組み合わせ、試料が実質的に溶解されるまで、室温で撹拌した。撹拌中、0.1Nヨウ素溶液(Aldrich 31,8898−1から商業的に入手した)25.0mLを、混合物に加え、次に、5〜10分間の期間反応させた。この混合物に、濃HCl2.0mLを加えた。次にこの混合物を、0.1Nチオ硫酸ナトリウムを用いミリボルト(mV)モードで電位差滴定した。ブランク値は最初、ヨウ素25.0mL(濃塩酸1mLを含む)を、生成物試料を用いて行ったのと同じやり方で、チオ硫酸ナトリウム塩で滴定して得た。
【0234】
【化26】

(実施例1. ポリウレタンプレポリマー1の合成)
4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(Desmodur W)(1.0モル当量)を、N2パッドを備える反応器中に充填し、温度70℃に加熱した。次に、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)プロパン(TMP)(0.2モル当量)を、反応器中に加えた。反応器中に導入されると、TMPは緩やかに溶解した。緩やかな溶解の間、反応は、温度の有意な発熱(おおよそ、Δ=50℃)を示す前に、短い誘導期間を経た。反応温度を120℃未満に保持することにより発熱の程度を最小限にするよう留意し、これは、反応器中にTMPを少量ずつ加えることにより達成した。ひとたびTMPがすべて加えられると、結果として生じる反応混合物を、反応器中で110〜120℃の範囲内の温度で20時間加熱した。この反応混合物を成分Aとした。
【0235】
プレポリマー1は、23.74%の%NCOおよび73℃で90cPの粘度を有していた。
【0236】
プレポリマー2およびプレポリマー3を、プレポリマー1と同じ手順に従って合成し、化学量論を表1に示した。
【0237】
【表1】

【0238】
【表2】

(実施例2.1,4−ブタンジオールを用いたポリウレタンプレポリマー3の連鎖延長(ポリマー1))
プレポリマー3(1.0当量)および1,4−BDO(1.0当量)を、2成分反応注入成型装置を用いて一緒に混合した。混合時、2つの成分の温度は、1,4−BDOについては25℃、プレポリマー3については80℃であった。次に、結果として生じる反応混合物を、厚さ3mmの平らなシートおよび眼用レンズ型セットアップに導入した。次に、平らなシートおよびレンズ型セットアップを対流オーブン中に設置し、加熱した。材料を、110℃の温度で76時間加熱した。加熱期間の後、オーブンの温度を30分間の時間間隔で80℃に低下させた。次に、材料をオーブンから取り除き、型から取り出した。結果として生じるポリメリゼート、ポリマー1は、以下の特性を有していた:屈折率(n20)1.523、アッベ数50、衝撃強さ13.3ジュール、ヘーズ2.16%、マルテンス微小硬度(HM 0.3/15/0)135N/mm、加熱撓み温度113℃;総撓み温度121℃。
【0239】
(実施例3.DMDSを用いたポリウレタンプレポリマー2の連鎖拡張(ポリマー2))
プレポリマー2(1.0当量)を、2成分反応注入成型装置を用いてDMDS(1.0当量)と一緒に混合した。混合時、2つの成分の温度は、DMDSについては25℃、プレポリマー2については70℃であった。次に、結果として生じる反応混合物を、厚さ3mmの平らなシートおよび眼用レンズ型セットアップ中に導入した。次に、平らなシートおよびレンズ型セットアップを、対流オーブン中に設置し、加熱した。材料を、110℃の温度で76時間加熱した。加熱期間の後、オーブンの温度を30分間の時間間隔で80℃に低下させた。次に、材料をオーブンから取り除き、型から取り出した。結果として生じるポリメリゼート、ポリマー2は、以下の特性を有していた:屈折率(n20)1.570、アッベ数44、衝撃強さ2.47ジュール、ヘーズ1.39%、マルテンス微小硬度(HM 0.3/15/0)132N/mm、加熱撓み温度101℃;総撓み温度105℃。
【0240】
(実施例4.DMDSを用いたポリウレタンプレポリマー1の連鎖拡張(ポリマー3))
プレポリマー1(1.0当量)を、2成分反応注入成型装置を用いてDMDS(1.0当量)と一緒に混合した。混合時、2つの成分の温度は、DMDSについては25℃、プレポリマー1については70℃であった。次に、結果として生じる反応混合物を、厚さ3mmの平らなシートおよび眼用レンズ型セットアップ中に導入した。次に、平らなシートおよびレンズ型セットアップを、対流オーブン中に設置し、加熱し。材料を、110℃の温度で76時間加熱した。加熱期間の後、オーブンの温度を30分間の時間回間で80℃に低下させた。次に、材料をオーブンから取り除き、型から取り出した。結果として生じるポリメリゼート、ポリマー3は、以下の特性を有していた:屈折率(n20)1.570、アッベ数43、衝撃強さ13.3ジュール、ヘーズ0.38%、マルテンス微小硬度(HM 0.3/15/0)118N/mm、加熱撓み温度95℃;総撓み温度106℃。
【0241】
【表3】

(実施例5.DMDSおよび芳香族ジアミンの混合物を用いたポリウレタンプレポリマー1の連鎖延長(ポリマー4))
プレポリマー1(1.0当量)を、2成分反応注入成型装置を用いて、DMDS(ジメルカプトジエチルスルフィド)(0.8当量)およびDETDA(3,5−ジエチル−2,4−トルエンジアミンおよび3,5−ジエチル−2,6−トルエンの約80%/20%混合物)(0.2当量)の混合物と一緒に混合した。混合時、2つの成分温度は、DMDS/DETDA混合物については25℃、プレポリマー1については70℃であった。次に、結果として生じる反応混合物を、厚さ3mmの平らなシートおよび眼用レンズ型セットアップ中に導入した。次に、平らなシートおよび型セットアップを、対流オーブン中に設置し、加熱した。材料を、110℃の温度で76時間加熱した。加熱期間の後、オーブンの温度を30分間の時間間隔で80℃に低下させた。次に、材料をオーブンから取り除き、型から取り出した。結果として生じるポリメリゼート、ポリマー4は、以下の特性を有していた:屈折率(n20)1.565、アッベ数43、衝撃強さ3.2ジュール、ヘーズ0.72%、マルテンス微小硬度(HM 0.3/15/0)130N/mm、加熱撓み温度105℃;総撓み温度117℃。
【0242】
(実施例6.エチレングリコールおよび芳香族の混合物を用いたポリウレタンプレポリマー3の連鎖延長(ポリマー5))
プレポリマー3(1.0当量)を、2成分反応注入成型装置を用いて、エチレングリコール(0.362当量)およびDETDA(3,5−ジエチル−2,4−トルエンジアミンおよび3,5−ジエチル−2,6−トルエンの約80%/20%混合物)(0.378量)の混合物と一緒に混合した。混合時、2つの成分温度は、エチレングリコール/DETDAについては25℃、プレポリマー3については70℃であった。次に、結果として生じる反応混合物を、厚さ3mmの平らなシートおよび眼用レンズ型セットアップ中に導入した。次に、平らなシートおよび型セットアップを、対流オーブン中に設置し、加熱した。材料を、110℃の温度で76時間加熱した。加熱期間の後、オーブンの温度を30分間の時間間隔で80℃に低下させた。次に、材料をオーブンから取り除き、型から取り出した。結果として生じるポリメリゼート、ポリマー5は、以下の特性を有していた:屈折率(n20)1.532、アッベ数47、衝撃強さ≧13.3ジュール、ヘーズ1.35%、マルテンス微小硬度(HM 0.3/15/0)150N/mm、加熱撓み温度147℃;総撓み温度170℃。
【0243】
以下は、この実施例のための衝撃エネルギー試験において用いられる球サイズおよび対応する衝撃エネルギーを示す。
【0244】
【化27】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書中に記載の発明。

【公開番号】特開2013−40348(P2013−40348A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−255110(P2012−255110)
【出願日】平成24年11月21日(2012.11.21)
【分割の表示】特願2008−545652(P2008−545652)の分割
【原出願日】平成18年12月6日(2006.12.6)
【出願人】(599087017)ピーピージー インダストリーズ オハイオ,インコーポレイテッド (267)
【Fターム(参考)】