説明

ポリウレタンフォーム

【課題】 軽量化されても、加重時の形状保持が良好な軟質ポリウレタンフォームを提供する。
【解決手段】 ポリオール(a)中でビニルモノマー(b)を重合させて得られるポリマーポリオール(A1)および/またはポリオール(A2)からなるポリオール成分(A)と有機ポリイソシアネート成分(B)とが、発泡剤(C)、触媒(D)、および必要により他の添加剤(E)の存在下に反応されてなる軟質ポリウレタンフォームにおいて、架橋点指数(W)が−850〜−215であり、圧縮永久歪み率が0〜30%であることを特徴とする軟質ポリウレタンフォーム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はポリウレタンフォームに関するものであり、さらに詳しくは、自動車などの車両の遮吸音材用に好適な軟質ポリウレタンフォームに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、各種のポリウレタンフォームが、車両用遮吸音材として用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−5499号公報
【0003】
近年、自動車等の車両用途における燃費向上を目的として、搭載される各部品の軽量化が進んできた。それに伴い、軽量化された内装材(とくに遮吸音材)として使用されるポリウレタンフォーム製品を運搬するとき、積み重ねによる加重でポリウレタンフォーム製品の形状が保持できないという問題が生じ、従来技術のポリウレタンフォームでは、軽量化と加重時の形状保持の両方を同時に満足させることができないという問題点があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、軽量化されても、加重時の形状保持が良好な軟質ポリウレタンフォームを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記問題を解決するべく鋭意検討を行った結果、軽量化時においても、圧縮永久歪み率を悪化させず、加重時の形状保持が良好なポリウレタンフォームを創製し、これを用いることで上記の問題点が解決できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、ポリオール(a)中でビニルモノマー(b)を重合させて得られるポリマーポリオール(A1)および/またはポリオール(A2)からなるポリオール成分(A)と有機ポリイソシアネート成分(B)とが、発泡剤(C)、触媒(D)、および必要により他の添加剤(E)の存在下に反応されてなる軟質ポリウレタンフォームにおいて、下記式(1)で表される架橋点指数(W)が−850〜−215であり、圧縮永久歪み率が0〜30%であることを特徴とする軟質ポリウレタンフォームである。
W=X/(Y+Z) (1)
ただし、X=y1+x1−2.44x1
Y=Σi(y1i×(y2i−2)/y3i)
Z=z1×z2/z3
x1:(C)中の水の重量部数
y1:(a)、(A2)、水酸基を有する(D)、および(B)の重量部数
y2:(a)、(A2)、水酸基を有する(D)、および(B)の官能基数
y3:(a)、(A2)、水酸基を有する(D)、および(B)の分子量
z1:(B)の過剰量=〔(B)の重量部数)−(NCO指数が100の時
の(B)の重量部数〕
z2:(B)の官能基数
z3:(B)の分子量
【発明の効果】
【0006】
本発明の軟質ポリウレタンフォームは、従来のポリウレタンフォームと比較して、軽量化ニーズに対応し、成形品の積み重ね運搬時等の加重時の形状保持が良好であるため、自動車用などの車両用遮吸音材として有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明における架橋点指数(W)とは、上記式(1)に基づき得られた数値であり、軟質ポリウレタンフォームにおける架橋の度合いを表す指標である。
式(1)において、Xはポリウレタンフォーム中のウレタン樹脂の部数(水酸基を有する原料、イソシアネート基を有する原料、および水の合計重量部から発生した炭酸ガスの重量部を差し引いたもの)、Yは3個以上の水酸基またはイソシアネート基を有するi種類の原料による架橋点のモル数の合計、z1が正の場合のZは過剰当量のイソシアネートによる架橋点(アロファネート結合、ビューレット結合)のモル数に相当する。したがって、z1が正の場合、(W)は原料組成から求めた架橋点間分子量の理論値に相当する。
本発明者らは、このような架橋点間分子量の計算式(1)を、z1が負の場合(すなわち水酸基が過剰当量の場合)も含めて拡大して適用したものを架橋点指数(W)と定義し、(W)の値が負の特定範囲内であり、且つ後述する圧縮永久歪み率が特定範囲内のものが良好なフォーム性能を有することを実験により見いだしたものである。
【0008】
本発明のポリウレタンフォームの架橋点指数(W)は、−850〜−215である。(W)の下限は、好ましくは−700、さらに好ましくは−530、とくに好ましくは−500であり、上限は、好ましくは−290であり、さらに好ましくは−310、とくに好ましくは−360である。架橋点指数が上限を超える場合は軟質ポリウレタンフォーム成型においてセルが不安定となり成形性が低下する。また、下限未満の場合は成形品の強度が高くなりすぎフィーリングが低下する。架橋点指数が上記範囲内であると、成形性が良好であるとともに脱型時に適度なフィーリングを有する。
(W)の数値は、軟質ポリウレタンフォームを製造する際に用いる、水酸基を有する成分〔(a)、(A2)、および(D)の一部〕と(B)の官能基数や分子量;水の含有量;あるいは水酸基を有する成分〔(a)、(A2)、および(D)の一部〕に対する(B)の過剰量等により任意に調整することが可能である。
これらの調整法のうち、(W)を任意に調整するにあたっては、軟質ポリウレタンフォームの成形(発泡)におけるフォームのセルの安定性、および成形した軟質ポリウレタンフォームのフィーリングを考慮した場合、(B)の過剰量の変更による方法が好ましい。
【0009】
本発明における圧縮永久歪み率(Dry−Set)、およびさらに2日放置後の歪み率は、以下の試験方法により求められる。
試験片:大きさが50mm×50mm以上であり、ポリウレタンフォーム厚みが20mmで上下面が水平であって、上下面ともスキン層を有していること。(成形品厚みが20mmで成形したポリウレタンフォームであること)
試験方法:試験片を元厚みの50%圧縮し、その状態で70℃に加熱して22時間放置する。その後、圧縮を解放して20〜25℃で30分間放置し、その時の試験厚みを測定し、下式(2)に基づき圧縮永久歪み率を算出する。その後、さらに20〜25℃で2日間(圧縮開放後48時間)放置し、その時の試験厚みを測定し、下式(3)に基づき2日後の歪み率を算出する。
計算方法:下式に基づき圧縮永久歪み率および2日後の歪み率を算出する。
圧縮永久歪み率(%)=[(H0−H1)/H0]×100 (2)
2日後の歪み率(%)=[(H0−H2)/H0]×100 (3)
H0:試験片の元厚み(mm)
H1:圧縮解放後30分放置した試験片の厚み(mm)
H2:圧縮解放後48時間放置した試験片の厚み(mm)
【0010】
本発明のポリウレタンフォームの圧縮永久歪み率は0〜30%である。
圧縮永久歪み率の下限は、好ましくは1%であり、上限は、好ましくは25%、さらに好ましくは20%、とくに好ましくは15%である。圧縮永久歪み率が上限を超えると、成形後積み重ね運搬時の成形品の形状が保持できない。上記範囲内であると、成形後積み重ね運搬時の成形品の形状保持が良好である。
【0011】
本発明のポリウレタンフォームの2日後の歪み率は0〜20%が好ましい。下限はさらに好ましくは1%であり、上限はさらに好ましくは15%、とくに好ましくは10%、最も好ましくは8%である。2日後の歪み率が上記範囲内であると、成形品の形状保持がさらに良好である。
【0012】
本発明のポリウレタンフォームの、JIS K 6400(1997)により測定された見かけ密度(全密度)は、0.1〜60kg/m3が好ましい。下限は、さらに好ましくは1kg/m3、とくに好ましくは5kg/m3、最も好ましくは10kg/m3であり、上限は、さらに好ましくは55kg/m3、とくに好ましくは50kg/m3、最も好ましくは48kg/m3である。見かけ密度が上記範囲内であると、十分に軽量化されるとともに適度の強度が得られる。
【0013】
本発明のポリウレタンフォームを製造する際のNCO指数[(NCO基/活性水素原子含有基)の当量比×100]は、30〜65が好ましい。下限は、さらに好ましくは40、とくに好ましくは45であり、上限は、さらに好ましくは60であり、とくに好ましくは55である。NCO指数が上記範囲内であると、良好な成形性が得られる。
【0014】
本発明のポリウレタンフォームの原料となるポリオール成分(A)は、得られるポリマーポリオールで重合体の分散媒となるポリオール(a)中で、ビニルモノマー(b)を重合させて得られる、(b)の重合体が(a)に分散されたポリマーポリオール(A1)のみからなるポリオール成分であっても、ポリマーポリオール以外のポリオール(A2)のみからなるポリオール成分であっても、(A1)と(A2)を併用するポリオール成分であってもよい。これらの中では(A2)、または(A1)と(A2)の併用が好ましい。
【0015】
ポリオール成分(A)に含有されるポリオール(a)、およびポリオール(A2)は、少なくとも2個(好ましくは2〜8個)の水酸基を有する化合物であり、例えば、多価アルコール、多価フェノール、アミン、ポリカルボン酸、リン酸等の、少なくとも2個の活性水素を有する化合物に、炭素数2〜8またはそれ以上のアルキレンオキサイド(以下、AOと略記)が付加された構造の化合物(ポリエーテルポリオール)、多価アルコール(ポリエーテルポリオール以外)、および水酸基を2個以上有するアルカノールアミンが挙げられ、2種以上を併用してもよい。
【0016】
上記多価アルコールとしては、炭素数2〜20の2価アルコール(脂肪族ジオール、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−および1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどのアルキレングリコール;および脂環式ジオール、例えば、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどのシクロアルキレングリコール)、炭素数3〜20の3価アルコール(脂肪族トリオール、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ヘキサントリオールなどのアルカントリオール);炭素数5〜20の4〜8価またはそれ以上の多価アルコール(脂肪族ポリオール、例えば、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジグリセリン、ジペンタエリスリトールなどの、アルカンポリオールおよびそれらもしくはアルカントリオールの分子内もしくは分子間脱水物;ならびにショ糖、グルコース、マンノース、フルクトース、メチルグルコシドなどの糖類およびその誘導体)、およびこれらの2種以上の併用などが挙げられる。
【0017】
多価(2〜8価またはそれ以上)フェノールとしては、ピロガロール、ハイドロキノンおよびフロログルシン等の単環多価フェノール;ビスフェノールA、ビスフェノールF、およびビスフェノールスルホン等のビスフェノール類;フェノールとホルムアルデヒドの縮合物(ノボラック);たとえば米国特許第3265641号明細書に記載のポリフェノール;およびこれらの2種以上の併用などが挙げられる。
【0018】
アミンとしては、活性水素の数が2〜8個またはそれ以上のものが挙げられ、アンモニア;脂肪族アミンとして、炭素数2〜20のアルカノールアミン(例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、イソプロパノールアミンおよびアミノエチルエタノールアミン)、炭素数1〜20のアルキルアミン(例えば、n−ブチルアミンおよびオクチルアミン)、炭素数2〜6のアルキレンジアミン(例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミンおよびヘキサメチレンジアミン)、炭素数4〜20のポリアルキレンポリアミン(アルキレン基の炭素数が2〜6のジアルキレントリアミン〜ヘキサアルキレンヘプタミン、例えば、ジエチレントリアミンおよびトリエチレンテトラミン)が挙げられる。
また、炭素数6〜20の芳香族モノもしくはポリアミン(例えば、アニリン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、メチレンジアニリンおよびジフェニルエーテルジアミン);炭素数4〜20の脂環式アミン(例えば、イソホロンジアミン、シクロヘキシレンジアミンおよびジシクロヘキシルメタンジアミン);炭素数4〜20の複素環式アミン(例えば、ピペラジン、アミノエチルピペラジンおよび特公昭55−21044号公報記載のもの)およびこれらの2種以上の併用などが挙げられる。
【0019】
ポリカルボン酸としては、炭素数4〜18の脂肪族ポリカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、アゼライン酸など)、炭素数8〜18の芳香族ポリカルボン酸(フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸など)、およびこれらの2種以上の混合物があげられる。
AOが付加されたポリエーテルポリオールの原料とする場合、これらの活性水素含有化合物は2種以上を併用してもよい。これらの中で好ましくは多価アルコールである。
【0020】
上記活性水素含有化合物に付加される炭素数2〜8またはそれ以上のAOとしては、エチレンオキサイド(以下、EOと略記)、プロピレンオキサイド(以下、POと略記)、1,2−、1,3−、1,4−、または2,3−ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、およびこれら2種以上の併用(ブロックおよび/またはランダム付加)等が挙げられる。これらの中で好ましくは、POおよび/またはEOである。
AO付加時に用いる触媒としては、通常用いられるアルカリ触媒(KOH、CsOH等)の他、特開2000−344881号公報に記載の触媒〔トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン等〕、特開平11−120300号公報に記載の触媒(過塩素酸マグネシウム等)を用いてもよい。
【0021】
ポリオール(a)および/または(A2)中には、下記(a1)ならびに、(a2)および/または(a3)を含有するのが好ましい。なお、以下、%はとくに断りのない限り、重量%を意味する。
(a1):平均官能基数が2〜8であり、水酸基価が15〜150であり、末端オキシエチレン単位の含有量が0〜45%であり、オキシレン単位の合計含有量が0〜45%である(ポリオキシエチレン)ポリオキシプロピレンポリオール。
(a2):平均官能基数が2〜4であり、水酸基価が15〜150であり、オキシエチレン単位の含有量が50〜90%であるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール。
(a3):平均官能基数が2〜6であり、水酸基価が200〜1650である窒素原子含有ポリオール。
【0022】
(a1)としては、上記の活性水素含有化合物の、POと必要によりEOからなるAO付加物が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
活性水素含有化合物は、2種以上併用してもよく、多価アルコールが好ましい。EO/PO付加物の場合、活性水素含有化合物に付加するEOおよびPOの付加方法としては、ブロック付加でもランダム付加でもよいが、好ましくはブロック付加〔とくにPO−EOの順序(チップド)〕である。
【0023】
(a1)の1分子あたりの平均官能基数は2〜8である。平均官能基数の下限は、好ましくは2.5、さらに好ましくは3、とくに好ましくは3.5であり、上限は、好ましくは6.5、さらに好ましくは5.5、とくに好ましくは4.5である。この範囲以外の官能基数のものが含まれていても、2種以上の活性水素含有化合物のAO付加物であって、その平均官能基数が2〜8となればよい(以下の平均官能基数についても同様)。ここで平均官能基数は、原料の平均官能基数から計算される理論値を、官能基数であると見なしたものである。ただし、(a1)の官能基数としては、2〜8が好ましい。官能基数は、さらに好ましくは3〜5、とくに好ましくは4である。水酸基価は15〜150(mgKOH/g、以下の水酸基価も同様)である。水酸基価の下限は、好ましくは18、さらに好ましくは22であり、上限は、好ましくは120、さらに好ましくは60、とくに好ましくは40である。末端オキシエチレン単位(以下、末端EO単位と略記)およびオキシレン単位(以下、EO単位と略記)の合計含有量は0〜45%である。下限は、好ましくは5%、さらに好ましくは8%、とくに好ましくは10%であり、上限は、好ましくは30%、さらに好ましくは20%、とくに好ましくは15%である。
(a1)の平均官能基数が2〜8であるとキュアー性が確保でき、また、水酸基価が10〜150であり、末端EO単位の含有量とEO単位の合計含有量が0〜45%であると、発泡初期のクリーム時間が長くなり液流れ性が確保できるため、成形不良が発生しにくく成形性が良好なフォームが得られる。
【0024】
(a2)としては、前記の活性水素含有化合物のAO付加物が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
活性水素含有化合物は、2種以上併用してもよく、多価アルコール好ましい。上記AOはEOとPOからなる。EOおよびPOの付加方法としてはブロック付加でもランダム付加でもよいが、好ましくはランダム付加である。
【0025】
(a2)の1分子あたりの平均官能基数は2〜4である。下限は好ましくは2.5、上限は好ましくは3.5である。(a2)の官能基数としては、2〜3(とくに3)が好ましい。水酸基価は15〜150である。下限は、好ましくは20、さらに好ましくは25、とくに好ましくは30であり、上限は好ましくは85、さらに好ましくは70である。EO単位の合計含有量は50〜90%である。下限は好ましくは55%、さらに好ましくは60%、とくに好ましくは65%であり、上限は好ましくは85%、さらに好ましくは80%、とくに好ましくは75%である。
(a2)の平均官能基数が2〜4であるとキュアー性が確保でき、また、水酸基価が15〜150であり、末端EO単位の含有量が50〜90%であると、発泡初期のクリーム時間が長くなり液流れ性が確保でき、また、通気性が良好であるため、成形不良が発生しにくく成形性が良好なフォームが得られる。
【0026】
(a3)は、窒素原子含有ポリオールであり、1級、2級、もしくは3級アミノ基と、2個以上の水酸基を有する化合物等が挙げられる。具体例としては、前記アルカノールアミン、およびアミンにAOが付加された構造の化合物が挙げられる。
(a3)の1分子あたりの平均官能基数は2〜6である。下限は好ましくは2.5であり、上限は好ましくは4.5、さらに好ましくは3.5である。(a2)の官能基数としては、2〜6(とくに2〜4、中でも3)が好ましい。水酸基価は200〜1650である。下限は好ましくは550、さらに好ましくは800、とくに好ましくは1000であり、上限は好ましくは1600、さらに好ましくは1500、とくに好ましくは1200である。具体例としては、トリエタノールアミン、およびジエタノールアミン、とくにトリエタノールアミンが好ましい。
(a3)の平均官能基数が2〜6であるとキュアー性が確保でき、また、水酸基価が200〜1650であると適度な強度が得られる。
【0027】
本発明におけるポリマーポリオール(A1)は、ポリオール(a)中でビニルモノマ−(b)を通常の方法で重合して製造することができる。例えば、上記の(a1)、(a2)および(a3)から選ばれる少なくとも1種のポリオール中で、ラジカル重合開始剤の存在下、ビニルモノマ−(b)が重合され、得られた(B)の重合体が(a)中で安定分散されたものが挙げられる。(A1)としては、(a1)中で(b)を重合させて得られるものが分散安定性の点で好ましい。重合方法の具体例としては、米国特許第3383351号明細書、特公昭39−25737号公報等に記載の方法が挙げられる。
【0028】
ラジカル重合開始剤としては、遊離基を生成して重合を開始させるものが使用でき、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等のアゾ化合物;ジベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドおよび過コハク酸等の有機過酸化物;過硫酸塩および過ホウ酸塩等の無機過酸化物;などが挙げられる。なお、これらは2種以上を併用することができる。
【0029】
(b)としては、芳香族ビニル単量体(b1)、不飽和ニトリル類(b2)、(メタ)アクリル酸エステル類(b3)、その他のビニル単量体(b4)、およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
(b1)としては、スチレン、α−メチルスチレン、ヒドロキシスチレン、クロルスチレンなどが挙げられる。
(b2)としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられる。
(b3)としては、C、HおよびO原子からなるもの、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル類(アルキル基の炭素数が1〜24)〔例えば、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ドコシル(メタ)アクリレート〕、ヒドロキシアルキル(炭素数2〜5)(メタ)アクリレート〔例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート〕、およびヒドロキシポリオキシアルキレンモノ(メタ)アクリレート類〔例えば、アルキレン基の炭素数2〜4、ポリオキシアルキレン鎖の数平均分子量200〜1000〕が挙げられる。
【0030】
(b4)としては、エチレン性不飽和カルボン酸およびその誘導体、具体的には(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミドなど;脂肪族もしくは脂環式炭化水素単量体、具体的にはアルケン(エチレン、プロピレン、ノルボルネン等)、アルカジエン(ブタジエン等)など;フッ素系ビニル単量体、具体的には、フッ素含有(メタ)アクリレート(パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、パーフルオロオクチルエチルアクリレート等)など;塩素系ビニル単量体、具体的には塩化ビニリデンなど;上記以外の窒素含有ビニル単量体、具体的には窒素含有(メタ)アクリレート(ジアミノエチルメタクリレート、モルホリノエチルメタクリレート等)など;およびビニル変性シリコーンなどが挙げられる。
これら(b)中で好ましいものは、(b1)および(b2)であり、とくにスチレンおよび/またはアクリロニトリルである。
【0031】
ビニルモノマー(b)中の、(b1)、(b2)、(b3)および(b4)の重量比率は、要求されるポリウレタンの物性等に応じて変えることができ、とくに限定されていないが、一例を示すと次の通りである。
(b1)および/または(b2)は、好ましくは50〜100%、さらに好ましくは80〜100%である。(b1)と(b2)の重量比はとくに限定されないが、好ましくは0/100〜80/20%である。(b3)は、好ましくは0〜50%、さらに好ましくは0〜20%である。(b4)は、好ましくは0〜10%、さらに好ましくは0〜5%である。
【0032】
また、(b)中に少量(好ましくは0.05〜1%)の2官能以上(好ましくは2〜8官能)の多官能ビニルモノマー(b5)を用いることにより、重合体の強度をさらに向上させることができる。(b5)としては、例えば、ジビニルベンゼン、エチレンジ(メタ)アクリレート、ポリアルキレン(アルキレン基の炭素数2〜8、重合度:2〜10)グリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0033】
ポリマーポリオール(A1)中の(b)からなる重合体の含量は、好ましくは2〜50%、さらに好ましくは5〜45%である。重合体の含量が2%以上では十分なフォーム硬さが発現でき、50%以下ではポリマーポリオールの粘度が低くなり取扱いが容易である。
【0034】
本発明において、ポリオール成分(A)中には、上記のポリエーテルポリオール、多価アルコール、アルカノールアミン以外にも、他のポリオールあるいは活性水素成分を含有してもよく、上記以外の各種ポリオールもしくはモノオール、アミン並びにこれらの混合物等が挙げられる。
【0035】
ポリエステルポリオールとしては、前記の多価アルコールおよび/またはポリエーテルポリオール〔例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−または1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の2価アルコール;これら2価アルコールとグリセリン、トリメチロールプロパン等の3価またはそれ以上の多価アルコールとの混合物;およびこれらの多価アルコールのAO低モル(1〜10モル)付加物〕と、前記ポリカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体〔無水物、低級アルキル(アルキル基の炭素数:1〜4)エステル等〕(例えば、アジピン酸、セバシン酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、テレフタル酸ジメチル)との縮合反応物;前記の多価アルコールおよび/またはポリエーテルポリオールと、前記カルボン酸無水物およびAOとの縮合反応物;これら縮合反応物のアルキレオンキサイド(EO、PO等)付加物;ポリラクトンポリオール、例えば前記多価アルコールを開始剤としてラクトン(ε−カプロラクトン等)を開環重合させることにより得られるもの;ポリカーボネートポリオール、例えば前記多価アルコールとアルキレンカーボネートとの反応物;等が挙げられる。
【0036】
各種ポリオールもしくはモノオールとしては、上記以外の(ポリエステル等の)ポリマーポリオール;ポリブタジエンポリオール等のポリジエンポリオールおよびそれらの水添物;アクリル系ポリオール、特開昭58−57413号公報及び特開昭58−57414号公報等に記載された水酸基含有ビニル重合体;ヒマシ油等の天然油脂系ポリオール;ヒマシ油変成物(例えば、多価アルコールエステル交換生成物、水添物)等の天然油脂系ポリオールの変性物;国際公開WO98/44016号公報に記載の末端ラジカル重合性官能基含有活性水素化合物(モノオールも含まれる。);(a)をメチレンジハライド等のアルキレンジハライド等でジャンプした変性ポリオール;(a)のOH末端プレポリマー;等が挙げられる。アミンとしては、前述のものが挙げられる。
【0037】
本発明において、(a)と(A2)の合計重量に基づく(a1)の含有量は60〜100%が好ましい。下限は、さらに好ましくは80%、とくに好ましくは90%、最も好ましくは95%であり、上限はさらに好ましくは99.8%、とくに好ましくは99.7%である。(a)と(A2)の合計重量に基づく(a2)の含有は0〜20%が好ましい。下限はさらに好ましくは0.1%であり、上限はさらに好ましくは15%、とくに好ましくは10%、最も好ましくは5%である。(a)と(A2)の合計重量に基づく(a3)の含有量は0〜20%が好ましい。下限はさらに好ましくは0.01%、とくに好ましくは0.1%、最も好ましくは0.3%であり、上限はより好ましくは10%、さらに好ましくは5%、とくに好ましくは3%、最も好ましくは1%である。
(a1)が60%以上であると、ウレタンフォームのセルが安定し成形性が良好であり、キュアー性が良好で生産性が向上する。
また、ポリオール(A)中の、(a1)、(a2)、(a3)、およびこれらからなるポリマーポリオール合計含量は、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、とくに好ましくは95%以上、最も好ましくは99%以上である。(a1)、(a2)、(a3)以外の他のポリオールあるいは活性水素成分の含有量は、好ましくは20%以下、さらに好ましくは10%以下、とくに好ましくは5%以下、最も好ましくは1%以下である。
【0038】
本発明に用いる有機ポリイソシアネート成分(B)としては、ポリウレタンフォームの製造に通常用いられるものであればとくに限定されないが、MDI系ポリイソシアネート(B1)と必要により他の有機ポリイソシアネート(B2)を含有するのが好ましい。本発明においてMDI系ポリイソシアネートとは、2,4’−および/または4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、カーボジイミド変性MDI、およびポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(粗製MDI)等から選ばれる1種以上のMDI単位を有するポリイソシアネートを意味する。これらの中でも粗製MDIが好ましい。
【0039】
他の有機ポリイソシアネート(B2)としては、従来からポリウレタンフォームに使用されているものが使用でき、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、これらの変性物(例えば、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、イソシヌアレート基、またはオキサゾリドン基含有変性物など)、およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0040】
芳香族ポリイソシアネートとしては、炭素数(NCO基中の炭素を除く;以下のイソシアネートも同様)6〜16の芳香族ジイソシアネート、炭素数6〜20の芳香族トリイソシアネートおよびこれらのイソシアネートの粗製物などが挙げられる。具体例としては、1,3−および1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−および2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネートなどが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、炭素数6〜10の脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。具体例としては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどが挙げられる。
【0041】
脂環式ポリイソシアネートとしては、炭素数6〜16の脂環式ジイソシアネートなどが挙げられる。具体例としては、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、炭素数8〜12の芳香脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。具体例としては、キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
変性ポリイソシアネートの具体例としては、ショ糖変性TDI、ひまし油変性TDIなどが挙げられる。
これら(B2)うちで好ましいものは、芳香族ポリイソシアネートであり、さらに好ましくは、TDI、および粗製TDIであり、とくに好ましくはTDIである。
(B)中の(B1)の含有量は20%以上が好ましい。下限はさらに好ましくは30%、とくに好ましくは40%、最も好ましくは45%であり、上限はより好ましくは80%、さらに好ましくは70%、とくに好ましくは60%、最も好ましくは55%である。
【0042】
発泡剤(C)としては、水を用いるのが好ましい。(C)に水のみを単独で用いる場合、水の使用量は、ポリオール成分(A)100部当たり、好ましくは0.2〜20部、さらに好ましくは1〜10部、とくに好ましくは5〜7部である。他の発泡剤と併用する場合の水の使用量は、好ましくは0.1〜10部である。上記および以下において、部は重量部を意味する。
その他必要により水素原子含有ハロゲン化炭化水素、低沸点炭化水素、液化炭酸ガス等が用いられる。
【0043】
水素原子含有ハロゲン化炭化水素の具体例としては、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)タイプのもの(例えばHCFC−123、HCFC−141b、HCFC−22およびHCFC−142b);HFC(ハイドロフルオロカーボン)タイプのもの(例えばHFC−134a、HFC−152a、HFC−356mff、HFC−236ea、HFC−245ca、HFC−245faおよびHFC−365mfc)などが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、HCFC−141b、HFC−134a、HFC−356mff、HFC−236ea、HFC−245ca、HFC−245fa、HFC−365mfcおよびこれらの2種以上の混合物である。
水素原子含有ハロゲン化炭化水素を用いる場合の使用量は、(A)100部あたり、好ましくは50部以下、さらに好ましくは5〜45部である。
【0044】
低沸点炭化水素は、通常沸点が−5〜70℃の炭化水素であり、その具体例としては、ブタン、ペンタン、シクロペンタンおよびこれらの混合物が挙げられる。
低沸点炭化水素を用いる場合の使用量は、(A)100部あたり、好ましくは40部以下、さらに好ましくは5〜30部である。
また、液化炭酸ガスを用いる場合の使用量は、(A)100部あたり、好ましくは50部以下、さらに好ましくは30部以下である。
【0045】
本発明における触媒(D)としては、ウレタン化反応を促進する通常の触媒はすべて使用でき、水酸基を有する3級アミン、例えば、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジメチルヘキサノールアミン、およびN,N−ジメチルアミノプロピルジプロパノールアミン;水酸基を有しない3級アミンおよびそのカルボン酸塩、例えば、トリエチレンジアミン、ビス(N,N−ジメチルアミノ−2−エチル)エーテル、およびN,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン;並びにカルボン酸金属塩などの有機金属化合物、例えば、酢酸カリウム、オクチル酸カリウム、スタナスオクトエート、およびジブチルチンジラウレート;等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
これら(D)の中で好ましいものは、少なくとも一部が水酸基を有する3級アミンを含有するものであり、さらに好ましいのは、水酸基を有する3級アミン単独、および水酸基を有する3級アミンと水酸基を有しない3級アミン(とくにトリエチレンジアミン)の併用である。(D)として、水酸基を有する3級アミンと必要により水酸基を有しない3級アミンを用いる場合、3級アミン中の水酸基を有する3級アミンの使用割合は、10〜100%が好ましい。下限は、さらに好ましくは30%、とくに好ましくは50%、最も好ましくは60%であり、上限は、さらに好ましくは90%、とくに好ましくは88%、最も好ましくは85%である。
(D)の使用量は、ポリオール成分(A)100部に対して、好ましくは0.01〜6部、さらに好ましくは0.2〜5部である。
【0046】
本発明においては、必要により、整泡剤(E1)などの他の添加剤(E)を用い、その存在下で反応させたフォームであってもよい。
整泡剤(E1)としては、通常のポリウレタンフォームの製造に用いられるものはすべて使用でき、例として、ジメチルシロキサン系整泡剤[例えば、トーレダウコーニングシリコーン(株)製の「SRX−274C」等]、ポリエーテル変性ジメチルシロキサン系整泡剤[例えば、トーレダウコーニングシリコーン(株)製の「L−5309」、「SZ−1311」、トーレダウコーニングシリコーン(株)製の「SF−2972」、「SRX−274C」等]等のシリコーン整泡剤が挙げられる。
(E1)の使用量は、ポリオール成分(A)100部に対して、好ましくは5部以下、さらに好ましくは0.1〜3部である。
【0047】
また、着色剤(染料、顔料)、難燃剤(リン酸エステル類、ハロゲン化リン酸エステル類など)、老化防止剤(トリアゾール系、ベンゾフェノン系など)、抗酸化剤(ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系など)などの通常の他の添加剤(E)の存在下で反応させたフォームであってもよい。ポリオール成分(A)100部に対するこれらの添加剤の使用量に関しては、着色剤は、好ましくは1部以下である。難燃剤は、好ましくは5部以下、さらに好ましくは2部以下である。老化防止剤は、好ましくは1部以下、さらに好ましくは0.5部以下である。抗酸化剤は、好ましくは1部以下、さらに好ましくは0.01〜0.5部である。他の添加剤(E)の合計使用量は、好ましくは10部以下、さらに好ましくは0.01〜5部である。
【0048】
本発明の軟質ポリウレタンフォームの製造法の一例を示せば、下記の通りである。まず、ポリオール成分(A)、発泡剤(C)、触媒(D)、および必要により整泡剤(E1)等の他の添加剤(E)を所定量混合する。次いで、ポリウレタン低圧もしくは高圧注入発泡機または撹拌機を使用して、この混合物と有機ポリイソシアネート成分(B)(好ましくはそれぞれの液温が20〜40℃)とを急速混合する。得られた混合液(発泡原液)を密閉型もしくは開放型のモールド(金属製または樹脂製、好ましくは15〜80℃)に注入し、ウレタン化反応を行わせ、所定時間(例えば0.5〜6分)硬化後、脱型してポリウレタンフォームを得る。密閉型モールドを用いる場合のパック率は1.0〜2.0倍が好ましい。また、スプレー発泡、連続発泡してもポリウレタンフォームを得ることができる。
【実施例】
【0049】
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
【0050】
実施例および比較例におけるポリウレタンフォ−ムの原料は次の通りである。
(1)ポリオールa1−1:ペンタエリスリトールのPO・EOブロック付加物(水酸基価28、末端EO単位の含有量=13%)。
(2)ポリオールa1−2:グリセリンのPO・EOブロック付加物(水酸基価36、末端EO単位の含有量=16%)。
(3)ポリオールa1−3:グリセリンのPO・EOブロック付加物(水酸基価24、末端EO単位の含有量=14%)。
(4)ポリマーポリオールA1−1:ポリオールa1−1中で、アクリロニトリル/スチレン=66/33の重量比で重合させたポリマーポリオール(ポリマー含量30%)。
(5)ポリオールa2−1:グリセリンのPO/EOランダム付加物(水酸基価50、EO単位の含有量=70%)
(6)ポリオールa3−1:トリエタノールアミン(水酸基価1130)
【0051】
(7)発泡剤C−1:水
(8)触媒D−1:トリエチレンジアミンの33%ジプロピレングリコール溶液〔東ソ−(株)製TEDA−L33〕
(9)触媒D−2:ビス(ジメチルアミノエチル)エーテルの70%ジプロピレングリコール溶液〔東ソ−(株)製TOYOCAT ET〕
(10)触媒D−3:水酸基を有する3級アミン系触媒〔サンアプロ(株)製U.CAT2024〕
(11)触媒D−4:テトラメチルヘキサエチレンジアミン〔サンアプロ(株)製U.CAT1000〕
(12)触媒D−5:ジメチルエタノールアミン〔日本乳化剤(株)製DMEA〕
(13)触媒D−6:ビス(ジメチルアミノエチル)エ−テルのギ酸塩/ジプロピレングリコール=77/23〔東ソ−(株)製TOYOCAT ETF〕
(14)整泡剤E−1:東レダウコーニング・シリコーン(株)製「SRX−274C」
(15)整泡剤E−2:日本ユニカー(株)製「L−5309」
(16)ポリイソシアネ−トB−1:TDI/粗製MDI=50/50(重量比)〔日本ポリウレタン工業(株)製コロネート1025〕、NCO%=39.5
(17)ポリイソシアネ−トB−2:TDI/粗製MDI=80/20(重量比)〔日本ポリウレタン工業(株)製CE−729〕、NCO%=44.6
【0052】
実施例1〜5、比較例1〜3
表1に示すP成分とI成分を25℃に温調した後、ハンドミキシングにて5000回転/分で5秒間撹拌し、60℃に温調した850×850×20mmの密閉モールドに注入し成形した。各フォ−ムの物性値の測定結果を表1に示す。
ポリウレタンフォームの物性の測定は、JIS K 6400(1997年版)の方法に基づいた。
ただし、脱型時のキュアー性については、脱型時に変形しないものを良好と判断し、成形性についてはボイド、セル荒れ、崩壊がないものを良好と判断した。
なお、実施例で得られた各フォームは、フォームを積み重ねて長期間保存した際の形状保持性が良好であった。
【0053】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明の軟質ポリウレタンフォームは、従来のポリウレタンフォームと比較して、軽量化ニーズに対応し、加重時の成形品の形状保持が良好なため、車両用、とくに自動車用(例えば、エンジンルームと座席間)遮吸音材として好適に用いられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオール(a)中でビニルモノマー(b)を重合させて得られるポリマーポリオール(A1)および/またはポリオール(A2)からなるポリオール成分(A)と有機ポリイソシアネート成分(B)とが、発泡剤(C)、触媒(D)、および必要により他の添加剤(E)の存在下に反応されてなる軟質ポリウレタンフォームにおいて、下記式(1)で表される架橋点指数(W)が−850〜−215であり、圧縮永久歪み率が0〜30%であることを特徴とする軟質ポリウレタンフォーム。
W=X/(Y+Z) (1)
ただし、X=y1+x1−2.44x1
Y=Σi(y1i×(y2i−2)/y3i)
Z=z1×z2/z3
x1:(C)中の水の重量部数
y1:(a)、(A2)、水酸基を有する(D)、および(B)の重量部数
y2:(a)、(A2)、水酸基を有する(D)、および(B)の官能基数
y3:(a)、(A2)、水酸基を有する(D)、および(B)の分子量
z1:(B)の過剰量=〔(B)の重量部数)−(NCO指数が100の時
の(B)の重量部数〕
z2:(B)の官能基数
z3:(B)の分子量
【請求項2】
圧縮永久歪み率測定後2日放置後の歪み率が0〜20%である請求項1記載の軟質ポリウレタンフォーム。
【請求項3】
見かけ密度が0.1〜60kg/m3である請求項1または2記載の軟質ポリウレタンフォーム。
【請求項4】
30〜65のNCO指数で反応されてなる請求項1〜3の何れかに記載の軟質ポリウレタンフォーム。
【請求項5】
(a)および/または(A2)中に、下記(a1)、ならびに(a2)および/または(a3)を含有する請求項1〜4の何れかに記載の軟質ポリウレタンフォーム。
(a1):平均官能基数が2〜8であり、水酸基価が15〜150であり、末端オキシエチレン単位の含有量が0〜45重量%であり、オキシレン単位の合計含有量が0〜45重量%である(ポリオキシエチレン)ポリオキシプロピレンポリオール。
(a2):平均官能基数が2〜4であり、水酸基価が15〜150であり、オキシエチレン単位の合計含有量が50〜90重量%であるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール。
(a3):平均官能基数が2〜6であり、水酸基価が200〜1650である窒素原子含有ポリオール。
【請求項6】
(D)の少なくとも一部が水酸基を有する3級アミンである請求項1〜5の何れかに記載のポリウレタンフォーム。
【請求項7】
(B)が、MDI系ポリイソシアネート(B1)と必要により他の有機ポリイソシアネート(B2)からなり、(B1)の含有量が20重量%以上である請求項1〜6の何れかに記載の軟質ポリウレタンフォーム。
【請求項8】
遮吸音材用である請求項1〜7の何れかに記載の軟質ポリウレタンフォーム。

【公開番号】特開2006−152188(P2006−152188A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−347833(P2004−347833)
【出願日】平成16年11月30日(2004.11.30)
【出願人】(000002288)三洋化成工業株式会社 (1,719)
【Fターム(参考)】