説明

ポリエステル及びポリアミドの安定化されたブレンド

ポリエステル及びポリアミドの安定化されたブレンドを提供すること
【課題】
【解決手段】
本発明のポリマーブレンドは、
A)1種又はそれ以上のラクトン安定剤、
B)1種又はそれ以上のジ−ヒドロカルビルハイドロゲンホスホネート、またはジ−ヒドロカルビルハイドロゲンホスホニット又は、
C)1種又はそれ以上の、2,2’−アルキリデンビスフェノールのモノアクリレートエステルの酸化防止剤により安定化される。本発明のブレンドは、熱処理における、色の形成の減少、高い水準の白色度/明度、及び曇りの形成の許容される低さが示される。このブレンドは、飲料、食品及び化粧品などのためのボトル、容器及びフィルムの製造に有用である。ポリエステルは、特にはポリエチレンテレフタラート、PET、及びポリアミドは、特にはポリアミド−MXD6である。熱処理は例えば溶融押出又は固体重合(SSP)である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリエステル及びポリアミドの安定化されたブレンドに関するものである。該ポリマーブレンドは、
A)1種又はそれ以上のラクトン安定剤、又はB)1種又はそれ以上のジ−ヒドロカルビルハイドロゲンホスホネート又は1種又はそれ以上のジ−ヒドロカルビルハイドロゲンホスホニット、又はC)1種又はそれ以上の、2,2’−アルキリデンビスフェノールのモノアクリレートエステルの酸化防止剤により安定化される。本発明のブレンドは熱加工において、色の減少、高い水準の白色度/明度、及び許容される低い曇りの形成を示す。ポリエステルは特にポリエチレンテレフタレート、PETであり、ポリアミドは特にポリアミド−MXD6である。
【背景技術】
【0002】
国際公開第2007/0072067号パンフレットには、特性改善物質を含むポリエステル組成物の安定化が記載されている。
米国特許出願第2004/0013833号明細書は、ポリエステル、ポリアミド及び相溶化剤を含む相溶化されたポリマーブレンドを目的とするものである。
米国特許出願第2008/0009574号明細書は、ポリアミド−ポリエステルのバリア性ブレンドを教示している。
米国特許出願第2008/0064796号明細書は、ポリマーの再生物を目的としたものである。
米国特許第7,049,359号明細書は、包装材料を目的としたものである。
米国特許第6,733,853号明細書は、ポリエステルに基づく樹脂組成物を目的としたものである。
【0003】
米国特許出願第2005/0222345号明細書は、アルカリ金属原子及びリン原子を含むポリエステル/ポリアミド組成物が記載されている。
米国特許第7,358,324号明細書はガスバリア性を改善した組成物の製造方法を教示する。
米国特許出願第2009/0054601号明細書ポリエステル/ポリアミドブレンドを含む製品を教示する。
米国特許出願第2009/0054567号明細書には、酸化可能な一定のリン化合物を含む、アイオノマーのポリエステルが記載されている。
ここで議論された米国の特許及び公開された出願は、参照することにより組み入れられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、延伸吹込成形によって製造される熱可塑性ポリエステルの容器は、良好な透明性、良好な機械特性、及び良好な風味バリア特性、及び日常の使用のための衛生性及び安全性を含む、様々な優れた特性を有する。それ故それは、例えば飲料及び食品の硬い容器としての多くの利用がある。しかしながら、そのガスバリア特性は必ずしも満足がいくものでは無いため、その中の飲み物及び食品などは比較的短い期間しか保存することができなかった。
【0005】
バリア特性及び機械特性の改善によるポリエステル(PES)容器の保存可能期間の延長を達成するため、熱可塑性ポリエステルとポリアミド又はナイロンMXD6などのナイロンバリア樹脂との様々な組合せの方法が提案されてきた。
【0006】
ポリエステル及びポリアミドのブレンドの熱加工において生じる変色及び曇りの水準を改善する必要性がある。
【0007】
驚くべきことに、ある添加剤が、ポリエステル−ポリアミドブレンドに溶融熱処理(熱加工)において生じる色及び曇りの形成に対し、極めて優れた耐性を与え得ることを見出した。
【課題を解決するための手段】
【0008】
少なくとも1種のポリエステル及び少なくとも1種のポリアミド及び、
A)1種又はそれ以上のラクトン安定剤、
B)1種又はそれ以上のジ−ヒドロカルビルハイドロゲンホスホネート(di−hydrocarbyl hydrogen phosphonates)、又は1種又はそれ以上のジ−ヒドロカルビルハイドロゲンホスホニット(di−hydrocarbyl hydrogen phosphonites)、又は、
C)1種又はそれ以上の2,2’−アルキリデンビスフェノールのモノアクリレートエステルの酸化防止剤、
を含む、熱加工における色及び曇りの形成をしやすいポリマーブレンド組成物を開示する。
【0009】
熱加工の際の色及び曇りの形成に対してポリマーブレンドを安定化する方法であって、少なくとも1種のポリエステル及び少なくとも1種のポリアミド及び
A)1種又はそれ以上のラクトン安定剤、
B)1種又はそれ以上のジ−ヒドロカルビルハイドロゲンホスホネート、又は1種又はそれ以上のジ−ヒドロカルビルハイドロゲンホスホニット、又は、
C)1種又はそれ以上の、2,2’−アルキリデンビスフェノールのモノアクリレートエステルの酸化防止剤、
を含む混合物を溶融ブレンドすることを含む方法もまた開示する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ポリエステル及びポリアミド
前記ポリエステル及び前記ポリアミドは、例えば米国特許出願第2004/0013833号明細書、米国特許出願第2008/0009574号明細書及び米国特許出願第2007/0093616号明細書に記載された通り公知であり、記載された内容は、参照することにより組み入れられる。
【0011】
好ましい熱可塑性ポリエステルは、限定されるものではないが、芳香族ジカルボン酸又はそのアルキルエステル及びジオールを含む縮合ポリマーである。好適な樹脂は、エチレンテレフタレート成分を含むか又は本質的にエチレンテレフタレート成分からなるポリエステル樹脂を含む。1つの態様において、好ましいポリエステルを構成するテレフタル酸単位及びエチレングリコール単位の全体の割合(mol%)は、前記ポリエステルを構成する全ての構成単位の全体のモルに対して、少なくとも約70mol%であることが望ましく、より好ましくは少なくとも約90mol%である。このような態様は、大部分の利用に好適であり、そして特に高温充填への利用に好適である。好ましいポリエステルを構成するテレフタル酸単位及びエチレングリコール単位の全体の割合が約70mol%より少ない場合、該コポリエステルは不定形となるであろう。高温充填の際、このような不定形のコポリエステルを含む引き伸ばされた容器は、より熱収縮しやすく、弱い耐熱性及び低い強度を有し得る。
【0012】
限定されるものではないが、上記で議論されたものを含むポリエステル樹脂は、所望に
より、容器又はプレフォームに必要とされるか又は望まれる特性を著しく阻害しない範囲内で、テレフタル酸単位及びエチレングリコール単位を除く他の二官能性の化合物単位と共重合され得る。上記で議論された態様において、付加的な単位の割合(mol%)は、ポリエステルを構成する全ての構成単位の全体のモルと比較して、最大で30mol%であることが好ましく、より好ましくは最大で20mol%であり、更により好ましくは最大で10mol%である。
樹脂中に存在し得る好ましい二官能性の化合物単位は、ジカルボン酸単位、ジオール単位及びヒドロキシカルボン酸単位を含む。例えば、脂肪族の二官能性化合物単位、脂環式の二官能性化合物単位及び芳香族二官能性化合物単位を含む、他の二官能性化合物もまたこの目的のために使用することができる。
【0013】
好ましい脂肪族の二官能性化合物単位の例は、限定されないが、例えばマロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸及びセバシン酸などのジカルボン酸及びそのエステル−形成誘導体;10−ヒドロキシオクタデカン酸、乳酸、ヒドロキシアクリル酸、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸及びヒドロキシ酪酸などの脂肪族のヒドロキシカルボン酸及びそのエステル−形成誘導体、及び
2−ブテン−1,4−ジオール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、メチルペンタンジオール及びジエチレングリコールなどの脂肪族のジオール、
から誘導される2価の構造単位を含む。ネオペンチルグリコール単位は、その単位を含むコポリエステルの多層の容器の耐熱性を低下させず、製造が容易なことから、好ましい脂肪族の二官能性化合物の単位である。
【0014】
脂環式の二官能性化合物の単位の例は、限定されないが、シクロヘキサンジカルボン酸、ノルボルネンジカルボン酸及びトリシクロデカンジカルボン酸などの脂環式のジカルボン酸及びそのエステル−形成誘導体:
ヒドロキシメチルシクロヘキサン−カルボン酸、ヒドロキシメチルノルボルネンカルボン酸及びヒドロキシメチルトリシクロデカンカルボン酸などの、脂環式のヒドロキシカルボン酸及びそのエステル−形成誘導体;
シクロヘキサンジメタノール、ノルボルネンジメタノール及びトリシクロデカンジメタノールなどの脂環式のジオール、
から誘導される2価の構造単位を含む。シクロヘキサンジメタノール単位又はシクロヘキサンジカルボン酸単位は、それらを含むコポリエステルの製造が容易であることから、好ましい脂環式の二官能性化合物単位である。更に、これらの単位は容器の落下衝撃強度を改善し、それらの透明性を著しく改善する。
【0015】
ここで言及されるシクロヘキサンジメタノール単位は、1,2−シクロヘキサンジメタノール単位、1,3−シクロヘキサンジメタノール単位及び1,4−シクロヘキサンジメタノール単位から選択される少なくとも1種の2価の単位を表すことを意図される。同様にここで言及されるシクロヘキサンジカルボン酸単位は、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸単位、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸単位及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸単位から選択される少なくとも1種の2価の単位を表す。上で注記した脂環式の二官能性の化合物単位で、1,4−シクロヘキサンジメタノール単位及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸単位は、容易に入手でき、並びにそれらを含むコポリエステル及びそのコポリエステルからの成形物がより高い落下衝撃強度を有し得ることから、より好ましい。
【0016】
好ましい芳香族の二官能性の化合物単位は、芳香族ジカルボン酸単位、芳香族ヒドロキシカルボン酸単位及び芳香族ジオール単位のいずれでもあり得る。例としては、限定されないが、
イソフタル酸(IPA)、フタル酸、ビフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテル−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−ジカルボン酸、ジフェニルケトン−ジカルボン酸、スルホイソフタル酸ナトリウム、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸及び2,7−ナフタレンジカルボン酸などの、テレフタル酸を除く芳香族ジカルボン酸及びそのエステル−形成誘導体;
ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシトルイル酸、ヒドロキシナフトエ酸、3−(ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、ヒドロキシフェニル酢酸及び3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸などの、芳香族ヒドロキシカルボン酸及びそのエステル−形成誘導体、
及びビスフェノール化合物及びヒドロキノン化合物などの芳香族ジオール、
から誘導される2価の単位を含む。
少なくとも1種のイソフタル酸単位、フタル酸単位、ナフタレンジカルボン酸単位及び4,4’−ビフェニルジカルボン酸単位は、それらを含むコポリエステルが製造するのに容易であり、それらのモノマーのコストが低いことから、二官能性の化合物単位のための芳香族ジカルボン酸単位として好ましい。
【0017】
特にイソフタル酸(IPA)、IPAを含むコポリエステルの成形性が良好である点で有利である。更に、これらのIPAのコポリエステルは、成形性の良好さ及び成形が失敗する割合の低さをもたらす幅広い成形条件を示す。加えて、その酸は、それを含むコポリエステルの結晶化速度を遅らせ、その結果そのコポリエステルの成形物の白色化を防ぐという点で更に有利である。
【0018】
ナフタレンジカルボン酸もまた、それを含むコポリエステルのガラス転移点を上昇させ、さらに、そのコポリエステルを含む容器の耐熱性を増大させる点で有利である。加えて、ナフタレンジカルボン酸−共重合されたポリエステルは、UV線を吸収し、そのためUV線に対する耐性が望まれる容器の製造に好ましく使用される。容器の内容物をUV線から保護する目的のために、その容器の製造に使用される熱可塑性ポリエステルは、ナフタレンジカルボン酸成分を、構成する全てのジカルボン酸成分の総量に対して0.1乃至15mol%の量で、より好ましくは1.0乃至10mol%の量、しかし、0.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10.5mol%を含む量で有することが好ましい。2,6−ナフタレンジカルボン酸成分は、それを含むコポリエステルが容易に製造でき、そのためのモノマーのコストが低いことからナフタレンジカルボン酸として好ましい。
【0019】
好適な芳香族二官能性化合物の単位の例は、限定されないが、2,2−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)プロパン、2−(4−(2−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−エトキシ)フェニル)−2−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(2−(2−ヒドロキシ−エトキシ)エトキシ)フェニル)プロパン、ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)スルホン、(4−((2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)フェニル)−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)スルホン、1,1−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル)シクロヘキサン、1−(4−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)フェニル)−1−(4−(2−ヒドロキシ−エトキシ)フェニル)−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)フェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−2,3,5,6−テトラブロモフェニル)プロパン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1−(2−ヒドロキシエトキシ)−4−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)ベンゼン又は1,4−ビス(2−(2−ヒドロキシ−エトキシ)エトキシ)ベンゼンから誘導されるジオール単位を含む。上記で言及したジオール単位では、2,2−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)プロパン単位、ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)スルホン単位及び1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン単位が、それらのジオール単位のいずれかを含むポリエステル樹脂が良好な溶融安定性を有し製造が容易であることから好ま
しい。更にこれらの樹脂の成形品は、良好な色調及び良好な耐衝撃性を有する。
【0020】
特定の態様の熱可塑性ポリエステル層のために好適なポリエステル樹脂は、1種又はそれ以上の、限定されないが、上述の二官能性の化合物単位を有し得る。テレフタル酸に加えてこのようなモノマーを含有する樹脂は、ここでPETを含有するコポリマーとして見なされる。好ましいポリエステル樹脂は、エチレングリコール成分の二量体でありポリエステル樹脂の製造工程における少量の副生成物として形成されるジエチレングリコール由来の少量のジエチレングリコール単位を含有し得る。容器などの成形品のガラス転移点、耐熱性、機械強度及び色調などの要因に関係する潜在的な問題のために、ポリエステル樹脂のジエチレングリコール単位の割合は、比較的低く維持することが好ましい。従って、好ましい態様において、ポリエステル樹脂中のジエチレングリコール単位の割合は、ポリエステル樹脂の全ての構成単位の総モルに対して、1及び2mol%を含み、3mol%より少ない。
【0021】
好ましい態様に従って使用されるポリエステル樹脂は、所望により、カルボキシ基、ヒドロキシ基及びそれらのエステル−形成基から選択される少なくとも3種の基を有する少なくとも1種の多官能性の化合物から誘導されるが、これに限定されない単位を含む、多官能性の化合物単位と共重合される。
1つの態様において、ポリエステル樹脂中の多官能性化合物単位の割合は、ポリエステルの全ての構成単位の総モルに対してわずか0.5mol%である。多官能性化合物単位が誘導される多官能性の化合物は、少なくとも3つのカルボキシ基のみを有するもの、少なくとも3つのヒドロキシ基のみを有するもの、及び、全体で少なくとも3つのカルボキシ及びヒドロキシ基を有するもの、しかしそれらに限定されるものではない、を含む多官能性の化合物のいずれかであり得る。好適な多官能性の化合物単位は、以下に限定されるものではないが、
芳香族ポリカルボン酸、例えばトリメシン酸、トリメリット酸、1,2,3−ベンゼントリカルボン酸、ピロメリット酸及び1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸など;脂肪族ポリカルボン酸、例えば1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸;芳香族ポリアルコール、例えば1,3,5−トリヒドロキシベンゼンなど;脂肪族又は脂環式ポリアルコール、例えば、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、グリセリン及び1,3,5−シクロヘキサントリオールなど;芳香族ヒドロキシカルボン酸、例えば4−ヒドロキシイソフタル酸、5−ヒドロキシ−イソフタル酸,2,3−ジヒドロキシ安息香酸,2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、プロトカテク酸、没食子酸及び2,4−ジヒドロキシフェニル−酢酸など;脂肪族ヒドロキシカルボン酸、例えば酒石酸及びリンゴ酸など;及びこれらのエステル−形成誘導体、
から誘導されるものを含む。
【0022】
好ましい態様の熱可塑性ポリエステル層のための好ましいポリエステル樹脂は、限定するものではないが、例えば上述の化合物などの少なくとも1種の多官能性の化合物の単位を含み得る。上述のうち好ましいポリエステル樹脂は、ポリエステルの製造の容易さ及びそれらの製造のコストの観点から、好ましくは、トリメリット酸、ピロメリット酸、トリメシン酸、トリメチロールプロパン及びペンタエリトリトールから誘導される少なくとも1種の多官能性の化合物単位を含む。加えて、このような多官能性の化合物単位を含む態様は、更に、少なくとも1種の単官能性の化合物、例えば限定されるものではないが、モノカルボン酸、モノアルコール及びそれらのエステル−形成誘導体などから誘導される単官能性の化合物単位を含み得る。このような単官能性の化合物単位を含む態様では、単官能性化合物単位の割合は、樹脂の全ての構成単位の総モルに対して、最大でも5%、より好ましくは最大で1%であり、しかし約2、3、及び4%もまた含まれる。樹脂が2種又はそれ以上の異なる単官能性の化合物単位を含有する場合、これら全ての単位の総量を意
味する。単官能性の化合物は、好ましい濃度で使用した場合、ゲル化を遅らせることに使用し得る。これは多くの場合、要求を満たす樹脂のゲル化を遅らせられるからである。単官能性の化合物単位の割合が5mol%より大きい場合、溶融又は固相重合によるポリエステル樹脂の製造における重合速度は、該ポリエステル樹脂の生産能力を不利に低下させるように、低くなり得る。単官能性の化合物単位を含む態様において、ポリエステル樹脂中の分子鎖の末端基又は分岐した鎖の末端基を封鎖するためのブロッキング化合物としてこれらの単位は機能し、それによってポリエステル樹脂を、架橋され過ぎること及びゲル化から防ぐ。
好ましい単官能性の化合物単位は特に定義されるものではなく、限定されるものではないが、少なくとも1種のモノカルボン酸、モノアルコール及びそれらのエステル−形成誘導体を含む。好適な単官能性の化合物単位は、限定されるものではないが、例えば芳香族モノカルボン酸、例えば安息香酸、o−メトキシ安息香酸、m−メトキシ安息香酸、p−メトキシ安息香酸、o−メチル安息香酸、m−メチル安息香酸、p−メチル安息香酸、2,3−ジメチル安息香酸、2,4−ジメチル安息香酸、2,5−ジメチル安息香酸、2,6−ジメチル安息香酸、3,4−ジメチル安息香酸、3,5−ジメチル安息香酸、2,4,6−トリメチル安息香酸、2,4,6−トリメトキシ安息香酸、3,4,5−トリメトキシ安息香酸、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸、2−ビフェニルカルボン酸、1−ナフタレン酢酸及びナフタレン酢酸など;脂肪族モノカルボン酸、例えばn−オクタン酸、n−ノナン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸及びリノレン酸など;これらのモノカルボン酸のエステル−形成誘導体;芳香族アルコール、例えばベンジルアルコール、2,5−ジメチルベンジルアルコール、2−フェネチルアルコール、フェノール、1−ナフトール及び2−ナフトールなど;及び脂肪族の又は脂環式のモノアルコール、例えばペンタデシルアルコール、ステアリルアルコール、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリテトラメチレングリコールモノアルキルエーテル、オレイルアルコール及びシクロドデカノール、などの単官能性の化合物から誘導された単位を含む。
【0023】
好ましいポリエステル樹脂は、単官能性の化合物単位の少なくとも1種、例えば、限定されるものではないが、上記で言及したものを含み得る。上記で言及した単官能性の化合物単位の中で、好ましい態様に従う使用のためのポリエステルには、安息香酸、2,4,6−トリメトキシ安息香酸、2−ナフトエ酸、ステアリン酸及びステアリルアルコールから選択された1種又はそれ以上の単官能性の化合物から誘導されたものが、該ポリエステルの製造の容易さ及びその製造のコストの点で好ましい。
【0024】
成形性という点において、好ましい態様の熱可塑性ポリエステルは、エチレンテレフタレート成分、別名ポリエチレンテレフタレート又はPETとして知られた成分を本質的に含むか又はそれらを含有することが望ましい。好ましい態様に従って使用されるPETは、好適な量の1種又はそれ以上のコモノマー成分と共に共重合され得る。従って、共重合されたポリエステル樹脂は、コモノマー成分を、ポリエステルの全ての構成単位の総モルに対し、約1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5及び5.5mol%を含む1乃至6mol%の量で含有することが望ましい。樹脂の製造工程において副生成物として生産され得るジエチレングリコールとの共重合の水準を考慮して、それらと共重合した樹脂を上記で指摘した範囲内で作るために、他のコモノマーを樹脂に添加し得る。他のコモノマーは、特に定義されるものではないが、上記で言及したモノマーのいずれかが使用し得る。他の好ましいモノマーは限定されるものではないが、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、シクロヘキサンジカルボン酸、イソフタル酸(IPA)、及びナフタレンジカルボン酸(NDC)を含む。
【0025】
望ましいポリアミドは、好ましくは、部分芳香族ポリアミドの群から選択され、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、メタ−又はパラ−キシリレンジア
ミン、1,3−又は1,4−シクロヘキサン(ビス)メチルアミン、炭素原子数6乃至12の脂肪族二酸、炭素原子数6乃至12脂肪族のアミノ酸又はラクタム、炭素原子数4乃至12の脂肪族ジアミンから形成され、及び二酸及びジアミンを形成する一般的に知られたポリアミドを使用し得る。
好ましいポリアミドは、少量の三官能性又は四官能性のコモノマー、例えばトリメリット無水物、ピロメリット二無水物、又は当業者に知られたポリ酸及びポリアミンを形成する他のポリアミドもまた含有し得る。
好ましい部分芳香族ポリアミドは、限定されるものではないが、ポリ(m−キシリレンアジパミド)、ポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド)、ポリ(ヘキサメチレンアジパミド−コ−イソフタルアミド)、ポリ(ヘキサメチレンアジパミド−コ−テレフタルアミド)、及びポリ(ヘキサメチレンイソフタル−アミド−コ−テレフタルアミド)を含む。
好ましい部分芳香族ポリアミドの1種は、9,000、11,000、13,000、15,000、17,000、19,000、21,000、23,000、25,000、27,000、29,000、31,000、33,000、35,000及び37,000を含む、7,000乃至39,000の数平均分子量を有し、及び/又は、0.65、0.7、0.75、0.8及び0.85dL/gを含む0.6乃至0.9dL/gの固有粘度を有するポリ(m−キシリレンアジパミド)である。
好ましい脂肪族ポリアミドは、限定されるものではないが、ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)及びポリ(カプロラクタム)を含む。
最も好ましい低分子量の脂肪族のポリアミドは、13,000乃至16,000の数平均分子量、しかし13,500、14,000、14,500、15,000及び15,500もまた含む数平均分子量、及び/又は0.7乃至0.9dL/gの固有粘度、しかし0.75、0.8及び0.85dL/gもまた含む、固有粘度を有するポリ(ヘキサメチレンアジパミド)である。
【0026】
ポリエステルとの連結に使用される好ましい態様の脂肪族及び部分芳香族ポリアミドは、このようなブレンドから形成される製品中のアセトアルデヒド濃度を均一に減少させる。しかしながら、脂肪族ポリアミドよりも、透明さ及び分散性が優れている部分芳香族ポリアミドが好ましい。
【0027】
ポリアミドは通常、系中で又は分離された段階のいずれかで製造され得る二酸−ジアミン錯体からの溶融相重合により製造される。いずれかの方法において、二酸及びジアミン出発物質として使用される。代わりに、二酸のエステル形態は使用され得、好ましくはジメチルエステルである。エステルが使用される場合、反応は比較的低い温度、通常80乃至120℃にてエステルがアミドに変換されるまで行われるべきである。該混合物をその後重合温度まで加熱する。ポリカプロラクタムの場合、カプロラクタム又は6−アミノカプロン酸が出発物質として使用され得、そして重合は、ナイロン6/66コポリマーをもたらすアジピン酸/ヘキサメチレンジアミンの添加により触媒される。
二酸−ジアミン錯体を使用する場合、混合物を溶融するまで加熱し平衡に達するまで撹拌する。二酸−ジアミン比によって分子量を制御する。過剰のジアミンは、アセトアルデヒドと反応することができる末端アミノ基を高い濃度で製造する。二酸−ジアミン錯体が分離された段階で製造された場合、過剰のジアミンを重合の前に添加する。重合は大気圧又は加圧された圧力で行われ得る。
【0028】
現在考慮される好ましいポリアミドは三菱ガス化学(日本)から入手できるMXD6である。ポリアミド−6、ポリアミド−6,6、ポリアミド−6,12、ポリアミド−12、ポリアミド−11及びポリアミド−4,6もまた重要である。好ましいポリアミドは、アジピン酸及びm−キシリレンジアミンの縮合生成物又はポリ−m−キシリレンアジパミド、ポリアミド−MXD6である。
【0029】
ラクトン安定剤
ラクトン(ベンゾフラノン)安定剤は、公知であり、たとえば、米国特許第6,521,681号明細書中に記載されており、参照することによりここに組み入れられる。
【0030】
例えば、ラクトンは、3−(4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル)−5,7−ジ−第三ブチル−ベンゾフラン−2−オン、5,7−ジ−第三ブチル−3−(4−(2−ステアロイルオキシエトキシ)フェニル)ベンゾフラン−2−オン、3,3’−ビス(5,7−ジ−第三−ブチル−3−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)ベンゾフラン−2−オン)、5,7−ジ−第三ブチル−3−(4−エトキシフェニル)−ベンゾフラン−2−オン、3−(4−アセトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−第三ブチル−ベンゾフラン−2−オン、3−(3,5−ジメチル−4−ピバロイルオキシフェニル)−5,7−ジ−第三ブチル−ベンゾフラン−2−オン、3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−第三ブチル−ベンゾフラン−2−オン、3−(2,3−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−第三ブチル−ベンゾフラン−2−オン、5,7−ジ−第三ブチル−3−フェニル−3H−ベンゾフラン−2−オン、5,7−ジ−第三ブチル−3−(5,6,7,8−テトラ−ヒドロ−2−ナフタレニル)−(3H)−ベンゾフラン−2−オン又は5,7−ジ−第三ブチル−3−(4−メトキシフェニル)−3H−ベンゾフラン−2−オンである。
【0031】
例えば、ラクトンは
【化1】

から選択される。
【0032】
ジ−ヒドロカルビルハイドロゲンホスホネート及びホスホニット
ジ−ヒドロカルビルハイドロゲンホスホネートは一般式(RO)P(=O)Hで表される化合物である。それぞれのRは独立してヒドロカルビルとして定義される。
ジ−ヒドロカルビルハイドロゲンホスホネートは、例えば、ジエチルホスホネート、ジステアリルホスホネート、ジベンジルホスホネート、ジ(2−エチルヘキシル)ホスホネート、ジ−n−オクチルホスホネート、
【化2】

である。
ジベンジルホスホネートは
【化3】

で表される。
【0033】
ジ−ヒドロカルビルハイドロゲンホスホネートは、例えば米国特許第4,433,087号明細書に記載されており、参照されることによりここに組み入れられる。
ジヒドロカルビル基は、2つのヒドロカルビル(R)基が置換した基を意味する。ヒドロカルビル基は、例えば、フェニル基又はアルキル基又はフェニルアルキル基である。フェニル基は、上述の構造中で明記したように、未置換であるか又は炭素原子数1乃至8のアルキル基又はCOO基又はOPOO基によって中断されたアルキル基により1乃至3回置換される。アルキル基は例えば直鎖の又は分岐した炭素原子数1乃至24のアルキル基である。フェニルアルキル基は例えばベンジル基である。2つのヒドロカルビル基は、上記の第一の構造のように、結合し得る。
【0034】
ジ−ヒドロカルビルハイドロゲンホスホニットは、一般式RO−(R)−P(=O)Hで表される化合物である。それぞれのRは独立してヒドロカルビルとして定義される。
ホスホニット化合物は、例えば、上記ホスホネートの類似物である。このようなホスホニットは、例えば米国特許第4,940,772号明細書、5,717,127号明細書及び5,734,072号明細書に記載され、参照することによりそれぞれここに組み入れられる。化合物9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン 10−オキシドは例えば:
【化4】

【0035】
2,2’−アルキリデンビスフェノールのモノアクリレートエステルの酸化防止剤
これらは例えば式
【化5】

(式中、
40,R41,R42,R43及びR44は、独立して直鎖又は分岐した鎖の炭素原子数1乃至18のアルキル基、炭素原子数5乃至12のシクロアルキル基又は炭素原子数7乃至15のフェニルアルキル基を表す。)で表される。
【0036】
該モノアクリレートエステルは、例えば、2,2’−メチレンビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−第三ブチル−4−エチルフェノ
ール)、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)フェノール]、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(6−第三ブチル−4−イソブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,6−ビス(3−第三ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール及び1,1−ビス−(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、からなる群から選択される化合物のモノアクリレートエステルである。
【0037】
チバスペシャリティケミカルズからイルガノックス(Irganox)3052(チバスペシャリティケミカルズの登録商標)として入手することができる、2,2’−メチレンビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)のモノアクリレートエステルは、
【化6】

で表される特定の例である。
いずれかの置換基がアルキル基の場合、それらは、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、第二ブチル基、第三ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基又はn−オクタデシル基である。通常のシクロアルキル基は、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基を含み;通常のシクロアルケニル基はシクロヘキセニル基を含み;一方、通常のアラルキル基はベンジル基、α−メチル−ベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基又はフェネチル基を含む。
【0038】
本発明のポリエステル−ポリアミドブレンドは、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリアミド−MXD6のブレンドである。
該ブレンドは、例えば米国特許出願第2004/0013833号明細書、米国特許出願第2007/0093616号明細書及び/又は米国特許出願第2008/0009574号明細書に記載されたものとして形成され、それぞれ参照することにより組み入れられる。
【0039】
用語ブレンドは、混合物を意味する。該ブレンドは、溶融ブレンド、乾燥ブレンド又は区分化されたブレンドであり得る。該ブレンドは、ポリエステル、ポリアミド及び添加剤A)、B)又はC)の混合物を含む。
【0040】
該ブレンドは例えば溶融ブレンド、例えば
溶融相で製造され、そしてペレットに押出された、言い換えると、溶融混合しペレット
にした、ポリマーブレンドである。溶融ブレンドは、例えば一軸又は二軸スクリュー押出機によって行われる。
【0041】
溶融ブレンドは、更なる形成段階のためにペレットに形成され得、また、溶融物から直接、ボトル、容器、プレフォーム、フィルム、繊維又はシートである最終生産物に形成され得る。
【0042】
該ペレットは、最終的には単一層又は多層のプレフォーム、容器、ボトル、容器包装フィルム、繊維又はシートに形成するために形作られる。この工程は例えば射出成形、溶融押出、又は熱成形を含む。
【0043】
該ブレンドは、例えばポリエステル、ポリアミド及び添加剤の緊密な(intimate)溶融ブレンドによって形成される。他には、該ブレンドは、米国特許出願第2007/0093616号明細書で教示されるように、ポリエステル及びポリアミドが分離された物理相に存在する、区画に分けられた多相ペレットを形成する共押出によって形成され得る。この場合、本発明の添加物は、ポリエステル相、又はポリアミド相のいずれか、又はポリエステル及びポリアミド相の両方に存在し得る。このような区画に分けられたブレンドは、緊密なブレンドと同様に本発明の「溶融ブレンド」である。
【0044】
このブレンドは、更なる下流の使用を対象にして、ポリエステル、ポリアミド及び添加剤A)、B)又はC)の乾燥ブレンドとし得る。
【0045】
用語「熱加工」は、溶融ブレンドを含む。熱加工は、例えば、押出配合、共押出、熱形成、オーブン乾燥、固体重合(SSP)、多相ペレット形成、予備(プレフォーム)成形、ボトルブロー、再利用された材料又はスクラップの再処理(押出又は射出成形)又は再生品又はスクラップの浄化を意味する。
【0046】
好ましいポリマーブレンド組成物は、ポリエステルがPETであるポリマーブレンド組成物である。
好ましいポリマーブレンド組成物は、ポリアミドがポリ−m−キシリレンアジパミドであるポリマーブレンド組成物である。
【0047】
好ましくは、
少なくとも1種のポリエステル及び少なくとも1種のポリアミド及び
A)1種又はそれ以上のラクトン安定剤を含む、熱加工における色及び曇りの形成をしやすいポリマーブレンド組成物である。
【0048】
特に好ましくは、
【化7】

から選択されるラクトン安定剤を含むポリマーブレンド組成物である。
【0049】
好ましくは、
少なくとも1種のポリエステル及び少なくとも1種のポリアミド及び
B)1種又はそれ以上のジ−ヒドロカルビルハイドロゲンホスホネート又は、1種又はそれ以上のジ−ヒドロカルビルハイドロゲンホスホニットを含む、熱加工における色及び曇りの形成をしやすいポリマーブレンド組成物である。
【0050】
特に好ましくは、ジエチルホスホネート、ジステアリルホスホネート、ジベンジルホスホネート、ジ(2−エチルヘキシル)ホスホネート、ジ−n−オクチルホスホネート、
【化8】

から選択される、ジ−ヒドロカルビルハイドロゲンホスホネート又は1種又はそれ以上のジ−ヒドロカルビルハイドロゲンホスホニットを含むポリマーブレンド組成物である。
【0051】
好ましくは、
少なくとも1種のポリエステル及び少なくとも1種のポリアミド及び
C)1種又はそれ以上の2,2’−アルキリデンビスフェノールのモノアクリレートエステルの酸化防止剤
を含む、熱加工における色及び曇りの形成をしやすいポリマーブレンド組成物である。
【0052】
特に好ましくは、2,2’−メチレンビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−第三ブチル−4−エチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)フェノール]、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(6−第三ブチル−4−イソブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニル−フェノール]、2,6−
ビス(3−第三ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール及び1,1−ビス−(3,5−ジ−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタンから成る群から選択された化合物のモノアクリレートエステルの1種又はそれ以上を含むポリマーブレンド組成物である。
【0053】
本発明のブレンドは、プレフォーム、飲料及び食品の硬いボトル、又は容器又は食品包装フィルム又は繊維又はシートなどの成形された製品の形成に使用される。この製品は、単層又は多層の構造である。該ブレンドは、未使用のポリマー又は再利用された材料又はスクラップであり得る。
【0054】
該成形された製品は、特に、透明な製品、例えば、顔料を含まない、又は少量の顔料しか含まない透き通った製品である。
【0055】
本発明の目的は、本発明のポリマーブレンドを含む成形された製品でもある。
好ましくは、
少なくとも1種のポリエステル及び少なくとも1種のポリアミド及び
A)1種又はそれ以上のラクトン安定剤、
B)1種又はそれ以上のジ−ヒドロカルビルハイドロゲンホスホネート、又は1種又はそれ以上のジ−ヒドロカルビルハイドロゲンホスホニット、又は
C)1種又はそれ以上の、2,2’−アルキリデンビスフェノールのモノアクリレートエステルの酸化防止剤、
の溶融ブレンドを含む成形された製品である。
【0056】
特に好ましくは、
少なくとも1種のポリエステル及び少なくとも1種のポリアミド及び
A)1種又はそれ以上のラクトン安定剤、
B)1種又はそれ以上のジ−ヒドロカルビルハイドロゲンホスホネート、又は1種又はそれ以上のジ−ヒドロカルビルハイドロゲンホスホニット、又は
C)1種又はそれ以上の、2,2’−アルキリデンビスフェノールのモノアクリレートエステルの酸化防止剤、
の溶融ブレンドを含む成形された製品であって、該製品がボトル、容器又はフィルムである製品、である。
【0057】
本発明の成形された製品は、低い色、低い曇り及び高い白色度/明度を示すことに加え、優れた官能的性質(organoleptics)及びガスバリア(酸素)性を示す。
【0058】
ポリエステルのポリアミドに対する質量比は、例えば、99:1乃至75:25、例としては98:2乃至85:15である。ポリエステルのポリアミドに対する質量比は、例としては、95:5、97:3又は96:4である。
ポリエステルのポリアミドに対する質量比が99:1乃至85:15であるポリマーブレンド組成物が好ましい。
【0059】
A)、B)又はC)の添加剤のそれぞれの質量の濃度は、ポリエステルとポリアミドの質量に基づき0.01パーセント乃至5質量パーセントである。例えば質量の濃度は、ポリエステルとポリアミドの質量に基づき0.025パーセント、0.05パーセント、0.075パーセント、0.1パーセント、0.25パーセント又は0.5パーセントである。例えば質量の濃度はポリエステルとポリアミドの質量に基づき0.02、0.03、0.04、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4又は0.5質量パーセントである。これらの様々な質量パーセントの間の範囲が含まれる。
【0060】
好ましくは、成分A)、B)又はC)の添加剤が該組成物の質量に基づき、それぞれ0.01乃至0.3質量パーセント存在するポリマーブレンド組成物である。該組成物は、更なる添加剤、特に相溶化剤及び酸素捕捉剤、を含み得る。
酸素捕捉剤は、例えば、米国特許第7,049,359号明細書に記載され、参照することにより組み入れられる。
【0061】
不活性な及び活性な包装用組成物は本発明で考慮される。不活性のバリア系は、容器内へのガス(酸素)の移動を遅らせる他の成分とともにブレンドされたPETを意味する。活性なバリア系は、パッケージの壁を通って移動する際に酸素と反応するか又は酸素を捕捉することによりパッケージへの酸素の透過を減少させる、酸化可能な物質を配合する。酸素を捕捉する物質は、米国特許出願第2008/0082157号明細書に記載されたような、コバルト、鉄又はアルミニウムなどの酸化可能な無機物質であり得る。酸素を捕捉する物質は、米国特許第7049359号明細書、米国特許出願第2006/0180790号明細書、米国特許出願第2008/0277622、米国特許出願第2008/0171169号明細書、米国特許第6509436号明細書、米国特許第6139770号明細書、米国特許第6083585号明細書及び米国特許第5310497号明細書に記載されたように、PETとブレンドされるか又はPETと反応する酸化可能な有機成分であり得、それらが教示するように、有機成分の酸化の開始又は速度を加速するために更に触媒が使用され得る。
【0062】
更なる可能な添加剤は、プレフォームの加熱速度エンハンサー、減摩剤、UV吸収剤、不活性微粒子添加剤(クレイ又はシリカ)、着色剤、分岐剤、難燃剤、結晶化制御剤、衝撃改質剤、触媒不活性化剤、溶融強度エンハンサー、帯電防止剤、滑剤、鎖延長剤、核剤、溶媒、フィラー及び可塑剤を含む。
【0063】
好ましくは、プレフォームの加熱速度エンハンサー、減摩剤、UV吸収剤、不活性微粒子添加剤、着色剤、分岐剤、難燃剤、結晶化制御剤、衝撃改質剤、触媒不活性化剤、溶融強度エンハンサー、帯電防止剤、滑剤、鎖延長剤、核剤、溶媒、フィラー又は可塑剤を更に含むポリマーブレンド組成物である。
更なる可能な添加剤アセトアルデヒド(アルデヒド)捕捉剤を含む。
【0064】
アセトアルデヒド(アルデヒド)捕捉剤は公知であり、例えば米国特許第6,762,275号明細書、米国特許第6,936,204号明細書及び米国特許第6,274,212号明細書に記載され、それぞれ参照することにより組み入れられる。好適なアルデヒド捕捉剤は米国特許第6,191,209号明細書及び米国特許第7,138,457号明細書でも教示され、それぞれ参照することにより組み入れられる。好適なアルデヒド捕捉剤は米国特許出願第2005/0176859号明細書でも教示され、参照することにより組み入れられる。該アルデヒド捕捉剤は、ポリエステル中で使用するために知られた添加剤である。
【0065】
アルデヒド捕捉剤は、例として、アントラニルアミド、1,8−ジアミノナフタレン、アラントイン、3,4−ジアミノ安息香酸、マロンアミド、サリチルアニリド、6−アミノ−1,3−ジメチルウラシル、6−アミノイソシトシン、6−アミノウラシル、6−アミノ−1−メチルウラシル、α−トコフェロール、トリグリセリン、トリメチロールプロパン、ジペンタエリトリトール、トリペンタエリトリトール、D−マンニトール、D−ソルビトール、及びキシリトールである。更なるアルデヒド捕捉剤は例えばデキストリン又はシクロデキストリンである。
該アルデヒド捕捉剤は例えばアントラニルアミドである。
【0066】
アルデヒド捕捉剤は、例として、米国特許第6,790,499号明細書に記載された
ものを含み、参照することにより組み入れられる。アルデヒド捕捉剤は、例としては多価アルコールであり、例えばグリセリン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、エリトリトール、リビトール、キシリトール、ズルシトール、ソルビトール、1,2,3−シクロヘキサトリオール、イノシトール、グルコース、ガラクトース、マンノース、ガラクツロン酸、キシロース、グルコサミン、ガラクトサミン、1,1,2,2−テトラメチロイルシクロヘキサン、1,1,1−トリメチロールプロパン、1,1,2−トリメチロイルプロパン、1,1,1−トリメチロールブタン、1,1,2−トリメチロールブタン、1,1,1−トリメチロールペンタン、1,1,2−トリメチロールペンタン、1,2,2−トリメチロールペンタン、トリメチロールペンタン、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール、1,1,3,3−テトラヒドロキシプロパン、1,1,5,5−テトラヒドロキシペンタン、1,1,5,5−テトラキス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン及び2,2,6,6−テトラキス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサノールであり得る。
【0067】
多価アルコールは、例えば、でんぷん、セルロース又は糖又は糖アルコールである。
多価アルコールは分解されたでんぷん(デキストリン及びシクロデキストリン)、マルトース及びその誘導体、マルチトール、マルトペンタオース水和物、マルトヘプタオース、マルトテトラオース、マルツロース一水和物、D,L−グルコース、デキストロース、スクロース及びD−マンニトールを含む。
市販の多価アルコールは、トリメチロールプロパン、トリエチロールプロパン、グリセロール、ソルビトール及びペンタエリトリトールを含む。
【0068】
アルデヒド捕捉剤は、例えば、米国特許第6,908,650号明細書及び米国特許第7,022,390号明細書に記載され、参照することにより組み入れられる。アルデヒド捕捉剤は例えば式
【化9】

(式中、Tは直鎖又は分岐した鎖の炭素原子数1乃至36のアルキル基、炭素原子数5乃至12のシクロアルキル基、炭素原子数7乃至9のアラルキル基、又は、1種又は2種の炭素原子数1乃至12のアルキル基によって又は1種又は2種のハロゲン原子によって置換された前記アラルキル基を表し;Tは水素原子を表すか、又は、独立してTと同様の意義を有する。)
で表されるジアルキルヒドロキシルアミンである。
【0069】
該ヒドロキシルアミンは、例えばN,N−ジベンジルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクチルヒドロキシルアミン、N,N−ジラウリルヒドロキシルアミン、N,N−ジドデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジテトラデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジヘキサデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘキサデシル−N−テトラデシルヒドロキシルアミン、N−ヘキサデシル−N−ヘプタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘキサデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘプタデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、N−メチル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン及びN,N−ジ−(水素化牛脂)ヒドロキシルアミン、から選択されるN,N−ジヒドロカルビルヒドロキシルアミンである。
【0070】
更なる相溶化剤、酸素捕捉剤又はアルデヒド捕捉剤を含むポリマーブレンド組成物が好
ましい。
【0071】
更なる可能な添加剤は、他のフェノール系酸化防止剤を含む。
更なるフェノール系酸化防止剤が公知であり、例えば:
アルキル化モノフェノール、例えば2,6−ジ−第三ブチル−4−メチルフェノール、2−第三ブチル−4,6−ジ−メチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−メトキシメチルフェノール、側鎖が線状の又は枝分かれしたノニルフェノール、例えば、2,6−ジ−ノニル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルウンデシ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルヘプタデシ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルトリデシ−1’−イル)フェノール及びそれらの混合物である。
【0072】
アルキル化チオメチルフェノールは、例えば2,4−ジオクチルチオメチル−6−第三ブチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、2,6−ジ−ドデシルチオメチル−4−ノニルフェノールである。
【0073】
ヒドロキノン及びアルキル化ヒドロキノンは、例えば、2,6−ジ−第三ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−第三ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−第三−アミルヒドロキノン、2,6−ジフェニル4−オクタデシルオキシフェノール、2,6−ジ−第三ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルステアレート、ビス−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシ−フェニル)アジペートである。
【0074】
トコフェロールは、例えば、α−トコフェロール,β−トコフェロール,γ−トコフェロール、δ−トコフェロールおよびそれらの混合物である(ビタミンE)。
【0075】
ヒドロキシル化チオジフェニルエーテルは、例えば、2,2’−チオビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−オクチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−2−メチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3,6−ジ−第2−アミルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ジ−スルフィドである。
【0076】
アルキリデンビスフェノールは、例えば2,2’−メチレンビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−第三ブチル−4−エチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)−フェノール]、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(6−第三ブチル−4−イソブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、4,4’−メチレンビス−(2,6−ジ−第三ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(6−第三ブチル−2−メチルフェノール)、1,1−ビス(5−第三ブチ
ル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,6−ビス(3−第三ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチル−フェノール、1,1,3−トリス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチル−フェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス[3,3−ビス(3’−第三ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)ブチレート],ビス(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル−フェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルベンジル)−6−第三ブチル−4−メチルフェニル]テレフタレート、1,1−ビス−(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5−テトラ−(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタンである。
【0077】
O−、N−及びS−ベンジル化合物は、例えば3,5,3’,5’−テトラ−第三ブチル−4,4’−ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三ブチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4−第三ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)ジチオテレフタレート、ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル−3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプトアセテートである。
【0078】
ヒドロキシベンジル化マロネートは、例えばジオクタデシル−2,2−ビス−(3,5−ジ−第三ブチル−2−ヒドロキシベンジル)−マロネート、ジ−オクタデシル−2−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−マロネート、ジ−ドデシルメルカプトエチル−2,2−ビス−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネートである。
【0079】
芳香族ヒドロキシベンジル化合物は、例えば1,3,5−トリス−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノールである。
【0080】
トリアジン化合物は、例えば2,4−ビス(オクチルメルカプト)−6−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシ−アニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,2,3−トリアジン、1,3,5−トリス−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−第三ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6−トリス−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシ−フェニルプロピオニル)−ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレートである。
【0081】
ベンジルホスホネートは、例えばジメチル−2,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルホスホネート、ジオクタデシル−5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルベンジルホスホネート、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸モノエチルエステルのカルシウム塩である。
【0082】
アシルアミノフェノールは、例えば4−ヒドロキシラウラニリド、4−ヒドロキシステアラニリド、オクチルN−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)カルバメートである。
【0083】
β−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のモノ−又は多価アルコールとの、例えばメタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン、とのエステル。
【0084】
β−(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸のモノ−又は多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチル、グリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン、グリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス−(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン、とのエステル。
【0085】
β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のモノ−又は多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン、とのエステル。
【0086】
3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸のモノ−又は多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン、とのエステル。
【0087】
β−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、例えば、N,N’−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル−プロピオニル)トリメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジド、N,N’−ビス[2−(3−[3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニルオキシ)エチル]オキサミド(ナウガード XL−1(登録商標)ユニロイヤルから供給される)。
【0088】
例えば、更なるフェノール系酸化防止剤は、
【化10】

可能な更なる添加剤は、他の有機リン系安定剤を含む。
【0089】
有機リン化合物は、ポリマー加工安定剤としてよく知られている。例えば、プラスチック アディティブス ハンドブック(Plastics Additives Handbook)、第4版、アール.ゲヒター(R. Gaechter)、エイチ.ミューラー(H. Mueller)編、1993、第40乃至71頁ではポリプロピレン(PP)及びポリエチレン(PE)の安定化が議論されている。
【0090】
公知のホスフィット及びホスホニット安定剤は、例えば、トリフェニルホスフィット、ジフェニルアルキルホスフィット、フェニルジアルキルホスフィット、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、トリラウリルホスフィット、トリオクタデシルホスフィット、ジステアリルペンタエリトリトールジホスフィット、トリス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ホスフィット、ビス(2,4−ジ−α−クミルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ジイソデシルペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット(D)、ビス(2,6−ジ−第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット(E)、ビスイソデシルオキシ−ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス−(2,4−ジ−第三ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4,6−トリ−第三ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、トリステアリルソルビトールトリホスフィット、テトラキス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレン−ジホスホニット(H)、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ−第三ブチル−ジベンゾ[d,f]−[1,3,2]ジオキサホスフェピン(C)、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−第三ブチル−12−メチル−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン(A)、ビス(2,4−ジ−第三ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスフィット、ビス(2,4−ジ−第三−ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスフィット(G)、2,2’,2’’−ニトリロ[トリエチルトリス(3,3’5,5’−テトラ−第三ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスフィット](B)、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスフィット、ポリ(4,4’−{2,2’−ジメチル−5,5’−ジ−t−ブチルフェニルスルフィド−}オクチルホスフィット)、ポリ(4,4’{−イソプロピリデンジフェノール}−オクチルホスフィット)、ポリ(4,4’−{イソプロピリデンビス[2,6−ジブロモフェノール]}−オクチルホスフィット)、ポリ(4,4’−{2,2’−ジメチル−5,5’−ジ−t−ブチルフェニルスルフィド}−ペンタエリスリチルジホスフィット)、
【化11】

【化12】

【化13】

を含む。
【0091】
更なる可能な添加剤は、成分A)、B)又はC)の添加剤と同様の程度の質量で含まれる。
【0092】
以下の実施例は、本発明を更に説明するものである。別段の説明がない限り全ての部及びパーセンテージは質量による。
【実施例】
【0093】
一般
M&GからのPET、クリアタフ(CLEARTUF)8006、ボトル等級PETコポリマーIV 0.80。
三菱ガス化学 アドヴァンスト ポリマーズ社からのナイロンMXD−6、等級S6007、CAS登録番号25718−70−1。
【0094】
PET及びポリアミドMXD−6を100乃至120℃にて真空で乾燥させ、水分を50ppm未満(<50ppm)にした。95:5wt/wtのPET/MXD6の混合物のペレットを製造し、組み合わされたポリマーペレットに添加剤を溶液として加えた。該混合物の押出を、ライシュトリッツ(Liestritz)27mm共回転二軸スクリュー押出機で、270乃至275℃の温度プロファイル(スロートからダイ)にて実施し、ダイの溶融温度275℃、スクリュー速度150rpmとした。該ポリマーの押出物を水浴中で冷却し、糸をペレット化した。この1回目の押出の後、ポリマーを2つの部分に分割した。1つの部分を射出成形のために保存した。第2の部分を上記のように再乾燥し、そして、2回目の押出を、同じ押出機及び同じ設定条件で実施した。ペレット化された押出物を射出成形のために保存した。
添加剤の質量の濃度はポリエステルとポリアミドとを組み合わせた質量に基づく。
【0095】
押出経路から得られた再乾燥させたポリマーブレンドを用いて、射出成形を行った。ボーイ(BOY)50 射出成形機に2’’×2’’×0.060’’のモールド(=50.8mm×50.8mm×1.52mm)を備え、射出圧力(900 psi[=6205kPa=62bar])、ノズル温度(288℃)、モールド温度(70°F[=21℃])、スクリュー速度(150rpm)の条件でプラークを成形した。
【0096】
プラークの色はASTM E313に従い、ラージエリアビュー、d/8を含むスペクトル成分、D65、10°観測(large area view, spectral component included d/8, D65, 10°observer)にて、DCI SF600分光光度計で測定した。
【0097】
この方法で製造されたPET/MXD6ポリマーブレンドのための色の改善は下記の実施例により示される。それぞれの回数の押出において、安定化していないPET/MXD6配合物を安定化した配合物と比較して、それぞれの添加物又は添加剤混合物は変色に対して保護することが示された。
【0098】
実施例1 ジ−ヒドロカルビルハイドロゲンホスホネート
リン系安定剤A、2,4,8,10−テトラ−第三ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−6−オキシド、CAS登録番号71335−72−3を、通常の方法で0.125wt%の濃度で加えた。対照は添加剤を含有しなかった。60ミル(mil)(=1.52mm)厚のプラークを製造した。結果を下記に示す。
【表1】

【0099】
実施例2 ジ−ヒドロカルビルハイドロゲンホスホネート又はホスホニット
有機リン系安定剤A及びCと、添加剤を含まないブランクの対照との比較試験を行った。通常の方法により添加剤を加え、125mil(=3.18mm)厚のプラークを形成した。リン系安定剤Cは、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン10−オキシド、CAS登録番号35948−25−5、である。
【表2】

【0100】
実施例3 ラクトン安定剤
ラクトン安定剤1は、o−キシレンとの反応生成物である、5,7−ビス(1,1−ジメチルエチル)−3−ヒドロキシ−3H−ベンゾフラン−2−オン、CAS登録番号181314−48−7、ラクトン安定剤2は、5,7−ジ−第三ブチル−3−(4−メトキシフェニル)−3H−ベンゾフラン−2−オン、CAS登録番号75869−37−3、及びラクトン安定剤3は、5,7−ジ−第三ブチル−3−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフタレニル)−(3H)−ベンゾフラン−2−オン、CAS登録番号222424−59−1を、ポリエステル/ポリアミドブレンドに通常の手順で加えた。1回目の押出の後のプラークの黄色度及び白色度を測定した。結果を以下に示す。
【表3】

【0101】
実施例4 ラクトン安定剤
ラクトン安定剤1、及びラクトン安定剤4、3−[2−アセチルオキシ)−5−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−5−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−3H−ベンゾフラン−2−オン、CAS登録番号216698−07−6、をポリエステル/ポリアミドブレンドに通常の手順で加えた。1回目の押出の後のプラークの黄色度(b)と白色度(L)を測定した。対照は添加剤を含まなかった。結果を以下に示す。
【表4】

【0102】
実施例5 フェノール安定剤
フェノール酸化防止剤A、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノール)モノアクリレート、CAS登録番号、61167−58−6を通常の例に従い試験した。対照は添加剤を含まなかった。1回目の押出の後、プラークの黄色度及び白色度を試験した。結果を以下に示す。
【表5】

【0103】
実施例6 アルデヒド捕捉剤の添加
アルデヒド捕捉剤1及び2を更に添加して、実施例1乃至5を繰り返し行った。優れた
結果が達成された。
【0104】
実施例の添加物は次のものである。
【化14】

【化15】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種のポリエステル及び少なくとも1種のポリアミド、及び
A)1種又はそれ以上のラクトン安定剤、
B)1種又はそれ以上のジ−ヒドロカルビルハイドロゲンホスホネート(di−hydrocarbyl hydrogen phosphonates)、又はジ−ヒドロカルビルハイドロゲンホスホニット(di−hydrocarbyl hydrogen phosphonites)、又は
C)1種又はそれ以上の、2,2’−アルキリデンビスフェノールのモノアクリレートエステルの酸化防止剤、
を含む、熱加工における色及び曇りの形成をしやすいポリマーブレンド組成物。
【請求項2】
前記ポリエステルがPETである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記ポリアミドはポリ−m−キシリレンアジパミドである、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
成分A)を含む請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
【化1】

から選択されたラクトン安定剤を含む請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
成分B)を含む請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
ジエチルホスホネート、ジステアリルホスホネート、ジベンジルホスホネート、ジ(2−エチルヘキシル)ホスホネート、ジ−n−オクチルホスホネート、
【化2】

から選択される、ジ−ヒドロカルビルハイドロゲンホスホネート又は1種又はそれ以上のジ−ヒドロカルビルハイドロゲンホスホニットを含む請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
成分C)を含む請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
2,2’−メチレンビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−第三ブチル−4−エチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)フェノール]、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス−(4,6−ジ−第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(6−第三ブチル−4−イソブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニル−フェノール]、2,6−ビス(3−第三ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール及び1,1−ビス
−(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタンからなる群から選択される化合物のモノアクリレートエステルの1種又はそれ以上を含む請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
ポリエステルのポリアミドに対する質量比が99:1乃至85:15である請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
成分A)、B)又はC)の添加剤がそれぞれ前記組成物の質量に基づき、0.01乃至0.3質量パーセント存在する請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
プレフォームの加熱速度エンハンサー、減摩剤、UV吸収剤、不活性微粒子添加剤、着色剤、分岐剤、難燃剤、結晶化制御剤、衝撃改質剤、触媒不活性化剤、溶融強度エンハンサー、帯電防止剤、滑剤、鎖延長剤、核剤、溶媒、フィラー又は可塑剤を更に含む請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
更に相溶化剤、酸素捕捉剤又はアルデヒド捕捉剤を含む請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
熱加工の際の色及び曇りの形成に対してポリマーブレンドを安定化する方法であって、
少なくとも1種のポリエステル及び少なくとも1種のポリアミド及び
A)1種又はそれ以上のラクトン安定剤、
B)1種又はそれ以上のジ−ヒドロカルビルハイドロゲンホスホネート、又は1種又はそれ以上のジ−ヒドロカルビルハイドロゲンホスホニット、又は
C)1種又はそれ以上の、2,2’−アルキリデンビスフェノールのモノアクリレートエステルの酸化防止剤、
を含む混合物を溶融ブレンドすることを含む方法。
【請求項15】
少なくとも1種のポリエステル及び少なくとも1種のポリアミド、及び
A)1種又はそれ以上のラクトン安定剤、
B)1種又はそれ以上のジ−ヒドロカルビルハイドロゲンホスホネート、又は1種又はそれ以上のジ−ヒドロカルビルハイドロゲンホスホニット、又は
C)1種又はそれ以上の、2,2’−アルキリデンビスフェノールのモノアクリレートエステルの酸化防止剤
の溶融ブレンドを含む成形された製品。
【請求項16】
ボトル、容器またはフィルムである、請求項15に記載の成形された製品。

【公表番号】特表2012−520365(P2012−520365A)
【公表日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−553438(P2011−553438)
【出願日】平成22年3月10日(2010.3.10)
【国際出願番号】PCT/EP2010/053012
【国際公開番号】WO2010/103030
【国際公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】