説明

ポリエステル系樹脂組成物及びプラスチック成形品

【課題】耐熱性または表面平滑性などの諸般物性の優れたポリエステル系樹脂組成物及びプラスチック成形品を提供する。
【解決手段】ポリブチレンテレフタレート系基礎樹脂と、該ポリブチレンテレフタレート系基礎樹脂の100質量部を基準に、ポリエチレンテレフタレートグリコール樹脂10〜50質量部、無機充填剤0.1〜10質量部及び樹脂安定剤0.01〜5質量部とを含むポリエステル系樹脂組成物、およびこれを用いて製造されたプラスチック成形品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリエステル系樹脂組成物及びプラスチック成形品に関し、より詳細には、ポリエステル系熱可塑性樹脂の耐熱性または表面平滑性などの諸般物性を向上させることができるポリエステル系樹脂組成物及びプラスチック成形品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車用ヘッドランプべゼル、リフレクターまたは照明器具などの金属蒸着反射体を形成するために、プライマーを塗布することによって該金属蒸着反射体の光反射面の表面平滑性を高めつつ金属を蒸着する方法を適用してきた。ところが、プライマーには有機溶剤が含まれているため、上記の方法では、環境に悪影響を及ぼす他に、塗膜の形成に長時間がかかり、高コストと生産性の低下を招くという問題があった。
【0003】
このため、最近ではプライマーを塗布せず、光反射面の表面に金属を直接蒸着する方式が適用されてきている。
しかしながら、このような直接蒸着方式では、金属蒸着反射体が表面平滑性に富む必要がある他、自動車用ヘッドランプべゼルまたは照明器具などに適用されるから、高温下でも変形が生じないように優れた耐熱性を示す必要があった。
【0004】
そこで、このような表面平滑性または耐熱性等の要件を満たし、上記の金属蒸着反射体として用いられうるような材料を開発しようとする試みが多様に行われてきた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、今まで開示または研究された材料は依然として耐熱性や表面平滑性に欠けており、直接蒸着方式が適用される金属蒸着反射体の材料としては物性面で不十分であるという問題があった。
【0006】
本発明は上記の目的を達成するためのもので、その目的は、ポリエステル系熱可塑性樹脂の耐熱性または表面平滑性などの諸般物性を向上させることができるポリエステル系樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、上記の組成物を用いて製造されたプラスチック成形品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明は、ポリブチレンテレフタレート系基礎樹脂と、該ポリブチレンテレフタレート系基礎樹脂100質量部を基準に、ポリエチレンテレフタ
レートグリコール樹脂10〜50質量部、無機充填剤0.1〜10質量部及び樹脂安定剤
0.01〜5質量部と、を含むポリエステル系樹脂組成物を提供する。
【0009】
また、本発明は、上記のポリエステル系樹脂組成物で製造されたプラスチック成形品を提供する。
その他の本発明の実施形態の具体的な事項は、以下の詳細な説明に含まれている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ポリエステル系熱可塑性樹脂の耐熱性または表面平滑性などの諸般物性を向上させることができるポリエステル系樹脂組成物を提供することができる。したが
って、本発明の樹脂組成物を用いて、自動車用ヘッドランプベゼル、リフレクターまたは照明器具などの金属蒸着反射体を形成する材料として好ましく使用できるポリエステル系熱可塑性樹脂を提供することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の具体的な実施形態を、当業者が自明に実施できるように詳細に説明する。ただし、下記の説明は、本発明を例示するためのもので、本発明を制限するためのものではない。したがって、本発明は、後述する請求項の範ちゅうによって定義される。
【0012】
本発明の一具体例によれば、ポリブチレンテレフタレート系基礎樹脂と、該ポリブチレンテレフタレート系基礎樹脂100質量部を基準に、ポリエチレンテレフタレートグリコール樹脂10〜50質量部、無機充填剤0.1〜10質量部及び樹脂安定剤の0.01〜5質量部と、を含むポリエステル系樹脂組成物が提供される。
【0013】
このポリエステル系樹脂組成物は、基本的構成成分であるポリブチレンテレフタレート系基礎樹脂に加えて、ポリエチレンテレフタレートグリコール樹脂、無機充填剤及び樹脂安定剤を好ましい含量範囲で含むことによって、ポリエステル系熱可塑性樹脂の耐熱性や表面平滑性などの諸般物性を向上させることができる。したがって、該ポリエステル系熱可塑性樹脂は、自動車用ヘッドランプべゼル、リフレクターまたは照明器具などの金属蒸着反射体を形成するための材料として好ましく用いられることができる。
【0014】
以下、上記ポリエステル系樹脂組成物について、各構成成分別に具体的に説明する。
該ポリエステル系樹脂組成物は、ポリブチレンテレフタレート系基礎樹脂を含む。
このポリブチレンテレフタレート系基礎樹脂には、例えば、1,4−ブタンジオールと、テレフタル酸またはジメチルテレフタレートとを直接エステル化反応またはエステル交換反応を介して縮重合したポリブチレンテレフタレート重合体が用いられることができる。または、ポリブチレンテレフタレート系基礎樹脂には、ポリブチレンテレフタレートと、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、 低分子量(重量平均分子量 400〜6000)脂肪族ポリエステルまたは脂肪族ポリアミドとの共重合体または混合物を使用することができる。このように衝撃強度向上成分をポリブチレンテレフタレートに共重合したり混合したりすることにより、該ポリブチレンテレフタレート系基礎樹脂の衝撃強度をより向上させることができる。
【0015】
また、このポリブチレンテレフタレート系基礎樹脂は、o−クロロフェノール溶媒の下に25℃で測定した固有粘度[η]が0.36〜1.60、好ましくは、0.52〜1.
25の範囲にありうる。もし、固有粘度が0.36未満であれば、ポリエステル系熱可塑性樹脂の機械的特性が低下し、固有粘度が1.60を超過すると、ポリエステル系熱可塑性樹脂の成形性が低下するというおそれがある。
【0016】
上記ポリエステル系樹脂組成物はまた、ポリエチレンテレフタレートグリコール樹脂を含む。このポリエチレンテレフタレートグリコール樹脂は、1,4−シクロヘキサンジメタノール(1,4−cyclohexane dimethanol、CHDM)を共重合成分とする非結晶性ポリエチレンテレフタレート共重合体で、ポリエチレンテレフタレート樹脂を構成するエチレングリコール(ethylene glycol)の一部を1,4−シクロヘキサンジメタノールに置き換えたコポリエステル樹脂である。
【0017】
このようなポリエチレンテレフタレートグリコール樹脂は、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂を構成するエチレングリコールの3〜48モル%、好ましくは、5〜20モル%を1,4−シクロヘキサンジメタノールに置き換えたコポリエステル樹脂とするこ
とができる。もし、置き換えられる1,4−シクロヘキサンジメタノールが3モル%未満であれば、ポリエステル系熱可塑性樹脂の表面平滑性は大きく向上されることがなくなり、48モル%を超過すると、ポリエステル系熱可塑性樹脂の耐熱性が低下する可能性がある。
【0018】
また、このポリエチレンテレフタレートグリコール樹脂は、上記のポリブチレンテレフタレート系基礎樹脂100質量部を基準に、10〜50質量部の含量範囲で含まれる。もし、ポリエチレンテレフタレートグリコール樹脂が10質量部未満の含量で含まれると、ポリエステル系熱可塑性樹脂の表面平滑性の向上が少なくなり、50質量部を超過する含量範囲で含まれると、ポリエステル系熱可塑性樹脂の耐熱性が低下する可能性がある。
【0019】
一方、上記ポリエステル系樹脂組成物は、無機充填剤を含む。無機充填剤を添加することによって、ポリエステル系熱可塑性樹脂の機械的特性または耐熱性をより向上させることができる。
【0020】
無機充填剤には、例えば、チタン系フィスカー、滑石、ウォラストナイト、ベントナイト、モンモリロナイト、炭酸カルシウム、クレーまたはカオリンを使用することができ、これらの充填剤を二つ以上混合して使用しても良い。ただし、ポリエステル系樹脂組成物に使用可能な無機充填剤の種類はこれらに限定されることはなく、その他通常の無機充填剤を使用しても良い。
【0021】
また、この無機充填剤は、レーザー回折粒径測定器( laser diffraction particle size analyzer)で 測定した d50 粒径が0.1〜2μm、好ましくは、0.3〜1μmの
平均粒径を持つことができる。もし、無機充填剤の平均粒径が0.1μm未満であれば、無機充填剤の分散性が低下し、ポリエステル系熱可塑性樹脂の耐熱性側面で好ましくなく、また、2μmを超過すると、ポリエステル系熱可塑性樹脂の表面平滑性が低下する可能性がある。
【0022】
なお、この無機充填剤は、上記のポリブチレンテレフタレート系基礎樹脂またはポリエチレンテレフタレートグリコール樹脂との分散性を向上させるために、有機物質で表面コーティングされたものを使用することが好ましい。
【0023】
また、無機充填剤は、上記のポリブチレンテレフタレート系基礎樹脂の100質量部を基準に、0.1〜10質量部の含量範囲にする。無機充填剤が0.1質量部未満の含量になると、ポリエステル系熱可塑性樹脂の耐熱性が低下し、無機充填剤が10質量部を超過すると、ポリエステル系熱可塑性樹脂の表面平滑性が低下する可能性がある。
【0024】
一方、ポリエステル系樹脂組成物は、上記の各構成成分に加えて樹脂安定剤を含む。この樹脂安定剤は、例えば、押出または射出によって上記ポリエステル系樹脂組成物からポリエステル系熱可塑性樹脂またはプラスチック成形品を製造する過程において、ポリエステル系樹脂組成物に含まれたポリブチレンテレフタレート系基礎樹脂またはポリエチレンテレフタレートグリコール樹脂を安定化させ、これらの樹脂が分解(例えば、熱分解)されるのを防止する役割を果たす。
【0025】
このような樹脂安定剤が含まれると、上記ポリエステル系樹脂組成物に含まれたポリブチレンテレフタレート系基礎樹脂またはポリエチレンテレフタレートグリコール樹脂などがそれ自体の特性をより発現可能になり、これにより、ポリエステル系熱可塑性樹脂の表面平滑性または耐熱性などの諸般物性をより向上させることができる。
【0026】
上記樹脂安定剤は特に限定されず、周知の樹脂安定剤を任意に使用すれば良い。例えば
、樹脂安定剤には、リン酸、トリフェニルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリイソデシルホスフェート、トリ−(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート及び3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸からなる群より選ばれた一つの物質または2以上の混合物を使用することができる。
【0027】
この樹脂安定剤は、上記のポリブチレンテレフタレート系基礎樹脂の100質量部を基準に、0.01〜5質量部の含量範囲で含まれる。樹脂安定剤の含量が5質量部を超過すると、上記ポリエステル系熱可塑性樹脂の機械的特性が低下するおそれがある。
【0028】
一方、上記の各構成成分を混合してポリエステル系樹脂組成物を製造し、該ポリエステル系樹脂組成物を押出機で溶融押出する等の通常の方法を用いて、ポリエステル系熱可塑性樹脂またはこれによるプラスチック成形品を製造できる。
【0029】
本発明の他の具体例によれば、上記のポリエステル系樹脂組成物でできたプラスチック成形品が提供される。このプラスチック成形品は、例えば、ポリブチレンテレフタレート系基礎樹脂及びポリエチレンテレフタレートグリコール樹脂が均一に混合された樹脂基材と、この樹脂基材内に分散されている無機充填剤及び樹脂安定剤と、を含む形態とすることができる。
【0030】
すなわち、本発明のプラスチック成形品は、ポリブチレンテレフタレート系基礎樹脂及びポリエチレンテレフタレートグリコール樹脂が均一に混合されて樹脂基材を形成しており、この樹脂基材内に無機充填剤と樹脂安定剤などが均一に分散されることによって、上記ポリエステル系樹脂組成物に関して詳述した各構成成分の相互作用から、より向上した耐熱性または表面平滑性などの諸般物性を発現することができる。
【0031】
したがって、上記プラスチック成形品は、自動車用ヘッドランプべゼル、リフレクターまたは照明器具などの金属蒸着反射体に好ましく使用することができる。
【実施例】
【0032】
以下、本発明の好ましい実施例に挙げて本発明の構成及び作用についてより詳細に説明する。ただし、下記の実施例は、本発明の説明のために例示されたもので、これによって本発明が制限されることはない。
【0033】
後述する実施例及び比較例で使用する(A)ポリブチレンテレフタレート系基礎樹脂、(B)ポリエチレンテレフタレートグリコール樹脂、(C)無機充填剤、(D)樹脂安定剤、(E)ポリエチレンテレフタレート樹脂(比較例)、(F)ポリカーボネート樹脂(比較例)の各構成成分の具体的な仕様は、次の通りである。
【0034】
(A)ポリブチレンテレフタレート系基礎樹脂
ポリブチレンテレフタレート系基礎樹脂として、o−クロロフェノール溶媒の下に25℃で測定した固有粘度[η]が1.0であるポリブチレンテレフタレート重合体を使用した。
【0035】
(B)ポリエチレンテレフタレートグリコール樹脂
ポリエチレンテレフタレートグリコール樹脂として、1,4−シクロヘキサンジメタノールを共重合成分とする非結晶性ポリエチレンテレフタレート共重合体であって、3〜48モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールを有し、o−クロロフェノール溶媒の下に25℃で測定した固有粘度[η]が0.8であるポリエチレンテレフタレートグリコール樹脂を使用した。
【0036】
(C)無機充填剤
無機充填剤として、平均粒径0.5μmの滑石を使用した。
(D)樹脂安定剤
樹脂安定剤として、Ciba Geigy社製のIRGANOX B215(IRGANOX 1010(hindered phenolic antioxidant)とIRGAFOS 168(organophosphite)の1:2混合物)を使用した。
【0037】
(E)ポリエチレンテレフタレート樹脂(比較例)
ポリエチレンテレフタレート樹脂として、o−クロロフェノール溶媒の下に25℃で測定した固有粘度[η]が0.8であるポリエチレンテレフタレート樹脂を使用した。
【0038】
(F)ポリカーボネート樹脂(比較例)
ポリカーボネート樹脂として、重量平均分子量(Mw)が25,000g/molであるビスフェノール−A型のポリカーボネート樹脂を使用した。
【0039】
実施例1〜3及び比較例1〜6
上記の各構成成分を、下記の表1に示す含量範囲(質量部)でそれぞれ混合してポリエステル系樹脂組成物を製造し、それぞれのポリエステル系樹脂組成物を、240〜280℃で加熱した二軸溶融押出機で溶融混練してチップ状態にした。続いて、得られたチップを130℃で5時間以上乾燥した後、240〜280℃で加熱したスクリュー式射出機を用いて各種物性評価のための平板試験片(横10cm×縦10cm×厚さ0.3cm)を製造した。
【0040】
【表1】

【0041】
上記試験片の各種物性を、以下の方法で測定した。
まず、プラスチックの耐熱性を測定する米国の標準測定方法であるASTM D648によって、上記試験片の耐熱性を測定した(耐熱性評価)。
【0042】
また、光沢度測定機(Gloss Meter)で上記試験片の光沢度を測定した(光
沢度評価)。
そして、上記試験片にコーティング処理をせず、該試験片にアルミニウムを真空蒸着し、10×10mmの正方形の板に1mm間隔で100個の格子を作った後、テープを使用するスクラッチ試験法によって該アルミニウムの剥離度合を測定した(アルミニウム蒸着
性評価)。
【0043】
また、表面粗度Rは、次の方法で測定した(表面平滑性評価)。
下記の参考図に示すように、1番目に高い山から順に5番目に高い山における、それぞれの山の最も高い点の高さの平均値と、1番目に低い谷から順に5番目に低い谷における、それぞれの谷の最も低い点の高さの平均値との差で表すISO粗度表示法を用いて10点平均粗度Rを求めた。この平均粗度Rは、下記の数学式(1)より得られた。 図
1と 式(1)において、R1、R3、・・R9は、1番目に高い山から順に5番目に高い山における、それぞれの山の最も高い点の高さを表し、R2、R4、・・R10は、1番目に低い谷から順に5番目に低い谷における、それぞれの谷の最も低い点の高さを表す。また、図1中のLは、任意で定めることのできるサンプルの測定長さであり、本発明では3mmとした。
【0044】
【数1】

【0045】
このような方法によって測定した各種物性値を、下記の表2に示す。
【0046】
【表2】

【0047】
上記の表2を参照すると、ポリブチレンテレフタレート系基礎樹脂、ポリエチレンテレフタレートグリコール樹脂、無機充填剤及び樹脂安定剤を含む実施例1〜3の試験片は、ポリエチレンテレフタレートグリコール樹脂を含まない比較例1の試験片に比べて耐熱性を維持しながら、より向上した光沢度、アルミニウム蒸着性及び表面平滑性を示した。
【0048】
また、上記の実施例1〜3の試験片は、ポリエチレンテレフタレートグリコール樹脂の代わりにポリカーボネート樹脂またはポリエチレンテレフタレート樹脂を含む比較例5及び6の試験片に比べても、より向上した表面平滑性とともに優れた耐熱性または光沢度を示した。
【0049】
そして、上記の実施例1〜3の試験片は、無機充填剤を含まない比較例2の試験片に比べて、類似水準の光沢度、アルミニウム蒸着性及び表面平滑性を示しながら、より向上した耐熱性を示した。
【0050】
また、上記の実施例1〜3の試験片は、各構成成分を好ましい含量範囲に含むことにより、この含量範囲を逸脱する比較例3及び4の試験片に比べて、優れた耐熱性(比較例3)または優れた光沢度、表面平滑性及びアルミニウム蒸着性(比較例4)を示すことが確認された。
【0051】
したがって、上記の実施例1〜3の試験片は、光沢度、耐熱性、表面平滑性またはアルミニウム蒸着性などの諸般物性に全体的に富むことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】図1は、表面粗度Rの測定方法を説明するための参考図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリブチレンテレフタレート系基礎樹脂と、
前記ポリブチレンテレフタレート系基礎樹脂の100質量部を基準に、ポリエチレンテレフタレートグリコール樹脂10〜50質量部、無機充填剤0.1〜10質量部及び樹脂安定剤0.01〜5質量部と、
を含む、ポリエステル系樹脂組成物。
【請求項2】
前記ポリブチレンテレフタレート系基礎樹脂は、1,4−ブタンジオールと、テレフタル酸またはジメチルテレフタレートとを直接エステル化反応またはエステル交換反応を介して縮重合したポリブチレンテレフタレート重合体を含む、請求項1に記載のポリエステル系樹脂組成物。
【請求項3】
前記ポリブチレンテレフタレート系基礎樹脂は、
ポリブチレンテレフタレートと、
ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、 低分子量(重量平均分子量 400〜6000)脂肪族ポリエステルまたは脂肪族ポリアミドとの共重合体または混合物を含む、請求項1に記載のポリエステル系樹脂組成物。
【請求項4】
前記ポリブチレンテレフタレート系基礎樹脂は、o−クロロフェノール溶媒の下に25℃で測定した固有粘度が0.36〜1.60である、請求項1に記載のポリエステル系樹脂組成物。
【請求項5】
前記ポリエチレンテレフタレートグリコール樹脂は、ポリエチレンテレフタレート樹脂を構成するエチレングリコールの3〜48モル%を、1,4−シクロヘキサンジメタノールで置き換えた樹脂を含む、請求項1に記載のポリエステル系樹脂組成物。
【請求項6】
前記無機充填剤は、チタン系フィスカー、滑石、ウォラストナイト、ベントナイト、モンモリロナイト、炭酸カルシウム、クレー及びカオリンからなる群より選ばれた一つの充填剤または2以上の混合物を含む、請求項1に記載のポリエステル系樹脂組成物。
【請求項7】
前記無機充填剤は、0.1〜2μmの平均粒径を持つ、請求項1に記載のポリエステル系樹脂組成物。
【請求項8】
樹脂安定剤は、リン酸、トリフェニルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリイソデシルホスフェート、トリ(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート及び3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸からなる群より選ばれた一つの物質または2以上の混合物を含む、請求項1に記載のポリエステル系樹脂組成物。
【請求項9】
請求項1に記載のポリエステル系樹脂組成物で製造されたプラスチック成形品。
【請求項10】
ポリブチレンテレフタレート系基礎樹脂100質量部にポリエチレンテレフタレートグリコール樹脂10〜50質量部が均一に混合されている樹脂基材と、
前記樹脂基材内に分散されている無機充填剤0.1〜10質量部及び樹脂安定剤0.01〜5質量部と、
を含む、プラスチック成形品。

【図1】
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【公開番号】特開2008−163334(P2008−163334A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−333938(P2007−333938)
【出願日】平成19年12月26日(2007.12.26)
【出願人】(500005066)チェイル インダストリーズ インコーポレイテッド (263)
【Fターム(参考)】