説明

ポリエーテルポリオールの製造方法

活性水素原子を2〜6個有する開始剤化合物を二金属シアニド錯体含有触媒の存在下に粗アルキレンオキシドと接触させて、ポリオキシアルキレンポリエーテルポリオールを得るポリアルコキシレンポリエーテルポリオールの製造法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
本発明は、二金属シアニド錯体触媒で触媒したポリオキシアルキレンポリエーテルポリオールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
アルキレンオキシドは、ポリウレタン製品の製造に有用なポリオキシアルキレンポリエーテルポリオール(ここではポリエーテルポリオールとも言う)の製造用主原料である。
【0003】
アルキレンオキシドは、通常、(a)アルケンと好適な酸化体とを反応させて、アルキレンオキシド含有反応混合物を得る工程、工程(a)で得られた反応混合物から湿潤粗アルキレンオキシドを分離する工程、及び任意に(c)湿潤粗アルキレンオキシドから1回以上の蒸留処理により水を除去して、乾燥粗アルキレンオキシドを得る工程を含む方法で製造される。工程(b)は、一般に(b1)反応混合物から未反応アルケンを除去する工程、及び(b2)工程(b1)で得られた混合物から1回以上の蒸留処理により湿潤粗アルキレンオキシドを分離する工程で構成される。こうして得られた湿潤又は乾燥粗アルキレンオキシド(ここでは更に粗アルキレンオキシドとも言う)は、沸点がアルキレンオキシドに近接する、及び/又はアルキレンオキシドと共沸混合物を形成する副生物をなお少量含有する。
【0004】
しかし、アルキレンオキシド誘導体の製造に起因する副生物が50〜100ppmw(重量ppm)の範囲で極少量存在しても、DE−A−101,43,195で述べているように、ポリエーテルポリオールの製造には望ましくない。更に、粗アルキレンオキシドを従来の塩基で触媒したポリオールの製造に使用すると、得られるポリエーテルポリオールは、一般に呼び官能価が低い上、不飽和構造物の含有量が多い。これにより、ポリウレタン発泡体の製造に使用するのは不適当となる。
【0005】
したがって、アルキレンオキシドの含有量が99.95重量%を超えるほぼ純粋なアルキレンオキシド(更にここでは純アルキレンオキシドと言う)は、一般にアルキレンオキシド誘導体の製造に満足であるとみなされる。しかし、前記方法の工程(b)及び任意工程(c)に有用な蒸留ユニットでは、分離能力が不十分であるか、或いはアルキレンオキシドの損失が大きいため、アルキレンオキシドから汚染物を所望水準まで除去できない。
【0006】
したがって、純アルキレンオキシドは、一般に工程(b)で得られた粗アルキレンオキシドに更に精製処理(c)を行って、粗アルキレンオキシドから製造している。
【0007】
工程(a)に起因する不純物の除去は特に困難なので、通常、この更なる精製処理(d)は多段工程である。この更なる精製処理は、EP−A−0,755,716、US−A−3,578,568及びWO 02/070497に概説されているように、複雑な設備を必要とし、大量のエネルギーを消費する上、望ましくないアルキレンオキシドの取扱を含んでいる。この精製処理では、精製アルキレンオキシド中に高分子量のポリ(アルキレンオキシド)も生成する可能性がある。これはUS−A−4,692,535及びWO−A−02/070497に記載されるように、得られるアルキレンオキシドで製造したポリエーテルポリオールによる利用上の問題が生じることが知られている。したがって、アルキレンオキシドの製造に由来する不純物ばかりでなく、それ自体の精製処理中に生じる不純物も除去するため、ポリエーテルポリオールの製造に好適な純アルキレンオキシドを処理しなければならない。
【特許文献1】DE−A−101,43,195
【特許文献2】EP−A−0,755,716
【特許文献3】US−A−3,578,568
【特許文献4】WO−A−02/070497
【特許文献5】US−A−4,692,535
【特許文献6】US−A−3,404,109
【特許文献7】US−A−6,504,038
【特許文献8】US−A−3,607,669
【特許文献9】US−A−3,881,996
【特許文献10】US−A−6,024,840
【特許文献11】US−A−5,352,807
【特許文献12】JP−A−4−145,123
【特許文献13】WO−A−01/72418
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上述べた理由から、ポリエーテルポリオールの製造には、純アルキレンオキシドに代って粗アルキレンオキシドが使用できれば当業者にとって非常に望ましい。このようなアルキレンオキシドは、製造が簡素化し、したがって有用性が向上するという利点を有する。また粗アルキレンオキシドを使用すると、精製処理で生じるポリ(アルキレンオキシド)による問題を回避する助けにもなる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
二金属シアニド錯体及び開始剤化合物を含む触媒の存在下では粗アルキレンオキシドからポリエーテルポリオールが製造できることが今回、意外にも見い出された。
【0010】
発明の概要
本発明は、活性水素原子を2〜6個有する開始剤化合物を二金属シアニド錯体含有触媒の存在下に粗アルキレンオキシドと接触させて、ポリオキシアルキレンポリエーテルポリオールを得ることを特徴とするポリアルコキシレンポリエーテルポリオールの製造方法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
発明の詳細な説明
本方法は適切な条件下、好ましくは軟質ポリウレタン発泡体用の条件下、ポリイソシアネートとの反応によるポリエーテルポリオールの製造に提供して、ポリウレタンの塗料、エラストマー、接着剤、シーラント、軟質、半硬質及び硬質発泡体を含むプリウレタン製品を製造するのに使用できる。
【0012】
本発明は、確立された見解に対し、二金属シアニド錯体含有触媒の存在下にこの方法を行えば、粗アルキレンオキシドはポリエーテルポリオールの製造に使用してよいという意外な知見による。いかなる理論にも束縛されるものではないが、二金属シアニド錯体含有触媒は、二官能性モノマーとしてアルキレンオキシドに存在するアルデヒドを、非末端位置のポリエーテル鎖中に恐らくアセタール構造として選択的に取り込むものと考えられる。ここで後者は更に、アルデヒド由来の単位と言う。その根拠として、アルデヒドは転化するが、ポリエーテルポリオールの測定官能価は低下しないことが挙げられる。アルデヒドは、従来のアルカリ性触媒条件下では、エノール型の連鎖開始剤として、或いはアルドール付加体として取り込まれることが考えられる。その結果、官能価が低下すると共に、ポリエーテルポリオール中の不飽和構造が存在することになる。
【0013】
こうして、一般に1100を超えるポリオールを必要とするポリエーテルポリオールの製造、特にポリウレタン発泡体の製造に好適な粗アルキレンポリオールを使用するのは、官能価が低すぎる上、不飽和度が高く、したがって好適なポリウレタン発泡体は得られないため、不適当である。
【0014】
US−A−3,404,109には、二金属シアニド錯体を含有する特定の触媒の存在下、純アルキレンオキシドとアルデヒドと水との混合物から製造したポリエーテルポリオールが記載されているが、得られるポリエーテルポリオールは、呼び官能価が低いため、やはりポリウレタン製品に使用するには不適当である。更に、この特許に記載の方法では、非常に長時間反応させてもアルキレンオキシドへの転化反応が不十分に進行するだけである。
【0015】
いかなる特定の理論にも束縛されたくないが、US−A−3,404,109は、特に水の存在下で満足に重合反応を触媒するには、活性が不十分である。
【0016】
本方法で使用される粗アルキレンオキシドは、工程(a)〜(c)に従って製造される。工程(a)ではアルケン原料は、芳香族又は脂肪族ヒドロパーオキシドを含む好適な酸化体と反応させる。好適な酸化体は、アルケンをエポキシ化して、相当するアルケンオキシドとすることができる。酸化体としては、酸素、及び空気、亜酸化窒素のような酸素含有ガス又は混合物がある。他の好適な酸化体は、芳香族又は脂肪族ヒドロパーオキシドのようなヒドロパーオキシド化合物である。ヒドロパーオキシド化合物としては、好ましくは過酸化水素、tert−ブチルヒドロパーオキシド、エチルベンゼンヒドロパーオキシド及びイソプロピルベンゼンヒドロパーオキシドが挙げられるが、最も好ましくはエチルベンゼンヒドロパーオキシドである。この方法は、なお更に好ましくは例えばUS−A−6,504,038に記載されるような統合スチレンモノマー/プロピレンオキシド法である。
【0017】
粗アルキレンオキシドは、得られた反応混合物から分離できる。この分離法は、当業者に公知のいかなる方法でも実施できるが、一般には(b1)工程(a)で得られた反応混合物から未反応アルケンを除去する工程、及び(b2)工程(b1)で得られた混合物から1回以上の蒸留処理により粗アルキレンオキシドを分離する工程を含む。工程(b1)のアルキレンオキシド含有反応混合物の第一蒸留では、未反応アルケン及び若干の低沸点不純物を含む塔頂フラクションが得られる。この蒸留処理は、1〜20×10N/m(バール)の圧力及び10〜250℃の範囲の温度で行うことができる。この蒸留により、粗アルキレンオキシドから未反応アルケンを他の低沸点不純物と共に除去できる。工程(a)、(b1)及び(b2)を含む方法は、高スループットを維持しながら、工程(b2)の蒸留ユニットを小型化できるので、本方法で使用される粗アルキレンオキシドは、この方法で製造することが好ましい。
【0018】
工程(b2)では一般に、工程(b1)で得られた反応混合物から塔頂生成物として粗アルキレンオキシドが低沸点汚染物と一緒に除去される。この蒸留処理は、0.1〜20×10N/mの圧力及び0〜250℃の範囲の温度で行うことができる。この蒸留処理は、0.1〜1×10N/mの圧力及び10〜200℃の範囲の温度で行うことが好ましい。
工程(b)で得られた粗アルキレンオキシドは、一般になお相当量の水を含有する。
【0019】
塩基の触媒作用で製造されるポリエーテルポリオールは、通常、二金属シアニド錯体含有触媒を用いて同じ反応剤から製造したポリエーテルポリオールよりも官能価が低い。ポリオールを二金属シアニド錯体含有触媒を用いて製造する場合は、呼び官能価を低下させて塩基触媒のポリオールと同様な官能価を得るため、3個以上の活性水素原子を有する主開始剤化合物以外に更に2官能性開始剤化合物を添加してよい。
【0020】
工程(b)で得られた湿潤粗アルキレンオキシドを使用する場合、粗アルキレンオキシドに存在する水は、2官能性開始剤化合物として有利に作用する。これにより、純アルキレンオキシドと共に更に2官能性開始剤化合物を添加する必要のあるポリエーテルポリオール配合物を簡素化できる。同様に、この合成に必要な異なる原料の量及び数も減少する。
【0021】
したがって、工程(b)で得られる湿潤粗アルキレンオキシドは、水を好ましくは50〜5000ppmw(百万部当り重量部)、更に好ましくは100〜4800ppmw含有する。工程(b)で得られる湿潤粗アルキレンオキシドは、水を好ましくは4500ppmw以下、更に好ましくは4000ppmw以下、なお更に好ましくは3500ppmw以下、最も好ましくは3000ppmw以下含有する。
【0022】
任意工程(c)ではアルキレンオキシドになお存在する水の一部は、例えばUS−A−3,607,669に記載されるように、粗アルキレンオキシドから塔頂生成物として除去してよい。工程(c)の少なくとも1回の蒸留処理では、1種以上の粗アルキレンオキシドに共留剤成分を添加してよい。共留剤成分は、蒸留ユニットの塔底生成物中のアルキレンオキシド以外の成分、特に水の量を減少させる傾向がある。好ましい共留剤成分は、炭素原子数4〜5の脂肪族炭化水素である。
【0023】
この蒸留処理は、1〜20×10N/mの圧力及び0〜200℃の範囲の温度で行うことができる。この蒸留処理は、好ましくは5〜10×10N/mの圧力及び10〜150℃の範囲の温度で行われる。工程(c)で得られる乾燥粗アルキレンオキシドは、水を好ましくは0〜150ppmw、更に好ましくは10〜150ppmw含有する。工程(c)で得られる乾燥粗アルキレンオキシドは、水をなお更に好ましくは120ppmw未満、また更に好ましくは100ppmw未満、なお更に好ましくは80ppmw未満、最も好ましくは50ppmw未満含有する。
【0024】
未反応アルケン及び水の一部の分離は、工程(b1)、(b2)及び(c)で説明したように、容易に行えるが、アルキレンオキシドからの炭化水素、アルデヒド及び酸の分離は、分留によっても特に困難である。
【0025】
一般に工程(b2)及び任意に(b1)及び(c)で使用される蒸留ユニットは、近接する沸点を有する汚染物からアルキレンオキシドを分離するのに十分高い分離力を持たない。これは、非常に多数の底部を持った蒸留塔を必要とし、したがってスループットを強く制限するからである。
【0026】
好ましくは粗アルキレンオキシドは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド及びブチレンオキシドよりなる群から選ばれた1種以上のアルキレンオキシドを、全組成に対し95.00〜99.95重量%含有し、アルキレンオキシド以外の化合物を5.0〜0.05重量%含有する。粗アルキレンオキシドは、アルキレンオキシドを好ましくは96.00重量%以上、更に好ましくは96.00重量%より多く、なお更に好ましくは97.00重量%以上、更に好ましくは97.00重量%より多く、なお更に好ましくは99.00重量%以上、また更に好ましくは99.00重量%より多く、最も好ましくは99.50重量%以上含有する。粗アルキレンオキシドは、アルキレンオキシドを好ましくは99.93重量%以下、更に好ましくは99.90重量%未満、また更に好ましくは99.85重量%以下、なお更に好ましくは99.83重量%未満、また更に好ましくは99.80重量%以下、更に好ましくは99.80重量%未満、なお更に好ましくは99.79重量%以下、最も好ましくは99.78重量%以下含有し、残部は工程(a)のエポキシ化反応に由来する化合物、又は工程(a)及び/又は工程(b)でのこれら化合物の反応生成物である。
【0027】
粗アルキレンオキシドは、アルケン及びアルカンのような炭化水素やアルデヒド、ケトン、アルコール、エーテル、酸及びエステルのような酸素含有副生物、例えば水、アセトン、酢酸アルデヒド、プロピオン酸アルデヒド、蟻酸メチル、その他、相当する炭素酸を含有する。
【0028】
粗アルキレンオキシドは、重量平均分子量が2000を超えるポリ(アルキレンオキシド)も少量、好ましくは50ppmw未満含有してよい。特に規定しない限り、分子量は重量平均分子量であり、官能価は呼び官能価(Fn)である。粗アルキレンオキシドは、重量平均分子量が2000を超えるポリ(アルキレンオキシド)を更に好ましくは30ppmw以下、特に更に好ましくは20ppmw以下、なお更に好ましくは15ppmw以下、また更に好ましくは12ppmw以下、なお更に好ましくは5ppmw以下、最も好ましくは3ppmw以下含有する。
【0029】
本方法に好適な粗アルキレンオキシドは、ポリエーテルポリオールの製造に有用であることが知られている1種以上のアルキレンオキシドを含有する。このようなアルキレンオキシドは、有利には炭素原子数2〜8、好ましくは炭素原子数2〜6、最も好ましくは炭素原子数2〜4の脂肪族化合物を含有する。
【0030】
好ましい粗アルキレンオキシドは、粗エチレンオキシド、粗プロピレンオキシド及び粗ブチレンオキシドよりなる群から選ばれる。更に好ましい粗アルキレンオキシドは、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドを含有し、中でも粗プロピレンオキシドが最も好ましい。
【0031】
本発明では粗アルキレンオキシドは、アルキレンオキシド単独で使用してもよいし、或いは少なくとも1種の純アルキレンオキシドと組合せて使用してもよい。これは、例えばポリオールの製造部で粗アルキレンオキシドだけ製造するが、この製造部では製造しない他のアルキレンオキシドは、ポリオール配合物に必要とする場合、有利であるかも知れない。したがって、これら追加のアルキレンオキシドの供給源は、市販の純アルキレンオキシドであってよい。
【0032】
純アルキレンオキシドは、この方法の前又は間にポリオール配合物に導入してよい。導入法は、例えばまず粗アルキレンオキシドを供給し、この方法の後段で粗アルキレンオキシドと純アルキレンオキシドとの混合物を供給するか、或いはこの方法中、現場で粗アルキレンオキシドと純アルキレンオキシドとを混合するか、或いは他の反応成分に添加する前に、これらのアルキレンオキシドを混合して行われる。
【0033】
例えばプロピレンオキシド部分及びエチレンオキシド部分を有するポリエーテルポリオールのように2種以上のアルキレンオキシドを必要とする配合物では、少なくとも1種の粗アルキレンオキシド50〜99重量%と、少なくとも1種の純アルキレンオキシド50〜1重量%との組合わせを使用するのが有利である。
【0034】
この組合わせは、粗アルキレンオキシドを好ましくは75重量%以上、更に好ましくは80重量%以上、最も好ましくは85重量%以上含有する。
【0035】
本方法は、粗アルキレンオキシドと純アルキレンオキシドとの混合物が、エチレンオキシド、プロピレンオキシド及びブチレンオキシドよりなる群から選ばれた1種以上のアルキレンオキシドを、全組成に対し95.00〜99.95重量%、及び粗アルキレンオキシドの製造に由来するアルキレンオキシド以外の化合物を5.0〜0.05重量%含有するような方法で行うことが好ましい。
【0036】
純アルキレンオキシドは、一般に工程(b)及び任意に工程(c)で得られた粗アルキレンオキシドに対し更なる精製処理(d)を行うことにより、粗アルキレンオキシドから製造される。このような追加の精製処理としては、例えばUS−A−3,881,996及びUS−A−6,024,840に記載されるように、粗アルキレンオキシドの一回以上の分別蒸留及び/又は抽出蒸留が挙げられる。この蒸留により、アルキレンオキシドは塔頂生成物として、高沸点の汚染物から分離される。他の好適な精製処理としては、US−A−5,352,807に記載されるように、好適な吸着剤による、ろ過及び吸着処理がある。好ましい処理(d)は、エチルベンゼン又はオクタンのような重質炭化水素の添加下での抽出蒸留で、この蒸留によりアルキレンオキシドは塔頂生成物として分離される。工程(d)で得られた純アルキレンオキシドは、アルキレンオキシドを全組成に対し99.95重量%より多く含有すると考えられる。好ましくは純アルキレンオキシドは、エステル、アルデヒド及びケトンを100ppmw未満、好ましくは50ppmw未満、最も好ましくは30ppmw未満の濃度で含有する。
【0037】
本方法の開始剤化合物は、活性水素原子を2〜6個有する化合物である。活性水素原子は、通常、ヒドロキシル基の形態で存在するが、例えばアミン基の形態で存在してもよい。好適な開始剤化合物としては、水;粗アルキレンオキシドとの反応に使用できる1分子当り2個以上の活性水素原子を有するアルコールが挙げられる。好適な脂肪族開始剤化合物としては、1分子当り2〜6個のヒドロキシル基を含有する多価アルコールがある。好適な芳香族化合物としては、粗アルキレンオキシドとの反応に使用できる1分子当り2個以上の活性水素原子を有する芳香族アルコールがある。このような開始剤化合物の例は、水、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセロール、ジ−及びポリグリセロール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミン、ソルビトール、マンニトール、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン(ビスフェノールB)及び2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン(ビスフェノールF)である。脂肪族アルコールは、好ましくは2以上、更に好ましくは3以上の活性水素基をヒドロキシル基の形態で有する。脂肪族アルコールは、1分子当り好ましくは5以下、更に好ましくは4以下、最も好ましくは3以下のヒドロキシル基を含有する。
【0038】
初期相、例えば触媒の活性化中、本方法を開始させるため、高分子量の開始剤を使用することが好ましいかも知れない。これは、長い誘導時間なしで、最適の触媒活性を達成するのに有益であることが見い出されたからである。高分子量開始剤は、オリゴマー状又はテロマー状高分子量開始剤を形成するため、従来の塩基触媒の存在下又は二金属シアニド錯体触媒の存在下でアルキレンオキシドと反応させた低分子量開始剤であってもよい。高分子量開始剤の分子量は、好ましくは200〜1200、更に好ましくは250〜1000である。
【0039】
本発明方法は、バッチ式、半連続式又は連続式で操作できる。本方法は、ポリオキシアルキレンポリエーテル生成物の連続製造に特に有利であることが見い出された。本方法の連続操作方式では、開始剤化合物、粗アルキレンオキシド及び追加の触媒を反応器に連続的に供給し、得られるポリエーテルポリオール生成物は反応容器から連続的に取り出す。このような連続操作法では、触媒組成物が活性化している初期開始相の後、好ましくはグリセロールのような低分子量開始剤化合物が使用できる。
【0040】
粗アルキレンオキシドに存在する水以外の不純物は、一般に本方法の開始剤化合物とはみなされない。
粗アルキレンオキシドは主汚染物として水の他、アルデヒドを含有することが好ましい。したがって、本発明方法はアルキレンオキシドとアルデヒドとの共重合にも関する。
【0041】
本方法は、近年、開発された二金属シアニド錯体を含有する高活性触媒を利用する。
二金属シアニド錯体を含有する触媒組成物は、通常、アルキレンオキシドとの接触による活性化を必要とし、活性化すると、組成物は本方法用の触媒として活性となる。この活性化は、本方法の初期出発相の前又は中で行うことができる。
【0042】
原則として、いったん活性化されると、触媒はアルキレンオキシドと開始剤化合物との重合を触媒するのに十分活性となるという条件で、ポリエーテルポリオールの製造に有用ないかなる二金属シアニド錯体含有触媒も本発明方法に使用できる。
本発明で使用される二金属シアニド錯体含有触媒組成物を製造できる方法は、例えばJP−A−4−145,123に記載されている。
【0043】
一般に本方法に有用な二金属シアニド錯体含有触媒組成物は、有機配位子に配位した二金属性シアニド錯体を含有する。このような二金属性シアニド錯体は、通常、金属塩、好ましくはZn(II)又はFe(II)の塩の水溶液又は水−有機溶剤混合溶剤溶液と、ポリシアノ金属錯体、好ましくはFe(III)又はCo(III)を含有する該錯体の水溶液又は水−有機溶剤混合溶剤溶液とを一緒に混合し、こうして得られた二金属性シアニド錯体に有機配位子、例えばtert−ブタノールを接触させ、次いで余剰の溶剤配位子を除去することにより製造される。二金属シアニド錯体含有触媒組成物は、次に粉末まで乾燥できる。この粉末は、安定に貯蔵できるが、使用前に再分散を必要とする。
【0044】
証明済みの高活性及び簡単な取扱性の点から、本触媒組成物はWO−A−01/72418に従って、低分子量ポリエーテルポリオールテロマーと触媒との組合わせに分散した分散液として製造することが好ましい。
触媒組成物を活性触媒にする前記活性化は、本方法の初期開始相の前又は中で行うことができる。
【0045】
触媒組成物の活性化に粗アルキレンオキシドを使用してもよいが、粗アルキレンオキシドが水を100ppmwよりも多く含有すると、活性化は非常にのろく進行するだけで、長い誘導時間を要することが見い出された。したがって、触媒が工業的規模の方法に十分な活性を得る前の非常に長い誘導時間を避けるには、二金属シアニド錯体含有触媒組成物は、本方法の初期開始相の前又は中に、例えば工程(c)で得られた粗アルキレンオキシドのような水含有量が100ppmw未満の粗アルキレンオキシドで活性化することが好ましい。
【0046】
したがって、本方法は、好ましくは二金属シアニド錯体含有触媒組成物を水含有量が100ppmw未満のアルキレンオキシドと接触させて活性化触媒を得る工程を含むことが好ましい。
二金属シアニド錯体含有触媒組成物の使用量は、開始剤の官能価、ポリエーテルポリオールの所望官能価及び所望分子量に大きく依存する。
【0047】
この触媒量は、得られる生成物の重量に対し計算して、一般に2〜250ppmwの範囲、好ましくは5〜150ppmwの範囲、更に好ましくは7〜95ppmwの範囲、最も好ましくは8〜40ppmwの範囲である。本方法で使用するのに好適な二金属シアニド錯体含有触媒は、一般にこのように極めて低濃度で使用するのに十分、活性である。このような低濃度では触媒は、生成物の品質に悪影響を及ぼすことなく、ポリエーテル生成物中に残存する可能性が多い。ポリオール中に触媒を残存させる能力は、現在市販のポリオールが触媒の除去工程を必要としていることから、重要な利点である。
【0048】
更にポリエーテルポリオール中に残存する触媒は、通常、再循環させるのにも十分、活性である。これは特に有利で、触媒の活性化工程は一回行なうだけでよく、一方、後の開始相には、本方法で得られたポリオール中の活性化触媒が有利に使用できるからである。これにより、活性化工程を省略できる利点がある。例えば本方法を連続式で行えば、本方法で得られるポリエーテルポリオール生成物は、反応の開始に使用でき、一方、非活性化触媒組成物は方法中、連続的に添加される。
【0049】
したがって、本方法は、二金属シアニド錯体含有触媒組成物を含むポリオキシアルキレンポリエーテルポリオールの一部を再循環する追加の工程を含むことが好ましい。
高分子量開始剤化合物が存在すると、前記活性化工程に有益であることも見い出された。これにより、長い誘導時間なしで最適の触媒活性が得られる。
【0050】
活性化触媒を得るための触媒組成物の活性化は、反応したアルキレンオキシドによる反応器圧力の急激な降下で都合よく検出される可能性がある。いったん活性化触媒が形成されると、粗アルキレンオキシド中に前記規定量内で存在する水は触媒活性にマイナスの影響を与えないことが見い出された。
初期相での活性化は、重合反応器中又は別の反応器中で都合よく行われる可能性がある。
【0051】
本方法は、いかなる好適な温度、例えば60〜180℃の範囲の温度、好ましくは80℃以上の温度、更に好ましくは95℃以上の温度、最も好ましくは100℃以上の温度でも行ってよい。この温度は、好ましくは150℃以下、更に好ましくは140℃以下、最も好ましくは135℃以下である。したがって、本方法は、通常、ヒドロキシル基含有開始剤とDMC触媒との混合物を大気圧で反応させて行われる。これより高い圧力も適用可能であるが、この圧力は、通常、20×10N/m(バール)を超えず、好ましくは1〜5×10N/mである。
【0052】
前記方法条件と反応剤との組合わせにより、今回、新規なポリエーテルポリオールの製造が可能となった。得られるポリエーテルポリオールは、アルデヒド及び/又は水がポリエーテルポリマー鎖に取り込まれるにも拘わらず、純アルキレンオキシドから製造したポリエーテルポリオールと同様な特性及び性能を有する。
【0053】
本発明方法で得られるポリエーテルポリオールの平均分子量は、1200〜8500の範囲である。好ましくは、この平均分子量は、好ましくは2000以上、なお更に好ましくは2400以上、最も好ましくは2500以上である。また、この分子量は、好ましくは7500以下、特に好ましくは7000以下、最も好ましくは6500以下である。
【0054】
本発明ポリエーテルポリオールの平均呼び官能価は、好適には1.5〜8、更に好適には2.0〜6.0である。したがって、この呼び官能価は1.5以上、好ましくは2.0以上、なお更に好ましくは2.5以上である。また、この呼び平均官能価は8以下、好ましくは5.5以下、更に好ましくは4.5以下、また更に好ましくは4.0以下、最も好ましくは3.5以下である。
【0055】
本発明で製造したポリオールは、ヒドロキシル含有量が10〜100mg KOH/gポリオールが都合よい。このヒドロキシル含有量は、好ましくは15〜85mg KOH/gポリオール、更に好ましくは20〜75mg KOH/gポリオール、また更に好ましくは25〜65mg KOH/gポリオール、最も好ましくは25〜60mg KOH/gポリオールである。
【0056】
本発明で製造したポリオールは、使用したアルキレンオキシドの性質に依存して、第一ヒドロキシル及び/又は第二ヒドロキシルを含有してよい。第一ヒドロキシルの水準は、通常、エチレンオキシドの使用量に相当する。ポリオールは、エチレンオキシド由来の単位を好ましくは0〜20重量%、更に好ましくは5〜20重量%含有し、その結果、ポリイソシアネート架橋剤とのポリウレタン形成反応が高反応性となる。
【0057】
本発明は、本方法により得られる新規なポリエーテルポリオールにも関する。したがって、このポリエーテルポリオールは、アルデヒド由来の単位を0.0001〜5重量%、更に好ましくは0.001〜3.5重量%、最も好ましくは0.01〜1重量%含有する。
【0058】
本発明は、ポリウレタン発泡体の製造法で得られる新規なポリエーテルポリオールの使用法、ポリウレタン発泡体及び得られるポリウレタン発泡体の造形品にも関する。
【0059】
ポリウレタン発泡体は、ポリオール成分の少なくとも1種は本発明のポリエーテルポリオールである該ポリオール成分とポリイソシアネートとを、通常、発泡剤、触媒及びその他の添加剤の存在下で混合して得られる。混合は、モールド中又は例えばスラブ材法で行ってもよく、ポリウレタン発泡体の造形品が得られる。スラブ材法の場合、ポリウレタン発泡体のブロックを連続的に製造し、その後、更に造形工程で造形する。ポリウレタン発泡体製の造形品は、自動車及び航空機産業や、椅子、ソファー等の覆った家具、マットレス及び工業物品等、多くの用途に広く使用されている。他の用途としては、カーペットの裏打ち、モーターバイクの発泡シートサドル、自動車ライトのガスケット、及びエンジン用エアーフィルターの周辺シールとしてのポリウレタン発泡体の用途が挙げられる。
【実施例】
【0060】
本発明方法を更に以下の実施例で説明する。実施例中、使用した測定法は、次のとおりである。粘度はASTM法D445、ヒドロキシル価はASTM法D4274、水含有量はASTM法D4672、酸価はASTM D1980に従って測定し、また揮発性有機化合物はガスクロマトグラフを用いて測定した。アルキレンオキシドの純度は、ガスクロマトグラフィー及び前記水含有量測定法で測定し、アルキレンオキシド含有量の測定では、約20ppmwの偏差を許容した。
【0061】
使用した二金属シアニド錯体含有触媒(DMC触媒という)は、数平均分子量400ダルトンのプロピレンオキシド付加体にDMC触媒粒子を3重量%分散した、非常に粘稠で安定な白色分散液で、WO−A−01/72418に従って製造した。
【0062】
実施例1
以下の実施例には、工程(c)で得られた乾燥粗プロピレンオキシドを使用した。この乾燥粗プロピレンオキシドは、プロピレンオキシドを99.80重量%、プロピオンアルデヒドを1400ppmw及び水を50ppmw含有する。残部は、酸及びアルケンのような不純物よりなる。
【0063】
撹拌器及び加熱/冷却システムを備えた1L反応器に、670ダルトンの数平均分子量を有するグリセロールのプロピレンオキシド付加体71g及び400ダルトンの数平均分子量を有するグリセロールの乾燥粗プロピレンオキシド付加体16gを装入した。次いでDMC触媒0.8gを添加した。次いで反応器をシールし、130℃に加熱し、更に真空を適用して、反応器から水及び空気の痕跡量を除去した。
【0064】
5×10N/m(バール)の圧力で出発して、粗プロピレンオキシド315gを100分間に亘って連続的に添加した。次にグリセロール100g、1,2−プロパンジオール3g及び乾燥粗プロピレンオキシド385gを120分間に亘って連続的に添加した。反応混合物を130℃で60分間維持し、反応器内容物に対し圧力低下させた後、窒素を15分間パージした。
【0065】
得られたポリエーテルポリオールのヒドロキシル価は53mg KOH/gで、酸価は0.015mg KOH/gであった。後者の酸価は、ポリオール中の残存酸性物質の目安となる。
【0066】
比較例1
粗プロピレンオキシドの代りに、純度が99.98重量%を超え、更にプロピオンアルデヒド15ppmw及び水50ppmwを含有する純プロピレンオキシドを用いて、同じ方法を行った。得られたポリエーテルポリオールのヒドロキシル価は55mg KOH/gで、酸価は0.010mg KOH/gであった。
実施例1及び比較例1で得られた両ポリエーテルのヒドロキシル価及び酸価は所望の範囲内である。
【0067】
実施例2
工程(b)で得られた湿潤粗プロピレンオキシドを用いた。この湿潤粗プロピレンオキシドはプロピレンオキシドを99.60重量%含有し、残部は沸点100℃未満の不純物からなる。不純物は、プロピオンアルデヒド1500ppmw、水1800ppmw、アセトアルデヒド800ppmw、及び残りはアセトン、低級アルコール及び酸である。
【0068】
撹拌器及び加熱/冷却システムを備えた1L反応器に、670ダルトンの数平均分子量を有するグリセロールのプロピレンオキシド付加体125g及び400ダルトンの数平均分子量を有するグリセロールの乾燥粗プロピレンオキシド付加体1gを装入し、更にDMC触媒0.4gを添加した。次いで反応器をシールし、130℃に加熱し、更に真空を適用して、反応器から水及び空気の痕跡量を除去した。
【0069】
5×10N/m(バール)の圧力で出発して、触媒を予備活性化するため、100ppmw未満の水を含む純プロピレンオキシド10gを添加した。触媒を5分間予備活性化した後、湿潤粗プロピレンオキシド85重量%及び純プロピレンオキシド15重量%よりなるアルキレンオキシド665gを170分間に亘って連続的に添加した。反応混合物を130℃で60分間維持し、反応器内容物に対し圧力低下させた後、窒素を60分間パージした。
【0070】
得られたポリエーテルポリオールのヒドロキシル価は47mg KOH/g、粘度は280mm/s(cSt)、水含有量は0.02重量%、酸価は0.009mg KOH/g、揮発性有機化合物の合計含有量は19ppmwであった。
このポリエーテルポリオールは、取り込んだアルデヒドを酸性化で遊離させ、遊離した揮発分をガスクロマトグラフで分析して測定すると、プロピオンアルデヒドを310ppmw含有していた。
【0071】
比較例2
粗プロピレンオキシドの代りに、純度が99.98重量%を超え、プロピオンアルデヒド15ppmw、酢酸アルデヒド15ppmw及び水50ppmwを含有する純プロピレンオキシドを用い、更に実施例1の配合物に存在する水に合わせるため(account for)、PPG400を27g添加して、実施例2を繰り返した。
得られたポリエーテルポリオールのヒドロキシル価は47mg KOH/g、粘度は290mm/s(cSt)、水含有量は0.03重量%、酸価は0.009mg KOH/g、揮発性有機化合物の合計含有量は16ppmwであった。
実施例2及び比較例2で得られた両ポリエーテルとも、十分とみなされる範囲内の極めて類似した特性を持っていた。
【0072】
実施例3
実施例2で得られたポリオール100重量部、更に水3.8重量部、ジメチルエタノールアミン(DMEA)0.3重量部、Tegostab B4900(シリコーン界面活性剤で、TegostabはGoldschmidt Polyurethane Additivesの商標):1.1pbw、及びオクタン酸第一錫0.18pbwからポリウレタン発泡体配合物を製造した。この配合物をCaradate 80(2,4及び2,6の異性体を80:20比で含むトルエンジイソシアネートブレンドで、Caradateは商標)とイソシアネート指数107で反応させた。得られた発泡体の密度は25.8kg/m、引張強さは115kPa、伸び率は207%であった。
【0073】
比較例3
比較例2で得られたポリオールを100pbw用いた他は、実施例3を繰り返した。得られた発泡体の密度は25.9kg/m、引張強さは115kPa、伸び率は200%であった。
実施例3及び比較例3で得られた両発泡体とも、この配合物についての特性の十分、予想範囲内であった。両方とも、好適な気泡構造及び外観を有し、また乾燥及び湿潤圧縮永久歪テストに合格した。
【0074】
以上の結果から、粗アルキレンオキシドはポリエーテルポリオールの製造に首尾よく使用できることが判る。得られたポリエーテルポリオールもポリウレタン発泡体の製造に十分、機能した。これらの発泡体は、揮発性有機化合物の含有量が少なく、しかも精製プロピレンオキシドから製造した基準ポリウレタン発泡体と何らの測定可能な差異を示さなかった。
【0075】
更に、粗プロピレンオキシドから製造したポリエーテルポリオールは、プロピオンアルデヒド由来の単位を含んでいた。これは、取り入れたプロピオンアルデヒドが強酸条件下でポリオールから遊離したことから説明できる。ポリエーテルポリオールには、プロピオンアルデヒドがポリエーテル鎖の末端位置に取り込まれた場合に予想される官能価の偏り及び不飽和の増加は認められなかった。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性水素原子を2〜6個有する開始剤化合物を二金属シアニド錯体含有触媒の存在下に粗アルキレンオキシドと接触させて、ポリオキシアルキレンポリエーテルポリオールを得ることを特徴とするポリアルコキシレンポリエーテルポリオールの製造方法。
【請求項2】
粗アルキレンオキシドが、
(a)アルケンと好適な酸化体とを反応させて、アルキレンオキシド含有反応混合物を得る工程、
(b)(a)で得られた反応混合物から粗アルキレンオキシドを分離する工程、及び任意に
(c)粗アルキレンオキシドから1回以上の蒸留処理により水を除去する工程、
により得られる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
粗アルキレンオキシドが、エチレンオキシド、プロピレンオキシド及びブチレンオキシドよりなる群から選ばれた1種以上のアルキレンオキシドを、全組成に対し95.00〜99.95重量%含有する請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
工程(b)で得られた粗アルキレンオキシドが水を、全組成に対し50〜5000ppmw含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
二金属シアニド錯体含有触媒を含むポリアルコキシレンポリエーテルポリオールの一部が再循環される請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
アルデヒド由来の単位を0.02〜5.0重量%含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法で得られるポリエーテルポリオール。
【請求項7】
平均分子量が1200〜8500の範囲である請求項6に記載のポリエーテルポリオール。
【請求項8】
呼び官能価が1.5〜6の範囲である請求項6又は7に記載のポリエーテルポリオール。
【請求項9】
軟質ポリウレタン発泡体の製造に請求項6〜8のいずれか1項に記載のポリエーテルポリオールを使用する方法。


【公表番号】特表2007−508406(P2007−508406A)
【公表日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−530284(P2006−530284)
【出願日】平成16年10月8日(2004.10.8)
【国際出願番号】PCT/EP2004/052480
【国際公開番号】WO2005/040248
【国際公開日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(390023685)シエル・インターナシヨネイル・リサーチ・マーチヤツピイ・ベー・ウイ (411)
【氏名又は名称原語表記】SHELL INTERNATIONALE RESEARCH MAATSCHAPPIJ BESLOTEN VENNOOTSHAP
【Fターム(参考)】