説明

ポリエーテル側鎖およびジカルボン酸誘導体要素を有するコポリマー

本発明は、水硬結合剤のための液化剤として使用することができる、(メタ)アリルアルコールポリエーテル誘導体構造単位30〜47モル%およびマレイン酸誘導体構造単位53〜70モル%を有するコポリマーに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コポリマー、該コポリマーの製造方法、ならびに建築材料混合物に関する。
【0002】
粉末状の無機もしくは有機物質、例えば粘土、ケイ酸塩粉末、白亜、カーボンブラック、石粉、および水硬結合剤の水性懸濁液に、その加工性、つまり混練性、刷毛塗り特性、噴霧性、ポンプ輸送性または流動性を改善するために、しばしば分散剤の形の添加を添加することは公知である。このような添加剤は、固体凝集物の形成を防止し、すでに存在する、かつ水和によって新たに形成される粒子を分散させて、加工性を改善することができる。この効果は特に、水硬結合剤、たとえばセメント、石灰、石膏、半水和物または硬石膏を含有する建築材料混合物を製造する際に適切に利用される。
【0003】
前記の結合剤をベースとする建築材料混合物を、即時使用可能で加工可能な形状にするためには、通常、その後の水和プロセスもしくは硬化プロセスのために必要とされるよりも実質的に多くの練り水が必要である。コンクリート成形体中で、過剰の、後に蒸発すべき水によって形成される中空部の割合は、機械的強度および安定性の著しい劣化につながる。
【0004】
このような過剰の水割合を、規定の加工コンシステンシーで低減し、かつ/または加工性を規定の水/結合剤比において改善するために、一般に減水剤もしくは液化剤とよばれる添加剤が使用される。このような添加剤として、実地では特に、酸モノマーおよび/または酸誘導体モノマーと、ポリエーテルマクロモノマーとのラジカル共重合により製造されるコポリマーが使用される。
【0005】
WO2005/075529には、酸モノマー構造単位以外に、ポリエーテルマクロモノマー構造単位として、ビニルオキシブチレンポリ(エチレングリコール)構造単位を有するコポリマーが記載されている。このようなコポリマータイプは、有利な適用特性を有しているため、高性能液化剤として汎用されている。この関連において、種々のセメント、異なった混合手順、ならびに種々の適用温度の使用に対する強度もしくは普遍性が特に顕著である。この高性能液化剤を含有しているコンクリートは、通常、特に良好な加工性によって優れている。
【0006】
これらのコポリマーのモノマー前駆生成物として使用されるビニルオキシブチレンポリ(エチレングリコール)は、4−ヒドロキシブチルビニルエーテルのエトキシ化により得られる。4−ヒドロキシブチルビニルエーテルは、アセチレンの大規模工業的な後続生成物である。アセチレンを基礎とする化学(Reppe化学)は、エチレンを基礎とする化学によりほとんど取って代わられているという事実に基づいて、4−ヒドロキシブチルビニルエーテルの大規模工業的な生産は、なおReppe化学を運用している工業立地と結びついている。さらに4−ヒドロキシブチルビニルエーテルは、特に安全技術的な観点から高価なReppe化学から特に安価に製造することができるか、もしくは製造されるものではないことを常に出発点としなくてはならない。前記の事実は、相応してビニルオキシブチレンポリ(エチレングリコール)ならびに相応するコポリマーの入手可能性およびコストに影響を及ぼす。
【0007】
従って、本発明の根底に存在する課題は、水硬結合剤のために経済的であり、コンクリートにとって液化剤/減水剤として特に好適な分散剤を提供することである。
【0008】
前記課題の解決手段は、
i)(メタ)アリルアルコールポリエーテル誘導体構造単位α 30〜47モル%および
ii)マレイン酸誘導体構造単位β 53〜70モル%
を有し、前記(メタ)アリルアルコールポリエーテル誘導体構造単位αは、以下の一般式(Ia)および/または(Ib)
【化1】

[上記式中で、
Aは、同じか、または異なっており、Cx2x(式中、x=2、3、4または5)により記載されるアルキレン基によって表され、
aは、同じか、または異なっており、11〜39の間の整数によって表される]により表され、
前記マレイン酸誘導体構造単位βは、以下の一般式(IIa)および/または(IIb)
【化2】

[上記式中で、
1は、同じか、または異なっており、Hおよび/または非分枝鎖状もしくは分枝鎖状のC1〜C4−アルキル基により表され、有利にはHであり、
Zは、同じか、または異なっており、Oおよび/またはNHにより表され、有利にはOである]
【化3】

[上記式中で、
2は、同じか、または異なっており、Hおよび/または非分枝鎖状もしくは分枝鎖状のC1〜C4−アルキル基により表され、有利にはHであり、
Qは、同じか、または異なっており、NHおよび/またはOにより表され、
3は、同じか、または異なっており、H、(Cn2n)−SO3H(式中、n=0、1、2、3または4)、(Cn2n)−OH(式中、n=0、1、2、3または4)、(Cn2n)−PO32(式中、n=0、1、2、3または4)、(Cn2n)−OPO32(式中、n=0、1、2、3または4)、(C64)−SO3H、(C64)−PO32、(C64)−OPO32および/または(Cm2me−O−(A′O)α−R4(式中、m=0、1、2、3または4、e=0、1、2、3または4、A′=Cx′H2x′(式中、x′=2、3、4または5、有利にはx′=2)および/またはCH2C(C65)H−、α=1〜350の整数、有利にはα=15〜200であり、R4は、同じか、または異なっており、非分枝鎖状もしくは分枝鎖状のC1〜C4−アルキル基を表し、有利にはCH3である)]により表される、コポリマーである。
【0009】
一般式(Ia)により記載される(メタ)アリルアルコールポリエーテル誘導体構造単位α中のa(アルコキシ基の数)の決定は、いわゆるMALDI−TOF−MS測定(MALDI−TOF−MSとは、atrix ssisted aser esorption/onization ime light assenpektroskopieの略号である)により行う。この関連で実施されるMALDI−TOF−MS測定は、337nmの窒素レーザーを備えた"Bruker Reflex III"により実施した。加速電圧は20kVであり、カチオンスペクトルの検出は反射板法で行った。マトリックスとして、ジヒドロキシ安息香酸(DHB)を使用し、かつ塩としてMerck KGaAの塩化カリウムを使用した。試料調製は、固体調製物として行った。このために、そのつど相応する試料をスパチュラの先端分だけ、THF中に溶解した。溶解した試料のわずかな部分を引き続きスパチュラの先端分のDHBおよびスパチュラの先端分の塩化カリウムと共に乳鉢中で摺った。この混合物の一部をスパチュラで、試料ターゲット上に載せた。較正は、ペプチドであるブラジキニン10pm/μl、アンギオテンシンI 10pm/μl、アンギオテンシンII 10pm/μl、ニューロテンシン10pm/μl、およびACTH10pm/μlからなる(Pepmix)外部標準を用いて行った。これらのペプチドは、アセトニトリル20質量%、H2O 79.9質量%、およびギ酸0.1質量%からなる混合物中に溶解した。このPepmixを、さらにH2Oで希釈した。較正のためにPepmix 1μlを、DHB溶液1μlと共に、ターゲットのスポット上で混合した。DHB溶液のための溶剤として、メタノールと水との1:1の比の混合物を使用した。濃度は10mg/mlであった。
【0010】
(メタ)アリルアルコールポリエーテル誘導体構造単位αは、コポリマーの分散作用に決定的な影響を与える。相応するモノマー出発化合物の前駆生成物は、アリルアルコールおよび/またはメタリルアルコールである。後者はオレフィン化学の産物である。アリルアルコールはたとえばグリセリンの製造の際に、中間生成物として大量に生じる。一般に言えることは、アリルアルコールは、化学工業において大量に入手可能であり、安価な中間生成物であるとみなすことができることである。さらに、1モルのメタリルアルコールもしくは1モルのアリルアルコールはそれぞれ、1モルの4−ヒドロキシブチルビニルエーテルと比較して体積が小さく、かつ質量も小さく、このことは貯蔵および輸送に関して大工業的な観点では著しい利点である。前記のことから、アルコキシル化された(メタ)アリルアルコールをベースとする本発明によるコポリマーの、相応して高い経済的な魅力が導き出される。さらに、本発明によるコポリマーは、前記のとおりの高性能液化剤の有利な適用特性を有していることが重要である。
【0011】
最後に、コポリマーの製造(重合プロセス)に関して、アルコキシル化された(メタ)アリルアルコールは、ビニルオキシブチレンポリ(エチレングリコール)と比較して、酸性の加水分解に対して抵抗性が高いことに基づいて、方法技術的にはより容易に取り扱いが可能であることに言及すべきである。
【0012】
多くの場合、(メタ)アリルアルコールポリエーテル誘導体構造単位αを表す一般式(Ia)および(Ib)中で、xは、そのつど2および/または3、有利には2である。従って通常は、ポリエーテル側鎖中には、エトキシ単位とプロポキシ単位とからなる混合物、有利にはエトキシ単位のみが存在する。
【0013】
有利には(メタ)アリルアルコールポリエーテル誘導体構造単位αを表す一般式(Ia)および(Ib)中で、aはそのつど16〜28の間の整数により表される。
【0014】
通常、(メタ)アリルアルコールポリエーテル誘導体構造単位αは、35〜43モル%の相対的な割合で存在している。
【0015】
多くの場合、マレイン酸誘導体構造単位βは、57〜65モル%の相対的な割合で存在している。
【0016】
有利な実施態様では、(メタ)アリルアルコールポリエーテル誘導体構造単位αは、一般式(Ia)により表される。従って、アルコキシル化されたアリルアルコールは、アルコキシル化されたメタリルアルコールに対して有利な前駆生成物である。
【0017】
しばしばマレイン酸誘導体構造単位βは、式中で、R2およびR3がそれぞれHにより、ならびにQがOにより表される一般式(IIb)により表される(マレイン酸自体は相応してモノマーとして存在する)。マレイン酸誘導体構造単位βは、一般式(IIa)により表され、その際、有利にはR1は、Hにより、ならびにZは、Oにより表される(無水マレイン酸は相応してモノマーとして存在する)。従ってコモノマーとして、マレイン酸および/または無水マレイン酸を使用することは有利である。
【0018】
本発明によるコポリマーは、一般に10000〜100000の質量平均分子量を有する。
【0019】
通常、本発明によるコポリマーは、水を30〜95質量%、および溶解した乾燥物質を5〜70質量%含有する水溶液として存在している。この場合、乾燥物質は、通常、実質的に無水のコポリマーからなる。
【0020】
本発明によるコポリマーは、(メタ)アリルアルコールポリエーテル誘導体構造単位αおよびマレイン酸誘導体構造単位β以外に、さらに少なくとも1の別の構造単位を有していてもよく、これはたとえばアクリル酸構造単位であってもよい。
【0021】
本発明はさらに、前記のコポリマーをラジカル溶液重合により製造する方法に関し、この場合、溶剤として水を使用するので、水溶液が生じ、この水溶液は、水を30〜95質量%、有利には45〜65質量%、およびコポリマー乾燥物質を5〜70質量%、有利には35〜55質量%含有する。
【0022】
さらに本発明は、本発明によるコポリマー、ならびに水硬結合剤および/または潜在的な水硬結合剤を含有する建築材料混合物に関する。
【0023】
一般に水硬結合剤は、セメント、石灰、石膏、半水和物、または硬石膏として存在するか、またはこれらの成分の混合物として存在するが、しかし有利にはセメンとして存在する。潜在的な水硬結合剤は通常、フライアッシュ、トラッスまたは高炉スラッグとして存在する。
【0024】
本発明を以下では実施例に基づいて詳細に記載する。
【0025】
本発明によるコポリマー(製造例1による)と、すでに実地で首尾よく使用されているコポリマー(比較例1による)を、これらの性能に関して比較する。
【0026】
製造例1(例1)−本発明によるコポリマータイプ1
複数の供給手段、攪拌機、温度計および滴下漏斗を備えたガラス製反応器に、水100mlおよびポリエチレングリコールモノアリルエーテル137.8g(溶液A)を装入し、35℃に温度調整する。水59gおよび無水マレイン酸19.7gからなる、予め準備されていた第二の溶液(溶液B)、ならびに20%の水酸化ナトリウム水溶液33.2mlを、ガラス製反応器中の溶液1に供給した。ヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム二水和物7.5gおよび水42.5gからなる第三の溶液(溶液C)を準備した。引き続き、数滴の水に溶解した硫酸鉄(II)100mg、ならびに30%の過酸化水素溶液12.46gを溶液AおよびBに添加した。さらに、溶液Cの、溶液AおよびBへの添加を開始し、これは2時間かけて行われた。引き続き、20%の水酸化ナトリウム水溶液17.8mlの添加によりpH値を6.5に調整した。Mw=19000g/モルの平均モル質量、1.7の多分散度、および41.7%の固体含有率を有するコポリマーの水溶液が得られた。重合されていないポリエチレングリコールモノアリルエーテルと比較したポリマーの収率は、87%である(ゲル透過クロマトグラフィーにより測定)。
【0027】
比較例1−コポリマータイプ1に相応
ビニルオキシブチレンポリ(エチレングリコール)と、エチレン性不飽和ジカルボン酸誘導体とからなるコポリマーをベースとする、市販のコンクリート液化剤Glenium(登録商標)110(BASF Construction Polymers GmbH)、つまり比較例1によるポリマーは、コポリマータイプ1に対して、関連性の高いポリマー構造を有している。
【0028】
まず得られた分子量分布および反応率に関する重合挙動を観察すべきである。第1表から、本発明によるポリマーの製造は、比較ポリマーの製造よりも若干高い反応率で行われることが明らかである。コンクリート中での良好な性能のための別の基準は、ポリマーの十分に高い平均モル質量である。
【0029】
【表1】

【0030】
第1表には、それぞれのMwの値と、多分散度(Pd)の値が記載されている。本発明による生成物は、比較ポリマーの範囲の平均的なモル質量を有している。例1によるポリマーの多分散度は、比較例1によるポリマーの多分散度よりもわずかに大きいにすぎない。
【0031】
コポリマーの更なる評価のために、コンクリート試験を実施した。試験の実施は、適用例1および2に記載されている。試験の際に、本発明によるコポリマーが、同一の試験条件下で(w/c値、温度、骨材等)、および同一の供給において、良好な性能、つまり同一の液化作用ならびに同一の流動性を時間にわたって示すかを試験すべきである。
【0032】
コンクリート試験の実施:
本発明による生成物もしくは比較生成物を溶解された形で含有する、ポルトランドセメント(CEM I 42,5R、Mergelstetten)280kgを、Fullerの篩い分け曲線に相応して、最大粒径16mmで、石灰岩粉末充填材であるCalcit MS 12 80kgおよび水156.8lgの組成を有する丸い骨材と共に攪拌した。コンクリート混合物の製造直後に、スランプ値の測定を、その時間的な変化を、60分の時間にわたって測定した。
【0033】
試験の結果は以下の表に記載されている。
【0034】
【表2】

【0035】
第2表は、Mergelstettenセメントの使用下でのコンクリート試験の結果を示している。本発明による例のポリマーに関しては、同一の液化作用が観察され、かつ60分の時間にわたる流動性の発生も比較可能な値である。
【0036】
比較試験の結果の総合結果:
前記の試験は、本発明によるコポリマーをベースとする液化剤の品質が優れていることを示している。性能は総じて、すでに実地で有利であることが判明している、ビニルオキシブチレンポリ(エチレングリコール)をベースとする高性能ポリマーに匹敵するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コポリマーであって、
i)(メタ)アリルアルコールポリエーテル誘導体構造単位α 30〜47モル%および
ii)マレイン酸誘導体構造単位β 53〜70モル%
を有し、前記(メタ)アリルアルコールポリエーテル誘導体構造単位αは、以下の一般式(Ia)および/または(Ib)
【化1】

[上記式中で、
Aは、同じか、または異なっており、Cx2x(式中、x=2、3、4または5)により記載されるアルキレン基によって表され、
aは、同じか、または異なっており、11〜39の間の整数によって表される]により表され、
前記マレイン酸誘導体構造単位βは、以下の一般式(IIa)および/または(IIb)
【化2】

[上記式中で、
1は、同じか、または異なっており、Hおよび/または非分枝鎖状もしくは分枝鎖状のC1〜C4−アルキル基により表され、
Zは、同じか、または異なっており、Oおよび/またはNHにより表される]
【化3】

[上記式中で、
2は、同じか、または異なっており、Hおよび/または非分枝鎖状もしくは分枝鎖状のC1〜C4−アルキル基により表され、
Qは、同じか、または異なっており、NHおよび/またはOにより表され、
3は、同じか、または異なっており、H、(Cn2n)−SO3H(式中、n=0、1、2、3または4)、(Cn2n)−OH(式中、n=0、1、2、3または4)、(Cn2n)−PO32(式中、n=0、1、2、3または4)、(Cn2n)−OPO32(式中、n=0、1、2、3または4)、(C64)−SO3H、(C64)−PO32、(C64)−OPO32および/または(Cm2me−O−(A′O)α−R4(式中、m=0、1、2、3または4、e=0、1、2、3または4、A′=Cx′H2x′(式中、x′=2、3、4または5、有利にはx′=2)および/またはCH2C(C65)H−、α=1〜350の整数、R4は、同じか、または異なっており、非分枝鎖状もしくは分枝鎖状のC1〜C4−アルキル基を表す)]により表される、コポリマー。
【請求項2】
前記(メタ)アリルアルコールポリエーテル誘導体構造単位αを表す一般式(Ia)および(Ib)中で、xがそれぞれ2および/または3、有利には2により表されることを特徴とする、請求項1記載のコポリマー。
【請求項3】
前記(メタ)アリルアルコールポリエーテル誘導体構造単位αを表す一般式(Ia)および(Ib)中で、aがそれぞれ16〜28の整数により表されることを特徴とする、請求項1または2記載のコポリマー。
【請求項4】
前記(メタ)アリルアルコールポリエーテル誘導体構造単位αが、35〜43モル%の相対的な割合で存在していることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載のコポリマー。
【請求項5】
前記マレイン酸誘導体構造単位βが、57〜65モル%の相対的な割合で存在していることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載のコポリマー。
【請求項6】
前記(メタ)アリルアルコールポリエーテル誘導体構造単位αが、一般式(Ia)により表されることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載のコポリマー。
【請求項7】
前記マレイン酸誘導体構造単位βが、一般式(IIb)[式中、R2およびR3はそれぞれHにより、ならびにQはOにより表される]により表されることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載のコポリマー。
【請求項8】
前記マレイン酸誘導体構造単位βが、一般式(IIa)[式中、R1はHにより、ならびにZはOにより表される]により表されることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載のコポリマー。
【請求項9】
10000〜100000の質量平均分子量を有する、請求項1から8までのいずれか1項記載のコポリマー。
【請求項10】
水30〜95質量%および溶解した乾燥物質5〜70質量%を含有する水溶液として存在する、請求項1から9までのいずれか1項記載のコポリマー。
【請求項11】
前記(メタ)アリルアルコールポリエーテル誘導体構造単位αおよび前記マレイン酸誘導体構造単位β以外に、さらに少なくとも1の別の構造単位を有する、請求項1から10までのいずれか1項記載のコポリマー。
【請求項12】
別の構造単位として、アクリル酸構造単位を有する、請求項11記載のコポリマー。
【請求項13】
ラジカル溶液重合により請求項1から12までのいずれか1項記載のコポリマーを製造する方法であって、溶剤として水を使用して水溶液が生じ、該水溶液は、水を30〜95質量%、有利には45〜65質量%、およびコポリマーの乾燥物質を5〜70質量%、有利には35〜55質量%含有している、ラジカル溶液重合により請求項1から12までのいずれか1項記載のコポリマーを製造する方法。
【請求項14】
請求項1から12までのいずれか1項記載のコポリマー、ならびに水硬結合剤および/または潜在的な水硬結合剤を含有する、建築材料混合物。
【請求項15】
水硬結合剤が、セメント、半水和物、硬石膏、石灰または石膏として、有利にはセメントとして存在していることを特徴とする、請求項14記載の建築材料混合物。
【請求項16】
潜在的な水硬結合剤が、フライアッシュ、トラッスまたは高炉スラグとして存在していることを特徴とする、請求項14記載の建築材料混合物。

【公表番号】特表2011−525937(P2011−525937A)
【公表日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−546275(P2010−546275)
【出願日】平成21年1月12日(2009.1.12)
【国際出願番号】PCT/EP2009/050264
【国際公開番号】WO2009/100959
【国際公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【出願人】(503343336)コンストラクション リサーチ アンド テクノロジー ゲーエムベーハー (139)
【氏名又は名称原語表記】Construction Research & Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Dr.−Albert−Frank−Strasse 32, D−83308 Trostberg, Germany
【Fターム(参考)】