説明

ポリオキシメチレンから残留モノマーを除去する方法

脱気工程をストランド式脱気装置中で実施することを特徴とする、ポリオキシメチレンから反応されない残留モノマーを除去する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱気工程をストランド式脱気装置(Strangentgaser)中で実施する、ポリオキシメチレンホモポリマー又はポリオキシメチレンコポリマーから反応されない残留モノマーを除去するための改善された方法に関する。
【0002】
さらに、本発明は、まずモノマー装置中で適当なモノマーを製造するか又は貯蔵し、次いで前記モノマーを重合反応器中で適当なポリマーに重合させ、前記重合の間又は前記重合の後に前記ポリマー中に含まれる残留モノマーを上記の方法により除去することを特徴とするポリオキシメチレンホモポリマー又はポリオキシメチレンコポリマーの製造方法に関する。
【0003】
最後に、本発明は、前記の方法により得られたポリオキシメチレンホモポリマー又はポリオキシメチレンコポリマーに関する。
【0004】
ポリオキシメチレンポリマー(POM、ポリアセタールともいう)は、1,3,5−トリオキサン(省略形:トリオキサン)、ホルムアルデヒド又は他のホルムアルデヒド供給源のホモ重合又は共重合により得られる。この場合、前記反応は通常では完全ではなく、むしろPOM−粗製重合体は40%までの反応されないモノマーをも含有する。このような残留モノマーは、例えばトリオキサン及びホルムアルデヒド、並びに場合により併用されたコモノマー、例えば1,3−ジオキソラン、1,3−ブタンジオールホルマール又はエチレンオキシドである。POMは、この場合、まとめてホモポリマー及びコポリマーを表す。
【0005】
これらの残留モノマーは、脱気を用いた後処理により前記粗製ポリマーから除去される。先行技術の場合には、POMは大気圧又は減圧で脱気される:
EP-A 638 599は、脱気部中で圧力低下により前記残留モノマーを蒸発させる、ポリアセタールの製造方法を記載している。この実施例において、絞り弁を介して大気圧で蒸発させている(第4頁、22行〜43行)。
【0006】
EP-A 999 224にはポリアセタールコポリマーの製造が記載されていて、その際、反応されないモノマーは「減圧」により除去され、水循環中に吸収される(第3頁、8行〜49行、並びに第4頁、23行)。残留モノマーを分離する圧力及び温度についての正確な記載はなされていない。
【0007】
DE-A 31 47 309はオキシメチレンポリマーの製造が開示されていて、脱気反応器及び調製反応器(Konfektionierreaktor)中で、反応されないモノマーは常圧に放圧されるか又は例えば0.01barに真空することにより除去される(第6頁、21行〜第7頁、23行)。
【0008】
F. Streiff著の「Entgasen beim Herstellen und Aufbereiten von Kunststoffen(プラスチックの製造及び処理の場合の脱気), Hg. Verein Deutscher Ingenieure, VDI-Verlag Duesseldorf 1992」の論文から、ストランド式脱気装置(Strangentgasers)の原理は公知である。個々のポリマー、例えばPOM又は具体的な圧力範囲及び温度範囲は記載されていない。
【0009】
更に新しい出願DE 102 005 002 413.0には、加圧下での脱気法が提案されていた。
【0010】
先行技術による残留モノマーの分離は、特に次の欠点を有する:
− この溶融物は、例えば大きな圧力変動の場合に不所望なように発泡し、このことが更なる取り扱い、例えば添加及び調製を困難にする。
【0011】
− 分離された残留モノマーは、POM製造に返送することができるが、そのために手間のかかる方法で中間濃縮器中で濃縮されるか又は溶剤、例えば水を用いて後処理しなければならない。
【0012】
− 分離された残留モノマーは、その再使用の前に手間をかけて使用された失活剤(停止剤)又は他の外来物質を除去しなければならない。
【0013】
− 脱気装置中でのPOMの滞留時間は長い。それにより、このポリマーは熱的に負荷され、このことは不所望な分解反応を助長し、材料の不都合な変色が生じかねない。
【0014】
− ストランド式脱気装置中でのポリマーの脱気により、同様に長すぎる滞留時間が生じ、既に前記の欠点が製品品質において生じる。
【0015】
− POM中でのホルムアルデヒド残留含有量はまだ高い。
【0016】
本発明の課題は、前記の欠点を取り除くことであった。特に、POMの発泡が回避されるPOMから残留モノマーを分離する方法を提供するのが好ましい。更に、分離された残留モノマーの返送は、中間濃縮もしくは後処理なしで及び失活剤の分離なしで可能であることが好ましい。脱気装置中でのPOMの滞留時間は、公知の方法よりも短いのが好ましい。ホルムアルデヒド含有量及び残留モノマー及び外来物質の割合は、更に低減されるのが好ましい。
【0017】
従って、残留モノマーを除去するための上記に定義された方法が見出された。本発明の有利な実施態様は、引用形式請求項に記載されている。
【0018】
全ての圧力の数値は、他に記載のない限り絶対圧である。
【0019】
本発明による方法によって反応されない残留モノマーが除去されるポリオキシメチレンホモポリマー又はポリオキシメチレンコポリマー(POM)は、それ自体公知でありかつ市販されている。前記ホモポリマーは、ホルムアルデヒド又は有利にトリオキサンの重合により製造され、前記コポリマーの製造においてさらにコモノマーが併用される。
【0020】
特に一般的には、この種のPOMポリマーは、ポリマー主鎖中で繰返単位−CH2O−を少なくとも50mol%有する。ポリオキシメチレンコポリマーが有利であり、特に、繰返単位−CH2O−の他に、なお50mol%まで、有利に0.01〜20mol%、特に0.1〜10mol%、さらに特に有利に0.5〜6mol%次の繰り返し単位を有する
【化1】

[式中、R1〜R4は相互に無関係に、水素原子、C1〜C4−アルキル基又はハロゲン置換された1〜4個のC原子を有するアルキル基を表し、R5は−CH2−、−CH2O−、C1〜C4−アルキル置換された又はC1〜C4−ハロアルキル置換されたメチレン基又は相応するオキシメチレン基を表し、nは0〜3の範囲の値を表す]。有利に、前記基は環状エーテルの開環によりコポリマー中に導入することができる。有利な環状エーテルは、式:
【化2】

[式中、R1〜R5及びnは上記の意味を表す]の環状エーテルである。例えば、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、1,3−ブチレンオキシド、1,3−ジオキサン、1,3−ジオキソラン及び1,3−ジオキセパン(=ブタンジオールホルマール、BUFO)が環状エーテルとして挙げられ、並びに線状オリゴホルマール又はポリホルマール、例えばポリジオキソラン又はポリジオキセパンがコモノマーとして挙げられる。
【0021】
同様に、例えばトリオキサンと、前記した環状エーテルの1つと、第3のモノマー、有利に式
【化3】

及び/又は
【化4】

[式中、Zは化学結合、−O−、−ORO−(RはC1〜C8−アルキレン又はC3〜C8−シクロアルキレン)である]の二官能性化合物との反応により製造されるオキシメチレンターポリマーが適している。
【0022】
この種の有利なモノマーは、若干の例を挙げれば、エチレンジグリシド、ジグリシジルエーテル及びグリセリンとホルムアルデヒド、ジオキサン又はトリオキサンとの2:1のモル比のジエーテル、並びにグリシジル化合物2molと2〜8個のC原子を有する脂肪族ジオール1molとからなるジエーテル、例えばエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、シクロブタン−1,3−ジオール、1,2−プロパンジオール及びシクロヘキサン−1,4−ジオールのジグリシジルエーテルである。
【0023】
鎖末端に主にC−C結合又は−O−CH3−結合を有する、末端基が安定化されたポリオキシメチレン重合体が特に有利である。
【0024】
好ましいポリオキシメチレンコポリマーは、少なくとも150℃の融点及び5000〜300000、好ましくは7000〜250000g/molの範囲内の分子量(重量平均)Mwを有する。不均一性(Mw/Mn)2〜15、好ましくは2.5〜12、特に好ましくは3〜9を有するPOMコポリマーが特に好ましい。この測定は、一般にゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)≒SEC(サイズ排除クロマトグラフィー)によって行われ、Mn−値(数平均分子量)は一般にGPC/SECによって測定される。
【0025】
前記ポリマーの分子量は、場合によりトリオキサン重合の際に通常の調節剤によって並びに反応温度及び反応滞留時間によって目的の値に調節することができる。調節剤として、一価アルコールのアセタールもしくはホルマール、アルコール自体並びに連鎖移動剤として機能する少量の水(この存在は一般に完全には回避されない)が挙げられる。前記調節剤は、10〜10000ppm、有利に20〜5000ppmの量で使用される。
【0026】
開始剤として(同様に触媒とも言われる)、トリオキサン重合の場合に通常のカチオン性開始剤が使用される。プロトン酸、例えばフッ素化又は塩素化されたアルキルスルホン酸及びアリールスルホン酸、例えば過塩素酸、トリフロロメタンスルホン酸又はルイス酸、例えば四塩化スズ、五フッ化ヒ素、リン酸五フッ化物及び三フッ化ホウ素並びにこれらの錯化合物及び塩状の化合物、例えば三フッ化ホウ素−エーテラート及びトリフェニルメチレンヘキサフルオロホスファートが好適である。前記開始剤(触媒)は、約0.01〜1000ppm、有利に0.01〜500ppm及び特に0.01〜200ppmの量で使用される。一般に、前記開始剤を希釈された形で、有利に0.005〜5質量%の濃度で添加することが推奨される。このための溶剤としては、不活性化合物、例えば脂肪族、環式脂肪族炭化水素、例えばシクロヘキサン、ハロゲン化された脂肪族炭化水素、グリコールエーテルなどを使用することができる。トリグリム(トリエチレングリコールジメチルエーテル)並びに1,4−ジオキサン又は環式カーボネート、例えばプロピレンカーボネート又はラクトン、例えばγ−ブチロラクトンは溶剤として特に有利である。
【0027】
前記開始剤に対して付加的に、助触媒を併用することもできる。これは、全ての種類のアルコール、例えば2〜20個のC原子を有する脂肪族アルコール、例えばt−アミルアルコール、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール;2〜30個のC原子を有する芳香族アルコール、例えばヒドロキノン;2〜20個のC原子を有するハロゲン化されたアルコール、例えばヘキサフルオロイソプロパノールであり;特に有利に全ての種類のグリコール、特にジエチレングリコール及びトリエチレングリコール;及び脂肪族ジヒドロキシ化合物、特に2〜6個の炭素原子を有するジオール、例えば1,2−エタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール及びネオペンチルグリコールである。
【0028】
モノマー、開始剤、助触媒及び場合により調節剤は任意に予備混合するか又は相互に別個に重合反応器に添加することもできる。
【0029】
さらに、EP-A 129369又はEP-A 128739に記載されているように、前記成分は安定化のために立体障害フェノールを含有していてもよい。
【0030】
有利に、前記重合に引き続きすぐに、前記重合体混合物を、有利に相変化を行わずに失活させる。開始剤の残り(触媒の残り)の失活は、一般に重合溶融物に失活剤(停止剤)を添加することにより行う。適当な失活剤は、例えばアンモニア並びに第1級、第2級又は第3級の脂肪族及び芳香族アミン、例えばトリアルキルアミン、例えばトリエチルアミン又はトリアセトンジアミンである。さらに、塩基性に反応する塩、例えばソーダ及びボラックス、さらにアルカリ金属及びアルカリ土類金属の炭酸塩及び水酸化物、さらにアルコラート、例えばナトリウムメタノラートが適している。これらの失活剤は、通常ではポリマーに有利に0.01質量ppmw(parts per million by weight)〜2質量%の量で添加される。さらに、アルキル基中で2〜30個のC原子を有するアルカリ金属−もしくはアルカリ土類金属アルキルが失活剤として有利である。特に有利な金属として、Li、Mg及びNaが挙げられ、その際、n−ブチルリチウムが特に有利である。
【0031】
この停止剤は、通常では有機溶剤中に供給される。RTで固体の停止剤は、例えばPOM溶融物中で付属の押出機を介して供給が行われる
ホルムアルデヒドからなるPOMは、通常では気相中、溶液中での重合、沈殿重合又は塊状(Substanz)重合により製造することができる。トリオキサンからのPOMは、一般に塊状での重合により得られ、そのために高い混合作用を有する全ての反応器を使用することができる。前記反応の実施は、この場合、均一系、例えば溶融液中で、又は不均一系で、例えば固体又は固体顆粒への重合として行うことができる。例えば、シェル型反応器、鋤刃混合器、管型反応器、リスト型反応器、ニーダー(バスニーダー)、例えば一軸又は二軸スクリューを備えた押出機、及び撹拌機付き反応器が適しており、その際、前記反応器はスタティックミキサ又はダイナミックミキサを有していてもよい。
【0032】
例えば押出機中での、塊状での重合の場合に、通常では溶融したポリマーを用いていわゆる溶融物シーリングが生じ、それにより揮発性成分は押出機中に留まる。前記モノマーは、押出機中に存在するポリマー溶融物中へ、開始剤(触媒)と一緒に又は別々に、反応混合物の有利な温度62〜114℃で供給される。有利に、前記モノマー(トリオキサン)は溶融した状態でも、例えば60〜120℃で供給される。
【0033】
この溶融重合は、一般に1.5〜500bar及び130〜300℃で行われ、かつ重合混合物の反応器中での滞留時間は通常では0.1〜20min、有利に0.4〜5minである。有利に、前記重合は30%を上回る転化率まで、例えば60〜90%まで行われる。
【0034】
この場合、前記したように多量の、例えば40%までの反応されない残留モノマー、特にトリオキサンとホルムアルデヒドを含有する粗製POMが得られる。この場合、モノマーとしてトリオキサンだけを使用した場合でも、ホルムアルデヒドは粗製POM中にも存在することができる、それというのもこれはトリオキサン及びPOMの分解生成物として生じることができるためである。さらに、ホルムアルデヒドの他のオリゴマー、例えばテトラマーのテトロキサンも存在することができる。
【0035】
有利にPOMの製造のためにトリオキサンをモノマーとして使用し、その際、取り出される残留モノマーもトリオキサンを含有し、さらに通常ではテトロキサン0.5〜10質量%と、ホルムアルデヒド0.1〜75質量%を含有する。
【0036】
本発明による方法は、不連続的に又は有利に連続的に運転することができる。
【0037】
有利に、この溶融物はストランド式脱気装置中への進入の際に、最大で5000ppm、有利に最大で3000ppm、特に最大で2000ppmの揮発性物質を含有するのが好ましい、それというのもこの滞留時間は長すぎないのが好ましく、かつストランド破断の危険が大きすぎるためである。
【0038】
相応して、次の工程を有する方法が特に有利である:
a) ポリマーを10〜100barの圧力で165〜270℃の温度にし、その際に溶融物を生じさせ、
b) 前記溶融物を1mbar〜9barの圧力で、160〜240℃の温度で少なくとも1つの脱気装置中で脱気し、
c) その後で、ストランド式脱気装置中で更なる残留モノマーを除去する。
【0039】
工程b)は、減圧でも加圧でも実施することができるが、ストランド式脱気装置の前で減圧下での前記の処理が有利である。
【0040】
本発明による方法の工程a)の場合に、このポリマー(POM)は10〜100barの圧力で165〜270℃の温度にされ、その際に溶融物が生じる。
【0041】
前記POMは重合反応器もしくは失活の最後にこの圧力条件及び温度条件で存在する場合、工程a)の特徴は既に満たしている。そうでなければ、前記POMは圧力調節及び温度調節のための通常の処理により、10〜100barの圧力及び165〜270℃の温度にされる。通常では、このPOMの温度は工程a)の前に工程a)で調節されるべき温度以下にある、つまりこのポリマーは工程a)で加熱される。この加熱は、過熱ともいわれる。
【0042】
しかしながら、このPOM温度は、特に溶融重合によるPOM製造時に、工程a)の前で、工程a)で調節されるべき温度より高くにあることができ、この場合にポリマーは工程a)において冷却される。
【0043】
有利に、工程a)において、圧力は15〜60bar、特に有利に17〜50barである。
【0044】
同様に有利に、工程a)において、温度は170〜240℃、特に有利に180〜220℃である。
【0045】
殊に、前記の範囲を組み合わせるのが有利であり、つまり、有利に工程a)において圧力は15〜60bar及び温度は170〜240℃;及び特に有利に圧力は17〜50bar及び温度は180〜220℃である。
【0046】
工程a)におけるポリマーの滞留時間は、一般に、10sec〜30min、有利に20sec〜15minである。
【0047】
工程a)におけるポリマーの熱処理は、通常では、熱交換器、二重ジャケット加熱(もしくは冷却)装置、熱処理されたスタティックミキサ、内部熱交換器又は他の適当な装置により行われる。圧力の調節は、同様に公知のように、例えば圧力調整弁又はポンプによって行われる。
【0048】
POMの製造の際に得られた粗製POMはまず冷却し、次いで工程a)で加熱してもよい。
【0049】
しかしながら、まだ熱い粗製POMを重合もしくは失活の直後に前記の圧力で前記の温度にするのがエネルギー的に有利である。この「有利な」実施態様の場合に、従って工程a)は、重合もしくは失活に引き続きすぐに行う。装置的に、これは、反応器の重合区域もしくは失活区域に続きすぐに、工程a)の温度に調節される熱処理区域(例えば過熱区域)を設けることにより簡単に達成される。この熱処理区域は、例えば熱交換器として構成することができる。工程a)の圧力は、有利に反応器形状及びPOM製造の反応条件により調節される。
【0050】
工程a)の圧力及び温度は、それぞれの場合に、ポリマーが溶融液として存在するように調節される。この場合、溶融物の概念は、ポリマーが少量の、例えば最大5質量%の固体を含有することを排除しない。
【0051】
本発明による方法の工程b)において、工程a)において得られた溶融液は1mbar〜9barの圧力で、160〜240℃の温度で少なくとも1つの脱気装置中で脱気される。この脱気は、従って、先行技術の方法とは異なり、加圧下で行うこともできる。
【0052】
工程b)において、圧力及び温度は通常では工程a)よりも低く、これは以後、圧力変動及び温度変動ともいわれる。この条件は工程b)において、POMが溶融液として脱気されるように選択することができる。多工程の脱気の場合に、この脱気温度の1つ又は複数は工程a)の温度より高いこともできる。
【0053】
有利に、工程b)において圧力は5mbar〜8bar、特に有利に10mbar〜7barである。
【0054】
同様に有利に、工程b)において、温度は168〜220℃、特に有利に170〜210℃である。
【0055】
特に、前記の領域の組合せが有利であり、つまり工程b)において圧力は5mbar〜8bar及び温度は168〜220℃であり;特に有利に圧力は10mbar〜7bar及び温度は170〜210℃である。
【0056】
有利な実施態様の場合に、工程b)の圧力は工程a)の圧力よりも5〜50bar、特に10〜25bar低い。同様に、工程b)の場合の温度は、工程a)の温度よりも5〜50℃、特に10〜40℃低い。
【0057】
工程b)におけるポリマーの滞留時間は、一般に、1sec〜15min、有利に5sec〜3minである。多段階の脱気(下記参照)の場合に、この時間は、それぞれ一つの工程に関している。付加的な滞留時間は、結合する導管によって導入することができる。熱的な負荷の結果によるポリマーの損傷を最少にするために、結合する導管を通過する付加的滞留時間は有利に最大で30minである。
【0058】
工程b)におけるポリマーの熱処理は、通常では、熱交換器、二重ジャケット装置、熱処理されたスタティックミキサ、内部熱交換器又は他の適当な装置により行われる。圧力の調節は、同様に公知のように、例えば圧力調整弁によって行われる。この圧力変動は、閉鎖管又は潰し管により又は横断面積を狭くし引き続き拡張することにより達成することもできる。
【0059】
脱気装置として、脱気ポット(Entgasungstoepfe(フラッシュポット(Flash-Toepfe)))、1本又は数本のスクリューを備えた脱気押出機、フィルムトゥルーダー(Filmtruder)、薄層蒸発器、噴霧乾燥機及び他の通常の脱気装置が適している。有利に脱気押出機又は脱気ポットが使用される。後者は特に有利である。
【0060】
工程b)における脱気は、一工程で(唯一の脱気装置中で)行うことができる。同様に、この脱気は、多工程で、例えば二工程で、直列に配置された及び/又は並列に配置された複数の脱気装置中で行うことができる。直列に配置された装置が有利である。
【0061】
多工程の脱気の場合に、前記の複数の脱気装置は種類及びサイズが同じ又は異なることができる。例えば、2つの同じ脱気ポットを直列に運転するか又は2つの異なる寸法の脱気ポットを直列に運転するか、2つの同じ脱気押出機を運転するか、又は2つの異なる寸法の脱気押出機を運転するか、又は1つの脱気ポットとその後方に1つの脱気押出機を運転するか、又は1つの脱気押出機とその後方に1つの脱気ポットを運転することができる。2つの(同じ又は異なる)脱気ポットを用いたバリエーションが有利である。2つの異なる脱気ポットを直列に使用し、その際に第2のポットはより小さな容積を有するのが特に有利である。
【0062】
加圧下での二工程の脱気の場合に、第1の工程での圧力は有利に2〜18、特に3〜15、特に有利に4〜10barであり、第2の工程での圧力は有利に1.05〜4、特に1.05〜3.5、特に有利に1.05〜3barである。
【0063】
この温度は、2工程での脱気の場合に一般に、前記の工程b)について既に挙げられた温度とは本質的に異ならない。
【0064】
特に有利な実施態様の場合に、本発明による方法は、二工程の脱気b)の場合に、第1の工程で圧力は2〜18barであり、温度は160〜240℃であり、第2の工程で圧力は1.05〜4barであり、温度は160〜240℃であることを特徴とする。
【0065】
ストランド式脱気装置中に導入する前に、少なくとも1つの脱気工程が減圧で実施される。
【0066】
滞留時間及び温度プロフィールは、この場合、工程b)について前記の記載事項に相当する。この圧力は、一般に1mbar〜1bar、有利に5mbar〜500mbar、特に10mbar〜250mbarである。
【0067】
この脱気工程を複数の工程に分けることができることも自明のことである。
【0068】
脱気の際に遊離する残留モノマーは、蒸気流として分離される。本発明の態様(一工程又は多工程の脱気ポット又は脱気押出機等)に応じて、残留モノマーは通常ではトリオキサン、ホルムアルデヒド、テトロキサン、1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキセパン、エチレンオキシド及びホルムアルデヒドのオリゴマーである。
【0069】
本発明による方法を用いて分離された残留モノマー(蒸気流)は通常の方法で取り出される。この蒸気流は凝縮又はモノマー中に吸着又は吸収することができ、重合反応に返送することができる。
【0070】
蒸気流中でのトリオキサンとホルムアルデヒドとの量比は、相応する圧力及び温度の調節により変化させることができる。圧力が高ければそれだけ、蒸気流中のホルムアルデヒドの割合は高くなる。
【0071】
有利な脱気は本発明の場合に、一工程又は多工程で主同じで、少なくとも部分的に加圧下で行われるため、運転条件(特に圧力及び温度)を調節することができ、この場合、蒸気流は装置的に手間のかかる事前の中間濃縮なしで凝縮することができる。しかしながら、この蒸気流は付加的な濃縮工程にかけることもできると解釈される。
【0072】
工程b)での高い圧力により、その温度は低く保持することができ、POMの熱的負荷は有利に低減される。
【0073】
脱気されたPOMは、原則として通常の搬送装置を用いて脱気装置から取り出される。このような装置は、例えば溶融ポンプ、特に歯車ポンプである。
【0074】
本発明による方法の生成物として、残留モノマーの少ない脱気されたPOMが得られる。一般に、POMの残留モノマー含有量は0.01ppm〜1%、有利に0.1ppm〜0.1%、特に有利に0.5ppm〜100ppmである。
【0075】
有利な方法の工程c)において、溶融物はストランド式脱気装置のノズルプレート(分配プレート)の穴当たり100〜700g/h、有利に200〜500g/hの処理量で達する。
【0076】
この溶融物の粘度は、有利にMVRとして測定して、ISO 1133に従って、2〜50g/10Min(190℃;負荷2.16kg)、有利に3〜35g/10Minである。
【0077】
穴の直径は一般に3〜8mm、有利に4〜6mm、落下長さ1〜10m、有利に1〜3mであり、後者のサイズは生産される量に著しく依存する。
【0078】
特に、このストランド式脱気装置はノズルプレートに関しても排出円錐部中でも最小限の状態で運転される("Entgasen beim Herstellen und Aufbereiten von Kunststoffen" VDI Verlag Duesseldorf 1992, p. 53-63参照)。
【0079】
ストランド式脱気装置中の圧力は、有利に0.1〜250mbar、有利に1〜50mbar、特に2〜20mbarである。
【0080】
この温度は、有利に溶融液がストランド式脱気装置中に進入する際に、155〜270℃、有利に160〜240℃、特に165〜220℃であり、有利に排出円錐部中での温度は同じ値である。
【0081】
この滞留時間は、有利に2sec〜60min、特に5sec〜20min、特に10sec〜5minである。
【0082】
本発明による方法は、特に次の利点を有する:
段階的に加圧で開始される脱気に基づき、脱気装置中でのポリマーの流動挙動は改善される。特に、これは発泡せず、それにより更なる取り扱いは、例えば添加物の添加又は調製を明らかに容易にする。
【0083】
先行技術による真空中での脱気は、脱気装置中での所定の最低充填レベル高さ(Mindestfuellstandshoehe)を必要とするこの充填レベルにより、溶融ポンプの歯車に関する圧力が生じ、前記歯車はポリマー溶融物をつかみ、この溶融液を搬出する。高い充填レベルは、もちろんポリマーの長い平均滞留時間を意味する。
【0084】
それに対して、本発明による脱気は、加圧下で脱気装置中での最低充填レベルを必要としない。むしろ、本発明による脱気は充填レベルなしでも運転することができる。それにより、ポリマーの平均滞留時間は短縮され、脱気装置中でのポリマーの滞留時間配分は著しく短縮され、POMの熱負荷は本質的に少なくなる。不所望な変色はこのように最小化される。それにより、本発明による方法の更なる利点は生成物保護である。
【0085】
本発明による条件下で、失活の際に添加される失活剤は沸騰せず、従って残留モノマー(蒸気流)中へ移行しないか又は極めてわずかな程度が移行するだけである。むしろ、過剰量の、化学的に結合していない失活剤は、主に脱気されたPOM溶融物中に留まる。それにより、蒸気流が重合において再使用されるべき場合には必要となる蒸気流からの失活剤の手間のかかる除去は行われない。残留モノマーからの失活剤の分離が行われないことは、本発明による方法の経済性を改善する。
【0086】
加圧下での本発明による脱気は、周囲空気、もしくは酸素の脱気装置内への進入を抑制するという更なる利点を有する。POMは不活性雰囲気中で約260℃から分解するが、酸素含有雰囲気中では既に160℃から分解する、そのため先行技術による減圧脱気の場合に脱気装置の最少の漏れも避けることが望ましかった。これに対して、本発明による加圧脱気は漏れに対して許容性である。
【0087】
必要な場合に、残留モノマーはその他の不純物を除去することができる。これは、自体公知の精製操作もしくは分離操作で行うことができ、例えば蒸留、精留、パーベーパレーション、昇華、晶析、熱拡散、高濃度化、濃縮、蒸発、乾燥、凍結乾燥、凍結、凝縮、溶融、電気泳動等により行うことができる。
【0088】
更に、残留モノマー分離のための前記の方法(以後「脱気方法」とする)は、ポリオキシメチレンホモポリマー又はポリオキシメチレンコポリマー(省略して:POM)の製造の間に又は製造に引き続き行うことができる。
【0089】
この加圧脱気に続いて他の脱気工程を行う場合に初めて、所望の低い残留モノマー含有量を達成することができる。意外にも、ストランド式脱気装置中で前脱気された、<5000、有利に3000、特に有利に2000ppmの揮発性化合物の残留含有量を有する溶融物に更なる脱気を行う場合に、特に低い残留FA値が達成される。
【0090】
意外にも、本発明による運転方法は、付加的な剪断がPOMを損なうことが予想されているにもかかわらず、残留FA含有量を著しく低下させる。
【0091】
POMの製造の際に、通常ではまずいわゆるモノマー装置中で適当なモノマーを製造する、例えばホルムアルデヒドからなるトリオキサン、及び/又は適当なモノマーを貯蔵する。その後、前記モノマーをモノマー装置から重合反応器に移し、そこで、さらに上記したように重合させてPOMにする。記載された粗製POMが得られ、この粗製POMから反応されない残留モノマーを本発明による脱気方法を用いて分離する。同様に、POMにする重合の間に既に、残留モノマーを本発明による脱気方法により分離することができるか、又はこの本発明による残留モノマー分離を前記重合の間にも重合の後にも実施することができる。
【0092】
さらなる本発明の主題は、従ってまずモノマー装置中で適当なモノマーを製造するか又は貯蔵し、次いで前記モノマーを重合反応器中で前記ポリマーに重合させ、前記重合の間又は前記重合の後に前記ポリマー中に含まれる残留モノマーを上記の分離方法により除去することを特徴とするポリオキシメチレンホモポリマー又はポリオキシメチレンコポリマーの製造方法(以後「POM法」)である。もちろん、前記残留モノマーは、前記重合の間及び前記重合の後でも除去することができる。
【0093】
本発明によるPOM法は、1つの方法工程として本発明による脱気方法を有する。
【0094】
通常では、得られた粗製POMに、押出機中で又は他の適当な混合装置中で、通常の添加物及び加工助剤(添加剤)が、この材料に対して通常の量で添加される。このような添加剤は、例えば滑剤又は離型剤、着色剤、例えば顔料又は染料、難燃剤、酸化防止剤、光の作用に対する安定剤、ホルムアルデヒド捕捉剤、熱安定剤、例えばポリアミド、成核剤、繊維状及び粉末状の充填剤又は強化剤、又は帯電防止剤、並びに他の添加剤、又はこれらの混合物である。
【0095】
有利な実施態様i)の場合に、POMは、粗製POMの製造後に既に、つまり押出機での添加剤の添加の前に、本発明による脱気方法を用いて、例えば、前記重合反応器から出た粗製POMを脱気ポット(フラッシュポット)又は脱気押出器中に送り、そこで前記残留モノマーを本発明により分離することにより、残留モノマーが除去される。
【0096】
他の有利な実施態様ii)の場合に、前記POMを、押出機もしくはその他の混合装置での添加剤の添加の際に初めて本発明による脱気方法を用いて残留モノマーが除去される。この場合、添加剤の添加のための混合装置は、前記脱気方法で使用される脱気装置と同じであることができる。例えば、同じ押出機に関して添加剤の混入も脱気方法も実施する、つまり残留モノマーを分離することもできる。
【0097】
特に、前記粗製POMは前記重合反応器からまず脱気装置中に送られ、かつそこで前記残留モノマーを本発明により分離し、及び/又はその後で前記POMに押出機中で添加剤を混合し、かつ同時に本発明により前記残留モノマーを分離することができる。前記の実施態様i)とii)とを組み合わせてもよい。
【0098】
前記したように、脱気装置により除去された残留モノマーは、新たにPOM製造の場合の使用物質として使用することができ、つまり本発明によるPOM法に返送(リサイクル)される。この場合、前記返送の目標点は、製造装置に合わせることができる。例えば、前記残留モノマーは重合反応器に直接返送されるか又はこの供給路に返送されるか、又はモノマー装置に返送される。
【0099】
従って、前記POM法は、有利に除去された残留モノマーが重合反応器中に又はモノマー装置中に返送されることを特徴とする。もちろんこの両方の方法を組み合わせることもできる。
【0100】
本発明の主題は、最後に、前記のPOM法により得られたポリオキシメチレンホモポリマー又はポリオキシメチレンコポリマーでもある。
【0101】
本発明による脱気方法は、ポリマーの好ましくない発泡なしで脱気を可能にする。蒸気流は、再使用の前に中間濃縮する必要なく、失活剤も除去する必要はない。脱気中での短い滞留時間により、前記ポリマーは保護され、分解反応は低減される。脱気装置中での漏れは、先行技術の方法の場合よりもあまり問題とはならない。
【0102】
生じるPOM重合体のFA含有量は明らかに低下されていて、色特性も改善されている。特に、ストランド式脱気装置を前記工程a)及びb)と組み合わせることにより、次の利点が達成される:
− POM中でのホルムアルデヒドの極めて低い残留含有量
− POMからの高沸点の外来物質(例えば有機溶剤)の除去/脱気。
【0103】
比較例
96.495質量%の液体トリオキサン、3.5質量%のジオキソラン及び0.005質量%のメチラールからの混合物5kgを160℃に加熱し、そしてスタティックミキサを有する管型反応器中に圧送した。0.5ppmwの過塩素酸(1,4−ジオキサン中の0.01質量%溶液として)の添加により重合を開始し、反応器中の圧力は20barであった。
【0104】
2minの滞留時間の後に、反応器の停止区域中でトリアセトンジアミンを停止剤(1,3−ジオキソラン中の0.1質量%の溶液として)として供給し、スタティックミキサを介して混合した。
【0105】
3minの更なる滞留時間の後に、生成物(粗製POM)を、調節弁を介して脱気ポット中で3barの圧力に放圧し、これによりポリマー溶融物の揮発性成分を分離した。このポリマー溶融物中に、トリオキサン及びホルムアルデヒドの残留物が残留した。
【0106】
脱気されたPOMを、押出機で、ホルムアルデヒド捕捉剤(Zeochem AG社のZeolith Purmol 4ST)、酸化防止剤(Ciba Spezialitaetenchemie GmbH社のIrganox(R) 245)及び他の添加剤(Cognis社のPolyamid C 31, Loxiol(R) P 1206)を、マスターバッチ(相応する添加剤を有するPOM500g)を混合することによって供給した。押出機として、二軸スクリュー押出機を50secの滞留時間で使用した。この押出機は、POMを押出の際に250mbarの減圧にさらすことにより、POMの更なる脱気のためにも利用した。押出の後にポリマーを冷却し、顆粒化した。
【0107】
本発明による実施例
処理手順は前記比較例と同様であるが、押出の後にポリマーを冷却及び造粒せずに、ストランド式脱気装置中に移した。
【0108】
ストランド式脱気装置は、それぞれ5mmの直径を有する7つの穴を有し、前記の穴から1.6mの長さにわたるストランドが形成され、引き続き溶融液溜まり中に一緒にまとめられ、前記ストランド式脱気装置から搬出された。このストランド式脱気装置は185℃の温度で運転され、圧力は30mbarであり、滞留時間は30secであった。
【0109】
前記ストランド式脱気装置からの搬出の後に、ポリマーを冷却し、顆粒化した。
【0110】
この顆粒に関して、残留ホルムアルデヒド含有量はスルフィット法により測定した:
250mlのすり合わせエルレンマイヤー中で脱塩水70mlを装入し、調査すべき試料50mlを計量供給した。その後で、前記エルレンマイヤーにきれいな還流冷却器を取り付け、予熱した磁気撹拌機で撹拌しながら急速に沸騰するまで加熱した。50分後に迅速に冷却し、Metrohm-Titroprozessor 682でユーザー法1及び2でホルムアルデヒド含有量を測定した。
【0111】
n/10苛性ソーダ(5ml)及びn/10硫酸を用いて正確にpH9.4に調節し、亜硫酸ナトリウム溶液5mlを添加し、短い反応時間の後にn/10硫酸でpH9.4に戻した。
【0112】
残留ホルムアルデヒドの計算は、質量FA[mg]=消量(H2SO4)×2×濃度(H2SO4)×質量(ホルムアルデヒド)
FA含有率[%]=質量FA[mg]秤量[g、POM顆粒]×(1000000/1000)
(亜硫酸ナトリウム溶液=Na2SO3 136g+脱塩水1000g)
FA=ホルムアルデヒド。
【0113】
この測定結果は次の表に記載されている。
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
脱気工程をストランド式脱気装置中で実施することを特徴とする、ポリオキシメチレンから反応されない残留モノマーを除去する方法。
【請求項2】
ストランド式脱気装置中の圧力は0.1〜250mbarであることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
ストランド式脱気装置中に進入する際の溶融物の温度は155〜270℃であることを特徴とする、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
滞留時間は2秒〜60分であることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
a) ポリマーを10〜100barの圧力で165〜270℃の温度にし、その際に溶融物を生じさせ、
b) 前記溶融物を1mbar〜9barの圧力で160〜240℃の温度で、少なくとも1つの脱気装置中で脱気し、かつ
c) その後でストランド式脱気装置で更に残留モノマーを除去する
ことを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
工程a)において、圧力は15〜60barであり、温度は170〜240℃であることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
工程b)において、圧力は5mbar〜8barであり、温度は168〜220℃であることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
工程b)における脱気は少なくとも二工程で行うことを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
二工程の脱気b)において、第1の工程で圧力は2〜18barであり、温度は160〜240℃であり、第2の工程で圧力は1mbar〜1barであり、温度は160〜240℃であることを特徴とする、請求項8記載の方法。
【請求項10】
工程b)において、脱気装置として脱気ポット又は脱気押出機を使用することを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
ポリオキシメチレンホモポリマー又はポリオキシメチレンコポリマーの製造方法において、まずモノマー装置中で適当なモノマーを製造するか又は貯蔵し、次いで前記モノマーを重合反応器中で前記ポリマーに重合させ、前記重合の間又は前記重合の後に前記ポリマー中に含まれる残留モノマーを、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法により除去することを特徴とする、ポリオキシメチレンホモポリマー又はポリオキシメチレンコポリマーの製造方法。
【請求項12】
除去された残留モノマーを重合反応器中に又はモノマー装置中に返送することを特徴とする、請求項11記載の方法。
【請求項13】
請求項11又は12記載の方法により得られた、ポリオキシメチレンホモポリマー又はポリオキシメチレンコポリマー。

【公表番号】特表2008−533264(P2008−533264A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−501299(P2008−501299)
【出願日】平成18年3月15日(2006.3.15)
【国際出願番号】PCT/EP2006/060749
【国際公開番号】WO2006/097486
【国際公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】